財政金融委員会

2018-03-22 参議院 全292発言

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会議録情報#0
平成三十年三月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     中西 祐介君     青山 繁晴君
     川合 孝典君     礒崎 哲史君
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     中西 祐介君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 岳君
    理 事
                中西 祐介君
                羽生田 俊君
                古川 俊治君
                三木  亨君
                古賀 之士君
    委 員
                愛知 治郎君
                青山 繁晴君
                大家 敏志君
                徳茂 雅之君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
                礒崎 哲史君
                大塚 耕平君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                辰巳孝太郎君
                藤巻 健史君
                風間 直樹君
                中山 恭子君
                藤末 健三君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   越智 隆雄君
       財務副大臣   うえの賢一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       人事院事務総局
       総括審議官    松尾恵美子君
       人事院事務総局
       職員福祉局次長  中山 隆志君
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   佐々木清隆君
       金融庁検査局長  三井 秀範君
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       巻口 英司君
       財務大臣官房長  矢野 康治君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省理財局長  太田  充君
       国税庁次長    藤井 健志君
       文部科学大臣官
       房審議官     信濃 正範君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       経済産業大臣官
       房審議官     木村  聡君
       経済産業大臣官
       房審議官     及川  洋君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      青木 由行君
       国土交通省航空
       局次長      和田 浩一君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     岡村  肇君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房審議官     宮川 尚博君
   参考人
       日本銀行副総裁  若田部昌澄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○理事補欠選任の件
    ─────────────
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長谷川岳#1
○委員長(長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、辰巳孝太郎君、川合孝典君及び中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君、礒崎哲史君及び青山繁晴君が選任されました。
    ─────────────
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長谷川岳#2
○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長谷川岳#3
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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長谷川岳#4
○委員長(長谷川岳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁若田部昌澄君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長谷川岳#5
○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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長谷川岳#6
○委員長(長谷川岳君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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徳茂雅之#7
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之です。
 本日は質問の機会を頂戴し、長谷川委員長を始め理事の皆様には厚く感謝申し上げます。
 所得税法の改正につきましては、昨年もこの委員会におきまして質問をさせていただきました。二度目になります。本日は時間をかなり頂戴しましたので、まず、改正内容の主要部分につきまして財務省に質問させていただきます。その後、時間がありましたら、当面の金融行政につきまして、とりわけ昨年の通常国会以降いろいろな動きがありますので、金融庁にお尋ねしたい、このように思います。
 まず、二十日、地球の裏側ブエノスアイレスではG20が閉幕いたしました。資源が乏しい我が国におきましては、自由貿易を維持することは極めて重要であります。保護貿易主義が台頭する中で、更なる対話と行動が必要という共同声明を採択し、自由貿易を維持する流れができたのは良かった、このように思っております。
 さらに、今回、仮想通貨についても初めて協議されたということであります。我が国は、世界に先駆けて仮想通貨交換業につきまして法律で位置付けをしました。さらに、ビットコインも含めてその取引高は世界のトップクラスということであります。
 また、我が国は、四年前にマウントゴックス社の破綻、それから最近におきましてはコインチェック社の仮想通貨の流出問題ということで、いろんな面で負の側面も経験してきています。今回の仮想通貨に関する国際的な対応の流れを今回リードできる、そういうポジションにあったと思います。惜しむらくは、麻生大臣、本来であればG20に御出席されて、まさにいろんな人脈を使って日本の国益をしっかりとG20の中で主張いただけたと思います。その部分については残念であります。
 先日、三月十一日、東日本大震災から七年を迎えました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地の更なる復興を願う限りであります。
 今回の改正案におきましても、被災された酒類製造業者の酒税の特例、これを三年間延長するという措置が盛り込まれております。このような形で、税制におきましても被災地支援についてしっかりと取り組んでいただきたい、このように思う次第であります。
 申すまでもなく、税制改正は国民生活あるいは経済社会に直結するものであります。今回のような改正も含めて、一日たりともその実施が遅れてはいけないものであります。是非とも、本委員会においてもしっかり議論の上、着実に実施できるように期待する限りであります。
 昨年、私は、党の税調あるいは税制の勉強会、いろんな場面に出席をさせていただきました。その際、多くの先輩議員の意見、議論を聞いて、税制というのは本当に過去から長い歴史の中で過去の改正経緯を踏まえて積み上げてきたものだなという印象を受けますとともに、その時代の要請、時々の流れに応じて臨機応変に改正していかなければならない、このようなものだというふうに印象付けられました。税は入るを量りて出るを制する、まさに財政の入口を成す、そういう位置付けであるとともに、さらに税は国家なりということで、国家のあるべき姿あるいは将来を本当に指し示す、そういう役割を果たしていると私は思っております。
 さらに税制は、単に公共サービスの入口、財源という役割だけではなくて、不平等、格差を是正する、まさに所得再分配機能を有しているわけであります。とりわけ、近年、格差社会、あるいは不平等社会ということが社会問題化される中で、水平的公平と垂直的公平、この機能、役割を持つ税制は今まで以上に極めて重要になってきている、このように思っております。
 我が国は、少子高齢化、人口減少という構造的な課題を抱える中で長年にわたるデフレに苦しんできましたけれども、五年前のアベノミクスの成果によりましてようやくデフレと言われる状況を脱して、雇用、企業業績共に着実に前進してまいりました。
 そこで伺います。
 今回の所得税法等の改正につきまして、政府が目指している人づくり革命、生産性革命、さらにはデフレからの脱却、経済再生の観点からどのような位置付けをなされているのか、財務省にお伺いします。
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うえの賢一郎#8
○副大臣(うえの賢一郎君) お答えいたします。
 安倍内閣は、働き方改革、生産性革命、人づくり革命に全力で取り組み、成長と分配の好循環を強化をし、デフレ脱却、力強い経済成長を目指しているところであります。
 こうした点を踏まえ、本法案では、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの観点から、税制面で所要の措置を講じることとしております。
 具体的には、働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする観点からの給与所得控除、公的年金等控除からの基礎控除への振替、デフレ脱却と経済再生に向け、生産性向上のための設備や人材への投資と持続的な賃上げを強力に後押しをする観点からの所得拡大促進税制への改組、中小企業の代替わりを促進する事業承継税制の拡充などを実施をすることとしているところであります。
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徳茂雅之#9
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 それでは、個別の税制改正についてお伺いします。
 まず、個人所得課税について伺います。
 ある民間調査によれば、昨年、我が国の広義のフリーランス、これは一千百万人を超えたということであります。近年、子育てをしながら在宅で仕事を行う女性の方、あるいは個人で起業をされる方、随分増えてきております。高度経済成長期には、夫は終身雇用で正規社員、妻は専業主婦といったような定型的な世帯あるいは働き方から、我が国の働き方も随分変わってきているというふうに思っております。
 さらに、働き方というのは個人の選択であります。個人の選択に対して、税の中立性の観点から税制がバイアスを掛けることのないように見直すことは私は重要だというふうに思います。一方、所得税というのはまさに個人に直結する税制でありますので、急激な見直しは家計に与える影響も極めて大きいというふうに思います。
 そこで、今回、給与所得控除それから公的年金等控除について控除額を一律十万円引き下げる一方、基礎控除について十万円引き上げた理由について、趣旨についてお伺いします。
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星野次彦#10
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 今、まさに委員御指摘がありましたとおり、様々な構造変化が起きている中で、特に近年、働き方の多様化が進展しております。こうした動きを踏まえまして、働き方改革を後押しする観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除や公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に負担調整の比重を移していくことが必要であると考えております。
 こうした観点から、給与所得控除や公的年金等控除を十万円引き下げるとともに、基礎控除を同額引き上げるということを今回の改正に盛り込んでいるわけでございます。これは働き方に左右されない税制に向けた見直しであると位置付けられると考えております。
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徳茂雅之#11
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 さらに今回の改正では、給与所得控除の給与収入の上限、これを一千万円から八百五十万円まで引き下げています。八百五十万円という水準は、一般の給与水準からいけばかなり高いという印象もありますけど、その一方、一般のサラリーマンでいけば、ちょうど、例えば子育てあるいは教育費、住宅ローン、あるいは介護といった支出が増大する世代だろうと、このように思っております。
 そこで、今回上限額を引き下げた際にどのような点に配慮されたのかということについてお伺いします。
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星野次彦#12
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 給与所得控除につきましては、給与所得者の勤務関連経費、主要国の概算控除額と比べて過大となっているということを踏まえまして、上限額を引き下げることといたしております。
 具体的には、現行制度においては給与収入が一千万円を超える場合の給与所得控除額は二百二十万円とされているところでございますが、今回の見直しによりまして、給与収入が八百五十万円を超える場合の給与所得控除額は百九十五万円とすることとしております。
 その際、委員から御指摘がございましたとおり、配慮する必要がございます子育て世帯等に配慮する観点から、給与収入が八百五十万円を超えていても、二十三歳未満の扶養親族がいる者ですとか特別障害者である扶養親族がいる者等につきましては負担増が生じないような措置を講ずることといたしているところでございます。
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徳茂雅之#13
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 さらに、公的年金控除につきましては、他の所得金額が一千万円を超える場合に控除額の上限を設けるということで、これまで年金受給者に対して手厚い仕組みだったものを見直すということにしました。公的年金だけで本当に切り詰めて暮らしている方もいらっしゃる一方で、ほかに高額な所得がありながら公的年金で優遇されている人もいるということは、これは公平の観点からも望ましくないと、このように思います。そういう意味では妥当な改正だというふうに思っております。
 公的年金控除については、更に全世代がその負担、これを分かち合う仕組みとするために、例えば、拠出と給付の両面、二重で控除されているというのは見直し、こういったことも含めて、諸外国の制度を参考にしながら更なる検討が必要でないかというふうに思いますが、お伺いします。
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星野次彦#14
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘になられましたとおり、公的年金の制度をどのように考えるかという、課税の面で考えてまいりますと、昨年、政府税制調査会のレポートにおきまして主要国と比較をしているわけでございますけれども、主要国を見ますと、大別して、拠出・運用段階では非課税、給付段階では課税とする仕組み、いわゆるEET型と、拠出段階では課税、それから運用・給付段階では非課税とする仕組み、いわゆるTEE型が存在しております。我が国は前者、EET型に属しますけれども、手厚い公的年金等控除によりまして給付段階におきましても課税が十分になされていないという指摘がなされておりまして、こういったこともただいま委員からの御指摘とも共通する問題意識かと考えております。
 今般の見直しにおきましては、こうした問題意識も踏まえまして、世代内、世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入以外の所得が一千万円を超える場合には控除額を引き下げるなどの見直しを行うことといたしておりますけれども、今後の公的年金等控除の在り方につきましては、ただいま委員の御指摘も踏まえながら、各国の制度もにらみながら、今般の改正の影響も見極めながら引き続き検討してまいりたいと考えております。
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徳茂雅之#15
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 続いて、事業承継税制についてお伺いします。
 中小企業の事業承継については、経営者の高齢化に伴い、黒字であっても事業の承継が困難なケース、これが増えてきております。中小企業の調査では、二〇二五年に六割以上の経営者の年齢が七十歳を超える、百二十七万社の後継者が決まっていないと言われております。さらに、累計で約六百五十万人の雇用とGDPで約二十二兆円が失われる可能性があるというような調査もございます。一方、中小企業の中には、特に非製造業においては大企業を上回る生産性を上げている企業もたくさんございます。事業承継問題というのは我が国にとりましてもまさに生産性革命、生産性向上のためにも待ったなしの課題であると思います。
 しかしながら、この税制については制度創設から十分な利用がされていないということで、平成二十六年以前、これは年間二百件足らず、二十七年以降も年間五百件程度にとどまっているということでございます。なぜこれまでこれほど利用が少なかったのかということについて、さらに、今回の改正はその問題、課題についてどのような対応にすることになっているのかについて、税制改正の概要を含めてお知らせいただきたいと思います。
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星野次彦#16
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 中小企業経営者の高齢化、急速に進展しております。委員御指摘のとおり、中小企業の事業承継問題、これは生産性革命の観点からもそうでございます。日本経済の屋台骨を揺るがしかねない、まさに待ったなしの課題であると認識をしております。
 他方、現行の事業承継税制は、猶予の対象となる株式に制限がございまして、相続、贈与のときに税の支払が必要であること、それから雇用を平均八割維持するという要件を満たさなかった場合に納税猶予は打ち切られる、そういうリスクがあるといった要因によりまして、必ずしも制度の利用が進んでいなかった面がございます。このため、今回の改正におきまして事業承継税制を抜本的に拡充をすることといたしました。
 具体的には、猶予対象の制限を撤廃することによりまして、承継時の贈与税、相続税の支払負担をゼロとし、また雇用確保要件を弾力化をいたしました。複数名からの承継や最大三名の後継者に対する承継にも対象を拡大したほか、会社の譲渡や解散時に税額を再計算する制度を創設して、将来の税負担に対する不安に対応するなどの特例措置を講ずることといたしました。
 こうした事業承継税制の拡充に加えまして、後継者による新しいチャレンジを応援する補助金など切れ目のない支援を併せて実施することで、中小・小規模事業を次世代にしっかりと引き渡していくという対応をしていきたいと考えております。
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徳茂雅之#17
○徳茂雅之君 説明ありがとうございます。とりわけ、納税猶予割合を一〇〇%にするというのは、何というか、財布のひもの固い財務省にとっては本当に清水の舞台から飛び降りるような大英断だなと私も思っております。是非とも本制度がしっかりと活用されるようにお願いしたいと思います。
 また、経営者の高齢化、なり手不足というのは、我が国の高齢化、人口減少が続く中で、これは一過性の問題じゃないというふうに思っています。今回、本制度は十年の時限というふうにされておりますけれども、その理由についてお伺いします。
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星野次彦#18
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 中小企業の経営者の高齢化が急速に進展し、若返りを抜本的に図る必要がある中で、今般、十年間の贈与、相続に適用される時限措置として事業承継税制の拡充を行っているわけでございます。
 具体的には、今般の改正で導入する事業承継税制の特例を利用するためには、法律の施行後五年間、平成三十五年三月までに金融機関、税理士などの認定支援機関の所見を記載した承継計画を作成し都道府県に提出した上で、十年間、平成三十九年十二月までに贈与、相続を行っていただく必要があるという制度にしております。
 こうした時限措置をとることによりまして経営者の方々が早期の事業承継に取り組むある意味後押しをしていくという、そういうきっかけになることを期待して時限措置ということにしているところでございます。
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徳茂雅之#19
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 先ほど申し上げた利用件数が少ないというのは、先ほど局長から御説明があった雇用要件が厳しかったということもありますけれども、制度の趣旨が必ずしも中小企業の経営者に十分浸透していなかったんじゃないか、このようにも思います。
 先ほど早期に後押しをしていくということでありますけれども、これは中小企業の所管官庁である中小企業庁ともしっかり連携して、他の補助金制度等も併せてしっかりと周知、広報をお願いしたいと、このように思います。
 続きまして、所得拡大促進税制についてお伺いします。
 企業収益が本当に過去最高を記録する中で、それが設備投資あるいは賃上げにつながっていないんじゃないか、人材投資につながっていないんじゃないかというような疑問があります。その中で、企業の内部留保は過去最大だということであります。もちろん、企業努力で、経営努力によりまして収益力を高めてきたということもあろうかと思います。個々の企業は将来の景気変動に備えて内部留保を蓄える、これは必ずしも否定されるべきものではありません。しかしながら、今の企業収益の回復は、五年間のアベノミクスの成果、あるいは円安傾向によりまして特に輸出型産業については利益が積み上がってきたという外生的な要因、これも否定できないと、このように思います。
 人口減少が進む我が国において、生産性革命に向けた人材投資と設備投資、これは成長と分配の好循環をつくり出す、さらには、デフレからの脱却、経済再生を図る観点からも極めて重要であります。いろんな面で税制の措置も講じられてきたわけであります。
 とりわけ今回の所得拡大促進税制については、数次にわたり改正もされてきております。利用する側からも使い勝手の良い制度になってきております。租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書という電話帳みたいな分厚い報告書ありますけれども、これによりますと、平成二十八年度は十万件近くの利用ということで、制度創設時よりも十倍近く上ってきているということであります。
 これまで、所得拡大促進税制、具体的にどのような利用実績があり、さらに賃上げ効果についてはどのような効果があったのか、今回の制度の改組についての狙いをお伺いします。
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星野次彦#20
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 所得拡大促進税制でございます。適用実績につきましては、直近二十八年度、委員から御指摘ございましたとおり、適用件数九万九千百三十四件、適用金額三千百八十四億円となっているところでございます。この適用金額の三千百八十四億円、制度上、税額控除率一〇%でございますので、これで割り戻しますと適用対象賃上げ額が三兆円を超える金額であるということが出てくるわけでございます。これは、二十四年度から二十八年度の雇用者報酬増加額、約十六兆から十七兆程度でございますけれども、これの約二割に相当する金額でございまして、一定の効果があったものと考えているところでございます。
 また、賃金引上げは、もちろん税制のみならず企業収益、雇用情勢に影響を受けるものでございますので、税制の効果だけを取り出して経営者の賃金引上げ判断への影響を測ることはなかなか難しいのでございますけれども、近年、四年連続で二%程度の賃上げを達成しておりまして、本税制もその一助となったものと考えているところでございます。
 平成三十年度税制改正の見直しは、持続的な賃金引上げや生産性向上のための設備投資を強力に後押しする観点から、賃金の引上げにつきましては、平成二十四年度に比べて一定以上増加という要件に代えまして、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げることと、生産性の維持向上のため減価償却費総額の九〇%以上の国内設備投資を行うことを要件に税額控除が受けられることといたしております。
 このように、今般の改正は、これまでの賃金引上げ実績のいかんにかかわらず、これから賃金引上げをしっかりと行おうとする企業を広くサポートする制度としているところでございまして、企業における賃金引上げ、生産性向上のための設備投資が一層進むことを期待しているところでございます。
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徳茂雅之#21
○徳茂雅之君 ありがとうございます。これまでの所得拡大促進税制、賃上げに対していろんな面で効果が高かったと思います。今回、中身を変えるということでありますので、更なる効果を期待したいというふうに思います。
 その中で、中小企業、これ我が国の企業数の九九・七%、就業者数でも七割を占める、さらに収益も大企業よりも高いというようなところもありますけれども、一方では経営がかなり弱くなっているところもございます。今回の所得拡大促進税制について、仮に中小企業が使い勝手が悪い、あるいは使いにくいような仕組みになっていますと、その効果は大企業などの一部の企業にとどまってしまうんじゃないかと、このようにも思います。
 そこで、今回の改正につきまして、とりわけ中小企業についてどのような配慮がなされているのかということについてお伺いします。
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星野次彦#22
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 経済の好循環の確立のためには、生産性の向上による持続的な賃金アップが不可欠でございます。その実現に当たりましては、委員御指摘になられましたとおり、中小企業の占める大きさ、この重要性に鑑みますと、中小企業の賃金アップ、これも強力に後押ししていくことが必要だと考えております。
 このため、今般の所得拡大促進税制の見直しにおきましては、先ほど申し上げた、これは大企業に対する要件でございますが、これにつきまして、中小企業については要件の緩和を行っております。具体的には、前年度から一・五%以上の賃金の引上げで足りることといたしまして、また設備投資の要件を設けないということで一定の配慮を行っているところでございます。さらに、前年度から二・五%以上とより十分な賃金引上げを行い、かつリカレント教育などの人材投資等にしっかり取り組む中小企業につきましては、大企業に比べて高い税額控除率を設定するなど、強力な支援をすることといたしているところでございます。
 こうした改正を受けまして、中小企業における賃金引上げ、生産性向上のための設備投資が一層進むことを期待しているところでございます。
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徳茂雅之#23
○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非とも、中小企業も含めて今回のそのメリットが及ぶようにお願いしたいと思います。
 今回の改正は、中小企業について、今局長がおっしゃったようにハードルを引き下げているということがありますが、一方、大企業に対しては、一定の条件の下で租特の適用は外すということで、極めてバランスの取れた内容になっております。どうか賃上げと投資拡大につながるような運用をお願いしたいと思います。
 続いて、たばこ税についてお伺いします。
 私、たばこを吸いませんので、紙巻きたばこと加熱式たばこの違いが必ずしも実感できないわけでありますけれども、最近、近年、とりわけ加熱式たばこが急激に増えてきているということであります。
 たばこの販売については、平成八年が三千五百億本ということで最近のピークでありました。平成二十八年度はその半分の約千七百億本ということで半減してきております。一方、税収はといえば、約二兆円強でほとんど変わってないということで、ある意味漸次ずっとたばこの税率を引き上げてきたということで税収を補ってきたんだろうと、このように思っています。
 たばこ税というのは、まさに財政物資、財源ということで、とりわけ地方税、地方にとっては重要な財源でもあります。たばこ税の見直しについて、税収確保の観点からも、今回の税率格差を是正するためにどのような点に配慮されたのかということについてお伺いしたいと思います。
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星野次彦#24
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 税率格差の是正という点からまず申し上げます。
 今般、加熱式たばこについて、紙巻きたばことの税率格差の是正のための改正を行っております。これは、加熱式たばこにつきましては、紙巻きたばこと比べて税負担が低いこと、また、加熱式たばこの製品間で税負担が大きく異なるといった課税の公平性の課題があるほか、紙巻きたばことの代替性が高く、足下の販売量は急速に増加している状況にございまして、財政面からも早急な対応が必要であると考えているところでございます。
 このため、今回の見直しでは、加熱式たばこの製品特性を踏まえまして、課税区分を新設した上で、重量の計算方法の見直し、価格に応じた換算方法を導入することで課税方式の適正化を図り、税負担の公平性を確保することといたしております。
 その上で、加熱式たばこにつきましては、企業の開発努力によって新たに生まれた商品でもございますし、市場はいまだ成長途上にあることも踏まえまして、新課税方式への移行は五回に分けて段階的に実施するということにしているところでございます。
 また、紙巻きたばこにつきましては、最近の財政状況も踏まえまして引上げを図っているところでございますけれども、これにつきましても、消費者等への影響、また税収確保の観点から、三回に分けて引上げを行うということを行っているわけでございまして、全体として税収確保についての配慮をしているというところでございます。
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徳茂雅之#25
○徳茂雅之君 ありがとうございます。
 以上で所得税法についての概要、主要な部分について、とりわけ内国税についての改正点についてお伺いしました。
 それぞれの改正のポイントについて、平年度ベースでどのぐらいの増減収になるのかということについてお伺いしたいと思います。
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星野次彦#26
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 三十年度税制改正による平年度の改正増減収、国、地方合わせてでございますけれども、個人所得課税の見直しによりまして八百六十二億円の増収、事業承継税制の拡充によりまして七百十億円の減収、たばこ税の見直しにより二千三百六十億円の増収、国際観光旅客税の創設により四百三十億円の増収、固定資産税の特例の創設により百十億円の減収などを見込んでおりまして、今回の税制改正全体では、最終的に、国、地方合わせて二千六百億円程度の税収増となる見込みでございます。
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徳茂雅之#27
○徳茂雅之君 今御説明いただいたとおり、今回の改正につきましては、どちらかといえば個人に係る税収について増税なのかなというふうにも思えます。そういう面では、個人納税者の理解をしっかり得る必要があるんだろうと、このように考えております。そのためには、とりわけ歳出面での不断の見直しが大切であります。歳出改革については、経済再生なくして財政健全化なしという掛け声の下で、経済・財政計画の改革工程表、これについて取り組んでおられるというふうに思っています。
 来年度でその集中改革期間も終わるということでありますが、最近、財政改革というんですか、この部分について余り議論されるケースが多くないんじゃないかなというふうにも思います。来年度予算について、どのように、とりわけ歳出削減努力を行っているのかということについてお伺いしたいと思います。
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うえの賢一郎#28
○副大臣(うえの賢一郎君) 安倍政権におきましては、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字の半減目標を達成した後、経済・財政再生計画の下、三年間の集中改革期間を設定し、一般歳出の目安を設け、各歳出分野における改革の具体的な中身や期限を盛り込んだ改革工程表を定め、徹底した歳出改革を行ってまいりました。
 この集中改革期間の最終年度に当たります来年度予算におきましても、薬価制度、これの抜本改革などを通じた歳出削減努力を積み重ねることによりまして、社会保障関係費の目安を三年連続で達成をしているところであります。
 また、社会保障以外の一般歳出につきまして、観光予算や科学技術振興費を伸ばし、給付型奨学金の拡充などを図る一方で、PPP、PFIの推進等を通じた公共事業予算の重点化、効率化、防衛装備品の原価の精査等を通じた防衛関係経費の効率化などを行うことによりまして歳出規模をおおむね横ばいといたしまして、一般歳出の目安も三年連続で達成をしているところです。
 引き続き、こうした歳出改革の取組を着実に進めることが重要だと考えておりまして、プライマリーバランス黒字化の達成に向け、具体的かつ実効性の高い財政健全化計画を今年の夏の骨太の方針においてお示しをしてまいりたいと考えています。
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徳茂雅之#29
○徳茂雅之君 ありがとうございます。先ほど申し上げました、入るを量りて出るを制する、まさに財政の要でありますので、しっかりした取組をお願いしたい、このように思います。
 通告していた質問が時間の関係上、続いて金融行政についてお伺いしたい、このように思います。
 組織は戦略に従うとよく言われます。民間企業におきましては、それぞれの環境に応じて内部組織を切り出して子会社化をする、あるいは持ち株会社化するというふうなことで組織を見直すことはよくあります。
 一方で、行政組織というのはどうしても硬直的になりがちでありますが、むしろ時代を先取りして先手を打って行政組織を変えていくこと、これも重要だろうと、このように思います。とりわけ金融の分野というのは、バブル崩壊後、不良債権処理問題、長年のデフレ、低金利という中で、どちらかといえば金融機関は守りの経営に徹してきたんだろうというふうに思いますが、近年ではフィンテックの伸長ということで業界構造も本当に変わろうとしております。
 金融庁におきましても、こういった動きに合わせて本年七月から組織改正を行うというふうに聞いておりますけれども、今回どのような目的で組織の改正を行い、さらにどのような体制になるのか、お伺いしたいというふうに思います。
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