厚生労働委員会

2019-05-28 参議院 全244発言

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会議録情報#0
令和元年五月二十八日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     高瀬 弘美君     河野 義博君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     豊田 俊郎君
     河野 義博君     三浦 信祐君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     木村 義雄君
     藤井 基之君     徳茂 雅之君
     三浦 信祐君     河野 義博君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                川合 孝典君
                山本 香苗君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                徳茂 雅之君
                豊田 俊郎君
                中川 雅治君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                福島みずほ君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                河野 義博君
                三浦 信祐君
                宮崎  勝君
                東   徹君
                倉林 明子君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
       厚生労働副大臣  高階恵美子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       上野 宏史君
       厚生労働大臣政
       務官       新谷 正義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房日本経
       済再生総合事務
       局次長      佐藤 正之君
       内閣官房働き方
       改革実現推進室
       室長代行補
       兼厚生労働省政
       策統括官     藤澤 勝博君
       総務大臣官房審
       議官       横山  均君
       出入国在留管理
       庁出入国管理部
       長        石岡 邦章君
       文部科学大臣官
       房審議官     矢野 和彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     玉上  晃君
       厚生労働大臣官
       房長       定塚由美子君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宮嵜 雅則君
       厚生労働大臣官
       房審議官     佐原 康之君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宇都宮 啓君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省労働
       基準局長     坂口  卓君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  小林 洋司君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    浜谷 浩樹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
       厚生労働省人材
       開発統括官    吉本 明子君
       経済産業大臣官
       房審議官     成田 達治君
       特許庁総務部長  米村  猛君
       国土交通大臣官
       房審議官     鈴木英二郎君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○女性の職業生活における活躍の推進に関する法
 律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (臓器移植に関する件)
 (戦没者の遺骨収集事業に関する件)
 (がん対策の推進に関する件)
 (各府省における障害者の就労状況に関する件
 )
 (副業・兼業を行う者の労務管理の在り方に関
 する件)
 (介護職における職業紹介事業の実態に関する
 件)
 (病院勤務の歯科医師の働き方に関する件)
 (薬剤師の需給調整の必要性に関する件)
 (サービス付き高齢者向け住宅の在り方に関す
 る件)
 (仮放免中の外国人の医療費負担問題に関する
 件)
 (不妊治療と就労の両立支援に関する件)
    ─────────────
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石田昌宏#1
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高瀬弘美君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君及び豊田俊郎君が選任されました。
    ─────────────
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石田昌宏#2
○委員長(石田昌宏君) 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
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倉林明子#3
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案の反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、ハラスメント行為を禁止する規定がないことです。
 パワーハラスメントについて防止措置が新設されましたが、その定義は極めて限定的であり、かつ、その内容は、事業主に対する防止措置義務や行政ADRの対象であるなど、セクハラ、マタハラと同様の規定ぶりであり、防止に実効性がないからです。
 第二に、被害者救済のための実効ある機関がなく、企業への制裁措置にも実効性がないことです。
 多くの被害者が、被害後の適切な対応はおろか、謝罪さえ受けることなく、心身に不調を来し、退職、休職に追い込まれています。政府から独立した救済機関の設置は急務です。
 第三に、第三者からのハラスメント規制がないことです。
 ハラスメントはあらゆる場面で発生します。行為者の範囲は、職場内に限らず、顧客、ユーザー、一般の人々など、国際基準並みに広く定義し、第三者からのハラスメントについても規制すべきです。
 第四に、男女の賃金格差の公表を義務付けないことです。
 男女の賃金格差は、女性の勤続年数の短さや昇格、昇給の遅れの結果として発生することから、男女間格差の重要な指針になります。男女平等を実現するためには、男女の賃金格差を把握、公表し、格差是正に取り組むことが必要です。
 ハラスメントは、その人の尊厳、人格を傷つける人権侵害行為です。セクハラについて防止措置が義務化されてから十三年、セクハラは増え続けています。ハラスメントが許されない行為であることを社会的に周知徹底するため、被害者を救済するため、そしてジェンダー平等を実現するためにも、ILO条約並みの定義を法律にはっきりと定義し禁止する法整備こそが必要です。
 ジェンダーの視点に基づく、ハラスメントを包括的に禁止する法整備が早急に必要であることを強く指摘いたしまして、反対討論といたします。
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石田昌宏#4
○委員長(石田昌宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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石田昌宏#5
○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、川合孝典君から発言を求められておりますので、これを許します。川合孝典君。
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川合孝典#6
○川合孝典君 私は、ただいま可決されました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、一般事業主行動計画の策定等や情報公表の義務の対象拡大に当たっては、新たにその対象となる常用雇用者百一人以上三百人以下の中小事業主に対し、行動計画の策定支援、セミナー・コンサルティングの実施等、支援策を講ずること。また、その効果を具体的に検証しつつ、将来的な全事業主への適用拡大についても引き続き検討を進めること。
 二、雇用の分野における男女平等の実現に向けては、事業主行動計画の策定や情報公表を全ての企業を対象とした恒常的な制度とするよう、男女雇用機会均等法の改正も視野に入れて検討すること。また、女性活躍施策やハラスメント対策など、本法が推進しようとする各種施策の実効性を確保する観点から、指針等の策定に当たっては、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者の参加・参画を促す方策について検討を行うこと。
 三、事業主の情報公表項目については、女性にとってより働きやすい就職先を求める女性求職者の選択肢を広げる観点から、「セクシュアルハラスメント等対策の整備状況」、男女間格差の結果指標の一つである「男女間の賃金の差異」を加えることについて、「男女間の賃金の差異」を状況把握の基礎項目に加えることも含め、労働政策審議会で検討すること。
 四、求職者の職業選択に資するため、平均残業時間や有給休暇取得率の情報公表を雇用管理区分ごとに行うことについて、労働政策審議会で検討すること。
 五、特例認定制度の認定基準を定めるに当たっては、管理職に占める女性労働者の割合について全産業で統一化された基準を設ける等、真に女性が活躍している職場が認定されるように検討すること。また、特例認定後においても、認定時の一般事業主行動計画に定められた水準を維持・向上させることを認定事業者に促すとともに、制度の趣旨にそぐわない事態が生じた場合には、速やかにその認定を取り消すこと。
 六、二〇二〇年までに指導的地位に占める女性割合三〇%の目標の達成に向けて、女性活躍推進の取組が進むよう、事業主に対する支援を強化するとともに、女性活躍推進法及び厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」を求職者を中心に国民に幅広く周知すること。
 七、特に中小企業を対象とする女性活躍推進の取組を進めるに当たっては、中小企業における女性活躍推進の取組への需要を喚起するとともに、中小企業の動向を見つつ、女性活躍推進を支援する体制の強化及び拡充を図ること。
 八、ハラスメントの根絶に向けて、損害賠償請求の根拠となり得るハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要性について検討すること。
 九、パワーハラスメント防止対策に係る指針の策定に当たり、包括的に行為類型を明記する等、職場におけるあらゆるハラスメントに対応できるよう検討するとともに、次の事項を明記すること。
  1 パワーハラスメントの判断に際しては、「平均的な労働者の感じ方」を基準としつつ、「労働者の主観」にも配慮すること。
  2 自社の労働者が取引先、顧客等の第三者から受けたハラスメント及び自社の労働者が取引先、就職活動中の学生等に対して行ったハラスメントも雇用管理上の配慮が求められること。
  3 職場におけるあらゆる差別をなくすため、性的指向・性自認に関するハラスメント及び性的指向・性自認の望まぬ暴露であるいわゆるアウティングも雇用管理上の措置の対象になり得ること、そのためアウティングを念頭においたプライバシー保護を講ずること。
 十、事業主に対し、パワーハラスメントの予防・防止等のための措置を義務付けるに当たっては、職場のパワーハラスメントの具体的な定義等を示す指針を策定し、周知徹底に努めること。
 十一、パワーハラスメントの予防・防止等のための措置の周知に当たっては、同僚や部下からのハラスメント行為も対象であること、相手に関係なく決して加害者になってはいけないことなどについて理解促進を図ること。
 十二、近年、従業員等に対する悪質クレーム等により就業環境が害される事案が多く発生していることに鑑み、悪質クレームを始めとした顧客からの迷惑行為等に関する実態も踏まえ、その防止に向けた必要な措置を講ずること。また、訪問介護、訪問看護等の介護現場や医療現場におけるハラスメントについても、その対応策について具体的に検討すること。
 十三、セクシュアルハラスメントについて、他社の事業主から事実確認等の協力を求められた場合に、事業主が確実かつ誠実に対応するよう、必要な措置を検討すること。
 十四、セクシュアルハラスメント等の防止措置の実施状況、被害者の救済状況、ハラスメントが起こりやすい業種、業態、職務等について官民問わず実態調査を行い、その結果に基づいて、効果的な防止対策を速やかに検討すること。その際、ハラスメントの被害を訴えたことで周囲から誹謗中傷されるいわゆる二次被害に対しても必要な対策を検討すること。
 十五、フリーランス、就職活動中の学生、教育実習生等に対するハラスメントを防止するため、男女雇用機会均等法等に基づく指針等で必要な対策を講ずること。その際、都道府県労働局に設置された総合労働相談コーナー、ハローワークにおける相談の状況を分析した上で、効果的な対策となるよう留意すること。
 十六、男女雇用機会均等法等の紛争解決援助の適用除外となっている公務員等を含めたハラスメント被害の救済状況を調査し、実効性ある救済手段の在り方について検討すること。
 十七、紛争調整委員会の求めに応じて出頭し、意見聴取に応じた者に対し、事業主が不利益取扱いを行ってはならないことを明確化するため、必要な措置を検討すること。
 十八、セクシュアルハラスメント防止や新たなパワーハラスメント防止等についての事業主の措置義務が十分に履行されるよう、指導を徹底すること。その際、都道府県労働局の雇用環境・均等部局による監視指導の強化、相談対応、周知活動等の充実に向けて、増員も含めた体制整備を図ること。その上で、なお指導に従わない場合の企業名公表の効果的な運用方法について検討を行うこと。
 十九、国内外におけるあらゆるハラスメントの根絶に向けて、第百八回ILO総会において仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約・勧告が採択されるよう支持するとともに、条約成立後は批准に向けて検討を行うこと。
 二十、セクシュアルハラスメント等の防止対策の一層の充実強化を求める意見が多くあることから、第百八回ILO総会等の動向も踏まえつつ、更なる制度改正に向けて、本法附則のいわゆる検討規定における施行後五年を待たずに施行状況を把握し、必要に応じて検討を開始すること。
 二十一、第三者からのハラスメント及び第三者に対するハラスメントに関わる対策の在り方について、検討を行うこと。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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石田昌宏#7
○委員長(石田昌宏君) ただいま川合君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
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石田昌宏#8
○委員長(石田昌宏君) 全会一致と認めます。よって、川合君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、根本厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。根本厚生労働大臣。
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根本匠#9
○国務大臣(根本匠君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
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石田昌宏#10
○委員長(石田昌宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石田昌宏#11
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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石田昌宏#12
○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官佐原康之君外二十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石田昌宏#13
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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石田昌宏#14
○委員長(石田昌宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 臓器移植に関する件及び戦没者の遺骨収集事業に関する件につきまして、根本厚生労働大臣から報告を聴取いたします。根本厚生労働大臣。
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根本匠#15
○国務大臣(根本匠君) 最初に、臓器の移植に関する法律に関する附帯決議に基づき、臓器移植の実施状況等について報告をいたします。
 臓器の移植に関する法律は、平成九年に施行されてから今年で二十二年を迎えます。また、臓器提供における本人同意の扱いについて、平成二十二年に改正法に基づく新制度が施行されてから九年が経過します。この間、善意により臓器を提供された多くの方々、また、様々な立場から移植医療の普及に取り組んでこられた関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 まず、臓器移植の実施状況について報告します。
 平成三十一年三月末現在の移植希望登録者数及び平成三十年度の移植実施数は、配付の報告書のとおりです。
 平成九年の法施行から平成三十一年三月末までの間に、法に基づき五百八十八名の方が脳死と判定され、臓器を提供されています。このうち、改正法が全面施行された平成二十二年七月十七日から平成三十一年三月末までの間に臓器を提供された方は五百二名です。また、このうち、改正法により可能となった、本人の書面による意思表示がなく、家族の書面による承諾に基づいて行われる臓器提供は三百九十四名であり、さらに、このうち十五歳未満の小児からの臓器提供は二十七名となっています。
 脳死下での臓器提供を実施することができる施設や移植を実施することができる施設については、報告書に記載しているとおりです。いずれも着実に整備が進められています。
 次に、移植結果について申し上げます。
 平成九年の法施行後に実施された移植に関する生存率と生着率は配付の報告書のとおりですが、国際的に見ても良好な結果を残すことができていると考えています。
 厚生労働省では、今後とも、公益社団法人日本臓器移植ネットワークとともに、臓器移植に関する知識の普及や、臓器提供に関する意思表示を行っていただくための啓発を進めます。また、臓器提供施設の体制整備等のための支援や、脳死判定等が適切に行われたかどうかの検証作業も継続してまいります。
 今後とも、臓器移植が法令等に基づき適正に行われるよう努めてまいりますので、委員の皆様には御理解を賜りますようお願いいたします。
 続いて、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に関する附帯決議に基づき、戦没者の遺骨収集事業の実施状況等について報告します。
 厚生労働省では、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律に基づき、国の責務として、可能な限り多くの御遺骨を収容し、御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くしております。
 まず、戦没者の遺骨収集に関する活動を実施する指定法人の事業計画の策定及び指導監督等について報告します。
 厚生労働省は、平成三十年度も、指定法人である一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会と委託契約を締結しており、指定法人は、事業計画に基づき活動を実施しました。指導監督の状況等については、配付の報告書のとおりです。
 次に、戦没者の遺骨収集に必要な情報の収集及び遺骨収集の実績について報告します。
 平成三十年度は、平成二十九年度までに各国の国立公文書館等における資料調査で取得した情報の精査及び分析を行いました。
 これらの資料調査や現地調査により取得した情報に基づき、平成三十年度は八百三十六柱の御遺骨を収容いたしました。御遺骨については、可能な限りDNA鑑定を実施しており、平成三十年度は五十柱を御遺族へ引き渡しました。
 次に、関係国の政府との協議等について報告します。
 平成三十年度は、外務省と連携し、フィリピン、インドネシア及び米国の各政府との協議等を行いました。フィリピンにおいては、平成三十年五月に署名した覚書に基づき、同年十月に事業を再開したところです。インドネシアにおける遺骨収集事業実施のための国際約束については、平成三十一年三月にインドネシア政府との間で交渉妥結に至りました。また、戦没者の遺骨収集に関する日米の協力関係を促進するための米国政府との協力覚書については、平成三十一年四月に署名に至ったところです。
 次に、関係行政機関との連携協力について報告をいたします。
 遺骨収集を円滑に実施するため、関係国の政府との協議等や硫黄島からの御遺骨の輸送支援等において、外務省及び防衛省に協力をいただいております。
 最後に、遺骨収集事業の今後の在り方に関する検討の状況について報告します。
 令和元年五月に戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議を開催し、遺骨収集事業の今後の在り方等に関する検討を行いました。今後も検討会議を開催することとしております。
 今後とも、法に基づき戦没者の遺骨収集事業を推進してまいりますので、委員の皆様におかれましては御理解を賜りますようお願い申し上げます。
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石田昌宏#16
○委員長(石田昌宏君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 なお、本日、厚生労働省から提出されております両報告書につきましては、これを会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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石田昌宏#17
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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三浦信祐#18
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 まず、質問の機会をいただきまして、また様々御配慮をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 がんは、昭和から平成にかけて死因の第一位であり続けました。今年一月に厚生労働省が初めてがん登録法に基づいて公表した集計結果でも、新たに年間百万人の方ががんと診断をされております。こうした状況を踏まえて、がん対策について質問をいたします。
 がんゲノム医療体制整備が進みつつあり、パネル検査の保険適用の議論が開始していると承知をしております。がんゲノム検査の保険収載は是非実現すべきであり、お願いしたいと思います。一方で、患者さんの視点に立てば、過剰な期待を持たせてしまうことは避けなければなりません。
 今こそ、がんゲノム医療体制について全体的に慎重に確認すべき時期であると私は考えます。がんゲノム医療が適切に進み、国民の皆様が安心して診療を受けることができる取組が必要であると思います。根本大臣、いかがでしょうか。
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根本匠#19
○国務大臣(根本匠君) がんゲノム情報を活用し、個人に最適化されたがん治療等を行うがんゲノム医療については、国民の正しい理解の下で適切に情報管理を行いながら、しっかりと進めていくことが必要だと考えています。
 第三期がん対策推進基本計画のがん医療の充実の一項目にがんゲノム医療を位置付け、様々な対策を進めています。がんゲノム医療提供体制の構築を図るための中核となる拠点病院の整備、ゲノム情報等の集約、管理、利活用の支援を行うがんゲノム情報管理センターを国立がん研究センターに設置、がんゲノム医療等の研究推進などであります。
 また、患者や国民を含めたゲノム医療の推進に係る関係者から構成されるがんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議において、患者への適切な情報提供や患者情報の取扱い、この二点が非常に大事だと思いますが、などについて議論を行っているところであります。
 今後、これらの議論を踏まえながら、必要な方が安心してがんゲノム医療を受けていただくために、引き続きしっかりと取組を進めていきたいと思います。
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三浦信祐#20
○三浦信祐君 是非検討を進めていただいて、皆さんに安心していただける体制をつくっていただきたいと思います。
 がんゲノム医療の進展の一方で、当面のパネル検査の対象が他の治療方法を終えた患者さんであることを考えれば、早期発見がより重要となります。すなわち、がん検診の受診率向上を欠かすことができません。
 これまでもコール・リコール制度等の推進をしておりますけれども、取組の加速が不可欠であります。生活者ががん検診を受けようとするための厚生労働省の取組、今後行おうとしていることは何でしょうか。容易に確実であるがん検診技術、手法の導入を急ぐべきであります。
 加えて、職域での情報収集を含め、更なる検診の改善を図る取組は重要であると思います。是非これらについて取り組んでいただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
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宇都宮啓#21
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、がんの早期発見を進めることが重要でございまして、そのためには、がん検診を受けていただきやすいように取り組むことが必要でございます。このため、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、様々ながん検診に関する施策に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、まず、平成三十一年四月にナッジを活用した国内外の先進事例を分かりやすく紹介しました受診率向上ハンドブックの第二版を作成して、地方自治体等に周知いたしました。また、低侵襲かつ早期発見の診断技術として、リキッドバイオプシーの研究開発の推進をしているところでございます。さらに、職域でのがん検診の実態把握のための研究をしているところでございまして、これらの施策に取り組んでございます。
 厚生労働省としては、こうした取組を進めますとともに、がん検診のあり方に関する検討会での議論も踏まえながら、最新のエビデンスに基づいて不断の見直しを行っているところでございます。
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三浦信祐#22
○三浦信祐君 更に加速をしていただきたいと思います。
 現役世代のがん患者の方々に対して、治療と仕事の両立ができる環境整備を欠かすことはできません。その際に、職場の理解が重要となります。
 昨年、私は、本委員会での働き方改革関連法案審議の際に、がん治療と仕事との両立が可能な社会構築を推進すべき、そして、法案の中で読み取れる文意について質問をさせていただきました。働き方改革推進法が成立をして、がんを含めた治療と仕事の両立支援が含まれております。確実に実行していただきたいと思います。
 今年度から、厚生労働省は、がんに加えて脳卒中を対象に両立支援モデル事業を開始したと承知をしております。様々な病気の特性に応じた就労支援は、少子高齢化、労働生産人口減少社会にあって極めて重要なセーフティーネットとなります。三大疾病の一つ、心疾患への対応も必要であります。厚生労働省にはこれらの疾病について就労支援の充実を図っていただきたいと思います。いかがでしょうか。
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宇都宮啓#23
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 病気になっても自分らしく生き生きと働き、安心して暮らせる社会環境を整備することは重要であると考えてございます。
 厚生労働省といたしましては、第三期がん対策推進基本計画や働き方改革実行計画に基づきまして、まず、がんの仕事と治療の両立支援モデル事業の実施、次に、事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドラインの周知啓発、そして、患者の相談支援及び主治医や企業、産業医との調整支援を行う両立支援コーディネーターの育成、活用などに取り組んでいるところでございます。
 また、昨年十二月に成立いたしました循環器病対策基本法におきましても脳卒中や心疾患等の循環器病患者等の生活の質の維持向上に係る施策が規定されているところでございますが、今年度は、御指摘いただきましたように、脳卒中の分野でもモデル事業を行うこととしているところでございます。
 今後は、例えば心疾患等の循環器病の患者の方々への就労支援等についても取り組むことを検討してまいりたいと考えてございます。
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三浦信祐#24
○三浦信祐君 大変重要な答弁をいただいたと思います。是非検討していただいて、進めていただきたいと思います。
 小児またAYA世代へのがん対策も待ったなしであります。小児がん拠点病院を全国十五か所に整備をし、治療を中心に対策を行っていただいておりますけれども、退院後のより身近な地域での体制整備が欠かせません。具体的にどのような形で、小児またAYA世代のがん対策として、身近な地域での医療、地方自治体を含め、体制整備、支援を推進しようとしているのでしょうか。
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宇都宮啓#25
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 小児、AYA世代のがんは、成長や時間の経過に伴って、がんそのものや薬物療法などの影響によって生じる合併症が見られますため、御指摘のように、退院後も身近な地域でのフォローアップが重要となるところでございます。
 厚生労働省としましては、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、例えば地域の医療機関や地方自治体と連携した専門的な診療を実施できる医療提供体制の整備、あるいは、就学や就労など多様なニーズに応じた情報提供といったものを通じまして、小児、AYA世代のがん患者支援を推進しているところでございます。
 今後とも、小児、AYA世代のがん患者が身近な地域で適切な支援が受けられるよう取り組んでいく所存でございます。
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三浦信祐#26
○三浦信祐君 地方自治体と連携していただくということを御答弁いただいたのは大変重要なことだと思います。基礎自治体が本当に住民に寄り添って仕事ができる体制を、厚生労働省としてもしっかり連携を取っていただいて、進めていただければと思います。
 がん対策の政策、治療体制、医療の充実、環境整備にはがん研究の充実が不可欠であります。がん研究十か年戦略の中間評価を実施したと伺いましたが、このポイントと、評価を受けたことに基づく今後の取組について伺います。
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宇都宮啓#27
○政府参考人(宇都宮啓君) がん研究はがん対策推進の基礎となるものでございまして、極めて重要でございます。これまでも、平成二十六年に策定しましたがん研究十か年戦略に基づきまして研究を推進してまいりました。昨年度、今後のがん研究のあり方に関する有識者会議におきまして有識者の方々に御議論いただき、本年四月にがん研究十か年戦略の中間評価を行ったところでございます。
 その中間評価では、まず、がん研究全体としておおむね順調に進捗しているとされたところでございます。それとともに、今後の方向性としましては、例えばゲノム医療やリキッドバイオプシー等の新たな治療方法の開発などに向けた研究について重点的に取り組むべきといった御提言をいただいたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この中間評価を踏まえ、関係省庁の連携の下、引き続きがん研究を推進してまいりたいと考えているところでございます。
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三浦信祐#28
○三浦信祐君 国民の生命を守っていくという観点で極めて重要ながん研究でありますので、厚生労働省としてもしっかりと支援をしていただきたいと思います。
 がんゲノム医療分野は、診断、治療、創薬等、これから開拓される分野であり、一連の知見について知的財産保護を図ることは国益そのものであります。特許庁、厚生労働省、そしてがんゲノム情報管理センターや専門家も含めて、従前の知財対応を超えて戦略的な知財管理、支援体制、利活用ができるようにすべきとこれまでお願いをさせていただきました。
 その議論の中で、特許庁の調査研究として、ゲノム医療知財戦略を進めていただきました。どのような結果を得ているのでしょうか。
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米村猛#29
○政府参考人(米村猛君) お答えを申し上げます。
 ゲノム医療の進展によりゲノム情報や臨床情報が大規模に集積されることが見込まれており、これを利用した研究開発から生まれる知的財産を適切に保護、活用していくことが必要でございます。
 特許庁では、昨年度、厚生労働省や国立がん研究センターとともに有識者を集めた研究会を開催いたしまして、ゲノム医療分野での知的財産に関する課題の抽出や諸外国の状況などについて調査を行ったところでございます。
 結果でございますけれども、具体的な課題としては大きく三つありまして、集積されたデータを利用した研究開発により生じた知的財産の帰属などのいわゆる知財ポリシーの在り方、それから、データ共有者の範囲をどの範囲とすべきか、これを含みますデータ提供の在り方、それから、患者や医療機関、研究機関へのインセンティブの設計など、ゲノム医療エコシステムをどのように構築すべきかという点が浮き彫りになってきたものと考えております。
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