財政金融委員会

2019-05-23 参議院 全149発言

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会議録情報#0
令和元年五月二十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     長浜 博行君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     元榮太一郎君     山本 順三君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     有村 治子君
     長峯  誠君     山東 昭子君
     松川 るい君     吉田 博美君
     大門実紀史君     辰巳孝太郎君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     愛知 治郎君
     山東 昭子君     長峯  誠君
     吉田 博美君     松川 るい君
     古賀 之士君     大島九州男君
     辰巳孝太郎君     大門実紀史君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     長浜 博行君     藤田 幸久君
     大島九州男君     古賀 之士君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     徳茂 雅之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 健治君
    理 事
                長峯  誠君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                風間 直樹君
                藤巻 健史君
    委 員
                愛知 治郎君
                大家 敏志君
                徳茂 雅之君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤末 健三君
                古川 俊治君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
                宮島 喜文君
                藤田 幸久君
                大塚 耕平君
                古賀 之士君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                中山 恭子君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長尾  敬君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       金融庁企画市場
       局長       三井 秀範君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       法務大臣官房審
       議官       筒井 健夫君
       財務省主計局次
       長        神田 眞人君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       農林水産大臣官
       房審議官     山北 幸泰君
       経済産業大臣官
       房審議官     新居 泰人君
       経済産業大臣官
       房審議官     成田 達治君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    江崎 禎英君
       中小企業庁事業
       環境部長     木村  聡君
   参考人
       日本銀行副総裁  雨宮 正佳君
       日本銀行副総裁  若田部昌澄君
       日本銀行理事   前田 栄治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (景気の現状認識と財政出動の必要性に関する
 件)
 (金融緩和政策の金融機関経営に与える影響に
 関する件)
 (信用保証協会の業務運営に関する件)
 (医工連携事業化推進事業に関する件)
 (日本銀行の財務の健全性に関する件)
 (国債補完供給制度の要件緩和に関する件)
 (所有者不明不動産問題に関する件)
○情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に
 対応するための資金決済に関する法律等の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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中西健治#1
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、難波奨二君及び元榮太一郎君が委員を辞任され、その補欠として山本順三君及び藤田幸久君が選任されました。
    ─────────────
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中西健治#2
○委員長(中西健治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西健治#3
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に長峯誠君を指名いたします。
    ─────────────
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中西健治#4
○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長三井秀範君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西健治#5
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中西健治#6
○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁雨宮正佳君、同副総裁若田部昌澄君及び同理事前田栄治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中西健治#7
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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中西健治#8
○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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西
西田昌司#9
○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。
 まず、麻生大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、先日、GDP速報が発表されまして、非常に私、衝撃を受けたんですね。
 個人消費が減り、それから設備も減り、そして輸出も減りと、肝腎なところは全部減っております。ところが、公共事業などがプラスで押し上げているんですけれども、最後に輸入が大幅に減りまして、結果的にGDPはプラスだという話になっているんですけれども、これはまさに内需そのものがどんどん減っちゃっていると、しかも内需が減っているから輸入も減っちゃったと、こういうことだと思うんですね。これで、要するに輸入というのはそういう内需から引く控除項目ですから、控除項目がマイナスになると、マイナスのマイナスでプラスになったというだけの話で、これは計算式だけの話で、実態は要するに景気がどんどんどんどん縮小していると、そういうふうに考えられるわけであります。
 つまり、インフレ状況ではなくて完全にデフレ状況に陥ってきていると、こういうことだと思うんですが、麻生大臣はまずこれについてどういう御感想をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
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麻生太郎#10
○国務大臣(麻生太郎君) 二十日の日に発表されたGDPの、二〇一九年一—三月のGDPの話をしておられるんだと思いますが、成長率は御存じのように〇・五ということになりまして、年率では二・一%プラスということになったんで、言われますとおり、これ二四半期連続プラスとなったということは事実だと思っております。
 今、結果につきましていろいろあるんだと思いますけれども、これはもう中国の経済というのは減速しつつあるという背景で、いわゆる生産用の機械というのが今止まっておりますし、電子部品とかデバイス等々の財貨の関係する輸出がマイナスとなったということは確かだと思いますけれども、製造業等々、一部それに関連して先送りが見られるといったことから設備投資もマイナスになった、もうおっしゃるとおりなんだと思いますが。
 他方、昨年度の補正予算等の執行等々を背景に、いわゆる公共投資がプラスとなったこと等々によってGDP全体としてはプラスになったというようなことだと思いますが、こういった状況で今言われたような分析も成り立つんだと思いますけれども、雇用とか所得とかそういった面を見ますと、これは間違いなく水準が極めて高い状況で推移しております。企業収益等々が続いておりますので、いわゆる内需というものを支えるファンダメンタルというのは、今から予算も執行されてきますし、今までと同様しっかりしているんだと私どもは考えております。
 今個人消費とか設備投資のマイナスというのは、これは間違いなく、前期の反動減というのは間違いなくあると思っておりますので、そういった意味では内需の増加傾向というのを、私どもとしては崩れているという感じではありませんし、米国等々を見ましても、IMFのあれを見ましても、今年度後半から確実に上がってくるというようにIMFも論評しておりますので、そういったことを考えながら我々としては引き続き内外の経済状況というものをしっかりと注視して、経済運営というのをより一層しっかりしたものにしていかにゃならぬと思っております。
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西
西田昌司#11
○西田昌司君 今の麻生大臣の答弁によりますと、内需は落ちてきているんだが、片一方で雇用等が安定していると、だから引き続きファンダメンタルズはいいんだと、こういう話なんですが、私はそれはとんでもない話だと思いますね。
 つまり、雇用の話も、失業率が低いとかいろいろ言うんですけれども、この間の一番問題は、要するに労働分配率がどんどん下がっているわけですよね。企業の収益はいい。企業の収益はいいけれども労働分配率が下がっているから、その分、国民側に分配されていませんから個人消費は伸びないんですよ。この個人消費が伸びない原因というのは、まさにこの経済の仕組みそのものがバブル以降そういうコストカット型に変わってきているところが最大の問題でありますから、失業率が幾ら低くても、個人消費が伸びなければ、これ先行き全く良くないんですよ。
 しかも、しかもですね、昨日はOECDのまた経済見通しも発表されましたけれども、これは経済は大減速と。中国とアメリカとの貿易戦争、摩擦というよりももう戦争のような感じの対立がありますから、先行きに関しましても、どこを見ても良くなるというのが見えていないわけですね。
 この状況で私は消費税をやるというのは本当にもうとんでもない話であると思います。ですから、今ここで、消費税議論というのはもう一度政府内でもこの経済状況を見て議論をしてもらわなければなりませんし、私は党内でも役員会でもう一度議論すべきだということを言っているわけでありますけれども。
 麻生大臣は、元々経済に関しましても一家言お持ちでありましたし、非常に鋭い洞察力でこの日本を引っ張っていただいたわけですよ。今ここで、今までの、いわゆる財務大臣として、法律上消費税は決まっていますからやらなきゃならないと言うのじゃなくて、一議員として、今までの麻生大臣がずっと経済について持っておられた知見で見れば、この状況で消費税を上げるなんということはあり得ないと私は思いますよ。ですから、そういう今までの知見を踏まえた上で、財務省というその役所の代表という立場ももちろんおありですけれども、そこを含めてこの消費税増税やめるべきだと私は思いますが、いかがでしょう。
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麻生太郎#12
○国務大臣(麻生太郎君) 私、今ここに一個人で呼ばれているわけじゃありませんのでね、そこのところを勘違いせんといて。私、財務大臣としてここに呼ばれていると思いますので。別のことを言うとまた別な面白い話を作られるだけであほらしいので、そういうことを言うつもりはありません。
 今いろんな御意見があっておったという話が、意見があるというのは、何も今に始まった話じゃなくて昔からある話ですから、ずっと、消費税上げる話は、平成元年からずっと同じ話で同じ議論が、ほぼ似たような話がずっと繰り返されておるんだと理解をしております。
 その上で、今、世界経済とかいろんな、全国見ましても、これは、米中の話というのはちょっと今どうなるか予断を許さないというのははっきりしておりますけれども、少なくとも米国というものを中心として緩やかに経済は回復しておりますので、今年度前半はともかく後半はという話は、IMFも、この間のG20の会議でも、いずれも同じことを述べておりますので、緩やかな回復が続けている。
 中国におきましても、今いろいろ長期的には問題かと思いますけれども、中国においても、少なくとも、鉄鋼生産約八億トンというもののうち、世界中ですよ、そのうち中国だけで八億トンというような生産量を持っていて、日本とかインドとかフランスとかアメリカの持っている鉄鋼のあれが全部余っちゃうという話になるんですが、今のところそういった影響がこの数か月出ていない。理由は簡単で、中国でそのものを使っているからですな。少なくとも丸棒だ鉄鋼だというものを中国で国内で消費している。すなわち、中国では財政出動しているということの裏付けだと思いますので、そういった意味で、それは先になったらまた問題になると思いますよ、こういうようなことをやっていると。問題になると思いますが、当面はそういった形になってきておると思いますので。
 私どもとしては、こういったような情勢を考えて、今我々が置かれている状況というのは、少子高齢化という中長期的には最大の日本にとっての問題でもありますので、この問題を解決していくときに、そこに付随しております社会保障関係費の急速な拡大ということはこれは避けて通れない問題なので、これを、勤労世代と言われる世代が減っていく中にあってこういったものを放置しておくわけにはいかぬということで、全世代型の社会保障の構築というのに向けて、今、この社会保障の安定的な財源というものを確保していくためにこの消費税というのはどうしても必要なものだと思っておりますので、今年の十月、予定どおり一〇%に引き上げさせていただきたいと考えておるところであります。
 いわゆるこの引上げにとっていろいろ景気がという話が必ず出てきているところですけれども、五月も後半になってきておりますけれども、少なくとも今、前回のような駆け込み需要が住宅等々で起きているかといえば、どの数字を見てもこれ駆け込み需要が起きている数字は全くありませんので、そういった意味では、私どもとしては、それなりの対策というものが御理解されつつあるのかなというように考えておりますので。
 いずれにいたしましても、中国と米国の話等々、海外の事情というのは十分に考えておかなければならぬところだとは思っておりますけれども、経済運営等々に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
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西
西田昌司#13
○西田昌司君 事実の捉え方が違うとこうなってしまうので、非常に残念であります。この問題はまたいずれ、もう一遍詰めたいと思いますが。
 日銀の副総裁に私お聞きしたいと思うんですけれども、今、財政問題で言われているんですけれども、財務省が言っている財政の問題は基本的に事実認定がまたこれ異なっているんです。そこで、今日はそれを明らかにしたいと思うんですが。
 まず、サラ金ありますね、皆さん方。サラ金というのは、銀行からお金を借りてそれを貸しているわけですね。そういうビジネスモデルになります。ところが、銀行は、皆さん方から集めたお金をそのまま出しているわけじゃないわけなんですね。ここに信用創造というのが出てきます。サラ金とこのいわゆる民間銀行、同じ両方ともものを借りているように見えますけれども、仕組みが違うんですが、そこのところ、副総裁、説明していただけますか。
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雨宮正佳#14
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、金融機関というのは、基本的には貯蓄超過主体から投資超過主体に対して資金の融通を行うというのが仕事でありますので、これについて言いますと、銀行のみならず、ノンバンクですとか株式市場、債券市場で資金仲介する様々な金融機関によって行われておるわけであります。ただし、こうした様々な主体の中で決済性預金口座というものを提供している銀行だけが、その与信行動により、自ら貸出しと預金を同時につくり出すことができるわけであります。
 私が例えばノンバンクに行って金を借りるときには、ノンバンクはどちらかで調達してその金を私に貸してくれるわけですけれども、銀行は私に金を貸すときには、私の預金口座に記帳すると、で、後から預金が発生するという格好になります。これを信用創造と言っておるわけでありますけれども、この点で銀行はノンバンクなど他の金融機関とは異なる機能を持っているというふうに理解しております。
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西
西田昌司#15
○西田昌司君 ということでありますから、要するに中央銀行に決済口座を持っていると信用創造がどんどんできると、こういうことでありますね。
 それで、国債の新規発行も実は中央銀行を通してこれやっていきますから、同じように国債を新規発行して銀行が引き受けると、そして、その調達したお金を政府が財政出動するという形でやった場合、結局は、今言いましたように政府の負債は増えます、国債として。
 ところが、当然のことながら、民間貯蓄が、政府の予算が執行されて政府が出した政府小切手が銀行から取り立てられて日銀に回ってくるわけでありますけれども、当然、民間貯蓄が増えると、こういう理解でいいですね。
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雨宮正佳#16
○参考人(雨宮正佳君) 国債発行による財政支出が預金通貨の創造につながるかどうかは、国債の最終的な消化形態によっても変わってくるわけでありまして、国債が個人や投資家に、最終投資家に消化されれば、それは預金の創造にはつながらないわけでありますけれども、銀行が保有している分について申し上げますと、それは信用創造を通じて預金が増加するという格好になります。
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西
西田昌司#17
○西田昌司君 ですから、今言いましたように、政府が、財務省がずっと言ってきたのは、国債をどんどん出せば借金がどんどん増えちゃって大変だというんですけれども、政府の負債は増えていますが、民間貯蓄がどんどん同時に増えていくんですから、だから、これは全く財務省の説明はおかしいんですよ。
 それで、財務省の説明が正しいとすると、いわゆる個人向け国債、僅かですけれども出ております。個人向け国債は、個人の預貯金が国債と振り替わるわけでありますから、いわゆる信用創造的な形にはならないわけですね。この貯蓄が債券に変わってしまうわけでありますから、この預金がですね。
 ですから、その場合には限度額は個人の貯蓄の額ということになりますけれども、いわゆる銀行が引き受けている新規国債の発行にはそういう個人貯蓄の限度額というものが、民間貯蓄がその発行の限度額とかいうことにはならないと思いますが、副総裁、いかがですか。
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雨宮正佳#18
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げたように、銀行のバランスシートあるいはマクロ経済全体のバランスシートを見ますと、投資には貯蓄が対応し、負債には何らかの金融資産が対応するという事後的な対応関係と申しますか、恒等関係は必ずあるわけであります。
 したがって、御指摘のとおり、金融機関が国債を保有し財政支出が行われれば、それに対応する預金通貨は事後的には同額発生しているわけでありますが、これはあくまで事後的な対応関係でありまして、そのプロセスで例えば政府の財政の持続性とあるいはインフレ懸念というようなものが発生して金利なり為替なり資金の流れがどう変わるかということとは、これはまた別の問題であるというふうに考える必要があるように思っております。
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西
西田昌司#19
○西田昌司君 事後的にとおっしゃるけれども、結局、政府が予算化したら、当然それは消費になったり所得になったりして、結果的には誰かの貯蓄が増えるわけですよね。そうでしょう。だから、事後的にと言うけど、それはいわゆるタイムラグの話でありまして、結果的には同額の、政府の負債と同額の民間貯蓄が増えるということじゃないですか。そうでしょう。
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雨宮正佳#20
○参考人(雨宮正佳君) 御指摘のとおり、投資が発生すればそれに対応する貯蓄が発生するわけでありますが、問題は、銀行であれ、あるいは個人投資家であれ、その発生した貯蓄をどういう金融資産に割り当てるか、何で運用するかというところがポイントになるわけであります。その際、例えば財政の持続可能性に対する信頼ですとか、あるいは将来の経済や物価に対する、変動に対する懸念といったことを背景に、国債に対する需要がどうなるかといったことによって様々な変動が生じるということかというふうに理解してございます。
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西
西田昌司#21
○西田昌司君 答弁、かなりごまかしてしまうんですね、そこでね。単純に、要するに政府が財政出動すれば民間貯蓄が増えるというのは、これはもうどこまでも否定できない事実ですよ。問題の次の財政がどうだとか信認がどうなんとか言っているけれども、そもそも、日銀がすごいことを発明してくれたんですよ。
 要するに、国債をどんどんどんどん出していく、民間ではそんなことをしちゃうと通貨量が増えてインフレになるんじゃないかと、こういう話だったんですよね。まさにそう思ってやったわけです、日銀は。爆買いしたわけですよ、国債の。ところが、現実には通貨量は増えない。要するに、信用創造がどんどんやっていかないと実際の通貨量は増えないわけですよ。だから、思ったとおりのインフレにならなかったと。それよりも、どんどんこのインフレ率を抑えるというか、利子率を抑える技術を発明しちゃったわけですよ、日銀が。要するに、たくさん買って、そしていわゆる短期市場の金利がゼロになっちゃったわけですね、融通する必要なくなっちゃいましたから。長期についても国債のこの率を調整しまして、いわゆるイールドカーブコントロール、長短含めてインフレさせない仕組みをつくっちゃっているわけですよ、つまり。
 要するに、いわゆるハイパーインフレになろうと思っても、あなた方がそういう見事な装置をつくってくれたから、それでコントロールできるんじゃないですか。今、現にコントロールしているんじゃないですか。どうですか。
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雨宮正佳#22
○参考人(雨宮正佳君) 私どもとしては、物価安定目標の実現のために強力な金融緩和措置を講じているわけでございまして、今の段階では、こうした金融緩和がそれぞれの経済主体の前向きな経済活動に結び付いて需要が増加し、需給ギャップ等が改善することを通じて物価安定目標に近づいていくということを目指して金融緩和を続けているわけでございます。
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西
西田昌司#23
○西田昌司君 それで、信用創造で一番大事なのは、要するにお金を何かに使うという需要がなければ借らないということなんですよ。これはもう常識なんですよ。だから、幾ら金利が低くても先行きが見通せなかったら、返済できないと思ったら借らないんです、借らないんです。だから、需要創造ができない。ところが、政府の財政出動は、需要そのものを予算によってつくってしまっているわけですよ。貯蓄を増やすだけじゃなくて、需要そのものを使って増やしている、これが財政出動ですよ。これを財務省がPBバランスなんか言い出したために止めちゃっているんですよ、麻生大臣。
 是非ここを、麻生大臣、元々、どんどんこの需要創造をすべきだという意見だったはずですが、消費税を上げるんだったら、上げてもいい環境をつくるためには、まさに財政出動をどかんとやらなきゃならないと思いますが、いかがですか。
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麻生太郎#24
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃっていることは、決してあながち丸々間違っていますよなんて否定するつもりはありませんよ。私どもを励ますつもりは、一面確かですから。
 しかし、物事はいろいろ多面性がありまして、これを出すことによってどういう評価を日本という国が得るか。例えば、格付の問題にしても何の問題にしても、これは響いてきますから。そういった意味では、全体のことを考えなければならないのであって、確かに政府の借金であって国民の借金じゃないという指摘は正しいですよ、間違いなくそう思いますから。それは事実ですけれども、ただ、現実考えておかにゃいかぬ。だからといって、国がどんどん日銀に肩代わってどんどん借金をしていくといった結果、マーケットにおいてどんな信用、どんな格付、どんな円の位置付け等々、いろんなものを考えにゃいかぬ。波及するところがでかいので、全体としてバランスを見ながらよくやっていかないかぬというのが財政当局の難しいところだと思っています。
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西
西田昌司#25
○西田昌司君 もうこれで終わりますが、財務省のホームページには、自国建ての通貨でやっている国債は絶対破綻、デフォルトしないと格付変更されたときにも堂々と反論されているという事実をここで伝えておきたいと思います。
 終わります。
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藤田幸久#26
○藤田幸久君 立憲民主党の藤田幸久でございます。
 久しぶりで財政金融委員会で質問させていただく、理事、皆さんの御配慮に感謝申し上げます。
 私は、農林水産委員会で農林中金の問題を取り上げてまいりました。と申しますのは、最近、アメリカの経済新聞なんかで、この農林中金に関する記事が多数出ております。例えば、二月十九日のウォール・ストリート・ジャーナルでは、日本の農家の預金がアメリカ企業の財務の健全性と連動していると書いてございます。同じ二十六日付けのこの新聞では、CLO、ローン担保証券の格付と一つの銀行への依存が双子の脅威であるとも書いております。
 一方で、資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますが、農林中金の経常利益は、これはマイナス金利の下、二〇一四年度をピークにして、二〇一七年度には千七百十億円、二〇一八年度は第三・四半期が前年度同期で五割に落ち込んでいます。
 そんな中、農林中金は、昨年、CLOへの投資を三兆円近く増やしております。この件について、農水委員会で私の質問に対して吉川農水大臣は、金融庁とともにCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないように三月に規制強化を行ったということであります。
 麻生大臣は金融担当大臣、吉川大臣と同じような認識、姿勢であるというふうに理解していいのかどうかについてお答えをいただきたいということと、このCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展する可能性は十分にあると考えておられるのか、見解をお答えをいただきたいと思います。
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麻生太郎#27
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるコラテラライズド・ローン・オブリゲーションでしたっけね、たしかCLOのあれだと思いましたけれども、これを農林水産省と連携をいたしながら、農林中央金庫に対して、このCLOへの投資を含めてこれモニタリングを行っているのは当然なことであります。
 金融庁では、本年三月に、金融危機時の反省を踏まえまして、証券化商品市場を通しまして金融市場というものの危機の連鎖を未然に防止する枠組みの一つとして、これはCLOに限りませんけれども、金融商品の証券化商品への投資に関する規制の強化というものを既に行っているところであります。
 お尋ねのこのCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展していくかどうかということに関しては、これは現時点において日本の金融システムは総体として安定をいたしておりますんで、農林中央金庫を含めまして日本の金融機関が保有しておりますCLOというものは高格付のものが主に中心だと承知をいたしております。
 他方で、このCLOの裏付けとなります資産は、御存じのようにこれは格付が低い企業向けのいわゆる貸出金でありまして、景気後退局面というものにおきましては、これは裏付け資産の悪化を通じてCLOというものを保有しております金融機関の損失に与える潜在的なリスクというものについては、これはもう国際的に指摘されているのは御存じのとおりであります。
 こうした中で、システミックリスクに発展する可能性について予断を持ってお答えするということはこれは困難ですけれども、金融庁におきましても、このCLO投資の拡大等々によって金融システム全体の安全性が損なわれるということがないように、これは内外の経済情勢、市場動向等々を十分に注視していきながら、金融機関との対話を通じてリスク管理というものを高度化を促すなど等々、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えているところであります。
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藤田幸久#28
○藤田幸久君 それで、三枚目の資料をちょっと御覧いただきたいと思いますが、それで、突然でもありますけど、お分かりと思いますが、雨宮副総裁、この三枚目の資料でございますけれども、例えば上から二つ目、イエレン前FRB議長は、米国内で信用力が低い企業向けの融資であるレバレッジド・ローンや低格付社債の発行が拡大していることに懸念を示したと。それから、上から三つ目、これはイングランド銀行のカーニー総裁ですけれども、二兆ドルのレバレッジド・ローン市場を十年前の世界的金融危機のきっかけとなったサブプライムローンになぞらえ、拡大に警鐘を鳴らしたと。で、下の方から二行目ですけれども、サブプライムとの類似性は完璧ではないが、十一年前に見られたノー・ドックの引受けに向かっていると述べたとありますが、同じ中央銀行のトップとして、このアメリカ及びイギリスの総裁あるいは元議長がおっしゃっていらっしゃるこの認識については同じですか、違いますか。
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雨宮正佳#29
○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 近年、先進国を中心に低金利環境が続く下で、投資家による言わば利回り追求の動きが見られておりまして、欧米のクレジット市場でこうしたレバレッジド・ローンといった企業債務の残高が増加してきております。
 私、先々週末もBISの総裁会議に出てまいりましたが、そうした場でも、こうした国際金融市場におけるデットの積み上がりということが一つの検討の課題になっているということは事実でございます。
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