消費者問題に関する特別委員会

2020-05-19 衆議院 全155発言

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会議録情報#0
令和二年五月十九日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 土屋 品子君
   理事 穴見 陽一君 理事 勝俣 孝明君
   理事 武村 展英君 理事 冨岡  勉君
   理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君
   理事 尾辻かな子君 理事 古屋 範子君
      畦元 将吾君    伊藤信太郎君
      泉田 裕彦君    門山 宏哲君
      工藤 彰三君    佐藤 明男君
      繁本  護君    中村 裕之君
      西田 昭二君    百武 公親君
      藤丸  敏君    船田  元君
      堀内 詔子君    宮路 拓馬君
      石川 香織君    大河原雅子君
      下条 みつ君    西岡 秀子君
      宮川  伸君    山本和嘉子君
      浮島 智子君    畑野 君枝君
      串田 誠一君
    …………………………………
   国務大臣
   (消費者及び食品安全担当)            衛藤 晟一君
   内閣府副大臣       大塚  拓君
   内閣府大臣政務官     藤原  崇君
   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君
   会計検査院事務総局第二局長            篠原 栄作君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局審議官)            油布 志行君
   政府参考人
   (消費者庁次長)     高田  潔君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    坂田  進君
   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     工藤 彰三君
  堀内 詔子君     中村 裕之君
  山際大志郎君     泉田 裕彦君
同日
 辞任         補欠選任
  泉田 裕彦君     繁本  護君
  工藤 彰三君     伊藤信太郎君
  中村 裕之君     堀内 詔子君
同日
 辞任         補欠選任
  繁本  護君     山際大志郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
     ――――◇―――――
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土屋品子#1
○土屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公益通報者保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、御報告いたします。
 当理事会におきまして、本案審査中、有識者又は専門家等を参考人として招致し、御意見を聴取してはいかがかとの提案がございました。
 しかし、委員長としましては、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出されている中、感染の防止及び感染リスク軽減の観点から問題があるのではないかとの思いがございます。
 そこで、各会派の御協力を得まして、各会派で独自に有識者等の御意見をお寄せいただき、資料として取りまとめました。
 資料は、委員各位の参考に供するため、お手元に配付いたしております。
 この際、お諮りいたします。
 配付資料につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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土屋品子#2
○土屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔資料は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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土屋品子#3
○土屋委員長 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総合政策局審議官油布志行君、消費者庁次長高田潔君、消費者庁審議官坂田進君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第二局長篠原栄作君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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土屋品子#4
○土屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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土屋品子#5
○土屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。穴見陽一君。
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穴見陽一#6
○穴見委員 おはようございます。自由民主党の穴見陽一でございます。
 この公益通報者保護法の改正につきまして、トップバッターで質問に立たせていただくことを大変光栄に存じます。
 トップバッターでございますので、基本的な法案についての質問からさせていただきたいと思っております。
 企業の法令遵守を目的として、平成十八年に公益通報者保護法が施行されておりますけれども、その後も、残念ながら、消費者の安全、安心を損なう企業の不祥事は相次いでございます。
 近年の例を挙げますと、自動車メーカーが長年無資格者に完成検査をさせていたという事例や、また、銀行みずからが書類を改ざんして融資を実行していたというようなケースもございました。こういった事例は、毎年のように、非常に重大な違反も繰り返されているわけでございます。
 このような法令違反は、消費者保護の観点から、早期に是正されなければなりません。その意味では、法令遵守を目的とする公益通報者保護法の改正が大変重要だと理解しておりますけれども、改めて、今般、政府として公益通報者保護法の改正が必要だと考えた理由について、お答えいただきたいと思います。
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衛藤晟一#7
○衛藤国務大臣 委員には、まずは、自民党の公益通報者制度の取りまとめに当たりまして、幹事として大変御尽力いただきましたことに、改めて感謝を申し上げる次第でございます。
 消費者の安全、安心を守るためには、事業者による不正行為の防止と是正を図ることが極めて重要であります。そのためには、この公益通報者保護制度が果たすべき役割は大変大きいものがあるというぐあいに認識いたしております。
 そうした考えのもとで、公益通報者保護法は平成十八年に施行され、その後も、消費者庁として、民間事業者や行政機関向けのガイドラインを策定、改正し、広く周知活動を行うなどの取組を行ってまいりました。
 この間、大企業や行政機関を中心に、内部通報制度の整備が進むなど、一定程度実効性の向上がなされた一方、近年も、消費者の安全、安心を損なうような事業者の不正行為が後を絶たない状況があります。
 そのため、事業者の自浄作用を十分に発揮してもらうことなどにより、法令違反行為が早期に是正される環境を確保し、公益通報者保護制度の実効性を更に高める必要があると判断し、必要な体制整備等を義務づけるなどの改正法案を提出したものであります。
 本改正法案により、公益通報を安心して行うことのできる環境をつくることにより、事業者の信頼性の確保につながり、事業者、消費者双方の利益になるものと考えております。
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穴見陽一#8
○穴見委員 大臣、ありがとうございます。
 公益通報者保護法については、平成三十年の十二月に内閣府の消費者委員会から答申が出されておりますけれども、改正法案の提出までに一年以上かかっているわけでございます。
 この一年間どのような検討を進めてきたのか、お教え願いたいと思います。
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大塚拓#9
○大塚副大臣 消費者庁においては、公益通報者保護制度の実効性を向上させるために必要な法改正項目について、関係者の間で意見の隔たりが大きい項目が残っておりまして、この調整を丁寧にしていく必要がある、こういうことがあったわけでございます。
 そういう中で、消費者委員会の答申を踏まえて法制的、法技術的観点から整理を行い、幅広く関係者から意見を聞くというプロセスを進めてまいりました。
 この中で、令和元年十月には、自民党の方でも消費者問題調査会のもとに公益通報者保護制度に関するプロジェクトチームが設置をされまして、これは穴見先生も役員として大変重要な役割を果たしていただいたというふうに承知しておりますけれども、ことしの二月には論点を取りまとめをいただいております。また、同じく与党の公明党さんからもことしの二月に提言をいただいている、こういう状況でございます。
 こうした提言を踏まえて消費者庁において検討いたしまして、当初の答申から踏み込んだ部分もあったわけでございますけれども、最終的に今回の法案提出に至った、こういう経緯でございます。
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穴見陽一#10
○穴見委員 副大臣、ありがとうございます。
 ただいま御答弁いただいたとおり、自民党でも、宮腰先生、大臣をお務めいただいておりましたので非常に強い責任感で座長をお務めいただきまして、小倉先生を事務局長として公益通報者保護制度に関するプロジェクトチームを立ち上げて、永岡先生、また柴山先生などに加えて、私もそのプロジェクトチームとして、熱心に、この制度をよりよくさせていただきたいという思いで議論をさせていただきました。
 また、公明党様におかれましても御議論いただき、提言がなされたところですが、このような意見を受けて、また消費者委員会の答申を受けて、さらに政府として、また、こういった、先ほど副大臣にもおっしゃっていただきましたけれども、守秘義務の重要性という答申の中にはなかった論点についても規定されることになったわけでございます。
 守秘義務の重要性につきましては、我が党のPTでも活発に議論がなされました。最終的にどうして守秘義務を規定することになったのかをお伺いしたいと思います。
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坂田進#11
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。
 誰が通報したのかという情報が漏えいされ、不利益取扱いにつながる事案が見られることから、不利益取扱いを抑止する観点からは、公益通報者に関する情報漏えいの防止が極めて重要でございます。
 また、消費者庁の調査によれば、通報をためらう理由として、誰が通報したかが知られてしまうことへの懸念が多く挙げられています。公益通報者が安心して通報する環境を整備する観点からも、情報漏えいの防止を十分図る必要がございます。
 このような実態を踏まえまして、守秘義務を設け、刑事罰の対象とすることで、公益通報者が不利益取扱いを受けることなく安心して通報できる環境を確保することとしたものです。
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穴見陽一#12
○穴見委員 ありがとうございます。
 ただいま、不利益な取扱いを受けることなく安心して通報できる環境を確保するとの御答弁をいただいたわけですけれども、不利益な取扱いを受けない、安心して通報できるということは、当然、通報促進という点からは重要な点でございます。この点では、不利益取扱いに対する行政措置を導入すべきだという立場があるということも承知をしております。自民党でも、この論点については、関係省庁からもヒアリングをするなどして、極めて精力的に激しく議論させていただいたところでございます。
 改正法案では、最終的に守秘義務は規定するものの、不利益取扱いに対する行政措置は含まれなかったと承知しておりますけれども、不利益取扱いに対する行政措置を改正法案に含まなかった理由をお答えいただきたいと思います。
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坂田進#13
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。
 公益通報者に対する不利益取扱いは、通報をちゅうちょさせ、事業者が法令遵守を図る機会を失わせるものであり、あってはならないと考えております。
 改正法案においては、従業員等に対する守秘義務を課すとともに、事業者に、公益通報者に関する情報が漏えいしない体制、公益通報者に対する不利益取扱いを防止する体制の整備を求めることとしております。このように、公益通報者に対する不利益取扱いを事後的にではなく事前に抑止することがまずは重要と考えております。
 他方、公益通報したことを理由とする不利益取扱いに関する事実認定については、当事者間で争われた場合、当事者双方の主張や証拠に照らして判断しなければならず、行政機関にとっては非常に困難であることなどから、今回は、不利益取扱いが生じた場合の事後的な行政措置ではなく、不利益取扱いの事前抑止に資する刑事罰つきの守秘義務を設けることといたしました。
 今般の改正によって不利益取扱いを抑止する効果がどの程度高まったかについては、施行後の実態も十分踏まえ、検証していきたいと考えており、改正法案の附則第五条にもこの趣旨を規定しているところでございます。
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穴見陽一#14
○穴見委員 ありがとうございます。
 公益通報者保護制度の実効性を確実なものとするためには、今回の改正内容をしっかりと周知することも欠かせないと考えております。特に通報する側にとっては、どういう場合に自分が救われるのかということがわかりづらいと、通報をちゅうちょしてしまう懸念もあるわけでございます。
 このため、例えば、この法律が適用されて敗訴した事業者の判決が確定した場合、消費者庁がそれを公表すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
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藤原崇#15
○藤原大臣政務官 ただいま委員おっしゃられましたとおり、この法律が適用された判決を公表することにつきましては、通報しようとする者にとっては不利益取扱いから保護されることへの期待感を高めることにつながり、同時に、事業者にとっては不利益取扱いが禁止されることの認識を持つことにつながることから、おっしゃるとおり、制度の普及促進に有益なものであるというふうに考えております。
 今回の改正では、第十八条におきまして、公益通報に関する一定の情報の収集、整理及び提供について規定を設けることとしております。この法律が適用された判決もその情報の一つであり、消費者庁において把握した際には、十八条にのっとり、その内容をウエブサイト等において情報提供することを検討しておるところであります。
 また、あわせて、判決の名宛て人である事業者名も公表することを検討していくところであります。
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穴見陽一#16
○穴見委員 ありがとうございます。
 この不利益取扱いに関しては、さまざまな論点が自民党の中でも議論をされまして、裁判によって結果が出た場合は公表するというお話ですけれども、当然、行政措置について要望している立場からは、裁判では時間がかかるし費用もかかる、そういった負担を通報者にかけるのではなくて、事前に行政によってそのような指導がなされるべきではないかというような意見があるわけであります。
 ただ、それだけの行政能力というか、今の消費者庁の実態に即して、また、実際に、こういった不利益取扱いの事案というのは、多くは労働関係法規に抵触をして、労働審判であるとかさまざまな、この法律にかかわらないところのほかの法律で処理されるべき、そういった事案も多々あろうということであって、その前さばきのところが非常に重要なんだろうというふうに考えてございますし、また、そういう議論をさせていただいたわけであります。
 それでは、時間も迫ってまいりましたので、最後に、今回の法案に対する大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
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衛藤晟一#17
○衛藤国務大臣 繰り返しになると思いますけれども、消費者の安全、安心を損なう事業者の不祥事を早期に是正をし、被害の防止を図るために、公益通報者保護制度の実効性を向上させることが極めて重要であると認識いたしております。
 公益通報を安心して行うことのできる環境をつくることは、消費者の利益につながるだけではなく、企業の信頼性の確保につながるなど、事業者、消費者双方の利益になるものです。
 このため、今般、与党での熱心な御議論も十分踏まえ、法案として提出させていただきました。改正法案は、我が国経済社会の健全な発展にとって重要なものであるため、ぜひとも今国会において御賛同いただきたいと考えています。
 私としても成立に向けて全力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
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穴見陽一#18
○穴見委員 最後に、何点か指摘をさせていただきたいと思うんですけれども、そもそも、この改正法案そのものが、本来、公益通報者保護法によっては五年後に検討して修正等々対策をということだったのが、十四年以上、つまり三倍近くかかって初めてきょうここに至っているということは、決してあしき前例としてはならないんだというふうに思います。
 今回、附則五条で、今回の法改正に伴うさまざまな状況を勘案した上で、三年後に見直しが行われるというふうに書かれてありますけれども、本当にちゃんと三年後にやっていただかなければ困るということだろうと思います。残された、積み残しになった論点も多々あって、消費者委員会の中で指摘されていた内容についても、まだまだ十分に酌み取れていないところもございます。
 そんな中で、まだまだ、日本の消費者保護の観点から考えたときに、国際的に見てもかなり立ちおくれていると言わざるを得ないと思います。外国人から日本での消費生活についてのさまざまな御意見を伺うに、非常に消費者に冷たいといいますか、事業者側が、例えば返品措置一つにしても、又はクレームの受け付け一つとっても、非常に手続が煩雑かつ拒否的であって、非常に消費生活を送りにくいというような声も聞いております。
 ほかの国では、返品はすぐにでも、一カ月以内だったらいつでもできるとか、三カ月以内だったらいつでもできるとか。日本の場合は、それに対して、写真を送れだの書類を書けだの、いろいろ手続論を押しつけてきて、そして最終的には、事務的に消費者を疲弊させてそういった措置に応じない等々の、そういった問題も指摘されております。
 結局、今、SNS時代にもなって、企業の不祥事というのが簡単に拡散される時代になってきたと思います。私も経営者ではあるんですけれども、その観点からしても、やはり、こういった公益通報者保護制度をしっかりと整備することによって、逆に、そういった無秩序な形で拡散されて、コントロールできない社会的な制裁に企業がさらされるよりも、やはり正当な方法で通報して、そして、通報者保護制度が使いやすくなって初めて、そういった無秩序な、さまざまな怪情報の漏えいによって企業が社会的制裁を受けたり、それは誤解に基づくというようなことも含めて、そういったことで企業価値を損ねてしまったりというリスクがかえって高まるわけであります。
 そういう意味においては、今回このような法案で、ようやく党としても各界からの合意がとれたということで、成立に向けて懸命に努力してまいりましたし、これからも野党様の御理解もいただきながら成立させていこうと願っておりますけれども、本当に積み残しは非常に大きいし、やはりこういった消費者保護の法律が弱い、若しくは行政能力が弱いということでもって日本の企業を甘やかして、国際競争力を結果として下げて、最終的には企業のためにならない、若しくはそういった予測不能な、コントロールのできないいろいろなルーモアの中で企業が傷ついていくという中で、日本の企業自体が弱体化していくことにつながってはならない、そういう思いもあるわけでございます。
 どうか、法律がもし成立した暁には、しっかりと行政能力を高めていただいて、日本の消費者を守り、また、それはひいては日本の企業を鍛え上げる、そういうよき法律となることを祈念いたしまして、質問を終えさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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土屋品子#19
○土屋委員長 次に、武村展英君。
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武村展英#20
○武村委員 自由民主党の武村展英でございます。
 きょうは、お時間をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと存じます。
 この審議を通じまして、公益通報者保護法、この法律だけではなく、ガイドライン、指針も含めた、法律の運用も含めた、そうした全体が重要なんだろうというふうに思います。
 また、内部通報者保護制度、これは内部統制の一環をなすものであります。内部統制というものは経営者が構築するものであって、最終的には経営者がど真剣になって取り組まなければ、この制度は骨抜きになってしまいます。経営者の意識を高めていくことが重要だと思いますし、また、今回、公認会計士監査、財務諸表監査との関係についても触れさせていただきたいと存じます。
 それでは、質疑に入ります。
 最近の不祥事についてお聞きしたいんですが、どのようなものがあるか、また、上場企業の不適切会計に絞って言えば、これは最近どういう状況にあるのか、消費者庁、金融庁からそれぞれお聞きをしたいと思います。
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高田潔#21
○高田政府参考人 お答えいたします。
 最近の企業不祥事といたしまして、例えば、国の規制に反して、資格を持たない者が自動車の完成検査を実施していた事例、保険契約の乗りかえにおいて、保険料の二重払い、一時的な無保険状態の発生等の不適切な販売が多数生じていた事例、国の承認と異なる製法で血液製剤を製造していた事例などが存在しております。
 これらの事例においては、一部の従業員において法令違反が認識されていたものの、早期の通報や通報を受けた違反行為の是正へとつながらないといった実態が見られました。今回の公益通報者保護法の改正は、こうした実態を踏まえて検討してきたものであります。
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油布志行#22
○油布政府参考人 不適切会計の状況についてお答えいたします。
 民間調査会社の集計でございますが、二〇一九年の暦年一年間に不適切会計を開示した上場企業は七十社でございます。これは、二〇一九年度でとりますと六十九社ということでございますが、いずれにせよ、二〇〇八年に集計を開始して以降、一番多い数字となっているということでございます。
 その背景につきましては、企業側の不適切会計の数自体がふえた可能性ももちろんございますし、監査法人による発見の数がふえたといったような可能性もございますので、一概にお答えすることは難しいのでございますけれども、金融庁といたしましては、いずれにしても、引き続き動向をしっかり注視してまいりたいということでございます。
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武村展英#23
○武村委員 ありがとうございました。
 前回、法制定のときにも、さまざまな不祥事が契機となってこの制度が導入されたというふうに存じておりますけれども、それは今の状況の中でも余り変わることはなく、また、不適切会計に限って言えば増加傾向にある。こうした制度の中で、やはり、内部統制そして公益通報者保護法の強化というものはこれからますます必要になってくるというふうに思います。
 それでは、公益通報者保護法の改正についてお聞きをしたいと思います。
 実効性のある法制定、これは、表面的には、私は諸外国に比べて極めておくれているというふうに認識をしています。これほどまでに法改正がおくれた理由、その認識をお伺いいたします。
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坂田進#24
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。
 消費者庁といたしましては、平成十八年の法施行以来、法の施行状況に係る調査を実施するなどし、その結果を踏まえて、事業者が取り組む事項を明確化、具体化するなどの観点から、ガイドラインの策定、改正や制度の周知、広報に取り組むとともに、適切な内部通報対応体制を有する事業者に関する認証制度の推進など、制度の実効性向上に向けて必要な対応を行ってきたところでございます。
 また、法改正に向け、諸外国の制度の最近の状況を調査したほか、平成三十年十二月に取りまとめられた消費者委員会の専門調査会の報告書には、更に関係者間の丁寧な調整を実施する必要がある論点があったため、取りまとめ後も、関係者の意見を丁寧に聞き、調整を進めてまいりました。
 こうした制度の実効性向上に向けた取組や調整の結果、今国会においてこの改正法案を提出した次第でございます。
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武村展英#25
○武村委員 ありがとうございました。
 二ページ目をごらんください。
 確かに、法改正は随分おくれている状況です。しかしながら、法律の改正という形式ばかりではなくて、法律をどのように運用していくのか。ガイドライン、これは私の資料でもつけさせていただきましたけれども、こうしたものの中で実務的に重要な点を非常にたくさん取り上げておられます。こうしたものを含めた全体の運用が重要だというふうに思います。この点は、後ほど改めて議論をさせていただきたいというふうに思います。
 続きまして、ここからは、内部通報についてお伺いをしたいというふうに思います。
 内部通報制度は内部統制の一環であるというふうに言われています。内部通報制度を単体だけで考えるのではなくて、経営を規律するガバナンス、そして経営者が経営管理目的で構築をする内部統制、こうしたものの中で一体として内部通報を整備していく必要があるというふうに考えますが、消費者庁の認識をお伺いいたします。
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大塚拓#26
○大塚副大臣 武村先生は、公認会計士として、非常にプロの視点で、日ごろから消費者行政、公益通報制度、御指導いただいているわけでありますけれども、今回の質問を受けまして、まことに鋭い御指摘だなというふうに思ったわけでございます。
 公益通報制度は消費者庁が所管をしており、同様に、内部通報、内部統制システムを規定するルールとしては、法務省が所管している会社法もございますし、金融庁が所管している東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードというのもございます。また、経団連も、独自にそういったガイドラインのようなものを設けているところもあるわけでございます。
 目的が同じ部分とそうでない部分もあるわけですけれども、しかし、整えるべき体制という意味ではかなり重複してくるところもあろうと思います。信頼性を持って従業員が駆け込むことができる相談窓口をしっかり整備をするということになるんだと思いますけれども、また、目的が違いがあるとはいっても、やはり、先ほど穴見委員の質疑の中でもありましたけれども、近年、SNSとかそういったところで無秩序にいろいろなことが拡散していく、こういう中にあって、企業にとっても、内部通報体制をしっかりとっておくということが、自律的に違法、不適切な状態を是正していく最後のチャンスということにもなるわけであります。
 そういう企業にとっても大事な体制をしっかり整備をし、それを公益通報の体制としっかり一致をさせて運用していくということが非常に重要だろうというふうに私も思っているところでございまして、多分、体制の整備を公益通報保護法の改正で求めていっているわけでありますけれども、その整備すべき体制をどう評価していくかとか、そういうシステムを整えていく中で、内部統制システムのところから途切れることなく一貫したシステムとして公益通報の保護に至るようなシステムを整えていくということが非常に重要じゃないかな、こういうふうに思っておりますので、私もそういうふうに指導していきたいというふうに思っております。
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武村展英#27
○武村委員 ありがとうございました。
 三ページ目をごらんください。内部統制の検討のこれまでの経緯をまとめた資料です。
 その中では、二〇〇〇年、平成十二年に大和銀行株主代表訴訟事件、これは地裁での判決ですが、初めて、内部統制を適切に整備、運用する責任が取締役等にある、これは監査役も含んでいるというふうに解しますが、取締役や監査役にあるという最初の判例が出ました。そこから、二〇〇二年、当時は商法でしたけれども、商法が改正をされ、体制整備が義務づけられました。金商法では、二〇〇六年に内部統制報告制度、日本版SOXが導入をされたわけであります。
 一つここで留意をしておきたいのは、取締役や監査役に内部統制の整備それから運用の責任があるという、こうした今で言う会社法の規定ですね、これは大企業だけではなくて中小企業にも同じようにあるということです。配付した資料では四ページ目になります。
 この内部通報制度というのは、内部統制の最後のとりでになっています。理想的には、そもそも不祥事が発生しない、事前に防止をするのがこれは理想ではありますけれども、どうしても発生をしてしまった、その際には内部通報制度が最後のとりでになっているわけで、企業がみずから自浄作用を果たせるかどうか、それの非常に重要な点だと思いますので、私は、中小企業であっても、ぜひとも、実務の負担はあろうかと思いますけれども、前向きに捉えていただくことが重要だというふうに思っています。
 そして、これは、法律の改正だけではなくて、運用をどうしていくのかということが重要だというふうに思っています。そういう意味では、今後、法改正の後に指針を定めるということをお聞きしております。この指針をどのように定めていかれるのか、その御認識をお伺いいたします。
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坂田進#28
○坂田政府参考人 お答え申し上げます。
 改正法案においては、事業者に義務づける体制整備の内容について指針を策定することとしており、指針では、事業者が最低限実施すべき事項を定めることを想定しております。
 具体的な内容は、今後、関係各方面の御意見も踏まえて検討してまいりますが、例えば、通報者に対する不利益取扱いを禁止すること、通報に関する情報の共有範囲を、窓口担当者、調査担当者等の公益通報に対応する担当者やそれらの管理責任者にとどめること、通報者に対する不利益取扱いをした者や情報を漏らした者への懲戒その他適切な措置や漏えいの拡大防止及び再発防止に関する内規を定めるとともに運用すること等を指針で示すことを想定しています。
 また、消費者庁では、これまで、この法律を踏まえて各事業者が取り組むことが推奨される事項を具体化、明確化するなどの観点から、各ガイドラインを策定、改正し、周知及び普及に向けて取り組んできたところでございます。
 今回の改正法案が成立した暁には、指針を策定する一方で、改正内容を踏まえ、各ガイドラインの内容を見直し、通報制度が実効的に機能するよう取り組んでまいりたいと考えております。
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武村展英#29
○武村委員 ありがとうございます。
 これまでの取組の中におきましても、ベストプラクティスとしてガイドラインを制定されています。これは五ページ目に載せさせていただきましたけれども、こうしたベストプラクティス、そしてまた認証制度、自己適合宣言認証制度といったものも導入をされていまして、こうした取組、よい取組というのは企業価値を上げていくものであって、こうしたものはぜひ続けていただきたいというふうに思いますし、指針として最低限のものを実務的に定めていかれるということであります。こうしたガイドラインというような取組も残しつつ、新たに指針というもので実務的な点も担保をしていく、ぜひこうした、有効といいますか、効果のある法の運用に努めていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間が迫ってまいりましたので次の質問を飛ばさせていただきまして、こうした内部統制の一環を占める内部通報制度ですが、この法改正が財務諸表監査に及ぼす影響についてお伺いをいたします。
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