予算委員会

2020-05-20 衆議院 全68発言

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会議録情報#0
令和二年五月二十日(水曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 棚橋 泰文君
   理事 井野 俊郎君 理事 後藤 茂之君
   理事 坂本 哲志君 理事 葉梨 康弘君
   理事 堀内 詔子君 理事 山際大志郎君
   理事 大串 博志君 理事 渡辺  周君
   理事 伊藤  渉君
      あかま二郎君    あべ 俊子君
      秋本 真利君    伊藤 達也君
      池田 道孝君    石破  茂君
      今枝宗一郎君    今村 雅弘君
      岩屋  毅君   うえの賢一郎君
      衛藤征士郎君    小野寺五典君
      大野敬太郎君    奥野 信亮君
      鬼木  誠君    河村 建夫君
      笹川 博義君    根本  匠君
      野田  毅君    平沢 勝栄君
      古屋 圭司君    三ッ林裕巳君
      村上誠一郎君    山口  壯君
      山本 幸三君    山本 有二君
      渡辺 博道君    小川 淳也君
      大西 健介君    岡本 充功君
      川内 博史君    玄葉光一郎君
      後藤 祐一君    高木錬太郎君
      武内 則男君    辻元 清美君
      本多 平直君    馬淵 澄夫君
      前原 誠司君    國重  徹君
      濱村  進君    塩川 鉄也君
      藤野 保史君    宮本  徹君
      杉本 和巳君
    …………………………………
   参考人
   (新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会会長)   尾身  茂君
   参考人
   (新型コロナウイルス感染症対策専門家会議座長)  脇田 隆字君
   参考人
   (慶應義塾大学経済学部教授)           竹森 俊平君
   予算委員会専門員     鈴木 宏幸君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     三ッ林裕巳君
  小倉 將信君     鬼木  誠君
  神山 佐市君     池田 道孝君
  原田 義昭君     あかま二郎君
  今井 雅人君     高木錬太郎君
  川内 博史君     武内 則男君
  宮本  徹君     塩川 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  あかま二郎君     原田 義昭君
  池田 道孝君     今枝宗一郎君
  鬼木  誠君     大野敬太郎君
  三ッ林裕巳君     秋本 真利君
  高木錬太郎君     今井 雅人君
  武内 則男君     川内 博史君
  塩川 鉄也君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     神山 佐市君
  大野敬太郎君     小倉 將信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 予算の実施状況に関する件(新型コロナウイルス感染症対策)
     ――――◇―――――
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棚橋泰文#1
○棚橋委員長 これより会議を開きます。
 予算の実施状況に関する件、特に新型コロナウイルス感染症対策について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として、新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会会長尾身茂君、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議座長脇田隆字君、慶應義塾大学経済学部教授竹森俊平君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。参考人各位には、新型コロナウイルス感染症対策において、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 それでは、議事の順序について御説明申し上げます。
 まず最初に、参考人各位から一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。委員の質疑時間は限られておりますので、お答えはできるだけ簡潔明瞭にお願いいたします。
 なお、念のため申し上げますが、発言の際はその都度委員長の許可を得ることとなっております。また、衆議院規則の規定により、参考人は委員に対して質疑することはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず尾身参考人にお願いいたします。
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尾身茂#2
○尾身参考人 尾身です。よろしくお願いいたします。
 きょうは、四つの点について申し上げたいと思います。
 まず一点目でありますが、緊急事態宣言発出の効果についてであります。
 四月上旬には、爆発的感染拡大、いわゆるオーバーシュートの軌道に接近し、都道府県によっては医療崩壊の寸前の地域もございました。しかし、四月七日、緊急事態宣言発出の前後から、市民の皆様の懸命なる努力のおかげで、感染は今のところ確かに収束の方向に向かっていると思います。
 日本は法律的な拘束力を持たず、他国のようなロックダウンもせず爆発的感染拡大を今回一応回避できたのは、極めて困難な状況に対しての市民の努力のたまものだと思います。
 今の感染状況は、東京都を例にとっていえば、三月上旬、中旬の、感染者が急速に増加するその直前のレベルまで戻っていると考えております。
 二番目でありますが、これからどういうことが起きるのかということであります。
 早晩、仮に全都道府県が緊急事態宣言から解除されたとしても、あるいは報告者数のゼロが短期間続いたとしても、見えない感染が続いていると考えるべきだと思います。
 冬の到来を待たず再び感染の拡大が起こることは十分予測されます。社会経済活動を再開した諸外国においては、比較的早期に再度感染拡大した例が既に報告されております。その際は、徐々に感染が拡大するというよりは、クラスター感染が突然顕在化することもあり得ると考えております。
 これからは、社会経済活動を徐々に再開しながら感染拡大防止のための努力を継続することが極めて重要だと思います。
 この三カ月で、日本の我々、多くのことを学んできたと思います。三つだけ挙げます。
 一つ目は、感染のリスクが高く、クラスターが発生しやすい場所、状況がわかってきたことであります。二つ目は、身体的距離、いわゆるフィジカルディスタンスを確保すること、マスクの着用、手洗いの実践など、基本的な感染対策が感染防止に有効であること。三つ目、高齢者施設や病院がクラスターとなっている例が多く、引き続きこうした場所での徹底した感染対策が重要であること。
 こうした点を十分注意しながら社会経済活動を徐々に再開していくという、いわゆるめり張りのついた対策が求められると思います。
 三番目でありますが、各都道府県の知事の皆様にお願いしたいことであります。
 感染状況、医療の供給体制、検査の体制などのさまざまな指標を、時には国の支援を得ながら、定期的に評価していただき、感染拡大の兆候があれば、速やかな対策をとっていただければと思います。
 また、感染拡大に備えて、医療提供体制や検査体制の強化、発熱外来のさらなる増設、保健所体制の強化など、今までに変わりなく、強いリーダーシップをとっていただければと思います。
 最後に、国にお願いしたいことであります。
 医療機関、保健所、自治体の皆さんは、極めて困難な状況の中、日々懸命な努力を続けていただいております。国としては、地方自治体を尊重しつつも、今まで以上にこうした現場に対して支援をしていただければと思います。
 具体的な例を挙げれば、一般医療機関への感染防御具の供給を始めとして、各都道府県への技術的、財政的支援をぜひお願いしたいと思います。
 また、迅速抗原検査については、その精度の評価及びPCR検査との役割分担などについて、さらなる検討をお願いしたいと思います。抗体検査についても、しっかりとした精度管理を行った上で実行していただきたいと思います。
 市民が期待する治療薬やワクチンについては、安全性、有効性に関する適切な審査を行っていただきたいと思います。
 国内が収束方向に向かったとしても、感染が地球規模で収束しない限り、ウイルスの国内流入のリスクが続きます。したがって、特に医療資源の乏しい国に対して、技術的、経済的支援もお願いできればと思います。
 最後に、これまで日本がとってきた政策について、諸外国から誤解を受けることがないよう、しっかりとした御説明をお願いいたします。
 以上であります。ありがとうございました。拍手
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棚橋泰文#3
○棚橋委員長 尾身参考人、ありがとうございました。
 次に、脇田参考人にお願いいたします。
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脇田隆字#4
○脇田参考人 まず、このような機会をいただきまして、委員の皆様、関係者の皆様に感謝いたしたいと思います。
 我が国におきましては、一月から二月にかけての中国武漢市及び湖北省を中心とした地域からの感染の流入により、第一波と申します流行がありました。さらに、三月以降、欧米からのその十倍以上の規模の流入による第二波の流行がございました。
 我々は、二月七日に、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードとして厚生労働省に設置をされました。その際には、クルーズ船内における新型コロナウイルス感染対策及び国内の感染対策について議論いたしました。また、二月二十日には、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議として設置されまして、構成員は、感染症学、ウイルス学、公衆衛生学、疫学、社会医学などの専門家で構成され、必要に応じて、座長の求めによって、そのほかの専門家にも出席を要請してまいりました。
 そして、二月二十四日からは、我々から、状況を分析し、見解として発出をし、さらに、その後、分析及び提言という形でその都度発出をしてきたところでございます。
 我々に求められますのは専門家としての分析及び評価でございますので、まず第一に申し上げたいのは、厚生労働省内のクラスター対策班とは密接に連携をして分析をしてまいりました。そのサーベイランスデータからは、この新型コロナウイルス感染症の感染者の八割が他人には感染をさせないという事実、そして、残り二割の多くの部分が、密閉された環境で密集、密接することにより多数に感染をするクラスター感染を起こすことが明らかとなりました。つまり、そのクラスターの連鎖を防ぐことにより感染の拡大を防止できるという対策の道筋が明らかになったわけでございます。
 ところが、三月中旬以降、第二波の流行が拡大いたしまして、リンクの追えない新規感染者が増加をいたしました。四月七日になりまして、緊急事態宣言が政府から発出され、新型コロナウイルス感染症の流行対策としての外出自粛要請が行われました。その間、営業自粛や休業要請が行われ、その途上では、自粛の要請で大丈夫なのか、ロックダウンは要らないのかというような声もいただきました。また、医療現場は三月後半から非常に疲弊をしていったという声も聞かれてきましたが、現場のスタッフの皆様の毎日の努力と行動のたまもので何とか経過できたというふうに考えております。
 さて、幸い、流行は収束の傾向にありますが、この今回の流行における緊急事態宣言の効果につきましては、今後更に解析をして、今後の流行の対策にどう生かせるかということを我々としては評価をしてまいりたいと考えております。
 今後は、最終的にはワクチンの開発まで、長丁場の対応が必要になってくると思います。政府及び国会の皆様にも強いリーダーシップを持って対策に向かっていただければというふうに考えております。
 最後に、新型コロナウイルス感染の被害に遭われた皆様の一日も早い御回復を祈りますとともに、不幸にも命を落とされた皆様には心より御冥福を申し上げて、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。拍手
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棚橋泰文#5
○棚橋委員長 脇田参考人、ありがとうございました。
 次に、竹森参考人にお願いいたします。
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竹森俊平#6
○竹森参考人 私は医療の専門ではないので、ちょっと自己紹介なんですが、今までずっと研究してきたのは金融危機とか経済危機であります。
 今まで、経済危機あるいは金融危機で、パンデミックが原因で起こったのがあるのかと考えてみたんですが、浅学にして私は知らない。
 一九一八年から一九二〇年のいわゆるスペイン風邪、スペイン・インフルエンザですね、これは規模からすれば非常に大きかったんですが、ちょうど第一次世界大戦の末期にぶつかっていたので、それが一種の景気対策みたいになって、不況という話は聞いていない。
 そのかわり、それはアメリカ軍がヨーロッパで大々的に展開される期間で、船の中にすし詰めになる、ざんごうの中にすし詰めになる、テントの中にすし詰めになる、病院ですし詰めになるというようなことがあったために、二千万人以上、五千万人ぐらいかと言われるような死者が出たという非常に悲惨な出来事でした。
 したがって、こういう前例のない中で今回の危機をどう考えるかというのは重要な点なんですが、西村大臣から、ウイルス対策の諮問委員会と経済財政諮問委員会の橋渡しを期待されているというふうには聞いております。
 私の視点からしますと、これからの経済対策を考える上に、ウイルス問題の現状と医療体制について知ることが非常に重要であります。
 よく、今、経済対策がされているものについて、景気刺激策という表現がされることがありますが、私はこれは誤っていると思います。
 景気というのは、渋谷とか新宿とか、盛り場の人の動きを見れば景気は大体つかめるんですが、今は、その渋谷、新宿の人出が、人の動きが少ないように行動しているときで、政府がそういう政策をとっているときで、ここで景気を刺激するというのは非常に難しいということです。今の対策は基本的に困っている人を助ける対策と考えたらいいと思うんです。
 アメリカの連銀のパウエル議長は、ワクチンが完成するのが来年の秋だから、本格景気回復は来年の秋だろうというふうに言いましたが、ざっくり言うならば、それが正しいのではないかと思っております。ただ、それよりもましな状態をつくるためには、医療関係者の方と、尾身先生や何かと相談して、いいアイデアが浮かんで、少しずつでもよくしていくことが必要なので、そういう意味では二人三脚が必要だと思います。
 医療関係者の方を前にして大変失礼ですが、私などは経済の観点から、何で社会的隔離という、ソーシャルディスタンシング、私は社会的隔離と呼んでいるんですが、なぜ必要かを考えてみました。
 SARSの場合は、この人が感染しているというのが、症状がざっくり出て、すぐわかるわけですね。それは隔離できる。ところが、今回の場合、潜伏期間あるいは発症初期の方からも感染が起こるということがわかっていて、発症初期あるいは潜伏期の人を一般の人から見分けるのが大変だということになるわけですね。そうであるならば、その人たちをのけられないなら、社会全体のコンタクトを避けなきゃいけないということでこの社会的隔離が続いているわけであります。
 よく経済界からも、私も一時は、もっとPCRをやれば、要するに、感染している人がわかって、全体のアクティビティーを下げなくてもいいのではないかと思ったことがあるんですが、これは実施上の問題がありまして、今一番やっている国は恐らくドイツだと思いますが、ドイツは一日十万人体制をつくりました。でも、考えていただきますと、一日十万人で、三百六十日だと三千六百万人ですよね。ドイツの人口は八千三百万人ですから、全部、一わたり検査をするのに二年以上かかる。二年の間にまた感染が起こっちゃったら最初からもう一度やらなきゃいけないので、これは実際上、全員を検査するというのは無理だろう。半分だけ検査すればいいじゃないか、では、残りの半分はどうするんだ。彼らを自由にさせたら感染が起こるわけです。
 よく言われている精度の問題もそうで、半分は間違っている検査で、その半分の人が出回ればやはり問題は起こるわけですよね。私は、昔は、東大のテストだって、頭のいいやつだけ本当にとっているかわからないんだからなんてことを言っておりましたが、感染という問題があるために、その精度ということが非常に重要になるわけであります。
 今、どういうやり方をされたか私なりに考えてみますと、症状が出ていない人の中で感染者と濃厚接触があった人、これは、その経路を追跡して見つけられる。そこをまず外すわけであります。それで、外し切れなかったらどうするかというと、今のソーシャルディスタンスというのをとって感染数を減らす。そうすると、潜伏期の人がだんだん有症期に入りますから、それでわかるから、そこを検査して、そこを外していくという形でどんどん数を減らしていけばいいという作戦をとられたんだと思います。この成果は出ているわけで、今、尾身先生がおっしゃったような成果が出ているということは確かだと思います。
 その成果について、誰が一番プラスだったか。もちろん医療関係者の努力もありますが、やはり一般国民の自粛努力というのが大きかったんだと思います。私は外から見ていて、こんな程度の緩い隔離で大丈夫なのかと思って、どうせなら、電車を全部とめて、バスも全部とめなきゃ人間のコンタクトは終わらないんじゃないかと思ったわけですが、しかし、フランスがやっているような一日一時間しか出てはいけないとか、中国がやっているように、外出許可証をとらないと表に出られないとかいうこともせずにここまで下げられたというのは、自粛を日本人はやったということなんですね。
 この社会的隔離というのは感染病に対する歴史の古いやり方であって、一九七六年にザイールでエボラ熱の第一次感染が出たときも、ザイール人の医師が村を訪問して、伝統のしきたりに従ってくださいと言ったら、アフリカでもこういう感染の歴史はあるわけですね、みんなそれに従って自粛をしたということを聞いております。
 そういう人間とウイルスとの戦いは長い長い歴史を持っているんですが、これまでのところ我々は勝っている。勝っているというのは、自分たちを守るため、自分たちのグループ、社会を守るための本能的な行動と私は思っているんですが、それができることだということだと思います。
 今後であります。パウエル議長は、これから、来年の秋、ワクチンができるまではなかなか安定しないのではないかと。
 先ほど申しましたように、ここから先は医療関係者との二人三脚が必要だと思います。それプラス、これからだんだん、技術、デジタル技術というのは今回非常に教育とかリモートワークとかで活躍しておりますけれども、それで接触についてのトラッキングをするようなアプリを導入する。これはもう厚労省が進めていらっしゃるようですけれども、それで問題があったら、今のところ、本人に、あなたは接触しましたというシグナルしか行かない。ただ、その人が同意して、私はこういう人間で、私のところに警告が来ましたということを保健所に通知するというようなことはできるみたいなので、そういうことについて協力をお願いして、できるだけ早く行動をとれるように政府がすることが大事だと思っています。
 あと、首都圏であります。首都圏が今本当に解除できるかどうかの一番瀬戸際に立たされておりますが、なぜ首都圏で病床数が足りないようなことがあったのか、これは徹底して調べるべきだと思います。まず、これについて諮問会議の方では、広域の、つまり首都圏全体の連携をして、病床、医療器具、それから検査について協力をしていったらどうかということであります。
 一つ私は紹介したい言葉がありまして、これは十八世紀のスコットランドの哲学者トマス・リードという人の言葉なので、よく引用されるんです、この危機の際に。鎖の強度、鎖の強さは、一番もろい箇所の強さに等しい。なぜなら、その一番もろい箇所が壊れたら、鎖全体がばらばらに崩壊するからだという言葉があります。
 私は今回の危機で本当にこれを感じておりまして、今、日本国内の中でも大変困っている方がいらっしゃる。大変困っている労働者があり、企業があり、家主があり、たな子がありですよね。政府の政策は、そういう困っている人たちをともかく救って、その社会の一番脆弱な部分が壊れてばらばらにならないようにするということに向けられるべきだと思います。
 困っているということでは、教育も困っていて、今回非常にデジタルが活躍しておりますけれども、デジタルが行き渡っていないところがありますので、そこに対する強化を図る必要があります。
 それから、先ほど尾身先生もおっしゃいましたけれども、国際協力というのにかかわって、そもそも、これから国境をもう一度どうやって開くことができるかという問題です。
 それは、一つは、日本人が外国に行けるかどうかということがあります。国によってはPCR検査を入国のための必要条件としているところもあるので、それについて考える必要がありますが、同時に、外国の人が来て、尾身先生もおっしゃいましたように、もう一度感染の爆発が起こらないようにするにはどういう安全条件が必要なのか。国と国の間の中でも一番もろい箇所から今ぼろぼろになりかけているので、ここを修復することが必要ではないかと思っているわけです。
 これからやることはたくさんありますが、ともかく医療関係者の方と二人三脚して政府も政策を進めていきたいと思います。
 長くなりました。失礼いたします。拍手
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棚橋泰文#7
○棚橋委員長 竹森参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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棚橋泰文#8
○棚橋委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。三ッ林裕巳君。
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三ッ林裕巳#9
○三ッ林委員 自由民主党の三ッ林裕巳です。
 本日は、三人の参考人の先生方には、大変な状況にある中で、貴重な御意見を賜りまして、心から感謝を申し上げます。
 また、新型コロナウイルス感染症対策ということで、先生方がそれぞれのお立場において全力で取り組まれておられることに心から敬意を表する次第でございます。
 また、今回の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々と御遺族に対して、深く哀悼の意を表するとともに、心からお見舞いを申し上げます。
 政府は、新型コロナウイルス感染症への対策は危機管理上重大な課題であるとの認識のもと、国民の命を守るため、これまで、水際での対策、蔓延防止、医療の提供等について総力を挙げて講じてまいりました。
 国民の命を守るためには、感染者数を抑えること及び医療提供体制や社会機能を維持することが大変重要であります。その上で、まずは外出の自粛、三つの密を徹底的に避ける、人と人との距離の確保、マスクの着用、手洗いなどの手指衛生などの基本的な感染対策を行うことを国民の皆様の協力を得て推進し、さらに、積極的な疫学調査等によりクラスターの発生を抑え、また、医療従事者の献身的な御努力によっていわゆるオーバーシュートと呼ばれる爆発的な感染拡大の発生を防止してきました。このことは、感染者、重症者及び死亡者の発生を最小限に食いとめるために大変重要であり、一定の成果を上げてきたと考えています。
 しかしながら、経済の対象は大きく、五月四日に専門者会議の提言で、長期的な対策の継続が市民生活や経済社会に与える影響という観点からの検討を行う体制整備を進めるべきとされました。
 先生方には、それぞれのお立場で、新たな日常の構築に向けてどのような社会を目指すべきか、国民の皆様へわかりやすいメッセージとして御意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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尾身茂#10
○尾身参考人 お答え申し上げます。
 今、三ッ林先生の、これからどう長丁場を乗り切るということでありますけれども、冒頭申し上げましたように、実は、緊急事態宣言を出してからの一カ月ちょっとは、かなり大がかりな国民への自粛等々を国が要請したわけですよね。
 ただ、これからは、そうしたレベルでなくて、もう少し、私はめり張りのついたというふうに申し上げましたけれども、実は、感染拡大のいわゆる、言葉は、牽引車といいますか、ドライビングフォースになるのが今回だんだん明らかになってきたんですよね。そういうところを何とか、一人一人の感染を防ぐことも重要ですけれども、感染が爆発的に感染するのはそういうクラスターを中心にやるということがわかってきたので、院内感染もそうですけれども、こういうものを中心にやるということが重要で、そうした中で経済活動を再開する。
 ただ、経済活動を再開する、私は経済の専門家ではありませんけれども、いろいろな方が大変な苦しみを味わっているというのを私自身も一応は知っていますが、それを一度に、すぐに、突然、急激に解除すると、必ずと言っていいほど感染がまた再燃するということがありますので、解除して経済活動を再開するのには、徐々に、少しずつ、様子を見ながらという慎重な態度でやって、そのうちにバランスをとる。
 しかし、そこでうまく小さな山で抑えられることを願いますけれども、どうしてもまた感染が急激に拡大する、しかもそれがじわじわではなく突然来ることがかなり考えられますので、そのときには、また緊急事態宣言を出すなんということの前に、各都道府県がしっかりとそこに至る前に早く抑えてまた小さな山にするということが、そういう意味では、本当に今、我々、オール・ジャパンの努力がこれから必要になるんだと思います。
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脇田隆字#11
○脇田参考人 私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 今、尾身先生がおっしゃいましたように、新たな日常におきましては、当然のことながら、基本的な感染対策というものが非常に重要になりますし、その中には、フィジカルディスタンス、距離をとるということが最も重要になるわけですけれども、これはいわば、先ほど竹森先生もおっしゃいましたけれども、十九世紀の感染症対策ということになりますので、我々はもう少し近代的な対策をこれから構築していくべきだというふうに専門家会議でも考えております。
 その中には、もちろん、新しい検査法であったり、新しい治療法であったり、そしてワクチンの開発ということになりますので、そういった技術革新の面で我々はもっともっと貢献をしていきたいというふうに考えております。
 ですから、この感染症にかかったとしても、治療をすればきちんと治るということがわかれば、我々は余り恐れることなく行動もできるということになりますし、予防法が確立すれば当然もとの生活にも戻れるということになりますので、早くそういった新たな対策というものを構築していきたいと考えています。
 一方で、院内感染とか施設内感染、それからクラスター感染症というものが、仕組みが大分わかってまいりましたので、そういった対策については、早目早目に対策を持てるような方法を既に構築をしているところであります。
 一方で、学校につきましては、これまで休校が長らく続いておりまして、これは世界的にも同じなんですけれども、まだ余り知見が多くないということでございます。
 ですので、学校におきましては、徐々に、やはりこれも少しずつ、段階的に再開をしていって、それで、もちろん子供たちがこの感染症の、先ほど尾身先生はドライビングフォースと言われましたけれども、インフルエンザと違いまして、そこから感染が広がっていくという事実は今のところありません。ですけれども、学校において集団感染が起きるというようなことをいかにして避けていくかということがこれから課題になってくるというふうに考えております。
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竹森俊平#12
○竹森参考人 医療面のことは今先生がおっしゃってくれましたので、私はちょっとそれ以外のことを考えてみたいんですが、やはり大きなテーマを政策的にも考えていくことが必要であろうと思うんですね。
 今、ヨーロッパでは、マクロン大統領とか、環境についての本腰を入れた政策をやるべきではないかということを言っていて、こんなウイルス問題で大変で、それにお金を使っていて、環境に使うお金があるのかとか、あるいは、ガソリンの値段がこんなに下がっているときに自然エネルギーもないだろうというような声があるかもしれないけれども、一つは、例えばイタリアのミラノという都市は非常に死亡率が高かったんですね。そこの市から、恐らく大気汚染がミラノはずっと指摘されていて、肺が傷んでいる国民は死亡率が高かったのではないかという、そういう情報を自分から出しているわけですね。
 それともう一つは、さすがにヨーロッパも今は空はきれいでCO2は少ないんですが、それでもパリ会議で約束した経路にはまだ届いていないということがあって、これだけ景気、経済を落としてもその経路に乗らないならば、根本的な技術革新が必要ではないかという、そういう提案をしているわけです。
 科学技術というのがポイントですけれども、私は、今回のように全国民が科学技術、特に医療技術の専門家の声に耳を傾けたことは余りないのではないかと思います。
 今のヒーローというのは、弁護士ではなくて、医学専門家でありますから、こういうことを将来目指していくべきだという、そういう子供がたくさん出てきて、何とか自分たちも世の中に役に立ちたいという人が出てきて、学問に対して、特に自然科学の学問に対して真剣に取り組むような、そういうポジティブな展開があるといいだろうと思っております。
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三ッ林裕巳#13
○三ッ林委員 ありがとうございます。
 国、また専門家の先生方、そして事業者、そして病院、国民の皆様、本当に総力を挙げて一つの方向に向かってこの国難を克服していかなければならない、そういったことを感じたわけでございます。
 尾身先生にお伺いしたいんですが、先ほど財政支援のことのお話がございました。私も医師でありますけれども、入院が必要な患者がいても、新型コロナウイルス感染症を受け入れていただいている病院では、空床があっても、病棟全てコロナ対策として対応しているため、病院としては受入れが可能な患者数が激減しております。
 全国医学部長病院長会議の報告では、四月の診療実績が一年間続くようだと大学病院全体で五千億近い減収になると推計しています。診療所においても、同じように、調査では、一千の診療所のうち九四%の外来患者が減少しているという報告もあります。
 新型コロナ感染を恐れ、通常の生活習慣病の受診、また歯科診療所の受診、こういった方々が激減しております。受診を控える動きが続くと、必要な医療を提供できず、重症化を招きかねません。医療機関の閉鎖や縮小という悪循環に陥るリスクがあります。
 国民皆保険制度をしっかりと維持し、医療崩壊を食いとめるためには、この危機は何としても乗り越えていかねばなりません。そのためには、これからの二次補正、十分な予算措置が必要と思いますけれども、地域医療機能推進機構理事長としての尾身先生に、今後の地域医療体制を守る、そういった観点から御示唆いただけることがあればお願いしたいと思います。
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尾身茂#14
○尾身参考人 お答えいたします。
 私、たまたま、先生おっしゃるように、JCHOという組織の理事をしておりました。先日、四月の決算の報告が組織内でありましたけれども、四月はもう去年に比べると圧倒的に、五十七の病院がございますが、PL上、黒字を出したのは一病院だけです。これは、私はたまたま今、私の仕事上そのことを知っているだけで、恐らく、先生おっしゃるように、感染症指定病院だけじゃなくて、一般病院あるいは診療所の方も患者さんが行かない。
 それから、特に病院の方は、コロナ患者さんを受け入れるためにベッドをあけているわけですよね。普通は、ふだんのときには、病床数を上げるということで診療報酬を何とかするというのが医療の運営上のイロハ、ABCですけれども、そういう意味では、今回、そういうことですので、このことがそのまま行くと、感染症による医療崩壊というよりも、財政的な医療崩壊が起きてしまう可能性があるので、ぜひ政府にはそういう財政的な支援をお願いできればと思います。
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三ッ林裕巳#15
○三ッ林委員 ありがとうございます。
 脇田先生に、もう時間も限られていますので、質問させていただきます。
 現在、PCRの検査能力ですけれども、一日当たり約二万二千件に向上しております。加えて、世界に先駆けて抗原検査、一日当たり約二万六千件を導入する予定でありますし、今後、PCR検査と抗原検査の最適な組合せによる迅速かつ効率的な検査体制の構築を進めていくという政府の方針でございます。各種検査を適切に実施する体制を地域で整備し、発症から診断までの期間を短縮していく必要があります。
 そこで、先生にお伺いいたしますが、どの程度の能力がこの国に必要であるのかどうか、その点、御示唆いただければと思います。よろしくお願いします。また、抗体検査についてもお願いいたします。
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脇田隆字#16
○脇田参考人 お答えいたします。
 現在、PCR検査二万二千件、そして抗原検査が導入されまして、こちらは私は一週間に二十万キットが導入されるというふうに伺っております。さらに、抗体の検査につきましても、大規模な調査が今後始まっていくというふうに理解をしております。
 全て一つのキットで診断をするというのは非常に危険性があるということになります。これは感染症の診断においては当然なんですけれども、PCRにつきましても長所と短所があって、抗原検査についてももちろんそのようになります。
 ですから、抗原検査の利点といいますのは、非常に短時間で診断ができるということですから、患者さんが検査のところにいらっしゃって、その場で検査ができる。これはインフルエンザの迅速診断と同じになります。ですから、その方がすぐに診断をされて、もし陽性であれば入院をされるということになります。
 一方で、感度がPCR検査ほど高くありませんので、陰性になった場合でも、その方が必ずしも新型コロナに感染していないという証明にはなりませんので、PCR検査を実施するということになろうかと思います。
 もう一つ、抗原検査のよろしいところ、利点といいますと、やはり感度がPCRよりは低いわけですけれども、どうやらウイルス量が多い人が検出されますので、感染性が強い人が検出できるということになりますので、そういった方は早く診断をされて病院に入院していただく。それから、濃厚接触者の調査におきましても、より感染性の高い方が早期に隔離ができる。これは院内感染のときでも同じです。ですから、そういったところの使い分けをしていくということになろうかと思います。
 抗体検査ですけれども、現在、抗体の調査が進んでいますけれども、やはり一番問題なのは特異度の問題になります。抗体検査というのは、完全な、一〇〇%、抗体が出たら、それが以前に感染をしたということを証明することにはならないわけですね。どうしても偽陽性の問題というのが出てきますので、特異度が、よくても九九・八%ということになりますと、千人やると二人は偽陽性が出てしまうというところですので、その点を非常に注意して見ていく必要があるというふうに考えております。
 以上です。
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三ッ林裕巳#17
○三ッ林委員 参考人の皆様、ありがとうございました。
 先生方の御意見をしっかりと受けとめ、私も全力で頑張ってまいります。ありがとうございました。
 終わります。
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棚橋泰文#18
○棚橋委員長 これにて三ッ林君の質疑は終了いたしました。
 次に、渡辺周君。
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渡辺周#19
○渡辺(周)委員 国民民主党の渡辺でございます。
 立国社の会派を代表して、参考人の先生方にお尋ねをいたします。
 きょうは、改めまして、それぞれのお立場で、御多忙の中をこういう形で我々の疑問に答えていただくこの時間を、本当に先生に心から敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございます。また、日々の御活躍に対しまして、国民を代表して感謝を申し上げます。
 早速伺いたいと思います。まず、尾身参考人に対してでございます。
 総理が五月中に承認を目指すと言っていた治療薬アビガンについて、けさの報道では、明確な有効性が示されていない、十分な科学的根拠がまだ得られていないというような報道がございました。
 一昨日、十八日には日本医師会が、アビガンの名前は挙げておりませんけれども、科学を軽視した判断は最終的に国民の健康にとって害悪だというような提言をされまして、拙速な特例承認、特例承認というのは臨床検査の結果の提出を後回しにして特例で認めるということでございますけれども、このような意見も出されております。
 アビガンについては、妊婦が服用すると副作用があるということも指摘をされて、大変慎重な扱いが言われておりますけれども、この報道をもし御存じでしたら、どのような御見解を持っていらっしゃるか。
 つまり、新薬の開発というのはなかなか時間がかかる、であるならば、既存の薬の転用をした方がスピードが速いのではないかということでございます。それぞれが取り組まれているわけでございますが、インフルエンザの治療薬であるアビガンの転用について、今、このような報道をされているんですけれども、やはり国民の皆さんが、なぜあるのに使わないんだ、なぜ他国には臨床で出すことができて国内ではなかなか使われないのかという意見もあります。
 この点について、先生の御見解がございましたら、ぜひ伺いたいと思います。
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尾身茂#20
○尾身参考人 お答えします。
 渡辺先生の今の御質問の、きょうの総理の発言については……(渡辺(周)委員「というか、けさの報道で」と呼ぶ)そのことは、正直申しまして、きょう、いろいろなことがありまして、準備で、まだ見ておりません。
 その上で申し上げると、今まだ完全に承認されていないけれども、この危機的状況の中で、いわゆるコンパッショネートユースということで言われて、なるべく早く承認をしてということですけれども、当然その際には臨床治験というのが、観察研究もあるし、それのデータで、安全で一定程度、一〇〇%安全で一〇〇%有効な薬というのはないかもしれませんけれども、そういう意味では、しっかりとした評価をした上でなるべく早く使うというのが私は原則だと思います。
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渡辺周#21
○渡辺(周)委員 先ほど冒頭の御発言の中で、治療薬、ワクチンの安全性の審査についてはしっかりとお願いしたいというようなことを、最後の四番目の、政府への御提言としておっしゃいました。
 今度はちょっとワクチンについても伺いたいのですけれども、今、WHOでは百十八の計画が進行中とリストを公表した。その中で、有効性というと、我々、余り医学的な知識のない人間にしてみますと、何か既に、もういつでも実用化できるんじゃないかと考えてしまうんですけれども、これは例えば、動物実験、マウスの実験では有効性を確認されたものがある、この後は、動物実験の後には、人への有効性と安全性のために、次は、たくさんのボランティアの方々、要は、臨床試験の対象になる方にお願いをして、そのデータを集めていくんだということで、そういう手続なんですが、例えば事務的な承認に時間がかかるというのは、これは私たちは短縮しなきゃいけないと思いますけれども、ただ、いわゆる臨床試験については、相当なデータの数と慎重な、やはり時間が必要だと思います。
 そこで伺いたいのですけれども、先ほどお話も出ましたアメリカのパウエル氏も、ワクチンができないとなかなか経済の再生にはならないんだというようなこともおっしゃっていますけれども、尾身先生、ワクチンが、本当に最短ででもどれぐらいの時間がかかると。
 つまり、我々は、ワクチンができるまでの、ある意味、脇田先生も先ほどおっしゃったような、時間稼ぎをしているわけですね。その間、我々我慢をするわけですけれども、そのゴールであるワクチンというのはいつ実用化されるかということについて、ぜひそこについては、このぐらいをめどだと。言われているのは、二〇二一年の終わりぐらいだ、つまり来年の終わりぐらいだというような意見もございますけれども、その点については、尾身先生あるいは脇田先生に伺いたいのは、ワクチンができるということについて、あるいは治療薬についてはどうでしょうか。ぜひその点について御見解を伺いたいと思います。
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尾身茂#22
○尾身参考人 お答えします。
 いつワクチンが実用化されるかということですけれども、私はワクチンの専門家でないので、公衆衛生全般のあれですが、実はワクチンも治療薬も、これは先生御存じだと当然思いますが、実はもう今、企業あるいは研究者がしのぎを削って、研究開発には物すごく強いインセンティブが働いているので、これは研究者あるいは企業を含めて、夜に日を継いで、日本の研究者もやっていますけれども、やっているので、いわゆるサイエンスのレベルではもう急速なスピードでやっていると思います。
 しかし、今先生がおっしゃったように、実は、これが開発、実際に実験室でやれても、実際の臨床試験がフェーズを通っていかなくて、しっかりと有効性をやるには少し時間がかかって、どんなに早くても、この一、二カ月にできるということはなかなか、実用化ですね、それは神のみぞ知るで、なかなかそこについては私は、残念ながら、正確に先生の御質問にいつということは答えることはできないと思いますが、少し時間がかかるということは確かじゃないかと私自身は考えております。
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脇田隆字#23
○脇田参考人 私の考えを述べさせていただきたいと思います。
 やはり、ワクチンに関しましては、治療薬に比べたら時間がかかるということは、これは明らかであります。
 当然のことながら、ワクチンは健康な方に投与するものでありますから、これは有効性だけではなくて安全性が非常に重要ということになります。副反応が起きれば当然そのワクチンは使えないということになってしまいますので、フェーズ1から始まります臨床治験、これをしっかりやってその安全性を確認するということが重要ですので、やはりどうしても時間がかかるということになります。
 一方で、海外の情報を聞いておりますと、もう既にフェーズ1がスタートして安全性を確認しているということですので、日本と海外とどちらが先にゴールにたどり着けるかというのはわかりませんけれども、やはり年を越えるということになろうかというふうには思っておりますけれども、その先が、どの程度で開発が可能になるかということは、なかなか今の現時点ではお答えするのは難しいかなというふうに思います。
 一方で、治療薬の方ですけれども、こちらは既存の承認薬を使った有効性の確認というのが今行われているということになります。それぞれの薬で有効性、どこに作用するかというのが違いますから、それを臨床に使って確認をしているという作業が今、観察研究あるいは臨床治験という形でされています。その中で有効なものが出てくれば当然承認をされていくんだろうと思いますけれども、一方で、最近の研究によりますと、投与の仕方というのも非常に重要であろうというような知見も出てきていますので、やはり早期診断して早期治療をするということがこれから重要になるというふうに考えております。
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渡辺周#24
○渡辺(周)委員 ありがとうございます。
 ちょっと続けて脇田参考人にお伺いをしたいんですけれども、今も御答弁いただきましたように、ワクチンと、そしてあわせて治療薬を早急に開発をしなければならない。そこがゴールだとすれば、そこに向かって、今はとにかく感染拡大を防ぐ。いわば、なかなか、火事で例えれば、発生元の火災を抑える薬はまだできていないけれども、火が延焼する、そしてそこにいる人たちが延焼しないように、あるいは火の粉をかぶらないように、万が一火の粉をかぶったときには治療薬でやけどを治すことができるというものを今急いでいる。しかし、ただ、残念ながらそうならないために、今我慢の生活をしているわけであります。
 そこで、先般発表されました新しい生活様式についてお伺いを、もう時間もありませんのでちょっと結論だけ伺いますが、この生活様式というのは、これは途中で見直しはあるのでしょうか。
 もし見直す場合は、生活様式の見直しですね、これはやはり、今いろいろと皆さん方が関心を持たれているように、例えば、料理に集中しておしゃべりは控え目にとか、あるいは、通販も利用して、キャッシュレスも利用しましょうと。そうすると、対面商売だとか現金商売の方々というのは正直言ってなかなか転換できませんから、これはもう犠牲になるかもしれない。そして、箸の上げおろしまで、こんな細かくやらなきゃ、神経質にやらなきゃいけないのか、本当に受け入れられるのかというやはり戸惑いも相当広がっています。
 その中で、この新たな生活様式を見直していくということについてはどうでしょうか、例えばこうなったらなると。例えて言えば、例えば感染者ゼロが一週間続いたとか、あるいは重症患者がゼロになったとか、何かやはりめどがあればこの生活様式は見直していきます、あるいは逐次変えていきますというようなお考えはありますでしょうか。
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脇田隆字#25
○脇田参考人 お答えいたします。
 新しい生活様式というものは、これはいわば目安のような形でお示しをさせていただきました。
 それで、感染防止につきましては、やはり基本的な感染対策ということが重要というふうに考えております。それはもちろん、フィジカルディスタンスでありますし、手指衛生でありますし、それからマスクを着用するというようなことが非常に重要なポイントになろうかと思います。
 具体的にさまざまな形でお示しさせていただきましたけれども、もちろん、御指摘があればそれは改定をしていくということになりますけれども、ただ、感染者ゼロが一週間続いたからそれを変えていくということではなくて、流行の状況を見ながら、一週間で判断できるというものではないわけですね、今回。ですから、そういった感染の状況をしっかりと見ながらそちらについては検討していくということだと思います。
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渡辺周#26
○渡辺(周)委員 先ほど竹森参考人の方からは国民の自粛能力の高さというような言及がございました。いろいろみんな文句を言いながらも、不自由な生活をしながらも、まさに自粛をしてきたわけでございますし、その成果がやはりあらわれている。
 ただ、やはりもうそろそろ、ここまで来ますと、つまり、緊急事態宣言は緩和されても、慢性事態宣言とでもいいましょうか、しばらくこの事態宣言の中で生きていかなきゃいけない。そうしますと、国の健康診断、国としてこうなってきたら、改善されてきたから、一種の国の健康診断のやはり数字が欲しいわけですよね。
 その点について、やはりできるだけこの生活様式、これを見直していくことについては、ぜひ果敢に、機敏に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 長期戦も覚悟というようなお話がありますけれども、野球で例えて、一回の表裏が今まだ終わったぐらいですと言う有識者の方もいらっしゃいます。そうすると、まだ九回まで相当あるなと。
 本当に、やはり大事なことは、今を我慢しているのはもう精神論で、一丸となってとか、みんなで助け合ってといっても、どうするためにというやはりゴールが見えませんと、ただ精神論だけではそろそろ横紙破りも出てくるんじゃないかというようなこともあります。また、それを戒める人たちが出てきて、非常に社会がぎくしゃくしてしまうということになると思いますので、その点については、生活様式の見直しについては、社会のアンテナを張りながら、ぜひ指示を出していただける、提言をしていただけるようなことをお願いしたいと思います。
 さて、そこで最後、ちょっとざくっと伺いたいんですけれども、安全宣言ですね。
 先ほどちょっと尾身先生は収束に向かっているというようなことを冒頭おっしゃいましたけれども、これは緊急事態宣言のいわゆる解除でもあるけれども、しかし、さっき申したように、慢性の事態宣言の状況は続いている。それで、だんだんだんだん緩和されていく。しかし、これは安全宣言が出るのはどういうときでしょうか。それをぜひ教えていただきたい。
 そしてもう一つは、竹森参考人に伺いたいのは、経済の専門家として伺いたいんですけれども、それまでの間、インバウンドも大変今厳しい、そして消費も厳しい。先般出たGDPの速報値では、一月―三月、相当厳しい数字が出ました。そして、あわせて、これはマイナス三・四%、輸出の不振は顕著、サービス輸出として計上するインバウンドは半減したという中で、日本経済と世界経済の回復というのは相当先だろうとなると、それまでの間、日本の国はどのような形で内需を牽引していくかということについては、経済学者の先生としてどのような御見解をお持ちか。
 ぜひ、済みません、ちょっとばらばらの質問になりましたけれども、時間の関係でまとめて、あわせて質問しますけれども、お答えいただけますでしょうか。
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尾身茂#27
○尾身参考人 お答えいたします。
 私は、いつ何どきということは言えないと思いますが、どういう状況かというのは、イメージとしては三つ。
 まず一つは、感染者、感染の状況ですね。やはり、安全と言うためには、地域の感染がかなりなくなっているということが一つ。それから、外国からの輸入ということに際してある程度対処ができるということ。それから、検査体制がしっかりしていないと、ゼロというのが本当にゼロかどうか言えませんよね、そのこと。
 それからあと、先ほど脇田先生もちょっとおっしゃっていましたけれども、私は、ワクチンができる前でも、今の新しい治療薬、あるいは抗原のキット、こういうものが出てくると、今までとは違う、一般の人のこの病気に対する不安感が物すごく、私どもみんなそうですけれども、強いですよね、そういうものが少しなくなって、あとは経済活動もある程度落ちついてきて、先の見通しが、先ほど竹森先生も、医療の面だけではなくて社会経済的にもある程度見通しが立つというとき、しかも、外国からのあれも、イントロダクションといいますかね、こういうこともある程度防げるという状況が、安全ということにだんだんと近くなってくるのではないかと思います。
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竹森俊平#28
○竹森参考人 まず、経済ですけれども、私は、今インバウンドという話がありましたが、その前に、観光というのは物すごく今打撃を受けていますよね。政府は、それに対して、クーポンを出すとかいろいろ考えていますが、その前に、今、県をまたいで人が動くことは感染を広げるからと抑えているのを、まずそれを解除すれば、私だってもう温泉に行きたくてしようがないわけですから、それは需要はあると思うんですね。
 問題は、安全性をどうやって宣言するか。一種のパスポートというものを考えていて、まず国内パスポート、手形みたいなものをどういうふうにつくるかというのが一つ。その次に、国際パスポートですね。
 私は、輸出自体は、一応物は動いていて、アマゾンで頼んだものが外国から来ることは来る。ただ、商売が、ショッピングが盛り上がっていないから、そこでとまっている部分が多いと思うんですね。
 ですから、まず国内で人が動けるようにするのは、何が安全か。これはちょっとこれから先生たちと話して、どうやったら県をまたいで移ることができるか、この安全基準が何なのか。全部非常事態を解除すればそれでいいのか、あるいは、駅にサーモグラフィーを置けばいいのか何なのかということ、まずここから行くべきで、その次に、国と国をどうやってまたいだら移動できるかということを議論するべきで、今、ともかく、ここまで来るだけで大変なので、そこまで話が固まってはいないと思いますが、それをともかく、人が動ける条件は何なのかということを先生たちと徹底的に話しておくことが必要だと思っております。
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渡辺周#29
○渡辺(周)委員 長丁場と言われる中で、やはり国民の皆さんが聞きたいのは、科学的、客観的、論理的な根拠だと思うんですね。
 ですから、そこのところ、ぜひ専門家の先生方に、政府に提言をしていただきまして、そして、ウイルスに対するワクチン、新薬の開発をとにかく進めていただくようにぜひ御提言いただきたいことと、あわせて、最後に竹森参考人がおっしゃったような、内需をとにかく、どういう形で安心の、まさにインバウンドもそうですけれども、PCRの陰性であるというようなことを例えば何かの形でやはり証明する、そのためにも検査もしっかりふやさなきゃいけない、そして渡航の解除なんかもこれからできるようにするために、どうぞそれぞれのお立場から御提言いただきますように、心から御活躍をお祈り申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 きょうはどうもありがとうございました。
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