国土交通委員会

2021-05-21 衆議院 全153発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和三年五月二十一日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 あかま二郎君
   理事 古賀  篤君 理事 谷  公一君
   理事 土井  亨君 理事 平口  洋君
   理事 簗  和生君 理事 城井  崇君
   理事 小宮山泰子君 理事 岡本 三成君
      秋本 真利君    井上 貴博君
      泉田 裕彦君    岩田 和親君
      小里 泰弘君    加藤 鮎子君
      門  博文君    金子 恭之君
      菅家 一郎君    工藤 彰三君
      小林 茂樹君    鈴木 貴子君
      田中 英之君    田中 良生君
      高木  啓君    中谷 真一君
      中村 裕之君    鳩山 二郎君
      深澤 陽一君    堀井  学君
      本田 太郎君    三ッ矢憲生君
      山本  拓君    荒井  聰君
      伊藤 俊輔君    岡本 充功君
      辻元 清美君    広田  一君
      松田  功君    道下 大樹君
      山本和嘉子君    吉川  元君
      北側 一雄君    吉田 宣弘君
      高橋千鶴子君    井上 英孝君
      古川 元久君
    …………………………………
   国土交通大臣       赤羽 一嘉君
   国土交通副大臣      大西 英男君
   国土交通大臣政務官    小林 茂樹君
   国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君
   政府参考人
   (林野庁林政部長)    前島 明成君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  大坪新一郎君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    奥島 高弘君
   国土交通委員会専門員   武藤 裕良君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  小里 泰弘君     本田 太郎君
  辻元 清美君     吉川  元君
同日
 辞任         補欠選任
  本田 太郎君     小里 泰弘君
  吉川  元君     辻元 清美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 海上交通安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
あかま二郎#1
○あかま委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、海上交通安全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省海事局長大坪新一郎君、海上保安庁長官奥島高弘君及び林野庁林政部長前島明成君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
あかま二郎#2
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
あかま二郎#3
○あかま委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。城井崇君。
この発言だけを見る →
城井崇#4
○城井委員 立憲民主党の城井崇です。
 今回は、海上交通安全法改正案、特に、この法律案が既存の他の法律もある中で現場においてどのように運用されるかなどについて、赤羽国土交通大臣と奥島海上保安庁長官に順次質問をいたします。よろしくお願いいたします。
 まず、異常気象等に伴う船舶事故の未然防止策の充実強化について伺います。
 初めに、法改正のきっかけともなりました関西国際空港連絡橋へのタンカー衝突事故についてお尋ねします。関西国際空港連絡橋へのタンカー衝突事故が発生した要因を国としてどのように分析しているか。改めて政府の認識を海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#5
○奥島政府参考人 お答えいたします。
 関西国際空港連絡橋へのタンカー衝突事故につきましては、平成三十一年四月、運輸安全委員会より調査報告書が出されてございます。
 この報告書によりますと、大阪湾を含む瀬戸内海に海上台風警報が発表されていた状況下、当該タンカーが、一、台風避難の目的で関空島南東方沖の北方約一マイルに連絡橋がある錨地に錨泊したこと、二、二つのいかりのうち一つのいかりのみを使用した単錨泊を続けたこと、三、台風接近に伴う強い風及び波浪により走錨し、一旦主機を使用して圧流が止まったとして、風が強まった後も前進推力がないニュートラルの位置にし続けたことから、本船を制御する距離的な余裕がない状況で再び圧流され連絡橋に衝突したものと考えられるといった内容の報告書であると承知しております。
 海上保安庁では、このような事故原因も踏まえ、安全対策の強化に取り組んでいるところでございます。
この発言だけを見る →
城井崇#6
○城井委員 事故発生当時、同空港周辺海域においては、海上保安庁による錨泊自粛の行政指導により走錨に起因する事故防止対策を実施していたにもかかわらず、衝突事故が発生しました。このことに鑑み、国として行ってきた行政指導による錨泊自粛や湾外避難の推奨の効果をどのように評価していますか。行政指導による措置を法律に基づく措置とすることで何が変わるのか。また、事故当時の情報提供の在り方は適切だったか。政府の見解を海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#7
○奥島政府参考人 お答えをいたします。
 海上保安庁におきましては、関西国際空港の陸岸から三マイル以上離れた場所で錨泊するよう、機会あるごとに注意喚起を行ってきておりました。タンカーの衝突事故が発生した当日、平成三十年九月四日、そのときも、大阪湾海上交通センター及び第五管区海上保安本部から、無線通信として、AIS、これは船舶の位置、針路、速力等の安全に関する情報を自動的に送信するシステムでございますけれども、このAISによる文字情報の送信あるいはVHF無線電話による音声での呼びかけにより、全ての錨泊船を対象として一斉に注意喚起を発出しております。
 あわせて、走錨の予兆のある錨泊船に対しては、大阪湾海上交通センターから船舶電話等により個別に注意喚起を行ってきました。海上保安庁が把握する限り、事故当日は関西国際空港から三マイル以内に錨泊船が十三隻ございましたが、当該タンカーを含む六隻に注意喚起を行ったにもかかわらず事故が発生したものでございます。
 このように、行政指導による場合、多様な関係者がございますので、それが足並みをそろえるということが困難であるなどからその実効性に欠けるという課題がございました。
 こうした状況を踏まえ、今回の法改正により、海上交通安全法に基づき、船舶に対し湾外への避難などを勧告し、さらには命令をかける制度の法制化を新たに図ることで、湾外避難等の実効性を確保し、台風等の事故発生の防止を図ることとしております。
 今後は、この規定に基づき、異常気象時に関西国際空港など臨海部の施設の周辺海域で錨泊する船舶に対し移動や退去等を勧告・命令することができるようになるため、船舶交通の一層の安全確保を図ることができるものと考えております。
この発言だけを見る →
城井崇#8
○城井委員 注意喚起等の行政指導がなかなか実効性に欠けていた、だからこそ法制化によって実効性を確保しよう、こうした狙いだという答弁だったかと思います。
 その上で、一点、お伝えをというふうに思います。事故発生時の海上保安庁の動きなどについて、海事関係者から以下のような意見もあります。事前の海上保安庁の出動の在り方によっては防げたのではないか、海上保安庁が先にアンカーを打ってよい場所を確保していたのではないか、事故発生後に海上保安庁は速やかに救助に向かったのか、防波堤など事前対策が行える部分はどうだったかと。厳しい意見もございますけれども、現場からこのように見える部分があったという点も踏まえて、今後の対応に生かしていただくことをお願いしたいと思います。
 令和二年の海難発生状況を見ますと、事故原因の多くが人為的要因となっています。湾外避難等の新たな対策の導入とともに、人為的要因による事故を減らすことも必要と考えます。国としてどのように取り組む考えか、大臣の見解をお聞かせください。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#9
○赤羽国務大臣 先ほどの長官からの答弁は、関西国際空港のああした事案があり、私も同じ認識でありますけれども、日頃からのルール決め、避難の在り方ということを事前に決めていなかったということから、ある意味では現場での対応というのがああした事案を起こしてしまったということがあったというふうに思っております。
 今御指摘の、海事関係者からの海上保安庁に対する御指摘について、必要があれば、長官から後で答弁させたいと思います。
 いずれにいたしましても、あの事案を教訓といたしまして、人為的要因による安全対策を講じるということは、海上交通の安全確保に万全を期すという観点から大変重要だというふうに考えております。
 まず、国交省といたしましては、船舶側の対策として、錨泊検討地点における走錨リスクを判定するシステムの普及を図るということが一点でございます。また、海上保安庁の監視体制の強化につきましては、錨泊船舶の走錨の予兆を早い段階で検知するシステムを本年度中に現場に配備するということを予定しておるところでございます。
 加えて、今回創設されます湾外避難制度におきましては、船舶を安全な海域に無理なく避難できるよう、時間的な余裕を持って勧告することとしておりまして、人為的要因に起因する走錨事故の防止に資するものというふうに考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
奥島高弘#10
○奥島政府参考人 先ほど、海事関係者等からの厳しい御意見もあるという御指摘がございました。当時の状況の中で、現行法制度の中で海上保安庁としてはやれることを一生懸命やったというふうに思っておりますが、一方で、事故が起こったこと、これも事実でございます。
 そのため、まず第一に、今回お願いしてございます、制度を改正し安全の実効を期していくということがイの一番だというふうに思っておりますし、また、様々な御意見の中で、そういった法の運用を改善していく余地もあろうというふうに思いますので、そういった声にも耳を傾けながらより船舶交通の安全確保に努めてまいりたい、このように思ってございます。
この発言だけを見る →
城井崇#11
○城井委員 海上保安庁長官に加え、大臣からも丁寧に、今回の法案に対する思いと趣旨をお述べいただきました。また、海上保安庁長官からも、先ほど厳しい意見ということでお伝えをさせていただきましたが、そこを受け止めての決意についても聞かせていただいたところであります。私どもはしっかり受け止めてまいりたいというふうに思います。
 さて、ここからは、そうしたきっかけとなった事故なども踏まえてということですが、実際にこの法律を仮に運用していく場合に様々既存の仕組みともぶつかる点もあろうかというように思いまして、そうした点を、少し細かいところになりますが、確認してまいりたいと思います。
 まず、異常気象等のときにおける湾外避難等の勧告・命令制度の創設についてお伺いします。
 関空連絡橋へのタンカー衝突事故を踏まえ、現在、同空港周辺海域において、船舶交通の障害発生等のときを想定した現行の海上交通安全法の規定に基づき、台風等の際に一定の船舶に対する航行制限が行われています。新たな制度を設けなくても、現行法に基づく措置を全国の必要な海域に拡大適用するという手段で本改正案と同様の効果が得られるのではないかとの指摘があります。政府はこの指摘にどのように答えるでしょうか。海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#12
○奥島政府参考人 お答えいたします。
 海上交通安全法が適用される海域におきましては、現行の海上交通安全法第二十六条第一項に基づき、工事や作業を実施し、あるいは沈没船などにより船舶交通に障害が発生した海域について船舶の航行の制限を行っており、関西国際空港の周辺海域においては、当該規定を適用して大型台風の接近時などに一定の航行制限を実施しているというところでございます。
 一方、港則法が適用される港の区域におきましては、平成二十一年に創設されました関連規定、具体的には三十九条第三項、四項でありますが、この規定に基づき、異常気象時、錨泊の制限や、港外への避難などの命令に加え、台風の接近など船舶交通の危険を生ずるおそれがあると予測される段階から、早期に必要な措置を促すことができる勧告の規定を整備しているところでございます。
 今般、近年の異常気象の頻発化、激甚化を踏まえ、船舶交通がふくそうする海上交通安全法の適用海域においても、港則法と同様、異常気象時における安全な海域への避難等を命令するための規定とともに、台風等の接近に際し、早期に必要な措置を促すことができる勧告の規定を整備することとし、より適切な対応を図っていくこととするというものでございます。
この発言だけを見る →
城井崇#13
○城井委員 本改正案による対策と他の手段による対策との比較についてお尋ねいたしました。港則法と同様にということでの対応という趣旨での答弁と受け止めさせていただきました。
 次に、適用海域について伺います。
 令和元年から実施されている走錨事故防止対策では、対策が必要な四十五か所の重要施設の周辺海域を三つに分類し、錨泊実態があり、走錨に起因する事故が起こりやすい海域を規制海域として、対策を最も強化しています。現在、海上交通安全法の適用海域にある重要施設で、規制海域にある施設は関西国際空港だけです。本改正案では同空港周辺海域に限定せず、全ての海上交通安全法適用海域において湾外避難等の命令等を行えるようにした理由は何でしょうか。政府の見解を海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#14
○奥島政府参考人 お答えいたします。
 東京湾、伊勢湾及び大阪湾を含みます瀬戸内海の海上交通安全法の適用海域につきましては、港則法が適用される港内と比較して海域が広いため、台風などの来襲時には港内、湾外からの船舶の避難場所として利用されているところでございまして、これまでは異常気象時に船舶交通を制限する規定を設けておりませんでした。
 しかしながら、平成三十年九月の台風二十一号の際の関西国際空港連絡橋へのタンカーの衝突事故、あるいは令和元年九月の台風十五号の際の南本牧はま道路への貨物船の衝突事故など、台風などの異常気象等の頻発化、激甚化に伴い、船舶交通がふくそうする海域において船舶の走錨による重大事故が発生しているところであります。
 こうした状況を踏まえ、本法案では、船舶交通がふくそうする海上交通安全法の適用海域において、異常気象時に、船舶を湾外に避難等するよう勧告し、さらには命令をかける制度の創設、海上空港等の臨海部に立地する施設の周辺海域において走錨事故の防止を図るために情報を提供し、聴取義務をかけることや、危険回避の措置を勧告する制度の創設などといった措置を講じることにより、海上交通安全法の適用海域においても異常気象時に船舶交通を制限する規定を創設するものであります。
この発言だけを見る →
城井崇#15
○城井委員 本改正案と既存の規制海域との関係について確認をさせていただきました。
 続きまして、事故対策を実施している四十五か所の重要施設のうち、長崎空港、渥美火力発電所、志布志国家石油備蓄基地の三つの施設が海交法及び港則法の適用海域外にあります。両法の適用海域外にある重要施設周辺海域については、海交法等の改正後も法的根拠を持った措置が講じられないのではないか、これらの重要施設周辺海域における事故防止対策はどのように講じられるか。政府の見解を海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#16
○奥島政府参考人 お答えいたします。
 関西国際空港連絡橋への衝突事故などを受け、海上保安庁では、海上空港や火力発電所など、全国の臨海部に立地する施設の周辺海域において、異常気象時の走錨事故防止対策を重点的に行ってまいりました。
 今般の法改正により、これまでの港則法の適用海域に加えて、東京湾、伊勢湾及び大阪湾を含む瀬戸内海におきましても異常気象時の錨泊制限等の勧告・命令といった措置が法的に可能となります。
 走錨対策を重点的に実施している臨海部に立地する施設の周辺海域の多くは港則法及び海上交通安全法が適用される海域でございますが、先生御指摘のとおり、長崎空港、渥美火力発電所、志布志国家石油備蓄基地の三つの施設はいずれも法律が適用されません。
 しかしながら、両法の適用されない海域は、概して船舶交通量が少なく、走錨による事故の発生の可能性も低いため、両法の適用海域に含めた上で法律による規制をかける必要はないと考えてございます。当該海域の監視体制の強化を図るとともに、巡視船艇による指導を行うなどにより、事故防止対策を適切に行ってまいりたいと考えてございます。
この発言だけを見る →
城井崇#17
○城井委員 船舶の航行の数が少ないということでの取扱いということで、今の答弁で確認をさせていただきましたが、後段で触れていただきました、きちんと監視をしながら適切な対応をという点は大変重要だというふうに思いますので、その点は是非お願いしたいと思います。
 続きまして、湾外避難等の新ルールの周知について伺います。
 旅客船や貨物船の湾外避難の実施に当たっては、湾外避難に伴う費用や運航スケジュールの遅れの発生も想定されます。このため、船舶運航事業者の協力だけでなく、旅客や荷主等の理解も必要です。また、外国船舶の関係者への事前の周知など、綿密な周知徹底がなされなければ現場での湾外避難作業が混乱するのではないかとの、現場関係者からの心配の声も届いています。湾外避難等の円滑な実施に当たり、外国を含めた関係者への周知を広く図るためにどのように取り組むか、大臣の考えをお聞かせください。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#18
○赤羽国務大臣 この法案で新たに創設をいたします湾外避難制度につきましては、船舶を利用する様々な企業や荷主の皆様の経済活動等にも大きな影響を与える可能性があり、船舶運航者のみならず、荷主等の船舶を利用される方々にも御理解、御協力いただけるよう、丁寧に説明していかなければいけない、こう考えております。
 さらに、消費者や旅客など国民の皆様の理解も得られるように、ホームページへの掲載などを通じまして広く周知することに努め、制度の普及と定着を図ってまいります。
 外国船舶に対しましては、海上保安官が入港した外国船舶を訪問する機会等を活用いたしまして英語版のリーフレット等を配布しながら周知に努める一方、外国船舶の出入港に係る手続などを代行する船舶代理店などの海事関係者の御協力も得て、広く周知するように努めてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
城井崇#19
○城井委員 新しいルールを実際に現場で運用する折には日本の船舶でも戸惑う部分があるというふうに推察をされますし、そのような声も届いております。外国船舶ならなおさらだと思います。十分な周知を図っていただくように引き続きお願いしたいと思います。
 続きまして、平成二十八年の海交法改正において、非常災害発生時における、海上保安庁長官による交通障害の発生等に関する情報提供や船舶に対する移動命令等の制度が創設をされています。この非常災害発生時における措置と今回創設される異常災害等のときにおける措置は国においてどのような整理をしているのか。大臣からお答えいただけるでしょうか。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#20
○赤羽国務大臣 簡潔に申し上げれば、前者が災害が発生した後の定めでございまして、今回の法改正でお願いしているのは、予見可能な事象を捉えての予防的な対応でございます。
 平成二十八年の海交法改正にて創設されました非常災害時の一連の措置は、船舶同士の衝突による大規模火災などの災害が発生した後に、港内を含む湾内全域におきまして、海上保安庁長官が、災害発生を周知し、航行制限をかけるなどの船舶交通の危険を防止するための措置を実施するものでございます。
 他方、今回の改正により新設させていただきます異常気象時の措置は、台風など予見可能な事象を捉え、船舶交通の危険が生じるおそれが予想される段階から、船舶に対して避難を勧告するなどの措置を講ずることによりまして、事故の未然防止を図るものでございます。
 今回の改正によりまして、予防的段階からの対応が強化されることとなり、船舶交通の一層の安全の確保に寄与するもの、こう考えておるところでございます。
この発言だけを見る →
城井崇#21
○城井委員 非常災害時と異常災害時の関係について確認させていただきました。前者については災害発生後、後者については予防的対応ということで、明確な区切りを確認させていただいたところであります。
 次に参ります。異常気象等のときにおける海上保安庁長官による港長権限の代行制度の創設について伺います。
 海上保安庁長官は、港内を含む湾内からの船舶の退去を一体的に行う必要があると認めるときに、港長に代わって港外避難を勧告等することができることとされていますが、湾外避難を一体的に行う必要があるときとは具体的にどのような状況を想定しているのか。政府の見解を海上保安庁長官からお願いします。
この発言だけを見る →
奥島高弘#22
○奥島政府参考人 お答えいたします。
 海上交通に関する権限は、通常、港内は港長であります海上保安部署長が、また、湾内は海上保安庁長官が行使をしております。
 異常気象時に港にある船舶を湾外に避難させる場合には、まず、船舶を港外に出した上で、引き続き湾外まで避難させる必要があります。
 このため、今般の法改正により湾外避難を勧告等する場合には港内と湾内の権限を一体的に行使できるようにすることが必要であり、このため、必要な港長の権限を海上保安庁長官が代行できることとするものであります。
 特に勢力の強い台風が接近した場合には、本制度により、港内と湾内を一体として、湾外避難の対象船舶を港内から引き続き湾外まで円滑に避難させることといたします。
この発言だけを見る →
城井崇#23
○城井委員 続きまして、港則法第四十六条では、非常災害時において、平時は港長の職権とされている港内における錨泊制限、航行制限、移動命令等の権限の一部を海上保安庁長官が代行できることとし、指定港等における指揮命令の権限を海上保安庁長官に一本化しています。一方、本改正案では、異常気象等時においては、海上保安庁長官は湾外への退去を勧告・命令するときにだけ港長の権限を代行できることとされていますが、退去のときに限定した理由は何でしょうか。大臣からお答えください。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#24
○赤羽国務大臣 今海上保安庁長官が答弁させていただきましたように、異常気象時に船舶を湾外に避難させる場合には、港にある船舶をまず港外に出した上で引き続き湾外まで避難させる必要があることから、港内と湾内の各権限を一体的に行使できるよう、必要な港長権限を海上保安庁長官が代行できることとするものである、これは長官の答弁のとおりでございます。
 一方、今般の法改正で創設いたします海上交通安全法の適用海域における異常気象時の勧告・命令につきましては、湾外への避難のほかにも、湾内での錨泊の自粛ですとか走錨対策の強化といった措置も含まれ、こうした措置は当該の海域内で完結するといった観点から、港内の権限はこれまでどおり港長が権限を行使することとしたものであります。よって、海上保安庁長官による港長権限の代行は必要ない、こう考えております。
この発言だけを見る →
城井崇#25
○城井委員 海上保安庁長官による港長権限の代行の条件について確認をさせていただきました。
 続いてお伺いします。本改正案では、港長権限による港外退去の代行の対象となる異常気象等のときにおける湾外退去の勧告等は、制度上、東京湾以外にも伊勢湾、瀬戸内海で行われ得るというふうに考えますが、これらの管制の一元化が行われていない海域ではどのように運用するのか。大臣の見解をお願いします。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#26
○赤羽国務大臣 異常気象時における湾外避難の勧告等につきましては、海域ごとに設置された法定協議会におきまして、平時から、避難の対象となる台風、避難時期・方法、対象船舶などについてあらかじめ決めておくこととしております。
 また、実際に台風が来襲する際には、台風の状況を共有した上で、湾外避難の必要性、具体的な避難時期等について協議し、協議結果に基づいて湾外避難を実施することとしておるところでございます。
 このように、湾外避難は平時にあらかじめ定められたルールと協議結果に基づいて実施される、こういうことになっておりますので、管制の一元化が行われているか否かにかかわらず、着実に湾外避難が行われるものというふうに承知をしておるところでございます。
この発言だけを見る →
城井崇#27
○城井委員 管制の一元化が行われていない海域での法運用について、平時でのあらかじめの準備があるという趣旨での御答弁だったというふうに受け止めさせていただきました。ありがとうございます。
 続きまして、協議会の設置についてお伺いいたします。
 本改正案では、異常気象等のときにおける船舶交通の危険を防止するための対策の実施に関し必要な協議を行うため、海上保安庁長官等の行政機関と船舶運航関係者等の多様な関係者から成る協議会を創設することとされています。他方、現在、全国の特定港等約二百の港においては、台風対策に関する協議会が任意に設置されており、台風等の接近時における必要な協力・連絡体制の構築が図られています。本改正案に基づく協議会と、港に設置されている協議会との関係はどのように整理をするか。大臣からお答えください。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#28
○赤羽国務大臣 今お話がございました港に設置されている協議会は、任意で設置されておりまして、港外避難のタイミングなど、港内の異常気象等に対する対策について調整を図っているものと承知しております。
 一方、今般、東京湾、伊勢湾及び大阪湾を含む瀬戸内海に設置する法定の協議会は、湾外避難などに係る調整など、相当程度広域な海域における異常気象等に対する対策の円滑な実施のための事前の調整ですとか、台風等の来襲時における対策の協議、そしてその結果の周知を図ること、こういったものを想定しておるところでございます。
 勢力の強い台風が接近し、船舶を湾外に避難させる際には、法定協議会にて調整を図ることになりますが、港内の対象船舶につきましては港外に出した上で湾外まで避難させる必要があることから、港の協議会とも連携して適時適切に避難させる等対応してまいりたい、こう考えております。
この発言だけを見る →
城井崇#29
○城井委員 港に設置されている台風対策の協議会は基本的には港の内側、そして本改正に基づく協議会は広域という趣旨の御答弁を確認させていただきました。
 次に参ります。協議会で協議が調った事項について、協議会の構成員に協議結果の尊重義務が課されますが、海上保安庁長官も含めて尊重義務を課すこととした理由は何か。海上保安庁長官を含めることにより、本来湾外避難を命ずべき船舶の選定及び決定等に影響が生じる懸念はないか。大臣からお答えいただけますか。
この発言だけを見る →
← 戻る