財務金融委員会
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会
会議録情報#0
令和三年二月二十二日(月曜日)
午後一時開議
出席委員
委員長 越智 隆雄君
理事 井林 辰憲君 理事 うえの賢一郎君
理事 神田 憲次君 理事 鈴木 馨祐君
理事 藤丸 敏君 理事 末松 義規君
理事 日吉 雄太君 理事 太田 昌孝君
穴見 陽一君 井野 俊郎君
井上 貴博君 今枝宗一郎君
鬼木 誠君 勝俣 孝明君
小泉 龍司君 杉田 水脈君
田中 良生君 中山 展宏君
深澤 陽一君 船橋 利実君
本田 太郎君 宮澤 博行君
山田 美樹君 海江田万里君
櫻井 周君 階 猛君
野田 佳彦君 長谷川嘉一君
古本伸一郎君 斉藤 鉄夫君
清水 忠史君 青山 雅幸君
井上 一徳君
…………………………………
財務大臣政務官 船橋 利実君
参考人
(SMBC日興証券株式会社金融経済調査部部長金融財政アナリスト) 末澤 豪謙君
参考人
(明治大学商学部教授) 水野 勝之君
参考人
(群馬大学名誉教授) 山田 博文君
財務金融委員会専門員 鈴木 祥一君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十二日
辞任 補欠選任
加藤 鮎子君 深澤 陽一君
城内 実君 杉田 水脈君
前原 誠司君 井上 一徳君
同日
辞任 補欠選任
杉田 水脈君 城内 実君
深澤 陽一君 加藤 鮎子君
井上 一徳君 前原 誠司君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午後一時開議
出席委員
委員長 越智 隆雄君
理事 井林 辰憲君 理事 うえの賢一郎君
理事 神田 憲次君 理事 鈴木 馨祐君
理事 藤丸 敏君 理事 末松 義規君
理事 日吉 雄太君 理事 太田 昌孝君
穴見 陽一君 井野 俊郎君
井上 貴博君 今枝宗一郎君
鬼木 誠君 勝俣 孝明君
小泉 龍司君 杉田 水脈君
田中 良生君 中山 展宏君
深澤 陽一君 船橋 利実君
本田 太郎君 宮澤 博行君
山田 美樹君 海江田万里君
櫻井 周君 階 猛君
野田 佳彦君 長谷川嘉一君
古本伸一郎君 斉藤 鉄夫君
清水 忠史君 青山 雅幸君
井上 一徳君
…………………………………
財務大臣政務官 船橋 利実君
参考人
(SMBC日興証券株式会社金融経済調査部部長金融財政アナリスト) 末澤 豪謙君
参考人
(明治大学商学部教授) 水野 勝之君
参考人
(群馬大学名誉教授) 山田 博文君
財務金融委員会専門員 鈴木 祥一君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十二日
辞任 補欠選任
加藤 鮎子君 深澤 陽一君
城内 実君 杉田 水脈君
前原 誠司君 井上 一徳君
同日
辞任 補欠選任
杉田 水脈君 城内 実君
深澤 陽一君 加藤 鮎子君
井上 一徳君 前原 誠司君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
――――◇―――――
越
越智隆雄#1
○越智委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、SMBC日興証券株式会社金融経済調査部部長金融財政アナリスト末澤豪謙君、明治大学商学部教授水野勝之君、群馬大学名誉教授山田博文君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず末澤参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、SMBC日興証券株式会社金融経済調査部部長金融財政アナリスト末澤豪謙君、明治大学商学部教授水野勝之君、群馬大学名誉教授山田博文君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からそれぞれ二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対し質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず末澤参考人にお願いいたします。
末
末澤豪謙#2
○末澤参考人 SMBC日興証券、末澤でございます。よろしくお願いします。
私からは、こちらの資料、二〇二一年の経済・金融市場の動向と特例公債法、COVID―19とアメリカのバイデン新政権、こちらの資料を使って御説明させていただきます。
一ページめくっていただきまして、世界経済と金融市場の動向、COVID―19パンデミック、二〇二〇年米大統領選とバイデン新政権、特例公債法、この四項目を御説明させていただきますが、何分、全体が二十分でございますので、前半分は相当早送りで折り返させていただきます。
それでは、二ページ目でございますけれども、右下にページ数を振っております。
まず、今年の世界経済、金融市場の動向でございますが、昨年、世界は、新型コロナウイルス感染症、COVID―19のパンデミックによる、世界中でロックダウン、都市封鎖が実施されたことで、リーマン・ショック後を底とした戦後最長の経済拡張局面は終了し、景気後退局面に入りました。
実は、もう昨年の半ばには回復期に移っているとは思います。今回、特に株価も相当暴落しましたが、未曽有、空前絶後の規模の世界的な金融緩和、財政出動により、株価の反発が先行し、世界経済も回復軌道にある。
ただ、今後は、私は、V対LからVダッシュ対Vダブルダッシュ、こちらの攻防になる。つまり、ウイルス対ロックダウン、これが昨年の戦いで、対COVID戦争でございましたが、今年は、ワクチンの普及が期待される一方、いわゆるバリアント、変異株が今後また増えてくる可能性がありますので、この辺りがやはり今年の世界経済の大きな不安定要因。
あと、もう一つこの下に書いてあるのは、二〇一九年まで戦後最長の景気回復局面が続いたんですが、実は政治不安が世界で続いておりまして、過去五年半でG7の六か国で首脳が交代し、今年の九月にはドイツのメルケルさんも首相を退任されるということでございます。この背景には、やはり所得及び資産の格差拡大、また移民、難民問題があったと考えております。
三ページ目でございます。こちらは今年のタイムスケジュール、右側にはCOVID―19の経緯をお示ししておりますので、また御参考にしていただければと思います。
四ページ目でございますが、こちらはIMFの世界経済の見通しでございますけれども、今年、二〇二一年の成長率はプラス五・五%と、昨年十月の見通し対比は〇・三ポイント上方修正されています。右下のグラフの方を御覧いただきますと、昨年は先進国がマイナス四・九%、世界全体でマイナス三・五、新興国及び発展途上国がマイナス二・四ということで、リーマン・ショック後の景気後退局面を上回る、いわゆる大恐慌、世界恐慌以来のマイナス局面になりましたが、今は反発局面にある。
五ページ目でございます。ちょっとこの辺りも早送りでいきますが、今回の危機の特徴を一言で言うと、極めてスピードが速かった。これはなぜかというと、景気後退もロックダウン、つまり人為的な経済封鎖でもたらされました。一方で、それに対しては金融緩和、財政拡張、財政出動、こちらで対応した関係で、株価の動きも、高値と安値、リーマン・ショック時は一年半かかったのが、今回は一か月半。また、アメリカの雇用情勢も、急激に悪化して、その後は徐々に回復しているということでございます。
六ページ目でございますが、今回の景気回復の一つの特徴は、やはり株価が高い。六ページの右上を御覧いただくと、アメリカの個人純資産、これは一昨年の十二月に百十八兆ドル、日本円ですと一京三千兆円になりましたが、それが一回大きく落ちた後、また回復ということです。
あと、七ページ、こちらも、アメリカの方では、今、住宅価格、右上でございますが、過去最高。これはなぜかというと、右下のグラフですね、住宅ローン金利が極めて下がっているということでございます。
あと、八ページでございます。ただ、やはり今後の不透明要因、リスク要因というのは、八ページの青い折れ線がアメリカの長期金利ですね、これが〇・三%台まで下がったわけですが、今、足下は一・三%台ということで、一%ほど上がってきている。あと、スペイン風邪の事例にもありましたように、感染第二波、第三波というのは、ある面、変異株の登場とかが影響しているところもありますので、その辺りがやはり不透明要因、リスク要因だと思います。
九ページ目でございますが、これはアメリカのCOVID―19対策。ちょっと詳しくは御説明しませんが、昨年十二月までの第五弾で総額四兆ドル、重複がございますので、重複を除くと大体三・四兆ドル規模のものを実施しておりまして、足下では、バイデン新政権が一・九兆ドル規模の追加対策案を提示し、これはちょっと超党派ではなかなかうまくいかないということで、財政調整制度、リコンシリエーションを使って今やっておるということです。
ただ、十ページでございますが、アメリカの財政は急激に悪化しておりまして、このまま行きますと、やはり金利上昇又はドル安の懸念というのは払拭できない。
あと、十一ページ、十二ページは、今度は日本の場合ですね。日本も、十一ページの左上、リーマン・ショックを超える景気後退がございましたが、その後、二四半期連続のプラス成長に転換しております。ただ、マーケットでは、この一―三月期は、緊急事態宣言の再発令もありまして、またマイナス成長になるのではないかというのが一般的な見方でございます。
あと、十二ページ、これは今回、株価の方は、バブル期の一九九〇年八月以来の水準に日経平均等々は戻ってきたんですが、やはりかつてと違うのは、グローバル化と少子高齢化の進展。
十三ページ、十四ページは、為替の動向と株価の動向ということで、後でちょっとビジュアル的に御覧いただきたい。
十五ページでございますけれども、日経平均株価は、九〇年八月以来三十年半ぶりの三万円台を回復しております。ただし、為替相場は相当円安でございますし、いわゆる不動産価格も低迷したままというのはちょっと、バブル期とは相当違う。
十六ページ、今回、特に、株式の買手の主役というのは海外がずっと主役だったんですが、足下は日本銀行さんが主役になっている。
済みません、引き続き十七ページから参りますが、COVID―19パンデミックですね。
十八ページ、これはもう御案内だと思いますが、人に感染するコロナウイルスというのは今回が七種類目ですね。元々四種類、風邪コロナウイルス、こちらは皆さん、冬場の風邪の大体一〇%から一五%がこれでございます。あとSARS、MERSということです。SARSは終息しましたが、MERSは今でもたまに出てくる。
あと、WHOでは国際的な公衆衛生上の緊急事態宣言というのを二〇〇九年四月から出していますが、この十年ちょっとで六回目ということでございます。やはり背景には、グローバル化と気候変動が影響している可能性がある。
あと、十九ページ、二十ページでございますけれども、この十九ページのグラフは、上がSARSですね、下が今回ということで、これは実は単位がもう全然違いますので比較はできないんですが、足下では世界では感染は少し収まりかけておるということでございます。ただ、変異株ですね、B1・1・7とかB1・351とかブラジルのP1、こういうものが徐々に拡大しております。
あと、二十ページ、新型インフルエンザのパンデミックというのは二十世紀以降四回ございました。ちょっと次の二十一ページを御覧いただくと、我が国の場合、実は第一回目のスペイン風邪の波は世界に遅れること半年後に起きていますが、一九一八年の秋に発生し、十一月がピークです。二回目が二〇年の一月ということで、二回目は季節性インフルエンザとほぼ同じタイミングでピークになっていますが、この間変異が起きたということで致死率が上がったというふうに言われております。
二十二ページ、二十三ページはアメリカと日本の感染状況でございまして、足下は、御覧のとおり、感染は収まりつつありますが、ただ、やはり死者の数は相当出てきているということでございます。
二十四ページ、二十五ページは、今回の新型コロナウイルス感染症対策ということで、三次にわたる補正予算が組まれまして、空前絶後の規模の国債も増発されております。単位が過去とはちょっと比較にならない単位になっております。
二十五ページでございますが、ここでちょっと私、一点申し上げたいのは、今回のコロナショック、これを鑑みても、財政再建、財政健全化というのはやはり平時、平常時しかできないということが再度確認されたのだろうと。
実は、当初予算と決算に関する一般会計税収を比べますと、一九七五年以降四十六年間で、二十六勝二十敗。勝利というのはどういうことかというと、当初の見積りよりも決算が上回った。一方で、敗退というのはここが下がってくるんですが、実はここが二十六勝二十敗、勝率は六割ほどあるんですね。これは累計すると、今年度は見込みでございますが、マイナス三十兆円。
なぜかというと、過去も、左下に書いていますが、第一次及び第二次オイルショック、バブル崩壊、金融危機、リーマン・ショック、コロナショックと、平均して大体十年に一度大きなショックがあって、そこで一旦税収がどんと落ち込む。また、そのときには大型の補正予算等が組まれますから財政が大きく悪化する、この繰り返しでございます。ですから、やはり今回のコロナショックを乗り切った後は、常の財政健全化が必要だということだと思います。
二十六ページから、アメリカの大統領選と政策動向。ちょっとこちらの方も、時間の関係で、もうさらっとさせていただきます。
二十七ページ、トランプさんというのは、大統領弾劾訴追二回目、初めての大統領ということで、過去に政治家の経験も軍人の経験もない初めての大統領でございますが、相当異色の大統領だった。
二十八と二十九ページ、これは二〇一六年と二〇二〇年のアメリカの大統領選を比較していますが、実は選挙人の獲得数は全く同じなんですね、二百三十二対三百六。ただ、違うのは、得票数が民主党さん、共和党も、いずれも一千万票増やしているということで、実はアメリカでは相当大きな二極化、対立が起きているということでございます。
三十ページは、バイデン政権が打ち出した第一弾の新型コロナウイルス対策でございまして、これは足下、今議会で、下院の方で財政調整法というのをこれから可決しようとしている。財政調整法というのは、リコンシリエーション、財政調整制度に基づく法律でございまして、上院でフィリバスター、これは六十票ないといわゆるクローチャー動議は可決できませんが、この財政調整制度を使えば単純過半数でいけますので、これでやろうとしているということでございます。
あと、三十一ページ、ただ、第二弾、これは二月以降と書いていますが、今日の報道等では三月にバイデンさんは第二弾の対策を出してくるということで、これにはクリーンエナジープランだとか、育児や介護の問題、メディケアの対象年齢の引下げ、オバマ・ケアの拡充、あとインフラ整備、こういったものが打ち出されるということでございます。
こういうものをやるとどのぐらい財政が悪化するのかということで、三十二ページ、これはアメリカのCRFBという超党派の中立系のNPOが試算をしたものでございますが、先ほどのコロナ対策を除いて、こういった元々のバイデンさんの公約を全部実現すると、十年で五・六兆ドル規模の財政収支が悪化するというのが中央値として試算されております。
あと、三十三、三十四ページは、バイデン政権の対中政策と全体の政策をちょっと論じております。三十四ページでございますが、基本的にバイデンさんはビルド・バック・ベターということで、よりよい再建、ただし経済政策の柱はバイ・アメリカンとクリーンエナジー、これが政策の柱になっております。
あと、三十五ページ、ちょっとここまで来るのが本当に早足で申し訳ございません。ここからが本題、本論でございまして、ちょっと時間をかけて御説明させていただきますが、三十五ページ、特例公債法についてですね。
三十六ページでございます。実は、この財政問題というのは、アメリカで過去、金融市場を大きく揺るがす事態が幾度か発生しています。いつからかというと、二〇一〇年以降です。これはなぜかというと、ちょうどオバマ政権の中間選挙でいわゆるティーパーティーが勢力をのして、いわゆる与野党の対立が深刻化したのが二〇一〇年からでございまして、それ以降は、幾度も国際金融市場の波乱要因になっている。
一つが、政府機関閉鎖、いわゆるガバメントシャットダウンでございます。
アメリカの場合は、本予算に相当する統合歳出法、この成立というのは、実は日本と違いまして、会期の始まる前、向こうは十月から始まりますけれども、九月までにできたことはほとんどございません、ここ十年間で。結果的に、その間、統合歳出法が成立するまでは、複数の歳出継続法、これはCRと言っておりますが、日本でいいますと暫定予算、これを成立させている。これは実は今会計年度、この十月に終わります二〇二一会計年度も既に五本通っているんですね。ようやく六本目をする前に、一応、統合歳出法が昨年の年末に成立したということでございます。
ただ、当然、これだけの状況ですから、CR又は本予算の成立が遅れることは過去に多々ございまして、二〇一八年には、アメリカの政府機関の一部が十二月二十二日から二〇一九年一月二十五日まで三十五日間、これはクリントン政権時を上回って、過去最長の政府機関閉鎖に追い込まれております。過去、アメリカの場合は、長いもので、長いというのは一日以上ですね、数時間というのはもっといろいろあるんですが、一日以上閉鎖されたのは大体十回発生しております。
一方、債務上限、これはデットシーリング、デットとシーリングということでございますが、アメリカの政府債務の上限は、一九一七年の第二自由公債法に規定されております。一九四一年以降約百回、債務上限が変更されております。ただ、近年は、与野党の対立で債務上限を引き上げられず、一時的な債務上限の撤廃が恒常化しています。
これはどういうことかといいますと、この右上にグラフがございます。アメリカ政府債務の上限と残高ということで、青いのが残高なんですが、茶色の方が債務上限を表しています。かつては、債務上限というのは継続しているんですね。つまり、ある期日が来ると債務上限を引き上げています。
ただ、二〇一三年あたりから、実は上限の引上げが行われています。これはどうやっているかというと、債務上限の規定をサスペンド、撤廃、停止する措置ですね。これはなぜかというと、上限を引き上げようとすると、幾ら引き上げるかという議論になりまして、ここは与野党で合意ができないということで、一定期間債務上限の規定を停止する、こういう極めてイレギュラーな措置が取られていまして、実は足下もそうなんですね。今年の場合ですと、七月三十一日までは債務限度の適用が停止されています。
ですから、現時点では、アメリカの財務省は、必要な措置、一応、不必要なものを調達してはいけないという規定があるんですが、必要な措置については財務省の権限で調達できる、これをやっていまして、では、七月三十一日になるとどうなるかということなんですが、ちょっと下に書いていますが、通常ですとその前に法案が通らないケースが多いので、その場合は八月一日に前日の債務残高で債務限度額が再設定されます。ですから、それ以降、八月一日以降は一ドルたりとも新規の調達ができなくなる。
では、それでお金が足りなくなるかというと、実は、ちょっと上に規定があるんですが、財務省の緊急措置の規定がございまして、これで、私も五年前にOMB、アメリカ行政管理予算局、あとCBO、議会予算局をちょっと訪問しましてこの辺りを照会してきたんですが、州、地方政府向けの支援だとか公務員退職年金向けの国債発行の停止、為替安定基金の国債への転換停止、こういったもので、当時、五年前というのは大体二千億ドルほどのちょっとやりくりできるへそくりがあったんですね。これを使って対応しました。ですから、大体数か月から、場合によっては半年ぐらいはもつんです。ただ、今は財政赤字が大きな金額ですから、多分今回はもう数か月しかもたない。九月末の予算、来年度予算が切り替わるまでにはこの問題をどうにかしないとまた資金繰りが悪化する、こういうことにはなります。
一方、次のページ、三十七ページでございますが、これが特例公債法の成立が遅れた二〇一二年秋の状況でございます。この右側に特例公債法の公布日というものを出していますが、かつては、御案内のとおり、ちょっと時期が遅かったんですが、平成に入ってからは、大体新年度が始まる三月までには特例公債法が成立して、四月一日から特例公債、赤字国債の発行が可能となっていましたが、二〇一二年秋は、いわゆるねじれ国会でございまして、特例公債法の成立が大幅に遅れたため、建設国債、四条国債ですね、あるいは借換国債、復興国債、財投国債の発行がほぼ終了し、残るは特例公債のみとなって、場合によったら、市中向けに発行している国債の発行が停止される寸前になったということがございます。
また、そういう状況ですから、特別会計への一般会計繰入れの一部停止、地方交付税の配分抑制、補助金の一部停止等が実施されたということでございまして、仮に一旦国債の発行が停止されると、金利は急低下した可能性があるものの、その後は逆に急上昇する可能性がある、また、日本国債の格下げリスクも増大するものと見込まれておりました。
最後の三十八ページでございますが、私は、今回の特例公債法五年の延長、これはやむなしと考えております。
実は、私の地元四国の香川県の大先輩であります大平正芳元総理、元大蔵大臣が大蔵大臣当時の答弁でも、単年度立法による財政規律維持との考え方も、財政健全化計画等が未策定であり、また、近い将来に特例公債からの脱却が見通せる場合は合理的、こういう答弁をなさっていますが、現在は、御案内のとおり、早期脱却はなかなか難しい。
しかも、今回、政府は、国と地方のPB赤字の二〇二五年度黒字化、同時に、債務残高対GDP比の安定的な引下げを掲げております。ただ、現実はなかなか厳しい。やはり百年に一度のコロナ禍ということでございますので、余り、何というんですか、ややテクニカルなリスク、デフォルトリスク等をここであえて引き受ける必要はないんじゃないか。
具体的な特例公債の発行総枠は各年度の一般会計予算総則に明記し、国会審査の対象になっておりますので、完全に政府にその権限が与えられているわけではない。あと、二〇一二年のように、仮に特例公債法案が与野党の政治的駆け引きで成立が遅れ、国債の発行が停止し、一般会計から特別会計への繰入れや地方交付税交付金の配分、補助金の支給停止等が発生すると、やはり日本経済や国民生活にも多大な影響が及ぶ。また、金融市場が混乱するリスク、日本版ミニガバメントシャットダウンの様相を呈することも想定されます。
ということで、財政健全化には、やはり成長戦略とともに歳出歳入改革が重要であるというのが私の主張でございます。
以上、御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私からは、こちらの資料、二〇二一年の経済・金融市場の動向と特例公債法、COVID―19とアメリカのバイデン新政権、こちらの資料を使って御説明させていただきます。
一ページめくっていただきまして、世界経済と金融市場の動向、COVID―19パンデミック、二〇二〇年米大統領選とバイデン新政権、特例公債法、この四項目を御説明させていただきますが、何分、全体が二十分でございますので、前半分は相当早送りで折り返させていただきます。
それでは、二ページ目でございますけれども、右下にページ数を振っております。
まず、今年の世界経済、金融市場の動向でございますが、昨年、世界は、新型コロナウイルス感染症、COVID―19のパンデミックによる、世界中でロックダウン、都市封鎖が実施されたことで、リーマン・ショック後を底とした戦後最長の経済拡張局面は終了し、景気後退局面に入りました。
実は、もう昨年の半ばには回復期に移っているとは思います。今回、特に株価も相当暴落しましたが、未曽有、空前絶後の規模の世界的な金融緩和、財政出動により、株価の反発が先行し、世界経済も回復軌道にある。
ただ、今後は、私は、V対LからVダッシュ対Vダブルダッシュ、こちらの攻防になる。つまり、ウイルス対ロックダウン、これが昨年の戦いで、対COVID戦争でございましたが、今年は、ワクチンの普及が期待される一方、いわゆるバリアント、変異株が今後また増えてくる可能性がありますので、この辺りがやはり今年の世界経済の大きな不安定要因。
あと、もう一つこの下に書いてあるのは、二〇一九年まで戦後最長の景気回復局面が続いたんですが、実は政治不安が世界で続いておりまして、過去五年半でG7の六か国で首脳が交代し、今年の九月にはドイツのメルケルさんも首相を退任されるということでございます。この背景には、やはり所得及び資産の格差拡大、また移民、難民問題があったと考えております。
三ページ目でございます。こちらは今年のタイムスケジュール、右側にはCOVID―19の経緯をお示ししておりますので、また御参考にしていただければと思います。
四ページ目でございますが、こちらはIMFの世界経済の見通しでございますけれども、今年、二〇二一年の成長率はプラス五・五%と、昨年十月の見通し対比は〇・三ポイント上方修正されています。右下のグラフの方を御覧いただきますと、昨年は先進国がマイナス四・九%、世界全体でマイナス三・五、新興国及び発展途上国がマイナス二・四ということで、リーマン・ショック後の景気後退局面を上回る、いわゆる大恐慌、世界恐慌以来のマイナス局面になりましたが、今は反発局面にある。
五ページ目でございます。ちょっとこの辺りも早送りでいきますが、今回の危機の特徴を一言で言うと、極めてスピードが速かった。これはなぜかというと、景気後退もロックダウン、つまり人為的な経済封鎖でもたらされました。一方で、それに対しては金融緩和、財政拡張、財政出動、こちらで対応した関係で、株価の動きも、高値と安値、リーマン・ショック時は一年半かかったのが、今回は一か月半。また、アメリカの雇用情勢も、急激に悪化して、その後は徐々に回復しているということでございます。
六ページ目でございますが、今回の景気回復の一つの特徴は、やはり株価が高い。六ページの右上を御覧いただくと、アメリカの個人純資産、これは一昨年の十二月に百十八兆ドル、日本円ですと一京三千兆円になりましたが、それが一回大きく落ちた後、また回復ということです。
あと、七ページ、こちらも、アメリカの方では、今、住宅価格、右上でございますが、過去最高。これはなぜかというと、右下のグラフですね、住宅ローン金利が極めて下がっているということでございます。
あと、八ページでございます。ただ、やはり今後の不透明要因、リスク要因というのは、八ページの青い折れ線がアメリカの長期金利ですね、これが〇・三%台まで下がったわけですが、今、足下は一・三%台ということで、一%ほど上がってきている。あと、スペイン風邪の事例にもありましたように、感染第二波、第三波というのは、ある面、変異株の登場とかが影響しているところもありますので、その辺りがやはり不透明要因、リスク要因だと思います。
九ページ目でございますが、これはアメリカのCOVID―19対策。ちょっと詳しくは御説明しませんが、昨年十二月までの第五弾で総額四兆ドル、重複がございますので、重複を除くと大体三・四兆ドル規模のものを実施しておりまして、足下では、バイデン新政権が一・九兆ドル規模の追加対策案を提示し、これはちょっと超党派ではなかなかうまくいかないということで、財政調整制度、リコンシリエーションを使って今やっておるということです。
ただ、十ページでございますが、アメリカの財政は急激に悪化しておりまして、このまま行きますと、やはり金利上昇又はドル安の懸念というのは払拭できない。
あと、十一ページ、十二ページは、今度は日本の場合ですね。日本も、十一ページの左上、リーマン・ショックを超える景気後退がございましたが、その後、二四半期連続のプラス成長に転換しております。ただ、マーケットでは、この一―三月期は、緊急事態宣言の再発令もありまして、またマイナス成長になるのではないかというのが一般的な見方でございます。
あと、十二ページ、これは今回、株価の方は、バブル期の一九九〇年八月以来の水準に日経平均等々は戻ってきたんですが、やはりかつてと違うのは、グローバル化と少子高齢化の進展。
十三ページ、十四ページは、為替の動向と株価の動向ということで、後でちょっとビジュアル的に御覧いただきたい。
十五ページでございますけれども、日経平均株価は、九〇年八月以来三十年半ぶりの三万円台を回復しております。ただし、為替相場は相当円安でございますし、いわゆる不動産価格も低迷したままというのはちょっと、バブル期とは相当違う。
十六ページ、今回、特に、株式の買手の主役というのは海外がずっと主役だったんですが、足下は日本銀行さんが主役になっている。
済みません、引き続き十七ページから参りますが、COVID―19パンデミックですね。
十八ページ、これはもう御案内だと思いますが、人に感染するコロナウイルスというのは今回が七種類目ですね。元々四種類、風邪コロナウイルス、こちらは皆さん、冬場の風邪の大体一〇%から一五%がこれでございます。あとSARS、MERSということです。SARSは終息しましたが、MERSは今でもたまに出てくる。
あと、WHOでは国際的な公衆衛生上の緊急事態宣言というのを二〇〇九年四月から出していますが、この十年ちょっとで六回目ということでございます。やはり背景には、グローバル化と気候変動が影響している可能性がある。
あと、十九ページ、二十ページでございますけれども、この十九ページのグラフは、上がSARSですね、下が今回ということで、これは実は単位がもう全然違いますので比較はできないんですが、足下では世界では感染は少し収まりかけておるということでございます。ただ、変異株ですね、B1・1・7とかB1・351とかブラジルのP1、こういうものが徐々に拡大しております。
あと、二十ページ、新型インフルエンザのパンデミックというのは二十世紀以降四回ございました。ちょっと次の二十一ページを御覧いただくと、我が国の場合、実は第一回目のスペイン風邪の波は世界に遅れること半年後に起きていますが、一九一八年の秋に発生し、十一月がピークです。二回目が二〇年の一月ということで、二回目は季節性インフルエンザとほぼ同じタイミングでピークになっていますが、この間変異が起きたということで致死率が上がったというふうに言われております。
二十二ページ、二十三ページはアメリカと日本の感染状況でございまして、足下は、御覧のとおり、感染は収まりつつありますが、ただ、やはり死者の数は相当出てきているということでございます。
二十四ページ、二十五ページは、今回の新型コロナウイルス感染症対策ということで、三次にわたる補正予算が組まれまして、空前絶後の規模の国債も増発されております。単位が過去とはちょっと比較にならない単位になっております。
二十五ページでございますが、ここでちょっと私、一点申し上げたいのは、今回のコロナショック、これを鑑みても、財政再建、財政健全化というのはやはり平時、平常時しかできないということが再度確認されたのだろうと。
実は、当初予算と決算に関する一般会計税収を比べますと、一九七五年以降四十六年間で、二十六勝二十敗。勝利というのはどういうことかというと、当初の見積りよりも決算が上回った。一方で、敗退というのはここが下がってくるんですが、実はここが二十六勝二十敗、勝率は六割ほどあるんですね。これは累計すると、今年度は見込みでございますが、マイナス三十兆円。
なぜかというと、過去も、左下に書いていますが、第一次及び第二次オイルショック、バブル崩壊、金融危機、リーマン・ショック、コロナショックと、平均して大体十年に一度大きなショックがあって、そこで一旦税収がどんと落ち込む。また、そのときには大型の補正予算等が組まれますから財政が大きく悪化する、この繰り返しでございます。ですから、やはり今回のコロナショックを乗り切った後は、常の財政健全化が必要だということだと思います。
二十六ページから、アメリカの大統領選と政策動向。ちょっとこちらの方も、時間の関係で、もうさらっとさせていただきます。
二十七ページ、トランプさんというのは、大統領弾劾訴追二回目、初めての大統領ということで、過去に政治家の経験も軍人の経験もない初めての大統領でございますが、相当異色の大統領だった。
二十八と二十九ページ、これは二〇一六年と二〇二〇年のアメリカの大統領選を比較していますが、実は選挙人の獲得数は全く同じなんですね、二百三十二対三百六。ただ、違うのは、得票数が民主党さん、共和党も、いずれも一千万票増やしているということで、実はアメリカでは相当大きな二極化、対立が起きているということでございます。
三十ページは、バイデン政権が打ち出した第一弾の新型コロナウイルス対策でございまして、これは足下、今議会で、下院の方で財政調整法というのをこれから可決しようとしている。財政調整法というのは、リコンシリエーション、財政調整制度に基づく法律でございまして、上院でフィリバスター、これは六十票ないといわゆるクローチャー動議は可決できませんが、この財政調整制度を使えば単純過半数でいけますので、これでやろうとしているということでございます。
あと、三十一ページ、ただ、第二弾、これは二月以降と書いていますが、今日の報道等では三月にバイデンさんは第二弾の対策を出してくるということで、これにはクリーンエナジープランだとか、育児や介護の問題、メディケアの対象年齢の引下げ、オバマ・ケアの拡充、あとインフラ整備、こういったものが打ち出されるということでございます。
こういうものをやるとどのぐらい財政が悪化するのかということで、三十二ページ、これはアメリカのCRFBという超党派の中立系のNPOが試算をしたものでございますが、先ほどのコロナ対策を除いて、こういった元々のバイデンさんの公約を全部実現すると、十年で五・六兆ドル規模の財政収支が悪化するというのが中央値として試算されております。
あと、三十三、三十四ページは、バイデン政権の対中政策と全体の政策をちょっと論じております。三十四ページでございますが、基本的にバイデンさんはビルド・バック・ベターということで、よりよい再建、ただし経済政策の柱はバイ・アメリカンとクリーンエナジー、これが政策の柱になっております。
あと、三十五ページ、ちょっとここまで来るのが本当に早足で申し訳ございません。ここからが本題、本論でございまして、ちょっと時間をかけて御説明させていただきますが、三十五ページ、特例公債法についてですね。
三十六ページでございます。実は、この財政問題というのは、アメリカで過去、金融市場を大きく揺るがす事態が幾度か発生しています。いつからかというと、二〇一〇年以降です。これはなぜかというと、ちょうどオバマ政権の中間選挙でいわゆるティーパーティーが勢力をのして、いわゆる与野党の対立が深刻化したのが二〇一〇年からでございまして、それ以降は、幾度も国際金融市場の波乱要因になっている。
一つが、政府機関閉鎖、いわゆるガバメントシャットダウンでございます。
アメリカの場合は、本予算に相当する統合歳出法、この成立というのは、実は日本と違いまして、会期の始まる前、向こうは十月から始まりますけれども、九月までにできたことはほとんどございません、ここ十年間で。結果的に、その間、統合歳出法が成立するまでは、複数の歳出継続法、これはCRと言っておりますが、日本でいいますと暫定予算、これを成立させている。これは実は今会計年度、この十月に終わります二〇二一会計年度も既に五本通っているんですね。ようやく六本目をする前に、一応、統合歳出法が昨年の年末に成立したということでございます。
ただ、当然、これだけの状況ですから、CR又は本予算の成立が遅れることは過去に多々ございまして、二〇一八年には、アメリカの政府機関の一部が十二月二十二日から二〇一九年一月二十五日まで三十五日間、これはクリントン政権時を上回って、過去最長の政府機関閉鎖に追い込まれております。過去、アメリカの場合は、長いもので、長いというのは一日以上ですね、数時間というのはもっといろいろあるんですが、一日以上閉鎖されたのは大体十回発生しております。
一方、債務上限、これはデットシーリング、デットとシーリングということでございますが、アメリカの政府債務の上限は、一九一七年の第二自由公債法に規定されております。一九四一年以降約百回、債務上限が変更されております。ただ、近年は、与野党の対立で債務上限を引き上げられず、一時的な債務上限の撤廃が恒常化しています。
これはどういうことかといいますと、この右上にグラフがございます。アメリカ政府債務の上限と残高ということで、青いのが残高なんですが、茶色の方が債務上限を表しています。かつては、債務上限というのは継続しているんですね。つまり、ある期日が来ると債務上限を引き上げています。
ただ、二〇一三年あたりから、実は上限の引上げが行われています。これはどうやっているかというと、債務上限の規定をサスペンド、撤廃、停止する措置ですね。これはなぜかというと、上限を引き上げようとすると、幾ら引き上げるかという議論になりまして、ここは与野党で合意ができないということで、一定期間債務上限の規定を停止する、こういう極めてイレギュラーな措置が取られていまして、実は足下もそうなんですね。今年の場合ですと、七月三十一日までは債務限度の適用が停止されています。
ですから、現時点では、アメリカの財務省は、必要な措置、一応、不必要なものを調達してはいけないという規定があるんですが、必要な措置については財務省の権限で調達できる、これをやっていまして、では、七月三十一日になるとどうなるかということなんですが、ちょっと下に書いていますが、通常ですとその前に法案が通らないケースが多いので、その場合は八月一日に前日の債務残高で債務限度額が再設定されます。ですから、それ以降、八月一日以降は一ドルたりとも新規の調達ができなくなる。
では、それでお金が足りなくなるかというと、実は、ちょっと上に規定があるんですが、財務省の緊急措置の規定がございまして、これで、私も五年前にOMB、アメリカ行政管理予算局、あとCBO、議会予算局をちょっと訪問しましてこの辺りを照会してきたんですが、州、地方政府向けの支援だとか公務員退職年金向けの国債発行の停止、為替安定基金の国債への転換停止、こういったもので、当時、五年前というのは大体二千億ドルほどのちょっとやりくりできるへそくりがあったんですね。これを使って対応しました。ですから、大体数か月から、場合によっては半年ぐらいはもつんです。ただ、今は財政赤字が大きな金額ですから、多分今回はもう数か月しかもたない。九月末の予算、来年度予算が切り替わるまでにはこの問題をどうにかしないとまた資金繰りが悪化する、こういうことにはなります。
一方、次のページ、三十七ページでございますが、これが特例公債法の成立が遅れた二〇一二年秋の状況でございます。この右側に特例公債法の公布日というものを出していますが、かつては、御案内のとおり、ちょっと時期が遅かったんですが、平成に入ってからは、大体新年度が始まる三月までには特例公債法が成立して、四月一日から特例公債、赤字国債の発行が可能となっていましたが、二〇一二年秋は、いわゆるねじれ国会でございまして、特例公債法の成立が大幅に遅れたため、建設国債、四条国債ですね、あるいは借換国債、復興国債、財投国債の発行がほぼ終了し、残るは特例公債のみとなって、場合によったら、市中向けに発行している国債の発行が停止される寸前になったということがございます。
また、そういう状況ですから、特別会計への一般会計繰入れの一部停止、地方交付税の配分抑制、補助金の一部停止等が実施されたということでございまして、仮に一旦国債の発行が停止されると、金利は急低下した可能性があるものの、その後は逆に急上昇する可能性がある、また、日本国債の格下げリスクも増大するものと見込まれておりました。
最後の三十八ページでございますが、私は、今回の特例公債法五年の延長、これはやむなしと考えております。
実は、私の地元四国の香川県の大先輩であります大平正芳元総理、元大蔵大臣が大蔵大臣当時の答弁でも、単年度立法による財政規律維持との考え方も、財政健全化計画等が未策定であり、また、近い将来に特例公債からの脱却が見通せる場合は合理的、こういう答弁をなさっていますが、現在は、御案内のとおり、早期脱却はなかなか難しい。
しかも、今回、政府は、国と地方のPB赤字の二〇二五年度黒字化、同時に、債務残高対GDP比の安定的な引下げを掲げております。ただ、現実はなかなか厳しい。やはり百年に一度のコロナ禍ということでございますので、余り、何というんですか、ややテクニカルなリスク、デフォルトリスク等をここであえて引き受ける必要はないんじゃないか。
具体的な特例公債の発行総枠は各年度の一般会計予算総則に明記し、国会審査の対象になっておりますので、完全に政府にその権限が与えられているわけではない。あと、二〇一二年のように、仮に特例公債法案が与野党の政治的駆け引きで成立が遅れ、国債の発行が停止し、一般会計から特別会計への繰入れや地方交付税交付金の配分、補助金の支給停止等が発生すると、やはり日本経済や国民生活にも多大な影響が及ぶ。また、金融市場が混乱するリスク、日本版ミニガバメントシャットダウンの様相を呈することも想定されます。
ということで、財政健全化には、やはり成長戦略とともに歳出歳入改革が重要であるというのが私の主張でございます。
以上、御清聴ありがとうございました。拍手
越
水
水野勝之#4
○水野参考人 明治大学商学部で教鞭を執っている水野と申します。
専門領域は計量経済学という分野です。財政学ではありません。本日は、経済学を少しかじった一国民として話をさせていただきたいと思います。
現代経済の現象は分かりにくいことばかりで、自分で習った経済学ではおかしいと思われるにもかかわらず、ほかの誰も何も異を唱えない状況になってしまっています。いま一度、基本的な経済学に立ち返り、王様は裸だ、おかしいものはおかしいと考え、経済の状況を点検してみる必要があるのではないでしょうか。
おかしいと思いながらも誰も言わないことに、なぜプライマリーバランスが必要なのか、なぜ赤字国債が問題なのかという単純な問いがあります。
もし赤字国債で賄うことができると国民が認識し始めたら、皆が税金を納める意欲を失っていくおそれがあります。今は血税という思いで国に貢献していますが、赤字国債を発行して済むならば、それで済ませてほしいです。国のために税金を納めるという意欲が薄くなってしまいます。税金を納めないで幸せを味わえるならば、働きたくもなくなります。
かつてレーガノミクスが基礎としていた基本的サプライサイド・エコノミクスは、税率を高くすると国民が働く意欲を失い、逆に税収が減ってしまうという考え方でした。赤字国債の話に当てはめれば、赤字国債依存を高めれば高めるほど国民は労働意欲を失い、税収が減るという悪循環になりかねません。
我々労働者は、働いて、税金を納めて、日本国に貢献しているという誇りを持ってきました。国にとって最も重要なことは、国民が心から支えてくれることだと思います。赤字国債がマンネリ化したら、十年後、二十年後の国民の意識は、今の我々ほど納税の意義を真摯に受け止めてはいないのではないでしょうか。
さて、本日は、十年後、二十年後もそうならず、国民が生きがいを持って働きたい、納税したいという気持ちになるような日本経済づくりの提案を行いたいと思います。
経済では、一方的な思考がなされがちです。景気がよいと、永遠にその状態が続くと皆が錯覚してしまいます。それに警鐘を鳴らしたのが、かつてのサローのゼロサム社会という考え方でした。結局経済はとんとんという考え方です。光と影のように、プラスがあれば他方でマイナスが存在するという警鐘です。我々は、プラスに浮かれてマイナスを見損ないがちになりますが、プラスとマイナスをしっかりと捉えていかなければなりません。
まず、株価について触れます。
株価が異常な値上がりをしています。誰もが異常な高値と認識しながらも、なお上昇しています。人の欲の堰ができて、金融市場から実物市場にお金が流れなくなっています。
かつての経済理論では、金融市場を動かせば実物市場も動き、金融市場で均衡すれば実物市場でも国際収支の市場でも均衡するという考え方でした。現在は、この市場の連動性が崩れています。それは、今話した、人の欲が形成した堰のためです。日銀や年金資金が株を買い支えて堰が形成されてきました。お金がその堰をなかなか越えられません。株を購入する側も、昨年の二月、三月のように株価が下落しても、どうせ日銀が買い支えてくれると考えてしまいます。その安心感がお金を株式市場にとどめ、結局、不況なのに株が上がるという事態を発生させてしまっています。
このことは世界にも当てはまります。市場として、調整機能が欠けてしまっています。金融市場と実物市場が別々に均衡してしまっています。
その第一の問題は、富める者はますます富む、貧しい者はますます貧しくなるというプラスとマイナスの同時発生です。これこそが現代の経済格差の原因となっています。
第二の問題は、株価が上昇しているからといって、アメリカや中国のような世界を牽引するような企業が日本に生まれていないことです。日本では、昭和や平成の企業の活躍が今なお真っ盛り、世界を牽引するイノベーション大企業が生まれません。
第三に、コロナ禍が終わり実物経済がプラスに動き出したときに、株価の上昇する余地がなくなってしまうことも問題です。バブル崩壊という大きなマイナスの事態が待っている可能性があります。
経済を一方的に見て慌てないことも重要です。
コロナで飲食店がピンチです。大学生もアルバイトができず困っています。飲食店を救うべく、政府も給付金を出しています。
ただ、ここで一つ考えてみたいことがあります。新型コロナが起ころうが起こるまいが、日本人の胃袋の大きさは一定です。飲食業がピンチですが、そこの消費が減った分、増えているところもあるはずです。胃袋に関してのゼロサムだからです。外で外食しなければ、巣ごもりで飲食をします。実際、売上げを伸ばしている企業もたくさんあります。
シュンペーターという経済学者が、創造的破壊という言葉を使いました。イノベーション期には、マイナスになる企業での失業者の発生は、新たなプラスとなる企業の雇用で賄われるという考え方です。イノベーション期には創造的破壊があります。ピンチの方ばかりだけでなく、チャンスの方も見ながら着地点を考えられる目が必要です。
さて、水野の最大の主張の点です。
景気は必ずよくなったり悪くなったりします。景気循環です。通常、景気循環は、設備投資や建設投資を要因としています。これまでの政策で設備投資や建設投資が促進されたために、もし多少需要が増えても、企業設備やホテル等に関して、稼働率で調整できます。したがって、次々に新たな投資がなされるような状況にはありません。
そのために頼るべきは、技術革新に基づいた景気循環です。技術革新をイノベーションといいます。ICTにしても、AIにしても、イノベーションの真っただ中です。自動運転、ドローン、ロボットなど、幾らでも可能性があります。
近年、日本の技術はガラパゴス化しがちでした。世界をリードする技術力を持ち得る日本として、イノベーション力で景気循環を動かすべきです。イノベーションは、ゼロサム状態の全体を底上げしてくれます。
水野の独自の研究の一つに、技術進歩のラチェット効果という理論の開発があります。ラチェットというのは歯止めという意味です。景気後退期には技術進歩率が向上するということを経済モデルを使って証明しました。景気後退期には、資本設備や投入する労働力を減じなければならない反面、企業は生産性を上げるために技術開発を行います。つまり、景気後退期には技術開発が進むと言えます。
次の独自の水野の研究は、防衛についてです。政治的に中立的立場として説明します。
アメリカ、中国等、経済大国となると、軍事技術の向上に力を入れます。その軍事技術が民間に開放されると、民間力で大きなイノベーションが巻き起こされます。かつてのインターネットも冷戦終結後に民間開放されて、世界経済は大いなる発展を遂げました。
結論から先に言うと、日本でも国内防衛産業の技術を民間転用し、国全体の経済イノベーションに役立てられるような仕組みをつくるべきだということです。
水野は、日本の防衛産業の経済的効率性の分析を行いました。水野が開発した産業間取引の効率性を測定する指標で計算しました。その結果、日本の防衛産業は効率的産業ではないという結論になりました。防衛産業の技術が伸びるどころか、産業自体がままならないという状態であることが分かりました。
現状、日本は、アメリカから防衛装備品を言い値で押しつけられてしまっています。日本の防衛産業の国際共同研究も遅々として進んでいません。日本の代表的な防衛企業でさえ国内民間航空機が開発できない、大型クルーズ船を造れば大赤字というのでは、防衛技術に関してはより一層貧弱であるという想像がついてしまいます。
どっちみちそろえるべき防衛装備品ならば、国内産業の技術力を向上させるようなことを配慮すべきです。アメリカ頼みにならず、防衛産業の技術力を向上させ、その技術の民間転用で日本全体のイノベーションを引き起こす状況づくりが重要です。
水野独自の研究によれば、産業間の取引が閉鎖的である、非効率的であるという例は、日本の各産業で見られる現象です。私が計算した林業も閉鎖的でした。計算していない産業の幾つかは同様でしょう。他産業との交流を閉鎖してしまったら、イノベーションなど本格的に進むはずがありません。産業間の閉鎖性の打破を呼び起こし、イノベーション力を強めていく産業構造をつくってほしいものです。
特例公債との関連でお話しします。
赤字国債のシステムづくりが巧みにでき上がってしまうと、それに気づいたとき、国民は他人任せ、政府任せになってしまうおそれがあります。国民の労働、納税があっての日本経済です。我々労働者は、自分のためと国のために働いています。赤字国債を発行すれば解決してしまうという認識を持ったとき、税金が無用に思え、労働意欲が減退してしまいます。
提案です。
第一は、プライマリーバランスの必要性を常時国民に訴え、赤字国債は一時的現象である旨を国民に伝えることが重要ということです。
今でさえ、何かあるたびに世論は、政府が補助すべきというように、政府のお金は自分たちが出しているという実感はなく、どこか他の人が出しているという他人事のようになってしまっています。国債を発行して、日銀が買って問題が解決するなら、誰もがそうしてほしいです。
なぜプライマリーバランスが必要なのか。プライマリーバランスこそが、国民が労働意欲、納税意欲を持つための分かりやすい目標なのです。国民が、自分たちで自分たちの国づくりを行うという責任感を持てる目標なのです。赤字国債を発行するにしても、原則毎年審議にかけて、国民に、なぜ赤字国債の発行が必要なのか、納得のいく説明をいただきたいと思います。毎年が無理でも、せめて二、三年に一度は審議を通して国民に説明してほしい。なぜ納税が必要なのかを理解したいためです。
第二は、もし赤字国債発行を慢性化させるならば、政府がイノベーション社会を実現し、そのイノベーションを享受するために国民が働きたくなる、そうした社会をつくってほしいということです。
若い人が総保守化してしまい、今の就職人気企業が昭和のときとさして変わらない企業ばかりというのでは、新たなイノベーション企業に優秀な人材を回せません。世界的なイノベーション企業があっての今後の日本経済です。この技術革新期に、日本に世界的イノベーション企業を誕生させてほしいと思っております。
いずれにしても、国民が納得いく説明を審議を通して欠かさないでほしいです。もし今回特例公債の法案を通したとしても、国民が、どうせ赤字国債が助けてくれると織り込んで勤労意欲、納税意欲を失ってしまったら、経済効果が思ったように伸びない可能性があります。まず、ここで挙げた疑問や課題を解決すべきだと考えます。
以上です。拍手
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現代経済の現象は分かりにくいことばかりで、自分で習った経済学ではおかしいと思われるにもかかわらず、ほかの誰も何も異を唱えない状況になってしまっています。いま一度、基本的な経済学に立ち返り、王様は裸だ、おかしいものはおかしいと考え、経済の状況を点検してみる必要があるのではないでしょうか。
おかしいと思いながらも誰も言わないことに、なぜプライマリーバランスが必要なのか、なぜ赤字国債が問題なのかという単純な問いがあります。
もし赤字国債で賄うことができると国民が認識し始めたら、皆が税金を納める意欲を失っていくおそれがあります。今は血税という思いで国に貢献していますが、赤字国債を発行して済むならば、それで済ませてほしいです。国のために税金を納めるという意欲が薄くなってしまいます。税金を納めないで幸せを味わえるならば、働きたくもなくなります。
かつてレーガノミクスが基礎としていた基本的サプライサイド・エコノミクスは、税率を高くすると国民が働く意欲を失い、逆に税収が減ってしまうという考え方でした。赤字国債の話に当てはめれば、赤字国債依存を高めれば高めるほど国民は労働意欲を失い、税収が減るという悪循環になりかねません。
我々労働者は、働いて、税金を納めて、日本国に貢献しているという誇りを持ってきました。国にとって最も重要なことは、国民が心から支えてくれることだと思います。赤字国債がマンネリ化したら、十年後、二十年後の国民の意識は、今の我々ほど納税の意義を真摯に受け止めてはいないのではないでしょうか。
さて、本日は、十年後、二十年後もそうならず、国民が生きがいを持って働きたい、納税したいという気持ちになるような日本経済づくりの提案を行いたいと思います。
経済では、一方的な思考がなされがちです。景気がよいと、永遠にその状態が続くと皆が錯覚してしまいます。それに警鐘を鳴らしたのが、かつてのサローのゼロサム社会という考え方でした。結局経済はとんとんという考え方です。光と影のように、プラスがあれば他方でマイナスが存在するという警鐘です。我々は、プラスに浮かれてマイナスを見損ないがちになりますが、プラスとマイナスをしっかりと捉えていかなければなりません。
まず、株価について触れます。
株価が異常な値上がりをしています。誰もが異常な高値と認識しながらも、なお上昇しています。人の欲の堰ができて、金融市場から実物市場にお金が流れなくなっています。
かつての経済理論では、金融市場を動かせば実物市場も動き、金融市場で均衡すれば実物市場でも国際収支の市場でも均衡するという考え方でした。現在は、この市場の連動性が崩れています。それは、今話した、人の欲が形成した堰のためです。日銀や年金資金が株を買い支えて堰が形成されてきました。お金がその堰をなかなか越えられません。株を購入する側も、昨年の二月、三月のように株価が下落しても、どうせ日銀が買い支えてくれると考えてしまいます。その安心感がお金を株式市場にとどめ、結局、不況なのに株が上がるという事態を発生させてしまっています。
このことは世界にも当てはまります。市場として、調整機能が欠けてしまっています。金融市場と実物市場が別々に均衡してしまっています。
その第一の問題は、富める者はますます富む、貧しい者はますます貧しくなるというプラスとマイナスの同時発生です。これこそが現代の経済格差の原因となっています。
第二の問題は、株価が上昇しているからといって、アメリカや中国のような世界を牽引するような企業が日本に生まれていないことです。日本では、昭和や平成の企業の活躍が今なお真っ盛り、世界を牽引するイノベーション大企業が生まれません。
第三に、コロナ禍が終わり実物経済がプラスに動き出したときに、株価の上昇する余地がなくなってしまうことも問題です。バブル崩壊という大きなマイナスの事態が待っている可能性があります。
経済を一方的に見て慌てないことも重要です。
コロナで飲食店がピンチです。大学生もアルバイトができず困っています。飲食店を救うべく、政府も給付金を出しています。
ただ、ここで一つ考えてみたいことがあります。新型コロナが起ころうが起こるまいが、日本人の胃袋の大きさは一定です。飲食業がピンチですが、そこの消費が減った分、増えているところもあるはずです。胃袋に関してのゼロサムだからです。外で外食しなければ、巣ごもりで飲食をします。実際、売上げを伸ばしている企業もたくさんあります。
シュンペーターという経済学者が、創造的破壊という言葉を使いました。イノベーション期には、マイナスになる企業での失業者の発生は、新たなプラスとなる企業の雇用で賄われるという考え方です。イノベーション期には創造的破壊があります。ピンチの方ばかりだけでなく、チャンスの方も見ながら着地点を考えられる目が必要です。
さて、水野の最大の主張の点です。
景気は必ずよくなったり悪くなったりします。景気循環です。通常、景気循環は、設備投資や建設投資を要因としています。これまでの政策で設備投資や建設投資が促進されたために、もし多少需要が増えても、企業設備やホテル等に関して、稼働率で調整できます。したがって、次々に新たな投資がなされるような状況にはありません。
そのために頼るべきは、技術革新に基づいた景気循環です。技術革新をイノベーションといいます。ICTにしても、AIにしても、イノベーションの真っただ中です。自動運転、ドローン、ロボットなど、幾らでも可能性があります。
近年、日本の技術はガラパゴス化しがちでした。世界をリードする技術力を持ち得る日本として、イノベーション力で景気循環を動かすべきです。イノベーションは、ゼロサム状態の全体を底上げしてくれます。
水野の独自の研究の一つに、技術進歩のラチェット効果という理論の開発があります。ラチェットというのは歯止めという意味です。景気後退期には技術進歩率が向上するということを経済モデルを使って証明しました。景気後退期には、資本設備や投入する労働力を減じなければならない反面、企業は生産性を上げるために技術開発を行います。つまり、景気後退期には技術開発が進むと言えます。
次の独自の水野の研究は、防衛についてです。政治的に中立的立場として説明します。
アメリカ、中国等、経済大国となると、軍事技術の向上に力を入れます。その軍事技術が民間に開放されると、民間力で大きなイノベーションが巻き起こされます。かつてのインターネットも冷戦終結後に民間開放されて、世界経済は大いなる発展を遂げました。
結論から先に言うと、日本でも国内防衛産業の技術を民間転用し、国全体の経済イノベーションに役立てられるような仕組みをつくるべきだということです。
水野は、日本の防衛産業の経済的効率性の分析を行いました。水野が開発した産業間取引の効率性を測定する指標で計算しました。その結果、日本の防衛産業は効率的産業ではないという結論になりました。防衛産業の技術が伸びるどころか、産業自体がままならないという状態であることが分かりました。
現状、日本は、アメリカから防衛装備品を言い値で押しつけられてしまっています。日本の防衛産業の国際共同研究も遅々として進んでいません。日本の代表的な防衛企業でさえ国内民間航空機が開発できない、大型クルーズ船を造れば大赤字というのでは、防衛技術に関してはより一層貧弱であるという想像がついてしまいます。
どっちみちそろえるべき防衛装備品ならば、国内産業の技術力を向上させるようなことを配慮すべきです。アメリカ頼みにならず、防衛産業の技術力を向上させ、その技術の民間転用で日本全体のイノベーションを引き起こす状況づくりが重要です。
水野独自の研究によれば、産業間の取引が閉鎖的である、非効率的であるという例は、日本の各産業で見られる現象です。私が計算した林業も閉鎖的でした。計算していない産業の幾つかは同様でしょう。他産業との交流を閉鎖してしまったら、イノベーションなど本格的に進むはずがありません。産業間の閉鎖性の打破を呼び起こし、イノベーション力を強めていく産業構造をつくってほしいものです。
特例公債との関連でお話しします。
赤字国債のシステムづくりが巧みにでき上がってしまうと、それに気づいたとき、国民は他人任せ、政府任せになってしまうおそれがあります。国民の労働、納税があっての日本経済です。我々労働者は、自分のためと国のために働いています。赤字国債を発行すれば解決してしまうという認識を持ったとき、税金が無用に思え、労働意欲が減退してしまいます。
提案です。
第一は、プライマリーバランスの必要性を常時国民に訴え、赤字国債は一時的現象である旨を国民に伝えることが重要ということです。
今でさえ、何かあるたびに世論は、政府が補助すべきというように、政府のお金は自分たちが出しているという実感はなく、どこか他の人が出しているという他人事のようになってしまっています。国債を発行して、日銀が買って問題が解決するなら、誰もがそうしてほしいです。
なぜプライマリーバランスが必要なのか。プライマリーバランスこそが、国民が労働意欲、納税意欲を持つための分かりやすい目標なのです。国民が、自分たちで自分たちの国づくりを行うという責任感を持てる目標なのです。赤字国債を発行するにしても、原則毎年審議にかけて、国民に、なぜ赤字国債の発行が必要なのか、納得のいく説明をいただきたいと思います。毎年が無理でも、せめて二、三年に一度は審議を通して国民に説明してほしい。なぜ納税が必要なのかを理解したいためです。
第二は、もし赤字国債発行を慢性化させるならば、政府がイノベーション社会を実現し、そのイノベーションを享受するために国民が働きたくなる、そうした社会をつくってほしいということです。
若い人が総保守化してしまい、今の就職人気企業が昭和のときとさして変わらない企業ばかりというのでは、新たなイノベーション企業に優秀な人材を回せません。世界的なイノベーション企業があっての今後の日本経済です。この技術革新期に、日本に世界的イノベーション企業を誕生させてほしいと思っております。
いずれにしても、国民が納得いく説明を審議を通して欠かさないでほしいです。もし今回特例公債の法案を通したとしても、国民が、どうせ赤字国債が助けてくれると織り込んで勤労意欲、納税意欲を失ってしまったら、経済効果が思ったように伸びない可能性があります。まず、ここで挙げた疑問や課題を解決すべきだと考えます。
以上です。拍手
越
山
山田博文#6
○山田参考人 山田でございます。よろしくお願いいたします。
お時間が限られておりますので、多少とも断定口調になることをお許しください。
私がここで今日意見として申し上げたいのは、最初にちょっと結論を申しますと、財務省の今回の改正法案に関する提案の理由ということでは、経済再生と財政健全化の両立を図っていきたいということなんですが、私はそれは大賛成で、では、そんなことが、OECDでもトップレベルの政府債務大国で、しかもアメリカと争うことになった貧困格差大国日本にできるのかということになるんですが、できますということを申し上げたいんですね。
この資料の、お手元にある資料の四ページと五ページに、莫大な埋蔵金が存在するということです。最初に申しますと、表二は、全産業の、いわゆる内部留保金と言われるんですけれども、利益剰余金が、この間、爆発的に増えております。既にこれについては財務大臣の麻生さんからも、これはちょっと課税した方がいいんじゃないか、最近は言わなくなりましたが、そういうふうなことがありましたね。五百三十八兆円です。
それから二点目は、とうとう日本もアメリカのような格差大国になって、これは二年ごとに野村総合研究所が報告書を作成して出しております、これによりますと、純金融資産が一億円以上を富裕層というふうにしておりますが、つまり、不動産とかそういうものを一切抜きにして、金融資産だけでもって、負債を差っ引いて純金融資産が一億円以上、この人たち世帯の保有する金融資産は三百三十三兆円です。もうちょっとそこを下げて、純金融資産が五千万円以上、ここのところで見ると五百八十八兆円もあります。ここに課税をしても、全く生活は困りません。この富裕層には、全く生活は困りません。今問題なのは、日本国憲法の第二十五条で言うところの健康で文化的な生活が壊されているという、そこに問題があるわけですから、その点に照らしていくと、この富裕層は全く、課税しても生活は困りません。
アメリカでは、かなりの数の、ビル・ゲイツさんとかバフェットさんとか富裕層は、自分たちに何で課税しないんだということを連名でもってメディアに訴えていますよね。日本も例えば何人かの非常に目立った資産家がおりますが、やはりアメリカの富裕層の懐の深さみたいに、日本もそういう人が現れてほしいというふうに思います。やはりこれが、この層で五百八十兆円ないし三百三十三兆円の課税対象はあるんじゃないか。
次の五ページですが、これは対外投資です。日本は世界最大の対外債権大国です、三百六十四兆円。アメリカは世界最大の対外純負債大国ですが、この中で、日本を捨てて、海外にマネーが投資されている。トランプさんは、アメリカを捨てて、アメリカから外に行って稼いでいる企業はけしからぬということをおっしゃいましたが、私も、やはりそういうことを考える必要があるんじゃないか、日本の国益をもっと重視する必要があるんじゃないか。
対外的な投資という点では、やはりこれは余ったマネーですから、国内から余ったマネーが出ているわけです。詳しいことは説明は省略しますが、この中の外貨準備というのがあります、表の左側の下の方ですね。外貨準備というのは、要するに日本の外貨準備高ということになりますが、百四十四兆円ありますけれども、この九割以上はアメリカの政府の発行する国債を保有しています。あとはドル建て預金なんですね。
かつて、東日本大震災が起こったときに、アメリカの著名な経済学者は、日本はこんな世界最大の、今は中国に抜かれましたけれども、外貨準備を持っているんだから、ここを取り崩して震災対策財源に何で充てないかということを言っております。文書も出しております。海外からそういうメッセージすら来ているわけなんですね。だから、そういう面では、外貨準備も含めた三百六十四兆円の純資産、ここにやはり課税のメスを入れるところまで来ているのではないのかというのが、私の今回の、皆さんに申し上げたいことです。
最初の一ページに参りまして、今回の法案は、五年先まで特例債を発行する、これを常態化するということになりますが、一応、原則的なことを踏まえますが、予算は基本的には単年度主義なんですね。そこから逸脱しているということと、国債発行を原則的に財政法で禁止していますので、これらをやはり空文化する。しかも、赤字ですから、見合い資産がないわけですよ。料金も入ってこないし、手数料も入ってこないし、そういうふうな非常に問題の国債を増発するということになります。
今現在、既に普通国債だけで取り上げても、GDPの二倍近くになっていますね。普通国債の残高の七割は特例債なんですね。この状況で、日本は政府債務大国というふうなことになっています。
BSとかNHKの教育なんかでもよく、世界のそういう知性に聞くということで、フランスのジャック・アタリ、この人は単なる学者じゃなくて、閣僚とかをやったり、若い頃からフランスのブレーンなんですけれども、この人は、政府債務を返済する、解消するには八通りあると。増税、歳出削減、経済成長、低金利、インフレ、戦争、外資導入、デフォルト。よく採用されるのがインフレだと。
これは、戦後の昭和二十年から二十六年を見れば、物価が三百倍になりましたから、そういうことによって政府債務を洗い流しましたね。そういうふうなことなんですが、この八つを実際にはセットしながら、ただ、日本は戦争とかその辺はちょっと違いますけれども、この八つの選択肢、戦略というのを実際にセットしています。だから政府債務が解消していますね。増税は消費税なんかが一番いい例ですけれども、やはりそういう問題があります。
そして、国債が累積すると、一応、一通りちょっとあれしますが、まず、国債費が増大してきていますね。国債費の場合は、予算の場合には最優先でそれをまず差っ引きます。残りでもって国民生活関連予算というふうなものに配分するということになりますので、最優先に、国家に金を貸したその本人に対して、国債投資家に対してまず支払いをする、そういうふうな形で予算が組まれますので、ますます圧迫するということになります。
それから、対外的には国債の格付を下げます。今は二十四位ですよね。経済は世界第三位なんですけれども、その国の国家的な信用、対外信用は二十四位なんですね。IMFから、例えば消費税を一五%にしろとか、いろいろな言い方があります。それは、日本政府の発行する国債の信用を担保したいから、新財源でもって支えろということなんです。こういうような、いわば税財源の拡大要請の口実になっていますね。
それから次の問題が、どうしても借金、借金というふうにはしますが、経済学的には、国債や株というのは同じ、資金請求権という有価証券というふうに定義されます。どういうことかというと、国債だったら、政府から利子や元本償還をやる権利があるということですね。そうなりますと、国債、公債は将来租税の先取りということになります。したがって、将来の、若い人の世代の税負担の強化というところに結びついていくということになります。
大きな二点目に行きます。
大体、今、借換債も含めて毎月二十兆円の国債が発行されていますね。この二十兆円の国債を、では発行はできるのかということになりますが、それを可能にしているのが日銀による国債の大量買入れですね、異次元金融緩和、買入れです。
それは、国債引受けを、直接引受けを戦前やっていますけれども、それは禁止ですから、一旦プライマリーディーラーといいますかそういう大手金融機関、これは日本勢が半分近く、海外勢がウォール街を含めた半分、二十社でやっています、この二十社が政府の国債を買いますけれども、買ってすぐ売るんです。どこに、日銀に売るんです。そういうふうな形で回しています。ですから、日銀が実際にもう国債の消化機関化しているという現状があります。明らかにこれは財政法第五条の形骸化ということになります。
それで、その仕組みというふうなことでいきますと、大体、今、日銀は、借換債とかも含めて百兆円前後の国債を民間金融機関から買っているわけなんですね。そうやって資金を回しているという状態があります。国債を日銀がそうやってあれするというと、日銀の下に非常にたまって、今、大体半分ぐらいまで行っていますね。国債発行残高はどんどん膨張しています。
財政再建というのは、一つは国債の発行を抑えるということだったんですけれども、この前の五年間でそういうことを言いましたが、全く目標は未達成です。経済も低迷していますね。そういうふうな状況が現実のリアルな世界です。
私たちが法案を一つ立ち上げて、それに付随する政策を展開する、そのためには何が必要かといったら、実際、過去の政策がどういう経済的な帰結をもたらしているのかということを踏まえて、そこから教訓を出していかなきゃいけないということだと思いますね。そういう点でいいますと、やはり非常に問題です。
国債は、株と同じように価格変動リスクがあります。そういう金融商品ですので、何らかのきっかけで国債価格が下落するとこれは金利上昇になりますが、日銀には国債評価損が発生して、日銀は発券銀行ですから、円の信頼を毀損する、そういう状況になって、円安というふうな状況が訪れます。円安は、憲法二十五条の立場からいえば、食料の大体六割はカロリーベースで輸入ですから、食料品の輸入物価の値上げという形でもって国民生活を直撃します。ただ、輸出産業は、トヨタクラスで一円円安になると四百億ぐらい為替差益が出ますから、ますます格差が広がるという状況になります。
いずれにしましても、そういう、国債費が非常に膨張したりとか、利払い費が膨張したりとか、財政圧迫や財政破綻を誘発するリスクというふうなものを国債の増発というのは抱え込んでしまいます。
大きな三点目ということになりますと、今、借金ということだけに目が行きますが、国債は、先ほどもちょっと触れましたが、資金請求権という証券で、これを買っていたら、国家から、政府から利払い、元本保証を一〇〇%やってくれるわけです。非常に格付の高い、そういう金融商品です。
今の現状は、実体経済は長期的な低迷下で、では何で金もうけするかといったらば、金融ビジネスで金もうけに振っています。国債も利子が低いから、買って持っているだけでは全然あれだということで、どんどん売買をする。ざっくり言って、国債流通市場、売買高は二京円です。一・九京円ですね、兆の値を超えているわけです。
なぜこういう事態になっているかというと、超高速取引ということで、一秒間に数千回の売買というふうなことがやられています。国債は、グローバルなマネーの、アメリカン・マネーやチャイナ・マネーもそうなんですけれども、ターゲットになっています。そして、猛烈な回転を人知を超えるスピードで行われています。そういうことであっという間に二京円ぐらいまで行っているわけです。
こういう売買取引ができるのは、グローバルな金融ビジネスをやっている欧米のウォール街やシティー、ロンドンや、それから東京の三メガバンクあたりのわけになりますね。つまり、実体経済、国民生活にとって必要な財やサービスよりも、手っ取り早いコンピューターの、昔、日経新聞は電算機ギャンブルという言い方をしましたが、そういう金融ビジネスでいわば利益を増やす、そういう事態が進展していることがあります。
つまり、国債は政府の借金という形だけで見ちゃいけないということなんです。有力な金融商品であって、これは、日本はようやくそういうふうな見方が広がってきましたけれども、アメリカのウォール街やシティーのあるイギリスは世界中の国債のそういう巨大マーケットになっています。
一九八八年から二〇一一年だと思いますが、モルガン・スタンレーというウォール街の非常に大手がありますが、それは各国の国債の利回りで七%とか回すんですよ。すごいでしょう。利回り七%か八%ですよ、平均が。ただ、株の場合は平成元年から二年のところでどんと落ちましたから、さすがにウォール街でもそこではマイナスです、利回りマイナスになっていますね。
この点がほとんど抜けているというところはやはり大きな問題です。つまり、国庫の赤字は利益の主要な源泉になっているというのが現代経済の特徴だということなんですね。国庫の赤字で稼ぐということが現代経済では行われています。
次は、二ページ目に参ります。
日銀が、さっき国債の間接引受けだと申しましたが、民間金融機関が買います、大量に。何といったって、月二十兆円国債を発行しなきゃいけないわけですから。それで、買ったものを日銀が更に高く買ってくれます。民間金融機関は、政府から公募入札というふうな形で、アンダーパー、要するに額面よりも低いことで買います。そして日銀は、何とオーバーパー、額面価格より高く買ってくれるわけですから、これはどんどん安く引き受けて高く売れる、そういう形で、日本の国債の発行と財政の資金繰りが回っているんですね。
その結果、どういうことが起こっているかというと、日銀は、直近の残で十二兆円ほどの国債償還損を抱えております。国債は額面でもって償還しますから、額面よりも高く買ったらば、その高く買った分は国債償還損として日銀のバランスシートを傷つけます。そういうところです、十二兆円ですよ。
これは、この表一の、いろいろ、名目GDPから一番最後の十二、日銀の国債償還損は、例えば二〇一二年の段階で約一兆円でした。ところが、この八年後ぐらいになると何と十二兆円まで上がっています。この十二兆円分はどうしたのといったら、それは民間の大手金融機関から高く買ったことによって被る損失で、立場からいえば、民間の大手、これは日本だけではありません、世界の民間の大手は十二兆円も日銀から利益を増やしてもらった。国債の日銀への売却益なんですよ。日銀は償還損十二兆円、民間は売却益十二兆円、こういう形でもって国債というのが金融ビジネスに使われているということですね。
ひどいのが、今日ぱっと買ったらすぐ日銀に売る、これが日銀トレードというんですけれども、これの利回りで、瞬間風速でいくと三八%ぐらいの利回りの取引があるということが、この辺のデータはかなり微妙なあれで調べるのが大変なんですけれども、そういう指摘をしている国債に関する研究書もある。研究書ですね、著書もあります、私の友人なんですが。
そういうことで、私たちがこの新しい法案をあれするときに、では過去五年間の特例公債の発行期間がどういう結果をもたらしたかというのが、この二ページの四の表一になります。経済は成長していません、全然、一・〇五倍です。ところが、株価だけ二・六倍になっています、時価総額は二・三倍ですね。富裕層や大手金融機関から企業、こういうふうなところは、つまり株式を持っている層は、ざっくり言って資産が二倍になったんですね。アメリカからすればまだあれですけれども、こういう状況が発生しているわけです。
ところが、政府債務は一・三倍、この政府債務の中には財投債とかが含まれています、普通国債だけではありません。富裕層の金融資産も一・八倍とかと、つまり、経済成長を上回る資産の膨張というのがあるということですよ。この点は明らかにゆがんでいますね。そういう事態があるわけです。
経済は低成長のままなのに資産が倍増して、株式を始めとした、大企業でいったら内部留保金が、利益剰余金がどんどん積み上がって、大企業の利益と富裕層の資産はどんどん拡大していく。ところが、国民生活は、消費税は一〇%に上げられる、社会保険料をどんどん上げられて、負担率は三九・四%から四四・六%まで、プラス四・九%ですよ。これはやはり非常なゆがみと格差が発生しているということになります。この点はやはり無視するということはできないのではないかということが、私が申し述べたいことの一つです。
それで、こういうような事態、過去五年間の特例公債の発行期間でこれが発生しているわけです。過去の事態を見ますと、五番目として、このようなことが言えると思うんです。
先ほど申しましたように、やはり、ざっくり言えば巨額の埋蔵金、ここに対する新たな課税をすることが、財務省の提案のように経済の再生と財政再建というダブルの目標を達成する上においては不可欠ではないのか。是非そのことを、細かいところでは法律のいろいろなものがありますので、これは非常に有能な財務省のスタッフの皆さんがやってくれるんじゃないかと思いますが。
やはり日本は主権国家で、国民主権というふうなことをきちんと憲法で明記しているわけですので、私たちの経済学は、国民主権、生活ということでいえば二十五条、これを基準にしていろいろなことを考えなきゃいけないということです。そうすると、消費税の増税じゃなくて減税をしたりすると、これは国民の可処分所得を高めて、消費需要を喚起して、経済の再生へとつながっていく。
あと、最後は、SDGsというふうな大きな枠組みで、ウィズコロナ、ポストコロナの世界というふうなものを日本から積極的に世界に向かって情報発信してほしいというのが私の申し上げたいことです。
時間が参りました。どうも失礼いたしました。拍手
この発言だけを見る →お時間が限られておりますので、多少とも断定口調になることをお許しください。
私がここで今日意見として申し上げたいのは、最初にちょっと結論を申しますと、財務省の今回の改正法案に関する提案の理由ということでは、経済再生と財政健全化の両立を図っていきたいということなんですが、私はそれは大賛成で、では、そんなことが、OECDでもトップレベルの政府債務大国で、しかもアメリカと争うことになった貧困格差大国日本にできるのかということになるんですが、できますということを申し上げたいんですね。
この資料の、お手元にある資料の四ページと五ページに、莫大な埋蔵金が存在するということです。最初に申しますと、表二は、全産業の、いわゆる内部留保金と言われるんですけれども、利益剰余金が、この間、爆発的に増えております。既にこれについては財務大臣の麻生さんからも、これはちょっと課税した方がいいんじゃないか、最近は言わなくなりましたが、そういうふうなことがありましたね。五百三十八兆円です。
それから二点目は、とうとう日本もアメリカのような格差大国になって、これは二年ごとに野村総合研究所が報告書を作成して出しております、これによりますと、純金融資産が一億円以上を富裕層というふうにしておりますが、つまり、不動産とかそういうものを一切抜きにして、金融資産だけでもって、負債を差っ引いて純金融資産が一億円以上、この人たち世帯の保有する金融資産は三百三十三兆円です。もうちょっとそこを下げて、純金融資産が五千万円以上、ここのところで見ると五百八十八兆円もあります。ここに課税をしても、全く生活は困りません。この富裕層には、全く生活は困りません。今問題なのは、日本国憲法の第二十五条で言うところの健康で文化的な生活が壊されているという、そこに問題があるわけですから、その点に照らしていくと、この富裕層は全く、課税しても生活は困りません。
アメリカでは、かなりの数の、ビル・ゲイツさんとかバフェットさんとか富裕層は、自分たちに何で課税しないんだということを連名でもってメディアに訴えていますよね。日本も例えば何人かの非常に目立った資産家がおりますが、やはりアメリカの富裕層の懐の深さみたいに、日本もそういう人が現れてほしいというふうに思います。やはりこれが、この層で五百八十兆円ないし三百三十三兆円の課税対象はあるんじゃないか。
次の五ページですが、これは対外投資です。日本は世界最大の対外債権大国です、三百六十四兆円。アメリカは世界最大の対外純負債大国ですが、この中で、日本を捨てて、海外にマネーが投資されている。トランプさんは、アメリカを捨てて、アメリカから外に行って稼いでいる企業はけしからぬということをおっしゃいましたが、私も、やはりそういうことを考える必要があるんじゃないか、日本の国益をもっと重視する必要があるんじゃないか。
対外的な投資という点では、やはりこれは余ったマネーですから、国内から余ったマネーが出ているわけです。詳しいことは説明は省略しますが、この中の外貨準備というのがあります、表の左側の下の方ですね。外貨準備というのは、要するに日本の外貨準備高ということになりますが、百四十四兆円ありますけれども、この九割以上はアメリカの政府の発行する国債を保有しています。あとはドル建て預金なんですね。
かつて、東日本大震災が起こったときに、アメリカの著名な経済学者は、日本はこんな世界最大の、今は中国に抜かれましたけれども、外貨準備を持っているんだから、ここを取り崩して震災対策財源に何で充てないかということを言っております。文書も出しております。海外からそういうメッセージすら来ているわけなんですね。だから、そういう面では、外貨準備も含めた三百六十四兆円の純資産、ここにやはり課税のメスを入れるところまで来ているのではないのかというのが、私の今回の、皆さんに申し上げたいことです。
最初の一ページに参りまして、今回の法案は、五年先まで特例債を発行する、これを常態化するということになりますが、一応、原則的なことを踏まえますが、予算は基本的には単年度主義なんですね。そこから逸脱しているということと、国債発行を原則的に財政法で禁止していますので、これらをやはり空文化する。しかも、赤字ですから、見合い資産がないわけですよ。料金も入ってこないし、手数料も入ってこないし、そういうふうな非常に問題の国債を増発するということになります。
今現在、既に普通国債だけで取り上げても、GDPの二倍近くになっていますね。普通国債の残高の七割は特例債なんですね。この状況で、日本は政府債務大国というふうなことになっています。
BSとかNHKの教育なんかでもよく、世界のそういう知性に聞くということで、フランスのジャック・アタリ、この人は単なる学者じゃなくて、閣僚とかをやったり、若い頃からフランスのブレーンなんですけれども、この人は、政府債務を返済する、解消するには八通りあると。増税、歳出削減、経済成長、低金利、インフレ、戦争、外資導入、デフォルト。よく採用されるのがインフレだと。
これは、戦後の昭和二十年から二十六年を見れば、物価が三百倍になりましたから、そういうことによって政府債務を洗い流しましたね。そういうふうなことなんですが、この八つを実際にはセットしながら、ただ、日本は戦争とかその辺はちょっと違いますけれども、この八つの選択肢、戦略というのを実際にセットしています。だから政府債務が解消していますね。増税は消費税なんかが一番いい例ですけれども、やはりそういう問題があります。
そして、国債が累積すると、一応、一通りちょっとあれしますが、まず、国債費が増大してきていますね。国債費の場合は、予算の場合には最優先でそれをまず差っ引きます。残りでもって国民生活関連予算というふうなものに配分するということになりますので、最優先に、国家に金を貸したその本人に対して、国債投資家に対してまず支払いをする、そういうふうな形で予算が組まれますので、ますます圧迫するということになります。
それから、対外的には国債の格付を下げます。今は二十四位ですよね。経済は世界第三位なんですけれども、その国の国家的な信用、対外信用は二十四位なんですね。IMFから、例えば消費税を一五%にしろとか、いろいろな言い方があります。それは、日本政府の発行する国債の信用を担保したいから、新財源でもって支えろということなんです。こういうような、いわば税財源の拡大要請の口実になっていますね。
それから次の問題が、どうしても借金、借金というふうにはしますが、経済学的には、国債や株というのは同じ、資金請求権という有価証券というふうに定義されます。どういうことかというと、国債だったら、政府から利子や元本償還をやる権利があるということですね。そうなりますと、国債、公債は将来租税の先取りということになります。したがって、将来の、若い人の世代の税負担の強化というところに結びついていくということになります。
大きな二点目に行きます。
大体、今、借換債も含めて毎月二十兆円の国債が発行されていますね。この二十兆円の国債を、では発行はできるのかということになりますが、それを可能にしているのが日銀による国債の大量買入れですね、異次元金融緩和、買入れです。
それは、国債引受けを、直接引受けを戦前やっていますけれども、それは禁止ですから、一旦プライマリーディーラーといいますかそういう大手金融機関、これは日本勢が半分近く、海外勢がウォール街を含めた半分、二十社でやっています、この二十社が政府の国債を買いますけれども、買ってすぐ売るんです。どこに、日銀に売るんです。そういうふうな形で回しています。ですから、日銀が実際にもう国債の消化機関化しているという現状があります。明らかにこれは財政法第五条の形骸化ということになります。
それで、その仕組みというふうなことでいきますと、大体、今、日銀は、借換債とかも含めて百兆円前後の国債を民間金融機関から買っているわけなんですね。そうやって資金を回しているという状態があります。国債を日銀がそうやってあれするというと、日銀の下に非常にたまって、今、大体半分ぐらいまで行っていますね。国債発行残高はどんどん膨張しています。
財政再建というのは、一つは国債の発行を抑えるということだったんですけれども、この前の五年間でそういうことを言いましたが、全く目標は未達成です。経済も低迷していますね。そういうふうな状況が現実のリアルな世界です。
私たちが法案を一つ立ち上げて、それに付随する政策を展開する、そのためには何が必要かといったら、実際、過去の政策がどういう経済的な帰結をもたらしているのかということを踏まえて、そこから教訓を出していかなきゃいけないということだと思いますね。そういう点でいいますと、やはり非常に問題です。
国債は、株と同じように価格変動リスクがあります。そういう金融商品ですので、何らかのきっかけで国債価格が下落するとこれは金利上昇になりますが、日銀には国債評価損が発生して、日銀は発券銀行ですから、円の信頼を毀損する、そういう状況になって、円安というふうな状況が訪れます。円安は、憲法二十五条の立場からいえば、食料の大体六割はカロリーベースで輸入ですから、食料品の輸入物価の値上げという形でもって国民生活を直撃します。ただ、輸出産業は、トヨタクラスで一円円安になると四百億ぐらい為替差益が出ますから、ますます格差が広がるという状況になります。
いずれにしましても、そういう、国債費が非常に膨張したりとか、利払い費が膨張したりとか、財政圧迫や財政破綻を誘発するリスクというふうなものを国債の増発というのは抱え込んでしまいます。
大きな三点目ということになりますと、今、借金ということだけに目が行きますが、国債は、先ほどもちょっと触れましたが、資金請求権という証券で、これを買っていたら、国家から、政府から利払い、元本保証を一〇〇%やってくれるわけです。非常に格付の高い、そういう金融商品です。
今の現状は、実体経済は長期的な低迷下で、では何で金もうけするかといったらば、金融ビジネスで金もうけに振っています。国債も利子が低いから、買って持っているだけでは全然あれだということで、どんどん売買をする。ざっくり言って、国債流通市場、売買高は二京円です。一・九京円ですね、兆の値を超えているわけです。
なぜこういう事態になっているかというと、超高速取引ということで、一秒間に数千回の売買というふうなことがやられています。国債は、グローバルなマネーの、アメリカン・マネーやチャイナ・マネーもそうなんですけれども、ターゲットになっています。そして、猛烈な回転を人知を超えるスピードで行われています。そういうことであっという間に二京円ぐらいまで行っているわけです。
こういう売買取引ができるのは、グローバルな金融ビジネスをやっている欧米のウォール街やシティー、ロンドンや、それから東京の三メガバンクあたりのわけになりますね。つまり、実体経済、国民生活にとって必要な財やサービスよりも、手っ取り早いコンピューターの、昔、日経新聞は電算機ギャンブルという言い方をしましたが、そういう金融ビジネスでいわば利益を増やす、そういう事態が進展していることがあります。
つまり、国債は政府の借金という形だけで見ちゃいけないということなんです。有力な金融商品であって、これは、日本はようやくそういうふうな見方が広がってきましたけれども、アメリカのウォール街やシティーのあるイギリスは世界中の国債のそういう巨大マーケットになっています。
一九八八年から二〇一一年だと思いますが、モルガン・スタンレーというウォール街の非常に大手がありますが、それは各国の国債の利回りで七%とか回すんですよ。すごいでしょう。利回り七%か八%ですよ、平均が。ただ、株の場合は平成元年から二年のところでどんと落ちましたから、さすがにウォール街でもそこではマイナスです、利回りマイナスになっていますね。
この点がほとんど抜けているというところはやはり大きな問題です。つまり、国庫の赤字は利益の主要な源泉になっているというのが現代経済の特徴だということなんですね。国庫の赤字で稼ぐということが現代経済では行われています。
次は、二ページ目に参ります。
日銀が、さっき国債の間接引受けだと申しましたが、民間金融機関が買います、大量に。何といったって、月二十兆円国債を発行しなきゃいけないわけですから。それで、買ったものを日銀が更に高く買ってくれます。民間金融機関は、政府から公募入札というふうな形で、アンダーパー、要するに額面よりも低いことで買います。そして日銀は、何とオーバーパー、額面価格より高く買ってくれるわけですから、これはどんどん安く引き受けて高く売れる、そういう形で、日本の国債の発行と財政の資金繰りが回っているんですね。
その結果、どういうことが起こっているかというと、日銀は、直近の残で十二兆円ほどの国債償還損を抱えております。国債は額面でもって償還しますから、額面よりも高く買ったらば、その高く買った分は国債償還損として日銀のバランスシートを傷つけます。そういうところです、十二兆円ですよ。
これは、この表一の、いろいろ、名目GDPから一番最後の十二、日銀の国債償還損は、例えば二〇一二年の段階で約一兆円でした。ところが、この八年後ぐらいになると何と十二兆円まで上がっています。この十二兆円分はどうしたのといったら、それは民間の大手金融機関から高く買ったことによって被る損失で、立場からいえば、民間の大手、これは日本だけではありません、世界の民間の大手は十二兆円も日銀から利益を増やしてもらった。国債の日銀への売却益なんですよ。日銀は償還損十二兆円、民間は売却益十二兆円、こういう形でもって国債というのが金融ビジネスに使われているということですね。
ひどいのが、今日ぱっと買ったらすぐ日銀に売る、これが日銀トレードというんですけれども、これの利回りで、瞬間風速でいくと三八%ぐらいの利回りの取引があるということが、この辺のデータはかなり微妙なあれで調べるのが大変なんですけれども、そういう指摘をしている国債に関する研究書もある。研究書ですね、著書もあります、私の友人なんですが。
そういうことで、私たちがこの新しい法案をあれするときに、では過去五年間の特例公債の発行期間がどういう結果をもたらしたかというのが、この二ページの四の表一になります。経済は成長していません、全然、一・〇五倍です。ところが、株価だけ二・六倍になっています、時価総額は二・三倍ですね。富裕層や大手金融機関から企業、こういうふうなところは、つまり株式を持っている層は、ざっくり言って資産が二倍になったんですね。アメリカからすればまだあれですけれども、こういう状況が発生しているわけです。
ところが、政府債務は一・三倍、この政府債務の中には財投債とかが含まれています、普通国債だけではありません。富裕層の金融資産も一・八倍とかと、つまり、経済成長を上回る資産の膨張というのがあるということですよ。この点は明らかにゆがんでいますね。そういう事態があるわけです。
経済は低成長のままなのに資産が倍増して、株式を始めとした、大企業でいったら内部留保金が、利益剰余金がどんどん積み上がって、大企業の利益と富裕層の資産はどんどん拡大していく。ところが、国民生活は、消費税は一〇%に上げられる、社会保険料をどんどん上げられて、負担率は三九・四%から四四・六%まで、プラス四・九%ですよ。これはやはり非常なゆがみと格差が発生しているということになります。この点はやはり無視するということはできないのではないかということが、私が申し述べたいことの一つです。
それで、こういうような事態、過去五年間の特例公債の発行期間でこれが発生しているわけです。過去の事態を見ますと、五番目として、このようなことが言えると思うんです。
先ほど申しましたように、やはり、ざっくり言えば巨額の埋蔵金、ここに対する新たな課税をすることが、財務省の提案のように経済の再生と財政再建というダブルの目標を達成する上においては不可欠ではないのか。是非そのことを、細かいところでは法律のいろいろなものがありますので、これは非常に有能な財務省のスタッフの皆さんがやってくれるんじゃないかと思いますが。
やはり日本は主権国家で、国民主権というふうなことをきちんと憲法で明記しているわけですので、私たちの経済学は、国民主権、生活ということでいえば二十五条、これを基準にしていろいろなことを考えなきゃいけないということです。そうすると、消費税の増税じゃなくて減税をしたりすると、これは国民の可処分所得を高めて、消費需要を喚起して、経済の再生へとつながっていく。
あと、最後は、SDGsというふうな大きな枠組みで、ウィズコロナ、ポストコロナの世界というふうなものを日本から積極的に世界に向かって情報発信してほしいというのが私の申し上げたいことです。
時間が参りました。どうも失礼いたしました。拍手
越
越
今
今枝宗一郎#9
○今枝委員 自由民主党の今枝宗一郎です。
本日は、財務金融委員会の参考人質疑に立たせていただいたこと、委員長を始め理事の先生方、また同僚委員の先生方に感謝を申し上げたいと思います。
また、何よりも、参考人として、大変お忙しい中、国会に足をお運びいただきまして御説明をいただいた末澤参考人、また、水野参考人、山田参考人、お三方に心から感謝を申し上げます。
特例公債法に関わることに加えて、コロナの問題について、また経済の動向の見通し、今後の政策についてなど、お三方から非常に貴重な意見を拝聴いたしました。本日賜りました御意見をしっかりと今後の議論に、参考にさせていただきたいというふうに思っております。
さて、まず、内容にちょっと入る前にでありますけれども、お三方に是非お聞きをしたいことがございます。
実は今、当然、コロナ禍でございまして、この中で先生方にわざわざ国会に足をお運びいただくということを、私も大変、感謝とともに申し訳ないなという思いでいっぱいであります。国会法でも、衆議院、参議院の両院の規則でも、オンラインは駄目だということは実は書いていないわけでございまして、お三方として、もしオンラインで御自身の御意見が開陳できるとすれば、それはいいなというふうに思われるかどうか、ちょっと教えていただければと思います。お三方、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、財務金融委員会の参考人質疑に立たせていただいたこと、委員長を始め理事の先生方、また同僚委員の先生方に感謝を申し上げたいと思います。
また、何よりも、参考人として、大変お忙しい中、国会に足をお運びいただきまして御説明をいただいた末澤参考人、また、水野参考人、山田参考人、お三方に心から感謝を申し上げます。
特例公債法に関わることに加えて、コロナの問題について、また経済の動向の見通し、今後の政策についてなど、お三方から非常に貴重な意見を拝聴いたしました。本日賜りました御意見をしっかりと今後の議論に、参考にさせていただきたいというふうに思っております。
さて、まず、内容にちょっと入る前にでありますけれども、お三方に是非お聞きをしたいことがございます。
実は今、当然、コロナ禍でございまして、この中で先生方にわざわざ国会に足をお運びいただくということを、私も大変、感謝とともに申し訳ないなという思いでいっぱいであります。国会法でも、衆議院、参議院の両院の規則でも、オンラインは駄目だということは実は書いていないわけでございまして、お三方として、もしオンラインで御自身の御意見が開陳できるとすれば、それはいいなというふうに思われるかどうか、ちょっと教えていただければと思います。お三方、よろしくお願いいたします。
末
末澤豪謙#10
○末澤参考人 やはり、この御時世でございますので、オンライン、リモートの会議も十分検討の余地はあると思います。
私、実は自宅のマンションの理事会の副理事長をやっているんですけれども、先般の総会でオンライン可能に規約を変えました。
以上でございます。
この発言だけを見る →私、実は自宅のマンションの理事会の副理事長をやっているんですけれども、先般の総会でオンライン可能に規約を変えました。
以上でございます。
水
水野勝之#11
○水野参考人 私は、大学の会議や授業でオンラインを多用はしているんですけれども、やはり不公平感というのは拭えないんじゃないかなと思います。学生にしても私の方もそうですけれども、電波の加減で切れちゃうとか、学生はどうしてもカメラがないパソコンがあったり、途中で切れて、先生ごめんなさいというように、ずっと授業に出られなかったりというように、現状では不公平な状況ではないかなというように思います。
この発言だけを見る →山
山田博文#12
○山田参考人 今はもう全国的な学会もほとんどZoomとかでやっているんですが、今御指摘があったように、いい面と悪い面がありまして、わざわざこんな出かけてこなくても自分の意見が言えるというふうな面はとても便利です。ただ、やはり双方向でやるとなるというと、リアルな臨場感とか、本当にどれだけ訴えたいのかとか、その辺ではやはり限界がありますね。やはり対面じゃないと限界があります。この両方をうまく使い分けたらいいんじゃないかと思います。
この発言だけを見る →今
今枝宗一郎#13
○今枝委員 どうもありがとうございます。非常に参考になりました。
それでは、内容に入ってまいりたいと思います。
まず、末澤参考人に何点かお聞きをさせていただきたいと存じます。
私、二〇一二年の初当選でございますけれども、その後、自公政権におきまして、いわゆる大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略、三本の矢でございますが、経済は大きく成長いたしました。GDPは六十兆円増えて、日経平均株価は二・五倍増えたとよく言われますけれども、より重要なのは、私たち一人一人の暮らしに直結をしたものとして、例えば失業率は、政権交代時四・三%であったものが、二〇一九年十二月では二・二%にほぼ半減をいたしましたし、また、有効求人倍率も、〇・八三から一・五七ということで二倍弱に増加をいたしました。雇用者総報酬も、一割以上、約三十五兆円増えてきたわけであります。
このまま更に賃金と消費が上がっていって、一人一人にその成長が実感をできる状況まであと少しというところまで来たわけでありますが、それが、もう皆様御案内のとおり、新型コロナの世界的なパンデミックによって全て崩れ去ってしまったというのが正直なところだと思います。本当にざんきの念に堪えません。
新型コロナは、現在まで、世界で一・一億人が感染をし、死亡者の方は約二百四十四万人。我が国でも、四十二万人近い方が感染、陽性者数として把握をされて、七千数百名もの方が亡くなられております。心からお悔やみを申し上げ、現在闘病中の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
そして、医療関係者の方々には、年末年始も休む暇なく診療に当たっておられますし、国民の皆様には、不便な暮らし、また、自らや自分の会社の収入が減ったとしても、感染拡大防止のために活動を制限を自らいただいております。本当に感謝を申し上げたいと思います。
新型コロナによって自由な経済活動、社会活動ができないわけですから、こういうときこそ政府の経済支援によって、企業が倒産しないように、また国民生活がしっかりと成り立っていくように支えなくてはいけません。
ここで是非お聞きしたいのが、コロナ禍が始まって以来、三次にわたる補正予算で約七十三兆円の感染症対策や経済対策を日本は行っております。この七十三兆円という規模感、これにつきまして、経済対策の規模として十分なのか、御評価をどのように考えておられるのか、末澤参考人に御意見をお聞きしたいと思います。お願いします。
この発言だけを見る →それでは、内容に入ってまいりたいと思います。
まず、末澤参考人に何点かお聞きをさせていただきたいと存じます。
私、二〇一二年の初当選でございますけれども、その後、自公政権におきまして、いわゆる大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略、三本の矢でございますが、経済は大きく成長いたしました。GDPは六十兆円増えて、日経平均株価は二・五倍増えたとよく言われますけれども、より重要なのは、私たち一人一人の暮らしに直結をしたものとして、例えば失業率は、政権交代時四・三%であったものが、二〇一九年十二月では二・二%にほぼ半減をいたしましたし、また、有効求人倍率も、〇・八三から一・五七ということで二倍弱に増加をいたしました。雇用者総報酬も、一割以上、約三十五兆円増えてきたわけであります。
このまま更に賃金と消費が上がっていって、一人一人にその成長が実感をできる状況まであと少しというところまで来たわけでありますが、それが、もう皆様御案内のとおり、新型コロナの世界的なパンデミックによって全て崩れ去ってしまったというのが正直なところだと思います。本当にざんきの念に堪えません。
新型コロナは、現在まで、世界で一・一億人が感染をし、死亡者の方は約二百四十四万人。我が国でも、四十二万人近い方が感染、陽性者数として把握をされて、七千数百名もの方が亡くなられております。心からお悔やみを申し上げ、現在闘病中の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
そして、医療関係者の方々には、年末年始も休む暇なく診療に当たっておられますし、国民の皆様には、不便な暮らし、また、自らや自分の会社の収入が減ったとしても、感染拡大防止のために活動を制限を自らいただいております。本当に感謝を申し上げたいと思います。
新型コロナによって自由な経済活動、社会活動ができないわけですから、こういうときこそ政府の経済支援によって、企業が倒産しないように、また国民生活がしっかりと成り立っていくように支えなくてはいけません。
ここで是非お聞きしたいのが、コロナ禍が始まって以来、三次にわたる補正予算で約七十三兆円の感染症対策や経済対策を日本は行っております。この七十三兆円という規模感、これにつきまして、経済対策の規模として十分なのか、御評価をどのように考えておられるのか、末澤参考人に御意見をお聞きしたいと思います。お願いします。
末
末澤豪謙#14
○末澤参考人 先ほども申し上げました今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミック、これは、パンデミックとしましてはやはり一九一八年から二一年のスペイン風邪以来、あと、経済危機といたしましては一九二〇年代後半から三〇年代前半の大恐慌、世界恐慌以来の規模になっております。
今回の規模が最終的に適当だったかどうかというのは、これはもう後世でしか判断できませんが、分からない状況では、やはり小さいよりは大きい方がいい。これは、一部は見せ金的な安心感に結びつきますし、今回、予備費が相当大きな規模になりました。
この予備費についてはいろいろな議論はあるんですけれども、やはり今後、実際に使っていく段階で国会でもきちっと審査して、もっとワイズスペンディングな活用をしていただければ、これは国民生活にとっても極めてプラスになるというふうに考えております。
この発言だけを見る →今回の規模が最終的に適当だったかどうかというのは、これはもう後世でしか判断できませんが、分からない状況では、やはり小さいよりは大きい方がいい。これは、一部は見せ金的な安心感に結びつきますし、今回、予備費が相当大きな規模になりました。
この予備費についてはいろいろな議論はあるんですけれども、やはり今後、実際に使っていく段階で国会でもきちっと審査して、もっとワイズスペンディングな活用をしていただければ、これは国民生活にとっても極めてプラスになるというふうに考えております。
今
今枝宗一郎#15
○今枝委員 どうもありがとうございました。
マクロで見てみますと、GDPは、リーマン・ショックのときは、二〇〇九年の一月から三月期ですかね、マイナス一七・八%で、今回のコロナにおいては昨年四―六が一番きつくて、二九・三%のマイナスであった。リーマンのときよりも激しい落ち込みであったというのは、数字として出ているわけであります。
しかし、リーマンのときは失業率が五・一%まで跳ね上がりましたが、今回、足下でいうと二・九%で何とかとどめている。また、倒産件数も、いわゆる二〇〇九年には一万五千四百八十件だったそうであります。二〇二〇年、去年一年間でいうと七千七百三十件、半分くらいということになっています。
経済支援ということをやっておりまして、減収補償ではないわけであります。また、ドイツみたいな一過性の消費税減税とか、大胆というか、そういうものも行っていないわけなんですけれども、かなり国民生活への影響というのを最小化しているような、そういう状況もあると思うんですけれども、その規模については後世が判断をするということでありますが、この対策で、今言ったような数字も見ながら、一個一個打たれている対策についてはどのように御評価をされているのか、教えていただきたいなと思います。
この発言だけを見る →マクロで見てみますと、GDPは、リーマン・ショックのときは、二〇〇九年の一月から三月期ですかね、マイナス一七・八%で、今回のコロナにおいては昨年四―六が一番きつくて、二九・三%のマイナスであった。リーマンのときよりも激しい落ち込みであったというのは、数字として出ているわけであります。
しかし、リーマンのときは失業率が五・一%まで跳ね上がりましたが、今回、足下でいうと二・九%で何とかとどめている。また、倒産件数も、いわゆる二〇〇九年には一万五千四百八十件だったそうであります。二〇二〇年、去年一年間でいうと七千七百三十件、半分くらいということになっています。
経済支援ということをやっておりまして、減収補償ではないわけであります。また、ドイツみたいな一過性の消費税減税とか、大胆というか、そういうものも行っていないわけなんですけれども、かなり国民生活への影響というのを最小化しているような、そういう状況もあると思うんですけれども、その規模については後世が判断をするということでありますが、この対策で、今言ったような数字も見ながら、一個一個打たれている対策についてはどのように御評価をされているのか、教えていただきたいなと思います。
末
末澤豪謙#16
○末澤参考人 前回の危機、リーマン・ショックと比べまして、今回の特徴は、ある面、先ほども、人為的なものでしたから、急激な失業率の上昇等を世界的に招きました。ただし、例えばアメリカでもPPP、国内でも雇調金等の拡充等で、やはり政府の対策も早かった。これがやはり極端な失業率の上昇等を防げたということで、そういう面では極めて適当な政策だった。
ただ、やはり二極化が、今回、産業においても個人ベースにおいても極めてこれは世界的に拡大しておりますから、今、最も今回不利益を被っている皆様、企業、個人の皆さんへのサポート、これはもう引き続き極めて重要だろうというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →ただ、やはり二極化が、今回、産業においても個人ベースにおいても極めてこれは世界的に拡大しておりますから、今、最も今回不利益を被っている皆様、企業、個人の皆さんへのサポート、これはもう引き続き極めて重要だろうというふうに考えております。
以上です。
今
今枝宗一郎#17
○今枝委員 どうもありがとうございます。全体的に御評価をいただいたというふうに理解をしております。
それでは、本題の特例公債法案について、関連した話をちょっとお聞きしたいと思います。
今回の法案の第三条において、令和三年度から七年度の間の延長というのを求めているわけであります。単年度で延長していくということのリスクについては先ほど十分にお話しをいただいたと思いますけれども、複数年度化をすることによって日本の財政再建への工程が後退をするかとか、また、複数年度化で財政規律が緩むんじゃないかとか、そういった可能性については末澤参考人はどのように考えておられるのか、教えていただければと思います。
この発言だけを見る →それでは、本題の特例公債法案について、関連した話をちょっとお聞きしたいと思います。
今回の法案の第三条において、令和三年度から七年度の間の延長というのを求めているわけであります。単年度で延長していくということのリスクについては先ほど十分にお話しをいただいたと思いますけれども、複数年度化をすることによって日本の財政再建への工程が後退をするかとか、また、複数年度化で財政規律が緩むんじゃないかとか、そういった可能性については末澤参考人はどのように考えておられるのか、教えていただければと思います。
末
末澤豪謙#18
○末澤参考人 私も、実は五年前にも同じような質疑に参加させていただいたんですが、実は、マーケット的には、今回の法案についてはほとんど注目されておりません。どういうことかと言いますと、やはり、それだけ日本政府また日本の中央銀行に対する信認が維持されているのと、一方で、やはりコロナ禍という極めて非常時でございますので、ここで一年でやるのか五年でやるのかについては、むしろ実際の経済効果、先ほど、むしろワイズスペンディングだとか、そちらの方への注目度の方が高いんですね。ですから、やはり、むしろ、今回のコロナショックを早期に収束させて、先ほど申し述べたように、より平常時に早く戻して、そこで私としては財政健全化をこれはもうきっちり進めていただきたい。
特に、やはり今回、世界的にちょっと私は危惧しておりますのは、出生率が低下しております。アメリカの場合ですと、死亡者も多くて、先週末アメリカのCDCが発表したレポートで、これは昨年の一―六月期からの推計ですけれども、アメリカの、米国民の平均寿命が一年短期化しております、前年より。実は下期の方が一・七倍死者が増えていますので、実際は一年以上短期化する。
我が国でも、多分、昨年度の出生数は八十万人台前半にまで落ち込む可能性があって、今年は場合によっては八十万前後というような見方も一部ございますので、やはり、長期的な成長戦略、少子化対策、これについては是非、この収束後、早期に挽回していただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →特に、やはり今回、世界的にちょっと私は危惧しておりますのは、出生率が低下しております。アメリカの場合ですと、死亡者も多くて、先週末アメリカのCDCが発表したレポートで、これは昨年の一―六月期からの推計ですけれども、アメリカの、米国民の平均寿命が一年短期化しております、前年より。実は下期の方が一・七倍死者が増えていますので、実際は一年以上短期化する。
我が国でも、多分、昨年度の出生数は八十万人台前半にまで落ち込む可能性があって、今年は場合によっては八十万前後というような見方も一部ございますので、やはり、長期的な成長戦略、少子化対策、これについては是非、この収束後、早期に挽回していただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
今
今枝宗一郎#19
○今枝委員 どうもありがとうございます。
やはり長期的な視点も含めてということだったというふうに思いますが、このときに非常に重要になってくるのが、今回の特例公債法案の第四条におきまして、これまでは「国及び地方公共団体のプライマリーバランスの黒字化に向けて」というような文言があったわけなんですけれども、今回は「財政の健全化に向けて」という表現に変わっております。
この表現の変化というものが、例えば財政再建への道にどういうふうに影響をするのか、しないのかするのか、また、その理由も是非、お考えのことがありましたらお聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →やはり長期的な視点も含めてということだったというふうに思いますが、このときに非常に重要になってくるのが、今回の特例公債法案の第四条におきまして、これまでは「国及び地方公共団体のプライマリーバランスの黒字化に向けて」というような文言があったわけなんですけれども、今回は「財政の健全化に向けて」という表現に変わっております。
この表現の変化というものが、例えば財政再建への道にどういうふうに影響をするのか、しないのかするのか、また、その理由も是非、お考えのことがありましたらお聞かせいただければと思います。
末
末澤豪謙#20
○末澤参考人 なかなか難しい御質問だとは思うんですけれども、やはりプライマリーバランス、こちらの黒字化は、過去、政府の極めて一貫した目標でございまして、現時点でも二〇二五年度のPB黒字化目標は、これは堅持されていると私は理解しております。
ただ、やはりこういう状況でございまして、まずはこの収束、コロナ禍の収束を第一義と考えますと、むしろそこは、財政健全化という分かりやすい表現、国民の皆さんにも分かりやすい表現にすること自身は大きな問題ではない。むしろ、日々の努力といいますか、実効性をどうやって保っていくか、こちらの方がより重要だろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →ただ、やはりこういう状況でございまして、まずはこの収束、コロナ禍の収束を第一義と考えますと、むしろそこは、財政健全化という分かりやすい表現、国民の皆さんにも分かりやすい表現にすること自身は大きな問題ではない。むしろ、日々の努力といいますか、実効性をどうやって保っていくか、こちらの方がより重要だろうというふうに考えております。
今
今枝宗一郎#21
○今枝委員 どうもありがとうございます。
後退をしない、特に、やはり日々の努力で一つ一つ積み上げていくべきだというお答えだったかと思います。ありがとうございます。
それでは、大変お待たせをいたしました。水野参考人、また山田参考人にもお聞きをしたいと思います。
今、末澤参考人にお聞きしたのと同様に、この第四条において、「国及び地方公共団体のプライマリーバランスの黒字化に向けて」という表現が「財政の健全化に向けて」というところに変わっております。そういったPB黒字化という言葉が一応この法案の文言からはなくなっているわけなんですけれども、そのことについて、財政再建への工程への影響、これは水野参考人、山田参考人、それぞれどういうふうに感じていらっしゃるのか、教えていただければというふうに思います。
この発言だけを見る →後退をしない、特に、やはり日々の努力で一つ一つ積み上げていくべきだというお答えだったかと思います。ありがとうございます。
それでは、大変お待たせをいたしました。水野参考人、また山田参考人にもお聞きをしたいと思います。
今、末澤参考人にお聞きしたのと同様に、この第四条において、「国及び地方公共団体のプライマリーバランスの黒字化に向けて」という表現が「財政の健全化に向けて」というところに変わっております。そういったPB黒字化という言葉が一応この法案の文言からはなくなっているわけなんですけれども、そのことについて、財政再建への工程への影響、これは水野参考人、山田参考人、それぞれどういうふうに感じていらっしゃるのか、教えていただければというふうに思います。
水
水野勝之#22
○水野参考人 私は、経済は要するに人の行動の結果ですよね、我々国民の行動の結果が経済の数値になって表れてくるということは、国民に分かりやすいということが一番大事なんじゃないかと考えております。
ですから、プライマリーバランスという言葉が今度財政健全化になったらどこが違うのかとか、言葉の定義さえもなかなか分かりにくいので、できれば分かりやすい言葉を統一する。プライマリーバランスで皆さん頑張りましょう、そういうような国民への呼びかけという気持ちは忘れてはいけないんじゃないかなというように思います。
この発言だけを見る →ですから、プライマリーバランスという言葉が今度財政健全化になったらどこが違うのかとか、言葉の定義さえもなかなか分かりにくいので、できれば分かりやすい言葉を統一する。プライマリーバランスで皆さん頑張りましょう、そういうような国民への呼びかけという気持ちは忘れてはいけないんじゃないかなというように思います。
山
山田博文#23
○山田参考人 日本の行財政システムは、国と地方との関係という点でいきますと、例えば、今、一般会計歳出の中で、地方交付税交付金は十五兆九千億円、地方にあれしていますよね。もし、中央の一般会計のプライマリーバランスを黒字化するために、地方交付税交付金をやめて、地方に借金を押しつけて、地方のプライマリーバランスはますます悪化するけれども中央のプライマリーバランスは回復するというような帰結をもたらすとしたら、それはやはり一概には言えない。
そもそも、ここでやはり外したというのは、実現できなかったからなんですよね。先立つ五年間で、プライマリーバランスを黒字化するというふうにして目標が実現できないと、そこの点でのやはり反省というふうなものをする必要がある。
もし地方を外してやるのであれば、日本の中央集権的な行財政システムそのものをやはり抜本的に見直していくということを検討しないというと、中央政府と地方政府との間のアンバランスというふうなものがもっともっと深刻になる可能性がある、そういうリスクがあるということを申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →そもそも、ここでやはり外したというのは、実現できなかったからなんですよね。先立つ五年間で、プライマリーバランスを黒字化するというふうにして目標が実現できないと、そこの点でのやはり反省というふうなものをする必要がある。
もし地方を外してやるのであれば、日本の中央集権的な行財政システムそのものをやはり抜本的に見直していくということを検討しないというと、中央政府と地方政府との間のアンバランスというふうなものがもっともっと深刻になる可能性がある、そういうリスクがあるということを申し上げたいと思います。
今
今枝宗一郎#24
○今枝委員 ありがとうございます。
ちょっと山田参考人、少し私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、地方を外してということよりも、プライマリーバランスの黒字化ということそのもの、これは国、地方合わせてであると思いますけれども、それをやはりこの特例公債法案には書き続けておくべきではないだろうか、若しくは、それは財政の健全化ということで全部包含されているから別にいいだろうというふうに考えておられるのか。その辺りについてお聞かせいただければありがたいなと思っております。(山田参考人「一言で言うとどういうことですか」と呼ぶ)
一言で言うと、プライマリーバランスの黒字化という表現が今回の特例公債法案からは抜けているんですけれども、それについて、プライマリーバランスの黒字化の重要性というか、そういうところをどう考えておられるかということを聞かせていただければと思います。
この発言だけを見る →ちょっと山田参考人、少し私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、地方を外してということよりも、プライマリーバランスの黒字化ということそのもの、これは国、地方合わせてであると思いますけれども、それをやはりこの特例公債法案には書き続けておくべきではないだろうか、若しくは、それは財政の健全化ということで全部包含されているから別にいいだろうというふうに考えておられるのか。その辺りについてお聞かせいただければありがたいなと思っております。(山田参考人「一言で言うとどういうことですか」と呼ぶ)
一言で言うと、プライマリーバランスの黒字化という表現が今回の特例公債法案からは抜けているんですけれども、それについて、プライマリーバランスの黒字化の重要性というか、そういうところをどう考えておられるかということを聞かせていただければと思います。
山
山田博文#25
○山田参考人 プライマリーバランスの黒字化を目指すこと自体については、これは大切なことだと思います。財政健全化の上でも重要な論点だと思いますね。ただ、問題は中身なんですね。
はっきり言えば、消費税を二〇%、三〇%上げて歳入増を図って、歳出削減は社会保障をばっさり切って、プライマリーバランス黒字化になりましたというのも、これもプライマリーバランスの黒字化なんですよね。
ですから、そういうことではなくて、私が先ほど申し上げたように、税金を負担する能力のあるところから取って、そしてプライマリーバランスの黒字化につなげるということ、その点は大切だと思います。
以上です。
この発言だけを見る →はっきり言えば、消費税を二〇%、三〇%上げて歳入増を図って、歳出削減は社会保障をばっさり切って、プライマリーバランス黒字化になりましたというのも、これもプライマリーバランスの黒字化なんですよね。
ですから、そういうことではなくて、私が先ほど申し上げたように、税金を負担する能力のあるところから取って、そしてプライマリーバランスの黒字化につなげるということ、その点は大切だと思います。
以上です。
今
今枝宗一郎#26
○今枝委員 どうもありがとうございました。
お二方ともプライマリーバランスを非常に重要視されていることが分かりましたし、今、山田参考人からその具体論についても少しお触れをいただきました。
では、水野参考人においてはイノベーションの重要性というものを非常に訴えておられると思いますし、御自身の研究内容でもそういうところが多分かなりあるんだろうなというふうに思います。
実は、著書をちょっと読ませていただきまして、例えば、今はちょっと難しいですけれども、これまでインバウンド政策がいかに大きな経済成長を遂げさせてきたか、さらに、地方に造った空港なんかも、造っておいてよかったみたいな、有効活用できてよかったみたいなことも書いておられました。
それと同時に、このイノベーション、いろいろなところであるわけでありますけれども、例えば我々の政権においては、まさに二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指しまして、それを技術革新、イノベーションで達成していこうということでやっております。これは環境政策だけじゃなくて、まさに成長戦略、イノベーション政策の視点でやろうとしているわけなんですけれども、この点については成長戦略としてどのように感じておるか、イノベーションとしてどのように感じておられるのか、少し御所見をいただければありがたいです。
この発言だけを見る →お二方ともプライマリーバランスを非常に重要視されていることが分かりましたし、今、山田参考人からその具体論についても少しお触れをいただきました。
では、水野参考人においてはイノベーションの重要性というものを非常に訴えておられると思いますし、御自身の研究内容でもそういうところが多分かなりあるんだろうなというふうに思います。
実は、著書をちょっと読ませていただきまして、例えば、今はちょっと難しいですけれども、これまでインバウンド政策がいかに大きな経済成長を遂げさせてきたか、さらに、地方に造った空港なんかも、造っておいてよかったみたいな、有効活用できてよかったみたいなことも書いておられました。
それと同時に、このイノベーション、いろいろなところであるわけでありますけれども、例えば我々の政権においては、まさに二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指しまして、それを技術革新、イノベーションで達成していこうということでやっております。これは環境政策だけじゃなくて、まさに成長戦略、イノベーション政策の視点でやろうとしているわけなんですけれども、この点については成長戦略としてどのように感じておるか、イノベーションとしてどのように感じておられるのか、少し御所見をいただければありがたいです。
水
越
今
今枝宗一郎#29
○今枝委員 続きます。
二〇五〇年にカーボンニュートラルを目指して、そのために、いわゆる炭素税とか、そういった税で締めつけていくだけじゃなくて、例えば車、自動車の開発とかそういったものをやっていこうということで、技術革新をしていってそれを達成していこうということで、そちら寄りでやっているんですけれども、そのことについてどうお考えかというふうに、簡潔に教えていただければと思います。
この発言だけを見る →二〇五〇年にカーボンニュートラルを目指して、そのために、いわゆる炭素税とか、そういった税で締めつけていくだけじゃなくて、例えば車、自動車の開発とかそういったものをやっていこうということで、技術革新をしていってそれを達成していこうということで、そちら寄りでやっているんですけれども、そのことについてどうお考えかというふうに、簡潔に教えていただければと思います。