消費者問題に関する特別委員会

2022-12-07 衆議院 全492発言

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会議録情報#0
令和四年十二月七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 稲田 朋美君
   理事 井原  巧君 理事 牧原 秀樹君
   理事 宮崎 政久君 理事 宮下 一郎君
   理事 山井 和則君 理事 吉田 統彦君
   理事 池畑浩太朗君 理事 古屋 範子君
      上杉謙太郎君    上田 英俊君
      柿沢 未途君    勝目  康君
      川崎ひでと君    小林 鷹之君
      田畑 裕明君    武村 展英君
      土田  慎君    中山 展宏君
      西野 太亮君    長谷川淳二君
      鳩山 二郎君    平沼正二郎君
      船田  元君    堀内 詔子君
      松島みどり君    松本  尚君
      保岡 宏武君    井坂 信彦君
      石川 香織君   大河原まさこ君
      長妻  昭君    西村智奈美君
      柚木 道義君    早稲田ゆき君
      浅川 義治君    沢田  良君
      堀場 幸子君    前川 清成君
      國重  徹君    吉田久美子君
      田中  健君    本村 伸子君
    …………………………………
   国務大臣
   (消費者及び食品安全担当)            河野 太郎君
   内閣府副大臣       和田 義明君
   財務副大臣        井上 貴博君
   文部科学副大臣      簗  和生君
   政府参考人
   (内閣官房こども家庭庁設立準備室審議官)     長田 浩志君
   政府参考人
   (消費者庁次長)     黒田 岳士君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    植田 広信君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          竹内  努君
   政府参考人
   (文化庁審議官)     小林万里子君
   参考人
   (中央大学大学院法務研究科教授)         宮下 修一君
   参考人
   (全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長)     川井 康雄君
   衆議院調査局第一特別調査室長           菅野  亨君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月七日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     川崎ひでと君
  長谷川淳二君     西野 太亮君
  青山 大人君     長妻  昭君
  井坂 信彦君     西村智奈美君
  浅川 義治君     前川 清成君
同日
 辞任         補欠選任
  川崎ひでと君     上田 英俊君
  西野 太亮君     長谷川淳二君
  長妻  昭君     青山 大人君
  西村智奈美君     柚木 道義君
  前川 清成君     堀場 幸子君
同日
 辞任         補欠選任
  上田 英俊君     松本  尚君
  柚木 道義君     井坂 信彦君
  堀場 幸子君     浅川 義治君
同日
 辞任         補欠選任
  松本  尚君     上杉謙太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
 法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案(内閣提出第二二号)
     ――――◇―――――
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稲田朋美#1
○稲田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案及び法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案審査のため、参考人として、中央大学大学院法務研究科教授宮下修一さん、全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長川井康雄さん、以上二名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただければと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず宮下参考人にお願いいたします。
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宮下修一#2
○宮下参考人 ただいま御紹介にあずかりました中央大学大学院法務研究科の宮下修一と申します。
 本日は、このような貴重な機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 私の方からは、本日、二つの法案について審議されるということでございますが、そちらに対して意見を述べさせていただきます。
 私は、専門は民法と消費者法というのをやっておりまして、先般、消費者庁において開催されました霊感商法等の悪質商法への対策検討会では、座長代理を拝命しておりました。その関係で、本日は、私の資料、一枚紙でございますが、こちらをお配りさせていただくと同時に、霊感商法等の悪質商法への対策検討会の報告書を資料として添付させていただいております。
 この霊感商法等の悪質商法への対策検討会、七回にわたって、大変密度の濃い議論をさせていただきました。その議論の中で、いろいろな御意見がありましたし、私もいろいろな意見を述べさせていただきましたが、最終的にまとまりました提言というのが、もう先生方御承知かと思いますが、報告書四ページのところにまとめられているところでございます。
 その中で、本日関係するところは2及び3であるというふうに承知しておりますけれども、こちらについて若干の意見を述べさせていただきます。
 まず、消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律案についてでございます。
 こちらについては、中心となりますのは消費者契約法の改正案かと存じますけれども、四条三項六号、これは現行でございまして、二〇二二年、本年改正されました消費者契約法では八号になる予定でございますが、この対象範囲につきまして、今般の改正では、当該消費者だけではなく、親族の生命、身体、財産その他の重要事項、そして、将来生じる可能性があるものだけではなく、現在生じている重大な不利益、さらに、将来の不安をあおるだけではなく、現在の不安を抱いていることに乗じた状況にまで拡大した、この点は、被害者救済の観点から、私は評価すべきであるというふうに思っております。
 まさに相手方の弱みにつけ込むという、この乗じたという言葉が入るということが、今回は非常に大きな意味を持っているのではないかなと個人的には考えているところであります。
 ただ、御承知のように、この条文は、多少いろいろなことを盛り込んでおりますので、読みにくくなっているところがございます。消費者契約法の逐条解説と言われるものが消費者庁から公表されておりますけれども、その内容については、丁寧に解説するとともに、周知徹底していくということが必要であろうかと思います。
 特に、必要不可欠という言葉についていろいろ議論があるというふうに承知しておりますけれども、消費者契約法では、これまでも逐条解説において、例えば、事業者の不退去というようなところで、退去すべき意思表示をせよ、こういうようなことが条文には書かれておりますけれども、これは、口頭で帰りなさいと言わなくても、身ぶり手ぶりでも構わない、あるいは契約はもう結ばないと言うことでも構わない、こういったような形で、広く逐条解説というところで解釈をされているところでございます。そういったことを考えると、逐条解説で丁寧に解説をするということによっていろいろな誤解というのも解けるのではないかなというふうに考えております。
 それから、続きまして、取消権の行使期間の伸長につきまして、短期については一年から三年、長期については五年から十年への伸長がなされました。この点については、やはり、短期というところも大事でございますが、長期というところが非常に大事であるというふうに認識しております。
 こちらは検討会の議論でもございましたけれども、短期のところは、いわば困惑から脱したときというところを少し広げて考えることによって比較的救済の幅は広がるわけでありますが、やはり、消費者契約から五年ということでは余りにも短過ぎるのでないか、こういった議論が検討会でもあったところでございます。
 その点について、今般、十年まで広げていただいているということで、これも被害者救済の観点からは一定の評価をすべきであるというふうに考えております。
 また、二〇一八年に、この消費者契約法四条三項六号というのが改正法によって導入されましたが、それが施行された後のものにも遡って、網を広げてカバーしていこうという点については、これもやはり被害者救済の観点からは評価すべきだろうというふうに思います。
 それから、もう一つ、国民生活センター法の一部を改正する法律案というのもございますが、こちらについては、重要消費者紛争解決手続、いわゆるADRの迅速化、あるいは事業者名の公表、それから適格消費者団体への支援、こういったことについて、予算も措置をしながら強化していくということでございますので、こちらについてはまさに早期の実現を期待しているところでございます。
 ただ、検討会の報告書では、詳しく見ますと、報告書六ページのところでございますが、そちらの上から五行目のところに、いわゆるつけ込み型の不当勧誘に対する取消権というものについても法制化に向けた検討が必要であるという提言をさせていただいております。こちらについては、私も、なお引き続き国会の場で議論をいただいて、是非実現をしていただきたいというふうに考えております。
 ただ、こちらについては、二〇一六年、二〇一八年、二〇二二年と、三回の改正に際して様々な場で議論をいただいてきたところですが、なかなか成案というのを得られなかったという状況もございますので、今般、拙速に議論するのではなく、時間をかけて議論して、より使い勝手のいい法律になるようにしていただければというふうに考えているところでございます。
 続きまして、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案というものがございますが、こちらは、いずれも非常に重要な提案がなされているというふうに考えております。
 契約だけではなく単独行為というものも対象としていること、また、寄附者への配慮義務というものを新設したこと、そして、不当勧誘行為を禁止行為として明確化した上で取消権というものも、それに伴って取消しをできるように新設をしていること、そして、借入れ等による資金調達の要求の禁止、さらに、債権者代位権というものを使うことを前提にした特例の新設ということで、こちらはいずれも、被害者救済の観点からは一歩前進であるというふうに評価すべきであると考えております。
 ただ、今後、いろいろな状況というのが起こることも予想されますので、具体的な運用状況というものを踏まえた上で、必要に応じて見直しを検討していく必要があろうかというふうに思っております。
 それから、この法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案を一読いたしますと、とりわけ、債権者代位権等、一般の方々には少し分かりにくい概念というか、そういった法律の用語が使われているということでございます。こういったことについては、一般市民の皆様に向けて丁寧な説明、それから啓発というのをして、被害の防止というものにつなげていく必要があろうかというふうに考えております。
 私ども、私を含めまして、検討会では委員が全員、それぞれの立場から意見を交わしまして、そして忌憚のない、まさに先ほど委員長からもありましたが、検討会の場でも忌憚のない意見をぶつけ合って、その成果として出た報告書というものを、今回、法案という形でいろいろ取り入れていただいているというところについては、私としては、座長代理という立場にあった者として、心から感謝申し上げます。
 それと同時に、先ほど申し上げました、つけ込み型の不当勧誘等のまだ残された課題があるということは、私も指摘をさせていただければというふうに考えております。この検討課題を含めて、今般のこの改正案というものにおいて提案されたことだけで終わりということにするのではなく、この後、またいろいろな形で、恐らく世の中でも問題が生じてくるかと思いますが、そうした問題について皆様にもいろいろと議論をいただいて、また更に使い勝手のよい法律にしていただくというようなことが必要かとは思います。
 ただ、その第一歩として、何もなかったところから法律を作るということも、これは大変な、大事な作業かと存じます。いろいろな御議論があることは私も検討会の最中から承知をしておりますけれども、まずは、大きな第一歩、立法という形でこの第一歩を踏み出した上で、更にその内容を精査して、そしてよりよいものに発展させていくということが大事かと思います。
 その意味では、今回、様々な形で被害を受けている皆様の救済ということを考えたときに、是非とも、この法律案というものを制定していただければというふうに考えております。
 以上、拙い意見でございますが、私の意見とさせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。拍手
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稲田朋美#3
○稲田委員長 ありがとうございました。
 次に、川井参考人にお願いいたします。
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川井康雄#4
○川井参考人 全国霊感商法対策弁護士連絡会の事務局長をさせていただいております弁護士の川井と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、私の資料の一番最初のレジュメのところからお話をさせていただきたいと思いますけれども、今回の審議の契機となりました安倍元首相の銃撃事件から五か月が経過しました。この短い期間、与野党の先生方には本当に御尽力いただいたと思っております。特に、被害者からのヒアリングを多数行っていただいた先生方の正義感、熱意に対しては、心より敬意を表したいと思います。
 ただ、残念ながら、現在の新法、私どもが言っているこの新法というのは、法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案、これを新法というふうに言いますけれども、こちらの方は、少なくとも統一教会の被害実態からすると、不足している点が幾つもあると言わざるを得ません。
 統一教会が行っている加害の中核は、正体を隠して知らないうちに教義を教え込んで信者に仕立て上げるという、信教の自由の侵害行為にあります。高額献金、これは非常に大変な被害ではありますけれども、これはその植え付けられた教義によって生じる被害の一側面にすぎません。したがって、本来は、この正体隠しの違法な伝道活動、こちらを正面から規制する立法が検討されるべきと考えております。この点は、本日以降、是非速やかに検討を開始していただきたいと考えているところです。
 以下では、新法の不足点全部について言及することは難しいので、重要なポイントに絞ってお話をさせていただきます。
 なお、新法の問題点を一覧にしたものについては、私の資料の四ページ以下、四ページ、五ページの方でまとめておりますので、併せて御参照いただければと思います。
 まず最初に、新法の配慮義務という点についてお話をさせていただきます。
 今回、配慮義務として置かれている新法三条の一号、自由な意思の抑圧、それから二号、生活の維持、三号は法人等の明示あるいは寄附の使途の誤認防止というところですが、これらはいずれも統一教会の加害実態からすると非常に重要な内容を含んでいると考えております。
 ただ、これが配慮義務というだけでは、では、実際に違反した場合にどうなのかというと、これが裁判所で不法行為と判断されるかどうかは、正直言って極めて不透明と言わざるを得ません。そもそも一号と三号前段は、判例上も違法性の判断に組み込まれている要素でして、これを配慮義務として規定するだけではほとんど役に立たない、意味がないと言わざるを得ないのです。こうした判例がある以上は、禁止行為にすべき立法事実が十分にあるというふうに考えております。
 また、特に三号の規定なんですけれども、こちらは寄附の際に寄附をする団体あるいは使途を明らかにせよという内容ですから、非常に明確な規定になっております。したがって、これを禁止行為にできない理由はないのではないかというふうに考えております。
 そして、この配慮義務に違反した場合の効果について、こちらは、与党の修正案の方では配慮義務に違反した場合に勧告、公表の対象となるというふうにされております。ただ、その要件が、配慮義務の遵守がなされていないため個人の権利保護に著しい支障が生じていると明らかに認められるという、非常にハードルの高いものになっております。この規定では、相当に深刻な違反がない限り適用されないのではないかという懸念を持っております。
 また、では、具体的に勧告が出されたときにどういった内容の勧告になるのか。これは、新法の七条の方では、「当該行為の停止その他の必要な措置」というふうに元々規定としては置かれておりますけれども、配慮義務違反の寄附がなされた場合、この「その他の必要な措置」の中に当該寄附の返金まで含まれるのであれば救済につながるなというふうに思っておりますが、この点が現在の案では不明なままです。
 あくまで配慮義務のために、配慮義務に違反しただけでお金を返せとまで言えるのかどうか。禁止行為であればお金を返せというのは素直な解釈だと思いますが、この点が不明だということで、明らかにしていただきたいと思っておりますし、先ほどの厳しい要件についても緩和をいただきたいと思っております。
 次に、禁止行為についてです。
 まず、困惑についてお話をさせていただきます。
 新法の四条の禁止行為、こちらはいわゆる困惑類型ということで、一号から六号の各行為をしたことによって寄附者が困惑させられることが必要となっております。
 しかしながら、少なくとも統一教会における被害のうちかなりの部分は、信仰による責任感や義務感から、その外形上だけを見れば進んでお金を出しているように見える、こういうものがかなりあるんです。最大の問題は、その信仰を本人の意思に反して不当に持たされたということにあるわけです。
 この点、岸田首相は、昨日、いわゆるマインドコントロールによる寄附については、多くの場合、不安を抱いていることに乗じて勧誘されたものと言え、取消権の対象となる、このように答弁をされました。この答弁の内容は、教義を植え付けられる入信時までの勧誘が不安を抱いていることに乗じたものであれば、その後、その教義、信仰に基づく使命感や義務感で出された寄附であっても、不安に乗じたものと言えるというものとも思われます。
 これは非常に時的な問題がありまして、入信勧誘のときから実際に寄附をするときというのは何年もかかることが幾らでもあるわけです。その場合も含むのかどうか。もしそのように含むとすれば、現在の法文上は第四条の柱書きで、寄附の勧誘をするに際し、そういう禁止行為があって困惑するという規定ぶりになっているものですから、そうした何年もの長さを想定しているものとは正直読み取れない。したがって、ここは、先ほどあった逐条解説で丁寧にというところもあるかと思いますが、解釈の疑義を生じないという意味でも、法文の方を修正していただきたいなというふうに考えているところです。
 また、必要不可欠というところですけれども、統一教会の被害に限らず、違法に献金をさせられるような被害では、不安をあおったり不安に乗じた上で、その献金や祈祷などのサービスを受けることが必要であるという程度の言い方、これはされますけれども、不可欠だ、あるいはこれと同程度の必要性あるいは切迫性が示されるケースというのは多くありません。
 不安をあおったり不安に乗じて献金が必要だ、そしてそれによって相手が困惑させられていれば、これは十分に違法だと言えるはずです。不可欠という文言は、いたずらに救済範囲を狭めるだけのものというふうに考えています。逆に、こうした、不安をあおったり不安に乗じて寄附を必要だとして困惑させて寄附をさせることを是とする団体が仮にあるとすれば、それはその団体が問題だということになると思います。
 不可欠という文言、これは是非、被害救済のためにも削除していただきたいと思います。
 ここで、ここまでの問題について、具体的な被害事例に即して少し解説をしたいと思います。
 資料三と資料四の一、四の二、こちらはページ数でいいますと六ページ以下になるんですけれども、こちらを御参照ください。
 まず、資料三、パワーポイントのスライドになっておりますが、こちらの方は、一ページ目、二ページ目、こちらが、東京高等裁判所、平成二十九年十二月二十六日付で出された裁判例の事案をポイントに絞ってまとめたものです。その後つけられている、ページ数でいいますと九ページ以降は、その東京高等裁判所の判決文。そして、ちょっと長いんですが、三十四ページに支払い一覧表というのがついていると思います。支払い一覧表の方は、その東京高裁の原審、東京地裁での判決に付されていた、被害者がどういうお金をどういう時系列で出させられたのかが明らかになっている資料となっております。
 まず、先ほどのパワーポイントの方のスライドをちょっと見ていただきたいと思います。平成十三年九月に路上で正体隠しの勧誘をされて、平成十三年十一月二十七日に、統一教会と明かされる前に献金の勧誘をされているというものなんです。
 判決で認められた事実経過は、一審原告が、家庭で情的に満たされていないということで、散財したり男性に情に流されたりする、先祖に色情因縁があるので絶家になっている、結婚運がない、母と娘との間の情関係に代々課題がある、こういうことを言われて、一審原告の先祖の罪は重くて、一審原告は子孫を代表して救わなければならない、一審原告は出家するか、出家したつもりで二百十万円浄財をしなければいけない、このように言って献金をさせているわけです。
 これを、新法についてどうかというふうに考えてみますと、出家するか、あるいは出家したつもりで二百十万円浄財をしなければいけない、出家という選択肢が示されているわけです。これについて、先ほどの必要不可欠と言えるのかどうか。必要だということは言っていますけれども、不可欠というふうに評価できるのかどうか、これは非常に判断が分かれるところではないかと思います。こういった救済されない可能性を残すことはよくないんじゃないかというふうに考えております。
 また、この時点では、統一教会と明かされる前、寄附をする相手方が明かされていないわけなので、今の配慮義務で言うところの三号の前段、こちらにひっかかってくるわけですけれども、先ほど申し上げたとおり、配慮義務にとどまっているものですから、そのことが直ちに不法行為とは言えない。したがって、救済されない可能性があるということになってしまいます。
 一枚、次のページに行っていただきまして、同じ事案で、次に、この事案では、平成十六年四月に主証、統一教会であることを明かされて、その後、平成十七年三月に百五十万円の献金をさせられているわけですけれども、どういうことでお金を出させられたのかといいますと、一審原告は、平成十七年三月に、世田谷区内にある世田谷教会において行われた礼拝に参加して、教会長が涙を流して説教をする姿を見て、自分の上位の信者に対して、自分に何かできないかと尋ねて、百五十万円の祝福献金をしている、こういう認定になっているんです。
 見ていただければ分かるとおり、これは、正体を隠して抱かれた教義に基づいて自ら進んで献金をしているような形になっていますから、例えば、不安を抱いていることに乗じた、あるいは困惑した結果献金したとは言えないと思われます。したがって、この点が救済されない。しかも、この点、家庭連合という団体名を明らかにした後の寄附ですから、これは配慮義務違反とも言えない、したがって救済されない、こういうことになってくるわけです。
 ちなみに、先ほどお伝えした三十四ページの支払い一覧表、こちらをちょっと見ていただきたいんですけれども、ちょっと印刷の程度が悪くて申し訳ないんですが、損害項目としては、三ページの最後にありますが、百四十三項目、損害項目がございます。最初にお伝えした、正体を明かされる前の献金、これは損害項目六番のところを抜き出したものですけれども、その次、正体を明かされた後で払わされた祝福献金、これは三十三項目めなんです。
 何が言いたいかというと、統一教会であることを明かされて、信仰を持たされた後、出させられる献金というのが非常に多いということなんです。もちろん、信仰を持った後でも、その信仰を維持するために不安をあおられたり、その不安に乗じた話をされることもありますが、先ほど言ったとおり、全くそうした事象がない、持たされた教義によって払わされる献金というのがあるということを御理解いただければなというふうに思っております。
 レジュメの方に少し戻ります。
 次に、新法の第五条、借入れ等による資金調達の要求の禁止の点です。
 居住用不動産や事業用不動産などを処分して寄附の原資を調達することを要求してはならない、こういう規定ですけれども、この趣旨は、配慮義務の二号、本人あるいは親族の生活に支障を生じさせてはいけないということですが、これと趣旨としては基本的に同じ、生活基盤となる重要財産を奪ってはいけないというものだと思われます。
 そうだとすると、居住用不動産や事業用不動産、これそのものを寄附してしまう、こういう要求行為も併せて禁止しなければ、容易にこの規定の潜脱ができてしまいます。統一教会では、実際に不動産そのものを寄附させるという被害事例がございますので、少なくともこの点は追加して禁止すべきと思います。
 次に、債権者代位権についてです。
 我々全国弁連、あるいは事件後に設置された各種窓口への統一教会に関する相談のうち半分近くは、実は信者本人ではなく、信者の家族からの相談なんです。その中で一番多いのは脱会相談ですが、脱会相談の端緒というのは、多くは、家族が自分の知らない間に財産の多くを統一教会に献金してしまった、どうやら信者らしいということで発覚して、何とか脱会させたい、こういう御相談が多いのです。
 また、二世問題のうち、貧困に関する問題は、親である一世が財産のほとんどを献金してしまう結果、生じるものと言えます。
 ところが、その家族からの被害回復の手段が債権者代位という構成になってしまいますと、二世が未成年の場合、親権者である親が信者であることからしてその同意が得られない、したがって債権者代位の申立て自体がそもそもできないということになります。また、その結果取り戻せる範囲も、この点は明らかに新法の救済から外れていると思われますが、この点、どう考えるのか。
 結局、二世問題は非常に重要なポイントだと思いますが、その二世問題が解決されないということだと、これは救済としてはやはり足りないのではないか。この点を議員の皆さんに是非お聞きしたいというふうに考えております。
 以上が、新法の抱える問題のうち、特に指摘させていただきたい点となります。
 最後になりますが、今回の新法、本当に時間が極めて限られている中で作成されたものである以上は、不足する部分があること自体、やむを得ないというふうに考えております。その不足する点、特に、正体を隠して教義を植え付けて献金させるという被害、それから、二世を始めとする家族被害の救済については、協議会あるいは検討会を立ち上げるなどして、本当に一刻も早く検討を開始していただきたいと思います。
 これとの関係で、現状、附則の見直し期間が三年から二年ということになっておるようですけれども、これを是非一年に短縮していただきたいと思います。
 私からの御説明は以上になります。
 ありがとうございました。拍手
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稲田朋美#5
○稲田委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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稲田朋美#6
○稲田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井原巧さん。
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井原巧#7
○井原委員 おはようございます。自由民主党の井原巧でございます。
 今日は、宮下先生、川井先生、大変貴重な時間をお割きいただきまして御出席いただき、誠にありがとうございました。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、宮下参考人にお尋ねをいたします。
 まず、法体系の観点ということからお尋ねするわけですけれども、言うまでもなく、法律は、憲法や他の法律との整合性とか、あるいは公平性、そして何より実効性が必要だというふうに思います。
 先ほど先生からは、何もなかったところから踏み込んできたということで、ある一定の評価もいただいたというふうにも思っておりますが、これまで政府は答弁において、新法案では、現行の日本の法体系の中で許される限りの中で最大限実効的な法案とすべく、禁止行為とか、あるいは取消権の対象というふうにしておりまして、さらに、寄附の勧誘に当たっての配慮義務を規定するという二段階の構成を取っているというふうに説明をされております。
 この点につきまして、配慮義務では救済につながらないことから、禁止規定にすべきではないか、そういう意見もあるとお伺いいたしておりますが、我が国の法体系の観点から先生はいかがお考えでしょうか。
    〔委員長退席、牧原委員長代理着席〕
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宮下修一#8
○宮下参考人 御質問いただき、ありがとうございます。
 ただいまの点に関しましては、私ども検討会でも、まず、信教の自由というのは必ず保障されなければいけない非常に大事な権利であるということを前提にしてお話をさせていただいたところでございます。
 その上で、今回、配慮義務ということについてでございますが、検討会の席上では、宗教団体あるいは宗教法人というところを念頭に置いて、そこに限定した形での議論というのをしておりました。
 しかしながら、今回の法案というのは、法人というもの全体に網をかける、こういう法案となってございます。そういたしますと、やはり法体系ということもさることながら、全体のバランスということを考えますと、特定の何か団体だけに規制をするということではなくて、全ての法人あるいは団体というのが網にかかる。そうすると、この配慮義務で書かれていることが、直ちに全てこれを禁止ということにしてしまうと、やはりいろいろなところでひずみやあつれきが生じる可能性もある。
 そういうことであれば、今回、配慮義務ということで、これはかなり踏み込んだ御提案はされているのかなというふうに思います。もちろん、禁止行為というふうにするということも一つの方法なのかもしれませんが、そういったことをあえてしないで、配慮義務という形でとどめてあるということは、法人あるいは団体というものの活動の自由というものを保障するという意味では、私はこれはぎりぎり大事なところを守っていただいているのかなというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
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井原巧#9
○井原委員 同様に川井参考人にもお伺いしたいと思います。
 今お話があったように、個人の財産権とか信教の自由に抵触するような規制を設けることについても、一方では極めて慎重であるべきという意見もあるそうでありますが、先生はいかがお考えでしょうか。
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川井康雄#10
○川井参考人 ありがとうございます。
 この配慮義務を禁止行為にできるかどうかというところですけれども、一つは公益法人認定法との関係で考える必要があるかなというふうに思っております。
 公益法人認定法に関しては、お配りしている資料の三十七ページに資料がございます。ポイントだけ申し上げますと、こちらの十七条の方で、四号の規定、「寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為」、こちらについて禁止規定、禁止行為になっておりまして、行政措置そして罰則も定められているということですので、現状の新法の規定、これが抽象的で禁止行為にすることは難しいという声も聞いたことがありますけれども、この十七条四号との比較で申し上げますと、今のままでも十分禁止行為にできるだろうというのが一つです。
 それから、配慮義務の中でも一号、二号、三号があるわけですが、特に私どもが申し上げたいのは三号の規定なんです。三号の規定というのは、寄附をするに当たって、その団体を明らかにしないとか使途について誤認がないようにすると。
 これは定めの仕方として明確だということもそうですし、何よりも、寄附を受けようとする団体が自分たちの団体を明らかにしない、あるいはその使途に誤認が生じないようにするのは私は当たり前のことではないかと思っています。これはどんな寄附を受ける団体でも共通することではないかと思っておりまして、もちろん、宗教法人に特化した話ではなく様々な団体について配慮する必要がある、これはそのとおりだと思いますが、少なくとも三号については、今申し上げたこととの兼ね合いで、禁止行為にしないというのは妥当ではないのではないかというふうに考えている次第です。
 以上です。
    〔牧原委員長代理退席、委員長着席〕
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井原巧#11
○井原委員 ありがとうございます。
 続きまして、マインドコントロール、家族救済について、宮下参考人にお伺いしたいと思います。
 政府案に対しまして、マインドコントロールへの対応や家族の救済が不十分などの批判もあるとも聞いております。他方で、消費者契約法改正及び新法におきましては、例えば、霊感等による知見を用いた告知により、不安に乗じて寄附の勧誘を行うことを禁止行為、取消権の対象とするなど、適切に対応しているとも思うわけでありますが、どのようにお考えでしょうか。
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宮下修一#12
○宮下参考人 御質問いただき、ありがとうございます。
 私どもの検討会でも、マインドコントロールという状況にある被害者の皆様については、いろいろな議論というのを重ねまして、マインドコントロールという言葉も報告書では使わせていただいたところでございます。
 ただ、大変難しいところもございまして、私自身は、検討会での提案では、マインドコントロールを直接規制するということではなくて、むしろ、そういう状況にある方に対する勧誘行為とか、そういったものを規制するということが重要ではないか。というのは、マインドコントロールにあるかどうかという判断自体も大変難しいところもございますし、その判断に時間がかかってしまっては、かえって救済というのができないのではないか。これはあくまで、私が個人の意見として検討会で提案をさせていただいたときには、そういうことを考えて、いろいろな行為規制というものをできないかという御提案をさせていただいたところでございます。
 決してマインドコントロールにあるということ自体を軽視するということではなくて、それを直接規制するというのはちょっと個人的には難しいのではないかなというふうに考えたので、そういう提案をさせていただきましたし、また、検討会でも、そういったマインドコントロールにある方が置かれた状況というのを前提にしながら、いろいろな行為規制というのを考えてきたということで、最後、提言にまとめさせていただいたものと考えておりますので、そのようにお答えさせていただきます。
 以上でございます。
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井原巧#13
○井原委員 ありがとうございました。
 続きまして、関係機関との連携につきまして、両参考人にお伺いしたいと思います。
 債権者の代位権ということがありますが、自らの権利を守るために、必要な限度で他者の権利の行使を認めるという制度でございます。
 今回の政府案では、これを活用しやすくするということで家族の被害救済につながることになる、こういう説明になっております。一方で、救済範囲が非常に狭く、被害者の救済には不十分だという議論もあることも承知いたしております。
 そのため、第十一条で、関係機関及び団体等との連携の強化を図り、相談体制を整備する等必要な支援に関する施策を講ずるよう努めるとされております。この点、非常に私も重要だというふうに思っておりまして、この点につきまして、どのような支援が必要と先生方はお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをさせてください。
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宮下修一#14
○宮下参考人 ありがとうございます。
 今、債権者代位権のお話も出ましたけれども、やはり、そもそも、いろいろな形で個別にいろいろな事情がございますので、そうした事情というのを把握した上で、いろいろな定期金債権とかも計算していく必要があろうと。
 ところが、そういった被害に遭っている方というのは、目の前の被害に遭って、それだけでは、もうとても、自分のことだけで手いっぱいで、そこまで頭が回らないという方も多いのではないかと思います。そういうときに、今いろいろな、国では法テラスを中心として支援体制を整えていただいておりますけれども、そうした手を積極的に差し伸べるということが必要かと思います。
 検討会の席上でも、こちらは、今、消費生活センター等だけでは不十分であるということで、積極的にいろいろな機関を活用した相談体制を整備するということを提言させていただきましたので、そういったことを是非、国としても、予算措置も含めて積極的に進めていただければというふうに考えております。
 取りあえず、以上でございます。
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川井康雄#15
○川井参考人 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいた問題意識については、私も本当にそのとおりだなというふうに思っております。
 先ほどの私のお話で、最後の方で二つ、正体隠しに対する規制とそれから二世問題を始めとする家族の救済、これについて、是非、協議会等を立ち上げてお願いしたいというふうに申し上げたところでありますけれども、今の債権者代位について、二世の救済にならないという話を先ほどさせていただきました。
 これは結局、今信者になっておられる、例えば二世の事例であれば親御さん、親御さんが目を覚ましてこちらに戻ってくるということがあれば、親御さんがその団体、もっと言えば、教団に対してお金を取り返してということで被害回復につながるわけです。したがって、関係機関との協力あるいはその強化というのは非常に重要な部分だと思っております。
 一点、教団から脱会をする場合の現場です。
 これは、我々弁護士としては直接タッチはできていないですけれども、例えば牧師さんだとかカウンセラーの方なんかが、無償に近しいような形で、無理に脱会させるわけではなくて、家族の間の対話、会話、コミュニケーションを取り戻すということで活動されているわけですけれども、本当に、時間もかかるし、手間暇かかるし、大変な作業です。家庭連合、統一教会について言えば、そういった話合い自体を信者の側にさせないようにする、逃げるようにする、話合いの機会を持たせないようにするということがありますから、本当に大変な苦労をされている。
 この点の支援というのは今後非常に重要になっていきますし、ここが充実してくれば、先ほど言った債権者代位権の問題点というのもある程度解消されてくるのではないかなというふうに考えているところです。
 以上です。
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井原巧#16
○井原委員 ありがとうございます。
 やはり、相談窓口の敷居を低くするということは非常に私も重要だと思っております。
 続きまして、運用上の配慮についてお伺いをしたいと思います。
 法人等の不当な寄附の勧誘を禁止する一方で、第十二条では、この法律の運用に当たっては、寄附が果たす役割の重要性に留意しつつ、個人及び法人等の信教の自由等に十分配慮しなければならないとされております。
 寄附文化の醸成に対する不当な抑制につながっては、これは本当に元も子もございません。例えば、NPO法人や宗教法人等の実態に即した十分な配慮が行政には求められると考えられます。具体的にはどのような運用上の配慮が必要とお考えでしょうか。両参考人にお願いいたします。
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宮下修一#17
○宮下参考人 御質問ありがとうございます。
 私自身、実はNPO法人の理事長とかをやっておりますので、活動自体が会員の善意だけでは支えられないという中で、いろいろな方に寄附を求めるということの重要性というのは大変認識しております。
 また、それが、学問の自由、信教の自由ということはもとよりでございますが、やはりこういう、今、寄附というものを中心にしていろいろな活動をするということがむしろ一般的になっている中で、そういったものが過度に制約されることになってはいけないであろうというふうに思います。
 そういう中で、運用というのを確かに慎重にするというところはあるのかもしれませんけれども、ただしかし、一方で、被害に遭っている方、そういった方を救済するというところではちゅうちょしないということも大事かなというふうに考えております。
 そこのところで、今回、いろいろな形で御提案していただいておりますけれども、ぎりぎりのところでその両方のバランスが取れているのかなというふうに思っておりますので、まずは、こういったいろいろな法人等の活動の自由というものを尊重しつつ、しかし、その中で、活動の自由にいわば乗じていろいろなことをしてくるということについては、これはきちっと監視していくということも必要かなというふうに思いますので、その意味では、運用というものの体制について、恐らく消費者庁あるいはほかの関係各省庁で連携を密に取りながらやっていくことになると思いますけれども、その辺りはもっと国の方でいろいろ整えていく必要があるかなというふうに考えております。
 以上でございます。
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川井康雄#18
○川井参考人 ありがとうございます。
 これは線引きをきちんとするということが非常に重要なんだと思っております。もちろん、寄附を受ける側あるいは献金を受ける側の自由も大事ですけれども、それを求められる、勧誘される側の自由も非常に大事だと。これは、公共の福祉というところでどこまでであれば許されるのかという線引きを明確にすることが、被勧誘者側の自由、そして寄附を受ける側の自由、双方に対する配慮になる、このように考えておりますので。
 例えば、先ほどちょっと申し上げました配慮義務の三号のところですね。団体名を明らかにしないで寄附を受けるということが、今言った線引きとの兼ね合いでどうなのか。これは、私個人としては、一般的な団体、それこそNPO法人などであっても、そうした団体を言わないで寄附を募るということは適切ではない、それはそういう線引きが妥当だというふうに考えておりますので、その線引きをいかに妥当に図るかが非常に重要だろうというふうに考えております。
 以上です。
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井原巧#19
○井原委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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稲田朋美#20
○稲田委員長 次に、早稲田ゆきさん。
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早稲田ゆき#21
○早稲田委員 立憲民主党の早稲田ゆきでございます。
 それでは、参考人の方々に御質問させていただきます。
 宮下参考人、そして川井参考人におかれましては、本委員会への御出席、そしてまた、これまで被害者の救済、それから新法案に対しても様々御尽力を賜っておりますこと、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 それでは、川井参考人にまず御質問させていただきます。
 まず、新法の第十条でございますが、債権者代位権についてであります。こちらについては、要件が厳しく、先ほども御質疑がありましたが、効果も乏しいため、家族や宗教二世の被害の救済にならないということを懸念しております。この二世の方それから家族の被害を救済するためにはどのような制度が望ましいとお考えか、教えていただきたいと思います。
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川井康雄#22
○川井参考人 ありがとうございます。
 二点申し上げたいと思います。
 一点目は、先ほど申し上げました、脱会にまつわる支援、これを充実させることだろうと思います。これが充実していくことによって、先ほど言った、家族被害の関係がおのずと減ってくるということは一つあると思います。
 もう一つは、従前は、準禁治産者制度時代は浪費がその対象となっていたということがございます。これは本人の財産権との兼ね合いで、それはよろしくないだろうということでなくなったわけですけれども、やはりマインドコントロール的な被害というのが実際に存在するということが明らかになっているこの状態において、パターナリスティックな、国の方で一定程度、適切な判断ができない、自由な意思が抑圧されているという状況の方については、これは家庭裁判所の監督の下という条件が必須だと思いますけれども、そういう中で、補助あるいはそれに類似の制度をすることで御本人の財産管理を適切に図っていく、こういう制度が必要だろうと思います。これによって、家族の方でも、過度な献金がされて生活に支障が生じる、そういった被害が減ってくるだろう、このように考えております。
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早稲田ゆき#23
○早稲田委員 続けて、債権者代位権についてでありますが、信者が教団に対して有している取消権、これを家族が代わって行使をすることになるわけですけれども、その取消権があることを家族が立証することができるのかどうか、これが大変懸念されますが、いかがでしょうか。
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川井康雄#24
○川井参考人 ありがとうございます。
 全く御懸念のとおりだというふうに思っております。
 この構成は、分かりやすく二世の例で御説明すると、親御さんが信者で二世がいらっしゃる、二世の方が親御さんが教団側に持っている取消権を親御さんに代わって行使するというわけですけれども、親御さんがまだ信者なわけですね。そうすると、取消権で規定されている、教団側、寄附を受ける側からの具体的にどういった行為があったのか、これを立証するすべというのは、基本的に、我々がこれまで経験してきた裁判からいいますと、御本人、信者になった方が脱会された後、自分がどういう働きかけをされたんだということをお話しいただいて立証するというのが基本になってきますので、基本的には、立証することは不可能に近いほど難しいと言わざるを得ないというふうに考えております。
 以上です。
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早稲田ゆき#25
○早稲田委員 なかなか御本人が言わない限り立証するのが難しいということも伺いました。
 それでは、今お話が出ております宗教二世の問題についてでありますが、私たちもこの間、様々な、この二世の方からもお話を伺いました。また、先生からも、相談のあるのは半分近くがその御家族であるというお話も伺っているところでございますが、この宗教二世が親御さんなどから受ける信仰を理由とした児童虐待やその他の人権侵害、それから生きづらさなどを宗教二世問題というのだと思いますけれども、この点については、今国会の寄附の規制、この法案では対処し切れない部分でございます。
 そうしますと、この宗教二世問題についてはどのような問題が主にあり、そしてまた、この宗教二世問題をなくしていくためにはどのような法整備が今後必要になってくるとお考えでしょうか。
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川井康雄#26
○川井参考人 お答えさせていただきます。
 二世の問題というのは本当に様々な問題があるというふうに私どもも受け取っております。私どもも何人かの二世から話は聞いておりますけれども、それでも、必ずしも全貌がつかめたということではないだろうと思います。したがって、引き続いて、実態を把握するために、被害者、二世の方からの話をよく聞く、実態把握に努めるということがまずスタートだと思います。
 その上で、今日の資料でいいますと、五十五ページ以下で、二世の方の具体的な被害事例が書いてある資料がございます。この方も自分が親御さんから虐待を受けたということで児童相談所などに御相談に行かれたそうですけれども、宗教絡みだということで、タッチしていただくことができなかった、放置されてしまったということが実態としてあるようですし、同じような事例はほかの二世の方々からも聞いているところです。
 したがって、一つには、現状の虐待概念に当たるものについて児童相談所等で適切に対処する、宗教問題であってもそれは虐待かどうかの判断とは別なんだと切り分けて対応いただくことが重要だと思いますし、現実的には、本当に児童相談所が今、人員的にも非常に厳しいという実態も伺っておりますので、そういった人員あるいは予算的なところも含めた見直しが必要なんじゃないかなというふうに思っておるところです。
 それから、児相の方も宗教的な虐待の実態についてはまだ知らないところがきっとあると思いますから、そこは専門家からのお話を聞くなどして知見を広げていただく必要もあるだろうというふうに思っております。
 また、学校等の教育現場では、こういった問題があるということを教育の現場で少しお話ししていただいて、例えば二世問題としてのいじめであるだとか、そういった周辺の環境を改善していくということも必要だと思います。
 ちょっと申し落としてしまいました。先ほど虐待の話で、今言われるのは、やはり宗教的な虐待だという声を二世の方からよく聞きます。これが現状の概念で対応できるのかどうか。これは、専門家を交えてきちんと検討した上で、場合によって、今の概念で対応し切れないということであれば、その部分は法改正の必要もあるのかなというふうに考えております。
 今考えられるところはこういうところですけれども、本当に二世の問題は様々ですので、引き続き、皆様、本当に声を聞いていただければありがたいなというふうに思っている所存です。
 以上です。
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早稲田ゆき#27
○早稲田委員 今お答えいただきましたが、児童相談所と、それからまた教育現場と、もちろん連携は不可欠でございますが、今まではなかなかそういうふうになっていなかったということは非常に重大な問題だろうと私も認識をいたしました。本当に、この間、宗教の二世という方から壮絶な人生、生活の実態を伺って、新たに法改正が必要であればやっていかなければならないのではないかということも考えております。
 それでは次にでございますが、この法案で三年以内の見直しとなっているわけですけれども、具体的な運用状況を踏まえてもっと短くすべきではないかという声もありますが、この点についてはいかがでしょうか。川井参考人、お願いします。
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川井康雄#28
○川井参考人 御指摘のとおりだというふうに考えております。
 先ほど指摘させていただきました新法の問題点、幾つもございますし、運用していく中でまたいろいろと問題点が明らかになってくると思いますが、一方で、同じような被害がどうしても拡大しつつあるというところがあります。特に、二世の方々にとっては、一年あるいは数か月、一日単位で本当に大事な期間だと思われるんです。
 したがって、少しでも早くその被害防止あるいは救済につながるような法案が必要だと思いますので、その観点から、見直しの期間を是非一年にしていただきたいというふうに考えているところです。
 以上です。
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早稲田ゆき#29
○早稲田委員 ありがとうございます。
 それから、新法の三条について伺います。
 配慮義務についてでありますが、その遵守がなされていないため、個人の権利保障に著しい支障が生じていると明らかに認められる場合、勧告、公表を行うとの修正案を与党は提案をしているわけですけれども、この勧告、またそれのための報告、これが被害者救済の実効性についてどうであるか、このことについて教えていただきたいと思います。川井参考人、お願いいたします。
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