政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会

2023-03-16 参議院 全138発言

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会議録情報#0
令和五年三月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     岸 真紀子君     吉田 忠智君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     加田 裕之君
     酒井 庸行君     山本 啓介君
     勝部 賢志君     森屋  隆君
     秋野 公造君     竹内 真二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                青木 一彦君
                江島  潔君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                清水 貴之君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                今井絵理子君
                上野 通子君
                臼井 正一君
                加田 裕之君
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                本田 顕子君
                松山 政司君
                山本 啓介君
                塩村あやか君
                田島麻衣子君
                水野 素子君
                森屋  隆君
                吉田 忠智君
                河野 義博君
                窪田 哲也君
                竹内 真二君
                石井 苗子君
                鈴木 宗男君
                上田 清司君
                浜口  誠君
                紙  智子君
                大島九州男君
                高良 鉄美君
   国務大臣
       外務大臣     林  芳正君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  岡田 直樹君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  吉川ゆうみ君
       経済産業大臣政
       務官       長峯  誠君
       環境大臣政務官  柳本  顕君
       防衛大臣政務官  木村 次郎君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        中西  渉君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        水野  敦君
       内閣府沖縄振興
       局長       望月 明雄君
       内閣府北方対策
       本部審議官    伊藤  信君
       外務省大臣官房
       審議官      岩本 桂一君
       外務省大臣官房
       審議官      中村 和彦君
       外務省大臣官房
       審議官      原  圭一君
       外務省大臣官房
       参事官      中村 仁威君
       外務省北米局長  河邉 賢裕君
       外務省国際協力
       局長       遠藤 和也君
       財務省大臣官房
       参事官      緒方健太郎君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  佐々木昌弘君
       水産庁資源管理
       部長       藤田 仁司君
       国土交通省大臣
       官房審議官    石坂  聡君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  河野  順君
       観光庁審議官   池光  崇君
       環境省大臣官房
       審議官      針田  哲君
       防衛省大臣官房
       審議官      北尾 昌也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○令和五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)、令和五年度特別会計予算(内閣提出、衆
 議院送付)、令和五年度政府関係機関予算(内
 閣提出、衆議院送付)について
 (政府開発援助関係経費、内閣府所管(内閣本
 府(沖縄関係経費)、北方対策本部、沖縄総合
 事務局)及び沖縄振興開発金融公庫)
    ─────────────
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三原じゅん子#1
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岸真紀子君、秋野公造君、勝部賢志君、酒井庸行君及び大家敏志君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠智君、竹内真二君、森屋隆君、山本啓介君及び加田裕之君が選任されました。
    ─────────────
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三原じゅん子#2
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官水野敦君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三原じゅん子#3
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三原じゅん子#4
○委員長(三原じゅん子君) 去る十三日、予算委員会から、三月十六日の一日間、令和五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費、内閣府所管のうち内閣本府(沖縄関係経費)、北方対策本部及び沖縄総合事務局並びに沖縄振興開発金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取いたします。林外務大臣。
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林芳正#5
○国務大臣(林芳正君) 令和五年度政府開発援助に係る予算案について、その概要を説明いたします。
 令和五年度一般会計予算案のうち、政府開発援助に係る予算は、政府全体で対前年度比一・七%増の五千七百九億三千七百三十五万三千円となっております。このうち、外務省所管分については、対前年度比〇・〇〇四%増の四千四百二十八億四千八十七万七千円となっております。
 ODAは積極的な日本外交を進める上で最も重要な政策ツールの一つです。ODAの一層の拡充及びその戦略的、効果的な活用を通じて、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組をより一層進めていきます。また、気候変動を始めとする環境問題や国際保健を含む地球規模課題への対応や、SDGsの達成に向けた取組を主導していきます。
 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。
 まず、無償資金協力については、外務省として、対前年度比〇・一%増の千六百三十四億三百万円を計上しております。
 政府全体の技術協力については、対前年度比四・四%増の二千五百九十一億二千三百八十二万一千円となっております。このうち、外務省所管のJICAの運営費交付金等は、対前年度比〇・一%増の千五百十八億五千百万円を計上しております。
 政府全体の国際機関への分担金、拠出金については、対前年度比二・一%減の九百九十五億七千五十三万二千円となっております。このうち、外務省所管分については、対前年度比一七・四%減の五百十三億三百十九万五千円を計上しております。
 有償資金協力の出融資については、対前年度比三三・四%増の一兆八千九百四十億円を計画しております。
 以上が令和五年度ODAに係る予算案の概要です。
 なお、令和四年度補正予算におけるODA予算は、政府全体で三千四百十四億二千二百四十五万円となっております。このうち、外務省所管分については、二千四百八十一億七千七百七十七万三千円となっております。
 令和五年度ODAに係る予算案について、三原委員長始め、理事、委員各位の御理解を心からお願い申し上げます。
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三原じゅん子#6
○委員長(三原じゅん子君) 岡田沖縄及び北方対策担当大臣。
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岡田直樹#7
○国務大臣(岡田直樹君) 令和五年度沖縄振興予算及び北方対策本部関係予算について、その概要を説明いたします。
 初めに、沖縄振興予算について説明いたします。
 令和五年度の沖縄振興に関する予算の総額は、二千六百七十九億五百万円となっております。
 今回の予算案では、昨年五月に策定した強い沖縄経済実現ビジョンの具体化に向け、農水産業・加工品分野において農林水産物・食品の販売力強化支援、科学技術・産学連携分野において沖縄型スタートアップ拠点化の推進等の予算を新たに計上しているほか、沖縄の子供の貧困対策等を増額して計上しました。
 このほか、公共事業関係費等、沖縄振興一括交付金、沖縄科学技術大学院大学、OIST学園関連経費、沖縄健康医療拠点整備経費、北部及び離島の振興、沖縄振興特定事業推進費等の予算についても、引き続き、各事業がしっかりと推進されるよう、国として必要と考える所要額を計上しました。
 続きまして、北方対策本部関係予算について説明いたします。
 内閣府北方対策本部関係の令和五年度予算は、若年層への啓発の強化などに重点化し、総額十七億百万円となっております。
 このうち、北方対策本部に係る経費は二億一千三百万円であり、若者自らによるこれからの時代に適した啓発手法の検討や実施のための経費等を計上いたしました。
 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は十四億八千八百万円であり、様々なメディアを活用した広報啓発のための経費等を計上いたしました。
 以上で、令和五年度の沖縄振興予算及び北方対策本部関係予算の説明を終わります。
 よろしくお願いいたします。
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三原じゅん子#8
○委員長(三原じゅん子君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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青山繁晴#9
○青山繁晴君 皆様、おはようございます。
 今日も、主権者の方々におかれては、わざわざ傍聴に来ていただき、心から感謝申し上げます。今日も、ただ国益のためにこそ、今日はとっても短い時間で十四分なんですが、質問いたしたいと思います。
 今年一月に七か国を回りました。発言の自由、それから行動の自由を確保するために、あえて全部自費で自主的に回ったわけです。そうすると、当然、現地の日本の関係者からも率直な話を聞くことができます。
 その中で目立ったのが、本当の僕の出張の目的は核セキュリティーで、ODAと関係余りないんですけれども、現地の日本の関係者から、日本がODAを最近ずっと減らしてきたために日本の影響力が目に見えて落ちたという話を複数の国で聞きました。同時に、だから中国にやられっ放しになっていると、よく聞く話を現地でも聞いたわけです。よく聞くというのは、日本の例えば報道などでも似たような話がよく聞かれると思うんですよね。
 それで、帰国しまして、具体的にデータを外務省の協力もあって調べてみますと、実は減っていないんですよね。例えば、この十年ぐらいで比べますと、実に六十億ドル、ODAについては増えています。ずっと、例えば十年で見ると右肩上がりになっているわけです。
 それから、中国にやられっ放しという話もよく聞くわけですけれども、この中国はちょっと厄介で、まず、OECDの中でODAを出す立場になくて、いまだにもらう立場になっているという奇妙なことがありまして、したがって、単純比較はできないんですけれども、一応中国の対外援助支出なる項目と日本のODAを比べてみますと、例えば二〇二一年でいうと日本の方のが七倍あるんですよね。
 それを考えますと、実は、数字で減った、国民の血税をたくさん使うことをやめた、その背景に、国民の中から不肖私のところにも、ODAを始め外国にばかりサービスするんじゃなくて、もっと国民に支出してほしいという声をよく聞きます。それが相まって、私も何となく日本のODAは減ったように思っていたけれども、実は減っていない。
 だから、違う言葉で言えば、税金使ってちゃんとODAを増やしているんだけれども、存在感がどんどん薄れている。それから、中国の不透明な対外支出に負けている現状があるのではないかと思うんですが、まず基礎的なデータを政府参考人からお聞きしたいと思います。
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遠藤和也#10
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 まず、OECDによりますと、日本の二〇二一年のODA実績は、無償資金協力、技術協力、政府貸付け等及び国際機関への出資、拠出を合わせて約百七十六億米ドル、すなわち約一兆九千三百五十六億円ということになっております。二国間の政府貸付け等が大宗を占めるということが特色でございます。
 一般会計当初予算のODA予算は、一九九〇年代と比べて大きく減ってはいるということはあるものの、政府貸付け等の計上方式が二〇一八年から改められるということも背景といたしまして、二〇二一年のODAの実績はアメリカ、ドイツに次いで第三位ということになっておるというところでございます。
 これに対しまして、今委員御指摘のとおり、二〇二一年の中国の対外援助支出実績は、中国財政部の二〇二二年の発表によれば百九十八億六千万元、すなわち日本円で申し上げますと約三千三百八十億円ということになっているということでございます。
 ただし、これも委員御指摘のとおりですけれども、中国財政部の発表の言う対外援助の範囲、対象国別の実績、具体的な案件の概要等々、詳細な情報は明らかにされていないということもございまして、不透明な点が多いということがございます。また、中国はOECD開発援助委員会のメンバーではなくて、我が国同様の国際的な基準にのっとった援助データの報告を行ってはおらず、その点でもODAの総額を比較するということはできないということかと思います。
 なお、様々な研究等によりますと、中国は特に二〇一〇年代に中国輸出入銀行や中国国家開発銀行を通じた融資を急増させ、途上国の対中国の公的債務は大きな規模になっているといったようなことは承知しておるというところでございます。
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青山繁晴#11
○青山繁晴君 今外務省から丁寧な説明いただきましたけれども、一言で言えば、不肖私が感じて、あるいは把握した事実とほぼ同じということでありますよね。
 そうすると、林外務大臣にお尋ねしたいのは、まず、じゃ日本のODA、もう一度言いますが、国民の税金をこれだけ使っていて、諸国回ると、中国と比べると存在感がどんどん埋没していく、では一体どうすればいいのか、ODAをどうすればいいのかということを大臣にお尋ねします。
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林芳正#12
○国務大臣(林芳正君) このODAでございますが、開発途上国との良好な二国間関係の構築、また日本が国際社会において主導的役割を果たす上で最も重要な外交ツールの一つであります。その在り方について、まさに今現在、開発協力大綱の改定を進めておりまして、議論を深めているところでございます。
 今お話のあったようなこの中国を含めた振興ドナー、これが存在感を強める中で、我々としても、やはりこのODAの戦略的活用、これを一層進めなければならないと思っておりますし、引き続き様々な形でODAを拡充して外交的取組の強化、これに努めていきたいと思っております。
 同時に、この民間企業とか、それからODA以外の公的資金を扱う国内機関、こういうところとやはり連携を強化して、同志国を含む開発協力の様々な主体とも連携をすると、そういうことを通じてより効果的な開発協力、これを追求していかなければならないと思っております。
 今委員からも御示唆がありました厳しい財政状況の中で、やはりODAが日本の利益につながっているんだということ、これをやはり国民の皆様に御理解をいただいて支持を広げるということが大事でありますから、やはりこの日本にとってどういう利益があるのかということ、これを分かりやすくやはり説明していく必要がこれまで以上に求められているところでございまして、ODAの広報というものも一層効果的に実施をしていきたいと思っております。
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青山繁晴#13
○青山繁晴君 今大臣から分かりやすく説明していくべきだというお話がありました。それに関して、何せあと六分しかないんで余りやり取りできないんですが、一点だけ、不肖私の経験に基づいて一例を申しますと、ラオスの村にこのときは鳥インフルの状況を調べに行ったわけです。そのとき、私はまだ民間の専門家でありましたが、そのときに日本が小学校を建てて、最初、日本語や英語の読み物も供与したと。ところが、私が行ったときにはもう小学校の窓ガラスは全部破れてしまって、日本語の読み物も英語の読み物ももうぼろぼろで、子供たちはそれでも手にしていましたけれども、なかなか読みにくい状況だった。ところが、その後、日本の援助はそこで止まってしまって、中国がやってきて、窓ガラス全部入れて、古くなった本は全部捨てて中国語の本にして、ラオスの子供たちは自国語よりも中国語を勉強するということが行われた。現在も進行中だと理解しています。
 これは一言で言うと、日本は最初はやるけれども後が続かないと、その問題がありますので、ちょっと予定外の質問ですけど、できれば一言、大臣、見解いただけますか。
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林芳正#14
○国務大臣(林芳正君) 大事な一例をお示しをいただいたというふうに思っております。
 いろんなケースにおいて、一回つくったその後のフォローアップといいましょうか、そういうところにも意を用いていく、これ当然のことであろうと思っておりますし、やはりよく顔が見えると、こういうふうに言いますけれども、そういうところ、大変もったいない話だと思うんですね、我々がつくっておきながらと。
 そういうこともありますので、しっかりと今までもやってきていると思いますけれども、更にそういったフォローアップというのは意を用いていきたいと考えております。
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青山繁晴#15
○青山繁晴君 御答弁ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 今、ウクライナ戦争のために、日本とロシアの間の接触、交流は全く途絶えています。それは、明白な侵略でありますから、欧米社会の制裁と、日本も当然、民主主義国家として歩調を合わせています。
 ただ、本当にそれでいいのかということをあえてお聞きしたいんです。というのは、島民だった方々、これメディアや国会審議でも元島民と言っていますが、こんな言葉はもうやめにしませんか。元島民じゃないです、今も島民なんですよ。それがロシアの不法占拠によって住むことができないだけでありますから。この島民だった方々の平均年齢は今八十七・四歳になっています。
 実は、国際社会の本来の常識ですと、領土を奪われた国があれば、その奪った国が違う方角で戦争を始めれば領土奪還へ動き、奪った国は警戒するわけですよね。しかし、日本は戦争で領土を取り戻すことはしません。したがって、交渉においてこういう時機を見逃さないということをやるべきです。
 そうしますと、国際社会で一致しているロシアへの制裁を崩すことなく、しかし、日本は日本で交渉を行う方途はやっぱり探るべきだと思うんです。そうしますと、ロシアはもう非常に孤立して追い詰められていますから、まず交流の一番大事なところとして、島民だった皆さんの墓参の再開だけでも制裁は維持しつつやるべきじゃないでしょうか。外務大臣にお答え願います。
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林芳正#16
○国務大臣(林芳正君) このロシアによるウクライナ侵略、これ国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、引き続き、強い制裁含めて毅然と対応してまいります。
 その上で、今お話のありました北方領土問題、これ日ロ間の最大の懸案であります。政府として、この北方領土問題を解決して平和条約を締結すると、この方針を堅持していくという考えに変わりはないわけでございますが、ロシアによるウクライナ侵略によって日ロ関係厳しい状況にあり、今この時点でこの平和条約交渉の展望について具体的に申し上げる状況にないということは御理解いただきたいと思います。
 政府として、今お話のあった御高齢となられた元島民の方々の思いに何とか応えたいという考えに変わりはなく、北方墓参を始めとする四島交流等事業の再開、これは今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つであります。ロシアによるウクライナ侵略を受けた日ロ関係の悪化、また新型コロナの影響によって三年間実施できていないわけでございまして、一日も早く再開できるような状況となることを強く期待しておりまして、北方墓参を始めとした事業について、ロシア側と相互の大使館等を通じて外交上のやり取りを行っておるところでございます。
 引き続き、特に北方墓参に重点を置いて適切に対応してまいりたいと考えております。
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青山繁晴#17
○青山繁晴君 済みません、今、林大臣におかれても行政官の作った文書に基づいて元島民とおっしゃいましたので、できれば今後お考えいただきたいと思います。
 最後に、北方担当大臣でいらっしゃる岡田大臣に、島民だった方々のお気持ちを踏まえてお言葉いただけるでしょうか、答弁いただけるでしょうか。
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岡田直樹#18
○国務大臣(岡田直樹君) 私も、御高齢になられた方々の思いに何とかお応えしたいという強い思いを絶えず抱き続けているということをまず申し上げたいと思います。
 大臣就任後の昨年九月に根室を訪問した際にも、意見交換の中で、何とか墓参だけは実現してほしいと、こういう切実なお訴えをいただきました。北方墓参を始めとする事業の再開は、今後の日ロ関係の中でも最優先事項の一つでありまして、一日も早く事業が再開できるような状況となることを待ちつつ、岸田総理が先般参議院予算委員会で答弁したように、北方四島交流等事業のうち、特に北方墓参に重点を置いて適切に対応をしてまいりたいと考えており、必要な準備を着実に進めてまいりたいと存じます。
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青山繁晴#19
○青山繁晴君 終わります。
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石橋通宏#20
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。
 今日は予算の委嘱ということで、両大臣、よろしくお願いいたします。
 もう時間がありませんので早速質問に入りますが、まず開発協力大綱の改定問題について、昨年の十二月七日の本委員会で、大臣所信質疑の際に林大臣にもこの件確認をさせていただきました。
 市民社会、団体の皆さんからかなり強い批判が出ていたこと、余りに拙速、唐突な大綱の改定作業だと、国益むき出し、軍事の更なる進展があるのではないか、そういった懸念についてこの場で議論させていただいて、市民社会の皆さんの声もしっかり聞いて丁寧に議論を進めていくと大臣約束をいただいたのですが、資料の一、御覧ください。
 そのすぐ後に有識者会合の報告書が出されたわけですが、市民団体の皆さんから強い抗議、警鐘と言われていますが、これはもう明らかに強い抗議です。結局は、国益が更にむき出しになった方向性での報告書、さらには、軍、軍人、軍関係者に対する更なるODAの利用の道が開かれる。大臣、何でこんなことになるんでしょうか。
 あれだけ、ここの場でも指摘をさせていただいた、本来我が国があるべきODAの姿をむしろ追求していかなければいけない、二〇一五年改定の反省を含めて時間掛けて協議しなければいけないと言っていたにもかかわらず、市民団体、NGOの皆さんから、ODAの大切な担い手であるそういう皆さんからこれだけ強い批判が出てくる。大臣、これ、やっぱり拙速過ぎるのではないでしょうか。市民団体の皆さんからこういう強い抗議が出されるような改定はしてはいけないのではないでしょうか。いかがでしょうか。
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林芳正#21
○国務大臣(林芳正君) 我が国がODAによって開発協力を行う目的、これは一義的には国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献することでありますが、これはグローバルな利益への一方的な貢献ということではなくて、我が国自身の平和と繁栄といった国益の確保にもつながるものだと考えております。先ほど青山委員の御質問でもありましたように、やはり国民の皆様の御理解、こういうものが大変大事になってきているというのは先ほどお答えしたとおりでございます。
 SDGsは先進国と開発途上国が共に取り組むべき国際社会全体の普遍的な目標ということでありますが、この達成のためにも、国際協力への取組を一層加速していくことに加えて、国内における経済、社会、環境分野の諸課題、これも国際社会全体の課題として取り組む必要があると思っております。そういった意味で、開発協力大綱の改定に当たっても、ODAの戦略的活用を通じて国際社会への貢献、そして日本の国益の双方の実現、これを追求していかなければならないと思っております。
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石橋通宏#22
○石橋通宏君 大臣、是非、この場は政治家同士の、ODAのあるべき姿について、せっかくの場ですので議論させていただきたい。ちょっと今、官僚がお作りになった答弁書読まれましたけれども、ちょっと質問させていただいた内容と必ずしも一致しない答弁ではなかったのかと思います。
 市民社会、市民団体の皆さんがこれだけ強い警鐘を鳴らされている、懸念の声を上げている、そういう改定でいいのでしょうかと大臣にお聞きをしているわけです。市民団体の皆さんが大切なODA実践のパートナーである、現地で多くの皆さんが奮闘いただいている、そういう声に、大臣、耳を傾けなくてよろしいんでしょうか。
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林芳正#23
○国務大臣(林芳正君) 少し回りくどい言い方をしたかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、このまさにグローバルな利益の一方的貢献ということだけではなくて、我が国自身の平和と繁栄といった国益の確保、これにもつながるということを申し上げたところでございます。
 そういった意味で、まさにこの両方をしっかりと、国際社会への貢献と日本の国益の実現という双方を追求していくことが矛盾をしないということを申し上げました。それは、このNGO、そして先ほどお示しいただいた資料の中に、当然のことながら国際社会への貢献が大事だというような御主張があるわけでありますので、そのことにしっかりと耳を傾けながら、そして日本の国益の実現という双方、これを追求していくということは決して双方矛盾することではないという、そういう趣旨で申し上げたところでございます。
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石橋通宏#24
○石橋通宏君 大臣、違うと思います。我が国の伝統的なODAというのは、裨益国の国民の命を守るんだと、そこに貢献するのであるということを前面に打ち出した、先ほど青山委員は中国との比較もされました、それが決定的に違うところだったという評価を受けてきたんです。それが、二〇一五年大綱の見直しから、むしろ今大臣が答弁されたような国益むき出しの、それがもう前面に出てくるようなODAに変質をしてしまった。これ、私も各地お邪魔すると、そういう声を聞かせていただきます。日本のODAが変質したのではないかという点、ここは大臣、強く懸念持たれた方がいいと思います。それをまさにNGOの皆さん、市民社会団体の皆さんが警鐘を鳴らされているわけです。脆弱な立場にある人々の命を救うという開発協力の本来の目的が果たせなくなってしまうと。大臣、こういう声にちゃんと向き合ってください。
 今各地でヒアリング等をしていただいていますが、結局、大臣、そういったヒアリングの市民社会の声、これを受けて大綱を最終的にまとめていただけるんでしょうか。結局は形だけ、聞くだけ、でも有識者会合の報告書と変わらないものが大綱として出てきたら、結局は市民社会の声聞いていないことになります。
 大臣、市民社会の声を聞いて、これからしっかりと、拙速な議論ではなく本来の目的に合致したODAをまとめて、ODA大綱の改定、時間掛けて進めていただく、約束いただけませんか。
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林芳正#25
○国務大臣(林芳正君) まさに、このお示しいただいた資料で、この代表を務めておられる稲場氏は有識者懇談会のメンバーでもあって、その場で何度か御議論を聞く機会もあったわけでございます。したがって、この有識者報告書もそうだと思いますが、我々が今後作るこの大綱というのも、このNGOを始めとした市民団体の皆様の御意見も含めて各界各層の意見を丁寧に聞いて、そしてまとめていくものだと、こういうふうに認識をしております。
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石橋通宏#26
○石橋通宏君 そのメンバーとして参加をされていた稲場さん始め皆さんが警鐘を鳴らしているわけです。大臣、それを無視してはいけないと思います。その現実をちゃんと見てください。メンバーとして参加したけれども、残念ながら意見が反映されていないと、だからこういうペーパーを出されているんです、皆さん、団体で。だから、今の答弁は違うと言わざるを得ません。
 結局、これ本当に最終的にこれからまだ時間掛けて是非議論していただいて、しっかり市民社会、NGOの皆さん、大切な一翼を担って、本当に紛争地域も含めて現場で御奮闘いただいている多くのNGO、市民社会の皆さん、声聞いてください。それを反映した今後の議論に是非してください、大臣、責任持って。それを強く重ねて申し上げておきたいと思います。
 その上で、結局、先ほど青山委員もODAの額の話もされました。まあ確かにここ十年では横ばいなのですが、ここ二十年、三十年で見ると半減です。決定的にODAの額は減っているのです。だから、さっき大臣も言われた、やれ民間資金だ、やれと言いますが、民間資金というのは、結局それは民間資金ですから、民間は利益出さないとやっていけませんので、結局国益になっちゃうんですよ。だからそうではないということを申し上げている。
 大臣、ODA、抜本的な拡充とおっしゃったけれども、来年度予算案でも〇・一%。〇・一%、これで大幅な拡充なのですか、大臣。全然違いますよね。これはもう本当に大幅な拡充だと言われるのであれば、〇・一%じゃない規模の拡充が必要なのではないでしょうか、大臣。
 そして、今厳しい財政状況の折、今の状況で抜本的な拡充ができないのであれば、大臣、これ通告していませんが、大臣と一緒に我々、国際連帯税の導入を目指そうと、革新的資金調達メカニズムの導入を目指そうと、それによって貧困問題を始め地球規模課題にしっかり日本が対応していこうということを、大臣、一緒にやってきたじゃないですか。それを是非実現しようじゃありませんか。大臣、いかがですか。
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林芳正#27
○国務大臣(林芳正君) 石橋委員におかれましては議連で大変お世話になりまして、一緒にいろんなこの検討させていただいたわけでございます。
 まさに、この予算、財政状況、非常に厳しい中で、何とかこの減少を食い止めて増やしていきたいということで、いろんな先生方の御支援を得ながら予算折衝に当たったわけでございますが、そういうことに加えて、やはり自ら努力をすると、このことが大事であろうというふうに思っております。
 先ほど、民間についてのお話がございました。民間、これは企業だけではなくしていろんな、フィランソロフィーも含めていろんなことがあり得るというふうに考えておりますが、そういうところも含めて、当時は革新的資金調達メカニズムというふうに称しておりましたけれども、そういうことも含めて幅広い財源をどうやって確保していくのかという検討、これは不断にやってまいらなければならないというふうに思っております。たしか、ちょっと手元に資料がございませんが、外務省にも懇談会を置いてしっかり検討したことがございましたので、そういった過去の経緯も踏まえてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
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石橋通宏#28
○石橋通宏君 残念ながら、今懇談会に触れていただきましたけれども、外務省で国際連帯税含めた議論のための懇談会立てていただいて、これも市民社会の代表も、大臣もよく御存じの方が参加をいただいたのですが、途中でお辞めになりました、全然方向性が違うと。結局は民間の資金の活用、活用ってそっちばっかりに行ってしまって、本来あるべきODAの姿、そして国際連帯税の導入からどんどん離れていってしまったということで、途中でお辞めになっているんです。大臣、報告受けておられると思いますが、そういう状況なんですよ。
 だから、大臣のイニシアチブで是非、やはり本来あるべきODAの姿、国際連帯税の導入、それによる地球規模課題への対応、これを是非やっていただきたい。林外務大臣だからこそだと僕らは期待を掛けて申し上げておりますので、大臣、いま一度決意をお願いします。
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林芳正#29
○国務大臣(林芳正君) この御一緒に検討させていただいた超党派の議連の中でも、大変に技術的に難しい面や、またいろんな世の中の状況の中でなかなかこの結論にたどり着くことができなかったという、私がいたときはそういうことであったというふうに記憶をしておりますが、そういった経緯も踏まえて、ただ、過去そういうことだったからもうできないということではなくて、やはり前を向いて、しっかり何ができるのかというのは少し幅を広げて考えていければと思っております。
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