安全保障委員会

2023-11-09 衆議院 全187発言

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会議録情報#0
令和五年十一月九日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 簗  和生君
   理事 鬼木  誠君 理事 小泉進次郎君
   理事 杉田 水脈君 理事 藤丸  敏君
   理事 伊藤 俊輔君 理事 篠原  豪君
   理事 岩谷 良平君 理事 中川 宏昌君
      あべ 俊子君    上野賢一郎君
      江渡 聡徳君    大塚  拓君
      金子 俊平君    武田 良太君
      渡海紀三朗君    中谷  元君
      長島 昭久君    細野 豪志君
      松島みどり君    松本  尚君
      山本 左近君    若宮 健嗣君
      新垣 邦男君    玄葉光一郎君
      重徳 和彦君    渡辺  周君
      浅川 義治君    住吉 寛紀君
      北側 一雄君  斎藤アレックス君
      赤嶺 政賢君
    …………………………………
   外務大臣         上川 陽子君
   防衛大臣         木原  稔君
   外務副大臣        堀井  巌君
   防衛副大臣        宮澤 博行君
   防衛大臣政務官      松本  尚君
   防衛大臣政務官      三宅 伸吾君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 實生 泰介君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 池上 正喜君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長)            河邉 賢裕君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            長岡 寛介君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 山崎  翼君
   政府参考人
   (国土交通省物流・自動車局次長)         久保田秀暢君
   政府参考人
   (環境省水・大気環境局長)            土居健太郎君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房施設監) 扇谷  治君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房報道官) 茂木  陽君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           中西 礎之君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 今給黎 学君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  加野 幸司君
   政府参考人
   (防衛省整備計画局長)  青柳  肇君
   政府参考人
   (防衛省人事教育局長)  三貝  哲君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  大和 太郎君
   政府参考人
   (防衛省統合幕僚監部総括官)           田中 利則君
   政府参考人
   (防衛装備庁長官)    深澤 雅貴君
   安全保障委員会専門員   奥  克彦君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月九日
 辞任         補欠選任
  松島みどり君     あべ 俊子君
  和田 義明君     金子 俊平君
同日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     上野賢一郎君
  金子 俊平君     山本 左近君
同日
 辞任         補欠選任
  上野賢一郎君     松島みどり君
  山本 左近君     和田 義明君
    ―――――――――――――
十一月八日
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
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簗和生#1
○簗委員長 これより会議を開きます。
 この際、堀井外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀井外務副大臣。
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堀井巌#2
○堀井(巌)副大臣 外務副大臣を拝命いたしました堀井巌でございます。
 先日の委員会を公務により欠席させていただいたため、本日、御挨拶を申し上げます。皆様の御理解に感謝を申し上げます。
 国民の命と平和な暮らしを守り、国際社会の平和と安定に一層貢献すべく、外交分野において全力を尽くす所存です。
 簗委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
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簗和生#3
○簗委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官實生泰介君、外務省大臣官房審議官池上正喜君、外務省総合外交政策局長河邉賢裕君、外務省中東アフリカ局長長岡寛介君、財務省大臣官房審議官山崎翼君、国土交通省物流・自動車局次長久保田秀暢君、環境省水・大気環境局長土居健太郎君、防衛省大臣官房施設監扇谷治君、防衛省大臣官房報道官茂木陽君、防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官中西礎之君、防衛省大臣官房審議官今給黎学君、防衛省防衛政策局長加野幸司君、防衛省整備計画局長青柳肇君、防衛省人事教育局長三貝哲君、防衛省地方協力局長大和太郎君、防衛省統合幕僚監部総括官田中利則君、防衛装備庁長官深澤雅貴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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簗和生#4
○簗委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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簗和生#5
○簗委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鬼木誠君。
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鬼木誠#6
○鬼木委員 おはようございます。自由民主党の鬼木誠でございます。
 私は、昨年一年間、この安全保障委員会の委員長として、今、簗委員長が座っていらっしゃる席にかけさせていただきまして、激変する日本の安全保障環境について様々な議論を委員の皆さんとさせていただきました。防衛戦略三文書の改定により防衛予算を増強し、また、防衛生産基盤強化法の制定により、日本を守る防衛装備を国内で生産できる体制を強化してきた。そうした議論を一年間させていただきました。
 決してなれ合いではなく、与野党の緊張感ある議論、そして、考え方の違いはあっても、国民の命と平和な暮らしを守るという共通の目的のために真剣な議論を重ねてきた。そして、一定の結論を出すことができた。そういう意味で、私、本日おられる与野党の理事の皆さん、替わられて、おられませんが、理事の方始め委員の皆さん、与野党の安保委員会の皆さんに、本当に感謝を申し上げたいと思います。本当にすばらしい議論を積み上げていただきました。
 防衛予算の増強、そして戦略三文書、防衛生産基盤強化法の制定と、また、日英、日豪RAA、日本の防衛強化ができたということに私も本当に誇りを感じておりますし、今年は、この安保委員会に私は質問する側で一緒に参加させていただきますので、是非これからもよろしくお願いいたします。
 そして、こういう形で本当に前向きに進んできたんですが、やはり幾つかの誤解がありまして、国民との間のコミュニケーションが取れていないと感じることがあります。その中で一つありますのが、防衛予算が増えてもアメリカがもうかるだけじゃないかという批判があるわけですね。
 だけれども、私がこれまで様々な議論を重ねてきた中で感じるのは、むしろ、防衛装備は、輸入に依存するよりも国産化にかじを切っているのではないか。自分の国を守るために、自分たちできちんとできるようになろうよという方向に日本は今かじを切っているということが私の実感であります。
 特に、象徴的なものとして、次期戦闘機の開発やスタンドオフミサイルといったものが挙げられると思います。
 戦後の日本は、民間旅客機でさえ自国で生産できないということがありました。そういう中で、防衛においては、日本とイギリスとイタリア、三か国共同で次期戦闘機を、GCAPですね、開発することになりました。修理も自分でちゃんとできるようになるし、能力を向上するための改修だって自由にできるようになる。これは本当に、日本の、自分の国は自分で守るという独り立ちを示す象徴的な出来事ではないかと思っております。
 そこで、大臣に伺います。
 次期戦闘機の日英伊共同開発が日本の防衛や、さらには産業界にどういう好影響をもたらすとお考えか、このGCAP計画に併せて、防衛大臣の意気込みと併せて伺いたいと思います。
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木原稔#7
○木原国務大臣 鬼木委員から、次期戦闘機の国際共同開発についての御質問と意気込みということで御質問いただきました。
 昨年の日英伊の共同首脳声明を踏まえまして、防衛省では、二〇三五年頃に退役を開始するF2戦闘機の後継機として、英国、イタリアとともに次期戦闘機の共同開発を進めています。
 一昨日の日英の2プラス2でもGCAPについて幾つか確認をさせていただいたところですが、次期戦闘機の共同開発は、三か国の技術を結集し、コスト等を分担しつつ優れた戦闘機を開発するものであり、これにより、我が国の防衛に必要不可欠な航空優勢を将来にわたって担保することができます。
 また、次期戦闘機の開発において様々な先進技術に投資するとともに、国際的に活躍する次世代のエンジニアが育成されることで、産業界全般への波及効果も期待できるわけであります。
 防衛省としては、我が国経済全般へのそういった広範な波及効果も期待される次期戦闘機の開発について、二〇三五年までの開発完了を目指し、着実に推進してまいります。
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鬼木誠#8
○鬼木委員 ありがとうございます。
 まさに、日本の空を守るための機材になりますので、どういう脅威があって、それにどう対応するために、そうした必要な機能を万全に備えられるものとなるように、これからの開発を是非進めていただきたいと思います。
 また、先ほど述べたスタンドオフミサイルでございますが、スタンドオフというのは長距離のミサイルということなんですが、英語でスタンドオフってどういうことかなと調べますと、離れて立つとか近寄らないという意味があるらしくて、ラグビーでも、私はラグビーをやっているんですが、スタンドオフ、今年もワールドカップが、イングランドのオーウェン・ファレル選手が本当にキックを連発して、パスだと短くしか移動できないけれども、キックだと大きく前に前進することができる。あっ、これがまさにスタンドオフだなと思いながら、スタンドオフミサイルと重ねて見ていたんですが、ラグビーの時間、話をしているとあっという間に終わってしまうので、このぐらいにしまして。
 スタンドオフミサイルというのは、長距離の、長射程のミサイルで、島嶼防衛を目的として、敵の着上陸を阻止するという意味で、離れたところから大きな射程のミサイルを開発しているということなんですが、このスタンドオフミサイルも、私は国産化にかじを切っていると思います。一二式の地対艦誘導弾を能力向上いたしまして、航続距離を延ばすことで国産のものを改良、量産して配備するということが計画されているので、私は、これは国産にかじを切っていると思っているんです。
 ところが、今回注目されたのが、アメリカから日本がトマホークを購入するということだけに注目が集まってしまいまして、それで、象徴的な出来事として、アメリカがもうかるだけじゃないかという世論につながってしまっているなというのが、私が残念に思っているところなんですね。
 なので、なぜ、この度、日本はアメリカからトマホークを購入することになったのかということを御説明いただきたいと思います。
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加野幸司#9
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の防衛力の抜本的強化に当たりましては、今御案内いただきましたとおり、スタンドオフ防衛能力を抜本的に強化するということにしているわけでございます。
 このスタンドオフ防衛能力でございますけれども、こちらにつきましては、隊員の安全を確保しつつ、侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して脅威圏の外から対処をする、また、様々な地点から重層的にこれらを阻止、排除できる必要かつ十分な能力を保有するといった方針に基づいて整備をしていくものでございます。
 その上で、国産のスタンドオフミサイルを必要な数量を整備するには一定の時間を要するということがございますことから、それまでの間に十分な能力を確保する、そのために、既に量産が行われておりますトマホークを取得するということにしたものでございまして、これらのミサイルの取得を並行して進める、そのことで早期に所要量のスタンドオフミサイルを整備していくということにしたところでございます。
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鬼木誠#10
○鬼木委員 まさに、国産のもので進めようとしているけれども、今配備するためには間に合わない。要は、一刻を争うという緊急性があるから、今配備できる実績のあるものを購入したということだと思います。そのぐらい、やはり日本の南西諸島、スタンドオフ能力を確保するということが日本の防衛にとって重要な局面であるということを国民に伝えていかなければならないと思います。
 そうした中で、この度、日本はトマホークの前倒し購入を決めました。元々ブロック5を購入予定だったものを、前倒し購入では、一つ前の型の機材であるブロック4を買うことになった。これに対して、やはり批判的な方からは、アメリカから型落ちの在庫を買わされているという批判もされるわけですね。
 そうではない、ちゃんと能力、機能があるということを御説明いただきたいと思います。
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加野幸司#11
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛省といたしましては、可能な限り早くスタンドオフ防衛能力を整備するべく、国産のスタンドオフミサイルにつきましては二〇二六年度から配備開始を予定しておりまして、それを補うものとして、トマホークについては、二〇二六年度そして二〇二七年度に最大四百発、早期の取得を行うということにしていたところでございます。
 その上で、より厳しい安全保障環境を踏まえまして、スタンドオフ防衛能力の構築に向けた取組について、更に前倒しをして実施をする必要があるというふうに大臣が御判断いたされまして、その旨が事務方に指示をされ、国産スタンドオフミサイルについても、より早期の取得開始に向けて検討を行っているところでございます。
 トマホークにつきましても、米側と取得時期を早めるべく交渉いたしまして、日米防衛相会談においても議論されたところでございます。その結果、二〇二六年度それから二〇二七年度にブロック5を取得する一方、ブロック5の一部をブロック4に変更して、当初予定よりも一年早く、二〇二五年度から取得することにいたしたところでございます。
 ブロック5はブロック4に比べまして、通信方式が新しくなっているものの、弾頭、誘導方式、射程などにつきましては同等の性能を有しているところでございます。ブロック4とブロック5共に、スタンドオフ防衛能力として、我が国を防衛するために十分な機能を有しているというふうに認識しているところでございます。
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鬼木誠#12
○鬼木委員 それだけ、もう前倒ししなきゃいけないというぐらい脅威が迫っているという事実、そして、弾頭の威力も射程距離も遜色ないものだということ、これはまさに木原大臣の英断だったと思います。
 もっと質問したかったんですが、木原大臣、しっかり頑張っていただきますようお願いいたしまして、私からの所信質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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簗和生#13
○簗委員長 次に、中川宏昌君。
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中川宏昌#14
○中川(宏)委員 公明党の中川宏昌でございます。
 当委員会では初めての質問となります。よろしくお願いいたします。
 日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、昨年末には安保関連三文書が閣議決定をされまして、反撃能力の保有が初めて盛り込まれました。
 我が党といたしましても、戦後長い間政策判断として保有してこなかったものを変更するものになるとして、丁寧な議論を進め、憲法九条の理念に基づく専守防衛を逸脱しない範囲で、反撃能力の行使は自衛権行使の一環であるということを明確にしました。日本の専守防衛ということはいささかも変わらないということであります。
 今年三月九日の本委員会における我が党の河西委員の質問の際、当時の防衛大臣から、新たに反撃能力を有したとしても、武力攻撃が発生していない段階で自ら先に攻撃する先制攻撃は許されず、それを行うことはないことは、これは言うまでもないことでありますと答弁をいただいております。
 新たに木原防衛大臣が御就任されたわけでございますが、反撃能力を有しても、我が国は専守防衛を逸脱することはない、先制攻撃は行わない、このことにつきまして改めて確認させていただきたいと思いますが、大臣にお伺いしたいと思います。
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木原稔#15
○木原国務大臣 中川委員から御質問をいただきました。
 改めて、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであり、これは我が国の防衛の基本的な方針であります。
 そして、反撃能力は、我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合に、武力の行使の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンドオフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力と、国家安全保障戦略及び国家防衛戦略にこれは明記しているところであります。
 どちらも、相手から武力攻撃を受けた場合の必要最小限度の自衛の措置という観点でこれは整合しているわけでありまして、このように、反撃能力は、憲法、そして国際法、国内法の範囲内で運用されるものであって、専守防衛の考え方を変更するものではなく、武力行使の三要件を満たして初めて行使されるものであり、また、三月に御党の河西委員が当時の浜田防衛大臣に質問されて、それで答弁があったとおり、武力攻撃が発生していない段階で自ら先に攻撃する先制攻撃は許されず、それを行うことはないとの考えに私も変わりはありません。
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中川宏昌#16
○中川(宏)委員 ありがとうございました。大臣に改めて確認をさせていただきました。
 昨年策定された新たな国家安全保障戦略においても、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の要素の第一に外交力が掲げられておりまして、外交力、すなわち対話が特に大事だと思っております。政府におかれましては、より一層、これからも緊密な外交力としての対話を推進していただきたいと強くお願いを申し上げます。
 そこで、各国との関係の強化でございますが、平和安全法制が制定されてからは、より多くの国との連携協力、この推進が加速されたと思います。現在、我が国では、同盟国や同志国との防衛協力と交流につきまして、FOIPというビジョンの実現に向けて取組を進めているわけですが、改めてその取組につきまして外務、防衛両省から御説明をいただきたいと思います。
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河邉賢裕#17
○河邉政府参考人 お答え申し上げます。
 本年三月、岸田総理がインドにおきまして、自由で開かれたインド太平洋、FOIPのための新しいプランを発表しました。これは、国際社会を分断と対立ではなく協調に導くとの目標に向け、歴史的転換点におけるFOIPの考え方や取組について示したものでございます。
 その中で、FOIP協力の新たな四つの柱を示してございます。すなわち、第一に、平和を守るという最も根源的な課題への対処の在り方として、法の支配を重視すること。第二に、気候変動、食料安全保障、国際保健、サイバーセキュリティー等、幅広い分野をFOIPの中に取り込み、インド太平洋流の現実的かつ実践的な協力を推進すること。第三に、多層的な連結性の強化により、みんなが裨益する形での経済成長を目指すこと。第四に、海だけでなく空も含めた安全の取組を強化することでございます。
 FOIP協力を拡充するに当たりまして、官民が連動する形で各国のニーズに力強く応えていくことも重要でございます。例えば、ODAの効果的、戦略的な活用を推進し、日本の民間企業のノウハウ、技術などを生かした魅力的なメニュー作りを提案し、オファー型協力などを推進していきたいと考えてございます。
 政府といたしましては、このような取組を通じ、また、米国、豪州、インド、ASEAN諸国、太平洋島嶼国、韓国、カナダ、欧州など、多くの国々とも連携を強化しながら、FOIPの実現に向け、更に取り組んでまいる所存でございます。
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加野幸司#18
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
 FOIPについてでございますけれども、国家防衛戦略の方におきましても同志国等との連携の強化を掲げておりまして、力による一方的な現状変更やその試みに対抗して、我が国の安全保障を確保するためには、同盟国のみならず、一か国でも多くの国々と連携を強化することが極めて重要である。そうした観点から、FOIPというビジョンの実現に資する取組を進めていくということにしているところでございます。
 防衛省としてのFOIP実現に資する取組でございますけれども、これまでも、各国との防衛協力、交流といったものに取り組んでおりますほか、ハイレベル会談、実務者協議、多国間の国際会議、共同訓練、演習、能力構築支援、防衛装備・技術協力などの取組を推進してきているところでございます。
 今後とも、地域の特性や相手国の実情といった面を考慮しながら、円滑化協定、物品役務相互提供協定、防衛装備品・技術移転協定等の制度的な枠組みの整備も含めまして、多角的、多層的な防衛協力、交流を積極的に推進していく考えでございます。
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中川宏昌#19
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
 時間もないものですから、最後に一問お伺いをしたいと思います。
 人への投資ということでございます。
 今回、防衛大臣の所信の中の大事な柱の一つとしまして、人への投資とございました。私も昔からおつき合いのある防衛協会の方にお話をお伺いしますと、近年の自衛隊員の募集はなかなか人が集まらず、御苦労が絶えない状況が続いてきているということであります。防衛力を大幅に強化することが決まっている中、募集対象人口が減少する中で多様な人材を確保するためには、採用制度の見直しも必要ではないかと考えるところであります。大臣の所信にあるように、全ての隊員が高い士気と誇りを持って働ける環境を整備することは重要な目標であります。
 そこで、防衛省・自衛隊といたしまして、隊員の募集、採用体制の強化、人材育成、隊員の処遇の向上や生活、勤務環境の改善等に現在も取り組んでおられると思いますが、特に採用制度の見直しにつきまして、この点につきましてお伺いをしたいと思います。
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三貝哲#20
○三貝政府参考人 お答え申し上げます。
 少子化や労働人口の減少によりまして、我が国が深刻な人手不足社会を迎える中、民間を含め、人材獲得競争はより熾烈なものとなっており、防衛省といたしましても、強い危機感を持って対応しなければならないと認識しております。
 その中で、自衛官の採用制度につきましては、防衛力整備計画において、専門的知見を持つ外部の高度人材を取り込むため、柔軟な採用、登用を可能とする新たな自衛官制度を構築することとしておりまして、現在、最大五年の任期で自衛官として採用する制度を検討しております。当該制度を可能な限り早期に実現することで、多様な人材の確保に努めてまいります。
 また、これまで新卒者を中心とした採用を行ってきたところでございますが、民間での経験を積んだ方を来年度からキャリア採用幹部という形で募集、採用することで、転職市場の活用も重視してまいります。
 そのほか、御指摘いただきました各種施策につきまして、あらゆる選択肢を排除せず、人的基盤の強化のため有効な対策を講じてまいります。
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中川宏昌#21
○中川(宏)委員 ありがとうございました。
 人は城との格言もございまして、自衛隊員あっての防衛ですので、現状をしっかり捉えていただきまして、隊員の士気が上がる環境改善に是非とも取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、以上で終わります。
 ありがとうございました。
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簗和生#22
○簗委員長 次に、玄葉光一郎君。
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玄葉光一郎#23
○玄葉委員 両大臣、お疲れさまでございます。特に、上川大臣、連日外国訪問されたり、またG7の外相会合等々で汗をかかれたりということだったと思います。
 まずは、今申し上げたこのガザ地区をめぐる中東情勢でございます。
 今、連日テレビで、イスラエル側が一千四百人くらい亡くなったと、他方で、パレスチナ側が一万人を超える死者が出ている、子供も多いという報道がございます。
 ロシアのウクライナ侵略、これは、いわば白黒がはっきりしている問題だと思います。ロシアが黒です。ですから、ある意味対処の方針は簡単なところがあると思うんですけれども、このガザ地区をめぐる情勢については、二千年来の歴史を持つ問題です。どっちがいいとか、どっちが悪いとか、考えれば考えるほど白黒をはっきりできない、そういう問題という側面が少なくとも私はあると思っているし、そのことを踏まえる必要があるというふうに考えております。
 したがって、焦眉の急は止めるということだということを私も始まったときからずっと発言を求められれば言ってきたんですね。焦眉の急は止めることだということを申し上げたんですけれども、昨日、G7の外相会合で、最大公約数だったんだと思いますが、人道危機対処で、戦闘の人道的休止を支持することで一致したという表明がございました。このことの実効性、これをどう担保していくかということだと思います。
 報道によれば、一部ですけれども、双方とも一時的な戦闘の中断には合意する見通しだというような報道もあるやに聞いていますけれども、今申し上げたことの実効性の担保についてまず伺いたいと思います。
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上川陽子#24
○上川国務大臣 おはようございます。
 イスラエルそしてガザをめぐる今の状況につきましては、刻一刻と変化をしてまいりました。そして、今、玄葉委員からのお話のとおり、その状況については深刻度を増している、こうした認識でございます。
 今般のG7の外相会議におきましても、このことにどう対応するかということにつきましては、G7として一致した行動が取れるかどうか、ぎりぎりのところで議論をし、そして調整をして、その上での成果文書として今回発出したものでございます。
 今、ハマスによるテロの攻撃ということで多くの犠牲が出たということに対して、また同時に、イスラエルの行動に基づく様々な被害がガザ地区に深刻に及んでいるということ、この事実に目を背けてはいけないというふうに思っております。
 そして、何としてもこうした状況を止めること、このことについては、G7の間でも共通の認識をすることができました。それが成果文書として一つにまとまったということにつきましては、これは初めてまとめたものでございまして、大変大きな動きがあったというふうに認識をしております。
 大切なことは、これをいかに実現をしていくか、まさにその行動をしていくということが求められておりまして、委員御指摘のとおり、これからG7の責任を持って、今の方向性に向かって力を合わせて、また、G7のみならず、様々な国々と、そして中東の地域の国、さらには国際社会全体の中でこの実現に向けて様々な形で働きかけを深め、そして、この方向性が実現できるように最大の努力を切れ目なく日本としてもやってまいりたいと考えております。
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玄葉光一郎#25
○玄葉委員 イスラエルに強く影響力を持っているのは、誰が見ても米国です。ただ、米国だけではなくて、日本も含めてあらゆる努力をしなければならない。恐らく、一時的な休止というのは、可能性としては私はあると思っています。ただ、その一時的な休止を、これは抜本的解決にはなりませんので、仮にそれができたら、次のステップの停戦等に向けて前進できるかどうかということまで視野に入れながらこの問題を見ていかなきゃいけないというふうに思います。
 それで、今、私自身が申し上げ、また上川大臣がおっしゃったように、とても結果が大事だということなんですけれども、この局面、結果をどう出すかということと同時に、私は、もう一つ大事なことがあって、どうしても日本は中東の問題でメインのプレーヤーにはなりにくいという側面が、地政学的にもあるような面があります。
 ですから、結果も大事なんだけれども、結果だけではなくて、日本自身がどういう立ち位置で、どういうスタンスで、どういう発言をしていくかということがとても大事だと思うんですね。それは実は、例えば南米だとかアフリカだとかといったグローバルサウス、さらには中東諸国もいわば鋭く見ているというふうに感じた方がいいと思うんですね、この問題は。ですから、そのことをまず上川大臣に是非とも意識してもらいたいと思います。
 着任早々大変だとは思いますけれども、これはすごく私は大事で、日本外交の地平を広げることができるかどうかの大事な局面だというふうに思っています。
 それで、日本の外交として大事なことは、いわばシンプルに、日本の外交の座標軸を、ぶれずに、ダブルスタンダードじゃなくて、言い続けるということが私は大事だと思っているんですね。では、日本の外交の座標軸って何だといったら、私は今回、九月の国連の岸田さんの一般討論演説を読みましたけれども、とても簡単明瞭でいい演説だと思いました。そこにある意味キーワードが明確に出ているなと思っていますけれども。
 これは通告したので、上川大臣は、岸田さんの演説、どういうふうに読まれているか、キーワードは何だと思われているか、お答えいただけますか。
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上川陽子#26
○上川国務大臣 キーワードということで御質問がございましたけれども、あえてキーワードとして一つ挙げれば、人間の尊厳ということが明確にうたわれてきたということでございます。
 これに付随する形でということも相互に連関しているわけでありますが、法の支配、そして人間中心の国際協力、こういった面、さらにはそうした文脈の中で核軍縮、このことにつきましても触れられたところ、これがキーワードというふうに考えております。
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玄葉光一郎#27
○玄葉委員 私も全くそのとおりだと思っていまして、人間の尊厳と法の支配というのがキーワードだし、日本外交の座標軸と言ってもいいんじゃないかと思います。
 現に、上川大臣も、この安保委員会の大臣所信で最初に言っているのが、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化する、これがもう第一だという少なくともニュアンスでこの所信を述べられているわけです。
 ですから、人間の尊厳と法の支配というのを言い続ける。言い続けるという意味は、全ての場所で、全ての人に言い続ける、このことが今すごく問われているのが日本外交だ、私はそう考えているんですね。
 それで、お聞きしたいんですけれども、日本の中東外交というのは、これまで全方位の外交だと言われてきたわけです。最近は、新聞などは、何かバランス外交に腐心しているとか、そういう言い方をしていますけれども、いわば全方位なわけです。石油を九割は中東に依存しているということもあるということもあって、そういうところがあるし、私自身も、二十数年前ですけれども、小渕さんが団長でパレスチナの選挙監視に行ったこともありました。実際に投票所を回って、各地区歩いて、パレスチナの方々に触れ合って、とても親日的だというのを痛感しましたけれども、当時、アラファトさんにも会いました。その後もまた、外交の担当をしているときにもパレスチナへ行ったこともございました。
 そんな中で、中東における日本のこれまでの全方位外交、ジェリコの農業団地を支援したりしてきたりもした。
 そのことを上川大臣としてはどう認識をし、どう評価されておられるのかということをお聞かせいただけますか、通告しましたので。
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上川陽子#28
○上川国務大臣 我が国は、中東におきまして、様々な国々とひとしく、またそれぞれの特色を持った外交を積み重ねてきた歴史がございます。
 このことを私自身、今回、G7の外相会議の前の週でありますが、今、目下の大変重要な地域でありますイスラエルとパレスチナ、この問題に係る当事者でありますイスラエルとパレスチナも訪問をいたしました。さらに、その隣国でありますヨルダンにも行かせていただきました。
 先ほど委員からおっしゃったとおり、大変長い歴史の中で積み重ねられてきた様々な要素というものを、大変短い時間ではございましたが、今集約されている、フォーカスが当たっているこの地域の中で、極めて強く実感もしたところであります。
 同時に、その訪問をすることができたこと自体も、これまで日本の中東外交、様々な形で、いろいろな、多様なレベルで行ってきたこと、このことに対しましてその当該国からも大変高い信頼とそして友好の歴史があったということ、このこと抜きには今のような動きはすることができないということを感じたところでもあります。
 その意味で、今回、中東の各国に対して話をすることができる、アクセスすることができるということは、大変日本にとりまして大事な役割を果たし得るということの裏返しでもあると認識をしているところであります。
 日本独自のこうした立場を最大限活用をさせていただきまして、短期的に言いますと、今回の人道状況のまず改善、このことについてしっかりと取り組むとともに、中長期的には、日本が一貫して支持をしてまいりました二国家解決、この方向に向けまして、イスラエル、パレスチナ双方を含みます関係各国あるいは関係機関、こうしたところとしっかりと働きかけをし、連携をして、この文書にまとめ上げたことの行動を一つずつ丁寧に、また迅速にしてまいりたいというふうに考えております。
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玄葉光一郎#29
○玄葉委員 今のお話だと、これまでの日本の中東における全方位外交を評価をし、それを最大限生かしたい、こういうことだと思います。
 問題は、生かし切れているかという問題だと思っているんですね。つまり、例えば、上川大臣がイスラエル、パレスチナ等を訪問しているときのイスラエル外相との対話と、ちょうど米国の国務長官も行ってネタニヤフさんと会っていたわけですけれども、そう言っていることが変わらないですね。というか、ほとんど変わらない。アメリカの言っていることと日本の言っていること、何がどう違うのかというのは私には判別できないのですけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
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