国土交通委員会

2023-11-15 衆議院 全154発言

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会議録情報#0
令和五年十一月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 長坂 康正君
   理事 あかま二郎君 理事 小林 茂樹君
   理事 佐々木 紀君 理事 武井 俊輔君
   理事 伴野  豊君 理事 谷田川 元君
   理事 三木 圭恵君 理事 國重  徹君
      石橋林太郎君    泉田 裕彦君
      大西 英男君    加藤 竜祥君
      勝目  康君    金子 俊平君
      菅家 一郎君    小林 鷹之君
      小林 史明君    櫻田 義孝君
      鈴木 英敬君    田中 英之君
      高木  啓君    谷  公一君
      土井  亨君    中川 郁子君
      中根 一幸君    中村 裕之君
      西田 昭二君    古川  康君
      武藤 容治君    伊藤 俊輔君
      枝野 幸男君    小熊 慎司君
      城井  崇君    神津たけし君
      下条 みつ君    馬場 雄基君
      屋良 朝博君    赤木 正幸君
      漆間 譲司君    高橋 英明君
      伊藤  渉君    日下 正喜君
      古川 元久君    高橋千鶴子君
      福島 伸享君    たがや 亮君
    …………………………………
   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君
   国土交通副大臣      國場幸之助君
   国土交通副大臣      堂故  茂君
   農林水産大臣政務官    舞立 昇治君
   国土交通大臣政務官    石橋林太郎君
   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 小宮 敦史君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 山崎  翼君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        定光 裕樹君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 寺田 吉道君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房土地政策審議官)       中田 裕人君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長)            長橋 和久君
   政府参考人
   (国土交通省国土政策局長)            黒田 昌義君
   政府参考人
   (国土交通省不動産・建設経済局長)        塩見 英之君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        廣瀬 昌由君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  丹羽 克彦君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  石坂  聡君
   政府参考人
   (国土交通省物流・自動車局長)          鶴田 浩久君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  海谷 厚志君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  平岡 成哲君
   政府参考人
   (国土交通省国土地理院長)            大木 章一君
   政府参考人
   (観光庁次長)      加藤  進君
   政府参考人
   (気象庁長官)      大林 正典君
   政府参考人
   (海上保安庁長官)    石井 昌平君
   国土交通委員会専門員   鈴木 鉄夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十五日
 辞任         補欠選任
  谷川 とむ君     鈴木 英敬君
  古川  康君     勝目  康君
  小宮山泰子君     馬場 雄基君
同日
 辞任         補欠選任
  勝目  康君     古川  康君
  鈴木 英敬君     谷川 とむ君
  馬場 雄基君     伊藤 俊輔君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 俊輔君     小宮山泰子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国土交通行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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長坂康正#1
○長坂委員長 これより会議を開きます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長寺田吉道君、大臣官房土地政策審議官中田裕人君、総合政策局長長橋和久君、国土政策局長黒田昌義君、不動産・建設経済局長塩見英之君、水管理・国土保全局長廣瀬昌由君、道路局長丹羽克彦君、住宅局長石坂聡君、物流・自動車局長鶴田浩久君、海事局長海谷厚志君、航空局長平岡成哲君、国土地理院長大木章一君、観光庁次長加藤進君、気象庁長官大林正典君、海上保安庁長官石井昌平君、財務省大臣官房審議官小宮敦史君、大臣官房審議官山崎翼君及び資源エネルギー庁資源・燃料部長定光裕樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長坂康正#2
○長坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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長坂康正#3
○長坂委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。西田昭二君。
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西
西田昭二#4
○西田委員 おはようございます。自由民主党の西田昭二でございます。
 本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
 私も九月まで、斉藤大臣の下、古川委員とともに政務官を務めさせていただきました。本当にその在任期間中、様々なことを学ばせていただきました。特に、国土交通省の六万人の職員の皆様方には、国民の安心、安全、命や暮らしを守るために本当に献身的に御尽力していただく、その姿を見ることができ、非常に価値のある期間であったと思っております。改めて国土交通省の関係の皆様方に感謝、御礼を申し上げるところでございます。
 今日は限られた時間でありますので、それでは、早速質問に入らせていただきます。
 私は、国会議員の前には、地方議員として活動させていただいたときから、国土交通省に何度も、地元の様々な課題、要請に、要望活動をさせていただいていたわけでございます。また、現在も、地元の海岸、河川、そしてまた道路の整備関係についても要望活動をさせていただいております。本日も、地元の首長や議長、そしてまた経済関係の皆様方と、高速道路の整備促進について、地元の熱意や必要性についてお訴えをさせていただく予定でございます。
 私も政務官のときには、全国各地から本当にたくさんの要望を受けさせていただきました。地域の実情をお伺いをさせていただいたり、本当に地域にとってこの道路は、その河川の改修はなくてはならないものだということも実感をさせていただいたわけでございます。しかし、現在、公共工事を含む多くの現場で大きな課題となっているのが、人材と資材の安定的な確保でございます。
 人材の確保については、労働賃金の適切な支払いや環境整備の中で、多くの課題があることも承知をしております。また、物価が高騰している中で、資材や燃料などの確保、多くの課題を乗り越えながら、引き続き、国土強靱化、防災・減災対策など、国民の安全、安心を確保するには継続的な対策を講じていくことが大変重要でありますので、改めて大臣には見解をお伺いをさせていただきたいと思います。
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斉藤鉄夫#5
○斉藤国務大臣 西田委員には、約四百日間、国土交通省の課題に対して一緒に働かせていただきました。ありがとうございました。中でも、強靱化に対しての御要望は全国から本当にたくさん参りまして、西田政務官と一緒に手分けをして、その要望を聞かせていただいたところでございます。
 国民の安全、安心を将来にわたって確保していくには、社会資本の整備の担い手、地域の守り手である建設業が持続可能でなければならないということを、その御要望を聞きながら、一緒に痛感したところです。
 そのためには、将来の担い手確保が喫緊の課題であり、処遇改善や働き方改革に取り組む必要があります。具体的には、これまで十一年連続で公共工事設計労務単価を引き上げてきたことに加え、今後さらに、賃金原資を確保し、これが技能者に賃金を支払う専門工事業者まで行き渡るよう、制度的対応を検討したいと思っております。また、週休二日工事を拡大し、他の産業より長い労働時間を短縮するなど、魅力ある就労環境づくりを進めてまいります。
 また、近年の資材高騰を踏まえると、高騰分を適切に転嫁することが重要になってまいります。そのため、実勢価格に基づく契約の締結や、契約後の資材高騰に対応した代金変更ルールの明確化などをしっかり行っていきたいと思います。
 これからも、持続可能な、若い人たちが集う建設業の実現に向けて、着実に、一緒に頑張っていきたい、このように思っております。
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西
西田昭二#6
○西田委員 御答弁ありがとうございます。
 国土交通省として力強く、また事業推進のほどをよろしくお願い申し上げます。
 次に、観光関連について質問をさせていただきたいと思います。
 日本のみならず、世界においても、新型コロナはウィズコロナからアフターコロナへと変化をし、社会経済活動も復活し、それに伴い、人々の旅行への動きが活発化しております。それに加えて、日本においては、円安環境、観光地や地域の文化を磨き上げる事業の推進により、日本全国で、国内外を問わず観光客が増加し、観光産業の復活が伝えられておりますが、実際にはコロナ前の水準には戻っていないということも聞いております。また、観光業に携わる方々から、コロナ前の水準に戻すには、現在の人手不足の状態では観光客の受入れに限界があり、人材の確保が非常に大きな課題となっていると伺っているところでございます。
 ホテル等で働く料理人を含む従業員、観光施設で働く人々や案内人などの不足は、今後の観光産業の復活と発展にとって非常に重要な課題であると思っております。
 補正予算にも示されておりますが、地域一体となった稼ぐ力の回復と強化を実現させるためには、このような課題を解決し、更なる発展を遂げるためにどのような策を講じていくのか、政府の見解を伺いたいと思います。
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加藤進#7
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
 観光産業につきましては、例えば、九月の日銀短観における雇用人員判断DIにおきまして、宿泊、飲食業がマイナス七二となるなど、需要回復に伴い、人手不足が深刻化していると認識しております。
 また、コロナ禍により極めて大きな影響を受けた観光地、観光産業の稼ぐ力の回復、強化を実現するためには、観光地、観光産業の面的な再生、さらには高付加価値化、これを強力に推進することが重要と考えております。
 このため、国土交通省といたしましては、外国人材の活用も含めた人材の採用活動の支援、あるいは業務の効率化、省力化に資する設備投資への支援などの総合的な人手不足対策、さらに、観光地、観光産業の再生、高付加価値化事業、あるいは各地域における特別なコンテンツの創出、こうしたことなどに取り組むこととしており、これらの対策に必要となる予算を令和五年度補正予算に計上したところでございます。
 これらの対策により、人手不足の解消、さらには観光地、観光産業の稼ぐ力の回復、強化を図り、収益力を高めることで従業員の待遇改善等を図る好循環を生み出していく、こうしたことなどを通じて、観光産業が持続可能で稼げる産業となっていくことを目指してまいります。
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西
西田昭二#8
○西田委員 観光業は本当に裾野の広いところでありますし、地域と直結する活力ある産業でありますので、これからも力強い御支援のほどをよろしくお願い申し上げます。
 次に、海岸保全について伺いたいと思います。
 全国には、後世に残すべき魅力ある自然を活用した観光資源がたくさんあります。私の地元には、日本で唯一、車で走れる砂浜、千里浜なぎさドライブウェイという、全長八キロメートルの観光名所を備えた砂浜ドライブウェーがあります。
 千里浜海岸は、一粒一粒が、きめ細かな砂が海水を含み硬く引き締まることから、自動車はもちろん、バスやバイク、自転車でも砂浜を走行することができます。潮風を受けながら海岸線をドライブできる砂浜は日本で唯一の場所であることから、一年を通して多くの観光客が県内外問わず立ち寄っていただいております。まさに能登半島の中でも人気の高い観光スポットであり、後世に残すべき貴重な観光資源でございます。
 しかし、近年、砂浜の浸食が激しく、この二十年間は、毎年砂浜が一メートルずつ消失するという危機に直面をしております。石川県や地元自治体では様々な対策を講じてきておりますが、ただ、現在のような地球規模での気候変動などに対応しつつ、自然を活用した観光資源を守るためには、都道府県や地元自治体だけの力では限界があります。千里浜海岸を始め全国各地で起きている海岸の浸食問題に対し、どのように対策を講じていくのか、政府の見解を伺いたいと思います。
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廣瀬昌由#9
○廣瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 近年、陸から海域への土砂供給の減少や沿岸の土砂の流れの変化などにより、全国各地で砂浜の浸食が課題となっており、千里浜においても同様の課題を抱えていると承知しております。さらに、今後、気候変動の影響に伴う海面水位の上昇などによって、更なる砂浜の消失が予測されております。
 砂浜は、波浪を減衰させる防護機能に加え、観光資源としての利用面や、生態系保全などの環境面からも極めて重要な役割を果たしており、その保全、再生は喫緊の課題です。
 砂浜の浸食対策の実施に当たっては、複雑な地形や波浪の影響なども考慮しつつ、養浜や沖合施設の整備など、関係機関と連携した総合的な対応が必要となります。
 このため、国土交通省としては、都道府県等が行う浸食対策事業に対する技術的助言をこれまで以上に積極的に行うとともに、五か年加速化対策を含む必要な予算の確保に努めてまいります。
 引き続き、千里浜のような、地域の資源としても重要な砂浜を守るため、地元市町村からの御要望も十分に踏まえながら、浸食対策に全力で取り組んでまいります。
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西
西田昭二#10
○西田委員 ありがとうございます。
 日本の宝とも言える美しい海岸線をしっかりと守っていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後に、海上保安の関係について質問させていただきます。
 十日の臨時閣議で決定をいたしました本年度補正予算では、私と佐々木理事の地元であります日本海と石川県を始め、海と空の守りを強化させることについて、県民及び日本海で漁業に携わる関係者にとっては非常に心強く、ありがたいことと感じているところでございます。
 水産庁と海上保安庁が警告や取締りを強化し、様々な対策を講じていただいており、地元の漁業関係者やその家族は大変感謝をしております。水産庁と海上保安庁の職員が命懸けで様々な対策を講じていただいたおかげで、本年五月下旬までの間、日本海大和堆周辺海域で退去勧告を行った外国漁船がゼロだったと発表を受け、大きな成果を実感しているところでございます。
 しかし、その後、取締りを強化しているにもかかわらず、違法操業をする外国漁船が現れてきております。水産庁が大和堆で外国漁船に退去警告を出した隻数は、今年九月末時点で五十隻となっていると聞きます。また、同海域では、武装した可能性のある北朝鮮公船と見られる船が航行しているとの情報もございます。漁業者が安心して漁業を続けることができるよう、海上保安庁に引き続き対策を講じていただきたいと考えておりますが、政府の見解を伺いたいと思います。
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石井昌平#11
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 近年の厳しさを増す我が国周辺海域の情勢を踏まえ、昨年十二月に海上保安能力強化に関する方針が決定されており、同方針に基づき、巡視船、航空機の大幅な増強整備や、無操縦者航空機等の新技術の積極的な活用を推進するなど、海上保安能力の一層の強化を図っております。
 本年には、日本海側に新たに大型巡視船を増強配備し、大和堆周辺海域における対応を含め、体制の強化を図ったところでございます。
 また、大和堆周辺海域においては、我が国イカ釣り漁業の漁期前の五月下旬から、日本漁船の安全確保を最優先に、大型巡視船を含む複数の巡視船を配備するとともに、無操縦者航空機も活用し、厳正に対応しております。
 海上保安庁では、水産庁等の関係省庁と緊密に連携しつつ、大和堆周辺海域において漁業者が安心して漁業を行えるよう、引き続き万全を期してまいります。
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西
西田昭二#12
○西田委員 ありがとうございます。
 日本の漁船が日本海大和堆周辺で本当に安全で安心に操業できるように、引き続き海上保安庁の方々には御尽力をお願いしたいということをお願いし、質問を終わりとさせていただきます。
 ありがとうございました。
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長坂康正#13
○長坂委員長 次に、日下正喜君。
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日下正喜#14
○日下委員 公明党の日下正喜でございます。
 当委員会では初めての質問となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。また、時間の関係で少々早口になると思いますが、御容赦いただきたいと思います。
 まず、建設業における重層下請問題を中心に質問いたします。
 建設業は、生活に欠かせない道路や橋、下水管など公共施設の整備を始め、災害対応、復旧復興、住宅の建設、リフォームなど、地域社会に欠かせない重要な存在であります。
 しかし、二〇二二年の総務省の労働力調査によると、建設業の就業者数は四百七十九万人で、ピーク時一九九七年の六百八十五万人から二百六万人、三〇%も減少しており、現場では深刻な労働者不足が進んでいます。
 また、年齢構成比を見ると、五十五歳以上が約三六%と年々拡大傾向にあり、二十九歳以下は約一二%と年々縮小傾向で、今後、激甚化、頻発化する災害に備えたインフラの整備や、ますます増大する老朽インフラの保守等々を考えると大変深刻な事態と言えます。また、技術、技能の継承も大きな課題となっています。
 こうした状況の背景にあるのは、一つは建設業就業者の賃金実態があります。
 公共工事設計労務単価が二〇一五年の一万六千六百七十八円から、二三年、今年ですが、二万二千二百二十七円に三三%上昇する一方、全建総連の調査では、現場の賃金は二〇一五年の一万四千二百二十七円からほぼ横ばいで、昨年でも一万四千八百八十円にとどまっています。この最大の原因は重層下請構造にあるとされています。
 これまで建設業では、工事数が年間を通じて安定してこなかったことから、繁忙期のみ人材を増やそうとする外注による人材確保がその背景となり、受注した元請業者が必要に応じて下請業者を使うということが進められてきました。専門性の高い事業者に協力を求めるという観点では、ある程度合理的な側面もありますが、下請が幾重にも重なる形態では、賃金や価格は下位業者に行くほど減額され、低賃金と劣悪な労働環境が蔓延します。マージンだけを抜いて下請業者に丸投げする業者の話も聞きますが、放置できない問題でございます。
 また、労働者を雇用する事業所の中には、社会保険料等の事業主負担を避けるために、そこで働く職人を、必要に応じて労力を提供してもらうだけの協力業者にして、費用負担を逃れようとする動きもございます。
 事公共事業については、国民の税金、血税が原資でありますから、無駄があってはなりませんし、技能労働者に、その技能や労働に応じた適切な労務費を行き渡らせていかなければなりません。現場の大幅な賃上げが必要です。でなければ、建設業に未来はないと思います。
 こうした状況を踏まえ、この九月、中央建設業審議会において、「担い手確保の取組を加速し、持続可能な建設業を目指して」とする中間とりまとめが報告されていますが、それを踏まえ、斉藤大臣に質問します。
 一つには、受発注者の間で取り交わされている請負契約については、コスト・プラス・フィー方式の導入等を含め、その透明性をどのように担保していくのか。
 二つには、適切な労務費を確保するための標準労務費の勧告や指導など、その対策の強化。
 三つには、物づくりや建設が好きという若者は大勢いると思います。ICT技術も活用しつつ、働き方改革を進めて、そうした若者が飛び込んでこられる、魅力ある就労環境に結びつけていただきたい。
 まず、この三点について答弁を求めます。
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斉藤鉄夫#15
○斉藤国務大臣 今般の中間とりまとめでは、持続可能な建設業を目指し、担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上などの一体的推進について御提言をいただきました。これを受け、必要な制度的対応の検討を進めてまいります。
 具体的には、まず、資材費の高騰が賃金原資の削減につながらないよう、オープンブック、コスト・プラス・フィー方式の推進のほか、請負代金の変更協議をしやすくするためのルールづくりを進めてまいります。
 次に、賃金原資を確保し、これが技能者に賃金を支払う専門工事業者まで行き渡るようにするため、国が適正な労務費の目安をあらかじめ示した上で、個々の工事において、これに沿った積算見積りや下請契約が行われるよう、これを強く促す新たな仕組みを検討してまいります。
 また、適正な工期での契約を徹底するとともに、ICTの活用により、効率的で生産性の高い現場を実現し、働き方改革を進めることで、魅力ある就労環境の実現につなげてまいりたいと思います。
 こういう施策で、持続可能な、若い人たちが集う建設業の実現に向けて、これらの担い手確保策を着実に推進してまいりたいと思います。
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日下正喜#16
○日下委員 ありがとうございます。是非、実効性のある取組をお願いしたいと思います。
 次に、先ほど、事業者がそこで働く職人を協力業者にして社会保険料の事業主負担を避けるという事例を述べましたが、国土強靱化実施中期計画の策定が法定化されたことにより、強靱化の取組が、より計画性を持って持続的、安定的に進められるようになったと思います。
 安定的な工事数を確保するとともに、従業員の社員化を進め、同時に、建設キャリアアップ制度の整備を加速し、資格や能力のある社員がそれに見合った報酬を得るという仕組みを整えることが必要だと思います。重層下請の問題解消にもつながります。
 そういう取組を進める企業、事業者に対して、政府として補助金や税制など何らかの形でインセンティブを与え、支援できないものかと考えますが、堂故副大臣の御所見を伺います。
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堂故茂#17
○堂故副大臣 技能者を雇用することは、社会保険などの福利厚生を確保する上でも、また、研修やOJTを通じて継続的に技術力を高めていく上でも意義が大きく、将来の担い手確保対策として重要だと考えます。
 このため、技能者の新規雇用を促進する助成金について、厚生労働省と連携して業界に周知し、活用を促進してまいります。
 その上で、社員が望まないにもかかわらず一人親方化することなどを抑制し、行き過ぎた重層下請構造を改善することも重要な課題であります。
 このため、業務の繁閑の山と谷自体がより小さくなるよう、施工時期の平準化に取り組んでまいります。また、下請次数の削減に向けまして、元請業者に下請取引の適正化を要請するとともに、雇用すべき働き方の考え方について、分かりやすく業界団体へ周知を行ってまいります。
 建設業が、引き続き国民生活や社会経済を支える役割が果たせるよう、就労環境の改善に総合的に取り組んでまいります。
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日下正喜#18
○日下委員 ありがとうございます。
 社員化の話を申し上げましたけれども、今の高齢化する技能労働者をけがや病気から守る建設国保への支援強化についても、よろしくお願いしたいというふうに思います。後押しをお願いしたいと思います。
 次に、八月の台風七号で被害を受けた鳥取県を視察した際にも、関係自治体の首長から、事前防災の重要性とともに、災害時に派遣されるTEC―FORCEに対して、高い評価と期待の声がございました。
 今、各自治体の技術系職員の減少が深刻化する中、TEC―FORCEの存在は大きく、各地方整備局にそうした人員を増員してもらいたいというお声もいただいています。災害時に加え、平時の老朽施設の点検、保守などについても、小さな市町村では対応が困難になっています。地方整備局による人的な支援体制の強化を更に進めていただきたいと思いますが、国交省の御見解を伺います。
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寺田吉道#19
○寺田政府参考人 今ほど委員から御指摘がありましたとおりでございますけれども、地方整備局あるいは北海道開発局では、災害発生時、速やかにTEC―FORCEを派遣して、自治体への支援に努めているところでございます。特に近年、自然災害が激甚化、頻発しておりますので、地方整備局等の役割、地域からの期待、これは今後ますます大きくなってくるものと考えております。
 また、昨今では、様々なインフラの老朽化が進む中、自治体がこれに対応することも大きな課題となっております。この点でも、地方整備局等による支援への期待が高まっていると承知をしております。
 こうした状況を踏まえますと、地方整備局等において必要な人員体制を確保することは極めて重要だというふうに考えております。国土交通省では、毎年度の定員要求におきまして、重点的かつ継続的に取り組んでおります。その結果、地方整備局等の定員は、令和二年度から毎年度、純増となっております。
 地方整備局や北海道開発局は、防災・減災、国土強靱化、老朽化対策等の最前線を担っております。必要な人員体制を確保すべく、今後とも最大限努力してまいります。
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日下正喜#20
○日下委員 ありがとうございます。
 最後に、国土強靱化と社会インフラの老朽化対策について質問します。
 高度経済成長期に建設された社会インフラ施設は、五十年を経過するものが急激に増えており、防災・減災の観点からも、老朽化対策は喫緊の課題です。
 こうした施設の維持管理、更新コストを考えた場合、二〇一八年の国交省の試算では、今後三十年間で、予防保全を施せば百九十兆円、事後保全の場合は二百八十兆円、一・五倍の開きがあるということでございまして、予防保全は、その三分の二に抑えられるということになります。
 老朽化対策は、長期にわたり計画的に進めていかなければならない、国民の命と暮らしを守る大切な事業です。この度の国土強靱化実施中期計画の法定化によって、老朽化対策、予防保全がどのように進められていくのか、中長期の予見可能性を高める観点からも、斉藤大臣にお答えいただきたいと思います。
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斉藤鉄夫#21
○斉藤国務大臣 委員御指摘のように、事後保全型から予防保全型へ変えていかなきゃいけない、こういう強い認識でございます。
 このため、国土交通省では、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえ、地方自治体への財政的支援や新技術の導入促進などにより、事後保全型から予防保全型への本格転換を図っているところでございます。
 また、社会資本整備、維持管理の担い手、地域の守り手として、建設業の将来の担い手確保、育成を図ることも重要な課題です。
 予防保全型のインフラメンテナンスによりまして、計画的に維持管理、更新を進めることで、担い手としての建設業界にとっても、中長期的な予見可能性が高まるものと考えております。若い人を採用して、その人を時間をかけて育成していく、そのためにも予防保全型という形でなければならない、このように思っております。
 五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に切れ目なく、インフラ老朽化対策を含めた取組を進められるよう、施策の実施状況の調査など、国土強靱化実施中期計画の策定に向けて検討を進めてまいります。
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日下正喜#22
○日下委員 大変丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 私の持ち時間はもう終わりますので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
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長坂康正#23
○長坂委員長 次に、谷田川元君。
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谷田川元#24
○谷田川委員 おはようございます。立憲民主党衆議院議員、谷田川元でございます。
 今日は、私の地元、成田空港の騒音に関して質問したいと思います。
 斉藤大臣、去年の二月の、初めての大臣に対する質問で成田空港に対して質問したところ、大臣からは、私も千葉ニュータウンに住んでおったので成田空港に対する思い入れはあります、そうおっしゃっていただいたので、是非今日は前向きな答弁を期待して、以下、質問に入りたいと思います。
 それで、去年も申し上げたんですけれども、やはり、成田空港が機能強化される一方で、周辺地域は発展するんですが、一方で犠牲を払う人がいるんですよ。やはりそれは騒音直下の住民の皆さんなんですね。
 それで、去年、平行滑走路があって、二本の滑走路があって、その間、谷間に住んでいる人たちが、特に東和泉地区の皆さんが移転対象にならない、何とか移転対象にしてほしい、そういう質問をしましたところ、大臣からは、地域の皆様の声をよくお聞きしながらしっかりと対応したい、そういう、ある意味では前向きな答弁に私は聞こえたんですが、その後の何か進展がありましたでしょうか。
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斉藤鉄夫#25
○斉藤国務大臣 昨年、たしか三月だったかと思いますけれども、谷田川委員から御質問を受けました。そのように答弁させていただきました。
 昨年三月の国土交通委員会において答弁申し上げましたように、A滑走路とB滑走路の飛行経路のはざまにある東和泉地区につきましては、いわゆる騒防法と言われている法律に基づく移転補償の対象ではありません。
 しかしながら、これまでも、県や地元自治体と御相談の上、いわゆる成田方式として、住宅防音工事や内窓設置工事などへの助成を独自に行うなど、きめ細やかな対策を実施してきているところでございます。
 昨年三月の国土交通委員会でも、「いわゆる成田方式として、地域の皆様の声をよくお聞きしながらしっかりと対応していきたい、」との答弁を行いましたが、今、谷田川さんが言った、その前に、「いわゆる成田方式として、地域の皆様の声をよくお聞きしながら」という言葉も入っておりますとの答弁を行いましたが、国土交通省では、その後も様々な機会において、地元自治体や関係団体を始めとする地域の皆様の声をよくお聞きしているところであり、引き続き、地域の声をよく聞き、真摯に受け止めながら、空港の発展と地域の生活環境の保全との両立に取り組んでまいりたいと思っております。
 今、私、法律を騒防法と言いましたが、騒特法でございます。法律の名前は非常に長いので、ちょっと省略します。
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谷田川元#26
○谷田川委員 大臣は本当にいろいろな人の顔を立てることを非常に重要視される方なので、非常にそういう答弁をしていただくのはありがたいんだけれども、ただ、残念ながら、ほとんど前には進んでいないと、私は認識を現在持っています。
 今、成田方式という言葉をお使いになりましたけれども、でも、それは防音工事ぐらいまでなんですよ。移転については、踏み込んでいないんですよ、成田方式は。だからもう、成田空港は、大体、今、離発着回数が年間二十五万回ぐらいですよ。ところが、それが五十万回になるんですよね、計画では。そうすると、なおさら騒音下の皆さんは非常につらい思いをされるんですよ。
 ですから、先のことを考えると、この谷間地区の皆さんの騒音問題、法律がこうだからじゃなくて、必要であれば、法律を変えるとか新しい法律を作る、そういう必要性が私はあると思うんですよ。今日は答弁を求めませんが、そのことも是非大臣のリーダーシップでやっていただきたいと思います。
 それで、次に、今日のメインテーマなんですが、旧下総町高倉地区の移転問題について質問したいと思います。
 お手元に私の配付した資料があると思うんですが、パネルで見ますと、まずちょっと、このパネルを説明する前に、成田空港の歴史について一つ触れないと、この経緯が分からないと思うんです。
 昭和五十三年に開港したときは、四千メートル滑走路一本だったんですよね。それでは不便だ、何とか平行滑走路を造ろうと、B滑走路、当初二千五百メートルの計画だった。ところが、土地買収が難航して、にっちもさっちもいかなくなって、途中で円卓会議というのが行われまして、地域の話合いを重視して、空港は地域と共生するんだという円卓会議が行われまして、その結果、幾ら土地買収が難航しても強制収用は行わないことが決まったんです。その結果、二千五百メートルの平行滑走路は整備するけれども、地権者の皆さんと十分話合いをして、話合いがつかない場合には幾らでも待つ、そういう方針だったんですよね。
 ところが、二〇〇二年のワールドカップ、皆さん、日韓ワールドカップを覚えていらっしゃいますね。そのときは、成田空港、一本の滑走路じゃとても航空需要を賄い切れない、だから二〇〇二年のワールドカップまでには何とか二本目の滑走路を造らなきゃならないということで、当初は、この辺に二本目の滑走路、B滑走路があるんですが、その南側。こっちが北側です、こっちが南ね。南側の方の地権者がなかなかうんと言うことを聞いてくれなかった。その結果、暫定で、二千百八十メートルで二本目の滑走路は完成したんですよ。
 そして、二千百八十メートルだとジャンボ機が飛べないから、何とか二千五百メートルに延伸しようということで、この黄色のところ、皆さん手元の資料を見ていただいて、ここが、二千五百メートル延伸時の、騒音が結構うるさいので、この黄色い部分の人は移転してもいいですよ、移転を補償しますよというふうになっているんですね。
 それで、法律では、住宅がここにある人が、この黄色い区域内に関連する土地、農地等を持っていれば一緒に買い入れますよというふうになっているんです。いいですね。ですから、二千五百メートルの延伸時にこの黄色いところに住んでいる皆さんは、自宅があれば、もちろん、その移転は国が補償してもらえる。しかし、この黄色いところから一歩出たところに、この赤いところ、ピンクのところに農地があったときは、二千五百メートル移転時はこの農地を買ってもらえなかったんですよ。買ってもらえない。もう既に二千五百メートルで移転した人は、わざわざ騒音下のところに行って農業を続けているわけですよ。
 ところが、平成二十九年と記憶していますけれども、機能強化、いわゆる二千五百メートルの滑走路を三千五百メートルにする、そういう決定がなされたんです。あと、三本目の滑走路も造ると。その結果、再度三千五百メートルの移転補償区域が広がったわけですよ。
 ところが、この高倉地区の皆さん、当時、空港会社の関係者から、もうこれ以上の北側への延伸はありません、そういう説明を受けて、このとき土地を売っているんですね。ところが、残念ながら、南側の地権者の方々に同意を得られず、やむなく三千五百メートルの延伸にしたという経緯があると思うんですが、航空局長、私の説明、間違っていませんね、今までのところ。
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平岡成哲#27
○平岡政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、B滑走路につきましては、大型機の発着を可能とする等の理由から、二千五百メートルへの延伸を行い、二〇〇九年十月に供用を開始したところでございます。
 その後、東京オリンピック・パラリンピックの開催、さらには、その後のインバウンドの受入れ拡大に的確に対応する等の観点から、首都圏空港全体の機能強化が必要となり、御指摘のとおり、B滑走路につきましては三千五百メートルへの延伸が必要ということで結論を得、四者協議会において合意に至ったということでございます。
 委員御指摘の、二〇〇九年のB滑走路の二千五百メートルへの延伸の際の、成田国際空港株式会社と高倉地区の住民との個別具体的なやり取りは承知しておりませんけれども、二〇〇九年当時には三千五百メートルへの北側延伸の計画はなかったというふうに承知しております。
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谷田川元#28
○谷田川委員 ちょっと今の答弁、おかしいよ。そんな、具体的な地権者と空港会社のやり取りを承知していないということは、それは無責任だ、今の言い方は。しっかり、空港会社にどうだったか、聴取してください、調べてくださいよ。どうですか、航空局長。
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平岡成哲#29
○平岡政府参考人 お答えをいたします。
 B滑走路の三千五百メートルへの北側延伸は、二〇一三年十一月から開催した交通政策審議会首都圏空港機能強化技術検討小委員会において国としての検討を開始したものであり、二〇一八年三月に四者協議会において合意したものです。それよりも前に北側への延伸の計画はありませんでした。
 NAAに確認をいたしましたところ、社としては当該説明を行った認識はないとの回答でありました。
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