外務委員会

2024-05-15 衆議院 全174発言

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会議録情報#0
令和六年五月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 勝俣 孝明君
   理事 城内  実君 理事 鈴木 貴子君
   理事 中川 郁子君 理事 藤井比早之君
   理事 源馬謙太郎君 理事 鈴木 庸介君
   理事 青柳 仁士君 理事 竹内  譲君
      上杉謙太郎君    小田原 潔君
      黄川田仁志君    高村 正大君
      島尻安伊子君    杉田 水脈君
      高木  啓君    武井 俊輔君
      西銘恒三郎君    深澤 陽一君
      藤丸  敏君    松島みどり君
      宮路 拓馬君    山口  晋君
      小熊 慎司君    佐藤 公治君
      松原  仁君    鈴木  敦君
      徳永 久志君    和田有一朗君
      金城 泰邦君    穀田 恵二君
      吉良 州司君    塩谷  立君
    …………………………………
   外務大臣         上川 陽子君
   総務副大臣        馬場 成志君
   法務副大臣        門山 宏哲君
   外務副大臣        辻  清人君
   外務副大臣        柘植 芳文君
   文部科学副大臣      あべ 俊子君
   防衛副大臣        鬼木  誠君
   総務大臣政務官      西田 昭二君
   外務大臣政務官      高村 正大君
   外務大臣政務官      深澤 陽一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  門松  貴君
   政府参考人
   (内閣府総合海洋政策推進事務局次長)       筒井 智紀君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局参事官)            岡田  大君
   政府参考人
   (総務省大臣官房総括審議官)           海老原 諭君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     木村 公彦君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        君塚  宏君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   志水 史雄君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 竹谷  厚君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 中村 和彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房政策立案参事官)         金子万里子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 藤本健太郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 林   誠君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 宮本 新吾君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 高橋美佐子君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   北川 克郎君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    有馬  裕君
   政府参考人
   (外務省中南米局長)   野口  泰君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    中込 正志君
   政府参考人
   (外務省領事局長)    岩本 桂一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           淵上  孝君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 弓削 州司君
   外務委員会専門員     大野雄一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十五日
 辞任         補欠選任
  高村 正大君     杉田 水脈君
  平沢 勝栄君     松島みどり君
  穂坂  泰君     山口  晋君
同日
 辞任         補欠選任
  杉田 水脈君     高木  啓君
  松島みどり君     藤丸  敏君
  山口  晋君     穂坂  泰君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  啓君     高村 正大君
  藤丸  敏君     平沢 勝栄君
    ―――――――――――――
五月十四日
 日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
 航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
 社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)
 刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
 航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
 社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)
 刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第八号)
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
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勝俣孝明#1
○勝俣委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房長志水史雄君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝俣孝明#2
○勝俣委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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勝俣孝明#3
○勝俣委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小田原潔君。
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小田原潔#4
○小田原委員 おはようございます。自由民主党の小田原潔であります。
 御指名をいただいて本日質問させていただくのですけれども、本日この場で質問させていただくことに格別の感慨がございます。それは理由があります。私がこの仕事をしたいと思ったきっかけが、五十二年前の今日、一九七二年五月十五日の出来事だったからであります。私が八歳のとき、沖縄が日本に返ってきました。大変感激いたしました。
 個人的なことで恐縮ですけれども、私の父親は自衛官でありました。当時、自衛隊に対する風当たりは必ずしも今ほど、例えば、国民の支持が九二%とか、そういう時代ではありませんでした。それでも、自衛官の子供というのは、私に限らず、平時であっても、いざというときは親が命を失うかもしれないという覚悟を持って育つものであります。名誉ある殉職であれば残された家族は胸を張って生きていけると思いますが、できれば、ばかな思いつきとか無謀な作戦で犬死にしてほしくないという切実な子供心がありました。ということもあって、沖縄の返還は、一発の銃弾も発射せず、一滴の血液も流さず、戦争に負けて取られてしまった領土が返ってくるなんて、外交と政治の力はすごいと思いました。
 私は庶民の家でありましたし、十三年前に初当選させていただくまでにそれから四十年かかりましたけれども、それも天命でありましょう。本日は、ちょっと僭越ですけれども、我が国の独立と平和を託す外交を担う皆さんの在り方、生き方、そういったところまで質問できればというふうに思います。
 私は、プロフィールとか略歴とか、そこはいいことしか書かないんですけれども、尊敬する人物のところには必ず陸奥宗光公を挙げています。
 ついこの間まで、日経新聞の朝刊の小説に陸奥公の青春時代のお話がありました。かみそり陸奥と言われてはいるものの、女郎屋通いをしたり、政府転覆のたくらみがばれて山形に投獄されたり、紆余曲折がありましたけれども、不平等条約を解決し、私たち日本人に夢と希望を与えてくれた立て役者であろうと思います。
 また、陸奥宗光公に見出された小村寿太郎大臣も、退官直前であったところ、その才能を買われたということであろうと思います。
 現在は、卓越した個人の力やチームの力だけではなくて、一か国同士の外交にとどまらず、近年ではクアッドとかFOIPとか、同盟国とまでは申しませんけれども、ライク・マインデッド・ステーツというんですかね、価値と目的、国益を共有する国々で枠組みをつくっていく、そういう力、さらには、国際連盟ができてからは、地球上の秩序を守ったり、もっとよくしたり、人類共通の課題を力を合わせて解決していく、そういう力も求められていると認識いたします。
 さて、私が七年前、外務大臣政務官を拝命した直後、我が党の中でも、国際機関に働く日本人の幹部の数が少ないんじゃないかという議論がありました。それについて少し取り組んだこともありました。この話題は、恐らく七十年近く、起きては収まり、起きては収まりという課題だと思います。
 ただ、少ないんじゃないかと言う方も、そして、それを構築する方も、無責任ではないかと思うことがちょっとあります。国際機関に働く日本人幹部の数が少ないというのは何に対して少ないと言うのか。例えば、拠出している金額の割合に対して幹部の数が少ないのか。それとも、扱っている課題、例えばGDPの金額とか順位に比べて日本人が少ないと言っているのか。さらには、例えばCO2の排出量が多い順になっていないとか、いろいろな尺度があると思います。また、人材の出どころも、どういうふうにすれば、日本人で国際機関に勤め、そして人生をそれにささげたいという人を培うことができるのか。そういった裾野の広い努力も必要だと思います。
 まず、伺います。聞き方が漠として恐縮ですけれども、現在、主な国際機関において日本人の幹部というのはどれぐらいいるのでしょうか。
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藤本健太郎#5
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
 国際機関における日本人職員の総数は、現在、九百六十一名でございまして、このうち幹部は九十一名となってございます。
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小田原潔#6
○小田原委員 千人弱の方々が勤務されていて、そのうちの一割ぐらいが幹部だということであります。
 大臣にお伺いします。私は、何に対して多い少ないという観点は非常に難しいと同時に、それをはっきりすることによって多いと考えるのか少ないと考えるのかが重要だと思います。大臣の御所見をいただきたいと思います。
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上川陽子#7
○上川国務大臣 国際機関におきまして活躍する様々な皆様の御努力に対し、平和な国際秩序あるいは安定した国際秩序を高めるために極めて重要な役割を果たしていると思っております。今、職員は中立的な存在ではありますが、外務省出身者を含めまして日本人の幹部職員が活躍することは、国際機関との連携強化につながるものと考えております。
 国際機関における日本人職員幹部の総数は、二〇〇〇年の六十一名に対しまして、現在、九十一名となっており、着実に増加していると思っております。
 こうした職員でありますが、日本の顔ともなっておりまして、緒方貞子元国連難民高等弁務官のように、日本人幹部職員の活躍は日本のイメージ向上やプレゼンスの強化にもつながっていると考えております。
 また、SDGsの実施、国際社会におきましてのルール形成を主導するに当たりまして、国際機関において日本人がトップを含む幹部ポストを獲得することは極めて重要でありまして、そうした点からも政府として幹部職員の増加を重視しております。
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小田原潔#8
○小田原委員 ありがとうございます。増加傾向にあるということは、恐らく好ましいことなのであろうと思います。
 実は、批判するつもりで言うわけではないですけれども、この質問のレク、やり取りをしている際に、幹部職員というのは外務省から行っている人の数でしょうか、それとも日本人全体でしょうかというお問合せがありました。私は、そこに我が国の戦略性をもう少し突き詰めるべきだと考えているポイントがあるんです。と申しますのは、国際機関の幹部職員が外務省から来ている人というのが大事なのであれば、増やすべきであろうと思います。
 また、実は昨日、国連の事務次長さんが来られていました。彼女は元々プロパーでありますし、個人的に話したときも、国際機関は完全に日本じゃないから精神的に非常にやりやすいのよみたいなことを言ったことがありました。外務省が精神的にやりにくいと言っているんじゃないですけれども、外務省からなぜ国際機関に出向するのか。それは、その間中、赴任の期間で我が国の国益を反映させたり目的に貢献するということだと思いますが、後で官房長にも伺いたいと思いますが、外務省の職員の方は、国際機関に出向して、ビルマの竪琴みたいにそっちが面白くなって退職して、そこでずっと偉くなろうという人は多分余りいないんじゃないかと思います。国際機関に行ってそこで経験を積んで、箔をつけてと言うとちょっと下品ですけれども、外務省に戻って外務省で国益のために働きたい、だから我が国は国際機関に外務省の職員を幹部として送っているのではないかと思うんです。そうでなければそのとおり言っていただきたいと思いますが。
 さらには、先ほど大臣がトップの話をされました。国際機関のトップの選ばれ方は様々であります。現在の国連の事務総長は元々学者さんでありますし、その前も学者さんでありましたし、例えば、WHOの事務局長は某国の外務大臣だったし、その前は某国の首相だったし、我が国の精神科医の方がお務めだったこともありました。
 選挙で選ばれるトップと、その機関を支えるというか、実際にかじ取りのお世話をする幹部の役割、そして、その幹部の構成を完全に自然体に任せてプロパーの日本人が集まるように祈るというのもなかなか難しいでしょう。かといって、外務省から出向された人が本当にその国際機関全体でいつまでも当てにされているのか、どうせ帰ってしまう人だと思われてはいないのか。そういったことも含めて、今後、国際機関を通して我が国の国益やそれぞれの国際機関が果たすべき役割にどのように貢献していくのか、人材育成や派遣の戦略について所見がございましたら教えてください。
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上川陽子#9
○上川国務大臣 日本人の国際機関における役割については先ほど申し上げたところでありますが、何といっても国際機関の職員は中立的な立場であります。日本としても、世界が直面する喫緊の外交課題に率先して取り組む上でも、外務省職員を含みます日本人職員が国際機関で活躍するという人的貢献を進めることが必要と考えております。
 国際機関側の人事に係る状況はありますが、今後とも、外交官としてのキャリア形成や、日本の国際機関におけるプレゼンス強化という観点からも、外務省職員の国際機関への派遣に係る取組につきましては進めてまいりたいと考えております。
 その上で、政府として、日本人幹部数の更なる増加を目指し、内閣官房と外務省が共同議長として関係省庁連絡会議を開催するなど、中長期的な視野に立ちまして政府全体として戦略的に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、政府全体として国際機関の幹部ポスト獲得に向けまして一層戦略的に取り組んでまいりたいと考えております。
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小田原潔#10
○小田原委員 ありがとうございます。
 中立性を重んじるのは、建前と言うと失礼ですけれども、十分理解いたしますが、例えば、ユネスコの世界遺産をめぐるやり取りで、時々、委員の中に特定の地域や国やバックグラウンドを持つ方々が我が国に対して何らかの意思があるような行動や論文を出す事例も散見されています。私たちがその中立性に貢献できるような戦略的な人材育成と派遣を期待してやみません。
 この国際社会の状況に関連してでありますが、昨年十月七日の事件から、ガザ地区の状況は我々も特に人道的な観点から胸を痛めるばかりでありますが、また昨日も新しい報道がありました。現状の認識を教えてください。
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高橋美佐子#11
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 戦闘が長期化する中、現地の危機的な人道状況が更に深刻さを増していることを深く憂慮しており、特にラファハにおけるイスラエルの軍事行動の動きを深く懸念しております。
 さきのG7外相会合でも一致したとおり、ラファハへの全面的な軍事作戦には反対であり、我が国として、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また、人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しております。
 また、ガザ地区では、これまでも援助関係者を含む多くの民間人が攻撃を受け犠牲になっており、国連職員や援助関係者を含む民間人に犠牲、被害が発生していることを深く憂慮しております。
 これ以上一般市民や援助関係者の死傷者が出ないよう、引き続き全ての関係者が国際人道法を含む国際法に従って行動することが重要であると認識しており、引き続きイスラエルへの働きかけを始めとした外交努力を粘り強く積極的に行ってまいります。
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小田原潔#12
○小田原委員 ありがとうございます。
 人道的な観点から深く憂慮するのは我々も全く同じでありますが、私たちも日々いろいろな専門家から勉強させていただいております。受ける印象は、双方とも全く引く気がないということであります。
 ちょっと言いにくいですし、いろいろなことを主観をもって話すわけではないのですが、私たちは、我が国に地上の国境がありません。大まかに見た目がよく似た人たちででき上がった国で、ほぼ日本語しか交わさない国であります。また、宗教や何かの価値観で殺し合いになるような大きな対立もありません。こういった国は、世界で百九十何か国あるうちの多分物すごく少ない貴重な国であろうと思います。
 ただ、同時に、ほかの圧倒的多数の国は多民族、多国家、多宗教で、しかも、多くの国が一時植民地になり、強制的に引かれた国境で地域性や文化は全く関係ない国ができ上がってしまったが、百年、二百年たっている間にそこで新しい秩序や権益が生まれ、今更元に戻せない、こういった苦悩を抱えながらの国が圧倒的だということであります。
 例えば、近年では、アウン・サン・スー・チー政権を支えたタン・ミン・ウーさんが書かれたビルマ、危機の本質、ザ・ヒドゥン・ヒストリー・オブ・バーマとか、アミタフ・アチャリアというインド系のアメリカン大学の教授が書いたアメリカ国際秩序の崩壊、ジ・エンド・オブ・アメリカン・ワールド・オーダーとか、今のインドの現職の外務大臣が書かれたインド外交の流儀、ジ・インディア・ウェイ、二冊目がホワイ・バーラト・マターズ。バーラトというのは、今年になってモディ首相が国際会議にインディアと書かないでバーラトという国のプレートを書くようにしました。それぞれ書評で大変絶賛されていて、こういうのを参考にいたしますと、民族も違う、言葉も違う、宗教も違う、でも国である一国をまとめるのがどれだけ大変かという苦労が伝わってくるものであります。
 昨年十一月七日、勝俣委員長を中心に、外務委員長と衆議院の理事を表敬するという名目で、在京のアラブ外交団が二十一か国来られました。表敬というのは名ばかりと後から思ったわけですが、団長はパレスチナの大使で、見るに堪えない悲惨な写真を回付しながら、どれだけ人道的にひどいか、また、我が国が全くイスラエルを非難しないというのは世界が我が国を見る目が変わるぞ、今までは民主的で良心的な国だと思ったのにがっかりだというようなことを言われたことがありました。
 人としては大変胸の痛むことでありましたが、十日後、案の定、今度はイスラエル大使が来られまして、百八十度真逆の主張をされました。それで、ここにもいらっしゃるので言いづらいんですけれども、理事のお一人が、分かったけれども、国連決議があるだろう、真摯に考えてもらえませんかというふうに発言されました。それは全く僕も同感でありましたが、イスラエル大使は、もしその決議をのんで停戦したら、人質はどこか知らないところに連れ去られて、取り返すのに何年かかるか分からない、皆さんは青いバッジをしているけれども、そのバッジをつけたら拉致被害者は帰ってきたのかと、かなり辛辣なことを言われ、場の雰囲気は凍りつきました。
 しかし、同時に、大使が言わんとしたことは、人質を取り返すというのは、武力であろうが何であろうが徹底的に懲らしめて降参させて、何でも言うことを聞くから勘弁してくださいと言わせない限りは人質は返ってこないんだという強い決意も感じました。それがいいとも悪いとも言いませんが、国を守るとか国民を守るということの感覚が私たちと全く違う人たちが世界にはたくさんいる、むしろ、そういう人たちの方が多いということであろうと考えた次第であります。
 そこで、お聞きします。
 人道的には立場は揺るがないわけですが、我が国のこの事案に対する対処というのは、国としてはどうしても国益を重視するわけですが、どういった国益を重視して今対処しているのか。日・イスラエル関係なのか、日・パレスチナ関係なのか、若しくは日米関係なのか、はたまた日・アラブ社会の関係なのか。どれも軽視していないという前提ではありますが、どういったバランスで今の対処が選ばれているのか、教えてください。
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上川陽子#13
○上川国務大臣 まさに委員がおっしゃったように、国際関係でありますが、それぞれの国の中も大変複雑な状況にありますし、国際関係も相互に複雑に絡み合う今日であります。
 私は、中東問題は遠く離れた場所での出来事ではなく、日本にも影響を与える問題であると考えているところであります。中東地域はエネルギー資源の宝庫かつシーレーンの要衝でありまして、日本は原油輸入の約九割を中東に依存しているところであります。同地域の平和と安定はエネルギー安全保障の観点からも極めて重要であると認識しております。
 地域の安定のためにも、まずは現下のガザ情勢への対応が最優先事項でありまして、私といたしましても、日本がこれまで築いてきたイスラエルや、パレスチナを含むアラブ諸国との良好な関係を踏まえまして、人質の解放と停戦が実現することができるよう、米国を始めとする関係国とも緊密に連携しながら、安保理やG7の一員として環境整備に取り組んでいるところでございます。
 また、危機的な人道状況の改善と事態の早期鎮静化に向けまして、最近では、イランのアブドラヒアン外相とイスラエルのカッツ外相に対しましてそれぞれ電話会談で直接働きかけるなど、積極的かつ粘り強い外交努力を行ってまいりました。
 その上で、地域の平和と安定のためには、イスラエルとパレスチナが平和に共存する二国家解決の実現が不可欠であります。今後も、中東各国との良好な関係を生かし、米国を含む関係国とも連携しつつ、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けまして我が国独自の積極的な外交努力を粘り強く展開してまいりたいと考えております。
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小田原潔#14
○小田原委員 ありがとうございます。
 それでは、外交官の人材、それから一か国同士の外交についてお聞きしたいと思います。
 私自身は、少年時代、外交官になりたいなと思った頃がありました。これまた個人的なことですが、しかしながら、大学に入るのに大変苦労しまして、中学生の頃から全ての青春を犠牲にして必死に受験勉強にいそしみ、何とかぎりぎりでひっかかりましたけれども、疲れ果ててしまって、もう二度と人生で試験のために勉強するのは勘弁してもらいたいというふうになって十八歳を迎えました。同級生で外交官になった立派な人もいますが、とてもじゃないけれども、大学四年生のときにもう一回、無味乾燥と言うと失礼ですけれども、受験勉強する気力は湧かず、こういった人生を歩んでしまいました。
 今般、大学の同級生が外務次官になりました。これまた大変感慨深いものがございます。国連の演説は彼が書いてくれました。熱意を感じる原稿に胸を打たれながら国連総会で演説をさせていただきました。
 外交官若しくは外交の仕事は、その担当の国と仲よくならなければ仕事にならないし、その文化を熟知していると仕事がしやすいと思います。しかしながら、最後の最後、選ぶべきは国益であろうと思います。
 例えば、日露戦争の広瀬武夫中佐は、駐在武官としてロシアに行き、アリアズナとプラトニックな恋仲でありながら、部下の手前、手を出さなかったという手紙を書いていたことからすると、それも事実なのでしょう。戦死し、しかも情報をロシアから持ち出してロシアを負かした張本人のうちの一人であるにもかかわらず、その遺体は、アリアズナの兄たち、お父さんもお兄さんたちも海軍の軍人だったということでありますが、に引き揚げられ、陸上で手厚く葬られたということであります。
 私が申し上げたいのは、最後の最後、せっかく仲よくなった外国の親友を裏切ってでも国益を守るという行為は、決してその国の人たちから恨まれ、蔑まれるということではなく、その生き方によっては敬意を表されることがあろうということであります。
 だからこそ、最後にブイの話も聞きたいわけですけれども、ブイを取り払ったら中国の人が怒るじゃないか、中国で働きづらくなるじゃないかという判断はしてほしくないわけであります。
 広瀬武夫はロシア語がぺらぺらだったという伝説は余り残っていません。むしろ、講道館柔道の達人で、柔道を教えたりとか強かったとか、生き方が立派であったからたたえられたということであろうと思います。
 今も現職の職員で、例えば、今のメキシコ大使はまさにミスター・メキシコみたいな人であります。また、ついこの間までペルーの大使をされたKさんは、「遙かなる隣国ペルー」という本を書かれて、ペルーだけじゃなくて南米全体に極めて詳しくて、その造詣には頭が下がる思いがします。しかし、どうせだったら、そこになじむということに加えて、我が国の文化や産物で魅了してほしい、日本のファンを現地でつくってほしいという思いがあります。
 私が副大臣のときに、和食マニアなものですから、来られる外国の要人は九割が日本食を御所望になります。それがおいしいとかヘルシーとか、我が国では高いとか、そういう理由で選ばれたとしても、前菜の練り物をこれは何だろうなと思いながら飲み込んでしまうのはもったいないので、私は、外務省の職員の方にも役立つと思って、今日は不謹慎だから配付資料にはしませんでしたけれども、ゲストと共に和食を二倍楽しむレジュメというのをA4判一枚にまとめました。
 日本食が十日ごとに変わる旬を、初めに初物の走り、一番おいしくて値段も手頃な盛り、そろそろなくなる名残をそれぞれの料理人が提案し、十日ごとの同じものをいただいている一期一会の料理だということが伝わるものなんだということが大まかに書いてあります。欲しい方には後で幾らでも差し上げたいと思いますし、私もぱくっているので、どうか十年前から知っているふりをしてしゃべっていただきたいと思います。
 そうやって大勢の外交官が、その外交官と食べるといつもの和食が倍おいしい、そういう経験をしてくれると、恐らくその人は日本が嫌いにはなりません。芸風は柔道であろうが和食であろうがいろいろなやり方があると思いますが、そういった外交官を育てていただきたいと思います。
 中国の話をする前に、一問だけ。
 さはさりながら、心配なのは、円安が進み、国際会議に出張するときに、ホテルの格にこだわるつもりは余りありませんけれども、遠いとか治安が悪いとか、そういうところに泊まらざるを得ない、そういったことを何とか立法府で守ってさしあげたいと思っております。苦労した御経験がもしあれば、官房長、おっしゃってください。
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勝俣孝明#15
○勝俣委員長 志水大臣官房長、時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
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志水史雄#16
○志水政府参考人 お答え申し上げます。
 外国出張の際の宿泊料につきましては、円安などの影響で所定の定額では足りず、委員の御指摘があったように、職員が自己負担を余儀なくされたり、やむを得ず利便性の低い宿舎、例えば、まさに委員が御指摘のような、会議場から遠い宿舎などを利用せざるを得ない事例もございました。
 また、個別に、財務省との協議により、一定の条件下で定額を超えた宿泊料について支給されることにもなってございますけれども、その協議に時間がかかる場合もございました。現在では、旅費法の規定に基づく財務大臣との協議がより簡素化され、必要な実費額を支給することとしております。
 さらに、先月には旅費法の改正が成立したところでございまして、旅費制度全体の見直しの中で、宿泊料につきましても、上限つきの実費支給とする方向で検討が進められていると承知しているところでございます。
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小田原潔#17
○小田原委員 国益のため、全力で支えてまいりたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
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勝俣孝明#18
○勝俣委員長 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官中村和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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勝俣孝明#19
○勝俣委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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勝俣孝明#20
○勝俣委員長 次に、松原仁君。
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松原仁#21
○松原委員 冒頭、グラハム上院議員がNBCの放送で原爆投下を正当なものとする発言をしたということを大臣は承知しておりますでしょうか、お伺いいたします。
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上川陽子#22
○上川国務大臣 承知しております。
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松原仁#23
○松原委員 グラハムさんのこの発言に対して、林官房長官が大変残念であるという事実上抗議の意思を表明したことについては、私はこれを評価したいと思っております。
 また、私もこの外務委員会で累次にわたって上川さんにお話をしているわけでありますが、上川大臣も昨日の記者会見で、このグラハム発言に対して大変残念である、こういうふうにおっしゃったということを評価したいと思っております。
 今日は外務委員会の場ですから、改めてそのグラハム発言について大臣の御所見をお伺いしたい。
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上川陽子#24
○上川国務大臣 まず、現地時間の八日の上院歳出委員会の小委員会におけるやり取りを受けまして、日本といたしまして、米国政府及びグラハム上院議員事務所に対しまして、広島及び長崎に対する原爆投下に関する日本側の考えにつきまして申入れを行ったところであります。グラハム上院議員の再度の発言ということでございまして、これが繰り返されたことにつきましては大変残念に思っているところでございます。
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松原仁#25
○松原委員 今大臣は二つのことをおっしゃいましたが、一つは、アメリカの政府に対して申し入れた。このグラハム氏の上院公聴会における議論というのは国の機関の中における議論であって、議事録に残る議論で、それをゆゆしき大事であるということを私は申し上げました。
 したがって、オースティン、若しくはブラウン、アメリカの政府関係者二人に対しては、このことは個別に申入れはしていないけれども、政府に対する申入れでできた、このように考えているかどうか、御所見をお伺いします。
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有馬裕#26
○有馬政府参考人 お答え申し上げます。
 大臣より御答弁申し上げましたとおり、先般の上院歳出委員会小委員会におけるやり取りを受けまして、米国政府及びグラハム上院議員事務所に対し、広島及び長崎に対する原爆投下に関する日本側の考えについて申入れを行ったところでございます。
 繰り返しで恐縮でございますが、それ以上の詳細につきましては、外交上のやり取りでございますので、控えさせていただければと思います。
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松原仁#27
○松原委員 それは全く納得できないです。外交上のやり取りといいながら、日本人の琴線に最も触れる部分の議論であります。
 大臣にお伺いいたしますが、このことに関して、それは越権行為でありますからなかなかできないわけでありますが、しかし、あえて日本の怒りを、日本の立場を貫徹するために、アメリカ側に対して議事録からそういった議論を削除するように、こういうことをおっしゃる決意はありますか。大臣、答えてください。
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上川陽子#28
○上川国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございますが、現地時間八日のまさに上院歳出委員会の小委員会におけるやり取りを受けまして、米国政府及びグラハム上院議員の事務所に対しまして、広島及び長崎に対する原爆投下に関する日本側の考えについて申入れを行ったところであります。
 日本は唯一の戦争被爆国であります。核兵器によります広島、長崎の惨禍は決して繰り返してはならないとの信念の下、核兵器のない世界の実現に向けまして、米国とも協力しながら、現実的かつ実践的な取組を積み重ねるとともに、グラハム上院議員側と意思疎通を重ねることも含めまして、被爆の実相の正確な理解を促進するため、不断の努力を行ってまいりたいと考えております。
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松原仁#29
○松原委員 私は、日本の立場を主張し、申し入れるには甚だ弱いと思わざるを得ないわけであります。
 冒頭、私は、上川外務大臣、林官房長官はよくぞ言ってくれた、私が問題意識として思っていることを、外務委員会でも度々発言したことに対してきちっと日本のスポークスマンとして官房長官がおっしゃったということを評価した上で、しかし、我々の基本的な立場は十分に伝わっているというふうにお考えであるとすれば、もっと強く、今言ったような議事録削除ができるかどうか分からないけれども、それぐらいのことを言っていかないと、私は、またこのような発言が蒸し返されるのではないかと大変に心配しております。
 こういう発言が繰り返されると、日米という基本的な同盟関係にある意味において大きな問題が発生する可能性があるのであって、我々は、先ほどの自民党の議員の質問もありますが、主張するべきことを主張したことによって、むしろ、日本は国益を尊重する国家である、こういうふうな判断をアメリカ側もするのではないかと思っております。
 もちろん、申入れをしているということは承知しておりますが、一度目のグラハム発言の後にもう一回NBCで言った、この経緯が分からないのであります。
 申入れをしたけれどもグラハム氏はNBCでもう一回発言した、こういう理解でよろしいかどうか、大臣の御所見をお伺いします。
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