総務委員会

2024-03-14 衆議院 全79発言

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会議録情報#0
令和六年三月十四日(木曜日)
    午後二時五十分開議
 出席委員
   委員長 古屋 範子君
   理事 国光あやの君 理事 斎藤 洋明君
   理事 田所 嘉徳君 理事 田中 良生君
   理事 湯原 俊二君 理事 吉川  元君
   理事 阿部  司君 理事 中司  宏君
   理事 中川 康洋君
      井原  巧君    石田 真敏君
      泉田 裕彦君    上田 英俊君
      尾身 朝子君    金子 恭之君
      川崎ひでと君    坂井  学君
      島尻安伊子君    田畑 裕明君
      寺田  稔君    中川 貴元君
      仁木 博文君    西田 昭二君
      西野 太亮君    根本 幸典君
      葉梨 康弘君    古川 直季君
      保岡 宏武君   おおつき紅葉君
      岡本あき子君    奥野総一郎君
      福田 昭夫君    藤岡 隆雄君
      道下 大樹君    中嶋 秀樹君
      吉田とも代君    平林  晃君
      宮本 岳志君    西岡 秀子君
      吉川  赳君
    …………………………………
   総務大臣         松本 剛明君
   総務副大臣        渡辺 孝一君
   総務大臣政務官      西田 昭二君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            小笠原陽一君
   参考人
   (日本放送協会経営委員会委員長)         古賀 信行君
   参考人
   (日本放送協会会長)   稲葉 延雄君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 小池 英夫君
   参考人
   (日本放送協会専務理事) 山名 啓雄君
   参考人
   (日本放送協会理事)   根本 拓也君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十四日
 辞任         補欠選任
  長谷川淳二君     上田 英俊君
  本田 太郎君     泉田 裕彦君
同日
 辞任         補欠選任
  泉田 裕彦君     仁木 博文君
  上田 英俊君     長谷川淳二君
同日
 辞任         補欠選任
  仁木 博文君     本田 太郎君
同日
 理事阿部司君同日理事辞任につき、その補欠として中司宏君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
三月十三日
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
     ――――◇―――――
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古屋範子#1
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 理事の辞任についてお諮りいたします。
 理事阿部司さんから、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#2
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#3
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に中司宏さんを指名いたします。
     ――――◇―――――
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古屋範子#4
○古屋委員長 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、審査に入ります。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件審査中、参考人として日本放送協会の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#5
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、政府参考人として総務省情報流通行政局長小笠原陽一さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古屋範子#6
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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古屋範子#7
○古屋委員長 まず、趣旨の説明を聴取いたします。松本総務大臣。
    ―――――――――――――
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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松本剛明#8
○松本国務大臣 日本放送協会の令和六年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付すとともに、中期経営計画を添えて国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 事業収支につきましては、事業収入が六千二十一億円、事業支出が六千五百九十一億円となっており、事業収支における不足五百七十億円につきましては還元目的積立金をもって充てることとしております。
 事業計画につきましては、多様で質の高いコンテンツの確保、受信料の公平負担の徹底、ガバナンスの強化等に取り組むこととなっております。
 総務大臣としては、放送番組の質の維持と事業経費の合理化、効率化、受信料の公平負担の徹底、令和六年能登半島地震を受けた将来の災害への備え、放送に加えインターネットを通じた国民・視聴者への提供の検討、放送番組の流通を支える放送の二元体制を基本とする放送全体の発展への貢献として放送コンテンツのプラットフォームの在り方の検討等を行うことを求めております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
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古屋範子#9
○古屋委員長 次に、補足説明を聴取いたします。日本放送協会会長稲葉延雄さん。
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稲葉延雄#10
○稲葉参考人 ただいま議題となっております日本放送協会の令和六年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 NHK経営計画、二〇二四―二〇二六年度の初年度となる令和六年度は、自然災害の激甚化やフェイクニュースの蔓延、激動する世界情勢などメディアを取り巻く環境が変化する中、健全な民主主義の発達に資するため、情報空間の参照点を提供すること、そして信頼できる多元性確保へ貢献することを基軸として、経営計画に基づいた事業運営を着実に実施してまいります。
 事業運営に当たりましては、適切な資源管理とデジタル技術の活用などによりコンテンツの質と量を確保し、コンテンツ価値の最大化を図ります。命と暮らしを守る報道の深化に取り組むとともに、多様で質の高いコンテンツで公共的価値を創造いたします。また、国際発信を再強化し日本の視座を発信するとともに、全国ネットワークを生かして地域の姿を多元的に伝えます。あわせて、ユニバーサル放送・サービスの提供の充実にも取り組みます。
 インターネット活用業務は、実施基準に示した費用の範囲の中で国内及び国際向けコンテンツを効果的に提供いたします。
 受信料の公平負担の徹底を図るため、時代に即した新しい営業アプローチを推進し、受信料収入を確保するとともに、副次収入、財務収入の増加など、財源の多様化を図ります。
 NHKグループ全体でガバナンスの強化を図り、アカウンタブルな経営を徹底するなど、視聴者・国民から信頼されるNHKの組織運営に努めます。
 次に、建設計画におきましては、緊急報道設備や番組制作設備の整備を進めるとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送・サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。また、令和六年度に情報棟の建物竣工を控える東京・渋谷の放送センターの建替えを着実に推進してまいります。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千二十一億円、国内放送費などの支出六千五百九十一億円を計上してございます。事業収支における不足五百七十億円につきましては、還元目的積立金の一部をもって充てることとしております。
 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額千二百八十三億円を計上し、支出には建設費など千二百八十三億円を計上してございます。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて資金の需要及び調達を見込んだものでございます。
 以上、令和六年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。役職員一丸となって、事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共メディアとして視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。
 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
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古屋範子#11
○古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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古屋範子#12
○古屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井原巧さん。
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井原巧#13
○井原委員 自由民主党の井原でございます。
 今、松本大臣、稲葉NHK会長から説明がありましたように、NHKの経営計画、いわゆる令和六年度から令和八年度までの中期経営計画に基づいてただいま令和六年度の収支予算が示されたということであります。
 その中で、インフレ等により国民生活も大変厳しい中でありますが、昨年十月に値下げした受信料の額は維持しつつ、事業収支の赤字五百七十億円が見込まれながらも還元目的積立金を活用して視聴者に還元するとしておりまして、その点は私も高く評価したいと思います。
 他方で、もちろん視聴者の負担の軽減は大変重要でありますけれども、NHKは何より我が国唯一の公共放送であり、公共の福祉のため、あまねく日本全国津々浦々に豊かでよい放送番組を届ける社会的使命があり、この社会的使命を後退させることなく前進させることが重要である、こう思います。
 本日は、こうした基本認識の下に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、先ほど申し上げましたとおり、受信料が約一割値下げされ、中期経営計画、三年間でありますけれども、この間は赤字予算を編成し、改革を進めながら令和九年度に収支均衡を目指すとの方針が示されております。今年度は、年度途中での受信料値下げだったこともあり、二百八十億円の赤字予算ということでありました。そして、今示された令和六年度予算は通年で低減するということもあって、五百七十億円の赤字の予算が提示されているということです。
 つまり、何も変化がなければ来年度も再来年度もその規模の赤字が出る、こう想定されるわけでありまして、NHKはこれからの三年間で事業支出を大幅に削減し、令和九年度に収支の均衡を図るということでありますけれども、この額というのは、予算規模が六千億に対して六百億円の削減をするということでありますから、事業支出の削減にはかなりチャレンジングな取組が必要というふうに考えております。
 先ほど申し上げた公共放送の使命を損なうことなく、具体的にどういった部分に力点を置いて取り組んでいくのか、会長にお聞かせ願います。
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稲葉延雄#14
○稲葉参考人 委員御指摘のとおり、二〇二七年度までの事業支出削減は、過去に経験のない事業支出の削減でございまして、非常にチャレンジングな目標であるというふうに思っております。
 放送波の削減あるいは設備投資の見直しによる大幅な縮減を行うほか、既存業務の大胆な見直しを行いまして、番組経費や営業経費などに切り込み、既存のデジタルコンテンツの見直しなど、構造改革を断行いたしまして経費削減を実行する必要があるというふうに考えております。
 一方で、業務の効率化それから生産性向上につながる先行投資はしっかり行い、必要な構造改革を着実に進めることが重要だと思っております。各年度の改革の成果を取り込みながら、着実にステップを踏んで事業支出を削減していくという考えでございます。
 重要なことは、コンテンツ戦略六つの柱を基準とした選択と集中を進めることで、コンテンツの総量縮減を図りつつ、適切な資源管理とテクノロジーの力でより質の高いコンテンツを充実させて視聴者の期待に応えていくということではないかと考えてございます。
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井原巧#15
○井原委員 ありがとうございました。
 そこで、少し気になる点についてお聞きしたいというふうに思います。
 よく、健全なる精神は健全なる肉体に宿るという言葉があります。人間でも処方を誤った無理なダイエットはかえって体も壊しますし、精神力、活力も落としてしまう、これは組織にも言えることだろうというふうに思うわけであります。
 NHKが公共放送としてよい番組を作るには、支出削減を図る観点からも、先ほどお話がありましたように、DXとかハード面での改革を進めることはもちろん重要である、こういうふうには考えるわけですが、NHKという組織を構成する人材、つまり人を大切にすることをおろそかにしてはならないし、組織としての活力が低下してはならない、こういうふうにも思うわけです。
 その意味で、今は、働き方改革の推進とか賃上げの実現などを図り、人材を確保していくことがまさに重要なときだ、こういうふうに考えるわけでもあります。また、番組制作には、外部制作事業者、いわゆる下請企業との連携も重要でありまして、物価高などを反映した適切な価格転嫁も必要だろう、こう思います。ある意味削減とは相対する課題と考えるわけでありますけれども、人材の処遇改善や外部制作事業者を含めた番組制作環境の整備についてどのような方針の下で取り組んでいくのか、お聞かせください。
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稲葉延雄#16
○稲葉参考人 委員御指摘のとおり、NHKが質の高いコンテンツを制作するためには、やはり職員一人一人が公共放送の使命に誇りを持って、それぞれの専門性を高め、いわばプロフェッショナルとして能力を発揮する、そういうことができるような環境を整えることが必要だというふうに考えてございます。そのため、長時間労働に頼らない組織風土をつくるとか、業務改革により効率的な働きを追求する、あるいは健康確保と業務改善によるクリエーティビティーを発揮できる、そういう職場環境を整え、そのようなことを通じて視聴者の皆様の期待に応える、そういう組織づくりを進めてございます。
 外部制作事業者につきましては、公共放送を支える大切なパートナーでございまして、健全な取引を徹底し、多様で優れた番組の制作に努めるとともに、コンテンツ産業全体の育成、発展に貢献するということも目指してございます。具体的には、外部制作事業者などを対象に番組提案を募集し、創造性を生かした企画を採択し、制作機会の拡大に取り組んでございます。さらに、来年度からの次期中期経営計画でも、情報空間全体の多元性確保への貢献を目的に、メディア産業全体への投資や、外部との協調、連携の取組などを検討してございます。
 物価や人件費の上昇による影響につきましては、外部制作事業者との協議を丁寧に行うよう周知を行っておりまして、安心してNHKと取引いただけるよう、引き続き取り組んでいきたいと考えてございます。
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井原巧#17
○井原委員 ありがとうございます。
 時間が迫ってきておりますので、最後は一つ飛ばして質問します。
 合理化の中で地方の切捨てはあってはならない、そんな思いを、私なんかは愛媛の地方でありますから感じております。行き過ぎた合理化にならないようにしっかり取り組んでいただきたいというふうに思っておりますが、それに関連することで、放送体制の地方における維持ということであれば、中継局のインフラの維持も課題になっております。この中継局の維持はNHKと民放に共通した課題になります。昨年の放送法の改正によりまして、より効率化へ向けて、NHKと民放が共同で中継局を利用できる制度ができたところでございます。
 そこで、総務省にお伺いします。この中継局の共同利用について、その期待や検討状況、今後の見直しについてお聞かせいただきたいと思います。
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渡辺孝一#18
○渡辺副大臣 井原委員の質問にお答え申し上げます。
 井原委員のおっしゃるとおり、今現在、地上基幹放送事業者はそれぞれが、あまねく番組を届けるために基地局を設置して、かなりの経費がかかっております。そのことが、非常に運営にも厳しい状況になっているということで、さきの通常国会で、先ほど委員からもお声がありましたように、さきの通常国会におきます改正放送法によりまして、経営の選択肢として中継局の共同利用が可能となりました。これによりまして、NHK、民放を含めた複数の放送事業者が連携してインフラのいわゆる整備、維持に取り組むことで、固定費用が削減され、中継局の柔軟な構築、運用がなされることを期待しております。
 昨年十二月には、中継局の共同利用を推進するため、我々総務省も交えてNHKと民放が協議を開始しております。まずは共同利用会社の設置に向け、検討を進めているところでございます。
 今後は、各地域におきまして地域協議会を立ち上げ、地域の実情に合わせた議論を展開するなど、中継局の共同利用に向けた検討を加速させてまいります。
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井原巧#19
○井原委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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古屋範子#20
○古屋委員長 次に、中川貴元さん。
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中川貴元#21
○中川(貴)委員 自由民主党の中川貴元でございます。
 今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 先ほどは、松本大臣より提案理由説明がございました。また、稲葉会長からは令和六年度予算案の趣旨説明がございました。
 私からは、まず稲葉会長に、来年度の予算案に込めた思いをまずはお尋ねしていきたいと思っています。
 稲葉会長は、一年前の就任会見の際に、受信料の引下げに関連して、収支の均衡が表面的に実現したとしても、それによってコンテンツの質や量が落ち込むことがあっては本末転倒だ、デジタル技術を活用して質、量共に豊富に提供していく、こういう決意を述べられたところでございます。一年たちました。この思いはどのように変化していらっしゃるのか、まずこの点についてお尋ねをします。
 あわせて、来年度の予算につきましては、今も議論がありましたが、受信料の引下げによって大変厳しい収支見通しとなっているわけでございます。こういう中で、受信料の引下げのみならず、我が国の人口減少に伴い、世帯数も当然ながら減っていくわけであります。こういう中で、これまでどおりの番組編成等々のやり方ではなかなか収入が増えていくということは難しいのではないか、こんなふうに考えるわけでございます。
 そういう中で、三年間の中期経営計画でどのような見通しを立てていらっしゃるのか、国民の皆様にどういう情報あるいは番組を提供していこうと思っていらっしゃるのか、それらを含めて来年度の予算に対してどのような留意をしながら予算編成をされたのか、併せてお答えをいただきたいと思います。
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稲葉延雄#22
○稲葉参考人 お答え申し上げます。
 就任から一年余りがたつ中で、これまでやはり少々大変だなと思ったこと、あるいは最も心に残っているものは次期中期経営計画の策定作業でございました。計画の策定に当たっては、役員間で繰り返し検討を重ねまして、率直で濃密な議論が行われたと思っておりますが、その努力の結果として、全体としてはよい形で取りまとめることができたのではないかと私自身は満足してございます。
 特に、受信料一割値下げによる一千億円規模の事業支出の削減を行う中で、今回の中期経営計画と新年度予算案は、全体として規模が縮小していくというものではなくて、様々な形で新しい公共的価値を創造する、そういう工夫を織り込んだ非常に意欲的なものだと受け止めていただければと考えております。
 次期中期経営計画と新年度予算案、事業計画案では、放送法に求められている民主主義の健全な発達に資するため、ひいては、日本はもとより世界を含めて、人々が平和で豊かに暮らせる社会の実現にNHKとして貢献していきたい、そういう気持ちを込めて次の三か年で取り組むことを盛り込んだわけでございます。
 具体的には、経営計画で掲げているコンテンツ戦略六つの柱を基軸に、より確かで深い情報を知りたいとか、もっと日常が豊かになる番組が見たいという視聴者・国民の高い期待に正面から応えていくということ、NHKの全国ネットワークを生かし地域の情報をしっかりと提供していくということ、さらには日本の視座を海外にも発信するという観点から戦略的な国際展開を図っていくということなどを織り込んでございます。
 いずれも簡単なことではないのでございますけれども、だからこそ役職員全員が日々たゆまぬ研さんを積んで、その創造性や生産性を一層発揮、向上させていくことによって経営計画あるいは予算、事業計画を着実に実行してまいるということが大事なことではないかと思ってございます。
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中川貴元#23
○中川(貴)委員 稲葉会長、御答弁ありがとうございます。率直な御答弁をいただいたかと思っております。
 今、答弁の中で、地域の情報を生かしていくんだ、こういう趣旨の御答弁もいただいたかと思います。中期経営計画の中でも、災害対応あるいは地域取材を基軸にそれぞれの地域に合った形態でサービスを展開していく、こう掲げられているところでもございます。それは、つまり、地域を大切にしていくんだ、こういうことの表れでもあろうかと思っています。
 例えば、今、石川県では大変な地震被害があるわけでございます。そういう中で、例えば東京や、あるいは違う遠くからでも自分のふるさとに思いをはせる、そういったところの情報を絶えずリアルタイムで見ていきたい、そういう思いがあるのは当たり前のことだというふうに思います。そして、これは災害に限りませんけれども、地方にいても、どこにいても、自分の地域、それぞれの地域の情報を知る、それはいわゆるユニバーサルサービスの提供ということにもなろうかと思います。
 NHKさんはそうした社会的な使命も果たす、そういう役割があろうかと思いますが、この点についての見解、併せて、現状、地方のニュースにはどれぐらいの時間を割いておられるのか、来年度あるいは今後、それらの地域に割く時間はどのように変えていこうと思っていらっしゃるのか、この点についても言及いただければと思います。
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山名啓雄#24
○山名参考人 お答えいたします。
 地域の情報をお住まいの地域に向けて詳しく発信していくこと、そして全国に発信していくことが地域放送・サービスの両輪でございまして、全国にネットワークを持つNHKの重要な役割だと認識しております。
 新年度、二〇二四年度の総合テレビの一日当たりの地域向け放送時間は、ニュースや気象情報などで二時間程度を見込んでおります。そして、地域情報の全国発信につきましても、二四年度は列島ニュースの放送時間をこれまでの一時間から二時間に拡大するなど、更なる強化を行うことにしております。さらに、NHKプラスでは十八時台の地域向けニュース番組の見逃し配信を拡大しておりまして、二〇二三年の六月からは全国各地の四十八の全番組の配信を行っているなど、インターネットによる地域情報の発信にも力を入れております。
 今後も、放送とインターネットのそれぞれの特性を生かしながらサービスの充実を図ってまいりたいと考えております。
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中川貴元#25
○中川(貴)委員 ありがとうございました。
 本当は国際展開についても質問をさせていただく予定でございましたが、あっという間に十分たってしまいましたのでこれで質問を終わりたいと思いますが、一言だけ。どうぞNHKさんには国民の皆さんの期待に応えていただく、そういう取組をお願いさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
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古屋範子#26
○古屋委員長 次に、平林晃さん。
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平林晃#27
○平林委員 公明党の平林晃と申します。
 令和六年度NHK予算について質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほどから御説明がありましたけれども、今回の予算では、昨年十月から受信料の値下げがありまして、収入が四百十八億円減の六千二十一億円となる、一方で事業支出は大変な構造改革をしていただけるということで見直しをして、百二十八億円減の六千五百九十一億円。その結果、収支が五百七十億円不足しているということですけれども、これは繰越金を還元目的積立金に組み入れて、そこから充当されるということであり、受信料の値下げを維持しつつ不足分を還元目的積立金から充当する、この点、私も評価をさせていただいております。
 その上で、基本的な事柄について質問させていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 この度の能登半島地震においてお亡くなりになられた皆様に心からお悔やみを申し上げまして、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 この度の地震では、災害時における公共放送の重要性、私も改めて認識をさせられました。
 第一に、正確な情報を途切れることなく伝えることの難しさであります。能登半島地震においては、停電が発生して、非常用電源を用いて放送を継続していたところがバッテリー燃料が枯渇してしまって、翌二日から放送を停止する、こういったこともお聞きをしましたし、また、ケーブル断線等によって避難所でテレビが見られない状況になったとも伺っております。こうした事態に対応するために、避難所に衛星アンテナを設置したり、作業要員を現地に派遣したりされるなど、現場の御苦労は察して余りあったと考えております。こうした災害への事前の対策は本当に重要であります。
 また、情報の正確さを担保することも必要であります。能登半島地震においても、地震そのものや津波に関する誤情報、あるいは不安をあおる偽情報が拡散いたしました。これらの情報の打ち消しや注意喚起は、今回も御対応いただきましたけれども、今後もますます重要になると考えております。
 こうした認識はNHKにおいても共有をされておりまして、今回の経営計画冒頭の二つの基軸の第一、情報空間の参照点の提供でありまして、その中身は、信頼できる基本的な情報を提供することとなっています。
 そこで、まず第一の質問をさせていただきます。この第一の基軸を災害時においてこそ実現していくためには、設備の災害に対する頑健化が重要であり、また、偽・誤情報への対応も重要です。これらの対策がこの度の予算にどのように盛り込まれているのでしょうか。会長の御意見を伺います。
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稲葉延雄#28
○稲葉参考人 災害時の正確な情報発信というのは、御指摘のとおり、NHKの重要な責務だと考えてございます。設備の災害に対する頑健性、これについては常に念頭に置いて取り組んできてございます。
 お尋ねの二〇二四年度の予算案について申し上げますと、東京・渋谷の放送センターでは、今、耐震性の高い建物の中に報道機能を集約した情報棟を建築している最中でございます。自家発電設備の整備あるいは燃料備蓄といった停電対策を徹底し、首都直下地震に対応した整備を進めてございます。必要となる予算は、情報棟の建物設備に三百八億円、それから放送設備整備に四百六十八億円を計上してございます。
 一方、お尋ねの情報空間における偽情報、誤情報への対応でございます。インターネット上の投稿などを二十四時間体制で確認しておりまして、誤情報や偽情報の拡散を確認した際には、取材部門で確認、検証を行って、注意喚起を含めて正確な情報を発信してございます。こうした取組の費用は報道取材費の中に盛り込んでございます。
 こういう形で、今後も、公共放送として、視聴者・国民にとってよりどころとなる、正確で信頼できる社会の基本的な情報を提供してまいりたいと考えております。
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平林晃#29
○平林委員 ありがとうございます。
 これと並びまして、第二の基軸には、信頼できる多元性確保への貢献として、民主主義の基盤である多角的な視点を確保するために、伝統メディアが競い合い、それぞれの信頼性を高めることに寄与とあります。これは、第一基軸とも相まって、放送法第一条第三号の健全な民主主義の発展に資するようにするためには大変重要であります。
 だからこそ、その意味を改めて確認させていただければと思います。とりわけ、多元性ということが何を意味するのか、また多角的な視点をNHKはどのように提供していこうと考えているのか、これらの点を踏まえまして、第二基軸の意義と実現方法について、NHKの御見解を伺います。
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