農林水産委員会

2024-06-05 衆議院 全276発言

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会議録情報#0
令和六年六月五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 野中  厚君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 古川  康君 理事 山口  壯君
   理事 近藤 和也君 理事 野間  健君
   理事 池畑浩太朗君 理事 角田 秀穂君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      井出 庸生君    上田 英俊君
      江藤  拓君    加藤 竜祥君
      神田 憲次君    小寺 裕雄君
      杉田 水脈君    高鳥 修一君
      橘 慶一郎君    西野 太亮君
      藤丸  敏君    細田 健一君
      堀井  学君    宮下 一郎君
      保岡 宏武君    簗  和生君
      山口  晋君    若林 健太君
      梅谷  守君    金子 恵美君
      神谷  裕君    亀井亜紀子君
      川内 博史君    緑川 貴士君
      山田 勝彦君    渡辺  創君
      一谷勇一郎君    掘井 健智君
      中川 宏昌君    山崎 正恭君
      田村 貴昭君    長友 慎治君
      緒方林太郎君    北神 圭朗君
    …………………………………
   農林水産大臣       坂本 哲志君
   厚生労働副大臣      浜地 雅一君
   農林水産副大臣      武村 展英君
   財務大臣政務官      瀬戸 隆一君
   農林水産大臣政務官    舞立 昇治君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           鳥井 陽一君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         杉中  淳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         宮浦 浩司君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       川合 豊彦君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          山田 英也君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  平形 雄策君
   政府参考人
   (農林水産省畜産局長)  渡邉 洋一君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  村井 正親君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            長井 俊彦君
   政府参考人
   (林野庁長官)      青山 豊久君
   政府参考人
   (水産庁長官)      森   健君
   政府参考人
   (水産庁次長)      藤田 仁司君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       小笠原憲一君
   農林水産委員会専門員   飯野 伸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月五日
 辞任         補欠選任
  中川 郁子君     藤丸  敏君
  宮下 一郎君     若林 健太君
  梅谷  守君     亀井亜紀子君
  稲津  久君     中川 宏昌君
  北神 圭朗君     緒方林太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  藤丸  敏君     杉田 水脈君
  若林 健太君     井出 庸生君
  亀井亜紀子君     梅谷  守君
  中川 宏昌君     稲津  久君
  緒方林太郎君     北神 圭朗君
同日
 辞任         補欠選任
  井出 庸生君     宮下 一郎君
  杉田 水脈君     中川 郁子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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野中厚#1
○野中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君、水産庁長官森健君、水産庁次長藤田仁司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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野中厚#2
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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野中厚#3
○野中委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。保岡宏武君。
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保岡宏武#4
○保岡委員 おはようございます。自由民主党の保岡宏武です。
 本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
 漁業法及び特定水産物流通適正化法一部改正の質疑の前に、関連で質問させていただきます。
 五月の二十九日、漁協組合などが漁業者に貸し出す漁船の費用を水産庁が助成する水産業強化の補助事業、漁船導入支援事業において、水産庁が会計検査院の指摘を受けたとの報道がございました。
 この事業は、基金から支援を受けて漁船をリースした人の漁業による所得を評価対象として、五年以内に漁業所得を一〇%以上向上させることが目標とされています。
 事業の運営はNPO法人水産業・漁村活性化推進機構が担当し、漁業者は漁船を借りてから五年間の漁業所得を同機構に報告、五年後までに一〇%の所得向上が見込めない場合は地元の専門家らから改善策の提言を受ける必要があるというふうになっています。
 今回、漁業者が所得の算出方法について十分理解ができておらず、海の清掃など漁業以外で得た収入や支出も所得の計算に加えており、二〇二一年度までの六年間に漁船を貸し出した漁業者七百二十五人のうち約六割に当たる四百五十九人が、事業実績として報告する漁業所得が実態と一致していなかったということです。中には、会計検査院が計算した所得と一割以上金額に差があったケース、漁業以外の収入を差し引くと目標の達成基準を下回っていたケースもあり、事業の成果を正しく把握できない状況になっているというふうに伺っています。
 水産庁は、会計検査院から、正しい算出の方法などを漁業者などに周知するよう、事業マニュアルの改定を求められているというふうに伺っています。
 質問です。指摘された事業マニュアルの改定は、具体的に、いつまでにどこをどうするのか。また、今回、六割も誤った方法で算出されたというふうにありますが、この補助事業の効果をどう判断するのか、若しくはしているのか。あと、そもそもこのNPO法人は実施主体として大丈夫なのかという疑問も残りますが、水産庁の見解を示してください。お願いいたします。
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森健#5
○森政府参考人 お答えいたします。
 まず、経緯から申し上げますと、今般の会計検査院による処置要求につきましては、水産業競争力強化漁船導入緊急支援事業の実施に当たりまして、先ほど御指摘のありました、事業目標の達成状況の判定材料となる漁業所得の算定において、遊漁船や警戒船などの漁業以外の収入、支出を含めた事例があったということ。
 これを受けまして、改善処置として、水産庁に対して、漁業以外の用途、漁業所得として取り扱うべき収入、支出の費目等を運用通知等に具体的に示し、その内容を事業実施主体からリース事業者等に周知をさせること、リース事業者に借受け者の漁業所得の内容を十分確認させるよう事業実施主体に対して指導等を行うことが求められているところでございます。
 水産庁といたしましては、処置要求の内容を真摯に受け止めまして、まずは、漁業所得として取り扱うべき費目等についての基準、これを明確にした上で、事業実施主体に対して指導等を行っていきたいというふうに考えております。
 また、御指摘の事業実施主体は、特定非営利活動法人水産業・漁村活性化推進機構でございます。この法人は、全国漁業協同組合連合会を始めとする漁業者団体等を会員として、水産業の発展及び漁村活性化のための事業を行っている法人ということでございまして、適切な手続の下、事業実施主体として選定されているところでございます。
 水産庁といたしましては、事業実施主体が円滑、適正な事業実施ができるよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。
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保岡宏武#6
○保岡委員 ありがとうございます。
 この補助事業、現場でも大変人気がある補助事業だというふうに私も認識をしております。事業の成果を正しく把握ができるよう、今後、事業が適切に実施をされ、政策目標の効果検証に支障を来さないように、対応をよろしくお願いをいたします。
 さて、続いて、漁業法及び特定水産物流通適正化法一部改正の質疑に入ります。
 今回の法改正は、二〇二三年二月、クロマグロの漁獲量を正確に報告しなかったとして水産会社社長が逮捕された、いわゆる大間事案が発端となっていると伺いました。
 青森県大間で捕れたクロマグロは海のダイヤモンドと言われ、初売りで一億円以上の高値で落札されることもあります。今回、横流しによる不正報告で摘発された裏には、決められた枠を破ってもクロマグロを多く売りたい一部業者の思惑がありました。
 クロマグロは、中西部太平洋まぐろ類委員会、WCPFCで国別の漁獲枠が決められており、漁獲枠を超えれば合意違反となるため、水産庁は都道府県ごとに漁獲量を割り当て、漁獲管理をしています。その点では、今回の不正報告は、国際社会での日本の信用を毀損する結果にもなったというふうに理解をします。
 今回、国を挙げて資源管理に取り組んできたにもかかわらず、いわゆる大間事案が発生したことに関して政府の認識を伺います。
 どこに問題があったのか。仮に、本法案の内容が措置されていれば、大間事案は未然に防ぐことができたのか。今回の違法の未報告数量は八十八・一トンですが、被害総額が幾らで、今回の改正で違反した法人には最大一億円の罰金が新設されていますが、これが本当に抑止力になるのか。どういう根拠で罰則を作っているか。流適法には同様の法人への罰金はありませんが、大丈夫なのか。また、管理強化だけでなく、漁獲枠の増枠も必要との指摘も現場からはありますが、今回の法改正によって同様の事案が完全に抑制されるのか。政府の見解をまとめてお示しください。
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藤田仁司#7
○藤田政府参考人 お答えいたします。
 まず、大間の事案でございますけれども、特に大型の太平洋クロマグロの個体につきましては経済的価値が非常に高いものですから、TAC報告をあえて行わないということで多額の利益を得られることが大きな誘因となったのではないかと考えてございます。
 ただ、今回の違反につきまして、個体ごとの取引額といいますか、その違反で得た利益につきましてはちょっと調べがつかないものですから、幾ら違反でございましたということはちょっとお答えをできない状況でございます。
 ただ、大間事案を未然に防げなかった制度的な要因を挙げるとすれば、一つは、漁獲量の総量をTACで、TACで報告というのは重さで報告をしていただいていますけれども、実際には個体ごとに取引が行われておりまして、その個体ごとに行われております取引伝票との照合が容易でなかったというのが一つございます。
 二つ目に、流通が多段階に及ぶ中で、情報伝達ですとか取引の保存が必ずしも行われておりませんで、裏づけをするということが容易でなかったことというのがございます。
 三番に、不正に得られる利益に対しまして罰則による抑止力が相応であったのかということについて問題点があったというふうに認識をしてございます。
 このため、水産庁におきましては、本年の四月から漁獲監理官というものを新設をいたしまして、取締り体制の強化を行ってございます。
 本法案におきましては、さらに、TAC報告事項に、太平洋クロマグロの大型魚を何本捕ったかという本数の追加をいたしまして、その基となる情報の保存を義務づける、違反者に対する罰則強化というものを行うということをまず漁業法の中で行う。次に、水産流通適正化法におきまして、漁業者、流通事業者に対する情報の伝達、保存の義務づけ等の措置を行うということとしております。
 さらに、この際、TAC報告義務違反者に対する罰則の強化につきましては、大規模な漁業法人の年間の平均売上総利益が約五千四百万円であること、他の立法事例を踏まえまして、法人についても十分な抑止力の水準となるよう、一億円以下の法人重科を導入するということにしたところでございます。
 この法人重科等の漁業法の罰則につきましては、大間事案のような、漁業者と流通事業者が要するに結託しましてTAC報告違反が生じた場合には、流通事業者についても共犯者として適用されることになります。
 こういったことによりまして、類似の事案の抑止力は大きく高まるとともに、違反事案が疑われる場合により的確に取り締まることができるようになり、さらに、関係国への信頼の確保を通じまして、太平洋クロマグロの今後の増枠の交渉にも寄与するものというふうに考えてございます。
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保岡宏武#8
○保岡委員 ありがとうございました。絶対再発をさせないという強い意気込みを感じました。
 本日、済みません、質問通告はしていないんですけれども、せっかく今日の新聞でも取り上げられておりましたので。七月に北海道釧路市であるWCPFCの小委員会、十二月の年次会合に向けた水産庁の意気込みというのを、簡単で結構ですので、お聞かせいただけますでしょうか。
 今回、まず法改正をして国際的に下がった日本の信用を回復した上で、漁獲量交渉で上積みを狙うというような意図があるというふうに理解はしておりますが、いかがでしょうか。お願いいたします。
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森健#9
○森政府参考人 お答えいたします。
 太平洋クロマグロにつきましては、WCPFCにおきます国際規制の中で、国内の事業者、漁業者の方々は厳格な資源管理に取り組んできていただいております。その結果、資源は順調に回復をしているという状況でございまして、我が国の漁業関係者の間には増枠に対する強い要望があるというふうに承知をしているところでございます。
 本年行われました新たな資源評価、二年に一回の資源評価でございますけれども、これによりまして、太平洋クロマグロ資源が回復目標を達成し、更なる増加傾向にあるという結果が示されたところでございます。
 今後、御指摘のとおり、WCPFCの会合、七月中旬の釧路での会合を皮切りに、年末に向けて数次にわたり行われていく予定でございますけれども、我が国として、増枠の提案を行うことを含め、増枠が実現するよう努力してまいりたいというふうに考えております。
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保岡宏武#10
○保岡委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 さて、特定水産動植物としては、アワビやナマコも、財産上の不正な利益を得る目的で採捕されるおそれが大きく、生育又は漁業の生産活動に深刻な影響をもたらす、要保護性が高い水産物として指定をされています。
 また、私の出身の鹿児島は養鰻日本一ですが、シラスウナギも令和七年から指定をされるというふうに聞いています。ちなみに、シラスウナギの二三年の平均取引価格は二百五十万円・バイ・キロ。違法行為から得られる利益に比べて罰則が軽過ぎることがあっては、密漁を抑制することができないのも明らかです。
 次の質問です。これらの魚種は、今後、特別管理特定水産物及び流適法の特定第一種第二号水産動植物に指定される可能性があるのでしょうか。また、新たに指定される場合の判断基準や、検討、決定のプロセスなど、政府の見解をお示しください。お願いいたします。
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藤田仁司#11
○藤田政府参考人 お答えをいたします。
 まず、アワビ、ナマコ、シラスウナギにつきましては、前回の漁業法改正の際に、漁業者以外の方が違法な採捕をしているということで、特別に罰則を強化をする形で措置をさせていただきました。
 今回の件で申し上げますと、現行のアワビ、ナマコ等につきましては、まさしく漁業者以外の方による密漁が問題となっていたことを受けまして、権限を有していない方が採捕したものが流通しないように、権限を有する漁業者ごとに番号を割り当てまして、用いられている漁獲番号の伝達を義務づけているというのが現行でございます。
 他方で、今般の改正で新設をいたします特定第一種第二号水産動植物で、これは太平洋クロマグロの大型魚を想定しているわけでございますけれども、権限を有する漁業者の方がTAC報告義務違反をしたということでございますので、正式には、権限を有する方が、一部はちゃんと報告したんですけれども、一部は報告しなかったということでございます。こういうTAC報告義務違反をした漁獲物がマーケットに流れていくということがないように、個体ごとに船舶の名称や重量等のTAC報告の基となる情報の伝達を義務づけるというのが今回の改正案でございます。
 このため、現在、TAC対象魚種となっておりませんアワビ、ナマコ、シラスウナギにつきましては、特定第一種第二号水産動植物の対象にはならないものというふうに考えてございます。
 その上で、特定第一種第二号水産動植物につきましては、法律上、漁業法に規定する特別管理特定水産資源を原則としてその対象とすることというふうにしておりまして、この特別管理特定水産資源の指定に当たりましては、個体の経済的価値が高いことを要件といたしまして、国際的な資源管理の枠組みや資源評価の状況、流通段階におけます個体単位での取引が行われているかどうか、違反行為の発生状況がどうなっているか等を勘案して指定をしていくということになろうかと考えてございます。
 具体的な指定手続は、本法案の公布後に、広く学識経験者や漁業者、流通事業者等の関係者の御意見も伺いながら行っていきたいと考えてございますけれども、現時点で、太平洋クロマグロの大型魚以外について、指定を行う必要が生じている水産資源はないものというふうに考えてございます。
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保岡宏武#12
○保岡委員 ありがとうございました。
 さて、最後は大臣に質問させていただきます。
 今回のテーマの根底にもある水産資源の管理に関して、大臣は、国際的に厳格な漁獲量の管理が行われている状況ですので、より厳しい管理を我が国としてもやってまいりますという発言をなさっておいでです。
 一八年に漁業法を改正して、TACの魚種を追加、IQ、個別割当て方式で漁業者や漁船ごとに枠を配分したり、より厳しく管理する方向へあると私も認識をしています。
 一方、枠を高めに設定することで漁獲を抑えなくても悠々と守れてしまっているTACのハードルはかなり甘いというふうに指摘をする声もあります。このままでは日本の漁獲量は五〇年にほぼゼロになるペースで減っているというふうに警笛を鳴らす研究者もいます。
 また、漁業者が大漁をよしとする文化で、目の前の生活もあるので、捕れるのに捕らないという考えになかなかなじみにくいということも分かります。
 しかし、捕り過ぎると資源量が減り、捕るのを抑えるとまた増え出し、生物の自然増と釣り合ったペースで漁獲をすることが漁業を永続させるのには必須であることは論をまちません。
 二二年、三百九十一万トンで、ピーク時の七割まで下がった漁獲生産量を、三〇年度に四百四十四万トンに回復させる目標に向けて、資源管理は重要だというふうに考えます。
 そのためにも、日本の消費者のマインドチェンジも私は必要だというふうに考えています。
 日本の消費者は、値段の安さに強くこだわる一方、今の日本の漁業が置かれている状況などには関心がありません。ですので、捕った魚は利益が出ないほど買いたたかれ、漁業者は量を多く捕るしか選択肢がなく、空っぽの海に出かけ、一生懸命に網を引いている。
 かつて、世界の漁場で魚を捕りまくり、魚食を謳歌していた日本人ですが、各国が自国の漁場管理を徹底し、世界の海で自由に漁ができなくなりました。また、魚食の味をしめた中国のバイイングパワーが強くなり、人口減少と円安が重なって、輸入も更に厳しい状況になっています。
 日本の消費者は、自らが置かれた状況を正しく理解し、マインドチェンジが必要であることを認識する時期に来たのではないかと言えるとも考えています。
 いずれにせよ、現状維持では日本の漁業の未来はおぼつきません。消費者の理解を得ながら、漁業全体の仕組みを変えていかなければ、日本の漁業がそのポテンシャルを発揮できる日は来ないというふうに考えています。
 大臣は、日本の新時代の漁業を、日本の漁業の未来図をどのようにお考えでしょうか。日本の消費者に語るような、できるだけ平易な言葉で、政治家としての御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
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坂本哲志#13
○坂本国務大臣 我が国の漁業は、国民への食料供給を担いまして、地域経済を支える重要な産業であります。
 しかし、委員御指摘のとおり、海洋の環境変化、潮流、海流の変化などで非常にやはり厳しい水産資源の局面にあります。加えて、漁業就業者の減少、高齢化など大きな課題が立ちはだかっております。我が国漁業が持続的に重要な役割を果たしていくためには、水産資源の適切な管理を促しながら、水産業の成長産業化を進めていく必要があるというふうに考えております。
 このため、海洋の変化にも対応しながら、幾つかの柱立てをしております。
 まずは、本年三月に改定いたしました、資源管理の推進のための新たなロードマップに即した水産資源の管理を推進していきましょう。それから二番目は、高性能漁船の導入や操業形態の転換、そして複合化等による漁船漁業の成長産業化も併せて行ってまいります。三番目は、マーケットイン型の養殖業の推進等によりまして、養殖業の成長産業化も進めてまいります。そして四番目は、令和四年に制定いたしました、さかなの日による消費拡大、そして低未利用魚の活用等の高付加価値化への支援をしてまいりたいというふうに思っております。五番目に、ブリ、マダイなどの重点品目を中心にした輸出の拡大、こういったものをやってまいります。
 こういう各般の施策を総合的に展開をいたしまして、水産国日本の復活を果たしてまいりたいというふうに思っております。
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保岡宏武#14
○保岡委員 ありがとうございました。質問を終わります。
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野中厚#15
○野中委員長 次に、山崎正恭君。
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山崎正恭#16
○山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 今回の法改正は、二〇一〇年頃に資源量が最低基準となったことから導入された太平洋クロマグロのTAC管理の報告義務に背いて、未報告のクロマグロが大量に流通していたことが水産庁への通報から明らかになり、再発防止のための対策が急務となっていることが理由として挙げられていますが、まず、改正の背景となった未報告クロマグロの数量の把握についてお伺いします。
 令和三年八月の水産庁への通報から一年後の令和四年八月に青森県が公表した調査結果では、未報告数量は五十五・七トンとされたが、青森県警の捜査では九十八トンと、大きな開きがありました。このため、令和五年八月から十二月にかけて青森県が行った再調査の結果は、八十八・一トンでした。このような差が生じた上に、通報から二年余りの時間を調査に要しました。
 そこで、法改正によって、今後、同様な事案が発生した場合に迅速な事実の把握が可能になるのか、お伺いいたします。
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藤田仁司#17
○藤田政府参考人 お答えいたします。
 まず、今般の大間事案におきまして、青森県の調査結果と県警の調査結果に差異が生じました。未報告数量の確定に時間を要したことは委員御指摘のとおりでございまして、伝票等が適切に保存されていなかったことですとか、伝票内容とTAC報告の内容を個体ごとに照合するということが容易にできなかったこと等の要因があると考えてございます。
 このため、本法律案におきましては、TAC報告事項に採捕した個体の数を追加するとともに、個体の重量等の情報の記録、保存を義務づけることとしておりまして、これによりまして、疑義情報等があった場合に、TAC報告との照合ですとか流通経路の確認、調査を迅速、適切に行えるようになるものと考えてございます。
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山崎正恭#18
○山崎(正)委員 次に、太平洋クロマグロの資源量は、二〇一〇年には初期資源量の一・七%まで減少しましたが、その後の厳しい漁獲規制により順調に資源量は回復しており、昨日発表されました、国際的な科学機関であるISC、北太平洋まぐろ国際科学小委員会による資源評価では、親魚資源量は、WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会が回復目標と定めた初期資源量の二〇%を二〇二一年に達成、二〇二二年には二三・二%まで回復しているとの最終報告がありました。
 未報告マグロの大量流通の背景として、厳しい漁獲枠の下で、これでは食べていけないという漁業者の置かれている厳しい状況も指摘されています。
 今年十二月に予定されているWCPFCの年次総会を目指して、漁獲上限の更なる増枠の実現を目指すことになりますが、未報告太平洋クロマグロの大量流通に対しては海外からも厳しい目が向けられています。日本として有効な対策を講じ、国際会議の場でもしっかり示さなければ、マグロを目の前にしても捕れないつらさに耐え、厳しい資源管理に協力してきた多くの漁業者の努力も報われないということになりかねず、漁獲量回復を目指して今後も進めねばならない資源管理の取組への理解と協力を得ることも難しくなってしまいます。
 そこで、今後の国際交渉での漁獲量増枠の実現に向けて、今回の法改正の意義について大臣にお伺いします。
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坂本哲志#19
○坂本国務大臣 太平洋クロマグロは、WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会での決定に基づきまして、関係国等が連携協力をいたしまして、資源の回復に向けまして漁獲枠による資源管理に取り組んでいるところであります。漁獲量の迅速かつ適切な報告は資源管理の根幹を成すものというふうになっております。
 そのような中で、我が国で発生をいたしました違法な未報告事案というのは、資源管理措置が正しく実施されなかった事例としてWCPFCの会合でも報告されており、我が国が望んでおりますWCPFCにおける今後の増枠の検討に当たっては、早急に再発防止を講じ、そしてWCPFCの会合で説明する必要があるというのが現状であります。
 今般の法改正によりまして、未報告事案の再発防止、さらには国内管理の強化を行っていくことで、国際的信用の維持、回復を果たし、それを我が国の増枠実現につなげてまいりたいというふうに考えております。
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山崎正恭#20
○山崎(正)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、対策の実効性についてお伺いします。
 改正案では、漁業法の特別管理特定水産資源について、TAC報告事項に採捕した個体数を追加するほか、記録の保存義務、罰則の強化などを新たに規定し、水産流通適正化法においては、流通段階での情報伝達と記録の作成、保存などを義務づけることとしています。
 そこで、水産流通適正化法は、元々、アワビ、ナマコの密漁対策として加工及び流通段階も含めて排除する必要があることから制定されたものですが、令和四年十二月の法律施行によって検挙件数の減少などの効果は表れているのか、お伺いします。
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藤田仁司#21
○藤田政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のように、水産物流通適正化法につきましては令和四年十二月に施行されておりまして、国内において違法かつ過剰な採捕が行われるおそれが大きいアワビ、ナマコ等につきまして、漁業者、流通業者等に対しまして、売買等の際の漁獲番号等の伝達、取引記録の作成、保存、輸出時に国が発行する適法漁獲等証明書の添付等を義務づけをしたところでございます。
 制度施行後の対象魚種の密漁件数等はまだ判明しておりませんで、本制度におきます密漁防止への効果を定量的に検証するということは難しいと思われます。ただ、本制度の施行後、事業者からの疑義情報が寄せられるなど、事業者の違法漁獲物の流通に対する意識は高まっており、密漁に対する抑止力は高まっているものというふうに認識をしてございます。
 今後とも、水産流通適正化法等の適正な運用を通じまして、違法な漁獲物の流通防止にしっかり努めてまいります。
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山崎正恭#22
○山崎(正)委員 分かりました。まだ始まったばかりなので定量評価はあれですけれども、そういった効果が出ているということで、よろしくお願いします。
 次に、報告事項の追加、流通段階での情報伝達についてお伺いします。
 漁業者を始め多くの関係者は資源管理に真摯に協力しています。一部の違反行為に起因して新たな義務が課されることになることについて、現場の負担を極力増やさないための配慮が必要と考えます。
 そこで、法施行によって増える現場の負担軽減についてはどのように考えているのか、お伺いします。
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森健#23
○森政府参考人 お答えいたします。
 本制度では、漁業者や流通事業者などに必要な情報の伝達、記録、保存等を義務づけるということになっておりますけれども、制度の運用や省令の策定に当たりましては、太平洋クロマグロの大型魚につきましては、全国津々浦々の港で、年間を通じて、様々な漁業種類で漁獲、陸揚げされているという実態がございます。こうした実態を踏まえて、現在、商習慣上発行されております取引伝票やタグなどを用いて義務を履行できる仕組みとする考えでございます。
 他方で、様々な各市場でのシステムの状況によりましては改修等を行う必要が生じる可能性もあるというふうに承知をしております。
 このため、制度の施行に当たりましては、現場の関係者の意見をよく伺いました上で、実行可能性を踏まえた省令等の具体化を行うとともに、関係者の負担をいかに軽減するかについてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。
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山崎正恭#24
○山崎(正)委員 次に、スマート水産業についてお伺いします。
 水産資源の持続的な利用や水産業の成長産業化を目指し、スマート水産業の取組が種々行われていると承知しております。
 中でも、資源評価の高度化や水産流通適正化法への対応などの取組が進められており、水揚げ情報の電子的収集体制の構築や電子的漁獲報告体制の構築などが行われていますが、現状と今後の取組についてお伺いします。また、取組を進めていく上での課題についてどのように認識しているのか、お伺いします。
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森健#25
○森政府参考人 お答えいたします。
 農林水産省といたしましては、御指摘のとおり、電子的に水揚げ情報を収集する体制の構築でございますとか、水産流通適正化法の施行に当たっても、アワビなどの情報伝達の電子化に取り組むといったようなデジタル化を推進をしているところでございます。
 今後とも、資源管理をしっかり推進していくという観点で、現場の漁獲報告の一元化の取組や、最新のデータを用いたタイムリーな資源評価を進めたいというふうに考えておりますし、今般の法改正に基づきまして新たに生じます保存、伝達義務の履行についても、現場の負担軽減に資する電子的情報伝達を推進していきたいと考えております。
 こうしたものを推進していくためには、都道府県の関係者、あるいは現場の漁業者等の協力が必要不可欠ということでございます。デジタル化の意義、メリットを示しながら、丁寧に意見交換をしながら進めていきたいと考えております。
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山崎正恭#26
○山崎(正)委員 次は、カツオの水揚げ量についてお伺いします。
 カツオの水揚げ量は長期的に減少傾向にあり、特に二〇二〇年は私の地元高知県の近海カツオ一本釣りにおいては過去最低の水揚げ量となりましたし、近年は、世界中のツナ缶需要に応えるべく、発展途上国を中心に漁獲量が増大し、資源量は過去最低レベルまで減少しています。
 このような中、二〇一七年二月には、日本にカツオを取り戻すという趣旨の下、高知カツオ県民会議が発足するなど、漁業者はもとより広く県民の間にもカツオ資源に対する危機感が広がっているところです。
 近年のカツオ水揚げ量の減少は、中西部太平洋の熱帯水域においてまき網漁船が増加し、まき網によるカツオの漁獲量が一九七三年に二万トンだったのが二〇二二年には百四十四万トンと、この半世紀で七十倍以上に急増していることが原因と考えられています。
 二〇二二年に開催されたWCPFC年次会合において、新たな漁獲管理の枠組みとして管理方式が導入されました。まき網漁や一本釣りなど漁業方法ごとに漁獲量や操業日数といった基準値を設け、漁業がない場合の資源量を一〇〇%と仮定し、実際の資源量が四〇から五七%の基準値内で操業できるようになっていますが、この管理方式において、現在の資源量では、中西部太平洋熱帯水域におけるまき網漁業の漁獲努力量が変わらないことから、我が国周辺での更なる漁獲量の減少が懸念されています。
 また、二〇二三年に開催されたWCPFC年次会合において、漁獲努力量、漁獲量が基準値を上回った場合に熱帯マグロの保存管理措置を見直す規定が追加されましたが、その中で、メバチ資源の増加予測を受けて、集魚装置の使用禁止期間の短縮など、熱帯マグロの保存管理措置の一部が緩和されました。
 このため、我が国周辺へのカツオ来遊量の回復に向けては、科学的根拠に基づいた保存管理措置の強化や管理方式の見直しが絶対的に必要だと考えます。
 そこで、我が国周辺のカツオの来遊量回復に向けて、二〇二九年を待つことなく、科学的根拠に基づく管理方式の見直しをWCPFCにおいて率先して提案すべきであると考えますが、大臣の認識をお伺いします。
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坂本哲志#27
○坂本国務大臣 委員御指摘のとおり、我が国沿岸のカツオの来遊量の回復に向けては、科学的な知見に基づいた実効性のある国際的な資源管理が実施されなければならないと思っております。
 二〇二二年のWCPFCにおきまして、資源量が一定の水準を下回った場合は漁獲量や漁獲努力量の水準を減らす手続を定めた管理方式が採択をされました。
 この管理方式につきましては、御指摘の二〇二九年を待つことなく、二〇二五年及び二〇二八年に見直しを行う予定となっております。
 これらの機会に、最新の資源や漁獲の動向を見極めながら、必要な改善を働きかけていくことなど、実効性のあるカツオ資源管理が実施されるよう取り組んでいく所存であります。
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山崎正恭#28
○山崎(正)委員 済みません、もう一問準備しておりましたが、時間の関係で、申し訳ございませんでした。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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野中厚#29
○野中委員長 次に、神谷裕君。
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