経済産業委員会

2024-05-09 参議院 全287発言

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会議録情報#0
令和六年五月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     柴  愼一君     辻元 清美君
     青島 健太君     東   徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森本 真治君
    理 事
                青山 繁晴君
                長峯  誠君
                古賀 之士君
                東   徹君
    委 員
                浅尾慶一郎君
                越智 俊之君
                小林 一大君
                上月 良祐君
                丸川 珠代君
                渡辺 猛之君
                辻元 清美君
                村田 享子君
                里見 隆治君
                三浦 信祐君
                石井  章君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
                平山佐知子君
   国務大臣
       経済産業大臣   齋藤  健君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 千秀君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      岩成 博夫君
       経済産業省大臣
       官房技術総括・
       保安審議官    辻本 圭助君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    茂木  正君
       経済産業省大臣
       官房首席GX機
       構設立準備政策
       統括調整官    龍崎 孝嗣君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田中 哲也君
       経済産業省大臣
       官房審議官    殿木 文明君
       資源エネルギー
       庁長官      村瀬 佳史君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    山田  仁君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    木原 晋一君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       井上 博雄君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        定光 裕樹君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      久米  孝君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  今井  新君
       国土交通省大臣
       官房技術参事官  西村  拓君
       環境省大臣官房
       審議官      奥山 祐矢君
       環境省大臣官房
       審議官      前田 光哉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための
 低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○二酸化炭素の貯留事業に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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森本真治#1
○委員長(森本真治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、柴愼一君及び青島健太君が委員を辞任され、その補欠として辻元清美君及び東徹君が選任されました。
    ─────────────
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森本真治#2
○委員長(森本真治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森本真治#3
○委員長(森本真治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に東徹君を指名いたします。
    ─────────────
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森本真治#4
○委員長(森本真治君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案について、環境委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森本真治#5
○委員長(森本真治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森本真治#6
○委員長(森本真治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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森本真治#7
○委員長(森本真治君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 両案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森本真治#8
○委員長(森本真治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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森本真治#9
○委員長(森本真治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長岩成博夫君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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森本真治#10
○委員長(森本真治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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森本真治#11
○委員長(森本真治君) 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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越智俊之#12
○越智俊之君 おはようございます。自由民主党、越智俊之です。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。早速質疑通告に従って質問させていただきます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラル達成に向けて様々な脱炭素手段が議論されております。本日議論いたします水素社会推進法案とCCS事業推進法案も、脱炭素社会、エネルギー安定供給、経済成長を同時に実現するグリーントランスフォーメーション政策を進めるために重要な法案であると思いますが、まず、政府より、両法案が二〇五〇年のカーボンニュートラル達成に向けて果たす役割やその意義について簡潔に御説明をお願いいたします。
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村瀬佳史#13
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 カーボンニュートラル実現のためには、徹底した省エネや再エネなどの脱炭素電源の利用促進に加えまして、産業部門、運輸部門、発電部門のそれぞれで、脱炭素化が難しい分野におけるGXを実現していくことが不可欠であります。化石燃料や原料を代替するための低炭素水素等の供給、利用、利用後の脱炭素化の進める手段としてのCCSをそれぞれ広げていくことが必要だと考えてございます。
 このため、水素社会推進法案においては、鉄鋼や化学等の脱炭素化が難しい分野における低炭素水素等の供給及び利用を進めるため、価格差に着目した支援や拠点整備支援等の措置を通じまして、先行的で自立が見込まれるサプライチェーンを創出、拡大していく所存でございます。
 また、CCS事業法案におきましては、事業に必要な許可制度や事業規制、保安規制等の措置を講ずることとしておりまして、こうした措置を通じましてCO2の安定的な貯留やCCS事業の適切な運用を確保していきたいと考えてございます。
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越智俊之#14
○越智俊之君 まずは、水素社会推進法案についてお尋ねをしたいと思います。
 我が国では、二〇一七年に世界で初めて水素基本戦略という水素に関する国家戦略を打ち出しました。昨年は、これを市場の変化と世界の動きに合わせるべく、約五年ぶりに改定しております。我が国は、燃料電池などの水素に関連する技術で世界をリードしてきており、国内では、約十年前から燃料電池自動車が、最近では燃料電池バスが社会実装されるなど、長年水素の市場を築く取組をしてきました。
 一方で、世界でも脱炭素化の流れが加速し、水素への注目も高まっております。昨年我が国が議長国を務めたG7の場を始め、外交の場面でも水素はよく話題に上がります。欧州や米国を始め、水素導入の支援に本腰を入れ始める国が現れ、大規模な水素製造や利活用が行われる時代がすぐ近くまで来ております。
 こうした中、日本政府は、今後、二〇三〇年に向けて三百万トン、二〇四〇年に向けて千二百万トン、二〇五〇年に向けて二千万トン程度の水素を供給していくことを想定しております。水素を今後、鉄や化学、モビリティーといった特に脱炭素化が難しい分野に供給していくことで脱炭素化を図っていくこととしています。
 しかし、水素がこうした様々な場面で用いられるようになるためには、水素の価格を今よりもしっかりと下げていかなければなりません。足下では燃料費も高騰しており、こうした燃料に対する将来価格への不透明さが増すばかりではないかと危惧しております。
 水素社会の実現に向けてはコストの低減は重要な課題かと思いますが、水素の供給コストの低減に向け、具体的にどのように取り組んでいくつもりでしょうか。これまでの政府の取組に加え、今後の方針についても併せてお伺いいたします。
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井上博雄#15
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
 水素社会の実現に向けて水素の供給コストを低減していくことは、御指摘のとおり、極めて重要と考えてございます。
 二点ございまして、一点は供給量の増加による規模の経済、二点目はコスト低減に資する技術開発、これを両輪で進めていくことが重要と考えてございます。
 これまでは主に技術開発を中心に取り組んできておりまして、例えば、グリーンイノベーション基金などを活用し、現在の水電解装置コストを最大六分の一程度にまで低減するための技術開発、あるいは電解率、効率の向上のための技術開発、国際競争力のある水準で水素を製造できるよう、水電解による製造コストの低減に取り組んできているところでございます。
 今後は、水素社会推進法案で措置いたします価格差に着目した支援におきまして、十分な価格低減が見込まれ、将来的に競争力を有する見込みのある事業を支援していきたいと考えてございます。こうした措置によりまして、低炭素水素等の需要と供給を同時に立ち上げ、規模の拡大を図り、供給コストの低減を目指していきたいと考えてございます。
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越智俊之#16
○越智俊之君 ありがとうございます。
 水素やアンモニアは現在でも産業において利用されているものであります。今は化石燃料から製造されており、二酸化炭素を排出しながら製造する方法が主流になっております。しかし、こうした製造時に排出される二酸化炭素を処理しない、いわゆるグレー水素やグレーアンモニアと呼ばれる燃料を使い続けていては、脱炭素化への影響は限定的だと思います。このため、やはり水素やアンモニアの製造時に発生する二酸化炭素をしっかり処理する方法に転換していくことが重要です。
 本法案では、新たに低炭素水素等という定義を置き、脱炭素化をより推し進める法案になっているのではないかと思っております。単に炭素やアンモニアを利活用するだけではなく、この水素やアンモニアを製造する際の二酸化炭素排出量も削減していくことが真の脱炭素化につながっていくのではないでしょうか。そうだとすれば、今回措置する低炭素水素等の定義をどう定めるかが重要だと思いますが、特に低炭素はどのような基準を定めるおつもりか、お伺いいたします。
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井上博雄#17
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
 低炭素水素等につきましては、水素等であって、一つには、その製造に伴って排出される二酸化炭素の量が一定以下であること、二つ目には、二酸化炭素の排出量の算定に関する国際的な決定に照らして、その利用が我が国の二酸化炭素の排出量の削減に寄与するなどの経済産業省令で定める要件に該当するものとしてございます。これは、水素等の製造に伴うCO2排出量、すなわち炭素集約度の概念を昨年のG7広島サミットにおいて我が国が提示し、首脳コミュニケにおいても重要性が確認されたことを踏まえた考え方でございます。
 具体的には、今後、炭素集約度に基づき低炭素水素等のCO2排出量の基準を定めてまいりますけれども、現在、海外の制度も参考に、例えば、水素一キログラムの製造に係るCO2排出量が三・四キログラム以下のものを対象とするなどを審議会において有識者の方に御議論いただいているところでございます。
 今後も、各燃料における国際的な議論の動向も注視しながら検討を深め、国際的に遜色のない基準を定めていきたいと考えてございます。
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越智俊之#18
○越智俊之君 水素の価格が高く、安定した量の供給が見えない状況では、利用側が水素を利活用することになかなか踏み出せないと思います。また、水素を供給する事業者にとっても、水素の利活用の広がりが見えない中では供給事業への投資に踏み出せないという、いわゆる鶏と卵の状態が続いてしまいます。
 水素に関心がありながらも、このように見合ってしまい導入に踏み込むことができない状況を打破するためにも、早期に先行的なサプライチェーンを創出して、実際に水素が大規模で合理的な価格で出回るのだということを世の中に見せていくことが大事なのではないでしょうか。今は世の中は半信半疑だったとしても、百聞は一見にしかずで、まず実例ができれば、それに続く事業も出てくると考えます。社会への理解も広がると思います。
 今回の法案では、低炭素水素等の供給そして利用を早期に促進するため、基本方針の策定や需給両面での計画認定制度の創設、またその計画認定を受けた事業者に対する支援措置や規制の特例措置を講ずることとされております。特に、今回の計画認定を受けた事業者には、価格差に着目した支援、そして拠点整備支援などにより長期にわたる支援が行われることになっております。
 この両支援制度によって、我が国が開発した技術を活用した上で先行的にサプライチェーンが構築されていくことは望ましいことだと考えております。一方、多額の支援が行われることが想定されますので、認定される基準が甘いと将来的に自立できない事業者まで認定していくこととなってしまいます。
 このため、価格差に着目した支援、拠点整備支援、この両方、将来的に自立して、将来の水素等サプライチェーンを支えるようなプロジェクトが選ばれていくようにしっかりとした認定の基準を定めて、リスクがある状況でも脱炭素化に向けて長期的にコミットしていこうという事業者を厳選していく必要があるのではないかと思いますが、そのためにはどのような認定基準を定めていく予定でしょうか。
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井上博雄#19
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
 低炭素水素等供給等事業計画の認定基準としては、Sプラス3Eを前提に、グリーントランスフォーメーションの実現に資するプロジェクトであるとともに、御指摘のとおり、将来的に自立することを求めると、こういう観点から、一つには、鉄、化学といった代替技術が少なく転換困難な分野、用途にも供給すること、二つ目には、国際的な算定ルールと整合的な考え方の下、国内の排出削減に資するプロジェクトであること、三つ目には、二〇三〇年度までに供給開始が見込まれ、支援期間終了後十年間の供給を継続すること、四つ目には、国内外で新たな関連事業を予定していることなどといった必須の条件を設け、これらの充足を求めてまいりたいと考えてございます。
 こうした必須条件に加えまして、Sプラス3Eや産業競争力強化、経済成長への貢献といった政策的重要性とオフテーカーの確実性、工事計画、資金計画等の妥当性といった事業完遂の見込み、この政策的重要性、事業完遂の見込みから評価項目を設定いたしまして、御指摘のとおり、総合評価により支援対象とする事業者の選定をしっかりと行っていきたいと考えてございます。
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越智俊之#20
○越智俊之君 ありがとうございます。
 水素社会の実現に向けて、今度はビジネスでどう勝っていくかということも大変重要だと思います。そのためには、民間もリスクを取って大きな投資を進めていくことということであり、その呼び水として、価格差に着目した支援制度が位置付けられているのだと思います。他方、今回の支援はある程度大きなプロジェクトが中心になってくるのではないかと感じております。
 しかしながら、水素社会の裾野を広げていくという意味では、中小企業でやる気のある企業のチャレンジをしっかりと後押ししていくことも重要なのではないでしょうか。こうしたやる気のある中小企業をしっかりと巻き込み、水素の利活用を行っていくという観点において、経済産業省としていかに後押ししていくのか、お答えいただきたいと思います。
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井上博雄#21
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
 地域の工場であるとかモビリティーなどの脱炭素化のためには、御指摘のとおり、中小企業の方にも低炭素水素等の利用を促進していくことが極めて重要だと考えてございます。
 例えば、水素ステーション補助金を活用いただきまして、東京都の中小の産業ガス会社の方が水素ステーション事業に参画されるなど、中小企業の方の水素の利活用にこれまでも取り組んでまいりました。また、近畿経済産業局では、水素産業関係者が一堂に会するイベントを、関西水素産業交流ラウンジを開催いたしまして、水素関連の大手企業と中小企業とのビジネスマッチングに取り組んでおりまして、中小企業の方々の水素関連産業への参入を促しているところでございます。
 水素社会推進法案に基づく支援措置につきましても、多様なプレーヤーに周知いたしまして、中小企業の方々も巻き込みながら低炭素水素等のサプライチェーンの構築を進めていきたいと、かように考えてございます。
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越智俊之#22
○越智俊之君 ありがとうございます。
 本法案では、規制の特例措置として高圧ガス保安法の特例についても講じられることとなっております。
 水素社会の実現に向けては、水素等の利活用において、やはり安全が確保されていることが非常に重要です。例えば川崎重工業は、小型の水素専焼の発電実証を神戸のポートアイランド、いわゆる都市部で行っておりますが、これは事業者がしっかりと安全を確保しているからなし得ると考えます。
 これから水素等の供給や利用が拡大するにつれ、鉄、化学、そして発電といったプラントの中のような限られた場所での利用から、商業施設や住宅などの市中での利用といったように、水素等の利用シーンも広がっていきます。様々な事業者が水素事業に参入し、また新しい技術が次々と実装されていきます。こうなると、ますます保安規制の重要性が増していきます。
 一方で、厳しいだけで柔軟性のない規制は、なかなか水素の供給、そして利用拡大も進まないことが懸念されます。規制が古いルールのままアップデートされず、新しい技術が取り入れられないような話も聞きますが、このようなことでは水素事業の発展はなし得ません。時代に合わせた規制が必要ではないでしょうか。また、許認可を得るためのプロセスを簡素にしたり、事業者の想定する時間軸をいたずらに遅らせないスピード感で進めたりする工夫が必要ではないでしょうか。
 そこで、安全を確保しつつ、水素等の供給、そして利用拡大を進めていくに当たっての本法案における保安の特例措置の意義をお聞かせください。
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殿
殿木文明#23
○政府参考人(殿木文明君) いわゆる水素社会推進法案の特例措置の意義についてのお尋ねでございますが、委員御指摘のとおり、水素の供給及び利用の拡大に当たりましては、安全確保を大前提としつつ、水素保安をめぐる環境と課題に応じたルールの整備を進めていくことが重要であると考えているところでございます。
 水素等の大規模利用については、黎明期にございますことから、大規模な低炭素水素等のサプライチェーンの構築に必要な関連施設につきましては、最新の科学的、技術的、専門的知見を有する場合がございますため、高圧ガス保安法の許可、検査等を行うに当たりまして、都道府県等においては、通常よりも時間を要したり、判断が困難となる場合があることも想定されるところでございます。
 このため、本法案の保安に関する措置におきましては、高圧ガス保安法の特例といたしまして、低炭素水素等の供給及び利用についての認定計画に基づく設備等に対しましては、一定期間、都道府県知事等に代わり高圧ガス保安法における製造施設等の技術基準を策定するなど、科学的、技術的、専門的な知見を有する国が一元的に保安確保のための許可や検査等に当たる行為を行うことを可能とするものでございます。
 これによりまして、低炭素水素等の供給及び利用についての計画認定を受けた事業者は高圧ガス保安法関係の手続が迅速化され、我が国における低炭素水素等の供給及び利用の促進に資するものと考えているところでございます。
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越智俊之#24
○越智俊之君 ありがとうございます。
 水素社会推進法案による措置により、我が国でも水素の利活用が広がっていくことを期待しております。しかし、我が国のみならず、世界でも大きくこの水素の利活用は広がっていくのだろうと想定されます。この目の前に広がる拡大市場を我が国がしっかりと獲得していく、これがまさに脱炭素と産業競争力を両立させる絵姿につながっていくのだろうと思います。
 しかしながら、欧州や米国だけでなく中国や韓国など、世界中が同様に水素等に取り組んでいるのではないかと思います。こうした他の国の勢いを踏まえても、我が国は水素で産業競争力を発揮できる見込みがあるのでしょうか。我が国が進むべきシナリオをお伺いいたします。
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井上博雄#25
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、国際的な競争環境は極めて厳しくなってきていると認識しておりますが、その中にありましても、我が国の企業は水素関連技術で引き続き世界で高い技術力を持つ技術を有しておりまして、例えば生産技術では、水素の製造効率を左右する水電解装置に用いる膜につきまして、世界トップクラスのドイツのメーカーが日本の化学企業の独自の膜技術の採用を検討するなど、世界の企業からも評価されているところでございます。また、海上輸送技術では、アンモニアを介することなく水素のまま効率よく輸送する技術、これは日本のみが実用化しておりまして、発電技術では世界の多くのプロジェクトに日本企業が参画いたしております。
 今後、我が国が持つ技術的競争力を維持強化するためには、いかに量産化、自動化を進め、スピーディーに市場に製品、サービスを投入できるかどうかが肝となると考えてございます。
 このため、例えば、水電解装置も対象にいたしました、五年間、四千二百億円超のGXサプライチェーン構築支援事業の中で、産業競争力を持つ水電解装置やその部素材に対する大規模かつ迅速な投資を予定している事業者をしっかりと後押ししてまいりたいと考えてございます。
 また、水素社会推進法案で措置する価格差に着目した支援等を通じまして、我が国技術を活用した産業競争力の強化に資するサプライチェーンの創出拡大を図る、これによりまして水素等関連産業の産業競争力の強化も目指していきたいと考えてございます。
 世界の水素市場の拡大に御指摘のとおり遅れることなく、我が国の高い技術力を生かした製品、サービスを国内外に展開していければと考えてございます。
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越智俊之#26
○越智俊之君 よろしくお願いいたします。
 次に、世界におけるCCSの位置付けや動向について伺います。
 CCSは地中に二酸化炭素を閉じ込める技術のことですが、私自身、このCCSについては、今回法案を提出されるということで初めて話を伺いました。日本も既に二〇五〇年を目標としてカーボンニュートラル宣言が行われている中で、国是として達成していくことが必要になってきます。
 一方で、二酸化炭素を出さない脱炭素化の技術としては省エネや再エネもあります。しかし、CCSは最近、世界で急速に広がっていると聞いております。例えば、国際エネルギー機関、IEAでは、二〇五〇年時点での世界全体の二酸化炭素の回収量は年間三十七億トンから六十億トンとの見通しを示しており、これは現在の世界全体の二酸化炭素排出量の一割から二割に相当する膨大な量です。
 なぜCCSは今必要になってきているのでしょうか。また、CCSの技術が確立していなければ、この脱炭素化手段として使うこともなかなか容易ではないと思いますが、CCS技術は全く新しい技術なのでしょうか。まずは政府参考人にお伺いいたします。
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定光裕樹#27
○政府参考人(定光裕樹君) お答え申し上げます。
 カーボンニュートラルの実現に向けては、産業や発電の脱炭素化、低炭素水素の製造などの分野で、CO2を回収して地下に貯蔵するCCSの導入が必要となります。
 昨年十二月に開催されたCOP28の合意文書におきましても、排出削減が困難なセクターにおける解決策の一つとしてこのCCSが明記されてございます。
 欧州や米国では、既に二〇一〇年頃に民間事業者がCCS事業を実施するための環境整備の一環として法制度が整備されております。加えて、これらの国では、近年、予算や税制など、CCS事業に対する様々な導入支援制度が構築されておりまして、CCSの本格的な導入に向けた更なる環境整備が進んできております。この結果、二〇三〇年に向けてCCSの導入が加速すると見込まれておりまして、貯留適地の確保や事業モデルの構築をめぐる国際的な競争も始まっております。
 我が国としても、こうした世界の動向を踏まえ、二〇二三年七月に閣議決定したGX推進戦略において、二〇三〇年までのCCS事業開始に向けて事業環境の整備を行う、事業環境の整備を進めていくこととしております。
 なお、CO2を地下へ圧入する技術でございますが、これは石油、天然ガスの増産を目的として行われてきたEOR、エンハンスト・オイル・リカバリーとして約五十年の実績が既にありまして、基本的な技術は確立されております。
 また、CO2を貯留する適切な貯留層の探査ないしは開発についても、石油やガスの開発、生産に必要な技術と共通する部分も少なくないため、基本的にはこれまで石油、ガス等に用いてきた人材や機材を活用することも可能であるというふうに認識してございます。
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越智俊之#28
○越智俊之君 我が国を含めてカーボンニュートラル宣言を行っている国にとってはCCSが必要不可欠であること、また、CCS技術は既存技術で、五十年を超える石油、天然ガスの増産技術を気候変動対策に転用したものであり、確立している点は重要であると思っております。
 次に、中小企業・小規模事業者の脱炭素化についてお伺いいたします。
 経済産業省によれば、中小企業・小規模事業者の二酸化炭素排出量は一・二億トンから二・五億トンとされております。大手企業にサプライヤーとして納品している中小企業・小規模事業者にもこうした中に含まれていると思いますが、大手企業はサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの達成を求めていく可能性があり、この物づくり中小企業の中には二酸化炭素削減対策が不十分であるということから発注を受けられなくなる可能性があり、喫緊の課題であると考えております。
 そこで、中小企業・小規模事業者の脱炭素化を進めるためには具体的にはどのようなことをしなければならないでしょうか。私は、まず自社がどれだけの二酸化炭素を排出しているのかを把握することが必要であり、その上で対策が必要になりますが、いずれも対策ができていないとまだ考えております。具体的に何をすべきかという点と、どのような支援策が中小企業・小規模事業者に利用できるものであるのでしょうか。政府参考人にお伺いいたします。
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田中哲也#29
○政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す企業も出てきておりまして、こうした中、近年、中小企業において、取引先から排出量の把握や排出削減の協力要請を行われるようなケースが増え始めております。
 こうした動きに対応するため、これも委員御指摘のとおりでございますけれども、自社の排出量を把握した上で脱炭素効果の高いGX投資を実行していく必要があるというふうに認識しています。また、GX投資に取り組むことはエネルギーコストの削減や受注の拡大につながる可能性があるといったメリットもございます。
 このため、経済産業省といたしましても、排出量の算定方法を分かりやすくまとめた資料を作成し、GXに取り組むメリット等への理解増進を図るセミナーを開催を含め、広報を開始しているところでございます。
 さらに、専門家が中小企業に対して具体的な省エネアドバイスをする省エネ診断について、前年の申込実績の二倍の案件数に対応できるよう必要な予算措置を講ずることに加えまして、中小企業等の省エネ投資を支援する省エネ補助金などの支援策も大幅に拡充して取り組んでいるところでございます。
 引き続き、中小企業のGX推進に向けまして、経産省としてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
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