本会議
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会
会議録情報#0
令和六年二月一日(木曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
令和六年二月一日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、議員室井邦彦君逝去につき哀悼の件
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この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第三号
令和六年二月一日
午前十時開議
第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、議員室井邦彦君逝去につき哀悼の件
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尾
尾辻秀久#1
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
去る一月三十日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。水岡俊一君。
〔水岡俊一君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
去る一月三十日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。水岡俊一君。
〔水岡俊一君登壇、拍手〕
水
水岡俊一#2
○水岡俊一君 立憲民主・社民の水岡俊一です。
会派を代表して、総理に質問いたします。
今年は、元日から能登半島を中心とする北陸地方で大災害が発生するという厳しく悲しい年の始まりとなりました。大切な方を亡くされた御遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げます。そして、今なお避難生活を余儀なくされている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
二十九年前、神戸であの阪神・淡路大震災を経験し、そのことがきっかけで政治の道を進むことになった私としては、災害と向き合うことがずっとテーマでした。被災者生活再建支援法の抜本改正、学校の耐震化や避難所機能強化など、災害のたびに対応策を検討すると同時に、防災・減災について考えてきました。
今日は二月一日、能登半島地震から一か月であります。今まさに我々国会議員は、知恵を絞り、言葉を尽くし、与野党それぞれの立場、視点から国民の生活を守っていくべきときであります。そのようなときに、地元石川県選出で政府の現地対策本部副部長でもある総務大臣政務官と災害からの復旧復興を担当する国土交通大臣政務官が自民党の裏金事件を受けて突如辞任するとは、一体何をやっているのか。裏金を受け取りながら政務三役を続けていたということか。大変嘆かわしいと言わざるを得ません。
岸田総理は政治刷新と政策推進で責任を果たすとおっしゃっておいでですが、政務三役すら十分にチェックできていない岸田総理に政治刷新を語る資格はあるのでしょうか。
昨日も、安倍派議員らの関係九十五団体で、五年で六億七千六百五十四万円ものキックバックの不記載があったことが明らかになりました。これは、政治と金ではなく、自民党と裏金の問題なのであります。今まさに目の前で起こっている震災対応にまで悪影響を与えているのです。このことに強く抗議申し上げ、質問に入りたいと思います。
総理に一つ目の質間です。政府は、これまで何度も指摘されていた能登半島沖地震の可能性をなぜ無視してきたのですか。
専門家の間で知られていたのは、産業技術研究所の調査です。珠洲沖や輪島沖などには数十キロにわたる複数の断層が見付かっており、志賀原発の安全性をめぐる評価で考慮されるなどしていました。また、国土交通省が中心となった日本海における大規模地震に関する調査検討会は、十年前に日本海側六十か所の海底活断層を調査していました。その中のF42、F43という二本の断層モデルが今回の震源域と物の見事に重なっており、地震が起きたらその規模はマグニチュード七・六以上になるとまで、ぴたりと想定されていたというではありませんか。なぜこの調査を生かせなかったのでしょうか。そして、なぜ広く周知されなかったのでしょうか。政府の地震調査委員会はこの断層を把握していたのにもかかわらず、長期評価、つまり地震の規模や三十年以内に何%といった発生確率などの予測をしなかったといいます。なぜですか。南海トラフの方に意識が傾き過ぎていませんでしたか。政府として責任が問われると考えます。総理、お答えください。
次に、先週の参議院予算委員会で杉尾秀哉議員が質問した道路啓開計画についてです。地震後十三日目に現地に入った杉尾議員は、道路整備がほとんど手付かずだったようで、何でこんなに遅いのかと疑問を持ち、初動の遅れを感じたと言っています。改めて総理にお伺いします。
質問二。なぜ、北陸地方整備局においては、災害発生時に緊急車両などを通行させるため、最低限の瓦れきや土砂を処理する救援ルートを確保する道路啓開の計画を立てられていなかったのでしょうか。地震災害が想定されておらず、啓開計画が立てられていなかったとすれば、紛れもなく政府の怠慢であり、災害対策の初動対応の遅れにつながったと見るべきではありませんか。昨年の参議院災害対策特別委員会でも能登半島の道路整備が議論されていたことから、何度も注意喚起されていたはずです。迅速な救援活動ができていなかったことの要因の一つは、ここにあるのではないですか。
能登半島地震の翌日二日には、羽田空港にて日本航空機と海上保安庁機が滑走路上で衝突する事故が発生しました。
海上保安庁機に搭乗し、犠牲になられた海上保安庁職員の皆様に深く哀悼の意を表します。
日本航空機の乗客乗員三百七十九名全員の命が助かったことは奇跡的であり、乗務員や空港関係者、医療関係者など、多くの方々の御努力のおかげだと感謝申し上げます。
現在、運輸安全委員会によって原因究明が進められていますが、立憲民主党でも情報連絡室を設置して情報収集を続けてきました。今後の事故調査の推移を注視しながら、今回の事故で明らかとなった課題を点検し、再発防止の徹底を図るとともに、安全を前提として空港の価値を最大限発揮できる環境の整備を進めるべきであると考えます。
そこで、総理に質問三です。今回の事故の解明についてはまだ時間が必要ですが、そもそも羽田空港の管制官の人員は足りているのでしょうか。世界でも指折りの混雑空港と言われる羽田空港は、便数も急増していますが、管制官等全体の人数は国に定められた定員が減少しています。当然ながら一人当たりの取り扱う機体の数は増えています。
原因が解明される前であってもでき得る今後の事故防止への一つの策として、管制官の人員を強化すべきではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
また、アメリカなどでは、航空機事故の際、再発防止のための真実の証言を確保するために、刑事責任を免除して証言させるとともに、事故調査の結果や調査で得られた証言をそのまま損害賠償請求訴訟等の民事責任追及に利用することを禁じています。
質問四です。日本でも個人への刑事免責を視野に入れる必要性はないでしょうか。次の事故を防ぐためには、関係者に自分のマイナスになるような事実も洗いざらい話してもらう必要があります。総理はいかがお考えでしょうか。
政治資金規正法は、一九四八年に政治の腐敗を防止する目的で制定されました。最初の大きな改正は一九七五年、自民党を中心とした政界の黒い霧事件が起きて、金権政治に国民の不満が高まっていた時代です。その後、幾度も政治と金の不正が発覚するたびに政治資金規正法の改正が重ねられてきました。
しかし、今回の裏金問題は、自民党の派閥というシステム内で政治家自らが発案して、領袖クラスどころか多数の議員が組織的、積極的に行っていたことから、その悪質性はロッキードやリクルート事件を優に超えるのではないでしょうか。
裏金議員は、明らかに議員辞職に値します。自民党は、過去に緊急事態宣言下で銀座のクラブに行っていた議員を離党させました。今回の裏金議員はそれよりもよっぽど悪質なのに、離党も除名も辞職もしない。これは一体どういうことでしょうか。
ロッキード事件、リクルート事件の際には、国会は特別委員会を設置し、当事者たちを証人喚問して、究明と再発防止に努めました。また、その後の政治資金規正法改正につながりました。今回、政治刷新本部をつくったことを岸田総理は高らかに喧伝していますが、これは法改正も必要なほどの大きな事件です。
総理に質問五です。自民党が本気であるのならば、政治刷新本部においてではなく、国会で特別委員会を設置するなど、徹底的な議論により全容解明を行うべきではないでしょうか。総理、信頼は揺らいでいるのではなく、既に失われました。派閥を解散してうやむやにするのではなく、政策集団として存続したまま金や人事の問題と決別すべきではなかったのでしょうか。問題は、派閥ではなく、裏金です。
現在、物流は言うまでもなく日本の経済活動や生活を支える重要な社会インフラでありながら、現場は価格競争に伴う厳しい取引環境に置かれています。長時間の荷待ちや契約にない附帯作業などによる長時間労働など、様々な課題を抱えており、トラックドライバーを始めとする物流分野における人手不足の大きな原因となっています。
今年の四月から自動車運転業務の時間外労働の上限が年間九百六十時間となるなど、過酷な労働環境を是正する一方で、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、物流が停滞する可能性が懸念されています。同じような問題は建設業でも起こっています。
二〇一八年の働き方改革関連法における労働基準法の改正の際には、自動車運転業務について、十分な猶予期間が必要との理由から、五年間の猶予の後、本年四月からの施行となりました。
質問六です。猶予期間は終わりますが、総理は業界において十分な準備ができているとお考えですか。物流業界における商慣行の課題等を踏まえ、政府はこれまで具体的にどのような対策を講じてきたのか、なぜいまだその課題解消に至っていないのか、お伺いします。
その上で、政府の新たな対策にはこれまでの取組とどのような違いがあるのか、また、実効性ある対策として具体的にどのような取組が行われ、物流業界の課題解消が実現できるのか、総理の見解を伺います。
環境省の前身である環境庁の設置から半世紀五十年、また環境基本法制定から三十年を経過してなお、環境課題は複雑化、深刻化しています。
しかし、環境に対する国内外の社会情勢や国民理解が変わってきているにもかかわらず、政府の環境政策の方向性を定める基本法は全く見直されていません。それどころか、昨年は様々な課題が指摘されていたGX推進法案やGX脱炭素電源法案が環境委員会ではなく経産委員会で議論されるなど、経済最優先の政策志向となっています。
質問七です。総理が環境と経済の両立が必要と言いながら、実は環境を軽視し、経済を最優先としてきたのはなぜですか。そうすることで、人の健康や環境に重大かつ不可逆的な被害をもたらすとともに、結局のところ経済にも大きな負の影響を与えることは歴史が証明しています。昨今の気候変動政策の中で提言される気候正義といった世代間、地域間を超えた公平性の考え方や、健康や環境への被害を防止するための予防的な考えを踏まえ、時代が求める基本法の改正が必要不可欠と考えますが、総理の見解を伺います。
二〇二三年九月、これまで水俣病と認定されず、水俣病特措法の救済対象外であった原告の全員を水俣病と認める判決を大阪地裁が出しました。この判決は、二〇〇九年の特措法では救済されなかった被害者の訴えが司法の場で認められた画期的な判決です。しかし、国、熊本県及びチッソは控訴に踏み切りました。
水俣病特措法施行から十四年がたち、被害者の高齢化が進む中で、救済されず被害に苦しんでいる多数の方が存在しています。特措法の救済を受けるべき人々があたう限り全て救済するという原則がいまだに実現されていない以上、法制度を含めた見直しを検討すべきです。また、特措法で定められた健康調査はいまだに実施されていません。いたずらに調査手法の研究開発に時間を費やすのではなく、直ちに実施すべきです。総理の見解を伺います。
文科省の発表によると、二〇二二年度の不登校児童生徒数は二十九万九千四十八人と、前年度比二二・一%増で過去最多となりました。病気や経済的な理由による者を除かなければ、更に多くの子供たちが学校に行けなくなっています。
十年前と比較すると小学生は三・六倍、中学生は二・一倍となっており、この間に急激に増加していることが明らかになっています。そして、この一年では五万四千百八人も増えており、約三十人に一人、クラスに一人が不登校の状態にあるというのは、もはや新型コロナの影響など環境の変化ということだけで片付けられない状況であります。
なぜ学校に行けないのか自分でも分からないという子供や、学校は競争ばかりだから、時間に縛られてばかりと悩む子供が多くいる中で、サボり、わがままだと決め付けての対応は全く意味を成しません。
そこで、総理に質問九です。今までの学校というものの在り方や、学習のスタイルそのものが根本的に問われる時代に入ったとお感じになりませんか。
受験競争が過熱ぎみの韓国は、学校に行かない子供が増えていることから、国が教育改革に踏み込み始めていると聞きます。全ての子供の学びをどう保障するか、学びの選択肢を増やす取組が始まっています。
教育機会確保法が成立し、学びの多様化学校が僅かに認知され始めた日本においては、学校に行くのが全てではなく、多様な学びを国や自治体が強く支援することが求められていると考えますが、総理の御所見をお伺いします。
昨年の代表質問で総理に教員不足についてお尋ねしました。総理からは、政府として危機感を持って受け止めているとし、国として様々な取組を強化するとの御答弁がありましたので、今年改めてお聞きします。
質問十。政府としてその後どのような取組を行い、結果としてどの程度の成果があったのか、お示しください。
全国で今年度新学期当初に担任の配置がない学級がどの程度あったのか、そして、現在、学級担任や教科担任にどの程度の欠員が生じているのか、前年度との比較を基に総理の御所見を示してください。
教員不足の原因は様々でありますが、理不尽な超過勤務実態はその最たるものの一つだと言われています。定額働かせ放題を引き起こす給特法が根本的な原因であることは周知の事実であり、文科省はさきの給特法改正において、勤務実態調査を実施した後、それに基づいて抜本的な見直しを行うと明確に大臣などが答弁を行っています。
文科省の調査では、教員は持ち帰りの仕事を省いても月八十時間残業の過労死ライン超えが小学校で一四%、中学校では三六%にも及んでいます。どんなに業務量が膨らんでも教員が何とかするという考え方を改めないといけません。
質問十一です。幾ら働き方改革を徹底しても、教員の長時間労働の根本的問題は解決できないという観点に立ち、教員の一人当たりの持ち授業数を減らすことが求められています。総理は、いかに給特法、義務標準法の改正を行い、教職員が子供たちと向き合う時間を保障していくことを考えているのか、お聞かせください。
次に、国際人権を取り上げますが、私の参考書としている藤田早苗博士がお書きになった「武器としての国際人権」から引用しながら質問いたします。
日本では、人権を話題に取り上げるとき、困っている人のためのもの、弱い立場の人の問題と考えている人が多いようです。ある元国連人権高等弁務官が次のように述べています。人は生きるために一日二万回呼吸する必要があるが、呼吸の数を意識している人は少ない。でも、例えば首を絞められて呼吸ができなくなるとその重要性に気付く。人権も同じで、失いそうになって初めて人はその重要性に気付く。
私たちは、自分が当事者になって初めて人権問題の重要性に気付くことが多い。要は、人権は困っている弱い立場の人だけの問題ではないのです。
だからこそ、私たちは人権を意識しながら政治に関わっていかねばならないと思います。その際のチェックシートとなるのは、国際人権規約、条約です。日本は八つの国際人権文書を批准しており、そこで規定されている権利と義務が果たされているか定期的に審査されています。
そこで、総理に質問十二です。日本国憲法は条約を誠実に遵守することを定めており、批准した条約は国内でも法的拘束力を持つとされていますが、政府は度々勧告に対し法的拘束力を持たないと無視するのはなぜですか。
かつて日本は、自由権規約委員会での審査の際、当時のナイジェル・ロドリー議長から、日本はこれまで何度も同じ勧告を受けてきて全く改善しようとしない、まるで国際社会に対して反抗しているように見えると極めて厳しい言葉を浴びました。
国連や人権保障制度の下で打ち立てられた規範と制度の総称である国際人権法に関して総理はどのような見解をお持ちなのか、お示しください。
自民党の衆議院議員が二〇一六年にアイヌ民族を差別する投稿を自身のSNSやブログへ行ったことについて、札幌法務局が人権侵犯と認定しました。しかし、驚くことにその議員は、人権侵犯を認定された後もアイヌ民族を差別したことを認めず、差別の意図はない、もしもあのブログを読んでどなたも傷ついていないのであれば謝罪をする必要はないとまで表明しているのです。これに呼応するかのように、SNSなどインターネット上では人権侵犯の申立てをした方やアイヌ民族に対する暴言、誹謗中傷が起き、それは現在も続いています。
これに対し、北海道アイヌ協会は昨年十二月、法務局による認定後においても国会議員の立場であるにもかかわらず発言が繰り返されるのは大変遺憾との見解を公表しています。
二〇一九年に成立したアイヌ施策推進法は、アイヌの人々への差別行為を禁止しています。
総理に質問十三です。国会議員が差別を差別と認めない姿勢は、差別を禁止する法規定の実現を妨げることになりませんか。総理の見解をお示しください。
アイヌ施策推進法が成立した際、委員会での附帯決議では、不当な差別的言動の解消に向けた実効性のある具体的措置を講ずることを求めています。また、附則では、施行後五年で検討を加え、必要があれば所要の措置も講ずるとされています。今回の事案によって、現行制度では差別的言動の解消が困難であることが明らかになりました。今こそ実効性のある具体的措置を急ぐとともに、改正の検討を始めるべきではありませんか。
国会議員の女性比率が低いことは、長年にわたる日本の課題です。
参議院の我が会派、立憲民主・社民は、所属議員四十人のうち女性が二十人で男女同数を達成しています。日本版パリテ法と呼ばれ、二〇一八年に施行された政治分野における男女共同参画の推進に関する法律に忠実な会派と言えます。しかし、参議院全体では女性比率は三割に届かず、衆議院においては僅か一割にすぎません。日本の女性国会議員比率は、参議院の場合、世界で八十八位、衆議院は百六十四位です。
国会で議会のジェンダー配慮への評価に関するアンケート調査を行ったところ、現在の国会における女性議員の数は十分かという設問に対して、八割以上の議員が不十分若しくはどちらかといえば不十分と答えています。
イギリスでは、同じように自己点検を行い、その報告書を受けて産休中の議員に代理投票を認めるなど、実際に改革が進んでいます。
議会がジェンダー平等において後れを取っている状況は、民意を反映する場としてふさわしくありません。総理、政府としても、政治分野のジェンダー平等を進めるべく、積極的な策を講じる行動に出ませんか。お答えください。
最後に申し上げます。
多額の献金をする企業や業界ばかりに国の予算を付けることを続けている限り、この国はまともな国にはなれません。金権政治に今こそピリオドを打ち、この国に暮らす全ての人の安心、安全を求め続ける政治を続けようではありませんか。
総理の明確な答弁を求め、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、総理に質問いたします。
今年は、元日から能登半島を中心とする北陸地方で大災害が発生するという厳しく悲しい年の始まりとなりました。大切な方を亡くされた御遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げます。そして、今なお避難生活を余儀なくされている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
二十九年前、神戸であの阪神・淡路大震災を経験し、そのことがきっかけで政治の道を進むことになった私としては、災害と向き合うことがずっとテーマでした。被災者生活再建支援法の抜本改正、学校の耐震化や避難所機能強化など、災害のたびに対応策を検討すると同時に、防災・減災について考えてきました。
今日は二月一日、能登半島地震から一か月であります。今まさに我々国会議員は、知恵を絞り、言葉を尽くし、与野党それぞれの立場、視点から国民の生活を守っていくべきときであります。そのようなときに、地元石川県選出で政府の現地対策本部副部長でもある総務大臣政務官と災害からの復旧復興を担当する国土交通大臣政務官が自民党の裏金事件を受けて突如辞任するとは、一体何をやっているのか。裏金を受け取りながら政務三役を続けていたということか。大変嘆かわしいと言わざるを得ません。
岸田総理は政治刷新と政策推進で責任を果たすとおっしゃっておいでですが、政務三役すら十分にチェックできていない岸田総理に政治刷新を語る資格はあるのでしょうか。
昨日も、安倍派議員らの関係九十五団体で、五年で六億七千六百五十四万円ものキックバックの不記載があったことが明らかになりました。これは、政治と金ではなく、自民党と裏金の問題なのであります。今まさに目の前で起こっている震災対応にまで悪影響を与えているのです。このことに強く抗議申し上げ、質問に入りたいと思います。
総理に一つ目の質間です。政府は、これまで何度も指摘されていた能登半島沖地震の可能性をなぜ無視してきたのですか。
専門家の間で知られていたのは、産業技術研究所の調査です。珠洲沖や輪島沖などには数十キロにわたる複数の断層が見付かっており、志賀原発の安全性をめぐる評価で考慮されるなどしていました。また、国土交通省が中心となった日本海における大規模地震に関する調査検討会は、十年前に日本海側六十か所の海底活断層を調査していました。その中のF42、F43という二本の断層モデルが今回の震源域と物の見事に重なっており、地震が起きたらその規模はマグニチュード七・六以上になるとまで、ぴたりと想定されていたというではありませんか。なぜこの調査を生かせなかったのでしょうか。そして、なぜ広く周知されなかったのでしょうか。政府の地震調査委員会はこの断層を把握していたのにもかかわらず、長期評価、つまり地震の規模や三十年以内に何%といった発生確率などの予測をしなかったといいます。なぜですか。南海トラフの方に意識が傾き過ぎていませんでしたか。政府として責任が問われると考えます。総理、お答えください。
次に、先週の参議院予算委員会で杉尾秀哉議員が質問した道路啓開計画についてです。地震後十三日目に現地に入った杉尾議員は、道路整備がほとんど手付かずだったようで、何でこんなに遅いのかと疑問を持ち、初動の遅れを感じたと言っています。改めて総理にお伺いします。
質問二。なぜ、北陸地方整備局においては、災害発生時に緊急車両などを通行させるため、最低限の瓦れきや土砂を処理する救援ルートを確保する道路啓開の計画を立てられていなかったのでしょうか。地震災害が想定されておらず、啓開計画が立てられていなかったとすれば、紛れもなく政府の怠慢であり、災害対策の初動対応の遅れにつながったと見るべきではありませんか。昨年の参議院災害対策特別委員会でも能登半島の道路整備が議論されていたことから、何度も注意喚起されていたはずです。迅速な救援活動ができていなかったことの要因の一つは、ここにあるのではないですか。
能登半島地震の翌日二日には、羽田空港にて日本航空機と海上保安庁機が滑走路上で衝突する事故が発生しました。
海上保安庁機に搭乗し、犠牲になられた海上保安庁職員の皆様に深く哀悼の意を表します。
日本航空機の乗客乗員三百七十九名全員の命が助かったことは奇跡的であり、乗務員や空港関係者、医療関係者など、多くの方々の御努力のおかげだと感謝申し上げます。
現在、運輸安全委員会によって原因究明が進められていますが、立憲民主党でも情報連絡室を設置して情報収集を続けてきました。今後の事故調査の推移を注視しながら、今回の事故で明らかとなった課題を点検し、再発防止の徹底を図るとともに、安全を前提として空港の価値を最大限発揮できる環境の整備を進めるべきであると考えます。
そこで、総理に質問三です。今回の事故の解明についてはまだ時間が必要ですが、そもそも羽田空港の管制官の人員は足りているのでしょうか。世界でも指折りの混雑空港と言われる羽田空港は、便数も急増していますが、管制官等全体の人数は国に定められた定員が減少しています。当然ながら一人当たりの取り扱う機体の数は増えています。
原因が解明される前であってもでき得る今後の事故防止への一つの策として、管制官の人員を強化すべきではないでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
また、アメリカなどでは、航空機事故の際、再発防止のための真実の証言を確保するために、刑事責任を免除して証言させるとともに、事故調査の結果や調査で得られた証言をそのまま損害賠償請求訴訟等の民事責任追及に利用することを禁じています。
質問四です。日本でも個人への刑事免責を視野に入れる必要性はないでしょうか。次の事故を防ぐためには、関係者に自分のマイナスになるような事実も洗いざらい話してもらう必要があります。総理はいかがお考えでしょうか。
政治資金規正法は、一九四八年に政治の腐敗を防止する目的で制定されました。最初の大きな改正は一九七五年、自民党を中心とした政界の黒い霧事件が起きて、金権政治に国民の不満が高まっていた時代です。その後、幾度も政治と金の不正が発覚するたびに政治資金規正法の改正が重ねられてきました。
しかし、今回の裏金問題は、自民党の派閥というシステム内で政治家自らが発案して、領袖クラスどころか多数の議員が組織的、積極的に行っていたことから、その悪質性はロッキードやリクルート事件を優に超えるのではないでしょうか。
裏金議員は、明らかに議員辞職に値します。自民党は、過去に緊急事態宣言下で銀座のクラブに行っていた議員を離党させました。今回の裏金議員はそれよりもよっぽど悪質なのに、離党も除名も辞職もしない。これは一体どういうことでしょうか。
ロッキード事件、リクルート事件の際には、国会は特別委員会を設置し、当事者たちを証人喚問して、究明と再発防止に努めました。また、その後の政治資金規正法改正につながりました。今回、政治刷新本部をつくったことを岸田総理は高らかに喧伝していますが、これは法改正も必要なほどの大きな事件です。
総理に質問五です。自民党が本気であるのならば、政治刷新本部においてではなく、国会で特別委員会を設置するなど、徹底的な議論により全容解明を行うべきではないでしょうか。総理、信頼は揺らいでいるのではなく、既に失われました。派閥を解散してうやむやにするのではなく、政策集団として存続したまま金や人事の問題と決別すべきではなかったのでしょうか。問題は、派閥ではなく、裏金です。
現在、物流は言うまでもなく日本の経済活動や生活を支える重要な社会インフラでありながら、現場は価格競争に伴う厳しい取引環境に置かれています。長時間の荷待ちや契約にない附帯作業などによる長時間労働など、様々な課題を抱えており、トラックドライバーを始めとする物流分野における人手不足の大きな原因となっています。
今年の四月から自動車運転業務の時間外労働の上限が年間九百六十時間となるなど、過酷な労働環境を是正する一方で、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、物流が停滞する可能性が懸念されています。同じような問題は建設業でも起こっています。
二〇一八年の働き方改革関連法における労働基準法の改正の際には、自動車運転業務について、十分な猶予期間が必要との理由から、五年間の猶予の後、本年四月からの施行となりました。
質問六です。猶予期間は終わりますが、総理は業界において十分な準備ができているとお考えですか。物流業界における商慣行の課題等を踏まえ、政府はこれまで具体的にどのような対策を講じてきたのか、なぜいまだその課題解消に至っていないのか、お伺いします。
その上で、政府の新たな対策にはこれまでの取組とどのような違いがあるのか、また、実効性ある対策として具体的にどのような取組が行われ、物流業界の課題解消が実現できるのか、総理の見解を伺います。
環境省の前身である環境庁の設置から半世紀五十年、また環境基本法制定から三十年を経過してなお、環境課題は複雑化、深刻化しています。
しかし、環境に対する国内外の社会情勢や国民理解が変わってきているにもかかわらず、政府の環境政策の方向性を定める基本法は全く見直されていません。それどころか、昨年は様々な課題が指摘されていたGX推進法案やGX脱炭素電源法案が環境委員会ではなく経産委員会で議論されるなど、経済最優先の政策志向となっています。
質問七です。総理が環境と経済の両立が必要と言いながら、実は環境を軽視し、経済を最優先としてきたのはなぜですか。そうすることで、人の健康や環境に重大かつ不可逆的な被害をもたらすとともに、結局のところ経済にも大きな負の影響を与えることは歴史が証明しています。昨今の気候変動政策の中で提言される気候正義といった世代間、地域間を超えた公平性の考え方や、健康や環境への被害を防止するための予防的な考えを踏まえ、時代が求める基本法の改正が必要不可欠と考えますが、総理の見解を伺います。
二〇二三年九月、これまで水俣病と認定されず、水俣病特措法の救済対象外であった原告の全員を水俣病と認める判決を大阪地裁が出しました。この判決は、二〇〇九年の特措法では救済されなかった被害者の訴えが司法の場で認められた画期的な判決です。しかし、国、熊本県及びチッソは控訴に踏み切りました。
水俣病特措法施行から十四年がたち、被害者の高齢化が進む中で、救済されず被害に苦しんでいる多数の方が存在しています。特措法の救済を受けるべき人々があたう限り全て救済するという原則がいまだに実現されていない以上、法制度を含めた見直しを検討すべきです。また、特措法で定められた健康調査はいまだに実施されていません。いたずらに調査手法の研究開発に時間を費やすのではなく、直ちに実施すべきです。総理の見解を伺います。
文科省の発表によると、二〇二二年度の不登校児童生徒数は二十九万九千四十八人と、前年度比二二・一%増で過去最多となりました。病気や経済的な理由による者を除かなければ、更に多くの子供たちが学校に行けなくなっています。
十年前と比較すると小学生は三・六倍、中学生は二・一倍となっており、この間に急激に増加していることが明らかになっています。そして、この一年では五万四千百八人も増えており、約三十人に一人、クラスに一人が不登校の状態にあるというのは、もはや新型コロナの影響など環境の変化ということだけで片付けられない状況であります。
なぜ学校に行けないのか自分でも分からないという子供や、学校は競争ばかりだから、時間に縛られてばかりと悩む子供が多くいる中で、サボり、わがままだと決め付けての対応は全く意味を成しません。
そこで、総理に質問九です。今までの学校というものの在り方や、学習のスタイルそのものが根本的に問われる時代に入ったとお感じになりませんか。
受験競争が過熱ぎみの韓国は、学校に行かない子供が増えていることから、国が教育改革に踏み込み始めていると聞きます。全ての子供の学びをどう保障するか、学びの選択肢を増やす取組が始まっています。
教育機会確保法が成立し、学びの多様化学校が僅かに認知され始めた日本においては、学校に行くのが全てではなく、多様な学びを国や自治体が強く支援することが求められていると考えますが、総理の御所見をお伺いします。
昨年の代表質問で総理に教員不足についてお尋ねしました。総理からは、政府として危機感を持って受け止めているとし、国として様々な取組を強化するとの御答弁がありましたので、今年改めてお聞きします。
質問十。政府としてその後どのような取組を行い、結果としてどの程度の成果があったのか、お示しください。
全国で今年度新学期当初に担任の配置がない学級がどの程度あったのか、そして、現在、学級担任や教科担任にどの程度の欠員が生じているのか、前年度との比較を基に総理の御所見を示してください。
教員不足の原因は様々でありますが、理不尽な超過勤務実態はその最たるものの一つだと言われています。定額働かせ放題を引き起こす給特法が根本的な原因であることは周知の事実であり、文科省はさきの給特法改正において、勤務実態調査を実施した後、それに基づいて抜本的な見直しを行うと明確に大臣などが答弁を行っています。
文科省の調査では、教員は持ち帰りの仕事を省いても月八十時間残業の過労死ライン超えが小学校で一四%、中学校では三六%にも及んでいます。どんなに業務量が膨らんでも教員が何とかするという考え方を改めないといけません。
質問十一です。幾ら働き方改革を徹底しても、教員の長時間労働の根本的問題は解決できないという観点に立ち、教員の一人当たりの持ち授業数を減らすことが求められています。総理は、いかに給特法、義務標準法の改正を行い、教職員が子供たちと向き合う時間を保障していくことを考えているのか、お聞かせください。
次に、国際人権を取り上げますが、私の参考書としている藤田早苗博士がお書きになった「武器としての国際人権」から引用しながら質問いたします。
日本では、人権を話題に取り上げるとき、困っている人のためのもの、弱い立場の人の問題と考えている人が多いようです。ある元国連人権高等弁務官が次のように述べています。人は生きるために一日二万回呼吸する必要があるが、呼吸の数を意識している人は少ない。でも、例えば首を絞められて呼吸ができなくなるとその重要性に気付く。人権も同じで、失いそうになって初めて人はその重要性に気付く。
私たちは、自分が当事者になって初めて人権問題の重要性に気付くことが多い。要は、人権は困っている弱い立場の人だけの問題ではないのです。
だからこそ、私たちは人権を意識しながら政治に関わっていかねばならないと思います。その際のチェックシートとなるのは、国際人権規約、条約です。日本は八つの国際人権文書を批准しており、そこで規定されている権利と義務が果たされているか定期的に審査されています。
そこで、総理に質問十二です。日本国憲法は条約を誠実に遵守することを定めており、批准した条約は国内でも法的拘束力を持つとされていますが、政府は度々勧告に対し法的拘束力を持たないと無視するのはなぜですか。
かつて日本は、自由権規約委員会での審査の際、当時のナイジェル・ロドリー議長から、日本はこれまで何度も同じ勧告を受けてきて全く改善しようとしない、まるで国際社会に対して反抗しているように見えると極めて厳しい言葉を浴びました。
国連や人権保障制度の下で打ち立てられた規範と制度の総称である国際人権法に関して総理はどのような見解をお持ちなのか、お示しください。
自民党の衆議院議員が二〇一六年にアイヌ民族を差別する投稿を自身のSNSやブログへ行ったことについて、札幌法務局が人権侵犯と認定しました。しかし、驚くことにその議員は、人権侵犯を認定された後もアイヌ民族を差別したことを認めず、差別の意図はない、もしもあのブログを読んでどなたも傷ついていないのであれば謝罪をする必要はないとまで表明しているのです。これに呼応するかのように、SNSなどインターネット上では人権侵犯の申立てをした方やアイヌ民族に対する暴言、誹謗中傷が起き、それは現在も続いています。
これに対し、北海道アイヌ協会は昨年十二月、法務局による認定後においても国会議員の立場であるにもかかわらず発言が繰り返されるのは大変遺憾との見解を公表しています。
二〇一九年に成立したアイヌ施策推進法は、アイヌの人々への差別行為を禁止しています。
総理に質問十三です。国会議員が差別を差別と認めない姿勢は、差別を禁止する法規定の実現を妨げることになりませんか。総理の見解をお示しください。
アイヌ施策推進法が成立した際、委員会での附帯決議では、不当な差別的言動の解消に向けた実効性のある具体的措置を講ずることを求めています。また、附則では、施行後五年で検討を加え、必要があれば所要の措置も講ずるとされています。今回の事案によって、現行制度では差別的言動の解消が困難であることが明らかになりました。今こそ実効性のある具体的措置を急ぐとともに、改正の検討を始めるべきではありませんか。
国会議員の女性比率が低いことは、長年にわたる日本の課題です。
参議院の我が会派、立憲民主・社民は、所属議員四十人のうち女性が二十人で男女同数を達成しています。日本版パリテ法と呼ばれ、二〇一八年に施行された政治分野における男女共同参画の推進に関する法律に忠実な会派と言えます。しかし、参議院全体では女性比率は三割に届かず、衆議院においては僅か一割にすぎません。日本の女性国会議員比率は、参議院の場合、世界で八十八位、衆議院は百六十四位です。
国会で議会のジェンダー配慮への評価に関するアンケート調査を行ったところ、現在の国会における女性議員の数は十分かという設問に対して、八割以上の議員が不十分若しくはどちらかといえば不十分と答えています。
イギリスでは、同じように自己点検を行い、その報告書を受けて産休中の議員に代理投票を認めるなど、実際に改革が進んでいます。
議会がジェンダー平等において後れを取っている状況は、民意を反映する場としてふさわしくありません。総理、政府としても、政治分野のジェンダー平等を進めるべく、積極的な策を講じる行動に出ませんか。お答えください。
最後に申し上げます。
多額の献金をする企業や業界ばかりに国の予算を付けることを続けている限り、この国はまともな国にはなれません。金権政治に今こそピリオドを打ち、この国に暮らす全ての人の安心、安全を求め続ける政治を続けようではありませんか。
総理の明確な答弁を求め、質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#3
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 水岡俊一議員の御質問にお答えいたします。
能登半島における地震の長期評価についてお尋ねがありました。
地震調査委員会では、活断層や海溝沿いで起きる地震について、地震活動、地殻変動、地質等の調査データに基づいて、それぞれの調査の進捗等に応じ、順次長期評価を行っていると承知をしています。日本海側の海域活断層については、令和四年の九州・中国地方沖の評価の公表に続いて、必要なデータの整理、分析をした上で、現在、能登地方沖を含む海域の評価を進めているところです。
能登地方の地震活動が継続している状況に鑑み、能登地方の海域活断層の長期評価を早急に進め、その結果を公表するとともに、必要な情報発信等を行ってまいります。
北陸地方における道路啓開計画の策定についてお尋ねがありました。
道路啓開計画については、首都直下及び南海トラフなどの科学的に発生確率が高い大規模地震から順次策定してきており、北陸地方においても策定に向け鋭意検討を進めていると聞いています。
今回、地震発災当初から国が自治体に代わって幹線道路の道路啓開に全力を挙げてきた結果、発災翌日には七尾市から輪島市、珠洲市などへの通行を確保し、約二週間後には約九割の道路啓開が完了するなど、極めて迅速な対応によって緊急輸送の大動脈となっています。二十四時間体制で尽力した事業者、作業員の皆様に心から敬意を表し申し上げます。
管制官の人員強化と刑事免責についてお尋ねがありました。
これまで、羽田空港の増便に対応すべく、管制官の増員などの体制強化を図ってきており、一人当たりの業務量が増加しているわけではありません。今回の事故を受け、滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員を配置したほか、この夏をめどにハード、ソフト両面から対策をまとめる予定であり、これらを踏まえて体制強化の必要性も判断してまいります。
なお、航空機事故における個人の刑事責任の免除については、刑罰の意義、目的や、被害者を含む国民感情も踏まえた慎重な検討が必要であると考えています。
政治改革の進め方についてお尋ねがありました。
政治刷新本部は国民の信頼回復に向けた我が党としての取組を議論するために立ち上げたものですが、制度面の改革については各党との真摯な協議が必要です。
国会における議論の進め方については国会で御判断いただくべき事柄でありますが、与野党における議論の場が設けられた場合には、我が党としても積極的に議論に貢献をしてまいります。
なお、派閥を解散するかどうかはそれぞれの政治団体の判断によるものですが、派閥を解散した場合であっても関係者の説明責任がなくなるというものではないと考えております。
物流二〇二四年問題への対応についてお尋ねがありました。
政府としては、二〇一八年に標準的運賃の制度を創設するほか、荷主への要請等に継続的に取り組みつつ、昨年には標準的運賃の八%引上げ方針の公表や、緊急増員したトラックGメンによる悪質荷主等への是正指導の大幅強化など、当面の輸送力不足の解消に向けた取組を進めております。
その上で、この問題は年々深刻化する構造的な課題でもあることから、今国会に賃上げ原資確保のための適正な運賃導入や物流効率化を進める法案を提出し、政府、荷主、物流業界が協力して物流の持続的成長の実現に全力を尽くしてまいります。
環境基本法の見直しについてお尋ねがありました。
我が国は、環境、経済、社会の統合的向上を旨とし、例えば温室効果ガスの二〇三〇年度削減目標に向けても、他の先進国における進捗に比べてもオントラックで着実に削減を進めるなど、環境面においても着実に成果を出しています。
環境基本法では、将来世代の利益、全ての者の公平な役割分担、環境保全上の支障の未然防止等が規定されています。その時々の最新の課題と環境政策の方向性について、これまでも環境基本計画において具体的に位置付け、取り組んできたところであり、本年、第六次環境基本計画の策定を予定しています。これらを通じて、今後とも時代が求める環境政策を進めてまいります。
水俣病対策についてお尋ねがありました。
昨年九月の大阪地裁判決については、関係省庁において内容を精査した上で、最高裁で確定した類似裁判の判決の内容と大きく相違することなどから、上訴審の判断を仰ぐ必要があると判断して控訴を行ったと承知をしています。
政府としては、水俣病の被害者救済について、引き続き公害健康被害補償法や水俣病被害者特措法に基づく給付等を適切に行っていくことが重要であると考えており、現時点で法制度を見直す必要があるとは承知しておりません。
水俣病の健康調査については、環境省において研究班を立ち上げ、専門家の議論も踏まえ、調査の実施に向けた検討を進めているものと承知をしております。
不登校対策についてお尋ねがありました。
政府としては、教育委員会や学校が責任を持って子供の状況や困難さ等に応じた学びの場を整備する観点から、校内教育支援センターの設置促進、教育委員会が不登校の子供への支援の知見を有する民間団体と連携するために必要な経費の支援など、緊急的な対応を含め不登校対策を行っております。
政府としては、子供たちが誰一人として取り残されることなく必要な支援を受けられるよう、しっかり取り組んでまいります。
教師不足の対策についてお尋ねがありました。
教師不足の直近の状況については、学校現場への調査負担を考慮し、実数による把握は行っておらず、前年度との詳細な比較等は困難であるものの、教育委員会を通じて実態を把握している中で、依然として厳しい状況であると認識をしています。
このため、喫緊の課題への対応として、教師人材の発掘を強化する取組を支援することとしました。また、指摘の給特法の在り方も含めた教師の処遇改善、学校の指導、運営体制等について、現在、中央教育審議会で議論を行っております。
政府としては、働き方改革の更なる加速化、処遇の改善、学校の指導、運営体制の充実、育成支援、これらを一体的に進めてまいります。
人権諸条約の委員会における勧告及び国際人権法についてお尋ねがありました。
人権諸条約の委員会による勧告が加盟国に対し法的拘束力を持たないことは当該条約の規定ぶりから明らかですが、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしており、無視をしているというわけではありません。
国際人権法について、人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも締結している国際人権諸条約を誠実に遵守をしてまいります。
国会議員のアイヌ民族に関する言動及びアイヌ施策推進法についてお尋ねがありました。
個々の議員の言動について政府の立場からコメントすることは控えますが、一般論として申し上げれば、アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として差別することはあってはならないことだと考えております。
いずれにしても、アイヌ施策推進法の附則の規定に基づき、同法の施行から五年が経過する本年五月以降、法の施行状況について検討を加え、必要に応じ、所要の措置を講じてまいります。
政治分野のジェンダー平等についてお尋ねがありました。
政治分野の男女共同参画推進は、政治に民意をより一層反映させる観点から重要であり、御指摘の法律の趣旨も踏まえ、女性候補者の割合が高まるよう、各政党に対する自主的な取組の要請、国や地方議会における女性議員の数の見える化や女性議員比率向上の好事例の広報などを着実に進めてまいります。拍手
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この発言だけを見る →能登半島における地震の長期評価についてお尋ねがありました。
地震調査委員会では、活断層や海溝沿いで起きる地震について、地震活動、地殻変動、地質等の調査データに基づいて、それぞれの調査の進捗等に応じ、順次長期評価を行っていると承知をしています。日本海側の海域活断層については、令和四年の九州・中国地方沖の評価の公表に続いて、必要なデータの整理、分析をした上で、現在、能登地方沖を含む海域の評価を進めているところです。
能登地方の地震活動が継続している状況に鑑み、能登地方の海域活断層の長期評価を早急に進め、その結果を公表するとともに、必要な情報発信等を行ってまいります。
北陸地方における道路啓開計画の策定についてお尋ねがありました。
道路啓開計画については、首都直下及び南海トラフなどの科学的に発生確率が高い大規模地震から順次策定してきており、北陸地方においても策定に向け鋭意検討を進めていると聞いています。
今回、地震発災当初から国が自治体に代わって幹線道路の道路啓開に全力を挙げてきた結果、発災翌日には七尾市から輪島市、珠洲市などへの通行を確保し、約二週間後には約九割の道路啓開が完了するなど、極めて迅速な対応によって緊急輸送の大動脈となっています。二十四時間体制で尽力した事業者、作業員の皆様に心から敬意を表し申し上げます。
管制官の人員強化と刑事免責についてお尋ねがありました。
これまで、羽田空港の増便に対応すべく、管制官の増員などの体制強化を図ってきており、一人当たりの業務量が増加しているわけではありません。今回の事故を受け、滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員を配置したほか、この夏をめどにハード、ソフト両面から対策をまとめる予定であり、これらを踏まえて体制強化の必要性も判断してまいります。
なお、航空機事故における個人の刑事責任の免除については、刑罰の意義、目的や、被害者を含む国民感情も踏まえた慎重な検討が必要であると考えています。
政治改革の進め方についてお尋ねがありました。
政治刷新本部は国民の信頼回復に向けた我が党としての取組を議論するために立ち上げたものですが、制度面の改革については各党との真摯な協議が必要です。
国会における議論の進め方については国会で御判断いただくべき事柄でありますが、与野党における議論の場が設けられた場合には、我が党としても積極的に議論に貢献をしてまいります。
なお、派閥を解散するかどうかはそれぞれの政治団体の判断によるものですが、派閥を解散した場合であっても関係者の説明責任がなくなるというものではないと考えております。
物流二〇二四年問題への対応についてお尋ねがありました。
政府としては、二〇一八年に標準的運賃の制度を創設するほか、荷主への要請等に継続的に取り組みつつ、昨年には標準的運賃の八%引上げ方針の公表や、緊急増員したトラックGメンによる悪質荷主等への是正指導の大幅強化など、当面の輸送力不足の解消に向けた取組を進めております。
その上で、この問題は年々深刻化する構造的な課題でもあることから、今国会に賃上げ原資確保のための適正な運賃導入や物流効率化を進める法案を提出し、政府、荷主、物流業界が協力して物流の持続的成長の実現に全力を尽くしてまいります。
環境基本法の見直しについてお尋ねがありました。
我が国は、環境、経済、社会の統合的向上を旨とし、例えば温室効果ガスの二〇三〇年度削減目標に向けても、他の先進国における進捗に比べてもオントラックで着実に削減を進めるなど、環境面においても着実に成果を出しています。
環境基本法では、将来世代の利益、全ての者の公平な役割分担、環境保全上の支障の未然防止等が規定されています。その時々の最新の課題と環境政策の方向性について、これまでも環境基本計画において具体的に位置付け、取り組んできたところであり、本年、第六次環境基本計画の策定を予定しています。これらを通じて、今後とも時代が求める環境政策を進めてまいります。
水俣病対策についてお尋ねがありました。
昨年九月の大阪地裁判決については、関係省庁において内容を精査した上で、最高裁で確定した類似裁判の判決の内容と大きく相違することなどから、上訴審の判断を仰ぐ必要があると判断して控訴を行ったと承知をしています。
政府としては、水俣病の被害者救済について、引き続き公害健康被害補償法や水俣病被害者特措法に基づく給付等を適切に行っていくことが重要であると考えており、現時点で法制度を見直す必要があるとは承知しておりません。
水俣病の健康調査については、環境省において研究班を立ち上げ、専門家の議論も踏まえ、調査の実施に向けた検討を進めているものと承知をしております。
不登校対策についてお尋ねがありました。
政府としては、教育委員会や学校が責任を持って子供の状況や困難さ等に応じた学びの場を整備する観点から、校内教育支援センターの設置促進、教育委員会が不登校の子供への支援の知見を有する民間団体と連携するために必要な経費の支援など、緊急的な対応を含め不登校対策を行っております。
政府としては、子供たちが誰一人として取り残されることなく必要な支援を受けられるよう、しっかり取り組んでまいります。
教師不足の対策についてお尋ねがありました。
教師不足の直近の状況については、学校現場への調査負担を考慮し、実数による把握は行っておらず、前年度との詳細な比較等は困難であるものの、教育委員会を通じて実態を把握している中で、依然として厳しい状況であると認識をしています。
このため、喫緊の課題への対応として、教師人材の発掘を強化する取組を支援することとしました。また、指摘の給特法の在り方も含めた教師の処遇改善、学校の指導、運営体制等について、現在、中央教育審議会で議論を行っております。
政府としては、働き方改革の更なる加速化、処遇の改善、学校の指導、運営体制の充実、育成支援、これらを一体的に進めてまいります。
人権諸条約の委員会における勧告及び国際人権法についてお尋ねがありました。
人権諸条約の委員会による勧告が加盟国に対し法的拘束力を持たないことは当該条約の規定ぶりから明らかですが、我が国としては、関係省庁において勧告の内容を十分に検討することとしており、無視をしているというわけではありません。
国際人権法について、人権擁護は全ての国の基本的な責務であり、我が国としては、今後とも締結している国際人権諸条約を誠実に遵守をしてまいります。
国会議員のアイヌ民族に関する言動及びアイヌ施策推進法についてお尋ねがありました。
個々の議員の言動について政府の立場からコメントすることは控えますが、一般論として申し上げれば、アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として差別することはあってはならないことだと考えております。
いずれにしても、アイヌ施策推進法の附則の規定に基づき、同法の施行から五年が経過する本年五月以降、法の施行状況について検討を加え、必要に応じ、所要の措置を講じてまいります。
政治分野のジェンダー平等についてお尋ねがありました。
政治分野の男女共同参画推進は、政治に民意をより一層反映させる観点から重要であり、御指摘の法律の趣旨も踏まえ、女性候補者の割合が高まるよう、各政党に対する自主的な取組の要請、国や地方議会における女性議員の数の見える化や女性議員比率向上の好事例の広報などを着実に進めてまいります。拍手
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尾
福
福岡資麿#5
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿です。
私は、自由民主党を代表して、岸田総理大臣の施政方針演説等について質問を行います。
冒頭、令和六年元日の夕刻、石川県能登地方を震源として発生した令和六年能登半島地震により亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様にお悔やみ申し上げます。
また、今回の地震に伴い、けがをされた方々の一日も早い御回復を願うとともに、避難生活を余儀なくされている方々、被災をされた全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
自らが被災しているにもかかわらず、人命救助や避難生活への支援に当たられている被災地の自治体職員や医療・福祉分野の皆様、自衛隊や海上保安庁、全国各地から派遣されている警察、消防、DMAT等の医療関係者の皆様、ボランティアや全国から支援を寄せていただいている全ての方々に心から感謝申し上げます。
まず、政治への信頼回復から伺っていきます。
現在、自民党の政策集団の政治資金パーティーに関連して、それぞれの政策集団のみならず、自民党そのものの信頼が大きく低下しています。
総理・総裁は、民主主義を守るためには自らが変わらなければならない、自らが変わらなければ信頼を回復することができないと述べられた総裁選のときの原点に立ち返り、自民党に総裁の直属の機関として政治刷新本部を立ち上げました。
総理・総裁を先頭に、私たちは、政治への信頼を失わせてしまったことへの責任を謙虚に反省し、二度と繰り返さぬという覚悟の下、若手もベテランも、全ての所属議員が忌憚なく意見をぶつけ合う平場での議論も重ね、また、多様な外部有識者の参加も得ながら、精力的に再発防止や政治資金の透明性の拡大、さらには政策集団の在り方について検討を深めてまいりました。
そして、ここで新たな方向性を分かりやすく示すことができなければ、政治は国民のものと宣言し立党した自民党の存続そのものも揺らぎかねないとの強い危機感を持って、一月二十五日に中間とりまとめを党として決定しました。
まず、我が党再生の第一歩として、派閥が本来の政策集団に生まれ変わらなければならないとの認識の下、派閥からお金と人事の機能を切り離し、いわゆる派閥を解消することを掲げました。
また、政策集団による政治資金パーティーや人事への関与の禁止、収支報告書への外部監査導入とオンライン提出等の自主的な取組、さらに、各党との真摯な協議を経た上で、政治資金の透明化や公開性の向上、より厳格な責任体制の確立等のために必要な法整備等を行うことなどを改革の方向性として示しました。
信なくば立たず。あらゆる施策を遂行しようとしても、政治や政府への信頼がなければ立ち行きません。この中間とりまとめに示された方向性に沿って、政治改革のための取組を具体化し、国民の皆様からの信頼を取り戻していかなければならず、これからが正念場ですし、険しい道のりです。
そこで、自民党総裁の立場、そして総理の立場として、政治への信頼回復に向けて不退転の覚悟で、この中間とりまとめに示された方向性の下、不断の改革を実行していくために、どのようにリーダーシップを発揮していく決意でしょうか。その強い思いをお示しいただきたいと思います。
能登半島地震について伺ってまいります。
今回の能登半島地震は、過疎化により人口規模が小さい上に高齢化率が高く、自治体職員の数や財政力の面で限りがある能登地方に大きな被害をもたらしました。
地域をつなぎ、人の移動、生活物資の輸送、そして緊急時の命の道であった道路は寸断され、水道や電気、通信というライフラインもずたずたとなり、避難生活も長引くことが懸念されております。
そこで、まず、熊本地震を経験し、地元の参議院議員として復旧復興等に携わってこられた松村防災担当大臣に、能登半島地震における救助活動や避難支援、復旧復興は、熊本地震のそれらと比べてどのような難しさがあり、また、それをどう乗り越えて被災地を復旧復興させていく活動を行われているのでしょうか。お伺いをいたします。
政府の迅速な対応により激甚災害等の指定がなされました。これにより、自治体の財政負担は大幅に軽減されます。しかし、負担が軽減されたとしても、財政力が弱い被災自治体にとって、その負担が重ければ必要な復旧復興事業を進めることができなくなり、地域の再興も遠くなってしまいます。
そこで、補助率がかさ上げされても、なお財政負担を理由に被災地が必要と考える事業の着手にちゅうちょする自治体がないよう、国が責任を持ってこれまで以上に柔軟で手厚い支援を講じていく、そして大規模な財政支出が必要となっても必ず対応するという強い決意を総理自らが発信することで、希望のともしびが消えることがないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
続いて、災害関連死の防止について伺います。
避難所等での生活を余儀なくされている方々にとって最も避けるべきは災害関連死です。熊本地震では、災害関連死は、家屋倒壊など地震により直接亡くなられた方の四倍にもなりました。能登半島地域では、災害弱者と言われる高齢者の方々の比率が高い上に、厳冬期に発生した地震ということで寒さとの闘いになっています。
しかも、破損した水道管の修復に懸命に取り組んでおりますが、老朽化した施設が多かったことから被害が大きく、今も断水が解消されてない地域があります。飲料水の確保はもちろん、トイレ、お風呂、洗濯などの制約から衛生環境が悪化し、不衛生な環境の中で避難生活を送ることによる集団感染、あるいはトイレの回数を減らすために水分摂取を控えることによる体調不良などの懸念が生じています。
また、高血圧等の薬を服用する必要があるのに道路の寸断で薬が手に入らず服薬ができなくなった方や、人工透析が必要なのに断水により受けられなくなった方もおられました。
そこで、能登半島地震のように、人口が減少し高齢者率が高い地域で大地震などの自然災害が発生したときには、被災者の命を感染症の蔓延や体調の悪化等から守り抜くために、二次避難所の開設やそこへの移動の支援なども含めて、被災自治体に対してあらゆる支援措置を講じていくべきと考えますが、総理の強い覚悟をお聞かせください。
あわせて、高齢者や妊婦、乳幼児、障害者や難病患者の方々など、一般の避難所とは別の施設等での避難が望ましい方々についても、誰一人取り残さないという強い思いの下、どのように災害関連死から守っていくお考えでしょうか。総理の御所見をお聞かせください。
次も、国民の安全を守り抜くという観点から、何点か伺います。
まずは、羽田空港での航空機衝突事故の再発防止についてお伺いします。
先月二日、羽田空港C滑走路上で、着陸しようとした民間航空機と支援物資輸送のために離陸を待っていた海上保安庁機が衝突事故を起こしました。お亡くなりになられた海上保安庁の方々には心からお悔やみを申し上げます。また、民間航空機側で犠牲者を出さずに済んだことについては、日頃の訓練などの備えと適切な判断、乗客の方々の御協力に敬意を表します。
二度とこのような不幸な出来事が生じないよう、今回の事故をよく分析した上で、空への安全への信頼を回復するため、ミス撲滅に向けた二重三重のチェックや、システムの活用による再発防止策を早急に講ずることはもちろんです。それに加えて、世界でも有数の離着陸混雑空港の一つである羽田空港への安全性を更に高めるために、考え得るあらゆる手だてを講じることが不可欠だと考えます。これらについて総理の御所見をお伺いします。
次に、国民の命や健康を守る医薬品の安定供給について伺います。
新型コロナ蔓延期にはマスクや防護服、そして新型コロナ用ワクチンや治療薬の国内調達が課題となりました。衛生用品や医薬品を経済安全保障上の武器としかねない国から調達せざるを得なくなった場合、どれほど苦しい立場に追い込まれるかを実感したときであったと思います。
薬の主成分となる原薬やその原材料を輸入にばかり頼っていては、経済安全保障面での脆弱性は改善されません。ほとんどを中国から輸入している抗菌薬については、経済安全保障推進法が規定する生産や備蓄を国が支援する特定重要物資に指定され、日本の製薬企業が約三十年ぶりにペニシリンなど抗菌薬の原薬製造に乗り出すことになりました。
あわせて、昨今、ジェネリック医薬品の供給不足が問題となり、その影響で先発薬も不足ぎみになって、国民の間に不安が広がっています。大手ジェネリックメーカーの不祥事もありますが、薬価の問題で各メーカーとも特許切れ直後の薬を生産するため、多品種少量生産で、増産したくても十分な生産体制を維持できなくなっています。インフルエンザの流行などでせきやたんのお薬が不足しているとされますが、治療のための医薬品が必要なときに手元に届かないようであれば安心できません。
経済安全保障的観点からの戦略的な医薬品製造と、昨今のジェネリック医薬品不足を踏まえた供給体制の充実の双方について、国民の皆様が安心できるよう、厚生労働大臣から御所見を伺いたいと存じます。
我が国の食料安全保障にも不安があります。農村では、人口減少が加速している上に、農家の平均年齢も六十八歳を超えており、農業に従事することが難しくなる農家も増えつつあります。農業人口の減少以上に生産性を高めてきたことで何とか国民の食を支えてきましたが、高齢化した農家が農業から離れ、耕作放棄地も増えていくことが懸念されます。
現在、我が国は三十数年ぶりという物価上昇に直面し、食品の価格も上がっていますが、第一次産業の現場では、それ以上に肥料や飼料、燃料代の高騰で採算が取れなくなり、続けていくのはもう限界だという声も聞こえてきます。世界的に安全保障環境が厳しくなり、ロシアによるウクライナ侵略で見られたように、食料さえも経済安全保障上の武器になりかねない時代です。
このような状況の中、今通常国会に食料・農業・農村基本法改正法案の提出が予定されていますが、国民一人一人に安全で安心な国産の食料を供給できる農業をどのように持続的に維持発展させていくお考えでしょうか。その際、国民の皆様にはどのような点で我が国の農業への理解を求めていくお考えでしょうか。総理にお伺いいたします。
ここからは、経済成長について伺います。
年頭、総理は、本年は、物価高に負けずに我が国が長い間苦しんできたデフレ経済から脱出できるかどうかが決まる日本の将来にとって極めて重要な一年であると述べられました。そして、その実現は、物価上昇を上回る賃金引上げを継続的にできるかどうかに懸かっています。
政府は、物価高騰に負けない賃上げを後押しするため、全国の就業者の七割を占める中小企業が使いやすくなる賃上げ税制の拡充や、総計三兆円半ばの規模での所得税、住民税の定額減税、さらには、前例のない思い切った投資減税や中小企業の省人化、省エネ投資の支援など、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を強化していく旨明らかにしています。
あらゆる施策を総動員して、働く方々一人一人が給料の明細や振り込み額を見て賃上げを実感できる社会を実現しなければなりません。
そこで、前の年よりも手取りが増えたと実感できる物価上昇に負けない賃上げを実現するという総理の強い決意を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
関連して、医療、介護、福祉分野の賃上げについてお伺いします。
昨年末、政府は、六年ぶりとなる診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定に当たり、二〇二四年度からの診療報酬については人件費に回る本体部分を〇・八八%引き上げる一方、薬価、材料価格を一%下げ、全体で〇・一二%のマイナスとし、介護報酬については一・五九%引き上げることとしました。また、障害福祉サービス等報酬は一・一二%引き上げます。
一時、財務省は、医療機関の経営は堅調であることを示した資料を提示して、経営努力により賃上げすべきとの考えをにじませていましたが、現場で働く方々の待遇を改善できるような報酬改定となるよう総理がリーダーシップを発揮されたことを評価したいと思います。
政府は、今回の改定で、医療、介護、障害福祉分野の従事者に対し、今後二年間で計四・五%のベースアップを実現できると見込んでいるとのことですが、実際、医療や介護、障害福祉の現場において確実に賃上げが行われるかが最も肝腎です。
政府においては、医療、介護、福祉の現場に対し、今回の報酬引上げを受けてしっかりと賃上げがなされるように働きかけるとともに、賃上げが確実に担保されるような措置を講じていくことが必要と考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
続いて、中小企業の賃上げについて伺います。
昨年、公正取引委員会が価格転嫁について緊急的に調査を実施したところ、コスト別の転嫁率では、原材料価格やエネルギーコストと比べ、労務費の転嫁は遅れが目立つとの結果が出ています。その背景には、労務費の上昇分は受注者の生産性や効率性の向上を図ることで吸収すべき問題であるという意識が発注者側に根強いことや、交渉の過程で発注者から労務費の上昇に関する詳細な説明、資料の提出が求められるなどの理由で労務費の価格転嫁の要請をすることが困難だとの指摘があります。
公正取引委員会では、発注者が価格転嫁の要請を理由に取引停止など不利益な扱いをしてはならないことを明らかにし、場合によっては厳正な対応を求めていくことを示しておりますが、大企業の経営者側では、中小企業の生産性の向上や価格転嫁を通じて賃上げの原資をしっかりと確保していくことが重要だという意識も広がっています。
我が国のデフレ脱却は、日本全体の雇用の七割を抱えている中小企業で物価上昇に負けない賃上げが実現できるかどうかに懸かっているとの理解の下、総理自らどのように経済界に更に強く働きかけていく御所見でしょうか。お伺いいたします。
日本の少子化は極めて深刻な状況にあります。令和四年の合計特殊出生率は一・二六で、前年の一・三〇より低下し過去最低、出生数は七十七万人で、こちらも一八九九年以来最低となっています。この状況が続くと、二一一〇年には人口は現在の半分以下となり、一九一五年頃の日本の総人口に匹敵する規模となります。ただし、一九一五年頃は人口に占める高齢者の割合は僅か五%でしたが、将来予測の高齢化率四〇%とは大きく異なります。このことを念頭に少子化対策を考えていかなければなりません。
政府は、昨年末、こども未来戦略を決定し、子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデン並みの手厚い子ども・子育て政策へと大幅に拡充することとしました。
既に今年度から出産育児一時金の引上げや、ゼロ歳から二歳の伴走型支援が実施されています。今年十月からは、児童手当の所得制限撤廃や、高校生までの支給対象延長が行われ、さらに、第三子以降については月三万円に増額されます。
また、産後の一定期間に男女で育休を取得した場合の給付率を手取り十割にし、テレワークや短時間勤務など柔軟な働き方も広げていきます。これらがスピード感を持って決められました。
そして、少子化対策の拡充のための財源については、これまで総理は、徹底した歳出改革等によって確保することを原則としつつ、賃上げによって実質的な社会保険負担の軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担を生じさせないと説明されています。
しかし、実質的な負担が生じないというのは何を意味するのか、支援金を徴収されたとしても現在の医療保険料の負担額自体は変わらないことを意味するのか、あるいは賃上げされるので支援金が徴収されたとしても手取りは減ることはないということを意味するのか、分かりにくいとの声もあります。
まずは、支援金の徴収により、国民一人一人の賃金や年金への手取りへの影響はあるのか、さらに、支援金を徴収されたとしても、少子化に歯止めが掛かることにより長期的には支援金の徴収を上回るメリットがあるのかということについて、総理から正面から説明することが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、外交、安全保障に関して伺います。
ロシアによるウクライナ侵略は間もなく二年を超えるところとなります。パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争も続いていて、民間人の犠牲者も増えています。
北朝鮮も、明確に国連安保理決議違反となる弾道ミサイル技術の開発をやめず、先月十四日には奇襲攻撃能力の高い固体燃料式の極超音速弾道ミサイルを発射したと発表しています。北朝鮮とロシアの接近も強まっており、ロシアに対してウクライナを攻撃するミサイルの供与も行っています。年明け早々、韓国との海上の軍事境界線付近での大規模な砲撃を実施するなど、南北間の緊張も高まっています。
そのような中、本年一月十三日、今後の東アジアの安定にとっても極めて重要な台湾総統選挙が行われ、与党・民進党の頼清徳氏が当選しました。与党の頼氏が勝利したことで、現在の蔡英文政権と同様、中国と距離を置く方針に変化はないと思われます。
片や、中国の習近平国家主席は、新年のスピーチで改めて台湾統一への意欲を示しており、今回の結果を受けて、軍事的あるいは経済的な圧力をどうしていくのか、さらには、強硬的な手段に訴え、台湾有事という事態に発展していくのか心配されるところです。
そこで、今回の台湾総統選挙の結果を受けて、我が国として台湾との関係をどのように発展させていくのか、また、台湾有事という最悪の事態が発生しないようにどのように関係諸国との外交を展開していくのか、さらに、万が一台湾有事が発生した際、台湾有事は日本有事という認識を持ってどのように対処していく考えなのかという三点について総理にお伺いします。
次は、ウクライナ支援です。
戦況は膠着状態に陥っており、米欧のウクライナ支援にも疲れが見えるとの指摘があります。
しかし、支援を打ち切ることによってロシアのウクライナへの国際法を無視した一方的な力による現状変更がまかり通れば、世界は侵略に立ち向かうウクライナを見放したことになりかねませんし、法の支配ではなく力による支配が世界を覆うことにつながります。
昨年三月の岸田総理、九月の林外務大臣に続いて、年明け早々、上川外務大臣もウクライナを訪問、空襲警報が発令されるキーウでゼレンスキー大統領やクレバ外相と会談し、官民挙げた支援継続の姿勢を伝えてこられました。
欧米と異なり、日本は、現状の装備品移転の枠組みでは軍事支援には制約があるものの、我が国がウクライナに対してでき得ることを最大限行うことで世界に蔓延しかねない支援疲れを払拭することにもつながると考えます。
そこで、まず、ここまでのウクライナ訪問や我が国からの支援の成果の総括を伺うとともに、本年二月に我が国が主催する日・ウクライナ経済復興推進会議を含めて、今後のウクライナ支援と和平への道筋に関する考えを総理にお伺いしたいと思います。
コロナ禍による行動制限が緩和され、経済活動が回復し、石油需要が高まりつつある中でロシアによるウクライナ侵略が始まり、燃油価格は高騰しました。
今から二年前の令和四年一月二十四日から、レギュラーガソリンが百七十円を超えたことから激変緩和措置が発動され、現在も、本来は百九十円近くの水準であるところ、百七十五円半ばに抑えられています。この措置は本年四月末まで続きますが、その後の対応については、現在、与党と国民民主党の間で検討が進められています。
このような状況の中、気掛かりなのは、我が国が原油の九割以上を依存している中東の情勢です。
イスラエルとイスラム主義組織ハマスによるガザでの戦闘が続く中、イエメンの反政府武装勢力であるホーシー派は、紅海を航行する一般船舶への攻撃や拿捕を繰り返しています。昨年十一月に襲撃された本邦法人が運航する貨物船もまだ解放されていません。
米英は、一月十二日に、イエメンのホーシー派に対する軍事攻撃を開始し、米国は、最も重要な商業航路で航行の自由を脅かすことを許さないという明確なメッセージであると発表しています。
紅海の安全は、石油価格、ひいては我が国の経済や生活に直結する問題ですが、紅海を始めとする中東情勢の更なる緊迫化が懸念されるところです。
そこで、中東に対して独自の外交関係を築いてきた我が国として、中東での緊張の高まりを緩和すべく、どのような外交を展開していくつもりでしょうか。
また、このような緊張した状況の中、我が国の生命線となる重要な海上交通路、いわゆるシーレーンをどのように守っていくつもりでしょうか。総理にお伺いいたします。
最後に、改めて申し上げますが、政治改革を実現し、政治への信頼を回復させていくこと、それと同時に、能登半島地震への対応、そして三十数年続いたデフレからの完全脱却の絶好の機会にしっかりと成果を出せる政策を実行していくことが極めて重要であり、参議院自民党としても一丸となって対応していくことをお誓いを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、自由民主党を代表して、岸田総理大臣の施政方針演説等について質問を行います。
冒頭、令和六年元日の夕刻、石川県能登地方を震源として発生した令和六年能登半島地震により亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様にお悔やみ申し上げます。
また、今回の地震に伴い、けがをされた方々の一日も早い御回復を願うとともに、避難生活を余儀なくされている方々、被災をされた全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。
自らが被災しているにもかかわらず、人命救助や避難生活への支援に当たられている被災地の自治体職員や医療・福祉分野の皆様、自衛隊や海上保安庁、全国各地から派遣されている警察、消防、DMAT等の医療関係者の皆様、ボランティアや全国から支援を寄せていただいている全ての方々に心から感謝申し上げます。
まず、政治への信頼回復から伺っていきます。
現在、自民党の政策集団の政治資金パーティーに関連して、それぞれの政策集団のみならず、自民党そのものの信頼が大きく低下しています。
総理・総裁は、民主主義を守るためには自らが変わらなければならない、自らが変わらなければ信頼を回復することができないと述べられた総裁選のときの原点に立ち返り、自民党に総裁の直属の機関として政治刷新本部を立ち上げました。
総理・総裁を先頭に、私たちは、政治への信頼を失わせてしまったことへの責任を謙虚に反省し、二度と繰り返さぬという覚悟の下、若手もベテランも、全ての所属議員が忌憚なく意見をぶつけ合う平場での議論も重ね、また、多様な外部有識者の参加も得ながら、精力的に再発防止や政治資金の透明性の拡大、さらには政策集団の在り方について検討を深めてまいりました。
そして、ここで新たな方向性を分かりやすく示すことができなければ、政治は国民のものと宣言し立党した自民党の存続そのものも揺らぎかねないとの強い危機感を持って、一月二十五日に中間とりまとめを党として決定しました。
まず、我が党再生の第一歩として、派閥が本来の政策集団に生まれ変わらなければならないとの認識の下、派閥からお金と人事の機能を切り離し、いわゆる派閥を解消することを掲げました。
また、政策集団による政治資金パーティーや人事への関与の禁止、収支報告書への外部監査導入とオンライン提出等の自主的な取組、さらに、各党との真摯な協議を経た上で、政治資金の透明化や公開性の向上、より厳格な責任体制の確立等のために必要な法整備等を行うことなどを改革の方向性として示しました。
信なくば立たず。あらゆる施策を遂行しようとしても、政治や政府への信頼がなければ立ち行きません。この中間とりまとめに示された方向性に沿って、政治改革のための取組を具体化し、国民の皆様からの信頼を取り戻していかなければならず、これからが正念場ですし、険しい道のりです。
そこで、自民党総裁の立場、そして総理の立場として、政治への信頼回復に向けて不退転の覚悟で、この中間とりまとめに示された方向性の下、不断の改革を実行していくために、どのようにリーダーシップを発揮していく決意でしょうか。その強い思いをお示しいただきたいと思います。
能登半島地震について伺ってまいります。
今回の能登半島地震は、過疎化により人口規模が小さい上に高齢化率が高く、自治体職員の数や財政力の面で限りがある能登地方に大きな被害をもたらしました。
地域をつなぎ、人の移動、生活物資の輸送、そして緊急時の命の道であった道路は寸断され、水道や電気、通信というライフラインもずたずたとなり、避難生活も長引くことが懸念されております。
そこで、まず、熊本地震を経験し、地元の参議院議員として復旧復興等に携わってこられた松村防災担当大臣に、能登半島地震における救助活動や避難支援、復旧復興は、熊本地震のそれらと比べてどのような難しさがあり、また、それをどう乗り越えて被災地を復旧復興させていく活動を行われているのでしょうか。お伺いをいたします。
政府の迅速な対応により激甚災害等の指定がなされました。これにより、自治体の財政負担は大幅に軽減されます。しかし、負担が軽減されたとしても、財政力が弱い被災自治体にとって、その負担が重ければ必要な復旧復興事業を進めることができなくなり、地域の再興も遠くなってしまいます。
そこで、補助率がかさ上げされても、なお財政負担を理由に被災地が必要と考える事業の着手にちゅうちょする自治体がないよう、国が責任を持ってこれまで以上に柔軟で手厚い支援を講じていく、そして大規模な財政支出が必要となっても必ず対応するという強い決意を総理自らが発信することで、希望のともしびが消えることがないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
続いて、災害関連死の防止について伺います。
避難所等での生活を余儀なくされている方々にとって最も避けるべきは災害関連死です。熊本地震では、災害関連死は、家屋倒壊など地震により直接亡くなられた方の四倍にもなりました。能登半島地域では、災害弱者と言われる高齢者の方々の比率が高い上に、厳冬期に発生した地震ということで寒さとの闘いになっています。
しかも、破損した水道管の修復に懸命に取り組んでおりますが、老朽化した施設が多かったことから被害が大きく、今も断水が解消されてない地域があります。飲料水の確保はもちろん、トイレ、お風呂、洗濯などの制約から衛生環境が悪化し、不衛生な環境の中で避難生活を送ることによる集団感染、あるいはトイレの回数を減らすために水分摂取を控えることによる体調不良などの懸念が生じています。
また、高血圧等の薬を服用する必要があるのに道路の寸断で薬が手に入らず服薬ができなくなった方や、人工透析が必要なのに断水により受けられなくなった方もおられました。
そこで、能登半島地震のように、人口が減少し高齢者率が高い地域で大地震などの自然災害が発生したときには、被災者の命を感染症の蔓延や体調の悪化等から守り抜くために、二次避難所の開設やそこへの移動の支援なども含めて、被災自治体に対してあらゆる支援措置を講じていくべきと考えますが、総理の強い覚悟をお聞かせください。
あわせて、高齢者や妊婦、乳幼児、障害者や難病患者の方々など、一般の避難所とは別の施設等での避難が望ましい方々についても、誰一人取り残さないという強い思いの下、どのように災害関連死から守っていくお考えでしょうか。総理の御所見をお聞かせください。
次も、国民の安全を守り抜くという観点から、何点か伺います。
まずは、羽田空港での航空機衝突事故の再発防止についてお伺いします。
先月二日、羽田空港C滑走路上で、着陸しようとした民間航空機と支援物資輸送のために離陸を待っていた海上保安庁機が衝突事故を起こしました。お亡くなりになられた海上保安庁の方々には心からお悔やみを申し上げます。また、民間航空機側で犠牲者を出さずに済んだことについては、日頃の訓練などの備えと適切な判断、乗客の方々の御協力に敬意を表します。
二度とこのような不幸な出来事が生じないよう、今回の事故をよく分析した上で、空への安全への信頼を回復するため、ミス撲滅に向けた二重三重のチェックや、システムの活用による再発防止策を早急に講ずることはもちろんです。それに加えて、世界でも有数の離着陸混雑空港の一つである羽田空港への安全性を更に高めるために、考え得るあらゆる手だてを講じることが不可欠だと考えます。これらについて総理の御所見をお伺いします。
次に、国民の命や健康を守る医薬品の安定供給について伺います。
新型コロナ蔓延期にはマスクや防護服、そして新型コロナ用ワクチンや治療薬の国内調達が課題となりました。衛生用品や医薬品を経済安全保障上の武器としかねない国から調達せざるを得なくなった場合、どれほど苦しい立場に追い込まれるかを実感したときであったと思います。
薬の主成分となる原薬やその原材料を輸入にばかり頼っていては、経済安全保障面での脆弱性は改善されません。ほとんどを中国から輸入している抗菌薬については、経済安全保障推進法が規定する生産や備蓄を国が支援する特定重要物資に指定され、日本の製薬企業が約三十年ぶりにペニシリンなど抗菌薬の原薬製造に乗り出すことになりました。
あわせて、昨今、ジェネリック医薬品の供給不足が問題となり、その影響で先発薬も不足ぎみになって、国民の間に不安が広がっています。大手ジェネリックメーカーの不祥事もありますが、薬価の問題で各メーカーとも特許切れ直後の薬を生産するため、多品種少量生産で、増産したくても十分な生産体制を維持できなくなっています。インフルエンザの流行などでせきやたんのお薬が不足しているとされますが、治療のための医薬品が必要なときに手元に届かないようであれば安心できません。
経済安全保障的観点からの戦略的な医薬品製造と、昨今のジェネリック医薬品不足を踏まえた供給体制の充実の双方について、国民の皆様が安心できるよう、厚生労働大臣から御所見を伺いたいと存じます。
我が国の食料安全保障にも不安があります。農村では、人口減少が加速している上に、農家の平均年齢も六十八歳を超えており、農業に従事することが難しくなる農家も増えつつあります。農業人口の減少以上に生産性を高めてきたことで何とか国民の食を支えてきましたが、高齢化した農家が農業から離れ、耕作放棄地も増えていくことが懸念されます。
現在、我が国は三十数年ぶりという物価上昇に直面し、食品の価格も上がっていますが、第一次産業の現場では、それ以上に肥料や飼料、燃料代の高騰で採算が取れなくなり、続けていくのはもう限界だという声も聞こえてきます。世界的に安全保障環境が厳しくなり、ロシアによるウクライナ侵略で見られたように、食料さえも経済安全保障上の武器になりかねない時代です。
このような状況の中、今通常国会に食料・農業・農村基本法改正法案の提出が予定されていますが、国民一人一人に安全で安心な国産の食料を供給できる農業をどのように持続的に維持発展させていくお考えでしょうか。その際、国民の皆様にはどのような点で我が国の農業への理解を求めていくお考えでしょうか。総理にお伺いいたします。
ここからは、経済成長について伺います。
年頭、総理は、本年は、物価高に負けずに我が国が長い間苦しんできたデフレ経済から脱出できるかどうかが決まる日本の将来にとって極めて重要な一年であると述べられました。そして、その実現は、物価上昇を上回る賃金引上げを継続的にできるかどうかに懸かっています。
政府は、物価高騰に負けない賃上げを後押しするため、全国の就業者の七割を占める中小企業が使いやすくなる賃上げ税制の拡充や、総計三兆円半ばの規模での所得税、住民税の定額減税、さらには、前例のない思い切った投資減税や中小企業の省人化、省エネ投資の支援など、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を強化していく旨明らかにしています。
あらゆる施策を総動員して、働く方々一人一人が給料の明細や振り込み額を見て賃上げを実感できる社会を実現しなければなりません。
そこで、前の年よりも手取りが増えたと実感できる物価上昇に負けない賃上げを実現するという総理の強い決意を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
関連して、医療、介護、福祉分野の賃上げについてお伺いします。
昨年末、政府は、六年ぶりとなる診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定に当たり、二〇二四年度からの診療報酬については人件費に回る本体部分を〇・八八%引き上げる一方、薬価、材料価格を一%下げ、全体で〇・一二%のマイナスとし、介護報酬については一・五九%引き上げることとしました。また、障害福祉サービス等報酬は一・一二%引き上げます。
一時、財務省は、医療機関の経営は堅調であることを示した資料を提示して、経営努力により賃上げすべきとの考えをにじませていましたが、現場で働く方々の待遇を改善できるような報酬改定となるよう総理がリーダーシップを発揮されたことを評価したいと思います。
政府は、今回の改定で、医療、介護、障害福祉分野の従事者に対し、今後二年間で計四・五%のベースアップを実現できると見込んでいるとのことですが、実際、医療や介護、障害福祉の現場において確実に賃上げが行われるかが最も肝腎です。
政府においては、医療、介護、福祉の現場に対し、今回の報酬引上げを受けてしっかりと賃上げがなされるように働きかけるとともに、賃上げが確実に担保されるような措置を講じていくことが必要と考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
続いて、中小企業の賃上げについて伺います。
昨年、公正取引委員会が価格転嫁について緊急的に調査を実施したところ、コスト別の転嫁率では、原材料価格やエネルギーコストと比べ、労務費の転嫁は遅れが目立つとの結果が出ています。その背景には、労務費の上昇分は受注者の生産性や効率性の向上を図ることで吸収すべき問題であるという意識が発注者側に根強いことや、交渉の過程で発注者から労務費の上昇に関する詳細な説明、資料の提出が求められるなどの理由で労務費の価格転嫁の要請をすることが困難だとの指摘があります。
公正取引委員会では、発注者が価格転嫁の要請を理由に取引停止など不利益な扱いをしてはならないことを明らかにし、場合によっては厳正な対応を求めていくことを示しておりますが、大企業の経営者側では、中小企業の生産性の向上や価格転嫁を通じて賃上げの原資をしっかりと確保していくことが重要だという意識も広がっています。
我が国のデフレ脱却は、日本全体の雇用の七割を抱えている中小企業で物価上昇に負けない賃上げが実現できるかどうかに懸かっているとの理解の下、総理自らどのように経済界に更に強く働きかけていく御所見でしょうか。お伺いいたします。
日本の少子化は極めて深刻な状況にあります。令和四年の合計特殊出生率は一・二六で、前年の一・三〇より低下し過去最低、出生数は七十七万人で、こちらも一八九九年以来最低となっています。この状況が続くと、二一一〇年には人口は現在の半分以下となり、一九一五年頃の日本の総人口に匹敵する規模となります。ただし、一九一五年頃は人口に占める高齢者の割合は僅か五%でしたが、将来予測の高齢化率四〇%とは大きく異なります。このことを念頭に少子化対策を考えていかなければなりません。
政府は、昨年末、こども未来戦略を決定し、子供一人当たりの家族関係支出をOECDトップのスウェーデン並みの手厚い子ども・子育て政策へと大幅に拡充することとしました。
既に今年度から出産育児一時金の引上げや、ゼロ歳から二歳の伴走型支援が実施されています。今年十月からは、児童手当の所得制限撤廃や、高校生までの支給対象延長が行われ、さらに、第三子以降については月三万円に増額されます。
また、産後の一定期間に男女で育休を取得した場合の給付率を手取り十割にし、テレワークや短時間勤務など柔軟な働き方も広げていきます。これらがスピード感を持って決められました。
そして、少子化対策の拡充のための財源については、これまで総理は、徹底した歳出改革等によって確保することを原則としつつ、賃上げによって実質的な社会保険負担の軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担を生じさせないと説明されています。
しかし、実質的な負担が生じないというのは何を意味するのか、支援金を徴収されたとしても現在の医療保険料の負担額自体は変わらないことを意味するのか、あるいは賃上げされるので支援金が徴収されたとしても手取りは減ることはないということを意味するのか、分かりにくいとの声もあります。
まずは、支援金の徴収により、国民一人一人の賃金や年金への手取りへの影響はあるのか、さらに、支援金を徴収されたとしても、少子化に歯止めが掛かることにより長期的には支援金の徴収を上回るメリットがあるのかということについて、総理から正面から説明することが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、外交、安全保障に関して伺います。
ロシアによるウクライナ侵略は間もなく二年を超えるところとなります。パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争も続いていて、民間人の犠牲者も増えています。
北朝鮮も、明確に国連安保理決議違反となる弾道ミサイル技術の開発をやめず、先月十四日には奇襲攻撃能力の高い固体燃料式の極超音速弾道ミサイルを発射したと発表しています。北朝鮮とロシアの接近も強まっており、ロシアに対してウクライナを攻撃するミサイルの供与も行っています。年明け早々、韓国との海上の軍事境界線付近での大規模な砲撃を実施するなど、南北間の緊張も高まっています。
そのような中、本年一月十三日、今後の東アジアの安定にとっても極めて重要な台湾総統選挙が行われ、与党・民進党の頼清徳氏が当選しました。与党の頼氏が勝利したことで、現在の蔡英文政権と同様、中国と距離を置く方針に変化はないと思われます。
片や、中国の習近平国家主席は、新年のスピーチで改めて台湾統一への意欲を示しており、今回の結果を受けて、軍事的あるいは経済的な圧力をどうしていくのか、さらには、強硬的な手段に訴え、台湾有事という事態に発展していくのか心配されるところです。
そこで、今回の台湾総統選挙の結果を受けて、我が国として台湾との関係をどのように発展させていくのか、また、台湾有事という最悪の事態が発生しないようにどのように関係諸国との外交を展開していくのか、さらに、万が一台湾有事が発生した際、台湾有事は日本有事という認識を持ってどのように対処していく考えなのかという三点について総理にお伺いします。
次は、ウクライナ支援です。
戦況は膠着状態に陥っており、米欧のウクライナ支援にも疲れが見えるとの指摘があります。
しかし、支援を打ち切ることによってロシアのウクライナへの国際法を無視した一方的な力による現状変更がまかり通れば、世界は侵略に立ち向かうウクライナを見放したことになりかねませんし、法の支配ではなく力による支配が世界を覆うことにつながります。
昨年三月の岸田総理、九月の林外務大臣に続いて、年明け早々、上川外務大臣もウクライナを訪問、空襲警報が発令されるキーウでゼレンスキー大統領やクレバ外相と会談し、官民挙げた支援継続の姿勢を伝えてこられました。
欧米と異なり、日本は、現状の装備品移転の枠組みでは軍事支援には制約があるものの、我が国がウクライナに対してでき得ることを最大限行うことで世界に蔓延しかねない支援疲れを払拭することにもつながると考えます。
そこで、まず、ここまでのウクライナ訪問や我が国からの支援の成果の総括を伺うとともに、本年二月に我が国が主催する日・ウクライナ経済復興推進会議を含めて、今後のウクライナ支援と和平への道筋に関する考えを総理にお伺いしたいと思います。
コロナ禍による行動制限が緩和され、経済活動が回復し、石油需要が高まりつつある中でロシアによるウクライナ侵略が始まり、燃油価格は高騰しました。
今から二年前の令和四年一月二十四日から、レギュラーガソリンが百七十円を超えたことから激変緩和措置が発動され、現在も、本来は百九十円近くの水準であるところ、百七十五円半ばに抑えられています。この措置は本年四月末まで続きますが、その後の対応については、現在、与党と国民民主党の間で検討が進められています。
このような状況の中、気掛かりなのは、我が国が原油の九割以上を依存している中東の情勢です。
イスラエルとイスラム主義組織ハマスによるガザでの戦闘が続く中、イエメンの反政府武装勢力であるホーシー派は、紅海を航行する一般船舶への攻撃や拿捕を繰り返しています。昨年十一月に襲撃された本邦法人が運航する貨物船もまだ解放されていません。
米英は、一月十二日に、イエメンのホーシー派に対する軍事攻撃を開始し、米国は、最も重要な商業航路で航行の自由を脅かすことを許さないという明確なメッセージであると発表しています。
紅海の安全は、石油価格、ひいては我が国の経済や生活に直結する問題ですが、紅海を始めとする中東情勢の更なる緊迫化が懸念されるところです。
そこで、中東に対して独自の外交関係を築いてきた我が国として、中東での緊張の高まりを緩和すべく、どのような外交を展開していくつもりでしょうか。
また、このような緊張した状況の中、我が国の生命線となる重要な海上交通路、いわゆるシーレーンをどのように守っていくつもりでしょうか。総理にお伺いいたします。
最後に、改めて申し上げますが、政治改革を実現し、政治への信頼を回復させていくこと、それと同時に、能登半島地震への対応、そして三十数年続いたデフレからの完全脱却の絶好の機会にしっかりと成果を出せる政策を実行していくことが極めて重要であり、参議院自民党としても一丸となって対応していくことをお誓いを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。拍手
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
岸
岸田文雄#6
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 福岡資麿議員の御質問にお答えいたします。
政治改革の決意についてお尋ねがありました。
信なくば立たず。国民の信頼なくして政治の安定はないし、政治の安定なくして政策の推進もありません。我が党は解体的な出直しを図り、信頼回復に向けた取組を進めていかなければなりません。
さきの国会の会期末に行った会見では、国民の信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立ってこの問題に取り組んでいくと申し上げました。その強い思いはいささかの変わりもありません。まずは、党の政治刷新本部の中間とりまとめについて私が先頭に立って実行をしてまいります。
被災地への財政支援についてお尋ねがありました。
今回の激甚災害指定により、道路等の公共土木施設の復旧の補助率が財政力が弱い自治体ほど高くなることに加え、地方負担にも手厚い地方財政措置を講じ、自治体負担に最大限配慮いたします。
その上で、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることはあってはならないとの考えの下、令和五年度一般予算、一般予備費の活用に加えて、令和六年度予算案を変更し、一般予備費を一兆円に倍増する極めて異例な対応も行っております。
支援パッケージを実行するため、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところですが、今後とも、切れ目なく、機動的、弾力的に財政措置を講じていく方針であり、令和六年度予算案の速やかな成立をお願いいたします。
能登半島地震の被災者支援についてお尋ねがありました。
発災直後から避難所の衛生環境の維持向上を図るための物資をプッシュ型で届けるとともに、DMAT、DHEATなどの専門家が支援に入っています。また、被災者の命と健康を守るため、ホテル、旅館等への二次避難を進めており、利用額の基準を特例的に引き上げるなどの支援を行ってきました。
さらに、関係団体と連携をして、被災地の社会福祉施設等への介護職員等の応援派遣を進めています。要配慮者の方を含め、誰一人取り残さない、災害関連死を防ぐ、こういった強い思いを持って引き続き自治体と緊密に連携をし、全力で支援を行ってまいります。
羽田空港の航空機衝突事故に係る再発防止策についてお尋ねがありました。
国民の信頼回復と再発防止に向けて、まずは滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員の配置などの緊急対策を既に実施に移しておりますが、さらに、この夏をめどにハード、ソフト両面から対策を取りまとめ、迅速に取り組んでまいります。
その上で、運輸安全委員会による調査結果が取りまとまり次第、羽田空港の安全性向上も含め、事故原因を踏まえた抜本的な対策、講じてまいります。
農業の発展と国民理解についてお尋ねがありました。
食料安全保障リスクが高まる中、我が国農業の、我が国農業が持続的に発展し、人口減少下でも持続可能な食料供給基盤を確立するため、生産性向上とともに、市場拡大に向けた輸出の更なる促進、輸入依存度の高い小麦、大豆、飼料、肥料等の国内生産の拡大、環境と調和した生産の実現、こうした取組を進めてまいります。
その際、生産段階の取組に加えて、農産物・食品等の適正な価格形成など、流通、消費段階の取組も重要であるということにつきまして国民の皆様の理解醸成に努めてまいります。
物価上昇に負けない賃上げについてお尋ねがありました。
賃上げと所得減税等を組み合わせることで、まずは今夏に可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を官民で確実につくり上げ、国民の実感を積み重ねることで、縮み志向の意識ではなく、賃金が上がることが当たり前だという前向きな意識を社会に定着させてまいります。
あわせて、人への投資や企業の稼ぐ力の強化など、あらゆる政策を総動員して物価上昇を上回る構造的な賃上げを実現し、賃金や投資をカットするコストカット型経済から新たな成長型経済への移行を目指してまいります。
医療、介護、障害福祉の現場における賃上げについてお尋ねがありました。
医療、介護、障害福祉の現場で物価高に負けない賃上げを実現するため、昨年末、加算措置を含め必要な水準の報酬の改定率を決定したところであり、それも踏まえて具体的なベースアップ分の水準をお示しして、積極的に賃上げに取り組んでいただくよう、先日、関係二十四団体に対し私から直接要請を行ったところです。加算措置部分の報告徴収を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備するなど、実効性を高め、確実な賃上げの実現につなげてまいります。
中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
中小企業の賃上げに向け、私自身、車座対話や政労使の意見交換などを通じて昨年を上回る賃上げを働きかけ、機運醸成を強力に行ってまいりました。引き続き、政府を挙げて、労務費転嫁の指針の活用などの価格転嫁の促進、賃上げ促進税制の拡充や省力化投資などの生産性向上支援を進め、中小企業の賃上げを実現してまいります。
子ども・子育て支援金の制度についてお尋ねがありました。
支援金制度は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築することにより、全体として実質的な負担を生じさせないこととしています。この歳出改革や賃上げによる実質的な社会保険負担軽減や負担能力に応じた仕組みとする支援金による負担がその差引きを含めて一人一人に与える影響は様々です。ただし、御指摘のように、実効性のある少子化対策によって、少子化、人口減少に歯止めを掛けることができれば、社会の一員としても受益を受けるものであり、こうした点についても理解が深まるよう説明を尽くしてまいります。
日台関係についてお尋ねがありました。
日本にとり極めて重要なパートナーであり、大切な友人である台湾とは、非政府間の実務関係を維持し、協力と交流を更に深化させます。また、台湾有事という仮定の質問についてお答えすることは控えますが、台湾海峡の平和と安定は国際社会全体の安定にとり重要であり、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待いたします。
中国に対しては、こうした我が国の一貫した立場を伝え、同志国等と緊密に連携しながら明確に発信をしていきます。同時に、我が国及び国民の安全と繁栄を確保すべく、平素の体制整備を含め、万全を期してまいります。
これまでのウクライナ支援の総括及び今後の道筋についてお尋ねがありました。
我が国の、我が国からのウクライナに対し、我が国からウクライナに対しては、昨年の私自身及び先般の上川外務大臣の訪問を挟んで、地雷対策、瓦れき処理、電力、教育、医療などの様々な分野で、現地のニーズを踏まえ、日本らしいきめ細かな支援を実施してきており、これは有効に活用されていると認識しています。
今月には日・ウクライナ経済復興推進会議を開催し、官民一体となってウクライナの復旧復興を力強く進める姿勢を打ち出し、また、これと並行して、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するための外交努力をG7始め国際社会と緊密に連携しながら継続、そして強化してまいります。
中東外交と海上交通の安全確保についてお尋ねがありました。
日本は、これまで独自の取組を通じて中東各国と良好な関係を築いており、こうした外交資産の土台の上で、日々刻々と変化する現地情勢を踏まえ、また関係国との緊密な意思疎通を図りながら、所要の外交努力、積極的に続けてまいります。
海上交通の安全確保は、我が国のみならず世界の平和と繁栄の基盤であり、アデン湾での海賊対処行動や関係国への働きかけ等を通じ、日本関係船舶を含む海上交通の安全確保に積極的に貢献をしてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣松村祥史君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →政治改革の決意についてお尋ねがありました。
信なくば立たず。国民の信頼なくして政治の安定はないし、政治の安定なくして政策の推進もありません。我が党は解体的な出直しを図り、信頼回復に向けた取組を進めていかなければなりません。
さきの国会の会期末に行った会見では、国民の信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立ってこの問題に取り組んでいくと申し上げました。その強い思いはいささかの変わりもありません。まずは、党の政治刷新本部の中間とりまとめについて私が先頭に立って実行をしてまいります。
被災地への財政支援についてお尋ねがありました。
今回の激甚災害指定により、道路等の公共土木施設の復旧の補助率が財政力が弱い自治体ほど高くなることに加え、地方負担にも手厚い地方財政措置を講じ、自治体負担に最大限配慮いたします。
その上で、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることはあってはならないとの考えの下、令和五年度一般予算、一般予備費の活用に加えて、令和六年度予算案を変更し、一般予備費を一兆円に倍増する極めて異例な対応も行っております。
支援パッケージを実行するため、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところですが、今後とも、切れ目なく、機動的、弾力的に財政措置を講じていく方針であり、令和六年度予算案の速やかな成立をお願いいたします。
能登半島地震の被災者支援についてお尋ねがありました。
発災直後から避難所の衛生環境の維持向上を図るための物資をプッシュ型で届けるとともに、DMAT、DHEATなどの専門家が支援に入っています。また、被災者の命と健康を守るため、ホテル、旅館等への二次避難を進めており、利用額の基準を特例的に引き上げるなどの支援を行ってきました。
さらに、関係団体と連携をして、被災地の社会福祉施設等への介護職員等の応援派遣を進めています。要配慮者の方を含め、誰一人取り残さない、災害関連死を防ぐ、こういった強い思いを持って引き続き自治体と緊密に連携をし、全力で支援を行ってまいります。
羽田空港の航空機衝突事故に係る再発防止策についてお尋ねがありました。
国民の信頼回復と再発防止に向けて、まずは滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員の配置などの緊急対策を既に実施に移しておりますが、さらに、この夏をめどにハード、ソフト両面から対策を取りまとめ、迅速に取り組んでまいります。
その上で、運輸安全委員会による調査結果が取りまとまり次第、羽田空港の安全性向上も含め、事故原因を踏まえた抜本的な対策、講じてまいります。
農業の発展と国民理解についてお尋ねがありました。
食料安全保障リスクが高まる中、我が国農業の、我が国農業が持続的に発展し、人口減少下でも持続可能な食料供給基盤を確立するため、生産性向上とともに、市場拡大に向けた輸出の更なる促進、輸入依存度の高い小麦、大豆、飼料、肥料等の国内生産の拡大、環境と調和した生産の実現、こうした取組を進めてまいります。
その際、生産段階の取組に加えて、農産物・食品等の適正な価格形成など、流通、消費段階の取組も重要であるということにつきまして国民の皆様の理解醸成に努めてまいります。
物価上昇に負けない賃上げについてお尋ねがありました。
賃上げと所得減税等を組み合わせることで、まずは今夏に可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を官民で確実につくり上げ、国民の実感を積み重ねることで、縮み志向の意識ではなく、賃金が上がることが当たり前だという前向きな意識を社会に定着させてまいります。
あわせて、人への投資や企業の稼ぐ力の強化など、あらゆる政策を総動員して物価上昇を上回る構造的な賃上げを実現し、賃金や投資をカットするコストカット型経済から新たな成長型経済への移行を目指してまいります。
医療、介護、障害福祉の現場における賃上げについてお尋ねがありました。
医療、介護、障害福祉の現場で物価高に負けない賃上げを実現するため、昨年末、加算措置を含め必要な水準の報酬の改定率を決定したところであり、それも踏まえて具体的なベースアップ分の水準をお示しして、積極的に賃上げに取り組んでいただくよう、先日、関係二十四団体に対し私から直接要請を行ったところです。加算措置部分の報告徴収を含めたフォローアップの仕組みをしっかりと整備するなど、実効性を高め、確実な賃上げの実現につなげてまいります。
中小企業の賃上げについてお尋ねがありました。
中小企業の賃上げに向け、私自身、車座対話や政労使の意見交換などを通じて昨年を上回る賃上げを働きかけ、機運醸成を強力に行ってまいりました。引き続き、政府を挙げて、労務費転嫁の指針の活用などの価格転嫁の促進、賃上げ促進税制の拡充や省力化投資などの生産性向上支援を進め、中小企業の賃上げを実現してまいります。
子ども・子育て支援金の制度についてお尋ねがありました。
支援金制度は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築することにより、全体として実質的な負担を生じさせないこととしています。この歳出改革や賃上げによる実質的な社会保険負担軽減や負担能力に応じた仕組みとする支援金による負担がその差引きを含めて一人一人に与える影響は様々です。ただし、御指摘のように、実効性のある少子化対策によって、少子化、人口減少に歯止めを掛けることができれば、社会の一員としても受益を受けるものであり、こうした点についても理解が深まるよう説明を尽くしてまいります。
日台関係についてお尋ねがありました。
日本にとり極めて重要なパートナーであり、大切な友人である台湾とは、非政府間の実務関係を維持し、協力と交流を更に深化させます。また、台湾有事という仮定の質問についてお答えすることは控えますが、台湾海峡の平和と安定は国際社会全体の安定にとり重要であり、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待いたします。
中国に対しては、こうした我が国の一貫した立場を伝え、同志国等と緊密に連携しながら明確に発信をしていきます。同時に、我が国及び国民の安全と繁栄を確保すべく、平素の体制整備を含め、万全を期してまいります。
これまでのウクライナ支援の総括及び今後の道筋についてお尋ねがありました。
我が国の、我が国からのウクライナに対し、我が国からウクライナに対しては、昨年の私自身及び先般の上川外務大臣の訪問を挟んで、地雷対策、瓦れき処理、電力、教育、医療などの様々な分野で、現地のニーズを踏まえ、日本らしいきめ細かな支援を実施してきており、これは有効に活用されていると認識しています。
今月には日・ウクライナ経済復興推進会議を開催し、官民一体となってウクライナの復旧復興を力強く進める姿勢を打ち出し、また、これと並行して、ウクライナに公正かつ永続的な平和を実現するための外交努力をG7始め国際社会と緊密に連携しながら継続、そして強化してまいります。
中東外交と海上交通の安全確保についてお尋ねがありました。
日本は、これまで独自の取組を通じて中東各国と良好な関係を築いており、こうした外交資産の土台の上で、日々刻々と変化する現地情勢を踏まえ、また関係国との緊密な意思疎通を図りながら、所要の外交努力、積極的に続けてまいります。
海上交通の安全確保は、我が国のみならず世界の平和と繁栄の基盤であり、アデン湾での海賊対処行動や関係国への働きかけ等を通じ、日本関係船舶を含む海上交通の安全確保に積極的に貢献をしてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。拍手
〔国務大臣松村祥史君登壇、拍手〕
松
松村祥史#7
○国務大臣(松村祥史君) 福岡資麿議員より熊本地震と比べた災害対応の難しさなどについてお尋ねがございました。
今般の地震は、寒さの厳しい時期に、高齢者の方々が多く、地理的制約もある半島地域で発生をいたしました。道路網が寸断されアクセスが困難となり、結果として水道などの復旧にも一定の時間を要する状況の中、人命救助やインフラの復旧等の災害対策に全力で取り組んできたところでございます。
また、被災者の方々の命と健康を守るためにも、石川県と地元市町におかれては、地域外の環境の整った旅館やホテルへの二次避難の取組を進めており、国も最大限支援をしているところでございます。
今般の地震で、被災者の方々が一日も早く再び住み慣れた土地に戻り、元の平穏な生活を取り戻すことができるよう、できることは全てやるという岸田総理の御指示のとおり、国として引き続きインフラの復旧、応急仮設住宅などの住まいの確保、農林水産業、観光業などのなりわいの再建支援など、地元自治体と緊密に連携を図り、全力で取り組んでまいります。拍手
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →今般の地震は、寒さの厳しい時期に、高齢者の方々が多く、地理的制約もある半島地域で発生をいたしました。道路網が寸断されアクセスが困難となり、結果として水道などの復旧にも一定の時間を要する状況の中、人命救助やインフラの復旧等の災害対策に全力で取り組んできたところでございます。
また、被災者の方々の命と健康を守るためにも、石川県と地元市町におかれては、地域外の環境の整った旅館やホテルへの二次避難の取組を進めており、国も最大限支援をしているところでございます。
今般の地震で、被災者の方々が一日も早く再び住み慣れた土地に戻り、元の平穏な生活を取り戻すことができるよう、できることは全てやるという岸田総理の御指示のとおり、国として引き続きインフラの復旧、応急仮設住宅などの住まいの確保、農林水産業、観光業などのなりわいの再建支援など、地元自治体と緊密に連携を図り、全力で取り組んでまいります。拍手
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕
武
武見敬三#8
○国務大臣(武見敬三君) 福岡資麿議員の御質問にお答えをいたします。
戦略的な医薬品製造と供給体制の充実についてお尋ねがありました。
経済安全保障の観点から、医薬品の供給リスクも踏まえた戦略的な薬品製造の推進が重要であります。国内の生産基盤の整備や原薬の供給源の多様化に向けて、企業の取組を支援してまいります。
また、後発医薬品を始めとする供給不足に対応するため、せき止め薬など更なる増産への企業の投資を支援するとともに、後発医薬品の安定供給に向けて、少量多品目生産等の産業構造の課題に対応するため、検討を進めてまいります。
以上です。拍手
この発言だけを見る →戦略的な医薬品製造と供給体制の充実についてお尋ねがありました。
経済安全保障の観点から、医薬品の供給リスクも踏まえた戦略的な薬品製造の推進が重要であります。国内の生産基盤の整備や原薬の供給源の多様化に向けて、企業の取組を支援してまいります。
また、後発医薬品を始めとする供給不足に対応するため、せき止め薬など更なる増産への企業の投資を支援するとともに、後発医薬品の安定供給に向けて、少量多品目生産等の産業構造の課題に対応するため、検討を進めてまいります。
以上です。拍手
尾
尾
尾
尾辻秀久#11
○議長(尾辻秀久君) 議員室井邦彦君は、去る一月三日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
尾
尾辻秀久#12
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。
弔詞を朗読いたします。
〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに懲罰委員長 国家基本政策委員長の重任にあたられました 議員従三位旭日重光章室井邦彦君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
─────────────
この発言だけを見る →弔詞を朗読いたします。
〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに懲罰委員長 国家基本政策委員長の重任にあたられました 議員従三位旭日重光章室井邦彦君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
─────────────
尾
青
青木愛#14
○青木愛君 本日、この本会議場に室井邦彦先生のお姿を拝見できないこと、この上なく寂しい気持ちでいっぱいです。
私が、昨年十二月十三日の国土交通委員会の終了後、室井先生に駆け寄り、御挨拶をさせていただいたのが最後となりました。年明けに届いた訃報は、余りにも突然で、いまだに信じられない思いであります。
本院議員室井邦彦先生は、去る一月三日、肝細胞がんを原因とする肝不全のため御逝去されました。享年七十六歳、誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
私は、ここに皆様のお許しを得て、議員一同を代表し、従三位旭日重光章故室井邦彦先生の御霊に対し、謹んで哀悼の言葉をささげます。
室井邦彦先生は、昭和二十二年四月十日、京都府京都市にてお生まれになり、兵庫県尼崎市立大庄北中学校、兵庫県立尼崎西高等学校に在学されました。
その後、追手門学院大学文学部に進学された後、御両親が経営されていた室井運輸株式会社において社業に従事されるとともに、尼崎青年会議所に所属し、地域社会にも貢献されてこられました。
そして、昭和五十八年四月、三十六歳で尼崎市議会議員に当選、さらに、平成三年四月には兵庫県議会議員に当選され、以後二期にわたり県政において御活躍されました。
その間、福祉生活常任委員会副委員長、警察常任委員会委員長の要職を務められました。
また、先生は、二十五歳のときに入会された尼崎青年会議所において理事長を務められた際には、幾多の困難を乗り越え、尼崎国際ハーフマラソンを実現されました。議員生活を通じ、一貫して国と地方との橋渡しを担われたのは、リーダーを志す青年経済人の社会活動を通じて得られた幅広い知見と、御自身の強い使命感に基づくものでありました。
先生は、こうした御経験を踏まえて、地域を、そして、この国をこのままにしておくことはできないとの強い思いに駆り立てられて国政選挙に挑戦します。失敗しても、それに負けず、四度目の挑戦で平成十五年の第四十三回衆議院議員総選挙において当選を果たされ、国政に活動の場を移されることとなりました。衆議院議員となられた室井先生は、国土交通委員会の場で御活躍されたのであります。
その後、平成十七年のいわゆる郵政選挙で苦杯をなめることとなりましたが、先生は持ち前の不屈の精神で、平成十九年七月の第二十一回参議院議員通常選挙において当選、再び国政の場へと返り咲くこととなったのです。
以来、連続三回の当選を果たされ、両院を通算して十八年五か月の長きにわたり、国政の舞台で御活躍されたのであります。
室井先生は、本院において、国土交通委員会、議院運営委員会、国家基本政策委員会、懲罰委員会、災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会、国際・地球温暖化問題に関する調査会など、多岐にわたる委員会、調査会等に所属されました。懲罰委員会及び国家基本政策委員会では委員長を務められ、国会役員の要職を歴任されました。
中でも、国土交通委員会は、衆参両院を通じ、任期中一貫して在籍された、先生の議員活動の中心であり、平成二十三年九月には、野田内閣において国土交通大臣政務官に御就任されました。
先生は、政務官として、安全・危機管理、海上保安、住宅、海事、港湾、航空、観光の陸海空と多岐にわたる分野を担当されました。かねてより国土交通省の現場力の重要性を認識されていた先生は、一年間で出先機関である北海道開発局、八つの地方整備局、九つの地方運輸局、十一の管区海上保安本部の全てに足を運び、第一線の職員に対し、直接、感謝と激励のお言葉を掛けられました。
先生は、御自身が阪神・淡路大震災の被災者でもあることから、一貫して追求してこられたのは国民の安全、安心の確保でした。強靱な国土づくりをより強力に進め、国民の皆様が安心して暮らせる社会をつくりたいとの強い思いから、情熱を傾けてこられました。
東日本大震災の発災から間もない時期には、災害に強い物流ネットワークの構築を目的とする日本海側拠点港の形成に関する検討委員会の座長を務められ、日本海側拠点港の選定及びフォローアップを目的とする十九の拠点港の視察を行い、港湾行政の充実強化にも御尽力されました。
また、室井先生は、心のふるさとがお父様の御出生地である福島県南会津郡下郷町ということもあり、東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた福島の復興再生に向けて、被災者の皆様の気持ちに寄り添い、一日も早くかつての暮らしやなりわいを取り戻すことができるよう、国土交通大臣政務官としてはもちろん、退任されたその後も全力で取り組んでこられました。福島の真の復興再生には、観光振興による地域活性化が重要な政策課題であるとの信念の下、広域周遊観光の促進を実現すべく、会津縦貫道を始めとした交通ネットワーク整備の推進に心血を注いでこられたのであります。
さらに、党におかれましては、日本維新の会国会議員団の参議院幹事長、参議院会長代行を務められました。先生は、常々、若い議員の方々に御自身の経験を伝えたいと語っておられたそうです。
私たちも、先生にお目にかかりますと、いつも温かみのある語り口で声を掛けていただき、先生に見守られているように思えたものです。周りの先生方だけではなく、政府の皆さんや職員の皆さんなどにも分け隔てることなく、ユーモアを交えた優しい語り口で話しかけられ、その場の空気を自然と和らげてくださいました。
このように、室井先生は、国会、政府及び党において、政策の実現に向けて奔走されておられましたが、昨年の一月頃から、体調が大変厳しい状況にあったと伺いました。今思えば、昨年末、国土交通委員会のいつものお席に座っていらっしゃったのは、国会議員としての責務を果たそうとする一念であり、私たちに国会議員としての大切なものを伝えてくださっていたのではないかと改めてそう思うのです。
年初の地震により甚大な被害を受けた能登地方を始め、日本全体を元気にしていかなければならないこの時期に、参議院のみならず国政にとって必要とされる先生が御逝去されたことは、誠に痛恨の極みです。
室井先生が精力を注ぎ続けた大規模自然災害から国民の命と暮らしを守るというその御遺志は、今後国会の場において、我々議員一同が引き継いでまいります。
ここに、謹んで、在りし日の故室井邦彦先生の篤実なお人柄と数々の御功績をしのびつつ、本院を代表して御冥福をお祈り申し上げ、哀悼の言葉といたします。
この発言だけを見る →私が、昨年十二月十三日の国土交通委員会の終了後、室井先生に駆け寄り、御挨拶をさせていただいたのが最後となりました。年明けに届いた訃報は、余りにも突然で、いまだに信じられない思いであります。
本院議員室井邦彦先生は、去る一月三日、肝細胞がんを原因とする肝不全のため御逝去されました。享年七十六歳、誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
私は、ここに皆様のお許しを得て、議員一同を代表し、従三位旭日重光章故室井邦彦先生の御霊に対し、謹んで哀悼の言葉をささげます。
室井邦彦先生は、昭和二十二年四月十日、京都府京都市にてお生まれになり、兵庫県尼崎市立大庄北中学校、兵庫県立尼崎西高等学校に在学されました。
その後、追手門学院大学文学部に進学された後、御両親が経営されていた室井運輸株式会社において社業に従事されるとともに、尼崎青年会議所に所属し、地域社会にも貢献されてこられました。
そして、昭和五十八年四月、三十六歳で尼崎市議会議員に当選、さらに、平成三年四月には兵庫県議会議員に当選され、以後二期にわたり県政において御活躍されました。
その間、福祉生活常任委員会副委員長、警察常任委員会委員長の要職を務められました。
また、先生は、二十五歳のときに入会された尼崎青年会議所において理事長を務められた際には、幾多の困難を乗り越え、尼崎国際ハーフマラソンを実現されました。議員生活を通じ、一貫して国と地方との橋渡しを担われたのは、リーダーを志す青年経済人の社会活動を通じて得られた幅広い知見と、御自身の強い使命感に基づくものでありました。
先生は、こうした御経験を踏まえて、地域を、そして、この国をこのままにしておくことはできないとの強い思いに駆り立てられて国政選挙に挑戦します。失敗しても、それに負けず、四度目の挑戦で平成十五年の第四十三回衆議院議員総選挙において当選を果たされ、国政に活動の場を移されることとなりました。衆議院議員となられた室井先生は、国土交通委員会の場で御活躍されたのであります。
その後、平成十七年のいわゆる郵政選挙で苦杯をなめることとなりましたが、先生は持ち前の不屈の精神で、平成十九年七月の第二十一回参議院議員通常選挙において当選、再び国政の場へと返り咲くこととなったのです。
以来、連続三回の当選を果たされ、両院を通算して十八年五か月の長きにわたり、国政の舞台で御活躍されたのであります。
室井先生は、本院において、国土交通委員会、議院運営委員会、国家基本政策委員会、懲罰委員会、災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会、国際・地球温暖化問題に関する調査会など、多岐にわたる委員会、調査会等に所属されました。懲罰委員会及び国家基本政策委員会では委員長を務められ、国会役員の要職を歴任されました。
中でも、国土交通委員会は、衆参両院を通じ、任期中一貫して在籍された、先生の議員活動の中心であり、平成二十三年九月には、野田内閣において国土交通大臣政務官に御就任されました。
先生は、政務官として、安全・危機管理、海上保安、住宅、海事、港湾、航空、観光の陸海空と多岐にわたる分野を担当されました。かねてより国土交通省の現場力の重要性を認識されていた先生は、一年間で出先機関である北海道開発局、八つの地方整備局、九つの地方運輸局、十一の管区海上保安本部の全てに足を運び、第一線の職員に対し、直接、感謝と激励のお言葉を掛けられました。
先生は、御自身が阪神・淡路大震災の被災者でもあることから、一貫して追求してこられたのは国民の安全、安心の確保でした。強靱な国土づくりをより強力に進め、国民の皆様が安心して暮らせる社会をつくりたいとの強い思いから、情熱を傾けてこられました。
東日本大震災の発災から間もない時期には、災害に強い物流ネットワークの構築を目的とする日本海側拠点港の形成に関する検討委員会の座長を務められ、日本海側拠点港の選定及びフォローアップを目的とする十九の拠点港の視察を行い、港湾行政の充実強化にも御尽力されました。
また、室井先生は、心のふるさとがお父様の御出生地である福島県南会津郡下郷町ということもあり、東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた福島の復興再生に向けて、被災者の皆様の気持ちに寄り添い、一日も早くかつての暮らしやなりわいを取り戻すことができるよう、国土交通大臣政務官としてはもちろん、退任されたその後も全力で取り組んでこられました。福島の真の復興再生には、観光振興による地域活性化が重要な政策課題であるとの信念の下、広域周遊観光の促進を実現すべく、会津縦貫道を始めとした交通ネットワーク整備の推進に心血を注いでこられたのであります。
さらに、党におかれましては、日本維新の会国会議員団の参議院幹事長、参議院会長代行を務められました。先生は、常々、若い議員の方々に御自身の経験を伝えたいと語っておられたそうです。
私たちも、先生にお目にかかりますと、いつも温かみのある語り口で声を掛けていただき、先生に見守られているように思えたものです。周りの先生方だけではなく、政府の皆さんや職員の皆さんなどにも分け隔てることなく、ユーモアを交えた優しい語り口で話しかけられ、その場の空気を自然と和らげてくださいました。
このように、室井先生は、国会、政府及び党において、政策の実現に向けて奔走されておられましたが、昨年の一月頃から、体調が大変厳しい状況にあったと伺いました。今思えば、昨年末、国土交通委員会のいつものお席に座っていらっしゃったのは、国会議員としての責務を果たそうとする一念であり、私たちに国会議員としての大切なものを伝えてくださっていたのではないかと改めてそう思うのです。
年初の地震により甚大な被害を受けた能登地方を始め、日本全体を元気にしていかなければならないこの時期に、参議院のみならず国政にとって必要とされる先生が御逝去されたことは、誠に痛恨の極みです。
室井先生が精力を注ぎ続けた大規模自然災害から国民の命と暮らしを守るというその御遺志は、今後国会の場において、我々議員一同が引き継いでまいります。
ここに、謹んで、在りし日の故室井邦彦先生の篤実なお人柄と数々の御功績をしのびつつ、本院を代表して御冥福をお祈り申し上げ、哀悼の言葉といたします。
尾
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