厚生労働委員会

2025-05-21 衆議院 全360発言

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会議録情報#0
令和七年五月二十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 藤丸  敏君
   理事 上野賢一郎君 理事 古賀  篤君
   理事 長坂 康正君 理事 井坂 信彦君
   理事 岡本 充功君 理事 早稲田ゆき君
   理事 梅村  聡君 理事 浅野  哲君
      五十嵐 清君    今枝宗一郎君
      草間  剛君    国光あやの君
      栗原  渉君    佐々木 紀君
      塩崎 彰久君    島田 智明君
      鈴木 隼人君    田畑 裕明君
      田村 憲久君    中西 健治君
      根本  拓君    根本 幸典君
      長谷川淳二君    平口  洋君
      深澤 陽一君    福田かおる君
      森下 千里君    吉田 真次君
      池田 真紀君    大塚小百合君
      大西 健介君    酒井なつみ君
      階   猛君    宗野  創君
      堤 かなめ君    中島 克仁君
      長妻  昭君    長谷川嘉一君
      宮川  伸君    山井 和則君
      柚木 道義君    阿部 圭史君
      池下  卓君    猪口 幸子君
      福田  徹君    森ようすけ君
      沼崎 満子君    浜地 雅一君
      八幡  愛君    田村 貴昭君
    …………………………………
   厚生労働大臣       福岡 資麿君
   厚生労働副大臣      鰐淵 洋子君
   厚生労働大臣政務官    吉田 真次君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   吉野維一郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房長) 村山  誠君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       巽  慎一君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           日原 知己君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  鹿沼  均君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  間 隆一郎君
   厚生労働委員会専門員   森  恭子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十一日
 辞任         補欠選任
  安藤たかお君     五十嵐 清君
  塩崎 彰久君     国光あやの君
  根本  拓君     栗原  渉君
  長谷川淳二君     島田 智明君
  大塚小百合君     階   猛君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐 清君     根本 幸典君
  国光あやの君     塩崎 彰久君
  栗原  渉君     根本  拓君
  島田 智明君     長谷川淳二君
  階   猛君     大塚小百合君
同日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     中西 健治君
同日
 辞任         補欠選任
  中西 健治君     今枝宗一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     安藤たかお君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第五九号)
     ――――◇―――――
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藤丸敏#1
○藤丸委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省主計局次長吉野維一郎君、厚生労働省大臣官房長村山誠君、大臣官房年金管理審議官巽慎一君、社会・援護局長日原知己君、保険局長鹿沼均君、年金局長間隆一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤丸敏#2
○藤丸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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藤丸敏#3
○藤丸委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田畑裕明君。
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田畑裕明#4
○田畑委員 おはようございます。自民党の田畑裕明でございます。
 本日より、厚労委員会での年金関連法案の質疑ということであります。
 先週の金曜日、十六日の日に政府は国会に提出をしたわけでありまして、昨日の二十日の本会議の質疑からスタートということでございまして、野党の皆様方の御協力をいただいて、早期に今日からこうして委員会で質疑ができることにも感謝申し上げたいというふうに思います。
 与野党によります熟議によりまして、年金というのは全ての世代の方々に関連がございます、しっかり成立を目指して、与野党の熟議をしっかり行っていかなければいけないということをまず言及をさせていただきたいというふうに思います。
 自民党は、昨年の七月に財政検証が発表された後、党内の協議、議論をずっと積み重ねてきたわけでございます。国会提出までに計十五回の公式な会議体での議論を行い、時間にしては約十八時間強ということであります。これはあくまでも公式的な議論でありますから、その前のいろいろな準備を含めると、相当な時間を実は議論してきたわけであります。
 厚生労働部会、社会保障制度調査会、医療委員会、合同での会議でありました。なお、部会長は長坂先生であり、社会保障制度調査会長は田村憲久先生、また医療委員長は後藤茂之先生でありまして、全員、厚労委員会の所属の先生方であります。
 念のため申し上げますと、我々も、自民党は、この年金法案、五年に一度こうして改正をするということは大変大きな位置づけであるというふうに思っておりますし、老後の国民生活の礎である公的年金制度の安定性、信頼性をしっかり改正のたびに前進をさせるということ、そのための改革、現状のままだと不利益を被る国民の皆様方に対して、それをしっかり是正をし、またいろいろな制度改正について丁寧に説明をしていく、このことが何よりも大事だというふうに思っております。
 私も、ほぼ十五回、ほとんど全て出席をいたしまして、国民の声、厳しいお声も含めて政府に投げかけ、また提言をしてきたわけでございます。
 与党として、今回の提出に至っては相当時間を要したということも巷間指摘をされているわけでありまして、そのような御批判はもちろん真摯に受け止めなければならないというふうに思ってございますが、党内議論は大変丁寧に丁寧に行ったということをまず申し上げたいというふうに思いますし、合意形成に至りましては、とりわけ厚生労働部会長であります長坂先生が本当に心配りをなさって今日に至っているということを、改めて言及をさせていただきたいと思っています。
 そしてまた、もちろん我々は、議員間の討議もそうでありますが、各種団体ですとか様々、いわゆるステークホルダーと言われる方々にも丁寧にヒアリングを行ってきたわけであります。少し主な、我々がヒアリングをした各団体からの御意見について、言及をまずさせていただきたいというふうに思います。
 勤労者皆保険の関係では、被用者保険の適用拡大というのが大変大きなわけでありますが、ほとんどの団体から、適用を拡大する方向性についておおむね一致をしたということ、また中には、速やかな適用拡大を求める団体の御意見や、適用拡大については段階的に実施が必要であるというような御意見もございました。また、事業主の負担増に対しての配慮についても、多くの団体からも言及があったわけであります。
 また、基礎年金のマクロ経済スライドの調整、いわゆる早期の終了、このことについてもいろいろな御意見もいただいてきたところであり、そもそも、基礎年金の給付水準の確保ということの重要性は御指摘をいただいてきたわけであります。
 また、国庫負担分の財源の確保についても、これはきちっと対応すべきだという御意見もいただいたわけでありますし、足下の厚生年金受給者への影響へも配慮するべきだということ、また名目の下限措置についての、速やかに撤廃すべきという御意見もあったことも御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 なお、検討規定にも入ったわけでありますが、将来的に基礎年金の拠出期間の延長、四十五年化ということだと思いますが、給付の充実を必要な国庫負担の財源と併せて検討すべきという御意見もいただいたわけでありますし、これも検討規定に入りましたが、第三号被保険者の保険者制度についても、見直すべきではないか、しっかり次回の検証までに結論を出すべきではないかということの御意見もいただいたことを御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、今年金においては、マクロ経済スライドの調整の一致ということ、早期の終了というのは、党内の議論で非常に丁寧な議論を行ったわけでありますが、与党としては、自民党としては、それを盛り込まない形では今提出ということになっているわけでありますが、これをしっかり議論しながら前進をさせていかなければいけないと思っています。
 また、丁寧な議論の中で……ヤジ済みません、今、質問していますので、後ほどそこはまた触れたいと思いますが。
 それでは、質問の方に入っていきたいというふうに思います。
 財政検証は昨年の七月に発表され、これで四回目の財政検証ということになります。財政検証は、その都度都度、年金の通信簿というような位置づけだというふうに理解をしております。これまで、いわゆる所得代替率の数値を導き出すため、そしてまた、その試算が発表されてきたわけでありますが、過去には、オプション試算ですとか関連の資料等も添付をされ、中身はどんどん分厚くなっているわけでありまして、研究者又は専門家ではないと本当に読み込めない、一般の国民の皆様方は、添付の関連資料をしっかり読み解くというのは相当難儀だというふうに思います。
 いわゆる分布推計というものも今回は公表されているわけでありますが、まず、この分布推計は、それぞれの世代の六十五歳時点におけます、現役時代にどの公的年金制度に加入していたかの経歴類型がどのような構成割合であるですとかの推計、また年金額の将来見通しが公表されているわけであります。
 この分布推計をしっかり作成をし、公表したその意図について、まずお聞かせをいただきたいと思います。
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間隆一郎#5
○間政府参考人 お答えいたします。
 前回までの財政検証では、モデル年金をベースに将来の年金給付水準を試算してまいりました。モデル年金ということになりますと、女性や高齢者の労働参加の効果による将来の年金水準への影響を十分に確認することができないという点がございます。
 こうしたことから、今回の財政検証では、今委員御指摘になられたような、厚生年金の加入による効果を見るために、新たに個人単位での推計を行ってございます。これによって、将来の世代ごとに働き方の年金水準への影響などをお示しすることができるようになった、このように考えております。
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田畑裕明#6
○田畑委員 ありがとうございます。
 そもそも、所得代替率というワードですとか、またモデル世帯も、いろいろ御指摘ありますように、四十年間、旦那さんが働き続け、配偶者は専業主婦であり、六十五歳からいただく年金の額を現役のときの所得と比較をしながら数字を出していくということでありまして、非常にモデル世帯の該当者自身が実際に働いていらっしゃる方々とは乖離をしているというふうに言わざるを得ないわけでありますが、これは法律で定めているわけでありますから、今ここでどうのこうのと言うつもりはございません。
 今、答弁ありましたとおり、お一人お一人の個人になるべく近い形での将来推計を示したということでありまして、今日、配付資料にも配付をさせていただいたのが、その公表資料の一部でございます。
 表に今あるのは、女性の方、現在、二〇二四年時点で六十五歳の方、三十歳の方は二〇五九年に六十五歳になるということでありますが、その方の、現状の形の中で推移をしたときの現行制度、いわゆる成長型、また実質ゼロ成長型ということでの二種類に分けての分かりやすい円グラフが記載をされているところであります。せっかく作っているこうした資料をしっかり、年金制度の理解を深めるための周知広報にもきちっと使っていただきたいと思います。
 もちろん、これだけでもぱっと見て分かりにくい部分もあるのではないかと思いますし、もう一枚の方においては、年金額の将来見通しということで、棒グラフ、また折れ線グラフが示されているわけでありますが、言葉も含めてしっかり、先ほど答弁ありましたとおり、お一人お一人の年金額について、もちろん、ねんきん定期便、また年金シミュレーターというものもございますし、こうしたツールも使ってのしっかりとした広報周知を改めてお願いをしたいと思います。
 そして、この後も、シニア活躍ですとか、女性の就労、社会進出、社会参画がまだまだ伸びるわけでありますし、いわゆる片働きではなくて、共働き世帯が今は大宗を占めるような状況でございます。世帯の形ですとか働き方の変化というものが、より、引き続き今後の公的年金の受給にも影響があるのではないかというふうに思いますが、そこについての政府の見解をお聞きをしたいと思います。
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間隆一郎#7
○間政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員から御配付いただいておりますこの配付資料にもございますように、昨年の財政検証で行った個人単位の年金額分布推計によれば、共働き世帯の増加や、女性や高齢者の労働参加の進展によりまして、若い世代ほど厚生年金の被保険者期間が延び、結果、年金が充実する傾向にあるということが確認されているところでございます。
 このいただいた配付資料で申し上げれば、ピンクの部分が、厚生年金に加入している期間が二十年以上の方、こういう方が増えていくということが年金額にもいい影響を与える、このように考えているところでございます。
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田畑裕明#8
○田畑委員 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、やはりこの年金制度、まずは自分事とすれば、自分の受給額や将来の受給額は幾らになるんだというのが大変多くの国民の皆さんの関心事でありますし、もちろん、制度の安定といったようなこと、これも当然問われるわけでありますから、そこをしっかり注視をお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、ちょっと法案の中について何点か、確認を兼ねて質問したいと思います。
 まずは、老齢厚生年金の繰下げのことにつきましてちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、いわゆる在老を今回、限度額を六十二万に引き上げるということでございます。そもそも、ごめんなさい、先に繰下げの方にします。ごめんなさい。
 ちょっと今確認を兼ねて質問させていただきたいと思いますが、今、それぞれ年金を受給される方々は基本は六十五歳ということでありますが、様々な御事情で繰上げ、繰下げの年金の受給ができるということであります。今後も、シニア活躍、高齢者の方々の就労はますます増えていく中で、いろいろな選択肢があって、それぞれの皆さん方はまた迷いながら、自分の年金の受給年齢を判断をされていくのではないかというふうに思います。
 今、実際、令和五年度末で七十歳の方において年金の繰下げを受けている方々は、三・二%の割合で繰下げということでありまして、印象的にはまだまだ低いというふうに私は感じるところであります。
 改めて、繰下げのメリット、デメリットにつきまして、政府の見解をお聞かせをいただきたいと思います。
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間隆一郎#9
○間政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘のように、我が国の年金制度、受給を開始する時期は六十歳から七十五歳まで選べる、そういう仕組みになってございます。
 その中で、六十五歳以降に受給を開始することを繰下げと申しますが、これについては、受給開始を遅らせることで年金が増額されるというメリットと併せて、繰下げ受給に伴う留意点についても周知をして、お考えの上で選んでいただけるということが大事だと思っています。
 このために、年金の受給開始年齢に到達した方に送付する繰下げ受給に関するリーフレットにおきまして、そのメリットとしては、年金の受給開始時期を遅らせることで、例えば七十歳では四二%の増額になること、増額された年金を終身で受け取れることなどのメリットをお伝えしております。
 それと併せて、御注意いただきたい点として、年金の受給開始を遅らせている間は加給年金や振替加算は併せて支給されないこと、あるいは、繰下げにより増額した年金を受給して収入が増加することによって、医療保険、介護保険等の自己負担や社会保険料、税の負担が増加する場合があることなどのこうした留意点も記載し、メリット、デメリットを併せてお伝えすることで、選択しやすい環境整備に努めているところでございます。
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田畑裕明#10
○田畑委員 ありがとうございます。
 次に言及することは、法案とは直接には、まだまだ熟議が足りないというところでありますが、今、実際、六十五歳まで企業におきましては雇用義務、また七十歳まで就労機会の確保という努力義務が課されているところであります。六十歳以降も働いていらっしゃる方々、六十五歳以降も働いている方々もいらっしゃるし、またこれからどんどん増えていくということになります。
 今、五十九歳まで年金保険料を納付をするということになるわけでありますが、六十代から、六十四歳までの間については年金は基本的には支給されないわけでありますから、その間の生活の糧をどうするのか、またそれまでの家計の貯蓄をどうするのかというのも、国民の皆さんにとっては大変大きな関心事であるのは当然だというふうに思ってございます。
 ちなみに、基礎年金への、保険料拠出期間四十年を超えますと、一八・三%の保険料率で拠出した保険料は基礎年金の給付には反映されなくなるという制度にもなっているところでありますし、また、基礎年金には給付の二分の一の国庫負担がありますが、その国庫負担による年金給付拡充効果もその年代は関係がなくなるということになるわけでありまして、何が言いたいかといいますと、六十代の前半の方々、そしてまた繰下げをされた方々においても若干デメリットもあるということについては、これは丁寧に国民の皆さんにお知らせをしなければいけないということを改めて言及をさせていただきたいと思います。
 それでは、次は適用拡大について、改めて確認を込めて聞いてみたいというふうに思います。
 当然、勤労者皆保険制度、皆年金制度のためには、適用拡大、いわゆる厚生年金に加入をしていただく方々をしっかり確保していく、これはこれまでの年金改革でも大きな柱であったわけであります。今回につきましても、拡充について様々配慮措置がなされているというふうに理解をしているところでありますが、従業員要件等を含めて、対応につきまして改めて確認をしたいというふうに思います。
 当然、事業主の視点というものも大事だというふうに理解をするところでありますが、政府として、被用者保険の適用拡大をするに当たりまして、どのような視点での配慮、またどのような対応ということをこの法案で盛り込んでいるのか、御答弁をお願いをしたいと思います。
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間隆一郎#11
○間政府参考人 お答えいたします。
 これまでも、短時間労働者の方が厚生年金や健康保険に入りやすくする適用拡大について順次進めてきたところでございますが、今回の法案では、最低賃金の上昇も見極めながら賃金要件の撤廃をすることや、企業規模要件の段階的な撤廃、あるいは、既存事業所に配慮しつつ、従業員五人以上の個人事業所の非適用業種の解消などを行って、加入できる方を増やしていくということを考えているところでございます。
 被用者保険に加入することによりまして、加入者の方にとっては年金や医療の給付が充実するメリットがございます。また、事業主の方にとっても、働く方への年金給付等が手厚くなることで、人材確保や定着という観点から、最近はメリットを感じておられる事業主も増えているというふうに考えてございます。
 その上で、委員御指摘のように、今回の見直しでは、今まで以上に小規模の企業を対象とするということもございまして、企業経営に与える影響や事務負担の増加等も踏まえまして、施行までの十分な準備期間を確保することや、段階的な施行によって必要な配慮を行うこと、これが一つ。
 それから、事務的な負担という意味で申し上げますと、電子申請を推進しまして、年金事務所の方へいらっしゃらなくても手続ができるようにしていくことを更に進める必要があるだろうと考えておりますし、また、日本年金機構により、基本情報が記載された届け書などを事業所へ送付して、それを確認してお返しいただくというようなターンアラウンド方式といったようなことも含めて、事務負担の軽減にも更に努めていく必要がある、このように考えております。
 加えまして、キャリアアップ助成金による支援のほか、様々な中小企業支援措置を活用できるよう支援体制を整備するなどによって、円滑な施行に努めていきたい、このように考えてございます。
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田畑裕明#12
○田畑委員 ありがとうございます。
 この分野は、施行期日もそれぞれバランスを取り、段階的にという形になってございますし、今言及がありましたが、日本年金機構に対して、事業主の様々な事務負担の手続についても簡素化、工夫できることについてはきちっと行っていただきたいというふうに思います。
 百六万円の壁への対応のキャリアアップ助成金の制度につきましても、これも丁寧な説明が当然必要だというふうに思いますから、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 もう一点は、在職老齢年金制度の見直しの件であります。
 私自身は、いろいろな御意見や御批判もあるのではないかと思いますが、在職老齢年金、そもそも、国民として保険料をお支払いされていた方々が、法律によって支給を停止をされているという状態であったわけであります。それを本来の姿に、まずは段階的ということになりますが、給付という形に拡充をするということであります。
 もちろん一部には、高齢者、高所得者の優遇を拡充するのかという国民の声は私にも寄せられたところでございましたが、私自身は、今申し上げたとおり、本来、義務として納めた保険料がちゃんときちっと給付されるのが国の責任であるわけでありますが、それを止めていたということ自身はしっかり御説明をしながら、こういったことを丁寧に言えば、国民の皆さんの御理解は私はいただけるのではないかというふうに感じるわけでございます。
 在職老齢年金制度の見直しの内容、また標準報酬月額の上限の見直しの趣旨、そこにつきまして、答弁をお願いをしたいと思います。
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間隆一郎#13
○間政府参考人 お答えいたします。
 まず、在職老齢年金でございますけれども、これはただいま委員からも御指摘ございましたように、負担能力に応じた保険料を御負担いただいて、それに対する給付を行うというのが年金制度の原則だと思いますが、それから見ますと、在職老齢年金は例外的な仕組みだというふうに考えています。これは、二〇〇〇年の改正の中で、年金制度の持続可能性を高めるために導入されたものでございますが、他方で、この仕組みにつきましては、働く高齢者の方の就労意欲を阻害するというふうにも指摘される面がございます。
 現在、人手不足の中で、高齢者の方が働きやすい環境を整備するという観点から、支給停止の基準額を令和六年度価格で五十万円、七年度価格で五十一万円でございますが、これを六十二万円に引き上げる。これは、五十代後半の賃金がそのまま継続したとしても、老齢年金が支給停止にならないというような水準を考慮したものでございますが、こういった形で基準額を見直すということを考えているものでございます。
 それから、標準報酬月額の上限につきましては、幸いなことに賃金が持続的に上がっていくような環境ができつつある中で、標準報酬の上限に該当している方、それ以上の方については、賃金が多くても全部保険料額は一緒だということになりますので、そうすると、分母を賃金にして、実際払っておられる保険料額を分子にしますと、実効の保険料率は下がっていくというような構造にもございます。
 世代内の公平を確保しつつ、そして収入に応じた負担をお願いするという考え方と同時に、同時にその方の保険料増加に応じた将来の給付増にもつなげたい。そして、これは上限に該当しない方も含めた厚生年金加入者全体の給付水準の向上にもつながるものと考えておりまして、こうした多面的な観点から、標準報酬月額の上限につきましても見直しさせていただきたい、このように考えているところでございます。
 こうしたことを分かりやすく国民の皆様にお伝えすることをしっかり取り組んでまいりたい、このように思います。
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田畑裕明#14
○田畑委員 答弁ありがとうございます。
 私は、その考えにはしっかり納得するところであります。もちろん、いろいろな雇用のセーフティーネットをきちっとつくるということも大事でありますし、目標に向かって若い方が頑張って働く、そして、報酬を得て、またその報酬によって保険料をお支払いをされ、将来の年金の給付額が増加をする、こうしたサイクルを当たり前のようにきちっとやりやすい環境を整えていただきたいというふうに思います。
 それでは、改めて、今回の改正には基礎年金水準の底上げ措置というのは盛り込まれていないわけであります。我々の党内の議論の中でも、厚生年金の積立金を流用し基礎年金部分に充てるというような御理解の中での発言があり、なかなか国民の理解は得ることができないのではないかという意見も党内ではあったわけであります。
 今回は、令和二年改正の附則による検討を引き続き行うということに際し、社会経済情勢の変化を見極めるため、報酬比例部分のマクロ経済スライドによる給付措置を、配慮措置を講じた上で次期検証の翌年度まで継続するという形での検討規定という形になっているわけであります。
 そもそも、二〇〇四年の大きな制度改正においては、二〇一七年度まで保険料の引上げを法定化をし、マクロ経済スライドを導入をし、段階的な給付抑制を織り込んで、二〇二三年度には報酬比例も基礎年金も同時に調整を終えられるというのが二〇〇四年のときの最初の制度設計だったわけであります。
 すなわち、賃金スライドに戻ることができるというふうに見通されていたわけでありますが、スライド調整が当初から機能をせず、所得代替率は二〇二四年、二〇〇四年改正のときの試算と反して、現状は六一・二%というふうに上昇したというのが現状だというふうに思います。
 改めて、どうして令和二年の附則の引き続き継続という規定を置き、それを引いて五年後の制度改正時に検討するということにしたのか、それで様々な対応を含めて間に合うのかということ。また、社会情勢の変化ということでありますが、どのようにその意図を理解すればよろしいのか。また、必要な財源の手当てについては、現実的にはどのくらいの年数の経過後に新たな負担というものが生じることになるのか。我々はどう理解をすればいいのか、答弁を求めたいと思います。
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間隆一郎#15
○間政府参考人 お答えをいたします。
 昨年の財政検証におきましては、経済が好調な場合につきましては、基礎年金も含めてマクロ経済スライドの調整は比較的早期に終了し、それによると給付水準の低下は余りないということでございますので、その意味で、必ずしも特別な措置が必要ないという考え方も取れるのではないかと。他方で、経済が好調でない場合におきましては、基礎年金のマクロ経済スライドが二〇五〇年代まで延びるということでございますので、その点については対応が必要になると。
 そうすると、今、今後どういう経済になっていくのか、政府としては成長型経済への移行を目指しているわけでございますけれども、それがどうなるのか、見極める必要があるというふうに考えた次第でございます。
 同時に、前回の法律の改正におきまして、衆議院での修正によって、マクロ経済スライドの調整期間が長期化して基礎年金水準が低下するということについて懸念が示され、それに基づいて、所得再分配機能の強化について検討すべきだという宿題をいわばいただいておりました。その宿題はいまだに生きているというふうに考えておりまして、こうしたものを引き続き経済状況を見極めながら検討していくために、御指摘のような措置を講じたところでございます。
 これに基づいてしっかり検討し、適切な措置を講じてまいりたいというふうに思います。
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田畑裕明#16
○田畑委員 ありがとうございます。
 最後、ちょっと大臣にお聞きをしたいと思いますが、今回のこの法案の改正においても、現在の低所得者、将来の更に貧困層につながる、そうした方々への配慮をどうするのかというのは大変大きな課題であります。
 私は、一義的には、低所得者対策は、きちっと、厚生年金保険を適用される事業所で働いていただく、その適用拡大も含めてそうした雇用政策の環境をしっかり整える、これが一義的には低所得者の方々への大変大きな改革であり、やらなければいけないことは、そのことがまず本趣旨だというふうに思います。
 しかしながら、いろいろ段階を踏まなければいけない、また事業主側、雇用主側の御都合もしっかり整えていかなければいけない、いろいろ課題があるわけであります。
 大臣は、今回この法案を、様々な御意見があって今こうして提出をされているわけでありますが、成案に向けまして、改めて大臣の御意図、また御意思をお聞かせをいただきたいと思います。
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福岡資麿#17
○福岡国務大臣 年金制度は老後生活の柱の一つでありますから、その役割を将来にわたって果たすことができるように、社会経済の情勢の変化に対応して制度を見直すとともに、一定の給付水準の確保に取り組むことが大変重要だと考えております。
 こうした観点から、今回の法案は、主に若年労働者そして中高年労働者の方に対しては、いわゆる百六万円の壁を撤廃し、より手厚い年金を受けられるようにする被用者保険の適用拡大であったり、また標準報酬月額の上限を引き上げ、収入に応じた負担をお願いしながら、保険料の増加に応じた将来の給付増にもつながるための見直しにより、将来の給付を充実させる施策を講じています。
 また、主に年金受給者の方には、就労収入を得ながら年金をより多く受け取れるようにする在職老齢年金制度の見直しであったり、iDeCoの加入年齢を七十歳まで拡大する措置など、現在の年金の増額措置などを盛り込んでおりまして、これらの施策により、将来の給付水準の確保につながる内容となっているわけでございます。
 政府といたしましては、こういったこの法案の意義であったり内容とメリットにつきまして、現役世代そして受給者、双方に御理解いただけるようにしっかりと説明を尽くしてまいりたいと思います。
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田畑裕明#18
○田畑委員 意気込みを聞かさせていただきました。
 低年金者ですとか無年金者の方々においては、そうした手当ても多様でありますし、私は、住宅政策、住まい、こうした面も非常に重要だというふうに思います。しっかり政府間でも連携をしていただきながら、前進をさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
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藤丸敏#19
○藤丸委員長 次に、長妻昭君。
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長妻昭#20
○長妻委員 よろしくお願いをいたします。
 今日から委員会での年金改革法案の質疑ということで、緊張感を持って質疑に臨んでいきたいというふうに思います。
 年金の制度というのは、言うまでもなく巨大な制度でございまして、私は、一言で言えば、人間の尊厳を守る大切な制度だと思っています。やはり年を取ってなかなか収入が減ってきたときに、身の回りのことは自分のお金で手当てをしていこう、あるいは冠婚葬祭でも自分のお金で子供に頼ることなく人生を全うしていこう、こういうような人間の尊厳を本当に守る大切な制度だというふうに思っております。
 保険という名前がついて、リスクは何なんだとよく聞かれるんですけれども、長生きリスクということで、このぐらいまで貯金があれば老後大丈夫かなと思いきや、不測の事態や予想外に長生きをしてそれが足りなくなる、こういうことを防ぐために、老後、何歳になっても、百歳になろうが百二十歳になろうが毎月同じ金額がきちっと払われる、こういう安心感があって社会が安定するというふうに思っております。
 フランスでも、年金改革、失敗しまして、全土で暴動が起きました。そして、プーチン大統領も年金改革を失敗して、支持率がぐっと下がって、それを挽回するためにウクライナ侵略をしたとも言われております。
 非常に年金というのは、社会の混乱を、間違った改革や改革のスピードが遅くなると混乱を呼ぶ、大変機微に触れる、しかも巨大な制度だというようなことでございまして、今回、私は政府から出てきた法案について、あんこのあんが入っていないということが非常に残念なんですね。それ以外の点は、これまでの宿題をかなりきめ細かくやられているということで、我々も一定の評価をしています。ずっとこれまでやりたくてもできなかった宿題が入っているんですね。ただ、肝腎要の、中核である基礎年金の底上げ、つまりマクロ経済スライドの早期終了というのが入っていないというのは、致命的だというふうに思います。
 そこで、我々は昨日、井坂筆頭理事が我々の修正案骨子を皆さんにお配りをしたわけでございますけれども、これは、福岡大臣、御覧になっていかがでございますか。
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福岡資麿#21
○福岡国務大臣 将来世代の基礎年金の水準を底上げする、その方向性については私どもとしても十分認識をしておりますところでありますが、御提出いただいたそこの内容についてのコメントについては差し控えさせていただきたいと思います。
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長妻昭#22
○長妻委員 差し控えるというのは何で。
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福岡資麿#23
○福岡国務大臣 まさにその内容をどうするかについては、与野党で今、これからまた御協議いただくというふうに承っておる、そういう観点で申し上げさせていただきました。
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長妻昭#24
○長妻委員 これは、何でもかんでも与党の御意向が出ないと動けないということじゃないと思うんですよね。やはり、大臣はもう少しリーダーシップを発揮して、国会のこういう場で少し前に出た答弁をする、これによってリードをするというのが普通だと思うんですね。
 この件については、こういう表を作ってみましたけれども、結局、何が重大なポイント、あんこかというと、マクロ経済スライドを早期に終了させるということなのでございますけれども、これまでは、マクロ経済スライドが入るまでは、年金というのは物価スライドということで、物価が三%上がれば年金受給額も三%上がる、こういうような、比例していたんですね。
 ところが、マクロ経済スライドが入って、二〇〇四年からは、物価が上昇しても、一定の被保険者数の減少率とか平均余命の延び等を勘案してマイナスするというようなことで、今、〇・四%マイナス。例えば、二%物価が上がっても、一・六%しか年金が上がらないということで、実質価値が下がっていく。それがどんどんこの表のように急激に下がって、二〇四六年にはマイナス一・七%になっちゃう。物価が二%上がっても、年金がたった〇・三%しか伸びない、こういう形で大変きつくなるんですね。これは厚生年金にも基礎年金にも同じようにかかるわけであります。かかるんですね。
 これは、ほっておくと二〇五七年まで続いちゃうんですね、ずっと五七年まで。これはきついということで、基礎年金と厚生年金を同時に、マクロ経済スライドを二〇三七年に停止しよう、こういう案なんですね。これがあんこのあんの効果です。
 じゃ、二〇三七年に停止すると、二〇三八年以降は物価スライドに戻るという理解でいいですね、基礎年金も厚生年金も。
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福岡資麿#25
○福岡国務大臣 御指摘のとおりでございます。
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長妻昭#26
○長妻委員 ということは、今回のあんこのあんをちゃんと入れれば、二〇三八年からは物価が上がれば年金も上がるんです。全く同じように上がる。そういう世界が二〇三八年から基礎年金も厚生年金もでき上がるんですね。将来不安が相当解消されますよね、これは。
 これがあんこのあんの最大のポイントのところで、我々は修正の第二項には、年金額が減る方への一定の手当てというのも入れているわけでございまして、じゃ、修正案についてはコメントできないということであれば、こういうマクロ経済スライドの早期終了、今申し上げたようなことは、これは必要だというふうに大臣はお考えになりますか。
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福岡資麿#27
○福岡国務大臣 将来世代の年金水準を確保する、その中の一つの大きな要素として、マクロ経済スライドの早期終了というのが選択肢としてあるということについては認識をしております。
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長妻昭#28
○長妻委員 その選択肢すら削除しちゃっているわけですよね。でも、選択肢があると認識されているので、我々の案を受け入れる余地はあるというふうに理解しておりますけれども。
 今回、いろいろマスコミ等も、ちょっとかなり誤解を生むような報道が続発をして、国民の皆さんも混乱されておられると思うんですけれども、今回、私は厚生年金等底上げ案とあんこのことを申し上げているんですけれども、これは何か厚生年金の積立金の流用だということをおっしゃる方がいますが、これは全くの間違いですから。事実誤認です。
 じゃ、今でも厚生年金から基礎年金にお金が流れていると思うんですが、大体どのくらいのお金が流れていますか。
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福岡資麿#29
○福岡国務大臣 約百兆円ということでございます。
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