国土交通委員会法務委員会連合審査会

2025-05-14 衆議院 全138発言

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会議録情報#0
令和七年五月十四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
  国土交通委員会
   委員長 井上 貴博君
   理事 勝俣 孝明君 理事 加藤 鮎子君
   理事 中谷 真一君 理事 城井  崇君
   理事 神津たけし君 理事 森山 浩行君
   理事 奥下 剛光君 理事 西岡 秀子君
      石橋林太郎君    大西 洋平君
      梶山 弘志君    加藤 竜祥君
      金子 恭之君    工藤 彰三君
      国定 勇人君    小寺 裕雄君
      小森 卓郎君    高見 康裕君
      田所 嘉徳君    谷  公一君
      土屋 品子君    西田 昭二君
      平井 卓也君    三反園 訓君
      阿久津幸彦君    尾辻かな子君
      小宮山泰子君    下条 みつ君
      白石 洋一君    津村 啓介君
      長友よしひろ君    伴野  豊君
      松田  功君    馬淵 澄夫君
      谷田川 元君    阿部 弘樹君
      井上 英孝君    徳安 淳子君
      鳩山紀一郎君    古川 元久君
      赤羽 一嘉君    中川 康洋君
      たがや 亮君    堀川あきこ君
      福島 伸享君
  法務委員会
   委員長 西村智奈美君
   理事 小泉 龍司君 理事 津島  淳君
   理事 中野 英幸君 理事 鎌田さゆり君
   理事 黒岩 宇洋君 理事 米山 隆一君
   理事 金村 龍那君 理事 円 より子君
      井出 庸生君    稲田 朋美君
      上田 英俊君    大空 幸星君
      上川 陽子君    神田 潤一君
      棚橋 泰文君    寺田  稔君
      平沢 勝栄君    若山 慎司君
      有田 芳生君    篠田奈保子君
      柴田 勝之君    平岡 秀夫君
      藤原 規眞君    松下 玲子君
      萩原  佳君    藤田 文武君
      小竹  凱君    大森江里子君
      平林  晃君    本村 伸子君
      吉川 里奈君    島田 洋一君
    …………………………………
   法務大臣         鈴木 馨祐君
   国土交通大臣       中野 洋昌君
   国土交通副大臣      高橋 克法君
   法務大臣政務官      神田 潤一君
   国土交通大臣政務官    高見 康裕君
   国土交通大臣政務官    国定 勇人君
   政府参考人
   (消防庁審議官)     鳥井 陽一君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    竹内  努君
   政府参考人
   (国土交通省不動産・建設経済局長)        平田  研君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  楠田 幹人君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第三四号)
     ――――◇―――――
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井上貴博#1
○井上委員長 これより国土交通委員会法務委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。
 内閣提出、老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付の資料をもって説明に代えさせていただきますので、御了承願います。
 これより質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。若山慎司君。
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若山慎司#2
○若山委員 おはようございます。自由民主党の若山でございます。
 本日は、建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律案における建物の共用部分の損害賠償請求権の行使の円滑化について、これまでそれぞれの委員会で議論が交わされておりますが、伺っておりますと、政府案に対する御指摘がある一方で、その対案である当然承継案についての議論という点では余り深まっていないのではないかなと印象として持っておりまして、この際、当然承継案の、これに対する政府の見解を確認をさせていただきたいと思います。
 おおむね、当然承継案ということは、分譲事業者と旧区分所有者の間で分譲契約の契約不適合に基づく損害賠償請求権が、旧区分所有者が区分所有権を新区分所有者に譲渡した場合に、当然に新区分所有者に損害賠償請求権も移転するということを法律で規定するというものであると理解をしております。
 そうした中で、当然承継案では、改正法が施行される前に区分所有権が譲渡されていた場合でも、法律で規定することにより、当然承継がなされていたものということとして扱うことが可能になるということが優位性として挙げられておりますが、これはすなわち、法改正前の事案に法律を遡及適用するという御主張、考え方であるというふうに理解をいたします。
 そうしたとき、現行の区分所有法の解釈では、そのような当然承継という扱いはなされていないと承知をしておりますが、現行法の解釈としてそのような当然承継がなされていないのであれば、遡及効は、まさに既に生じた法律関係をひっくり返すようなことになる可能性はないか、様々な問題が想定されると思いますが、この点について政府参考人から伺いたいと思います。
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竹内努#3
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 分譲業者と旧区分所有者の間の分譲契約の契約不適合に基づく損害賠償請求権は、売主である分譲業者と買主である区分所有者との間の契約関係に基づきまして買主である区分所有者が取得する債権であり、物権である区分所有権とは全く別個の財産権であります。
 御指摘のとおり、現行法の下で区分所有権が譲渡されたといたしましても、分譲契約の契約不適合に基づく損害賠償請求権が当然に移転するものではないと考えております。
 そのため、御指摘の当然承継を遡及適用する場合には、旧区分所有者は遡って権利者ではなかったこととなりますので、例えば、既に分譲業者から損害賠償金の支払いを受けていた旧区分所有者が、現区分所有者から損害賠償金の引渡しを求められる事態が生じる可能性があります。
 また、既に分譲業者から損害賠償金の支払いを受けていた旧区分所有者が、分譲業者から損害賠償金の返還を求められる事態が生じる可能性があります。
 さらに、既に損害賠償金を多数の旧区分所有者らに支払い済みであった分譲業者におきましても、現区分所有者から改めて損害賠償金の支払いを求められる事態が生じる可能性があります。
 このように、御指摘の当然承継を遡及適用することは、国民の権利義務に影響を及ぼすことに加え、社会経済に著しい混乱をもたらすものであるため、認められないと考えているところでございます。
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若山慎司#4
○若山委員 私も秘書歴が長うございましたが、いろいろな御相談を受けるんですけれども、こういった分譲のマンションの買った際のトラブルみたいなことは多く耳にいたしました。実際には、不正常な施工を行う事業者とか悪意ある旧区分所有者というものがあって、多くのトラブルが引き起こされているというのが実情であろうというふうに私は受け止めております。
 そうしたときに、新区分所有者が旧区分所有者に対して損害賠償請求する権利を移転されてしまったら、当然承継されてしまった場合、施工業者が倒産した場合とか、それから、悪意ある旧区分所有者に対しての請求権というものが失われる可能性があるのではないかということを懸念するものであります。新区分所有者が不利益を被ることがあり得るようなことは、これはあってはならないのではないかなと。
 他方で、今回の法改正の目的が、現在の新区分所有権、区分所有権を現在有している人たちが建物の修繕をしやすい環境を整えることにあるということに鑑みると、政府案では、区分所有権が新区分所有者に譲渡される前にあらかじめ規約で定めておけば、旧区分所有者に帰属する損害賠償金についても、その使い道を制限してマンション修繕に充てることが可能であるというふうにしておられると承知しております。
 では、規約が定められる前に区分所有権が譲渡された場合には、修繕費用相当額を得るために、新区分所有者、つまり現在の区分所有者はどのような対応をすることが考えられるでしょうか。
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竹内努#5
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のような場合には、例えば、現区分所有者が修補費用を負担するなどして修補することになると考えられるところ、その現区分所有者は、その負担する修補費用相当額について、法律上は、売買契約の契約不適合責任に基づき、旧区分所有者に対して損害賠償請求をすることが考えられます。
 また、区分所有建物に建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵があるような場合には、特段の事情がない限り、現区分所有者は、不法行為に基づき、マンションの設計、施工業者に対して損害賠償請求をすることが可能であると考えております。
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若山慎司#6
○若山委員 今の御答弁ですと、制度上、新区分所有者が旧区分所有者に対して損害賠償請求することも考えられるということですが、マンションを転売する場合に、契約不適合責任を免除する特約が付されている場合が多いということも伺っております。このような特約がある場合でも、新区分所有者は旧区分所有者に損害賠償を請求することができるのでしょうか。
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竹内努#7
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、法律上は、新区分所有者は売買契約の契約不適合責任に基づき旧区分所有者に対して損害賠償請求が可能であるといたしましても、実際上は、当該売買契約において、売主である旧区分所有者の契約不適合責任を免除するという特約がされている場合があると承知をしております。一般論としては、そのような特約も、私的自治の原則に基づく合意として基本的に尊重されるべきものと考えられます。
 他方、一般論として、契約内容の合意に至る経緯や、旧区分所有者及び現区分所有者の利害状況等の個別具体的な事案における事情を総合的に考慮した上で、旧区分所有者による契約不適合責任を免除する特約の主張が極めて合理性に乏しい行動として社会通念上不適当であると考えられる場合には、当該主張が権利濫用として認められない事案もあり得ると考えております。
 法務省といたしましては、本改正案が成立した場合には、どのような場合に旧区分所有者による契約不適合責任を免除する特約の主張が極めて合理性に乏しい行動として社会通念上不適当であるかについても、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
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若山慎司#8
○若山委員 これらの話は、実に法律的な、またテクニカルな側面があると承知をしております。規約の定め一つ取っても、やはり、法律の専門家であるとは限らない各管理組合の皆さんにとってはハードルが高いのかなという感じを受けます。
 建物の実情を踏まえて、住まう人々の生活に沿う形で安心できる場になるためには、今回の改正内容を広く理解されることが必要であり、また、規約の改定についても、具体的に世に示される必要があるのではないかと思います。また、マンション管理士さんや行政書士さんのような、身近な相談できる窓口というものが必要になってくるのではないかと思います。
 最後に、法務大臣に、こういった改正の周知、広報、そして規約の適切な改定に向けた取組について、思いを伺えればと思います。
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鈴木馨祐#9
○鈴木国務大臣 今先生御指摘のように、この法案、老朽化したマンションの管理、再生を円滑化する観点から極めて大事でありますけれども、同時に、区分所有者の権利利益に大きく影響する内容が含まれています。したがって、やはり十分な周知、広報、これは極めて大事だと思っております。
 同時に、損害賠償金を修繕費用に充当する旨の管理規約の定め、これも各マンションの実態に応じて設けていただけるように、こうした定めを含む標準管理規約の周知の徹底、ここにもしっかりと取組を進めていく必要があると思っております。
 施行日令和八年四月一日ということで御提案させていただいておりますけれども、このマンション法を所管する国交省との緊密な連携の下で、関係団体の協力も得ながら、全国各地で説明会を開催するなどして、この施行までの間に、この趣旨、内容が正しく理解されるようにしっかりと周知徹底を行ってまいりたいと思っております。
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若山慎司#10
○若山委員 ありがとうございました。
 終わります。
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井上貴博#11
○井上委員長 次に、米山隆一君。
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米山隆一#12
○米山委員 それでは、会派を代表して質問をいたします。
 焦点は第二十六条ということで、時間も限られておりますので、区分所有法第二十六条について御質問させていただきます。
 この区分所有法二十六条二項、この条文は非常に括弧が多くて読みづらいんですけれども、実は括弧を外していくと、書いてあることは、管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。共用部分について生じた損害賠償金の請求については損害賠償請求権を有する者を代理する、非常にシンプルな条文になっております。
 これは、マンションというものはあくまで個々人が区分所有しているものの集合体であって、マンションとして一つの法人なわけではないので、二十五条に定める管理者というものは、法人としてのマンションを代表しているのではなくて、個々人の権利を代理している。なので、こういう規定ぶりになっているんだと思いますけれども、その理解でよろしいのか、政府参考人に伺います。
 また、あわせて、マンションを法人にするということではないんですけれども、第二十七条一項という規定がございまして、この規定によりますと、規約により共用部分を管理者の所有と定めた場合、管理者が本人として損害賠償請求できるということですので、運用としては、法人のために代表者が権利を行使するのとほぼ同様の形態になると思いますが、そのような理解でいいのか、政府参考人に伺います。
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竹内努#13
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 いずれのお尋ねも、委員御指摘のとおりです。
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米山隆一#14
○米山委員 そういうことですよね。
 それで、二十六条の二項を使う場合には、それは個々人の集合体で代理しているということになるし、それが嫌で、ある種法人的な共有ということで考えたいんだったら、それは二十七条一項を使えばいいということなんだろうと思います。
 そして、二十七条一項を使わない場合には、区分所有者個々人の損害賠償請求権はどのように生じるかといいますと、御案内のとおり、原則的には販売者、すなわち分譲事業者との契約による債務不履行若しくは住宅品質管理法による瑕疵担保責任として、分譲事業者との間で生じることになろうかと思います。
 ここで、原始区分所有者がマンションをほかの人に売りますと、AさんからBさんに売りますと、新区分所有者のBさんは、あくまで原始区分所有者との間に契約関係があるだけになります。
 ここで、売買後、つまり、新区分所有者Bさんがマンションに住んでいる段階でマンションの欠陥、例えば共用部分に雨漏り等が生じた場合、新区分所有者は、Bさんですね、分譲事業者に対して損害賠償を求めることができますか。
 また、管理人は、この区分所有者が持っている持分の分まで含めて損害賠償請求できますか。政府参考人に伺います。
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竹内努#15
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 まず、新区分所有者でございますが、分譲事業者に対しては契約不適合責任に基づく損害賠償請求権を持っておりませんので、管理者もこれを代理して行使することはできません。
 ただ、管理者は、原始区分所有者が有している損害賠償請求権を代理行使することはできます。
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米山隆一#16
○米山委員 そうですね。これが二十六条の二項、この資料の一ページにある、まさにこれによって、譲受人、新たに新区分所有者となった者が損害賠償請求権はなくても、管理人はそれをできるということになったわけでございます。
 そこで、質問なんですけれども、そうして、無事、管理人が損害賠償請求権を得て、そして裁判に勝って損害賠償を得ることができたということになった場合に、管理人若しくは新区分所有者はその損害賠償を修繕に使うことができるでしょうか。また、できないとしたら、それを使うためにはどのようにしたらいいか。これも政府参考人に伺います。
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竹内努#17
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 管理者は、現区分所有者又は旧区分所有者を代理して賠償金を受領しておりますので、その承諾なく修繕に使うことはできません。したがって、管理人が修繕費等に使用するためには、現区分所有者又は旧区分所有者の承諾を得たり、規約でその旨を定めておくなどの必要があると考えております。
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米山隆一#18
○米山委員 これもそのとおりといいますか、これも一見、何か迂遠なようにも見えるといいますか、雨漏りの分を損害賠償で請求しておきながら、それは使えないようにも見えるといえば見えるんですけれども。最初に御質問したとおり、マンションというのは結局いろいろな区分所有者の集合体で、管理人はあくまでそれを代理しているだけなので、それは法律として、こういうたてつけになるのはやむを得ないということになろうかと思いますね。
 この場合、旧区分所有者が、いや、それを修繕に使えませんよ、やはり私、そのお金欲しいです、私が損害を受けているんだから欲しいですと言った場合には、それは確かに、新区分所有者はそれを受け取れない、修繕にも使えないということになろうかと思います。それは確かに気の毒といいますか、気の毒であったり、実際そのお金を受けられないものだから修繕ができないということもあろうかとは思います。
 それを補うために、売買契約において区分所有権が譲渡されると、これに付随する潜在的な分譲事業者に対する損害賠償請求権も当然に承継されるという立法が、先ほどお話もありましたけれども、そういう立法が提案されております。
 そこで、仮にそのような立法がなされたとして、今もう既にマンションというのは、当然ですけれども、いろいろな方々の間で転売されているわけなんですが、仮にこの当然承継の立法がなされた場合に、今既にマンションを買っている方、もう既に売買をしている方は、潜在的な分譲事業者に対する損害賠償請求権、これを得ることができるでしょうか。政府参考人にお伺いします。
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竹内努#19
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 法令の効力ですが、原則として法施行時点以後の事象に対して生ずるものでございます。したがいまして、お尋ねのような立法がされたといたしましても、直ちに法施行以前に区分所有権を譲り受けた区分所有者が、譲渡人たる旧区分所有者の有する損害賠償請求権を取得するものではないと考えております。
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米山隆一#20
○米山委員 これもある種当然といいますか、遡及効という別の条項を定めれば別だとは思うんですけれども、当然承継という規定を作っただけで新区分所有者が何か保護されるようになるということではないということですよね。この当然承継という規定が作られた場合には、その後に、法が施行された後に新しくマンションを所有した人はそれは適用されるけれども、当然その前の人は適用されないということを確認いたしました。
 そこで、この点については、これも先ほど若山委員からお話があったように、遡及効ということが、ある種、別の条項が定めた遡及効ということが提案されているんですけれども、それは次の次で質問するとして。
 次に、原始区分所有者が既に住んでいるときに共用部分に雨漏りがした。それは当然あるわけですよね、共用部分に雨漏りがした。そこで、原始区分所有者Aさんを含めて、マンションの住人が取りあえず急いで費用を出し合って、雨漏りを修理した。その後、分譲事業者に修理代を請求しようということになったが、分譲事業者となかなか折り合いがつかないし、交渉が成立しない。
 仕方ないから訴訟にしようと思ったら、またこれを、区分所有者同士で訴訟をするかどうか、するとしてもどの弁護士事務所に頼むかで、すったもんだでいつまでたっても話が進まない間に、原始区分所有者のAさんは転勤を命じられた。なので、AさんはBさんにもうマンションを売りました。Bさんが現在の新区分所有者になりました。ということになって、しばらくたった後に結局訴訟が提起されて、勝訴して修理費用が得られたとします。
 このときに、仮に、区分所有権が譲渡されるとこれに付随する潜在的な分譲事業者に対する損害賠償請求も当然に承継されるという当然承継の立法がなされていて、その後にBさんにマンションを売却した。このときの、Bさんにマンションを売却したAさんは、既に自分が負担していた修理費用を管理人からもらって回収することができるか、これを政府参考人にお伺いいたします。
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竹内努#21
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のような立法がされた後に区分所有権の譲渡がされたという場合には、譲渡人の損害賠償請求権は、当然に譲受人、Bさんに移転することとなります。したがって、譲渡人であるAさんは、管理人が受領した損害賠償金の引渡しを求めることはできず、そこから既に負担した修理費用を回収することはできないと考えられます。
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米山隆一#22
○米山委員 そうなんです。当然承継ということにしますと、このような場合には先に修繕費用を払ったAさんは回収できないので、逆に、さらには、先に払っちゃいけないなということになってしまう。延々すったもんだを待たなければならないということも考えられるわけです。
 また、では割り引いて売ればいいと考えるかもしれませんけれども、訴訟で幾ら取れるかというのは分かりませんから、割り引いて売ることもなかなか難しいということになり得るのかなと思います。
 一方、現在、政府から提案されている改正案であるならば、このケースでは、原始所有者が、管理人が訴訟に勝ったら、損害賠償金のうち持分分は自分のものだということで、修理代を管理人から振り込んでもらって回収できるということになろうかと思います、先ほどの答弁にもございましたとおり。それで安心して売却できるということになります。
 ところで、今度は、まず先に原始所有者のAさんが修理代を払い、その後、訴訟前にマンションをBさんに売り、その後に管理人が訴訟に勝って損害賠償を得て、Aさんに払った修理代を振り込んでくれたその後に、先ほどの当然承継に加えて更に遡及効があるという法律が成立した場合には、Aさんに振り込まれた修理代、これはどうなりますか。政府参考人に伺います。
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竹内努#23
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のような立法がされた場合には、旧区分所有者、Aさんですが、Aさんは、既に修理代金相当額の損害賠償金の支払いを受けていたのですが、遡って権利者ではなかったこととなりますので、不当利得として損害賠償金の返還を求められる可能性があると考えます。
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米山隆一#24
○米山委員 そういうことで、遡及効というのはなかなか大変な法律だということになろうかと思います。
 そこで、政府からは、現在の改正法、すなわち当然承継や遡及はなしで、標準管理規約において、共用部分の損害賠償は修繕費用にしか使えないとすることを提案されております。
 この場合、AさんからBさんにマンションを売却後に雨漏りが見つかって損害賠償を得た場合は、Bさんの分も含めて修繕に使われることになると思われます。
 また、雨漏りが発覚して修繕費用を払った後にAさんからBさんにマンションを売却し、その後に損害賠償を得た場合には、規約の内容次第ではありますけれども、恐らく立替え修繕費用の支払いということで、Aさんは修繕費を回収できるということになろうかと考えられます。
 一方、管理規約はあくまで管理規約ですので、本当に多くのマンションで標準管理規約が採用されるか分かりませんし、標準管理規約前にマンションを原始所有者から買い、修繕費用に困る人がやはり出るかもしれません。
 そういった様々な状況について、本改正案施行後、十分な調査を行い、適切な対応を講ずるべきだと考えますが、法務大臣、国交大臣にそれぞれの御所見を伺います。
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鈴木馨祐#25
○鈴木国務大臣 今先生御指摘の標準管理規約、これは極めて大事になってくると思います。
 別段の意思表示、この禁止等々ということになると思いますけれども、そういった中で、それがどう、こういった標準管理規約等も含めてしっかりと対応していただいているのか、これは改正法の施行後も、この運用の意味で極めて大事ですので、国交省も恐らくこれはマンション総合調査等々されていると思いますので、そこをしっかり連携した上で、調査、把握をした上で対応していきたいと思っております。
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中野洋昌#26
○中野国務大臣 お答え申し上げます。
 今回、共用部分の損害賠償請求権の行使の円滑化ということで、区分所有法の改正と標準管理規約改定による実務的な対応ということでございますけれども、この標準管理規約をできるだけ早く改正ができるようにということで、管理組合に対する様々な周知や、あるいは各マンション管理業者、マンション管理士などを通じた働きかけ等々、管理規約への反映をまずは徹底をしてまいりたいと思いますし、また施行後、その反映状況などの把握ということも大変重要でございまして、マンション総合調査などの活用で実態把握に取り組むとともに、取り残されるマンションがないように、これは法務省ともしっかり連携させていただきまして、関係者による支援体制も構築しながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
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米山隆一#27
○米山委員 質問を終わります。
 ありがとうございました。
    〔井上委員長退席、西村委員長着席〕
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西
西村智奈美#28
○西村委員長 次に、篠田奈保子さん。
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篠田奈保子#29
○篠田委員 立憲民主党・無所属の篠田奈保子でございます。
 米山議員の質問を受けまして、質問をさせていただきます。同じ論点についてでございます。
 今、政府の方から、今回の法改正で、不都合があることはお認めになっているから、標準管理規約により対応をするというような御趣旨で御答弁がされていると思うんですが、不都合があり、何らかの対応が必要であることを認めているのであれば、標準管理規約の改定という現場に手間や労力を丸投げするのではなくて、立法府として、それこそ法改正により行うことが適切ではないのか、それが立法府の責務ではないのかなと思うんですが、この辺りについて、法務大臣、いかがお考えでしょうか。
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