内閣委員会
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会
会議録情報#0
令和七年四月十六日(水曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 田中 健君
五十嵐 清君 石原 宏高君
井野 俊郎君 江渡 聡徳君
尾崎 正直君 金子 容三君
川崎ひでと君 岸 信千世君
栗原 渉君 島田 智明君
田中 良生君 土田 慎君
西野 太亮君 平井 卓也君
平沼正二郎君 宮下 一郎君
山際大志郎君 山口 壯君
市來 伴子君 梅谷 守君
おおたけりえ君 下野 幸助君
橋本 慧悟君 藤岡たかお君
松田 功君 馬淵 澄夫君
水沼 秀幸君 山 登志浩君
山崎 誠君 伊東 信久君
中司 宏君 三木 圭恵君
石井 智恵君 菊池大二郎君
河西 宏一君 中川 宏昌君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
…………………………………
国務大臣
(科学技術政策担当) 城内 実君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
経済産業大臣政務官 竹内 真二君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官) 渡邊 昇治君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 徳増 伸二君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 三橋 一彦君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 井幡 晃三君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 日向 信和君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 奥野 真君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 中原 裕彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局首席国際博覧会統括調整官) 茂木 正君
参考人
(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授) 松尾 豊君
参考人
(一橋大学大学院法学研究科教授) 生貝 直人君
参考人
(一般社団法人ソフトウェア協会会長)
(さくらインターネット株式会社代表取締役社長) 田中 邦裕君
参考人
(一般財団法人GovTech東京アドバイザー) 安野 貴博君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
尾崎 正直君 土田 慎君
栗原 渉君 五十嵐 清君
平沼正二郎君 川崎ひでと君
馬淵 澄夫君 山崎 誠君
山 登志浩君 松田 功君
伊東 信久君 中司 宏君
山崎 正恭君 中川 宏昌君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 島田 智明君
川崎ひでと君 平沼正二郎君
土田 慎君 金子 容三君
松田 功君 山 登志浩君
山崎 誠君 馬淵 澄夫君
中司 宏君 伊東 信久君
中川 宏昌君 山崎 正恭君
同日
辞任 補欠選任
金子 容三君 尾崎 正直君
島田 智明君 栗原 渉君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案(内閣提出第二九号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 田中 健君
五十嵐 清君 石原 宏高君
井野 俊郎君 江渡 聡徳君
尾崎 正直君 金子 容三君
川崎ひでと君 岸 信千世君
栗原 渉君 島田 智明君
田中 良生君 土田 慎君
西野 太亮君 平井 卓也君
平沼正二郎君 宮下 一郎君
山際大志郎君 山口 壯君
市來 伴子君 梅谷 守君
おおたけりえ君 下野 幸助君
橋本 慧悟君 藤岡たかお君
松田 功君 馬淵 澄夫君
水沼 秀幸君 山 登志浩君
山崎 誠君 伊東 信久君
中司 宏君 三木 圭恵君
石井 智恵君 菊池大二郎君
河西 宏一君 中川 宏昌君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
…………………………………
国務大臣
(科学技術政策担当) 城内 実君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
経済産業大臣政務官 竹内 真二君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官) 渡邊 昇治君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 徳増 伸二君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 三橋 一彦君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 井幡 晃三君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 日向 信和君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 奥野 真君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 中原 裕彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局首席国際博覧会統括調整官) 茂木 正君
参考人
(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授) 松尾 豊君
参考人
(一橋大学大学院法学研究科教授) 生貝 直人君
参考人
(一般社団法人ソフトウェア協会会長)
(さくらインターネット株式会社代表取締役社長) 田中 邦裕君
参考人
(一般財団法人GovTech東京アドバイザー) 安野 貴博君
内閣委員会専門員 田中 仁君
―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
尾崎 正直君 土田 慎君
栗原 渉君 五十嵐 清君
平沼正二郎君 川崎ひでと君
馬淵 澄夫君 山崎 誠君
山 登志浩君 松田 功君
伊東 信久君 中司 宏君
山崎 正恭君 中川 宏昌君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 島田 智明君
川崎ひでと君 平沼正二郎君
土田 慎君 金子 容三君
松田 功君 山 登志浩君
山崎 誠君 馬淵 澄夫君
中司 宏君 伊東 信久君
中川 宏昌君 山崎 正恭君
同日
辞任 補欠選任
金子 容三君 尾崎 正直君
島田 智明君 栗原 渉君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案(内閣提出第二九号)
――――◇―――――
大
大岡敏孝#1
○大岡委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授松尾豊君、一橋大学大学院法学研究科教授生貝直人君、一般社団法人ソフトウェア協会会長、さくらインターネット株式会社代表取締役社長田中邦裕君、一般財団法人GovTech東京アドバイザー安野貴博君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、お忙しいところ内閣委員会にお運びくださいまして、本当にありがとうございました。本日、様々な質疑があるかと思いますが、忌憚のない御意見をいただきたいと思います。この法案の審議の参考とさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、松尾参考人、生貝参考人、田中参考人、安野参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、松尾参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授松尾豊君、一橋大学大学院法学研究科教授生貝直人君、一般社団法人ソフトウェア協会会長、さくらインターネット株式会社代表取締役社長田中邦裕君、一般財団法人GovTech東京アドバイザー安野貴博君、以上四名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、お忙しいところ内閣委員会にお運びくださいまして、本当にありがとうございました。本日、様々な質疑があるかと思いますが、忌憚のない御意見をいただきたいと思います。この法案の審議の参考とさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、松尾参考人、生貝参考人、田中参考人、安野参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、松尾参考人にお願いいたします。
松
松尾豊#2
○松尾参考人 東京大学の松尾と申します。
AI戦略会議において座長を務めさせていただいております。
本日は、本法案に関しまして、1、AIの利活用及び開発力の強化、2、人材育成の重要性、3、イノベーションの促進とリスク対応の両立の三点について、意見を述べさせていただきます。
それに先立ちまして、今現在の日本を取り巻くAIの状況についてお話ししたいと思います。
二〇二二年十一月に出たチャットGPT以降、世界は生成AIをめぐって大きく変化しています。オープンAIは次々と新しいサービスを出し、GAFAMと呼ばれるグーグルなどの米国企業は生成AIに多額の投資をしています。中国でも、最近ディープシークと呼ばれるサービスが注目を集めましたが、アリババ、テンセントなどの企業も非常に高い技術力を持っています。生成AIの開発にはGPUという半導体が不可欠ですが、これを提供するエヌビディアは世界一の時価総額となりました。
一方で、日本は、デジタル分野でここ二十年、後塵を拝してきました。皆様がお使いのスマホ、検索サービス、Eコマース、会議アプリなど、多くのものが海外製です。そうした海外の企業がAIに巨額の投資をしていますから、日本はAIの分野においても非常に苦しい状況にあります。まず普通にやって勝てない状況にあると思っていただいてよいと思います。日本のデジタル赤字が大きく膨らんでいることは皆様もよく御存じのところかと思います。
そういった状況の中で、これまでのAIに関しての国の動きはどうか。チャットGPTが出て以降の日本の国としての動きは、私はほぼ満点と言ってもいいと思います。
といいますのも、インターネットが伸びてきたとき、ソーシャルメディアが伸びてきたとき、あるいはスマホが出てきたとき、いずれも日本は数年遅れでした。イノベーションが起きていることにすら気づかず、気づいたときには既に世界で勝負は終わっていた、その市場に参入するチャンスすらなかったというような状況でした。ところが、今回、生成AIに関しては、世界と同時に驚き、そして、各国政府よりむしろ早く着実に対応しているとさえ言えます。
とはいえ、大前提として、デジタルの分野は圧倒的な実力差、投資規模の差があります。これを将棋に例えますと、将棋の形勢としては劣勢、敗勢ながら、最もよい手、最善手を指し続けている、それによって形勢は悪いながらもチャンスは残っていると言えると思っています。
具体的に言いますと、まず、二〇二三年から経済産業省が主体となって、必要な半導体、GPUを大幅に確保、増強しました。これは生成AIの開発において欠かせないもので、これがないと戦いに参戦すらできません。私の研究室でもこのGPUが増強されたおかげで研究を進めることができていますし、また、スタートアップでも思い切った開発を進めることができるようになっています。
次に、開発者の育成をしてきました。経済産業省のGENIACというプロジェクトでは、日本全国から優秀な開発者を募り、支援をしています。日本語に特化したもの、あるいは特定の分野に特化したものに関しては、海外の生成AIの性能を超えるような例も出始めています。
また、こういった最先端の分野では本当に珍しいと思いますが、日本が存在感を持って国際的な議論をリードしています。総務省を中心に、広島AIプロセスの立ち上げ、そこから五十五か国・地域に広げた広島AIプロセスフレンズグループの展開を行っています。また、世界で三番目という速さで、AIセーフティ・インスティテュートという安全性に関する組織が昨年二月に立ち上がりました。
このように、日本の国としての動きは素早く、また最善の手を続けており、ここまでは満点と言ってもよい内容だと思います。
肝腎なのは、ここからどうするかです。
一つはAIの利活用を進めていくことです。日本は経済規模がそこそこ大きいにもかかわらず、デジタルやAIがこれまで一向に進んできませんでしたから、伸び代という面ではかなりあります。
例えば、高齢化に伴う医療費の増加は国全体の喫緊の課題ですが、これまで医療分野ではデジタルの活用は残念ながらほとんど進んできませんでした。ところが、生成AIを活用することで、データを統合する、医師のサポートをする、あるいは医療事務を効率化することなどができるかもしれません。そうすると、医療分野全体が大きく効率化し、生産性が上がるはずです。また、事務作業に関して言えば、行政も大きく効率化することができるでしょう。結果的に市民サービスの向上につながります。
最近では、生成AIはロボットの分野にも使われるようになってきています。汎用型のロボットが洗濯物を畳んだり、机を片づけたりすることができるようになってきました。ロボットの頭脳、AIの部分が大きく進展しているからです。こうしたロボットの技術を日本でも開発していけば、介護、物流、建築、農業、防災などの各分野に役立てることができます。
そして、もう一つ重要なことは、こうした活用のための技術自体を日本でつくるということです。海外のサービスを活用するだけではデジタル赤字がますます拡大します。AIを日本の中で開発するための開発力の強化についても、政策として取り組んでいくことが重要です。
今、私の研究室ではAI人材の育成をしています。年々、多くの方がAIの講義を受講してくださっており、昨年度は二万七千人が受講しました。広く学生全般に開放しているのですが、東京大学以外の大学生も多く、また、高校、中学からの受講生も増えています。日本中の学生がAIを勉強し始めています。
若者がAIを勉強すること、あるいは社会人がリスキリングとしてAIを勉強することで、日本全体がAIを活用する、開発をする土壌がつくられていきます。これを加速するためには、全国の大学や高専などが中心となってAIの教育を更に強化すべきです。
また、地域で学んだ人材が、地域の企業のAI活用、AI開発を助ける、そして、スタートアップをつくって大きくなり上場する、こういったことが増えてくれば、地域経済、日本経済全体が活性化してくると思います。
同時に、こうしたAI人材の育成は日本にとどまりません。東南アジアやアフリカなどの国でも同じようなことが必要とされています。これまで築いてきた広島AIプロセスの基盤を生かしながら、日本がグローバルサウスでのAI人材の育成にしっかり協力することで、世界でもリーダーシップを強めていくことができると考えます。
さて、そうした中で、今回のAI法案になります。本法案は、二〇二四年七月以降、AI制度研究会を七回開催し、研究者や事業者等のヒアリングを含む議論に加え、パブリックコメントを経て作成された中間取りまとめの内容を受けて、AIに特化した日本初の法案として、二〇二五年二月二十八日に石破内閣で閣議決定されました。
総理あるいは担当の城内大臣から、イノベーション促進とリスク対応の両立を図り、世界で最もAIを開発、活用しやすい国を目指すと説明されていますが、この意味について少し解説したいと思います。
日本において、AIの進展が様々な社会課題を解決し、経済を成長させる大きな機会であるというのはこれまでにお話ししてきたとおりです。
しかしながら、生成AIの急激な進展に不安を感じている方もおられます。自分の仕事がなくなるのではないか、自分の作った作品が学習に使われているのではないか、AIが様々な犯罪に使われる可能性があるのではないかといったことです。こうした不安、リスクにきちんと対応する必要があります。
これまで、大ざっぱに言って、ヨーロッパはリスク対応を重視し、AIに関して強い規制を取る、米国はイノベーションを重視した方針、こういうふうにされてきました。つまり、リスク対応とイノベーションの促進はトレードオフだということです。どちらかを上げれば、どちらかが犠牲になるということです。
しかし、研究会の議論の中で明らかになってきたことは、これはトレードオフではない、つまり、きちんとしたリスク対応を取ることでイノベーションが進むのではないか、リスク対応とイノベーションの促進を両立させることができるのではないかということです。
御存じのとおり、日本では新しい技術を使って新しいことをやろうとしても、前例がないのでやめておきなさいと言われます。しかし、リスクに対してしっかり対応されていれば、かえって新しいことに取り組む人も増えます。
リスク対応とイノベーション促進はトレードオフではない、両立するのだということが、我々の中間取りまとめの重要なメッセージであり、それが法案にも生かされていると思います。
もう一つ重要なことは、これだけ早い進展をするAIにおいて、今見えているリスクだけがリスクではないということです。
生成AIの画像の生成能力が飛躍的に上がったからこそ、ディープフェイクというリスクが新たに出現しました。この先も技術の進化によって新たなリスクが現れてくるでしょう。
そうしたときに、特定のリスクにだけ対応した法律を作っても不十分です。したがって、どのようなリスクがあるのかの情報収集をし、必要に応じて調査をする、関係の法律で対応すべきときはそれを素早く的確に行うということが必要になります。
今回の法案は、ハードローでありながら、ソフトロー的な柔軟性を持つ、AIの性質を踏まえた規制の在り方として世界の中でも大変に先進的な法案であると考えます。
本日の御説明は以上となりますが、今回の法案によって、リスクにきちんと対応しながら、AIの開発、活用が進むことで、様々な社会課題が解決され、日本の経済が発展する、また生産性が上がり、人々が生き生きと働くことのできる社会になることを期待しております。
以上です。拍手
この発言だけを見る →AI戦略会議において座長を務めさせていただいております。
本日は、本法案に関しまして、1、AIの利活用及び開発力の強化、2、人材育成の重要性、3、イノベーションの促進とリスク対応の両立の三点について、意見を述べさせていただきます。
それに先立ちまして、今現在の日本を取り巻くAIの状況についてお話ししたいと思います。
二〇二二年十一月に出たチャットGPT以降、世界は生成AIをめぐって大きく変化しています。オープンAIは次々と新しいサービスを出し、GAFAMと呼ばれるグーグルなどの米国企業は生成AIに多額の投資をしています。中国でも、最近ディープシークと呼ばれるサービスが注目を集めましたが、アリババ、テンセントなどの企業も非常に高い技術力を持っています。生成AIの開発にはGPUという半導体が不可欠ですが、これを提供するエヌビディアは世界一の時価総額となりました。
一方で、日本は、デジタル分野でここ二十年、後塵を拝してきました。皆様がお使いのスマホ、検索サービス、Eコマース、会議アプリなど、多くのものが海外製です。そうした海外の企業がAIに巨額の投資をしていますから、日本はAIの分野においても非常に苦しい状況にあります。まず普通にやって勝てない状況にあると思っていただいてよいと思います。日本のデジタル赤字が大きく膨らんでいることは皆様もよく御存じのところかと思います。
そういった状況の中で、これまでのAIに関しての国の動きはどうか。チャットGPTが出て以降の日本の国としての動きは、私はほぼ満点と言ってもいいと思います。
といいますのも、インターネットが伸びてきたとき、ソーシャルメディアが伸びてきたとき、あるいはスマホが出てきたとき、いずれも日本は数年遅れでした。イノベーションが起きていることにすら気づかず、気づいたときには既に世界で勝負は終わっていた、その市場に参入するチャンスすらなかったというような状況でした。ところが、今回、生成AIに関しては、世界と同時に驚き、そして、各国政府よりむしろ早く着実に対応しているとさえ言えます。
とはいえ、大前提として、デジタルの分野は圧倒的な実力差、投資規模の差があります。これを将棋に例えますと、将棋の形勢としては劣勢、敗勢ながら、最もよい手、最善手を指し続けている、それによって形勢は悪いながらもチャンスは残っていると言えると思っています。
具体的に言いますと、まず、二〇二三年から経済産業省が主体となって、必要な半導体、GPUを大幅に確保、増強しました。これは生成AIの開発において欠かせないもので、これがないと戦いに参戦すらできません。私の研究室でもこのGPUが増強されたおかげで研究を進めることができていますし、また、スタートアップでも思い切った開発を進めることができるようになっています。
次に、開発者の育成をしてきました。経済産業省のGENIACというプロジェクトでは、日本全国から優秀な開発者を募り、支援をしています。日本語に特化したもの、あるいは特定の分野に特化したものに関しては、海外の生成AIの性能を超えるような例も出始めています。
また、こういった最先端の分野では本当に珍しいと思いますが、日本が存在感を持って国際的な議論をリードしています。総務省を中心に、広島AIプロセスの立ち上げ、そこから五十五か国・地域に広げた広島AIプロセスフレンズグループの展開を行っています。また、世界で三番目という速さで、AIセーフティ・インスティテュートという安全性に関する組織が昨年二月に立ち上がりました。
このように、日本の国としての動きは素早く、また最善の手を続けており、ここまでは満点と言ってもよい内容だと思います。
肝腎なのは、ここからどうするかです。
一つはAIの利活用を進めていくことです。日本は経済規模がそこそこ大きいにもかかわらず、デジタルやAIがこれまで一向に進んできませんでしたから、伸び代という面ではかなりあります。
例えば、高齢化に伴う医療費の増加は国全体の喫緊の課題ですが、これまで医療分野ではデジタルの活用は残念ながらほとんど進んできませんでした。ところが、生成AIを活用することで、データを統合する、医師のサポートをする、あるいは医療事務を効率化することなどができるかもしれません。そうすると、医療分野全体が大きく効率化し、生産性が上がるはずです。また、事務作業に関して言えば、行政も大きく効率化することができるでしょう。結果的に市民サービスの向上につながります。
最近では、生成AIはロボットの分野にも使われるようになってきています。汎用型のロボットが洗濯物を畳んだり、机を片づけたりすることができるようになってきました。ロボットの頭脳、AIの部分が大きく進展しているからです。こうしたロボットの技術を日本でも開発していけば、介護、物流、建築、農業、防災などの各分野に役立てることができます。
そして、もう一つ重要なことは、こうした活用のための技術自体を日本でつくるということです。海外のサービスを活用するだけではデジタル赤字がますます拡大します。AIを日本の中で開発するための開発力の強化についても、政策として取り組んでいくことが重要です。
今、私の研究室ではAI人材の育成をしています。年々、多くの方がAIの講義を受講してくださっており、昨年度は二万七千人が受講しました。広く学生全般に開放しているのですが、東京大学以外の大学生も多く、また、高校、中学からの受講生も増えています。日本中の学生がAIを勉強し始めています。
若者がAIを勉強すること、あるいは社会人がリスキリングとしてAIを勉強することで、日本全体がAIを活用する、開発をする土壌がつくられていきます。これを加速するためには、全国の大学や高専などが中心となってAIの教育を更に強化すべきです。
また、地域で学んだ人材が、地域の企業のAI活用、AI開発を助ける、そして、スタートアップをつくって大きくなり上場する、こういったことが増えてくれば、地域経済、日本経済全体が活性化してくると思います。
同時に、こうしたAI人材の育成は日本にとどまりません。東南アジアやアフリカなどの国でも同じようなことが必要とされています。これまで築いてきた広島AIプロセスの基盤を生かしながら、日本がグローバルサウスでのAI人材の育成にしっかり協力することで、世界でもリーダーシップを強めていくことができると考えます。
さて、そうした中で、今回のAI法案になります。本法案は、二〇二四年七月以降、AI制度研究会を七回開催し、研究者や事業者等のヒアリングを含む議論に加え、パブリックコメントを経て作成された中間取りまとめの内容を受けて、AIに特化した日本初の法案として、二〇二五年二月二十八日に石破内閣で閣議決定されました。
総理あるいは担当の城内大臣から、イノベーション促進とリスク対応の両立を図り、世界で最もAIを開発、活用しやすい国を目指すと説明されていますが、この意味について少し解説したいと思います。
日本において、AIの進展が様々な社会課題を解決し、経済を成長させる大きな機会であるというのはこれまでにお話ししてきたとおりです。
しかしながら、生成AIの急激な進展に不安を感じている方もおられます。自分の仕事がなくなるのではないか、自分の作った作品が学習に使われているのではないか、AIが様々な犯罪に使われる可能性があるのではないかといったことです。こうした不安、リスクにきちんと対応する必要があります。
これまで、大ざっぱに言って、ヨーロッパはリスク対応を重視し、AIに関して強い規制を取る、米国はイノベーションを重視した方針、こういうふうにされてきました。つまり、リスク対応とイノベーションの促進はトレードオフだということです。どちらかを上げれば、どちらかが犠牲になるということです。
しかし、研究会の議論の中で明らかになってきたことは、これはトレードオフではない、つまり、きちんとしたリスク対応を取ることでイノベーションが進むのではないか、リスク対応とイノベーションの促進を両立させることができるのではないかということです。
御存じのとおり、日本では新しい技術を使って新しいことをやろうとしても、前例がないのでやめておきなさいと言われます。しかし、リスクに対してしっかり対応されていれば、かえって新しいことに取り組む人も増えます。
リスク対応とイノベーション促進はトレードオフではない、両立するのだということが、我々の中間取りまとめの重要なメッセージであり、それが法案にも生かされていると思います。
もう一つ重要なことは、これだけ早い進展をするAIにおいて、今見えているリスクだけがリスクではないということです。
生成AIの画像の生成能力が飛躍的に上がったからこそ、ディープフェイクというリスクが新たに出現しました。この先も技術の進化によって新たなリスクが現れてくるでしょう。
そうしたときに、特定のリスクにだけ対応した法律を作っても不十分です。したがって、どのようなリスクがあるのかの情報収集をし、必要に応じて調査をする、関係の法律で対応すべきときはそれを素早く的確に行うということが必要になります。
今回の法案は、ハードローでありながら、ソフトロー的な柔軟性を持つ、AIの性質を踏まえた規制の在り方として世界の中でも大変に先進的な法案であると考えます。
本日の御説明は以上となりますが、今回の法案によって、リスクにきちんと対応しながら、AIの開発、活用が進むことで、様々な社会課題が解決され、日本の経済が発展する、また生産性が上がり、人々が生き生きと働くことのできる社会になることを期待しております。
以上です。拍手
大
生
生貝直人#4
○生貝参考人 本日、このような機会をいただき、ありがとうございます。一橋大学の生貝直人と申します。
私は、研究者としては、こうしたAIを始めとするデジタル技術に関する法制度の在り方というものを、EUですとか米国との比較を中心とした研究を行っているものでございまして、今回、松尾参考人が座長を務められるAI制度研究会の委員も務めさせていただいたところでございます。
今回、本法案に関しまして、一つの大きなテーマである研究開発ですとか活用の促進に関しては、ほかの参考人からも御意見があるところかというふうに思いますので、私の方は、こちらの一枚紙を参考にいたしまして、特にリスク対応の観点から、この法案に関する私の意見というものと、そして幾つかの期待ということを、大きく三点に分けて申し上げさせていただきたいというふうに思います。
まず、本法案、第三章に規定されるAI基本計画、そして第四章によって創設されるAI戦略本部といった、まさに国の体制整備に関する規定を始めといたしまして、これは、AI関連技術の研究開発、活用の推進というものはもとよりであるのですけれども、やはり、複数領域に係るリスクへの府省横断的対応を我が国として可能とする基盤法制としての意義を有するものと考えております。
AIの法制上、課題になるリスクといいますと、生成AIの登場前は、国際的にも主として比較的そのリスクというものは特定して議論されてきたところだったというふうに思います。一つは、AIを組み込んだ製品が間違った判断をする、暴走する、爆発する、そのような製品安全のリスクということ。それからもう一つは、AIが個人に関する情報を分析して、プロファイリングして、時には人を差別的な取扱いをする自動的決定を行う。大きくはその二つが焦点を当てられており、それはこれからも重要でございます。
なのでございますけれども、二〇二二年のチャットGPT、そして生成AIの本格的な普及というのは、法的側面からのAIの位置づけというものをかなり変容させたというふうに思っております。それはまさしく、人の代わりに情報を生成してくれるAIなわけでございます。そうした情報というのがこれから社会全体で流通する情報のおよそ大半を占めるようになるという予測は、決して大げさではないというふうに思います。
そうしましたときに、情報関連法制全体がこれまで考えてきたリスクというものをどのように新しく再構築していくのかということ。例えばディープフェイクへの対応というのはその典型であるというふうに思います。民事救済、刑事規制、そして知的財産権、消費者法制。そして、それらの生み出されたディープフェイクが流通する多くの場というのはソーシャルメディアを始めとするプラットフォームでございます、それとの規制との関係をどう考えるか。そして、選挙のときにどのような特別な対応が必要かというふうにいったようなことは、これらそれぞれ所管省庁もそして使う法律も違うわけでございますけれども、やはり調和した対応ということが何より重要になるわけでございます。
そして、もう一つ加えますと、やはり法制という観点から見てAI分野というのは、技術そして運用の実態、アルゴリズムがどのように機能しているのか、あるいは生成AIに関する安全性は実際にどのように技術的に試みられているのか、そのようなことを正確に継続的に把握し続けることに高いコストがかかります。
そのことに関して、今回のような総合的な体制整備というのが行われることによって、AIセーフティ・インスティテュート等国内外機関の連携を含めまして、各法領域の運用と、そして今後の改正等の大前提となるインテリジェンス基盤の構築が行われていくということを非常に強く期待するところでございます。
御参考まで申し上げますと、EUのAI法制、AI政策を担当するAIオフィスというのは、それだけで百四十人のスタッフを抱えており、また、それに加えまして、少なくとも数十人の科学者が科学的見地からのそうした政策の立案と運用の助言を行っているというふうにいったチームを抱えている。このような体制整備を一つは大きく可能としてくれるだろう。
二つ目といたしまして、適正性確保のための指針の整備というのが今回の規範的な側面として大変重要かと思います。ことに加えて、恐らくはそれと少なからず連動する形で進められるであろう国による情報収集、調査、研究と指導、助言、情報提供等の規定。このことというのは、AI技術の進化がかつてない速度で進む中で、私がずっと専門にしてまいります官民の共同規制の考え方とも親和性の高い、柔軟性、機敏性の高いリスク対応のPDCAサイクルを構築する枠組みとしての機能、意義を有すると考えるところでございます。
この指針の中におきましては、広島AIプロセス等、国際的な規範との整合性はもとよりでございますけれども、リスクベースの考え方を考慮しながら、複数法分野に係る共通の事項、例えば、やはり国際的にも透明性確保、AI生成コンテンツの判別性確保、学習データの概要の開示といったようなことは共通の事項として理解が進んできているところでございます。そして、既存法令で対応が十分にできないリスク、及び開発、運用を行う事業者自身がリスクの軽減とそして自らの評価ということをしっかり行っていただく、こうしたことをしっかり念頭に置いた指針というものが作成されることを私としては期待するところでございます。
そして、もう一つ、指針の作成、見直しプロセスと、及びその運用がしっかり事業者によっても遵守されているのかということをモニタリングするプロセス、この両面におきまして、消費者、市民社会、学界等の多様なステークホルダーの実効性ある参加というものを是非確保していただきたいというふうに思います。
これは、制度の実効性でありますとか、それに必要な知識集約というところもあるのでございますけれども、やはり、こういった実質的な我が国の制度というものを立法によってある種行政及び関係するステークホルダーに委ねる。その中で、しっかりとその制度に対する民主的正統性を確保していくというふうにいったような観点からも、こうした手法というものを是非重視していただきたいと思います。
最後に、三点目でございます。
今後数年間の中で様々リスクが生じてくる、それはイノベーションが期待どおりに進んでくれればこそ生じ得ることでございますけれども。その中で、恐らくは多数の個別法の改正でございますとか、AIに対応するための。そして、本法案の附則二条に定められている本法案自体の検討、いわば見直しというふうにいったようなことが必要になる可能性というのは、これは恐らく高いというふうに思います。
そうしたときに、やはり、今回法律を作る、そしてそれを国民の安全、安心と技術革新を高い水準で両立させ続けていくためには、リスクが起こったときに初めて検討を開始して、そして三か月なり半年なりで結論を出すというプロセスだけではなく、やはり常日頃から、本当に望ましい、このAIに関わるより望ましい制度というものは果たして何であるのか。そして、それは個別の問題での対応ということはもとより、まさに今回のような、恐らくはこれまでの法制の中でも全く新しいガバナンスメカニズムの在り方、そういった全体の枠組みというものを継続的に検討を続ける必要があるというふうに思います。
是非、新設されるAI戦略本部の中でも、制度の継続検討というふうにいったようなことを一つ念頭に置いていただきたいと期待するところでございます。
私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、研究者としては、こうしたAIを始めとするデジタル技術に関する法制度の在り方というものを、EUですとか米国との比較を中心とした研究を行っているものでございまして、今回、松尾参考人が座長を務められるAI制度研究会の委員も務めさせていただいたところでございます。
今回、本法案に関しまして、一つの大きなテーマである研究開発ですとか活用の促進に関しては、ほかの参考人からも御意見があるところかというふうに思いますので、私の方は、こちらの一枚紙を参考にいたしまして、特にリスク対応の観点から、この法案に関する私の意見というものと、そして幾つかの期待ということを、大きく三点に分けて申し上げさせていただきたいというふうに思います。
まず、本法案、第三章に規定されるAI基本計画、そして第四章によって創設されるAI戦略本部といった、まさに国の体制整備に関する規定を始めといたしまして、これは、AI関連技術の研究開発、活用の推進というものはもとよりであるのですけれども、やはり、複数領域に係るリスクへの府省横断的対応を我が国として可能とする基盤法制としての意義を有するものと考えております。
AIの法制上、課題になるリスクといいますと、生成AIの登場前は、国際的にも主として比較的そのリスクというものは特定して議論されてきたところだったというふうに思います。一つは、AIを組み込んだ製品が間違った判断をする、暴走する、爆発する、そのような製品安全のリスクということ。それからもう一つは、AIが個人に関する情報を分析して、プロファイリングして、時には人を差別的な取扱いをする自動的決定を行う。大きくはその二つが焦点を当てられており、それはこれからも重要でございます。
なのでございますけれども、二〇二二年のチャットGPT、そして生成AIの本格的な普及というのは、法的側面からのAIの位置づけというものをかなり変容させたというふうに思っております。それはまさしく、人の代わりに情報を生成してくれるAIなわけでございます。そうした情報というのがこれから社会全体で流通する情報のおよそ大半を占めるようになるという予測は、決して大げさではないというふうに思います。
そうしましたときに、情報関連法制全体がこれまで考えてきたリスクというものをどのように新しく再構築していくのかということ。例えばディープフェイクへの対応というのはその典型であるというふうに思います。民事救済、刑事規制、そして知的財産権、消費者法制。そして、それらの生み出されたディープフェイクが流通する多くの場というのはソーシャルメディアを始めとするプラットフォームでございます、それとの規制との関係をどう考えるか。そして、選挙のときにどのような特別な対応が必要かというふうにいったようなことは、これらそれぞれ所管省庁もそして使う法律も違うわけでございますけれども、やはり調和した対応ということが何より重要になるわけでございます。
そして、もう一つ加えますと、やはり法制という観点から見てAI分野というのは、技術そして運用の実態、アルゴリズムがどのように機能しているのか、あるいは生成AIに関する安全性は実際にどのように技術的に試みられているのか、そのようなことを正確に継続的に把握し続けることに高いコストがかかります。
そのことに関して、今回のような総合的な体制整備というのが行われることによって、AIセーフティ・インスティテュート等国内外機関の連携を含めまして、各法領域の運用と、そして今後の改正等の大前提となるインテリジェンス基盤の構築が行われていくということを非常に強く期待するところでございます。
御参考まで申し上げますと、EUのAI法制、AI政策を担当するAIオフィスというのは、それだけで百四十人のスタッフを抱えており、また、それに加えまして、少なくとも数十人の科学者が科学的見地からのそうした政策の立案と運用の助言を行っているというふうにいったチームを抱えている。このような体制整備を一つは大きく可能としてくれるだろう。
二つ目といたしまして、適正性確保のための指針の整備というのが今回の規範的な側面として大変重要かと思います。ことに加えて、恐らくはそれと少なからず連動する形で進められるであろう国による情報収集、調査、研究と指導、助言、情報提供等の規定。このことというのは、AI技術の進化がかつてない速度で進む中で、私がずっと専門にしてまいります官民の共同規制の考え方とも親和性の高い、柔軟性、機敏性の高いリスク対応のPDCAサイクルを構築する枠組みとしての機能、意義を有すると考えるところでございます。
この指針の中におきましては、広島AIプロセス等、国際的な規範との整合性はもとよりでございますけれども、リスクベースの考え方を考慮しながら、複数法分野に係る共通の事項、例えば、やはり国際的にも透明性確保、AI生成コンテンツの判別性確保、学習データの概要の開示といったようなことは共通の事項として理解が進んできているところでございます。そして、既存法令で対応が十分にできないリスク、及び開発、運用を行う事業者自身がリスクの軽減とそして自らの評価ということをしっかり行っていただく、こうしたことをしっかり念頭に置いた指針というものが作成されることを私としては期待するところでございます。
そして、もう一つ、指針の作成、見直しプロセスと、及びその運用がしっかり事業者によっても遵守されているのかということをモニタリングするプロセス、この両面におきまして、消費者、市民社会、学界等の多様なステークホルダーの実効性ある参加というものを是非確保していただきたいというふうに思います。
これは、制度の実効性でありますとか、それに必要な知識集約というところもあるのでございますけれども、やはり、こういった実質的な我が国の制度というものを立法によってある種行政及び関係するステークホルダーに委ねる。その中で、しっかりとその制度に対する民主的正統性を確保していくというふうにいったような観点からも、こうした手法というものを是非重視していただきたいと思います。
最後に、三点目でございます。
今後数年間の中で様々リスクが生じてくる、それはイノベーションが期待どおりに進んでくれればこそ生じ得ることでございますけれども。その中で、恐らくは多数の個別法の改正でございますとか、AIに対応するための。そして、本法案の附則二条に定められている本法案自体の検討、いわば見直しというふうにいったようなことが必要になる可能性というのは、これは恐らく高いというふうに思います。
そうしたときに、やはり、今回法律を作る、そしてそれを国民の安全、安心と技術革新を高い水準で両立させ続けていくためには、リスクが起こったときに初めて検討を開始して、そして三か月なり半年なりで結論を出すというプロセスだけではなく、やはり常日頃から、本当に望ましい、このAIに関わるより望ましい制度というものは果たして何であるのか。そして、それは個別の問題での対応ということはもとより、まさに今回のような、恐らくはこれまでの法制の中でも全く新しいガバナンスメカニズムの在り方、そういった全体の枠組みというものを継続的に検討を続ける必要があるというふうに思います。
是非、新設されるAI戦略本部の中でも、制度の継続検討というふうにいったようなことを一つ念頭に置いていただきたいと期待するところでございます。
私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。拍手
大
田
田中邦裕#6
○田中参考人 ソフトウェア協会の代表をしております田中邦裕と申します。
本日は、このような機会をいただきましたことを改めて御礼申し上げます。
既に提出しております資料を基に説明をさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私でございますが、二十九年前に京都の舞鶴高専に在学中、学生起業をしたさくらインターネットの代表者でございまして、二十年前に上場いたしました、いわゆるスタートアップの起業家でもございます。三年前からソフトウェア協会の会長を拝命しておるほか、本日御参加いただいている松尾参考人が座長をしておりますAI戦略会議の構成員をさせていただいておりまして、この二年間、AIの戦略であるだとか、またAI法の議論等に参加させていただいていた者でございます。
次のページでございますけれども、ソフトウェア協会の説明を少しだけさせていただきます。
ソフトウェア協会は、一九八二年に任意団体として、現在ソフトバンク社の代表をしております孫正義氏によって設立をされた団体でございまして、一九八六年に社団法人になっております。来年で四十周年を迎える団体でございます。
過去でいいますと、ソフトウェアの権利であるだとかソフトウェアのリスク回避、コピーをしたときの問題の解消であるだとか、また、著作権法を当時改正をして、ソフトウェアに著作権を認めていくということについての活動をしてきた団体でございます。最近ですと、健康保険組合の運営、IT健保の運営の母体であったりだとか、またAIの促進等で活動している団体でございます。約八百社の方々が入会されております。
次からが本題でございます。
四ページ目でございますけれども、本日申し上げたいことは三つでございます。
AIの利活用をしっかりと促進し、また教育を行い、みんなが使えるようになる国になるということが一つ。
もう一つが、AIの利活用だけではなく、AIを産業として、AI自体を開発し、AI自体を産業化し、この国の成長の礎にしていくということです。
もう一つはリスク対応。最近ですと、ジブリ風画像の生成なんというものもありますし、先ほどから参考人からありましたように、AIによる差別的な取扱い等、大きな問題が顕在化しております。そのようなものを今回の法案のその先にしっかりと規制をし、しっかりとガイドラインを示していく、これが重要であるということを申し上げたいというふうに思っております。
まず、AIの利活用。多くの方々が利活用していると思いますけれども、それでもAIを本当に利活用している国に比べると、全然日本は遅れているという状況にあります。
実際に私の身の回りでも、チャットGPTを使っているかと若い人に聞いても、ほとんどの人が使っていないと言います。私の周りは本当に使っている方が多いかと思ったんですけれども、例えば、ジムのトレーナーさんとか、髪を切りに行ったときの美容師さん、このような一般的な現場の方々というのはほとんど使っておられません。
一つのエピソードとして、私が通っておるジムが、全然お客さんが来ないと言っておったんですけれども、それをチャットGPTに聞いてみたらどうかとその場でインストールをさせて、いろいろ手法を試していただいたわけなんですけれども、何とそのジムがお客さんが増えてしまいまして、AIの利活用によって本当にすぐに対応ができる。ただ、それが使えるということ自体を知らないということは非常に嘆かわしいことだなというふうに思っております。
ただ、もう一つの論点としまして、それはチャットGPTを使ったわけですけれども、一つの検索をするたびに、人間の一千倍以上の電力、エネルギーを使いながら動いている、電力の問題も発生させてしまいます。また、それが海外のサービスであった場合に、どんどんどんどん貿易赤字が増えてしまうという問題がございます。
この辺りについてはまた後ほどお話をさせていただきますけれども、国力を強くするAIなのか、若しくは国富を流出させてしまうのがAIなのか、また、国民が不利になってしまわないようにするということも重要でありますし、AIについては、プラスの側面、マイナスの側面、両方があるということは言うまでもございません。
次のページでございますけれども、日本は、デジタル敗戦という非常に屈辱的な言葉で最近叫ばれるようになっています。
ただ、私は、一九八二年にできたソフトウェア協会の代表として思うのは、ソフトウェア産業を一九八〇年代は振興しようとしていた、また、半導体についても、世界トップテンの企業のうち七社が日本企業であった、非常に我が世の春を謳歌していたのが日本のデジタル分野であったわけですけれども、なぜこのようになってしまったのかということをやはり団体の代表として深く考えることがあります。
その中で、少しまとめさせていただいたのが五ページでございます。
一つ分岐点になるのは、やはり日本がハードウェアに偏重し過ぎたということ。今回のAIに関しても、いわゆるソフトなわけですけれども、我々もGPUの整備というのをしておりますが、その先にいかにソフトウェア産業を発展させるかということが非常に重要でありました。
しかしながら、一九八〇年代、アメリカからの圧力もありまして、ソフトウェアに著作権を認めるということ、これは国会で審議をされ、一九八五年に著作権法が改正され、ソフトウェアに著作権が認められました。
そうなりますと、ハードウェアのつけ足しとして考えていた日本の企業さんはソフトウェアでもうけられなくなり、ソフトウェアだけを売っている企業が一九九〇年代、二〇〇〇年代に大きな利益を上げたことは皆様も御存じのとおりだと思います。ですので、ハードウェアでもうけられなくなり、ソフトウェアで外貨を外国に流出してしまうということに関しては、構造的に一九八〇年代につくられたものであります。
もう一つが、一九八五年の日米半導体協定でございます。その際に、半導体の価格に関してはアメリカが決定していく、決定権がアメリカに委ねられたわけですけれども、当時の日本というのは、どんどんどんどん半導体が安くなる中で、競争力をどのように担保するのかということよりも、値段をいかに維持するのかということに躍起になっていました。ですので、アメリカの利益も日本の企業の利益も合致したということを聞いております。
ですので、半導体の値段を日本で決めるのではなく、決めてもらうことによって、高い値段が維持できるようになって、日本の半導体事業者は我が世の春を謳歌したわけですけれども、その五年後、一九九〇年には、既にトップテンのうち七社あった半導体企業が、日本では二社に減っておりました。
それは何かというと、高止まりした値段で一瞬はもうかったんだけれども、そのうちに、韓国や台湾の非常に質がよくて安い半導体に流れてしまった、おまけに技術者もそちらに流れてしまった。ですので、それらの技術を確立したのは日本人であります。
そういった中で、構造的に一九八〇年代から九〇年代にソフトウェア産業が縮小していったということがこの背景にございます。そんな中で、ネット企業が台頭する中でも、日本は十分に世界で活躍できなかったというのがこの背景にございます。
その次のページでございます。
その結果、どうなるかといいますと、六ページにございますように、六・五兆円という莫大な貿易赤字をつくることになったというのが現状であります。これは現在進行形でございまして、DXと言われますけれども、DXで生産性を改善するということをどんどん進めれば進めるほど、日本はどんどんどんどんデジタルで赤字を重ねていくということになっています。
なので、デジタルで生産性を上げることによって、デジタルによって国民が貧乏になっていくということが言えますので、これだったら、DXが進まない方がいいんじゃないかというふうなことも言えるわけですが、ただ、国際競争がございます。日本の会社だけがDXをしない、そしてAIを活用しないということになると、当然のことながら、産業競争力がそがれていくことになります。
じゃ、どうすればいいのか。しっかりと国内でデジタル産業、AI産業を確立し、DXやAI利活用が国富を増すことにつながることが重要だというふうに考えております。
余談でございますけれども、私の田中邦裕という名前は、親が国を裕福にするということで名づけたというふうに言われておりまして、これまではそんなことは考えたこともなかったですけれども、業界をしょって立つ立場になり、また、AI戦略会議で、日本がAIでどのようにしていくのか、国家のレベルで戦略的に考えた際に、やはり国民が豊かになり、そして国が豊かになり、国際競争力を増して、将来にわたって繁栄する国をつくること、これをデジタル、AIとともに成し遂げることが非常に重要だというふうに感じたわけでございます。
次のページでございます。最後のページでございます。
最近、ニセコという町がどんどんどんどん外国資本に置き換わっていって、建物も運営も、そしてお客様も外資になっていっている、働いている人だけが日本人だという構造になっています。六・五兆円の貿易赤字をデジタルでつくっているわけですけれども、幸い、インバウンドによってそれを取り返しているとも言われています。
ただ、そのインバウンドの主役である観光客が来たとしても、働いているのが日本人なだけで、資本も、そして運営も全て海外に握られている中で、生産性の高いデジタル産業で国富が流出し、労働によってそれを取り返すというこの構造が本当にいいんだろうか。このようになると、やはり日本が成長しないということを意味しております。
このような中で、日本はAIの利活用によって国を豊かにしていくということが非常に重要であります。
もう一つがリスク回避でございます。先ほどのジブリ風画像のように、日本は多くのコンテンツを持っているわけですけれども、それを勝手に学習されて、それが著作権料も払われないまま世界中の人たちにフリーライドされてしまう、日本人にはお金が入ってこないという状況がある中で、やはり日本で産業をつくるとともに、海外の事業者とのイコールフッティング、海外の事業者に対しても一定の規制をしていく中で、海外の事業者も、逆に日本で安心して仕事ができるような環境を日本企業とともにつくっていくということが重要かと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただきましたことを改めて御礼申し上げます。
既に提出しております資料を基に説明をさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私でございますが、二十九年前に京都の舞鶴高専に在学中、学生起業をしたさくらインターネットの代表者でございまして、二十年前に上場いたしました、いわゆるスタートアップの起業家でもございます。三年前からソフトウェア協会の会長を拝命しておるほか、本日御参加いただいている松尾参考人が座長をしておりますAI戦略会議の構成員をさせていただいておりまして、この二年間、AIの戦略であるだとか、またAI法の議論等に参加させていただいていた者でございます。
次のページでございますけれども、ソフトウェア協会の説明を少しだけさせていただきます。
ソフトウェア協会は、一九八二年に任意団体として、現在ソフトバンク社の代表をしております孫正義氏によって設立をされた団体でございまして、一九八六年に社団法人になっております。来年で四十周年を迎える団体でございます。
過去でいいますと、ソフトウェアの権利であるだとかソフトウェアのリスク回避、コピーをしたときの問題の解消であるだとか、また、著作権法を当時改正をして、ソフトウェアに著作権を認めていくということについての活動をしてきた団体でございます。最近ですと、健康保険組合の運営、IT健保の運営の母体であったりだとか、またAIの促進等で活動している団体でございます。約八百社の方々が入会されております。
次からが本題でございます。
四ページ目でございますけれども、本日申し上げたいことは三つでございます。
AIの利活用をしっかりと促進し、また教育を行い、みんなが使えるようになる国になるということが一つ。
もう一つが、AIの利活用だけではなく、AIを産業として、AI自体を開発し、AI自体を産業化し、この国の成長の礎にしていくということです。
もう一つはリスク対応。最近ですと、ジブリ風画像の生成なんというものもありますし、先ほどから参考人からありましたように、AIによる差別的な取扱い等、大きな問題が顕在化しております。そのようなものを今回の法案のその先にしっかりと規制をし、しっかりとガイドラインを示していく、これが重要であるということを申し上げたいというふうに思っております。
まず、AIの利活用。多くの方々が利活用していると思いますけれども、それでもAIを本当に利活用している国に比べると、全然日本は遅れているという状況にあります。
実際に私の身の回りでも、チャットGPTを使っているかと若い人に聞いても、ほとんどの人が使っていないと言います。私の周りは本当に使っている方が多いかと思ったんですけれども、例えば、ジムのトレーナーさんとか、髪を切りに行ったときの美容師さん、このような一般的な現場の方々というのはほとんど使っておられません。
一つのエピソードとして、私が通っておるジムが、全然お客さんが来ないと言っておったんですけれども、それをチャットGPTに聞いてみたらどうかとその場でインストールをさせて、いろいろ手法を試していただいたわけなんですけれども、何とそのジムがお客さんが増えてしまいまして、AIの利活用によって本当にすぐに対応ができる。ただ、それが使えるということ自体を知らないということは非常に嘆かわしいことだなというふうに思っております。
ただ、もう一つの論点としまして、それはチャットGPTを使ったわけですけれども、一つの検索をするたびに、人間の一千倍以上の電力、エネルギーを使いながら動いている、電力の問題も発生させてしまいます。また、それが海外のサービスであった場合に、どんどんどんどん貿易赤字が増えてしまうという問題がございます。
この辺りについてはまた後ほどお話をさせていただきますけれども、国力を強くするAIなのか、若しくは国富を流出させてしまうのがAIなのか、また、国民が不利になってしまわないようにするということも重要でありますし、AIについては、プラスの側面、マイナスの側面、両方があるということは言うまでもございません。
次のページでございますけれども、日本は、デジタル敗戦という非常に屈辱的な言葉で最近叫ばれるようになっています。
ただ、私は、一九八二年にできたソフトウェア協会の代表として思うのは、ソフトウェア産業を一九八〇年代は振興しようとしていた、また、半導体についても、世界トップテンの企業のうち七社が日本企業であった、非常に我が世の春を謳歌していたのが日本のデジタル分野であったわけですけれども、なぜこのようになってしまったのかということをやはり団体の代表として深く考えることがあります。
その中で、少しまとめさせていただいたのが五ページでございます。
一つ分岐点になるのは、やはり日本がハードウェアに偏重し過ぎたということ。今回のAIに関しても、いわゆるソフトなわけですけれども、我々もGPUの整備というのをしておりますが、その先にいかにソフトウェア産業を発展させるかということが非常に重要でありました。
しかしながら、一九八〇年代、アメリカからの圧力もありまして、ソフトウェアに著作権を認めるということ、これは国会で審議をされ、一九八五年に著作権法が改正され、ソフトウェアに著作権が認められました。
そうなりますと、ハードウェアのつけ足しとして考えていた日本の企業さんはソフトウェアでもうけられなくなり、ソフトウェアだけを売っている企業が一九九〇年代、二〇〇〇年代に大きな利益を上げたことは皆様も御存じのとおりだと思います。ですので、ハードウェアでもうけられなくなり、ソフトウェアで外貨を外国に流出してしまうということに関しては、構造的に一九八〇年代につくられたものであります。
もう一つが、一九八五年の日米半導体協定でございます。その際に、半導体の価格に関してはアメリカが決定していく、決定権がアメリカに委ねられたわけですけれども、当時の日本というのは、どんどんどんどん半導体が安くなる中で、競争力をどのように担保するのかということよりも、値段をいかに維持するのかということに躍起になっていました。ですので、アメリカの利益も日本の企業の利益も合致したということを聞いております。
ですので、半導体の値段を日本で決めるのではなく、決めてもらうことによって、高い値段が維持できるようになって、日本の半導体事業者は我が世の春を謳歌したわけですけれども、その五年後、一九九〇年には、既にトップテンのうち七社あった半導体企業が、日本では二社に減っておりました。
それは何かというと、高止まりした値段で一瞬はもうかったんだけれども、そのうちに、韓国や台湾の非常に質がよくて安い半導体に流れてしまった、おまけに技術者もそちらに流れてしまった。ですので、それらの技術を確立したのは日本人であります。
そういった中で、構造的に一九八〇年代から九〇年代にソフトウェア産業が縮小していったということがこの背景にございます。そんな中で、ネット企業が台頭する中でも、日本は十分に世界で活躍できなかったというのがこの背景にございます。
その次のページでございます。
その結果、どうなるかといいますと、六ページにございますように、六・五兆円という莫大な貿易赤字をつくることになったというのが現状であります。これは現在進行形でございまして、DXと言われますけれども、DXで生産性を改善するということをどんどん進めれば進めるほど、日本はどんどんどんどんデジタルで赤字を重ねていくということになっています。
なので、デジタルで生産性を上げることによって、デジタルによって国民が貧乏になっていくということが言えますので、これだったら、DXが進まない方がいいんじゃないかというふうなことも言えるわけですが、ただ、国際競争がございます。日本の会社だけがDXをしない、そしてAIを活用しないということになると、当然のことながら、産業競争力がそがれていくことになります。
じゃ、どうすればいいのか。しっかりと国内でデジタル産業、AI産業を確立し、DXやAI利活用が国富を増すことにつながることが重要だというふうに考えております。
余談でございますけれども、私の田中邦裕という名前は、親が国を裕福にするということで名づけたというふうに言われておりまして、これまではそんなことは考えたこともなかったですけれども、業界をしょって立つ立場になり、また、AI戦略会議で、日本がAIでどのようにしていくのか、国家のレベルで戦略的に考えた際に、やはり国民が豊かになり、そして国が豊かになり、国際競争力を増して、将来にわたって繁栄する国をつくること、これをデジタル、AIとともに成し遂げることが非常に重要だというふうに感じたわけでございます。
次のページでございます。最後のページでございます。
最近、ニセコという町がどんどんどんどん外国資本に置き換わっていって、建物も運営も、そしてお客様も外資になっていっている、働いている人だけが日本人だという構造になっています。六・五兆円の貿易赤字をデジタルでつくっているわけですけれども、幸い、インバウンドによってそれを取り返しているとも言われています。
ただ、そのインバウンドの主役である観光客が来たとしても、働いているのが日本人なだけで、資本も、そして運営も全て海外に握られている中で、生産性の高いデジタル産業で国富が流出し、労働によってそれを取り返すというこの構造が本当にいいんだろうか。このようになると、やはり日本が成長しないということを意味しております。
このような中で、日本はAIの利活用によって国を豊かにしていくということが非常に重要であります。
もう一つがリスク回避でございます。先ほどのジブリ風画像のように、日本は多くのコンテンツを持っているわけですけれども、それを勝手に学習されて、それが著作権料も払われないまま世界中の人たちにフリーライドされてしまう、日本人にはお金が入ってこないという状況がある中で、やはり日本で産業をつくるとともに、海外の事業者とのイコールフッティング、海外の事業者に対しても一定の規制をしていく中で、海外の事業者も、逆に日本で安心して仕事ができるような環境を日本企業とともにつくっていくということが重要かと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。拍手
大
安
安野貴博#8
○安野参考人 本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。一般財団法人GovTech東京でアドバイザーを務めております安野貴博と申します。
今回のAI法案に対する意見を述べさせていただきます。
初めに、私の経歴、バックグラウンドを簡単に紹介いたします。
今回の法案に関し、私は三つの意味で当事者でございます。第一に、ソフトウェアエンジニアとしてAIを活用したアプリケーションの開発に携わっております。第二に、起業家としてAIスタートアップを複数立ち上げてきた経験から、事業者視点でのAI活用やビジネス観点での課題を実感しております。第三に、商業作家としてSF小説を執筆しており、著作権者という立場で、生成AIなどの技術がクリエーターの創作活動に与える影響についても関心を持っております。
これらの観点を踏まえ、本法案を日本におけるAI技術の研究開発と活用の推進を図るための重要な一歩と考え、その目的に賛同しつつ、よりよい運用のための提言をさせていただければと思います。
まず、今回のAI法案について、私の受け止めを三つ共有させていただきます。
まず第一に、現在、私たちは社会変革を促すAI技術の推進とリスク対応の両立を求められており、本法案もその両立を前提に考えられたものだと認識しております。
昨今のAI技術の進化は著しく、AI技術は社会構造の大きな変化をもたらす可能性があります。適切に活用することで、行政サービスの高度化、産業競争力の強化、医療、介護、教育分野などにおける革新など、国民生活に対して幅広い恩恵が見込まれます。その一方で、著作権の侵害、ディープフェイクによる名誉毀損や偽情報の流布など、様々なリスクも指摘されているとおり、リスク対応も課題であると考えます。この両者は、決してどちらかだけを解決するというものではなく、イノベーションとリスク対応を両立させる姿勢が必要だと考えております。
二つ目に、海外事例を適切に踏まえることの必要性です。
EUは、AIアクトの策定を進めるなど、規制面、罰則面を強化しておりますが、これに関しては、研究開発やコンプライアンスにおける負担増が、特にスタートアップや中小企業に対して過剰なコスト要因になっており、イノベーションを阻害しているという声も聞かれます。
一方で、米国は、官民が連携しつつ、基本的には産業界の自主性を重視するような動きがありますが、これに関しては、社会的リスクへの対応は後手に回っており、利用者の懸念に十分応えられていないという声もございます。
こうした海外の例を踏まえつつ、日本としては中間的なアプローチを取って、事業者にとっても利用者にとってもAI技術を活用しやすいような制度設計を目指しているということは注目すべき点だと考えております。
三つ目に、機動力の向上、変化に対応可能な体制づくりが重要だと考えております。
AIは、七か月ごとに仕事の能力が倍になっていくというようなトレンドが観測されております。ある意味、指数関数的に変化していく。そんな中で、本法案は、AI戦略本部を総理直下に設けることで、変化の激しいAI分野に対して素早く施策を講じられる体制を整えておると認識しております。また、研究開発の促進とリスク軽減を両立させる仕組みとして、機動的な行政調査やガイドラインを活用しようとする柔軟な考え方を持っており、日本におけるAI推進を適切に進められるものと考えております。
次に、今回のAI法案で適切に規定されていると考えられる四つのポイントに触れたいと思います。
一点目が、重要性の認識が明文化されていることでございます。
AI技術は、産業、経済のみならず、安全保障上も非常に重要な要素です。本法案においては、AIの利活用が国民生活や国家安全保障に大きな影響を与える可能性を見据えて、各当事者の積極的な取組を促進しようとしております。
二点目に、研究開発を目的とした、関係者を萎縮させない推進方針でございます。
罰則を伴うような規制強化ではなく、基本理念や国の責務、指針に焦点を当てる推進法の側面が強いことは、AI関連のプロジェクトを各事業者が萎縮なく進める上で、イノベーションを促進するような土台になり得ると思っております。特に、AIを扱うスタートアップなどは、新しい技術領域やその応用に挑戦する際に、過度に厳しい規制やコスト負担の懸念があると、参入自体を断念しかねません。本法案は、そうしたリスクを回避するような柔軟性があると考えております。
三点目に、リスク低減に向けた著作権保護と透明性確保への配慮です。
AIが生成したコンテンツについては、著作権法上の取扱いが複雑化しつつあります。本法案でも、著作権侵害への対処やコンテンツの透明性確保が重要視されており、作家やクリエーターにとっても一歩前進と捉えられます。AIをめぐる著作権、知財関連の課題に正面から向き合い、検討を深める土台が本法案によって整えられることは、創作者としては非常に心強く感じております。
四つ目に、検討の機動力を上げる体制についてです。
本法案で設置されるAI戦略本部は、全閣僚で構成され、総理が本部長を務める司令塔組織になっています。AI戦略においては、高いレベルのリーダーシップと省庁間の連携が不可欠であり、機動力の高い体制で、迅速かつ総合的な判断を下せるようにしていることは、本法案の大きな特徴だと考えております。
次に、本法案の運用段階で懸念される点について、四点述べさせていただきます。いずれも、今後の施行、運用の中で注意深く対応する必要があると考えております。
一つ目に、AI法案以外の既存の法令、制度での対応スピードへの懸念です。
今回のAI法案は基本法の性格が強いものと承知しており、個別案件や新しい技術リスクに対処する際には、関連する業法や規制の迅速な改正が必要となると認識しております。また、フェイクニュースやデータの不正利用など、現行法でも違法性が認められるような問題であっても、AI技術特有のスピード感に対応し切れない可能性があると考えております。
二つ目に、AI技術全般に対する安易な規制論が出てくることへの懸念です。
十九世紀のイギリスでは、自動車の利点というものを著しく損なうような規制であった赤旗法というものがございました。これに象徴されるように、新しい技術がもたらす変化への過度な不安が先行すると、過剰な規制によって産業や社会の成長が阻害される事態に陥るおそれがあります。特に、AI分野は国際競争が激しく、強い規制をしくと、国内事業者のコストが増大し、海外事業者との競争において不利な環境をつくってしまう懸念がございます。
三つ目に、遵法意識の高い事業者ほどコスト負担が大きくなってしまうという懸念です。
ルールを守らない、あるいは抜け道を探す事業者が海外拠点などから参入してくると、公正な競争というのがゆがめられるリスクがあります。そうした不公平感をなくすためにも、行政上の調査権限や公表措置などのソフトな制裁を適切に活用しながら実効性を高めていくという運用が重要だと考えております。
四つ目に、変化の激しいAI領域において、専門家や現場の声がタイムリーに反映されないという懸念です。
今日のAI分野は、数日置きに画期的なモデルであるとか応用事例が登場してきております。それが社会に大きな影響を与えていく中で、現場でのAI活用に取り組む企業や研究者、クリエーターなど著作権者、一般の利用者など、多様なステークホルダーの声を法律やガイドラインの運用に素早く取り込む、それができるということが重要だと思っています。
最後に、私から、今後の取組として、具体的に三点提案させていただきます。
まず一点目が、専門家の活用とステークホルダーの声を継続的に集約する仕組みでございます。
AI技術の進展に対応して必要な政策決定や緊急時の迅速な対応を行うには、AI分野に精通したような専門家というものが必要です。AI戦略本部長である総理の直下には、是非とも専門知識を持って、国民とも関係省庁とも丁寧にコミュニケーションが取れるようなAI担当大臣を任命されることを提言いたします。本法案成立後も、多様なステークホルダーの声を継続的に集約し、必要に応じて対処を行うことが重要です。
二点目に、特区制度やサンドボックス制度を活用した人材育成、教育の場の充実ということでございます。
AIの実証実験や先進的な取組を推進するための特区制度やサンドボックス制度を利用して、人材育成や教育プログラムを更に拡充することを提案いたします。AIリテラシーの底上げというのは国民全体の課題であり、AI法案で示された基本理念を実装する上でも、人材の確保というのは最も重要な鍵と言えると思います。
三点目に、コンプライアンス支援と国際連携というところでございます。
AI事業者やクリエーターが遵守すべきルールやガイドラインを明快に提示すると同時に、それを実践するための支援策も不可欠だと考えております。また、日本独自のルールだけではなく、海外の最新事例、規制動向と連携しながら、国際的な競争力や整合性を維持し続ける取組も欠かせないと考えております。
総じて、AI法案は、我が国が将来にわたってAIの恩恵を享受し、国際社会での競争力を高めるための重要な出発点であると考えます。
以上で私の意見陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →今回のAI法案に対する意見を述べさせていただきます。
初めに、私の経歴、バックグラウンドを簡単に紹介いたします。
今回の法案に関し、私は三つの意味で当事者でございます。第一に、ソフトウェアエンジニアとしてAIを活用したアプリケーションの開発に携わっております。第二に、起業家としてAIスタートアップを複数立ち上げてきた経験から、事業者視点でのAI活用やビジネス観点での課題を実感しております。第三に、商業作家としてSF小説を執筆しており、著作権者という立場で、生成AIなどの技術がクリエーターの創作活動に与える影響についても関心を持っております。
これらの観点を踏まえ、本法案を日本におけるAI技術の研究開発と活用の推進を図るための重要な一歩と考え、その目的に賛同しつつ、よりよい運用のための提言をさせていただければと思います。
まず、今回のAI法案について、私の受け止めを三つ共有させていただきます。
まず第一に、現在、私たちは社会変革を促すAI技術の推進とリスク対応の両立を求められており、本法案もその両立を前提に考えられたものだと認識しております。
昨今のAI技術の進化は著しく、AI技術は社会構造の大きな変化をもたらす可能性があります。適切に活用することで、行政サービスの高度化、産業競争力の強化、医療、介護、教育分野などにおける革新など、国民生活に対して幅広い恩恵が見込まれます。その一方で、著作権の侵害、ディープフェイクによる名誉毀損や偽情報の流布など、様々なリスクも指摘されているとおり、リスク対応も課題であると考えます。この両者は、決してどちらかだけを解決するというものではなく、イノベーションとリスク対応を両立させる姿勢が必要だと考えております。
二つ目に、海外事例を適切に踏まえることの必要性です。
EUは、AIアクトの策定を進めるなど、規制面、罰則面を強化しておりますが、これに関しては、研究開発やコンプライアンスにおける負担増が、特にスタートアップや中小企業に対して過剰なコスト要因になっており、イノベーションを阻害しているという声も聞かれます。
一方で、米国は、官民が連携しつつ、基本的には産業界の自主性を重視するような動きがありますが、これに関しては、社会的リスクへの対応は後手に回っており、利用者の懸念に十分応えられていないという声もございます。
こうした海外の例を踏まえつつ、日本としては中間的なアプローチを取って、事業者にとっても利用者にとってもAI技術を活用しやすいような制度設計を目指しているということは注目すべき点だと考えております。
三つ目に、機動力の向上、変化に対応可能な体制づくりが重要だと考えております。
AIは、七か月ごとに仕事の能力が倍になっていくというようなトレンドが観測されております。ある意味、指数関数的に変化していく。そんな中で、本法案は、AI戦略本部を総理直下に設けることで、変化の激しいAI分野に対して素早く施策を講じられる体制を整えておると認識しております。また、研究開発の促進とリスク軽減を両立させる仕組みとして、機動的な行政調査やガイドラインを活用しようとする柔軟な考え方を持っており、日本におけるAI推進を適切に進められるものと考えております。
次に、今回のAI法案で適切に規定されていると考えられる四つのポイントに触れたいと思います。
一点目が、重要性の認識が明文化されていることでございます。
AI技術は、産業、経済のみならず、安全保障上も非常に重要な要素です。本法案においては、AIの利活用が国民生活や国家安全保障に大きな影響を与える可能性を見据えて、各当事者の積極的な取組を促進しようとしております。
二点目に、研究開発を目的とした、関係者を萎縮させない推進方針でございます。
罰則を伴うような規制強化ではなく、基本理念や国の責務、指針に焦点を当てる推進法の側面が強いことは、AI関連のプロジェクトを各事業者が萎縮なく進める上で、イノベーションを促進するような土台になり得ると思っております。特に、AIを扱うスタートアップなどは、新しい技術領域やその応用に挑戦する際に、過度に厳しい規制やコスト負担の懸念があると、参入自体を断念しかねません。本法案は、そうしたリスクを回避するような柔軟性があると考えております。
三点目に、リスク低減に向けた著作権保護と透明性確保への配慮です。
AIが生成したコンテンツについては、著作権法上の取扱いが複雑化しつつあります。本法案でも、著作権侵害への対処やコンテンツの透明性確保が重要視されており、作家やクリエーターにとっても一歩前進と捉えられます。AIをめぐる著作権、知財関連の課題に正面から向き合い、検討を深める土台が本法案によって整えられることは、創作者としては非常に心強く感じております。
四つ目に、検討の機動力を上げる体制についてです。
本法案で設置されるAI戦略本部は、全閣僚で構成され、総理が本部長を務める司令塔組織になっています。AI戦略においては、高いレベルのリーダーシップと省庁間の連携が不可欠であり、機動力の高い体制で、迅速かつ総合的な判断を下せるようにしていることは、本法案の大きな特徴だと考えております。
次に、本法案の運用段階で懸念される点について、四点述べさせていただきます。いずれも、今後の施行、運用の中で注意深く対応する必要があると考えております。
一つ目に、AI法案以外の既存の法令、制度での対応スピードへの懸念です。
今回のAI法案は基本法の性格が強いものと承知しており、個別案件や新しい技術リスクに対処する際には、関連する業法や規制の迅速な改正が必要となると認識しております。また、フェイクニュースやデータの不正利用など、現行法でも違法性が認められるような問題であっても、AI技術特有のスピード感に対応し切れない可能性があると考えております。
二つ目に、AI技術全般に対する安易な規制論が出てくることへの懸念です。
十九世紀のイギリスでは、自動車の利点というものを著しく損なうような規制であった赤旗法というものがございました。これに象徴されるように、新しい技術がもたらす変化への過度な不安が先行すると、過剰な規制によって産業や社会の成長が阻害される事態に陥るおそれがあります。特に、AI分野は国際競争が激しく、強い規制をしくと、国内事業者のコストが増大し、海外事業者との競争において不利な環境をつくってしまう懸念がございます。
三つ目に、遵法意識の高い事業者ほどコスト負担が大きくなってしまうという懸念です。
ルールを守らない、あるいは抜け道を探す事業者が海外拠点などから参入してくると、公正な競争というのがゆがめられるリスクがあります。そうした不公平感をなくすためにも、行政上の調査権限や公表措置などのソフトな制裁を適切に活用しながら実効性を高めていくという運用が重要だと考えております。
四つ目に、変化の激しいAI領域において、専門家や現場の声がタイムリーに反映されないという懸念です。
今日のAI分野は、数日置きに画期的なモデルであるとか応用事例が登場してきております。それが社会に大きな影響を与えていく中で、現場でのAI活用に取り組む企業や研究者、クリエーターなど著作権者、一般の利用者など、多様なステークホルダーの声を法律やガイドラインの運用に素早く取り込む、それができるということが重要だと思っています。
最後に、私から、今後の取組として、具体的に三点提案させていただきます。
まず一点目が、専門家の活用とステークホルダーの声を継続的に集約する仕組みでございます。
AI技術の進展に対応して必要な政策決定や緊急時の迅速な対応を行うには、AI分野に精通したような専門家というものが必要です。AI戦略本部長である総理の直下には、是非とも専門知識を持って、国民とも関係省庁とも丁寧にコミュニケーションが取れるようなAI担当大臣を任命されることを提言いたします。本法案成立後も、多様なステークホルダーの声を継続的に集約し、必要に応じて対処を行うことが重要です。
二点目に、特区制度やサンドボックス制度を活用した人材育成、教育の場の充実ということでございます。
AIの実証実験や先進的な取組を推進するための特区制度やサンドボックス制度を利用して、人材育成や教育プログラムを更に拡充することを提案いたします。AIリテラシーの底上げというのは国民全体の課題であり、AI法案で示された基本理念を実装する上でも、人材の確保というのは最も重要な鍵と言えると思います。
三点目に、コンプライアンス支援と国際連携というところでございます。
AI事業者やクリエーターが遵守すべきルールやガイドラインを明快に提示すると同時に、それを実践するための支援策も不可欠だと考えております。また、日本独自のルールだけではなく、海外の最新事例、規制動向と連携しながら、国際的な競争力や整合性を維持し続ける取組も欠かせないと考えております。
総じて、AI法案は、我が国が将来にわたってAIの恩恵を享受し、国際社会での競争力を高めるための重要な出発点であると考えます。
以上で私の意見陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。拍手
大
大
黄
黄川田仁志#11
○黄川田委員 自由民主党の衆議院議員の黄川田仁志でございます。
本日、参考人の皆様には、お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
たくさん聞きたいことがあるので、早速質問に入りたいというふうに思います。
まず、松尾先生にお聞きしたいと思います。
松尾先生におきましては、これまでの政府の取組、またAI推進法に対して非常に前向きなメッセージを発していただいて、感謝を申し上げたいと思います。また心強く思っております。
しかし、先ほどお話があったように、日本のAIを取り巻く現状というのは大変厳しい、投資額、また生成AIを利用している個人もアメリカ、中国に比べたらもう圧倒的に低いということでございます。
しかしながら、先生の性格なのか、常にポジティブで、昨年の生成AIサミットに当たっては、キャッチアップは容易だということを語ったということが新聞にも載っておりましたし、また、そういう中で、私は、本当なのか、大丈夫なのかというふうな心配も同時にしております。
今日はまた、そういう中でも、普通にやっては勝てないというお話もされておりました。先生のお話を聞くと、生成AI、チャットGPTとかディープシークとか、そういうものばかり追い求めるのではなくて、AIを活用する農業分野とか、様々ないろいろな分野を開拓して、そこに販路と活路を見出していくというのが先生のお考えのように私は思いましたので、またそこで確認なんですが、日本のAI政策、何を目指し、何で海外と差別化をしていけば、キャッチアップ、そして追いつき追い越せるのか、どこをどうしていけばいいかということをもう少し深く、ちょっと突っ込んでお話ししていただければと思います。よろしくお願いします。
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たくさん聞きたいことがあるので、早速質問に入りたいというふうに思います。
まず、松尾先生にお聞きしたいと思います。
松尾先生におきましては、これまでの政府の取組、またAI推進法に対して非常に前向きなメッセージを発していただいて、感謝を申し上げたいと思います。また心強く思っております。
しかし、先ほどお話があったように、日本のAIを取り巻く現状というのは大変厳しい、投資額、また生成AIを利用している個人もアメリカ、中国に比べたらもう圧倒的に低いということでございます。
しかしながら、先生の性格なのか、常にポジティブで、昨年の生成AIサミットに当たっては、キャッチアップは容易だということを語ったということが新聞にも載っておりましたし、また、そういう中で、私は、本当なのか、大丈夫なのかというふうな心配も同時にしております。
今日はまた、そういう中でも、普通にやっては勝てないというお話もされておりました。先生のお話を聞くと、生成AI、チャットGPTとかディープシークとか、そういうものばかり追い求めるのではなくて、AIを活用する農業分野とか、様々ないろいろな分野を開拓して、そこに販路と活路を見出していくというのが先生のお考えのように私は思いましたので、またそこで確認なんですが、日本のAI政策、何を目指し、何で海外と差別化をしていけば、キャッチアップ、そして追いつき追い越せるのか、どこをどうしていけばいいかということをもう少し深く、ちょっと突っ込んでお話ししていただければと思います。よろしくお願いします。
松
松尾豊#12
○松尾参考人 御質問ありがとうございます。
キャッチアップは容易ではないと思います。やはり私は、現状を正しく認識するということはすごく大事だと思っておりますし、先ほど田中参考人からありましたように、ほとんど勝っていた状態から相当負けている状態まで下がってきたわけですから、その下がっているトレンドをまずはフラットにして、そして上向きにしていくということを順番にやっていかないと、よく復活、V字復活とか言いますけれども、そういうことではなくて、しっかりやっていくということだと思います。
そのためにどうすればいいかですけれども、一つのポイントは、日本の中でこれまでデジタル、AIの活用が進んでこなかったために、その活用の余地が非常に大きいんだということです。先ほど田中参考人の方から、美容師さんの売上げが上がってしまった、活用するだけで上がって非常にすごいというようなお話がありましたけれども、日本の至る所で、生成AIを活用すれば生産性が上がる、売上げが上がるというようなことがあり得ると思っていまして、そこをしっかりやっていくということだと思います。
それから、もう一つ重要なのは、GAFAM、非常に強いです。ただ、考えてみれば、広告のビジネスあるいはインターネット上の販売のビジネスなんですよね。そうすると、広告というのは、要するに、いろいろな会社がいろいろな活動をする中での広告費なわけです。ところが、それに比べて日本は、例えば自動車産業であるとか、それから素材ですとか、機械ですとか、いろいろな実需があるわけですね。実ビジネスが非常に大きい。ここにきちんと生成AIを活用していくことで、そうしたものの生産性、付加価値自体が上がっていく。これは実は広告産業よりも非常に大きな可能性を秘めている。その辺りが可能性としては非常に重要なんじゃないかというふうに思っています。
以上です。
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そのためにどうすればいいかですけれども、一つのポイントは、日本の中でこれまでデジタル、AIの活用が進んでこなかったために、その活用の余地が非常に大きいんだということです。先ほど田中参考人の方から、美容師さんの売上げが上がってしまった、活用するだけで上がって非常にすごいというようなお話がありましたけれども、日本の至る所で、生成AIを活用すれば生産性が上がる、売上げが上がるというようなことがあり得ると思っていまして、そこをしっかりやっていくということだと思います。
それから、もう一つ重要なのは、GAFAM、非常に強いです。ただ、考えてみれば、広告のビジネスあるいはインターネット上の販売のビジネスなんですよね。そうすると、広告というのは、要するに、いろいろな会社がいろいろな活動をする中での広告費なわけです。ところが、それに比べて日本は、例えば自動車産業であるとか、それから素材ですとか、機械ですとか、いろいろな実需があるわけですね。実ビジネスが非常に大きい。ここにきちんと生成AIを活用していくことで、そうしたものの生産性、付加価値自体が上がっていく。これは実は広告産業よりも非常に大きな可能性を秘めている。その辺りが可能性としては非常に重要なんじゃないかというふうに思っています。
以上です。
黄
黄川田仁志#13
○黄川田委員 ありがとうございます。
使われていないからこそ、使われるようになれば、まずそこを埋めていって、そこから上がっていくというようなお話でした。
ちょっと私からまた悲観的なお話をさせていただきますが、しかし、なぜ使われていないかという中で、大きな理由として、やはり多くの国民がAIを不安視しているということがあります。
そういう中で、今回の法案については、AIを推進する法案ですから、どちらかというと、やれ、やれという、使う側面が大きく出ている法案であるということが言えると思います。
しかしながら、この不安を除外する面も同時に、さっき、ハードローとソフトローの、規制と推進というのは相殺するものではなくて一緒にいけるんだという話がありましたが、それでも国民が果たしてついてくるのであろうかと。我々は、やれ、やれということで、こういう法律を作って、本部をつくって、計画を作っていくんですが、やはりこのリスクについてしっかりと向き合って、安心と安全が確保されなければ、笛吹けど国民は踊らず、結局使われないということになりかねないというふうに思います。
そこで、また済みません、松尾先生と、今度は生貝先生、お二人にお聞きします。この国民の漠とした不安にどう取り組むかということ、これはまたちょっと先生たちから強調してお話ししていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
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ちょっと私からまた悲観的なお話をさせていただきますが、しかし、なぜ使われていないかという中で、大きな理由として、やはり多くの国民がAIを不安視しているということがあります。
そういう中で、今回の法案については、AIを推進する法案ですから、どちらかというと、やれ、やれという、使う側面が大きく出ている法案であるということが言えると思います。
しかしながら、この不安を除外する面も同時に、さっき、ハードローとソフトローの、規制と推進というのは相殺するものではなくて一緒にいけるんだという話がありましたが、それでも国民が果たしてついてくるのであろうかと。我々は、やれ、やれということで、こういう法律を作って、本部をつくって、計画を作っていくんですが、やはりこのリスクについてしっかりと向き合って、安心と安全が確保されなければ、笛吹けど国民は踊らず、結局使われないということになりかねないというふうに思います。
そこで、また済みません、松尾先生と、今度は生貝先生、お二人にお聞きします。この国民の漠とした不安にどう取り組むかということ、これはまたちょっと先生たちから強調してお話ししていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いします。
松
松尾豊#14
○松尾参考人 ありがとうございます。
不安にどういうふうに対応していくかですけれども、これは、しっかり啓蒙活動をしていくということが一つ重要だと思います。今でも一生懸命やっておりますけれども、生成AIの使い方をしっかりと伝えて、それから、リスクに対しての対応の仕方、そういったこともしっかり伝える。
特に学校の教育の現場では、今多くの学生生徒が生成AIを使っているような状況にあると思いますし、先生方もそうしたものにどういうふうに対応していくかというのが困っている状況にあります。文科省からいろいろなガイドラインを出していますけれども、そういったものを更に強化していくというのも一つかというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →不安にどういうふうに対応していくかですけれども、これは、しっかり啓蒙活動をしていくということが一つ重要だと思います。今でも一生懸命やっておりますけれども、生成AIの使い方をしっかりと伝えて、それから、リスクに対しての対応の仕方、そういったこともしっかり伝える。
特に学校の教育の現場では、今多くの学生生徒が生成AIを使っているような状況にあると思いますし、先生方もそうしたものにどういうふうに対応していくかというのが困っている状況にあります。文科省からいろいろなガイドラインを出していますけれども、そういったものを更に強化していくというのも一つかというふうに思います。
以上です。
生
生貝直人#15
○生貝参考人 ありがとうございます。
おっしゃっていただきましたとおり、漠とした不安にどのように対応するかというのが、この不確実な環境の中で極めて重要な課題かというふうに思います。
幾つか考えはございますけれども、まず一つは、この法案というものが、略称からも、AI推進法というところがやはり報道の中でも特に強調されているところかというふうに思います。しかし、私、先ほどの説明で、リスク対応におけるこの法案の意義ということを御説明させていただいたとおり、この法律は規制法ではないが、リスク対応において国が役割を果たすための極めて重要な法律である。何の法的な保障もない状態でAIの活用というものを国は進めているわけではない、しっかりと体制整備とそして機敏な対応の枠組みというものを進めるための法案というものを今回作るのである、そのような側面をしっかりと強調をしていただく。そして、それに沿った形での運用をしていただく。このことというのがまず極めて重要かというふうに思います。
それから、もう一つは、リスク管理のための様々な努力を行っているのは国だけではなく、もちろん、開発そして活用事業者様それぞれにおいても、やはり日々大変な努力をされているわけでございます。そして、どのような努力をされているのかということ、これがなかなか一人一人の国民、消費者に対しては伝わりにくいし、そして、その適切性というものを一人一人の国民、消費者は正しく評価をするすべというものを持っていないわけでございます。
この法律によってしっかりと、その対応をどのようにしているのかということを各事業者様に透明性を図っていただく。そして、国の側がある種、国民、消費者に代わって、その対応がどの程度十分であり、この部分はまだ足りていないんだということを正しく理解していただくための情報提供をしていただく。そのような努力によって、まさに漠然とした不安というものへの対応は可能になるというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →おっしゃっていただきましたとおり、漠とした不安にどのように対応するかというのが、この不確実な環境の中で極めて重要な課題かというふうに思います。
幾つか考えはございますけれども、まず一つは、この法案というものが、略称からも、AI推進法というところがやはり報道の中でも特に強調されているところかというふうに思います。しかし、私、先ほどの説明で、リスク対応におけるこの法案の意義ということを御説明させていただいたとおり、この法律は規制法ではないが、リスク対応において国が役割を果たすための極めて重要な法律である。何の法的な保障もない状態でAIの活用というものを国は進めているわけではない、しっかりと体制整備とそして機敏な対応の枠組みというものを進めるための法案というものを今回作るのである、そのような側面をしっかりと強調をしていただく。そして、それに沿った形での運用をしていただく。このことというのがまず極めて重要かというふうに思います。
それから、もう一つは、リスク管理のための様々な努力を行っているのは国だけではなく、もちろん、開発そして活用事業者様それぞれにおいても、やはり日々大変な努力をされているわけでございます。そして、どのような努力をされているのかということ、これがなかなか一人一人の国民、消費者に対しては伝わりにくいし、そして、その適切性というものを一人一人の国民、消費者は正しく評価をするすべというものを持っていないわけでございます。
この法律によってしっかりと、その対応をどのようにしているのかということを各事業者様に透明性を図っていただく。そして、国の側がある種、国民、消費者に代わって、その対応がどの程度十分であり、この部分はまだ足りていないんだということを正しく理解していただくための情報提供をしていただく。そのような努力によって、まさに漠然とした不安というものへの対応は可能になるというふうに考えております。
以上です。
黄
黄川田仁志#16
○黄川田委員 ありがとうございました。
私も、AIのリスク対応、ちょっと漠とした不安を持っている一人でありますが、特に私は、AIについて、安全保障の観点から不安を持っております。
中国のディープシークですね、これが中国の世論戦、歴史戦に利用されないのだろうかというところがあります。例えば、あるラジオ番組で、尖閣諸島はどこの領土かという質問をディープシークにしたら、はっきりと中国の領土だということが出てくるということがあったというふうな話がございました。そういうことで、意図的にバイアス、これをやはりつくることができるのじゃないか。AIの学習に、中国の都合のよいデータを利用して学習されたのであれば、それがバイアスの影響を受けて、意図的に中国に有利な情報を流す、歴史戦、そして世論戦に訴えるというものが作れるのではないかというふうに思っております。
その辺りの対応といいますか、どういうふうにこういうものを防いでいったらいいのか。済みません、松尾先生ばかり聞いていますが、松尾先生と、今度は、いろいろ政治でも利用している安野先生にお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →私も、AIのリスク対応、ちょっと漠とした不安を持っている一人でありますが、特に私は、AIについて、安全保障の観点から不安を持っております。
中国のディープシークですね、これが中国の世論戦、歴史戦に利用されないのだろうかというところがあります。例えば、あるラジオ番組で、尖閣諸島はどこの領土かという質問をディープシークにしたら、はっきりと中国の領土だということが出てくるということがあったというふうな話がございました。そういうことで、意図的にバイアス、これをやはりつくることができるのじゃないか。AIの学習に、中国の都合のよいデータを利用して学習されたのであれば、それがバイアスの影響を受けて、意図的に中国に有利な情報を流す、歴史戦、そして世論戦に訴えるというものが作れるのではないかというふうに思っております。
その辺りの対応といいますか、どういうふうにこういうものを防いでいったらいいのか。済みません、松尾先生ばかり聞いていますが、松尾先生と、今度は、いろいろ政治でも利用している安野先生にお聞きしたいと思います。
松
松尾豊#17
○松尾参考人 ありがとうございます。
おっしゃるとおり、ディープシーク、国の様々な考え方ですとか文化、思想が入り込んできます。そういった意味で、日本でもしっかりと国産の大規模言語モデル、LLMを作っていくということは一つ重要だと思います。
それから、そういったリスクをしっかり把握するために情報収集等が必要で、その意味でも、今回の法案によってAI戦略本部ができて、そこでそういったリスクに対してある程度情報収集していくということは非常に重要かというふうに思います。
以上です。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、ディープシーク、国の様々な考え方ですとか文化、思想が入り込んできます。そういった意味で、日本でもしっかりと国産の大規模言語モデル、LLMを作っていくということは一つ重要だと思います。
それから、そういったリスクをしっかり把握するために情報収集等が必要で、その意味でも、今回の法案によってAI戦略本部ができて、そこでそういったリスクに対してある程度情報収集していくということは非常に重要かというふうに思います。
以上です。
安
安野貴博#18
○安野参考人 御質問いただき、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、今のLLMというのは、認知戦との相性というのは非常によい、悪い意味でよいと思っておりまして、そういった懸念というのは十分にあり得ると思います。
今、松尾先生おっしゃったとおり、一つの解決策としては、国産のLLMをしっかり我が国でも作っていくということ。二つ目は、AIによる認知戦というのは、対抗としても、技術で対抗していくということがあり得ると思います。どういった攻撃がどう仕掛けられているのか、それに対してどう対応するのかというところは、人力でやるというのはなかなか難しい領域でございまして、そういった意味で、認知戦の防御に対しても技術が必要である。
そういった意味で、本法案は、AIの利活用をしっかり進めていく、研究開発を進めていくという意味では意義があると考えております。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、今のLLMというのは、認知戦との相性というのは非常によい、悪い意味でよいと思っておりまして、そういった懸念というのは十分にあり得ると思います。
今、松尾先生おっしゃったとおり、一つの解決策としては、国産のLLMをしっかり我が国でも作っていくということ。二つ目は、AIによる認知戦というのは、対抗としても、技術で対抗していくということがあり得ると思います。どういった攻撃がどう仕掛けられているのか、それに対してどう対応するのかというところは、人力でやるというのはなかなか難しい領域でございまして、そういった意味で、認知戦の防御に対しても技術が必要である。
そういった意味で、本法案は、AIの利活用をしっかり進めていく、研究開発を進めていくという意味では意義があると考えております。
黄
黄川田仁志#19
○黄川田委員 時間も来ましたので、最後に田中先生にお聞きしたいと思います。
今までの質問、特に、ソフトというか、そういう利用の方の観点でお話ししましたが、田中先生はどちらかというとハードを整備していく方向で御尽力していただいているというふうに思います。そういう中で、日本のAI戦略で必要なデータセンターとかケーブル、また、先ほどお話があったように、電力というのもたくさん使うということで、いろいろハード面で整備していかなければならないということもあると思います。
そこで、先生の、日本のAIを取り巻くハード面の整備についていろいろ御示唆をいただければと思います。
この発言だけを見る →今までの質問、特に、ソフトというか、そういう利用の方の観点でお話ししましたが、田中先生はどちらかというとハードを整備していく方向で御尽力していただいているというふうに思います。そういう中で、日本のAI戦略で必要なデータセンターとかケーブル、また、先ほどお話があったように、電力というのもたくさん使うということで、いろいろハード面で整備していかなければならないということもあると思います。
そこで、先生の、日本のAIを取り巻くハード面の整備についていろいろ御示唆をいただければと思います。
田
田中邦裕#20
○田中参考人 黄川田先生、ありがとうございます。
私、データセンター協会の理事長もしておりますので、いわゆるハード整備についても尽力させていただいておるんですが、まさしく、おっしゃいましたように、AIの発展のためにはハードが必須であるという状況にあります。
産業の米といいますと、昔は鉄であったり原油であったりしたわけですけれども、現在では、半導体と計算資源、これがいわゆる産業の米と言われております。
実際、オープンAI社も言っておりますように、計算の規模が大きくなればなるほど、モデルの規模が大きくなってくる。ですので、データとアルゴリズムと計算資源、この三つが非常に重要になるわけですけれども、幸い、先ほど松尾参考人からありましたように、例えば、製造業をAI化していくということになると、インターネット、ウェブにない情報を入手することができますから、そういった意味で、中国の企業、米国の企業よりも有意なデータは集めることができます。
しかしながら、計算資源がなければ、それをAIに仕立てることができない、学習ができないということを意味しております。そのような中で、しっかりと計算基盤を整備していくということが重要です。
ただ、一つ気をつけないといけないのは、電力問題でございます。世界中で電気が足らない状況にありますし、人間の一千倍から一万倍ぐらいのエネルギーを使うと言われているAIが普及する中で、電気をどのように確保するのかということが重要になっているわけですけれども、非常に懸念されているのは、外資系のデータセンターがどんどんどんどん日本で電気を枠として確保してしまっている。
例えば、印西市にはたくさんのデータセンターが造られておりますけれども、印西のデータセンター、データセンター協会とエネ庁さんと協力して、東電さんとともに新たな変電所を造りましたが、その大半が外資系企業に押さえられている。ただ、実際に利用もされていないのに押さえられている状況になっていて、いわばその権利がデータセンターの土地とともに転売されている。先日も高値で外資から外資に売却された。
ですので、計算資源であるとか国の財産というのは投機の対象にしてはならないというふうにいうのは、米も同じなわけですけれども、実際に、計算資源と電力資源が投機的な対象になり、お金が流れ込まないようにしていくために、一定の規制をしつつも、しっかりとデータセンターと計算資源を整備していく、これが裏の側面での安全保障につながるのかなというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
この発言だけを見る →私、データセンター協会の理事長もしておりますので、いわゆるハード整備についても尽力させていただいておるんですが、まさしく、おっしゃいましたように、AIの発展のためにはハードが必須であるという状況にあります。
産業の米といいますと、昔は鉄であったり原油であったりしたわけですけれども、現在では、半導体と計算資源、これがいわゆる産業の米と言われております。
実際、オープンAI社も言っておりますように、計算の規模が大きくなればなるほど、モデルの規模が大きくなってくる。ですので、データとアルゴリズムと計算資源、この三つが非常に重要になるわけですけれども、幸い、先ほど松尾参考人からありましたように、例えば、製造業をAI化していくということになると、インターネット、ウェブにない情報を入手することができますから、そういった意味で、中国の企業、米国の企業よりも有意なデータは集めることができます。
しかしながら、計算資源がなければ、それをAIに仕立てることができない、学習ができないということを意味しております。そのような中で、しっかりと計算基盤を整備していくということが重要です。
ただ、一つ気をつけないといけないのは、電力問題でございます。世界中で電気が足らない状況にありますし、人間の一千倍から一万倍ぐらいのエネルギーを使うと言われているAIが普及する中で、電気をどのように確保するのかということが重要になっているわけですけれども、非常に懸念されているのは、外資系のデータセンターがどんどんどんどん日本で電気を枠として確保してしまっている。
例えば、印西市にはたくさんのデータセンターが造られておりますけれども、印西のデータセンター、データセンター協会とエネ庁さんと協力して、東電さんとともに新たな変電所を造りましたが、その大半が外資系企業に押さえられている。ただ、実際に利用もされていないのに押さえられている状況になっていて、いわばその権利がデータセンターの土地とともに転売されている。先日も高値で外資から外資に売却された。
ですので、計算資源であるとか国の財産というのは投機の対象にしてはならないというふうにいうのは、米も同じなわけですけれども、実際に、計算資源と電力資源が投機的な対象になり、お金が流れ込まないようにしていくために、一定の規制をしつつも、しっかりとデータセンターと計算資源を整備していく、これが裏の側面での安全保障につながるのかなというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
黄
大
お
おおたけりえ#23
○おおたけ委員 立憲民主党、おおたけりえでございます。
本日は、四名の参考人の皆様に貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、まず伺ってまいりたいと思います。
先ほどの質疑の中でもメインで出てまいりましたけれども、今回の日本の法案は、先日の質疑の中の城内大臣の答弁で、本法案が目指す日本の制度は、諸外国とはまた異なるものであり、政府による監視や検閲を行ったり、あるいは制裁金を科す等の規制法ではなくて、また反対に、完全に自由で放任主義だということでもない、AIの研究開発及び活用の推進が極めて重要であるという認識にまず立って、イノベーションの促進、そしてリスク対応もしっかりやる、この両立を図るために、過剰な規制は避けつつ必要なリスク対策はしっかりと講じる、こういう考えの下で今般の法案を提出したと御説明がありました。
やはり、このリスク対応、個人の権利保護のための規制とAI産業の産業力強化とのバランス、これは非常に重要だと思っております。先ほどの黄川田議員への御答弁で、松尾参考人と生貝参考人と安野参考人はリスク対応についてもう言及いただきましたので、田中参考人、申し訳ないんですけれども、その辺りについて、どのようにバランスを取っていくべきか、御意見いただけませんでしょうか。お願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、四名の参考人の皆様に貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
それでは、まず伺ってまいりたいと思います。
先ほどの質疑の中でもメインで出てまいりましたけれども、今回の日本の法案は、先日の質疑の中の城内大臣の答弁で、本法案が目指す日本の制度は、諸外国とはまた異なるものであり、政府による監視や検閲を行ったり、あるいは制裁金を科す等の規制法ではなくて、また反対に、完全に自由で放任主義だということでもない、AIの研究開発及び活用の推進が極めて重要であるという認識にまず立って、イノベーションの促進、そしてリスク対応もしっかりやる、この両立を図るために、過剰な規制は避けつつ必要なリスク対策はしっかりと講じる、こういう考えの下で今般の法案を提出したと御説明がありました。
やはり、このリスク対応、個人の権利保護のための規制とAI産業の産業力強化とのバランス、これは非常に重要だと思っております。先ほどの黄川田議員への御答弁で、松尾参考人と生貝参考人と安野参考人はリスク対応についてもう言及いただきましたので、田中参考人、申し訳ないんですけれども、その辺りについて、どのようにバランスを取っていくべきか、御意見いただけませんでしょうか。お願いいたします。
田
田中邦裕#24
○田中参考人 ありがとうございます。
御質問いただいたリスクとのバランスということですが、まず一つは、やはりAIをしっかりと理解するということが重要だというふうに思っております。
AIの利活用だけを理解するのではなくて、AIの開発であったりだとか、最近ですと、ガードレールと言われるように、一定の範囲内でAIが機能するようにというふうな学習の仕方だとか、そういったものがございます。ですので、AIを作れる技術をどんどんどんどん加速させることで、AIのリスクを低減させていく。先ほど安野参考人からもありましたけれども、やはり作れることによって防御もできるということを意味しています。
ですので、AIの開発能力をいかに高めていくかということがリスク対応に対しては重要ですし、加えて、イコールフッティングの話を私は先ほどさせていただいていましたが、日本の企業だけが規制を守って、結局、安野参考人からありましたように、不正な外国のAIだけがのさばるようなことになっては、結局実効性がなくなってしまうということを意味しています。
ですので、効果のある海外の、いわゆる日本の法律にしっかりと則すような、そういった取組をしっかりとAI戦略本部の中で取り組んでいくということの重要性を感じております。
以上でございます。
この発言だけを見る →御質問いただいたリスクとのバランスということですが、まず一つは、やはりAIをしっかりと理解するということが重要だというふうに思っております。
AIの利活用だけを理解するのではなくて、AIの開発であったりだとか、最近ですと、ガードレールと言われるように、一定の範囲内でAIが機能するようにというふうな学習の仕方だとか、そういったものがございます。ですので、AIを作れる技術をどんどんどんどん加速させることで、AIのリスクを低減させていく。先ほど安野参考人からもありましたけれども、やはり作れることによって防御もできるということを意味しています。
ですので、AIの開発能力をいかに高めていくかということがリスク対応に対しては重要ですし、加えて、イコールフッティングの話を私は先ほどさせていただいていましたが、日本の企業だけが規制を守って、結局、安野参考人からありましたように、不正な外国のAIだけがのさばるようなことになっては、結局実効性がなくなってしまうということを意味しています。
ですので、効果のある海外の、いわゆる日本の法律にしっかりと則すような、そういった取組をしっかりとAI戦略本部の中で取り組んでいくということの重要性を感じております。
以上でございます。
お
おおたけりえ#25
○おおたけ委員 ありがとうございます。
今お答えいただきましたさくらインターネット株式会社代表取締役社長田中邦裕さんは、皆さん御存じのとおり、二〇二四年に、日本企業として唯一、政府のガバメントクラウドに条件付で認定をされましたし、北海道石狩にエネルギー効率の高いデータセンターを開設し、クラウドサービスを展開されており、国産ITインフラにおける第一人者として御活躍されておると存じております。
今後、AIが進化する中で、経済安全保障も考えますと、国内企業からAI関連調達を行える体制を築くことが理想ではありますが、なかなか厳しい現状があることも理解をしております。その理想に向けた課題、そして必要な対策についてどのようにお考えか、伺います。
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今後、AIが進化する中で、経済安全保障も考えますと、国内企業からAI関連調達を行える体制を築くことが理想ではありますが、なかなか厳しい現状があることも理解をしております。その理想に向けた課題、そして必要な対策についてどのようにお考えか、伺います。
田
田中邦裕#26
○田中参考人 おおたけ先生、ありがとうございます。
今御指摘いただきましたように、昨年、二〇二四年に、ガバメントクラウドの認定を条件付ながらいただくことができました。
日本は、やはりインフラで出遅れているという状況にあります。先ほど申し上げましたように、計算資源がやはり産業の米になっている中で、それが全くないという状況にあります。
私、この国の一つの課題だなと思っているのが、日本にはすごくたくさんのお金が余っているのに、それが投資をされていない。何なら、海外にはオルカンだとか投資をするわけですけれども、結局、日本に投資しているのは外国の企業ばかりという状況にあります。そういったことで、やはり日本の企業が日本に投資をし、日本の産業を育成していくということが非常に重要だというふうに考えております。
そのような中で、私、さくらインターネットの代表もしておりますけれども、昨年から積極的にGPU基盤への投資をしているだけではなくて、今年の一月に、ラピダスさんで製造したプリファードネットワークスさんのMN―Core、要はAIチップですね、これを我々が世界に向けて売ろうということで発表もさせていただきました。
ですので、日本には、テクノロジーもあるしお金もある、そして技術者もいるし、まだ国力は高いわけですけれども、それがなぜかかみ合っていなくて、AIで後塵を拝している。松尾参考人からありましたけれども、ここから復活するのは非常に大変だということはありますけれども、何も持っていなくて復活するといったら机上の空論であるわけですけれども、リソースを十分に持った上でこれから復活をするということであれば、十分にそれは可能だというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
この発言だけを見る →今御指摘いただきましたように、昨年、二〇二四年に、ガバメントクラウドの認定を条件付ながらいただくことができました。
日本は、やはりインフラで出遅れているという状況にあります。先ほど申し上げましたように、計算資源がやはり産業の米になっている中で、それが全くないという状況にあります。
私、この国の一つの課題だなと思っているのが、日本にはすごくたくさんのお金が余っているのに、それが投資をされていない。何なら、海外にはオルカンだとか投資をするわけですけれども、結局、日本に投資しているのは外国の企業ばかりという状況にあります。そういったことで、やはり日本の企業が日本に投資をし、日本の産業を育成していくということが非常に重要だというふうに考えております。
そのような中で、私、さくらインターネットの代表もしておりますけれども、昨年から積極的にGPU基盤への投資をしているだけではなくて、今年の一月に、ラピダスさんで製造したプリファードネットワークスさんのMN―Core、要はAIチップですね、これを我々が世界に向けて売ろうということで発表もさせていただきました。
ですので、日本には、テクノロジーもあるしお金もある、そして技術者もいるし、まだ国力は高いわけですけれども、それがなぜかかみ合っていなくて、AIで後塵を拝している。松尾参考人からありましたけれども、ここから復活するのは非常に大変だということはありますけれども、何も持っていなくて復活するといったら机上の空論であるわけですけれども、リソースを十分に持った上でこれから復活をするということであれば、十分にそれは可能だというふうに思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
お
おおたけりえ#27
○おおたけ委員 ありがとうございます。
今回の法案には、第十五条に教育の振興という条文がございます。日本のデジタル関連教育は、参考人の皆さんがおっしゃったとおり、大変遅れているという認識がございます。IT人材の不足も深刻で、経産省の予測によれば、二〇三〇年には最大で約七十九万人のIT人材が不足するとされております。今後、関連産業発展にはやはり人材育成が大変重要であると思っております。
今後のAI産業発展のため、日本における教育の振興について、子供たち、一般の方々、そして職業訓練を含めたリスキリング等において必要な教育は何だとお考えでしょうか。
十五分までなので、申し訳ないんですけれども、四名の参考人の方に、少しずつで結構なので、端的に、教育の振興についてどういったことが必要か、一番思いのあるところを教えていただけたらと思います。松尾参考人からよろしくお願いします。
この発言だけを見る →今回の法案には、第十五条に教育の振興という条文がございます。日本のデジタル関連教育は、参考人の皆さんがおっしゃったとおり、大変遅れているという認識がございます。IT人材の不足も深刻で、経産省の予測によれば、二〇三〇年には最大で約七十九万人のIT人材が不足するとされております。今後、関連産業発展にはやはり人材育成が大変重要であると思っております。
今後のAI産業発展のため、日本における教育の振興について、子供たち、一般の方々、そして職業訓練を含めたリスキリング等において必要な教育は何だとお考えでしょうか。
十五分までなので、申し訳ないんですけれども、四名の参考人の方に、少しずつで結構なので、端的に、教育の振興についてどういったことが必要か、一番思いのあるところを教えていただけたらと思います。松尾参考人からよろしくお願いします。
松
松尾豊#28
○松尾参考人 ありがとうございます。
今、高校の情報の教育も大分充実してきておりまして、レベルが上がっていると思います。それから、先ほど私がお話ししましたように、AIを学ぶ人も増えています。いい傾向だと思います。これをますます加速させていくことが必要ですけれども、ポイントを一つだけ。
若い人が若い人を教える、あるいは最近学んだ方が次に学ぶ方を教えるということが最も重要じゃないか、今までの教育はややもすれば、経験の長い方が教えてきた、そこの考え方を変える必要があるんじゃないかというふうに思っています。
以上です。
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若い人が若い人を教える、あるいは最近学んだ方が次に学ぶ方を教えるということが最も重要じゃないか、今までの教育はややもすれば、経験の長い方が教えてきた、そこの考え方を変える必要があるんじゃないかというふうに思っています。
以上です。
生
生貝直人#29
○生貝参考人 ありがとうございます。
私から一つ挙げるとしたら、やはりリスクを正しく知って、そしてそれに対する回避の仕方というものを身につける。これは、これまでのインターネットに関わる青少年保護等においてもそうであったんですけれども、やはり今の状況というのは、それが常に変わり続ける、変化し続ける、そのことについてしっかりと継続的な学習をしていくための態度、姿勢、そしてその学び方ということをしっかり身につけていただく、このことが大変重要かというふうに考えております。
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