文部科学委員会
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会
会議録情報#0
令和七年四月二十五日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 中村 裕之君
理事 今枝宗一郎君 理事 小林 茂樹君
理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君
理事 亀井亜紀子君 理事 坂本祐之輔君
理事 高橋 英明君 理事 日野紗里亜君
五十嵐 清君 遠藤 利明君
大空 幸星君 大西 洋平君
小渕 優子君 木原 稔君
国光あやの君 柴山 昌彦君
鈴木 貴子君 渡海紀三朗君
萩生田光一君 平沼正二郎君
船田 元君 古川 直季君
松野 博一君 三谷 英弘君
森下 千里君 簗 和生君
山本 大地君 阿部祐美子君
安藤じゅん子君 五十嵐えり君
小山 千帆君 佐々木ナオミ君
高橋 永君 竹内 千春君
辻 英之君 波多野 翼君
眞野 哲君 吉川 元君
うるま譲司君 黒田 征樹君
前原 誠司君 美延 映夫君
西岡 義高君 浮島 智子君
金城 泰邦君 大石あきこ君
…………………………………
文部科学大臣 あべ 俊子君
財務大臣政務官 東 国幹君
文部科学大臣政務官 金城 泰邦君
政府参考人
(文部科学省総合教育政策局長) 茂里 毅君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 望月 禎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 真弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浦上健一朗君
参考人
(戸田市教育委員会教育長) 戸ヶ崎 勤君
参考人
(日本教職員組合中央執行委員長) 梶原 貴君
参考人
(全日本教職員連盟委員長) 渡辺 陽平君
参考人
(大阪大学大学院人間科学研究科准教授) 高橋 哲君
文部科学委員会専門員 藤井 晃君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
遠藤 利明君 古川 直季君
鈴木 貴子君 大空 幸星君
三谷 英弘君 平沼正二郎君
山本 大地君 国光あやの君
前原 誠司君 黒田 征樹君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 大西 洋平君
国光あやの君 山本 大地君
平沼正二郎君 三谷 英弘君
古川 直季君 森下 千里君
黒田 征樹君 前原 誠司君
同日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 五十嵐 清君
森下 千里君 遠藤 利明君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 鈴木 貴子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 中村 裕之君
理事 今枝宗一郎君 理事 小林 茂樹君
理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君
理事 亀井亜紀子君 理事 坂本祐之輔君
理事 高橋 英明君 理事 日野紗里亜君
五十嵐 清君 遠藤 利明君
大空 幸星君 大西 洋平君
小渕 優子君 木原 稔君
国光あやの君 柴山 昌彦君
鈴木 貴子君 渡海紀三朗君
萩生田光一君 平沼正二郎君
船田 元君 古川 直季君
松野 博一君 三谷 英弘君
森下 千里君 簗 和生君
山本 大地君 阿部祐美子君
安藤じゅん子君 五十嵐えり君
小山 千帆君 佐々木ナオミ君
高橋 永君 竹内 千春君
辻 英之君 波多野 翼君
眞野 哲君 吉川 元君
うるま譲司君 黒田 征樹君
前原 誠司君 美延 映夫君
西岡 義高君 浮島 智子君
金城 泰邦君 大石あきこ君
…………………………………
文部科学大臣 あべ 俊子君
財務大臣政務官 東 国幹君
文部科学大臣政務官 金城 泰邦君
政府参考人
(文部科学省総合教育政策局長) 茂里 毅君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 望月 禎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 真弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浦上健一朗君
参考人
(戸田市教育委員会教育長) 戸ヶ崎 勤君
参考人
(日本教職員組合中央執行委員長) 梶原 貴君
参考人
(全日本教職員連盟委員長) 渡辺 陽平君
参考人
(大阪大学大学院人間科学研究科准教授) 高橋 哲君
文部科学委員会専門員 藤井 晃君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
辞任 補欠選任
遠藤 利明君 古川 直季君
鈴木 貴子君 大空 幸星君
三谷 英弘君 平沼正二郎君
山本 大地君 国光あやの君
前原 誠司君 黒田 征樹君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 大西 洋平君
国光あやの君 山本 大地君
平沼正二郎君 三谷 英弘君
古川 直季君 森下 千里君
黒田 征樹君 前原 誠司君
同日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 五十嵐 清君
森下 千里君 遠藤 利明君
同日
辞任 補欠選任
五十嵐 清君 鈴木 貴子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
――――◇―――――
中
中村裕之#1
○中村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、戸田市教育委員会教育長戸ヶ崎勤君、日本教職員組合中央執行委員長梶原貴君、全日本教職員連盟委員長渡辺陽平君、大阪大学大学院人間科学研究科准教授高橋哲君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜り、誠にありがとうございます。本案につきましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りますようお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず戸ヶ崎参考人にお願いをいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、戸田市教育委員会教育長戸ヶ崎勤君、日本教職員組合中央執行委員長梶原貴君、全日本教職員連盟委員長渡辺陽平君、大阪大学大学院人間科学研究科准教授高橋哲君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜り、誠にありがとうございます。本案につきましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りますようお願いを申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず戸ヶ崎参考人にお願いをいたします。
戸
戸ヶ崎勤#2
○戸ヶ崎参考人 戸田市教育委員会の戸ヶ崎と申します。
本日は、このような機会をいただきまして、大変光栄に存じておるところでございます。
私からは、教員また学校の管理職の勤務に加えて、教育行政で学校とともに伴走してかれこれもう半世紀が過ぎたわけですけれども、学校に関わってきた立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
お手元の資料に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、一ページ目でございますけれども、中教審において、令和の日本型学校教育を担う質の高い教師、これを確保するための環境整備の在り方、これを長期間議論をしてまいりました。その答申を踏まえて、本改正案については、主に働き方改革と処遇改善の要素が制度化されているところでございます。
本法案を確実に成立させていただいて、小学校教科担任制の推進などを盛り込んだ令和七年度の予算、これの着実な実施と併せて、全国の教師に改革の成果を届けることが大切と強く思っているところでございます。
二ページです。
さて、給特法へのよくある批判として、定額働かせ放題というようなことでしばしば言われております。この言い方ですけれども、学校現場で日々全力で子供たちに向き合っている教師への姿を踏まえれば、制度の趣旨や教師の努力を適切に評価したものとは言えないのではないかと思っております。
本来、給特法は、管理職が時間外勤務を命ずることができる場合を限定することで、教師の健康と福祉を守りつつ、教師の職務の特殊性を踏まえて、一人一人の教師の裁量を確保する仕組みである、このように理解をしているところであります。
続いて三ページですが、まずは、教師の職務の特殊性について簡単に御説明申し上げます。
そもそも、教職の性質は、全人格的なものであって、日々変化する目の前の子供の状況に応じて臨機応変に対応する、応対する教育的なタクトと呼ばれているものの能力が求められております。
教師の仕事は、一般の行政職などとは異なり、教師自身の自発性や創造性に委ねる部分が大きいと思っております。このため、日々の教師の業務が、どこまでが職務で、どこからが職務ではないというような、精緻に切り分けて考えることは極めて難しいのではないかと考えております。
四ページです。
こうした中、管理職が、教師の個別具体の職務について、一人一人の教師にどのような業務をどの程度まで行うか命令するということはなじまないというふうに考えております。もちろん、管理職のタイムマネジメントというものも極めて重要ですけれども、個別具体の職務について事細かに把握したり時間調整したりすることは、およそなじみません。
例えば、生徒指導においても、悩み相談、いじめ問題、突発的な問題行動等への対応は、時間で区切るわけにもいきません。一人一人の教師の裁量と創意工夫があってこそ、効果的な教育活動が可能になります。教師の裁量を大切にする給特法の精神は維持すべきというふうに考えております。
なお、教育の成果が勤務時間の長さのみに基づくものではないことは、言うまでもありません。
こうした職務の特殊性の下、誇りを持って生き生きと働く姿にこそ、学生たちが魅力を感じ、教職を志す大きな動機づけになるものと考えております。
また、私立や国立の学校は、入学者選抜等により、その学校を希望した子供たちが入学をしてきます。特に私学には建学の精神があり、子供たちも教師もその前提の下、選択をして所属をしてきます。
一方で、全ての子供たちを受け入れるという公立の小中学校等の果たす役割は極めて大きいものがあると考えます。学力はもちろんですが、多様な子供たちがおり、臨機応変に応対していく必要があります。私立や国立と同じ勤務制度を適用することは、その性質上、なじまないのではないかと思っております。
五ページです。
こうした職務の特殊性に対応し、教師の裁量を担保する仕組みこそが、教職調整額、給特法の制度であり、今後も維持されるべきと考えております。
なお、給特法を廃止し、勤務時間外の業務に対しては時間外勤務手当を支給するようにすべきという御意見も伺います。
時間外勤務手当の支給では、管理職が具体的に命令し、その命令に基づいて業務に従事した時間を正確に把握することが前提というふうになります。しかし、現場の立場から申し上げますと、時間外勤務手当の支給は、学校運営上の混乱を招くことを懸念しているところであります。
時間外勤務の管理等を管理職が事細かに指示することになれば、違和感や抵抗感を覚える教師も少なくないと思います。その混乱を見ていれば、今大変深刻となっている、管理職のなり手もますます減少することも明らかであろうと思います。また、その手当に国庫負担の上限が設けられた場合には、自治体の財政力の差によって教育の取組や教師の確保に更なる格差を招くおそれもございます。
時間外勤務の多寡と給与との関係の議論のみならず、教師の裁量性や創造性をどう生かし、どのように教育の質を担保するかという点からの御議論も是非お願いをしたいと考えているところでございます。
六ページです。
今般の教職調整額の引上げについては、教職をリスペクトすると、国からのメッセージとして、僭越ながら、高く評価させていただきたいと思います。
七ページです。
また、一律のベースアップに加えて、真に頑張っている教師が給与上適切に報われる必要もあります。
かつては、学級担任は取り合いが起きておりました。しかし、昨今は、学級担任を避ける教師も増えつつあるように感じています。学級担任は、教科指導以外にも、道徳、特活等の授業があり、様々な事務処理も多くございます。加えて保護者対応などもあり、担任を持っていない教師と比べて負担が重く、在校等時間が長くなっていることから、処遇改善が必要だと思います。
改正案では、学級担任への加算を念頭として、教師の固有の手当である義務教育等教員特別手当、これを校務類型に応じて支給するという規定が盛り込まれておりますけれども、適切であろうというふうに考えております。
八ページです。
次に、働き方改革ですけれども、本法案で、学校における働き方改革に関して、大きく二点挙げられております。教育委員会は、業務改善の計画及び実施状況等を総合教育会議に報告すること、学校は、業務改善の計画について学校運営協議会で承認を得ることであります。
学校の改革は内側から本来は起こるべきですけれども、働き方改革は内側からだけでは変えられません。法律で義務づけることで、働き方改革が社会に開かれた取組となり、保護者、地域、行政など社会全体で支える仕組みとなることが期待できます。
また、働き方改革は、教師や学校の裁量を大切にし、計画的に成果を可視化しながら進めていく必要があり、その点で、今回の改正事項、つまり、市町村教委ごとの計画の策定等の仕組みは極めて重要であろうと考えております。まさに、国、都道府県、市町村共に汗をかくということを求めていると感じております。
九ページです。
本市では、働き方改革なくして教育改革なしと、この十年近く、働き方改革に力を注いでまいりました。その取組について、簡単に御紹介申し上げます。
九ページの資料は、これまでの実施状況や成果と課題を踏まえ、令和四年に改定した本市教育委員会の基本方針であります。この方針に基づき、現在でも様々な取組を行っております。
十ページです。
働き方改革は、計画的に可視化しながら進めていくことが大切であります。そこで、PDCAサイクル、これを回して、成果や課題の見える化に努めてまいりました。具体的には、平成二十八年にチーム学校運営委員会を設置して、その下に、可視化、共有化、効率化、これは頭文字が全てKということで、三Kワーキングをつくって、業務の徹底した見直しをこれまで進めてまいりました。
例えば、可視化のワーキングでは、年間の各学校での収受文書の件数を調査しました。平均二千件以上の文書を収受しており、一日に換算すると、約四時間文書処理に費やしているということ等を可視化いたしました。重さも可視化しました。
また、会議や研修の際、交通に要する時間を計算したところ、これも相当な時間を費やしているということから、当時からオンライン会議の導入も提言したところであります。
さらには、民間企業に一定期間学校に入ってもらって、業務の検証も行いました。その結果、学校の意識として、どうしても時間短縮のインセンティブが働いていない、また、優先順位が低いものを見える化して徹底的に排除する、こういうような意識に課題があるなど、厳しい指摘をいただきました。
これらを受けて、優先順位を分析しつつ、教育委員会、学校で様々な取組にトライアルをしてきました。加えて、お手元にもありますけれども、総合データベースの構築、校務支援システム強化、ゼロトラスト導入、ネットワーク統合などによってテレワークも可能にするなど、教育DXも推進してきました。その一つの成果として、時間外の在校等の時間の少なさは埼玉県内でもトップクラスとなりました。
一方で、登校時刻の見直しですとか、また見守り、学校行事など、市教育委員会や学校だけではこれ以上進めることが難しいこと、つまり、保護者や地域の理解を得て進めていくべき課題は依然として残っているところでございます。
十一ページです。
これらの課題解決には、学校や教育関係者だけではなく、社会全体の理解が必要と考えております。
本市では、働き方改革について、定例の教育委員会で何度も熟議をいたしました。さらに、総合教育会議でも議題といたしました。その中で、地域住民や市議会に、学校、教師が担う業務に係る三分類、これを周知すること、また、人的、物的支援に係る予算措置を行うこと、様々な要望等に対してチーム戸田市として対応することなどの必要性を確認をいたしました。
また、市議会においても、学校における働き方改革について、一般質問もしていただきました。本市の成果や課題、社会的理解の必要性について、その場で答弁もいたしました。
最後、十二ページになります。
また、先ほども申し上げましたけれども、登校時刻の見直しや見守り、学校行事など、保護者や地域の理解が必要な課題への対応として、学校運営協議会を課題解決のプラットフォームとして重要視してまいりました。特に、先ほどの三分類については、学校や教育委員会では重視していても、学校関係者以外への周知、理解がほとんどされていないといった現実がございました。
そこで、この三分類の熟議の進め方を示した熟議パッケージ、これを独自に作成して、各学校の学校運営協議会の場で取組も開始しました。
その熟議の場では、このような意見が出ました。そもそも先生方にこんな苦労があるとは知らなかった、一刻も早く私たちにできることを支援していきたい、また、学校の働き方改革は、先生方だけではなくて、子供たちのためにといったメッセージが伝わっていないのではないか、このような意見も出されました。
働き方改革は地域の子供のよりよい成長のためであるということを共有しつつ、業務改善の計画を学校運営協議会で示して進めていくことは極めて重要であろうと思っております。
いずれにしても、学校の働き方改革の実動には、国、教育委員会、また学校等の各アクターが同心円状につながって、それぞれがオーナーシップを持って、何をすべきなのかということを正しく理解して、計画的に行動するために共に汗をかく必要があります。また、学校の働き方改革への社会的な理解も深まるように切にお願いを申し上げまして、私の発表とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただきまして、大変光栄に存じておるところでございます。
私からは、教員また学校の管理職の勤務に加えて、教育行政で学校とともに伴走してかれこれもう半世紀が過ぎたわけですけれども、学校に関わってきた立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
お手元の資料に沿って意見を述べさせていただきます。
まず、一ページ目でございますけれども、中教審において、令和の日本型学校教育を担う質の高い教師、これを確保するための環境整備の在り方、これを長期間議論をしてまいりました。その答申を踏まえて、本改正案については、主に働き方改革と処遇改善の要素が制度化されているところでございます。
本法案を確実に成立させていただいて、小学校教科担任制の推進などを盛り込んだ令和七年度の予算、これの着実な実施と併せて、全国の教師に改革の成果を届けることが大切と強く思っているところでございます。
二ページです。
さて、給特法へのよくある批判として、定額働かせ放題というようなことでしばしば言われております。この言い方ですけれども、学校現場で日々全力で子供たちに向き合っている教師への姿を踏まえれば、制度の趣旨や教師の努力を適切に評価したものとは言えないのではないかと思っております。
本来、給特法は、管理職が時間外勤務を命ずることができる場合を限定することで、教師の健康と福祉を守りつつ、教師の職務の特殊性を踏まえて、一人一人の教師の裁量を確保する仕組みである、このように理解をしているところであります。
続いて三ページですが、まずは、教師の職務の特殊性について簡単に御説明申し上げます。
そもそも、教職の性質は、全人格的なものであって、日々変化する目の前の子供の状況に応じて臨機応変に対応する、応対する教育的なタクトと呼ばれているものの能力が求められております。
教師の仕事は、一般の行政職などとは異なり、教師自身の自発性や創造性に委ねる部分が大きいと思っております。このため、日々の教師の業務が、どこまでが職務で、どこからが職務ではないというような、精緻に切り分けて考えることは極めて難しいのではないかと考えております。
四ページです。
こうした中、管理職が、教師の個別具体の職務について、一人一人の教師にどのような業務をどの程度まで行うか命令するということはなじまないというふうに考えております。もちろん、管理職のタイムマネジメントというものも極めて重要ですけれども、個別具体の職務について事細かに把握したり時間調整したりすることは、およそなじみません。
例えば、生徒指導においても、悩み相談、いじめ問題、突発的な問題行動等への対応は、時間で区切るわけにもいきません。一人一人の教師の裁量と創意工夫があってこそ、効果的な教育活動が可能になります。教師の裁量を大切にする給特法の精神は維持すべきというふうに考えております。
なお、教育の成果が勤務時間の長さのみに基づくものではないことは、言うまでもありません。
こうした職務の特殊性の下、誇りを持って生き生きと働く姿にこそ、学生たちが魅力を感じ、教職を志す大きな動機づけになるものと考えております。
また、私立や国立の学校は、入学者選抜等により、その学校を希望した子供たちが入学をしてきます。特に私学には建学の精神があり、子供たちも教師もその前提の下、選択をして所属をしてきます。
一方で、全ての子供たちを受け入れるという公立の小中学校等の果たす役割は極めて大きいものがあると考えます。学力はもちろんですが、多様な子供たちがおり、臨機応変に応対していく必要があります。私立や国立と同じ勤務制度を適用することは、その性質上、なじまないのではないかと思っております。
五ページです。
こうした職務の特殊性に対応し、教師の裁量を担保する仕組みこそが、教職調整額、給特法の制度であり、今後も維持されるべきと考えております。
なお、給特法を廃止し、勤務時間外の業務に対しては時間外勤務手当を支給するようにすべきという御意見も伺います。
時間外勤務手当の支給では、管理職が具体的に命令し、その命令に基づいて業務に従事した時間を正確に把握することが前提というふうになります。しかし、現場の立場から申し上げますと、時間外勤務手当の支給は、学校運営上の混乱を招くことを懸念しているところであります。
時間外勤務の管理等を管理職が事細かに指示することになれば、違和感や抵抗感を覚える教師も少なくないと思います。その混乱を見ていれば、今大変深刻となっている、管理職のなり手もますます減少することも明らかであろうと思います。また、その手当に国庫負担の上限が設けられた場合には、自治体の財政力の差によって教育の取組や教師の確保に更なる格差を招くおそれもございます。
時間外勤務の多寡と給与との関係の議論のみならず、教師の裁量性や創造性をどう生かし、どのように教育の質を担保するかという点からの御議論も是非お願いをしたいと考えているところでございます。
六ページです。
今般の教職調整額の引上げについては、教職をリスペクトすると、国からのメッセージとして、僭越ながら、高く評価させていただきたいと思います。
七ページです。
また、一律のベースアップに加えて、真に頑張っている教師が給与上適切に報われる必要もあります。
かつては、学級担任は取り合いが起きておりました。しかし、昨今は、学級担任を避ける教師も増えつつあるように感じています。学級担任は、教科指導以外にも、道徳、特活等の授業があり、様々な事務処理も多くございます。加えて保護者対応などもあり、担任を持っていない教師と比べて負担が重く、在校等時間が長くなっていることから、処遇改善が必要だと思います。
改正案では、学級担任への加算を念頭として、教師の固有の手当である義務教育等教員特別手当、これを校務類型に応じて支給するという規定が盛り込まれておりますけれども、適切であろうというふうに考えております。
八ページです。
次に、働き方改革ですけれども、本法案で、学校における働き方改革に関して、大きく二点挙げられております。教育委員会は、業務改善の計画及び実施状況等を総合教育会議に報告すること、学校は、業務改善の計画について学校運営協議会で承認を得ることであります。
学校の改革は内側から本来は起こるべきですけれども、働き方改革は内側からだけでは変えられません。法律で義務づけることで、働き方改革が社会に開かれた取組となり、保護者、地域、行政など社会全体で支える仕組みとなることが期待できます。
また、働き方改革は、教師や学校の裁量を大切にし、計画的に成果を可視化しながら進めていく必要があり、その点で、今回の改正事項、つまり、市町村教委ごとの計画の策定等の仕組みは極めて重要であろうと考えております。まさに、国、都道府県、市町村共に汗をかくということを求めていると感じております。
九ページです。
本市では、働き方改革なくして教育改革なしと、この十年近く、働き方改革に力を注いでまいりました。その取組について、簡単に御紹介申し上げます。
九ページの資料は、これまでの実施状況や成果と課題を踏まえ、令和四年に改定した本市教育委員会の基本方針であります。この方針に基づき、現在でも様々な取組を行っております。
十ページです。
働き方改革は、計画的に可視化しながら進めていくことが大切であります。そこで、PDCAサイクル、これを回して、成果や課題の見える化に努めてまいりました。具体的には、平成二十八年にチーム学校運営委員会を設置して、その下に、可視化、共有化、効率化、これは頭文字が全てKということで、三Kワーキングをつくって、業務の徹底した見直しをこれまで進めてまいりました。
例えば、可視化のワーキングでは、年間の各学校での収受文書の件数を調査しました。平均二千件以上の文書を収受しており、一日に換算すると、約四時間文書処理に費やしているということ等を可視化いたしました。重さも可視化しました。
また、会議や研修の際、交通に要する時間を計算したところ、これも相当な時間を費やしているということから、当時からオンライン会議の導入も提言したところであります。
さらには、民間企業に一定期間学校に入ってもらって、業務の検証も行いました。その結果、学校の意識として、どうしても時間短縮のインセンティブが働いていない、また、優先順位が低いものを見える化して徹底的に排除する、こういうような意識に課題があるなど、厳しい指摘をいただきました。
これらを受けて、優先順位を分析しつつ、教育委員会、学校で様々な取組にトライアルをしてきました。加えて、お手元にもありますけれども、総合データベースの構築、校務支援システム強化、ゼロトラスト導入、ネットワーク統合などによってテレワークも可能にするなど、教育DXも推進してきました。その一つの成果として、時間外の在校等の時間の少なさは埼玉県内でもトップクラスとなりました。
一方で、登校時刻の見直しですとか、また見守り、学校行事など、市教育委員会や学校だけではこれ以上進めることが難しいこと、つまり、保護者や地域の理解を得て進めていくべき課題は依然として残っているところでございます。
十一ページです。
これらの課題解決には、学校や教育関係者だけではなく、社会全体の理解が必要と考えております。
本市では、働き方改革について、定例の教育委員会で何度も熟議をいたしました。さらに、総合教育会議でも議題といたしました。その中で、地域住民や市議会に、学校、教師が担う業務に係る三分類、これを周知すること、また、人的、物的支援に係る予算措置を行うこと、様々な要望等に対してチーム戸田市として対応することなどの必要性を確認をいたしました。
また、市議会においても、学校における働き方改革について、一般質問もしていただきました。本市の成果や課題、社会的理解の必要性について、その場で答弁もいたしました。
最後、十二ページになります。
また、先ほども申し上げましたけれども、登校時刻の見直しや見守り、学校行事など、保護者や地域の理解が必要な課題への対応として、学校運営協議会を課題解決のプラットフォームとして重要視してまいりました。特に、先ほどの三分類については、学校や教育委員会では重視していても、学校関係者以外への周知、理解がほとんどされていないといった現実がございました。
そこで、この三分類の熟議の進め方を示した熟議パッケージ、これを独自に作成して、各学校の学校運営協議会の場で取組も開始しました。
その熟議の場では、このような意見が出ました。そもそも先生方にこんな苦労があるとは知らなかった、一刻も早く私たちにできることを支援していきたい、また、学校の働き方改革は、先生方だけではなくて、子供たちのためにといったメッセージが伝わっていないのではないか、このような意見も出されました。
働き方改革は地域の子供のよりよい成長のためであるということを共有しつつ、業務改善の計画を学校運営協議会で示して進めていくことは極めて重要であろうと思っております。
いずれにしても、学校の働き方改革の実動には、国、教育委員会、また学校等の各アクターが同心円状につながって、それぞれがオーナーシップを持って、何をすべきなのかということを正しく理解して、計画的に行動するために共に汗をかく必要があります。また、学校の働き方改革への社会的な理解も深まるように切にお願いを申し上げまして、私の発表とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
中
梶
梶原貴#4
○梶原参考人 おはようございます。日本教職員組合で中央執行委員長を務めております梶原貴と申します。
本日は、このような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
私からは、今回の改正法案や学校の働き方改革に関して、学校現場が求めていることについて意見を述べさせていただきたいと思います。
こちらの資料を御用意ください。
私は、三十四年前に山梨県で中学校の教員として採用され、二十一年間全て、学級担任、理科の授業、運動部顧問を務め、時に生徒会担当を仰せつかり、運動部では、幸いに子供たちの頑張りで全国大会も引率をさせていただきました。三十代前半には、文科省の派遣で香港日本人学校に派遣され、現地校やインターナショナルスクールとも交流し、クラスサイズの違い、そして業務量の違いも実感してまいりました。二十一年間、学校は最高の職場だと思って勤務してまいりましたけれども、このままでは日本の学校教育は崩壊するのではないかと危機感を覚え、何としても学校の長時間労働を是正したい、そういう思いで組合に移り、今に至っております。
まず冒頭、これまでいかに教職員の業務が増え、いかに人が増えてこなかったか、その結果として、定時に退勤できないことが当たり前、教職員の長時間労働がいかに放置されてきたかをお伝えしたいと思います。
二ページを御覧ください。
まず、業務量ですけれども、この間、学校現場は、校内暴力、貧困、虐待、不登校等、社会の課題を全て引き受けてまいりました。授業についても、学習指導要領が改訂されるたびに内容は付加され、部活動に関わっては、子供のサポートにとどまらず、競技力の強化や大会運営までも担ってまいりました。
三ページ、四ページを御覧ください。
一方、人員増でいえば、国の定数改善計画が二〇〇五年の第七次で止まったまま、人がなかなか増えず、加配教員が配置されたとしても、子供の数や課題の数に比較して余りにも少数しか配置されてきませんでした。詳細は、先週の佐久間参考人の陳述のとおりでございます。
五ページを御覧ください。
そうした業務削減も定数改善も進まない中、文科省も、二〇一六年に勤務実態調査を行い、それを受けて、二〇一九年に給特法を改正して、労基法適用者と同様に、月四十五時間、年間三百六十時間に時間外勤務を抑えようとしました。しかし、三年後に実施した二〇二二年の勤務実態調査では、在校等時間は三十分程度しか減っていませんでした。
つまり、告示されて三年がたっても、公立学校の教員の約三分の二が上限指針を超える中、実質労働規制がかからないまま放置されている数少ない職種となっているのが実態です。いつまで我慢すればいいんでしょうか。
七、八、九ページを御覧ください。
一方、日本の子供たちの置かれている近年の状況は、不登校数、児童虐待数、いじめの認知件数が過去最多を更新し続け、子供の自死の増加も歯止めがかかっていません。それが子供の数が減少している中で起こっている極めて深刻な事態で、早期に解消されなければなりません。
しかし、その子供たちに寄り添うべき教員不足が深刻です。二〇二一年の文科省の調査では、二千五百五十八人が不足。それ以降、公の調査は行われていませんが、全国では深刻さが増しております。
十ページを御覧ください。
そんなぎりぎりの状態で何とか回っている学校ですから、様々な要因で精神疾患を患い、病気休職に追い込まれる教員が、二〇二三年度で七千百十九人と、過去最多を毎年更新し続けています。
本日のネットニュースにも流れていますが、昨年度の東京都の新採用の教員が、既に六%近くが退職をしている。非常に深刻な状況です。
事務職員に至っては、教員よりも出現率が高いのが実態で、学校全体が厳しい状態です。
十一ページを御覧ください。
現在、日教組では、学校の働き方改革に関する意見投稿フォームを設け、現場の声を集め、現在、三千五百件を超えております。その中には、しんどい子供に寄り添いたくて教員になった、丁寧に関わりたいができておらず、何のために教員になったのか心が痛い。全体に関わる業務を優先し、一番やりたい、やらなければならない授業準備が間に合っていない、子供たちに申し訳ない。どうせ社会は変えられない、こんなメッセージを子供たちに伝えているようなものです、高学年になると、先生は働き過ぎなんでしょうと言われ、苦笑いで返すのみ、私たち教員が毎日毎日そういった思いを子供たちに塗りつけているようなものです、五十年以上前の給特法を廃止するしかないと現場は声を上げても、検討、検討で何も変わりません、小学生も、身近にいる教員の働き方が変わらないことに疑問を持っています。このような意見が寄せられております。
十二ページを御覧ください。
また、子供たちの自律的に学ぶ自信が低いのも大きな課題です。学校の勉強の予定を立てる、言われなくても学校の勉強にじっくり取り組むなどに自信がないと回答した割合が、OECD加盟三十四か国の中で最も高い結果となっております。
子供たちのやる気を引き出すには準備が必要で、やる気をなくさせてしまうのは、準備不足の授業を続けてしまうことが要因の一つと考えられます。理解の深まりは、目の前の子供の実態に合わせて、いかにオーダーメイドの授業づくりができるかであります。授業準備を勤務時間内にできる体制整備をし、子供たちの知的好奇心を高めることが今求められています。どうかお力をかしていただきたいと思います。
十三ページを御覧ください。
では、現場は何を欲しているのか。私どもの三本柱、業務削減、定数改善、給特法の廃止又はそれと同等の抜本的見直しです。
まず、業務削減についてです。十四ページを御覧ください。
三分類の移行のために、予算がまず必要です。そのほかは、そこに記載のとおりであります。
二番目、定数改善であります。十五ページを御覧ください。
教材研究や授業準備が勤務時間内にできるよう、授業の持ちこま数に上限を設けて、それができるだけの定数改善が必要です。そのほか、そこの記載にあるとおりです。
十八ページを御覧ください。給特法の廃止又は同等の抜本的見直しについてです。
現在審議されている給特法の改正案は、教職調整額を段階的に一〇%に引き上げるということですが、これは早期に引き上げるべきだと考えております。
しかも、今回の法改正は応急処置であって、教員の処遇改善としても、長時間労働是正としても、不十分であります。割増し賃金や罰則規定のないこのままでは、今回も業務削減や定数改善は大きく進まないのではないか。今回も、二、三年経過して三十分程度しか是正されない可能性は大であります。
十九ページを御覧ください。
これは石破総理も課題を認識されております。三月二十八日の参議院予算委員会において、学校現場出身の水岡俊一議員の質疑に答えております。
水岡議員、学校は働き過ぎて過労死がいまだに絶えない、これは何とかしなきゃいけないと総理思われませんか。
それに石破総理が答えて、何とかしなければなりません、抜粋ですけれども、子供たちにそういうようなしわ寄せが行くことは、もう我々としてはもう取り返しのつかないことをやることになりますので、子供たちの問題であり、そしてまた教師の人権の問題であることをよく認識しているというふうに答えていらっしゃいます。
二十ページ、二十一ページを御覧ください。
既に、長時間労働是正は、二〇一九年の時点で文科省も危機感を持っており、今回の答申でも触れております。一九年の中教審答申において次のように記載されております。
子供のためであればどんな長時間勤務もよしとするという働き方は、教師という職の崇高な使命感から生まれるものであるが、その中で教師が疲弊していくのであれば、それは子供のためにはならないものである、これまで我々の社会はこの教師たちの熱意に頼り過ぎてきたのではないだろうか、今回の学校における働き方改革は、自らの時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか、質の高い授業や教育活動を担っていくことを望むのか、その選択が問われているのであると記載されております。
二十二ページを御覧ください。
また、課題については二〇一九年十二月三日、参議院文教科学委員会での当時の萩生田文科大臣の答弁で整理されております。これも抜粋ですけれども、給特法などの法的な枠組みについて根本から見直しをします、労働基準法の考え方とのずれがあるとの認識は見直しの基本となる課題であるとお答えになっております。
課題の根本は給特法にあることは明白であります。何回同じ議論を繰り返すのでしょうか。今回の法改正で学校の働き方改革の議論を終わりにしてはいけません。教員の働き方に影響を与える給特法の廃止に向けて速やかに議論をするべきです。
これまで私たちは、長時間労働是正を求めてきましたが、六年かかって三十分短縮のような進捗状況で、学校はもう崩壊しかけています。給特法を廃止して長時間労働が是正されれば、既卒の免許保有者が公立の学校を選び、教員不足も改善してくるはずです。今回の議論で、大胆な業務削減と大幅な定数改善を実施した上で、一、二年後、正面から労基法への移行を議論するとの立法府としての意思表示が必要で、国民に約束していただきたいのです。
二十三ページを御覧ください。
私たちは、労基法一条にあるように、全国の教職員の、人たるに値する生活を保障し、子供たちに向き合う時間を確保できれば、分かる授業、楽しい学校につながる、本来の生き生きとした学校の姿を取り戻せるのではないかと考えております。総理の言う、取り返しのつかないことになりつつあることを御認識いただいた上で、議員の皆様の真摯な議論をお願いし、意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。
私からは、今回の改正法案や学校の働き方改革に関して、学校現場が求めていることについて意見を述べさせていただきたいと思います。
こちらの資料を御用意ください。
私は、三十四年前に山梨県で中学校の教員として採用され、二十一年間全て、学級担任、理科の授業、運動部顧問を務め、時に生徒会担当を仰せつかり、運動部では、幸いに子供たちの頑張りで全国大会も引率をさせていただきました。三十代前半には、文科省の派遣で香港日本人学校に派遣され、現地校やインターナショナルスクールとも交流し、クラスサイズの違い、そして業務量の違いも実感してまいりました。二十一年間、学校は最高の職場だと思って勤務してまいりましたけれども、このままでは日本の学校教育は崩壊するのではないかと危機感を覚え、何としても学校の長時間労働を是正したい、そういう思いで組合に移り、今に至っております。
まず冒頭、これまでいかに教職員の業務が増え、いかに人が増えてこなかったか、その結果として、定時に退勤できないことが当たり前、教職員の長時間労働がいかに放置されてきたかをお伝えしたいと思います。
二ページを御覧ください。
まず、業務量ですけれども、この間、学校現場は、校内暴力、貧困、虐待、不登校等、社会の課題を全て引き受けてまいりました。授業についても、学習指導要領が改訂されるたびに内容は付加され、部活動に関わっては、子供のサポートにとどまらず、競技力の強化や大会運営までも担ってまいりました。
三ページ、四ページを御覧ください。
一方、人員増でいえば、国の定数改善計画が二〇〇五年の第七次で止まったまま、人がなかなか増えず、加配教員が配置されたとしても、子供の数や課題の数に比較して余りにも少数しか配置されてきませんでした。詳細は、先週の佐久間参考人の陳述のとおりでございます。
五ページを御覧ください。
そうした業務削減も定数改善も進まない中、文科省も、二〇一六年に勤務実態調査を行い、それを受けて、二〇一九年に給特法を改正して、労基法適用者と同様に、月四十五時間、年間三百六十時間に時間外勤務を抑えようとしました。しかし、三年後に実施した二〇二二年の勤務実態調査では、在校等時間は三十分程度しか減っていませんでした。
つまり、告示されて三年がたっても、公立学校の教員の約三分の二が上限指針を超える中、実質労働規制がかからないまま放置されている数少ない職種となっているのが実態です。いつまで我慢すればいいんでしょうか。
七、八、九ページを御覧ください。
一方、日本の子供たちの置かれている近年の状況は、不登校数、児童虐待数、いじめの認知件数が過去最多を更新し続け、子供の自死の増加も歯止めがかかっていません。それが子供の数が減少している中で起こっている極めて深刻な事態で、早期に解消されなければなりません。
しかし、その子供たちに寄り添うべき教員不足が深刻です。二〇二一年の文科省の調査では、二千五百五十八人が不足。それ以降、公の調査は行われていませんが、全国では深刻さが増しております。
十ページを御覧ください。
そんなぎりぎりの状態で何とか回っている学校ですから、様々な要因で精神疾患を患い、病気休職に追い込まれる教員が、二〇二三年度で七千百十九人と、過去最多を毎年更新し続けています。
本日のネットニュースにも流れていますが、昨年度の東京都の新採用の教員が、既に六%近くが退職をしている。非常に深刻な状況です。
事務職員に至っては、教員よりも出現率が高いのが実態で、学校全体が厳しい状態です。
十一ページを御覧ください。
現在、日教組では、学校の働き方改革に関する意見投稿フォームを設け、現場の声を集め、現在、三千五百件を超えております。その中には、しんどい子供に寄り添いたくて教員になった、丁寧に関わりたいができておらず、何のために教員になったのか心が痛い。全体に関わる業務を優先し、一番やりたい、やらなければならない授業準備が間に合っていない、子供たちに申し訳ない。どうせ社会は変えられない、こんなメッセージを子供たちに伝えているようなものです、高学年になると、先生は働き過ぎなんでしょうと言われ、苦笑いで返すのみ、私たち教員が毎日毎日そういった思いを子供たちに塗りつけているようなものです、五十年以上前の給特法を廃止するしかないと現場は声を上げても、検討、検討で何も変わりません、小学生も、身近にいる教員の働き方が変わらないことに疑問を持っています。このような意見が寄せられております。
十二ページを御覧ください。
また、子供たちの自律的に学ぶ自信が低いのも大きな課題です。学校の勉強の予定を立てる、言われなくても学校の勉強にじっくり取り組むなどに自信がないと回答した割合が、OECD加盟三十四か国の中で最も高い結果となっております。
子供たちのやる気を引き出すには準備が必要で、やる気をなくさせてしまうのは、準備不足の授業を続けてしまうことが要因の一つと考えられます。理解の深まりは、目の前の子供の実態に合わせて、いかにオーダーメイドの授業づくりができるかであります。授業準備を勤務時間内にできる体制整備をし、子供たちの知的好奇心を高めることが今求められています。どうかお力をかしていただきたいと思います。
十三ページを御覧ください。
では、現場は何を欲しているのか。私どもの三本柱、業務削減、定数改善、給特法の廃止又はそれと同等の抜本的見直しです。
まず、業務削減についてです。十四ページを御覧ください。
三分類の移行のために、予算がまず必要です。そのほかは、そこに記載のとおりであります。
二番目、定数改善であります。十五ページを御覧ください。
教材研究や授業準備が勤務時間内にできるよう、授業の持ちこま数に上限を設けて、それができるだけの定数改善が必要です。そのほか、そこの記載にあるとおりです。
十八ページを御覧ください。給特法の廃止又は同等の抜本的見直しについてです。
現在審議されている給特法の改正案は、教職調整額を段階的に一〇%に引き上げるということですが、これは早期に引き上げるべきだと考えております。
しかも、今回の法改正は応急処置であって、教員の処遇改善としても、長時間労働是正としても、不十分であります。割増し賃金や罰則規定のないこのままでは、今回も業務削減や定数改善は大きく進まないのではないか。今回も、二、三年経過して三十分程度しか是正されない可能性は大であります。
十九ページを御覧ください。
これは石破総理も課題を認識されております。三月二十八日の参議院予算委員会において、学校現場出身の水岡俊一議員の質疑に答えております。
水岡議員、学校は働き過ぎて過労死がいまだに絶えない、これは何とかしなきゃいけないと総理思われませんか。
それに石破総理が答えて、何とかしなければなりません、抜粋ですけれども、子供たちにそういうようなしわ寄せが行くことは、もう我々としてはもう取り返しのつかないことをやることになりますので、子供たちの問題であり、そしてまた教師の人権の問題であることをよく認識しているというふうに答えていらっしゃいます。
二十ページ、二十一ページを御覧ください。
既に、長時間労働是正は、二〇一九年の時点で文科省も危機感を持っており、今回の答申でも触れております。一九年の中教審答申において次のように記載されております。
子供のためであればどんな長時間勤務もよしとするという働き方は、教師という職の崇高な使命感から生まれるものであるが、その中で教師が疲弊していくのであれば、それは子供のためにはならないものである、これまで我々の社会はこの教師たちの熱意に頼り過ぎてきたのではないだろうか、今回の学校における働き方改革は、自らの時間を犠牲にして長時間勤務を続けていくことを望むのか、質の高い授業や教育活動を担っていくことを望むのか、その選択が問われているのであると記載されております。
二十二ページを御覧ください。
また、課題については二〇一九年十二月三日、参議院文教科学委員会での当時の萩生田文科大臣の答弁で整理されております。これも抜粋ですけれども、給特法などの法的な枠組みについて根本から見直しをします、労働基準法の考え方とのずれがあるとの認識は見直しの基本となる課題であるとお答えになっております。
課題の根本は給特法にあることは明白であります。何回同じ議論を繰り返すのでしょうか。今回の法改正で学校の働き方改革の議論を終わりにしてはいけません。教員の働き方に影響を与える給特法の廃止に向けて速やかに議論をするべきです。
これまで私たちは、長時間労働是正を求めてきましたが、六年かかって三十分短縮のような進捗状況で、学校はもう崩壊しかけています。給特法を廃止して長時間労働が是正されれば、既卒の免許保有者が公立の学校を選び、教員不足も改善してくるはずです。今回の議論で、大胆な業務削減と大幅な定数改善を実施した上で、一、二年後、正面から労基法への移行を議論するとの立法府としての意思表示が必要で、国民に約束していただきたいのです。
二十三ページを御覧ください。
私たちは、労基法一条にあるように、全国の教職員の、人たるに値する生活を保障し、子供たちに向き合う時間を確保できれば、分かる授業、楽しい学校につながる、本来の生き生きとした学校の姿を取り戻せるのではないかと考えております。総理の言う、取り返しのつかないことになりつつあることを御認識いただいた上で、議員の皆様の真摯な議論をお願いし、意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
中
渡
渡辺陽平#6
○渡辺参考人 皆様、おはようございます。全日本教職員連盟委員長の渡辺でございます。
中村委員長を始め衆議院文部科学委員会の皆様には、このような意見陳述の機会を設けていただき、誠にありがとうございます。
私たち全日本教職員連盟は、日本全国の教職員が参加する、創立四十二年目を迎えた教職員団体です。教育専門職としての矜持を胸に、日々、子供たちのために教育活動に励んでおります。
私は、現在、休職専従という立場にはございますが、これまでの約二十五年間にわたり、公立の小中学校で教諭として勤務し、学年主任や児童指導主任等の様々な役割を担ってまいりました。今回の給特法改正法案について、実際の学校現場の教師の立場から意見を述べさせていただきます。
初めに、現在の公立の学校現場の状況を御紹介します。
学校現場では、不登校や特別な支援、日本語指導などが必要な児童生徒が増加し、学校や教師が対応する課題が複雑化、困難化しています。また、地域や保護者が学校や教師に求める役割や期待が肥大化し続けています。そして、日本全体の人手不足もある中、教員採用試験の倍率は過去最低を更新しています。さらには、産育休代替者の確保が困難化し、教頭が学級担任をせざるを得ないような教師不足が続いております。
このような学校現場の状況は、持続可能ではありません。教師が生き生きとしていなければ、子供たちも学校が楽しいはずがありません。そのためには、学校における働き方改革と、指導、運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的に進める必要があります。
今回の抜本改革について、報道では処遇改善ばかりが取り上げられましたが、この三つの大きな柱で全体として考えていただきたいと思います。
まず、一つ目の柱は、働き方改革についてです。
令和元年の給特法改正により、学校での時間管理が始まりました。それまで、学校にはタイムカードがありませんでした。あれから六年、現在では、日本全国の学校に、タイムカードやICTによる時間管理が当たり前になりました。令和元年の給特法改正につきまして、本当にありがとうございました。
その後、課題も明らかになりました。各教育委員会の取組に大きな差があることです。我々教職員としては、全ての教育委員会に、本気で学校における働き方改革に取り組んでいただきたいと思っております。
今回の法案では、全ての教育委員会に、働き方改革に関する計画の策定、公表と、その実施状況の公表が義務づけられています。これにより、教育委員会は自分事として働き方改革を進めることになります。さらに、これまでの、教育委員会によっては学校、教師が担う三分類が進捗しないことも課題でしたが、教育委員会の計画に三分類が位置づけられれば、現在よりも必ず前進するものと期待しております。
例えば、三分類において、学校徴収金の徴収、管理は学校以外が担うべき業務とされていますが、いまだに半数以上の教育委員会で取組がなされていません。今回の改正により、教師が教師でなければできないことに専念できるよう、このような教育委員会が実施すべき取組について、教育委員会が自ら計画の中に位置づけ、設置者としての方針を示し、実行に移していくことが期待できますので、学校現場としては大変歓迎しているところです。
加えて、働き方改革に向けて、これまで子供たちのために学校、教師が行ってきたことを見直す際に、登下校の子供たちの安全確保を家庭にお願いしたり、学校行事を簡素化したりしようとすると、学校だけでは保護者や地域の方々の十分な御理解をいただくことが難しい場合がございますが、設置者である教育委員会の方針があらかじめ地域に示されていると、学校現場でも関係者との相談が格段にやりやすくなると期待しています。
また、本法案の内容には、予算編成権を持つ首長が参加する総合教育会議や、保護者や地域の方々が参加する学校運営協議会との連携なども含まれています。これにより、地方の教育予算の拡充や、地域の方々の学校における働き方改革への理解増進、協働が期待できます。
次に、二つ目の柱の指導、運営体制の充実についてです。
昨年の財務、文部科学両大臣合意と令和七年度予算の成立に心から感謝を申し上げます。今後四年間での小学校教科担任制の四年生への導入や、中学校の生徒指導担当教師の拡充などの計画的な教職員定数の改善、特に中学校三十五人学級の実現は、我々が長年要望してきたものであり、学校現場は元気をいただきました。
その上で、複雑化、困難化する課題に対応するためには、教師がチームで対応する組織的な学校運営とそのための体制が不可欠です。
現在の学校現場では、不登校支援や特別支援教育などについて、会議を開き、学校全体で対応するようになってきているとはいえ、それぞれの教職員が業務を抱えているため、どうしても担任教師の負担が大きくなります。
しかし、担任教師の中には新卒の教師もおり、そのような対応には不慣れです。そのため、実際に子供たちと向き合う担任を支えるためには、多様な強みを有する教師が学校全体として組織で対応しなければ、これらの課題に適切に対応することはもはや困難になっています。
そのような状況において、本法案に含まれている主務教諭の創設が必要だと考えます。
主務教諭がチームの核として、特定の担当する教育活動について学校内外との連携、調整役となり、学校現場では、不登校支援や特別支援教育などが効果的にチームで実施されるようになります。職として明確化されることにより、担当する教師も、不登校支援や特別支援教育などの取りまとめ役としての業務を円滑に進めることができるようになります。
なお、職の創設により新たな負担が加わるのではないかとの指摘があると伺いますが、新たに学校が担う校務が追加されるわけではありませんので、その指摘は当たらないと思いますし、むしろ、学校の業務をより効率的に行うことが可能になると思います。
また、主務教諭は、給料表上、新たな職として教諭より高い本給になると文部科学省は発表しています。主務教諭の創設により教諭の基本給が下がるおそれがあるという声も一部ありますが、既に昨年の十月には記者会見で文部科学大臣が、新たな職の創設に当たって教諭の給与の引下げは考えていないと明確に表明されています。六級制の実現は、学校で経験を積みながら子供たちへの指導に尽力し続ける教師への社会的評価の表れであり、我々も要望してまいりました。
次に、三つ目の柱は、教師の処遇改善です。
教師の処遇を考える際、まず、教師という仕事について考える必要があります。
我々全日本教職員連盟が考える理想の教師とは、子供、保護者、社会から信頼される教師です。
私の考えでは、信頼される教師とは、三つの要素から成り立っています。
一つ目は、教師であるという矜持を持っている教師です。教師は、子供たちの前で指導する者としてふさわしい人間でありたいと思っております。
二つ目は、学び続ける教師です。子供たちの学びを支えるとともに、自らも高みを目指して学び続け、子供たちのロールモデルになりたいと思っています。
三つ目は、全ての子供たちのためと考えられる教師です。目の前の子供たちのことを第一に考え、深く理解し、その子にとって、その瞬間、最善の支援や指導ができる教師でありたいと願っております。
これらの点は、法的には、教育基本法第九条、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」、また、地方公務員法第三十条、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」に表れています。
このような教師の仕事を考えると、教師は、目の前の子供たちを少しでも伸ばすために全力を尽くすという使命を帯びています。そして、生徒指導や授業研究等、時間により完成するという性格の業務が少なく、残業かどうかの線引きが非常に難しいです。さらには、子供は一人として同じ存在ではないため、経験は生かしつつも、常に新しい対応を臨機応変に行わなければなりません。
我々現場の教師は、管理職から、あと一時間あれをしなさい、これは今日やらなくてよいから帰りなさいと一つ一つ命令、つまり時間外勤務命令を受ける仕事ではなく、教育専門職として一人一人が裁量の中で、目の前の子供たちのために、教材研究や保護者との面談など、今日どんな仕事をどこまでやるべきかを判断したいと考えています。このような教師の裁量を確保する仕組みこそが給特法の精神であり、教職調整額の仕組みだと考えています。
多くの教師は、子供の成長に関わるすばらしい仕事であることに対し、矜持を持ち、仕事に前向きに取り組んでいます。しかし、矜持だけでは限界が来ており、処遇改善も必要です。先ほどのような教師の仕事の本質を捉えれば、時間外勤務手当化は取るべきではありません。勤務時間の内と外をまとめて捉え、教育専門職としての教師の責任と職務に対して一括して教職調整額を払うという制度が望ましいのです。
我々全日本教職員連盟は、教職調整額の引上げを要望してまいりました。現在、人材確保法の趣旨が形骸化しており、人材確保法の優遇分を回復する必要があります。教師の処遇改善は約五十年ぶりで、是非とも教職調整額の引上げをお願いいたします。
さらに、本法案には、学級担任を想定して、義務教育等教員特別手当を加算する制度改正も含まれています。学校では、学級担任を担うかどうかで業務負担が大きく異なります。保護者からの連絡、相談を始め、学級に関する業務を担うからです。頑張っている教師が報われる処遇改善のために、学級担任への手当の加算が必要です。
このように、本法案は、働き方改革、組織的な学校運営、処遇改善を一体的に進めるために不可欠なものです。本法案の成立は、我々全日本教職員連盟の悲願であり、日本全国の日々子供たちのために全力で頑張っている教師の願いです。国会議員の先生方、学校現場の教職員の声を聞いていただきたいと思います。
結びになりますが、本法案の可決を強く強くお願いいたしまして、私の意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →中村委員長を始め衆議院文部科学委員会の皆様には、このような意見陳述の機会を設けていただき、誠にありがとうございます。
私たち全日本教職員連盟は、日本全国の教職員が参加する、創立四十二年目を迎えた教職員団体です。教育専門職としての矜持を胸に、日々、子供たちのために教育活動に励んでおります。
私は、現在、休職専従という立場にはございますが、これまでの約二十五年間にわたり、公立の小中学校で教諭として勤務し、学年主任や児童指導主任等の様々な役割を担ってまいりました。今回の給特法改正法案について、実際の学校現場の教師の立場から意見を述べさせていただきます。
初めに、現在の公立の学校現場の状況を御紹介します。
学校現場では、不登校や特別な支援、日本語指導などが必要な児童生徒が増加し、学校や教師が対応する課題が複雑化、困難化しています。また、地域や保護者が学校や教師に求める役割や期待が肥大化し続けています。そして、日本全体の人手不足もある中、教員採用試験の倍率は過去最低を更新しています。さらには、産育休代替者の確保が困難化し、教頭が学級担任をせざるを得ないような教師不足が続いております。
このような学校現場の状況は、持続可能ではありません。教師が生き生きとしていなければ、子供たちも学校が楽しいはずがありません。そのためには、学校における働き方改革と、指導、運営体制の充実、教師の処遇改善を一体的に進める必要があります。
今回の抜本改革について、報道では処遇改善ばかりが取り上げられましたが、この三つの大きな柱で全体として考えていただきたいと思います。
まず、一つ目の柱は、働き方改革についてです。
令和元年の給特法改正により、学校での時間管理が始まりました。それまで、学校にはタイムカードがありませんでした。あれから六年、現在では、日本全国の学校に、タイムカードやICTによる時間管理が当たり前になりました。令和元年の給特法改正につきまして、本当にありがとうございました。
その後、課題も明らかになりました。各教育委員会の取組に大きな差があることです。我々教職員としては、全ての教育委員会に、本気で学校における働き方改革に取り組んでいただきたいと思っております。
今回の法案では、全ての教育委員会に、働き方改革に関する計画の策定、公表と、その実施状況の公表が義務づけられています。これにより、教育委員会は自分事として働き方改革を進めることになります。さらに、これまでの、教育委員会によっては学校、教師が担う三分類が進捗しないことも課題でしたが、教育委員会の計画に三分類が位置づけられれば、現在よりも必ず前進するものと期待しております。
例えば、三分類において、学校徴収金の徴収、管理は学校以外が担うべき業務とされていますが、いまだに半数以上の教育委員会で取組がなされていません。今回の改正により、教師が教師でなければできないことに専念できるよう、このような教育委員会が実施すべき取組について、教育委員会が自ら計画の中に位置づけ、設置者としての方針を示し、実行に移していくことが期待できますので、学校現場としては大変歓迎しているところです。
加えて、働き方改革に向けて、これまで子供たちのために学校、教師が行ってきたことを見直す際に、登下校の子供たちの安全確保を家庭にお願いしたり、学校行事を簡素化したりしようとすると、学校だけでは保護者や地域の方々の十分な御理解をいただくことが難しい場合がございますが、設置者である教育委員会の方針があらかじめ地域に示されていると、学校現場でも関係者との相談が格段にやりやすくなると期待しています。
また、本法案の内容には、予算編成権を持つ首長が参加する総合教育会議や、保護者や地域の方々が参加する学校運営協議会との連携なども含まれています。これにより、地方の教育予算の拡充や、地域の方々の学校における働き方改革への理解増進、協働が期待できます。
次に、二つ目の柱の指導、運営体制の充実についてです。
昨年の財務、文部科学両大臣合意と令和七年度予算の成立に心から感謝を申し上げます。今後四年間での小学校教科担任制の四年生への導入や、中学校の生徒指導担当教師の拡充などの計画的な教職員定数の改善、特に中学校三十五人学級の実現は、我々が長年要望してきたものであり、学校現場は元気をいただきました。
その上で、複雑化、困難化する課題に対応するためには、教師がチームで対応する組織的な学校運営とそのための体制が不可欠です。
現在の学校現場では、不登校支援や特別支援教育などについて、会議を開き、学校全体で対応するようになってきているとはいえ、それぞれの教職員が業務を抱えているため、どうしても担任教師の負担が大きくなります。
しかし、担任教師の中には新卒の教師もおり、そのような対応には不慣れです。そのため、実際に子供たちと向き合う担任を支えるためには、多様な強みを有する教師が学校全体として組織で対応しなければ、これらの課題に適切に対応することはもはや困難になっています。
そのような状況において、本法案に含まれている主務教諭の創設が必要だと考えます。
主務教諭がチームの核として、特定の担当する教育活動について学校内外との連携、調整役となり、学校現場では、不登校支援や特別支援教育などが効果的にチームで実施されるようになります。職として明確化されることにより、担当する教師も、不登校支援や特別支援教育などの取りまとめ役としての業務を円滑に進めることができるようになります。
なお、職の創設により新たな負担が加わるのではないかとの指摘があると伺いますが、新たに学校が担う校務が追加されるわけではありませんので、その指摘は当たらないと思いますし、むしろ、学校の業務をより効率的に行うことが可能になると思います。
また、主務教諭は、給料表上、新たな職として教諭より高い本給になると文部科学省は発表しています。主務教諭の創設により教諭の基本給が下がるおそれがあるという声も一部ありますが、既に昨年の十月には記者会見で文部科学大臣が、新たな職の創設に当たって教諭の給与の引下げは考えていないと明確に表明されています。六級制の実現は、学校で経験を積みながら子供たちへの指導に尽力し続ける教師への社会的評価の表れであり、我々も要望してまいりました。
次に、三つ目の柱は、教師の処遇改善です。
教師の処遇を考える際、まず、教師という仕事について考える必要があります。
我々全日本教職員連盟が考える理想の教師とは、子供、保護者、社会から信頼される教師です。
私の考えでは、信頼される教師とは、三つの要素から成り立っています。
一つ目は、教師であるという矜持を持っている教師です。教師は、子供たちの前で指導する者としてふさわしい人間でありたいと思っております。
二つ目は、学び続ける教師です。子供たちの学びを支えるとともに、自らも高みを目指して学び続け、子供たちのロールモデルになりたいと思っています。
三つ目は、全ての子供たちのためと考えられる教師です。目の前の子供たちのことを第一に考え、深く理解し、その子にとって、その瞬間、最善の支援や指導ができる教師でありたいと願っております。
これらの点は、法的には、教育基本法第九条、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」、また、地方公務員法第三十条、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」に表れています。
このような教師の仕事を考えると、教師は、目の前の子供たちを少しでも伸ばすために全力を尽くすという使命を帯びています。そして、生徒指導や授業研究等、時間により完成するという性格の業務が少なく、残業かどうかの線引きが非常に難しいです。さらには、子供は一人として同じ存在ではないため、経験は生かしつつも、常に新しい対応を臨機応変に行わなければなりません。
我々現場の教師は、管理職から、あと一時間あれをしなさい、これは今日やらなくてよいから帰りなさいと一つ一つ命令、つまり時間外勤務命令を受ける仕事ではなく、教育専門職として一人一人が裁量の中で、目の前の子供たちのために、教材研究や保護者との面談など、今日どんな仕事をどこまでやるべきかを判断したいと考えています。このような教師の裁量を確保する仕組みこそが給特法の精神であり、教職調整額の仕組みだと考えています。
多くの教師は、子供の成長に関わるすばらしい仕事であることに対し、矜持を持ち、仕事に前向きに取り組んでいます。しかし、矜持だけでは限界が来ており、処遇改善も必要です。先ほどのような教師の仕事の本質を捉えれば、時間外勤務手当化は取るべきではありません。勤務時間の内と外をまとめて捉え、教育専門職としての教師の責任と職務に対して一括して教職調整額を払うという制度が望ましいのです。
我々全日本教職員連盟は、教職調整額の引上げを要望してまいりました。現在、人材確保法の趣旨が形骸化しており、人材確保法の優遇分を回復する必要があります。教師の処遇改善は約五十年ぶりで、是非とも教職調整額の引上げをお願いいたします。
さらに、本法案には、学級担任を想定して、義務教育等教員特別手当を加算する制度改正も含まれています。学校では、学級担任を担うかどうかで業務負担が大きく異なります。保護者からの連絡、相談を始め、学級に関する業務を担うからです。頑張っている教師が報われる処遇改善のために、学級担任への手当の加算が必要です。
このように、本法案は、働き方改革、組織的な学校運営、処遇改善を一体的に進めるために不可欠なものです。本法案の成立は、我々全日本教職員連盟の悲願であり、日本全国の日々子供たちのために全力で頑張っている教師の願いです。国会議員の先生方、学校現場の教職員の声を聞いていただきたいと思います。
結びになりますが、本法案の可決を強く強くお願いいたしまして、私の意見陳述とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。拍手
中
高
高橋哲#8
○高橋参考人 おはようございます。大阪大学の高橋哲と申します。
本日は、このような意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は教育法学が専門でして、近時、給特法に特化した単著を出版しております。本日は、この観点から、この度の法改正案の最大の懸念事項であると思われる教員の労働時間の捉え方をめぐる問題、こちらを中心にお話をさせていただきたいと考えております。
さて、釈迦に説法かとは存じますが、給特法の趣旨を改めて確認するならば、この法律は、給料月額四%の教職調整額を支給する代わりに、労働基準法三十七条所定の超勤手当を支給しないという特殊ルールを公立学校教員に適用しています。これが、給特法をして定額働かせ放題法と呼ばれるゆえんとなっております。
しかしながら、給特法にはもう一つ重要なルールが存在しています。それが、教員の時間外勤務の対象業務をいわゆる超勤四項目に限定するというルールです。
このルールにつきまして、昭和四十六年の給特法制定時の国会審議においては、量ではなく内容によって、教員の時間外勤務が無定量にならないように歯止めをかけるのだという立法趣旨が示されておりました。すなわち、給特法は、同じく携帯電話に例えるならば、定額基本料金以外の従量課金はないものの、使用できるアプリを四つに限定するという、そういうルールを定めるものだと見ることができます。
行政府にとって不都合な真実は、教員の時間外勤務の大半が超勤四項目以外の業務であふれているということです。本来であれば、超勤四項目以外の時間外勤務が発生した時点で、それは一日八時間、週四十時間を上限と定める労働基準法三十二条違反に当たり、課金が必要なはずなのです。
では、なぜ、その違法性が問われず、働かせ放題状態となってきたのでしょうか。それこそが、文部科学省の所業によるものなのです。
お手元の配付資料一を御覧ください。
現在、文部科学省は、教員の時間外在校等時間を原則として月四十五時間、年間三百六十時間以内とする上限指針を告示として定めております。この上限指針の公式のQアンドAにおいて、教員が行った超勤四項目以外の時間外勤務がなぜ労働時間に該当しないのかを以下のように説明しております。
すなわち、厚労省のガイドラインに依拠しながら、校務であったとしても、使用者からの指示に基づかず、所定の勤務時間外にいわゆる超勤四項目に該当する以外の業務を教師の自発的な判断により行った時間は、労働基準法上の労働時間には含まれないと公言しています。つまり、文部科学省は、使用者の指示がなければ、教員の自発的行為であり、労働時間には該当しないとしているのです。
しかし、ここで注意されるべきことは、大本の厚労省ガイドラインは、このような使用者の指示のみを根拠とする定義を取っていないことです。
資料二を御覧ください。
確かに、厚労省ガイドラインによると、労働時間とは、「使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」と記載されています。しかし、そこにはすぐただし書が付されているのです。上記の定義に続けて、「客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断される」としているのです。
この厚労省ガイドラインの前提となっているのは、平成十二年の最高裁三菱重工長崎造船所事件判決です。この判決では、造船所の作業服に着替える時間が労働時間に該当するかが争われ、使用者からの指示がなくとも、準備行為等が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされた場合は労働時間に該当すると認められています。その後、最高裁は、実作業のない夜間仮眠時間、住み込みマンション管理人の時間外業務についても、時間外勤務命令がなくとも、労働からの解放が保障されていない場合には労働時間に該当すると判断してきました。
また、近年の労働法学の学説においても、これらの最高裁判決の労働時間認定を受けて、使用者の指揮命令があったかという判断要素のみではなく、当該業務が労働の対象である業務に当たるのかという業務性の基準を含めて労働時間の該当性を判断するという考え方が有力になっています。
この厚労省ガイドライン、最高裁、学説が示す定義に見るならば、近年問題となっている学校における強制部活動と言われるものや、授業準備、校務資料の作成などは、いずれも労働時間に該当する蓋然性が高いと思われます。
実際に、埼玉教員超勤訴訟の令和三年地裁判決、令和四年高裁判決の双方においては、授業準備、掲示物の管理、学年便りの作成、業者テストの採点など、合計三百七十七時間以上の時間外業務が労基法上の労働時間に該当すると判断されています。
この判決は、原告の損害が軽微であるとして原告請求を棄却しましたが、他方で、教員の時間外労働が常態化し、放置されていたならば、労働基準法三十二条に違反し損害賠償責任の発生する可能性も認めています。それゆえ、文部科学省が原則とする月四十五時間もの時間外労働、あるいは例外的に月百時間を認めるとしておりますが、これほどの時間外労働が常態化されていたならば、違法な労働時間を放置したものとして損害賠償請求の対象になり得るのです。その意味で、この度の改正法案は、依然として訴訟リスクを内包しているというのが私の見解です。
このような判例の蓄積から見るならば、文部科学省が在校等時間なる概念を持ち出して、超勤四項目以外の業務は労働時間に該当しないとすることは、給特法の運用と言われるものの範疇を超えているように思われます。なぜなら、これらの業務を労働時間に該当しないとすることは、労働基準法三十二条自体の改正か、少なくとも特別法による法律上の適用除外がなければできないはずだからです。また、適用除外するに当たっても、日本国憲法二十七条に定められた勤務条件基準立法たる労基法の基本原則を著しく潜脱するような適用除外が特別法によって可能なのかという立法裁量上の問題が生じ得ます。
在校等時間という概念は、給特法も含め、どの法律にも明記されておらず、ひたすら文部科学省の行政行為によって生み出されている概念です。これは、法律に基づく行政の範囲を超えた、行政府による労働基準法の書換えであり、立法権の侵害に当たるというのが私の見解です。
しかも、この行政府の越権行為が教師の窮状を救済するものではなく、むしろ教師をして過労死直前の状態で働く労働環境を生み出し、全国的な教員不足を招く要因をもつくり出しているのです。それゆえ、この文部科学省による労働基準法の潜脱行為を止めなければ、いかなる法改正も実効力を有しないものとなってしまうというのが私の抱く本改正法案への最大の懸念です。実際に発生している教員の時間外勤務を労働基準法上の労働時間として認めること、これが働き方改革の一丁目一番地であることを研究者の立場から強く指摘させていただきたいと思います。
なお、付言として、この度の改革のもう一つの目玉とされている主務教諭の導入についても陳述させていただきたいと思います。
この度の改革案では、教員の職務によって業務量が異なることから、給与のめり張りが強調され、その目玉として主務教諭の新設が予定されています。確かに、学校組織の中心となる教員や新人教員をフォローする教員、多数の授業こま数を担当する教員などに、その労働への対価を払うことは重要かもしれません。しかしながら、この度の主務教諭の導入に当たり、先行モデルとされた東京都の経験を見ると、このような新しい職の導入が、必ずしも教員の待遇改善につながらないことが示されております。
東京都では、二〇〇四年に全国に先駆けて主幹教諭が導入され、その後、二〇〇九年より主任教諭が導入されています。
お手元の資料三を御覧ください。
図に示されておりますように、二〇〇四年に東京都で主幹教諭が導入された際には、特二級が新設され、従来の二級教諭職給料表に上乗せされたことから、この度の主務教諭の新設も、教員全体の待遇改善となることが期待されています。しかしながら、東京都では、二〇〇九年の主任教諭の導入後、教育職給料表が全面改定され、主幹教諭導入時とは比べ物にならないインパクトがもたらされています。
この図では更に、二〇二四年度の給料表を基に、四年制大学新卒者が三十八年間在職し、教諭、二級のまま在職期間を終えた場合と、十年目に主任教諭に昇格した場合、そして、その後、二十年目に主幹教諭に昇格した場合を比較しております。二〇〇四年当時の教諭職と現在の生涯教諭モデルとの生涯給料額の差は千八百二万円に及び、これは一〇・三%の減額に相当します。教諭、主任教諭、主幹教諭の間の給与格差も、御覧のように決定的なものとなり、生涯教諭を選ぶ者、このような先生にとっては、甚大な待遇の引下げが遂行されたことが明らかにされています。
この度の法改正では、主務教諭の導入により、給与のめり張りを構築することが目指されていますが、東京都の経験を見る限り、それはめり張りのある給与体系というよりも、めり、減りしかないという、めりめりの給与体系と呼んだ方がふさわしい状況が示されているかというふうに思います。同様の改革が他の自治体でも行われたならば、たとえこの度の法改正により教職調整額を一〇%まで増額していただいたとしても、基本給の引下げにより教員の待遇改善には至らない、格差だけつくって待遇改善なしという状況が生まれる可能性のあることをここでは申し述べたいと思います。
以上のように、本国会において給特法等の法改正案を御審議いただいているにもかかわらず、それは教員の長時間労働の是正にも教員の待遇改善にも結びつかない可能性があるというのが、専門家としての私の懸念です。特に、労基法上の労働時間の定義をめぐる文科省の越権行為は、教員のただ働きを容認する点で甚大だと、私の立場から申し上げざるを得ません。察するに、現役の文部科学官僚の方々もまた、同省の先輩方がつくられた負の遺産に苦慮しているのではないかと思われます。しかしながら、もはや省内でこの所業を止めることはできず、立法府によるストップが必要となっているというのが私の見解です。
それゆえ、この度の給特法改正案をめぐる争点は、単に教員の労働環境を改善できるかを問うにとどまらず、このような行政府の越権とも言える行為を立法府自らお墨つきを与えてしまうのかが問われています。これは、三権分立という日本国の国家体制に関わる問題であり、国民主権の根本を揺るがす問題であると考えます。
立法府をじゅうりんする行政府の越権行為を征伐するためにも、そして、日本国憲法の下、立法府が守り育ててきた労働基準法という法律の権威を損なわないためにも、そして何よりも、教師の過酷な労働環境を改善し、子供たちの教育を受ける権利を守るためにも、本委員会の先生方、国民の意思をより反映されているとされている衆議院議員の皆さんには、立法府の担い手として、国権の最高機関が持つ権威と矜持をお示しいただきたいと考えております。
もはや、教師不足の問題に象徴されるように、教師の労働条件をめぐる問題が子供の教育条件に直結する問題であることは火を見るよりも明らかになっております。そのため、少なくとも、教員のただ働きを放置することをストップし、より労働基準法に適合的な修正を当委員会で御審議いただくことを求め、私の意見陳述に代えさせていただきたいと思います。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は教育法学が専門でして、近時、給特法に特化した単著を出版しております。本日は、この観点から、この度の法改正案の最大の懸念事項であると思われる教員の労働時間の捉え方をめぐる問題、こちらを中心にお話をさせていただきたいと考えております。
さて、釈迦に説法かとは存じますが、給特法の趣旨を改めて確認するならば、この法律は、給料月額四%の教職調整額を支給する代わりに、労働基準法三十七条所定の超勤手当を支給しないという特殊ルールを公立学校教員に適用しています。これが、給特法をして定額働かせ放題法と呼ばれるゆえんとなっております。
しかしながら、給特法にはもう一つ重要なルールが存在しています。それが、教員の時間外勤務の対象業務をいわゆる超勤四項目に限定するというルールです。
このルールにつきまして、昭和四十六年の給特法制定時の国会審議においては、量ではなく内容によって、教員の時間外勤務が無定量にならないように歯止めをかけるのだという立法趣旨が示されておりました。すなわち、給特法は、同じく携帯電話に例えるならば、定額基本料金以外の従量課金はないものの、使用できるアプリを四つに限定するという、そういうルールを定めるものだと見ることができます。
行政府にとって不都合な真実は、教員の時間外勤務の大半が超勤四項目以外の業務であふれているということです。本来であれば、超勤四項目以外の時間外勤務が発生した時点で、それは一日八時間、週四十時間を上限と定める労働基準法三十二条違反に当たり、課金が必要なはずなのです。
では、なぜ、その違法性が問われず、働かせ放題状態となってきたのでしょうか。それこそが、文部科学省の所業によるものなのです。
お手元の配付資料一を御覧ください。
現在、文部科学省は、教員の時間外在校等時間を原則として月四十五時間、年間三百六十時間以内とする上限指針を告示として定めております。この上限指針の公式のQアンドAにおいて、教員が行った超勤四項目以外の時間外勤務がなぜ労働時間に該当しないのかを以下のように説明しております。
すなわち、厚労省のガイドラインに依拠しながら、校務であったとしても、使用者からの指示に基づかず、所定の勤務時間外にいわゆる超勤四項目に該当する以外の業務を教師の自発的な判断により行った時間は、労働基準法上の労働時間には含まれないと公言しています。つまり、文部科学省は、使用者の指示がなければ、教員の自発的行為であり、労働時間には該当しないとしているのです。
しかし、ここで注意されるべきことは、大本の厚労省ガイドラインは、このような使用者の指示のみを根拠とする定義を取っていないことです。
資料二を御覧ください。
確かに、厚労省ガイドラインによると、労働時間とは、「使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間」と記載されています。しかし、そこにはすぐただし書が付されているのです。上記の定義に続けて、「客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断される」としているのです。
この厚労省ガイドラインの前提となっているのは、平成十二年の最高裁三菱重工長崎造船所事件判決です。この判決では、造船所の作業服に着替える時間が労働時間に該当するかが争われ、使用者からの指示がなくとも、準備行為等が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされた場合は労働時間に該当すると認められています。その後、最高裁は、実作業のない夜間仮眠時間、住み込みマンション管理人の時間外業務についても、時間外勤務命令がなくとも、労働からの解放が保障されていない場合には労働時間に該当すると判断してきました。
また、近年の労働法学の学説においても、これらの最高裁判決の労働時間認定を受けて、使用者の指揮命令があったかという判断要素のみではなく、当該業務が労働の対象である業務に当たるのかという業務性の基準を含めて労働時間の該当性を判断するという考え方が有力になっています。
この厚労省ガイドライン、最高裁、学説が示す定義に見るならば、近年問題となっている学校における強制部活動と言われるものや、授業準備、校務資料の作成などは、いずれも労働時間に該当する蓋然性が高いと思われます。
実際に、埼玉教員超勤訴訟の令和三年地裁判決、令和四年高裁判決の双方においては、授業準備、掲示物の管理、学年便りの作成、業者テストの採点など、合計三百七十七時間以上の時間外業務が労基法上の労働時間に該当すると判断されています。
この判決は、原告の損害が軽微であるとして原告請求を棄却しましたが、他方で、教員の時間外労働が常態化し、放置されていたならば、労働基準法三十二条に違反し損害賠償責任の発生する可能性も認めています。それゆえ、文部科学省が原則とする月四十五時間もの時間外労働、あるいは例外的に月百時間を認めるとしておりますが、これほどの時間外労働が常態化されていたならば、違法な労働時間を放置したものとして損害賠償請求の対象になり得るのです。その意味で、この度の改正法案は、依然として訴訟リスクを内包しているというのが私の見解です。
このような判例の蓄積から見るならば、文部科学省が在校等時間なる概念を持ち出して、超勤四項目以外の業務は労働時間に該当しないとすることは、給特法の運用と言われるものの範疇を超えているように思われます。なぜなら、これらの業務を労働時間に該当しないとすることは、労働基準法三十二条自体の改正か、少なくとも特別法による法律上の適用除外がなければできないはずだからです。また、適用除外するに当たっても、日本国憲法二十七条に定められた勤務条件基準立法たる労基法の基本原則を著しく潜脱するような適用除外が特別法によって可能なのかという立法裁量上の問題が生じ得ます。
在校等時間という概念は、給特法も含め、どの法律にも明記されておらず、ひたすら文部科学省の行政行為によって生み出されている概念です。これは、法律に基づく行政の範囲を超えた、行政府による労働基準法の書換えであり、立法権の侵害に当たるというのが私の見解です。
しかも、この行政府の越権行為が教師の窮状を救済するものではなく、むしろ教師をして過労死直前の状態で働く労働環境を生み出し、全国的な教員不足を招く要因をもつくり出しているのです。それゆえ、この文部科学省による労働基準法の潜脱行為を止めなければ、いかなる法改正も実効力を有しないものとなってしまうというのが私の抱く本改正法案への最大の懸念です。実際に発生している教員の時間外勤務を労働基準法上の労働時間として認めること、これが働き方改革の一丁目一番地であることを研究者の立場から強く指摘させていただきたいと思います。
なお、付言として、この度の改革のもう一つの目玉とされている主務教諭の導入についても陳述させていただきたいと思います。
この度の改革案では、教員の職務によって業務量が異なることから、給与のめり張りが強調され、その目玉として主務教諭の新設が予定されています。確かに、学校組織の中心となる教員や新人教員をフォローする教員、多数の授業こま数を担当する教員などに、その労働への対価を払うことは重要かもしれません。しかしながら、この度の主務教諭の導入に当たり、先行モデルとされた東京都の経験を見ると、このような新しい職の導入が、必ずしも教員の待遇改善につながらないことが示されております。
東京都では、二〇〇四年に全国に先駆けて主幹教諭が導入され、その後、二〇〇九年より主任教諭が導入されています。
お手元の資料三を御覧ください。
図に示されておりますように、二〇〇四年に東京都で主幹教諭が導入された際には、特二級が新設され、従来の二級教諭職給料表に上乗せされたことから、この度の主務教諭の新設も、教員全体の待遇改善となることが期待されています。しかしながら、東京都では、二〇〇九年の主任教諭の導入後、教育職給料表が全面改定され、主幹教諭導入時とは比べ物にならないインパクトがもたらされています。
この図では更に、二〇二四年度の給料表を基に、四年制大学新卒者が三十八年間在職し、教諭、二級のまま在職期間を終えた場合と、十年目に主任教諭に昇格した場合、そして、その後、二十年目に主幹教諭に昇格した場合を比較しております。二〇〇四年当時の教諭職と現在の生涯教諭モデルとの生涯給料額の差は千八百二万円に及び、これは一〇・三%の減額に相当します。教諭、主任教諭、主幹教諭の間の給与格差も、御覧のように決定的なものとなり、生涯教諭を選ぶ者、このような先生にとっては、甚大な待遇の引下げが遂行されたことが明らかにされています。
この度の法改正では、主務教諭の導入により、給与のめり張りを構築することが目指されていますが、東京都の経験を見る限り、それはめり張りのある給与体系というよりも、めり、減りしかないという、めりめりの給与体系と呼んだ方がふさわしい状況が示されているかというふうに思います。同様の改革が他の自治体でも行われたならば、たとえこの度の法改正により教職調整額を一〇%まで増額していただいたとしても、基本給の引下げにより教員の待遇改善には至らない、格差だけつくって待遇改善なしという状況が生まれる可能性のあることをここでは申し述べたいと思います。
以上のように、本国会において給特法等の法改正案を御審議いただいているにもかかわらず、それは教員の長時間労働の是正にも教員の待遇改善にも結びつかない可能性があるというのが、専門家としての私の懸念です。特に、労基法上の労働時間の定義をめぐる文科省の越権行為は、教員のただ働きを容認する点で甚大だと、私の立場から申し上げざるを得ません。察するに、現役の文部科学官僚の方々もまた、同省の先輩方がつくられた負の遺産に苦慮しているのではないかと思われます。しかしながら、もはや省内でこの所業を止めることはできず、立法府によるストップが必要となっているというのが私の見解です。
それゆえ、この度の給特法改正案をめぐる争点は、単に教員の労働環境を改善できるかを問うにとどまらず、このような行政府の越権とも言える行為を立法府自らお墨つきを与えてしまうのかが問われています。これは、三権分立という日本国の国家体制に関わる問題であり、国民主権の根本を揺るがす問題であると考えます。
立法府をじゅうりんする行政府の越権行為を征伐するためにも、そして、日本国憲法の下、立法府が守り育ててきた労働基準法という法律の権威を損なわないためにも、そして何よりも、教師の過酷な労働環境を改善し、子供たちの教育を受ける権利を守るためにも、本委員会の先生方、国民の意思をより反映されているとされている衆議院議員の皆さんには、立法府の担い手として、国権の最高機関が持つ権威と矜持をお示しいただきたいと考えております。
もはや、教師不足の問題に象徴されるように、教師の労働条件をめぐる問題が子供の教育条件に直結する問題であることは火を見るよりも明らかになっております。そのため、少なくとも、教員のただ働きを放置することをストップし、より労働基準法に適合的な修正を当委員会で御審議いただくことを求め、私の意見陳述に代えさせていただきたいと思います。
御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
中
中
鈴
鈴木貴子#11
○鈴木(貴)委員 皆さん、改めまして、おはようございます。
四月十八日に続きましての参考人質疑ということであります。国民の多くも、もちろん学校の現場の皆さんのみならず、私も含めた保護者、そして国民の皆さんにも関心の高い法案の一つであると思っております。丁寧な審議を尽くしていただいていることに感謝をさせていただきます。
十五分と限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきます。
まず、最初の質問は、参考人の四名の方皆さんに、それぞれにお答えをいただきたいと思います。
前回の十八日の参考人質疑の際にも、複数の参考人の方が、教員の業務量の適切な管理や処遇改善には国のリーダーシップが求められるという趣旨の御発言があったところであります。私自身も大きくうなずきながら参考人の皆さんのお声を聞いておりました。
一方で、私はこの文科委員会に所属をしまして、質問をしながら驚いたことがありまして、何か例えば、私はライフワークとして、子供の自殺の問題であるとか、孤独対策、取組をさせていただいているんですけれども、何か提案をしても、なかなかこの政府は、それは教育委員会が、それは自治体が、おいおい、国のリーダーシップはどこに行ったんだという思いを何度となくしてきたところであります。
もちろん、教育行政の地方自治の原則というものは非常に重要であります。尊重しながらも、やはり、立法をする我々としては、その立法をした後、まさに、生むだけじゃなく、生んで育てるという意味では、運用の実態というものは国がしっかりと注視をすることが必要だと思っております。
そこで、伺わせていただきたいんですけれども、いわゆる三分類でありますが、進展もあるということを参考人の皆さん方からも御意見を頂戴をしていると思います。しかしながら、学校ごとに、若しくは地域ごとに、進捗状況が異なる、成果の出方が異なるといった声も度々聞かれるところでもあります。是非、この四人の参考人の皆さん方には、その進捗の差が生まれている背景、どのようにお考えかを伺いたいと思っております。
といいますのも、今回の法律案は、業務量管理などの計画策定といった、いわゆる可視化、見える化というものが盛り込まれていますが、私、個人的に、分類のまさに明文化というものも必要だと思います。まずは、なぜ分かっているのに進まないのかという根本的な背景を押さえなくては善処できないのではないか、反省の上での善処ではないかというような考えを持っております。
是非とも、その取組が進まない理由、可視化が進まない理由、それぞれの先生方、どのようにお考えか、教えてください。
この発言だけを見る →四月十八日に続きましての参考人質疑ということであります。国民の多くも、もちろん学校の現場の皆さんのみならず、私も含めた保護者、そして国民の皆さんにも関心の高い法案の一つであると思っております。丁寧な審議を尽くしていただいていることに感謝をさせていただきます。
十五分と限られた時間でありますので、早速質問に入らせていただきます。
まず、最初の質問は、参考人の四名の方皆さんに、それぞれにお答えをいただきたいと思います。
前回の十八日の参考人質疑の際にも、複数の参考人の方が、教員の業務量の適切な管理や処遇改善には国のリーダーシップが求められるという趣旨の御発言があったところであります。私自身も大きくうなずきながら参考人の皆さんのお声を聞いておりました。
一方で、私はこの文科委員会に所属をしまして、質問をしながら驚いたことがありまして、何か例えば、私はライフワークとして、子供の自殺の問題であるとか、孤独対策、取組をさせていただいているんですけれども、何か提案をしても、なかなかこの政府は、それは教育委員会が、それは自治体が、おいおい、国のリーダーシップはどこに行ったんだという思いを何度となくしてきたところであります。
もちろん、教育行政の地方自治の原則というものは非常に重要であります。尊重しながらも、やはり、立法をする我々としては、その立法をした後、まさに、生むだけじゃなく、生んで育てるという意味では、運用の実態というものは国がしっかりと注視をすることが必要だと思っております。
そこで、伺わせていただきたいんですけれども、いわゆる三分類でありますが、進展もあるということを参考人の皆さん方からも御意見を頂戴をしていると思います。しかしながら、学校ごとに、若しくは地域ごとに、進捗状況が異なる、成果の出方が異なるといった声も度々聞かれるところでもあります。是非、この四人の参考人の皆さん方には、その進捗の差が生まれている背景、どのようにお考えかを伺いたいと思っております。
といいますのも、今回の法律案は、業務量管理などの計画策定といった、いわゆる可視化、見える化というものが盛り込まれていますが、私、個人的に、分類のまさに明文化というものも必要だと思います。まずは、なぜ分かっているのに進まないのかという根本的な背景を押さえなくては善処できないのではないか、反省の上での善処ではないかというような考えを持っております。
是非とも、その取組が進まない理由、可視化が進まない理由、それぞれの先生方、どのようにお考えか、教えてください。
戸
戸ヶ崎勤#12
○戸ヶ崎参考人 現場というか教育委員会の立場としてお答えいたしますけれども、もうこの差があるということは恐らく事実のことだろうというふうに思いますけれども、これは、私は、この働き方改革というのは、もうまさにそれぞれが、先ほど来申し上げているように、オーナーシップを持って真剣に自分事としてきちっと取り組まなければならないんだというような気持ちがあれば間違いなく前進はすることだろうというふうに思うんですけれども、一つには、その熱量の差といったものが挙げられるのかなということが一つであります。
それから、もう一つは、いかにその熱量があったとしても、やはり教育というのは、常々、私、申し上げているのが、経験と勘と気合というこの、ここも三Kなんですけれども、この三Kだけで進めていこうと思ってもなかなか進められるものではなくて、大事なことは、EBPMということで言われていますけれども、いかにその進捗状況とかを見える化しながら定量化をして、今現在の進捗状況はこの程度である、だから、ここが課題なので、一歩このように次は進めていかなくちゃいけないということが見える化されていないと、なかなか、その経験、勘、気合だけで進めていこうと思っても、やはり無理があるのではないかなというふうに思っています。
そういった意味で、この度、教育委員会が総合教育会議の席上できちっとそれを示していくということは極めて重要なことであって、間違いなくこのことによって前進するであろうということは、私からも期待を申し上げたいなというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →それから、もう一つは、いかにその熱量があったとしても、やはり教育というのは、常々、私、申し上げているのが、経験と勘と気合というこの、ここも三Kなんですけれども、この三Kだけで進めていこうと思ってもなかなか進められるものではなくて、大事なことは、EBPMということで言われていますけれども、いかにその進捗状況とかを見える化しながら定量化をして、今現在の進捗状況はこの程度である、だから、ここが課題なので、一歩このように次は進めていかなくちゃいけないということが見える化されていないと、なかなか、その経験、勘、気合だけで進めていこうと思っても、やはり無理があるのではないかなというふうに思っています。
そういった意味で、この度、教育委員会が総合教育会議の席上できちっとそれを示していくということは極めて重要なことであって、間違いなくこのことによって前進するであろうということは、私からも期待を申し上げたいなというふうに思っております。
以上です。
梶
梶原貴#13
○梶原参考人 御質問ありがとうございます。
まずは、三分類に取り組むときに、予算がついていないので、お金のある自治体は進みやすい。例えば公会計化を進めるにしても、やはり行政が担うといったときに、行政にお金があればやりやすいわけですけれども、脆弱な自治体については、それが予算がつけられないから進まないということがありますので、是非国として予算をつけていただきたい。
私どもの意見投稿フォームにも、三分類の、特に基本的に学校以外が担う業務については、国が社会に広く宣言して予算をつけることが大事だという意見が来ております。ですから、予算の裏づけがないのに、ただやれ、やれと言われても、自治体も困るんじゃないかなというふうに思っております。是非予算をつけていただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →まずは、三分類に取り組むときに、予算がついていないので、お金のある自治体は進みやすい。例えば公会計化を進めるにしても、やはり行政が担うといったときに、行政にお金があればやりやすいわけですけれども、脆弱な自治体については、それが予算がつけられないから進まないということがありますので、是非国として予算をつけていただきたい。
私どもの意見投稿フォームにも、三分類の、特に基本的に学校以外が担う業務については、国が社会に広く宣言して予算をつけることが大事だという意見が来ております。ですから、予算の裏づけがないのに、ただやれ、やれと言われても、自治体も困るんじゃないかなというふうに思っております。是非予算をつけていただきたいと思います。
以上です。
渡
渡辺陽平#14
○渡辺参考人 御質問ありがとうございます。
令和元年度の給特法改正以降、教師の時間外在校等時間は減少しているものの、依然として時間外在校等時間が長い教師も多い状況だと認識をしております。
学校現場の話をすると、例えばですが、コロナ禍において、学校現場では運動会が半日開催というふうになりました。そうなると、運動会当日であるとか準備にかける時間などがかなり削減されます。
しかしながら、コロナ禍以降、この半日開催を続けている学校と、一日開催に戻している学校とがあります。一日開催に戻した学校は、当然業務も増えてくるわけですけれども、理由としては、地域の期待に応えるであるとか、子供たちの活躍の場を確保してあげたい、そのような教師の思いであったりします。
これらはあくまでも例ですが、ほかにも、不登校児童生徒、いじめ重大事態の発生件数、通級による指導を受けている児童生徒の数の急激な増加など、学校の教師が支援する子供たちが抱える課題の複雑化、多様化はより一層進んでいる、こうした課題に教師が献身的に対応していることもあると思います。
さらには、教育委員会ごとにも働き方改革の取組状況に非常に差が大きいというふうにあります。そして何より、昨今の教師不足、これも非常に大きいのかなというふうに感じております。
そのような中で学校の働き方改革を進めるためには、私たち教師の意識改革も当然必要ですし、何より地域の理解を得ることが大切だというふうに考えています。
このような前提の下、今回の法改正により、国、教育委員会の計画の下、学校における働き方改革が進んでいくものというふうに私自身も期待しております。
以上でございます。
この発言だけを見る →令和元年度の給特法改正以降、教師の時間外在校等時間は減少しているものの、依然として時間外在校等時間が長い教師も多い状況だと認識をしております。
学校現場の話をすると、例えばですが、コロナ禍において、学校現場では運動会が半日開催というふうになりました。そうなると、運動会当日であるとか準備にかける時間などがかなり削減されます。
しかしながら、コロナ禍以降、この半日開催を続けている学校と、一日開催に戻している学校とがあります。一日開催に戻した学校は、当然業務も増えてくるわけですけれども、理由としては、地域の期待に応えるであるとか、子供たちの活躍の場を確保してあげたい、そのような教師の思いであったりします。
これらはあくまでも例ですが、ほかにも、不登校児童生徒、いじめ重大事態の発生件数、通級による指導を受けている児童生徒の数の急激な増加など、学校の教師が支援する子供たちが抱える課題の複雑化、多様化はより一層進んでいる、こうした課題に教師が献身的に対応していることもあると思います。
さらには、教育委員会ごとにも働き方改革の取組状況に非常に差が大きいというふうにあります。そして何より、昨今の教師不足、これも非常に大きいのかなというふうに感じております。
そのような中で学校の働き方改革を進めるためには、私たち教師の意識改革も当然必要ですし、何より地域の理解を得ることが大切だというふうに考えています。
このような前提の下、今回の法改正により、国、教育委員会の計画の下、学校における働き方改革が進んでいくものというふうに私自身も期待しております。
以上でございます。
高
高橋哲#15
○高橋参考人 御質問ありがとうございます。
私も国による教員の処遇改善のためのリーダーシップは必要だというふうに考えますが、そこで国に求められているのは、十分な人員と、やはり教育費というものを支給することであるというふうに私は考えております。
議員御質問がありました、なぜこれだけ働き方の格差が出てくるのかということですけれども、私の見解では、この格差というのは、それぞれの地方自治体の財政格差というものを反映しているというふうに思っております。
どこの自治体も本当に人手不足、資源不足という中で、どの自治体もサボっているわけではございません。そうした中で、たまたま、先ほど御発言のあった戸ヶ崎参考人のようなスーパー教育長、熱量のある方がいらっしゃって、そこで運用が行われているというところがあると思うんですけれども、今必要なことは、そのようなスーパー教育長とかスーパー校長でなくとも、この働き方というものが十分に遂行できるような教育条件を整えることだというふうに思っております。
更に申し上げますと、国の方で示していただいている三分類、これは学校現場とはずれがあるということを多くのところでいただいております。
といいますのは、この三分類というものをお示しいただいた中央教育審議会、ここに関わっている方々は、教育長の方々や校長の方々などの、いわば労働法でいえば使用者に当たる方々と、大学教員等の公益委員の方々です。そこに労働者の代表という方々が一人も入っていないというのが、現在の中央教育審議会の構造となっております。
その意味で、労働政策審議会のように、公労使というものがちゃんと代表されるような仕組みというのをつくった上で三分類を検討すべきだというのが私の見解です。
以上でございます。
この発言だけを見る →私も国による教員の処遇改善のためのリーダーシップは必要だというふうに考えますが、そこで国に求められているのは、十分な人員と、やはり教育費というものを支給することであるというふうに私は考えております。
議員御質問がありました、なぜこれだけ働き方の格差が出てくるのかということですけれども、私の見解では、この格差というのは、それぞれの地方自治体の財政格差というものを反映しているというふうに思っております。
どこの自治体も本当に人手不足、資源不足という中で、どの自治体もサボっているわけではございません。そうした中で、たまたま、先ほど御発言のあった戸ヶ崎参考人のようなスーパー教育長、熱量のある方がいらっしゃって、そこで運用が行われているというところがあると思うんですけれども、今必要なことは、そのようなスーパー教育長とかスーパー校長でなくとも、この働き方というものが十分に遂行できるような教育条件を整えることだというふうに思っております。
更に申し上げますと、国の方で示していただいている三分類、これは学校現場とはずれがあるということを多くのところでいただいております。
といいますのは、この三分類というものをお示しいただいた中央教育審議会、ここに関わっている方々は、教育長の方々や校長の方々などの、いわば労働法でいえば使用者に当たる方々と、大学教員等の公益委員の方々です。そこに労働者の代表という方々が一人も入っていないというのが、現在の中央教育審議会の構造となっております。
その意味で、労働政策審議会のように、公労使というものがちゃんと代表されるような仕組みというのをつくった上で三分類を検討すべきだというのが私の見解です。
以上でございます。
鈴
鈴木貴子#16
○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。
まさにこれは、今回の法律案、業務量管理の計画策定が目的なのではなくて、それに伴っての業務量の削減というところが追求しなくてはいけないところだということを改めて確認をさせていただきました。
あわせて、やはりこの予算、立つものがないと、よって立つところがないとというところもそうだよなと思いながら聞いていたんですけれども、今日の皆さんのお話を伺っていたら、意外と校務DXのお話が少なかったなと思って伺っておりました。
私自身、今、子供を二人育てておりまして、上の子が小学校二年生なんですけれども、いまだに連絡帳が手書きでありまして、各行事の終わった後の保護者からの声みたいなのも手書きだったりして、お互いに、DXで、アプリとかだったら、どれほど楽に先生も集計で刈り取れるのかななんて想像しながら、頑張って手書きで書いているんですね。
校務DXの加速化という観点で是非お伺いしたいんですが、今まさに、梶原参考人、高橋参考人から、いやいや、予算が大事だと。それは私も否定もしません。
ただ、一方で、例えばDXが進まない理由で、学校の回答の一番の理由が、検討する時間がないだったんです、予算的な理由ではなくて。これが非常に、今のお話を聞いていて、面白いなと思いながら、もしかしたら、まさに裁量権者のDXに寄せる関心であるとか知識、こういったものにも大きくぶれてしまうのではないのかなと思ったときに、まさにこういった校務DXなどは、それぞれの自治体であるとか、それぞれの学校の裁量権者に委ねるのではなくて、国としてDXを進めるんだということで、一つの大きなひな形的アプリなのかモジュールを作って、これを全国一斉に共有をするという方が、コストもかからないし、汎用性も高いし、どこかに転勤、転校したときにも同じものを使っていくという方が、よほど、まさに負担軽減にもなるのではないのかなと思ったんですが、その点について、最後、伺わせていただければと思います。特に、今の、まさに、梶原参考人そして高橋参考人にお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →まさにこれは、今回の法律案、業務量管理の計画策定が目的なのではなくて、それに伴っての業務量の削減というところが追求しなくてはいけないところだということを改めて確認をさせていただきました。
あわせて、やはりこの予算、立つものがないと、よって立つところがないとというところもそうだよなと思いながら聞いていたんですけれども、今日の皆さんのお話を伺っていたら、意外と校務DXのお話が少なかったなと思って伺っておりました。
私自身、今、子供を二人育てておりまして、上の子が小学校二年生なんですけれども、いまだに連絡帳が手書きでありまして、各行事の終わった後の保護者からの声みたいなのも手書きだったりして、お互いに、DXで、アプリとかだったら、どれほど楽に先生も集計で刈り取れるのかななんて想像しながら、頑張って手書きで書いているんですね。
校務DXの加速化という観点で是非お伺いしたいんですが、今まさに、梶原参考人、高橋参考人から、いやいや、予算が大事だと。それは私も否定もしません。
ただ、一方で、例えばDXが進まない理由で、学校の回答の一番の理由が、検討する時間がないだったんです、予算的な理由ではなくて。これが非常に、今のお話を聞いていて、面白いなと思いながら、もしかしたら、まさに裁量権者のDXに寄せる関心であるとか知識、こういったものにも大きくぶれてしまうのではないのかなと思ったときに、まさにこういった校務DXなどは、それぞれの自治体であるとか、それぞれの学校の裁量権者に委ねるのではなくて、国としてDXを進めるんだということで、一つの大きなひな形的アプリなのかモジュールを作って、これを全国一斉に共有をするという方が、コストもかからないし、汎用性も高いし、どこかに転勤、転校したときにも同じものを使っていくという方が、よほど、まさに負担軽減にもなるのではないのかなと思ったんですが、その点について、最後、伺わせていただければと思います。特に、今の、まさに、梶原参考人そして高橋参考人にお伺いできればと思います。
梶
梶原貴#17
○梶原参考人 ありがとうございます。
まさに、考える時間がないというところでいくと、思いはあっても、やはりそこを、現場の声を吸い上げたアプリの開発だったりとか基盤整備というところが、そこにもやはり予算が必要で、学校現場の声を聞いて、それをシステムに落とし込んでくれるような人が配置されれば、非常に進むと思っております。
意見投稿フォームの中では、こんな意見があります。ICTを使って効率化したいが、県でシステムが統一されておらず、データの移行ができず大変苦労しております、異動しても使える統一したICT環境の基盤整備を望みますと。まさにおっしゃるとおりですので、やはりここにも予算が必要で、対話をしながら、現場に即したシステム作りが必要だというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →まさに、考える時間がないというところでいくと、思いはあっても、やはりそこを、現場の声を吸い上げたアプリの開発だったりとか基盤整備というところが、そこにもやはり予算が必要で、学校現場の声を聞いて、それをシステムに落とし込んでくれるような人が配置されれば、非常に進むと思っております。
意見投稿フォームの中では、こんな意見があります。ICTを使って効率化したいが、県でシステムが統一されておらず、データの移行ができず大変苦労しております、異動しても使える統一したICT環境の基盤整備を望みますと。まさにおっしゃるとおりですので、やはりここにも予算が必要で、対話をしながら、現場に即したシステム作りが必要だというふうに思っております。
以上です。
高
高橋哲#18
○高橋参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
今、鈴木議員御指摘のように、検討する時間がないというのが、本当に現場の率直な気持ちなんだろうと思っています。これは気概の問題ではなくて、これもやはり人員不足と資源不足によるものと言うことができるかと思います。
このような校務DXをちゃんと加速させるためにも、それに必要な先生方の研修の時間であったりとか、どのようなアプリがふさわしいのかということを検討する時間、そういうものも必要になってきます。
その意味で、校務DXがあれば働き方改革が推進されるということではなくて、校務DXを推進するためにも十分な人と予算が必要だということを強調させていただきたいと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →今、鈴木議員御指摘のように、検討する時間がないというのが、本当に現場の率直な気持ちなんだろうと思っています。これは気概の問題ではなくて、これもやはり人員不足と資源不足によるものと言うことができるかと思います。
このような校務DXをちゃんと加速させるためにも、それに必要な先生方の研修の時間であったりとか、どのようなアプリがふさわしいのかということを検討する時間、そういうものも必要になってきます。
その意味で、校務DXがあれば働き方改革が推進されるということではなくて、校務DXを推進するためにも十分な人と予算が必要だということを強調させていただきたいと思います。
以上でございます。
鈴
鈴木貴子#19
○鈴木(貴)委員 ありがとうございました。
子供の安心と笑顔のためには大人の笑顔と安心が必要だと思っておりますので、引き続きの御指導、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →子供の安心と笑顔のためには大人の笑顔と安心が必要だと思っておりますので、引き続きの御指導、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
中
坂
坂本祐之輔#21
○坂本(祐)委員 立憲民主党の坂本祐之輔です。
参考人の皆様におかれましては、御多用の中、御出席をいただき、貴重な御意見を賜りますことに心から感謝を申し上げます。
時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきますが、参考人の皆様の御意見を少しでも多くお伺いをいたしたいと考えておりますので、質問は端的にさせていただきたいと存じます。
まず、梶原参考人にお伺いいたします。
先ほどの意見陳述の中で、香港日本人学校に勤務していたとのことですが、現地校やインターナショナルスクールと日本の学校とは具体的にクラスサイズや業務量はどのように違ったのでしょうか、お伺いいたします。
この発言だけを見る →参考人の皆様におかれましては、御多用の中、御出席をいただき、貴重な御意見を賜りますことに心から感謝を申し上げます。
時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきますが、参考人の皆様の御意見を少しでも多くお伺いをいたしたいと考えておりますので、質問は端的にさせていただきたいと存じます。
まず、梶原参考人にお伺いいたします。
先ほどの意見陳述の中で、香港日本人学校に勤務していたとのことですが、現地校やインターナショナルスクールと日本の学校とは具体的にクラスサイズや業務量はどのように違ったのでしょうか、お伺いいたします。
梶
梶原貴#22
○梶原参考人 御質問ありがとうございます。
もう二十五年も前の話ですから、今現在はどうかはちょっと承知しておらないところがあるんですけれども、まず、クラスサイズは、どのインターナショナルスクールも一クラス二十人から二十五人、本国も同じだというふうに言っていました。
業務については、教員はやはり授業が中心で、例えば、子供の相談はカウンセラーが担い、それから、様々な子供の課題についてはソーシャルワーカーが必ず一校に一人配置されていて、分業が進んでいるんだと。ですから、部活動も基本的にはなくて、地域のスポーツクラブ等で子供たちは活動するんだと。
ですから、教員は定時で来て、定時で帰るのが当たり前だということで、それは本国も同じだというふうにインターナショナルスクールでは言っておりました。
以上です。
この発言だけを見る →もう二十五年も前の話ですから、今現在はどうかはちょっと承知しておらないところがあるんですけれども、まず、クラスサイズは、どのインターナショナルスクールも一クラス二十人から二十五人、本国も同じだというふうに言っていました。
業務については、教員はやはり授業が中心で、例えば、子供の相談はカウンセラーが担い、それから、様々な子供の課題についてはソーシャルワーカーが必ず一校に一人配置されていて、分業が進んでいるんだと。ですから、部活動も基本的にはなくて、地域のスポーツクラブ等で子供たちは活動するんだと。
ですから、教員は定時で来て、定時で帰るのが当たり前だということで、それは本国も同じだというふうにインターナショナルスクールでは言っておりました。
以上です。
坂
坂本祐之輔#23
○坂本(祐)委員 ありがとうございます。
次に、全ての参考人の皆様にお伺いをいたします。
私たち立憲民主党は、給特法は廃止するべきであるとの立場でありますけれども、給特法を廃止して、教員が労働基準法の下で働くとなった場合、学校はどのようになると予想するでしょうか。
戸ヶ崎参考人から順次お願いいたします。
この発言だけを見る →次に、全ての参考人の皆様にお伺いをいたします。
私たち立憲民主党は、給特法は廃止するべきであるとの立場でありますけれども、給特法を廃止して、教員が労働基準法の下で働くとなった場合、学校はどのようになると予想するでしょうか。
戸ヶ崎参考人から順次お願いいたします。
戸
戸ヶ崎勤#24
○戸ヶ崎参考人 率直に申し上げますと、先ほども私の意見の中でも申し上げましたけれども、まずは学校の中が正直かなり混乱をするのではないかなというふうに考えております。基本的に、時間外勤務を命じるということは、現状でも学校長の承認を得るということになっていますので、そこのところが、給特法が廃止されて時間外勤務がごく当たり前のようになるということになると、一つは、そういったどこまで認めるのかということに対する線引きがなかなか難しいという現象も起きるのかなと。
あわせて、そういうことに加えて、本来的に、先ほどは触れませんでしたけれども、服務監督権者と任命権者の問題もあって、正直、残業代というのは、基礎自治体である市町村の教育委員会は正直余り痛まないんですけれども、任命権者であるところの県教育委員会にとってみると、そこの支払いというところでギャップが出てきて、ねじれ構造が出てくる、そういうところでもまた様々な問題が起きてくるのかなと。
さらに、もう一つ加えて申し上げますと、一生懸命、効率的に仕事をして、できるだけ早くに切り上げて帰ってくつろいでというか、時間管理を、タイムマネジメントをしっかりやろうという教員と、そうではなくて、のんびりと時間をやろう、勤務すればいいんじゃないかというふうに考える教員が、実は給与面での差が開いてくる、こういう現象も起きてくることも懸念をしているところでございます。
以上です。
この発言だけを見る →あわせて、そういうことに加えて、本来的に、先ほどは触れませんでしたけれども、服務監督権者と任命権者の問題もあって、正直、残業代というのは、基礎自治体である市町村の教育委員会は正直余り痛まないんですけれども、任命権者であるところの県教育委員会にとってみると、そこの支払いというところでギャップが出てきて、ねじれ構造が出てくる、そういうところでもまた様々な問題が起きてくるのかなと。
さらに、もう一つ加えて申し上げますと、一生懸命、効率的に仕事をして、できるだけ早くに切り上げて帰ってくつろいでというか、時間管理を、タイムマネジメントをしっかりやろうという教員と、そうではなくて、のんびりと時間をやろう、勤務すればいいんじゃないかというふうに考える教員が、実は給与面での差が開いてくる、こういう現象も起きてくることも懸念をしているところでございます。
以上です。
梶
梶原貴#25
○梶原参考人 御質問ありがとうございます。
私は給特法と労基法の両方を経験をしておりますので申し上げますけれども、労基法に学校現場が移行したからといって、直ちに長時間労働が是正されるわけではないと思っております。ただ、割増し賃金が払われることで、労使双方で時間を意識した勤務がなされることは確実で、今よりも長時間労働が縮減できると考えております。
他方、教員が労基法で働くことには誤解が生じているとも思っております。例えば、子供と対応していて、定時になったら、はい、じゃ、もうそこで終わりと言って帰るようなイメージがありますけれども、そんなことは全然なくて。そのために三六協定を結ぶわけですから、例えば月四十五時間の三六協定を結んでいるとすれば、子供の対応などで、又は採点業務等々で一日三時間オーバーした、それが十日間あった、月の半分ぐらいでもう三十時間を超えている、リミットまであと十五時間といったときには、そこは今かなり精緻に管理して、それから便利で、例えば決められた十五時間を過ぎる、又は二十時間を過ぎるとアラートが飛んでくるようなシステム、私どもの職場でも採用していますけれども、その時点で管理職と教員が対話をして、例えば、後半ちょっともう四十五時間まで危ないから、では月末にある事務処理はこの先生に代わりにやってもらいましょうとか、そういうマネジメントがコミュニケーションをしながら労使でできるというところが非常に必要なことだと思っております。
それから、勤務時間が縮減されるということですけれども、労基法に移行すればそういうわけで完全にキャップがかかりますので、そのキャップの中で仕事ができるような、人を増やすとか、又は業務量を削減するとか、そういうインセンティブが働きますので、確実に学校の長時間労働は是正されると考えております。
今もありましたけれども、学校や管理職によって、隣の学校と、この業務はこの学校では超勤命令になる、この学校ではならないと、差が生じて混乱が生じるという論がありますけれども、学校によって課題も違いますし、それから目指す学校像も違いますから、それは差が出て当然だというふうに思っております。
最後に、給特法下では、高度専門職として、指揮命令ではなく、裁量を発揮する、又は創造性を発揮すると言われていますけれども、今回のこちらの議論でも盛んにおっしゃっていますけれども、現在の学校は、こなす業務が多過ぎて、裁量とか創造性をなかなか発揮できていないというのが実情であります。学校現場とここの議論の乖離がかなりあるんじゃないのかなというふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →私は給特法と労基法の両方を経験をしておりますので申し上げますけれども、労基法に学校現場が移行したからといって、直ちに長時間労働が是正されるわけではないと思っております。ただ、割増し賃金が払われることで、労使双方で時間を意識した勤務がなされることは確実で、今よりも長時間労働が縮減できると考えております。
他方、教員が労基法で働くことには誤解が生じているとも思っております。例えば、子供と対応していて、定時になったら、はい、じゃ、もうそこで終わりと言って帰るようなイメージがありますけれども、そんなことは全然なくて。そのために三六協定を結ぶわけですから、例えば月四十五時間の三六協定を結んでいるとすれば、子供の対応などで、又は採点業務等々で一日三時間オーバーした、それが十日間あった、月の半分ぐらいでもう三十時間を超えている、リミットまであと十五時間といったときには、そこは今かなり精緻に管理して、それから便利で、例えば決められた十五時間を過ぎる、又は二十時間を過ぎるとアラートが飛んでくるようなシステム、私どもの職場でも採用していますけれども、その時点で管理職と教員が対話をして、例えば、後半ちょっともう四十五時間まで危ないから、では月末にある事務処理はこの先生に代わりにやってもらいましょうとか、そういうマネジメントがコミュニケーションをしながら労使でできるというところが非常に必要なことだと思っております。
それから、勤務時間が縮減されるということですけれども、労基法に移行すればそういうわけで完全にキャップがかかりますので、そのキャップの中で仕事ができるような、人を増やすとか、又は業務量を削減するとか、そういうインセンティブが働きますので、確実に学校の長時間労働は是正されると考えております。
今もありましたけれども、学校や管理職によって、隣の学校と、この業務はこの学校では超勤命令になる、この学校ではならないと、差が生じて混乱が生じるという論がありますけれども、学校によって課題も違いますし、それから目指す学校像も違いますから、それは差が出て当然だというふうに思っております。
最後に、給特法下では、高度専門職として、指揮命令ではなく、裁量を発揮する、又は創造性を発揮すると言われていますけれども、今回のこちらの議論でも盛んにおっしゃっていますけれども、現在の学校は、こなす業務が多過ぎて、裁量とか創造性をなかなか発揮できていないというのが実情であります。学校現場とここの議論の乖離がかなりあるんじゃないのかなというふうに思っております。
以上です。
渡
渡辺陽平#26
○渡辺参考人 御質問ありがとうございます。
様々な意見がありますが、まず、私としましては、前提として、教師の仕事は、教師の自発性、創造性に基づく面が非常に大きいというふうに考えています。
例えば、緊急を要する保護者からの相談を受けるために、保護者の帰宅時間を待って学校で相談を受けたりとか、様々な学年や教科で多様な子供たちに対応する授業を行うためには、当然、そのときそのときで授業準備にかける時間も違ってきたりします。
また、これもお話が出ておりますけれども、最近、様々な自治体で管理職不足が叫ばれている中、ますますそういった切り分けをしなくてはいけない管理職の負担が増え、管理職のなり手が不足してくるのではないかというふうに思います。
これもお話が出ていましたけれども、各学校において管理職が業務を切り分けをするということが、やはり管理職の判断によって様々差が生まれてくるのではと。なので、こちらの学校ではこれは残業だけれども、こちらの学校ではこれは残業にならないといったことが起きた場合には、やはり教職員間の不平等につながるのではないかということも懸念されます。
このように、非常に難しい職である教職に対しましては、やはり教職調整額がふさわしいのではないかというふうに考えています。ですので、給特法を維持しながら、働き方改革も、今般の法改正に伴ってしっかりと進めていただきたいというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →様々な意見がありますが、まず、私としましては、前提として、教師の仕事は、教師の自発性、創造性に基づく面が非常に大きいというふうに考えています。
例えば、緊急を要する保護者からの相談を受けるために、保護者の帰宅時間を待って学校で相談を受けたりとか、様々な学年や教科で多様な子供たちに対応する授業を行うためには、当然、そのときそのときで授業準備にかける時間も違ってきたりします。
また、これもお話が出ておりますけれども、最近、様々な自治体で管理職不足が叫ばれている中、ますますそういった切り分けをしなくてはいけない管理職の負担が増え、管理職のなり手が不足してくるのではないかというふうに思います。
これもお話が出ていましたけれども、各学校において管理職が業務を切り分けをするということが、やはり管理職の判断によって様々差が生まれてくるのではと。なので、こちらの学校ではこれは残業だけれども、こちらの学校ではこれは残業にならないといったことが起きた場合には、やはり教職員間の不平等につながるのではないかということも懸念されます。
このように、非常に難しい職である教職に対しましては、やはり教職調整額がふさわしいのではないかというふうに考えています。ですので、給特法を維持しながら、働き方改革も、今般の法改正に伴ってしっかりと進めていただきたいというふうに考えております。
以上です。
高
高橋哲#27
○高橋参考人 御質問ありがとうございます。
私も、給特法廃止というのは一つの選択肢かと思っておりますが、そこには懸念もございます。
といいますのは、私は、給特法にかかわらず、現在の給特法の下でも、超勤四項目以外の業務には超勤手当を支給し、また、三六協定を締結することで超勤四項目以外の時間外勤務に関する労使合意を取るということが必要だと思っております。
これを明確にしておかないと、先ほど申し上げましたように、現在の教員の時間外勤務がただ働きとなっているのは、これは給特法の問題ではなく、文部科学省による労働基準法三十二条の解釈によってもたらされているからです。そうしないと、仮に給特法が廃止されたとしましても、その時間外勤務が労働時間じゃないと言われてしまって、超勤手当の支給対象にもならないということがあります。
なおかつ、教員の給与に関する基準立法というものでもないと、超勤手当の支給義務だけが現在の自治体に課せられて、今あるパイで超勤手当を出すということになると、これもやはり基本給が削られることになります。
ですので、給特法の廃止をするだけではなくて、あらゆる立法措置が必要がある、そうでないと、そもそも基本給が削られ、教職調整額も廃止され、なおかつ超勤手当も支給されないという最悪のディストピアがあり得るということを申し述べたいと思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →私も、給特法廃止というのは一つの選択肢かと思っておりますが、そこには懸念もございます。
といいますのは、私は、給特法にかかわらず、現在の給特法の下でも、超勤四項目以外の業務には超勤手当を支給し、また、三六協定を締結することで超勤四項目以外の時間外勤務に関する労使合意を取るということが必要だと思っております。
これを明確にしておかないと、先ほど申し上げましたように、現在の教員の時間外勤務がただ働きとなっているのは、これは給特法の問題ではなく、文部科学省による労働基準法三十二条の解釈によってもたらされているからです。そうしないと、仮に給特法が廃止されたとしましても、その時間外勤務が労働時間じゃないと言われてしまって、超勤手当の支給対象にもならないということがあります。
なおかつ、教員の給与に関する基準立法というものでもないと、超勤手当の支給義務だけが現在の自治体に課せられて、今あるパイで超勤手当を出すということになると、これもやはり基本給が削られることになります。
ですので、給特法の廃止をするだけではなくて、あらゆる立法措置が必要がある、そうでないと、そもそも基本給が削られ、教職調整額も廃止され、なおかつ超勤手当も支給されないという最悪のディストピアがあり得るということを申し述べたいと思います。
以上でございます。
坂
坂本祐之輔#28
○坂本(祐)委員 ありがとうございます。
それでは、次に、学習指導要領について梶原参考人と渡辺参考人にお伺いいたします。
学習指導要領については様々な問題が指摘されているところでございますけれども、内容、量については、現場としてはどのように感じているのでしょうか。現在の内容、量は適切であるとお考えでしょうか。お伺いいたします。
この発言だけを見る →それでは、次に、学習指導要領について梶原参考人と渡辺参考人にお伺いいたします。
学習指導要領については様々な問題が指摘されているところでございますけれども、内容、量については、現場としてはどのように感じているのでしょうか。現在の内容、量は適切であるとお考えでしょうか。お伺いいたします。
梶
梶原貴#29
○梶原参考人 ありがとうございます。
ちょうど私どもの中でも話し合っている内容でございます。私どもの資料の二十九ページにありますように、これまで、学習指導要領が改訂されるたびに、子供たちにも教員にも過重な負担になってきている、いわゆるカリキュラムオーバーロードの状態にあると申しておきたいと思います。
ある子供は、ただ、単元の終盤に、ちょうど面白くなってきたというところで、実はもうカリキュラムはぱんぱんですから、もう次の単元に移らなきゃいけない、もっと整理すれば面白いんだけれどもな。私も、現場の頃は、NHKスペシャルの一時間番組なんかを例えばまとめに使うことがあるんですけれども、そういうものをちょっとプラスアルファで使っちゃうと、次の単元がもうもうぱんぱんになっちゃって、駆け足で行かなきゃいけないということもありますので、余裕がない状態であります。
ある子供にとっては、理解が追いついていない状態で、駆け足でもう次の単元に行ってしまう、特に中学校では、放課後は部活動があって補習等ができなくて、なかなか理解ができないままに、もう次々と進んでいってしまっているというのが実情です。そういうことが続くと、十二ページにありますように、自主的に学習しているというよりも、やらされている感が強くなってしまっていると考えております。
次期改訂の際には、総時間数の削減とともに、内容の縮減がセットで行われることを期待しております。
以上です。
この発言だけを見る →ちょうど私どもの中でも話し合っている内容でございます。私どもの資料の二十九ページにありますように、これまで、学習指導要領が改訂されるたびに、子供たちにも教員にも過重な負担になってきている、いわゆるカリキュラムオーバーロードの状態にあると申しておきたいと思います。
ある子供は、ただ、単元の終盤に、ちょうど面白くなってきたというところで、実はもうカリキュラムはぱんぱんですから、もう次の単元に移らなきゃいけない、もっと整理すれば面白いんだけれどもな。私も、現場の頃は、NHKスペシャルの一時間番組なんかを例えばまとめに使うことがあるんですけれども、そういうものをちょっとプラスアルファで使っちゃうと、次の単元がもうもうぱんぱんになっちゃって、駆け足で行かなきゃいけないということもありますので、余裕がない状態であります。
ある子供にとっては、理解が追いついていない状態で、駆け足でもう次の単元に行ってしまう、特に中学校では、放課後は部活動があって補習等ができなくて、なかなか理解ができないままに、もう次々と進んでいってしまっているというのが実情です。そういうことが続くと、十二ページにありますように、自主的に学習しているというよりも、やらされている感が強くなってしまっていると考えております。
次期改訂の際には、総時間数の削減とともに、内容の縮減がセットで行われることを期待しております。
以上です。