憲法審査会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和七年六月四日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月二十一日
辞任 補欠選任
太田 房江君 衛藤 晟一君
高橋はるみ君 赤池 誠章君
青島 健太君 柴田 巧君
六月三日
辞任 補欠選任
平木 大作君 里見 隆治君
六月四日
辞任 補欠選任
里見 隆治君 平木 大作君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
臼井 正一君
佐藤 正久君
中西 祐介君
山本 啓介君
若林 洋平君
熊谷 裕人君
辻元 清美君
谷合 正明君
片山 大介君
川合 孝典君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
赤池 誠章君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
梶原 大介君
片山さつき君
小林 一大君
古庄 玄知君
田中 昌史君
中田 宏君
藤木 眞也君
松川 るい君
松下 新平君
山本佐知子君
吉井 章君
和田 政宗君
打越さく良君
小沢 雅仁君
小西 洋之君
田島麻衣子君
福島みずほ君
水野 素子君
伊藤 孝江君
佐々木さやか君
里見 隆治君
平木 大作君
矢倉 克夫君
浅田 均君
柴田 巧君
松沢 成文君
上田 清司君
仁比 聡平君
山本 太郎君
高良 鉄美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 本多 恵美君
参考人
北九州市立大学
法学部准教授 山本 健人君
日本ファクトチ
ェックセンター
編集長 古田 大輔君
大阪大学社会技
術共創研究セン
ター特任准教授 工藤 郁子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(国民投票法等について))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月二十一日
辞任 補欠選任
太田 房江君 衛藤 晟一君
高橋はるみ君 赤池 誠章君
青島 健太君 柴田 巧君
六月三日
辞任 補欠選任
平木 大作君 里見 隆治君
六月四日
辞任 補欠選任
里見 隆治君 平木 大作君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
臼井 正一君
佐藤 正久君
中西 祐介君
山本 啓介君
若林 洋平君
熊谷 裕人君
辻元 清美君
谷合 正明君
片山 大介君
川合 孝典君
山添 拓君
委 員
青山 繁晴君
赤池 誠章君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
梶原 大介君
片山さつき君
小林 一大君
古庄 玄知君
田中 昌史君
中田 宏君
藤木 眞也君
松川 るい君
松下 新平君
山本佐知子君
吉井 章君
和田 政宗君
打越さく良君
小沢 雅仁君
小西 洋之君
田島麻衣子君
福島みずほ君
水野 素子君
伊藤 孝江君
佐々木さやか君
里見 隆治君
平木 大作君
矢倉 克夫君
浅田 均君
柴田 巧君
松沢 成文君
上田 清司君
仁比 聡平君
山本 太郎君
高良 鉄美君
事務局側
憲法審査会事務
局長 本多 恵美君
参考人
北九州市立大学
法学部准教授 山本 健人君
日本ファクトチ
ェックセンター
編集長 古田 大輔君
大阪大学社会技
術共創研究セン
ター特任准教授 工藤 郁子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(国民投票法等について))
─────────────
中
中曽根弘文#1
○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について、本日の審査会に北九州市立大学法学部准教授山本健人君、日本ファクトチェックセンター編集長古田大輔君及び大阪大学社会技術共創研究センター特任准教授工藤郁子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のため、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について、本日の審査会に北九州市立大学法学部准教授山本健人君、日本ファクトチェックセンター編集長古田大輔君及び大阪大学社会技術共創研究センター特任准教授工藤郁子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中
中曽根弘文#3
○会長(中曽根弘文君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本審査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、山本参考人、古田参考人、工藤参考人の順にお一人十二分程度で順次御意見をお述べいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
全体の所要は二時間を目途といたします。
なお、御発言は、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。
それでは、まず山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
この発言だけを見る →本日は、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について参考人の皆様から御意見を伺います。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本審査会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、山本参考人、古田参考人、工藤参考人の順にお一人十二分程度で順次御意見をお述べいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
全体の所要は二時間を目途といたします。
なお、御発言は、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。
それでは、まず山本参考人にお願いいたします。山本参考人。
山
山本健人#4
○参考人(山本健人君) 本日は、参議院憲法審査会という貴重な場で意見を述べる機会を賜り、大変光栄に存じます。
私は憲法学を専門としており、本日の議題との関係では、デジタル立憲主義という観点から、デジタル空間を立憲化するための憲法理論について検討をしてまいりました。
本日は、より具体的な問題として、憲法学の観点から、日本国憲法の改正手続に関する法律の下で実施されることになる国民投票において、インターネット上の偽情報等への対策をどのように考えるべきかという論点について私見を述べさせていただきます。
私の意見の概要を簡単にまとめますと、まず、この問題については、現時点で決定打となる対策はなく、様々な対策を多面的、同時並行的に実施していくほかないというふうに考えております。対策の検討に当たっては、想定される対策の効果及び選挙運動の自由、表現の自由に与える影響を考慮し、何を実施し、何を実施しないかを検討すべきというふうに考えます。
他方で、国民投票の実施に際して、国家が偽情報等への対策をすることは望ましいというふうに考えます。また、選挙の公正や有権者の判断の自由の確保といった対策を行うための正当な理由も存在しているというふうに考えます。
なお、偽情報やフェイクニュースという言葉の定義自体にも議論があるところですが、以下では基本的には偽情報と呼ばれるものを念頭に置きます。ただし、私の資料の一ページ目、そして二ページ目の図にあるとおり、それぞれは重なり合う概念であるため、対策ごとに対象とする情報のどの側面にフォーカスするかを意識しておく必要があるというふうに考えます。
それでは、時間も限られておりますので、2の対策の基本的方向性に進みます。
インターネット上の偽情報等の根絶や影響力の無効化はほぼ不可能だと思われます。その根絶を目標に設定できない中で、基本的な対策は次の三つの方向性になるというふうに考えております。
第一に、偽情報等の量あるいは接触機会を減らすという方向性です。第二に、正確な情報やファクトチェック記事の配信によって偽情報等に対抗する言論を増やすという方向性。そして第三に、情報受領者のメディアリテラシーやICTリテラシーを高めるという方向性です。
いずれの方向性も重要ですが、憲法学の観点からは第一、第二の方向性について慎重な検討が必要になるというふうに考えられます。本日はこの第一、第二の点について意見を述べたいというふうに考えております。
また、インターネット上の偽情報等がSNS等のプラットフォーム事業者の提供するサービスを通じて流通、拡散することを踏まえれば、対策の検討に当たっては対策のターゲットを念頭に置いていくことも重要と考えます。すなわち、各対策のターゲットが偽情報等の発信者なのか、SNS等のサービスを展開するプラットフォーム事業者なのか、SNS等を利用して情報を摂取するユーザーのいずれになるのかという、こういう視点ということになります。
それでは、3のところに入ります。
この方向性の対策としては、選挙時ないし国民投票時における偽情報等の違法化というものが挙げられます。
選挙や国民投票に際して偽情報等を発信することが違法であれば、偽情報等の発信者に対して当該発信を思いとどまらせることになります。
この点、公職選挙法は二百三十五条で虚偽事項公表罪を規定しています。同条についてかつて最高裁は、選挙人の候補者に対する公正な判断を誤らしめないようにするための一連の規定というふうに評価して、選挙人の判断の自由を保護しようとするものだというふうに述べております。
これと対比したとき、現行の国民投票法では同様の規定が欠けております。公職選挙法は公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者に関する虚偽事項の公表を問題にしているため、そのまま国民投票法にこの規定をスライドすることはできません。国民投票法では、国民投票の論点に関する虚偽事項の公表を規律する条項が必要になるのではないかというふうに考えます。
ただし、注意が必要なのは、国民投票においていかなる事項を虚偽事項として絞り込むかということになります。例えば、発議された憲法改正原案など正本が存在していて、それとの対比によって客観的かつ明らかに真偽が判断できるものなどをこれに指定することは問題ないというふうに思われます。しかし、それを超えて何を指定するのかや、事実をゆがめることのような解釈の余地のある範疇というものを認めるのか、こういった点は表現の自由との関係で慎重な検討が必要になるというふうに考えます。また、少なくとも、意見、評価を指定することは困難というふうに考えます。
この点、虚偽の表現も表現の自由の保護の対象になるとの見解がありますが、その保護が強力なものになるとは考え難く、有権者の判断の自由や選挙の公正といった正当な規制利益に基づき適切に絞り込まれた規制であれば、虚偽の表現の制約は正当化の余地があるというふうに考えます。
次に、この方向性では、偽情報等の削除ということも想定される対策になろうかと思います。
といいますのは、国民投票時に偽情報等を発信することを違法とすれば、当然罰則を科すことになりますし、事後的に発信者の責任を追及することは可能となるわけですが、国民投票時に偽情報等の影響を受けて有権者が投票したことが事後的に明らかになったとしても、投票結果は覆らないということになるからです。
そのため、違法化した偽情報等については、国民投票の期間中、迅速な対応義務あるいは削除義務をプラットフォーム事業者に課すべきとの主張があり得ます。ただ、これには、選挙運動の自由、表現の自由との関係で更なる検討が必要と思われます。といいますのは、削除は表現の可視性に直接的な影響を与えることになるため、事後的に虚偽でないと反対に明らかになった場合、当該表現が国民投票で持つはずだった影響力を不当に排除することになるためです。
一般的に、偽情報等には、もう明らかな虚偽事項から真偽不明な情報まで幅広いグラデーションがあり、直ちに真偽を判断することが困難なケースが多いというふうに言えます。違法化の範囲をどの程度絞り込むかとも関連しますが、削除を義務付けられるのは、客観的かつ明確に虚偽事項該当性を判断できるものに限定されるというふうに考えます。
なお、違法化されていない有害な偽情報等については、削除を含む対応義務を課すことは困難というふうに考えます。有害な偽情報等については、プラットフォーム事業者に対して、例えば真偽不明の情報などに警告表示のラベルを付す等の対応を求めるといった対策もあり得るかと思いますが、これは基本的には自主的な対応を促す方向性ということになろうかと思われます。
三つ目としまして、国民投票運動のための広告規制という対策もあります。
国民投票運動は原則として自由に行うことができるというふうにされておりますが、例外的に、投票期日の十四日前から国民投票運動のための広告放送を制限しています。その趣旨は、時として国民の感情に訴え、扇情的なものとなる可能性もある放送メディアの広告については、全く規制がない場合、国民の冷静な判断を阻害するおそれがあるというふうに説明されております。
この点、インターネットを介したデジタル広告は、この趣旨とほぼ完全に整合する懸念を持つというふうに考えられます。
現在のデジタル広告ではターゲティング技術が利用可能となっておりまして、広告の出稿者は、有権者の属性や特性を分析し、各有権者グループに効果的にリーチするようにカスタマイズした広告を表示させることが可能となっております。そして、デジタル広告に偽情報などを含ませ、有権者を誘導、操作するように活用されることがあれば、デジタル広告の持つ懸念が強調されます。ケンブリッジ・アナリティカ事件などを思い起こせば、この懸念は現実に起こり得るものと想定しておくべきというふうに思われます。
憲法学の観点からは、こうした懸念は、有権者の思想、良心の自由や判断の自由を保護する国家の責務とも関連します。
しかし、他方で、各有権者グループが欲する情報を的確に分析し、当該情報を届けるために利用されるのであれば、デジタル広告は有権者の政治的関心や論点への理解を深める契機ともなります。
デジタル広告に功罪があることを踏まえれば、一律禁止といった方向性はあり得ないとまでは言えませんが、もう少し穏当な方法もあり得るのではないかというふうに思われます。例えば、プラットフォーム事業者に対して、広告放送と同じく、期日前の一定期間においてデジタル広告の配信を制限すること、あるいは配信されたデジタル広告をライブラリー化し、一定期間の保存、公開義務を課す、こういった規制を行うことが考えられます。
それでは、私の意見としては、最後に4に移りたいと思います。
この方向性では、まず、正確な情報の発信という対策が考えられます。
この点、国民投票法は、国民投票広報協議会を設置し、広報に関する事務等を行わせるというふうにしております。この広報に関する事務の一環として、国民投票の論点に関する正確な情報を分かりやすく発信することで、情報受領者の判断を支援することが望ましいというふうに考えられます。
例えば、とりわけ若者の情報接触行動の変容を踏まえれば、SNS等を通じた配信も望まれます。また、私見では、広報協議会の保有する正確な情報を公開、保存するウェブサイトを開設することが特に重要と考えます。偽情報等が流通、拡散することになったとしても、国民投票の論点に関する基礎的かつ正確な情報を閲覧できる場所の確保は貴重な意義を持つと考えます。
他方で、SNS等での発信を含め積極的な広報を行うのだとすれば、その実施に当たって、広報協議会から発信する情報に誤りが含まれないようにする制度的、組織的な手当ても必要であるというふうに考えます。国民投票法では、客観的、中立的、公平かつ平等な広報が想定されておりますが、その実効性を担保する仕組みの確立も求められるというふうに思われるからです。
また、この方向としては、ファクトチェックとの関係も議論になります。ファクトチェックと政府の関係ですね。
ファクトチェック記事は、情報受領者の判断を支援する上で重要なものなんですけれども、ファクトチェック機関への政府支援の在り方が度々課題となってまいりました。とりわけ、政府の資金がファクトチェック機関の財源となることで、ファクトチェック機関の独立性との関係が懸念されています。
しかし、ファクトチェックの持続可能性もまた重要な課題というふうに言えます。これまで、大手プラットフォーム事業者などがファクトチェックを支援してきましたが、これも徐々に撤退しているという現状もあります。また、ファクトチェック自体をビジネスとして確立させるためには、まだ明確なビジョンが見えていない段階にあるのではないかというふうに思われます。
この点は、私よりも後ほどの古田参考人の方が詳しいでしょうから、訂正があるのかもしれませんが、そのような認識を持っております。
これらの点を踏まえ、また、ファクトチェックが情報を削除するようなものではなく、情報を追加する作用だとすれば……
この発言だけを見る →私は憲法学を専門としており、本日の議題との関係では、デジタル立憲主義という観点から、デジタル空間を立憲化するための憲法理論について検討をしてまいりました。
本日は、より具体的な問題として、憲法学の観点から、日本国憲法の改正手続に関する法律の下で実施されることになる国民投票において、インターネット上の偽情報等への対策をどのように考えるべきかという論点について私見を述べさせていただきます。
私の意見の概要を簡単にまとめますと、まず、この問題については、現時点で決定打となる対策はなく、様々な対策を多面的、同時並行的に実施していくほかないというふうに考えております。対策の検討に当たっては、想定される対策の効果及び選挙運動の自由、表現の自由に与える影響を考慮し、何を実施し、何を実施しないかを検討すべきというふうに考えます。
他方で、国民投票の実施に際して、国家が偽情報等への対策をすることは望ましいというふうに考えます。また、選挙の公正や有権者の判断の自由の確保といった対策を行うための正当な理由も存在しているというふうに考えます。
なお、偽情報やフェイクニュースという言葉の定義自体にも議論があるところですが、以下では基本的には偽情報と呼ばれるものを念頭に置きます。ただし、私の資料の一ページ目、そして二ページ目の図にあるとおり、それぞれは重なり合う概念であるため、対策ごとに対象とする情報のどの側面にフォーカスするかを意識しておく必要があるというふうに考えます。
それでは、時間も限られておりますので、2の対策の基本的方向性に進みます。
インターネット上の偽情報等の根絶や影響力の無効化はほぼ不可能だと思われます。その根絶を目標に設定できない中で、基本的な対策は次の三つの方向性になるというふうに考えております。
第一に、偽情報等の量あるいは接触機会を減らすという方向性です。第二に、正確な情報やファクトチェック記事の配信によって偽情報等に対抗する言論を増やすという方向性。そして第三に、情報受領者のメディアリテラシーやICTリテラシーを高めるという方向性です。
いずれの方向性も重要ですが、憲法学の観点からは第一、第二の方向性について慎重な検討が必要になるというふうに考えられます。本日はこの第一、第二の点について意見を述べたいというふうに考えております。
また、インターネット上の偽情報等がSNS等のプラットフォーム事業者の提供するサービスを通じて流通、拡散することを踏まえれば、対策の検討に当たっては対策のターゲットを念頭に置いていくことも重要と考えます。すなわち、各対策のターゲットが偽情報等の発信者なのか、SNS等のサービスを展開するプラットフォーム事業者なのか、SNS等を利用して情報を摂取するユーザーのいずれになるのかという、こういう視点ということになります。
それでは、3のところに入ります。
この方向性の対策としては、選挙時ないし国民投票時における偽情報等の違法化というものが挙げられます。
選挙や国民投票に際して偽情報等を発信することが違法であれば、偽情報等の発信者に対して当該発信を思いとどまらせることになります。
この点、公職選挙法は二百三十五条で虚偽事項公表罪を規定しています。同条についてかつて最高裁は、選挙人の候補者に対する公正な判断を誤らしめないようにするための一連の規定というふうに評価して、選挙人の判断の自由を保護しようとするものだというふうに述べております。
これと対比したとき、現行の国民投票法では同様の規定が欠けております。公職選挙法は公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者に関する虚偽事項の公表を問題にしているため、そのまま国民投票法にこの規定をスライドすることはできません。国民投票法では、国民投票の論点に関する虚偽事項の公表を規律する条項が必要になるのではないかというふうに考えます。
ただし、注意が必要なのは、国民投票においていかなる事項を虚偽事項として絞り込むかということになります。例えば、発議された憲法改正原案など正本が存在していて、それとの対比によって客観的かつ明らかに真偽が判断できるものなどをこれに指定することは問題ないというふうに思われます。しかし、それを超えて何を指定するのかや、事実をゆがめることのような解釈の余地のある範疇というものを認めるのか、こういった点は表現の自由との関係で慎重な検討が必要になるというふうに考えます。また、少なくとも、意見、評価を指定することは困難というふうに考えます。
この点、虚偽の表現も表現の自由の保護の対象になるとの見解がありますが、その保護が強力なものになるとは考え難く、有権者の判断の自由や選挙の公正といった正当な規制利益に基づき適切に絞り込まれた規制であれば、虚偽の表現の制約は正当化の余地があるというふうに考えます。
次に、この方向性では、偽情報等の削除ということも想定される対策になろうかと思います。
といいますのは、国民投票時に偽情報等を発信することを違法とすれば、当然罰則を科すことになりますし、事後的に発信者の責任を追及することは可能となるわけですが、国民投票時に偽情報等の影響を受けて有権者が投票したことが事後的に明らかになったとしても、投票結果は覆らないということになるからです。
そのため、違法化した偽情報等については、国民投票の期間中、迅速な対応義務あるいは削除義務をプラットフォーム事業者に課すべきとの主張があり得ます。ただ、これには、選挙運動の自由、表現の自由との関係で更なる検討が必要と思われます。といいますのは、削除は表現の可視性に直接的な影響を与えることになるため、事後的に虚偽でないと反対に明らかになった場合、当該表現が国民投票で持つはずだった影響力を不当に排除することになるためです。
一般的に、偽情報等には、もう明らかな虚偽事項から真偽不明な情報まで幅広いグラデーションがあり、直ちに真偽を判断することが困難なケースが多いというふうに言えます。違法化の範囲をどの程度絞り込むかとも関連しますが、削除を義務付けられるのは、客観的かつ明確に虚偽事項該当性を判断できるものに限定されるというふうに考えます。
なお、違法化されていない有害な偽情報等については、削除を含む対応義務を課すことは困難というふうに考えます。有害な偽情報等については、プラットフォーム事業者に対して、例えば真偽不明の情報などに警告表示のラベルを付す等の対応を求めるといった対策もあり得るかと思いますが、これは基本的には自主的な対応を促す方向性ということになろうかと思われます。
三つ目としまして、国民投票運動のための広告規制という対策もあります。
国民投票運動は原則として自由に行うことができるというふうにされておりますが、例外的に、投票期日の十四日前から国民投票運動のための広告放送を制限しています。その趣旨は、時として国民の感情に訴え、扇情的なものとなる可能性もある放送メディアの広告については、全く規制がない場合、国民の冷静な判断を阻害するおそれがあるというふうに説明されております。
この点、インターネットを介したデジタル広告は、この趣旨とほぼ完全に整合する懸念を持つというふうに考えられます。
現在のデジタル広告ではターゲティング技術が利用可能となっておりまして、広告の出稿者は、有権者の属性や特性を分析し、各有権者グループに効果的にリーチするようにカスタマイズした広告を表示させることが可能となっております。そして、デジタル広告に偽情報などを含ませ、有権者を誘導、操作するように活用されることがあれば、デジタル広告の持つ懸念が強調されます。ケンブリッジ・アナリティカ事件などを思い起こせば、この懸念は現実に起こり得るものと想定しておくべきというふうに思われます。
憲法学の観点からは、こうした懸念は、有権者の思想、良心の自由や判断の自由を保護する国家の責務とも関連します。
しかし、他方で、各有権者グループが欲する情報を的確に分析し、当該情報を届けるために利用されるのであれば、デジタル広告は有権者の政治的関心や論点への理解を深める契機ともなります。
デジタル広告に功罪があることを踏まえれば、一律禁止といった方向性はあり得ないとまでは言えませんが、もう少し穏当な方法もあり得るのではないかというふうに思われます。例えば、プラットフォーム事業者に対して、広告放送と同じく、期日前の一定期間においてデジタル広告の配信を制限すること、あるいは配信されたデジタル広告をライブラリー化し、一定期間の保存、公開義務を課す、こういった規制を行うことが考えられます。
それでは、私の意見としては、最後に4に移りたいと思います。
この方向性では、まず、正確な情報の発信という対策が考えられます。
この点、国民投票法は、国民投票広報協議会を設置し、広報に関する事務等を行わせるというふうにしております。この広報に関する事務の一環として、国民投票の論点に関する正確な情報を分かりやすく発信することで、情報受領者の判断を支援することが望ましいというふうに考えられます。
例えば、とりわけ若者の情報接触行動の変容を踏まえれば、SNS等を通じた配信も望まれます。また、私見では、広報協議会の保有する正確な情報を公開、保存するウェブサイトを開設することが特に重要と考えます。偽情報等が流通、拡散することになったとしても、国民投票の論点に関する基礎的かつ正確な情報を閲覧できる場所の確保は貴重な意義を持つと考えます。
他方で、SNS等での発信を含め積極的な広報を行うのだとすれば、その実施に当たって、広報協議会から発信する情報に誤りが含まれないようにする制度的、組織的な手当ても必要であるというふうに考えます。国民投票法では、客観的、中立的、公平かつ平等な広報が想定されておりますが、その実効性を担保する仕組みの確立も求められるというふうに思われるからです。
また、この方向としては、ファクトチェックとの関係も議論になります。ファクトチェックと政府の関係ですね。
ファクトチェック記事は、情報受領者の判断を支援する上で重要なものなんですけれども、ファクトチェック機関への政府支援の在り方が度々課題となってまいりました。とりわけ、政府の資金がファクトチェック機関の財源となることで、ファクトチェック機関の独立性との関係が懸念されています。
しかし、ファクトチェックの持続可能性もまた重要な課題というふうに言えます。これまで、大手プラットフォーム事業者などがファクトチェックを支援してきましたが、これも徐々に撤退しているという現状もあります。また、ファクトチェック自体をビジネスとして確立させるためには、まだ明確なビジョンが見えていない段階にあるのではないかというふうに思われます。
この点は、私よりも後ほどの古田参考人の方が詳しいでしょうから、訂正があるのかもしれませんが、そのような認識を持っております。
これらの点を踏まえ、また、ファクトチェックが情報を削除するようなものではなく、情報を追加する作用だとすれば……
中
山
山本健人#6
○参考人(山本健人君) 失礼しました。はい。
そうですね、情報を追加する作用だとすれば、それへの支援というものは、検閲的なものへの関与ではなくて、政府の公的助成の文脈で理解されるべきだと思います。このように捉えた場合、ファクトチェックが果たすべき本来の役割を損なわせない形での政府介入は許されるというふうに考えます。
以上、雑駁なものとなりましたけれども、国民投票における偽情報等の対策について、憲法学の観点を踏まえた私見を述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →そうですね、情報を追加する作用だとすれば、それへの支援というものは、検閲的なものへの関与ではなくて、政府の公的助成の文脈で理解されるべきだと思います。このように捉えた場合、ファクトチェックが果たすべき本来の役割を損なわせない形での政府介入は許されるというふうに考えます。
以上、雑駁なものとなりましたけれども、国民投票における偽情報等の対策について、憲法学の観点を踏まえた私見を述べさせていただきました。
どうもありがとうございました。
中
古
古田大輔#8
○参考人(古田大輔君) ありがとうございます。
本日は、貴重な機会をありがとうございます。
そして、私の資料すごく多いので、ざあっと読みながら進めていきたいと思います。
まず最初に、お断りですが、本日の資料や発言に関しては、日本ファクトチェックセンターの編集長としての活動を通じて得られているものですが、あくまで個人に属するものであるということを御理解いただければと思います。
次、三ページ。私の自己紹介なんですけれども、私、元々朝日新聞の記者をしていて、その後、アメリカのメディア、バズフィードというところのヘッドハントがあって、そこの創刊編集長を三年ほどしておりました。ファクトチェックを私が始めたのがこのとき、二〇一六年からです。なので、日本の中では最も早く始めた人間の一人かなと思います。
次、お願いします。
日本ファクトチェックセンターなんですけれども、二〇二二年に設立しました。母体は一般社団法人セーファーインターネット協会で、非営利で偽情報対策に取り組んでおります。活動は二本柱で、ファクトチェックの実践とメディアリテラシーの普及。そのほかにも、偽情報の調査研究や技術開発にも貢献しております。そして、二〇二三年五月に国際ファクトチェックネットワーク、IFCNに加盟しております。今、大体二年八か月で約七百本のファクトチェック記事を配信しており、国内では最多となっております。
次のページなんですけれども、私がファクトチェックを始めた二〇一六年、これが世界においては偽情報がとんでもないことになっているぞと気付いた年です。何があったかというと、イギリスのブレグジットの国民投票、アメリカでは米大統領選でトランプ候補が勝利と、両方想像を超えた事態が起きていたわけですね。これで、このネット上の情報が投票行動に与える影響ということに世界中の人たちが気付いた。これで、二〇一六年以降、世界中でファクトチェック団体とかメディアリテラシーとか法的規制の議論というものが一気に強まっていきました。
日本にとっては、それが二〇二四年だったんではないかというふうに感じています。東京都知事選、総選挙、兵庫県知事選、これで皆さんが、あっ、ネットの情報でこんなに投票が動くんだということを実感した。なので、この世界の二〇一六年が日本の二〇二四年だなと感じております。
次をお願いします。
結論からなんですけれども、七ページ、ファクトチェックは対策として必要不可欠ですが、それだけでは全く不十分です。なぜなら、うそは一秒でつけるんですね、で、ファクトチェックしようと思ったら、最低でも数時間掛かるわけです。これもう全く数の上で勝負にならないんですよね。しかも、うそをつく方は、それでお金もうけができたり、それで選挙に勝ったり、インセンティブがあります。でも、ファクトチェック側は、それを無料で配布しないといけないのでビジネスにもならないし、もう全くもってこれだけでは勝負になりません。
次、お願いします。
というわけで、我々ファクトチェック業界の人間たちは十年間ぐらいこういうのを議論をしているんですよね。で、みんなもう同じ結論出していて、今、山本先生からもまさにお話があったように、もう複合的にいろんなことをやるしかない、ファクトチェックはそのいろんなことをやるために参考になる資料になるんですね。あっ、こういう偽情報が拡散していて、こうやったら検証できるんだなという資料を整えるのがファクトチェックという効果もあります。
じゃ、十ページ、お願いします。
そんな中で、日本ファクトチェックセンターは主にファクトチェックをやっているんですけれども、今現在でいうと、設立当初が月十本ぐらいやっていました、今は体制を整えて月四十本ぐらいやっています。日本の中では圧倒的に多い数字です。
十一ページ。検証対象なんですけれども、元々、医療・健康、国際問題、政治、文化・エンタメ、事件・事故、もう何でもやっております。二〇二四年からの圧倒的なこのトレンドとしては、政治、選挙関連が圧倒的に増えた、これも明らかに都知事選、総選挙、兵庫県知事選の影響です。
一度こういうトレンドが動き始めると、世界的な状況を見てもトレンドは変わりません。今後ますます選挙と政治に関する偽情報が増えます。なぜなら、それが金になるとか、これが力になるということを認識した人たちがいるからです。
次、十二ページ。我々は、この検証対象を選ぶ際に公正さを非常に重視しております。私たちが何でこれを検証しているのかということを人にちゃんと説明できるようにしておく、そのために、その偽情報の検証対象に関して、影響する人の多さとか、影響の深刻さ、そして影響の身近さ、ここら辺を尺度にして検証対象を選んでおります。
次、十三ページ。もう一つ非常に重要なのが、大前提として、我々がやっているのはファクトチェックです。オピニオンチェックではありません。
なので、例えば、雲が出ている、雨が降りそうだ、傘を持とうという文章があったときに、私たちが検証をするのは、あくまで雲が出ているという事実の提示に関してです。本当に雲出ているんですかというところですね。雲が出ていなかったら誤情報というふうに我々は検証します。一方で、たとえ雲が一つも出ていなくても、雨が降りそうだって考えることや、傘を念のため持ち歩くのは本人の自由です。なので、そこに関しては我々は全く検証しません。
次、お願いします。
そういった中で、我々、日々検証しているんですけれども、特に注目が集まるトピック、注目が集まるトピックというのは、つまり偽・誤情報のターゲットになりがちです。
なので、例えば災害とか選挙とか、そういったときに関しては非常に集中的に検証をするようにしています。日本においてはもう一つ、この福島第一原発からの処理水の海洋放出、これはもう国際的に偽・誤情報の標的になっていたので、このときにはかなり力を入れて特集をしました。
十五ページです。
二〇二四年総選挙のときの我々の状況なんですけれども、十二日間の間で二十八本のファクトチェック記事と五本の解説記事を出しました。同じ期間にどれだけのファクトチェック記事が出ているのかというのを数えていました。我々以外にファクトチェック団体は日本に二つあります。それ以外に、全国紙及びキー局、そして通信社がどれだけファクトチェック記事を出すか数えてみたんですけれども、六本でした。ということは、日本において総選挙で出たファクトチェック記事の合計は三十四本です。これは、日本の規模の民主主義国家ではあり得ないほどの少なさです。
なので、我々は、日本としてこの偽情報対策が世界に比べて八年遅れたというのはやっぱり今もかなり影響している、日本は非常にこの偽情報対策が遅れた国であるということが言えるかと思います。
十六ページをお願いします。
さらに、もう一つ大きな問題があります。それは、人々が情報を求めている瞬間に情報が十分に存在していないということです。これを我々は情報の空白と呼んでおります。
この左側のチャートなんですけれども、兵庫県の人々が、グーグル検索で兵庫県知事選に関するワードをどれだけ、いつの段階で検索し始めたかというのを調べたチャートです。それで見ると、当たり前の話ですけど、皆さん、告示日後に検索を始めるんですよね。ただ、同時に、そのタイミングで新聞やテレビは個別候補者に関する記事を余り書かなくなる。公正性を配慮して、有利にも不利にもならないようにしようという配慮ですね。その結果、何が起こるかというと、例えば、ユーチューブの検索結果を当時見ていた方は多分驚愕したと思うんですけれども、トップからずらりと立花さんや立花さんが語っている動画ばかりがずらっと並ぶことになってしまう。
そういうのが情報の空白ですね。人々が情報を求めている瞬間にそれに関する信頼性の高い情報が十分に供給されない状況になってしまう。そうすると、この偽・誤情報が大きな影響力を持つようになります。
十七ページの図を見てください。
私たちがやっているのは、その情報の空白に皆さんが検索しそうなキーワードでファクトチェックを打ち込んでいくことです。これが非常に重要です。
よくソーシャルメディア上では偽情報の方がよく拡散するではないかというふうに言う人います。それは事実です。しかし、検索結果を見てみてください。皆さん、気になった情報は検索するんですよね。そのときに、我々の情報、ファクトチェック情報というものは必ず偽情報よりも上に出てくる。ここでやっぱり勝負をする必要があるのかなというふうに思っております。
十八ページです。
このようにして、我々、自分たちのサイトだけではなくて様々なプラットフォームそれぞれにコンテンツを配信しており、十九ページ、生成AIにも我々の記事というものは参考にされております。
そして、二十ページ。世界的なファクトチェックのデータベースとしては、グーグルのファクトチェックエクスプローラーというところがあります。ここにも日本から唯一我々の記事だけが収録されるようになっております。
次に、二十一ページからなんですけれども、ここは私たちがやっている教育活動です。
冒頭に申し上げたように、ファクトチェックは必要不可欠な対策ですが、それだけでは不十分です。皆さん一人一人が偽情報から守る盾を身に付けていただけるように、私たちはこのJFCのファクトチェック講座というものを開いております。
一つ飛ばして二十四ページ、二十五ページを見ていただきたいんですけれども、そのファクトチェック講座、これ無料で受けられます。それを受けた方々に今度は認定試験を受けていただいて、このバッジを配っております。さらに、教育者向けには講師養成講座も開いております。この講師養成講座を修了された方がどんどん増えておりまして、その方々に草の根でファクトチェック教育を広げていってもらっております。
次のページ、二十六ページですね。
その講師養成講座を修了した方々には、私たちから最新の、今はこういうのがはやっているから気を付けてねというふうな教材を共有するようにしております。
二十九ページ、三十ページの方を見ていただきたいんですけれども、こういった、我々、そのファクトチェックやメディアリテラシーの知見を更に広げていくために、まず、やっぱりエビデンスが重要ですので、調査研究をいろんな団体とさせていただいております。それを基にシンポジウムで業界や組織を超えて知見を共有するようにしております。
三十三ページですね。このAIツールの開発なども非常に重要になってきておりますので、このAI開発企業などとも協力をしております。要は、AIにどうやってファクトチェックするかを教えるのは人間なんですよね。なので、そういうふうな我々の知見を基にAIツールの開発に取り組んでいただくようにしております。
残りまだあと半分ぐらいあるんですけれども、そこはざっと見ていただくことにして、五十五ページ、五十六ページのところをちょっと見ていただけたらと思います。
五十六ページ、皆さんも御関心あるかと思いますけれども、財務省、厚労省解体デモのようなものがなぜ広がるのかというところです。これは、この中ではもう私たちが検証したようなことがいまだにずっと語られているんですよね。五十七ページを見てみてください。
そして、五十八ページ、五十九ページを見ていただきたいんですけれども、なぜそういったことが信じられてしまうのかというと、それは個人の体験や感覚に根差しているからです。いやもう生活が苦しいであるとか、政府は信用できないであるとか、そういうふうな個人的な体験や感覚に根差したところにこのナラティブ、物事の見方が生まれてきます。厚労省や財務省は問題のある組織で信頼できないというような見方が生まれ、そうすると偽情報、誤情報が広がりやすくなってしまいます。
次のページを最後にしたいと思うんですけれども、そういったことを防いでいくためにはまずもって信頼性の獲得が重要です。それはメディアもそうですし、ファクトチェック機関もそうですし、政府もそうです。そういった中で非常に重要になってくるのが情報公開。常になぜ私たちがそういうふうな取組をしているのかということを広げていくということがまずもって重要なのかなというふうに思っております。
以上、雑駁ですが、ここまでとしたいと思います。ありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会をありがとうございます。
そして、私の資料すごく多いので、ざあっと読みながら進めていきたいと思います。
まず最初に、お断りですが、本日の資料や発言に関しては、日本ファクトチェックセンターの編集長としての活動を通じて得られているものですが、あくまで個人に属するものであるということを御理解いただければと思います。
次、三ページ。私の自己紹介なんですけれども、私、元々朝日新聞の記者をしていて、その後、アメリカのメディア、バズフィードというところのヘッドハントがあって、そこの創刊編集長を三年ほどしておりました。ファクトチェックを私が始めたのがこのとき、二〇一六年からです。なので、日本の中では最も早く始めた人間の一人かなと思います。
次、お願いします。
日本ファクトチェックセンターなんですけれども、二〇二二年に設立しました。母体は一般社団法人セーファーインターネット協会で、非営利で偽情報対策に取り組んでおります。活動は二本柱で、ファクトチェックの実践とメディアリテラシーの普及。そのほかにも、偽情報の調査研究や技術開発にも貢献しております。そして、二〇二三年五月に国際ファクトチェックネットワーク、IFCNに加盟しております。今、大体二年八か月で約七百本のファクトチェック記事を配信しており、国内では最多となっております。
次のページなんですけれども、私がファクトチェックを始めた二〇一六年、これが世界においては偽情報がとんでもないことになっているぞと気付いた年です。何があったかというと、イギリスのブレグジットの国民投票、アメリカでは米大統領選でトランプ候補が勝利と、両方想像を超えた事態が起きていたわけですね。これで、このネット上の情報が投票行動に与える影響ということに世界中の人たちが気付いた。これで、二〇一六年以降、世界中でファクトチェック団体とかメディアリテラシーとか法的規制の議論というものが一気に強まっていきました。
日本にとっては、それが二〇二四年だったんではないかというふうに感じています。東京都知事選、総選挙、兵庫県知事選、これで皆さんが、あっ、ネットの情報でこんなに投票が動くんだということを実感した。なので、この世界の二〇一六年が日本の二〇二四年だなと感じております。
次をお願いします。
結論からなんですけれども、七ページ、ファクトチェックは対策として必要不可欠ですが、それだけでは全く不十分です。なぜなら、うそは一秒でつけるんですね、で、ファクトチェックしようと思ったら、最低でも数時間掛かるわけです。これもう全く数の上で勝負にならないんですよね。しかも、うそをつく方は、それでお金もうけができたり、それで選挙に勝ったり、インセンティブがあります。でも、ファクトチェック側は、それを無料で配布しないといけないのでビジネスにもならないし、もう全くもってこれだけでは勝負になりません。
次、お願いします。
というわけで、我々ファクトチェック業界の人間たちは十年間ぐらいこういうのを議論をしているんですよね。で、みんなもう同じ結論出していて、今、山本先生からもまさにお話があったように、もう複合的にいろんなことをやるしかない、ファクトチェックはそのいろんなことをやるために参考になる資料になるんですね。あっ、こういう偽情報が拡散していて、こうやったら検証できるんだなという資料を整えるのがファクトチェックという効果もあります。
じゃ、十ページ、お願いします。
そんな中で、日本ファクトチェックセンターは主にファクトチェックをやっているんですけれども、今現在でいうと、設立当初が月十本ぐらいやっていました、今は体制を整えて月四十本ぐらいやっています。日本の中では圧倒的に多い数字です。
十一ページ。検証対象なんですけれども、元々、医療・健康、国際問題、政治、文化・エンタメ、事件・事故、もう何でもやっております。二〇二四年からの圧倒的なこのトレンドとしては、政治、選挙関連が圧倒的に増えた、これも明らかに都知事選、総選挙、兵庫県知事選の影響です。
一度こういうトレンドが動き始めると、世界的な状況を見てもトレンドは変わりません。今後ますます選挙と政治に関する偽情報が増えます。なぜなら、それが金になるとか、これが力になるということを認識した人たちがいるからです。
次、十二ページ。我々は、この検証対象を選ぶ際に公正さを非常に重視しております。私たちが何でこれを検証しているのかということを人にちゃんと説明できるようにしておく、そのために、その偽情報の検証対象に関して、影響する人の多さとか、影響の深刻さ、そして影響の身近さ、ここら辺を尺度にして検証対象を選んでおります。
次、十三ページ。もう一つ非常に重要なのが、大前提として、我々がやっているのはファクトチェックです。オピニオンチェックではありません。
なので、例えば、雲が出ている、雨が降りそうだ、傘を持とうという文章があったときに、私たちが検証をするのは、あくまで雲が出ているという事実の提示に関してです。本当に雲出ているんですかというところですね。雲が出ていなかったら誤情報というふうに我々は検証します。一方で、たとえ雲が一つも出ていなくても、雨が降りそうだって考えることや、傘を念のため持ち歩くのは本人の自由です。なので、そこに関しては我々は全く検証しません。
次、お願いします。
そういった中で、我々、日々検証しているんですけれども、特に注目が集まるトピック、注目が集まるトピックというのは、つまり偽・誤情報のターゲットになりがちです。
なので、例えば災害とか選挙とか、そういったときに関しては非常に集中的に検証をするようにしています。日本においてはもう一つ、この福島第一原発からの処理水の海洋放出、これはもう国際的に偽・誤情報の標的になっていたので、このときにはかなり力を入れて特集をしました。
十五ページです。
二〇二四年総選挙のときの我々の状況なんですけれども、十二日間の間で二十八本のファクトチェック記事と五本の解説記事を出しました。同じ期間にどれだけのファクトチェック記事が出ているのかというのを数えていました。我々以外にファクトチェック団体は日本に二つあります。それ以外に、全国紙及びキー局、そして通信社がどれだけファクトチェック記事を出すか数えてみたんですけれども、六本でした。ということは、日本において総選挙で出たファクトチェック記事の合計は三十四本です。これは、日本の規模の民主主義国家ではあり得ないほどの少なさです。
なので、我々は、日本としてこの偽情報対策が世界に比べて八年遅れたというのはやっぱり今もかなり影響している、日本は非常にこの偽情報対策が遅れた国であるということが言えるかと思います。
十六ページをお願いします。
さらに、もう一つ大きな問題があります。それは、人々が情報を求めている瞬間に情報が十分に存在していないということです。これを我々は情報の空白と呼んでおります。
この左側のチャートなんですけれども、兵庫県の人々が、グーグル検索で兵庫県知事選に関するワードをどれだけ、いつの段階で検索し始めたかというのを調べたチャートです。それで見ると、当たり前の話ですけど、皆さん、告示日後に検索を始めるんですよね。ただ、同時に、そのタイミングで新聞やテレビは個別候補者に関する記事を余り書かなくなる。公正性を配慮して、有利にも不利にもならないようにしようという配慮ですね。その結果、何が起こるかというと、例えば、ユーチューブの検索結果を当時見ていた方は多分驚愕したと思うんですけれども、トップからずらりと立花さんや立花さんが語っている動画ばかりがずらっと並ぶことになってしまう。
そういうのが情報の空白ですね。人々が情報を求めている瞬間にそれに関する信頼性の高い情報が十分に供給されない状況になってしまう。そうすると、この偽・誤情報が大きな影響力を持つようになります。
十七ページの図を見てください。
私たちがやっているのは、その情報の空白に皆さんが検索しそうなキーワードでファクトチェックを打ち込んでいくことです。これが非常に重要です。
よくソーシャルメディア上では偽情報の方がよく拡散するではないかというふうに言う人います。それは事実です。しかし、検索結果を見てみてください。皆さん、気になった情報は検索するんですよね。そのときに、我々の情報、ファクトチェック情報というものは必ず偽情報よりも上に出てくる。ここでやっぱり勝負をする必要があるのかなというふうに思っております。
十八ページです。
このようにして、我々、自分たちのサイトだけではなくて様々なプラットフォームそれぞれにコンテンツを配信しており、十九ページ、生成AIにも我々の記事というものは参考にされております。
そして、二十ページ。世界的なファクトチェックのデータベースとしては、グーグルのファクトチェックエクスプローラーというところがあります。ここにも日本から唯一我々の記事だけが収録されるようになっております。
次に、二十一ページからなんですけれども、ここは私たちがやっている教育活動です。
冒頭に申し上げたように、ファクトチェックは必要不可欠な対策ですが、それだけでは不十分です。皆さん一人一人が偽情報から守る盾を身に付けていただけるように、私たちはこのJFCのファクトチェック講座というものを開いております。
一つ飛ばして二十四ページ、二十五ページを見ていただきたいんですけれども、そのファクトチェック講座、これ無料で受けられます。それを受けた方々に今度は認定試験を受けていただいて、このバッジを配っております。さらに、教育者向けには講師養成講座も開いております。この講師養成講座を修了された方がどんどん増えておりまして、その方々に草の根でファクトチェック教育を広げていってもらっております。
次のページ、二十六ページですね。
その講師養成講座を修了した方々には、私たちから最新の、今はこういうのがはやっているから気を付けてねというふうな教材を共有するようにしております。
二十九ページ、三十ページの方を見ていただきたいんですけれども、こういった、我々、そのファクトチェックやメディアリテラシーの知見を更に広げていくために、まず、やっぱりエビデンスが重要ですので、調査研究をいろんな団体とさせていただいております。それを基にシンポジウムで業界や組織を超えて知見を共有するようにしております。
三十三ページですね。このAIツールの開発なども非常に重要になってきておりますので、このAI開発企業などとも協力をしております。要は、AIにどうやってファクトチェックするかを教えるのは人間なんですよね。なので、そういうふうな我々の知見を基にAIツールの開発に取り組んでいただくようにしております。
残りまだあと半分ぐらいあるんですけれども、そこはざっと見ていただくことにして、五十五ページ、五十六ページのところをちょっと見ていただけたらと思います。
五十六ページ、皆さんも御関心あるかと思いますけれども、財務省、厚労省解体デモのようなものがなぜ広がるのかというところです。これは、この中ではもう私たちが検証したようなことがいまだにずっと語られているんですよね。五十七ページを見てみてください。
そして、五十八ページ、五十九ページを見ていただきたいんですけれども、なぜそういったことが信じられてしまうのかというと、それは個人の体験や感覚に根差しているからです。いやもう生活が苦しいであるとか、政府は信用できないであるとか、そういうふうな個人的な体験や感覚に根差したところにこのナラティブ、物事の見方が生まれてきます。厚労省や財務省は問題のある組織で信頼できないというような見方が生まれ、そうすると偽情報、誤情報が広がりやすくなってしまいます。
次のページを最後にしたいと思うんですけれども、そういったことを防いでいくためにはまずもって信頼性の獲得が重要です。それはメディアもそうですし、ファクトチェック機関もそうですし、政府もそうです。そういった中で非常に重要になってくるのが情報公開。常になぜ私たちがそういうふうな取組をしているのかということを広げていくということがまずもって重要なのかなというふうに思っております。
以上、雑駁ですが、ここまでとしたいと思います。ありがとうございました。
中
工
工藤郁子#10
○参考人(工藤郁子君) 御指名にあずかりました、ありがとうございます、大阪大学の工藤と申します。
この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。時間も限られておりますので、早速ではございますが、中身に入っていきたいと思います。
私からは、まず三つの視点に絞ってお話をしたいと思います。
第一の視点につきましては、これまで議論されてきたファクトチェックやリテラシー向上だけでは対応が難しい問題として何があるのかという残された課題についてです。二番目の視点につきましては、皆さん御関心かと思いますし、山本参考人も指摘されておりました、インターネット広告に関する規律がないがどういった問題があるのか、問題ではないのかという点です。第三が、外国グループからの介入、干渉があるのではないかという、この三つの視点に絞って話題提供したいと思います。
まず第一の視点についてです。
一点目に関しては、言いたいこととしては、個々の情報の真偽問題、ファクトチェックが対象になるものに加えて情報空間のエコシステムの問題もあるということです。
イメージを持っていただくために二つのケースを御用意いたしました。
一つ目が、AIを悪用した水増し型フェイクの問題です。
こちらは、例えば、AIを用いてSNSのアカウントを量産する。そのときに、架空の名前や経歴を生成することによってSNSのアカウントを作り、そのたくさん作ったアカウントによってシェア、リポスト、いいねを自動的に行います。さらには、特定のキーワードを含む投稿に対して、すばらしい、共感したとコメントやリプライを自動投稿します。こういったAIを利用すると、見せかけ上の盛り上がりですとか、あるいは特定のエピソードが広く信じられているという誤った印象をつくり出すことができます。こういった水増し型フェイクというのは、二〇一六年のアメリカ大統領選挙などでも散見されたということが報告をされております。
二点目の事例でございますが、こちらはSNSや動画の収益化の問題です。アテンションエコノミーの弊害というふうに言うこともできると思います。
御記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、二〇二四年夏に南海トラフ地震臨時情報が発令されたときに、SNS上ではスパムの投稿が非常に増えました。一日で三十九万件余りになったというような報道もございます。これによって正確な情報にたどり着きにくくなってしまいました。
この背景には、SNSの収益化プログラムというものがございます。すなわち、フォロワー数やインプレッション、閲覧数が一定基準を満たすことで、自分の投稿に表示される広告からお金が受け取れるということができる仕組みが導入されました。その結果、閲覧数を増やそうとするアカウントが急増してしまいまして、いわゆるインプレゾンビ問題というものが発生いたしました。
これは、注目を集めること、アテンションが経済的価値に直結してしまったことによって、閲覧数のみが指標になってしまい、その内実、真偽の問題などは問われないという構造的な問題があります。先ほど御紹介したのはSNSの話でしたが、もちろん動画でも発生いたします。
次のページ、二ページ目、おめくりください。
視点の二番目としましては、ネットの広告のお話です。これに関しまして、私の主張としては、表現の自由に最大限配慮しつつ透明化を図るということができるのではないかということを御提案したいと思います。
山本参考人も述べられましたので確認程度としたいと思いますが、まず、国民投票運動というのは原則自由となっております。これは、主権者である国民の政治的意思の表明を尊重するということが制度趣旨となっているそうです。
ただ、例外的に、国民投票運動のための広告放送、テレビやラジオなどの広告放送は投票日の十四日前から禁止されております。この制度趣旨は、先ほどの繰り返しになりますが、国民の感情に訴え、扇情的なものとなる可能性のある放送メディアの広告については、国民が冷静に判断するために、投票の前に一定の冷却期間を置くことが必要であるとされたためというふうに説明されております。
なお、こちらはテレビですとかラジオが対象になっておりまして、新聞、雑誌等の広告は規制の対象外とされております。この説明としましては、見るか見ないかを読者が判断できるとともに、見た上で考えを比較することが比較的容易であるという活字メディアの特徴が挙げられておりました。
さて、この制度趣旨からすると、つまり、国民の感情に訴え、扇情的なものになる可能性というのは、山本参考人も指摘されていましたが、ネット広告にも当てはまるではないかという疑問、懸念が浮かんでまいります。
特に、先ほども紹介ありましたが、属性情報ですとかあるいは閲覧履歴などに基づいて個人の関心に合わせて表示の出し分けがされるというターゲティング広告というのがインターネット上ではできます。そうすると、その方の関心や感情に訴えるという精度、アキュラシーが高くなります。
例えば、これは、二〇一六年のブレグジット問題、EUの加盟継続の是非に関するイギリスの国民投票においてこういったターゲティング広告などが行われたことが問題になったということがありますので、非常に日本においても懸念すべき論点なのかなというふうに思います。
なお、二〇一六年のこうした問題意識を受けまして、実はEUでは二〇二四年に政治広告透明化規則というのを制定いたしました。こちらはまだ適用開始前なので、これからどういう運用をされるのかは注視しなければならないんですが、条文上どういうことが規定されているかを御紹介したいと思います。
まず、こちらにおいて、機微情報、政治的な関心ですとかあるいは民族の出自に関する情報に基づくターゲティング広告を禁止いたしました、原則禁止いたしました。さらに、注目すべきは、透明性確保のためのラベルを義務にしました。これは、すなわち、政治広告行為の発行者、パブリッシャーに対して、まず、これは政治広告ですよということを表示してください、さらには政治広告のスポンサーらの身元の情報も掲示してください、そして広告サービスの事業者が受領した金銭等の総額を示しなさい、さらには金銭等の出どころがEU域内か域外かに関する情報などの表示もしなさいということが義務付けられました。
この最後のEU域外か域内かというお話なんですが、こちらは関連する規定もございまして、EU加盟国の選挙や国民投票の三か月前から、EU域外の国から広告サービスの提供を禁止するという規定も導入されております。こちらは、制度趣旨としては、外国、特にロシアを念頭に置いているというふうに説明されますが、そういった干渉を防ぐためということが説明をされており、こういった欧州の新しい規則は注目に値し、参考に値するかと思います。
続いて、関連する視点三に参ります。
外国グループによる介入に関してですが、こちらも対策が必要ではないかというふうに考えております。外国グループによる介入、世論操作に関する報告例を幾つか挙げております。
例えば、二〇一六年のアメリカの大統領選挙に関しては、ツイッター社、当時ツイッター社だった調査報告によると、ロシアのプロパガンダを担当したとされる企業が偽のアカウントをたくさん作っていて、たくさんの投稿をしていたということが報告をされております。
また、二〇二四年五月にオープンAI社、チャットGPTを開発、提供している企業のオープンAI社が公表した報告書によると、北米から見て諸外国のグループがチャットGPTを悪用しておりました。そういった投稿されたコメントにおいては、様々な政治、欧米の政治など幅広い話題が扱われておりました。
次のページに、おめくりください。
先ほど古田参考人からもございましたが、実は日本もターゲットにされておったようで、福島第一原子力発電所の処理水放出問題に関する記事をチャットGPTで自動生成し、拡散を試みた形跡などが調査結果によって判明しております。
また、こういった外国企業、失礼いたしました、外国グループからの干渉は、偽情報とサイバー攻撃が連動するという特徴が最近指摘されております。
具体的に申しますと、二〇一七年のフランス大統領選挙の決選投票本当に直前に、数日前に、マクロン陣営への大規模なまずサイバー攻撃が行われまして、こちらによってメールや会計文書などの内部情報が外部に流出いたしました。その公開されてしまった流出情報の中には偽情報も追加されていたので、もう大混乱に陥っていったわけです。そして、しばらくたって後に、フランス外務省が、二〇一七年のこのフランス大統領選挙のときですとか、あるいは二〇二四年のあのパリ・オリパラのときにロシア軍がサイバー攻撃をしたと主張した、非難したということがございまして、こういった動向も注視すると、偽情報だけではなくて、同時にサイバー攻撃がその投開票日直前にやってくるということも警戒せねばならないということが言えるかと思います。
こうしたことは、いわゆるシャープパワーというふうに呼ばれています。シャープパワーとは、選挙介入や世論操作によって自国に有利な状態をつくり出していく外交戦略というふうに定義されておりまして、軍事力や経済力などによるハードパワー、文化や価値観の広報などによるソフトパワーの中間形態とされておりまして、何でシャープと名付けられたかと申しますと、鋭利な刃物、シャープな刃物で突き刺すように民主主義を弱体化することを狙っているからこのように名付けられております。
そして、シャープパワーというのは、国家安全保障上の大きなリスクとなっております。もちろん、自分の国の、自国のグループによる世論誘導なども非常に大きな問題ではございますが、シャープパワーというのは、対外的独立性という意味での主権を脅かすという問題も上乗せして存在するということで、大きな問題になるかと思います。
そして、このシャープパワーの対策というのは、民主主義国家にとって難しい、非常に難しい問題がございます。なぜかというと、シャープパワーが威力を持つのは、民主主義や表現の自由、政治活動の自由が重視されている情報空間だからこそ有効だからです。言い換えると、世論によって政治が動かない社会であったりですとか、又は検閲を含む表現規制をしていわゆる正しい情報だけが流通する社会であれば、偽情報ですとかこういったシャープパワーというのはそもそも問題にならないはずなので、民主主義に伴う構造的な問題に向き合わなければならないということです。
最後になりましたが、まとめとして申し上げたいことがございます。
個々の情報の真偽を検証したりですとか、個人のリテラシーの向上を目指したりするアプローチでは解消し切れない問題があるということを御紹介いたしました。そのため、情報流通の構造ですとか、あるいは広告サービス、収益の仕組みなど、エコシステムの全体を見ながら検討することも必要になってくると思います。
そして、自由な競争によって虚偽の情報や低質な言論が淘汰されていくという、いわゆる思想の自由市場論というのがございますが、それはリソースが十分であれば機能するかもしれませんが、国民投票のように六十日から百八十日間というすごく限られた期間で大量の情報が流通してしまうと、真偽の検証や内容の吟味が今にも増して追い付かなくなり、機能不全に陥ってしまう可能性があります。
また、ちょっとここまではAIやデータの暗い方向、リスクばかり指摘してまいりましたが、そういった民主主義の基盤を危うくする方向だけではなくて、先ほど紹介したボット対策など、民主主義的な価値を維持、充実させる方向にも技術というのは利用可能です。
インターネットに関する全般的な問題と国民投票に固有の問題とを区別しつつ、今後議論をしていくことが望ましいのではないかと思いますし、なので、例えば情報流通プラットフォーム対処法や能動的サイバー防御関連法などが既に成立したりしていますが、こういったところでどこまで対応できるかを視野に入れつつ、今後御議論いただきたいというふうに思っております。
私からは以上です。ありがとうございます。
この発言だけを見る →この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。時間も限られておりますので、早速ではございますが、中身に入っていきたいと思います。
私からは、まず三つの視点に絞ってお話をしたいと思います。
第一の視点につきましては、これまで議論されてきたファクトチェックやリテラシー向上だけでは対応が難しい問題として何があるのかという残された課題についてです。二番目の視点につきましては、皆さん御関心かと思いますし、山本参考人も指摘されておりました、インターネット広告に関する規律がないがどういった問題があるのか、問題ではないのかという点です。第三が、外国グループからの介入、干渉があるのではないかという、この三つの視点に絞って話題提供したいと思います。
まず第一の視点についてです。
一点目に関しては、言いたいこととしては、個々の情報の真偽問題、ファクトチェックが対象になるものに加えて情報空間のエコシステムの問題もあるということです。
イメージを持っていただくために二つのケースを御用意いたしました。
一つ目が、AIを悪用した水増し型フェイクの問題です。
こちらは、例えば、AIを用いてSNSのアカウントを量産する。そのときに、架空の名前や経歴を生成することによってSNSのアカウントを作り、そのたくさん作ったアカウントによってシェア、リポスト、いいねを自動的に行います。さらには、特定のキーワードを含む投稿に対して、すばらしい、共感したとコメントやリプライを自動投稿します。こういったAIを利用すると、見せかけ上の盛り上がりですとか、あるいは特定のエピソードが広く信じられているという誤った印象をつくり出すことができます。こういった水増し型フェイクというのは、二〇一六年のアメリカ大統領選挙などでも散見されたということが報告をされております。
二点目の事例でございますが、こちらはSNSや動画の収益化の問題です。アテンションエコノミーの弊害というふうに言うこともできると思います。
御記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、二〇二四年夏に南海トラフ地震臨時情報が発令されたときに、SNS上ではスパムの投稿が非常に増えました。一日で三十九万件余りになったというような報道もございます。これによって正確な情報にたどり着きにくくなってしまいました。
この背景には、SNSの収益化プログラムというものがございます。すなわち、フォロワー数やインプレッション、閲覧数が一定基準を満たすことで、自分の投稿に表示される広告からお金が受け取れるということができる仕組みが導入されました。その結果、閲覧数を増やそうとするアカウントが急増してしまいまして、いわゆるインプレゾンビ問題というものが発生いたしました。
これは、注目を集めること、アテンションが経済的価値に直結してしまったことによって、閲覧数のみが指標になってしまい、その内実、真偽の問題などは問われないという構造的な問題があります。先ほど御紹介したのはSNSの話でしたが、もちろん動画でも発生いたします。
次のページ、二ページ目、おめくりください。
視点の二番目としましては、ネットの広告のお話です。これに関しまして、私の主張としては、表現の自由に最大限配慮しつつ透明化を図るということができるのではないかということを御提案したいと思います。
山本参考人も述べられましたので確認程度としたいと思いますが、まず、国民投票運動というのは原則自由となっております。これは、主権者である国民の政治的意思の表明を尊重するということが制度趣旨となっているそうです。
ただ、例外的に、国民投票運動のための広告放送、テレビやラジオなどの広告放送は投票日の十四日前から禁止されております。この制度趣旨は、先ほどの繰り返しになりますが、国民の感情に訴え、扇情的なものとなる可能性のある放送メディアの広告については、国民が冷静に判断するために、投票の前に一定の冷却期間を置くことが必要であるとされたためというふうに説明されております。
なお、こちらはテレビですとかラジオが対象になっておりまして、新聞、雑誌等の広告は規制の対象外とされております。この説明としましては、見るか見ないかを読者が判断できるとともに、見た上で考えを比較することが比較的容易であるという活字メディアの特徴が挙げられておりました。
さて、この制度趣旨からすると、つまり、国民の感情に訴え、扇情的なものになる可能性というのは、山本参考人も指摘されていましたが、ネット広告にも当てはまるではないかという疑問、懸念が浮かんでまいります。
特に、先ほども紹介ありましたが、属性情報ですとかあるいは閲覧履歴などに基づいて個人の関心に合わせて表示の出し分けがされるというターゲティング広告というのがインターネット上ではできます。そうすると、その方の関心や感情に訴えるという精度、アキュラシーが高くなります。
例えば、これは、二〇一六年のブレグジット問題、EUの加盟継続の是非に関するイギリスの国民投票においてこういったターゲティング広告などが行われたことが問題になったということがありますので、非常に日本においても懸念すべき論点なのかなというふうに思います。
なお、二〇一六年のこうした問題意識を受けまして、実はEUでは二〇二四年に政治広告透明化規則というのを制定いたしました。こちらはまだ適用開始前なので、これからどういう運用をされるのかは注視しなければならないんですが、条文上どういうことが規定されているかを御紹介したいと思います。
まず、こちらにおいて、機微情報、政治的な関心ですとかあるいは民族の出自に関する情報に基づくターゲティング広告を禁止いたしました、原則禁止いたしました。さらに、注目すべきは、透明性確保のためのラベルを義務にしました。これは、すなわち、政治広告行為の発行者、パブリッシャーに対して、まず、これは政治広告ですよということを表示してください、さらには政治広告のスポンサーらの身元の情報も掲示してください、そして広告サービスの事業者が受領した金銭等の総額を示しなさい、さらには金銭等の出どころがEU域内か域外かに関する情報などの表示もしなさいということが義務付けられました。
この最後のEU域外か域内かというお話なんですが、こちらは関連する規定もございまして、EU加盟国の選挙や国民投票の三か月前から、EU域外の国から広告サービスの提供を禁止するという規定も導入されております。こちらは、制度趣旨としては、外国、特にロシアを念頭に置いているというふうに説明されますが、そういった干渉を防ぐためということが説明をされており、こういった欧州の新しい規則は注目に値し、参考に値するかと思います。
続いて、関連する視点三に参ります。
外国グループによる介入に関してですが、こちらも対策が必要ではないかというふうに考えております。外国グループによる介入、世論操作に関する報告例を幾つか挙げております。
例えば、二〇一六年のアメリカの大統領選挙に関しては、ツイッター社、当時ツイッター社だった調査報告によると、ロシアのプロパガンダを担当したとされる企業が偽のアカウントをたくさん作っていて、たくさんの投稿をしていたということが報告をされております。
また、二〇二四年五月にオープンAI社、チャットGPTを開発、提供している企業のオープンAI社が公表した報告書によると、北米から見て諸外国のグループがチャットGPTを悪用しておりました。そういった投稿されたコメントにおいては、様々な政治、欧米の政治など幅広い話題が扱われておりました。
次のページに、おめくりください。
先ほど古田参考人からもございましたが、実は日本もターゲットにされておったようで、福島第一原子力発電所の処理水放出問題に関する記事をチャットGPTで自動生成し、拡散を試みた形跡などが調査結果によって判明しております。
また、こういった外国企業、失礼いたしました、外国グループからの干渉は、偽情報とサイバー攻撃が連動するという特徴が最近指摘されております。
具体的に申しますと、二〇一七年のフランス大統領選挙の決選投票本当に直前に、数日前に、マクロン陣営への大規模なまずサイバー攻撃が行われまして、こちらによってメールや会計文書などの内部情報が外部に流出いたしました。その公開されてしまった流出情報の中には偽情報も追加されていたので、もう大混乱に陥っていったわけです。そして、しばらくたって後に、フランス外務省が、二〇一七年のこのフランス大統領選挙のときですとか、あるいは二〇二四年のあのパリ・オリパラのときにロシア軍がサイバー攻撃をしたと主張した、非難したということがございまして、こういった動向も注視すると、偽情報だけではなくて、同時にサイバー攻撃がその投開票日直前にやってくるということも警戒せねばならないということが言えるかと思います。
こうしたことは、いわゆるシャープパワーというふうに呼ばれています。シャープパワーとは、選挙介入や世論操作によって自国に有利な状態をつくり出していく外交戦略というふうに定義されておりまして、軍事力や経済力などによるハードパワー、文化や価値観の広報などによるソフトパワーの中間形態とされておりまして、何でシャープと名付けられたかと申しますと、鋭利な刃物、シャープな刃物で突き刺すように民主主義を弱体化することを狙っているからこのように名付けられております。
そして、シャープパワーというのは、国家安全保障上の大きなリスクとなっております。もちろん、自分の国の、自国のグループによる世論誘導なども非常に大きな問題ではございますが、シャープパワーというのは、対外的独立性という意味での主権を脅かすという問題も上乗せして存在するということで、大きな問題になるかと思います。
そして、このシャープパワーの対策というのは、民主主義国家にとって難しい、非常に難しい問題がございます。なぜかというと、シャープパワーが威力を持つのは、民主主義や表現の自由、政治活動の自由が重視されている情報空間だからこそ有効だからです。言い換えると、世論によって政治が動かない社会であったりですとか、又は検閲を含む表現規制をしていわゆる正しい情報だけが流通する社会であれば、偽情報ですとかこういったシャープパワーというのはそもそも問題にならないはずなので、民主主義に伴う構造的な問題に向き合わなければならないということです。
最後になりましたが、まとめとして申し上げたいことがございます。
個々の情報の真偽を検証したりですとか、個人のリテラシーの向上を目指したりするアプローチでは解消し切れない問題があるということを御紹介いたしました。そのため、情報流通の構造ですとか、あるいは広告サービス、収益の仕組みなど、エコシステムの全体を見ながら検討することも必要になってくると思います。
そして、自由な競争によって虚偽の情報や低質な言論が淘汰されていくという、いわゆる思想の自由市場論というのがございますが、それはリソースが十分であれば機能するかもしれませんが、国民投票のように六十日から百八十日間というすごく限られた期間で大量の情報が流通してしまうと、真偽の検証や内容の吟味が今にも増して追い付かなくなり、機能不全に陥ってしまう可能性があります。
また、ちょっとここまではAIやデータの暗い方向、リスクばかり指摘してまいりましたが、そういった民主主義の基盤を危うくする方向だけではなくて、先ほど紹介したボット対策など、民主主義的な価値を維持、充実させる方向にも技術というのは利用可能です。
インターネットに関する全般的な問題と国民投票に固有の問題とを区別しつつ、今後議論をしていくことが望ましいのではないかと思いますし、なので、例えば情報流通プラットフォーム対処法や能動的サイバー防御関連法などが既に成立したりしていますが、こういったところでどこまで対応できるかを視野に入れつつ、今後御議論いただきたいというふうに思っております。
私からは以上です。ありがとうございます。
中
中曽根弘文#11
○会長(中曽根弘文君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
なお、質疑が終わった方は、氏名標を横にお戻しください。
参考人の方々におかれましては、答弁の際、挙手の上、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
それでは、質疑のある方は、二巡目以降の質疑を希望される方も含め、氏名標をお立てください。
まず、一巡目は各会派一名ずつ指名させていただき、質疑時間は答弁を含め各八分以内といたします。
佐藤正久君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
なお、質疑が終わった方は、氏名標を横にお戻しください。
参考人の方々におかれましては、答弁の際、挙手の上、会長の指名を受けた後、御発言を願います。
それでは、質疑のある方は、二巡目以降の質疑を希望される方も含め、氏名標をお立てください。
まず、一巡目は各会派一名ずつ指名させていただき、質疑時間は答弁を含め各八分以内といたします。
佐藤正久君。
佐
佐藤正久#12
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
山本参考人、古田参考人、工藤参考人の皆様には、大変貴重な御意見をいただきましたことを感謝申し上げます。
まず、国民投票に関わる有料広告規制並びに国民投票運動等の資金に関わる規制について申し上げますが、そもそも国民投票運動は原則自由であるべきことから、投票の公正確保のための最小限の規制を課すということを基本に考えるべきであります。
しかし、昨今、政治家の発言を切り抜いて文字などを載せて編集する切り抜き動画において、偽情報や誤情報が拡散される例も急増しており、選挙等への影響力は増していると言われています。
切り抜き動画の中には、特定の政治家を応援する趣旨のものもあれば、批判を目的にフェイクニュース化しているものもあります。私の国会質問においても、趣旨とは違った感じの切り抜き動画も作成されました。
さらには、配信者は、アテンションエコノミーの仕組みの中で、訴訟のリスクが少なく、効率的に収益を上げる手法として考えているだけの可能性もあります。
そこで、山本参考人と古田参考人にお伺いします。時間の関係から、要点絞って御回答をいただければ幸いであります。
まず、切取り動画という情報の切取りからどのように憲法改正国民投票や選挙の公正性を守ればよいのでしょうか。国民投票運動や選挙の期間中の収益化への制限などについてはどのようにお考えでしょうか。
さらに、これらを考えるとき、候補者個人や政党を選ぶ公職選挙運動と、改正条文について賛否を問う憲法改正国民投票運動において、異なる点はあるのでしょうか。
山本参考人には法的規制の関係から、古田参考人にはファクトチェックの観点からお伺いいたします。
この発言だけを見る →山本参考人、古田参考人、工藤参考人の皆様には、大変貴重な御意見をいただきましたことを感謝申し上げます。
まず、国民投票に関わる有料広告規制並びに国民投票運動等の資金に関わる規制について申し上げますが、そもそも国民投票運動は原則自由であるべきことから、投票の公正確保のための最小限の規制を課すということを基本に考えるべきであります。
しかし、昨今、政治家の発言を切り抜いて文字などを載せて編集する切り抜き動画において、偽情報や誤情報が拡散される例も急増しており、選挙等への影響力は増していると言われています。
切り抜き動画の中には、特定の政治家を応援する趣旨のものもあれば、批判を目的にフェイクニュース化しているものもあります。私の国会質問においても、趣旨とは違った感じの切り抜き動画も作成されました。
さらには、配信者は、アテンションエコノミーの仕組みの中で、訴訟のリスクが少なく、効率的に収益を上げる手法として考えているだけの可能性もあります。
そこで、山本参考人と古田参考人にお伺いします。時間の関係から、要点絞って御回答をいただければ幸いであります。
まず、切取り動画という情報の切取りからどのように憲法改正国民投票や選挙の公正性を守ればよいのでしょうか。国民投票運動や選挙の期間中の収益化への制限などについてはどのようにお考えでしょうか。
さらに、これらを考えるとき、候補者個人や政党を選ぶ公職選挙運動と、改正条文について賛否を問う憲法改正国民投票運動において、異なる点はあるのでしょうか。
山本参考人には法的規制の関係から、古田参考人にはファクトチェックの観点からお伺いいたします。
山
山本健人#13
○参考人(山本健人君) 御質問いただき、ありがとうございます。
切り抜き動画への対応ということになりますが、恐らく名誉毀損として構成できるかというところが法的にはポイントになるかと思います。
国民投票法の場合は、現在のところ虚偽事項公表罪みたいなものはありませんので、そこで何か虚偽というものを違法化するような指定をして、それに該当するものであれば、その観点から対策が可能というふうに思われます。
結局のところは、このような違法化がどういう視点でできるかどうか、例えば名誉毀損、切り抜きが名誉毀損に該当するのであれば、それに該当するというふうに判断できるかどうかで対策が可能になってくるというふうに考えます。
以上です。
この発言だけを見る →切り抜き動画への対応ということになりますが、恐らく名誉毀損として構成できるかというところが法的にはポイントになるかと思います。
国民投票法の場合は、現在のところ虚偽事項公表罪みたいなものはありませんので、そこで何か虚偽というものを違法化するような指定をして、それに該当するものであれば、その観点から対策が可能というふうに思われます。
結局のところは、このような違法化がどういう視点でできるかどうか、例えば名誉毀損、切り抜きが名誉毀損に該当するのであれば、それに該当するというふうに判断できるかどうかで対策が可能になってくるというふうに考えます。
以上です。
古
古田大輔#14
○参考人(古田大輔君) それでは、ファクトチェックの観点から切り抜き動画への対策を申し上げたいと思います。
切り抜き動画を検証するときのパターンは決まっています。切り抜き動画をまず検索してみて、これ元ネタは何なのかということを探す。そうすると、元ネタ動画が見付かることがあります。そうすると、元ネタを調べてみて、例えば十分間話した中の十秒間だけを切り抜いて元々の意味と反対の発言にしていないかなどを調べるという手口です。なので、一番まず重要なのは元動画がちゃんとあるかです。これがないと、この切り抜きかどうかを調べることすらできないんですよね。
なので、私から皆さんに提案したいのは、もし自分に関する切り抜き動画を見付けて、これおかしいぞと思ったらすぐに反論をする。自分であれば、自分の元ネタ動画がどこにあるかを知っていることが多いんですよね。私たちファクトチェック団体は、それを探すところから始めないといけないという弱点があります。
なので、皆さんがまず積極的にそういうふうに、いや、ここに、ほら、ちゃんと全部の動画があるでしょうと、文字起こしこれですよと、これ切り抜かれて意味が反対になっていますよねという反論をする。そうすれば、そういったものがあれば、我々ファクトチェック団体もそれを追認することができるので、そういった対策をまず皆さん個々人がやっていくということも重要なのかなと思っております。
この発言だけを見る →切り抜き動画を検証するときのパターンは決まっています。切り抜き動画をまず検索してみて、これ元ネタは何なのかということを探す。そうすると、元ネタ動画が見付かることがあります。そうすると、元ネタを調べてみて、例えば十分間話した中の十秒間だけを切り抜いて元々の意味と反対の発言にしていないかなどを調べるという手口です。なので、一番まず重要なのは元動画がちゃんとあるかです。これがないと、この切り抜きかどうかを調べることすらできないんですよね。
なので、私から皆さんに提案したいのは、もし自分に関する切り抜き動画を見付けて、これおかしいぞと思ったらすぐに反論をする。自分であれば、自分の元ネタ動画がどこにあるかを知っていることが多いんですよね。私たちファクトチェック団体は、それを探すところから始めないといけないという弱点があります。
なので、皆さんがまず積極的にそういうふうに、いや、ここに、ほら、ちゃんと全部の動画があるでしょうと、文字起こしこれですよと、これ切り抜かれて意味が反対になっていますよねという反論をする。そうすれば、そういったものがあれば、我々ファクトチェック団体もそれを追認することができるので、そういった対策をまず皆さん個々人がやっていくということも重要なのかなと思っております。
佐
佐藤正久#15
○佐藤正久君 次に、インターネットをめぐる課題の中でも、生成AIによるディープフェイクについて、工藤参考人に伺います。
韓国では、ディープフェイクを利用した選挙運動の禁止条項が、二〇二四年一月に施行された改正公職選挙法に盛り込まれた。AIで生成され、本物と見分けが付きにくい音声や画像、映像コンテンツをディープフェイクと定義し、それらを選挙で使う行為を禁じているといいます。
昨日投票が行われた韓国の大統領選挙では、中央選挙管理委員会が公選法違反に当たる投稿の削除を積極的に進めることを確認しています。しかし、ディープフェイクを利用した選挙犯罪を捜査する警察などの機関は、削除要請しても、SNSを通じて更に拡散し、取締りが追い付かない状況から、全てのディープフェイクをチェックするのは困難と語っているとも報じられています。
生成AIが進化し、人間の発声が僅か数秒でもあれば音声クローンをつくることができる時代では、切取り音声どころではなく、全くゼロからフェイクの演説が可能となっています。生成AIがつくり出すディープフェイクには生成AIによるファクトチェックが考えられますが、生成AI対生成AIの際限のない攻防となりかねません。また、生成AIの利用を制限する法的制限も考えられますが、法制を整えるスピードよりも生成AIによるディープフェイクの開発スピードが速く、追い付くことが難しいのではないかとも考えます。
膨大かつ爆発的に拡散され、投票行動や投票結果に多大な影響を及ぼす可能性があり、しかもチェックを擦り抜ける技術の開発スピードが速い生成AIによるディープフェイクなどから、自由な技術開発と利用は尊重しつつも、どのように民主主義の健全性を守ればよいのでしょうか。工藤参考人、お願いします。
この発言だけを見る →韓国では、ディープフェイクを利用した選挙運動の禁止条項が、二〇二四年一月に施行された改正公職選挙法に盛り込まれた。AIで生成され、本物と見分けが付きにくい音声や画像、映像コンテンツをディープフェイクと定義し、それらを選挙で使う行為を禁じているといいます。
昨日投票が行われた韓国の大統領選挙では、中央選挙管理委員会が公選法違反に当たる投稿の削除を積極的に進めることを確認しています。しかし、ディープフェイクを利用した選挙犯罪を捜査する警察などの機関は、削除要請しても、SNSを通じて更に拡散し、取締りが追い付かない状況から、全てのディープフェイクをチェックするのは困難と語っているとも報じられています。
生成AIが進化し、人間の発声が僅か数秒でもあれば音声クローンをつくることができる時代では、切取り音声どころではなく、全くゼロからフェイクの演説が可能となっています。生成AIがつくり出すディープフェイクには生成AIによるファクトチェックが考えられますが、生成AI対生成AIの際限のない攻防となりかねません。また、生成AIの利用を制限する法的制限も考えられますが、法制を整えるスピードよりも生成AIによるディープフェイクの開発スピードが速く、追い付くことが難しいのではないかとも考えます。
膨大かつ爆発的に拡散され、投票行動や投票結果に多大な影響を及ぼす可能性があり、しかもチェックを擦り抜ける技術の開発スピードが速い生成AIによるディープフェイクなどから、自由な技術開発と利用は尊重しつつも、どのように民主主義の健全性を守ればよいのでしょうか。工藤参考人、お願いします。
工
工藤郁子#16
○参考人(工藤郁子君) 御質問ありがとうございます。
御指摘いただいたとおり、非常に難しい、イタチごっことなっている問題となっております。
御指摘いただいたとおり、AIがディープフェイクを見抜くという技術も開発されているところですが、十分な開発速度になっているかどうか心もとなく、また法制度対応も十分にはできていない、あるいはキャッチアップできない可能性があります。
ただ、対策をしないよりはした方がいいということは確実に言えると思いますし、また、たとえイタチごっこだったり見逃したものがあるとしても、一般的な信頼がその対象、ターゲットとなった著名人の方にあるのであれば、その方自身が御説明して信頼を回復するということも考えられますので、言論による対抗ということもまた一つ可能性としてあるのではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →御指摘いただいたとおり、非常に難しい、イタチごっことなっている問題となっております。
御指摘いただいたとおり、AIがディープフェイクを見抜くという技術も開発されているところですが、十分な開発速度になっているかどうか心もとなく、また法制度対応も十分にはできていない、あるいはキャッチアップできない可能性があります。
ただ、対策をしないよりはした方がいいということは確実に言えると思いますし、また、たとえイタチごっこだったり見逃したものがあるとしても、一般的な信頼がその対象、ターゲットとなった著名人の方にあるのであれば、その方自身が御説明して信頼を回復するということも考えられますので、言論による対抗ということもまた一つ可能性としてあるのではないかと思います。
以上です。
佐
中
小
小沢雅仁#19
○小沢雅仁君 立憲民主党の小沢雅仁でございます。よろしくお願いします。
三人の参考人の皆さん、本日は大変ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
まず、山本参考人にお伺いをしたいと思いますが、山本参考人の資料の四ページですね、正確な情報やファクトチェックの記事の発信によって、偽情報等に対抗する言論を増やすことに関する対策のところでちょっとお伺いをしたいと思いますが、このフェイクニュースや偽情報の流布等に対抗していくということは非常に難しいというふうに考えておりますけれど、この国民投票広報協議会とファクトチェックを行う民間団体との連携ということも重要になるのではないかなというふうに思っておりますが、そういったことに対する先生のお考え、また課題等があれば是非御示唆いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →三人の参考人の皆さん、本日は大変ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
まず、山本参考人にお伺いをしたいと思いますが、山本参考人の資料の四ページですね、正確な情報やファクトチェックの記事の発信によって、偽情報等に対抗する言論を増やすことに関する対策のところでちょっとお伺いをしたいと思いますが、このフェイクニュースや偽情報の流布等に対抗していくということは非常に難しいというふうに考えておりますけれど、この国民投票広報協議会とファクトチェックを行う民間団体との連携ということも重要になるのではないかなというふうに思っておりますが、そういったことに対する先生のお考え、また課題等があれば是非御示唆いただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
山
山本健人#20
○参考人(山本健人君) 御質問いただき、ありがとうございます。
この点はおっしゃるとおりでして、政府機関とファクトチェック機関の連携というものは必要になってくるだろうというふうに思われます、済みません、協議会とファクトチェック機関との連携というものは重要になってくるかと思います。
課題として挙げられるのは、これは恐らく透明性の観点かというふうに思われます。つまり、一般有権者からして、ある種、裏取引が行われているんじゃないかとか、そういったことを疑わせるような外観を作出しないというところが重要でして、連携の在り方が透明になっていることがポイントになるのかなというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →この点はおっしゃるとおりでして、政府機関とファクトチェック機関の連携というものは必要になってくるだろうというふうに思われます、済みません、協議会とファクトチェック機関との連携というものは重要になってくるかと思います。
課題として挙げられるのは、これは恐らく透明性の観点かというふうに思われます。つまり、一般有権者からして、ある種、裏取引が行われているんじゃないかとか、そういったことを疑わせるような外観を作出しないというところが重要でして、連携の在り方が透明になっていることがポイントになるのかなというふうに考えております。
以上です。
小
小沢雅仁#21
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
次に、古田参考人にお伺いをしたいというふうに思いますけれど、先生は、情報インテグリティシンポジウム等で、この情報インテグリティー、調和の取れた情報空間をどうつくるかということをお話をされているというふうに思いますが、この観点でどういうことが重要なのかをちょっと分かりやすくお話をいただきたいということと、もう一つ、この偽情報がなぜ拡散をして、それがその国民というか、それぞれの人がやっぱり信じてしまうということがあるんですけれど、この偽情報等に対する対策、国民一人一人が、自分が自分自身を守るためにどのような知識を持たなければならないか、この二点について古田参考人にお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →次に、古田参考人にお伺いをしたいというふうに思いますけれど、先生は、情報インテグリティシンポジウム等で、この情報インテグリティー、調和の取れた情報空間をどうつくるかということをお話をされているというふうに思いますが、この観点でどういうことが重要なのかをちょっと分かりやすくお話をいただきたいということと、もう一つ、この偽情報がなぜ拡散をして、それがその国民というか、それぞれの人がやっぱり信じてしまうということがあるんですけれど、この偽情報等に対する対策、国民一人一人が、自分が自分自身を守るためにどのような知識を持たなければならないか、この二点について古田参考人にお伺いしたいと思います。
古
古田大輔#22
○参考人(古田大輔君) 御質問ありがとうございます。
一つ目なんですけれども、この情報インテグリティーという考え方なんですけれども、これ国連が推し進めている考え方ですが、単に偽情報、誤情報に限らず、誹謗中傷とか違法情報もそうですし、また真偽不明な、質の分からないような情報が大量にある、それによって、人々が自分の必要とする、しかも質が担保された情報を自分が入手したいときにちゃんと入手できる環境になっていない、これが大きな問題としてあります。なので、それを実現していく、これが情報インテグリティーという考え方なので、まさしく総合的な対策が必要になってくるかと思います。
二つ目なんですけれども、なぜ偽情報が広がるのか。一つ、この分野、我々の世界ではもう認知科学の世界に入ってきていて、人間、人誰でも、僕もバイアスがあります。自分の考えに近い情報は、それが質が高かろうが低かろうが正しく見えてしまう、思えてしまうというバイアスが人間には備わっています。このバイアスと今のそのソーシャルメディアのプラットフォームのアルゴリズムが非常に相性がいいんですよね。いわゆるフィルターバブルであるとかエコーチェンバーによって自分に近しい情報が流れてくる、それが自分の中のバイアスと相まって、どうしてもその一方向に進みがちになってしまうというところに大きな問題があります。
なので、こういうアルゴリズムの透明化であるとか、今、情報的健康という言葉もありますけれども、よりバランス良く情報を摂取できるような環境を整えていかなければならない。それは、まさにこの情報インテグリティーの考え方の方向性とも一致しているのかなというふうに思います。
この発言だけを見る →一つ目なんですけれども、この情報インテグリティーという考え方なんですけれども、これ国連が推し進めている考え方ですが、単に偽情報、誤情報に限らず、誹謗中傷とか違法情報もそうですし、また真偽不明な、質の分からないような情報が大量にある、それによって、人々が自分の必要とする、しかも質が担保された情報を自分が入手したいときにちゃんと入手できる環境になっていない、これが大きな問題としてあります。なので、それを実現していく、これが情報インテグリティーという考え方なので、まさしく総合的な対策が必要になってくるかと思います。
二つ目なんですけれども、なぜ偽情報が広がるのか。一つ、この分野、我々の世界ではもう認知科学の世界に入ってきていて、人間、人誰でも、僕もバイアスがあります。自分の考えに近い情報は、それが質が高かろうが低かろうが正しく見えてしまう、思えてしまうというバイアスが人間には備わっています。このバイアスと今のそのソーシャルメディアのプラットフォームのアルゴリズムが非常に相性がいいんですよね。いわゆるフィルターバブルであるとかエコーチェンバーによって自分に近しい情報が流れてくる、それが自分の中のバイアスと相まって、どうしてもその一方向に進みがちになってしまうというところに大きな問題があります。
なので、こういうアルゴリズムの透明化であるとか、今、情報的健康という言葉もありますけれども、よりバランス良く情報を摂取できるような環境を整えていかなければならない。それは、まさにこの情報インテグリティーの考え方の方向性とも一致しているのかなというふうに思います。
小
小沢雅仁#23
○小沢雅仁君 ありがとうございます。
次に、工藤参考人にお伺いをしたいというふうに思いますが、先生が、これ多分二〇一八年だと思うんですけれど、「AIで加速するフェイクニュースとシャープパワー」という、ちょっと拝読をさせていただきました。七年前のことになると思うんですが、その中で先生は、ディープフェイクと呼ばれる技術群が非常に台頭していると。こういったものが民主主義を危うくすると。民主制では、民意が政治の在り方を決めることになっていると。フェイクニュースによって有権者の望む選択肢が誘導されているならば、その建前が覆されることになると。そこで、フェイクを見破るAIの開発も急がれているわけでありますけれど、このフェイクニュースを作る側と見抜く側でAI同士の競争が生じつつあると。
まさしくそのとおりに今なっていると思うんですね。もう先生、七年前にこういうふうに警鐘を鳴らしているわけでありますけれど、この七年間で、先生がこの時点でこういったことを書かれて、今七年たって具体的にどういうふうな変化が起きているのかどうか、少し具体的に教えていただければ有り難いなと思います。
この発言だけを見る →次に、工藤参考人にお伺いをしたいというふうに思いますが、先生が、これ多分二〇一八年だと思うんですけれど、「AIで加速するフェイクニュースとシャープパワー」という、ちょっと拝読をさせていただきました。七年前のことになると思うんですが、その中で先生は、ディープフェイクと呼ばれる技術群が非常に台頭していると。こういったものが民主主義を危うくすると。民主制では、民意が政治の在り方を決めることになっていると。フェイクニュースによって有権者の望む選択肢が誘導されているならば、その建前が覆されることになると。そこで、フェイクを見破るAIの開発も急がれているわけでありますけれど、このフェイクニュースを作る側と見抜く側でAI同士の競争が生じつつあると。
まさしくそのとおりに今なっていると思うんですね。もう先生、七年前にこういうふうに警鐘を鳴らしているわけでありますけれど、この七年間で、先生がこの時点でこういったことを書かれて、今七年たって具体的にどういうふうな変化が起きているのかどうか、少し具体的に教えていただければ有り難いなと思います。
工
工藤郁子#24
○参考人(工藤郁子君) 御質問いただき、ありがとうございます。また、私の記事を読んでいただき、大変感謝いたします。
七年前に書いたときと難しさは変わらないまま、巧妙化が非常に進んでおります。御案内のとおり、ディープフェイクの動画というのは、日本の著名人を対象とした動画というのも流れているなど、かなりすごく身近なものになってまいりました。
これに対して、例えば、先ほど古田参考人もおっしゃったとおり、元ネタ動画を特定してファクトチェックをする、これは人力でやられているんですが、それだけじゃなくて、オリジナルの記事や動画を特定して、それが改ざんされていないかどうかを検証するとか表示するような技術、改ざんされていたら警告を発するような技術なども開発をされているにはいるのですが、それを更に上回るような、回避するようなAIがまた更に開発をしており、いつまでもイタチごっこは続いていますが、大切なことは、そういった最新技術の動向を注視し、必要に応じて応用していくというか、取り入れていくことだと思います。
この発言だけを見る →七年前に書いたときと難しさは変わらないまま、巧妙化が非常に進んでおります。御案内のとおり、ディープフェイクの動画というのは、日本の著名人を対象とした動画というのも流れているなど、かなりすごく身近なものになってまいりました。
これに対して、例えば、先ほど古田参考人もおっしゃったとおり、元ネタ動画を特定してファクトチェックをする、これは人力でやられているんですが、それだけじゃなくて、オリジナルの記事や動画を特定して、それが改ざんされていないかどうかを検証するとか表示するような技術、改ざんされていたら警告を発するような技術なども開発をされているにはいるのですが、それを更に上回るような、回避するようなAIがまた更に開発をしており、いつまでもイタチごっこは続いていますが、大切なことは、そういった最新技術の動向を注視し、必要に応じて応用していくというか、取り入れていくことだと思います。
小
中
谷
谷合正明#27
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
山本参考人、古田参考人、工藤参考人におかれましては、大変に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
現在、私、公明党の広報委員長もしておりまして、先般、党としてAIファクトチェックを導入するということを公表した次第でございまして、大変参考にさせていただきました。
ソーシャルメディアは社会に利益をもたらす存在にも、また反社会的な存在にもなり得るということで、これは台湾のオードリー・タンさんの言葉であります。その反社会的な存在の象徴としてこの偽情報、誤情報が選挙におけて民意をゆがめるという、かねないということでありますけれども、例えばルーマニア大統領選につきましても、憲法裁判所により選挙無効の判断が示されまして、再選挙が行われるという事態になりました。こうした同じことが国民投票においても懸念されるということであります。
言うまでもなく、選挙、国民投票においては、国民が正確な情報に基づいて投票を行い、国民の意思が正確に投票結果に反映されなければなりません。虚偽の情報により民意がゆがめられ、又は民意がゆがめられたとの疑いが生じるだけでも投票結果の正当性が疑われ、社会の分断を招きかねません。
そこで、まず山本参考人と工藤参考人に伺います。
現在、昨年の兵庫県知事選挙等を受けまして、公職選挙におけるSNS上の偽情報に対する措置が議論されております。まだ具体的な結論が出ていないところではありますが、偽情報対策の観点から、選挙と国民投票の場面において対応の差異はあり得るでしょうか。例えば、公職選挙は定期的に実施されますが、国民投票はそうではないという違いがあります。代表者を選ぶ間接民主制と憲法改正案に対する賛否を問う直接民主制の違いもあります。外国勢力の干渉の可能性や影響の大きさなどの違いを踏まえ、そうした違いを踏まえながらですね、規制の在り方に差異は生じるのか、お二人の参考人の御見解を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →山本参考人、古田参考人、工藤参考人におかれましては、大変に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
現在、私、公明党の広報委員長もしておりまして、先般、党としてAIファクトチェックを導入するということを公表した次第でございまして、大変参考にさせていただきました。
ソーシャルメディアは社会に利益をもたらす存在にも、また反社会的な存在にもなり得るということで、これは台湾のオードリー・タンさんの言葉であります。その反社会的な存在の象徴としてこの偽情報、誤情報が選挙におけて民意をゆがめるという、かねないということでありますけれども、例えばルーマニア大統領選につきましても、憲法裁判所により選挙無効の判断が示されまして、再選挙が行われるという事態になりました。こうした同じことが国民投票においても懸念されるということであります。
言うまでもなく、選挙、国民投票においては、国民が正確な情報に基づいて投票を行い、国民の意思が正確に投票結果に反映されなければなりません。虚偽の情報により民意がゆがめられ、又は民意がゆがめられたとの疑いが生じるだけでも投票結果の正当性が疑われ、社会の分断を招きかねません。
そこで、まず山本参考人と工藤参考人に伺います。
現在、昨年の兵庫県知事選挙等を受けまして、公職選挙におけるSNS上の偽情報に対する措置が議論されております。まだ具体的な結論が出ていないところではありますが、偽情報対策の観点から、選挙と国民投票の場面において対応の差異はあり得るでしょうか。例えば、公職選挙は定期的に実施されますが、国民投票はそうではないという違いがあります。代表者を選ぶ間接民主制と憲法改正案に対する賛否を問う直接民主制の違いもあります。外国勢力の干渉の可能性や影響の大きさなどの違いを踏まえ、そうした違いを踏まえながらですね、規制の在り方に差異は生じるのか、お二人の参考人の御見解を伺いたいと思います。
山
山本健人#28
○参考人(山本健人君) 御質問いただき、ありがとうございます。
この両者の差異というところはかなり重要なポイントだというふうに考えております。
私の見解としまして、まず一点目としては、既に御指摘もいただいたところではあるんですけれど、その投票の対象が違うというところで、偽情報として何を偽情報あるいはフェイクニュースだというふうに考えるか、絞り込むかというところで大きな差が生まれてくるかというふうに思います。
特に、国民投票の場合は、これに関する論点と一般的に抽象的に言えたとしても、そのうちの何をフェイクニュースだというふうに法的な規制を行う場合にはそれを指定するのかというところに大きな差が生まれてきます。ここの絞り方はかなり慎重に検討しなければならないというふうに考えております。
もう一点、恐らく違うとした場合としては、その運動期間、選挙運動と比べまして国民投票運動の期間の長さというところの違いはあろうかと思います。この長さの部分が偽情報等の影響をどのように増幅するのか、あるいは衰退させるのかというところは今のところは明白には分からないというところになりますので、その観点をどう評価できるかみたいな点も検討する余地があるのかなというふうに考えております。
以上です。
この発言だけを見る →この両者の差異というところはかなり重要なポイントだというふうに考えております。
私の見解としまして、まず一点目としては、既に御指摘もいただいたところではあるんですけれど、その投票の対象が違うというところで、偽情報として何を偽情報あるいはフェイクニュースだというふうに考えるか、絞り込むかというところで大きな差が生まれてくるかというふうに思います。
特に、国民投票の場合は、これに関する論点と一般的に抽象的に言えたとしても、そのうちの何をフェイクニュースだというふうに法的な規制を行う場合にはそれを指定するのかというところに大きな差が生まれてきます。ここの絞り方はかなり慎重に検討しなければならないというふうに考えております。
もう一点、恐らく違うとした場合としては、その運動期間、選挙運動と比べまして国民投票運動の期間の長さというところの違いはあろうかと思います。この長さの部分が偽情報等の影響をどのように増幅するのか、あるいは衰退させるのかというところは今のところは明白には分からないというところになりますので、その観点をどう評価できるかみたいな点も検討する余地があるのかなというふうに考えております。
以上です。
工
工藤郁子#29
○参考人(工藤郁子君) 御質問いただき、ありがとうございます。
山本参考人から憲法理論面で御指摘があったので、私からは実務面で気になっていることについてコメントをしたいと思います。
国民投票というのは候補者なき選挙だというふうに言われることがございます。あるいは、候補者なき投票だと言われることがございます。これの含意といたしましては、先ほど古田参考人が、自分の動画であれば元ネタを確認することが容易であるというような御指摘があったんですが、このように、誰が一時的な責任を持って、あるいは誰が強い関心を持って偽情報に対処していくべきかという、そういうステークホルダーの構造の違いがあるのかなと思いまして、その点、多分実務的には問題になってくるかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →山本参考人から憲法理論面で御指摘があったので、私からは実務面で気になっていることについてコメントをしたいと思います。
国民投票というのは候補者なき選挙だというふうに言われることがございます。あるいは、候補者なき投票だと言われることがございます。これの含意といたしましては、先ほど古田参考人が、自分の動画であれば元ネタを確認することが容易であるというような御指摘があったんですが、このように、誰が一時的な責任を持って、あるいは誰が強い関心を持って偽情報に対処していくべきかという、そういうステークホルダーの構造の違いがあるのかなと思いまして、その点、多分実務的には問題になってくるかと思います。
以上です。