法務委員会

2025-05-13 参議院 全239発言

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会議録情報#0
令和七年五月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     梶原 大介君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     梶原 大介君     山東 昭子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若松 謙維君
    理 事
                古庄 玄知君
                渡辺 猛之君
                田島麻衣子君
                矢倉 克夫君
                川合 孝典君
    委 員
                小川 克巳君
                岡田 直樹君
                梶原 大介君
                片山さつき君
                山東 昭子君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                打越さく良君
                福島みずほ君
                谷合 正明君
                嘉田由紀子君
                仁比 聡平君
                鈴木 宗男君
   国務大臣
       法務大臣     鈴木 馨祐君
   副大臣
       法務副大臣    高村 正大君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  神田 潤一君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平城 文啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        武蔵 誠憲君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       佐野 朋毅君
       警察庁長官官房
       長        森元 良幸君
       警察庁長官官房
       審議官      松田 哲也君
       警察庁長官官房
       審議官      石川 泰三君
       警察庁長官官房
       審議官      阿部 文彦君
       法務省民事局長  竹内  努君
       法務省刑事局長  森本  宏君
       法務省矯正局長  小山 定明君
       出入国在留管理
       庁次長      杉山 徳明君
       文部科学省大臣
       官房学習基盤審
       議官       日向 信和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(閣法第三〇号)(衆議院送付)
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若松謙維#1
○委員長(若松謙維君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。
    ─────────────
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若松謙維#2
○委員長(若松謙維君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長森本宏君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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若松謙維#3
○委員長(若松謙維君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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若松謙維#4
○委員長(若松謙維君) 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古庄玄知#5
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄です。
 今日は、主として森本局長の方にお伺いしたいと思います。中でも、改正法の二百十八条三項関係についてお伺いします。
 二百十八条三項は、捜査機関が、裁判所の許可を得て、電磁的記録提供命令を受ける者に対し、みだりに提供命令を受けたこと及び提供したことあるいは提供しなかったことを漏らしてはならない旨を命じることができるというふうに書いています。この電磁的、済みません、口が回らぬので、口止め、口止め命令と言わせてもらいます。
 これを、済みません、それと、通告事項のもう一番、二番、三番はちょっと省略、三番、四番まで省略して、五番目から入らせてもらいます。
 この今の口止めを命ずることができるというやつですけれども、これ、みだりに漏らしてはならないというふうに書いていますが、この「みだりに」という意味ですが、私が辞書で調べたら、正当な理由もなく、あるいはむやみに、あるいは深く考えずにと、こういう意味だというふうに書いていました。ということは、こういう「みだりに」に該当しない場合には漏らしてもいいと、こういう、まず、こういう理解でよろしいですね。
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森本宏#6
○政府参考人(森本宏君) 本法律案における改正後の刑事訴訟法二百十八条第三項における「みだりに」とは、正当な理由なくという意味であるというふうに考えております。ですので、正当な理由がある場合にはみだりに漏らしたことにはならないということになろうかと考えております。
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古庄玄知#7
○古庄玄知君 ところで、今の正当な理由がない場合に限定するという話になると、百二十四条の二の第一項ですかね、これ罰則規定があって、正当な理由がなく電磁的記録提供命令又は先ほどの口止め命令に違反したときはこれこれの罰則の対象になるというふうに書いているんですよ。
 そうすると、「みだりに」イコール正当な理由なくだということになると、同じことを、正当な理由がなく、また正当な理由がなく漏らした場合はという、屋上屋を重ねるということになるので、その今おっしゃった「みだりに」を単なる正当な理由がない場合に限定する考え方は、ちょっとこの条文との整合性からしておかしいんではないでしょうか。
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森本宏#8
○政府参考人(森本宏君) 「みだりに」という用例につきましては、そのほかの法令の中にも幾つかございまして、基本的には、正当な理由がない場合のことを指すというのが一般的な考え方かというふうに考えております。
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古庄玄知#9
○古庄玄知君 そうすると、さっきの罰則のところで、何でわざわざ正当な理由がなくというふうにまたこの文言を付け加えたんでしょうか。
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森本宏#10
○政府参考人(森本宏君) 漏らす形態、秘密を漏らす形態においては、みだりに漏らしてはならないという立て付けになっておりまして、先ほどの先生もおっしゃられた電磁的記録提供命令に従わない場合と同じ罰則になっておりますので、そこでその双方に、違反した場合には、正当な理由なく、例えば電磁的記録提供命令に従わない場合及び秘密保持命令に反した場合という形で立案したところでございます。
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古庄玄知#11
○古庄玄知君 この問題はこのくらいにしておいて、この漏らす対象者は被疑者には限らないですね。一般の例えば自分の家族だとか友人、知人に対しても漏らしてはならないよという、そういう趣旨でよろしいですか。
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森本宏#12
○政府参考人(森本宏君) 対象、特に限定されておりませんので、みだりに漏らした場合には、被疑者に限らないということになろうかと思います。
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古庄玄知#13
○古庄玄知君 それで、ちょっと具体的にお伺いしたいと思います。
 もう個別の事情がいろいろ違っているというのは分かるんですが、もう個別の事情によって違うから御回答できぬなんという、そういう回答は絶対、森本さん、せぬでくださいよ。
 まず一つ、そういう口止めの命令が来たと、これに従わぬと悪いんか、どうすればいいんかというのを弁護士のところに行って相談する、弁護士に口止めが来たということを漏らすことは、みだりに漏らすことに入るんですか、入らないんですか。
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森本宏#14
○政府参考人(森本宏君) いろんな幾つかのケースが想定されると思いますけれども、それがどの方なのかということにもよるかなと思いますが、基本的に、弁護士さんに対する場合であっても、正当な理由がない場合というふうに判断される場合もあろうかというふうに考えております。
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古庄玄知#15
○古庄玄知君 いや、正当な理由かどうかを聞いているんじゃなくて、まあいいです。正当な理由か、あるいは「みだりに」かはどっちでもいいけれども、こういうのが来たんじゃけれども、捜査機関からこの情報を、電子データを提供したことを漏らすなという命令が、裁判所の令状を警察が持ってきて電子データを提供しましたと、こういう命令に対して従わぬと悪いんじゃろうか、どうすればいいんじゃろうか、お客さんとの関係が壊れたら自分の会社は困るんじゃけどということを弁護士のところに行って相談をすること、これはみだりに漏らしたことになるんですか、ならぬのですか。
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森本宏#16
○政府参考人(森本宏君) 今の先生のお話だと、あれですよね、自分が秘密保持命令を受けた電磁的提供命令をもらった、その人が自分の顧問会社の弁護士さんとかに相談すると、こういう場合を想定されておられるということになろうかと思います。
 そうした場合には、一般的に、まさにその会社の業務として、あるいは、それが法令に違反しているか違反していないかを確認する行為として自分のところの弁護士さんにその法的解釈を聞くという形を多分想定することになろうかと思いますので、そういった場合には「みだりに」にならない場合が多いのではないかというふうに考えます。
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古庄玄知#17
○古庄玄知君 「みだりに」はならないと、そういう回答ですね。いや、森本さん、いいんですよ、逃げるような答弁せぬでもいいから。
 じゃ、次。じゃ、被対象者、どうも警察や捜査機関が自分の周りを何かごそごそしていると、もしかしたら自分の携帯電話の通信記録とか、そういうのを目を付けているかも分からぬと。だから、携帯電話のそのサーバーというんですか、そこに電話して、捜査機関から私の通信に関するものを提供しろとか、あるいは提供したことはないですかとか、そういうふうに被対象から問合せがあったとき、それに対してサーバーが、いや、ありましたとかありませんとかそういうふうに答えること、これは「みだりに」に当たるんですか。あるいは、正当な理由なしということに当たるんですか。
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森本宏#18
○政府参考人(森本宏君) 逃げているわけではないんですが、先ほどの問いも含めて、やはりその事実関係とか証拠関係によるところもありますので、断言というのはなかなか難しいかと思いますので、一概にお答えすることは困難なんですが、今のお尋ねにあえてお答えいたしますと、提供を命じられた電磁的記録に係る、これだと情報主体の方ですね、から問合せを受けたといった事情は、一般に、それ自体として直ちに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由になるものではないというふうに考えております。
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古庄玄知#19
○古庄玄知君 そうすると、そういう問合せがあったとしても、そういう、いや、捜査機関から提供命令を受けたんですよというふうに答えれば、秘密保持義務違反に問われる可能性が高いと、法務省とすれば問う可能性があると、そういう理解でよろしいんですか。
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森本宏#20
○政府参考人(森本宏君) どこまで刑事責任を問うかという問題は別途あろうかと思いますけれども、そのみだりに漏らしたことに当たるかどうか、犯罪の成否という意味では、今の先生がおっしゃったような情報主体から問合せを受けたこと、それ自体が正当な理由になって、「みだりに」はならないという解釈にはならないと考えますので、犯罪が成立する可能性はあると考えております。
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古庄玄知#21
○古庄玄知君 まあ、それは検察庁の考えですね。
 次の質問に行きますが、じゃ、後日に提供した事実が発覚した場合に、そのサーバーと被対象者との関係が非常に悪化すると思われる場合、これよくあるんですよ。我々も、何でそれ俺たちに教えてくれんかったんかと、もうあんたのところの顧問弁護士首切るわという、そういう話は何ぼでもあるので、だからそういう、後日、提供した事実を黙っておくことによって、それがばれたときに被対象者との関係が非常に悪化してしまうと、そういうおそれがある場合、その場合も、黙っておかぬとこれは口止め違反、罰則の対象になるということで、なるということなんでしょうか。
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森本宏#22
○政府参考人(森本宏君) 今先生がおっしゃられた、提供を命じられた電磁的記録に係る情報主体との関係悪化の回避といった事情につきましても、一般に、それ自体として直ちに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由となるものではない、これについてもそう考えております。
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古庄玄知#23
○古庄玄知君 もう一つ具体的な例で、被対象者との契約で、捜査機関から提供命令が出されたとき、その旨、被対象者に連絡しなければならないという規約か契約書か何かある場合、こういう場合も、その契約の内容に従って、こういうのが捜査機関から来ましたよということをしゃべったとき、これはこの秘密保持命令に違反するということになるんでしょうか。
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森本宏#24
○政府参考人(森本宏君) それも様々な事情に、事実関係とか証拠関係によるとは思いますが、秘密保持命令は、裁判官の許可に基づいて、電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならないことを法的にそちらも義務付けるものでございますから、今先生がおっしゃられた、提供した電磁的記録に係る情報主体との契約に御指摘のような規約があることは、基本的に電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らす正当な理由になるものではないと考えておりますので、「みだりに」当たる場合があると考えております。
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古庄玄知#25
○古庄玄知君 この前、参考人で、たしか成瀬参考人は、そういう場合は正当な理由があるみたいな、そういう発言だったような気が、私の記憶ではそういう記憶があるんですが、その辺について、どういう場合がこの秘密保持命令違反になるとかならぬとか、きちんとその法制審議会の段階、あるいは法務省がこの法案を提出する段階で議論をしてこういう案を出したのか、私が質問することで急遽ばたばた考えたのか、その辺りはどっちですか。
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森本宏#26
○政府参考人(森本宏君) もちろん、立案段階で検討すべきことは検討したと考えております。
 今先生がお尋ねの、例えば一番最後のような事例の場合であったと仮にしましても、そういう契約上の義務がある、そういう場合があることは我々も分かっておりまして、他方で、そういう義務があることによって、その義務を履行することで、例えば犯罪組織の、組織犯罪だった場合に、そこの情報主体のところに情報が行ってしまえば、その組織犯罪自体の解明ができなくなるような場合、罪証隠滅が行われるような場合等も踏まえて、そういう契約上の義務がある場合でも、やはり罪証隠滅のおそれがあるときには秘密保持命令の必要があるというふうに立案当局者としては考えて立案したものでございます。
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古庄玄知#27
○古庄玄知君 その罪証隠滅というのは、被対象者が罪証を隠滅するおそれがあるということですよね。
 そうすると、サーバーなんかは、その被対象者、対象になっている被疑者みたいな人が犯罪を行っているかどうかなんか分からぬけれども、一方においては裁判所から裁判所の令状で電子データを出せと言われて、一方においてはお客さんとの契約でそういう場合は通知しなければならないという契約上の義務があるわけですよ。その間に挟まって、そういう業者さんというのは非常に困ると思うんですが、その辺りについては何か配慮はされているんでしょうか。
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森本宏#28
○政府参考人(森本宏君) 電磁的記録提供命令の被処分者として想定される事業者、通信事業者等が多分、今先生がおっしゃっている例の中にあると思うんですが、その捜査に協力的な方であったとしても、契約上の義務として、捜査機関から電磁的記録提供命令を受けたこと及び提供を命じられた電磁的記録を提供したことを顧客に通知すべきものというものが存在しておりまして、そうしたものが、逆に言うと、義務の履行として、命令を受けたことや命令によって電磁的記録を提供したことを犯人側に通知するということによって、その犯人側としては、その証拠だけではなくて、ああ、我々は捜査対象になっているんだということで、一斉に罪証隠滅を図るというようなケースが考えられますので、そういう場合にはやはり裁判所の命令の方が優先するという考え方に立って立案しているものでございます。
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古庄玄知#29
○古庄玄知君 済みません。ありがとうございました。これで終わります。
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