本会議
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会
会議録情報#0
令和七年四月二十三日(水曜日)
午前十時一分開議
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○議事日程 第十六号
令和七年四月二十三日
午前十時開議
第一 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とウクライナ政府との間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とトルクメニスタンとの間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルメニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第四 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、元議員田名部匡省君逝去につき哀悼の件
一、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
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この発言だけを見る →午前十時一分開議
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○議事日程 第十六号
令和七年四月二十三日
午前十時開議
第一 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とウクライナ政府との間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とトルクメニスタンとの間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルメニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
第四 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
一、元議員田名部匡省君逝去につき哀悼の件
一、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
以下 議事日程のとおり
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関
関口昌一#1
○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。
さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員田名部匡省君は、去る三月二十六日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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つきましては、この際、院議をもって同君に対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
関
関口昌一#2
○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。
弔詞を朗読いたします。
〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに国土交通委員長 少子高齢化・共生社会に関する調査会長の要職に就かれ また国務大臣としての重任にあたられました 元議員正三位旭日大綬章田名部匡省君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
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〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに国土交通委員長 少子高齢化・共生社会に関する調査会長の要職に就かれ また国務大臣としての重任にあたられました 元議員正三位旭日大綬章田名部匡省君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
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関
関口昌一#3
○議長(関口昌一君) この際、日程に追加して、
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
関
鈴
鈴木馨祐#5
○国務大臣(鈴木馨祐君) 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明をいたします。
現行の刑事手続等において、関係書類は、紙媒体で作成・管理・発受されており、また、公判における手続等の多くは、裁判官や訴訟関係人等が公判廷等において対面する形で行われています。
こうした中、近年における情報通信技術の進展及び普及に伴い、刑事手続においても、それらの技術を活用することにより、手続を円滑・迅速なものとするとともに手続に関与する国民の負担を軽減することが喫緊の課題となっております。
また、情報通信技術の進展等は、社会に恩恵をもたらす一方で、それらの技術を悪用した新たな犯罪事象も生じさせており、現下の犯罪情勢に鑑みると、そのような犯罪事象に対し、刑事法として適切に対処できるようにすることも急務であります。
そこで、この法律案は、刑事手続等の円滑化・迅速化及びこれに関与する国民の負担軽減を図るとともに、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処することにより、安全・安心な社会を実現するため、刑事訴訟法、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、刑事手続等において取り扱う書類について、電磁的記録をもって作成・管理・発受することを可能にするための規定の整備であります。
すなわち、電磁的記録である証拠の閲覧・謄写の方法を定めるとともに、裁判所に対する申立て等について電子情報処理組織を使用する方法等によることや、令状について電磁的記録により発付・執行することを可能にするほか、裁判官の発する令状等に基づく強制処分である記録命令付差押えを廃止し、同様の強制処分としての電磁的記録提供命令を創設する等の措置を講ずるものであります。
第二は、刑事手続等において関係者が対面する形で行われる手続について、ビデオリンク方式の一層の活用を可能にするための規定の整備であります。
すなわち、勾留質問及び検察官による弁解録取について、被疑者等を刑事施設に在席させて同方式により行う場合の手続等を定めるとともに、公判期日における手続について、被告人や被害者参加人等を公判廷以外の場所に在席させて同方式により行うことを可能とするほか、同方式により証人尋問等を実施することができる範囲を拡充する等の措置を講ずるものであります。
第三は、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備であります。
すなわち、行使の目的で電磁的記録文書等を偽造する行為等について、現行の文書偽造罪等と同様に処罰する規定を整備するとともに、暗号資産等の電子情報処理組織を用いて移転する新たな形態の財産について没収の裁判の執行及び没収保全の手続を整備するほか、犯罪捜査のための通信傍受の対象犯罪に財産上の利益を客体とする強盗罪・詐欺罪・恐喝罪を追加する等の措置を講ずるものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において、一部修正が行われております。
その内容は、第一に、検察官等が電磁的記録提供命令を受ける者に対してする、みだりに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならない旨の命令について、一年を超えない期間を定めてすることとするものであります。
第二に、附則において、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、できる限り被疑事件等と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないこととするものです。
第三に、附則において、政府は、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体拘束中の被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進することとするものであります。
以上が、この法律案の趣旨であります。拍手
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この発言だけを見る →現行の刑事手続等において、関係書類は、紙媒体で作成・管理・発受されており、また、公判における手続等の多くは、裁判官や訴訟関係人等が公判廷等において対面する形で行われています。
こうした中、近年における情報通信技術の進展及び普及に伴い、刑事手続においても、それらの技術を活用することにより、手続を円滑・迅速なものとするとともに手続に関与する国民の負担を軽減することが喫緊の課題となっております。
また、情報通信技術の進展等は、社会に恩恵をもたらす一方で、それらの技術を悪用した新たな犯罪事象も生じさせており、現下の犯罪情勢に鑑みると、そのような犯罪事象に対し、刑事法として適切に対処できるようにすることも急務であります。
そこで、この法律案は、刑事手続等の円滑化・迅速化及びこれに関与する国民の負担軽減を図るとともに、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処することにより、安全・安心な社会を実現するため、刑事訴訟法、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、刑事手続等において取り扱う書類について、電磁的記録をもって作成・管理・発受することを可能にするための規定の整備であります。
すなわち、電磁的記録である証拠の閲覧・謄写の方法を定めるとともに、裁判所に対する申立て等について電子情報処理組織を使用する方法等によることや、令状について電磁的記録により発付・執行することを可能にするほか、裁判官の発する令状等に基づく強制処分である記録命令付差押えを廃止し、同様の強制処分としての電磁的記録提供命令を創設する等の措置を講ずるものであります。
第二は、刑事手続等において関係者が対面する形で行われる手続について、ビデオリンク方式の一層の活用を可能にするための規定の整備であります。
すなわち、勾留質問及び検察官による弁解録取について、被疑者等を刑事施設に在席させて同方式により行う場合の手続等を定めるとともに、公判期日における手続について、被告人や被害者参加人等を公判廷以外の場所に在席させて同方式により行うことを可能とするほか、同方式により証人尋問等を実施することができる範囲を拡充する等の措置を講ずるものであります。
第三は、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備であります。
すなわち、行使の目的で電磁的記録文書等を偽造する行為等について、現行の文書偽造罪等と同様に処罰する規定を整備するとともに、暗号資産等の電子情報処理組織を用いて移転する新たな形態の財産について没収の裁判の執行及び没収保全の手続を整備するほか、犯罪捜査のための通信傍受の対象犯罪に財産上の利益を客体とする強盗罪・詐欺罪・恐喝罪を追加する等の措置を講ずるものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において、一部修正が行われております。
その内容は、第一に、検察官等が電磁的記録提供命令を受ける者に対してする、みだりに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならない旨の命令について、一年を超えない期間を定めてすることとするものであります。
第二に、附則において、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、できる限り被疑事件等と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないこととするものです。
第三に、附則において、政府は、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体拘束中の被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進することとするものであります。
以上が、この法律案の趣旨であります。拍手
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関
打
打越さく良#7
○打越さく良君 立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。
私は、会派を代表し、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、鈴木馨祐法務大臣に質問を行います。
情報通信技術は、何よりも国民の権利利益の保護、実現のために活用されるべきであり、刑事手続における情報通信技術の利用の拡大が憲法上保障された国民の権利を侵害するようなことはあってはなりません。
本法案の作成に先立って設置された刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会の取りまとめでも、刑事手続における情報通信技術の活用は、刑事手続に携わる者の負担を軽減し、その合理化に資するものであるが、それのみを目的とすべきではなく、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とする刑事手続の円滑かつ適正な実施に資するために、そして、被疑者、被告人、被害者を始めとする国民について、捜査、公判に関与する負担を軽減し、それらの者の権利利益の保護、実現に資するために活用されるべきであるという視点が重要であることについて認識が共有されたと確認されていました。
しかしながら、今国会に提出された刑事デジタル法案は、捜査機関の権限を拡大する一方で、国民のプライバシーや、被疑者、被告人の立場に置かれた国民が弁護人の援助を受ける権利を著しく軽視しているのではないでしょうか。
今日、個人が保有、利用するスマートフォンやクラウドには、大量かつ様々なプライバシー情報や、企業、労働組合、市民団体等の秘密情報が保存されています。それはまさに私的領域そのものであって、正当な理由なく侵入を受けることのない権利が強く保障されなければなりません。このような国民の私的領域に属する大量の情報を捜査機関が収集するという事態は、現行刑事訴訟法が制定された当時には想定されていなかったものです。
刑事手続をデジタル化し、電磁的記録提供命令を創設するのであれば、それと同時に、私的領域に侵入を受けることのない権利、プライバシーの権利を保護する仕組みを設けることが必要不可欠です。本法案にはそのような国民の権利を保護する規定が欠けているのです。この点について法務大臣の見解を求めます。
まず、電磁的記録の収集に対する不服申立てについてお尋ねします。
捜査機関による電磁的記録の収集から国民のプライバシーを保護するためには、収集された個人情報の主体である国民の不服申立ての権利が実質的に保障されることが必要です。
衆議院における修正により、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、デジタル社会において個人情報の保護がより重要となっていることに鑑み、できる限り被告事件又は被疑事件と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないことが明記されました。この規定にもかかわらず、裁判官が犯罪事実と関連性のない個人情報等を含む電磁的記録の収集を許す令状を発付した場合や、捜査機関が令状で許可された範囲を超えて個人情報等を含む電磁的記録を取得した場合、違法に個人情報を取得された国民が不服申立てをし、有効な救済を受けられる仕組みが必要となります。
しかし、例えば、捜査機関がクラウド事業者から個人情報を含む電磁的記録を取得した場合、その個人情報の主体である本人にその旨を通知する仕組みがなければ、本人は自分の個人情報が取得されたことを知ることができず、不服申立てをする機会が保障されないのではないでしょうか。
不服申立ての権利を実質的に保障することは、違法な電磁的記録の収集を抑制するためにも必要ですが、個人情報の主体である本人に通知する仕組みを設けることなく、どのようにして不服申立ての権利が実質的に保障されるとお考えなのか、法務大臣に見解を求めます。
また、不服申立てを受けた裁判所が電磁的記録提供命令や電磁的記録媒体の押収を違法なものとして取り消した場合、違法に収集された電磁的記録が消去されなければ違法なプライバシー侵害は継続することとなり、救済として意味がありません。国民にとっては、意味のある救済が受けられないのであれば、わざわざ不服申立てをする動機がないのです。法務大臣、いかがですか。
捜査機関にとっても、裁判所に違法と判断されても消去義務を負わないとすれば、違法とならないよう慎重に電磁的記録を取得しようとする動機は乏しいものとなってしまいます。このように、違法に収集された電磁的記録の消去が義務付けられていないことは、プライバシーを侵害された国民を有効に救済しないものであることに加え、違法な電磁的記録の収集を助長するおそれすらあります。
電磁的記録提供命令や電磁的記録媒体の押収が取り消された場合の電磁的記録の消去の手続がないことは、本法案の重大な欠陥ではないでしょうか。法務大臣に見解を求めます。
捜査機関が収集した電磁的記録に含まれる個人情報等の利用についてお尋ねします。
電磁的記録が違法に収集された場合に限らず、適法に収集された電磁的記録の中にも犯罪事実と関連性のない個人情報が含まれ得ることは否定できません。近年、取調べの録音、録画の下でも不適正な取調べが行われていることが明らかとなり、批判が高まっていますが、捜査官の不適正な言動の中には、犯罪事実と関連性のないプライバシー情報を利用して、被疑者を侮辱したり威迫したりしている例が見られます。このような電磁的記録に含まれる犯罪事実と無関係なプライバシー情報等の不適正な利用は違法であり、その禁止を徹底する必要があるのではないでしょうか。法務大臣に見解を求めます。
捜査機関による個人情報の取扱いの適正確保についてお尋ねします。
捜査機関による個人情報の取扱いの適正を確保するためには、独立性のある機関による監督が必要であり、ヨーロッパ連合加盟国では、フランス、ドイツで独立性のある監督機関が設置されていると承知しています。我が国には個人情報保護委員会が設置されていますが、捜査機関による個人情報の取扱いを監督する権限は与えられていません。
今後、デジタル化に伴って、捜査機関が保有する個人情報の量は飛躍的に拡大すると考えられることから、その取扱いの適正確保は喫緊の課題であり、個人情報保護委員会の権限を強化するなどして、独立性のある機関による監督が必要であることは明らかであるように思われます。個人情報保護委員会の権限を強化するなどして、独立性のある機関による監督をすることについて、何か弊害が生じると考えられるのでしょうか。法務大臣、答弁を求めます。
電磁的記録の提供を命じるに当たり、自己負罪拒否特権を侵害しないようにするための措置についてお尋ねします。
電磁的記録提供命令は、刑罰の威嚇によって国民に行為を強制するものであり、被疑者、被告人をも対象としていることから、自己に不利益な供述を強要されない権利を保障した憲法第三十八条第一項に抵触するとの指摘もあります。
衆議院本会議において鈴木法務大臣は、電磁的記録提供命令は供述を強要するものではなく、ロックの解除方法やパスワードを供述することを義務付けることは、自己負罪拒否特権と抵触をし、許されないと答弁されていました。しかし、実務家の間では、ロックの解除方法やパスワードを供述することを事実上強制する運用が行われることを懸念する声が聞かれます。
電磁的記録提供命令が刑罰の威嚇によって国民に行為を強制するものである以上、ロック解除方法やパスワードを供述することが命じられているものと誤解させ、あるいは、そのように誤解していることに乗じてそれらの供述を得ることも自己負罪拒否特権と抵触をし許されないと言うべきでありますが、捜査の現場に対し、その旨の周知徹底は行われるのでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
国民は、裁判員、被害者、証人など様々な立場で刑事手続に関与し得ますが、最も深刻な権利侵害の危険にさらされるのが、被疑者、被告人の立場に置かれたときです。
冤罪を繰り返さないためには、被疑者、被告人の立場に置かれた国民の権利を保護することが必要不可欠であり、そのためにとりわけ重要なのが弁護人の援助を受ける権利です。法務大臣の見解を求めます。
本法案は、令状手続の電子化など、捜査機関の負担を軽減し、合理化を図る制度を創設する一方で、被疑者、被告人がオンラインで弁護人等と接見する権利を認めていません。
衆議院における修正により、政府は、被告人又は被疑者にとって、弁護人又は弁護人となろうとする者の援助を受けることが重要であることに鑑み、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体の拘束を受けている被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進するものとすることが附則に明記されました。
オンライン接見の権利を規定しないのは、全国一律実施が困難であることが理由であると承知しておりますが、仮にそうであるとしても、弁護人の援助を受ける権利の重要性や、情報通信技術を国民の権利の保護、実現のために活用するという観点からは、遠くない将来にオンライン接見は制度化されるべきであります。
オンライン接見の制度化に向けて、日本弁護士連合会等の関係機関と協議を進め、具体的なロードマップを策定すべきではないでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
本法案により、証拠を含めて刑事訴訟に関する書類は電子化され、オンラインで送受信されるようになります。刑事訴訟法第三十九条第一項は、被疑者、被告人が弁護人等との間で立会人なくして接見することに加え、書類若しくは物の授受をすることができるものとしています。
刑事訴訟に関する書類を電子化するのであれば、電子化された書類をオンラインで授受する権利も保障されるのは当然ではないでしょうか。法務大臣、いかがですか。
しかしながら、本法案は、身体の拘束を受けている被疑者、被告人が電子化された書類を授受する権利を認めていません。刑事訴訟の当事者である国民が電子化された証拠をありのままの形で閲覧することすらできないというのは、デジタル化から一部の国民を取り残すものであり、余りにも不公正ではないでしょうか。
刑事施設や留置施設で電子化された書類を授受する設備を整備する上で課題があるとしても、その課題を解決する道筋を示すべきではないでしょうか。法務大臣の見解を求めます。
以上申し述べまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表し、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、鈴木馨祐法務大臣に質問を行います。
情報通信技術は、何よりも国民の権利利益の保護、実現のために活用されるべきであり、刑事手続における情報通信技術の利用の拡大が憲法上保障された国民の権利を侵害するようなことはあってはなりません。
本法案の作成に先立って設置された刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会の取りまとめでも、刑事手続における情報通信技術の活用は、刑事手続に携わる者の負担を軽減し、その合理化に資するものであるが、それのみを目的とすべきではなく、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とする刑事手続の円滑かつ適正な実施に資するために、そして、被疑者、被告人、被害者を始めとする国民について、捜査、公判に関与する負担を軽減し、それらの者の権利利益の保護、実現に資するために活用されるべきであるという視点が重要であることについて認識が共有されたと確認されていました。
しかしながら、今国会に提出された刑事デジタル法案は、捜査機関の権限を拡大する一方で、国民のプライバシーや、被疑者、被告人の立場に置かれた国民が弁護人の援助を受ける権利を著しく軽視しているのではないでしょうか。
今日、個人が保有、利用するスマートフォンやクラウドには、大量かつ様々なプライバシー情報や、企業、労働組合、市民団体等の秘密情報が保存されています。それはまさに私的領域そのものであって、正当な理由なく侵入を受けることのない権利が強く保障されなければなりません。このような国民の私的領域に属する大量の情報を捜査機関が収集するという事態は、現行刑事訴訟法が制定された当時には想定されていなかったものです。
刑事手続をデジタル化し、電磁的記録提供命令を創設するのであれば、それと同時に、私的領域に侵入を受けることのない権利、プライバシーの権利を保護する仕組みを設けることが必要不可欠です。本法案にはそのような国民の権利を保護する規定が欠けているのです。この点について法務大臣の見解を求めます。
まず、電磁的記録の収集に対する不服申立てについてお尋ねします。
捜査機関による電磁的記録の収集から国民のプライバシーを保護するためには、収集された個人情報の主体である国民の不服申立ての権利が実質的に保障されることが必要です。
衆議院における修正により、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、デジタル社会において個人情報の保護がより重要となっていることに鑑み、できる限り被告事件又は被疑事件と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないことが明記されました。この規定にもかかわらず、裁判官が犯罪事実と関連性のない個人情報等を含む電磁的記録の収集を許す令状を発付した場合や、捜査機関が令状で許可された範囲を超えて個人情報等を含む電磁的記録を取得した場合、違法に個人情報を取得された国民が不服申立てをし、有効な救済を受けられる仕組みが必要となります。
しかし、例えば、捜査機関がクラウド事業者から個人情報を含む電磁的記録を取得した場合、その個人情報の主体である本人にその旨を通知する仕組みがなければ、本人は自分の個人情報が取得されたことを知ることができず、不服申立てをする機会が保障されないのではないでしょうか。
不服申立ての権利を実質的に保障することは、違法な電磁的記録の収集を抑制するためにも必要ですが、個人情報の主体である本人に通知する仕組みを設けることなく、どのようにして不服申立ての権利が実質的に保障されるとお考えなのか、法務大臣に見解を求めます。
また、不服申立てを受けた裁判所が電磁的記録提供命令や電磁的記録媒体の押収を違法なものとして取り消した場合、違法に収集された電磁的記録が消去されなければ違法なプライバシー侵害は継続することとなり、救済として意味がありません。国民にとっては、意味のある救済が受けられないのであれば、わざわざ不服申立てをする動機がないのです。法務大臣、いかがですか。
捜査機関にとっても、裁判所に違法と判断されても消去義務を負わないとすれば、違法とならないよう慎重に電磁的記録を取得しようとする動機は乏しいものとなってしまいます。このように、違法に収集された電磁的記録の消去が義務付けられていないことは、プライバシーを侵害された国民を有効に救済しないものであることに加え、違法な電磁的記録の収集を助長するおそれすらあります。
電磁的記録提供命令や電磁的記録媒体の押収が取り消された場合の電磁的記録の消去の手続がないことは、本法案の重大な欠陥ではないでしょうか。法務大臣に見解を求めます。
捜査機関が収集した電磁的記録に含まれる個人情報等の利用についてお尋ねします。
電磁的記録が違法に収集された場合に限らず、適法に収集された電磁的記録の中にも犯罪事実と関連性のない個人情報が含まれ得ることは否定できません。近年、取調べの録音、録画の下でも不適正な取調べが行われていることが明らかとなり、批判が高まっていますが、捜査官の不適正な言動の中には、犯罪事実と関連性のないプライバシー情報を利用して、被疑者を侮辱したり威迫したりしている例が見られます。このような電磁的記録に含まれる犯罪事実と無関係なプライバシー情報等の不適正な利用は違法であり、その禁止を徹底する必要があるのではないでしょうか。法務大臣に見解を求めます。
捜査機関による個人情報の取扱いの適正確保についてお尋ねします。
捜査機関による個人情報の取扱いの適正を確保するためには、独立性のある機関による監督が必要であり、ヨーロッパ連合加盟国では、フランス、ドイツで独立性のある監督機関が設置されていると承知しています。我が国には個人情報保護委員会が設置されていますが、捜査機関による個人情報の取扱いを監督する権限は与えられていません。
今後、デジタル化に伴って、捜査機関が保有する個人情報の量は飛躍的に拡大すると考えられることから、その取扱いの適正確保は喫緊の課題であり、個人情報保護委員会の権限を強化するなどして、独立性のある機関による監督が必要であることは明らかであるように思われます。個人情報保護委員会の権限を強化するなどして、独立性のある機関による監督をすることについて、何か弊害が生じると考えられるのでしょうか。法務大臣、答弁を求めます。
電磁的記録の提供を命じるに当たり、自己負罪拒否特権を侵害しないようにするための措置についてお尋ねします。
電磁的記録提供命令は、刑罰の威嚇によって国民に行為を強制するものであり、被疑者、被告人をも対象としていることから、自己に不利益な供述を強要されない権利を保障した憲法第三十八条第一項に抵触するとの指摘もあります。
衆議院本会議において鈴木法務大臣は、電磁的記録提供命令は供述を強要するものではなく、ロックの解除方法やパスワードを供述することを義務付けることは、自己負罪拒否特権と抵触をし、許されないと答弁されていました。しかし、実務家の間では、ロックの解除方法やパスワードを供述することを事実上強制する運用が行われることを懸念する声が聞かれます。
電磁的記録提供命令が刑罰の威嚇によって国民に行為を強制するものである以上、ロック解除方法やパスワードを供述することが命じられているものと誤解させ、あるいは、そのように誤解していることに乗じてそれらの供述を得ることも自己負罪拒否特権と抵触をし許されないと言うべきでありますが、捜査の現場に対し、その旨の周知徹底は行われるのでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
国民は、裁判員、被害者、証人など様々な立場で刑事手続に関与し得ますが、最も深刻な権利侵害の危険にさらされるのが、被疑者、被告人の立場に置かれたときです。
冤罪を繰り返さないためには、被疑者、被告人の立場に置かれた国民の権利を保護することが必要不可欠であり、そのためにとりわけ重要なのが弁護人の援助を受ける権利です。法務大臣の見解を求めます。
本法案は、令状手続の電子化など、捜査機関の負担を軽減し、合理化を図る制度を創設する一方で、被疑者、被告人がオンラインで弁護人等と接見する権利を認めていません。
衆議院における修正により、政府は、被告人又は被疑者にとって、弁護人又は弁護人となろうとする者の援助を受けることが重要であることに鑑み、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体の拘束を受けている被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進するものとすることが附則に明記されました。
オンライン接見の権利を規定しないのは、全国一律実施が困難であることが理由であると承知しておりますが、仮にそうであるとしても、弁護人の援助を受ける権利の重要性や、情報通信技術を国民の権利の保護、実現のために活用するという観点からは、遠くない将来にオンライン接見は制度化されるべきであります。
オンライン接見の制度化に向けて、日本弁護士連合会等の関係機関と協議を進め、具体的なロードマップを策定すべきではないでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
本法案により、証拠を含めて刑事訴訟に関する書類は電子化され、オンラインで送受信されるようになります。刑事訴訟法第三十九条第一項は、被疑者、被告人が弁護人等との間で立会人なくして接見することに加え、書類若しくは物の授受をすることができるものとしています。
刑事訴訟に関する書類を電子化するのであれば、電子化された書類をオンラインで授受する権利も保障されるのは当然ではないでしょうか。法務大臣、いかがですか。
しかしながら、本法案は、身体の拘束を受けている被疑者、被告人が電子化された書類を授受する権利を認めていません。刑事訴訟の当事者である国民が電子化された証拠をありのままの形で閲覧することすらできないというのは、デジタル化から一部の国民を取り残すものであり、余りにも不公正ではないでしょうか。
刑事施設や留置施設で電子化された書類を授受する設備を整備する上で課題があるとしても、その課題を解決する道筋を示すべきではないでしょうか。法務大臣の見解を求めます。
以上申し述べまして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
鈴
鈴木馨祐#8
○国務大臣(鈴木馨祐君) 打越さく良議員にお答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令の創設に当たっての国民の権利の保護についてのお尋ねがありました。
本法律案においては、捜査機関による電磁的記録提供命令について、必ず裁判官の発する令状によることとしており、捜査機関が提供を命ずることができる電磁的記録は、制度上、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定されることとなっている上、その命令に対しては、不服申立てをすることができることとしております。
したがいまして、本法律案には国民の権利を保護する規定が欠けているとの御指摘は当たらないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令に関する通知や不服申立ての権利の保障についてお尋ねがありました。
本法律案においては、捜査機関が電磁的記録提供命令により電磁的記録の提供を受けた場合に、当該電磁的記録に記録された情報の主体に提供の事実等を通知することとはしておりません。
現行刑事訴訟法においても、捜査機関が差押え等により被処分者以外の者に関する情報を取得した場合に、その者に通知することとはされていませんが、一般的に、そのことをもって差押え等に対する不服申立ての機会の保障が不十分であるとは考えられていないものと認識をしております。そのため、本法律案においては、そのような通知の仕組みを設けていないことに問題があるとは考えておりません。
次に、電磁的記録提供命令等に対する不服申立ての意義についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令や電磁的記録に係る記録媒体の押収が違法であるとして取り消された場合、捜査機関においては、提供させた電磁的記録や押収した電磁的記録媒体について、被処分者への返還に応じることとなると考えております。
したがいまして、電磁的記録提供命令等に対する不服申立てについて、救済としての意味がなく、不服申立てをする動機がないといった御指摘は当たらないものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令等が取り消された場合における電磁的記録の消去についてお尋ねがありました。
現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することができなくなることともされておりません。
こうした我が国の刑事法の基本的な考え方に照らしますと、電磁的記録提供命令等が取り消された場合であっても、それにより得られた電磁的記録について、証拠としての使用が直ちに否定をされるというものではありません。
また、捜査や公判に必要なものとして作成、取得された書類は、刑事訴訟法や刑事確定訴訟記録法等により、捜査中から事件終結後に至るまで、刑事手続の適正かつ円滑な遂行のためにありのまま保管、保存されるべきものであり、それが現行制度の基本的な考え方であります。
したがいまして、御指摘のような規定を設けることは、我が国における刑事法の基本的な考え方と整合されないものであり、相当でないと考えております。
次に、捜査機関が取得した電磁的記録に含まれる個人情報の不適正な利用の禁止についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取り扱っているものと承知をしております。
その上で、法務省といたしましても、捜査機関が取得をした電磁的記録に含まれる個人情報が不適正に利用されることのないようにすることは重要であると認識をしておりまして、そのために必要な事項については、規程や通達等によって周知徹底してまいります。
次に、捜査機関による個人情報の取扱いを独立性のある機関が監督する制度についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、法令等の規定や趣旨に従い、適正に取り扱っているものと承知をしております。
他方で、捜査機関による個人情報の取扱いを監督するに当たっては、個々の情報と被疑事件等との関連性の有無、程度や被疑者等の防御上の必要性の有無、程度を、それらが捜査の進展や争点等に応じて変化する可能性等も考慮しながら適時的確に判断して対処することが求められることになりますが、実際に捜査を行っていない外部の機関がそのような判断を適切に行うことは、一般に考えて極めて困難であると考えられます。
したがいまして、御指摘のような監督制度については合理性に疑問があるものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の運用に関する周知についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまり、供述を求めるものではないため、自己負罪拒否特権と抵触するものではありません。
もっとも、電磁的記録提供命令をするに当たっては、捜査当局において、同命令が御指摘のようにロックの解除方法等の供述を強要するものでないことを含む制度内容の正しい理解を前提としつつ、必要に応じて供述を強要するものでないことを相手方に教示をするなど、その権利を不当に侵害することがないように適正な運用がなされる必要があると考えております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、法務省といたしましても、捜査機関に対して、通達等により制度内容や運用上の留意事項を周知をしてまいります。
次に、被疑者、被告人の権利保護の重要性についてのお尋ねがありました。
刑事手続が適正に機能するためには、被疑者、被告人の権利が適切に保障されることが必要であり、弁護人による援助を受ける権利は、被疑者、被告人が自らに保障された権利を実効的に行使する上で重要な役割を果たしていると認識をしております。
次に、いわゆるオンライン接見の制度化についてお尋ねがありました。
オンライン接見については、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘をされており、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けて制度化することは相当でないと考えております。
他方で、法務省においては、実務的な運用上の措置としてオンラインによる外部交通を実施をしてきたところであり、現在、弾力的にその実施を拡大していくべく、日本弁護士連合会及び関係機関との間で協議を実施をしており、各地域の実情に応じて順次拡大することとしております。
このようなオンライン接見、オンラインによる外部交通について具体的なスケジュール等をお示しすることは困難でありますが、必要性の高い地域においては迅速に環境整備を行うことが必要であると考えており、今後も関係機関等と協議をし、一層その取組を加速してまいります。
次に、被疑者等と弁護人等との間のオンラインの方法による電磁的記録の授受の保障についてお尋ねがありました。
電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被疑者等の権利として位置付けることについては、法制審議会で議論がなされたものの、授受や閲覧に用いる機器について被疑者等がこれを破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるほか、不正な通信等の防止のための設備が必要となる、また、電磁的記録の検査のため刑事施設等の業務全体が圧迫されかねないなどの問題点が指摘をされ、答申に盛り込まれなかったものと承知をしております。
このような議論等を踏まえますと、電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
最後に、身体拘束中の被疑者等と弁護人等の間において電子化された証拠書類の授受を可能とする設備を整備する上での課題を解決する道筋についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、身体拘束中の被疑者等による電磁的記録の授受や閲覧を権利として位置付けることについては、法制審議会の議論において、授受や閲覧に用いる機器について被疑者等がこれを破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるなどの問題点が指摘をされ、答申に盛り込まれなかったものと承知をしております。
電磁的記録の授受や閲覧に用いる機器については、こうした課題があり、直ちに解決の道筋を示すことは困難でありますが、弁護人等から身体拘束中の被疑者等に対し電子化した証拠書類を記録した記録媒体が送付され、それが刑事裁判の遂行上必要不可欠と認められる場合などにおいて、被疑者等による自傷他害行為のおそれを含む施設の規律及び秩序の維持や管理運営上の支障について、個別具体的な事情を踏まえて慎重に検討の上、支障の程度が小さいと考えられるときには、裁量的にその閲覧を一時的に認める余地はあるものと考えております。
このような裁量的な取扱いは、個別具体的な事情を踏まえて検討、判断することとなりますが、可能な範囲で被告人の防御権にも配慮した対応がなされるよう、引き続き、設備の整備上の課題を含め、運用上の検討を行ってまいります。拍手
─────────────
この発言だけを見る →まず、電磁的記録提供命令の創設に当たっての国民の権利の保護についてのお尋ねがありました。
本法律案においては、捜査機関による電磁的記録提供命令について、必ず裁判官の発する令状によることとしており、捜査機関が提供を命ずることができる電磁的記録は、制度上、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定されることとなっている上、その命令に対しては、不服申立てをすることができることとしております。
したがいまして、本法律案には国民の権利を保護する規定が欠けているとの御指摘は当たらないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令に関する通知や不服申立ての権利の保障についてお尋ねがありました。
本法律案においては、捜査機関が電磁的記録提供命令により電磁的記録の提供を受けた場合に、当該電磁的記録に記録された情報の主体に提供の事実等を通知することとはしておりません。
現行刑事訴訟法においても、捜査機関が差押え等により被処分者以外の者に関する情報を取得した場合に、その者に通知することとはされていませんが、一般的に、そのことをもって差押え等に対する不服申立ての機会の保障が不十分であるとは考えられていないものと認識をしております。そのため、本法律案においては、そのような通知の仕組みを設けていないことに問題があるとは考えておりません。
次に、電磁的記録提供命令等に対する不服申立ての意義についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令や電磁的記録に係る記録媒体の押収が違法であるとして取り消された場合、捜査機関においては、提供させた電磁的記録や押収した電磁的記録媒体について、被処分者への返還に応じることとなると考えております。
したがいまして、電磁的記録提供命令等に対する不服申立てについて、救済としての意味がなく、不服申立てをする動機がないといった御指摘は当たらないものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令等が取り消された場合における電磁的記録の消去についてお尋ねがありました。
現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することができなくなることともされておりません。
こうした我が国の刑事法の基本的な考え方に照らしますと、電磁的記録提供命令等が取り消された場合であっても、それにより得られた電磁的記録について、証拠としての使用が直ちに否定をされるというものではありません。
また、捜査や公判に必要なものとして作成、取得された書類は、刑事訴訟法や刑事確定訴訟記録法等により、捜査中から事件終結後に至るまで、刑事手続の適正かつ円滑な遂行のためにありのまま保管、保存されるべきものであり、それが現行制度の基本的な考え方であります。
したがいまして、御指摘のような規定を設けることは、我が国における刑事法の基本的な考え方と整合されないものであり、相当でないと考えております。
次に、捜査機関が取得した電磁的記録に含まれる個人情報の不適正な利用の禁止についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取り扱っているものと承知をしております。
その上で、法務省といたしましても、捜査機関が取得をした電磁的記録に含まれる個人情報が不適正に利用されることのないようにすることは重要であると認識をしておりまして、そのために必要な事項については、規程や通達等によって周知徹底してまいります。
次に、捜査機関による個人情報の取扱いを独立性のある機関が監督する制度についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、法令等の規定や趣旨に従い、適正に取り扱っているものと承知をしております。
他方で、捜査機関による個人情報の取扱いを監督するに当たっては、個々の情報と被疑事件等との関連性の有無、程度や被疑者等の防御上の必要性の有無、程度を、それらが捜査の進展や争点等に応じて変化する可能性等も考慮しながら適時的確に判断して対処することが求められることになりますが、実際に捜査を行っていない外部の機関がそのような判断を適切に行うことは、一般に考えて極めて困難であると考えられます。
したがいまして、御指摘のような監督制度については合理性に疑問があるものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の運用に関する周知についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令は、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまり、供述を求めるものではないため、自己負罪拒否特権と抵触するものではありません。
もっとも、電磁的記録提供命令をするに当たっては、捜査当局において、同命令が御指摘のようにロックの解除方法等の供述を強要するものでないことを含む制度内容の正しい理解を前提としつつ、必要に応じて供述を強要するものでないことを相手方に教示をするなど、その権利を不当に侵害することがないように適正な運用がなされる必要があると考えております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、法務省といたしましても、捜査機関に対して、通達等により制度内容や運用上の留意事項を周知をしてまいります。
次に、被疑者、被告人の権利保護の重要性についてのお尋ねがありました。
刑事手続が適正に機能するためには、被疑者、被告人の権利が適切に保障されることが必要であり、弁護人による援助を受ける権利は、被疑者、被告人が自らに保障された権利を実効的に行使する上で重要な役割を果たしていると認識をしております。
次に、いわゆるオンライン接見の制度化についてお尋ねがありました。
オンライン接見については、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘をされており、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けて制度化することは相当でないと考えております。
他方で、法務省においては、実務的な運用上の措置としてオンラインによる外部交通を実施をしてきたところであり、現在、弾力的にその実施を拡大していくべく、日本弁護士連合会及び関係機関との間で協議を実施をしており、各地域の実情に応じて順次拡大することとしております。
このようなオンライン接見、オンラインによる外部交通について具体的なスケジュール等をお示しすることは困難でありますが、必要性の高い地域においては迅速に環境整備を行うことが必要であると考えており、今後も関係機関等と協議をし、一層その取組を加速してまいります。
次に、被疑者等と弁護人等との間のオンラインの方法による電磁的記録の授受の保障についてお尋ねがありました。
電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被疑者等の権利として位置付けることについては、法制審議会で議論がなされたものの、授受や閲覧に用いる機器について被疑者等がこれを破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるほか、不正な通信等の防止のための設備が必要となる、また、電磁的記録の検査のため刑事施設等の業務全体が圧迫されかねないなどの問題点が指摘をされ、答申に盛り込まれなかったものと承知をしております。
このような議論等を踏まえますと、電磁的記録の授受や閲覧を身体拘束中の被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
最後に、身体拘束中の被疑者等と弁護人等の間において電子化された証拠書類の授受を可能とする設備を整備する上での課題を解決する道筋についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、身体拘束中の被疑者等による電磁的記録の授受や閲覧を権利として位置付けることについては、法制審議会の議論において、授受や閲覧に用いる機器について被疑者等がこれを破壊するなどして自傷他害行為に用いる可能性があるなどの問題点が指摘をされ、答申に盛り込まれなかったものと承知をしております。
電磁的記録の授受や閲覧に用いる機器については、こうした課題があり、直ちに解決の道筋を示すことは困難でありますが、弁護人等から身体拘束中の被疑者等に対し電子化した証拠書類を記録した記録媒体が送付され、それが刑事裁判の遂行上必要不可欠と認められる場合などにおいて、被疑者等による自傷他害行為のおそれを含む施設の規律及び秩序の維持や管理運営上の支障について、個別具体的な事情を踏まえて慎重に検討の上、支障の程度が小さいと考えられるときには、裁量的にその閲覧を一時的に認める余地はあるものと考えております。
このような裁量的な取扱いは、個別具体的な事情を踏まえて検討、判断することとなりますが、可能な範囲で被告人の防御権にも配慮した対応がなされるよう、引き続き、設備の整備上の課題を含め、運用上の検討を行ってまいります。拍手
─────────────
関
嘉
嘉田由紀子#10
○嘉田由紀子君 日本維新の会の嘉田由紀子です。
私は、会派を代表し、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
人類の歴史を振り返ってみますと、新しい情報技術の誕生は、人類の知的活動に変革をもたらし、大きく時代を動かし、社会的秩序の在り方にも大きな影響を与えてきました。私自身は元々アフリカと社会変動の研究をしてまいりましたが、無文字社会のアフリカが十九世紀以降ヨーロッパ諸国により植民地化された背景には、印刷技術の進展による文字記録の現地社会への導入が社会の権力構造を大きく変えたという歴史があります。
二十世紀後半に普及したデジタル技術は、大量の情報を場所や時間を超えて共有できる特性を持つがゆえに、知識の蓄積や伝達方法が劇的に変わり、社会や経済、文化に大きな影響を与えてきました。
特に今回、国民の生殺与奪の権を持ち得る刑事訴訟法におけるデジタル技術の導入をめぐっては、技術的な利便性や合理性が高まることは社会的に求められておりますが、立法府としては、人権や社会構造的影響まで広く深く配慮する必要があります。いかがでしょうか。
と申しますのも、刑事事件の一連の流れを見ますと、ある日突然、普通の市民が逮捕され、もちろん犯罪行為を行った容疑者は刑事的手続を経て社会的制裁を受ける必要があるでしょうが、身に覚えのない、まさに冤罪で刑事罰を科される場面では、取調べ過程での丸裸の被疑者と大量のデジタル情報を持つ捜査側では情報の格差は歴然としています。不当な自白も起こりかねません。
私自身、滋賀県知事時代を振り返りますと、知事には警察権を行使する直接的な権限はないのですが、公安委員会の委員任命権はありました。県全体の治安維持とともに、県民が不条理な冤罪に巻き込まれないよう、人権維持に心を寄せてまいりました。ただ、残念ながら、湖東記念病院事件や日野町事件のような冤罪事件が起きてしまいました。じくじたる思いがあります。
刑事手続は、真実の発見と同時に、被疑者、被告人の権利の保障を目的とし、適正な手続に基づき正しく執行される必要があります。その技術的手段である刑事手続のデジタル化は、あくまでも手続の合理化、簡易化を目的としており、その必要性は肯定できるものの、被疑者、被告人の権利保障を後退させるものであってはなりません。
そこで、鈴木法務大臣に伺います。
国際的に見て日本のDX化は遅れていると言われておりますが、今回の日本の刑事デジタル法は、特に被疑者、被告人の権利保障の配慮について、諸外国、例えばフランス、アメリカなどと比べてどのような特色があるでしょうか。
改正案では、第一に、刑事手続において取り扱う書類について、電磁的方法により作成、管理、利用するとともに、オンラインによる発受が可能となっております。逮捕、捜索、差押え等に必要な令状についても、これまで紙の書類でやり取りしていたものが、請求時も、発付、執行時もオンラインで可能になります。
令状のデジタル化によって警察の捜査にどれほどの利点があるのか、令状を輸送するための緊急走行はどれほど減少させることができるのか、さらに、一般国民の日常生活の安全性の向上に寄与するものなのか、国家公安委員会委員長の所見を伺います。
オンラインで迅速化が進む一方で、紙による令状主義に比べ、リアルな人権に対する意識が希薄になり、配慮を欠いた不当な捜索や逮捕が横行するのではないのかという懸念の声もあります。令状のオンライン化による捜査当局者の意識の希薄化を防ぐ手だてが必要だと考えますが、法務大臣の答弁を求めます。
改正案では供述調書等の証拠書類もデジタル化するとしておりますが、過去にはデジタル化された証拠を検察当局が改変、捏造した冤罪事件も起きております。
二〇〇九年当時、厚生労働省職員だった村木厚子さんは、障害者向け郵便割引制度を悪用したという罪で大阪地検に逮捕されました。私は、村木さん、知り合いでございましたので、大変心を痛めておりました。その証拠とされたフロッピーディスク内の記録が地検の検事によって改ざんされていた事実がその後判明し、村木さんは冤罪を晴らすことができました。村木さんが冤罪の罪におとしめられた当時はフロッピーディスクの時代です。偽造の手口も今から見れば稚拙なものでしたが、デジタル技術もその偽造手法も大変高度化され、現在では見破ることも困難となっているのではないでしょうか。
検察としては、デジタルデータそのものを捏造したことをどのように反省しているのか。刑事デジタル化を進めようとしている今こそ確実に生かさなければならないと思いますが、法務大臣、いかがですか。具体的に、電子化された供述調書等の証拠書類、証拠物の改ざんや捏造をどのように防ぐのか、併せて法務大臣にお聞きします。
改正案は第二に、映像と音声の送受信、いわゆるビデオリンクを取調べや公判など一連の司法手続に活用するとしております。しかし、日本弁護士連合会が強く求めている勾留されている被疑者との弁護士の接見について、ビデオリンク等のオンライン接見は改正案に盛り込まれませんでした。
三月二十七日の衆議院本会議において、オンライン接見について、被告人等の権利として位置付けることは相当ではないと法務大臣は答弁され、身体拘束中の被告人等へのデジタルデータの授受や閲覧についても、モニター等の機器が破壊されるおそれや自傷他害行為に用いられるおそれを理由に権利として認めていません。被疑者が破壊行為をするというのは、ややステレオタイプ的な偏見ではないでしょうか。いかがでしょうか。
刑事施設の職員が同席するなどすれば不当な行為は防げるはずです。弁護士との接見は現行法でも大変重要な被疑者、被告人の権利として認められています。それをオンライン化することに障壁はないはずだと考えます。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、韓国では既にテレビ電話等での接見を認めております。
オンライン接見の権利をこれからもずっと認めないのか、近い将来には認めようとするのか、法務大臣の明確な方針をお示しください。
また現在、権利ではなく運用上の措置として行っている各地のアクセスポイントからのオンライン接見は、今後拡充する計画はあるのでしょうか、お聞きします。その際、アクセスポイントは都市部のみに設置するのではなく、島嶼部などにも配慮し、弁護士活動が地域的に偏在しないようにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
今回の法改正は捜査から裁判に至るまで刑事手続をデジタル化するものですが、私は、デジタル技術やITやAIを有罪確定後の受刑者の矯正教育や社会復帰に向けた職業訓練にも大いに取り入れるべきと考えます。いかがでしょうか。
現代社会において、社会復帰後、デジタル環境に対応することは不可欠です。既に一部の刑務所ではIT技術の活用が始まっていると聞いております。その成果と今後の展望をお示しください。また、受刑者の管理にAIを導入すれば刑務官の業務負担を軽減することもできると考えますが、いかがでしょうか。併せて法務大臣の答弁を求めます。
日本維新の会は、あらゆる分野でDXを推進すること、それにより国民生活をより豊かにすることを求めておりますが、同時に、人々の人権を守りながら、社会としての安心を埋め込み、暮らしの満足度を高めるウエルビーイングを求める方向も目指しております。刑事司法の分野も例外ではありません。デジタル化の推進によって社会から取り残される人々がいてはなりません。こうした課題に今後も全力で取り組んでいくことをお約束し、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →私は、会派を代表し、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
人類の歴史を振り返ってみますと、新しい情報技術の誕生は、人類の知的活動に変革をもたらし、大きく時代を動かし、社会的秩序の在り方にも大きな影響を与えてきました。私自身は元々アフリカと社会変動の研究をしてまいりましたが、無文字社会のアフリカが十九世紀以降ヨーロッパ諸国により植民地化された背景には、印刷技術の進展による文字記録の現地社会への導入が社会の権力構造を大きく変えたという歴史があります。
二十世紀後半に普及したデジタル技術は、大量の情報を場所や時間を超えて共有できる特性を持つがゆえに、知識の蓄積や伝達方法が劇的に変わり、社会や経済、文化に大きな影響を与えてきました。
特に今回、国民の生殺与奪の権を持ち得る刑事訴訟法におけるデジタル技術の導入をめぐっては、技術的な利便性や合理性が高まることは社会的に求められておりますが、立法府としては、人権や社会構造的影響まで広く深く配慮する必要があります。いかがでしょうか。
と申しますのも、刑事事件の一連の流れを見ますと、ある日突然、普通の市民が逮捕され、もちろん犯罪行為を行った容疑者は刑事的手続を経て社会的制裁を受ける必要があるでしょうが、身に覚えのない、まさに冤罪で刑事罰を科される場面では、取調べ過程での丸裸の被疑者と大量のデジタル情報を持つ捜査側では情報の格差は歴然としています。不当な自白も起こりかねません。
私自身、滋賀県知事時代を振り返りますと、知事には警察権を行使する直接的な権限はないのですが、公安委員会の委員任命権はありました。県全体の治安維持とともに、県民が不条理な冤罪に巻き込まれないよう、人権維持に心を寄せてまいりました。ただ、残念ながら、湖東記念病院事件や日野町事件のような冤罪事件が起きてしまいました。じくじたる思いがあります。
刑事手続は、真実の発見と同時に、被疑者、被告人の権利の保障を目的とし、適正な手続に基づき正しく執行される必要があります。その技術的手段である刑事手続のデジタル化は、あくまでも手続の合理化、簡易化を目的としており、その必要性は肯定できるものの、被疑者、被告人の権利保障を後退させるものであってはなりません。
そこで、鈴木法務大臣に伺います。
国際的に見て日本のDX化は遅れていると言われておりますが、今回の日本の刑事デジタル法は、特に被疑者、被告人の権利保障の配慮について、諸外国、例えばフランス、アメリカなどと比べてどのような特色があるでしょうか。
改正案では、第一に、刑事手続において取り扱う書類について、電磁的方法により作成、管理、利用するとともに、オンラインによる発受が可能となっております。逮捕、捜索、差押え等に必要な令状についても、これまで紙の書類でやり取りしていたものが、請求時も、発付、執行時もオンラインで可能になります。
令状のデジタル化によって警察の捜査にどれほどの利点があるのか、令状を輸送するための緊急走行はどれほど減少させることができるのか、さらに、一般国民の日常生活の安全性の向上に寄与するものなのか、国家公安委員会委員長の所見を伺います。
オンラインで迅速化が進む一方で、紙による令状主義に比べ、リアルな人権に対する意識が希薄になり、配慮を欠いた不当な捜索や逮捕が横行するのではないのかという懸念の声もあります。令状のオンライン化による捜査当局者の意識の希薄化を防ぐ手だてが必要だと考えますが、法務大臣の答弁を求めます。
改正案では供述調書等の証拠書類もデジタル化するとしておりますが、過去にはデジタル化された証拠を検察当局が改変、捏造した冤罪事件も起きております。
二〇〇九年当時、厚生労働省職員だった村木厚子さんは、障害者向け郵便割引制度を悪用したという罪で大阪地検に逮捕されました。私は、村木さん、知り合いでございましたので、大変心を痛めておりました。その証拠とされたフロッピーディスク内の記録が地検の検事によって改ざんされていた事実がその後判明し、村木さんは冤罪を晴らすことができました。村木さんが冤罪の罪におとしめられた当時はフロッピーディスクの時代です。偽造の手口も今から見れば稚拙なものでしたが、デジタル技術もその偽造手法も大変高度化され、現在では見破ることも困難となっているのではないでしょうか。
検察としては、デジタルデータそのものを捏造したことをどのように反省しているのか。刑事デジタル化を進めようとしている今こそ確実に生かさなければならないと思いますが、法務大臣、いかがですか。具体的に、電子化された供述調書等の証拠書類、証拠物の改ざんや捏造をどのように防ぐのか、併せて法務大臣にお聞きします。
改正案は第二に、映像と音声の送受信、いわゆるビデオリンクを取調べや公判など一連の司法手続に活用するとしております。しかし、日本弁護士連合会が強く求めている勾留されている被疑者との弁護士の接見について、ビデオリンク等のオンライン接見は改正案に盛り込まれませんでした。
三月二十七日の衆議院本会議において、オンライン接見について、被告人等の権利として位置付けることは相当ではないと法務大臣は答弁され、身体拘束中の被告人等へのデジタルデータの授受や閲覧についても、モニター等の機器が破壊されるおそれや自傷他害行為に用いられるおそれを理由に権利として認めていません。被疑者が破壊行為をするというのは、ややステレオタイプ的な偏見ではないでしょうか。いかがでしょうか。
刑事施設の職員が同席するなどすれば不当な行為は防げるはずです。弁護士との接見は現行法でも大変重要な被疑者、被告人の権利として認められています。それをオンライン化することに障壁はないはずだと考えます。イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、韓国では既にテレビ電話等での接見を認めております。
オンライン接見の権利をこれからもずっと認めないのか、近い将来には認めようとするのか、法務大臣の明確な方針をお示しください。
また現在、権利ではなく運用上の措置として行っている各地のアクセスポイントからのオンライン接見は、今後拡充する計画はあるのでしょうか、お聞きします。その際、アクセスポイントは都市部のみに設置するのではなく、島嶼部などにも配慮し、弁護士活動が地域的に偏在しないようにするべきだと思いますが、いかがでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。
今回の法改正は捜査から裁判に至るまで刑事手続をデジタル化するものですが、私は、デジタル技術やITやAIを有罪確定後の受刑者の矯正教育や社会復帰に向けた職業訓練にも大いに取り入れるべきと考えます。いかがでしょうか。
現代社会において、社会復帰後、デジタル環境に対応することは不可欠です。既に一部の刑務所ではIT技術の活用が始まっていると聞いております。その成果と今後の展望をお示しください。また、受刑者の管理にAIを導入すれば刑務官の業務負担を軽減することもできると考えますが、いかがでしょうか。併せて法務大臣の答弁を求めます。
日本維新の会は、あらゆる分野でDXを推進すること、それにより国民生活をより豊かにすることを求めておりますが、同時に、人々の人権を守りながら、社会としての安心を埋め込み、暮らしの満足度を高めるウエルビーイングを求める方向も目指しております。刑事司法の分野も例外ではありません。デジタル化の推進によって社会から取り残される人々がいてはなりません。こうした課題に今後も全力で取り組んでいくことをお約束し、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
鈴
鈴木馨祐#11
○国務大臣(鈴木馨祐君) 嘉田由紀子議員にお答えいたします。
まず、被疑者等の権利保障への配慮に関する本法律案と諸外国の制度との比較についてお尋ねがありました。
諸外国による制度の内容は各国の実情に応じて様々であることから、それらと比較した場合の本法律案の特色について一概に申し上げることは困難であります。
その上で、本法律案においては、被疑者等の権利保障に関し、証拠書類の電子データ化等により、弁護人が、電磁的記録である証拠書類について、裁判所や検察庁においてコピーの手間なく謄写することを可能とするとともに、オンラインにより閲覧、謄写することも可能とし、また、身体拘束に対する不服申立て等をオンラインにより迅速に行うことも可能とするなどしているところでありまして、これらを通じて被疑者等の防御上の負担が大幅に軽減され得るものと考えております。
次に、令状の請求、発付のオンライン化による捜査当局者の意識の希薄化についてお尋ねがありました。
本法律案においては令状について電磁的記録によることを可能としておりますが、令状の請求や発付の要件は維持することとしており、裁判官や捜査機関による要件該当性の判断の在り方はこれまでと変わりません。
したがいまして、御懸念は当たらないと考えており、御指摘のような手だてを設ける必要はないと考えておりますが、いずれにいたしましても、本法律案による改正後も令状の請求や発付が適正に行われることが重要であると考えております。
次に、いわゆる厚生労働省元局長無罪事件におけるデジタルデータの捏造についての検察の反省と、電子化される証拠書類及び証拠物の改ざん等を防ぐ方策についてお尋ねがありました。
まず、最高検察庁が御指摘の事件に関して平成二十二年十二月に公表した検証結果報告書においては、検察官の倫理意識の向上を図る必要があること、証拠物の保管管理状況に問題があったことなどが指摘をされたものと承知をしております。
そして、その検証結果を踏まえ、検察当局においては、押収した電磁的記録媒体の原本の内容の精査、検討は、原則として複写物を作成し、これを利用して行うほか、押収した電磁的記録媒体の原本について封印を実施するなど、押収された電子データの改ざん、改変を防止する取組を実施しており、引き続き適切に対処していくものと承知をしております。
また、電子化される供述調書等の証拠書類の非改ざん性を担保する技術上の措置としては、例えば公開鍵暗号方式による電子署名など様々な方策があり得るところ、法務省では、現在、最高裁判所、警察庁等の関係機関や開発業者と検討を重ねております。引き続き、関係機関と緊密に連携をしつつ、検討を進めてまいります。
次に、いわゆるオンライン接見の権利化及びオンラインによる外部交通の拡充についてお尋ねがありました。
オンライン接見については、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘されており、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
他方で、実務的な運用上の措置として行っているオンラインによる外部交通については、現在、弾力的にその実施を拡大していくべく、日本弁護士連合会及び関係機関との間で協議を実施しているところであり、法務省においては、本年度、そのための環境整備経費を計上しております。その拡大の対象となる地域については、御指摘の島嶼部などの地域性や弁護士の偏在にも配慮し、日本弁護士連合会等と協議の上、その必要性が高い地域から選定することとしております。
法務省といたしましては、必要性が高い地域においては迅速に環境整備を行うことが必要であると考えており、今後も関係機関等と協議し、一層その取組を加速をしてまいります。
最後に、刑事施設におけるITやAIの活用について、受刑者に対する矯正処遇への活用という観点と職員の負担軽減との観点から、それぞれお尋ねがありました。
御指摘のとおり、現代社会において、デジタル環境への対応力は、受刑者の円滑な社会復帰という観点から大変重要な要素であると考えております。
例えば、一部刑務所においてAIの活用による個々の受刑者の学力に応じた出題を自動的に行う教科指導、パソコン操作に関する基礎的知識やITに関連する幅広い分野のスキルを習得するための職業訓練を行っており、こうした取組は、受刑者の学力や就労意欲の向上、出所後の就職支援にも寄与しているほか、再犯防止の観点からも重要であると考えております。
また、刑事施設で使用している受刑者のデータベースに関するシステムを更新し、受刑者の様々な情報を一元化したことにより、施設内の部門間で共有や連携が容易となったところであります。このシステムにおける再犯防止に資するデータ分析の促進やデータの利活用など、拘禁刑の施行に鑑み、引き続き適切に対処してまいりたいと考えております。
今後も、デジタル化が進んでいく社会の情勢を踏まえつつ、刑事施設におけるITやAIの活用についても必要に応じて検討を進めていきたいと考えております。拍手
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、被疑者等の権利保障への配慮に関する本法律案と諸外国の制度との比較についてお尋ねがありました。
諸外国による制度の内容は各国の実情に応じて様々であることから、それらと比較した場合の本法律案の特色について一概に申し上げることは困難であります。
その上で、本法律案においては、被疑者等の権利保障に関し、証拠書類の電子データ化等により、弁護人が、電磁的記録である証拠書類について、裁判所や検察庁においてコピーの手間なく謄写することを可能とするとともに、オンラインにより閲覧、謄写することも可能とし、また、身体拘束に対する不服申立て等をオンラインにより迅速に行うことも可能とするなどしているところでありまして、これらを通じて被疑者等の防御上の負担が大幅に軽減され得るものと考えております。
次に、令状の請求、発付のオンライン化による捜査当局者の意識の希薄化についてお尋ねがありました。
本法律案においては令状について電磁的記録によることを可能としておりますが、令状の請求や発付の要件は維持することとしており、裁判官や捜査機関による要件該当性の判断の在り方はこれまでと変わりません。
したがいまして、御懸念は当たらないと考えており、御指摘のような手だてを設ける必要はないと考えておりますが、いずれにいたしましても、本法律案による改正後も令状の請求や発付が適正に行われることが重要であると考えております。
次に、いわゆる厚生労働省元局長無罪事件におけるデジタルデータの捏造についての検察の反省と、電子化される証拠書類及び証拠物の改ざん等を防ぐ方策についてお尋ねがありました。
まず、最高検察庁が御指摘の事件に関して平成二十二年十二月に公表した検証結果報告書においては、検察官の倫理意識の向上を図る必要があること、証拠物の保管管理状況に問題があったことなどが指摘をされたものと承知をしております。
そして、その検証結果を踏まえ、検察当局においては、押収した電磁的記録媒体の原本の内容の精査、検討は、原則として複写物を作成し、これを利用して行うほか、押収した電磁的記録媒体の原本について封印を実施するなど、押収された電子データの改ざん、改変を防止する取組を実施しており、引き続き適切に対処していくものと承知をしております。
また、電子化される供述調書等の証拠書類の非改ざん性を担保する技術上の措置としては、例えば公開鍵暗号方式による電子署名など様々な方策があり得るところ、法務省では、現在、最高裁判所、警察庁等の関係機関や開発業者と検討を重ねております。引き続き、関係機関と緊密に連携をしつつ、検討を進めてまいります。
次に、いわゆるオンライン接見の権利化及びオンラインによる外部交通の拡充についてお尋ねがありました。
オンライン接見については、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘されており、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
他方で、実務的な運用上の措置として行っているオンラインによる外部交通については、現在、弾力的にその実施を拡大していくべく、日本弁護士連合会及び関係機関との間で協議を実施しているところであり、法務省においては、本年度、そのための環境整備経費を計上しております。その拡大の対象となる地域については、御指摘の島嶼部などの地域性や弁護士の偏在にも配慮し、日本弁護士連合会等と協議の上、その必要性が高い地域から選定することとしております。
法務省といたしましては、必要性が高い地域においては迅速に環境整備を行うことが必要であると考えており、今後も関係機関等と協議し、一層その取組を加速をしてまいります。
最後に、刑事施設におけるITやAIの活用について、受刑者に対する矯正処遇への活用という観点と職員の負担軽減との観点から、それぞれお尋ねがありました。
御指摘のとおり、現代社会において、デジタル環境への対応力は、受刑者の円滑な社会復帰という観点から大変重要な要素であると考えております。
例えば、一部刑務所においてAIの活用による個々の受刑者の学力に応じた出題を自動的に行う教科指導、パソコン操作に関する基礎的知識やITに関連する幅広い分野のスキルを習得するための職業訓練を行っており、こうした取組は、受刑者の学力や就労意欲の向上、出所後の就職支援にも寄与しているほか、再犯防止の観点からも重要であると考えております。
また、刑事施設で使用している受刑者のデータベースに関するシステムを更新し、受刑者の様々な情報を一元化したことにより、施設内の部門間で共有や連携が容易となったところであります。このシステムにおける再犯防止に資するデータ分析の促進やデータの利活用など、拘禁刑の施行に鑑み、引き続き適切に対処してまいりたいと考えております。
今後も、デジタル化が進んでいく社会の情勢を踏まえつつ、刑事施設におけるITやAIの活用についても必要に応じて検討を進めていきたいと考えております。拍手
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕
坂
坂井学#12
○国務大臣(坂井学君) 電子データによる令状の発付、執行について御質問がありました。
現行法の下におきましては、令状請求に当たっては、捜査員が裁判所まで請求のための資料を運び、令状の発付後、これを現場に持っていって執行しております。
令状の請求や発付がオンライン化されることとなれば、緊急走行であるか否かにかかわらず、原則として、令状請求などのために捜査員が警察施設と裁判所や令状の執行場所などの間を移動する必要がなくなることとなります。
その結果、令状請求のための資料や発付された令状を運ぶために要していた人員、時間を他の警察活動により多く迅速に投入することが可能となるため、国民の安全の向上にもつながるものと考えております。拍手
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この発言だけを見る →現行法の下におきましては、令状請求に当たっては、捜査員が裁判所まで請求のための資料を運び、令状の発付後、これを現場に持っていって執行しております。
令状の請求や発付がオンライン化されることとなれば、緊急走行であるか否かにかかわらず、原則として、令状請求などのために捜査員が警察施設と裁判所や令状の執行場所などの間を移動する必要がなくなることとなります。
その結果、令状請求のための資料や発付された令状を運ぶために要していた人員、時間を他の警察活動により多く迅速に投入することが可能となるため、国民の安全の向上にもつながるものと考えております。拍手
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関
川
川合孝典#14
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
会派を代表して、鈴木法務大臣に質問します。
本法案は、裁判案件の高度化、複雑化の進展に伴い長期化する訴訟期間の短縮が喫緊の課題となる中、情報通信技術を活用して刑事手続等を円滑化、迅速化するとともに、訴訟に関与する国民の負担軽減を図るための規定を整備するほか、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備を行うことをその目的としております。
こうした法改正の趣旨や取組に期待する声がある一方で、デジタル社会における個人情報保護の在り方や証拠として提出、押収された電磁的記録の取扱いについては、数多くの懸念の声とともに、修正を求める声が寄せられております。
こうした指摘事項を踏まえて、刑事手続のデジタル化を推進するに当たり、今後検討すべき事項を中心に、法務大臣に質問します。
なお、少しでも分かりやすくするため、条文中の「電磁的記録」は可能な限り電子データと読み替えて質問いたします。
まず、証拠書類の発受のオンライン化について質問します。
現行法では、裁判所における証拠物の閲覧、謄写は、代替性のない証拠物が破損等しないようにとの理由から、裁判長の許可を要することとなっております。改正法では、これに加えて、電子データ全般にわたって閲覧、謄写には裁判長の許可を要することとされております。
しかし、これでは弁護士から謄写の申請があるごとに毎回裁判所から検察に意見を聞く時間が必要となり、裁判の円滑化、迅速化という立法の趣旨に反するものと考えます。
例えば、性犯罪の動画データなど、謄写方法をオンライン以外にすべき証拠を検察官が事前に限定することで、裁判長の許可手続を簡略化すべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、電子データ化された証拠の開示判断における検察官の裁量範囲について質問します。
本法案では、オンラインによる電子データの閲覧、謄写が原則とはなっていません。今回、オンラインによる証拠開示を導入する目的は、証拠開示に要する時間を短縮化することによる裁判の迅速化と裁判費用の削減にありますが、検察官の自由裁量によって紙媒体による開示と電子データによるデジタル開示を選択できるような運用が可能となれば、公判前整理手続や公判の迅速な進行の支障となるおそれが指摘されております。
法改正後、証拠開示に当たって検察官にこのような裁量の余地が生じるものなのかどうか、法務大臣に確認をします。
次に、刑事施設内での電子データ化された証拠の閲覧環境の整備について質問します。
昨今、防犯カメラの映像を始め、録音、録画などのデジタルデータが増えていますが、現在、拘置所内で動画や画像を閲覧することはできません。今後、法改正によって検察、弁護士間の電子データのやり取りがオンライン化されても、被告との間がオンライン化されなければ、結局弁護士が印刷して持ち込むほか手段がないことから、立法趣旨である刑事手続の円滑化、迅速化の阻害要因となります。
電子データ化された証拠を保存した記録媒体あるいはポータルサイトに直接アクセスすることにより、被告人が刑事施設内で証拠を閲覧できる環境の整備を行うことなどが必要と考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、オンライン接見の普及に向けた取組について質問します。
本改正案では、ビデオリンクの活用については、勾留質問、弁解録取、公判前手続期日、公判期日における出席が記載されていますが、オンライン接見に関する規定はありません。特に接見に行きづらい遠隔地とのオンライン接見は、被疑者の権利を守り、刑事手続の円滑化、迅速化を図る上で極めて有効なツールとなります。東京拘置所における外部交通と何ら変わりない仕組みで、オンライン接見は可能と考えております。
期限を決めて速やかに全刑事施設でオンライン接見が行えるよう、通信設備の整備を進めるべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、証拠として取得した電子データに含まれる不必要な第三者情報の取扱いについて質問します。
電磁的記録提供命令によって提出、押収された電子データの中には、当該事件とは全く関係のない第三者の情報が含まれている可能性があります。誤って押収した不必要な第三者情報の使用制限規制や保管期間、保管方法の規制、そして期間終了後の消去義務規定などが必要と考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、電磁的記録を取得された当事者への通知の在り方について質問します。
本法案では、罪証隠滅を防止する観点から、電磁的記録提供命令に基づき、電気通信事業者などの第三者から電磁的記録が取得された場合、自らの情報を取得された当事者への通知規定が全く設けられておりません。加えて、電磁的記録提供命令を受けた者に対して電磁的記録を提供したことなどを漏らしてはならない旨の命令が罰則付きで可能となっていることから、当事者はどのような情報が提出されたか把握すらできないこととなります。
罪証隠滅のおそれがなくなった時点で当事者への通知はなされるべきであり、例えば秘密保持命令の終期を公判開始日にするなど基準を明文化すべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、秘密保持命令に対する不服申立て規定について質問します。
秘密保持命令に対する不服申立て規定は、電磁的記録提供者が事業者等である場合、その事業者に対して不服申立て権を認める対象となっており、本来の情報主体には不服申立て権が保障されておりません。また、仮に不服申立て権が保障されたとしても、さきに言及したとおり、秘密保持命令によって電磁的記録を取得された通知が届かなければ、当事者はそもそもどのような情報が提出されているかすら分からないことから、適切に不服申立て権を行使することができないこととなります。
不服申立て権を適切に行使できるよう、電磁的記録を取得したことの通知の在り方については更なる検討が必要と考えますが、この点につき、法務大臣の見解を求めます。
電磁的記録提供命令に伴う費用補償の必要性について御質問します。
日本では、任意捜査、強制捜査いずれの場合にも費用補償の規定がありません。これまでは協力的な事業者が事実上の記録提出対象者となっていたことから費用補償は余り問題となりませんでしたが、電磁的記録提供命令は協力的な事業者のみを対象とするものではなく、罰則規定まで設けて対応を求める以上、その負担に対する費用補償の問題は今後の課題になるものと考えております。
頻繁に電磁的記録提供命令の対象となる事業者は、担当部署を設置し、多大な人件費を掛けて対応しなければならない状況が想定されますが、費用補償の在り方について法務大臣の見解を求めます。
次に、供述内容を記録した電子データの作成、取扱いについて質問します。
電子データは、紙媒体に比べ、差し替えや改ざんが容易である上、事後的検証が困難であるとされております。したがって、署名、押印に代わる措置による供述内容の確定、差し替え、改ざんの有無を検証できる措置が必要になるものと考えております。
署名、押印に代わる代替措置としてタイムスタンプや電子署名などの活用が考えられるほか、事後検証のための措置としては管理システムログや文書メタデータを開示対象とするなどが考えられますが、供述調書の情報保全についてどのような対応を今後図るおつもりなのか、法務大臣の見解を求めます。
最後に、捜査機関が取得した電子データの利用目的を規制する必要性について質問します。
現在、捜査機関が保管する電磁的記録には、保管期間や目的外利用を規制するルールが存在せず、裁判においてもデータベースの目的外利用の問題点が指摘されております。
捜査機関が必要のないデータを長期にわたって保有し使用できる現状は、個人情報保護の観点からも問題があり、電磁的記録の利用目的に規制を行う必要があるものと考えます。この点について法務大臣の見解を求めて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、鈴木法務大臣に質問します。
本法案は、裁判案件の高度化、複雑化の進展に伴い長期化する訴訟期間の短縮が喫緊の課題となる中、情報通信技術を活用して刑事手続等を円滑化、迅速化するとともに、訴訟に関与する国民の負担軽減を図るための規定を整備するほか、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備を行うことをその目的としております。
こうした法改正の趣旨や取組に期待する声がある一方で、デジタル社会における個人情報保護の在り方や証拠として提出、押収された電磁的記録の取扱いについては、数多くの懸念の声とともに、修正を求める声が寄せられております。
こうした指摘事項を踏まえて、刑事手続のデジタル化を推進するに当たり、今後検討すべき事項を中心に、法務大臣に質問します。
なお、少しでも分かりやすくするため、条文中の「電磁的記録」は可能な限り電子データと読み替えて質問いたします。
まず、証拠書類の発受のオンライン化について質問します。
現行法では、裁判所における証拠物の閲覧、謄写は、代替性のない証拠物が破損等しないようにとの理由から、裁判長の許可を要することとなっております。改正法では、これに加えて、電子データ全般にわたって閲覧、謄写には裁判長の許可を要することとされております。
しかし、これでは弁護士から謄写の申請があるごとに毎回裁判所から検察に意見を聞く時間が必要となり、裁判の円滑化、迅速化という立法の趣旨に反するものと考えます。
例えば、性犯罪の動画データなど、謄写方法をオンライン以外にすべき証拠を検察官が事前に限定することで、裁判長の許可手続を簡略化すべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、電子データ化された証拠の開示判断における検察官の裁量範囲について質問します。
本法案では、オンラインによる電子データの閲覧、謄写が原則とはなっていません。今回、オンラインによる証拠開示を導入する目的は、証拠開示に要する時間を短縮化することによる裁判の迅速化と裁判費用の削減にありますが、検察官の自由裁量によって紙媒体による開示と電子データによるデジタル開示を選択できるような運用が可能となれば、公判前整理手続や公判の迅速な進行の支障となるおそれが指摘されております。
法改正後、証拠開示に当たって検察官にこのような裁量の余地が生じるものなのかどうか、法務大臣に確認をします。
次に、刑事施設内での電子データ化された証拠の閲覧環境の整備について質問します。
昨今、防犯カメラの映像を始め、録音、録画などのデジタルデータが増えていますが、現在、拘置所内で動画や画像を閲覧することはできません。今後、法改正によって検察、弁護士間の電子データのやり取りがオンライン化されても、被告との間がオンライン化されなければ、結局弁護士が印刷して持ち込むほか手段がないことから、立法趣旨である刑事手続の円滑化、迅速化の阻害要因となります。
電子データ化された証拠を保存した記録媒体あるいはポータルサイトに直接アクセスすることにより、被告人が刑事施設内で証拠を閲覧できる環境の整備を行うことなどが必要と考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、オンライン接見の普及に向けた取組について質問します。
本改正案では、ビデオリンクの活用については、勾留質問、弁解録取、公判前手続期日、公判期日における出席が記載されていますが、オンライン接見に関する規定はありません。特に接見に行きづらい遠隔地とのオンライン接見は、被疑者の権利を守り、刑事手続の円滑化、迅速化を図る上で極めて有効なツールとなります。東京拘置所における外部交通と何ら変わりない仕組みで、オンライン接見は可能と考えております。
期限を決めて速やかに全刑事施設でオンライン接見が行えるよう、通信設備の整備を進めるべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、証拠として取得した電子データに含まれる不必要な第三者情報の取扱いについて質問します。
電磁的記録提供命令によって提出、押収された電子データの中には、当該事件とは全く関係のない第三者の情報が含まれている可能性があります。誤って押収した不必要な第三者情報の使用制限規制や保管期間、保管方法の規制、そして期間終了後の消去義務規定などが必要と考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、電磁的記録を取得された当事者への通知の在り方について質問します。
本法案では、罪証隠滅を防止する観点から、電磁的記録提供命令に基づき、電気通信事業者などの第三者から電磁的記録が取得された場合、自らの情報を取得された当事者への通知規定が全く設けられておりません。加えて、電磁的記録提供命令を受けた者に対して電磁的記録を提供したことなどを漏らしてはならない旨の命令が罰則付きで可能となっていることから、当事者はどのような情報が提出されたか把握すらできないこととなります。
罪証隠滅のおそれがなくなった時点で当事者への通知はなされるべきであり、例えば秘密保持命令の終期を公判開始日にするなど基準を明文化すべきと考えますが、法務大臣の見解を求めます。
次に、秘密保持命令に対する不服申立て規定について質問します。
秘密保持命令に対する不服申立て規定は、電磁的記録提供者が事業者等である場合、その事業者に対して不服申立て権を認める対象となっており、本来の情報主体には不服申立て権が保障されておりません。また、仮に不服申立て権が保障されたとしても、さきに言及したとおり、秘密保持命令によって電磁的記録を取得された通知が届かなければ、当事者はそもそもどのような情報が提出されているかすら分からないことから、適切に不服申立て権を行使することができないこととなります。
不服申立て権を適切に行使できるよう、電磁的記録を取得したことの通知の在り方については更なる検討が必要と考えますが、この点につき、法務大臣の見解を求めます。
電磁的記録提供命令に伴う費用補償の必要性について御質問します。
日本では、任意捜査、強制捜査いずれの場合にも費用補償の規定がありません。これまでは協力的な事業者が事実上の記録提出対象者となっていたことから費用補償は余り問題となりませんでしたが、電磁的記録提供命令は協力的な事業者のみを対象とするものではなく、罰則規定まで設けて対応を求める以上、その負担に対する費用補償の問題は今後の課題になるものと考えております。
頻繁に電磁的記録提供命令の対象となる事業者は、担当部署を設置し、多大な人件費を掛けて対応しなければならない状況が想定されますが、費用補償の在り方について法務大臣の見解を求めます。
次に、供述内容を記録した電子データの作成、取扱いについて質問します。
電子データは、紙媒体に比べ、差し替えや改ざんが容易である上、事後的検証が困難であるとされております。したがって、署名、押印に代わる措置による供述内容の確定、差し替え、改ざんの有無を検証できる措置が必要になるものと考えております。
署名、押印に代わる代替措置としてタイムスタンプや電子署名などの活用が考えられるほか、事後検証のための措置としては管理システムログや文書メタデータを開示対象とするなどが考えられますが、供述調書の情報保全についてどのような対応を今後図るおつもりなのか、法務大臣の見解を求めます。
最後に、捜査機関が取得した電子データの利用目的を規制する必要性について質問します。
現在、捜査機関が保管する電磁的記録には、保管期間や目的外利用を規制するルールが存在せず、裁判においてもデータベースの目的外利用の問題点が指摘されております。
捜査機関が必要のないデータを長期にわたって保有し使用できる現状は、個人情報保護の観点からも問題があり、電磁的記録の利用目的に規制を行う必要があるものと考えます。この点について法務大臣の見解を求めて、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
鈴
鈴木馨祐#15
○国務大臣(鈴木馨祐君) 川合孝典議員にお答えを申し上げます。
まず、訴訟に関する書類等のオンラインの方法による閲覧、謄写についてお尋ねがありました。
本法律案による改正により、訴訟に関する書類等が電磁的記録である場合に、弁護人は裁判長の許可を受けてオンラインの方法による閲覧等をすることは可能となります。その許可をするか否かの判断に当たっては、裁判長において、関係者のプライバシー等を保護しつつ、弁護人の防御準備における利便性の向上を図る観点から、個別の事案ごとに具体的な事情を考慮して適切に判断することとなると考えております。
その上で、御指摘のような観点も含め、具体的な運用の在り方については、本法律案が改正法として成立した後、裁判所において検討が行われるものと承知をしております。
次に、検察官によるオンラインの方法による証拠開示についてお尋ねがありました。
本法律案による改正により、証拠書類等が電磁的記録である場合に、検察官の選択により、オンラインの方法による証拠開示が可能となります。その場合の検察官による証拠開示に関し、法務省としては、関係者のプライバシー等を保護しつつ、弁護人の防御準備における利便性の向上を図る観点から、弁護人の要望を踏まえつつ、できる限りオンラインの方法による証拠開示を認めることが望ましいと考えております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、検察当局においても、このような観点から適切な運用に努めていくものと承知をしております。
次に、刑事施設内における電子データ化された証拠の閲覧環境の整備についてお尋ねがありました。
お尋ねのポータルサイトを整備することは現時点で検討しておりませんが、刑事施設において、弁護人等から身体拘束中の被告人等に対し電子化した証拠書類を記録した記録媒体が送付された場合に、その閲覧を裁量的に認めることについては慎重に検討する必要があるものの、刑事裁判の遂行上必要不可欠と認める場合において、刑事施設における体制上の支障の程度が小さい場合には、その閲覧を一時的に認める余地はあると考えております。
このような裁量的な取扱いは、個別具体的な事情を踏まえて検討、判断することとなりますが、可能な範囲で被告人等の防御権にも配慮した対応がなされるよう、引き続き、御指摘のような環境の整備の在り方を含め、運用上の検討を行ってまいります。
次に、オンライン接見の普及に向けた取組についてお尋ねがありました。
一部の地域において行われている検察庁や法テラスと拘置所等との間の電話等による外部交通を実施する運用は、被告人等である未決拘禁者の防御権への特別な配慮として、関係機関及び日本弁護士連合会との協議を経て行っているものであります。その協議を踏まえて、法務省においては、本年度、オンラインによる外部交通を実施するための環境整備経費を計上しており、今後も各地域の実情に応じて順次拡大することとしております。
次に、電磁的記録提供命令により提供された電磁的記録の利用、管理等の在り方についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、捜査の過程で作成、取得した電磁的記録について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取扱いをしているものと承知をしております。
その上で、本法律案により電磁的記録提供命令が創設された場合に、同命令により取得された電磁的記録について適切に保管、管理するとともに、不適正な利用を防止し、必要な期間保管した後は廃棄をすることなどを内容とする適正な取扱いに関する規程等を整備することは重要であると考えておりまして、具体的な規定の在り方について引き続き検討をしてまいります。
次に、秘密保持命令に係る基準の明文化についてのお尋ねがありました。
衆議院における修正後の本法律案においては、捜査機関は、裁判官が必要であると認めて許可をした場合に限って、一年を超えない範囲内において裁判官が定めた期間の限度で秘密保持命令をすることができ、また、必要がなくなったときは命令を取り消さなければならないこととしております。
その上で、具体的にどの程度の期間を定めるかや、どのようなタイミングで取り消すかについて、個別の事案ごとに具体的な事実関係や証拠関係を踏まえて判断されるべき事柄であることから、その基準を明文化することは困難であると考えております。
他方で、法務省といたしましても、秘密保持命令が適正に運用されることは重要であると認識しておりまして、本法律案が改正法として成立した場合には、関係機関に対して制度の内容や趣旨等の周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、秘密保持命令に対する不服申立てや電磁的記録提供命令に係る通知の在り方についてお尋ねがありました。
秘密保持命令の名宛て人以外の者は、当該命令それ自体によってその権利利益を制約されるものではないことから、一般に、当該命令に対する不服申立ての主体とはならないと考えております。
また、本法律案において、捜査機関が電磁的記録提供命令により電磁的記録の提供を受けた場合に、当該電磁的記録に記録された情報の主体に提供の事実等を通知することとはしておりません。
現行刑事訴訟法においても、捜査機関が差押え等により被処分者以外の者に関する情報を取得した場合に、その者に通知をすることとはされておりませんが、一般的に、そのことをもって差押え等に対する不服申立ての機会の保障が不十分であるとは考えていないものと認識をしております。そのため、本法律案において、そのような通知の仕組みを設けないことに問題があるとは考えておりません。
次に、電磁的記録提供命令に関する費用補償の在り方についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令は、現行の差押え等と異なり、被処分者において、捜査機関への対面での対応が不要となる上、オンラインによる電磁的記録の提供も可能となることから、被処分者となる事業者の負担の軽減に資するものと考えております。また、捜査機関による電磁的記録提供命令は、裁判官が必要があると認めて許可をした場合に限ってすることができることとしております。
したがいまして、電磁的記録提供命令は、現行の差押え等と比較して、事業者に過度の負担を負わせることにはならないと考えておりまして、そのために要する費用について公的に補償するような制度を設けることは特に考えておりませんが、もとより、捜査機関においては、事業者に掛ける負担ができる限り小さくなるよう、事案に応じて適切に配慮していくものと考えております。
次に、電子化される供述調書の情報保全のための対応についてお尋ねがありました。
電子化される供述調書の非改ざん性を担保し、事後検証を可能とする技術上の措置としては、例えば公開鍵暗号方式による電子署名など、御指摘のものを含め、様々な方策があり得るところでありますが、法務省といたしましては、現在、最高裁判所、警察庁等の関係機関やあるいは開発業者と検討を重ねているところであります。引き続き、関係機関等と緊密に連携をし、検討を進めてまいります。
最後に、捜査機関が取得した電磁的記録の利用の規制についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取扱いを行っているものと承知をしております。
その上で、法務省といたしましても、捜査機関が取得した電磁的記録が不適正に利用されることのないようにすることは重要であると認識をしておりまして、そのために必要な事項については、規程や通達により周知徹底をしてまいります。拍手
─────────────
この発言だけを見る →まず、訴訟に関する書類等のオンラインの方法による閲覧、謄写についてお尋ねがありました。
本法律案による改正により、訴訟に関する書類等が電磁的記録である場合に、弁護人は裁判長の許可を受けてオンラインの方法による閲覧等をすることは可能となります。その許可をするか否かの判断に当たっては、裁判長において、関係者のプライバシー等を保護しつつ、弁護人の防御準備における利便性の向上を図る観点から、個別の事案ごとに具体的な事情を考慮して適切に判断することとなると考えております。
その上で、御指摘のような観点も含め、具体的な運用の在り方については、本法律案が改正法として成立した後、裁判所において検討が行われるものと承知をしております。
次に、検察官によるオンラインの方法による証拠開示についてお尋ねがありました。
本法律案による改正により、証拠書類等が電磁的記録である場合に、検察官の選択により、オンラインの方法による証拠開示が可能となります。その場合の検察官による証拠開示に関し、法務省としては、関係者のプライバシー等を保護しつつ、弁護人の防御準備における利便性の向上を図る観点から、弁護人の要望を踏まえつつ、できる限りオンラインの方法による証拠開示を認めることが望ましいと考えております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、検察当局においても、このような観点から適切な運用に努めていくものと承知をしております。
次に、刑事施設内における電子データ化された証拠の閲覧環境の整備についてお尋ねがありました。
お尋ねのポータルサイトを整備することは現時点で検討しておりませんが、刑事施設において、弁護人等から身体拘束中の被告人等に対し電子化した証拠書類を記録した記録媒体が送付された場合に、その閲覧を裁量的に認めることについては慎重に検討する必要があるものの、刑事裁判の遂行上必要不可欠と認める場合において、刑事施設における体制上の支障の程度が小さい場合には、その閲覧を一時的に認める余地はあると考えております。
このような裁量的な取扱いは、個別具体的な事情を踏まえて検討、判断することとなりますが、可能な範囲で被告人等の防御権にも配慮した対応がなされるよう、引き続き、御指摘のような環境の整備の在り方を含め、運用上の検討を行ってまいります。
次に、オンライン接見の普及に向けた取組についてお尋ねがありました。
一部の地域において行われている検察庁や法テラスと拘置所等との間の電話等による外部交通を実施する運用は、被告人等である未決拘禁者の防御権への特別な配慮として、関係機関及び日本弁護士連合会との協議を経て行っているものであります。その協議を踏まえて、法務省においては、本年度、オンラインによる外部交通を実施するための環境整備経費を計上しており、今後も各地域の実情に応じて順次拡大することとしております。
次に、電磁的記録提供命令により提供された電磁的記録の利用、管理等の在り方についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、捜査の過程で作成、取得した電磁的記録について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取扱いをしているものと承知をしております。
その上で、本法律案により電磁的記録提供命令が創設された場合に、同命令により取得された電磁的記録について適切に保管、管理するとともに、不適正な利用を防止し、必要な期間保管した後は廃棄をすることなどを内容とする適正な取扱いに関する規程等を整備することは重要であると考えておりまして、具体的な規定の在り方について引き続き検討をしてまいります。
次に、秘密保持命令に係る基準の明文化についてのお尋ねがありました。
衆議院における修正後の本法律案においては、捜査機関は、裁判官が必要であると認めて許可をした場合に限って、一年を超えない範囲内において裁判官が定めた期間の限度で秘密保持命令をすることができ、また、必要がなくなったときは命令を取り消さなければならないこととしております。
その上で、具体的にどの程度の期間を定めるかや、どのようなタイミングで取り消すかについて、個別の事案ごとに具体的な事実関係や証拠関係を踏まえて判断されるべき事柄であることから、その基準を明文化することは困難であると考えております。
他方で、法務省といたしましても、秘密保持命令が適正に運用されることは重要であると認識しておりまして、本法律案が改正法として成立した場合には、関係機関に対して制度の内容や趣旨等の周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、秘密保持命令に対する不服申立てや電磁的記録提供命令に係る通知の在り方についてお尋ねがありました。
秘密保持命令の名宛て人以外の者は、当該命令それ自体によってその権利利益を制約されるものではないことから、一般に、当該命令に対する不服申立ての主体とはならないと考えております。
また、本法律案において、捜査機関が電磁的記録提供命令により電磁的記録の提供を受けた場合に、当該電磁的記録に記録された情報の主体に提供の事実等を通知することとはしておりません。
現行刑事訴訟法においても、捜査機関が差押え等により被処分者以外の者に関する情報を取得した場合に、その者に通知をすることとはされておりませんが、一般的に、そのことをもって差押え等に対する不服申立ての機会の保障が不十分であるとは考えていないものと認識をしております。そのため、本法律案において、そのような通知の仕組みを設けないことに問題があるとは考えておりません。
次に、電磁的記録提供命令に関する費用補償の在り方についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令は、現行の差押え等と異なり、被処分者において、捜査機関への対面での対応が不要となる上、オンラインによる電磁的記録の提供も可能となることから、被処分者となる事業者の負担の軽減に資するものと考えております。また、捜査機関による電磁的記録提供命令は、裁判官が必要があると認めて許可をした場合に限ってすることができることとしております。
したがいまして、電磁的記録提供命令は、現行の差押え等と比較して、事業者に過度の負担を負わせることにはならないと考えておりまして、そのために要する費用について公的に補償するような制度を設けることは特に考えておりませんが、もとより、捜査機関においては、事業者に掛ける負担ができる限り小さくなるよう、事案に応じて適切に配慮していくものと考えております。
次に、電子化される供述調書の情報保全のための対応についてお尋ねがありました。
電子化される供述調書の非改ざん性を担保し、事後検証を可能とする技術上の措置としては、例えば公開鍵暗号方式による電子署名など、御指摘のものを含め、様々な方策があり得るところでありますが、法務省といたしましては、現在、最高裁判所、警察庁等の関係機関やあるいは開発業者と検討を重ねているところであります。引き続き、関係機関等と緊密に連携をし、検討を進めてまいります。
最後に、捜査機関が取得した電磁的記録の利用の規制についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め、捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い、適正に取扱いを行っているものと承知をしております。
その上で、法務省といたしましても、捜査機関が取得した電磁的記録が不適正に利用されることのないようにすることは重要であると認識をしておりまして、そのために必要な事項については、規程や通達により周知徹底をしてまいります。拍手
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関
仁
仁比聡平#17
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平です。
会派を代表して、刑事デジタルプライバシー侵害法案というべき刑事訴訟法等改定案について質問いたします。
本法案は、情報通信技術の進展に対応するとして、形があり、そこにあるものではなく、形のない、今日際限なく蓄積される巨大サーバーやクラウド上の個人情報、電子データ自体を初めて捜索、差押えの対象とする電磁的記録提供命令を創設するものです。
プロバイダーなど電気通信事業者は、提供命令に正当な理由なく違反すれば処罰されることになるため、実際上、利用者の個人情報を提供せざるを得なくなります。一方で、個人情報本来の持ち主である利用者に知らせることは禁じられます。一旦提供された個人情報は、たとえ提供命令が後に取り消されても、消去、抹消されることなく捜査機関の元に蓄積され続けていくことになります。例えば、グーグルは世界各国にデータセンターを設置し、個人情報を収集、蓄積していますが、その全てが提供の対象になります。LINEやインスタグラムも同様です。法務大臣、そのとおりですね。
これは、本人が全く知らない間に、警察や検察が疑いを掛けた犯罪とは全く無関係な人々との関係性や、開発、営業など事業に係る情報を根こそぎ収集、分析し、蓄積し続けることを意味します。
犯罪捜査の必要性と人権、私生活上の平穏とプライバシー権の緊張関係について、憲法三十五条は、何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、正当な理由に基づいて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ侵されないと定めています。すなわち、捜索、差押えは、対象になる捜索場所及び物が個別具体的に特定して明示された裁判所の令状によらなければ許されません。
元々形がなく、どこで区切れるかが曖昧な電子データを、捜査機関の一方的な資料だけを見て行う令状審査で裁判官が特定することは不可能なのではありませんか。例えば、仁比が契約する通信事業者サーバーの中のデータボックスという程度で特定性は認められません。捜索対象が特定されない包括的令状、一般令状の絶対禁止という憲法原則、令状主義を形骸化することは許されません。法務大臣の認識を伺います。
二〇一九年、共同通信社の丸裸にされる私生活、企業の個人情報と警察・検察という調査報道があります。捜査機関が令状なしで任意の提供を求める捜査関係事項照会に対しても、各航空会社、鉄道・バス会社、電気・ガス会社、ポイントカード発行会社、クレジットカード会社、消費者金融、携帯電話会社、コンビニ、スーパー、家電量販店、ドラッグストア、パチンコ店、遊園地、アパレル、居酒屋、劇団や映画館、ガソリンスタンド、カラオケ店やインターネットカフェ、ゲーム会社などあらゆる企業が、カードなどの利用履歴、氏名と生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座、家族情報、店内防犯カメラ映像やレシート情報など、およそありとあらゆる個人情報を捜査機関に提供しているという衝撃的な報道です。法務大臣、これらの企業は全て提供命令の対象にもなるのですね。
この報道から六年。情報通信の高度化、個人情報の蓄積は、六年前とは比較にならないほど急速に進んでいます。
衆議院の参考人、指宿信教授は、法制審議会でも、捜査関係事項照会でどのような不具合があったか、あるいは二〇一一年改正で導入されたUSBなどの記録媒体にコピーさせ物として差し押さえる記録命令付差押えが一体何件執行され、何件思うようなデータが取得できなかったのかといった立法事実が全く提出されていないと厳しく指摘をしています。法務大臣、電磁的記録提供命令制度を不可欠とする立法事実は何ですか。導入しなければ立件できない犯罪があるのですか。
スマートフォンの進化で、近年、指紋認証や顔認証などの生体認証を含む二段階認証が広がっており、多くの人はこれらで個人情報は守られていると信頼しています。そこで、総務大臣、こうした認証システムは個人情報への不正アクセスを防ぐためのものですね。
ところが、法案では、提供命令の際、当該電磁的記録の内容を確認するための措置を命令できることになっています。法務大臣、パスワードやパスコードが掛けられていても、本人の同意なく、本人がパスワードなどを教えなくても、捜査機関は情報を取得できるようになるのではありませんか。
GPSの履歴はどうでしょう。今や、ほぼ全ての携帯端末が衛星からの位置情報を受け取っています。総務大臣に確認します。子供の見守りサービスのように利用者の意思で利用されているものもありますが、端末によっては、使うアプリで利用者がGPS受信機能の利用を選択するしないにかかわらず、端末自身が常時位置情報を受信しているのではありませんか。
二〇一七年最高裁判決が弾劾したとおり、GPS捜査は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴うという特徴においてプライバシーを侵害する度合いは極めて深いものです。それでも、法務大臣、利用者本人が知ることなく、GPS履歴も提供させることができるのですね。
これまでも、犯罪の未然防止のためだとして情報収集する公安・行政警察活動と、事件が起こったといって始まる犯罪捜査に実態として切れ目はなく、不可分一体に重大な人権侵害が引き起こされてきました。
大川原化工機事件はその一つです。警視庁外事第一課が三年にわたって執拗に捜査し、役員の逮捕、勾留、起訴に至りましたが、後に検察自ら起訴を取り消さざるを得なくなった重大な冤罪でした。手柄欲しさに無理やり事件をでっち上げられ、保釈さえ認められず、お一人は身柄拘束のまま病死するという取り返しの付かない非人道的な結果をもたらしました。
国家公安委員長に聞きます。関係者は一貫して謝罪と検証を求めています。ところが、警察も政府も拒否し続けています。一体なぜですか。
風力発電をめぐる住民運動を監視し続けた岐阜県警大垣警察署警備課の活動について、昨年九月、名古屋高裁は、市民の個人情報の収集、保有、情報提供は違憲、違法とし、損害賠償と個人情報の抹消を命じました。ところが、警察庁は、上告断念に追い詰められながら、警察の情報活動という事柄の性格上、その目的、対応などを明らかにすることができなかったのが敗訴の要因などと国会で答弁するなど、全く無反省ではありませんか。つまり、公安活動の目的や対応は、たとえ裁判に負けてでも、事柄の性格上、明らかにしないとでも言うのですか。国家公安委員長、お答えください。
法案によって、捜査機関に蓄積されていく電子データは、令状記載の犯罪捜査だけではなく、広く公安警察活動の資料としても利用されていくのではありませんか。法務大臣、お答えください。
衆議院で大川原化工機の島田順司参考人は、突然、逮捕、勾留され、留置所で屈辱的な扱いを受け、取調べで録音、録画も弁護士の立会いも許されない捜査の実態を告発されました。
ほかにも、事件と全く無関係の中学校時代の成績や男女関係を調べ、取調べで言及して侮辱したり、お子さんの精神疾患を持ち出して黙秘権の行使を非難するなど、手にした情報をてこに自白を強要し、冤罪を引き起こした例は枚挙にいとまがありません。
法務大臣、我が国の刑事司法に今求められているのは、自白偏重と人質司法を改める抜本的な改革ではありませんか。全面的な証拠開示、全事件全過程の取調べの可視化、取調べへの弁護人立会い、オンライン接見の実現を強く求めます。
数々の冤罪、そして袴田事件無罪確定の下、迎えているこの国会で、再審における証拠開示、検察による上訴を許さない再審法の抜本改正を実現しようではありませんか。
同僚議員の皆さんに呼びかけ、法務大臣の見解を問うて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →会派を代表して、刑事デジタルプライバシー侵害法案というべき刑事訴訟法等改定案について質問いたします。
本法案は、情報通信技術の進展に対応するとして、形があり、そこにあるものではなく、形のない、今日際限なく蓄積される巨大サーバーやクラウド上の個人情報、電子データ自体を初めて捜索、差押えの対象とする電磁的記録提供命令を創設するものです。
プロバイダーなど電気通信事業者は、提供命令に正当な理由なく違反すれば処罰されることになるため、実際上、利用者の個人情報を提供せざるを得なくなります。一方で、個人情報本来の持ち主である利用者に知らせることは禁じられます。一旦提供された個人情報は、たとえ提供命令が後に取り消されても、消去、抹消されることなく捜査機関の元に蓄積され続けていくことになります。例えば、グーグルは世界各国にデータセンターを設置し、個人情報を収集、蓄積していますが、その全てが提供の対象になります。LINEやインスタグラムも同様です。法務大臣、そのとおりですね。
これは、本人が全く知らない間に、警察や検察が疑いを掛けた犯罪とは全く無関係な人々との関係性や、開発、営業など事業に係る情報を根こそぎ収集、分析し、蓄積し続けることを意味します。
犯罪捜査の必要性と人権、私生活上の平穏とプライバシー権の緊張関係について、憲法三十五条は、何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、正当な理由に基づいて発せられ、かつ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ侵されないと定めています。すなわち、捜索、差押えは、対象になる捜索場所及び物が個別具体的に特定して明示された裁判所の令状によらなければ許されません。
元々形がなく、どこで区切れるかが曖昧な電子データを、捜査機関の一方的な資料だけを見て行う令状審査で裁判官が特定することは不可能なのではありませんか。例えば、仁比が契約する通信事業者サーバーの中のデータボックスという程度で特定性は認められません。捜索対象が特定されない包括的令状、一般令状の絶対禁止という憲法原則、令状主義を形骸化することは許されません。法務大臣の認識を伺います。
二〇一九年、共同通信社の丸裸にされる私生活、企業の個人情報と警察・検察という調査報道があります。捜査機関が令状なしで任意の提供を求める捜査関係事項照会に対しても、各航空会社、鉄道・バス会社、電気・ガス会社、ポイントカード発行会社、クレジットカード会社、消費者金融、携帯電話会社、コンビニ、スーパー、家電量販店、ドラッグストア、パチンコ店、遊園地、アパレル、居酒屋、劇団や映画館、ガソリンスタンド、カラオケ店やインターネットカフェ、ゲーム会社などあらゆる企業が、カードなどの利用履歴、氏名と生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座、家族情報、店内防犯カメラ映像やレシート情報など、およそありとあらゆる個人情報を捜査機関に提供しているという衝撃的な報道です。法務大臣、これらの企業は全て提供命令の対象にもなるのですね。
この報道から六年。情報通信の高度化、個人情報の蓄積は、六年前とは比較にならないほど急速に進んでいます。
衆議院の参考人、指宿信教授は、法制審議会でも、捜査関係事項照会でどのような不具合があったか、あるいは二〇一一年改正で導入されたUSBなどの記録媒体にコピーさせ物として差し押さえる記録命令付差押えが一体何件執行され、何件思うようなデータが取得できなかったのかといった立法事実が全く提出されていないと厳しく指摘をしています。法務大臣、電磁的記録提供命令制度を不可欠とする立法事実は何ですか。導入しなければ立件できない犯罪があるのですか。
スマートフォンの進化で、近年、指紋認証や顔認証などの生体認証を含む二段階認証が広がっており、多くの人はこれらで個人情報は守られていると信頼しています。そこで、総務大臣、こうした認証システムは個人情報への不正アクセスを防ぐためのものですね。
ところが、法案では、提供命令の際、当該電磁的記録の内容を確認するための措置を命令できることになっています。法務大臣、パスワードやパスコードが掛けられていても、本人の同意なく、本人がパスワードなどを教えなくても、捜査機関は情報を取得できるようになるのではありませんか。
GPSの履歴はどうでしょう。今や、ほぼ全ての携帯端末が衛星からの位置情報を受け取っています。総務大臣に確認します。子供の見守りサービスのように利用者の意思で利用されているものもありますが、端末によっては、使うアプリで利用者がGPS受信機能の利用を選択するしないにかかわらず、端末自身が常時位置情報を受信しているのではありませんか。
二〇一七年最高裁判決が弾劾したとおり、GPS捜査は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴うという特徴においてプライバシーを侵害する度合いは極めて深いものです。それでも、法務大臣、利用者本人が知ることなく、GPS履歴も提供させることができるのですね。
これまでも、犯罪の未然防止のためだとして情報収集する公安・行政警察活動と、事件が起こったといって始まる犯罪捜査に実態として切れ目はなく、不可分一体に重大な人権侵害が引き起こされてきました。
大川原化工機事件はその一つです。警視庁外事第一課が三年にわたって執拗に捜査し、役員の逮捕、勾留、起訴に至りましたが、後に検察自ら起訴を取り消さざるを得なくなった重大な冤罪でした。手柄欲しさに無理やり事件をでっち上げられ、保釈さえ認められず、お一人は身柄拘束のまま病死するという取り返しの付かない非人道的な結果をもたらしました。
国家公安委員長に聞きます。関係者は一貫して謝罪と検証を求めています。ところが、警察も政府も拒否し続けています。一体なぜですか。
風力発電をめぐる住民運動を監視し続けた岐阜県警大垣警察署警備課の活動について、昨年九月、名古屋高裁は、市民の個人情報の収集、保有、情報提供は違憲、違法とし、損害賠償と個人情報の抹消を命じました。ところが、警察庁は、上告断念に追い詰められながら、警察の情報活動という事柄の性格上、その目的、対応などを明らかにすることができなかったのが敗訴の要因などと国会で答弁するなど、全く無反省ではありませんか。つまり、公安活動の目的や対応は、たとえ裁判に負けてでも、事柄の性格上、明らかにしないとでも言うのですか。国家公安委員長、お答えください。
法案によって、捜査機関に蓄積されていく電子データは、令状記載の犯罪捜査だけではなく、広く公安警察活動の資料としても利用されていくのではありませんか。法務大臣、お答えください。
衆議院で大川原化工機の島田順司参考人は、突然、逮捕、勾留され、留置所で屈辱的な扱いを受け、取調べで録音、録画も弁護士の立会いも許されない捜査の実態を告発されました。
ほかにも、事件と全く無関係の中学校時代の成績や男女関係を調べ、取調べで言及して侮辱したり、お子さんの精神疾患を持ち出して黙秘権の行使を非難するなど、手にした情報をてこに自白を強要し、冤罪を引き起こした例は枚挙にいとまがありません。
法務大臣、我が国の刑事司法に今求められているのは、自白偏重と人質司法を改める抜本的な改革ではありませんか。全面的な証拠開示、全事件全過程の取調べの可視化、取調べへの弁護人立会い、オンライン接見の実現を強く求めます。
数々の冤罪、そして袴田事件無罪確定の下、迎えているこの国会で、再審における証拠開示、検察による上訴を許さない再審法の抜本改正を実現しようではありませんか。
同僚議員の皆さんに呼びかけ、法務大臣の見解を問うて、質問を終わります。拍手
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
鈴
鈴木馨祐#18
○国務大臣(鈴木馨祐君) 仁比聡平議員にお答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令によって取得した電磁的記録の取扱いや同命令の対象についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い適正に取り扱っているものと承知をしております。そして、記録の保管については、刑事確定訴訟記録法等においてその期間が定められており、それを経過したものは廃棄することとされていることから、取得された情報が捜査機関の元に蓄積され続けることとはならないと承知をしております。
また、電磁的記録提供命令がどのような電磁的記録を対象として用いられるかは、個別具体的な事案によるため一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、同命令においては、捜査に必要な電磁的記録を保管し又は利用する権限を有する者であって、我が国に所在するものに対し、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録した電磁的記録に限ってその提供を命ずることができることとなっております。
次に、憲法第三十五条の趣旨及び電磁的記録提供命令の令状における対象の特定についてお尋ねがありました。
憲法第三十五条第一項は、何人も、その書類及び所持品について押収を受けることのない権利は、押収する物を明示する令状がなければ侵されない旨規定をしておりまして、包括的な押収を禁止をしております。これを受けまして、本法律案による改正後の刑事訴訟法におきましては、裁判官が発する電磁的記録提供命令の令状に、提供させるべき電磁的記録等を具体的に特定して記載、記録することとしており、裁判官は、個別の事案ごとに被疑事件等との関連性が認められる範囲で提供させるべき電磁的記録をできる限り特定して令状に記載、記録することとなります。
その上で、このようにして裁判官が発した令状により提供された電磁的記録の中に結果として被疑事件等の立証に直接的には用いられないものがあったとしても、そのことによって電磁的記録提供命令が直ちに違法、不当の評価を受けるものではないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の令状と令状主義等との関係についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、裁判官は、電磁的記録提供命令の令状において、個別の事案ごとに被疑事件等との関連性が認められる範囲で提供させるべき電磁的記録をできる限り特定して記載、記録することとなります。したがいまして、電磁的記録提供命令の令状が御指摘の憲法の原則や令状主義を形骸化するようなことにはならないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の対象者についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令がどのような者に対して用いられるかは、個別具体的な事案によるため一概にお答えすることは困難であります。その上で、あくまで一般論として申し上げれば、御指摘のような事業者が、捜査に必要な電磁的記録を保管する者又はそれを利用する権限を有する者に当たる場合には電磁的記録提供命令の対象となり得ると考えられますが、実際に捜査機関が電磁的記録提供命令をするためには、裁判官が発する、提供させるべき電磁的記録や提供させるべき者を特定して記載、記録した令状が必要であります。
次に、電磁的記録提供命令の立法事実等についてお尋ねがありました。
現行法の下で刑事手続に必要な電磁的記録を強制的に取得する場合には、処分者が被処分者の下に赴いて記録媒体を差し押さえる必要があるため、処分者側、被処分者側の双方に相応の負担が生じております。また、実務においては、電磁的記録がクラウドサーバーに保存されている場合など、記録媒体の差押えが困難な場合もあり得ます。
そこで、本法律案においては、有体物である記録媒体の差押えを介在させず、被処分者に対し電磁的記録の提供を命じ、罰則をもってその履行を確保する電磁的記録提供命令を設けることとしております。その上で、例えば、捜査に必要な電磁的記録がクラウドサーバーに保存されているなど記録媒体の差押えが困難であって、かつ当該電磁的記録を保管する者等が任意での提出を拒んでいるような場合には、現行の強制処分では対処が困難であり、電磁的記録提供命令の活用が想定されるものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録の内容を確認するための措置についてお尋ねがありました。
本法律案による改正後の刑事訴訟法第百十一条第三項の電磁的記録の内容を確認するための措置をとることその他必要な処分とは、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録について、検証や保管の必要性の有無を判断するための処分をいい、例えば、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録にパスワードが付されている場合において、これを可読化することもこれに当たり得ると考えております。
次に、電磁的記録提供命令によるGPS履歴の取得についてのお尋ねがありました。
捜査機関が電磁的記録提供命令により提供を命ずることができる電磁的記録は、既に存在している電磁的記録であって、裁判官が被疑事件等との、失礼しました、被疑事実等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定をされます。
その上で、一般論として申し上げれば、御指摘のGPS履歴に関する電磁的記録についても、それが既に存在しているものであって、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものである場合には、その限度で電磁的記録提供命令の対象となり得ると考えております。
次に、捜査機関が電磁的記録提供命令により取得した電磁的記録の利用についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に捜査の過程で取得した証拠について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い適正に取扱いをしているものと承知をしております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、電磁的記録提供命令によって取得した電磁的記録についても同様に取扱いをされるものと考えておりまして、捜査機関においては、引き続き、証拠の適正な利用等に努めていくものと承知をしているところであります。
次に、自白偏重、そして人質司法の改革についてのお尋ねがありました。
一般論として申し上げれば、検察当局においては、自白のみに頼ることなく、それ以外の証拠の収集にも万全を期することはもとより、自白の信用性も慎重かつ十分に吟味をし、これらの証拠に基づいて事実の存否を的確に判断した上で、適切な事件の処理に努めているものと承知をしております。
また、被疑者、被告人の身柄拘束については、法律上厳格な要件及び手続が定められております上、一般論として、不必要な身柄拘束がなされないよう、適切に運用されているものと承知をしております。したがいまして、人質司法との御指摘は当たらないものと認識をしております。
次に、取調べの録音、録画や弁護人の立会い、全面的な証拠開示及びいわゆるオンライン接見についてのお尋ねがありました。
現行の録音、録画制度を超える取調べに関する規制については、取調べの適正確保の観点のほか、捜査の機能に与える影響等も考慮しつつ、慎重かつ丁寧に検討すべき問題であると考えております。
次に、検察官保管証拠のいわゆる事前全面開示については、法制審議会において議論がなされたものの、争点及び証拠の整理が十分になされなくなるといった問題点が指摘をされ、法整備がなされなかったものと承知をしております。したがいまして、慎重な検討を要するものと考えております。
また、オンライン接見につきましては、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘をされておりまして、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
最後に、再審制度の改正についてお尋ねがありました。
再審制度に関しましては、先般、御指摘の点を含む再審手続に関する規律の在り方について法制審議会に諮問をしたところであります。
そのため、まずは法制審議会の議論を見守りたいと考えておりますが、国民の皆様方の関心も高いことなどから、法務省といたしましても、十分な調査審議が行われ、できる限り早期に答申をいただけるよう尽力をしてまいります。拍手
〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、電磁的記録提供命令によって取得した電磁的記録の取扱いや同命令の対象についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に、個人情報を含め捜査の過程で取得した情報について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い適正に取り扱っているものと承知をしております。そして、記録の保管については、刑事確定訴訟記録法等においてその期間が定められており、それを経過したものは廃棄することとされていることから、取得された情報が捜査機関の元に蓄積され続けることとはならないと承知をしております。
また、電磁的記録提供命令がどのような電磁的記録を対象として用いられるかは、個別具体的な事案によるため一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、同命令においては、捜査に必要な電磁的記録を保管し又は利用する権限を有する者であって、我が国に所在するものに対し、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録した電磁的記録に限ってその提供を命ずることができることとなっております。
次に、憲法第三十五条の趣旨及び電磁的記録提供命令の令状における対象の特定についてお尋ねがありました。
憲法第三十五条第一項は、何人も、その書類及び所持品について押収を受けることのない権利は、押収する物を明示する令状がなければ侵されない旨規定をしておりまして、包括的な押収を禁止をしております。これを受けまして、本法律案による改正後の刑事訴訟法におきましては、裁判官が発する電磁的記録提供命令の令状に、提供させるべき電磁的記録等を具体的に特定して記載、記録することとしており、裁判官は、個別の事案ごとに被疑事件等との関連性が認められる範囲で提供させるべき電磁的記録をできる限り特定して令状に記載、記録することとなります。
その上で、このようにして裁判官が発した令状により提供された電磁的記録の中に結果として被疑事件等の立証に直接的には用いられないものがあったとしても、そのことによって電磁的記録提供命令が直ちに違法、不当の評価を受けるものではないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の令状と令状主義等との関係についてお尋ねがありました。
先ほど申し上げましたとおり、裁判官は、電磁的記録提供命令の令状において、個別の事案ごとに被疑事件等との関連性が認められる範囲で提供させるべき電磁的記録をできる限り特定して記載、記録することとなります。したがいまして、電磁的記録提供命令の令状が御指摘の憲法の原則や令状主義を形骸化するようなことにはならないと考えております。
次に、電磁的記録提供命令の対象者についてお尋ねがありました。
電磁的記録提供命令がどのような者に対して用いられるかは、個別具体的な事案によるため一概にお答えすることは困難であります。その上で、あくまで一般論として申し上げれば、御指摘のような事業者が、捜査に必要な電磁的記録を保管する者又はそれを利用する権限を有する者に当たる場合には電磁的記録提供命令の対象となり得ると考えられますが、実際に捜査機関が電磁的記録提供命令をするためには、裁判官が発する、提供させるべき電磁的記録や提供させるべき者を特定して記載、記録した令状が必要であります。
次に、電磁的記録提供命令の立法事実等についてお尋ねがありました。
現行法の下で刑事手続に必要な電磁的記録を強制的に取得する場合には、処分者が被処分者の下に赴いて記録媒体を差し押さえる必要があるため、処分者側、被処分者側の双方に相応の負担が生じております。また、実務においては、電磁的記録がクラウドサーバーに保存されている場合など、記録媒体の差押えが困難な場合もあり得ます。
そこで、本法律案においては、有体物である記録媒体の差押えを介在させず、被処分者に対し電磁的記録の提供を命じ、罰則をもってその履行を確保する電磁的記録提供命令を設けることとしております。その上で、例えば、捜査に必要な電磁的記録がクラウドサーバーに保存されているなど記録媒体の差押えが困難であって、かつ当該電磁的記録を保管する者等が任意での提出を拒んでいるような場合には、現行の強制処分では対処が困難であり、電磁的記録提供命令の活用が想定されるものと考えております。
次に、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録の内容を確認するための措置についてお尋ねがありました。
本法律案による改正後の刑事訴訟法第百十一条第三項の電磁的記録の内容を確認するための措置をとることその他必要な処分とは、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録について、検証や保管の必要性の有無を判断するための処分をいい、例えば、電磁的記録提供命令により提供させた電磁的記録にパスワードが付されている場合において、これを可読化することもこれに当たり得ると考えております。
次に、電磁的記録提供命令によるGPS履歴の取得についてのお尋ねがありました。
捜査機関が電磁的記録提供命令により提供を命ずることができる電磁的記録は、既に存在している電磁的記録であって、裁判官が被疑事件等との、失礼しました、被疑事実等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定をされます。
その上で、一般論として申し上げれば、御指摘のGPS履歴に関する電磁的記録についても、それが既に存在しているものであって、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものである場合には、その限度で電磁的記録提供命令の対象となり得ると考えております。
次に、捜査機関が電磁的記録提供命令により取得した電磁的記録の利用についてお尋ねがありました。
捜査機関においては、一般に捜査の過程で取得した証拠について、刑事訴訟法、刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定や趣旨に従い適正に取扱いをしているものと承知をしております。
本法律案が改正法として成立をした場合には、電磁的記録提供命令によって取得した電磁的記録についても同様に取扱いをされるものと考えておりまして、捜査機関においては、引き続き、証拠の適正な利用等に努めていくものと承知をしているところであります。
次に、自白偏重、そして人質司法の改革についてのお尋ねがありました。
一般論として申し上げれば、検察当局においては、自白のみに頼ることなく、それ以外の証拠の収集にも万全を期することはもとより、自白の信用性も慎重かつ十分に吟味をし、これらの証拠に基づいて事実の存否を的確に判断した上で、適切な事件の処理に努めているものと承知をしております。
また、被疑者、被告人の身柄拘束については、法律上厳格な要件及び手続が定められております上、一般論として、不必要な身柄拘束がなされないよう、適切に運用されているものと承知をしております。したがいまして、人質司法との御指摘は当たらないものと認識をしております。
次に、取調べの録音、録画や弁護人の立会い、全面的な証拠開示及びいわゆるオンライン接見についてのお尋ねがありました。
現行の録音、録画制度を超える取調べに関する規制については、取調べの適正確保の観点のほか、捜査の機能に与える影響等も考慮しつつ、慎重かつ丁寧に検討すべき問題であると考えております。
次に、検察官保管証拠のいわゆる事前全面開示については、法制審議会において議論がなされたものの、争点及び証拠の整理が十分になされなくなるといった問題点が指摘をされ、法整備がなされなかったものと承知をしております。したがいまして、慎重な検討を要するものと考えております。
また、オンライン接見につきましては、例えば弁護人の端末を用いて行う場合、弁護人以外の者による弁護人への成り済ましや、接見が認められていない第三者の同席等の防止が困難であると指摘をされておりまして、オンライン接見一般を被疑者等の権利として位置付けることは相当でないと考えております。
最後に、再審制度の改正についてお尋ねがありました。
再審制度に関しましては、先般、御指摘の点を含む再審手続に関する規律の在り方について法制審議会に諮問をしたところであります。
そのため、まずは法制審議会の議論を見守りたいと考えておりますが、国民の皆様方の関心も高いことなどから、法務省といたしましても、十分な調査審議が行われ、できる限り早期に答申をいただけるよう尽力をしてまいります。拍手
〔国務大臣村上誠一郎君登壇、拍手〕
村
村上誠一郎#19
○国務大臣(村上誠一郎君) 仁比議員からの御質問にお答えいたします。
まず、生体認証や二段階認証が不正アクセスを防ぐためのものかとの御質問がございました。
一般的に、生体認証は、インターネット上のサービスにアクセスしようとする人が適切なアクセス権限を有する本人であるかを認証する際に、顔や指紋といった人それぞれの身体的特徴を利用する仕組みであります。また、二段階認証は、例えば、ID及びパスワードによる認証と生体認証などを二段階で組み合わせる仕組みであります。これらの認証方法は、いずれも第三者による不正なアクセスを防止するためのセキュリティーの対策技術の一つとして認識しております。
なお、次に、携帯端末について常時位置情報が受信されているのではないかとの御質問がございました。
携帯端末自体が常時位置情報を受信しているかどうかにつきましては、それぞれの携帯端末の仕様によって様々であります。このために一概にお答えすることは困難であると考えております。
以上であります。拍手
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →まず、生体認証や二段階認証が不正アクセスを防ぐためのものかとの御質問がございました。
一般的に、生体認証は、インターネット上のサービスにアクセスしようとする人が適切なアクセス権限を有する本人であるかを認証する際に、顔や指紋といった人それぞれの身体的特徴を利用する仕組みであります。また、二段階認証は、例えば、ID及びパスワードによる認証と生体認証などを二段階で組み合わせる仕組みであります。これらの認証方法は、いずれも第三者による不正なアクセスを防止するためのセキュリティーの対策技術の一つとして認識しております。
なお、次に、携帯端末について常時位置情報が受信されているのではないかとの御質問がございました。
携帯端末自体が常時位置情報を受信しているかどうかにつきましては、それぞれの携帯端末の仕様によって様々であります。このために一概にお答えすることは困難であると考えております。
以上であります。拍手
〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕
坂
坂井学#20
○国務大臣(坂井学君) 大川原化工機訴訟の原告側に対する謝罪及び検証についてお尋ねがありました。
警察として、本件公訴が取消しとなったことについては真摯に受け止めております。
その上で、本件については、現在、国家賠償法に基づく訴訟が係属中であり、お尋ねの件について、現時点において予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。
昨年九月十三日の名古屋高裁判決に対する警察庁の対応についてお尋ねがありました。
議員御指摘の答弁につきましては、仮に個別具体の情報収集活動の内容を明らかにすることとなれば、今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあり、公共の安全と秩序の維持という責務を果たすことが困難となることから、岐阜県警察は訴訟において情報収集活動の目的、態様等を明らかにすることができなかったという趣旨で申し上げたものと承知しております。
警察としては、今回の判決を重く受け止めており、警察法第二条に基づく情報収集活動が、目的の正当性、行為の必要性及び相当性という基本原則を遵守し行われるべきことは当然であると認識しております。今後とも、情報収集活動を始めとする警察活動が適切に行われるよう、警察を指導してまいります。拍手
この発言だけを見る →警察として、本件公訴が取消しとなったことについては真摯に受け止めております。
その上で、本件については、現在、国家賠償法に基づく訴訟が係属中であり、お尋ねの件について、現時点において予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。
昨年九月十三日の名古屋高裁判決に対する警察庁の対応についてお尋ねがありました。
議員御指摘の答弁につきましては、仮に個別具体の情報収集活動の内容を明らかにすることとなれば、今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあり、公共の安全と秩序の維持という責務を果たすことが困難となることから、岐阜県警察は訴訟において情報収集活動の目的、態様等を明らかにすることができなかったという趣旨で申し上げたものと承知しております。
警察としては、今回の判決を重く受け止めており、警察法第二条に基づく情報収集活動が、目的の正当性、行為の必要性及び相当性という基本原則を遵守し行われるべきことは当然であると認識しております。今後とも、情報収集活動を始めとする警察活動が適切に行われるよう、警察を指導してまいります。拍手
関
関
関口昌一#22
○議長(関口昌一君) 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とウクライナ政府との間の条約の締結について承認を求めるの件
日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とトルクメニスタンとの間の条約の締結について承認を求めるの件
日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルメニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
日程第四 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上四件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長滝沢求君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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〔滝沢求君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とトルクメニスタンとの間の条約の締結について承認を求めるの件
日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルメニア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
日程第四 経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上四件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長滝沢求君。
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〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔滝沢求君登壇、拍手〕
滝
滝沢求#23
○滝沢求君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
まず、ウクライナ、トルクメニスタン及びアルメニアとの租税条約は、投資所得に対する源泉地国課税の更なる軽減等について定めるものであります。
次に、インドネシアとの経済連携協定改正議定書は、貿易に関する市場アクセスを改善すること等について定めるものであります。
委員会におきましては、四件を一括して議題とし、旧ソ連三か国との間で租税条約を締結する理由と条約の効果、インドネシアとの議定書の効果と看護師候補者等の受入れの在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より四件に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、四件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
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この発言だけを見る →まず、ウクライナ、トルクメニスタン及びアルメニアとの租税条約は、投資所得に対する源泉地国課税の更なる軽減等について定めるものであります。
次に、インドネシアとの経済連携協定改正議定書は、貿易に関する市場アクセスを改善すること等について定めるものであります。
委員会におきましては、四件を一括して議題とし、旧ソ連三か国との間で租税条約を締結する理由と条約の効果、インドネシアとの議定書の効果と看護師候補者等の受入れの在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より四件に反対する旨の意見が述べられました。
次いで、順次採決の結果、四件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。拍手
─────────────
関
関口昌一#24
○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。
まず、日程第一ないし第三の条約を一括して採決いたします。
三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言だけを見る →まず、日程第一ないし第三の条約を一括して採決いたします。
三件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
関
関
関口昌一#26
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十五
賛成 二百二十四
反対 十一
よって、三件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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この発言だけを見る →投票総数 二百三十五
賛成 二百二十四
反対 十一
よって、三件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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関
関
関
関口昌一#29
○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百三十四
賛成 二百十八
反対 十六
よって、本件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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この発言だけを見る →投票総数 二百三十四
賛成 二百十八
反対 十六
よって、本件は承認することに決しました。拍手
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〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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