法務委員会

2025-12-03 衆議院 全115発言

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会議録情報#0
令和七年十二月三日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 階   猛君
   理事 木原 誠二君 理事 高見 康裕君
   理事 武村 展英君 理事 有田 芳生君
   理事 寺田  学君 理事 米山 隆一君
   理事 池下  卓君 理事 円 より子君
      石橋林太郎君    井出 庸生君
      伊藤 忠彦君    稲田 朋美君
      大空 幸星君    上川 陽子君
      小泉 龍司君    高村 正大君
      寺田  稔君    平沢 勝栄君
      宮路 拓馬君    森  英介君
      鎌田さゆり君    黒岩 宇洋君
      篠田奈保子君    柴田 勝之君
      藤原 規眞君    松下 玲子君
      山 登志浩君    藤巻 健太君
      三木 圭恵君    小竹  凱君
      平林  晃君    山口 良治君
      本村 伸子君    吉川 里奈君
      島田 洋一君
    …………………………………
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    日笠 和彦君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    吉川  崇君
   参考人
   (中央大学法科大学院客員教授)
   (保護司みらい研究所代表)            今福 章二君
   参考人
   (司法試験受験生)    斎藤 由則君
   法務委員会専門員     三橋善一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月三日
 辞任         補欠選任
  河野 太郎君     大空 幸星君
同日
 辞任         補欠選任
  大空 幸星君     石橋林太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋林太郎君     河野 太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件(社会復帰・再犯防止に向けた矯正・更生保護行政の課題について)
     ――――◇―――――
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階猛#1
○階委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件、特に社会復帰・再犯防止に向けた矯正・更生保護行政の課題について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 各件調査のため、本日、参考人として中央大学法科大学院客員教授、保護司みらい研究所代表今福章二君及び司法試験受験生斎藤由則君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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階猛#2
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として法務省矯正局長日笠和彦君及び法務省保護局長吉川崇君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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階猛#3
○階委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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階猛#4
○階委員長 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、今福参考人、斎藤参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず今福参考人にお願いいたします。
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今福章二#5
○今福参考人 皆様、おはようございます。
 本日は、このような名立たる国会議員の先生方の前で発表の機会をいただきましたことを心より御礼申し上げます。
 私は、長らく更生保護行政に携わってまいりましたが、現在では、保護司を始め民間の立場から、犯罪をした者などの社会復帰を支援する活動を行っており、その傍ら、幾つかの大学で学生の指導に当たっております。本日は、そのような立場から、昨今の矯正、更生保護行政に関する諸課題について、幾つかに絞ってお話をさせていただきたいと思います。
 最初に、明治四十年の刑法制定以来、初めての刑罰の種類変更として新たに拘禁刑が創設され、本年六月一日から施行されました。拘禁刑に処せられた者に対し、改善更生と再犯防止のために必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことが可能となり、円滑な社会復帰が目指されています。現行の刑事収容施設法の下でこれまで処遇改善に努めてこられた矯正の現場職員の皆様の御努力を更に前に推し進める意義が認められます。それらを絵に描いた餅としないよう、理念の実現に向けて引き続き処遇内容を見直し、十分な実施体制を確立すること、そして、処遇人材の育成確保策を更に充実していっていただきたいと思います。
 特に、個々の特性に応じた処遇を効果的に行うため、高齢者や障害者の矯正処遇課程を新設したり、改善指導に対話の手法を取り入れるなど、様々な取組が始まっております。この充実とともに重要なのは、在所中から就労支援、福祉につなげる支援などの社会復帰支援を本人の必要性に応じて行い、スムーズに社会での生活につなげていくことであると思います。
 社会復帰支援は今般の刑法改正に伴い刑事収容施設法に新たに規定されたものであり、支援が必要となる高齢者、障害者について多機関連携によるチーム処遇を行い、福祉の支援につなげたり、これまで積み上げてきた就労支援を充実させることとなりますが、いずれについても、個々の支援ニーズに基づき、更生保護を始めとする関係機関や地方自治体、民間企業、民間団体としっかりと連携できるかが重要になってくると思います。
 更生保護においては、このように矯正施設による社会復帰支援との連携を強化するほか、矯正施設収容中における更生緊急保護の申出、刑執行終了者等に対する援助、更生保護に関する地域援助などの新たな制度を積極的に活用することにより、刑事司法手続の入口から出口、保護観察等の終了後を含む地域に至るまでの処遇、支援をシームレスにつなぐ、いわゆる息の長い支援、これによる再犯の防止の実践を着実に積み上げていくことが大切だと思います。
 その際、特に更生保護施設の役割が重要になってまいります。更生保護施設は、仮釈放者の三分の一を受け入れるほか、行き場のない満期釈放者のための受皿として、その社会復帰の成否を左右する重要な存在です。地域における自立支援の中核的担い手として、たとえ処遇が難しいと見込まれる出所者等でも、これを積極的に受け入れる努力がなされております。
 拘禁刑に基づく矯正処遇の実践によって受刑者の動機づけが高まることが期待されますが、たとえ社会の中で困難な現実という壁にぶつかっても、その動機づけを維持し、さらに、諸困難を乗り越えて犯罪から遠ざかるための力を培っていくためには、いきなり単身で地域生活を始めるよりも、このような更生保護施設での訓練や教育を経ることが大変重要だと思います。
 現在、更生保護施設では、その再犯防止効果を発揮するため、きめ細やかな生活指導や自立援助、特性に応じた専門的な手法を駆使した働きかけなどの多彩な実践が始められております。それに加えて、更生保護施設を退所してからも、その自宅を定期的に訪問して相談に乗る訪問支援活動が始められており、金銭管理の破綻、失職、病気など、様々な生活上の危機を未然に回避して、高い再犯防止効果を上げております。しかし、そのために国から指定を受けている施設は全体の二割にも達しておらず、その早期かつ計画的な拡充が望まれます。
 なお、更生保護施設は国からの委託費によって運営される民間施設であり、特に地方の施設を中心に、赤字経営のところがほとんどです。近年は物価高のあおりも直接受けるなど厳しい経営環境が続いており、必要な予算の確保が課題であると考えます。
 我が国の保護観察は、専門職である保護観察官と、地域の隣人としての保護司の両者が、それぞれの特性を遺憾なく発揮し、相乗効果を得る形で処遇を行う協働態勢が取られております。
 このうち、保護司の制度は、世界的にも余り例がなく、その国際的な評価も年々高まっているところです。保護司は、保護観察対象者と日常的に接し、その相談相手となるとともに、再びやり直そうとしている人を受け入れて、そっと支えられる社会づくりのために地道な活動を続けておられます。このようにして、保護司は安全、安心の社会の実現のためになくてはならない存在ですが、その数が年々減少していることが大きな課題です。そんな中、先日、この委員会におきまして、慎重審議の上、可決していただきました保護司法改正案については、私も大変期待をしているところです。
 そこで取り上げたい点は多々ございますが、より多くの方に保護司になっていただくための取組を保護司任せにせず、加えて、保護司の活動環境の改善や安全確保のために、保護観察所や国がより積極的に関わるとした点は大変重要です。さらに、保護司制度の持続性を高めるため、地方公共団体による保護司会等への協力について努力義務が明記されたほか、民間企業による保護司である従業員への配慮義務などが盛り込まれた点は大いに評価すべきと思います。今後は、これらの規定に基づき、社会全体で保護司の活動を支える仕組みが具体的に進展することに大いに期待しているところです。
 なお、保護司の存在や活動内容、また更生保護そのものについて、社会的な認知度を一層向上させることも重要です。これまでも様々な媒体を通じて発信がなされてきましたが、更に社会に更生保護や保護司の存在や取組を広めていき、その理解を地域に練り込んでいくような活動を展開していく必要があると思います。
 一方、保護司が安全で安心して活動するために、保護観察官が地域に出向き、保護司からの相談等に応じたり、関係機関、団体と連携した支援を実施することがますます重要となってまいります。また、保護観察の開始期に情報が最も少ないとされる保護観察付執行猶予事案につきまして、保護観察官が専門性を生かして充実したアセスメントを行ったり、処遇上の危機場面に即座に介入できる体制が必要です。そのための保護観察官の大幅増員は、誠に古くて新しい課題だと考えます。
 最後に、今般の令和四年刑法改正により、再度の全部執行猶予を言い渡すことができる宣告刑の上限を一年から二年に引き上げるとともに、初度の保護観察付執行猶予中の再犯について、再び執行猶予を付すことができることとされました。また、同時に改正された更生保護法において、再保護観察付全部執行猶予者に関する保護観察処遇の特則が設けられ、処遇の強化が図られております。
 今般の改正は、実質的には、初度目の全部執行猶予に保護観察をつける割合を高める狙いがあるとされますが、実際にも、その割合は顕著に高まっている傾向が認められます。これは誠に歓迎すべきことだと考えます。
 保護観察を付すことによって、一定の行動を禁止して問題行動を踏みとどまらせ、逆に一定の行動を義務づけて望ましい行動を促すことが可能になります。専門的処遇プログラムの実施などにより、教育的機能を働かせることもできます。さらに、生活を見守り、行動変容の意欲を持続させたり、生活に支障を来している人のために実際的な支援を行うことも可能になります。そうすることによって、再犯防止の効果が期待できる対象者の範囲は更に広がるものと思います。
 例えば、飲酒、ギャンブルなどの依存の問題を抱えている者や、家族や交際相手などの関係で問題行動を繰り返す者、不就労など社会適応への困難に課題を抱えている者などは、保護観察が有用であると考えられます。そのような理解が今後とも関係者間で共有されていくことを大いに期待しております。
 昨今では、検察庁において、検察官が執行猶予見込みの事案で再犯のおそれがあるなと考えたときに、積極的にこの保護観察つきの求刑をなさっているという実践が認められるところでありますが、大いに賛同するところであります。
 更に言えば、刑の一部執行猶予制度についても、現在は薬物事犯者にほぼ限定された運用となっておりますが、施設内処遇と社会内処遇の相乗効果が期待でき、社会内での相応期間の処遇や満期釈放の回避などの効果が見込めるという同制度の利点を考えますと、保護観察付全部執行猶予の場合と同様に、その適用範囲の拡大が図られるべきと考えます。
 なお、保護観察付全部又は一部執行猶予の更なる拡大適用と適切なケース選択を目指すのであれば、諸外国において実施されている判決前調査制度の導入も今後の検討に値すると思われます。
 例えば、性犯罪、暴力事案、あるいはストーカーの事案であっても、単純執行猶予よりは保護観察による効果が大いに期待できますし、しかし、中には、ストーカーでも、一定の人に向かっている場合もあれば、それが多数、複数にまたがっている場合もある、ころころ変わってしまう場合もある。あるいは、根深い怨念のようなものが背景にあるというような場合は、まずは一定期間、実刑という形で刑務所で冷却期間を置いて、それから保護観察につく、そのようなケースも中にはあるかもしれません。そのような適正な選択ということを可能にする仕組みが今後検討されていっていただけたらと思う次第です。
 ありがとうございました。拍手
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階猛#6
○階委員長 ありがとうございました。
 次に、斎藤参考人にお願いいたします。
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斎藤由則#7
○斎藤参考人 初めまして。司法受験生の斎藤由則と申します。
 本日は、法務委員会にお招きしていただき、心より厚くお礼申し上げます。
 私の経験談等で、微力ながら少しでも今後の委員会に役立てればうれしく思っておりますので、最後まで、どうか何とぞよろしくお願い申し上げます。
 私は、暴力団をやめて十八年になります。中学で暴走族に、二十歳で暴力団に加入し、二十八歳で広域暴力団の加入組織団体の本部長に就任はしましたが、恐喝罪で服役し、出所後、組から脱退しました。暴対法の施行により組の運営が悪化する中で、いわゆる半グレを利用した特殊詐欺や海外の組織と連携した薬物売買が横行し、自分のよりどころであった、弱きを助け強きをくじく任侠道が失われたと感じ始めたのもこの頃でした。
 脱退に当たり、小指を落とし、全財産を当時の組織に返納しました。脱退後は、新聞配達員、ラーメン屋の店員等を経て三十四歳で起業し、五十歳となった現在は、コンサルティング業を手がけていながら、司法試験合格を果たすため、現在、勉学中の身であります。
 私は、四十二歳のときに、勉学を学んでいないことに気づき、広島県福山市にあるフジゼミという塾に通い、高卒認定を取得し、その後、大学に入学し、人生はいつからでも学び直しができると体験することができました。
 この年からではありますが司法試験の勉強を始めたきっかけは、反社会的勢力からの離脱者を更生させるための環境を整えたいと考えたためです。
 暴力団は減少傾向で、離脱者も増えていますが、離脱者の再犯率は五割に及びます。離脱後、半グレに流れるケースも多く、半グレは暴力団のような明確な組織を持たず、実態の把握が難しいため、警察の対策も後手に回りがちなのが現状です。
 また、再犯者の七割が無職のデータもあります。私も、出所後は職が決まらず、何十軒も会社を回りました。犯罪歴を伏せると私文書偽造とみなされ得ますが、真実を書かなければ雇ってもらえません。学歴がないため、応募のできる職種も限られます。脱退後五年は暴力団関係者とみなされ、銀行の口座の開設や住居の賃貸の制限があり、一般社会の厳しさから再び反社会勢力に戻った知人も過去にはいました。
 更生を目指す後輩たちの相談に乗り、時には自分の店に雇用したりもしましたが、個人ができることは限られ、無力を痛感する場面も多いのが現状です。
 犯罪社会学を専門とする久留米大学の広末登さんは、暴力団離脱に成功し、その後社会復帰した人の多くは、地域社会による協力が重要な原因だったと述べています。
 離脱者に対する支援、心のケア、教育、就職や生活の支援等や、一般社会の受入れ体制の整備、地域や企業の受入れの進捗や法的、習慣的な制限等の緩和等が前提となりますが、これらを短期間に包括的に行うのは難しいとは思います。とはいえ、反社会的勢力の在り方が変わりつつあるこのタイミングで離脱や更生の意思を持つ人々をサポートする必要も感じており、まず、私の実体験を踏まえた、有効だったと思われる部分から着手できたらと考えています。
 具体的には、離脱者や離脱予備軍に対する二種類の教育支援から始めていきたいと思う所存です。
 一つ目は、中学や高校で身につけるような一般科目です。私自身は、英語、数学、国語等を学んだことで視野が広がり、本当の意味で自分の半生を振り返り、反省することができるようになりました。
 二つ目は、キャリア教育です。一般社会にどんな職業があり、どうすればそれに就けるのかを伝え、自分の適性を理解する手助けをしたく思っております。
 離脱者の就職状況は厳しく、私自身も求職中に大小の差別に直面し、暴力団時代とのギャップから心が折れそうになる瞬間もありました。むしろ、既存の社会に入るよりも自分で起業し、仕事で実績を積んで一般社会に認められる方が近いかもしれないという印象もあり、この辺りを含めて、必要な知識やノウハウを伝えていきたいと考えています。
 離脱経験者や教育の専門家の経験や能力の集中をできるような団体を設立し、一般社会への順応を早められるよう、服役中、出所後の両方で必要な学びを提供しながら、行く行くは法的な相談や離脱者同士の交流や協力もサポートできる体制を整え、刑務所と社会の橋渡しを行えるような存在となることを目標としております。
 その実現に向け、地域におけるコミュニティーのデザインや、NPOの設立、運営、教育の活用を考えて進めていけるように、行政だけでなく、企業や地域住民の理解を得て、様々な人を巻き込み、離脱者を更生させることの重要性を広く社会に広めてまいりたいと思います。
 また、日本の刑事政策の妥当性の検証及び反社会組織の現状調査、分析を行いたいと思っています。反社会的勢力の現状に対する理解を深めつつ、社会安全政策や日本の近現代史、政策立案について学ぶことで、官民両方に求められる政策の方向性を模索し、地域との連携の重要性や必要性を認めてもらうためにも、半グレ問題とそれらを生み出してきた現状の政策の限界を明らかにし、新たなアプローチの必要性を訴えていければと考えております。
 九〇年代以降の警察の圧力の強化は、暴力団の衰退や離脱者の増加をもたらしましたが、半グレ等の新たな問題を生んでしまいました。直接的な政策の限界であり、これ以上続ければ、反社会的勢力はより曖昧化、複雑化し、離脱者の更生も難しくなっていきます。手遅れになる前に、かつて暴力団に身を置いた一人として、自身ができることを確実に実行したいと思い、伝えたく、本日、参考人として出席させていただきました。
 以上です。拍手
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階猛#8
○階委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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階猛#9
○階委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 参考人に対する質疑は、理事会の協議に基づきまして、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 この際、委員各位に申し上げます。
 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、委員長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。
 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名を述べた上、お答えいただく参考人を御指名いただきますようお願いいたします。
 なお、理事会の協議によりまして、一回の発言時間は七分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願い申し上げます。
 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
 では、始めます。
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武村展英#10
○武村委員 おはようございます。自由民主党の武村展英でございます。
 本日は、お二人の参考人から、罪を犯した人たちの社会復帰、改善更生に関連した矯正保護に対する御認識、御意見をいただきましたことに対しまして、まずは心から感謝を申し上げます。
 私からは、今福参考人にお伺いをいたします。
 私の出身地である滋賀県におきましては、保護司が保護観察対象者に殺害をされるという痛ましい事件が起きました。御本人や御家族のお気持ちは、察するに余りあります。あのような事件を二度と起こしてはならない、一層安心、安全な社会を実現しなければならないという思いでおります。
 さて、今福先生からは、拘禁刑について御説明をいただきました。拘禁刑という大きな改正が行われ、刑事施設においても様々な取組が行われているところです。
 ただ、どれだけ充実したプログラムが用意されていたとしても、刑に服する側にきちんとしたプログラムを受ける姿勢を持っていただかなければ、改善更生にはつながらないと考えます。
 そこでお尋ねしたいのですが、拘禁刑の制度の下、刑に服する側がきちんとしたプログラムを受ける姿勢を持って改善更生していくため、刑務所等として、必要な視点や取組としてどのようなことが考えられるでしょうか。御教示をお願いいたします。
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今福章二#11
○今福参考人 お尋ねいただいてありがとうございます。
 まず、本人の、自分が変わっていこうという動機づけがとても大切になると思います。
 動機づけのためには、単なる一方的な指導によって自然に生まれるものではなくて、やはり自分自身が自分の罪に向き合ってみたり、自分が持っている課題に向き合ってみたり、そういうことの時間がまずあって、そこから主体的にこの問題を何とかしていきたいという思いが浮かび上がってくる、このプロセスが大切になってまいります。
 そのためには、今矯正において取り組もうとされているのが、対話的な実践というところだと思います。それはとても大切な実践の方法かなと思いまして、私はそれに期待しているところです。
 以上です。
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武村展英#12
○武村委員 お答えをありがとうございました。
 刑事施設内で刑務官と収容者が対話をしてしっかりした更生への動機づけを行っていく、これは画期的な取組であると考えます。対話を経てしっかりとした動機づけをした刑務所出所者が、社会内に戻った後においてもこうした動機づけを維持し続けることが重要だと考えます。
 そこで、刑務所出所者等が保護観察中、そうした動機を持って社会復帰に臨むため、今度は、保護観察所や保護司として必要な視点、また取組としてどのようなことが考えられるのか、今福参考人にお伺いをいたします。
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今福章二#13
○今福参考人 ありがとうございます。
 動機づけは、最初に動機づけられても、それが続くかどうかというのが一番大きな問題でありまして、それを続けていく、そして更に強化をしていくということが大切で、様々な問題に直面する中でまたその動機が揺らいでくる、そういった新たな問題に対しても乗り越えていく新たな動機づけの強化も必要になってくるというふうな、とても長いプロセスかもしれません。
 ですので、矯正の中で最初の動機づけがなされた後、社会に出てから、いろいろな誘惑のある中でそれを乗り越えていく動機づけの強化が求められるということで、今委員御指摘のとおり、それを、日本の場合、保護観察官と保護司が対応してくれているんだと思います。
 特に保護司ですと、ふだんの接触の中で、面接の中で、いわゆるそれは一つの対話の手法が、対等な立場に立って、本人が主体的に問題に取り組んでいく、そして立ち直っていこうとする動機をそっと支えていく、そういう役割を果たしてくださっていますので、これまでどおり保護司さんがそのような対応をしてくださることに期待をしております。
 一方で、保護観察官も、今本人がどの程度の動機づけの現状にあるのかということについて、やはりそれをきちっとアセスメントをしながら、それに応じた対応策を取っていくこと、そこに専門性を発揮していただくこと、これが期待されると思います。
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階猛#14
○階委員長 じゃ、武村君、最後の。
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武村展英#15
○武村委員 ありがとうございました。
 それでは、最後の質問になりますが、今福先生は、更生保護の分野で長く実務を牽引してきた方であるとお聞きをしております。後輩の方々に向けて、あるいは多くの再犯防止に取り組む方々に向けて、期待されていることを一言いただけますでしょうか。
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今福章二#16
○今福参考人 余り大したことは言えないかもしれませんけれども、私の印象では、矯正の分野でお会いした方も、そして更生保護で一緒にやっていた仲間、同僚も、押しなべてみんな言えることは、高い使命感とパッションを持っているなということだと思います。どんないい処遇をするにしても、そこを最終的に決めるのは人です。ですから、その人に、今とてもいい人を得ているなというふうなことを私は思っておりますけれども、その伝統を今後も続けていっていただきたいな、そんなふうに思います。
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武村展英#17
○武村委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
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寺田学#18
○寺田(学)委員 立憲会派の寺田です。
 まずは、今福参考人、斎藤参考人、御多忙のところ本委員会に足を運んでお話を聞かせていただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。
 ちょっとだけ個人的な話をしますけれども、私自身、今期をもってこの政治の世界から身を引くことを決めましたけれども、自分の中で未練があったりやり残しがあるということが問われると、真っ先に、このいわゆる保護行政、社会復帰の問題に取り組んで十分な時間を注げなかったということを、ある種、後悔はしています。
 私自身は、非常に幸運なことに、恵まれた家庭に育つことができて、自分自身の努力は否定しませんけれども、このような場に座って質問する立場に立っているのは、まさしくそういう幸運があったからだと思っています。そういう意味を含めて、本来であればもっともっと自分の政治の世界の中での時間と労力を割くべきだった事柄であるにもかかわらず、中途半端になってしまったことにじくじたる思いがあるとともに、今回、こういう機会でお二人からお話を聞く機会を持ったことをもって、自分の残された任期と、あとは、任期が終わった後は、今日ここにいらっしゃる、これからも政治の世界で働かれる皆さんが、今日を機会に、真剣により一層取り組んでいただけることを心から願うものであります。
 斎藤参考人にお話をお伺いしたいと思います。
 非常に、今まで私も、いわゆる矯正行政の中において、刑務所等の視察はありましたけれども、刑務官の方々からのお話を聞くという機会が多かったんですが、やはり、その中に入られて受刑されていた方から話を聞くというのも、私は大きな意味を持つと思っております。
 お伺いしたいことは二点です。
 一点目は、斎藤さんにとって、更生をしたということはどのような状態を指すのかということを是非お伺いしたいと思っています。単純に、刑務所から出て職に就いたということをもって更生をしたのだというふうに捉えがちではあるんですが、様々な経歴を拝見すると、刑務所から出ても、当然、暴力団をやめた後であっても、いろいろな苦労、山あり谷ありだったというふうに伺っております。斎藤参考人にとって更生とはどのような状態を指しているのか、我々は何を目指すべきなのかということをお話しいただきたいのが一点。
 もう一点。四十代になって、広島の福山にあるフジゼミというところに通って、慶応に合格されて、今、司法試験を受けられて、聞くところによると、短答は通ったという話は聞いていますけれども、フジゼミで教育を受けた、勉強を受け直した、学び直したということ自体が、いわばそういう更生の途上にある、更生という枠組みの中にある人にとってどういう意味をもたらすのか、教育を受け直したことということはどういう意味を成すのかということを是非教えていただきたいと思います。
 以上二点です。
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斎藤由則#19
○斎藤参考人 どうも、御質問ありがとうございます。
 まず、第一の質問の、更生とはどのようなことを指しているのかということは、私自身も、この更生というのは、まず働くことが更生なのか、また、社会に貢献することが更生なのかということは、今考えてみると、正直、どこまでが更生かということは分かりませんが、端的に申しますと、第三者が、世論が、この人は初めて一人前になったなと認めてくれるようなことを私はたくさんの方々から言われていくうちに、それが一つの更生に結びついている言葉なのかなということも感じ始めております。
 しかしながら、私自身も、あなたは更生した、あなたは更生したと言われていましても、どこが更生というのか、いまだにこれが、現実、初めて今聞かれた質問には、私も、実際的な問題は、ちょっとそこは少しまだ模索中です。
 福山で勉強したという、四十二歳から勉学を初めてしたときもそうですが、勉学の学びを通して初めて気づいたことは、学力の低さを取ると、社会的に選ばれるものの、就職困難、就職又は友人や知人、そういうつき合い方のところにも関わってくるのではないかということがあからさまに分かりました。勉学をしていくうちにまた広い視野が見つかり、また、たくさんの希望や現実味を帯びたものがどんどんと近づくによって、また今度は違うビジネス理論やつき合う人たちのコミュニティーが、様々なあらゆる分野で活躍できるということにすごく気づいた次第です。
 以上です。
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階猛#20
○階委員長 寺田君、そろそろまとめてください。
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寺田学#21
○寺田(学)委員 ありがとうございます。
 時間となりましたのであれですけれども、是非今後とも頑張ってください。
 以上で終わります。
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藤巻健太#22
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。
 本日は、お忙しいところ、貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私の方からは、今福参考人の方も少年法を専門の一つとしているということもありますし、それから、斎藤参考人も様々な経験をされているというところで、少年法のところについて、少年の可塑性についてちょっとお伺いしたいというふうに考えております。
 以前、私が法務省の方からいただいた数字ですと、かつて殺人を犯した人、殺人の前科のある人が再び罪を犯す可能性、これは殺人に限らずですけれども、再び罪を犯してしまう可能性が、成人は一七%に対して、少年は五〇%であるというような数字をいただきました。殺人を犯した人の再犯率が、成人は一七%、少年は五〇%という数字でございます。この数字を見ると、果たして本当に少年の可塑性というのは高いのかというところを私は感じております。
 少年の更生の可能性が高いというのは果たして本当に事実なのだろうかというふうに私は考えているんですけれども、これはある意味、少年法の根幹理念を揺るがしかねないような数字かなというふうに私は捉えておりますけれども、少年の可塑性について、お二人はどのようにお考えでしょうか。
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今福章二#23
○今福参考人 私は、大いに可塑性はあると考えております。もちろん、人間である限り可塑性はあるという立場ですけれども、それが特に強いのが少年期であるという考えを持っております。
 やはり成長過程である、心理的にも成長過程でもありますし、あるいは脳科学的にも成長過程でもありますし、全てが今、学びの途上にある人だということは言えると思いますので、それに対してきちっと働きかけていくことが最も最短の行動変容のための取組になるのではないかな、そんなふうに考えます。
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斎藤由則#24
○斎藤参考人 ありがとうございます。斎藤です。
 私も、実は少年院を二度経験しております。その中で、やはり殺人という方もおりました。
 近来、犯罪傾向を見ますと、かなりの殺人のパーセンテージが少年は多いと思います。これは私的な感覚なんですが、やはり、特にSNS、そういうような、今、新しいテクノロジー化の時代で、簡単に人を殺傷できる、そういう気持ちが、気持ち感が生まれることが大いにあると思います。その辺をやはり加味した上で、それを見詰め直して、今この議会を通してもですが、少しでも殺人をなくすために、そういったSNSだけでなく、また雑誌等、そういうものや過激なものに対して見詰めてくれれば、少しは減少できるのではないかなとは思っています。
 以上です。
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藤巻健太#25
○藤巻委員 ありがとうございます。
 では、抑止力という観点からも少し論じさせていただきたいんですけれども、特に、事凶悪犯罪に関して、凶悪犯罪をこれからもしかしたら起こしてしまう人というのは、やはり、自分たちは少年法で守られている、少年法で守られているから、成人のように重たい罪にはならない、つまり、そういうようなふうに考えている人も、もしかしたらいるかも分かりません。
 これでは私、抑止力につながらないというふうには考えているんですけれども、少年法、凶悪な犯罪を起こしても成人よりも罪が重くはならないというこの少年法の在り方が、果たして犯罪を未然に防ぐという抑止力になり得るのか、その抑止力を少し落としてしまっているのではないかなというふうに考えているんですけれども、そういった観点から、これもちょっとお二方にお尋ねさせてください。
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今福章二#26
○今福参考人 少年法には抑止力は十分にあると私は思っております。本人にとっての一番つらい経験は何なのかという観点からいきますと、本人が自分自身の問題とか自分自身と向き合うとか、そういうことの作業が一番人間にとってはしんどいことではないかなと思うんですが。
 そうすると、今の少年法でいくと、何らかの罪を犯した場合に少年院に送られる。そこでなされるのは、二十四時間、三百六十五日をかけて本人と向き合わせる処遇をしていく。実際にそこの少年院を出た後の子供たちの声を聞くと、刑務所も経験をしている、両方経験している人の声を聞くと、少年院の生活の方が本当の意味でつらかったというような、そんなことがあります。
 そのような理解がきちっとされるのであれば、私は、やはり少年法による抑止力というものは十分あると考えているところです。
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斎藤由則#27
○斎藤参考人 私も、抑止力ということには今福参考人と同感です。しかしながら、少年法というのは、刑の、犯罪によって、少年犯罪法で裁かれず、成人で裁かれるときもありますね。
 ただ、少年院というところで、私も経験した、刑務所と少年院はどちらがきつかったかというと、やはり少年院でした。やはりそれは、少年院のカリキュラムがかなりあったからだと思います。
 先ほど言った今福参考人もそうですが、少年の犯罪のこれからの抑止力をどんどんどんどん深めていくためには、やはり私も今福参考人と同じような考えでおりたいと思っております。
 以上です。
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階猛#28
○階委員長 では、藤巻君、ここで終わりでよろしいですか。
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藤巻健太#29
○藤巻委員 はい。
 ありがとうございました。
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