社会労働委員会

1976-05-14 衆議院 全356発言

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会議録情報#0
昭和五十一年五月十四日(金曜日)
   午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 熊谷 義雄君
   理事 住  栄作君 理事 竹内 黎一君
   理事 戸井田三郎君 理事 葉梨 信行君
   理事 山下 徳夫君 理事 枝村 要作君
   理事 村山 富市君 理事 石母田 達君
      伊東 正義君    大野  明君
      大橋 武夫君    加藤 紘一君
      瓦   力君    菅波  茂君
      田川 誠一君    高橋 千寿君
      羽生田 進君    橋本龍太郎君
      山口 敏夫君    金子 みつ君
      田口 一男君    田邊  誠君
      田中美智子君    寺前  巖君
      大橋 敏雄君    岡本 富夫君
      瀬野栄次郎君    小宮 武喜君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 田中 正巳君
 出席政府委員
        厚生政務次官  川野辺 静君
        厚生大臣官房審
        議官      竹内 嘉巳君
        厚生省公衆衛生
        局長      佐分利輝彦君
        厚生省環境衛生
        局長      松浦十四郎君
        厚生省医務局長 石丸 隆治君
        厚生省薬務局長 上村  一君
        厚生省児童家庭
        局長      石野 清治君
        厚生省保険局長 八木 哲夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    山縣 習作君
 委員外の出席者
        文部省体育局学
        校保健課長   遠藤  丞君
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 宮沢  香君
        厚生省保険局医
        療課長     三浦 大助君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    —————————————
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  伏木 和雄君     瀬野栄次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  瀬野栄次郎君     伏木 和雄君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二四号)
 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第六七号)
 厚生関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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熊谷義雄#1
○熊谷委員長 これより会議を開きます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案及び予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
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村山富市#2
○村山(富)委員 まず冒頭に、私は本会議の代表質問でも申し上げましたが、今回提案をされました健康保険法の改正案を見ますと、わずかに分娩費と埋葬料が引き上げられただけで、あと一部負担の大幅引き上げやあるいは高額医療費の自己負担分の制限枠の引き上げ、さらにまた保険料の引き上げ等々、全体的に見た場合に国民に対するメリットというのはほとんどないわけですね。したがって、従来からの考え方をしますと、むしろやはり福祉を看板にしている三木内閣としてはもう少し医療保障を国民に十分責任を持った形でやっていく、こういう態勢を示すべきであるのに、そういう方向は一向に見えずに、一方的に負担だけを押しつけてくる、こういう改正案が出されたと私は思うのです。私どもに言わせますと、これは改正案でなく改悪案だというふうに思いますが、こういう法案をこの国会に提案をしてまいりました厚生大臣の所信をまず冒頭に聞きたいと思うのです。
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田中正巳#3
○田中国務大臣 本法案についての御評価はいろいろあるだろうと思いますし、また御自由でございます。私どもといたしましては、現在の健康保険制度、これを円滑に運営をしていくために、やはり経済的な社会的な変動を乗り越えてやっていくためにはある程度の措置をとらなければならぬということだろうと思います。これをさらに積極的に、こうしたお願いをしなくても健康保険制度が円滑に運営をできるというふうなことであれば別でございますが、やはりこの間において経済の状況も激しく変わっておるわけでございまして、したがって、同一の公的サービスであっても、それをめぐるコストが、社会基盤が変われば、やはりある程度のお願いはしなければならないということになるだろうと思います。
 しかし、その次に出てくる御質問は、そういうことをせぬでもいいような仕組みというものを考えたらどうだろうか、こういうことがあろうと思いますが、それについてはまた御質疑があったときに御答弁申し上げます。
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村山富市#4
○村山(富)委員 こっちの質問を先に想定して答弁をするようなかっこうになっていますけれども、これは冗談じゃなくて、この今回の改正案に対する社会保障制度審議会の答申を見ましても、これはいまだかつてない厳しいものがついていますよ。これは皆さんも十分ごらんになっていると思いますけれども、こういう表現が使われているでしょう。これは抜本改革について、
  これらについての政府の具体案はみられないし、さらに、これらの問題の検討に必要な資料も整えられておらず、また、既存の資料についても十分な分析がはかられているとは思えない。
  この際一本審議会がこのことについて数次にわたって行った建議や答申において政府の決意を促してきた経緯が想起されなければならない。医療保険の財政は、単年度的に均衡がはかられなければならないものであるが、上記の面に対する政府の態度が明らかとならない限り、今回のごとき改正が関係者の納得を得ることは困難であろう。
こういう答申がなされているわけですね。これは国会でも数次にわたって議論をしてまいりましたことでありますし、私どもは、こういう改正案が出る前提として、当然政府のそういう保険制度の改革なりあるいは医療の供給体制の整備なり、こういうものに対する何らかの方針が打ち出されて、こういう整備をやっていきます。そのためにはこういうことが必要なんです、こういうかっこうで改正案が出てくるのならまだ話がわかりますけれども、そこらの点は何ら明らかにされないままにこういう改正案だけが出てきたということについてはきわめて不満なんです。審議会の答申もそういう点は指摘されておりますけれども、これは、私は率直に申し上げましていまだかつてない厳しい表現が使われていると思うのです。こういう答申を受けた厚生大臣の心境を聞きたいと思うのです。
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田中正巳#5
○田中国務大臣 制度審の御答申はかなり手厳しいものがあったことは事実であります。また、そうした医療保険の基本的な問題についての考察あるいは実施というようなことも必要であるということは私どもは否定はいたしません。しかし、俗に言う抜本策というのをいろいろやれ、こう言うのですが、これについてはそれぞれ人によって考えるところが違います。また、この医療保険の問題についてはいろいろと歴史的経緯もあり、利害も鋭角的に対決をしておりますし、各当事者はなかなか既得権というものを譲るという気持ちもございません。したがいまして、よしそれが机上でできても、それを実施するためにはなかなかむずかしい問題があるということも、先生も、薄々じゃない、よほど御存じだろうと思いますが、いずれにいたしましても、こうした問題については検討を進めていきますが、一朝一夕にこれが実現するということは考えられない。しかし、現在の医療保険というものをこの際めちゃくちゃにしてしまうわけにもいかない。もう収支償わず、支払いもできなくなる、ひいては医療給付もできなくなるというようなことになっても困るので、したがって、四十八年改正の内容というものをおおむね維持存続していくためにこうした対応策をとらざるを得ないというのがこの法案を提出した基本的な骨子であります。しかし、それだけにはとどまりません。ちっぽけだと言えばそれまでですが、現金給付とかあるいは認定とかいったようなものについての改善も加えていることもまた改正点の一つです。
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村山富市#6
○村山(富)委員 私の先般の本会議における代表質問に対する総理の答弁なんかを聞いていましても、何を答弁しているのかさっぱりわからないのですよ。これは医療制度全般に対する、国民の命と健康の問題ですからね。そういうものに対する三木内閣の姿勢というものはあの総理の答弁でわかると思うのですよ。そんな気持ちで、そんな姿勢で、そんな考え方で国民医療というものを考えているのかというふうに言わざるを得ないと思うのです。確かに、抜本改革をやるとすればむずかしい問題がたくさんあることも承知しております。しかし、やはり抜本改革の方向に努力していく、軌道に乗せていく、こういう姿が見えてこなければならないのじゃないかと思うのですよ。私は以下数点にわたって、そういう内容に触れて具体的にこれから質問をしてまいりたいと思うのです。
 まず第一に、医療供給体制に関する問題についてでありますが、昭和五十一年の四月に診療報酬の改定が行われましたが、この基礎となった物価、人件費が一体いつからいつまでの計算の上に立っておるのかということをまずお尋ねします。
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八木哲夫#7
○八木政府委員 先般、中医協に諮問いたしまして四月一日から診療報酬の改定が行われたわけでございますが、今回の診療報酬の改定におきましては、前回の四十九年の十月の実施後の問題でございますが、具体的には五十年一月以降本年の二月までの人件費、物件費等の動きを勘案いたしまして、それに即応する診療報酬の改定を行った次第でございます。
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村山富市#8
○村山(富)委員 そうしますと、三月以降の物価の上がりやら人件費の上がりやら、そういうものは全然計算の基礎になっていないわけですね。そうしますと、当然春闘で賃金は上がりますし、物価もそれにつれて上がっていくわけです。したがって、そういう人件費や物価の値上がりを想定した場合に、今度の診療報酬改定を基礎にしたのでは病院経営は赤字になるのではないかというふうに考えられますが、その見通しはどうですか。
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八木哲夫#9
○八木政府委員 いままでの診療報酬改定の方式のあり方等にも触れる問題でございますけれども、従来とも診療報酬の改定につきましては、前回の引き上げ時期以降におきます物価なりあるいは人件費の動きというものを勘案いたしましてその次の診療報酬の引き上げを考えるということでございますので、ある程度実績が出てきた上で、それを踏まえまして診療報酬の改定の問題を取り上げるということでございます。したがいまして、今回四月一日から診療報酬が引き上げになりましたので、いろいろ見方はあろうかと思いますけれども、当面の病院経営の面につきましては今回の診療報酬の引き上げによりましてカバーできるのではないかというふうに考えられるわけでございます。御指摘のように、今後の人件費なりあるいは物件費、物価等の上昇の問題もあろうかと思いますけれども、ただいまの段階におきましては、現在診療報酬改定が終わった直後でございます。もちろん歯科は別でございますけれども、医科については終わったわけでございまして、今後の問題につきましてはもちろん中医協で御審議いただくわけでございます。これからの人件費なり物価の動向というものを踏まえた上である時期に考えられるということでございますが、いまの段階では、現在診療報酬の改定が終わった直後であるということで御了解いただきたいと思う次第でございます。
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村山富市#10
○村山(富)委員 いまお話もございましたように、五十一年の四月に診療報酬の改定が行われた。その改定の基礎になっておるのは五十年の一月から五十一年の二月まででしょう。そうしますと、五十一年の三月以降のものは入ってないわけですから、したがって、その診療報酬の引き上げをした基礎計算と現実とは大分遊離しているわけですね。したがって、それは早晩診療報酬の改定が問題になってくるのではないかということが想定されますね。そういう見通しと同時に、そういうものを含めて保険財政の見通しというのはどういうふうに考えていますか。
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八木哲夫#11
○八木政府委員 私どもといたしましてはむしろ、中医協の開かれておらない時点におきまして五十一年度の予算に診療報酬の問題をいかに取り込むかということで、一番直近の五十一年二月という時点におきます前回の改正以降の人件費、物件費の動向等を見まして、それをベースにしました診療報酬の改定を行った次第でございます。したがいまして、確かに、先生から御指摘ございましたように、今後人件費なり物件費の伸び等も考えられるわけでございまして、この辺の問題につきましては中医協の方でもいずれ御議論になると思いますけれども、現段階におきましては終わった直後であるというようなことから、むしろ将来の変動の要素を考えまして、将来のある時期においてこの問題が御議論されることであろうというふうに現段階では申し上げる以外はないのではないかというふうに思う次第でございます。
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村山富市#12
○村山(富)委員 これは今後の問題ですから余り突っ込んだ議論はいたしませんけれども、しかし、いずれにしても健保財政が相当厳しい状況に置かれてくるということは当然想定できるわけですね。
 そのことに関連して、病院経営なんかについての最近のいろいろな資料を見ましても、黒字が出て、黒字が出ないにしてもとんとんでやっているなんという病院は、特に公的医療機関においては比較的少ないのじゃないか。したがって、私は公的医療機関にしぼってこれから質問をしていきたいと思うのですが、いまの保険診療の体系の中で公的病院は実際に収支の採算がとれるような条件に置かれているかどうか。もし採算がとれずに赤字が出てくるとすれば、どの部分が原因で公的病院の赤字が出るというふうに判断されますか。
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八木哲夫#13
○八木政府委員 今回の診療報酬の引き上げの際にも、やはり医療機関の経営という問題を当然考えて議論しなければいけないわけでございますけれども、たまたま、医療経済実態調査というものが四十五年に実施されて以来、その後の実態がわかっておらないというようなことで、早急に医療経済実態調査を実施すべきではないかということで、医療経済実態調査の問題というものも一つのこれからの問題になろうと思いますが、現在その調査を開始したところでございます。
 それから、今回の診療報酬の改定におきましては、そういうようなことで最近の実績というものが非常にわかりにくいわけでございますけれども、公的病院につきましては一部、日赤等の四十九年度のある程度の経営の実態というものがわかっておった次第でございまして、これらの数字も基礎にしまして今回の診療報酬の改定が議論されたわけでございますが、その際に一般的に言えますことは、四十九年度の実績から申しますと、日赤、済生会等の公的病院につきましては若干の医業利益というものが出ておる次第でございます。それから自治体病院等につきましてはかなりの赤字があるというようなことで、やはり病院の経営の実態、病院の内容によりまして若干の経営の差はあるというようなことが言えるのではないかと思います。したがいまして、黒字の病院もありますが、赤字の病院もあるというような実情でございます。
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村山富市#14
○村山(富)委員 それは黒字の病院もあれば赤字の病院もあるとは思いますが、総体的に見て赤字に転落している傾向の方が強いのではないと私は思いますよ。これは資料もありますけれども、そう思います。
 そこで、これは厳密に分析してみまして、いまの診療報酬の体系の中で、あるいは制度の中で、公的病院が赤字になる要因がやはりあるのではないか。というのは、採算に合わないような医療をやっている部分があるのではないかと思うのです。そういう部分は一体どういうふうに厚生省としては認識しているか、把握しているかということについてお聞きしたいのです。
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石丸隆治#15
○石丸政府委員 ただいま先生の御指摘の、公的病院の赤字の原因でございますが、この赤字の原因にはいろいろな要素があるというふうに考えております。特に、その赤字の原因の中で、公的病院なるがゆえにある程度採算を無視して行わざるを得ない医療の部門があるわけでございまして、またその医療を実施するために採算を無視して資本投下を行わざるを得ない、かようなものもございます。それで、従来われわれ、公的病院の赤字の原因をいろいろ分析はしておるわけでございますが、特に公的病院としての公的使命を果たすため採算を無視して行っている医療といたしましては、たとえばがんの治療でございまして、非常に大きな装備を必要とするような投資を行っております。それから小児医療あるいは救急医療、それから循環器、難病あるいは老人性の疾患の治療、そういったものがあるわけでございまして、医務局の方といたしまして、こういった公的病院なるがゆえに赤字を覚悟で実施せざるを得ないような医療部門につきまし三赤字病院に対します助成を行っておるところでございます。
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村山富市#16
○村山(富)委員 いま医務局長から説明がありましたように、これは普通の私的医療機関と違って、公的医療機関の場合には、採算に合わないからこれは知りませんというわけにいかない部面がありますね。やはりその地域住民の要求にこたえなければいかぬ。したがって、採算を無視してしなければならぬこともある。同時に、やはり一般の民間の医療機関では持てないような高度な医療器具を整備する必要があるというので、高額な資本投下をする必要がある、こういういろいろな要因があると思いますね、現実に。さっき保険局長は黒字の病院もあるというふうに言われましたけれども、本当に地域住民の要求にこたえて医療に対するサービスをしていこう、こういう姿勢を示せば赤字になると思うんですよ。そういう赤字が出た場合の補てんというのは一体どこがめんどうを見るのですか。
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石丸隆治#17
○石丸政府委員 自治体病院につきましては、一応いままでのところ自治省の方でいろいろその助成等を実施いたしておるところでございます。そのほか日赤等四団体のいわゆる公的病院の赤字病院に対しましては、必ずしも十分とは申せませんが、医務局の方でいろいろ助成策を講じておるところでございます。
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村山富市#18
○村山(富)委員 自治体病院については自治省がめんどうを見る、日赤その他四団体については厚生省がめんどうを見る。これはたてまえはそうでしょうね。だけれども、実際にめんどうを見ていますか。それは自治省だってわずかに起債を見る程度であって、特別の補助はしていませんよ。厚生省で見ていると言うけれども、厚生省なんというものは、一般財源であって、何も医療機関に対する助成じゃないですからね。したがって私は、いま医務局長が説明されたほど責任あるめんどうは見ていないと思いますよ。そのために、昭和五十一年三月二十三日に中医協の答申が出ていますけれども、こういうふうに言われていますね。「公的病院の建設整備の費用、看護婦養成、へき地医療、救急医療等に関する特別な費用については、診療報酬でまかなうのは適当でないので国の責任において行うこと。」こういう答申が出ていますね。この答申は知っていますね。救急医療だけじゃないですよ。もう一遍読みますよ、よく聞きなさいよ、私語をしなくて。これは昭和五十一年三月二十三日の中医協の答申ですよ。「公的病院の建設整備の費用、看護婦養成、へき地医療、救急医療等に関する特別な費用については、診療報酬でまかなうのは適当でないので国の責任において行うこと。」これは、こういうものまですべて含んで診療報酬で賄えといったって無理じゃないかと思うのです。だからこういう部面は診療報酬と切り離して、やはり国が責任を持つべきである、こういう意味の答申ですね。この答申を受けた厚生省の受け取り方なり考え方というのはどうなんですか。
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石丸隆治#19
○石丸政府委員 ただいま先生の御指摘の中医協の答申でございますが、その答申のうち、看護婦養成の部門は、これはちょっと別にわれわれ考えておるところでございまして、これも一応、病院経営と申し上げましょうか、医療と切り離しまして、看護婦養成に要する費用は別途助成を行っておるところでございます。それで、他の、いわゆる公的病院なるがゆえに特別の診療を行うという、そういったものに対しましては、いわゆる四団体の公的病院のうち赤字を出している病院に対しまして、がん、それから救急、小児、こういった特殊の診療部門につきまして助成を行っておるところでございます。ただ、病院の赤字のうち、いろいろ問題があるわけでございまして、いまわれわれが実施いたしておりますのはいわゆるランニングコストの赤字の部門についての問題でございまして、病院設備投資に対します従来からの累積赤字、こういった部分につきましては現在のところまだわれわれめんどうを見ていないところでございまして、今後の問題としてそこは検討いたしたいと考えておるところでございます。
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村山富市#20
○村山(富)委員 ちょっと、がんと何ですか。
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石丸隆治#21
○石丸政府委員 がん、小児、救急。
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村山富市#22
○村山(富)委員 これはどういう内容の助成をしているのかというのはちょっとわかりませんけれどもね。仮に例をとりますと、これはいつかの委員会で問題にいたしましたけれども、いま救急医療に対して補助している、こういうお話がございましたね。確かに五十一年度、A、Bを含めて百五十九カ所ぐらいの指定病院に対して補助しているということはありますね。しかしこれは、自治体病院の告示病院が四百三十三病院ありますけれども、その中で三六・七%にすぎないわけですよ。これはいつかも議論しましたように、現実に救急医療に対応する施設を持っておって、そして実際に救急医療を受け持ってやっておるという実績を勘案して補助しているわけです。したがって、そういう施設の整備されておらないところに対しては全然補助がないということになるわけでしょう。私はいつかも言いましたように、そうではなくて、やはり十分救急医療に対応できるような施設を整備されるための補助をやらなければ、これはやったって採算に合わないのですから、一銭も金を出してくれないとやるところはないですよ。整備はできぬわけですからね。私は、そういう実態を踏まえてこの中医協の答申もあったのじゃないかと思うのですよ。したがって、今後そういう意味の、中医協の答申のあったような中身を含めた意味の助成というものを十分考える用意があるのかどうか。来年度予算あたりで積極的にやっていこうというような意思があるのかどうか。これはひとつ大臣に聞きたいと思うのです。
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田中正巳#23
○田中国務大臣 公的医療機関なるがゆえのいわゆる特別な出費については、できる限りわれわれとしてはこれを見ていきたいというふうに思っているわけでございます。ことに救急などをめぐってのいまお話がございましたが、こうしたことは私は来年度予算編成の一つの眼目になるものというふうに思っております。いま具体的にどの点をどうするかということについては、しかと御答弁を申し上げる段階まで来ておりませんが、基本姿勢としてはそうした方向についてさらに努力をいたしたいというふうには思っております。
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村山富市#24
○村山(富)委員 これはもう中医協の答申を申し上げるまでもなく、実態を踏まえて判断をした場合に、端的に救急医療だけを取り上げてみましても、いまのA、Bだけに補助するという考え方は誤りではないか。むしろ、そうでなくて、救急医療に対する供給体制を整備していく、その整備の方にもっと重点を置いた補助を考えるべきじゃないか、こういう意見は当然あると思いますし、そうしなければ私はやはり救急医療に対する対応はできていかないのじゃないかと思うのですよ。そういう点を十分踏まえて今後一層の努力をしてもらいたいと思うのです。
 次に、いま医療法の中で公的病院に対する病床規制がありますね。これから医療計画を立てていく上において、この病床規制が相当大きな障害になってくるのじゃないかということは想定されますね。これは何も医療機関を社会化しろとかなんとかいうのではなくても、本当の意味で地域医療計画を立てて地域医療の整備をやっていこうということになれば、どうしても自治体病院や公的病院が中心、中核になる。その中核になる公的病院に対して病床規制があってなかなか思うとおりにいかないということが全国的にもやはり問題になりつつありますね。そういう情勢を受けて私は参議院でも附帯決議がつけられたと思うのです。これは御存じのように、四十八年の健康保険の改正案が国会を通過する際に参議院では附帯決議がつけられておりますが、その附帯決議の中にこういうことが書いてありますね。「公的病院の病床規制の撤廃及び差額ベッドの規制については、すみやかにその対策を講ずるものとすること。」とありますね。これははっきり「撤廃」と書いてあるわけです。これは附帯決議ですから、与野党含めて全会一致で決まったものであります。それだけやはり病床規制に対する意見というものはもう大方一致しているのではないかというふうに思われるわけです。このベッド規制に対する参議院の附帯決議を受けて、あるいは全国的ないまの医療供給体制の整備と関連をして、どういう考え方を持っているか、聞きたいと思うのです。
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田中正巳#25
○田中国務大臣 大体、公的医療機関の病床規制というのは、私は覚えがあるのですけれども、これは国会修正で、各党で、これをやれ。私はどうかと思って大分反対したのですが、とうとう押し切られてしまったといういきさつがございます。他の法案との取引でもって、これをやらなければ他の法案を通さない。やめてくれとぼくはずいぶん頼んだのですけれども、とうとうやられてしまったという思い出が実はございます。
 そこで、公的病院の規制というのは、余り公的病院ばかりがベッド数をふやしていって、他の私的医療機関等を圧迫してはいかがだろうかというふうな配慮から出たものというふうに、当時、私この立法の趣旨を記憶しているわけでございますが、しかしこれは、お互いに選挙区を持っているわれわれとしては、これが一体妥当なものかどうかということについてはかなり問題があると思います。私の考えでは、基本的に、このベッド基準が一体地域の実情に適合しているのかどうかという問題もあります。また、地域によって大分違うようであります。つまり、若年労働力を出しているいわゆる過疎地とそうでないところとにもいろいろ違いがありますが、これを一律でやっておるようでございます。また、社会構造の変化、あるいはいわゆる医学、医術の変貌等々に対応して、このベッド基準というものについてはなおかなり検討を加えなければなるまい。しかし、全廃をするかどうかということについてはなおいろいろと検討しなければならぬという問題があるのではなかろうか、かように思って、まあ附帯決議には全廃しろと言いますが、これを実現するためにはまたいろいろと検討し、各方面の御意見も承らねばなるまい。しかし、基準を実態に合わせるように努力をすることはぜひやらなければならない、私はこういうふうに思います。
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村山富市#26
○村山(富)委員 これは議員立法でつくられたことも十分承知していますし、当時これをつくる背景というものも、私もそれなりに知っているつもりですが、いま大臣も答弁されましたように、どうかと思ったという意見がありましたけれども、当時からどうかと思うようなものであったわけです。それがだんだん固定化していって、現実に障害が生まれてきているわけです。これはやはり大きな障害になってきているということはだれも認めていると思うのです。したがって私は、単に基準をどうこうするというのではなくて、これから地域医療計画をどうつくっていくかという問題についてもいろいろな意見があると思いますよ、あると思うけれども、しかし一般の民間の開業医なんかでは対応し切れない高度の医療技術も必要としますし、そういうものを整備しなければならぬということになれば、どうしても自治体病院や公的病院はそれを受け持たざるを得ないわけですよ。したがって、いまのように各医療機関が競合しているというかっこうではなくて、それぞれ機能分化をして受け持ちを決めていくということも意見としてありますね。そういう場合だって、公的病院がベッド規制のために、やはり一つの足かせになって思うとおりに計画ができないという面だってあるわけですから、したがってこれは大きな障害になっているということはどなたも認められると思うのです。そういうものである。これは大臣はいろいろあると言われましたけれども、そのいろいろある中身は何なのか、どう考えておられるのか、ちょっと明らかにしてもらいたいと思います。
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田中正巳#27
○田中国務大臣 いろいろあるというのは、社会的な構造の変化あるいは医学、医術の進歩等々でございまして、一律にやっているわけじゃございません。加算制度というものがありまして、いま先生のお挙げになったような特殊な診療部門についてとか、あるいは大学の関連病院といったようなものについては加算制度をとっておりますが、したがって、一般の私的医療機関でやれないようなものについては特別な配慮はしておりますけれども、なおこれらについてはいま少しく深い検討と努力をしなければならぬということだろうと私は思います。
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村山富市#28
○村山(富)委員 これは繰り返しませんけれども、少なくとも国会で全会一致で意思集約がなされているわけですから、しかも現実に、さっきから申し上げますが、いろいろな問題が出てきて障害になっておるというようなことも百も承知ですから、したがって、そういうものを受けて積極的にそういう方向に努力していくのは当然のことであるし、そういう姿勢を出してもらいたいと私は思うのです。この点は強く要望しておきます。
 次に、よく問題になります差額ベッドの問題について若干聞きたいと思うのです。
 これは差額ベッドを規制するための通知を出しましたね。何か二〇%ぐらいどうのこうのという基準を示して出しましたね。ところが、中医協で診療報酬の審議をする際に出されました厚生省からの資料を見ますと、実際に病院経営の中で現実に差額ベッドはこれだけぐらいある、その差額ベッドの収入も見込んで病院経営の調査をしているわけです。そしてその上に立って診療報酬が決められているわけです。したがって、病院経営者としては当然差額ベッドを使っていかなければ収支が合わなくなりますから、これは使っていくと思うのです。ですから、いま厚生省がやっているものは、一方では差額ベッド規制の通知を出し、一方では、診療報酬を決める際には現実の差額ベッドの収益というものを十分見込んで積算をしているということになれば、これは矛盾するのじゃないですか。その点、どうですか。
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八木哲夫#29
○八木政府委員 先生御指摘の差額ベッドの問題につきましては、四十九年三月に通知を出しましてその指導をやっておるわけでございますが、いろいろ社会的な問題にもなっておりますし、さらに今後ともこの指導の徹底を図りたいと思っております。
 なお、御指摘の中医協の場におきます診療報酬のあり方の問題でありますけれども、今回の中医協におきます診療報酬の際には、医療経営の実態調査が行われましたのが四十五年の実績しかわからないというようなことから、最近の直近の状態というのはわからないわけでありまして、そういうような面から申しましても最近の医療の経済の実態を把握すべきではないかというようなことから、今回、四十五年以来行われておりませんでした医療経済実態調査を実施するというようなことで、現在調査実施の作業が進められているという段階でございます。
 中医協の御議論の際にも、差額ベッドの問題等につきましてもいろいろ御議論があったわけでございます。病院の経営の安定を図るという意味からも、病院の診療報酬の引き上げをどうすべきかというような立場からいろいろ御議論があったわけでございまして、もちろん、病院の経営の安定ということで差額ベッドはできるだけ少ないことは望ましいわけで、そういうような点も総合的に勘案した上で中医協の御審議が行われたというようなことでございまして、具体的には室料等の診療報酬の問題であろうというふうに思われるわけでございます。そういうような室料差額の問題もあるわけでございますので、今回の診療報酬の改定におきましては従来の室料につきまして七十点から八十点というような引き上げが行われたということで、もちろん審議の過程でもこのベッドの問題ということにつきましては十分御論議いただいているというような状況でございます。
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