社会労働委員会

1991-04-18 衆議院 全251発言

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会議録情報#0
平成三年四月十八日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浜田卓二郎君
   理事 粟屋 敏信君 理事 石破  茂君
   理事 加藤 卓二君 理事 丹羽 雄哉君
   理事 野呂 昭彦君 理事 池端 清一君
   理事 永井 孝信君 理事 遠藤 和良君
      岩屋  毅君    小沢 辰男君
      岡田 克也君    片岡 武司君
      古賀  誠君    坂井 隆憲君
      鈴木 俊一君    住  博司君
      野呂田芳成君    畑 英次郎君
      平田辰一郎君    三原 朝彦君
      山口 俊一君    伊東 秀子君
      岩田 順介君    岡崎 宏美君
      川俣健二郎君    小松 定男君
      五島 正規君    土肥 隆一君
      石田 祝稔君    大野由利子君
      児玉 健次君    柳田  稔君
      菅  直人君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 下条進一郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第四
        部長      越智 正英君
        厚生大臣官房総
        務審議官    熊代 昭彦君
        厚生大臣官房老
        人保健福祉部長 岡光 序治君
        厚生省健康政策
        局長      長谷川慧重君
        厚生省保健医療
        局長      寺松  尚君
        厚生省社会局長 末次  彬君
        厚生省保険局長 黒木 武弘君
        社会保険庁運営
        部長      大西 孝夫君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房企
        画官      神原  寧君
        大蔵省主計局主
        計官      渡辺 裕泰君
        社会労働委員会
        調査室長    高峯 一世君
    ─────────────
委員の異動
四月十七日
 辞任         補欠選任
  柳田  稔君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  川端 達夫君     柳田  稔君
    ─────────────
四月十八日
 山西省残留犠牲者の救済措置に関する請願(辻第一君紹介)(第二六六九号)
 乳幼児から学童期までの保育充実に関する請願(古堅実吉君紹介)(第二六八六号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(池端清一君紹介)(第二六八七号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第二六八八号)
 同(川崎寛治君紹介)(第二六八九号)
 同(沢田広君紹介)(第二六九〇号)
 同(松原脩雄君紹介)(第二六九一号)
 同(水田稔君紹介)(第二六九二号)
 同(石破茂君紹介)(第二七九八号)
 同(今枝敬雄君紹介)(第二七九九号)
 同(大野明君紹介)(第二八〇〇号)
 同(沢田広君紹介)(第二八〇一号)
 同(戸井田三郎君紹介)(第二八〇二号)
 同(野呂昭彦君紹介)(第二八〇三号)
 同(日笠勝之君紹介)(第二八〇四号)
 同(増子輝彦君紹介)(第二八〇五号)
 同(増岡博之君紹介)(第二八〇六号)
 同(松田岩夫君紹介)(第二八〇七号)
 同(村上誠一郎君紹介)(第二八〇八号)
 同(山村新治郎君紹介)(第二八〇九号)
 同(網岡雄君紹介)(第二八四六号)
 同(石橋一弥君紹介)(第二八四七号)
 同(遠藤登君紹介)(第二八四八号)
 同(児玉健次君紹介)(第二八四九号)
 同(野呂田芳成君紹介)(第二八五〇号)
 同(柳沢伯夫君紹介)(第二八五一号)
 国立医療機関に働く全職種の大幅増員に関する請願(秋葉忠利君紹介)(第二七五一号)
 同(有川清次君紹介)(第二七五二号)
 同(五十嵐広三君紹介)(第二七五三号)
 同(井上普方君紹介)(第二七五四号)
 同(池田元久君紹介)(第二七五五号)
 同(石橋大吉君紹介)(第二七五六号)
 同(上原康助君紹介)(第二七五七号)
 同外二件(小川信君紹介)(第二七五八号)
 同(小沢和秋君紹介)(第二七五九号)
 同(小野信一君紹介)(第二七六〇号)
 同外一件(緒方克陽君紹介)(第二七六一号)
 同(大出俊君紹介)(第二七六二号)
 同(大畠章宏君紹介)(第二七六三号)
 同外一件(岡崎トミ子君紹介)(第二七六四号)
 同(岡崎宏美君紹介)(第二七六五号)
 同外一件(加藤繁秋君紹介)(第二七六六号)
 同(木間章君紹介)(第二七六七号)
 同(北川昌典君紹介)(第二七六八号)
 同(五島正規君紹介)(第二七六九号)
 同(志賀一夫君紹介)(第二七七〇号)
 同外一件(嶋崎譲君紹介)(第二七七一号)
 同外一件(新盛辰雄君紹介)(第二七七二号)
 同(仙谷由人君紹介)(第二七七三号)
 同(竹内猛君紹介)(第二七七四号)
 同(武部文君紹介)(第二七七五号)
 同(辻第一君紹介)(第二七七六号)
 同(戸田菊雄君紹介)(第二七七七号)
 同(土肥隆一君紹介)(第二七七八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二七七九号)
 同(藤田高敏君紹介)(第二七八〇号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二七八一号)
 同(細谷治通君紹介)(第二七八二号)
 同(堀昌雄君紹介)(第二七八三号)
 同(前島秀行君紹介)(第二七八四号)
 同(松浦利尚君紹介)(第二七八五号)
 同(松本龍君紹介)(第二七八六号)
 同(三浦久君紹介)(第二七八七号)
 同(三野優美君紹介)(第二七八八号)
 同(水田稔君紹介)(第二七八九号)
 同外一件(武藤山治君紹介)(第二七九〇号)
 同(村山富市君紹介)(第二七九一号)
 同(元信堯君紹介)(第二七九二号)
 同(安田範君紹介)(第二七九三号)
 同(山内弘君紹介)(第二七九四号)
 同(山元勉君紹介)(第二七九五号)
 同(渡辺嘉藏君紹介)(第二七九六号)
 同外一件(網岡雄君紹介)(第二八七一号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第二八七二号)
 同(貝沼次郎君紹介)(第二八七三号)
 同外二件(川崎寛治君紹介)(第二八七四号)
 同(児玉健次君紹介)(第二八七五号)
 同(佐々木秀典君紹介)(第二八七六号)
 同(佐藤敬治君紹介)(第二八七七号)
 同(外口玉子君紹介)(第二八七八号)
 同(中沢健次君紹介)(第二八七九号)
 同(西中清君紹介)(第二八八〇号)
 同(鉢呂吉雄君紹介)(第二八八一号)
 同外一件(早川勝君紹介)(第二八八二号)
 同(藤田高敏君紹介)(第二八八三号)
 保育所制度の充実に関する請願(太田誠一君紹介)(第二七九七号)
 同(石橋一弥君紹介)(第二八四四号)
 公的骨髄バンクの早期実現に関する請願(平田辰一郎君紹介)(第二八一〇号)
 公的骨髄バンク早期実現に関する請願(村田敬次郎君紹介)(第二八一一号)
 あん摩マッサージ指圧師の業務と異名同質のカイロプラクティック及び整体術等無免許療術行為取り締まりに関する請願(石井一君紹介)(第二八一二号)
 同(中村正三郎君紹介)(第二八一三号)
 同(浜田幸一君紹介)(第二八一四号)
 同(水野清君紹介)(第二八一五号)
 同(石橋一弥君紹介)(第二八五二号)
 同(二田孝治君紹介)(第二八五三号)
 療術の制度化促進に関する請願外三件(小林興起君紹介)(第二八一六号)
 骨髄バンクの早期実現に関する請願外六件(網岡雄君紹介)(第二八四五号)
 肝炎患者の救済と予防・治療対策の拡充に関する請願(野呂田芳成君紹介)(第二八五四号)
 保健衛生施策の充実に関する請願(小沢和秋君紹介)(第二八五五号)
 同(金子満広君紹介)(第二八五六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第二八五七号)
 同(児玉健次君紹介)(第二八五八号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二八五九号)
 同(菅野悦子君紹介)(第二八六〇号)
 同(辻第一君紹介)(第二八六一号)
 同(寺前巖君紹介)(第二八六二号)
 同(東中光雄君紹介)(第二八六三号)
 同(不破哲三君紹介)(第二八六四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二八六五号)
 同(古堅実吉君紹介)(第二八六六号)
 同(正森成二君紹介)(第二八六七号)
 同(三浦久君紹介)(第二八六八号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二八六九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第二八七〇号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 老人保健法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)
     ────◇─────
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浜田卓二郎#1
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、老人保健法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五島正規君。
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五島正規#2
○五島委員 厚生省にまずお伺いしたいと思うわけですが、厚生省は都道府県医療計画及び第二次医療圏ごとの地域医療計画の策定、推進の中で、医療機関の適正な配置を進めていくというふうに言っていたわけでございますが、無医地区と医療過密地区の存在などの問題が改善してきているのでございましょうか。むしろ駆け込み増床などにより、現在、地域の格差は拡大してきているのではないかというふうに思われるわけでございますが、その点についてまずお伺いしたいと思います。
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長谷川慧重#3
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘のございました六十年の医療法改正によりまして、各都道府県におきまして医療計画というのを定めまして、病床のコントロールあるいは医療施設相互の機能連携等を図ってまいっているところでございます。
 御存じのとおり、医療計画は平成元年三月までに全都道府県で作成されたところでございまして、その目的を達成するためには、いわゆる病床過剰医療圏におきましては、病院の開設等につきましては中止等を勧告する、あるいは病床非過剰医療圏におきましては、各種の補助制度や社会福祉・医療事業団によります政策金融などによりまして医療供給体制の整備に努めるというような形になっているわけでございます。この結果、病床の過剰医療圏における病床は近年減少する傾向にございます。一方、病床の非過剰医療圏におきましては、病床が若干、二ないし三%増加している傾向にございます。このように病院、病床の地域偏在は是正されつつあるというぐあいに認識いたしております。
 それから、無医地区につきましても、昭和五十九年の千二百七十六地区から平成元年には千八十八地区というぐあいに減少しているところでございまして、そういう面で先生の御心配のようなことは漸次是正されつつあるというぐあいに認識いたしているところでございます。
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五島正規#4
○五島委員 今日、情報社会と言われる社会に入ってきたわけでございます。情報社会における国民的な保健医療上の課題というのは常々指摘されているところでございますが、高齢者の医療福祉の問題、それから精神疾患の問題であるというふうに指摘されてきているところでございます。かつて経済成長政策の時代におきまして、精神病が非常にふえてくるという状況の中で、医療と保健というものが限りなく一体として進めなければならないという状況がございまして、今日新しいこの情報社会の中におきまして、こうした疾患あるいは課題に疾病構造も変化してきているということを考えますと、今日の時代の保健医療上の対策は、医療と保健、それに福祉が限りなく一体となって対応しなければいけない、そういう時代になっていることは言うまでもないというふうに考えるわけでございます。
 ところで、昨年の八月、福祉関連八法の改正によりまして、厚生省は一九九三年から地方自治体に老人保健福祉計画の策定を義務づけたのでございますけれども、この地方保健福祉計画と、それまで先行している都道府県あるいは第二次医療圏ごとの保健医療計画というものとの関係をどのようにお考えになっておられるのか。本来ならば、保健、医療、福祉サービスの供給体制を、それを利用する市民、住民の積極的な参加を求めて、総合的な地域保健福祉総合計画といったような形として推進すべきではなかったかというふうに考えるわけでございますが、その点について今後どのように対処していかれるお考えか、お伺いしたいと思います。
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下条進一郎#5
○下条国務大臣 専門家の委員からのお尋ねでございますが、今お尋ねのありました地方保健福祉計画、これは御承知のように平成五年の四月から市町村でこれに取り組むという計画になっております。そしてまた、今までありました都道府県または二次医療圏ごとの保健医療計画、これも確かにございますが、これは、オーバーラップしたところと、それからまたそうでない、それぞれの目的によって対象を異にしてやっておるわけでございます。その調整は十分に図りながらいかなければならないと考えております。
 老人保健福祉計画の方は、御承知のように、市町村の提供するサービスの実施量の目標及び広域的な老人保健福祉サービスの提供体制の確保について定めたものでございます。また一方、医療計画につきましては、医療サービスが医師の医学的判断に基づき医療機関と患者との契約によって提供されるものであることから、サービスの実施量という形で目標を設定することはいたしておりませんで、また、医療の供給体制の整備については、高齢者以外のいろいろの御要望に配慮いたしまして検討する必要があることから、高齢者のみを対象とはしていないものでございます。したがいまして、両計画については、それぞれ別のものといたしまして策定することといたしておりまして、高齢者に対しましては保健、医療、福祉サービスを総合的に提供することは重要でありまして、老人保健福祉計画の作成に当たって医療計画との調和を図るとともに、医療計画の作成に当たっても福祉施設との調和を図ることといたしておるわけでございます。
 なお、老人保健福祉計画は、地域の保健福祉サービスに対するいろいろな需要を十分に把握いたしまして、これに適切に対応することが求められていることから、計画の策定、推進に当たりましては、地域住民の御意向を十分反映されるように配慮してまいる、このような取り組み方でございます。
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五島正規#6
○五島委員 保健医療計画が老人のみを対象としていないというのは、これは当然でございますが、しかし、今日の疾病構造の変化、これは今日の時点にとどまるわけじゃなくて、今後も高齢社会はますます進んでいくという状況の中におきましては、やはり疾病構造の変化というものを考えた場合に、保健医療計画そのものがすべての疾患あるいは健康というものを対象にしながらも、なお総合的に計画をつくっていくということが必要だというふうに考えます。
 この質問と関連するわけでございますが、高齢者のための地域における保健、医療、福祉サービスの連携、すなわち地域における高齢者に対する各種のケアのシステム化、こうしたことが現在実施されておらずにばらばらの状態にあるわけでございます。今回提案されております地域の看護ステーションからの看護婦さんを中心とする訪問看護という問題につきましても、従来から行われております保健所あるいは市町村の保健婦さんを中心とする老人保健事業、家庭訪問による保健指導でございますが、あるいは昨年出されました在宅介護支援センター及びこれまでも実施されてまいりました市町村のヘルパーさんによる在宅介護サービス、さらには医療機関が実施しております訪問看護、こうしたものとの関係をどう有機的に関連づけあるいは整理していくのか。少なくとも、これらのサービスがばらばらに実施されてそして提供される、その結果、こうしたサービスを必要とする高齢者の間に不平等が生じたり、あるいはあるサービスが他方のこれまでの活動を形骸していくということがあったのでは意味がないというふうに考えるわけでございます。これらのサービスをどのように連携し、統合していくつもりであるか、厚生省のお考えをお伺いしたいと思います。
 また、そのためには、たびたび指摘されていますように、行政機構の縦割りの弊害、対人サービスの中においては、この弊害を克服するということは非常に重要な問題であるというふうに常々思っているわけでございますが、これについては、国のレベルだけでなくて都道府県あるいは市町村のレベルにおいても、具体的にどのような手続でこうした処理をしていくかということを明確にする必要があると思うわけでございますが、厚生省の御見解を承りたいと思います。
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岡光序治#7
○岡光政府委員 先生御指摘のように、保健と福祉と医療の各施策が総合的に推進されるという、そういうシステムをつくらなければいけないというふうに考えております。
 今回、制度化をお願いしようとしております老人訪問看護制度も、在宅ケアの一環でございますので、従来のホームヘルパーの福祉サービスとか、それから先ほどお話がありました、いわゆるヘルス事業でやっております訪問指導であるとか、医療機関との連携のもとにサービスが提供される必要があるというふうに認識をしております。具体的なやり方としましては、県レベルでは高齢者サービス総合調整推進会議がございますので、ここで調整をする。それから市町村レベルでは高齢者サービス調整チームがございますので、そこで各種サービスの担当者に入っていただきまして、具体的なケースに最も適するような格好でサービスが提供されるような調整をお願いしたいと思っております。
 それから、先生からお話がありました在宅介護支援センターというのは、これはサービスを受けるサイドからの問題でございまして、そこについてはまさに保健の問題、福祉の問題、医療の問題全部を相談する格好になっておりますから、そういう意味ではサービスを受ける体制の方としては、この在宅介護支援センターをキーポイントにしていただいて、そのような格好にいたしたいと思っております。
 いずれにしましても、そういう発想で今度制度化をお願いする老人訪問看護の運営基準につきましては、そういった発想をもとに関係審議会の御意見を聞いて、十分各種サービスとの連携が図られるような格好で展開をいたしたいと考えております。
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五島正規#8
○五島委員 今の岡光福祉部長のお話、言葉としては納得できる御回答なんでございますが、しかし、現実問題として、そういうふうな厚生省のお考えというものがサービスを実施する市町村の段階において実現するということが非常に大事でございます。とりわけ、その問題を進めていく上においては、市町村がどのように関与していくか、あるいはその上に立って、そういう介護センターなんかの中において、各種のサービスをどのような形でコーディネートしていくメンバーが必要であるというところまでが丁寧に実施されない限りは、なかなかそういうふうに進んでいかないというふうに思われるわけでございますので、一層の御努力をお願いしたいというふうに思います。
 あわせまして、この問題でございますが、過疎地における高齢化というのは非常に進んでいるわけでございます。私は高知県でございますが、池川町という地域におきましては、一つの町全体の高齢化率というのはもう三〇%を超えているということで、非常に過疎地の高齢化というのは進んでいるわけでございます。それだけに、今回出されておりますような地域の看護ステーションからの看護婦さんによる訪問看護というものを期待する方々というのは多うございます。しかし、同時にそうした地域においては看護マンパワーというものが極端に不足している、そういうふうな地域でもあるわけでございまして、非常に期待度の高い、高齢化の進んでいるそういう過疎地域において、最も必要度の高いところに果たしてこの看護ステーションを設置することが可能なのだろうか。サービスの格差、結果として最も必要が高く望まれているところに提供されずに、格差が拡大するという結果になるのではないかという心配があるわけでございますが、その点について厚生省の見解をお伺いしたいと思います。
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岡光序治#9
○岡光政府委員 御指摘のように、過疎地域においてはそういう必要なマンパワーというものの確保が大変だと思っております。そういう意味では、既に市町村に保健婦さんがいらっしゃいますので、先生、先ほど御指摘ありましたコーディネーターの役割を果たしてもらうというのが一つのアイデアではなかろうかと思っております。
 それから、在宅介護支援センターもお願いしたいと思っておりますので、そういったものと訪問看護ステーションを一体的に設置をし運営をするというふうな、それぞれの地域における社会資源がございますので、そういう社会資源を上手に活用していって対応するということを考えざるを得ないのではないかと思っております。
 なお、そういう訪問看護を行ってくださる方の実際の看護婦さんの確保につきましては、潜在看護婦さんの開発というのをまず主眼に考えたいと思っております。
 いずれにしましても、過疎地は通例の地域とはそういうことで少し条件が違いますので、この訪問看護制度につきまして、制度化に当たりましては、人的な基準であるとか運営基準につきまして、過疎地にふさわしいような配慮が必要なんじゃないか、その辺もあわせて関係審議会で御検討をお願いしたいと考えております。
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五島正規#10
○五島委員 厚生省ももう既によく御認識のように、高齢者の保健、医療、福祉サービスの体系的整備にとりましては、最も考慮されなければいけないのがマンパワー問題でございます。特に人手不足の激しい看護職あるいは介護職については、どうしても人材を確保するという決意という意味を持ってでも特別立法が必要ではないかというふうにも考えるわけでございますが、その点どうでございましょうか。
 また、現行法上の諸制度あるいは労働条件、そういうふうなもの、例えば医療従事者の賃金体系、診療報酬体系あるいはお年寄り等の措置費の体系、また看護労働者の労働時間や夜勤回数などのような労働条件などの基礎的な部分、そういうふうなものを具体的に改善させていくための措置が必要ではないかというふうに考えるわけでございます。
 今日、看護労働を三K労働などという、極めて医療従事者からいえば許しがたいような、職業的誇りをないがしろにしたような表現すらマスコミの上に出されてくるわけでございますが、実態としてそういうふうにやゆされるというふうな条件を解消していくためにも、これらについて整備していくということも、このマンパワー確保の上で非常に大事であるというふうに考えるわけでございますが、その点についての厚生省の考えをお伺いしたいと思います。
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下条進一郎#11
○下条国務大臣 委員御指摘のように、これからの高齢社会に向かっていろいろな制度を充実し、また、その目的を十分に達成するためには、マンパワーの確保、これはもう非常に重要な問題でございます。ただ、このために直ちに法制化する必要ありや否や、これは今後の検討課題ではなかろうかと思っております。
 人口の高齢化等に伴いまして、保健、医療、福祉サービスに対する需要は急速に増大しておりまして、その担い手であります看護職員や介護職員等保健医療・福祉マンパワーの役割はますます重要となっております。このために平成三年度におきましては、当面緊急に講ずべき対策といたしまして、一つは処遇の改善、次に就業の促進、また養成力の拡充強化、マンパワーのすそ野の拡大、さらには、そこに勤められる方々のイメージアップ等の諸施策を総合的に行うことといたしておるところでございます。
 マンパワーの確保を図るためには、もちろんさまざまな工夫が必要であることは御指摘のとおりでございますが、その場合には法制化が必要かどうか、これはまだ今後十分検討していくべき問題ではないかと思っております。
 また、給与の改善状況等に十分配慮いたした診療報酬の設定や、施設の経営努力を反映した措置費制度の改善とかあるいは労働条件の改善等につきましては、御承知のように、去る三月十八日に公表いたしました保健医療・福祉マンパワー対策本部中間報告におきましても触れているところでございまして、これらに関する具体的な施策につきましては、さらに引き続き検討を進めてまいりたい、このように考えております。
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五島正規#12
○五島委員 今回の老人保健法改定の中心課題でございます老人保健制度の費用負担のあり方についてお伺いしたいというふうに思うわけでございますが、高齢者のための医療というのは本来国が保障する基礎的な福祉の領域に属するものであると考えるべきだと私は考えるわけでございます。もちろん今日の国民生活の向上の中で個々の人々の習慣あるいは嗜好といったようなものも随分変わってきております。いわゆるアメニティーと言われる部分、そういうふうな部分が非常に大きな部分を占めてきております。こうした部分は別としても、最低お年寄りの医療、看護、介護といった、そういうふうなべーシックな部分については、こうした本来基礎的な福祉の領域に属する、国が責任を持つ部分であるという認識なくしては、老人保健制度の長期的な安定というものは困難と考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えになるか。
 また、今回の改正案では、老人保健施設の療養費のほかに、看護、介護職員が多数配置されている老人病院の入院医療費について公費負担を五〇%に上げるというふうにしておられるわけですが、この対象は何施設、お年寄りの入所患者に直しまして何人ぐらいおられるのか、それがお年寄りの入院患者の何%に相当するのか。さらに、それは将来どのように変わっていくのかということについてお伺いしたいと思います。
 同時に、あわせまして、今回の改正措置によりまして公費の負担というのが当面どれぐらいになってくるのか。さらに、この改正が実施されて、ゴールドプランが終わる二〇〇〇年の段階におきまして公費の負担がどのように変化していくというふうに推定しておられるのか。その数字についてお示しいただきたいと思います。
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岡光序治#13
○岡光政府委員 まず基本認識でございますが、私どもは、老人保健制度は老人の医療費を国民の間で公平に負担をするという方法としまして、現行の医療保険制度のいわば共同事業として組み立てられているというふうに認識をしておりまして、その基本的な性格は、社会保険的なものではないだろうかというふうに考えております。
 しかし、先生御指摘のように、これからの老人問題の推移を考えますと、身体機能が低下をして、自分の力では日常生活が送られない、そういうふうな状況になるお年寄りの数が多くなっていくというふうに推測されますので、そういった人々については、他からの支援、いわゆる介護が必要だというふうに考えておりまして、この介護を押し上げるというのでしょうか、推進する、そういう発想がぜひとも要るのではないか。その部分には手厚い対応が必要である、そういうふうな認識をしておりまして、今回の改正では、介護的要素に着目をして、その部分の公費負担を三割から五割に引き上げておる、こういうふうなことをしておるわけでございます。しかし、そういうふうないろいろな手を使いながら、結果としてお年寄り自身と現役の人たちの拠出金、それから公費負担と、この三者で費用負担をしておるわけでございますので、そういったおのおのが適切な負担をすることによって、この老人保健制度の長期的な安定を図っていかなければならないのじゃないだろうか、こういう認識をしておるところでございます。
 それから、数字でございますが、公費負担の五割対象の施設、それから病床の現状でございますが、まず一つのパターンは、老人保健施設の療養費でございまして、これは平成三年一月末で四百三施設、三万二千四百床でございます。それから、もう一つのタイプであります看護職員であるとか介護職員を加配をしておるいわゆる老人病院でございますが、平成三年二月末現在で合計三百二十五病院、五万六千二百床でございます。そういう三万床なり五万床余りのところに入っておる人々の数でございますが、全体に対しましては約一五%程度というふうに把握をしております。
 こういった人たちが将来どのように推移をするのか、こういう御質問でございますが、これにつきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づきまして、老人保健施設は平成十一年に二十八万床に整備をしたい、こう考えておりますのと、介護体制の整った老人病院につきましては、承認促進を含め、普及を図っていきたいと考えております。これは、最近のデータでは毎月二千床程度ふえておりますので、今のような勢いでふやしていきたい、こう考えておりますが、いずれにしましても、そういった不確定要素がございますので、どのような数字になるのかというのはちょっと私ども具体的に申し上げられないという状況でございます。
 それから、公費負担の関係でございますが、今回、公費負担の増額は平成三年度満年度ベースで七百五十億円というふうに見込んでおります。これが二〇〇〇年時点においてどのようになるのかということでございますが、七百五十億を、現在の老人医療費全体が六兆円でございますので、六兆円で割りますと、一・二五%でございますが、こういった対象の老人保健施設なり対象になっておる老人病院がどのようにふえていくかでございますけれども、私どもは、今の勢いで、相当の勢いでふやしていくということであれば、かなりの公費負担割合になるのではないだろうかというふうに認識をしているところでございます。
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五島正規#14
○五島委員 幾つか疑問点があるわけでございますが、まず、現在、月に二千床も伸びる月も含め、重介護、介護の整った老人病院がふえてきているということは非常に喜ばしいことだということで、後ほどにまた触れさしていただきますが、そのための努力は引き続きやっていただくということをお願いした上で、この数字の問題でございますが、今回、費用負担のあり方について変更を求めるわけでございます。そうする場合に、現在、例えば老健施設にしても重介護の病院にしても増加をさせていこうという時期にある、そういうふうな時期の出発点として一・二五%の増加である。これは余り論議しても意味のないことだろうというふうに思うわけですが、到達点が推測できない、具体的な到達目標値も出てこないということでは、これはやはり極めて問題があるんじゃないか。そういう意味では、再度、具体的な予測値としてもどれぐらいになるのかということを重ねてお伺いしたいと思うわけですが、いかがでございましょうか。
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岡光序治#15
○岡光政府委員 かなり大胆な仮定を置いて考えさせていただきますと、現在の六兆円の老人医療費のうちで入院医療費が約六割を占めております。現在、先ほども申し上げましたが、対象になっておる介護力を強化した老人病院とか老人保健施設に入っている人たちが一五%程度ございますが、これがどんどんふえていくと考えまして、人によっては、将来の老人医療費の部分は介護の要素が七割にも達するのではないかと言う方もいらっしゃいますが、現在の推計からいたしまして、仮に五割程度、こういうふうな整備がされたとしますと、入院医療費の割合が六割でございます。その半分がこういう対象になるとしますと三〇%、三割が対象になるわけでございます。その部分について三割から五割にふやすということでございますから二ポイント上がるということで、三〇%に対する二ポイントと考えますと、非常にこれは大胆な仮定でございますが、六%ぐらいにはなる。したがいまして三五、六%には将来到達するのではないだろうかというふうに、これは本当に仮定を置いたラフな計算でございますが、そういう計算はやってみようと思えばできるわけでございます。
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五島正規#16
○五島委員 私は、今回のこの措置について、看護、介護力に着目して、整備された病院の公費負担を五〇%に増額するということは、現在の老人医療の現状から考えて一定の合理性があるというふうに考えているわけでございます。しかし、そのためには、基本的に医療機関あるいは老人病院において看護、介護力が整備されていくためにどのように努力していくか、将来それをどのようにふやしていくかということが非常に大事である。今、岡光部長の方から、極めて大胆に言って五〇%ということなので、大胆に言って五〇%では困る、七〇%ぐらいまでは何としてもぜひやっていただきたい。そのためにはもう少し厚生省がお年寄りの看護、介護力を整備した病院をふやしていくための具体的な努力が必要なんではないかというふうに考えるわけでございます。
 これは後ほどにもまた触れさせてもらいたいと思うわけですが、例えば老人病院だけをとりましても、看護、介護力が整っている病院あるいは整っていない病院を見た場合に、例えば特例許可外病院のように看護、介護力が整っていない病院の方がむしろ保険外負担の比率が高いとか、差額料が多いとか、室料の差額の徴収の比率が高いとか、それから実費に直しましても、そうした病院の方が高いとか、結果的には、看護、介護力が整っていないがゆえにお年寄りへの保険外の負担が非常に過重であるという問題もございます。そういう意味では、これをもう少しふやしていくための努力というものを具体的にしていただきたい。これは先ほども岡光さんの方から五〇%という数字を出しておられるわけでございますので、この数字というものをもっと上げていくような努力をお願いしておきたいというふうに思います。
 あわせまして、今回の改定趣旨の中で看護、介護力に着目したという表現がされておるわけでございますが、看護、介護力に着目したと言いながら、その対象が老人病院に限定されているわけでございます。例えば、基準看護が承認されております一般病院は対象にはされていない。お年寄りの入院の数というものを見てみますと、現在たしか一般病院が約五十一万七千人、老人病院が九万五千人という、いずれも昭和六十二年の数字がございます。一般病院へ入院しておられるお年寄りが多いわけでございますが、一般病院の中でも基準看護の整備されている、いわゆる完全看護というものが原則となっている基準看護承認病院、この基準看護承認の一般病院が対象から外れているというのはどういう理由なのか、それをまずお伺いしたいと思います。
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岡光序治#17
○岡光政府委員 先生御存じのとおり、一般病院は本来的な性格なり機能から見ますと、急性期の患者を対象にしておるわけでございまして、そういう具体的な疾病がありまして、それに対する治療ということがメーンになっておるというふうに認識をしております。そういう意味では、今回の公費負担を拡大したいと考えておりますのは介護の要素の部分でございますので、一般病院というのは対象外にしているわけでございます。
 もう一点、一般病院の中でも基準看護承認病院について、また、特にお年寄りのウエートが高いところについてはどうなのだという、こういうお話でございますが、それも基本認識としましては、一般病院というのは、そういった具体的な疾病治療ということでございまして、そこに重点が置かれておるんだというふうに考えておりまして、確かに一般病院でも老人の入院患者の比率が高くなっておるところもございますが、御存じのように、七割くらいになりますと、老人病院になってくださいというふうな、そういう仕組みにもしておりまして、かなりこれはばらつきがあるんだと思います。そういう意味では私ども、実務上も一般病院のうちで老人の比率が高いものというふうに区分けするのはどうも難しいんじゃないか。むしろ承認制なり指定制というものにかかわったものを対象にするという、そういう整理区分をさせていただきたいと考えておるわけでございます。
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五島正規#18
○五島委員 この問題は余り深く聞くつもりはなかったわけですが、ちょっと今の御答弁でお伺いしたいんですが、たしか一般病院の中で基準看護の承認病院は、お年寄りの入院比率が七〇%を超えても老人病院への指定がなかったんではないでしょうか。
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岡光序治#19
○岡光政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、私どもは、そういう意味では基本的な考え方としまして、一般病院というのは機能上、なかなかそういう対象にしにくいというのが基本でございます。
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五島正規#20
○五島委員 基準看護の認定、一般病院全体として考えた場合に、一般病院が急性期だけを対象にするというのは、現行の医療法の建前からいっても、また現在の実態からいっても極めて無理な問題でございます。これは現在かなり変わってはきておりますし、一般病院の平均在院日数はもっと短くなってきていると思いますが、ここの手元に、昭和六十二年の患者調査によりますと、一般病院でも平均在院日数が八十・四日と、三カ月近く長くなっているわけでございますね。長期療養患者というのは結構一般病院にも多い。その一般病院に入院している患者の中で、看護、介護力が整備されている、建前としては基準看護というのは完全看護のはずでございますが、中でも特二類の基準看護ということになりますと、五十床のベッドに対して、ちょうど二十名の看護婦、准看護婦あるいは補助看さんが必要になってきます。この二十名の数というのは、看護婦、准看護婦あるいは看護補助者を合計した数として見ましても、今回の介護力強化病院として指定されております入院医療管理料が算定できる特例許可老人病院、例えば五十床に対して十九名という数からいっても、その介護力は整っているということになります。したがって、介護力に着目してということになりますと、こうした一般病院の中におけるお年寄りの医療費の公費負担が外されているというその根拠はないというふうに考えるわけでございますが、その点について重ねてお伺いしたいと思います。
 さらにもう一つ、この問題を見ていきますと、私は医者でございますが、その立場からこれを見ていきますと、書かれている内容としては、公費負担を介護力、看護力というふうに書いているわけですが、今回公費負担を増加する医療機関というのは、いずれも老人保健施設、あるいは看護、介護力強化の特例許可病院など、現行の診療報酬体系、すなわち出来高制を原則とする診療報酬体系と異って、いわゆるマルメ方式を中心とする診療体制が実施されている医療機関であるというふうに見られるわけでございます。言いかえれば、診療体系、診療費の支払い体系別に公費負担に差をつけようとしているんだというふうにも考えられるわけでございます。私はそれがいい悪いという論議をここでするつもりはございませんが、もし、そのようなことが配慮の中にあるとするならば、従来の出来高制診療報酬体系というものを含めて、診療報酬体系全体についてやはり十分な検討を行っていく必要があるんではないか、そういうふうに考えるわけですが、その点を含めて厚生省の考えを伺いたいと思います。
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岡光序治#21
○岡光政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、一般病院というのは主として老人のみを対象にするものではなくて、まさに一般的な人を対象にしておりますので、私どもは、今回の公費を増額するその対象病院にはしていないわけでございます。
 長期入院の点の御指摘でございますが、基本認識としましては、私どもはやはり一般的な病院というのは疾病の治療というところにあるんではないか、そこで生活が展開されるというのはふさわしくないのではないか。むしろ長期入院というのは、そういう意味で問題なんで、患者の生活の質ということを考えた場合には、その生活の質が保たれるような格好で、例えば老人保健施設であるとかあるいは特別養護老人ホームであるとか、あるいは条件が整えば在宅での療養生活であるとか、そういったそれぞれの身体の特性に応じた格好でふさわしい場所に移っていただくというのが必要なんではないだろうかという認識を持っておりまして、またそのような考え方のもとに、そういう受け入れ態勢の整備を図りつつあるところでございます。
 それから、公費負担の対象は、いわゆる診療報酬の点で包括化したところのみを対象にしているんじゃないかということでございますが、私ども、決してそういった診療報酬の体系の点からこのような公費負担の対象病院あるいは対象施設を選んだわけではございませんで、あくまでも介護、日常生活を支援をするというところを主にしておるところということを念頭に置いたつもりでございます。
 その関係で、今後老人の診療報酬制度につきまして、出来高払い制についてどうするんだということでございますが、私どもは、基本的には老人診療報酬というのは、老人の心身の特性に応じた適切な医療が行われるようにということで診療報酬を考えていかなきゃならないというふうに考えているわけでございまして、今回の改正法案の中におきましても、医療に要する費用の額の包括的な算定等、当該費用の額の算定のあり方について検討を行うというふうにぜひともしたいということでこの規定を入れておりますのですが、そういう観点から、基本的には老人の心身の特性にふさわしい医療を確保する、そして生活の質を高めるんだという発想から、診療報酬の面からも、そのようなアプローチが必要だというふうに考えております。
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五島正規#22
○五島委員 時間がございませんので、次の問題に行きたいと思います。
 今、老人性痴呆患者の増加というのは非常に問題になっているわけでございまして、厚生省の研究班の報告を見ましても、平成二年度の段階におきまして、現在老人性痴呆で施設に入っておられる患者さんというのが、精神病院が三万三千人ぐらい、一般病院が六万人、老人病院が五万四千、あと老人保健施設が一万二千人、特養、養護老人というのをあわせて約十万ぐらいということで、合計二十五万五千人ぐらいの痴呆老人というのが施設あるいは病院の中におられるわけでございます。そして、トータル的には現在約百万近い痴呆老人がおいでになる。この数は今後十年間の間に五割ぐらい増加していくというふうに推定されている。推計値は学者によっていろいろ違うわけでございますが、この厚生省の研究班の推定値によりますと、平成三十二年には二百七十四万人と推定しておられます。学者によっては三百五十万にも達するのではないかというふうに推定している方がおられるわけでございます。
 こうした痴呆老人に対する治療あるいは介護あるいはリハビリといったような技術というのは非常に特殊な対応が必要でございます。御承知のように、養護老人施設であるとかあるいは老人保健施設はもちろんのこと、老人病院においてもこうした痴呆老人に対するこれらの技術というのは極めて不十分なところが多いという実態があることはもう御承知のとおりだと思います。厚生省もこの精神科の病院に補助金をつけて現在老人性痴呆疾患の専門病棟、治療病棟と療養病棟ですが、これを建設させようというふうに進めておられるわけでございます。このことは精神科病院の開放性という一面の附属的な部分も含め、何といっても老人痴呆の初期の患者に対する対応という意味においてはノーハウを持っておりますし、技術を持っていますので、私は非常にいいやり方だ、それは積極的に推進しなければいけないというふうに考えるわけでございますが、この老人性痴呆専門病棟というものができ上がってまいりますと、そこに送られてくるのは、どこから送られてくるかといいますと、一般の老人病院あるいは一般病院あるいは老健施設や特養といった施設あるいは病院の中で対応に困っておられる患者さん、そういう患者さんがまずそこへ入ってくるというのはもう目に見えている。
 そうした状況の中で、今回の措置の中では、老人性痴呆疾患の専門病棟に入ったお年寄りの医療費について、公費負担の五〇%の適用から外されているわけでございます。もちろん介護力の面で比較いたしましても、介護力強化病院の比率と決して劣ってはいないという状況があるわけでございますから、こうしたこれからの痴呆老人の増加という状況の中で、それをいかに治療し、リハビリし、あるいは社会復帰させていくか、あるいは極めて進行して困難になった人については、そうした専門の技術を持った中において療養させていくというふうな課題が重要な時期に、これがなぜ外されているのか。この疾患の特殊性からはより福祉サイドでの対応が要請されている疾患であるというふうに考えるわけでございますが、そういう意味からいっても、この痴呆専門病棟、治療病棟あるいは療養病棟、これらにかかわる医療費についても当面公費の負担を五〇%にすべきである、そういうふうに変えるべきであるというふうに考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでございましょうか。
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岡光序治#23
○岡光政府委員 精神科病院、病棟の、その老人性痴呆疾患患者の専門病棟の整備は今後とも進めていかなければならないというふうに考えております。この整備促進ということと、それから、こういった病棟に入っている人たちの特に老人医療費について公費負担を五割対象にすべきであるというお話でございますが、これにつきましては、先生も今お話がありましたように、例えば老人保健施設であるとか特別養護老人ホームであるとかに入っておる痴呆性の御老人がいわば問題行動を起こすとか、あるいは精神症状であるとか、そのほかの疾病的な症状があらわれて、どうしてもその専門的な治療というものとあわせて痴呆の対策が必要だというケースについて、精神科の病院なり病棟に移っていく対象になっていくんだというふうに考えておりまして、そのようなことを考えますと、かなり治療的な色彩が強いのではないだろうか。そういうことを考えますと、今回の改正の対象にしておりますのは、あくまでも日常生活の支援、介護的な要素に着目をしておるものですから、その治療的な色彩の強いところはどうしてもその対象にするのは適切ではないんじゃないだろうか、このような考え方の整理をしたところでございます。
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五島正規#24
○五島委員 老人性疾患の患者さんに対する対応としては、治療的対応とリハビリ的対応、これは現実問題としては分けることが困難な疾患であるはずでございます。同時にそれは療養とも分けることができない。ごく初期の痴呆症状の発症者に対して、より専門的治療という意味でもって治療病棟というものが整備される。もう一方において、ごく初期の、そういう治療が主体というよりも、療養あるいはリハビリというものを主体とした療養病棟という、この二つの種類のものが専門病棟としてつくられるわけでございまして、そういう意味では、今、岡光部長のおっしゃった、これらがすべて治療が主体である病院の、医療機関のはずであるということは当たらないんじゃないか。むしろ老人病院なり老健施設、特養というところの中において、痴呆症状が進んでくる中において、そこで介護していく専門的技術がない。だからそれを介護していく専門的技術のある施設として精神病院の中に療養病棟をつくろうということではなかったかというふうに私は考えているわけでございますが、その辺はどうなんでしょう。
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岡光序治#25
○岡光政府委員 先生おっしゃいますように、確かに専門病棟のうちでも、いわゆる治療的な病棟と長期療養病棟と二つのタイプを今後考えようということのようでございますから、後者の方の療養病棟は、おっしゃいますように、日常生活的な介護の要素がかなり強いとは認識しておりますが、あくまでも治療が主で、そういう日常生活の介護は従であるというふうに認識しておりまして、先ほども申し上げましたような考え方の整理をしたわけでございます。
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五島正規#26
○五島委員 公費負担五〇%ができない、恐らく財政当局からなかなか了承をもらえないとかいろいろな理由があるのかもわかりませんが、仮に、そういう理由があってできないからということで言われるにしても、この痴呆老人に対する専門病棟について、現在のように、これは治療を主体とするところなんだというふうに医療機関の性格を分けてしまうということになりますと、これは何も専門病棟をつくる必要はないわけでございまして、それなら精神病院の中で精神障害がある患者として治療していけばいい。そうではなくて、進行性の老人性の痴呆という症状に対していかにリハビリをやっていくか、あるいはそれが困難な患者に対しても、人としての尊厳性を維持させるためには、一定の技術の合った介護が必要だという立場からこれはつくられているはずだというふうに考えるわけでございまして、この医療機関の性格分けについて、それすべてが基本的に治療を主体とする施設なんだというふうな考えというのは、これは私どもが理解していたものと非常に大きく違うわけでございますが、その点について重ねて、公費負担五〇%への増額という問題はだめだという御意見はわかりましたが、了承したという意味じゃございませんよ、しかし言い分はわかりましたが、この施設の性格づけについての御答弁について、それで本当に厚生省いいのかどうか、重ねてお伺いしたいと思います。
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岡光序治#27
○岡光政府委員 先生に申し上げたいのは、老人保健施設であるとか特別養護老人ホームと対比して考えた場合の性格区分でございまして、精神科病院なり病棟において、そういう専門的な老人性痴呆疾患に対する治療をしていこうという、そのことを否定するものでもございませんし、それからその治療の中身におきましては、かなり日常生活的な介護にわたる部分も大きくウエートを占めているだろうということは認識をしているつもりでございます。あくまでも老人のケアをしていく全体の施設体系の中の位置づけとしまして、その性格区分をあえてしたということでございまして、そのように御理解をいただければありがたいと思います。
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五島正規#28
○五島委員 今日非常に問題になっております痴呆老人、しかも、この数は年々ふえていくだろうというふうに推定されます。しかも今日の社会的な環境、お年寄りにとってますます社会に参加していくことが困難な都市の環境という状況の中においては、この老人性痴呆というものが高齢者の中にふえていく可能性というのは否定できない。そういうふうな状況の中において、もう既に特別養護老人ホームあるいは老健施設あるいは老人病院の中において極めて専門的な介護を受けられずに、人としての尊厳性すら失ったような状態で、いわゆる縛りつけ老人であるとかさまざまな問題が起こっておること、御承知のとおりでございます。そういうふうなお年寄りに対するせっかくつくられようとしている専門病棟、この専門病棟の位置づけとして、これはやはり介護者の数も整備されるわけでございますから、重介護病院と同じように、当然公費の負担を五〇%とすべきであるというふうに申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 今回の公費負担の増額が入院医療に限定されているのでございますが、在宅の看護というものは、これからも介護の問題というのは非常に重要な課題となってまいります。医療機関が行う在宅訪問看護あるいはデイサービスや本法による看護ステーションによる老人訪問看護といったような訪問看護につきましても、私は、その費用を五〇%にしていくということが必要ではないかと考えるわけですが、その点につきましても、厚生省の御見解をお伺いしたいと思います。
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岡光序治#29
○岡光政府委員 今回公費の拡大対象にしておりますのは、実質的にもまた制度的にも主として老人を対象としている施設、それから看護なり介護職員が十分配置をされて介護体制が整った施設におけるサービスのうちで、特に生活全般にわたるケアを行うという介護の性格にかんがみまして、その部分をとらまえておるということでございます。そういう意味からしますと、私どもあくまでも入院ということあるいは施設収容ということを考えておりまして、確かに老人訪問看護なりデイケアにつきまして先生のお考え方、その通院というサイドからわからないわけではございませんが、あくまでも私どもそういう施設収容なり入院ということを考えて、この公費負担の拡大対象にしたわけでございます。あくまでもデイケアにしましても老人訪問看護にしましても、訪問をして生活指導をするということなりが中心でございまして、そういう意味で私どももその介護的な部分という色彩というのが少し弱いのではないだろうか、こんな認識をしたわけでございます。
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