外務委員会

1980-04-25 衆議院 全319発言

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会議録情報#0
昭和五十五年四月二十五日(金曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 中尾 栄一君
   理事 稲垣 実男君 理事 奥田 敬和君
   理事 佐野 嘉吉君 理事 志賀  節君
   理事 高沢 寅男君 理事 土井たか子君
   理事 渡部 一郎君 理事 野間 友一君
   理事 渡辺  朗君
      石原慎太郎君    上草 義輝君
      亀井 善之君    木村 俊夫君
      工藤  巌君    鯨岡 兵輔君
      佐藤 一郎君    宮澤 喜一君
      岡田 利春君    玉城 栄一君
      金子 満広君    榊  利夫君
      中路 雅弘君    林  保夫君
      山口 敏夫君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 大来佐武郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  松本 十郎君
        外務大臣官房審
        議官      三宅 和助君
        外務大臣官房審
        議官      山田 中正君
        外務省条約局長 伊達 宗起君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  大場  昭君
        外務大臣官房審
        議官      栗山 尚一君
        外務大臣官房審
        議官      関  栄次君
        外務大臣官房外
        務参事官    堤  功一君
        外務省経済協力
        局政策課長   坂本重太郎君
        運輸省海運局外
        航課長     宮本 春樹君
        運輸省船舶局検
        査測度課長   石井 和也君
        運輸省船舶局首
        席船舶検査官  野口  節君
        海上保安庁警備
        救難部救難課長 佐々木信義君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  小坂善太郎君     工藤  巌君
  中川 一郎君     上草 義輝君
  中山 正暉君     亀井 善之君
  金子 満広君     中路 雅弘君
同日
 辞任         補欠選任
  上草 義輝君     中川 一郎君
  亀井 善之君     中山 正暉君
  工藤  巌君     小坂善太郎君
  中路 雅弘君     金子 満広君
    ―――――――――――――
四月二十三日
 ILO未批准条約等の批准促進に関する請願外
 一件(後藤茂君紹介)(第四五四〇号)
 同(藤田高敏君紹介)(第四五四一号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第四六五〇号)
 同外二件(広瀬秀吉君紹介)(第四六五一号)
 同(湯山勇君紹介)(第四六五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
 定書の締結について承認を求めるの件(条約第
 一三号)(参議院送付)
 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の締結について承認を求めるの件
 (条約第一四号)(参議院送付)
 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止
 に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾
 について承認を求めるの件(条約第一五号)(
 参議院送付)
 日本国とポーランド人民共和国との間の通商及
 び航海に関する条約の締結について承認を求め
 るの件(条約第一六号)(参議院送付)
 日本国政府とフィンランド共和国政府との間の
 文化協定の締結について承認を求めるの件(条
 約第一七号)(参議院送付)
 所得に対する租税及びある種の他の租税に関す
 る二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦
 共和国との間の協定を修正補足する議定書の締
 結について承認を求めるの件(条約第一八号)
 (参議院送付)
 千九百七十四年の海上における人命の安全のた
 めの国際条約の締結について承認を求めるの件
 (条約第一九号)(参議院送付)
 千九百七十四年の海上における人命の安全のた
 めの国際条約に関する千九百七十八年の議定書
 の締結について承認を求めるの件(条約第二〇
 号)(参議院送付)
 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に
 関する条約の締結について承認を求めるの件
 (条約第二一号)(参議院送付)
 南極のあざらしの保存に関する条約の締結につ
 いて承認を求めるの件(条約第二二号)(参議
 院送付)国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
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中尾栄一#1
○中尾委員長 これより会議を開きます。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件及び廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件の三件を議題といたします。
 政府より順次提案理由の説明を聴取いたします。大来外務大国。
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大来佐武郎#2
○大来国務大臣 ただいま議題となりました原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 現在、わが国とカナダとの間には、昭和三十四年に署名され、その翌年に発効した原子力の平和的利用における協力のための協定が締結されております。わが国は、この協定の発効以来、わが国の原子力発電に必要な天然ウランの大半をカナダから購入しておりますが、カナダは、昭和四十九年五月のインドの核実験を契機として、自国産のウラン等に対する規制を強化する政策をとり、わが国等の諸国に対して原子力協定の改正を申し入れてまいりました。政府は、カナダのこの新政策を勘案しつつ、わが国の原子力の開発と利用を促進し、また、天然ウラン等の核物質供給に関する両国の協力関係を維持し、さらにこれを拡大するとの基本方針で、カナダと交渉を行いました。その結果、昭和五十三年八月二十二日に東京において、園田外務大臣とカナダ側ホーナー通産大臣との間で現行協定を改正する議定書の署名を行った次第であります。
 この議定書は、第八十七回国会及び第八十八回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。
 この議定書は、本文七カ条から成り、これによる主な改正内容は、次のとおりであります。すなわち、現在規制の対象となっている核物質、原子炉等に加えて、濃縮、再処理等に関する情報をも第三国移転に関する規制の対象としたこと、ウランの二〇%を超える濃縮及び一定の核物質の長期にわたる貯蔵を供給国の事前同意の対象としたこと、協定の対象核物質を盗難、不法な奪取等から防護するための措置をとることとしたこと、いわゆる平和目的の核爆発に使用するものを含め、協定の対象核物質をいかなる核爆発装置の製造にも使用してはならないことを明示的に規定したこと、核拡散防止条約に基づく保障措置協定による保障措置が適用されることを明示したこと等であります。
 この議定書の締結によって日加両国が原子力に関する協力関係をさらに発展させるための基礎の整備をすることは、核拡散防止のための国際的努力に協力しつつ、わが国の原子力平和利用推進に必要な天然ウラン資源を確保するとの観点より、きわめて大きな意義を有するものと考える次第であります。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 海洋環境保全の必要性なかんずく産業活動等の活発化に伴って生ずる海洋汚染を防止することの必要性は、つとに認識されてきたところでありましたが、海洋の汚染原因の一つである海洋投棄の規制に関する条約を作成することにつきましては、昭和四十七年六月にスウェーデンのストックホルムにおいて開催されました第一回国連人間環境会議におきましてもその重要性が強調されました。この条約は、昭和四十七年十一月にロンドンにおいて開催されました条約作成会議において採択され、わが国は、昭和四十八年六月にこの条約に署名いたしました。
 この条約は、昭和五十年八月に効力を生じ、現在フランス、ドイツ連邦共和国、ソビエト連邦、連合王国、アメリカ合衆国を含め四十を超える国が締約国となっております。
 この条約は、第八十七回国会及び第八十八回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。
 この条約は、人の健康に危険をもたらし、生物資源及び海洋生物に害を与え、海洋の快適性を損ないまたは他の適法な海洋の利用を妨げるおそれがある廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止することを目的とし、海洋投棄の禁止及び規制、違反行為を防止するための措置等締約国がとるべき措置について規定するとともに、地域的取り決めの締結、技術等の分野での援助等国際的な協力についても定めております。
 わが国がこの条約を締結することは、わが国の沿岸海域を含むすべての海洋の環境の保全に資することになるとともに、この分野における国際協力の推進のためにも望ましいと考えます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約は、その締約国協議会議において、同条約の解釈及び適用に関する紛争の解決のための手続について検討する旨規定しております。この改正は、以上の規定に基づく検討の結果昭和五十三年十月にロンドンにおいて採択されたものであります。この改正は、条約の締約国の三分の二がこの改正の受諾書を機関に寄託した後六十日目の日に、この改正を受諾した締約国について効力を生ずることとなっており、まだ発効いたしておりません。
 この改正の受諾につきましては、第八十七回国会及び第八十八回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。
 この改正は、条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争であって交渉その他の方法によって解決することができなかったものについて、紛争当事国間の合意により国際司法裁判所に付託しまたは一方の紛争当事国の要請により仲裁に付託すると定めております。また、その仲裁の手続については、紛争当事国が別段の合意をしない限り、新たに追加された付録に定める規則に従うと定めており、付録において仲裁裁判所の構成、費用の負担、裁判手続等について規定しております。
 わが国は、従来から、条約の解釈または適用に関して発生することが予想される紛争が公平かつ確実に解決されることが望ましいとの見地から、これらの紛争が最終的に国際司法裁判所または仲裁裁判に付託されるべきであるとの立場をとってきておりますが、この改正の内容は、このようなわが国の立場に合致するものであります。
 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
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中尾栄一#3
○中尾委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
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中尾栄一#4
○中尾委員長 次に、日本国とポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約の締結について承認を求めるの件、日本国政府とフィンランド共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との間の協定を修正補足する議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約の締結について承認を求めるの件、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書の締結について承認を求めるの件、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約の締結について承認を求めるの件及び南極のあざらしの保存に関する条約の締結について承認を求めるの件の七件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。
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高沢寅男#5
○高沢委員 私はきょうは、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約、それから千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書、この二件について御質問をいたしたいと思います。大変長い表題になりますので、七四年の人命の安全のための国際条約は以後七四年のSOLAS、七八年の議定書は七八年のSOLASというような呼び方でいたしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
 初めにお尋ねいたしたいことは、七四年のSOLASの前に締結されました六〇年のSOLASがあるわけでありますが、この六〇年のSOLASは締約国が百カ国、こういうふうにお聞きをいたしております。それに対して今度の七四年のSOLASは、その採択の会議に参加した国が六十七カ国、それからいままでに七九年十二月十日現在締約した国が三十カ国、こういうふうになっているわけです。今度わが国もその締約国になろうということでいまこの審議をしているわけでありますが、六〇年のSOLASの百カ国というのに比べて、七四年の今度のSOLASはその採択の会議に参加した国が六十七、いままでに締約した国が三十、国の数においてずいぶん少ないという感じがするのですが、これはどういう事情があるのか、初めにお尋ねをしたいと思います。
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関栄次#6
○関説明員 ただいまの先生の御質問でございますが、まことに申しわけございませんけれども、私もそのあたり、なぜ今度締約国の数がそれほどふえていないのか事情を必ずしも正確には把握しておりませんけれども、主要海運国はほとんど同じように今度の条約にも締約国になりますし、今後もふえる見込みでございますものですから、条約の適用範囲といいますか、国際協力という観点からは特に問題はなかろうかと思うわけでございます。
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高沢寅男#7
○高沢委員 それとまた関連するのですが、七四年SOLASが採択されて、いまが八〇年ですから、いま国会にその承認を求める手続をとられるその間六年たっております。少し時間がたち過ぎているのじゃないかと感ずるのですが、これはどういう理由によるものでしょうか。
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大来佐武郎#8
○大来国務大臣 確かに時間を要しておりますが、わが国といたしましては以下に述べますような国際的な動向を見きわめる必要がありましたため、本条約締結の意向を決定するまでに時日を要し、昨年の四月に第八十七回国会に提出した次第でございます。
 その理由といたしましては、この条約の目的は海上における人命の安全を増進することでありますが、この目的を有効に達成するためには主要国を含む多数の国が締約国となることが必要でございます。このため、わが国といたしましては、英国、米国等主要国の動向を見きわめる必要がございました。この点については、昨年春までに英国、米国ともこの条約を批准し、また昨年中にはこの条約が発効要件を満たす見込みとなっておりました。これが第一の理由でございます。
 第二にまた、海洋汚染の防止及び人命の安全の確保の観点から、特にタンカーの安全規制を中心として、これを強化する目的から、この条約の内容の一部を追加、修正する動きがあり、その成り行きも見定める必要がありました。このような動きを受けまして、昭和五十三年二月にIMCOの主催により会議が開催されまして、主としてタンカーの安全基準を強化する一九七八年の議定書が採択されたわけでございまして、以上のような理由によりましてやや長期間を要したわけでございます。
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高沢寅男#9
○高沢委員 その事情はいまの御説明でわかりましたが、同時にこういうこともありますね。きのうの本院の本会議で承認されました一九六九年の船舶トン数測度条約、これも政府間海事協議機関、IMCOの会議で作成されてからこの国会へ出されるまで十一年間の時間が経過しております。そういたしますと、これもこれでなぜ十一年もたったかというような事情があろうかと思います。それをお聞きしたいと思うのですが、同時に、全体としてわが国は世界有数の非常な海運国であるわけですが、この海運関係の条約の取り扱いが何か消極的な感じがするわけですが、そういうことは一体ないのかどうか。
 このトン数条約の十一年もかかったという理由、それからいま言ったわが国の海運国としての姿勢、こういうものについて御説明を願いたいと思います。
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関栄次#10
○関説明員 ただいま先生が御引用されましたトン数条約につきましては、このトン数といいますのは、先生御承知のとおり安全基準とかその他港湾におけるいわゆる各種のチャージの基準になるものでございまして、非常に重要な一つの基準でございますけれども、このトン数をはかります基準を改正する場合には、国内的にも影響が及ぶ範囲が非常に広いわけでございまして、特に小型あるいは中型の船舶にその影響が大きく出る傾向がございます。そういうことで、国内的な資料の収集とか、関係水産業界あるいは海運業界、造船業界との意見の調整等に相当時間を要したわけでございます。
 それから、第二のお尋ねの点の、このように時間がかかるということは、日本が南北問題の観点からこの海運問題の分野で消極的ではないかということでございますが、政府といたしましては、技術、資本援助、あらゆる分野で開発途上国の願望にこたえるべくこれまで種々の施策は講じてきておりますし、今後ともそのように努力を続けてまいりたいと思っております。
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高沢寅男#11
○高沢委員 六〇年のSOLASがあって、今度七四年のSOLASに移行するわけですが、このことによって大きく海運の関係でどういう変化が出るのかということを、まず概略御説明をいただきたいと思います。
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野口節#12
○野口説明員 一九七四年のSOLAS条約で新しく入ってきます主な規制条項を申し上げますと、まず航海用具等の義務の強化がございます。これはレーダーとかジャイロコンパスというようなものを設置するという義務でございます。それからもう一つ大きなのは、タンカーに対しまして甲板にあわ消火装置あるいはイナートガス消火装置というようなものを設けまして、タンカーの火災防護というようなことを図るというのが大きな点でございます。
 それから七八年の議定書の方でございますが、こちらの方は主としてタンカーに対する規制の強化でございまして、大きなものは操舵装置の強化、これは船を動かすかじというのがついてございますが、そのかじを動かす装置の強化、それから先ほど申し上げました消火装置の強化、あるいはレーダーを二台備えるように航海用具を強化するというようなことで、主としてタンカーに対する規制の強化でございます。
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高沢寅男#13
○高沢委員 いまの御説明の中にあった甲板のあわ装置あるいはイナートガス、それについてまた、どういう効用を果たすものであるか、ちょっと御説明を願いたいと思います。
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野口節#14
○野口説明員 甲板のあわ消火装置と申しますのは、御承知かと思いますけれども、消火装置であわを噴き出す消火装置というのがございますが、これの非常に大型なものと思っていただければ御理解いただけるかと思いますが、タンカーの甲板に油が噴き出したような場合、火災を防ぐために、甲板の上にこういうあわを噴き出しまして甲板を上から被覆するようにする装置でございます。
 それからイナートガスと申しますのは、たとえばエンジンから出てきます排気ガスというのがございますが、これは余り酸素を含んでおらない不活性のガスでございますけれども、こういうものを冷却したり清浄しましてこれをタンカーのタンクの中に送り込みます。タンカーのタンクの中は御承知のように油が入っておりまして、油の蒸気が出てきますと非常に爆発しやすい状態になりますので、そこにそういうガスを送り込んで爆発するのを防ぐというような考え方の装置でございます。
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高沢寅男#15
○高沢委員 そういう七四年のSOLASが発効してわが国もその締約国になりますと、そうするとわが国の海運政策としてそういうものに対応したまたいろいろな新しい体制も必要になる、こういうふうに考えますが、そういう点についてはどういう体制を準備されているか、御説明を願いたいと思います。
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野口節#16
○野口説明員 二つの点があると思います。一つは、こういう規制が強化された場合に、それにどういうふうに対処するかという問題だと思いますが、これにつきましては、この条約がことしの五月二十五日に発効する予定になっておりますので、この条約の発効日に実施できるように国内法の整備を進めてまいっております。
 それから実際に検査する検査体制でございますが、これは全国に約二百四十人ほどの船舶検査官というのを配置してございまして、いつでも検査ができるような体制になってございます。
 それからもう一つ、こういう規制の強化をやりますと海運界に経済的負担が相当かかるのではないかというふうな問題があるかと思いますが、これにつきましてもいろいろ試算をしておりますが、船価から比べまして非常に少ないということで、海運界関係界も十分納得しておる状況でございます。
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高沢寅男#17
○高沢委員 いま御説明のようなそういう安全の設備をするということは、造船の技術としては何か特別な変化が出るのかどうか、お尋ねしたいと思います。
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野口節#18
○野口説明員 ただいまのような機器はすでに十分に開発されておりまして、特にこの規制を強化するのに不都合だというようなことはございません。
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高沢寅男#19
○高沢委員 次にお尋ねしたいことは、七四年のUNCTADの会議で、発展途上国から海運の問題について要求があり、それを受けて定期船同盟行動憲章条約が結ばれた、こう言われております。この憲章条約というのは、一言で言うとどういう内容か、何を目指すものであるのか、御説明を願いたいと思います。
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関栄次#20
○関説明員 内容を簡単に申し上げますと、この条約は、定期船同盟に対する加入を原則として公開、オープンにするということ、第二に、運賃、配船等につきましてプール協定を行う場合に、国別の積み取り比率を設定するということ、それから第三点といたしまして、運賃値上げ等につきまして荷主との間に事前協議を行うことを船主に義務づける、そういう規定がございます。第四点といたしまして、運賃値上げ等に関しまして実質的な凍結期間を設けておるということでございます。
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高沢寅男#21
○高沢委員 発展途上国からの要求でそういうものができたということになりますと、いま先進国を含むお互いの海運の関係の中で、できるだけ自国船の積み取りをふやしたいとか、いろいろ海運上の途上国の要望が当然あると思いますが、それとの関連において今度のこの同盟条約というのはどういう役割りを果たすものであるか、それをひとつお聞きしたいと思います。
 同時に、それとの関係で、この憲章条約に対してわが国はどういう対応をしているか、どういう態度をとっておるか、これもひとつお尋ねしたいと思います。
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関栄次#22
○関説明員 お答え申し上げます。
 この七四年SOLASと定期船同盟行動憲章条約との間には直接の関連はございませんけれども、開発途上国が願望しております自国海運の育成という見地から、やはり海上人命の安全ということは非常に重要なことでございますものですから、SOLAS条約は開発途上国にとりましてもきわめて重要なものではなかろうかと思うわけでございます。
 それから、この定期船同盟行動憲章条約に対します日本政府の考え方でございますが、これはすでに日本政府も早期に加入をするという基本的な態度を明らかにいたしておりまして、開発途上国との間に海運問題で摩擦ができるだけ生じないようにするという見地からも、この条約に加盟することは非常に重要なことであろうかと思うわけでございます。
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高沢寅男#23
○高沢委員 この条約は発効がいつごろ、どういうふうになるのか、また、わが国のこの条約に対する締約のための国会の承認手続等はどういうふうになるのか、ちょっとそれをお尋ねしたいと思います。
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関栄次#24
○関説明員 先生お尋ねの条約は同盟条約と思いますが、これの加入につきましては、現在政府部内、関係各省庁間で検討中でございまして、できるだけ早期に加入をするということで鋭意やっております。
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高沢寅男#25
○高沢委員 この同盟行動憲章条約の発効の関係にもなるのですが、何か聞いたところでは、アメリカやイギリスなどの先進国側ではこれに対して反対の態度であったということでありますが、その理由、それから、その後反対の態度が何か変化があったのか、この条約の発効との関係において、アメリカやイギリスの態度、その経過、これをお尋ねしたいと思います。
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宮本春樹#26
○宮本説明員 お答えいたします。
 UNCTADで採択されました定期船同盟憲章条約の発効要件は、加盟国の数とその船舶の量ということで一定の要件がついておりますが、現在はまだそれを満たすに至っておりませんので、発効するに至っておりません。
 その中で、いまお尋ねのありました米国、英国等の態度はどうかということでございますが、米国は終始、この条約に対しましては現在も反対の態度をとっております。しかし、英国を初め欧州諸国は、当初この条約に反対の態度をとっておりましたが、EC諸国の中で討議を行いまして、最終的には一定の留保を付してこの条約に入るという方向で見解を統一いたしまして、賛成の方向に変わったというふうに理解しております。
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高沢寅男#27
○高沢委員 もう一度お尋ねいたしますが、するとアメリカはいまでも反対なわけですね。その場合に、トン数とかの関係からいって、アメリカの反対が続く状態で発効できるのかどうか、ほかにわが国が入るとかイギリスが入るとかいうふうになった場合に発効ができるのかどうか、それをちょっと説明してください。
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宮本春樹#28
○宮本説明員 あと船のトン数の条件で言いますと、正確には覚えておりませんが、八%程度の船舶を保有する国が条約に加わることになれば発効するというふうに理解しております。ですから日本国が本条約に加入いたしますれば発効いたします。それから英国あるいはECの中の数カ国が本条約に加盟することになれば発効することになります。米国が加盟いたしませんでも発効することになるわけであります。
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高沢寅男#29
○高沢委員 この際、またあわせてお尋ねしたいのです。
 先ほどもちょっと触れました発展途上国の、自国の海運は強化したい、自国船主義を推進したい、こういう根本的な立場があるわけですが、わが国としては、先ほど来の定期船同盟行動憲章条約に対する対応の仕方をお聞きすれば、こうした途上国の要望にできるだけ積極的にこたえていこう、こういう態度だ。私もそれでいい、そうあるべきだ、こう思うわけです。
 ただそうなった場合といえども、今度は日本の海運としての独自の立場とそういう途上国との間に、また利害の対立が出る面も避けられない。そうすると、協力しなければならぬということと利害が対立するという矛盾した関係はどう調整をされるお考えか、お尋ねしたいと思います。
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