外務委員会

1982-05-13 衆議院 全247発言

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会議録情報#0
昭和五十七年五月十三日(木曜日)
    午前十時十六分開議
 出席委員
   委員長 中山 正暉君
   理事 愛知 和男君 理事 奥田 敬和君
   理事 川田 正則君 理事 高沢 寅男君
   理事 土井たか子君 理事 渡辺  朗君
      麻生 太郎君    北村 義和君
      佐藤 一郎君    竹内 黎一君
      浜田卓二郎君    山下 元利君
      井上  泉君    井上 普方君
      小林  進君    草川 昭三君
      野間 友一君    東中 光雄君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        外務大臣臨時代
        理       宮澤 喜一君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房審議官   高岡 敬展君
        外務政務次官  辻  英雄君
        外務大臣官房審
        議官      宇川 秀幸君
        外務大臣官房審
        議官      田中 義具君
        外務大臣官房外
        務参事官    都甲 岳洋君
        外務省条約局長 栗山 尚一君
        外務省国際連合
        局長      門田 省三君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部公害課長  中島 治康君
        警察庁警備局警
        備課長     岡村  健君
        科学技術庁原子
        力局調査国際協
        力課長     佐々木白眉君
        科学技術庁原子
        力局核燃料課長 坂内富士男君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課防災環境
        対策室長    笹谷  勇君
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全課原子力安
        全調査室長   佐竹 宏文君
        科学技術庁原子
        力安全局核燃料
        規制課長    奥井 幸信君
        科学技術庁原子
        力安全局保障措
        置課長     川崎 雅弘君
        外務大臣官房外
        務参事官    遠藤 哲也君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   田辺 俊彦君
        資源エネルギー
        庁公益事業部火
        力課長     廣瀬 定康君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電課長  戸倉  修君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     末広 恵雄君
        運輸大臣官房技
        術安全管理官  戸田 邦司君
        運輸省船舶局検
        査測度課長   石井 和也君
        消防庁地域防災
        課長      長谷川寿夫君
        外務委員会調査
        室長      伊藤 政雄君
    —————————————
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  楢崎弥之助君     伊藤 公介君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     楢崎弥之助君
    —————————————
五月十三日
 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関す
 る条約早期批准に関する請願(有島重武君紹
 介)(第三五九一号)
 世界平和の実現に関する請願(中島武敏君紹
 介)(第三五九二号)
 同(四ツ谷光子君紹介)(第三八二一号)
 核兵器の廃絶等に関する請願外一件(四ツ谷光
 子君紹介)(第三五九三号)
 世界連邦の実現等に関する請願(秋田大助君紹
 介)(第三五九四号)
 同(大西正男君紹介)(第三五九五号)
 同(大村襄治君紹介)(第三五九六号)
 同(鴨田利太郎君紹介)(第三五九七号)
 同(木間章君紹介)(第三五九八号)
 同(岸田文武君紹介)(第三五九九号)
 同(小宮山重四郎君紹介)(第三六〇〇号)
 同(佐藤守良君紹介)(第三六〇一号)
 同(三枝三郎君紹介)(第三六〇二号)
 同(田口一男君紹介)(第三六〇三号)
 同(田村良平君紹介)(第三六〇四号)
 同(谷川和穗君紹介)(第三六〇五号)
 同(栂野泰二君紹介)(第三六〇六号)
 同(野中英二君紹介)(第三六〇七号)
 同(野呂恭一君紹介)(第三六〇八号)
 同(藤井勝志君紹介)(第三六〇九号)
 同(矢山有作君紹介)(第三六一〇号)
 同(山田太郎君紹介)(第三六一一号)
 同(横路孝弘君紹介)(第三六一二号)
 同(吉原米治君紹介)(第三六一三号)
 同(中井洽君紹介)(第三八二二号)
 同(中川秀直君紹介)(第三八二三号)
 同(林保夫君紹介)(第三八二四号)
 日韓首脳会談の中止等に関する請願(小川国彦
 君紹介)(第三六一四号)
 同(大出俊君紹介)(第三六一五号)
 同(城地豊司君紹介)(第三六一六号)
 同(高沢寅男君紹介)(第三六一七号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とオーストラリア政府との間の協定の締
 結について承認を求めるの件(条約第一三号)
     ————◇—————
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中山正暉#1
○中山委員長 これより会議を開きます。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野間友一君。
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野間友一#2
○野間委員 きのうに引き続きまして若干質問を続けさせていただきたいと思います。
 きょうお聞きしたいのは、核兵器の全面禁止と、それから原子力の平和的利用との問題についてでありますが、御案内のとおりの核防条約、現状の核拡散の防止について考えてみますと、この条約のもとでアメリカとかソ連など、いわゆる核保有国自身が一方では核兵器の製造を無制限にいま進めておるわけですね。軍事用の再処理工場によってプルトニウムの生産は大規模にいま進めながら、他方では非核保有国が核兵器を持ってはならぬということから、非核保有国における原子力の平和的利用、このものにすら特別の制限を課そうということなので、これ自体が一つの矛盾ではなかろうかと私は思うわけであります。
 そういう点から考えてみまして、この協定を見てみますと、前文でいま申し上げた意味での核兵器の保有国の保有を容認する核防条約、これが何らかの条件もうけずに全面的に入れられ支持されていることは私は問題だと考えますが、その点について政府の考え方を宮澤外務大臣代理にお伺いしたいと思います。
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宮澤喜一#3
○宮澤国務大臣 この問題はNPT条約を御審議願いましたときにも当委員会においていろいろ御議論のあったところでございますが、結局、核保有国自身もいろいろな意味で自制をしなければならないということは当然でありまして、この条約がそれについて直接何かを定めておりませんでも、核保有国自身として核保有国の間において核兵器のいわば使用、製造、実験等について自粛をしていかなければならないという、そういう務めを持っておるというふうに私は考えておるわけであります。
 ただ、それはまた道徳的な務めばかりではありませんで、すでに現在核兵器そのものがいわゆるオーバーキルの状態になっておるということはすべての人が知っておるわけでございますし、しかもそれらの国が財政的にもいろいろな意味で容易な状況でない、これ以上オーバーキルになるという、そのために膨大な財政支出をすることがいいかどうかということは、おのおのの国が自分で考えてみて確かに問題だと思っているに違いないわけでございますから、そういう状況から考えましても、核保有国の間で核兵器の縮減についての動きが出てくるべきものであると考えておりまして、また現実にそのような動きが米ソ間にもありますことは御承知のとおりであります。
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野間友一#4
○野間委員 宮津さんの願望というか願いはともかくとして、現実を見てみた場合も、いまの条約のもとで核軍縮どころか核拡散がうんと進んでおるというのが実態ではなかろうかと思うのですね。したがって、事原子力の平和的利用というこの条約の中に核防条約そのものを入れるということが果たして妥当かどうか。確かに核防条約は一方では不拡散、つまり、非核保有国に対する拡散をチェックしていくという側面は確かにあろうかと思います。ただ、同時に逆の意味におきまして、いま申し上げたように核の保有国の保有そのものを合理化するということになるわけで、そういうものをこの条約の中に入れることがどうなのかという点からのお尋ねをしておるわけでありますけれども、私はこれは入れることの必然性はないというふうに思うのですね。いままでの原子力協定の中で核防条約を入れたのは恐らくこれが初めてじゃなかろうかと思うわけでありますけれども、その点について再度御答弁いただきたいと思います。
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都甲岳洋#5
○都甲政府委員 お答え申し上げます。
 御承知のように、核不拡散条約は核不拡散という見地から最も基本的な条約でございまして、確かに先生御指摘のように、核保有国と非保有国との間の不均衡ということは問題になるわけでございますけれども、NPT条約自身が第六条におきまして各締約国の核軍縮のための交渉を行うことを義務づけておりますし、またその面での努力も行われているということは外務大臣代理より御指摘のあったとおりでございます。特に、この新たな日豪の原子力協定がインドの核爆発を契機とした核不拡散体制の強化という背景を反映した協定となっておりますので、そういう意味から、この核不拡散条約という核不拡散の見地からの最も基本的な条約をここに引用して、ここで言う核兵器その他の核爆発装置の利用を禁止するという目的を新たにこの日豪の原子力協定の中においても具現する、これを明確にするということはそれなりに意義のあることであると私は思いますので、そういう見地から、核不拡散の目的を明示するという意味でも前文にこれが取り入れられたという経緯があるわけでございます。
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野間友一#6
○野間委員 六条ですか、確かにありますけれども、これはまさに訓示規定、精神規定であって、これそのものが拘束力を持つわけではないのですね。そういう点の位置づけをやはりきちっとしなければならないというように思うわけです。
 それでは実態はどうなのか、この条約が締結された後いまの軍縮あるいは軍拡についての実態はどうなのかということでありますけれども、御案内のとおり大変なエスカレートぶりでありまして、核軍縮が進むどころかむしろ逆に軍拡が進んでおる。いま具体的に、限定核戦争すらあり得るというようなことを昨年度レーガンが二回も公言するというところまで進んでおるわけですね。ですから、六条の問題をいま言われましたが、再度お尋ねしたいことはそれでは現状はどうなのかということでありますけれども、私がいま申し上げたように現状は核軍縮でなくて核軍拡が進んでおるというふうに見ざるを得ないと思うのですけれども、その点についての認識をお尋ねしたいと思います。
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宮澤喜一#7
○宮澤国務大臣 六条が訓示規定であるという意味のことをおっしゃいました。それはあるいはそうであるかもしれません。しかし、この締約国が軍縮への努力を約束しているということもまた事実でございます。そうしますと、問題はそういう超大国同士の軍縮というものが果たしてできるのかできないのか。これは主権国に対して罰則を条約で加えるわけにもまいりませんから、そういうことになるかならないかということは結局客観情勢から見て、先ほど申しましたように、オーバーキルになっているものを大変な財政負担をしながらなお続けていくことがそれらの国にとって耐えられることであるのか、賢明なことであるのかということについての反省と申しますか検討が行われて、そしてその結果、曲がりなりにも米ソの間でああいう努力が行われている。ですから、条約で決めたからこうなるというようなことよりは、むしろそれ自身の持っている問題の中からそういう交渉が行われなければならないような状況に、簡単になるとは申しませんけれども、なる要因があると見ておるわけでございます。
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野間友一#8
○野間委員 私の質問に直接お答えがなかったわけですけれども、しかし大臣、実際は核軍縮どころか核軍拡が進んでおるのが実態なのですよ。だから、そういうものをわざわざこの原子力協定の中に入れる必然性はどこにあるのかという点から私は疑問を呈しておるわけです。実態から見てもそうであるし、逆に条約そのものが核保有国の核独占ということになっておるわけで、そういうものを平和的利用を目的としたこの協定の中に入れるのはちょっとおかしいのではないかというふうに私は思っておるわけであります。
 そこでお聞きしたいのは、この原子力協定の中に核防条約を入れるべきだということを言い出したのはわが国なのか、あるいはオーストラリアなのかです。これは経緯としてどうなのでしょう。
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宇川秀幸#9
○宇川政府委員 お答えいたします。
 経緯的には豪州が最初に言い出しております。これは昨日から申し上げておりますように、豪州としてはNPTの加盟国との関係をつくりたい、要するに、非核保有国に対してはNPT加盟を条件として協力関係に立ちたいということでございまして、あわせまして、この前文に書いてあるような理想ないし政策目標の追求というのはわが国にとっても一つの政策目標であり、その意味で前文に記載した経緯がございます。
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野間友一#10
○野間委員 少なくとも平和的利用に関する協定でありますから、いろいろ問題のあるものを入れるよりも、平和的利用そのものの究極というのは核兵器の全面禁止ということですから、核兵器の全面禁止にお互いに努力しようということを入れるならともかくとしてというふうに思うのは当然だと思うのですね。そういう決意こそこの協定の中に必要ではなかったか。そうでなければ、これはまた繰り返しになりますけれども、核兵器の全面禁止よりも核保有国の核独占を肯定するようなことをこの中に入れ込むということにならざるを得ない、こう私は思うわけであります。その点について、私が申し上げておるようなことがなぜこの中に入れられないのか、特に、ただ一つの被爆国としての私たちは大変な経験を持っておるわけですから、核兵器の全面禁止に向けてということをなぜ入れられなかったのか、お伺いしたいと思
 います。
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宇川秀幸#11
○宇川政府委員 お答えいたします。
 この条約は、原子力の平和利用の関係を日豪関係で築くという基本目的を持ったものでございまして、必ずしも核軍縮を目的とする条約ではないということがこの前文に反映されているというふうに理解いたしております。
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野間友一#12
○野間委員 どうも納得できませんが、時間がありませんので次に進みます。
 軍縮については、軍縮委の中で政府としてどういう演説なり提起をされるのか、これはまた別の機会にお伺いするとして、私が先ほどから申し上げておるようなことを突き詰めていきますと、核兵器の全面禁止ということを世界の場に向かって本当に日本が強く働きかけるということが何よりも必要であり、そういうような姿勢がこの協定の中になぜ出なかったのかという点からの質問をしておるわけでありますけれども、少なくとも国際的なさまざまな機会を通じて、全面禁止のためにとりあえずは核保有国の核兵器使用禁止の協定の実現に向かって日本国は努力すべきであると思いますし、同時に非核兵器国への使用禁止協定、これも実現できるように日本は積極的に努力すべきであるというふうに私は考えておりますが、その点についていかがでしょうか。
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遠藤哲也#13
○遠藤説明員 軍縮問題を担当しておりますので、私からお答え申し上げます。
 いま先生御指摘の、核兵器の究極的な全面廃絶ということにつきましては、今後の軍縮委員会において、やはり日本の特殊事情にもかんがみまして、最優先事項として取り上げてまいりたいと思っております。
 それから、非核兵器国に対するいわゆる安全保障につきましては、ジュネーブの軍縮委員会において目下検討しており、日本はそのような方向に向かって努力しているところでございます。
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野間友一#14
○野間委員 宮澤大臣、同じ質問に対してお答えください。
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宮澤喜一#15
○宮澤国務大臣 ただいまお答えをしたとおりと思いますが、つまり、核兵器保有国自身の軍縮については先ほどからるる申し上げたとおり、私は現状の中に永久にその拡大が続いていくと考えなくてもいいような要因があるというふうに、簡単ではありませんけれども、そういうふうに考えておりますから、そういう意味で、米ソ等の交渉が行われようとしているんだという考え方をしております。
 それから、持っていない国、非核保有国に対する安全につきましては、ジュネーブの会議等でいろいろな議論が行われておりますことは、ただいま御説明したとおりであります。
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野間友一#16
○野間委員 時間がありませんので別の機会にしますけれども、いまのお話を聞いてみますと、何か軍縮、そういう機会と申しますか、将来あり得るという期待を持っておられるようですけれども、それまでは何か軍拡を進めざるを得ないというふうに、反面的にいまの答弁の中から出てくるのじゃないかと私は思いましたけれども、それはまた別の機会にいたします。
 最後に、この協定について、ですから軍事的な利用については核保有国の独占があり、また同時に、平和的利用におきましても、チェックされて、それすら核保有国の核独占、これがいまの現状の中で出ておるのじゃないか。この協定を見ましても、さまざまな形で日本の原子力政策、エネルギー政策そのものに対する規制がかけられまして、自立あるいは自主、そういう点からして、いろいろ問題を含んでおる協定だというふうに言わざるを得ないと私は思うのです。
 その点について最後に申し上げて、時間が参りましたので私の質問を終わりたいと思います。
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中山正暉#17
○中山委員長 土井たか子君。
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土井たか子#18
○土井委員 まず、お尋ねを進めたいと思いますが、一九八一年の六月の七日にイラクの原子炉爆撃事件について第二十五回のIAEA総会におけるイスラエル非難決議に日本が棄権しているのですけれども、これは棄権した理由は那辺にあるのですか。
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宇川秀幸#19
○宇川政府委員 お答えいたします。
 この際の総会の決議の中核をなしましたのは、イスラエルが今後一年間に安保理事会決議で示唆されておったような特定の条件を実現しない場合には、ということは、IAEAのフルスコープの保障措置を受け入れるということでございますが、そういう事態に至る場合には、IAEAとしてはイスラエルの参加国としての地位を停止する、言いかえれば、追放することなども含めて審議するべきであるという決議でございました。
 わが国が棄権いたしましたのは、IAEAというのは、技術的な性格を持った、かつ加盟国としては普遍性を持つべき機関であるという観点から、イスラエルの追放に直ちにつながるようなことが、今後のイスラエルの同種の行動をコントロールする上で一番いい手段なのかどうか、若干行き過ぎではないかということから棄権いたしております。ただし、この際日本としては、イスラエルのイラクの原子炉攻撃の事実というものは強く非難されるべきであるという立場を明らかにした上で棄権した次第でございます。
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土井たか子#20
○土井委員 何だかわかったようなわからぬような御答弁なんですが、要するに、アメリカがどういう態度をとるかということを非常に気にしてそうしたのでしょう。これは、いまの御答弁からすると、誠実にIAEAという立場というものを日本としては考えたがごとくの御答弁でありますが、むしろ政治的配慮が先立つ取り扱いじゃなかったのですか。
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宇川秀幸#21
○宇川政府委員 お答えいたします。
 この点については、日本はその前にございました理事会の決議の際にも、こちらには賛成いたしておりますけれども、その際も、イスラエルの加盟国としての権利義務停止については問題があろうという投票理由を説明した上で賛成いたしております。したがいまして、終始そういう態度をとっておったということで、アメリカの注文とか顔色を考えて行動したわけではございません。
 なお、この際、日本のみならず主要西欧諸国はすべて棄権をいたしております。
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土井たか子#22
○土井委員 棄権をすることがあたかも名誉であるがごとき態度でいま御答弁なんですが、これはちょっと考えものだと思うのですよ。
 いま五核保有国の中で、中国を除きまして、最初の核実験をすべてプルトニウム原爆で実施してきたという経過がありますね。一九七四年のインドの核爆発もプルトニウムの使用なんですね。核兵器開発の初期の段階では、原子炉の運転によって生産、再処理されるプルトニウムの軍事利用というものは容易であるということが意味されているわけなんですが、使用済みの核燃料から抽出するプルトニウムを核兵器に利用する場合に、プルトニウム239の含有率をさほど厳密に考慮する必要はないというふうに言われておりますが、これに対してどういうふうに考えていらっしゃいますか。
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宇川秀幸#23
○宇川政府委員 お答えいたします。
 私の理解では、御指摘のとおり、完全に純粋なプルトニウムである必要はないというふうに理解いたします。
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土井たか子#24
○土井委員 そうすると、そこでこれからだんだん問題になってくるのは、将来開発途上国に対して日本が技術提供国となった場合、核拡散を規制することに対して、日本としてはどういう考え方を持ってこれに臨むのか、原子力開発協力のあり方について問われる問題が非常にこれから出てくると思うのですね。これに対していろいろ核拡散防止のための世界的に構築をされているシステムがあるはずでありますが、それについてどのように御理解なすっていらっしゃいますか。
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宇川秀幸#25
○宇川政府委員 お答えいたします。
 私どもとしては、仮に日本が輸出国の立場に立つ場合においては、相手国に提供いたします資材が平和目的のみに利用されることを確保してかかる必要があるというふうに考えております。したがいまして、現在そういう体制をとっておるわけでございますし、それから国際的にもロンドン・ガイドラインということが決められておりまして、私ども自身としてもこのガイドラインを尊重して、したがって、平和目的に限定されることを確認した上でその機材を輸出するというのが政策方向であるということをIAEAに対して通告いたしております。
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土井たか子#26
○土井委員 いまおっしゃっているのは形式的な取り扱いの手続なんです。一つ一つ問題を取り上げていくと、現実の問題はもっと深刻じゃないですか。これは枚挙にいとまがないと思いますね。
 一つの例だけを言うと、イラクの場合を挙げましょう。一九八〇年十一月に、IAEA機関によるオシラック核施設の査察をイランとの交戦中ということを理由に拒否していますね。二月には故障を理由に査察を回避していますね。そうなってくると、手続上は幾らちゃんとした手順を踏んでいますとか、日本としてはちゃんとそれを守っていますと言われても、現行の査察や監視体制というのは第三世界、開発途上国に対して核の接近というものを防止することのためには機能しなくなっているということをやはり考えなければならない側面がずんずん出てきていると言わざるを得ないのですよ。いまおっしゃいましたIAEAのガイドラインというのはどんなことを決めているのですか。内容はどんなことが問題になっているのですか。そしていま私が申し上げたことに対して機能しますか。どうです。
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宇川秀幸#27
○宇川政府委員 お答えいたします。
 IAEAのガイドラインと言われましたが、ロンドン・ガイドラインに対する御質問だと思います。あるいはいまイラクについては査察の話をされましたので、どちらに対する御質問だったのか実はよく理解できなかったのですが、両方お答えいたします。
 まず最初にIAEAの査察体制でございますが、これはIAEAとの、取り決めに基づきまして査察が行われることになっておる施設に対しては、査察を行うことによって関連の核物質等がその他の平和目的以外の目的に転用されないというための査察を行っているものでございます。
 イラクの場合には特定の理由で査察を回避したのではないかという御指摘でございましたが、IAEA当局によればその時点においての査察は必ずしも必要でなかった。つまりその炉が必ずしも機能する状況にはなく、かついろいろ燃料等が、その場合に装てんあるいは操業の段階では必ずしもなかった。かつIAEAがその時点までにおいて行っておりました査察結果、それから輸出国から——この場合フランスでございますが、提供されておる材料の所在その他が確認できておったので、その時点においての査察は必ずしも必要がなかったということをIAEA当局自身は説明いたしております。
 ロンドン・ガイドラインは核物質等を非核兵器国に平和目的のために輸出する際に適用すべきガイドラインを決めたものでございまして、輸出をする際に関係核物質等につきまして防護の処置がとられること、IAEAの査察があること、それから不用意に核拡散の危険があるような資材、技術を輸出することを行わないということを申し合わせたものでございます。
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土井たか子#28
○土井委員 そういうことで、IAEAの方がイラクに対しては当時必ずしも査察をする必要がないという、それに対する説明を日本とすれば承認されているのですか。それはそのとおりだとお思いになっていらっしゃるわけですね。
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宇川秀幸#29
○宇川政府委員 当時のイラクの査察につきましては、IAEAの当時の事務局長が、国連の場及びIAEAの理事会に対して、IAEAとしては現在の査察体制で十分であり、かつ軍用目的に資材等が転用されたという事態は認められないということを正式に報告いたしております。私どもとしてはその観点から、IAEAの査察体制のあり方から勘案しまして、この報告が正しいと考えております。
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