内閣委員会

1985-05-21 参議院 全170発言

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会議録情報#0
昭和六十年五月二十一日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     伊藤 郁男君     柄谷 道一君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     板垣  正君
     竹山  裕君     森山 眞弓君
     大森  昭君     矢田部 理君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     森山 眞弓君     曽根田郁夫君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     曽根田郁夫君     森山 眞弓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 友治君
    理 事
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                穐山  篤君
                原田  立君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                沢田 一精君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                森山 眞弓君
                小野  明君
                矢田部 理君
                太田 淳夫君
                内藤  功君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 藤波 孝生君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  後藤田正晴君
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   吉居 時哉君
       内閣総理大臣官
       房審議官     田中 宏樹君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    藤田 康夫君
       臨時行政改革推
       進審議会事務局
       次長       山本 貞雄君
       総務庁長官官房
       長
       兼総務庁恩給局
       長        藤江 弘一君
       総務庁人事局長  藤井 良二君
       防衛庁防衛局長  矢崎 新二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  利雄君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     杉浦  力君
       総務庁恩給局恩
       給問題審議室長  鳥山 郁男君
       厚生省年金局年
       金課長      山口 剛彦君
       厚生省援護局業
       務第一課長    石井  清君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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大島友治#1
○委員長(大島友治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十三日、伊藤郁男君が委員を辞任され、その補欠として柄谷道一君が選任されました。
 また、四月二十四日、岡野裕君、竹山裕君及び大森昭君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君、森山眞弓君及び矢田部理君が選任されました。
    ─────────────
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大島友治#2
○委員長(大島友治君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨説明は前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小野明#3
○小野明君 初めに総務庁長官にお尋ねいたします。
 御承知のように、恩給は人事院勧告による公務員給与の改善を基礎といましまして増額が図られてまいってきておるところであります。本年も既に五月の上旬から人事院が民間給与の実態調査に入っておられるところでございまして、六月の中旬にはこの実態調査が終わりまして、例年のように八月の上旬から中旬にかけまして人事院の勧告が行われるかと思います。
 当委員会でも、既に何回かこの人勧の取り扱いについては長官の御見解を承っているところでありますが、この人勧の取り扱いいかんによりましては、明年度の恩給の増額にも影響を及ぼすことに相なるわけであります。この人勧の取り扱いにつきまして、衆議院の方でもいろいろ長官も見解を表明されておるようでありますが、改めてこの人勧の取り扱いにつきまして長官の基本的な姿勢について御所見を伺いたいのであります。
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後藤田正晴#4
○国務大臣(後藤田正晴君) 現在、御案内のように、人事院で本年度の公務員給与の問題について官民較差御調査中でございますから、例年どおり仮に作業が進んでいくとするならば、八月上旬ごろには政府、国会に対して人事院から勧告が出る、これは予想されるわけでございますが、政府といたしましては、その段階で、従来からしばしば言明をいたしておりますように、人事院の勧告制度は最大限に私どもとしては尊重して、国政全般との関連の中で完全実施に向けて最大限の努力を尽くしてまいりたい。なお、その際に、五十九年度の改正に当たって、いわゆる積み残しといったようなものがございますが、これらの扱いについても、官房長官談話で政府の基本的な考え方を明らかにいたしておりますから、これは当然私どもとしてはそれも頭に置きながら、しかしいずれにせよ、最大限完全実施に向けて努力をする、こういう政府の基本方針はいささかも変わるものではない、その線に沿って全力を挙げたいと、かように考えております。
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小野明#5
○小野明君 官房長官は時間がおありになるようでございますので、先に若干の質問を申し上げたいと思います。
 新聞報道によりますと、金丸幹事長が、この秋の臨時国会は見送る、そうして今国会と同様に本年十二月の早期に通常国会を召集する、こういうふうに発言されておるところでございます。官房長官もこれを受けられまして、これは与党の幹事長の発言だから十分重い受けとめ方をしなければならないと、こういう御見解を表明されたようでございます。だといたしますと、昨年の勧告が参議院通過をいたしましたのは、処理されたのは十二月の二十一日、こういうことでございます。そうなりますと、ことし八月の人勧も結局年末でないと決着が図られない。公務員諸君の生活を考えますと、人勧は早期完全実施をしてもらいたい。今長官が言われるように、最大限の努力という御表明があったわけですが、当委員会でもかねてからこの点は政府に注文をつけてまいっておるのでありますが、公務員の生活を擁護する立場にある官房長官としては、どういった見通しをお持ちであるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
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藤波孝生#6
○国務大臣(藤波孝生君) 金丸自由民主党幹事長が臨時国会に関して御発言になりましたこと、今御指摘のあったとおりでございます。政府としましては、今この延長になりました国会で、いろんな法案の御審議をお願いしておりまして、特に非常に重要な共済年金関係の法案などもこれから審議をお願いしたいということで、提出をいたしましたすべての法案の成立を期してさらに御審議の促進をお願いしておるところでございます。したがいまして、この国会がまだ終わりませぬ段階で秋の臨時国会とかあるいは通常国会はどうなるかとかといったことについて定かに予測を申し上げる段階にはないということをおわびを申し上げなければならぬと思うのでございます。当面はこの国会での法案の審議に全力を挙げるという姿勢でございます。
 ただ問題は、政府・与党一体になって政治の運営を進めてきておりますので、その与党の幹事長であります金丸幹事長が御発言になりましたことにつきましては、これはもう当然非常に重要視してこの発言を受けとめなければならぬ、こういうことを申し上げたところでございます。厳密に言えば、国会の召集は閣議決定して政府の方からお願いする事項でございますし、またその後の新聞記者さんとの会見などで秋の政局について相当細かく金丸幹事長が触れて、それを踏まえて、臨時国会はないのがいいと思う、通常国会を早期にということがいいと思うというような御発言になった。それらを全部中身として踏まえておられる事柄についても官房長官はそれがいいと思うのかということでございましたから、政治の話というのはそんなに幾何学の問題を解くように隅から隅まで細かく点検してする話ではなくて、与党の幹事長の御発言を重々しく受けとめると、こういうふうに申し上げたのであるということをそのときも答えた次第でございます。
 人事院勧告につきましては、勧告が出されました段階で完全実施に向けて最善の努力をする、ただいま総務庁長官からお答えがあったとおりでございます。しかもこれはなるべく早く政府の態度を決定するということが年々要望もされてきておりますし、また政府としてもそんな気持ちで取り組んできておるところでございます。
 なお、政府の態度が決定をいたしましたならば、給与法の法案化をしていくという作業時間が相当日数かかるかと思うのでございますが、それらも十分踏まえましてなるべく早く国会での御審議をお願いするという運びにしていくことがいいか、こう思うのでございますが、今申し上げましたように、なお通常国会、延長国会の御審議をお願いしているところでございますので、この国会が終了した後の国会がどんな姿になるかということを予測して申し上げる段階にはないということをぜひ御理解いただきたいと思うのでございます。気持ちといたしましては、人勧が出ましたならば、なるべく早く政府の態度を決定して、そして一日も早くそれが実行に移るように努力をしていくべきものと、このように考えております考え方だけ申し上げたいと思うのでございます。
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小野明#7
○小野明君 官房長官の今の御答弁をお聞きいたしますと、その辺までしか言えないのかなという感じがするわけでございます。この国会の見通しというようなものにつきましても金丸幹事長は既に見当をつけられておる、その上でこの発言になった。その上で官房長官もまた、十分重い受けとめ方をしなければならない、こういうふうに御発言があったと私は理解するわけでございます。
 政局の見通しというのはなかなか難しい問題でもあろうかと思いますが、私がお尋ねいたしましたのは、金丸幹事長は幹事長としての見通しを言われた、政府としては、官房長官としてはそういうことは百も踏まえた上での御見解というのを重い受けとめ方という言葉で私はお聞きをしておるわけです。いかがでしょうか、そういった通り一遍の御答弁というのでなくて、この秋の臨時国会を一体どうするんだというお見通しは官房長官お持ちであろうと思いますが、いま一度見通し等を含めてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
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藤波孝生#8
○国務大臣(藤波孝生君) 今のところ、この国会で提出いたしております法案全部の成立を期してぜひ御審議をお願い申し上げたい、このように希望いたしております気持ちでもう今いっぱいでございます。
 それから政府の仕事といたしますと、臨時教育審議会の第一次の答申でございますとか、あるいは御審議願っております行革審のいろいろなテーマについての御報告でございますとか、あるいは国鉄の監理委員会の御報告とか、中曽根内閣としてまさに正念場とも言うべきいろいろな問題についての御答申や報告がこれから順次いただくことになっておりまして、これらを精力的に、いわゆる私どもの俗に言う言葉で、こなしていかなきゃいかぬというふうに考えておりまして、これらに全力投球して内閣全体が対処してまいらなければならぬ、こう考えておるところでございます。
 秋以降どういうことになりますかにつきましては、与党の金丸幹事長の発言を重々しく受けとめる、こういうふうに申し上げておるところでございますが、通常国会がどのような形で終了いたしますか、またこれから秋にかけてどんなふうに各党などもお考えになるかというようなことも十分頭に置いてまいらなければならぬかと、こう思うのでございまして、若造の私などがとやかく申し上げるよりも経験豊かな小野先生の方がいろいろ御想像、御推察いただけるのではないか、こんなふうに思いますので、どうぞ深い御理解を賜りますようにお願いを申し上げたいと思うのでございます。
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小野明#9
○小野明君 冷やかされたような気持ちになっておりますが、その問題はそれ以上のことはなかなか官房長官としてはおっしゃりにくい問題かと思います。これはまたこの国会のかなり進んだ段階でも再度質問申し上げる機会もあろうかと思います。
 次の問題は、ことしの春闘による民間の賃上げが昨年を上回っておることは事実であります。人事院の勧告も、昨年のいわゆる積み残しがありますね、大体六%前後になるのではないか、このように見られておるわけであります。一方、この人勧によって一・六七%以上の実施ということになりますと、防衛関係費のGNP一%枠を突破するということに相なるわけであります。そこでこの問題は、総理が本会議あるいは予算委員会等でも言明されておりますように、一%枠を守りたい、こういう表明をされておる。一国の総理が、人事院の勧告がありましても一%を守りたいと、こういうふうにおっしゃっておられる以上、完全実施があってもこれは防衛関係費とは別の問題である。また我が党も、参議院の予算委員会におきましては、防衛関係費の二千二十五億円削減の修正案を提案した。秋の仮に臨時国会があるといたしましても、補正予算を組む段階で一%を超えない出し方ということができると思うわけであります。人勧の完全実施について最大限の努力をするという御見解でありますし、同時にまた防衛費は一%を超えないという総理の言明ですから、そのあたり官房長官はどのようにお考えであるのか、ひとつ御見解を承りたいと思います。
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藤波孝生#10
○国務大臣(藤波孝生君) 今後の防衛関係費がGNP比との関係でどのように推移するかということにつきましては、六十年度の人勧とかあるいはGNPの動きとか、今後にまたないと結論の出てこない不確定の部分がたくさんにございますので、現在の時点で確定的なことを申し上げることは非常に困難でございます。ただ、いずれにいたしましても、今お話がございましたように、衆議院の予算委員会で田邊書記長の御質問に対して中曽根内閣総理大臣は、「防衛費につきましては、今日まで対GNP比一%を超えないことをめどとするとの三木内閣の閣議決定の方針を守ってきました。六十年度も、当初予算においても、その方針を守ったところであります。今後とも、その方針を守りたいと存じます。」というふうにお答えをいたしておるところでございまして、今後ともこの三木内閣以来の方針を守るために努力をしていくという姿勢には変わりはないところでございます。
 問題は、今お話がございました人勧との関係になるわけでございますが、勧告が出ないと確定的なことは申し上げられないわけでございますけれども、問題は、今総務庁長官からも御答弁がございましたように、政府といたしましては、人勧が出ましたならば完全実施に向けて最善の努力をするという姿勢はぜひひとつ貫いて頑張っていきたい、そして政府部内の意見を取りまとめてできるだけの努力をして政府の方針を決めていくということに努力をしたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
 一方、防衛費のGNP比との関係につきましては、今申し上げておりますように予測しがたいいろんな要件がございますので、今から確たることを申し上げるわけにはまいりませんが、そのことによりまして人勧の実施に向けての政府の考え方が左右されるということはないということはぜひお答えを申し上げておきたいと思うのでございます。
 人勧の方は完全実施に向けて努力するというのは基本的な姿勢でございます。一方、防衛費につきましては、総理が御答弁申し上げておりますようにできるだけ守りたいという、そういう姿勢を進めてまいりたいと、こう思っているところでございますが、最後に御質問のございましたその二つをどういうふうに考えるかということにつきましては、なお不確定の要素がたくさんにございますので、今日の段階で確定的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたい、こういうふうにしか申し上げようがありませんので、御理解をいただきたいと思います。
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小野明#11
○小野明君 官房長官に重ねてお尋ねいたしますが、あなたの私的諮問機関であった戦後処理問題懇談会というのがございます。昨年の十二月二十一日にこれが報告書を出されておるわけですが、この報告に基づいて政府が六十年度予算に戦後処理問題に関する特別基金の検討及び実情調査のための経費として一億五千七百万円を計上しているわけでございます。去る四月十日には総理府に特別基金検討調査室が設置されて、平和祈念事業のための特別基金の額あるいは内容、創設の時期、運用方法などを検討する意向のようでありますが、いつごろをめどにどのような事項について検討し結論を出される見通しであるのか承りたいと思います。
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藤波孝生#12
○国務大臣(藤波孝生君) 今後のこの問題の検討につきましては、基金のどのような事業活動がふさわしいか、あるいはどのような事業を進めて、実際に他の省庁でいろいろやっておること、実施しておる事業との関連性をどのように整理するか、また財源や事業の規模をどのように構えていくか、また基金の設立形態をどうするか、いろいろと検討していく幾つかの柱がございます。それらを精力的に検討を進めていかなければならぬ、このように考えておるところでございまして、それらを頭に置きながら各省庁お集まりを願って検討に入ったところでございます。
 いつごろまでにこの検討が終わるのかということにつきましては、そういった今回の検討をするための作業を始める際に頭に置いておりますそれぞれの項目などがどのようにしかるべき結論を得ることができるかというところに問題があるわけでございますので、初めからいつごろまでに検討を終わるということを申し上げて検討に入っていくというよりも、ひとつ精力的にこれらの検討を進めていって適切な結論を得るようにしよう、考え方としてはそう思っているわけでございます。ただ、関係者の方々にいたしますと、長い間この問題について深い関心を持ってこられた、しかも戦後処理の懇談会で非常に時間をかけていろいろな角度から御意見をお出しをいただいてきた、その間いわば注目しながら待っていた、こういう環境にあるわけでございますので、余り時間をかけてだらだらと検討しているということで済むことではありますまいというふうに気持ちとしては思っておりまして、それぞれ各省庁の御努力をいただきましてその検討をなるべく早くひとつ進めていくようにいたしたい、このように考えておるところでございます。作業の進展ぐあい、中身の詰まりぐあいによりますので、明確にいつごろをめどとしてということを申し上げることは現在の時点で、まだ出発したばかりでございますので、お許しをいただきたいと思う次第でございます。
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小野明#13
○小野明君 予算は一億五千七百万でございますが、この予算を計上するに当たりまして、この基金の性格あるいは事業を検討すると同時に、対象者の実態調査ができる形を残すことも政府と自民党との間で約束されているとも報道されております。
 そこで、いわゆる個人補償を前提とした実態調査を行うのかどうか、見解を聞いておきたいところであります。
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藤波孝生#14
○国務大臣(藤波孝生君) 予算委員会あるいは内閣委員会等でも再三にわたって御質問をいただいてきたところでございまして、戦後処理問題懇談会の報告では、いわゆる戦後処理問題についてこれ以上国において措置すべきものはないとするとともに関係者の心情に深く心をいたすという趣旨から特別の基金を創設することを提唱する、これを受けて基金創設のいろんな検討、そして実情調査ということで予算化をお願いしてきたところでございます。個人補償的なものを含むのかどうかということについても再三御質問いただいてまいりましたが、そのことにつきましても、今申し上げましたような懇談会の提唱を受けて予算化をしているということをお答えしてきたところでございます。
 問題は、検討いたしてまいります中で関係各省庁の意見をいろいろと述べ合う、さらにこれらの問題につきましていろいろとお世話をいただいてきておりますそれぞれ団体もあるわけでございまして、それらの方々がこの基金の創設ということを中心にいたしましていろいろと意見を述べていただくという機会をつくらなければなりますまいというふうに考えておるところでございまして、それらも検討の中に入っていくかと思うのでございます。また同時に、この基金を創設いたしまして、どのような規模でどのような事業をやっていくかというようなことを考えますときに、従来、これらの問題に該当する方々の実情がわかりませんと、どういうふうに何を設定しようと思いましても実態にそぐわないものになるという心配がございます。そういう意味でも、関係者の方々の実情をよく調査するということは非常に大事なことであるというふうに考えておりまして、今までのところ、そういうふうなことを頭に置いて、ひとつよく関係各方面の御意見も聞きながら検討を進めていくようにいたしたい、こう考えておりますことを御理解いただきたいと思うのでございます。
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小野明#15
○小野明君 そうしますと、個人補償等を前提とした実態調査を行うのかどうかという点がどうも明確でございませんが、その点はいかがでしょうか。
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藤波孝生#16
○国務大臣(藤波孝生君) 懇談会の、くどいようでございますが、繰り返しになりますが、懇談会では、基金の創設を十分ひとつ活用して関係者の方々の心情にお報いをしなければならぬ、こういうふうに提唱されておるところでございまして、それを受けてどのように基金を創設していくかということをあくまでも頭に置いて検討を進めていくことになるというふうに思っているところでございます。しかし同時に、ただいまも申し上げましたように、該当者の方々の実態、実情をよく調査していく、しかも関係団体の方々の御意見もよく聞いていくということを検討の中で進めていくようにいたしたい、こう考えておるところでございまして、これらが今後の基金を創設してその事業をどのように構えていくかというようなことの中でいろいろ話し合われるべきことであろうかというふうに思いますし、また検討されるべき中心の項目になろうかと、こういうふうに思いますので、非常に何かはっきりしないようでございますけれども、今申し上げましたことで全部でございまして、そんな気持ちで検討に入っていくようにいたしたい、こう思っているところでございます。
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小野明#17
○小野明君 官房長官、時間が若干超過いたしましたが、お引き取りいただいて結構でございます。
 総務庁長官に若干質問が重複をいたしますが、春闘によって、先ほど官房長官に質問を申し上げましたように、人事院の勧告はいろんな実績等を見まして六%前後になるのではないかという見通しを私は持っております。そうすると、この中にはいわゆる積み残しを含めてというふうに私は思うんですが、大体人件費で一%は既に計上されておるわけですね。そしてGNP一%との天井は、すき間は八十九億円しかない、非常に少ない。しかし最初に長官が答弁なさいましたように完全実施に向けて、これは当然の責務でありますが、最大限の努力をなさると、こういうことでありますが、総理のああいった国民への約束もございます。もともと防衛関係費と人事院勧告の完全実施というのは性格の違うものである。しかも一方では、五十七年以来凍結、値切りということで公務員の士気にも、公務能率にも影響を与える、こういった問題点があるわけでございます。この辺を、総務庁長官も閣僚の中では実力者と言われておるんでありますから、その辺のひとつ御見解をお伺いをしておきたいと思います。
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後藤田正晴#18
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほど官房長官がお答えをいたしましたように、防衛費の対GNP比一%の問題については、既に総理からこの国会でお答えをしてあるとおりで、先ほど小野さんがおっしゃったとおりでございます。ただ、この問題は、人事院勧告その他の問題がどうなるのか、分子分母の関係がございますから今ここでにわかに断定はできません。できませんが、これは一%を守りたいと、こう言っておりますから、これはそれなりに政府としては努力をすべきものと、かように考えるわけでございますが、同時に公務員給与の問題は給与の問題として、人事院勧告の完全実施に向けて最大限の努力をするということも当然の政府の責務であろうと、こう考えるわけです。
 そこでその関連いかんと、こういうことになるわけですが、この点につきましては、人件費というものが防衛庁の予算の中に入っているわけでございますから、人件費がそれだけ上がれば当然GNPと防衛費の比較の問題に影響することは、これはもうそのとおりに影響せざるを得ないわけでございますね。しかし、さればといって、それじゃ防衛費の方を一%に抑えなきゃならぬということから、今度は逆に人件費の方を抑えるというのは、それは筋が違う。人件費の方の、つまり給与の問題の方は給与の問題として処理をすべきものであると、かように考えているわけでございますので、防衛費一%の問題で人件費の扱いが左右せられるということは私はあってはならないと、かような考え方で、給与勧告については給与勧告として扱ってまいりたい、こういう考え方でございます。
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小野明#19
○小野明君 きょうお尋ねしております趣旨は、四年間も凍結、値切りが続いている人事院勧告について完全実施をすべきである、それがまた恩給にもはね返ってまいる、こういう立場からお尋ねをし、長官もそういった立場で完全実施をすべきものである、こういう決意が表明されているわけであります。これは当然です。
 ところで、総理の言明もございました。これは人勧が出てみなければわからないという問題もありますが、ほぼ大体いわゆる積み残し分を含めて六%前後、こう相なると思うわけですが、私は、これは補正予算の組み方で、私ども参議院の予算委員会で防衛費の二千二十五億円削減という修正案を出しましたが、これならば何も総理の言明とも予盾をしない、補正予算の際にそういった工夫ができるのではないか、こう思うんですが、長官はどうお考えでしょうか。
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後藤田正晴#20
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えしましたように、人件費の方の問題がGNP一%の問題の方に影響することは、これはもう当然そのとおりですね。しかし、さればといって一%の問題があるから人件費の方は抑制する、これはあり得ない。私は、人件費は人件費として、今日人事院勧告制度というものを政府が最大限尊重してやるんですから、それはそれとして処理をしてまいりたい。ただ、今の段階で、それじゃ人事院勧告が出た段階で防衛費の方がどうなるのか、一%の関係で。これは先ほど言いましたようにGNPとの関係がございますから、その段階で検討して、そこで一体どうなるのか、こういうこと。しかしどうなるのかという際には、総理の言明もありますから、これは政府としてそれをどのように総理の言明を実現していくかということを検討、工夫すべき筋合いのものである、私はさように考えるわけでございます。
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小野明#21
○小野明君 もともと人事院勧告の完全実施という問題と防衛費の関係というのは性格の違うものですから、ですから長官としてはあくまでも公務能率の増進、あるいは良好な労使関係の維持ということで、長く値切られております人勧の完全実施へ向けておっしゃるように最大限のひとつ御努力を願いたいと要望しておきたいと思います。
 それから、官房長官にお尋ねしようと思いましたけれども、総務庁長官にお尋ねをいたしますが、昭和五十四年から旧日赤の救護看護婦に対する慰労給付金が出されておりますね。それから二年おくれて昭和五十六年から旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金が出されておるわけでございます。今回は、五十五年にこの基準をとりまして、それ以来の消費者物価の上昇に合わしてことしの六月分以降一二・三%の増額を行う、そして実質価値を維持する、こういうことに相なっておるわけであります。厚生年金を見ても、消費者物価が五%上昇したときには年金の改定を行うようになっております。この慰労給付金というのは、かねてから衆議院でもいろいろ言明があっておるようでございますが、年金的な性格ではない、そこでそういった立場からの増額ではない、こういうふうにしているようであります。ただ、実質的なこの慰労給付金の価値を維持するという立場での表明があっておるわけでございます。そこで、今回一二・三%のアップの措置がとられておるんですが、これについては一定のルールをつくって、そうして今後とも実質的な価値は維持するようにすべきではないか、このように私は思うわけでございます。長官の御見解を伺いたいと思います。
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後藤田正晴#22
○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は、私は、従軍看護婦のあの当時置かれておった立場、そういうものを考えますと温かい配慮をもって政府としては対応すべきものである、私は基本的にはそう考えておるんですが、何せこれは恩給といいますか、年金にはなじまないということで慰労給付金という形で今日出しているわけですね。そこで、ことしも大変予算が厳しい中ではございましたけれども、実質価値を維持しなきゃなるまいということで一二%余りのアップの措置をして、政府としては最大限の温かい配慮をしたものと、私はこう考えておりますけれども、なおこれに対してはいろんな御意見があることは承知いたしております。そういった点は、我々としてはあの当時の従軍看護婦の置かれた立場というものをよく考えて、できる限りの手厚い処置はすべきものである、かように考えているわけでございますが、本件につきましては、事務当局が総理府の方から参っておりますので、お答えをいたさせたい、かように思います。
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藤田康夫#23
○政府委員(藤田康夫君) ただいま総務庁長官の方からお話がございました慰労給付金は、先生からお話がございましたように、所得の保障を図るという年金的な性格を有するものでないので、従来増額は非常に困難であるとしてきたところでございますが、しかしながら措置がとられて以来四年ないし六年の期間が経過しておりまして、その間かなりの消費者物価の上昇がありまして、このまま据え置いておくのはいかにもお気の毒である、こういうことで実質的価値を維持する必要があると判断いたしまして、現在、財政状況が極めて厳しい状況ではございますが、先生からお話ございましたとおり、過去五年間の消費者物価指数の上昇率一二・三%の改善を図ることといたしたわけでございます。したがいまして、毎年増額する、かようなことは考えておらないところでございます。
 なお、今後の取り扱いでございます。総務庁長官からもお話がございましたが、今回の増額の経緯等を踏まえて十分慎重に検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
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小野明#24
○小野明君 今私がお尋ねいたしましたのは、日赤にいたしましても、あるいは旧陸海軍の従軍看護婦にいたしましても、数が非常に少ないわけですね、大した数ではない。今回改定されて、大体十一万から三十四万ぐらいの間、それぞれ該当するところでも三年から五年というところが八百人足らずでございますよね。今回五年ぶりで一二・三%の改定をやる。これは実質的な価値を維持するという理屈がつけられているわけですが、これにも一定のルールをつくってはどうか、余り数が多数にわたるわけではないわけですからね。そういう質問を申し上げているわけですが、この一定のルールをつくるということについてはいかがですか。
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藤田康夫#25
○政府委員(藤田康夫君) 一定のルールをつくったらどうかという御提案であるわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、この慰労給付金、長年にわたりまして戦時衛生勤務ということに対します慰労給付金ということでございまして、年金的な性格を持つものではございません。したがいまして、今回は実質的価値を維持するという観点から一二・三%の改善を図ることといたしたわけでございます。
 今後の取り扱いでございますが、先ほどから繰り返しになって恐縮でございますが、今回の増額の経緯等を踏まえて十分慎重に検討さしていただきたいと、こう考えておるところでございます。
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小野明#26
○小野明君 基準のとり方にしても、昭和五十五年を基準にされておることに私は非常に疑義を感じます。五十四年から始まっているわけですから、本来であれば五十四年から起算して物価上昇に合わして実質価値を保持すると、そういうふうにされるのが論理的ではないのか、整合性があるんではないか、こう思うわけですが、今後の一定のルールについては検討をされるということでございますから、十分ひとつ今回の措置を先例にして検討していただくようにお願いしたいと思いますが、この点は再度総務庁長官にお尋ねをしたいと思うんです。
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後藤田正晴#27
○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は私の所管でもございませんけれども、先ほど言いましたようにできる限り思いやりのある措置をすべきであろうと、こう思いますが、そういった立場で勉強さしていただく課題であると、かようにひとつ御理解を賜りたい、かように思います。
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小野明#28
○小野明君 次に、今回の恩給の増額というのは例年と同じように昨年の公務員給与の改善傾向を分析した結果に基づいて本年四月から平均三・三%程度の増額を行うことが中心となっております。昨年の増額は例年より一カ月繰り上げて三月実施でありまして、私たちもおやっと、こう思ったわけでございます。どういう含みかなと、こういうふうに思いました。
 ところで、この三月実施をめぐって共済年金につきましても同時に三月実施とすべきであるという見地から私が修正案を提出したのであります。これは否決をされたわけですが、本年の恩給増額の実施時期はどうしてか昨年の三月を踏襲せずにまた四月に戻っておる。政治的な扱いがひど過ぎる。三月実施になればそれを踏襲すべきではないのか、こういうふうに思うんですが、この点は長官どういうことでございましょうか。
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後藤田正晴#29
○国務大臣(後藤田正晴君) それはちょっと小野さんと考え方が違うんです。三月という方が例外でして四月からが原則なんです。
 なぜ三月にしたんだと言えば、これは五十七年度完全に公務員のベースアップを凍結してしまいましたから、そういったような特殊事情を考えまして、この恩給の改善を検討する際にいろんな議論の末一カ月だけ例外として繰り上げて実施した。こういうことでございまして、ことしはそうじゃありませんから、これは原則どおり四月一日からの実施、かように原則に返った、こういう御理解を賜りたい、かように思うわけでございます。
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