予算委員会第四分科会

1986-03-06 衆議院 全529発言

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会議録情報#0
本分科会は昭和六十一年三月五日(水曜日)委員
会において、設置することに決した。
三月五日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
     野上  徹君     葉梨 信行君
     橋本龍太郎君     林  義郎君
     井上 一成君     神崎 武法君
三月五日
 葉梨信行君が委員長の指名で、主査に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
昭和六十一年三月六日(木曜日)
    午前九時開議
 出席分科員
  主 査 葉梨 信行君
      野上  徹君    橋本龍太郎君
      林  義郎君    井上 一成君
      伊藤 忠治君    小川 国彦君
      田並 胤明君    村山 喜一君
      神崎 武法君    中村  巖君
      渡部 一郎君
   兼務 稲葉 誠一君 兼務 上田  哲君
   兼務 大出  俊君 兼務 多賀谷真稔君
   兼務 細谷 昭雄君 兼務 和田 貞夫君
   兼務 渡辺 嘉藏君 兼務 水谷  弘君
   兼務 吉井 光照君 兼務 青山  丘君
   兼務 岡田 正勝君 兼務 横手 文雄君
   兼務 中島 武敏君 兼務 藤木 洋子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 今井  勇君
        労 働 大 臣 林  ゆう君
 出席政府委員
        厚生大臣官房審
        議官      木戸  脩君
        厚生大臣官房会
        計課長     末次  彬君
        厚生省健康政策
        局長      竹中 浩治君
        厚生省保健医療
        局長      仲村 英一君
        厚生省保健医療
        局老人保健部長 黒木 武弘君
        厚生省薬務局長 小林 功典君
        厚生省社会局長 小島 弘仲君
        厚生省児童家庭
        局長      坂本 龍彦君
        厚生省保険局長 幸田 正孝君
        労働大臣官房会
        計課長     石岡愼太郎君
        労働省労働基準
        局長      小粥 義朗君
        労働省婦人局長 佐藤ギン子君
        労働省職業安定
        局長      白井晋太郎君
        労働省職業安定
        局高齢者対策部
        長       清水 傳雄君
        労働省職業能力
        開発局長    野見山眞之君
 分科員外の出席者
        総務庁長官官房
        地域改善対策室
        長       熊代 昭彦君
        総務庁行政監察
        局監察官    長野 文昭君
        大蔵省主計局主
        計官      中島 義雄君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   小川  是君
        文部省高等教育
        局医学教育課長 佐藤 國雄君
        文部省体育局学
        校保健課長   下宮  進君
        文部省体育局学
        校給食課長   小西  亘君
        労働大臣官房参
        事官      竹村  毅君
        労働大臣官房政
        策調査部長   小野 進一君
        労働省労働基準
        局監督課長   菊地 好司君
        労働省労働基準
        局労災管理課長 松本 邦宏君
        労働省職業安定
        局障害者雇用対
        策室長     小倉修一郎君
        社会労働委員会
        調査室長    石川 正暉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  井上 一成君     田並 胤明君
  神崎 武法君     中村  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  田並 胤明君     小川 国彦君
  中村  巖君     鈴切 康雄君
同日
 辞任         補欠選任
  小川 国彦君     村山 喜一君
  鈴切 康雄君     渡部 一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  村山 喜一君     伊藤 忠治君
  渡部 一郎君     中村  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  伊藤 忠治君     井上 一成君
  中村  巖君     神崎 武法君
同日
 第一分科員稲葉誠一君、和田貞夫君、吉井光照
 君、中島武敏君、藤木洋子君、第二分科員大出
 俊君、細谷昭雄君、第三分科員渡辺嘉藏君、水
 谷弘君、第六分科員多賀谷眞稔君、第七分科員
 上田哲君、第八分科員青山丘君、岡田正勝君及
 び横手文雄君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和六十一年度一般会計予算
 昭和六十一年度特別会計予算
 昭和六十一年度政府関係機関予算
 (厚生省及び労働省所管)
     ――――◇―――――
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葉梨信行#1
○葉梨主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。
 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。
 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算及び昭和六十一年度政府関係機関予算中労働省所管について政府から説明を聴取いたします。林労働大臣。
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林ゆう#2
○林国務大臣 このたびの内閣改造によりまして労働大臣を拝命いたしました林ゆうでございます。諸先生方の今後ともの御指導、御鞭撻をよろしくお願いを申し上げます。
 昭和六十一年度一般会計及び特別会計予算のうち労働省所管分について、その概要を御説明申し上げます。
 労働省の一般会計の歳出予算額は四千八百八十八億五千二百万円で、これを前年度当初予算額四千八百九十二億二千三百万円と比較いたしますと、三億七千百万円の減額となっております。
 次に、労働保険特別会計について御説明申し上げます。
 この会計は、労災勘定、雇用勘定、徴収勘定に区分されておりますので、勘定ごとに歳入歳出予算額を申し上げます。
 労災勘定は、歳入歳出予算額とも一兆七千百九十五億五千八百万円で、これを前年度予算額一兆六千五百三十七億九千四百万円と比較いたしますと、六百五十七億六千四百万円の増加となっております。
 雇用勘定は、歳入歳出予算額とも一兆九千九百六十五億七千四百万円で、これを前年度予算額一兆九千八百九十三億九千六百万円と比較いたしますと、七十一億七千八百万円の増加となっております。
 徴収勘定は、歳入歳出予算額とも二兆五千四百六十六億七千九百万円で、これを前年度予算額二兆五千七十八億八百万円と比較いたしますと、三百八十八億七千百万円の増加となっております。
 最後に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の石炭勘定のうち当省所管分としては、炭鉱離職者の援護対策等に必要な経費として百七十四億五千万円を計上しておりますが、この額は、前年度予算額百七十九億三千五百万円と比較いたしますと、四億八千五百万円の減額となっております。
 昭和六十一年度の予算につきましては、限られた財源の中で各種施策について優先順位の厳しい選択を行い、財源の重点配分を行うことにより、新たな行政需要に積極的に対応し得るよう、きめ細かく、かつ、効率的な労働施策の実現を図ることといたしております。
 以下、主要な事項につきまして、その概要を御説明申し上げるべきではございますが、委員各位のお手元に資料を配付してございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。
 何とぞ、本予算の成立につきまして、格別の御協力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。
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葉梨信行#3
○葉梨主査 この際、お諮りいたします。
 労働省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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葉梨信行#4
○葉梨主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔林国務大臣の説明を省略した部分〕
 次に、その主要な内容について概略御説明申し上げます。
 第一は、高齢化社会における雇用と生活安定対策に必要な経費であります。
 本格的な高齢化社会の到来を迎え、経済社会の活力を維持、発展させていく上で、六十五歳程度までの高年齢者の雇用就業の場の確保は、早急に対処しなければならない極めて重要な課題であります。
 このため、六十歳定年を事業主の努力義務とすることなどを内容とする高年齢者の雇用就業対策に関する総合的な法律案を今国会に提出し、これらによって、六十歳代前半層までを含めた継続雇用の推進のための指導援助体制、助成制度の整備拡充、高年齢者の再就職の促進のための公共職業安定所の機能強化、定年退職後等における就業の場の確保等の総合的な雇用就業対策の推進を図ることとしております。
 また、公共職業訓練施設の高年齢者向け訓練科の増設等により、高年齢者の能力開発を促進し、さらに、高年齢者の職域の拡大と安全衛生の確保を図るため高年齢者向けME機器等の研究開発を推進するとともに、勤労者の老後生活の安定を図るための対策に関する総合的研究を推進していくこととしております。
 これらに必要な経費として、一千七十一億六百万円を計上いたしております。
 第二は、労働者の健康、安全確保対策と労災補償対策に必要な経費であります。
 高齢化の進展等最近の社会情勢の変化を踏まえ、年金受給者間の不均衡を是正するため年金給付の給付基礎日額に年齢階層別の最低保障額及び最高限度額を設定する等労働者災害補償保険の制度面における不均衡等の是正を図るための労働者災害補償保険法等の改正法案を今国会に提出することとしております。
 また、新技術の導入に伴う職場環境の変化等に対応した健康、安全対策、また、身体的健康のみでなく心の面を加えた健康確保対策など労働者の健康と安全を確保するための施策を総合的に展開していくこととしております。
 これらに必要な経費として九千七百七十七億四千九百万円を計上いたしております。
 第三は、中小企業労働者福祉等対策であります。
 我が国の企業の大多数を占める中小企業は、労働条件、福祉等の面で大企業との格差が大きく、中小企業に働く人々の福祉等の向上を図ることは、労働行政の主要な課題であります。
 特に、中小企業における退職金制度の導入は必ずしも十分ではなく、また、大企業との退職金水準の格差は極めて大きいという状況にあります。このため中小企業退職金共済制度について掛金納付月数の通算制度の拡充、掛金月額の範囲の引き上げ、掛金助成制度の新設、資金運用範囲の拡大等の整備充実を図ることとし、そのための中小企業退職金共済法の改正法案を今国会に提出したところであります。
 また、中小企業労働者の労働条件、福祉の向上を図るため、中小企業の人事労務管理改善施策を拡充し、国と都道府県が一体となった施策を推進するとともに、中小企業における安全衛生確保対策のより一層の推進を図ることとしております。
 これらに必要な経費として、四百八十七億三千三百万円を計上いたしております。
 第四は、労働時間の短縮と勤労者生活の向上対策に必要な経費であります。
 昨年六月に策定した「労働時間短縮の展望と指針」に基づき、社会的、国民的合意形成の促進、労使の自主的努力に対する指導援助等により、週休二日制の普及等の労働時間短縮のための施策を推進することとしております。
 また、勤労者生活の向上を図るため、持ち家融資制度等の充実による勤労者財産形成促進制度の活用を促進してまいります。
 さらに、最近、家庭の主婦層を中心に、増加の著しいパートタイム労働者については、その雇用の安定、労働条件の確保等を図るため、パートタイム労働対策要綱に基づき、労使に対する啓発指導等を一層推進するとともに、パートバンクの増設により職業紹介体制の充実を図ることとしております。
 これらに必要な経費として、二十四億百万円を計上いたしております。
 第五は、労働力需給の円滑な調整に必要な経費であります。
 本格的な高齢化社会の到来、ME化を中心とする新たな技術革新の進展、女子の職場進出、産業構造の転換等労働市場の構造的変化が進む中で、これらの変化に対応した労働力需給の円滑な調整が必要であり、このため、本年七月に予定されている労働者派遣法の施行を円滑に進めること等により、労働者派遣事業、民営職業紹介事業の適正な運営の確保を図り、さらに総合的雇用情報システムの導入等により、公共職業安定機関の労働力需給調整システム機能の整備を図ることとしております。
 また、ME化への対応のあり方について、ブロック別労使等会議の開催等により広範なコンセンサスの形成を促進するなどME化に対応した雇用対策を推進することとしております。
 これらに必要な経費として、一兆三千四百五十九億九千五百万円を計上いたしております。
 第六は、職業能力開発対策に必要な経費であります。
 昨年の職業能力開発促進法の制定を踏まえ、新時代の生涯職業能力開発を推進するため、生涯能力開発給付金制度の拡充、職業能力開発サービスセンターの増設等により、民間企業における計画的な職業能力開発を促進することとしております。
 また、技術革新の進展等の環境変化を踏まえつつ、離転職者、新規学卒者等の職業訓練を地域のニーズに応じて弾力的に実施するなど公共部門による職業能力開発を的確に推進するとともに、中小企業の社内検定に対する援助等を通じて職業能力評価体制の整備に努めることとしております。
 これらに必要な経費として、八百七億三千五百万円を計上いたしております。
 第七は、男女の雇用機会均等の確保等女子労働者対策に必要な経費であります。
 本年四月から施行される男女雇用機会均等法の周知徹底を図るほか、女子労働者と事業主との間に紛争が生じた場合の調停を行う機会均等調停委員会を各都道府県婦人少年室に設置し、その円滑な運営により紛争解決の援助を行うなど同法の円滑な施行を図ることとしており、また、女子が職業生活と家庭生活との調和を図ることができるようにするため、育児休業制度の普及を促進するほか、女子再雇用促進給付金を創設し、女子再雇用制度の普及促進に努めることとしております。
 これらに必要な経費として、二十七億九千七百万円を計上いたしております。
 第八は、障害者等特別な配慮を必要とする人々の職業生活援助対策に必要な経費であります。
 障害者の雇用機会の確保を図るため、身体障害者雇用率制度の適正な運営を図るとともに、重度障害者、精神薄弱者に重点を置いた雇用対策を推進するほか、障害者の能力開発対策を図ることとしております。
 また、身体障害者の社会復帰を促進するため、治療から社会復帰までを一貫して行う総合リハビリテーション施設の設置等を推進することとしております。
 このほか、季節・出稼ぎ労働者対策については、冬期雇用安定奨励金制度等の延長による通年雇用化の基盤の整備を図ることとしております。
 また、失業対策事業については、昨年十一月の失業対策制度調査研究会報告の趣旨に沿って、失業対策事業紹介対象者の年齢制限の実施等制度の改善を図ることとしております。
 さらに、国鉄余剰人員対策につきましては、昨年末に閣議決定された国鉄余剰人員対策の基本方針に基づき、関係省庁と協力しながら、余剰人員の再就職促進にかかる所要の法案を今国会に提出することとしております。
 これらに要する経費として、一千四百九十八億九千百万円を計上いたしております。
 第九は、労働外交の展開に必要な経費であります。
 近年、各国間の相互依存関係の深まりと我が国の国際的地位の向上に伴い、労働の分野においても、我が国の国際的責務にふさわしい積極的な活動が要請されております。このため、諸外国との相互理解の促進や国際協力の強化等対外労働政策を積極的に展開してまいります。中でも開発途上国の人づくり等に協力するため、職業訓練、労使関係等労働の各分野における技術協力を拡充強化することとし、特にアジア・太平洋地域技能開発計画(APSDEP)の活動を支援することとしております。
 これらに要する経費として、四十三億五千六百万円を計上いたしております。
 第十は、労使関係安定対策に必要な経費であります。
 産業労働懇話会等の労使の対話の場を設け、労使の相互理解と信頼を強化するための環境づくりを推進することとしております。
 これらに要する経費として、四億八千二百万円を計上いたしております。
 以上のほか、中長期的な労働政策の樹立と労働行政体制の整備及び一般行政事務費等に必要な経費を計上いたしております。
 以上、昭和六十一年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算について概略御説明申し上げました。
 何とぞ、本予算の成立につきまして、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
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葉梨信行#5
○葉梨主査 以上をもちまして労働省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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葉梨信行#6
○葉梨主査 この際、分科員各位に申し上げます。
 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
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井上一成#7
○井上(一)分科員 十年前に、今日の高齢化の社会を予測して、高齢化に対応する一つの制度がある自治体から生まれたわけです。それは、労働を通して、社会への貢献も含めて、定年退職後の生き方あるいは高齢者の生きがいというものとの取り組みが一地方自治体から生まれている。高齢者生きがい公社という形で当時は小さく発足したわけであります。国の方もいち早くその視点を強くとらえられて、名称はシルバー人材センターという名称に相なったわけでありますが、高齢者の就労対策というかそういう制度に取り組まれてからはや六年たつわけであります。その間労働省が果たしてこられた役割というものあるいは取り組んでこられた御努力は歩といたしますし、大いにその御苦労を謝し、また、今後の取り組みに私は期待をしたいわけであります。しかし、今日なお高齢化社会が進展していく中で、いわゆる高齢者の就業希望というものは増加の一途をたどっている、そういう現状に立ってシルバー人材センター制度の拡充をさらに図っていかなければいけない、こういうふうに思うわけであります。
 労働省として、シルバー人材センターについて今後とも強い育成、さらには拡充を図られることと思うわけでありますけれども、どのような方針でその拡充を図っていくお考えなのか、基本的な姿勢というか態度をお答えいただきたい。さらにあわせて、昭和六十一年度においてのいわゆる拡充を図るための諸施策、制度を含めた改善策等についてもこの際お聞きをしておきたい、こういうふうに思うのですが、まず最初に、その点について労働省からひとつ具体的なお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
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林ゆう#8
○林国務大臣 本格的な高齢者社会を迎えるに当たりまして、定年退職後におきましても臨時的あるいはまた短期の仕事をしたいという高齢者の方々が大変多くなっているような状況でございますから、こういった就業ニーズに適切に対応するということが労働政策の中で大きな課題となってまいっておるのでございます。
 そのために、現在国会に御提案申し上げております中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案におきましてシルバー人材センターの法制化を図りますとともに、設置基準の緩和、運営に対する補助の拡充などの措置を講ずることといたしております。
 労働省といたしましては、シルバー人材センターを高齢者対策の重要な柱と考えておりまして、今後とも一層の拡充を図ってまいりたい、このように考えておるのでございます。
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井上一成#9
○井上(一)分科員 具体的にシルバー人材センターのいわゆる法整備あるいは制度改善策についてはどういう取り組みを考えていらっしゃるか、その点について聞いておきたいと思います。
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白井晋太郎#10
○白井政府委員 お答えいたします。
 先生先ほどおっしゃいましたように、シルバー人材センターもようやく草創期を脱しまして、内容の充実強化を図るべき時期に差しかかっております。基本的には先ほど大臣がお答えしましたとおりでございまして、法律上位置づけるとともにこの拡充強化を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございますが、昭和六十一年度につきましては、既に設置、運営されております二百六十団体に加えまして三十団体の増設を図ること、それから二番目には、従来の設置基準を緩和しまして、会員数、就業延べ人員等から見て一定の行政効果が見込める地域に設置できるようにしていくこと、それから三番目としましては、自主事業の実施、事務局職員の研修、講習の実施、能力開発等に対する援助を拡充して円滑な運営を図ること、それから四番目には、任意就業に類似する臨時、短期的な雇用のあっせんを行うことができるように機能の拡充を図ること等の措置を具体的には講ずることでお願いいたしている次第でございます。
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井上一成#11
○井上(一)分科員 設置基準の緩和なりあるいは補助制度の拡大、さらにはその他のいわゆる組織の確立というか、基盤の整備というか、そういうことをやっていこうということについては、私は非常に評価をしたいと思いますし、ぜひそうあってほしい。さらに、そういう中からそれぞれの地域でシルバー人材センターの事業を向上させていくというのでしょうか、あるいは情報交換等も含めて今日の組織をさらに充実をした体制に整えていく。全国シルバー人材センター協議会というのがあるわけですけれども、このシルバー人材センターの主体性を持った事業発展のための努力、効果的に進めていくためにも、全国的見地から各シルバー人材センターの意見交換、今申し上げたような情報交換等も必要である。そういうことに対しての労働省のお考え、取り組みについてのお考えをさらに一点聞いておきたい、こういうふうに思います。
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白井晋太郎#12
○白井政府委員 先ほども申し上げましたが、先生御指摘のように、この全国シルバー人材センター協議会、これが全国的立場で中核的役割を果たしていくことが重要だというふうに考えております。
 具体的に申しますと、就業の場の開発とか能力開発その他につきまして経験交流や役職員の研修を行うなど、そういうことが重要だと考えているわけでございますが、六十一年度におきましては、これらのシルバー人材センター間におきます経験交流、役職員の研修等が円滑に、かつ効果的に実施されるように全国シルバー人材センター協議会、各シルバー人材センターを構成員とする全国団体でございますが、この協議会の業務の拡充を図りますとともに、補助する内容も充実させて、この効果を上げていくようにやっていきたいと考えている次第でございます。
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井上一成#13
○井上(一)分科員 さらに私はもう一点、高齢化が急速に進展をしていく、そういう今日の高齢化社会の中で高齢者の雇用の場というものがより広く、多く求められていくというふうに認識をするわけなんです。そういう高年齢者の就業ニーズに適切に対処していく、そういう意味では、単にシルバー人材センターの育成を援助していくだけではまだまだ不十分ではないだろうか。就業の機会を十分に確保していくということも一つの対策ではないだろうか。そういう意味で、就業機会を確保する一つの手だてとして、それぞれの自治体がシルバー人材センターに一定の業務を委託をする、そういうことも考えていくと、そのような委託業務に対する助成とか、あるいは何らかの対応措置が必要になってくるのではないだろうか。そういう意味で労働省のお考えを聞いておきたいと思います。
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清水傳雄#14
○清水(傳)政府委員 今まで御説明申し上げましたように、シルバー人材センターそのものの運営につきましての援助の拡充ということにつきまして行ってまいりたいと思っているわけでございますが、それとあわせまして、六十一年度におきましては新たに市町村が高齢者に向く臨時的あるいは短期的な仕事をシルバー人材センターに委託をする場合に、その市町村に対しましてそれに要する経費の一部を援助をする事業を新たに創設することといたしておりまして、これによりまして高齢者の臨時、短期な就業機会の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
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井上一成#15
○井上(一)分科員 委託する業務というのはどういう業務、自治体が委託するものにはすべてという認識に立ってよろしいのでしょうか。
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清水傳雄#16
○清水(傳)政府委員 その具体的な内容につきましては現在検討中でございますけれども、いずれにいたしましても六十歳を超えるような高年齢者の臨時、短期的な就業ニーズの増大に対処をして、その就業機会の確保を図るということが眼目でございますので、そういうような就業機会の提供に配慮できるような運営を目指して検討をいたしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
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井上一成#17
○井上(一)分科員 例えば公園の管理だとか、あるいは駐車場の管理あるいはプールの管理運営事業だとか、さらには庁舎の清掃管理委託業務、自治体がシルバー人材センターに委託をしているそのような業務は、当然今お答えになられた委託するに適当な事業だ、そういう事業に対しての補助を検討されていく、こういうふうに理解をしたいと思うのですが、それでよろしいでしょうか。
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清水傳雄#18
○清水(傳)政府委員 今先生の御指摘のような業務につきましては、従来からシルバー人材センターの受注対象になっておった業務でございますし、高齢者の就業機会の増大、確保に資するものであろうというふうに考えられるところでございまして、基本的には助成の対象になるものと考えておるところでございます。
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井上一成#19
○井上(一)分科員 私は、規制の緩和と基準の緩和あるいは補助制度の拡大等について非常に前向きに取り組まれていることについては重ねて評価をしたいし、これからも御努力を願いたい。ややもすると、一つの物差しで、人口だとかあるいはいろいろな行政的な冷たい物差しを当てがちでありますが、ひとつここは、シルバー人材センターについては十分に温かい、実態に即した対応を特に強く要望しておきたい。これは後で大臣から決意も聞かせていただきたい、こういうふうに思うのです。
 それで、続いて大臣に、パートで働いていらっしゃる方々に対する問題指摘は、予算委員会でも私は触れておったわけでありますけれども、きょうまた、パートで働いていらっしゃる方々に対する問題を指摘して、労働省の見解を聞かせていただきたい。
 実は、アメリカのコーネル大学のペンペル教授が、我が国の経済的成功の根源は何に起因するかを説いたその中で、とりわけ労働者の低賃金という位置づけをし、女子労働者については非常に日本における差別の状況がひど過ぎるということを指摘されているわけです。その中でも、とりわけ「下請け労働、パートタイム採用、低年齢での定年制および女子労働力の差別待遇が可能となるような、あるいはこれらを助長するような労働政策」をとったことがひいては我が国の経済成長の根源の要因でもあったと指摘している。それらを解消するための一つの方法として、私は、やはり何らかの対応策が必要になり、パートで働いていらっしゃる方々の一定の労働条件を改善していく、外国に改めて正しい認識を持ってもらうためにも、パート労働者に対する労働条件の改善、さらには保護ということが必要になるのではないだろうか。この教授は、所信として、そうすることが日米経済摩擦の解消にも役立つのだというようなことを披瀝しているわけなんです。私は、一つの提言としてこういうことが傾聴に値するのではないかと思う。
 そういう観点からいたしますと、やはりパート労働者に対する今日の対応、いわゆる法の中での一定の保護政策というのでしょうか、そういうものが十分でない、このことはきっちりとしていただかなければいけないのではないだろうか、こういうふうに思うのです。これも大臣の見解を聞いておきたいと思います。
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林ゆう#20
○林国務大臣 先ほどの人材センターの件につきましては、先生御指摘のように、温かい手当てを今後とも十分考えながら施策の上に反映させていきたい、このように思っております。
 また、パートタイム労働者の問題につきましては、今後ともますますパートタイム労働者というものがふえてくる傾向があらわれるというふうに思われますが、パートタイム労働者の労働条件あるいはまた雇用の安定等については、雇い入れに際しましては労働条件が不明確な場合が種々ございまして、これが問題点となって指摘されていうようなことでございます。このため、五十九年の十二月に、パートタイム労働者の定義の明確化、またパートタイム労働者の特性に配慮した労働条件の取り扱い等を含む総合的なパートタイム労働対策要綱を策定いたしまして、これに基づきまして労使等に対し手厚い指導を進めているところでございますが、特に六十年度からは、この要綱に基づきましてパートタイム労働旬間を十一月に実施をいたし、そして集中的に啓発活動を進めているところでございます。こういった問題、いっときも早く先生いろいろと御指摘のようなことの対応がなされるように、我々労働省といたしましても今全力を挙げて努力を重ねているということでございます。
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井上一成#21
○井上(一)分科員 研究会をつくって一生懸命おやりになっていらっしゃるということは予算委員会等でもお答えをいただいていますので、今労働者の法的な保護立法というか労基法というものがあるのだけれども、パート労働者に対してはその実態に即した労働保護法が完璧でない、不十分だ、しかし検討しているということについてはそれなりの評価をしたいと私は思うのです。
 むしろ、シルバー人材センターでもそうであったように、地方自治体から生まれてきた小さな声が大きな全国的な声として、さらに四年、五年おくれでやはり国は後追いをせざるを得ない、そういう実情である。高齢者の就労対策の問題は現実に今指摘をしたとおりなんですが、それは一生懸命やっていらっしゃる。
 パート労働者、労働省が把握されているもので、御婦人だけで全国に三百三十三万ですか、私は、実態としては五百万を超えると思うのですよ。これは相当な労働力になっている。そして、世界の目から見てもその労働力に対する位置づけというものは不十分である、そういうことを考えると、この際思い切って保護立法を制定していくのだ、何らかの形でそれに入り込むのだという決意が必要ではないだろうか、そのための研究会であってほしい、私はそう思うのです。
 だから、きょう何も労働大臣が、こうします、ああしますと言うことじゃなく、私の今の質問の趣旨というものを認識をし、理解をしてもらって、当然、パート労働力、パートで働いている労働者に対する新たな保護立法の必要というものはまず認識している、そのための研究会を通してのこれからの取り組みをしたいのだという御決意を持っていらっしゃるのか、そうでないのか、その点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
    〔主査退席、野上主査代理着席〕
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林ゆう#22
○林国務大臣 確かに先生御指摘のとおり、パートタイム労働者というのは男女合わせますと約五百万、その中で女子のパートタイム労働者というのは、労働省の調査では三百三十三万人おるわけでございます。こういった方々の、先生おっしゃられましたような御心配の点は、労働省といたしましても十分に念頭に置きながら、今いろいろと研究対策を進めているところでございますので、その点を御了承いただきたいと思います。
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井上一成#23
○井上(一)分科員 さらに私は、身体障害者の雇用という問題についてももっと新たな視点というか、新たな決意でもって取り組んでほしい。いろいろ御努力はいただいていますけれども、実態はかけ声だけに終わっている。私の承知している範囲でも、例えば障害者の雇用率についてそれぞれの省庁がどういう取り組みをしているか、もうこれは機会あるごとに申し上げているのですが、行政的な指導をしなければいけない立場の官公庁あるいはそれに準ずる特殊法人、もう全くもってその取り組みの状況が前向きでない。一々申し上げませんけれども、労働省はこういうことに対してどんな指導というか要請をなさっていらっしゃるのか。官公庁の問題もそうでありますし、とりわけ民間企業においては、大企業になるほど雇用率の未達成企業の割合は千人以上の民間企業においては七六・八%と、よくない。こういう形で本当に障害者の完全な社会参加が成り立っていくのかどうかということについてももっと強い決意で取り組んでもらわなければいけないと思うのです。この点についてはいかがですか。
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林ゆう#24
○林国務大臣 民間企業におきます身体障害者の雇用状況は、先生御指摘のように、企業規模が大きくなるに従いまして実際の雇用が雇用率に達していない企業の割合が高い傾向にございますけれども、最近においては、千人以上の大規模な企業においても雇用率が少しずつ改善の傾向が見られているような状況でございます。雇用率未達成の企業に対しては、雇い入れ計画その他で計画作成命令の制度やそれに基づく達成指導を今後とも強力に推進してまいりたいと思っております。
 また、特にこのような問題は、企業のトップに十分な理解を求めていかなければならないと思っておりますので、機会あるごとにこういった点について働きかけをしてまいりたいと思っております。
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井上一成#25
○井上(一)分科員 さらにもう一点、同和地区の人たちの就職については労働省も十分な取り組みをしていると信頼をしたいわけでありますが、まだいろいろ問題がある。雇用の場を確保しても、しかし、そこで起こる差別事件、差別の実態をどれほど承知しているのか。さらには、せっかく確保された雇用が差別によって奪われていくという実情をどう改善していくか、どう改めさせていくかという取り組みも必要になる。同和地区出身の人たちの労働の場、雇用の場を確保する、そういうことについての取り組みは労働省も一生懸命やっていただいているということで、私はそれは多としたい。しかし、そこで新たな問題として起こる差別、それからせっかく確保した労働の場が失われていくということに目を向けなければいけないし、その問題についてもきっちりと対応していかなければいけないと思うのです。そういうことについての労働省の取り組みを聞かせてください。
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白井晋太郎#26
○白井政府委員 先生御指摘の同和問題でございますが、我々といたしましては、採用選考時における就職差別等について、啓発指導を一生懸命やっているつもりでございます。その効果はかなり上がっているとは思いますが、依然として不適切な事象が起こっておりますし、差別とはいえないまでも、面接時の不適切な対応その他を含めますと、毎年千件に上るいろいろな事件が上がってきております。その都度改善のために指導を行っているところでありますが、今後とも努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
    〔野上主査代理退席、主査着席〕
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井上一成#27
○井上(一)分科員 それは手ぬるい。
 時間がありませんが、一つは高齢者に対する雇用の問題でシルバー人材センター、一つはパートで働いているパート労働者の問題、さらには障害者の問題、さらに同和問題としての雇用の問題、四つ指摘したのですが、最後の、新たな問題として起こっている、差別によってせっかく確保された職が奪われていくということについて、労働大臣、どう取り組みをされようとするのか。
 私は、労働省がもっとしっかりせぬといかぬと思うのです。雇用の場を与えることだけが労働省の仕事ではない。それからのアフターケアというのでしょうか、それから起こるいろいろなことをフォローアップしていかなければならない。その点について労働大臣にしっかりとお答えいただいて私の質問を終えますから、もうしっかり答えてもらわなければならぬと思います。いかがですか。
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林ゆう#28
○林国務大臣 先生御指摘の問題の中で、特に同和問題が我々の意識の中に、大変残念なことでありますけれども潜在的にまだある。こういったことは、あらゆる機会を通じてこういったことのないように啓発運動に私どもは取り組んでいるわけでございます。先生御指摘のような事例が各地でさまざまに見受けられることは、私どもにとりましては本当に残念至極なことだと思います。こういったことが今後とも起こり得るようなことのないように、私どもといたしましては全力を挙げて啓発運動に取り組んでまいりたいと思います。
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井上一成#29
○井上(一)分科員 終わります。
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