物価問題等に関する特別委員会

1988-04-21 衆議院 全209発言

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会議録情報#0
昭和六十三年四月二十一日(木曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 村山 喜一君
   理事 青木 正久君 理事 伊吹 文明君
   理事 川崎 二郎君 理事 高橋 一郎君
   理事 牧野 隆守君 理事 小野 信一君
   理事 山田 英介君 理事 塚田 延充君
      金子原二郎君    鴻池 祥肇君
      渡海紀三朗君    中村正三郎君
      穂積 良行君    谷津 義男君
      奥野 一雄君    草川 昭三君
      伏屋 修治君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      中尾 栄一君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局審査部長 植木 邦之君
        経済企画庁調整
        局審議官    長瀬 要石君
        経済企画庁国民
        生活局長    海野 恒男君
        経済企画庁物価
        局長      冨金原俊二君
        経済企画庁総合
        計画局審議官  宮本 邦男君
        経済企画庁調査
        局長      勝村 坦郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部生活経済課
        長       泉  幸伸君
        総務庁行政監察
        局監察官    石和田 洋君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第一課長   植苗 竹司君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第二課長   吉田  博君
        大蔵大臣官房参
        事官      林  正和君
        大蔵省理財局た
        ばこ塩事業室長 森田 好則君
        文部省初等中等
        教育局中学校課
        長       辻村 哲夫君
        文部省体育局学
        校保健課長   込山  進君
        厚生省保健医療
        局健康増進栄養
        課長      有川  勲君
        農林水産大臣官
        房審議官    赤保谷明正君
        農林水産省畜産
        局畜政課長   東  久雄君
        農林水産省畜産
        局牛乳乳製品課
        長       窪田  武君
        農林水産省畜産
        局食肉鶏卵課長 太田 道士君
        農林水産省畜産
        局流通飼料課長 田家 邦明君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 塩谷 隆英君
        通商産業省産業
        政策局消費経済
        課長      北畠 多門君
        資源エネルギー
        庁石油部流通課
        長       鴇田 勝彦君
        建設省住宅局住
        宅・都市整備公
        団監理官    丸田 哲司君
        建設省住宅局住
        宅総務課長   三井 康壽君
        自治省税務局府
        県税課長    小坂紀一郎君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ────◇─────
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村山喜一#1
○村山委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊吹文明君。
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伊吹文明#2
○伊吹委員 きょうは、先般中尾国務大臣企画庁長官からお伺いをいたしました経済運営、物価問題等についての基本的なお考えについて、若干のお尋ねをさせていただきたいと思います。
 先般伺いました御意見は、現下の日本経済あるいは日本の物価対策上まことに時宜を得た御発言であり、政策的には満点だと私は思っております。あと問題は、これを政治のスクリーンを通して民主主義の枠の中でどのように実行していくかという点にあると思うのですが、まず、大臣のおっしゃった第一の柱として、「内需を中心とした景気の持続的拡大」という点がございます。この点について、現在の日本が、大臣が政治家としてごらんになって、世界の先進国に比べて非常に住みよい、暮らしよい国だという御認識があるかどうか、その点についての評価を伺いたいと思います。
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中尾栄一#3
○中尾国務大臣 内需拡大また内需促進に比して日本の国民の暮らしそのものが直結しているかどうか、こういうような御質問であろうと思いますが、我が国の所得水準はこれまで非常に高い経済成長によって大きく上昇してまいったことは事実でございます。フロー面ではかなりの水準の生活を享受できるようになったことも事実であろうと思います。しかし、ストックそのものの現状を見ますると、住宅あるいはまた生活関連の社会資本の整備状況などは、欧米と比べまするとある程度の乖離がある、見劣りがすると言った方がいいでしょうか、そのような感じも受けないわけではございません。そういう結果に対しまして、私は、国民の充足感はそれほど高いものではないのではないかと思われます。
 また、非経済的な面を見ますると、平均寿命や犯罪等から見ました暮らしの安定度、また安全性といいましょうか、この点においては欧米先進国以上の水準にはありますが、労働時間等のような長さでは多少問題点もないわけではない、このように考えておりますので、お答えになるかどうかわかりませんが、私の率直な感じを申し述べさせていただきました。
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伊吹文明#4
○伊吹委員 大臣のおっしゃったことは私も全く同感でございます。確かに、自由社会、自由主義経済のもとで頑張れば何とかなるんだという気持ちで日本人が一生懸命頑張った結果、生産面あるいはその分配面においては日本は非常にいい国になったと私は思うのですが、しかしながら、確かにストックが不足しておる。現実の生活の豊かさというのは、そのストックが解け出して私たちの日常生活を潤してくるという面が非常に大きいと思うのです。そういう面からいうと、現在不足しているのは、大臣がおっしゃったように住宅、そして公共資本、それから迫りくる高齢化社会への備え、こういう物的なもの以外に、社会の秩序というか、人間の生きざまというか、お互いに日本に住んでてよかったという安心感、こういうものがすべて一体となって我々の豊かさというものを形成していると思います。そういう面からいうと、大臣の御認識のとおり公共資本あるいは迫りくる高齢化社会への備えというものが非常に不足しておるのではないかという危惧を抱かざるを得ません。
 一方、大臣がおっしゃった第二の柱である「自由貿易体制の維持、強化」という点でありますが、現在自由貿易体制の恩恵を受けまして、私どもは、経済企画庁の見通しによると、貿易収支で八百十億ドル、経常収支で七百二十億ドルの黒字を予想しておるわけでありますが、今一ドル百三十円といたしまして、この金額は約十兆円になります。これは、当然のことでありますが、外為会計を通じて過剰流動性として国内に存在するわけでありまして、円が比較的安定して、しかも外国に貸したお金が返ってくるという安心感があれば、これは外国へ貸せます。しかし、現状はなかなかそうではない。貸した債権は返ってこないし、円は非常にフラクチュエートする。貸して少し利子がついたと思えば円高差損で企業は大変な損をするということですから、お金の行き場がない。
 田中内閣、池田内閣のころは高度成長と言われて民間の活力が非常に高かったです。ですからこのお金は民間で使えた。私たちはこのお金を民間で民間の判断によって私たちの生活が潤う方向に使ってもらいたいと思いますけれども、現実にはこれはそうじやない。とすれば、これを民間で使い切れるような経済構造をつくっていかざるを得ないと思うのです。これは大臣がおっしゃった内需を中心とした景気の持続的拡大ということだと思いますが、新たな技術開発を行い、イノベーションの種を見つけ出して民間で使えるような経済構造にするには率直に言って私はかなり時間がかかると思いますが、そのあたりの大臣のお見通しはいかがでしょうか。
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中尾栄一#5
○中尾国務大臣 大変に御勉強家であられる伊吹委員の申すとおりでございまして、現実に私どもが国際関係において相当に恵まれたある意味における立場にあるという御指摘もそのとおりであろうかと思うのでございます。ただ、本格的な高齢化社会の到来を控えまして、国民生活の質の向上を図るためには、何といいましても我が国経済を先ほど御指摘の内需主導型の経済構造へ転換させまして、国内の豊富な貯蓄を住宅とかおくれていると言われている社会資本とかいうものに忠実に振り向けていくことが極めて大事であろう、こう思うのでございます。
 このために、政府といたしましては、住宅や生活関連の社会資本分野への重点的な資源配分を行うということが肝要でございますが、当然のこと、これまた御指摘いただきましたように民間の問題点にもなるわけでございますから、その点多少いろいろの問題は含まれると思います。しかし、民間活力の活用を図ること、あるいは促進させるということは、またエンカレッジさせることは私どもの使命でもなければならぬと思いますので、経済力を有効に活用いたしまして国民生活の質の向上に全身努力をささげる、このようにお答えさせていただきたいと思います。
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伊吹文明#6
○伊吹委員 大臣の大変力強い政治家としての御決意をいただいたわけでありますが、民間活力を中心としてやっていく。しかし、現実には十兆円というお金が民間に過剰流動性として残っておる。一方、国としては、やりたいことは社会資本、高齢化社会への対応、いろいろある。しかし、民間ではなかなか新しいイノべーションの種が出てこないので設備投資が進まない。十兆円を吸収するだけの設備投資が進まない。しかし、民間としてはお金をほっておくわけにいかない。土地を買う、株を買う、金を買う、骨とうを買う、甚だしくなると、買う物がなければ外国で盗んできた絵を買うということになります。ここで地価が上がり、財テクの弊害が言われます。土地が上がっても、なるほど土地転がしをした人は大いに潤うかもわからない。株でもうける人は個人としてはいいかもわからない。しかし、私たち日本人がその上で幸せに住む日本の国土は一平方メートルたりともふえたわけではない。
 ここで私たち政治家がやらなければならないことは、これは明らかであろうと思うのです。民間で余っているお金を国民として必要な分野へつないでやるということだと思うのです。つまり、民間に過剰流動性がある。やるべきことは、大臣御指摘のとおり住宅、公共資本、迫りくる高齢化社会への備え、これは公共部門がやらなくては仕方がないことです。
 民間のお金を公共部門へつなぐ方法は二つしかありません。一つは、借りるということ、国債を発行するということであります。一つは、税制改革を行ってその過剰流動性をパブリックセクターへ持ってくるということであります。このようなマクロバランスを考えた場合に、しかも財政の百五十兆円という建設国債、赤字国債の累積がある状態で、税制改革というものは日本国民の幸せのために避けて通れない大きな問題じゃないかと私は思うのですが、大臣のこのあたりの御所見を伺いたいと思います。
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中尾栄一#7
○中尾国務大臣 これまた何といいましょうか伊吹委員の御指摘のとおりでございまして、世界的に見ますると、確かに私どもも非常にウエルバランスな、ある意味において世界の国からうらやまれるような国力になったことは否定しがたいものでございますが、それが先ほど来申し上げておるような国民の生活に直結しているか、あるいはまた公共資本に十分に反映されているかとかいうようなことになってくると、先ほどの先生御指摘の十兆円の問題までも抱えて、一体これをどのように社会資本の方に転化させていくか、民間活力を活性化するか、これは全く問題だと思うのでございます。社会資本の整備水準について見ますると、先生御指摘のようにまだ十分とは申せません。早急に整備を推進していくことがまず肝要である。これが第一点でございます。
 社会資本整備の財源として公債を用いることがどうだ、こういう御意見もございましたが、世代間の負担の公平という観点からは考える必要があると私は考えております。しかしながら、今後は、高齢化の進展によりまして、将来の社会保障負担は増加するのではないかと予測をされます。したがいまして、国債費と社会保障負担とを合わせまして、次の世代といいましょうか、次世代を背負う方々に負担が大きくなることが予想されますが、このために公債の発行がある一面将来の世代の過度の負担となることのないような配慮もこれまた考えなければなるまい、こう思うておるわけでございます。
 なお、ある意味において中長期的な視点からの税制の問題についてもちょっと触れられましたけれども、税制のあり方なども考えますると、高齢化社会の進展などに対応いたしまして、国民が公平感を持ってある意味において納得していただく納税を賦課させるというような安定的な税制を確立することがこれまた御指摘のとおり肝要ではないかなと思うわけでございます。しかしながら、現行税制というものについては、現在税収に占める所得税、特に給与所得に対する税負担のシェアの上昇率などにゆがみが見られますから、こうしたゆがみの中で納税者の重税感、不公平感が高まってきているわけでございますから、顧みまして、この高齢化の進展などに対応しながら経済の活力を維持していくためにも、課税の公平、中立、さらに簡素の基本原則のもとで現行税制にある程度抜本的に見直しが必要なのかな。担当大臣といいますと大蔵大臣になりますけれども、私はそのように考えさせていただきたいと思っております。
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伊吹文明#8
○伊吹委員 大臣の御所見の中の第二の柱として、「自由貿易体制の維持、強化」ということを強調しておられます。現在、牛肉、オレンジの自由化問題について交渉が進んでおりますけれども、米国においても多くの制限品目があることは事実であります。そして、自由化された各品目についても、例えばEC諸国のように国境で調整関税制度を設けておる国もあることは事実でございます。日本も、私たちが国内の私たちの制度の中で外国を差別するということは国際化社会においてはしてはならないことでありますけれども、外国の制度と日本の制度が全く同じでなければいけないという外国の要求も、私は主権がある国家というものが存在しておる限りはやや無理があるんじゃないか。しかも、牛肉の自由化を進めてもそれに対する関税措置や課徴金制度は認めないなどということは、内政干渉じゃないかと私は思うんですね。私は都市出身の議員でありますから、農産品の自由化ということについては必ずしもかたくなではありませんが、それ以上に私は日本人でありたい。日本人として、日本という主権を持った国に住んでいる日本人でありたい。
 そういうことからいうと、いわゆるレシプロシティーという言葉がありまして、外国と日本は同じ制度でなければならないという主張と、制度は違うがその中でお互いに差別なく取り扱わねばならないというイコールトリートメントという言葉があります。現在の私の印象では、アメリカはややこのレシプロシティーとイコールトリートメントということを混同しておるのではないかと思わざるを得ないわけであります。
 しかし、同時に、私たち日本人が国際化時代に世界の中で生きていくためには、私たちの決断で、私たちの良識で、私たちが生きていくために私たちの制度をできるだけ国際的に近づけていく、レシプロシティーの原則に近づけていく。これはしかし私たち日本人の判断で近づけていくということだと思うのですが、これは大変微妙な問題で、大臣も国務大臣としてのお立場上、お答えにくい面もあると思いますが、現在のアメリカの交渉姿勢についてどのような印象をお持ちなのか、簡単で結構ですからお答えいただきたいと思います。
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中尾栄一#9
○中尾国務大臣 都会の御出身でございます伊吹先生、その都会という、農産物品には余り関係のないところであっても、日本人の発想としてはこうあるべきだし、またありたい、こう申されていることは真実であろう、このように考えております。
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伊吹文明#10
○伊吹委員 今の大臣のお答えを踏まえて、私たちの決断で私たちの制度を少しずつ自由化していかねばならないという問題について、一つの例を挙げてお伺いをいたしたいと思います。
 大変事務的なことでございますので、農水省の方から数字を簡単にお伺いいたしたいと思いますが、現在生糸の一元化制度というものが日本にございます。それと関連して、海外市場では生糸は今キロ当たり幾らになっておるか、そして国内の商品市場では幾らか。それから、商品市場に上場されてないけれども、一般の織物業者が手に入れる価格は大体幾らぐらいになっておるか。これは数字だけお答えをいただきたいと思います。
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赤保谷明正#11
○赤保谷説明員 お答え申し上げます。
 数字だけ申し上げますと、我が国に出回っている、これは中国物が輸入されておるわけですけれども、保税生糸が入っておりますが、それを国内で流通すると仮定をいたしまして、関税、諸掛かりを上乗せをしますと、その生糸はキロ当たり約五千円でございます。それから、海外相場といいますか、リヨンの取引価格、これは円換算をいたしまして五千八百七十六円程度でございます。
 それから、一方、国内の商品市場での相場でございますが、ことしの三月、横浜の現物価格は一万一千四百九円、それから生糸の個別の銘柄によりましては、良質のものについてはさらにプレミアムがついて現物価格にそれが上乗せられているということでございます。
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伊吹文明#12
○伊吹委員 今の御答弁でおわかりのように、海外の生糸の価格と国内で流通しておる価格は非常な差がございます。一方、国内の生糸価格を安定させるために蚕糸糖価事業団というものがあるわけですが、現在この事業団が想定をいたしております安定価格は幾らでありますか。
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赤保谷明正#13
○赤保谷説明員 いわゆる蚕糖事業団で生糸の需給操作を通じまして価格の安定を図っておるわけでございますが、六十二生糸年度に適用されます安定基準価格、これはキログラム九千八百円、それから上位価格が一万六百円、六十三年度についても同様でございます。
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伊吹文明#14
○伊吹委員 ということになりますと、一番高いのが市場で流通しておる日本市場での価格である。それから蚕糸砂糖類価格安定事業団で想定しておるのが今おっしゃった値段である。それで、海外ではもっと安く五千円である。こういうことです。
 一方で、繭糸価格安定法というのがありまして、その「目的」には、糸価の安定に努めねばならないと書いてあります。同時に、同二条には、今おっしゃった安定上位価格を維持するため、事業団は手持ちの生糸を放出することができる、こうあります。これはかなり市場価格を今おっしゃった九千八百円に安定させるために御努力をなすっておると思うのですが、そのあたりの放出量を、トータルで結構ですから、簡単に。
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赤保谷明正#15
○赤保谷説明員 いわゆる蚕糖事業団が抱えております在庫、それを価格安定のために放出しておりますが、昨年の十月以降ことしの四月までに十九回にわたって売り渡しをいたしております。トータルで申し上げますと、二万三千三百俵売り渡してございます。
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伊吹文明#16
○伊吹委員 事業団がそれだけ努力をして、しかも審議会で決めた安定価格というものが維持できずに海外に安い生糸がごろごろしておるという現状は、私はやはり問題だろうと思うのです。さらに一層、これは事業団に放出を含めて、特に私の伺うところでは投機的な動きがかなりあって、実際織元で糸を手に入れようとする人は大変な苦労をしておる。そして繊維が不況と言われる中でこういうことを放置しておくからこそ外圧というものをかけられるんだと私は思うのです。これは大臣の地元にも繭の養蚕農家はたくさんいらっしゃると思いますが、養蚕農家を守っていくためにも、あるいは我々都会の織物業者を守っていくためにも、我々がまさに我々の判断でできるだけ国際価格との差を埋めていかねばならない。しかも我々が決めた九千八百円という値段を現実の市場で大幅に上回るということが放置されておるというのは、非常に問題だと思うのです。国務大臣としての大臣の御所見を伺って、その後赤保谷審議官から、具体的に今後どう対応していただけるのかということを簡単にお答えいただきたいと思います。
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中尾栄一#17
○中尾国務大臣 国務大臣としてお答えさせていただくということが一番妥当かと思いますが、私も委員御指摘のとおり養蚕県の一翼を担っております。私がちょうど国会に出ました二十二年前でありますかには六万軒を擁した養蚕農家が、今や七千軒というぐらいでございますから、本当にある意味においては両輪、まさに養蚕農家がだめになれば製糸もだめになる。製糸とは両輪のような関係にございます。そういう点においての先生の杞憂は全く御指摘のとおりだ、このように考えております。
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赤保谷明正#18
○赤保谷説明員 お答えいたします。
 生糸の価格が異常にといいますか高騰いたしておりますので、先ほど申し上げましたように、昨年十月から事業団の在庫生糸の放出をいたしておるわけでございます。
 今後の問題につきましては、生糸価格の動向に対応いたしまして事業団による一般売り渡しを適切かつ機動的に行うとともに、生糸の需給状況、価格の動向、そういうものを考慮いたしまして一般売り渡し生糸に取引所の受け渡し供用品を導入するという措置を講ずる等いたしまして、さらに価格の安定に努めてまいりたいというふうに考えております。
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伊吹文明#19
○伊吹委員 大変ありがとうございました。今大臣のまさに政治家、国務大臣としての御見識に沿ってこの問題は解決をしていただきたい。
 特に農水省にお願いをしておきますが、実際商売をしておる連中にきちっと生糸が渡るような放出の仕方をお願いしたい。特にメーカーに渡るような形のお願いをすることと同時に、取引所が上場する生糸の条件が非常に厳しいわけですから、これを少し緩和していただくとか、あるいは取引が投機のための買いが入っているんじゃないかというようなところを監督官庁として厳しく検査をするなり監督をしていただきたいということを御要望しておきます。
 最後に、先般、我々物価対策特別委員会の総意として、いわゆるネズミ講、無限連鎖講の防止に関する法律の一部を改正する法律案が衆議院の本会議を通過したわけでありますが、新聞等で拝見しておりますと、このネズミ講の会長なる人物が、自分のやっているのは違法行為ではないが脱法行為であるとか、こうなったからにはネズミ講を維持することは難しいからやめるというような言動が見られるのは、国民感情からして私は非常に不本意なことだと思うのですね。せっかく我々の総意として、公序良俗を乱す、国民の生活に不安をもたらすようなネズミ講を禁止したわけですから、所得の把握とか、あるいは刑法上疑義があるのかないのか、私は専門家じゃないからよくわかりませんが、そのあたりを、政府としても、そして我々議員立法を出した者一同としても、しっかりとフォローしなくちゃいけないと思うのです。
 まず最初に、政府を代表して大臣に、関係省庁とそのあたりの協議をよくしていただいて、国民から黒いネズミが食い逃げだけしたと言われないように、この法律の所管省であり国民生活の総元締めである国務大臣として御見解を伺うと同時に、最後に委員長に、我々議員立法をした者としての気持ちもひとつ代表して、御開陳いただきたいと思います。
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中尾栄一#20
○中尾国務大臣 冒頭に申し上げたいのは、村山委員長を初めといたしまして、各党の本当に緊密なる連携と協力によりまして、先般あのような、日を見るような形で本会議を通過しましたこと、主管大臣といたしまして、まずこの席をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げたいと思う次第でございます。
 その後私もビデオでその会長なる人物の話も見ておりますが、いささかその発言の中にも不穏当な部分も感じざるを得ません。なかんずく、これは国家のためにやっているんだと言うに至っては、いささか私どももある種の憤怒の気持ちもないわけではないわけでございます。
 ネズミ講そのものを国債を使った形でやった、現行の法体系の中で違法となる活動に対する警察による摘発など行政としての対応の可能なものについては、私は国務大臣として積極的にこの問題に取り組むことをお約束させていただきます。
 なお、ちなみに、三月十四日、山形県の警察本部においては、もう既に国債ネズミ講に関する告発、さらにまた告訴というものを受理をいたしたということも報告を申し上げておきたい。これは中間報告でございますが、申し上げておきたい。
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村山喜一#21
○村山委員長 委員長としての所見を申し上げます。
 法の抜け穴をねらった、社会正義に反する国債ネズミ講などを阻止するために法改正が全会一致で可決されましたことは、御同慶にたえません。道義的に許されない脱法行為を積極的に推進をし多くの者に損害を与えている者は、現行法令に照らして厳しく対処すべきであると考えますので、関係機関に対して注意を喚起いたしたいと思います。
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伊吹文明#22
○伊吹委員 ありがとうございました。終わります。
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村山喜一#23
○村山委員長 次に、奥野一雄君。
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奥野一雄#24
○奥野(一)委員 質問に入ります前に、大臣きょうはいろんな御予定などが入っておられるようでございまして、大変お忙しいようでございますので、どうぞひとつ御自由にしていただきたいと思います。
 それでは、まず最初に、私は、軽油引取税の脱税問題について若干お尋ねをしておきたいと思います。
 私は六十一年の十月三十日の百七国会のこの物価問題に関する特別委員会で、粗悪ガソリンだとかあるいは石油税の脱税問題について若干の質疑をいたしてまいりました。そのときの答弁などを伺いますというと、今後こういうようなことは二度と起こらない、そういうふうに思っておりましたところが、今度はまたマスコミ等を大変にぎわしておりますように軽油引取税の脱税問題が起きてまいりまして、これは先日の予算委員会分科会でも取り上げられているところでございます。こうした行為というのは、今始まったという問題でなくて、やはり以前から行われておったのだろうと思います。もちろん今回のように組織的に相当多額な脱税というのは余り例がなかったかもしれませんけれども、主管庁としての自治省としてはどのような対応策というものを今日までとってこられたのか、また今後これに対してどういう対応をしようとするのか、その方針をひとつお尋ねをしたいと思います。
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小坂紀一郎#25
○小坂説明員 軽油引取税、六千億を超える都道府県にとって非常に重要な道路財源でございます。その軽油引取税が、先生御指摘のように、今までも時に触れて問題になってきた事例はございますが、それに対しては個別に対応を各県がしてまいりました。ところが、ここに参りまして、かなり広域的と申しますか、全国的にそういう不法な行為を行う事例が目立ってきたわけでございます。その根源を尋ねてみますと、現在の軽油引取税の税の仕組み、その制度を悪用すると申しますか、悪用して税逃れをしているというケースが多いように思われます。
 具体的に申し上げますと、ケースとしては幾つかに集約できるわけでございますけれども、一番目立つケースは、特約業者、これは元売と契約をしている特約業者でございますけれども、軽油引取税は特約業者の手を離れたときに課税をするという仕組みになっております。したがって、特約業者の手元にある限りにおいては未課税軽油ということになるわけでございます。したがって、その特約業者が未課税軽油を扱うことができる地位にあるわけでございますが、その地位をいわば悪用いたしまして、特約業者から販売業者に卸すときに未課税のまま軽油を販売した上でかなりの税額を未納のまま倒産をするあるいはドロンを決め込む、こういうケースが一つございます。
 それからもう一つ典型的なケースといたしましては、今度は卸から販売を受けた販売業者の方でございますけれども、その段階で軽油をほかの油とまぜることによって水増しをすると申しますか、量をふやして販売をするというようなケースがございます。
 それに対しまして、これは三十年という歴史がある税目でございますが、そのときどきの取引の態様に応じて、各県で、場合によっては隣同士ブロック会議を開くとか、あるいは問題をつかまえて私どもが間に入って関係県で連絡をとるとかというようにして対応してまいったところでございます。ところが、遺憾ながら社会経済が非常に広域化をする、それに応じて広域的に販売をする、広域的に脱税行為も行われるということになったわけでございます。
 そこで、そういう問題意識がございましたので、各県の軽油引取税の実務担当者に集まってもらいまして、一年ちょっとかけて研究会を持ちました。それで、先ほどその研究報告が出たところでございます。その中にある具体策を受けてできるものから取り組んでいくというのが私どもの姿勢でございますが、かいつまんで申し上げますと、元売業者、特約業者の指定要件あるいは指定の解除要件を明確にする、あるいは強化するというような提言。それから、混和を防止するための各県で足並みをそろえた臨店調査あるいはトラックをとめる路上調査を実施するというようなことを強化すべきではなかろうかというようなこと。それから一番肝心なのは、広域的に対応しなければいけないということが肝心な点でございますので、軽油の流通の情報、軽油がどういう経路で出回ってどういうところへ流れていっているかという情報を全国的に管理すると申しますか、そういうようなシステムをつくることはできないかというような提言。それから、そもそも各県で一斉に連絡を取り合わないと業者の動きがつかめない、即時の対応ができないということでございますので、そういった意味での広域的な調査体制を整備すべきであるというのが報告書の内容になっております。
 そこで、私どもといたしましては、この報告書を踏まえまして、脱税を防止するあるいは前もって脱税がしにくいような制度の仕組みをつくるというようなことで前向きに取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
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奥野一雄#26
○奥野(一)委員 今のお答えについては後でまた一つ一つ内容についてお尋ねをしていきたいと思いますが、その前に、資源エネルギー庁の方におきましても、昨年暮れの石油審議会軽油流通問題小委員会の中間報告が出されて、それに基づいて対応策の検討を行っているというふうに承知をいたしております。さらに海外調査なども行っているようでございますので、その状況も含めてひとつお伺いをしておきたいと思います。
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鴇田勝彦#27
○鴇田説明員 お答えいたします。一
 軽油流通市場につきましては、ただいま先生御指摘がありましたように、各般の不合理な取引慣行の存在という点で問題がございまして、昨年十二月初めに、石審の中に軽油流通問題小委員会が置かれておりましたが、中間報告を得ているところでございます。その中におきましては各般の施策の提言がされておるわけですが、特に脱税軽油の存在による市況の悪化、市況の混乱という点につきましては幾つかの施策の提言がございます。
 既に実施に移されておるものもございますが、具体的に申し上げますと、先生がただいま引用されました不法な軽油に対する灯油、A重油等の混入、これを防止するためには、これまでヨーロッパ諸国において数十年来実施されておりますところの、着色剤あるいは識別剤といったものを添加しておきまして実際に税務当局が不法混入をチェックする場合の一つのよすがにしようというアイデアがございまして、これにつきましては、昨三月から省内に検討委員会を設けまして、いろいろな問題点をチェックしております。具体的には、三月中に英、米、仏に海外ミッションを派遣いたしまして、それらの諸国でどういった実施体制がしかれておるか。特に消費者、需要家の立場からしますと、公害、安全性の問題等いろいろチェックしなければならぬポイントがございますので、これらについての情報を入手してきたところでございます。
 この着色剤の添加対策以外にも、そもそも合理的な取引慣行が存在してないような市況状況にございますので、元売あるいは販売業界等がきちっとした取引慣行を維持するための取引準則というものを策定したい。あるいは、具体的に申し上げますと、今年度予算で軽油流通の実態をもう少し詳しく調査分析をしてみようという予算も計上してございますし、先ほどの識別剤の関係で申し上げますと、民間の公益法人を活用いたしまして、試買検査、試し買いをしてもらいまして不法混入等の実態についての前さばきもしてもらおうというようなアイデアを考えているところでございます。
 識別剤、着色剤の添加問題につきましては、この七月ごろまでに省内の検討会の結果を得まして、もし可能であればこの秋からでも実施体制をしきたいと思っておりますけれども、これまでの我々の海外調査等を含めました検討結果では、県税チェック上かなり有益であるというような判断を得ておりますので、主管官庁でございます自治省と関係地方自治体とも御相談の上、ぜひとも実現の方向に持っていきたいと考えております。
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奥野一雄#28
○奥野(一)委員 今、自治省の方とエネ庁の方から今日までの状況等についてお伺いをいたしましたが、少し細部にわたってお尋ねをしておきたいと思っております。
 最初に、どっちが原因なのかということは私もよくわからないのですね。脱税というようなこと、それが主になっていって軽油の市場メカニズムというものが狂っていっているのか、不安定な状況になっていっているのか。そっちの方が先で、それの後にこの脱税という問題がついてきているのか。これはどういうような判断をお持ちですか。
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鴇田勝彦#29
○鴇田説明員 軽油流通秩序の混乱につきましてはいろいろな要因が分析されておりまして、十二月に出されました石審の中間報告でも、供給サイドの販売姿勢の問題あるいは購買業界の購買秩序の問題、それから先ほど来お話しになっております税金、特に軽油引取税の脱税問題というのが指摘されておりまして、我が方の石油審議会の軽油流通問題小委員会の御指摘の内容の中では、こういった軽油引取税の脱税による廉価コスト製品が市況に出回ることが市況の混乱の一因になっているという指摘がされております。
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