政治改革に関する特別委員会

1991-09-27 衆議院 全383発言

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会議録情報#0
平成三年九月二十七日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 小此木彦三郎君
   理事 石橋 一弥君 理事 粕谷  茂君
   理事 二階 俊博君 理事 野呂田芳成君
   理事 与謝野 馨君 理事 左近 正男君
   理事 佐藤 観樹君 理事 日野 市朗君
   理事 伏木 和雄君
      愛野興一郎君    新井 将敬君
      伊藤宗一郎君    石井  一君
      石破  茂君    衛藤 晟一君
      尾身 幸次君    奥野 誠亮君
      鹿野 道彦君    狩野  勝君
      金子原二郎君    川崎 二郎君
      小泉純一郎君    小林 興起君
      塩崎  潤君    鈴木 恒夫君
      住  博司君    武部  勤君
      武村 正義君    谷川 和穗君
      長谷川 峻君    畑 英次郎君
      浜田 幸一君    穂積 良行君
      星野 行男君    柳沢 伯夫君
      綿貫 民輔君    秋葉 忠利君
      池田 元久君    上野 建一君
      小岩井 清君    野坂 浩賢君
      前島 秀行君    松原 脩雄君
      松前  仰君    三野 優美君
      森井 忠良君    和田 貞夫君
      井上 義久君    北側 一雄君
      森本 晃司君    矢追 秀彦君
      木島日出夫君    吉井 英勝君
      川端 達夫君    江田 五月君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        建 設 大 臣 大塚 雄司君
        自 治 大 臣 吹田  愰君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      津野  修君
        国税庁課税部長 坂本 導聰君
        自治大臣官房審
        議官      田中 宗孝君
        自治省行政局選
        挙部長     吉田 弘正君
 委員外の出席者
        自治省行政局選
        挙部長選挙課長 谷合 靖夫君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  牧之内隆久君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       井戸 敏三君
        参  考  人
        (前選挙制度審
        議会副会長
        (東海大学法
        学部長))   佐藤  功君
        参  考  人
        (前選挙制度審
        議会第一委員
        会委員長   
        (慶應義塾大
        学法学部長)) 堀江  湛君
        政治改革に関す
        る特別委員会調
        査室長     岩田  脩君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月二十七日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     星野 行男君
  伊藤宗一郎君     穂積 良行君
  金子原二郎君     住  博司君
  小泉純一郎君     尾身 幸次君
  島村 宜伸君     武部  勤君
  浜田 幸一君     狩野  勝君
  和田 貞夫君     松前  仰君
  三浦  久君     吉井 英勝君
  菅  直人君     江田 五月君
同日
 辞任         補欠選任
  尾身 幸次君     小林 興起君
  狩野  勝君     浜田 幸一君
  住  博司君     金子原二郎君
  武部  勤君     島村 宜伸君
  穂積 良行君     伊藤宗一郎君
  星野 行男君     愛野興一郎君
  松前  仰君     上野 建一君
  吉井 英勝君     三浦  久君
  江田 五月君     菅  直人君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 興起君     小泉純一郎君
  上野 建一君     和田 貞夫君
九月二十五日
 小選挙区制・政党法反対、議員定数の抜本是正
 に関する請願(小沢和秋君紹介)(第八四七号
 )
 同(金子満広君紹介)(第八四八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第八四九号)
 同(児玉健次君紹介)(第八五〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第八五一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第八五二号)
 同(辻第一君紹介)(第八五三号)
 同(寺前巖君紹介)(第八五四号)
 同(東中光雄君紹介)(第八五五号)
 同(不破哲三君紹介)(第八五六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第八五七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第八五八号)
 同(正森成二君紹介)(第八五九号)
 同(三浦久君紹介)(第八六〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第八六一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八六二号)
 同(小沢和秋君紹介)(第八九九号)
 同(金子満広君紹介)(第九〇〇号)
 同(木島日出夫君紹介)(第九〇一号)
 同(児玉健次君紹介)(第九〇二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第九〇三号)
 同(菅野悦子君紹介)(第九〇四号)
 同(辻第一君紹介)(第九〇五号)
 同(寺前巖君紹介)(第九〇六号)
 同(東中光雄君紹介)(第九〇七号)
 同(不破哲三君紹介)(第九〇八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第九〇九号)
 同(古堅実吉君紹介)(第九一〇号)
 同(正森成二君紹介)(第九一一号)
 同(三浦久君紹介)(第九一二号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九一三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九一四号)
 同(小沢和秋君紹介)(第九六三号)
 同(金子満広君紹介)(第九六四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第九六五号)
 同(児玉健次君紹介)(第九六六号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第九六七号)
 同(菅野悦子君紹介)(第九六八号)
 同(辻第一君紹介)(第九六九号)
 同(寺前巖君紹介)(第九七〇号)
 同(京中光雄君紹介)(第九七一号)
 同(不破哲三君紹介)(第九七二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第九七三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第九七四号)
 同(正森成二君紹介)(第九七五号)
 同(三浦久君紹介)(第九七六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九七七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九七八号)
 小選挙区制の導入反対に関する請願(小沢和秋
 君紹介)(第八六三号)
 同(金子満広君紹介)(第八六四号)
 同(木島日出夫君紹介)(第八六五号)
 同(児玉健次君紹介)(第八六六号)。
 同(佐藤祐弘君紹介)(第八六七号)
 同(菅野悦子君紹介)(第八六八号)
 同(辻第一君紹介)(第八六九号)
 同(寺前巖君紹介)(第八七〇号)
 同(東中光雄君紹介)(第八七一号)
 同(不破哲三君紹介)(第八七二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第八七三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第八七四号)
 同(正森成二君紹介)(第八七五号)
 同(三浦久君紹介)(第八七六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第八七七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八七八号)
 同(小沢和秋君紹介)(第九一五号)
 同(金子満広君紹介)(第九一六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第九一七号)
 同(児玉健次君紹介)(第九一八号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第九一九号)
 同(菅野悦子君紹介)(第九二〇号)
 同(辻第一君紹介)(第九二一号)
 同(寺前巖君紹介)(第九二二号)
 同(東中光雄君紹介)(第九二三号)
 同(不破哲三君紹介)(第九二四号)
 同(藤田スミ君紹介)(第九二五号)
 同(古堅実吉君紹介)(第九二六号)
 同(正森成二君紹介)(第九二七号)
 同(三浦久君紹介)(第九二八号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九二九号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九三〇号)
 同(小沢和秋君紹介)(第九七九号)
 同(金子満広君紹介)(第九八〇号)
 同(木島日出夫君紹介)(第九八一号)
 同(児玉健次君紹介)(第九八二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第九八三号)
 同(菅野悦子君紹介)(第九八四号)
 同(辻第一君紹介)(第九八五号)
 同(寺前巖君紹介)(第九八六号)
 同(東中光雄君紹介)(第九八七号)
 同(不破哲三君紹介)(第九八八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第九八九号)
 同(古堅実吉君紹介)(第九九〇号)
 同(正森成二君紹介)(第九九一号)
 同(三浦久君紹介)(第九九二号)
 同(山原健二郎君紹介)(第九九三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九九四号)
同月二十六日
 小選挙区制・政党法反対、議員定数の抜本是正
 に関する請願(佐藤祐弘君紹介)(第一〇九五
  号)
 同(不破哲三君紹介)(第一〇九六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一〇九七号)
 同(金子満広君紹介)(第一二四五号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一二四六号)
 同(辻第一君紹介)(第一二四七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一二四八号)
 小選挙区制の導入反対に関する請願(小沢和秋
 君紹介)(第一〇九八号)
 同(金子満広君紹介)(第一〇九九号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一一〇〇号)
 同(児玉健次君紹介)(第一一〇一号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一一〇二号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一一〇三号)
 同(辻第一君紹介)(第一一〇四号)
 同(寺前巖君紹介)(第一一〇五号)
 同(東中光雄君紹介)(第一一〇六号)
 同(不破哲三君紹介)(第一一〇七号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一一〇八号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一一〇九号)
 同(正森成二君紹介)(第一一一〇号)
 同(三浦久君紹介)(第一一一一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一一一二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一一一三号)
 同(薮仲義彦君紹介)(第一一二四号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一二四九号)
 同(金子満広君紹介)(第一二五〇号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一二五一号)
 同(児玉健次君紹介)(第一二五二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一二五三号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一二五四号)
 同(辻第一君紹介)(第一二五五号)
 同(寺前巖君紹介)(第一二五六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一二五七号)
 同(不破哲三君紹介)(第一二五八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一二五九号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一二六〇号)
 同(正森成二君紹介)(第一二六一号)
 同(三浦久君紹介)(第一二六二号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一二六三号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一二六四号)
 小選挙区制・政党法反対に関する請願(木島日
 出夫君紹介)(第一二四四号)
 小選挙区比例代表並立制導入反対、議員定数の
 抜本的是正に関する請願(岡崎宏美君紹介)(
 第一二六五号)
同月二十七日
 小選挙区制・政党法反対、議員定数不均衡の是
 正に関する請願(寺前巖君紹介)(第一四二四
 号)
 同(寺前巖君紹介)(第一六二五号)
 小選挙区制・政党法反対、議員定数の抜本是正
 に関する請願(寺前巖君紹介)(第一四二五号
 )
 同(三浦久君紹介)(第一四二六号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一六〇六号)
 小選挙区制の導入反対に関する請願(小沢和秋
 君紹介)(第一四二七号)
 同(金子満広君紹介)(第一四二八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一四二九号)
 同(児玉健次君紹介)(第一四三〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一四三一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一四三二号)
 同(辻第一君紹介)(第一四三三号)
 同(寺前巖君紹介)(第一四三四号)
 同(東中光雄君紹介)(第一四三五号)
 同(不破哲三君紹介)(第一四三六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一四三七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一四三八号)
 同(正森成二君紹介)(第一四三九号)
 同(三浦久君紹介)(第一四四〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一四四一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一四四二号)
 同(山田英介君紹介)(第一四四三号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一六〇七号)
 同(金子満広君紹介)(第一六〇八号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一六〇九号)
 同(児玉健次君紹介)(第一六一〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一六一一号)
 同(菅野悦子君紹介)(第一六一二号)
 同(辻第一君紹介)(第一六一三号)
 同(寺前巖君紹介)(第一六一四号)
 同(東中光雄君紹介)(第一六一五号)
 同(不破哲三君紹介)(第一六一六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一六一七号)
 同(古堅実吉君紹介)(第一六一八号)
 同(正森成二君紹介)(第一六一九号)
 同(三浦久君紹介)(第一六二〇号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一六二一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一六二二号)
 同(永末英一君紹介)(第一六二三号)
 同(西中清君紹介)(第一六二四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二号)
 政党助成法案(内閣提出第三号)
     ――――◇―――――
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小此木彦三郎#1
○小此木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 三案審査のため、本日、参考人として前選挙制度審議会副会長佐藤功君及び前選挙制度審議会第一委員会委員長堀江湛君の御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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小此木彦三郎#2
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
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小此木彦三郎#3
○小此木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。尾身幸次君。
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尾身幸次#4
○尾身委員 私は、今回政府によって提案されました政治改革関連三法案につきまして、自民党の一員としてその原案作成の初期段階から携わってきた者の一人といたしまして、その方向及び内容について多くの疑問があるとの観点から質問をさせていただきます。
 もとより、政治改革は、新しい内外情勢の変化に対応して、民主主義の原点を踏まえつつ、政治が国民から負託された責務を正しく果たすためにぜひとも成し遂げなければならない課題でございます。この法案を取りまとめられた関係者に深く敬意を表する次第でございます。しかしながら、この三法案に盛り込まれました政治改革案のうち、特に小選挙区比例代表並立制の導入に関しましては、内外の諸情勢を踏まえ、民主主義の原点に立ち返ってみたとき、我が国将来の政治のあり方を過つおそれが強いと考えているわけでございます。そこで、この点を中心といたしまして幾つかの質問をさせていただきます。
 民主主義の基本である選挙制度の変更、改正を行うに当たりましては、我々は、現行中選挙区制度の長所、短所と、また新しく考えられている小選挙区比例代表並立制の長所、短所を十分に比較考量をいたしまして、そのどちらの制度が今後の我が国の国家社会の発展のために民主主義の基本原則から見てよりよい制度であるかということを冷静かつ客観的に比較考量し、分析した上で結論を出す必要があると考えている次第でございます。そういう意味で、私は、これから選挙制度改正の基本的な問題点について質問をいたします。
 まず、総理は所信表明演説の中で、現行中選挙区制度では、政策、政党を同じくする者同士が同じ選挙区で争い、そのために政治活動に金がかかり過ぎる、そして、その政治に金がかかり過ぎる点が政治が腐敗したり堕落したりする原因であるので、政策本位、政党本位の小選挙区比例代表並立制を導入すべきであるとされているわけであります。
 私も、政治に金がかかり過ぎるというのでこれを是正する、それが必要であるという点はまさにそのとおりであると考えております。ただ、しかし、小選挙区制にしたら金のかからない選挙が実現できるか否かについては大きな疑問を持つものでございます。例えば、小選挙区制の典型的な実例とされております奄美群島区ではほかの選挙区よりもはるかに厳しい選挙が行われ、そして金も多くかかっていることが現実であることは否定し得ないところであります。また、昭和二十二年に我が国が中選挙区制を導入した際にも、大先輩の小沢佐重喜先生が小選挙区制を採用し得ない理由として、小選挙区制は選挙抗争が非常に激烈になり、その結果は当然の事実として情実と投票買収が横行するとされて、金がかかることが小選挙区制の欠陥であるというふうにされているところでもございます。
 さらに、外国の例で見ましても、お隣の韓国でも、金のかからぬ選挙を実現するために、現在の小選挙区制から大選挙区制の方に変えた方がいいのではないかという主張が強くなっていることなどもございます。
 このように、過去の歴史や諸外国の実例を見ますと、中選挙区制よりも小選挙区制の方がお金がかからないという見解とはむしろ反対の現実や歴史の教訓が多いのであります。この点につきまして総理はいかにお考えか、お伺いをいたします。
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海部俊樹#5
○海部内閣総理大臣 私は、御引用になりましたように所信表明演説で申し上げました。私がなぜそういったことを言うかと申しますと、自由民主党が世の批判を受けて、政治改革をやろう、先輩方が集まって党の政治改革基本大綱をつくられたそのときの議論等は、私も当時その本部の一役員として参加しておりましたけれども、お金とそして政治行動、政治活動にまつわる関係、それが政治不信を生んだ一番大きな原因である上いうことを率直に反省しで、そこからスタートをしておりました。したがって、わかりやすい透明性なお金の流れをはっきりしなければならないという点と、なぜこんなに莫大にかかるのだろうかという点についてもいろいろ議論があったことを率直に思い起こします。
 それは、個人でいろいろ後援会をつくったり、個人で政策活動をしたり、選挙活動の大半を個人でやっておるというところに必要以上にお金がかかる面があるということも共通した認識でございました。お金はかかるけれども、それは限度を持ったものにきちっとしていかなければならないというようにするためには、一人だけに、いろいろ心の問題である、心の中に政治倫理を立てると言うだけではやはりいけませんから、制度的にもお金が必要以上にかからないようにしよう。と同時に、政党というものが活動するときに、政党の活動が議会制民主主義につながるわけでありますから、政党の機能というものをもっと強くし、政党の役割を強くし、個人が政党のやるべきことまでそれぞれ負担をしてやっておるような状況は変えていこうというような議論の結果小選挙区制に到達をしたものである、私はこう理解をしております。
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尾身幸次#6
○尾身委員 次に、現行の中選挙区制度と小選挙区比例代表並立制のどちらがより民意の反映がなされているかという点について伺いたいと思います。
 民意の反映という言葉について、政府及び野党等のこの国会の論争を伺っておりますと、いかなる制度が民意を的確に議席の数に反映できるかという議論に終始しているわけであります。つまり、その論争の中には、議席数が幾らになるかという議論が多いわけであります。そして、いかなる人物が有権者の代表として国会に送られてくるかという議論は全く欠落しております。私は、もとより、議席数に民意を反映することも必要であることはわかります。しかし同時に、選ばれてくる一人一人の政治家の人格、識見、有権者との信頼関係、そういうものに民意が反映されていなければならないと思うわけであります。言いかえれば、選ばれる人物に民意が反映されることが民主主義の基本原則であると思うのであります。
 政策本位、政党本位の選挙ということを言われておりますが、果たして本当にそれがいいのか。政党の政策といえば、いわばパンフレット一冊にまとめられたものであります。この各政党のパンフレットをそれぞれ読み比べて、どのパンフレットがいいから、その政党の政策がいいからこの政党の候補者に投票しようというほど単純なものではないと私は思うわけであります。
 去る七月の産経新聞に香山健一教授は、「二十世紀未の現在、世界的な規模で進行しているのは、イデオロギー政党ならびに近代組織政党の終焉(しゅうえん)である。画一的なイデオロギーで支配され、巨大な党員数を擁し、中央から末端に至る党官僚組織からなる近代組織政党モデルはいまや完全に時代遅れの存在となろうとしている。
 個性化、自由化、多様化、国際化、情報化などの構造的な変化が進展する新しい社会のなかにあって、有権者は二十四時間私生活を拘束するような強固な組織政党への忠誠心を持ちたいとは考えていない。有権者が求めているのは、激動する内外情勢のなかにあって国や地方の政治の進路選択のリーダーシップをとることのできる国会議員や地方議会議員である。」したがって、個々の政策についての判断が微妙に違うその中に個人個人の資質、能力、先見性、そういうものを生かして、有権者の望む方向、国のあるべき方向を見出していく個々の有能なる人物はだれかという選択を有権者が自分自身ですることを望んでいると主張しているわけでありますが、私はまさにそのとおりと思うのであります。
 中選挙区制においては同士打ちが起きるから、厳しい競争で金がかかる、小選挙区制は金がかからないということについて疑問があることは、先ほど質問したとおりであります。同じ選挙区で同じ政党の候補者が同士打ちを起こさない方がよいということは立候補する側の論理でありまして、有権者の側からこの問題を考えてみたときには、中選挙区制には有権者の選択の自由があるということであります。小選挙区制のもとにおいては、一つの政党から、例えば自民党から一人しか立候補できないために、有権者がその人を気に入らなかった場合どうしたらいいか。その場合には他の政党に投票するか、あるいは棄権する以外にないということになります。他方、現行の中選挙区制のもとにおいては、あの人はいい人だけれども○○党だからだめだ、あの人は立派な人だけれども××党だからだめだ、やはり自民党がいい、そしてその自民党の中で何人もの候補者がいるから、その中のだれが自分にかわって国政の場で国の方向を決めてもらうのにベストか、だれがふるさとの発展のために一番役に立つか、だれが自分の考えている政治の課題を解決してくれるか、そういうことを考えて人物を選び、投票をしているわけであります。つまり、今の中選挙区制度においては、政党の選択と人物の選択を有権者が同時に行っているのであります。これに対して、新しく考えられている小選挙区制のもとにおいては、有権者は政党の選択はできるけれども、人物の選択はできないということになります。つまり、言いかえれば、有権者が今まで持っていた政党を選ぶ権利と人物を選ぶ権利のうち、人物を選ぶ権利を政党が取り上げてしまう、有権者には政党を選ぶ権利しか残されていないということになるわけであります。私は、これは大変なことだと思うわけであります。
 このことは、私は、有権者が神様である、主権は国民にある、主権在民という民主主義の基本理念に反すると考えております。したがって、政党と人物の両方を選ぶ権利を有権者が持っている現在の中選挙区制の方が、民主主義の基本原則から考えれば断然すぐれた制度であると思うのであります。この点についての総理の御見解を伺います。
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海部俊樹#7
○海部内閣総理大臣 冒頭にお述べになった、中央に非常に強いコントロールがあって、全国末端までという政党の決めつけ、これは恐らく、私は香山先生の論文もいろいろ読ませていただきましたけれども、最近起こっておる東欧における、あるいはソ連における一党独裁の政治が終わりを告げて、複数政党の選挙制度を持ち込もうという動きのそういった背景をお書きになったものであり、そういった一党だけで支配をしようということはもう今日許されるものではない、それが世界の流れたというように私は読んだ結果受けとめさせていただきました。
 また同時に、今の中選挙区と小選挙区の政策を選ぶか、人物を選ぶかという御議論は、それは御議論として私も今拝聴をいたしておりましたけれども、しかし、議会制民主主義というものをつくって、そして国民主権である以上、それは手続によって代表者を選ぶ、正当に選挙をするというところにその焦点があるわけでありまして、選挙をされるときに有権者が投票行動をするときには、国家の安全と国民生活の安定、向上というものが政治の目指すべき大きな目標であり、それを国民がどちらを選択するかということは、政策を掲げる政党が自分たちの政策はこれである、我々が政権とったらこうなるんだということを選挙を通じて訴えて、そのような制度、仕組みの国にしたい、いや、このようなことがいいんだというような政策上の論争点で選挙というものは争われる。したがいまして、選挙においてそのときどき各党の公約合戦がある、公約を守れ、公約を守らない、いろいろな御議論が出てくるのもそういうことでございますから、私は、公約以前の問題としてその人の人物に対して選挙民がいろいろの批判、判断をされることは当然でしょうけれども、政党というものが候補者を立てて、同じ政策でやるんです、当選させてもらったら議会制民主主義に従ってそれが政権につながっていくことになるんですということを訴えながらやる選挙でありますから、小選挙区といえども必ずしも民主主義の方法に反するものとは思いませんし、現に、小選挙区制度を行っている先進国もたくさんあるということでございます。
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尾身幸次#8
○尾身委員 私は、政治改革そのものの必要性をもとより否定するものではございません。国民のために、我が国の繁栄のために正しい政治が実現できるシステムをつくることは極めて重要であると考えております。だからといって、政治改革即小選挙区比例代表並立制の導入ということには断じてなり得ないのであります。
 現行中選挙区制は制度疲労を起こしているとか、お金がかかり過ぎるとか言われておりますが、小選挙区と比べて、私はお金がかかり過ぎるという実態にはないと思います。そして、私はいろいろと総合的に考えてみて、有権者が政党と人物の選択を同時にできること、競争原理が働き、新人が出やすくて新陳代謝が確保され、政治に緊張感が保たれること、有権者の選択が党の決定よりも上位にくること、有権者が神様であるという民主主義の一番大切な基本原理が守られていること、また、野党との間で議論になっている得票数と議席数との関係についても、ほぼバランスのとれた数の配分に結果としてなっているなどという点を考えますと、現行中選挙区制度は、百点満点ではないけれども、小選挙区比例代表並立制よりもはるかにすぐれた制度であると考えているわけであります。
 中選挙区制は外国に例がないというようなことも言われておりますが、戦後四十六年間、あの戦争に敗れて廃墟の中から立ち上がった日本が、いわばマラソンで言えば一番びりからスタートをした日本が世界の各国を追い抜いて今や世界のリーダーとしてトップに立っている、トップランナーとして走っているというそういう現状を考えてみたときに、基本的な我が国の政治の枠組みが間違っていたのならば決してこれは実現できなかったということも確かなわけでありまして、そういう意味で、この基本的な枠組みを変えることは極めて問題があると考えているわけであります。
 時間がございませんから、最後まで質問をさせていただきます。
 選挙制度に反対する者は対案がないではないかと言われておりますが、私は、制度の持っている本質的な性格からして、現行中選挙区制の方がはるかに民主主義の理念に合致したすぐれた制度であると確信をしております。そこで、私は、政治改革の基本は、この中選挙区制度をもとにして定数格差の是正を実現するところにあると考えております。
 定数格差の是正については国会決議がございます。与野党一致した国会決議でありますから、それをベースとしつつ、中選挙区制度のもとで定数格差の是正を行い、そしてその前提において政治改革を実現していく。例えば資産公開、腐敗防止法の制定、これらを通じて正しい政治のあり方を確立していくことが極めて重要であると考えているわけであります。
 我々の仲間は、既に中選挙区制度のもとにおいて格差二倍以内にするという案を検討しているわけであります。定数格差の是正を実現することは、政治改革を目指す我々にとってどんなにつらくても苦しくても必要不可欠なことであります。我々は苦しさを避けるつもりはありません。つらさを避けているわけでもありません。この定数格差是正を中選挙区制度のもとにおいて行うべきだと考えております。選挙制度のあり方は我が国政治制度の枠組み、メカニズムの問題でありまして、定数格差の是正は、現行中選挙制度をとろうが、あるいは小選挙区比例代表制をとろうが、どうしても実現しなければならない課題であります。中選挙区制のもとにおいて定数格差の是正が非常に困難であるから小選挙区比例代表並立制という形でやるというのは、私は本末転倒であると考えているわけであります。
 以上、いろいろな点を指摘をいたしまして御見解を承っておりますが、私は、小選挙区比例代表並立制を中心とするこの政治改革三法案の底に流れる考え方は極めて一貫していると思っているわけであります。その考え方は政党本位の政治体制であります。政党がその構成員である政治家個人をコントロールし、管理する政治体制にする、そして有権者との結びつきは、個人対個人の結びつきではなしに政党と有権者の結びつきを重視する、有権者は政党を相手にして投票をするというものでありまして、いわば管理された政治、政党支配の政治、そういう方向を目指していると考えられるわけであります。したがって、その究極のあり方は、政党による管理体制の確立、政党による個人の規制、政党による個人の政治活動の抑え込み、管理、そういう方向を一貫して目指しているように私には感じられるわけであります。
 この三法案が通ったならば、地方区における公認の決定や比例区における順位づけを政党の幹部が行う、資金の配分も政党幹部に一本化するということで、公認、順位づけ、資金の三点から政党幹部にすさまじい権力の集中が起こるものと予想されます。その結果、政党幹部が国会議員の生殺与奪の権を握ることになり、政党ファシズムの台頭が懸念されるわけであります。そして政治家は、有権者の意向を尊重するよりも政党幹部の方に顔を向けるようになると思うのであります。総理は、もとよりこのようなことは全く考えていないとお答えになるかもしれませんが、制度の本質としてそのような欠陥を内蔵していると思うのであります。これは極めて憂慮すべきことであります。
 それに対して私は、これからの複雑多様化する社会においては、政党の個人政治家に対する規制、コントロールというものはできるだけソフトにした方がよいと考えております。むしろ個人個人が時代の流れに即応した判断をし、政治行動をする、そして個々の政治家が有権者と直接信頼関係によって結びついてその有権者のニーズや要望を吸い上げて、それをもとにして政党という組織を通じてコンセンサスをつくり上げ、日本の政治に反映していくべきである。私は、自由で濶達で、そしてオープンで開放的で、そしてまた多種多様な政治家が育つ、その多種多様な政治家の中で基本的に政治理念を同じくする者同士が集まって政党を構成し、そういう中からコンセンサスを確立して日本の方向づけをする、そのような政治のあり方がこれからの日本の方向づけ、国際社会のあり方を決める政治体制としてはベターである、その方か民主的である、より国民の意思に合っている、そのように考えるわけであります。
 したがって、この政治改革についての最大のポイントは、今後我が国がより管理された政治ファシズム、政党ファシズムの方向に行くか、あるいは自由な政治体制をとるかという基本的方向の選択の問題でありまして、私は、この両者を比較した場合に、どんなことがあっても、断固、より自由な政治体制をとることがこれからの国家社会の健全な発展のためにどうしても必要と考えているわけでございます。
 以上の諸点について最後に総理の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
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海部俊樹#9
○海部内閣総理大臣 今お述べになったことで、私も基本的な点だけ考えを率直に申し上げさしていただきますけれども、有権者の皆さんと個々の政治家がそれぞれ接触をして意見を吸い上げ、国会活動に反映させることは、これは極めて大切なことは御指摘のとおりであります。そして、小選挙区制の方が中選挙区よりもそういったことがすぐれるかどうかという点になりますと、やはり政党政治というものである以上は、御指摘のように政党ファッショになってもいけませんし、一極集中の政党になってもいけないということは最近の東欧の例が示すとおりでありますけれども、各選挙区ごとの政党の支部と今あります個人の後援会の事務所と、それの重なり合いなんかの実例をよく見てまいりますと、やはりいずれの政党でも、政権政党となろうとするときに、この中選挙区で複数以上の同じ政策を持った同じ党の候補者が相争うというところに、広報の宣伝の問題にしても、選挙の組織のつくり方にしても、日常の後援会との接触の仕方にしても、これは必要以上にお金がかかる面が出てくるということは、あえて一々申しませんが、私も一いろいろ御議論を調べてみますと、昭和三十七年のときの自由民主党の基本問題調査会の御議論や、あるいは四十五年、四十七年のころの選挙制度調査会の御議論や、いろいろその都度その都度先輩方の中に厳しい反省の声を上げて、だから小選挙区にして政党本位のことにしなければいけないということを指摘された例が随分たくさんございます。
 また、中選挙区制度というものがしかれましたときも、自由民主党の記録によると、大正十四年には、いわゆる護憲三派と言われた政友会、憲政会、国民党の連立内閣のもとにあったのでありますけれども、このときの選挙制度を決めるときのいろいろな主張を読んでみると、政友会は小選挙区制を主張された、憲政会は大選挙区制を都道府県単位で主張された、その三派のいろいろな話し合いの中で生まれたのがこの中選挙区制であったということが書かれておる。そして、そのころからずっと続いて、制度の中でよりよいものにしようとする努力を続けてきたわけであります。
 おっしゃるように、この中選挙区制度のもとで戦後の日本のこの成長、この発展、質の高さというものが確保されたことはそのとおりですが、率直に言って残念ながら世論の中には、正しい、正しくないは別にして、経済は一流、政治は三流というような言葉が時々活字になりました。それは政策を言うんじゃなくて、政治姿勢を問われた言葉であった。政治倫理の面から政治とお金の関係を厳しく問われたものであったと、私はそのように受けとめて歯を食いしばってきたことも事実でございます。ですから、その中で果たしてきた役割その他をもって、政策全体として間違いなかったから、平和を守り、経済を成長させ、国民生活を安定させた。そのとおりでありますから、私は、一面の、要するに陰の面として言われるような政治不信の問題を除くためには、ぜひ必要以上にお金がかからないような仕組み、制度をつくるとともに、法の規制もしていかなければならぬ、この両方から考えていくべきだと思っております。
 また、党内の問題については、これは党の問題ですからここでお答えするのはいかがかと思いますけれども、党の政治改革本部では、制度改革に伴う党の運営方針もあわせてこのように決定をして提案しておりまして、候補者の決め方とか集めた資金の分配方法とか、いろいろな問題についそは細心まで注意を払ってやっていくということをモデルに示しておりますし、最近のいろいろな党の機関の運営も、執行部に権力が集中するというような御批判をいただかないように常に心がけて対応しておるところでございます。
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小此木彦三郎#10
○小此木委員長 これにて尾身君の質疑は終了いたしました。
 次に、衛藤晟一君。
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衛藤晟一#11
○衛藤(晟)委員 衛藤晟一でございます。
 まず、総理にお尋ねをいたしたいというぐあいに思います。
 政治改革、そしてまた選挙制度に関してこの委員会で質問できることを非常に私はありがたいなと思っております。それででございますが、自民党の中におきましてもこれに対していろいろな疑義も出されております。こういう形の委員会での質問というかあり方というのは、総理は好ましいとお考えでしょうか、それとも好ましくないというぐあいにお考えでしょうか。
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海部俊樹#12
○海部内閣総理大臣 いろいろな議論が行われるということは率直に言って好ましいことだと思っておりますから、私も好ましく思って御答弁させていただいておるところでございます。
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衛藤晟一#13
○衛藤(晟)委員 ありがとうございました。
 それでは質問をさしていただきたいと思います。
 まず、政党本位ということについてでございますが、総理は、政党本位というお言葉と政策本位というお言葉を何度も何度もお使いになっておられます。一番耳につくのがその言葉でございますので、政治改革の中から選挙制度に関連をいたしまして、このことについて質問さしていただきたいというぐあいに思います。
 憲法四十三条には、「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」というぐあいに書かれております。国会を構成する最も基本的な存在は議員とお考えでしょうか、それとも政党とお考えでしょうか。
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海部俊樹#14
○海部内閣総理大臣 選挙され、選ばれてくるのは議員でありますし、また、現在の日本の制度、仕組みの中では議院内閣制という制度がありまして、それも議員の数というものが一番基礎になりますから、基本的に選ばれるのは議員であります。
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衛藤晟一#15
○衛藤(晟)委員 そうしますと、国会というのは本来、独立した議員の合理的な討論によって合意を形成していくということであろうかというぐあいに思います。それが、総理が言われますようにすべて政党中心、政党本位ということになりますと、いわゆる個々の議員というのは政党の将棋のこまになるのではなかろうか。もちろん、その政党内において議員の活発な議論は展開されるでありましょうが、どちらが主であり、どちらが従であるかということがはっきりされなければいけないと思うわけであります。総理は先ほど、国会の中における主体は議員であるということをはっきりおっしゃいました。そういたしますと、私は、それが政党本位、政党本位という言葉の中でいつの間にか、とりわけ日本のような集団主義をとりやすい中においては、結局は議員というのは、こういう改革をしていくことによって政党の将棋のこまになるのではないかという危惧の念を持っています。議員に個人の意見を求める必要というのは小さくなり、逆に、議員は政党の主張をオウムのように繰り返せばいいということになるのではなかろうかという感じがいたします。そうなりますと、何で五百名もの議員が必要になるのか。限定された党幹部と世論調査と、そして有能な党官僚がいれば議員は不必要になるというようなことになりはしないか、そういう危惧の念を私は持っています。個々の議員の存在価値はどこにあるのか、総理にお尋ねしたいと思います。
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海部俊樹#16
○海部内閣総理大臣 私は先ほど、選挙で選ばれるのが議員であると申し上げました。同時に、今の日本の国会は議院内閣制をとっておりますから、志を同じくし、政策を同じくする者が集まって結成する政党というものが、その多数党が政権政党になるわけであります。そして、それぞれの政策を国民のために実行するものであるということも、これは前回ここでお答えをしたところであります。したがいまして、今お互いおのおの所属する議員があって、それが届け出をして、そして議院内閣制のもとでこの議会というものを運営しておるわけであります。
 私は、議会制民主主義というものは個人政治ではなくて政党政治だということを申し上げました。それは、政策を同じくする者が政策を主張して政権を獲得するわけでありますから、そういった意味において議員が、志を同じくする者がたくさん集まる多数党の存在、多数党になれるかどうかということは選挙で議員が選ばれたその次に出てくる問題でありまして、議会政治というものを運営する上においては、政党というものの存在、その動きが非常に大切になってくるということでございます。
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衛藤晟一#17
○衛藤(晟)委員 そのとおりだというように私は思います。そのとおりではございますが、若干違うわけでございまして、そこで質問いたしたいと思います。
 総理、アメリカは議会制民主主義の国だというぐあいに思いますけれども、アメリカは政党政治でありましょうか、それとも政党政治ではないんでしょうか。
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海部俊樹#18
○海部内閣総理大臣 アメリカは大統領制の国でありまして、大統領府と議会との関係は、日本のように、議会制民主主議の国と違いますから、その意味では、政党政治といっても日本とは違うと思います。
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衛藤晟一#19
○衛藤(晟)委員 ちょっとこれは問題でございまして、それは行政のトップとしての長の選び方は大統領選挙で選ぶということでありまして、議会は同じなんですよ。今回、私ども言っておるのは、行政のトップとしての大統領は大統領選挙で選ばれるということと、内閣総理大臣が議会の多数によって選ばれるということの違いはあっても、同じ議会制民主主議なのであります。そのときに、このアメリカはいわゆる政党政治なのかどうかということをお尋ねをしているわけであります。どうですか。
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海部俊樹#20
○海部内閣総理大臣 どういう意味で議会政治あるいは民主主義ということをおとりになるのか。私は、アメリカも日本も民主主義であるということ、そして政党政治であるということは同じだと思います。ただ、議院内閣制と大統領制と制度、仕組みが違って、立法府と行政府の関係が違うということを申し上げたわけです。
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衛藤晟一#21
○衛藤(晟)委員 そんなこと聞いていない。私は、大統領制とそれから議院内閣制の違いを聞いているんじゃないのです。議会のあり方そのものを聞いているのです。
 私は、政党を超える議員の良心が時々あるのではないのかというぐあいに思っているのです。そしてその議員の良心を担保することが必要ではないのか、あるいは制度的に保障されることが必要ではないのかというぐあいに思っています。
 アメリカは、やはり大統領を選ぶときにははっきりとした政党政治をとっております。そしてまた、議員もおのおの政党に所属をいたしています。しかし、何かあったときに、こういうことをアメリカの議員は言っております。これはトーマス・フォーリー下院議長の弁であります。いわゆる湾岸戦争のときに彼はこう言ったのであります。
 「私は、レバノンに海兵隊を送る一票を投じたことを悔いている。それは三百人の海兵隊員が命を落としたからだけではなく、私が自信のないまま、確信のないまま、投票したからです。大統領に開戦の権限を与えるべきだと心から考えるひとは、賛成票を投じるのをためらうべきでない。しかし少しでも疑念がある人は、反対票を投じてほしい。」ここからが大事でありまして、「そしていかに票を投じようとも、投票の後、われわれは共和党員、民主党員としてではなく、アメリカ国民として団結しよう。良心に従って熟慮の上で、国のために最善をつくさんと、この歴史的な日に票を投じたアメリカ国民として」これが議長の弁であります。そして、アメリカはこの湾岸戦争のときに、三日間昼夜を問わず議論をいたしたそうであります。私は、すばらしい議会のあり方だなというぐあいに思っています。
 そういう意味においては、私は、先ほどもありましたように、憲法からも保障されていますように、議員の良心をいかなるものであっても侵してはならない、それを担保される必要があるというぐあいに考えておりますけれども、総理はどうでしょうか。
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海部俊樹#22
○海部内閣総理大臣 アメリカの議会で行われましたあの長時間にわたる討論、そして一人一人が自己の良心に従って行動をしたいと悩みながら最後の決断に至ったいろいろなことを読んで、私は、アメリカの議会政治の本質というものを厳しく我々に示されたように受けとめました。
 同時にまた、今、日本の場合でもいろいろな御議論があり、いろいろな意見の交流は、党内においても議会においてもそれぞれ行われておるものと考えますし、今度のこの政治改革大綱を自由民主党が平成元年五月につくりますときも、当時の党の執行部の皆さん方は大いに努力された。その後、また二年間にわたって三百回を超える御議論をなさったことも、その中で白熱のいろいろな御議論があったことも私はよく承知いたしており、それぞれの個々のものを尊重しなければならぬという気持ちも強く持っております。
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衛藤晟一#23
○衛藤(晟)委員 私は、やはり議員の良心が担保される必要がある、保障される必要がある、それが議会制民主主義をより伸ばす道だというぐあいに思います。そういう意味においては、我々は、国家と国会と、そして政党と議員と有権者、国民という間をいま一度真剣に考えなければいけないのではないのかというぐあいに本気で思っているのです。そして、そのことを我々は今回の政治改革、選挙制度改革の中で少し見落としてきたのではないのかという反省を私は持っております。それであるがゆえに今こういう質問をさせていただいているわけであります。
 議員個人の良心というものを重視し、担保しようと思えば、いろいろなものに頼らなくても、やはりできるだけ保障されるという選挙制度の方が望ましいというように思うのです。今の中選挙区制度も大変厳しい点があります。しかし、やはり議員の発言権の基盤というのは、一つは選挙区であると思います。選挙制度であると思います。自分が正しいことをやっている限り支援者は支持してくれると信じるからこそいろんな発言ができるのだ、そしてその良心が担保できるのだというぐあいに私は思っています。それが選挙制度の中においても担保されなければいけないというぐあいに思います。
 ところが、今回示されました改革案というものは、五年後にはすべての政治資金は党に一本化しますよ、そしていわゆる個人の後援会はなくしてすべて党組織一本で戦いますよ、そして公認や比例代表の順番を決めるのも党でやりますよということになってまいりますと、組織も資金も、そして人事もすべて党が握るということになります。そのときにいかなる形で議員個人の良心を担保しようとするのか、これは、できるできるというぐあいに一部言われている方もおられますが、私はその見通しは全く立っていません。この道をもし誤るのであれば日本の議会制民主主義は大変なことになってしまうというぐあいに思いますが、総理はどうお考えでしょうか。
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海部俊樹#24
○海部内閣総理大臣 その角度の御議論に対しては、議員一人一人の立場というものを今述べられたようにどのように党内民主主義で確保するかということについて、自由民主党はきょうまでも、例えばいろいろな機関の長を決めるときに党内民主主義的な発想に立っていろんな規制を持ったり、あるいは自制する制度を置いたりしてきましたが、今回それを制度に関する党運営方針として、選挙制度調査会と政治改革本部の合同会議で皆さんのそれぞれ活発な御意見をまとめて合意を得てつくった案が党にございますから、これを党内で実現することによって今おっしゃったような御意見やあるいは党内民主主義の確保はできるようになっておる、これは皆さんが認めて議論をしておつくりになったものだと、私はそう信じております。
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衛藤晟一#25
○衛藤(晟)委員 確かにその文はできました。しかし、自民党というのはありがたいところでありまして、いろんな議論を許していただきました。そのときに、私どもは当初から、政治改革そのものを直接的にやる部分と、それから定数是正と、そして選挙制度というのはおのずと分けて考えるべきものである、じっくりやっていただきたいということを何度も申し上げましたが、党の幹部はそれを聞き入れてくれなかった。意見は一応聞くけれども、それを聞き入れることはしなかった。その中に一部は入れていただきましたけれども、肝心の大きな方針については我々の意見が入れられなかったということだけ申し上げておきたいと思います。
 議員個人の良心が担保されるということは、最近ずっと見ましても、総理は党内民主主義は確保されるということを申しておりますけれども、それであれば、ソビエト共産党だって党内民主主義は理論的には確保されたはずなのですね。一党独裁であったからこそできなかったのです。私どもがいつも持っておかなければいけないものは、いわゆる選択の自由がより大きく確保された方がいいということと、そしていろいろな形でのチェックが入ることが望ましい、これが議会制民主主義を育てる一番の基本だと思うのですね。ところが、党内においてそれが確実にいくはずだという議論は、私はやはり大変だというぐあいに思っているのです。外からも選択の自由や、そしてチェックがいろいろな形でより働くことの方がいいことだというぐあいに思います。
 社会党や共産党が戦後数十年にわたって政権がとれなかった一番大きな理由は、政党本位の選挙をしたからであります。当初の社会党は、いわゆるマルキストやいろいろな方々を出してまいりましたけれども、個人本位の選挙ではなくして、いわゆる労組中心の政党本位の選挙をしてきたわけであります。本来多くの議員を出せばよかったのに、そして組織政党であればあるほど票割りが可能であったにもかかわもず政党本位の選挙だけをし、こういうことをやらなかったわけであります。それが第一の理由であるし、いま一つは、いわゆるイデオロギー的な組織政党としてやってきた、いわゆる自由な形で余りやれなかった、自民党の方がより柔構造社会でやってきた、国民政党としてやってきた、そのことが国民から支持を受けてきたのだというぐあいに私は思っておりますので、あえてそのことだけ申し上げておきます。
 過度の政党中心主義というのは、私は、必然的にみんなが批判してきたとこうの国対政治に行き着くのではないかという感を持っています。先ほどもちょっと申し上げましたように、すべてが政党中心になってしまいますと、政党と議員の関係が不明確なまま政党本位ということになってしまいますと、行き着く先はもっと激しい国対政治へ行くのではないのかという心配をいたしております。本当に政策中心ということで考えるのであれば、それは政党中心ということと矛盾することもあるのではないのかというように思います。政策が中心ならば、本来、党議拘束などということは緩めてもよいはずであるというように私は思っています。議員の良心と政策判断を重んずるようになれば、党と違う判断をすることもあり得るのではないのかというぐあいに思います。党議拘束をする必要がある時代というのは、いわゆるイデオロギー的にあるいは大きな体制の選択をせざるを得ない、そのときに私は確かに党議拘束は必要であろうかと思いますけれども、現代のように価値観の多様化が起こりながら、かつイデオロギー的な対立もなくなった、冷戦構造もなくなった、大きな体制の変化もなくなったという時代においては、私はそのような厳しい形の党議拘束は必要ではなくなったのではないのかというぐあいに思っていますが、総理はその点とういうぐあいにお考えでしょうか。
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海部俊樹#26
○海部内閣総理大臣 やはり政党政治を行っていきます以上、政策を同じくし、志を同じくする議員が集まって行う、そして、その政策を国民のために反映していきたいという大きな目的があって初めて議会制民主主義というものが確固たるものになっていくのだと私は考えております。そこで、院に対していろいろな届け出をして、政党に所属する議員の数というものが基礎になって議会政治というものが行われてきたという事実もございます。こういう現実の政治の中で、政策を同じくするということ、この政策を実現しようとする努力をするということ、それは党内の議論は御自由でありますし、また議員の良心に従っていろいろな御意見もあろうと私は思います。きょうまでも自由民主党の中ではいろいろな活発な議論が行われてきましたが、議論はあるけれども、決定されたことには最後の瞬間には従っていくというのが党のきょうまでの姿であったと私は思っておりますし、また民主主義というのは、多数の意見をいろいろ議論をする、どうしても意見が合わないときは多数の意見に従うという多数決の原理というものも、やはり民主主義の中には働いておるものと私は思うのです。
 先ほど来いろいろ御議論になりました、例えば日本は議会制民主主義の国である、アメリカも議会制民主主義の国でありますけれども、日本は議院内閣制の国であり、アメリカは大統領制の国の違いはあると言いましたが、しかし、アメリカの
される必要がある、保障される必要がある、それが議会制民主主義をより伸ばす道だというぐあいに思います。そういう意味においては、我々は、国家と国会と、そして政党と議員と有権者、国民という間をいま一度真剣に考えなければいけないのではないのかというぐあいに本気で思っているのです。そして、そのことを我々は今回の政治改革、選挙制度改革の中で少し見落としてきたのではないのかという反省を私は持っております、それであるがゆえに今こういう質問をさせていただいているわけであります。
 議員個人の良心というものを重視し、担保しようと思えば、いろいろなものに頼らなくても、やはりできるだけ保障されるという選挙制度の方が望ましいというように思うのです。今の中選挙区制度も大変厳しい点があります。しかし、やはり議員の発言権の基盤というのは、一つは選挙区であると思います。選挙制度であると思います。自分が正しいことをやっている限り支援者は支持してくれると信じるからこそいろんな発言ができるのだ、そしてその良心が担保できるのだというぐあいに私は思っています。それが選挙制度の中においても担保されなければいけないというぐあいに思います。
 ところが、今回示されました改革案というものは、五年後にはすべての政治資金は党に一本化しますよ、そしていわゆる個人の後援会はなくしてすべて党組織一本で戦いますよ、そして公認や比例代表の順番を決めるのも党でやりますよということになってまいりますと、組織も資金も、そして人事もすべて党が握るということになります。そのときにいかなる形で議員個人の良心を担保しようとするのか、これは、できるできるというぐあいに一部言われている方もおられますが、私はその見通しは全く立っていません。この道をもし誤るのであれば日本の議会制民主主義は大変なことになってしまうというぐあいに思いますが、総理はどうお考えでしょうか。
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海部俊樹#27
○海部内閣総理大臣 その角度の御議論に対しては、議員一人一人の立場というものを今述べられたようにどのように党内民主主義で確保するかということについて、自由民主党はきょうまでも、例えばいろいろな機関の長を決めるときに党内民主主義的な発想に立っていろんな規制を持ったり、あるいは自制する制度を置いたりしてきましたが、今回それを制度に関する党運営方針として、選挙制度調査会と政治改革本部の合同会議で皆さんのそれぞれ活発な御意見をまとめて合意を得てつくった案が党にございますから、これを党内で実現することによって今おっしゃったような御意見やあるいは党内民主主義の確保はできるようになっておる、これは皆さんが認めて議論をしておつくりになったものだと、私はそう信じております。
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衛藤晟一#28
○衛藤(晟)委員 確かにその文はできました。しかし、自民党というのはありがたいところでありまして、いろんな議論を許していただきました。そのときに、私どもは当初から、政治改革そのものを直接的にやる部分と、それから定数是正と、そして選挙制度というのはおのずと分けて考えるべきものである、じっくりやっていただきたいということを何度も申し上げましたが、党の幹部はそれを聞き入れてくれなかった。意見は一応聞くけれども、それを聞き入れることはしなかった。その中に一部は入れていただきましたけれども、肝心の大きな方針については我々の意見が入れられなかったということだけ申し上げておきたいと思います。
 議員個人の良心が担保されるということは、最近ずっと見ましても、総理は党内民主主義は確保されるということを申しておりますけれども、それであれば、ソビエト共産党だって党内民主主義は理論的には確保されたはずなのですね。一党独裁であったからこそできなかったのです。私どもがいつも持っておかなければいけないものは、いわゆる選択の自由がより大きく確保された方がいいということと、そしていろいろな形でのチェックが入ることが望ましい、これが議会制民主主義を育てる一番の基本だと思うのですね。ところが、党内においてそれが確実にいくはずだという議論は、私はやはり大変だというぐあいに思っているのです。外からも選択の自由や、そしてチェックがいろいろな形でより働くことの方がいいことだというぐあいに思います。
 社会党や共産党が戦後数十年にわたって政権がとれなかった一番大きな理由は、政党本位の選挙をしたからであります。当初の社会党は、いわゆるマルキストやいろいろな方々を出してまいりましたけれども、個人本位の選挙ではなくして、いわゆる労組中心の政党本位の選挙をしてきたわけであります。本来多くの議員を出せばよかったのに、そして組織政党であればあるほど票割りが可能であったにもかかわもず政党本位の選挙だけをし、こういうことをやらなかったわけであります。それが第一の理由であるし、いま一つは、いわゆるイデオロギー的な組織政党としてやってきた、いわゆる自由な形で余りやれなかった、自民党の方がより柔構造社会でやってきた、国民政党としてやってきた、そのことが国民から支持を受けてきたのだというぐあいに私は思っておりますので、あえてそのことだけ申し上げておきます。
 過度の政党中心主義というのは、私は、必然的にみんなが批判してきたとこうの国対政治に行き着くのではないかという感を持っています。先ほどもちょっと申し上げましたように、すべてが政党中心になってしまいますと、政党と議員の関係が不明確なまま政党本位ということになってしまいますと、行き着く先はもっと激しい国対政治へ行くのではないのかという心配をいたしております。本当に政策中心ということで考えるのであれば、それは政党中心ということと矛盾することもあるのではないのかというように思います。政策が中心ならば、本来、党議拘束などということは緩めてもよいはずであるというように私は思っています。議員の良心と政策判断を重んずるようになれば、党と違う判断をすることもあり得るのではないのかというぐあいに思います。党議拘束をする必要がある時代というのは、いわゆるイデオロギー的にあるいは大きな体制の選択をせざるを得ない、そのときに私は確かに党議拘束は必要であろうかと思いますけれども、現代のように価値観の多様化が起こりながら、かつイデオロギー的な対立もなくなった、冷戦構造もなくなった、大きな体制の変化もなくなったという時代においては、私はそのような厳しい形の党議拘束は必要ではなくなったのではないのかというぐあいに思っていますが、総理はその点とういうぐあいにお考えでしょうか。
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海部俊樹#29
○海部内閣総理大臣 やはり政党政治を行っていきます以上、政策を同じくし、志を同じくする議員が集まって行う、そして、その政策を国民のために反映していきたいという大きな目的があって初めて議会制民主主義というものが確固たるものになっていくのだと私は考えております。そこで、院に対していろいろな届け出をして、政党に所属する議員の数というものが基礎になって議会政治というものが行われてきたという事実もございます。こういう現実の政治の中で、政策を同じくするということ、この政策を実現しようとする努力をするということ、それは党内の議論は御自由でありますし、また議員の良心に従っていろいろな御意見もあろうと私は思います。きょうまでも自由民主党の中ではいろいろな活発な議論が行われてきましたが、議論はあるけれども、決定されたことには最後の瞬間には従っていくというのが党のきょうまでの姿であったと私は思っておりますし、また民主主義というのは、多数の意見をいろいろ議論をする、どうしても意見が合わないときは多数の意見に従うという多数決の原理とい、つものも、やはり民主主義の中には働いておるものと私は思うのです。
 先ほど来いろいろ御議論になりました、例えば日本は議会制民主主義の国である、アメリカも議会制民主主義の国でありますけれども、日本は議院内閣制の国であり、アメリカは大統領制の国の違いはある生言いましたが、しかし、アメリカの利になるということは間違いないわけでございますから、野党のほとんどは反対するであろうということも当初から予想されておりました。また、議会制民主主義のあり方をめぐって、与党の中にも半分ぐらいの疑念を持った人たちがいるということ一も予想されておりました。こういう中で今回スタートしたということについて、私は、これも若干軽率であったんではないのかなという感を持っています。
 そして三点目は、この制度改革によって、いわゆる政治改革ということはいいわけでございますが、選挙制度というのはいかに民意を反映し、そしていかに政権を安定させるかという二つの役割を持っているわけでありますから、将来についての検証が必要であった。いわゆる今後の政治理念、新しい政治理念とはどうあるべきか、あるいは今後を担うべき政党とはどうあるべきか、あるいは今後の立法府とはどうあるべきかという細かな検証が必要であったというぐあいに私は考えています。
 そのことだけ申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。
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