政治改革に関する調査特別委員会
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会
会議録情報#0
平成五年四月二十八日(水曜日)
午前九時三十三分開議
出席委員
委員長 田邉 國男君
理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
理事 中西 啓介君 理事 野田 毅君
理事 浜田卓二郎君 理事 左近 正男君
理事 堀込 征雄君 理事 伏木 和雄君
石井 一君 衛藤征士郎君
奥野 誠亮君 佐田玄一郎君
佐藤謙一郎君 自見庄三郎君
島村 宜伸君 武村 正義君
津島 雄二君 戸塚 進也君
額賀福志郎君 葉梨 信行君
穂積 良行君 星野 行男君
細田 博之君 増子 輝彦君
池田 元久君 大畠 章宏君
菅 直人君 小林 守君
後藤 茂君 佐藤 観樹君
田並 胤明君 早川 勝君
細川 律夫君 松原 脩雄君
井上 義久君 北側 一雄君
渡部 一郎君 木島日出夫君
川端 達夫君 柳田 稔君
出席政府委員
自治大臣官房審 谷合 靖夫君
議官
自治省行政局選 佐野 徹治君
挙部長
委員外の出席者
衆議院法制局第 臼井 貞夫君
一部副部長
自治省行政局選 松尾 徹人君
挙部選挙課長
自治省行政局選 中野 正志君
挙部管理課長
自治省行政局選
挙部政治資金課 大竹 邦実君
長
参 考 人
(読売新聞社論 島 脩君
説委員長)
参 考 人
(産業経済新聞 清原 武彦君
社常務取締役編
集局長)
参 考 人
(朝日新聞社論 中馬 清福君
説副主幹)
参 考 人
(毎日新聞社論 清水 幹夫君
説委員長)
参 考 人
(日本経済新聞 田勢 康弘君
社論説委員)
特別委員会第二 田中 宗孝君
調査室長
―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
大原 一三君 佐田玄一郎君
島村 宜伸君 星野 行男君
池田 元久君 佐藤 観樹君
岩垂寿喜男君 松原 脩雄君
土井たか子君 早川 勝君
大野由利子君 井上 義久君
倉田 栄喜君 渡部 一郎君
川端 達夫君 柳田 稔君
同日
辞任 補欠選任
佐田玄一郎君 大原 一三君
星野 行男君 島村 宜伸君
佐藤 観樹君 池田 元久君
早川 勝君 土井たか子君
松原 脩雄君 岩垂寿喜男君
柳田 稔君 川端 達夫君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
公聴会開会承認要求に関する件
公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
君外二十三名提出、衆法第六号)
衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
六君外二十三名提出、衆法第七号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
静六君外二十三名提出、衆法第八号)
政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
法第九号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
君外二十四名提出、衆法第一〇号)
衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
外二十四名提出、衆法第一三号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時三十三分開議
出席委員
委員長 田邉 國男君
理事 大島 理森君 理事 北川 正恭君
理事 中西 啓介君 理事 野田 毅君
理事 浜田卓二郎君 理事 左近 正男君
理事 堀込 征雄君 理事 伏木 和雄君
石井 一君 衛藤征士郎君
奥野 誠亮君 佐田玄一郎君
佐藤謙一郎君 自見庄三郎君
島村 宜伸君 武村 正義君
津島 雄二君 戸塚 進也君
額賀福志郎君 葉梨 信行君
穂積 良行君 星野 行男君
細田 博之君 増子 輝彦君
池田 元久君 大畠 章宏君
菅 直人君 小林 守君
後藤 茂君 佐藤 観樹君
田並 胤明君 早川 勝君
細川 律夫君 松原 脩雄君
井上 義久君 北側 一雄君
渡部 一郎君 木島日出夫君
川端 達夫君 柳田 稔君
出席政府委員
自治大臣官房審 谷合 靖夫君
議官
自治省行政局選 佐野 徹治君
挙部長
委員外の出席者
衆議院法制局第 臼井 貞夫君
一部副部長
自治省行政局選 松尾 徹人君
挙部選挙課長
自治省行政局選 中野 正志君
挙部管理課長
自治省行政局選
挙部政治資金課 大竹 邦実君
長
参 考 人
(読売新聞社論 島 脩君
説委員長)
参 考 人
(産業経済新聞 清原 武彦君
社常務取締役編
集局長)
参 考 人
(朝日新聞社論 中馬 清福君
説副主幹)
参 考 人
(毎日新聞社論 清水 幹夫君
説委員長)
参 考 人
(日本経済新聞 田勢 康弘君
社論説委員)
特別委員会第二 田中 宗孝君
調査室長
―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
大原 一三君 佐田玄一郎君
島村 宜伸君 星野 行男君
池田 元久君 佐藤 観樹君
岩垂寿喜男君 松原 脩雄君
土井たか子君 早川 勝君
大野由利子君 井上 義久君
倉田 栄喜君 渡部 一郎君
川端 達夫君 柳田 稔君
同日
辞任 補欠選任
佐田玄一郎君 大原 一三君
星野 行男君 島村 宜伸君
佐藤 観樹君 池田 元久君
早川 勝君 土井たか子君
松原 脩雄君 岩垂寿喜男君
柳田 稔君 川端 達夫君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
公聴会開会承認要求に関する件
公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六
君外二十三名提出、衆法第六号)
衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静
六君外二十三名提出、衆法第七号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山
静六君外二十三名提出、衆法第八号)
政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出、衆
法第九号)
公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹
君外二十四名提出、衆法第一〇号)
衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐
藤観樹君外二十四名提出、衆法第一一号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤
観樹君外二十四名提出、衆法第一二号)
政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君
外二十四名提出、衆法第一三号)
――――◇―――――
田
田邉國男#1
○田邉委員長 これより会議を開きます。
梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
この際、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
ただいま議題となりました各案につきまして、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →梶山静六君外二十三名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党助成法案並びに佐藤観樹君外二十四名提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
この際、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
ただいま議題となりました各案につきまして、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
田
田邉國男#2
○田邉委員長 起立多数。よって、そのとおり決しました。
なお、公聴会は来る五月十八日火曜日開会することとし、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
この発言だけを見る →なお、公聴会は来る五月十八日火曜日開会することとし、公述人の選定その他の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
田
田
田邉國男#4
○田邉委員長 本日は、各案審査のため、午前中、参考人として、読売新聞社論説委員長島脩君、産業経済新聞社常務取締役編集局長清原武彦君、朝日新聞社論説副主幹中馬清福君に御出席をいただいております。
なお、午後は、毎日新聞社論説委員長清水幹夫君、日本経済新聞社論説委員田勢康弘君の出席を予定しております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本委員会での審議に資するため、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序でありますが、島参考人、清原参考人、中馬参考人の順序で、お一人二十分程度に取りまとめて御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。御発言は、着席のままで結構でございます。
それでは、島参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →なお、午後は、毎日新聞社論説委員長清水幹夫君、日本経済新聞社論説委員田勢康弘君の出席を予定しております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本委員会での審議に資するため、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序でありますが、島参考人、清原参考人、中馬参考人の順序で、お一人二十分程度に取りまとめて御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。御発言は、着席のままで結構でございます。
それでは、島参考人にお願いいたします。
島
島脩#5
○島参考人 島でございます。
提案されております政治改革法案に関連して、政治改革論議についての私の考え方を申し述べたいと思います。
国政を預かる政党や政治家に課せられた重要な役割の一つは、利害調整機能であろうと思います。複雑に絡み合う国民各界各層の利害をどのように調整して大局的な立場から国益に沿った施策を展開するか。近年、特に国際政治経済の動向が国民生活に直結するようになり、その政治の利害調整機能は一層重要性を増しております。しかし、現実の政治はこれとは逆に、利害調整機能が著しく後退しているように見えます。国民の価値観が多様化して、調整が難しい政策課題がふえていることは確かでありますが、それに政治スキャンダルが加わって、政治改革、みずからの改革は遅々として進まない。こういったことに対する国民のいら立ちが募って、政治は危機的状況にあると言われるようになっておるわけであります。
政治改革というのは、政治が本来の利害調整機能を取り戻し、国政をリードしていくには、国権の最高機関である国会をどうやって再生すればいいのか。新しい時代認識のもとで、国会みずからが議論し、決定し、抜本的改革を断行することであると私は考えます。この機会を逃せば、単に政治改革の道が遠のくというだけではなく、日本の政治の後進性を改めて内外に印象づけ、日本という国への信頼性を大きく損なうことを覚悟しなければならないと思います。
これまで、政治スキャンダル発生のたびに、私たち政治記者も随分肩身の狭い思いをしてきました。今や政治の抜本改革ができるかできないかではなく、やらなければならない。今のような有権者が政治を冷笑しているような事態は一刻も放置すべきではないという焦燥感に駆り立てられている次第であります。この国会でぜひとも四法案を成立させていただきたい。危機感、切迫感を持って取り組んでもらいたいというのが私の第一の要望であります。
今度の政治改革の直接の発端は、リクルート事件から東京佐川急便事件、金丸問題に至る一連の不祥事でありますが、より本質的な問題は、やはり許認可権限、補助金支配の行政、それに伴う政治の行政化、それに選挙制度等のゆがみがもたらした政治そのものにかかわる構造的な問題であろうと思います。
現行の中選挙区制のもとで個人本位の選挙が長い間続いた結果、個別利益誘導型の政治が定着し、選挙地盤が私有財産化し、政党間の討論や政策論争は二の次になっています。後援会、派閥中心で選挙を争う限り、常に支持者や業界の利益を代弁する役割を宿命づけられることになります。これらの実態はここにいられる国会議員の方々が身をもって体験されていることであって、多弁を要さないと思います。もちろんこれには選挙民の側にも問題があります。ここをつかなければ、幾ら政治家のモラルを嘆き、政治資金の規制強化、選挙違反、腐敗防止に知恵を絞っても、なかなか効果を上げることは難しいだろうと思います。政治システム全体の転換が必要だと考えます。
私たちが、読売新聞の場合、特に四法案一括処理を当初から主張し続けてきているのも、腐敗や利権の絡む構造が国会議員の選出過程と不可分の関係にあるという認識に立ったからであります。
当委員会においても、これまでの論議を聞く限り、各党が一括処理の方向で足並みをそろえておられるように見えます。これも同様の理由からだろうと考えます。この立場を堅持して、選挙制度改革を含めて、ぜひ抜本改革をやり遂げてほしいと思います。
その選挙制度でありますが、単純小選挙区制の自民党案は民意の集約を目指すものであり、他方、社会、公明両党提案の小選挙区比例代表制は民意の公正な反映に重点が置かれております。考え方としては確かに水と油ほど違いますけれども、双方とも中選挙区制の弊害を認め、選挙制度の改革が必要であるという点では一致し、もはや中選挙区制の改革は公約になっていると断じてもいいと思います。もともと選挙制度は各国ともいろいろ違います。これなら絶対という制度はない以上、やはりお互い歩み寄って、接点を見出す努力が不可欠になるだろうと考えます。
ここで私の私見を申し上げれば、今回の選挙制度の改革は、どのような国家像を日本は志向しようとするのか、そのためにはどんな議会にすればいいのかといった問題を判断基準にすべきではないかと私は思っております。
国際情勢の激変、日本の置かれている立場を考えれば、これから二十一世紀に向けて日本はさまざまな国際責任、国際貢献を求められるようになります。そのたびごとに、これまでとは違った、大小さまざまな政治決断を迫られる局面が出てくることは間違いないでしょう。これまでのように、大国の舞台のそでに隠れて一国安泰主義を決め込むことはもはやできないし、そういったことは許されるはずもないでしょう。そういった世界からの課題に的確迅速に対処するには、やはり政権党が責任を持って決断する必要があるだろうと考えます。そのためには、民意を集約する小選挙区中心の選挙制度が望ましいと私は考えます。その政権党の選択が間違ったり失政があれば、次の総選挙で野に下り、政権交代となる可能性が高い。そういった問題を通じて政治に緊張感が生じ、有権者も政権を選ぶという立場から、そのときどきの政策課題、問題点を真剣に考えるようになるだろうと思います。有権者の意識改革というような面でも、私は小選挙区制中心の方が望ましいだろうと思います。
この点、比例代表の場合、多様な民意を正確に反映はしますが、政治が動かない、政治が機能しないおそれがありはしないか。政策決定にこぎつけることはできても、タイミングを逸しはしないか。あるいは多党化して小党がキャスチングボートを握るなど、政局不安定化を招くのではないか。さらにまた、公約に基づいて政策を実行し、その結果について責任を問うという議会政治の面では、責任の所在が不明確になるという面も私は心配するわけであります。
先ほど申し上げたように、国際化、高齢化の進行とともに、国民の間の利害が複雑に絡み合い、あちら立てればこちら立たずといった二律背反的な政策課題がふえております。また、世界と日本との調和という問題もあります。行財政改革に見られるように、民意、世論というものはとかく総論賛成、各論反対に陥りがちであります。特に犠牲や痛みを伴う問題を嫌うし、現状維持、既得権擁護に傾く傾向があります。政治もそれに迎合しがちであります。第二臨調の場合は、土光さんのカリスマ性で、国鉄、電電の民営化等々の改革を断行でさましたが、これは本来国会がやるべきことだっただろうと思います。そういったことが、比例代表制あるいは民意の公正な反映、価値観の多様化の縮図となったような国会の中でやれるのかどうなのかということに疑問を感ぜざるを得ないわけであります。
しかし、現実問題として、単純小選挙区制、自民党案が成立する可能性はほとんど絶無でございます。私は、せめて海部内閣時代の比例代表並立制で妥協が成立しないものかというふうに個人的には考えておりますけれども、これもどうも無理なようであります。とすれば、今民間政治臨調が出してきている小選挙区比例代表連用制は、妥協の誘い水にはなるではないか、この案に私は期待をかけざるを得ないのが現在の心境であります。
この民間臨調の連用制については、与野党の妥協を優先し過ぎたという点もあって、理念、哲学がないという批判があります。これはそのとおりだろうと思います。しかし、現実に歩み寄るには、これを軸に与野党が論議する以外にない。
この案は小選挙区の定数が三百になっておりますけれども、この三百ということになれば、選挙区の区割りも海部内閣時代に作成した案の手直し程度で、新たな区割り案作成の必要性はなくなり、次回選挙からの実行が可能となるというメリットがあります。また、勢力分野は現在の与野党の議席数に近いものになるという試算もありまして、こういったことを総合的に考えれば、連用制は現実的な案のように見えます。
ただ、比例代表名簿で複数政党が結合することと政策との関係はどうなるのか、あるいは第二票、小選挙区制のゆがみを是正する際の第二票の扱いについても種々問題があることは事実であります。
もう一点、民間臨調の案では、総理府の外局に政治資金委員会をつくって、政治資金収支報告書のデータベースをつくる、ここまではいいのですけれども、その後に違反事件の調査をするという項目がありますが、これが政党の活動に公権力が介入するという問題を生じないのかどうか、こういった点をもっと議論してみないとにわかに賛成できない面もあるわけであります。
いずれにせよ、連用制を軸に歩み寄りを図るほかはないというのが私の考えてあります。
政治資金制度については、企業・団体献金の廃止で与野党に違いがありますけれども、政党中心型への転換という意味では大きな差はありません。小さな相違点にこだわって、改革の実現そのものをおくらせることがあってはならないだろうと思います。したがって、この点も与野党の歩み寄りを十分図ってもらいたいと要望しておきます。
最近、もし与野党間で妥協が成立しなければ解散・総選挙という声があります。これらの人々は一体選挙で何を訴えるつもりなんでしょうか。政治改革、これだけ時間をかけて論議し、国民も注目している政治改革を途中でほうり出して選挙に持ち込む、その場合に政治改革なるものを一体どういうふうに選挙民に説明しようとするのでしょうか。この辺が私には理解できません。また、中選挙区制はだめだ、退路を焼き切る、こういうふうに言いながら、そのだめなものをもう一度選挙民に押しつけて選挙をやるということはどういうことなのか。この場合の政党としての責任はどうなるのか、これは問わなければならないだろうと考えます。特に政治指導者、宮澤首相を初めとする各党党首の力量と責任が問われている、これがこれから会期末にかけての大きな注目点だろうと思うわけであります。
私は党利党略というものをすべて否定するのは現実的ではないと思いますけれども、今ある政党のことを余り考えていては思い切った改革も実現できないし、妥協も成立しない。政治をすべて変えて新しいものをつくるという発想、それが政治改革であるという発想が必要だと思います。
いろいろ各党の案についてシミュレーションが行われていますが、これが果たして次の新しい選挙で当てはまるのかどうなのか。私はもっと違ったものになるのではないかという考えを持っております。それよりも、とにかく今、これまで中選挙区制のもとで政治行動を行ってきた政治家のイメージ、中選挙区制のもとで批判されてきた政治家の行動、そういった部分を削り取らなければ政治の再生は難しいだろう、この点をしっかり認識しておいてもらいたいと思います。
政治を志す有能な人たちが晴れて当選して中央政界へ登場しても、その翌日から選挙区の世話、金集めにエネルギーの大半を費やし、次の選挙で当選することばかりを考え、政治家として、国政を考え、国政に貢献する時間は少ない。恐らくそうした方々はこんなはずではなかったと思っていられるに違いないと思います。こんなことを繰り返していますと、政界に人材が集まらなくなる。公的補助もそういう意味では我々は賛成であります。本来ならもっと選挙民が身銭を切っても政治活動を助け、参加意識を持つということが必要なんでありますけれども、やはりこの際は政治改革をその突破口にしてもらいたいと思います。
戦後、既に半世紀近くたって、政治、経済、行政、社会制度、あらゆる面で制度疲労が生じております。そういった制度を時代に適合するように改めなければいけないんですけれども、政治改革はすべての改革の土台だろうと思います。しかし、その土台づくりが一番おくれているのが現実であります。個別利害、選挙区あるいは部分的な利益を優先する小政治を改めて、やはり国家的利益、世界的な平和と安定という立場からの政治が必要だろうと思います。歴史に対して責任を持つ大政治を展開するような、そういった日本の政治の仕組みをつくってもらいたいと私は思います。日本はそういった歴史に対する責任を持つだけの国力、資格を備えておると思います。あとは、それを背景に政治家がどのような心構えで取り組み、国際社会に貢献していくかということだろうと思います。もっと気力を持って、気迫に満ちた政治が展開できるような仕組みをつくってもらいたい、それが政治改革だろうと考えます。
政治は動機は正しくても結果が悪ければいけない、政治は結果責任であるというふうによく言われます。確かにそういう面はありますけれども、近年は、さきに述べたように、二律背反的な政策課題がふえている。国民に対して痛みと犠牲を説かなければならない。日本の進路についていろいろな議論をしなければいかぬ。国民にそういった厳しさを説き協力を求めるためには、政治家がみずから厳しく行動を律することが必要だろうと思います。その意味では、政治は結果責任ではあるけれども、その以前に、政治を実行する手段としての道徳の比重が非常に重要になってきているということを考えてもらいたいと思います。
政治制度を変えるだけではなしに、その政治制度の変革を通じて選ぶ側も選ばれる側ももう一度意識改革をする、そういった政治の改革、意識改革を通じて日本の政治というものを強固なものにしていく、それが今回課題になっている政治改革であるというふうに思うわけであります。
以上で私の発言を終わらしていただきます。拍手
この発言だけを見る →提案されております政治改革法案に関連して、政治改革論議についての私の考え方を申し述べたいと思います。
国政を預かる政党や政治家に課せられた重要な役割の一つは、利害調整機能であろうと思います。複雑に絡み合う国民各界各層の利害をどのように調整して大局的な立場から国益に沿った施策を展開するか。近年、特に国際政治経済の動向が国民生活に直結するようになり、その政治の利害調整機能は一層重要性を増しております。しかし、現実の政治はこれとは逆に、利害調整機能が著しく後退しているように見えます。国民の価値観が多様化して、調整が難しい政策課題がふえていることは確かでありますが、それに政治スキャンダルが加わって、政治改革、みずからの改革は遅々として進まない。こういったことに対する国民のいら立ちが募って、政治は危機的状況にあると言われるようになっておるわけであります。
政治改革というのは、政治が本来の利害調整機能を取り戻し、国政をリードしていくには、国権の最高機関である国会をどうやって再生すればいいのか。新しい時代認識のもとで、国会みずからが議論し、決定し、抜本的改革を断行することであると私は考えます。この機会を逃せば、単に政治改革の道が遠のくというだけではなく、日本の政治の後進性を改めて内外に印象づけ、日本という国への信頼性を大きく損なうことを覚悟しなければならないと思います。
これまで、政治スキャンダル発生のたびに、私たち政治記者も随分肩身の狭い思いをしてきました。今や政治の抜本改革ができるかできないかではなく、やらなければならない。今のような有権者が政治を冷笑しているような事態は一刻も放置すべきではないという焦燥感に駆り立てられている次第であります。この国会でぜひとも四法案を成立させていただきたい。危機感、切迫感を持って取り組んでもらいたいというのが私の第一の要望であります。
今度の政治改革の直接の発端は、リクルート事件から東京佐川急便事件、金丸問題に至る一連の不祥事でありますが、より本質的な問題は、やはり許認可権限、補助金支配の行政、それに伴う政治の行政化、それに選挙制度等のゆがみがもたらした政治そのものにかかわる構造的な問題であろうと思います。
現行の中選挙区制のもとで個人本位の選挙が長い間続いた結果、個別利益誘導型の政治が定着し、選挙地盤が私有財産化し、政党間の討論や政策論争は二の次になっています。後援会、派閥中心で選挙を争う限り、常に支持者や業界の利益を代弁する役割を宿命づけられることになります。これらの実態はここにいられる国会議員の方々が身をもって体験されていることであって、多弁を要さないと思います。もちろんこれには選挙民の側にも問題があります。ここをつかなければ、幾ら政治家のモラルを嘆き、政治資金の規制強化、選挙違反、腐敗防止に知恵を絞っても、なかなか効果を上げることは難しいだろうと思います。政治システム全体の転換が必要だと考えます。
私たちが、読売新聞の場合、特に四法案一括処理を当初から主張し続けてきているのも、腐敗や利権の絡む構造が国会議員の選出過程と不可分の関係にあるという認識に立ったからであります。
当委員会においても、これまでの論議を聞く限り、各党が一括処理の方向で足並みをそろえておられるように見えます。これも同様の理由からだろうと考えます。この立場を堅持して、選挙制度改革を含めて、ぜひ抜本改革をやり遂げてほしいと思います。
その選挙制度でありますが、単純小選挙区制の自民党案は民意の集約を目指すものであり、他方、社会、公明両党提案の小選挙区比例代表制は民意の公正な反映に重点が置かれております。考え方としては確かに水と油ほど違いますけれども、双方とも中選挙区制の弊害を認め、選挙制度の改革が必要であるという点では一致し、もはや中選挙区制の改革は公約になっていると断じてもいいと思います。もともと選挙制度は各国ともいろいろ違います。これなら絶対という制度はない以上、やはりお互い歩み寄って、接点を見出す努力が不可欠になるだろうと考えます。
ここで私の私見を申し上げれば、今回の選挙制度の改革は、どのような国家像を日本は志向しようとするのか、そのためにはどんな議会にすればいいのかといった問題を判断基準にすべきではないかと私は思っております。
国際情勢の激変、日本の置かれている立場を考えれば、これから二十一世紀に向けて日本はさまざまな国際責任、国際貢献を求められるようになります。そのたびごとに、これまでとは違った、大小さまざまな政治決断を迫られる局面が出てくることは間違いないでしょう。これまでのように、大国の舞台のそでに隠れて一国安泰主義を決め込むことはもはやできないし、そういったことは許されるはずもないでしょう。そういった世界からの課題に的確迅速に対処するには、やはり政権党が責任を持って決断する必要があるだろうと考えます。そのためには、民意を集約する小選挙区中心の選挙制度が望ましいと私は考えます。その政権党の選択が間違ったり失政があれば、次の総選挙で野に下り、政権交代となる可能性が高い。そういった問題を通じて政治に緊張感が生じ、有権者も政権を選ぶという立場から、そのときどきの政策課題、問題点を真剣に考えるようになるだろうと思います。有権者の意識改革というような面でも、私は小選挙区制中心の方が望ましいだろうと思います。
この点、比例代表の場合、多様な民意を正確に反映はしますが、政治が動かない、政治が機能しないおそれがありはしないか。政策決定にこぎつけることはできても、タイミングを逸しはしないか。あるいは多党化して小党がキャスチングボートを握るなど、政局不安定化を招くのではないか。さらにまた、公約に基づいて政策を実行し、その結果について責任を問うという議会政治の面では、責任の所在が不明確になるという面も私は心配するわけであります。
先ほど申し上げたように、国際化、高齢化の進行とともに、国民の間の利害が複雑に絡み合い、あちら立てればこちら立たずといった二律背反的な政策課題がふえております。また、世界と日本との調和という問題もあります。行財政改革に見られるように、民意、世論というものはとかく総論賛成、各論反対に陥りがちであります。特に犠牲や痛みを伴う問題を嫌うし、現状維持、既得権擁護に傾く傾向があります。政治もそれに迎合しがちであります。第二臨調の場合は、土光さんのカリスマ性で、国鉄、電電の民営化等々の改革を断行でさましたが、これは本来国会がやるべきことだっただろうと思います。そういったことが、比例代表制あるいは民意の公正な反映、価値観の多様化の縮図となったような国会の中でやれるのかどうなのかということに疑問を感ぜざるを得ないわけであります。
しかし、現実問題として、単純小選挙区制、自民党案が成立する可能性はほとんど絶無でございます。私は、せめて海部内閣時代の比例代表並立制で妥協が成立しないものかというふうに個人的には考えておりますけれども、これもどうも無理なようであります。とすれば、今民間政治臨調が出してきている小選挙区比例代表連用制は、妥協の誘い水にはなるではないか、この案に私は期待をかけざるを得ないのが現在の心境であります。
この民間臨調の連用制については、与野党の妥協を優先し過ぎたという点もあって、理念、哲学がないという批判があります。これはそのとおりだろうと思います。しかし、現実に歩み寄るには、これを軸に与野党が論議する以外にない。
この案は小選挙区の定数が三百になっておりますけれども、この三百ということになれば、選挙区の区割りも海部内閣時代に作成した案の手直し程度で、新たな区割り案作成の必要性はなくなり、次回選挙からの実行が可能となるというメリットがあります。また、勢力分野は現在の与野党の議席数に近いものになるという試算もありまして、こういったことを総合的に考えれば、連用制は現実的な案のように見えます。
ただ、比例代表名簿で複数政党が結合することと政策との関係はどうなるのか、あるいは第二票、小選挙区制のゆがみを是正する際の第二票の扱いについても種々問題があることは事実であります。
もう一点、民間臨調の案では、総理府の外局に政治資金委員会をつくって、政治資金収支報告書のデータベースをつくる、ここまではいいのですけれども、その後に違反事件の調査をするという項目がありますが、これが政党の活動に公権力が介入するという問題を生じないのかどうか、こういった点をもっと議論してみないとにわかに賛成できない面もあるわけであります。
いずれにせよ、連用制を軸に歩み寄りを図るほかはないというのが私の考えてあります。
政治資金制度については、企業・団体献金の廃止で与野党に違いがありますけれども、政党中心型への転換という意味では大きな差はありません。小さな相違点にこだわって、改革の実現そのものをおくらせることがあってはならないだろうと思います。したがって、この点も与野党の歩み寄りを十分図ってもらいたいと要望しておきます。
最近、もし与野党間で妥協が成立しなければ解散・総選挙という声があります。これらの人々は一体選挙で何を訴えるつもりなんでしょうか。政治改革、これだけ時間をかけて論議し、国民も注目している政治改革を途中でほうり出して選挙に持ち込む、その場合に政治改革なるものを一体どういうふうに選挙民に説明しようとするのでしょうか。この辺が私には理解できません。また、中選挙区制はだめだ、退路を焼き切る、こういうふうに言いながら、そのだめなものをもう一度選挙民に押しつけて選挙をやるということはどういうことなのか。この場合の政党としての責任はどうなるのか、これは問わなければならないだろうと考えます。特に政治指導者、宮澤首相を初めとする各党党首の力量と責任が問われている、これがこれから会期末にかけての大きな注目点だろうと思うわけであります。
私は党利党略というものをすべて否定するのは現実的ではないと思いますけれども、今ある政党のことを余り考えていては思い切った改革も実現できないし、妥協も成立しない。政治をすべて変えて新しいものをつくるという発想、それが政治改革であるという発想が必要だと思います。
いろいろ各党の案についてシミュレーションが行われていますが、これが果たして次の新しい選挙で当てはまるのかどうなのか。私はもっと違ったものになるのではないかという考えを持っております。それよりも、とにかく今、これまで中選挙区制のもとで政治行動を行ってきた政治家のイメージ、中選挙区制のもとで批判されてきた政治家の行動、そういった部分を削り取らなければ政治の再生は難しいだろう、この点をしっかり認識しておいてもらいたいと思います。
政治を志す有能な人たちが晴れて当選して中央政界へ登場しても、その翌日から選挙区の世話、金集めにエネルギーの大半を費やし、次の選挙で当選することばかりを考え、政治家として、国政を考え、国政に貢献する時間は少ない。恐らくそうした方々はこんなはずではなかったと思っていられるに違いないと思います。こんなことを繰り返していますと、政界に人材が集まらなくなる。公的補助もそういう意味では我々は賛成であります。本来ならもっと選挙民が身銭を切っても政治活動を助け、参加意識を持つということが必要なんでありますけれども、やはりこの際は政治改革をその突破口にしてもらいたいと思います。
戦後、既に半世紀近くたって、政治、経済、行政、社会制度、あらゆる面で制度疲労が生じております。そういった制度を時代に適合するように改めなければいけないんですけれども、政治改革はすべての改革の土台だろうと思います。しかし、その土台づくりが一番おくれているのが現実であります。個別利害、選挙区あるいは部分的な利益を優先する小政治を改めて、やはり国家的利益、世界的な平和と安定という立場からの政治が必要だろうと思います。歴史に対して責任を持つ大政治を展開するような、そういった日本の政治の仕組みをつくってもらいたいと私は思います。日本はそういった歴史に対する責任を持つだけの国力、資格を備えておると思います。あとは、それを背景に政治家がどのような心構えで取り組み、国際社会に貢献していくかということだろうと思います。もっと気力を持って、気迫に満ちた政治が展開できるような仕組みをつくってもらいたい、それが政治改革だろうと考えます。
政治は動機は正しくても結果が悪ければいけない、政治は結果責任であるというふうによく言われます。確かにそういう面はありますけれども、近年は、さきに述べたように、二律背反的な政策課題がふえている。国民に対して痛みと犠牲を説かなければならない。日本の進路についていろいろな議論をしなければいかぬ。国民にそういった厳しさを説き協力を求めるためには、政治家がみずから厳しく行動を律することが必要だろうと思います。その意味では、政治は結果責任ではあるけれども、その以前に、政治を実行する手段としての道徳の比重が非常に重要になってきているということを考えてもらいたいと思います。
政治制度を変えるだけではなしに、その政治制度の変革を通じて選ぶ側も選ばれる側ももう一度意識改革をする、そういった政治の改革、意識改革を通じて日本の政治というものを強固なものにしていく、それが今回課題になっている政治改革であるというふうに思うわけであります。
以上で私の発言を終わらしていただきます。拍手
田
清
清原武彦#7
○清原参考人 清原でございます。
私は、産経新聞の編集、論説を担当しておりますと同時に、さきに第八次選挙制度審議会の委員を務めさせていただき、今また政治改革推進協議会、民間の団体にも加わっておるということで、二重三重の人格を持ってこの場に出ておるわけでございますけれども、私なりに自己矛盾がないよう考え方を整理し、きょうはできるだけ明確に私の考えを申し上げたい。もし表現に不用意な点あるいは失礼に当たる点があればお許しをいただきたいと、最初にお願いいたしておきます。
なお、私のこれから申し上げます点は、ただいまの島参考人が言われたことと基本認識においてはかなり一致している点がございますが、あえて重複を恐れずに申し上げます。
第一に、最初に私が強調いたしたい点、これは政治改革論議の中でまず最初にクリアされなければいけない、しかし、国民の目には意外に明確に映し出されていない点がある。それは、なぜ今政治改革が必要なのかという点、これが一番本質的な問題だと思うわけですね。政治改革といっても、人それぞれに別の考え方で物を言っておられる面があるのではないか。
ただ、そうした中で、私は、今なぜ政治改革かという点で落とし穴が今の議論にあるとすれば、それは政治と金の問題、これが強調される余り、もう一つの大きな本質的な点が見落とされている。それは何かといいますと、今の激変する国際情勢、東西冷戦状態に終止符が打たれ、今世界は新しい国際秩序を求めて動いている。その中で日本がいかに対応するか。敏速な決断、動きが求められている。そういう中で政治がそれに対応し切れていない面があるのではないか。例えば、湾岸危機のときの対応しかり、あるいはウルグアイ・ラウンド、米の自由化の問題に関する対応しかりだと私は考えております。それは決して政治家、皆さん個人個人の責任だけに帰する問題ではなくて、私は、やはり大きな政治システム、それが戦後の長い期間の間で制度疲労を起こして機能しなくなっている、あるいは当初予想された国際情勢と今の情勢が大きく転換している。ですから、体の丈が変われば着物も変えなければいけないのですが、その辺がおくれているのではないか、こういうことでございます。
つまり、私が申し上げたいのは、政治と金の問題、これは共和、佐川あるいは金丸前副総裁の逮捕、こうした問題をめぐって国民の間の政治不信が高まり、緊急に解決されるべき問題である、その点には異存はありませんし、この政治改革への追い風は大いに利用されるべきでありますけれども、もう一つ根本を見据えて、今日本が求められている大きな政治、民意を集約して敏速に対応する政治、そうしたものへのシステムづくりという観点を第一にお考えいただきたい。この点の整理がつかないと、下手をすればせっかく盛り上がった政治改革の機運も、結局は末梢的な部分の処理に終わって、根本問題は先延ばしにされかねない、そうした危惧を持っておりますので、あえて強調するわけであります。
そこで、私は、これから五つの点について考え方を申し述べ、皆さんにぜひ今国会での御処理をお願いしたいと思います。
第一は、島参考人も言われましたけれども、与野党間においてほぼ合意ができている点、それは現在の中選挙区制度の弊害、これはもはや放置できないところに来ているということで、新しい制度を導入しなければいけないという点でおおよそのコンセンサスができているというふうに考えます。そこで、まずこの点を明確に合意いただいて、中選挙区はとにかく廃止する、そして新しい制度に踏み込む、この点を第一に御確認をいただいて次の議論に進んでもらう。既にもうそういう段階とは思いますけれども、これが第一。
それから第二点。しからばどういう新しい制度を導入するかという点でございますけれども、これは私は、先ほど申し上げました私の基本認識から御理解いただけると思いますけれども、民意を集約した大きな政治、これを第一に考えるべきだろう。それから、やはり政治に緊張感をもたらすために政権交代可能な制度、そしてまさに日本の新しい国際秩序づくりへの参画が求められているようなときにどういう政策を打ち出すか。そういうことを選挙でもあるいは国会内においても活発に議論がやりとりされる政党本位、政策本位のシステム、そういう選挙を考えますと、やはり小選挙区のメリットを生かした選挙制度を中心にお考えをいただきたい、これが第二点でございます。
第三点。ただし、私は、先ほど大きな政治の実行という点を強調する余り、政治と金の面は二義的であるかのような印象を皆様にお与えしたかもしれませんけれども、これはもちろん国民の政治不信解消という意味で、政治改革の大きな柱であります。と同時に、選挙制度改革どこの政治と金の問題、つまり具体的に申しますれば、選挙制度改革と政治資金規正法の強化、改正、この問題は車の両輪であります。ぜひこれはやはりこの国会で処理していただきたい。
第四点。今、この選挙制度と政治資金の改正は車の両輪と申し上げました。両輪である以上、片一方が外れれば車はひっくり返ってしまいます。ぜひ今国会で一括処理をお願いしたい。もちろんこれに付随しまして、政党への公的助成の問題、こうした問題も一括処理さるべき問題であると考えます。
第五点は、具体論というよりは、これはお願いでございますけれども、政治改革は今国会が恐らく最後のチャンスであろう。これだけ国民の世論が高まり、皆様方も一生懸命取り組んでおられる、この時期を失して抜本改正が見送られれば、将来このようなチャンスはまたと来ないのではないか。そういう意味において、ぜひ今国会で今私が申し上げたような諸点、できれば、選挙制度改革は衆参一体で考えられるべきですので、参議院選挙制度改革もと申し上げたいところですが、これは現実には無理でございましょう。ですから、今私が申し上げましたような点については、ぜひ今国会で解決をお願いしたいと思います。
さて、今申し上げました五点のうち選挙制度改革、これがやはり大きな政治を行う上で一番大事な点であると私は考えます。
よく議員の皆様あるいは学者の方などから、政治改革論議を選挙制度改革論議に矮小化するなという言葉が聞かれます。私は、これは逆ではないか。つまり、まあ鶏が先か卵が先かの論議ですが、政治が正しく改まれば制度を改革する必要がないという議論もあるでしょうけれども、やはりこの四十年間のよどみ、これは制度を大きく変えることなくして大きく変わることはないというのが私の認識でありますし、基本的には金のかかる政治あるいは派閥政治あるいは選挙において地元への利益誘導、後援者への利益誘導、こうしたものは、やはり同一政党が複数の候補者を出すことによって政策よりもそうしたことの方が選挙戦においては大きなウエートを持つ、そうした制度面に由来して今の政界の勢力分布あるいはシステムがつくられてきているわけですから、私は、政治改革の根本は選挙制度改革にある。逆に、政治改革論議をただ単に政治と金の問題というふうに短小化しないでいただきたい。もしそういうとらえ方ですと、次々にスキャンダルが起き、そのときどきの大物政治家が傷つき、倒れ、そしてその段階でまた国民はその問題を忘れ去って同じような状態が繰り返されていく、そういうことになってしまうのだろうと思うわけですね。
それで、選挙制度改革について、先ほど申し上げた小選挙区のメリットを生かすべきだという私の考えを敷衍して、さらに二、三申し上げます。
理論的には、私は自民党さんが提案されました単純小選挙区制、これが一番すっきりしている、それから先ほど申し上げた民意の集約、大きな政治、これを行う上には一番適したシステムであると考えます。そして、将来的にはそうした方向に進んでいくことを希望するわけであります。
ただ、現状において、今現実に存在する中小規模の政党、議席数において中小規模である政党、こうした政党に対して、法律を変えることによって、制度を変えることによって、言葉はきつくなりますが、事実上抹消してしまうというようなことになりはしないか。そういう懸念があるとすれば、やはりその点は現在の段階でとる処置としてはいささか過激に過ぎるのではないかというふうに考えます。そうしますと、私は、海部内閣のもとで出されました小選挙区比例代表並立案、これが今申し上げた私の考え方、さらには現実に即した処理に照らしてベストに近い案ではなかろうか、こういうふうに考えております。
ちなみに、自民党さんは、平成元年五月に政治改革大綱で、小選挙区と比例代表制を組み合わせた形の新しい選挙制度の導入を検討、考えるということを言われ、これを公約に過去二回選挙を戦い、そして海部内閣のもとではこの法案が党議決定されて国会に提出された。やはり私は政党の党議決定というものを重く考えていただきたいと思いますし、こうした過去の経緯があるにもかかわらず、今回この案があっさりと葬り去られてまた別の案が出てきたという点については、まだ国民の前に十分説明がなされていないのではないか、こういうふうに考えます。
ところで、もう一つ今国会に提出されております社会、公明両党提案の、これは小選挙区と比例代表の併用案でありますね。並立と併用の違いというものは国民には非常に理解しにくいと思いますが、併用案というのは事実上これは比例代表選挙であるというのが私の認識でありますし、先ほど申し上げた民意の集約による大きな政治ということを行うには不適当な制度であるというふうに考えております。
民意を鏡のように反映するというのは非常に響きのいい言葉でありまして、耳に受け入れられやすい。私は一度日米のあるシンポジウムに出席いたしましてアメリカ側の学者と議論した際に、アメリカ側の学者から、いっそのこと日本の議員の半分ぐらいは世論調査方式の無作為抽出で選び出したらどうかという過激な案が出たわけですね。つまり、世論調査というものは、それをもとに政治家の皆さんがいろいろ政策を考えるわけですが、その世論調査の一部をそのまま国会の中に組み込んでしまうという案でございまして、私はこれについては、今申し上げたように、それならば国会は要らないじゃないか、世論調査を見て総理大臣が政策を決めりゃいいじゃないか。やはり議会制民主主義、代議制民主主義というのは、国民の意向を議員の皆様が受け取り、吸収し、それをさらに高いレベルでの情報あるいは分析、見識等をもとにそしゃくして、民意を集約して行うべきものであるというふうに考えます。ですから、鏡のような民意の反映というのは、一見言葉の魔術がありまして、これをそのまま受け入れると日本の政治は混乱に陥るという考え方でありますので、社公案の併用制案には反対であると申し上げざるを得ません。
そこで、もう一つ、今浮上してまいりました、これは民間側の政治改革推進協議会、民間政治臨調の連用制案というものでございます。これは、言葉自体もそうですが、内容もちょっとわかりにくいところがあるのが欠点といえば欠点。それと、並立制案と併用制案のどちらに近いか。これは読みようによっては並立制案そのもの、読みようによっては併用制案ということですが、私は、どちらかというと併用制案だろうと思うのです。実体的には併用制案。ただし、過剰議席の処理において、それは小選挙区よりも比例代表の方からその過剰議席の分を削るという発想に立っているという点で、並立と併用の中間ということかなということですね。ですから、私は基本的に併用制案に反対でありますので、この案にも必ずしも全面的には賛成しがたい。ただし、現実に即した考え方という点、しかも小選挙区制のメリットを生かそうという工夫が施されている、そういう意味では非常によく考え抜かれた案でありまして、私は、これは十分検討に値する案であり、皆様方が今後与野党間で接点を求められていくという中で、十分これをもとに議論し得る、そういったたき台になる案であろうと思います。
また、この連用制案については、結果的に現在の各党議席と異ならない、余り変わらないようにつくった、そういう現実性を重視し、思想がないんじゃないかという批判も一部に出ております。私は、これは若干この案が曲解されておるのではなかろうか。つまり、私が申しましたように、やはり小選挙区のメリットを重視するという点にかなり配慮が行われておる。したがいまして、この制度に基づいて選挙が行われた場合、第一党はやはり過半数をとるんだろうと思うのです。厳密にシミュレーションしたわけではありませんけれども、恐らくそういうことになるのではなかろうか。私は、小党分立あるいはそうした二つ、三つ、四つの政党による連立政権というものは、政治の不安定化をもたらすという意味で反対でございますが、そうした意味ではこの案は併用制案よりはそうした弊害はないということ。
それから、これは政治論でございますので、皆さんいろいろ見解の相違もおありでしょうけれども、この制度が導入されれば、政界再編といいますか、今の各党の勢力地図、そうしたものに大きな地殻変動を及ぼす、そうした起爆剤ともなり得るかもしれない。そうした意味では、将来的には小選挙区制への移行という可能性をも秘めた案であろうと私は私なりに理解いたしております。
以上、選挙制度改革については特に詳しく私の考えを申し上げましたが、その他の点については冒頭では割愛さしていただきます。
ただ一点、一つこの冒頭の発言の機会をおかりして申し上げたいことは、今回自民党さんが提案されました公職選挙法改正案、この中に選挙予測報道の規制に関するくだりがございます。私は、選挙に関して世論を的確に把握し、報道、評論を行う、これは報道の自由ということももちろんありますし、と同時に有権者に選挙に対する関心を高め、理解を深めさせるという意味で、やはりマスコミ機関として当然に行うべきことであろう、重要な使命であろう、こういうふうに考えております。
もちろん私はこのことを盛り込まれた趣旨は存じております。選挙直前の予測報道によりましていわゆるアナウンスメント効果が発生し、選挙戦を有利に戦っている者が逆に不利になるというような面があるのではないか、そうしたアナウンスメント効果の存在自体は私は必ずしも否定するものではありません。ただ、そのアナウンスメント効果によって有権者の意思決定、針がどちらの方向に振れるか。これは時には絶妙なバランス感覚で針が振れることもあれば、時には行き過ぎた振れ方もありますでしょう。行き過ぎた面があるとすれば、私は、それは民主主義が当然に払う代価の一つでありまして、むしろそうした規制を行うことによって民主主義自体を危うくする、そうしたことの方を恐れるべきだろうというふうに考えておりますので、この点はぜひ皆様の賢明な御判断をお願いいたしたいと思います。
以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。拍手
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なお、私のこれから申し上げます点は、ただいまの島参考人が言われたことと基本認識においてはかなり一致している点がございますが、あえて重複を恐れずに申し上げます。
第一に、最初に私が強調いたしたい点、これは政治改革論議の中でまず最初にクリアされなければいけない、しかし、国民の目には意外に明確に映し出されていない点がある。それは、なぜ今政治改革が必要なのかという点、これが一番本質的な問題だと思うわけですね。政治改革といっても、人それぞれに別の考え方で物を言っておられる面があるのではないか。
ただ、そうした中で、私は、今なぜ政治改革かという点で落とし穴が今の議論にあるとすれば、それは政治と金の問題、これが強調される余り、もう一つの大きな本質的な点が見落とされている。それは何かといいますと、今の激変する国際情勢、東西冷戦状態に終止符が打たれ、今世界は新しい国際秩序を求めて動いている。その中で日本がいかに対応するか。敏速な決断、動きが求められている。そういう中で政治がそれに対応し切れていない面があるのではないか。例えば、湾岸危機のときの対応しかり、あるいはウルグアイ・ラウンド、米の自由化の問題に関する対応しかりだと私は考えております。それは決して政治家、皆さん個人個人の責任だけに帰する問題ではなくて、私は、やはり大きな政治システム、それが戦後の長い期間の間で制度疲労を起こして機能しなくなっている、あるいは当初予想された国際情勢と今の情勢が大きく転換している。ですから、体の丈が変われば着物も変えなければいけないのですが、その辺がおくれているのではないか、こういうことでございます。
つまり、私が申し上げたいのは、政治と金の問題、これは共和、佐川あるいは金丸前副総裁の逮捕、こうした問題をめぐって国民の間の政治不信が高まり、緊急に解決されるべき問題である、その点には異存はありませんし、この政治改革への追い風は大いに利用されるべきでありますけれども、もう一つ根本を見据えて、今日本が求められている大きな政治、民意を集約して敏速に対応する政治、そうしたものへのシステムづくりという観点を第一にお考えいただきたい。この点の整理がつかないと、下手をすればせっかく盛り上がった政治改革の機運も、結局は末梢的な部分の処理に終わって、根本問題は先延ばしにされかねない、そうした危惧を持っておりますので、あえて強調するわけであります。
そこで、私は、これから五つの点について考え方を申し述べ、皆さんにぜひ今国会での御処理をお願いしたいと思います。
第一は、島参考人も言われましたけれども、与野党間においてほぼ合意ができている点、それは現在の中選挙区制度の弊害、これはもはや放置できないところに来ているということで、新しい制度を導入しなければいけないという点でおおよそのコンセンサスができているというふうに考えます。そこで、まずこの点を明確に合意いただいて、中選挙区はとにかく廃止する、そして新しい制度に踏み込む、この点を第一に御確認をいただいて次の議論に進んでもらう。既にもうそういう段階とは思いますけれども、これが第一。
それから第二点。しからばどういう新しい制度を導入するかという点でございますけれども、これは私は、先ほど申し上げました私の基本認識から御理解いただけると思いますけれども、民意を集約した大きな政治、これを第一に考えるべきだろう。それから、やはり政治に緊張感をもたらすために政権交代可能な制度、そしてまさに日本の新しい国際秩序づくりへの参画が求められているようなときにどういう政策を打ち出すか。そういうことを選挙でもあるいは国会内においても活発に議論がやりとりされる政党本位、政策本位のシステム、そういう選挙を考えますと、やはり小選挙区のメリットを生かした選挙制度を中心にお考えをいただきたい、これが第二点でございます。
第三点。ただし、私は、先ほど大きな政治の実行という点を強調する余り、政治と金の面は二義的であるかのような印象を皆様にお与えしたかもしれませんけれども、これはもちろん国民の政治不信解消という意味で、政治改革の大きな柱であります。と同時に、選挙制度改革どこの政治と金の問題、つまり具体的に申しますれば、選挙制度改革と政治資金規正法の強化、改正、この問題は車の両輪であります。ぜひこれはやはりこの国会で処理していただきたい。
第四点。今、この選挙制度と政治資金の改正は車の両輪と申し上げました。両輪である以上、片一方が外れれば車はひっくり返ってしまいます。ぜひ今国会で一括処理をお願いしたい。もちろんこれに付随しまして、政党への公的助成の問題、こうした問題も一括処理さるべき問題であると考えます。
第五点は、具体論というよりは、これはお願いでございますけれども、政治改革は今国会が恐らく最後のチャンスであろう。これだけ国民の世論が高まり、皆様方も一生懸命取り組んでおられる、この時期を失して抜本改正が見送られれば、将来このようなチャンスはまたと来ないのではないか。そういう意味において、ぜひ今国会で今私が申し上げたような諸点、できれば、選挙制度改革は衆参一体で考えられるべきですので、参議院選挙制度改革もと申し上げたいところですが、これは現実には無理でございましょう。ですから、今私が申し上げましたような点については、ぜひ今国会で解決をお願いしたいと思います。
さて、今申し上げました五点のうち選挙制度改革、これがやはり大きな政治を行う上で一番大事な点であると私は考えます。
よく議員の皆様あるいは学者の方などから、政治改革論議を選挙制度改革論議に矮小化するなという言葉が聞かれます。私は、これは逆ではないか。つまり、まあ鶏が先か卵が先かの論議ですが、政治が正しく改まれば制度を改革する必要がないという議論もあるでしょうけれども、やはりこの四十年間のよどみ、これは制度を大きく変えることなくして大きく変わることはないというのが私の認識でありますし、基本的には金のかかる政治あるいは派閥政治あるいは選挙において地元への利益誘導、後援者への利益誘導、こうしたものは、やはり同一政党が複数の候補者を出すことによって政策よりもそうしたことの方が選挙戦においては大きなウエートを持つ、そうした制度面に由来して今の政界の勢力分布あるいはシステムがつくられてきているわけですから、私は、政治改革の根本は選挙制度改革にある。逆に、政治改革論議をただ単に政治と金の問題というふうに短小化しないでいただきたい。もしそういうとらえ方ですと、次々にスキャンダルが起き、そのときどきの大物政治家が傷つき、倒れ、そしてその段階でまた国民はその問題を忘れ去って同じような状態が繰り返されていく、そういうことになってしまうのだろうと思うわけですね。
それで、選挙制度改革について、先ほど申し上げた小選挙区のメリットを生かすべきだという私の考えを敷衍して、さらに二、三申し上げます。
理論的には、私は自民党さんが提案されました単純小選挙区制、これが一番すっきりしている、それから先ほど申し上げた民意の集約、大きな政治、これを行う上には一番適したシステムであると考えます。そして、将来的にはそうした方向に進んでいくことを希望するわけであります。
ただ、現状において、今現実に存在する中小規模の政党、議席数において中小規模である政党、こうした政党に対して、法律を変えることによって、制度を変えることによって、言葉はきつくなりますが、事実上抹消してしまうというようなことになりはしないか。そういう懸念があるとすれば、やはりその点は現在の段階でとる処置としてはいささか過激に過ぎるのではないかというふうに考えます。そうしますと、私は、海部内閣のもとで出されました小選挙区比例代表並立案、これが今申し上げた私の考え方、さらには現実に即した処理に照らしてベストに近い案ではなかろうか、こういうふうに考えております。
ちなみに、自民党さんは、平成元年五月に政治改革大綱で、小選挙区と比例代表制を組み合わせた形の新しい選挙制度の導入を検討、考えるということを言われ、これを公約に過去二回選挙を戦い、そして海部内閣のもとではこの法案が党議決定されて国会に提出された。やはり私は政党の党議決定というものを重く考えていただきたいと思いますし、こうした過去の経緯があるにもかかわらず、今回この案があっさりと葬り去られてまた別の案が出てきたという点については、まだ国民の前に十分説明がなされていないのではないか、こういうふうに考えます。
ところで、もう一つ今国会に提出されております社会、公明両党提案の、これは小選挙区と比例代表の併用案でありますね。並立と併用の違いというものは国民には非常に理解しにくいと思いますが、併用案というのは事実上これは比例代表選挙であるというのが私の認識でありますし、先ほど申し上げた民意の集約による大きな政治ということを行うには不適当な制度であるというふうに考えております。
民意を鏡のように反映するというのは非常に響きのいい言葉でありまして、耳に受け入れられやすい。私は一度日米のあるシンポジウムに出席いたしましてアメリカ側の学者と議論した際に、アメリカ側の学者から、いっそのこと日本の議員の半分ぐらいは世論調査方式の無作為抽出で選び出したらどうかという過激な案が出たわけですね。つまり、世論調査というものは、それをもとに政治家の皆さんがいろいろ政策を考えるわけですが、その世論調査の一部をそのまま国会の中に組み込んでしまうという案でございまして、私はこれについては、今申し上げたように、それならば国会は要らないじゃないか、世論調査を見て総理大臣が政策を決めりゃいいじゃないか。やはり議会制民主主義、代議制民主主義というのは、国民の意向を議員の皆様が受け取り、吸収し、それをさらに高いレベルでの情報あるいは分析、見識等をもとにそしゃくして、民意を集約して行うべきものであるというふうに考えます。ですから、鏡のような民意の反映というのは、一見言葉の魔術がありまして、これをそのまま受け入れると日本の政治は混乱に陥るという考え方でありますので、社公案の併用制案には反対であると申し上げざるを得ません。
そこで、もう一つ、今浮上してまいりました、これは民間側の政治改革推進協議会、民間政治臨調の連用制案というものでございます。これは、言葉自体もそうですが、内容もちょっとわかりにくいところがあるのが欠点といえば欠点。それと、並立制案と併用制案のどちらに近いか。これは読みようによっては並立制案そのもの、読みようによっては併用制案ということですが、私は、どちらかというと併用制案だろうと思うのです。実体的には併用制案。ただし、過剰議席の処理において、それは小選挙区よりも比例代表の方からその過剰議席の分を削るという発想に立っているという点で、並立と併用の中間ということかなということですね。ですから、私は基本的に併用制案に反対でありますので、この案にも必ずしも全面的には賛成しがたい。ただし、現実に即した考え方という点、しかも小選挙区制のメリットを生かそうという工夫が施されている、そういう意味では非常によく考え抜かれた案でありまして、私は、これは十分検討に値する案であり、皆様方が今後与野党間で接点を求められていくという中で、十分これをもとに議論し得る、そういったたき台になる案であろうと思います。
また、この連用制案については、結果的に現在の各党議席と異ならない、余り変わらないようにつくった、そういう現実性を重視し、思想がないんじゃないかという批判も一部に出ております。私は、これは若干この案が曲解されておるのではなかろうか。つまり、私が申しましたように、やはり小選挙区のメリットを重視するという点にかなり配慮が行われておる。したがいまして、この制度に基づいて選挙が行われた場合、第一党はやはり過半数をとるんだろうと思うのです。厳密にシミュレーションしたわけではありませんけれども、恐らくそういうことになるのではなかろうか。私は、小党分立あるいはそうした二つ、三つ、四つの政党による連立政権というものは、政治の不安定化をもたらすという意味で反対でございますが、そうした意味ではこの案は併用制案よりはそうした弊害はないということ。
それから、これは政治論でございますので、皆さんいろいろ見解の相違もおありでしょうけれども、この制度が導入されれば、政界再編といいますか、今の各党の勢力地図、そうしたものに大きな地殻変動を及ぼす、そうした起爆剤ともなり得るかもしれない。そうした意味では、将来的には小選挙区制への移行という可能性をも秘めた案であろうと私は私なりに理解いたしております。
以上、選挙制度改革については特に詳しく私の考えを申し上げましたが、その他の点については冒頭では割愛さしていただきます。
ただ一点、一つこの冒頭の発言の機会をおかりして申し上げたいことは、今回自民党さんが提案されました公職選挙法改正案、この中に選挙予測報道の規制に関するくだりがございます。私は、選挙に関して世論を的確に把握し、報道、評論を行う、これは報道の自由ということももちろんありますし、と同時に有権者に選挙に対する関心を高め、理解を深めさせるという意味で、やはりマスコミ機関として当然に行うべきことであろう、重要な使命であろう、こういうふうに考えております。
もちろん私はこのことを盛り込まれた趣旨は存じております。選挙直前の予測報道によりましていわゆるアナウンスメント効果が発生し、選挙戦を有利に戦っている者が逆に不利になるというような面があるのではないか、そうしたアナウンスメント効果の存在自体は私は必ずしも否定するものではありません。ただ、そのアナウンスメント効果によって有権者の意思決定、針がどちらの方向に振れるか。これは時には絶妙なバランス感覚で針が振れることもあれば、時には行き過ぎた振れ方もありますでしょう。行き過ぎた面があるとすれば、私は、それは民主主義が当然に払う代価の一つでありまして、むしろそうした規制を行うことによって民主主義自体を危うくする、そうしたことの方を恐れるべきだろうというふうに考えておりますので、この点はぜひ皆様の賢明な御判断をお願いいたしたいと思います。
以上で私の発言を終わります。ありがとうございました。拍手
田
中
中馬清福#9
○中馬参考人 中馬でございます。
私は、本委員会の皆さんが政治改革に関しまして従来になく真剣に論議していらっしゃることに対して、まず敬意を表したいと思います。
政治改革は、私たち有権者の非常に長い間の願いでありました。政治家の皆さん方も、これまで繰り返し繰り返しその必要性を強調してこられました。しかし、我々有権者側から見ますと、政治改革というのは、政治家の皆さん自身が自分の、つまりおのれの身を切る、それぐらいの覚悟を固めない限り、これは実行できるものではありません。これまでできなかったということは、それだけの決意が政治家の皆様方になかったということではないかと私は考えております。
今回はどうでしょうか。正直に申し上げまして、私たちの耳に入ってまいりますのは、どうせかけ声だけだろう、また同じことではないかということが多いのでございます。これまでのことを思いますと、これまた無理からぬことだというふうに考えます。
しかし、政治家を信頼しないというだけではなくて、最近では政治そのものを信用しないという人々がふえてまいりました。これはもう放置しておけない。政治家の皆様方は取りかえることはできますけれども、日本の政治そのものは取りかえることが。できません。したがって、今度はぜひ、今御審議いただいている政治改革の関連法案を十分に審議していただきまして、実のある成果を上げていただきたいと思います。これはいわば政治家個人のためではなくて、日本の政治の復権のために国会議員がおのれをむなしくして考える、これができるかどうかがこの政治改革をなし遂げられるかどうかのかぎではないかというふうに私は考えます。
そこでまず、今申し上げました日本の政治の復権、そのための政治改革とは何だろうかということから考えてみたいと思います。
御存じのとおり、今政治不信が渦巻いております。ロッキード、リクルート、共和、佐川、そして金丸事件と、金にまつわる政治の腐敗が国民をして政治不信の極に達せさせたということは、もうこれは言うまでもございません。これを直さない限り、政治の復権などということを口にすることもできないわけでありまして、政治改革の最大のポイントがここに置かれたのは当然であります。
これを私は仮に古典的政治改革と名づけるといたしますと、もう一つ、政治改革をやらなければならない、政治の復権を図るために政治改革をやらなければならないテーマがございます。これは現代的政治不信といいましょうか、日本だけではございませんで、世界各国に広がっている現代の政治そのもの、政治システムを含めて政治そのものに対するそれぞれの国民の漠とした不信、不安、そういうものであります。これは決して日本だけでない。こういう政治に対する漠とした不信、不安が国民をいわば不安にし、それがさらに政治への無関心につながっていく、これが現代のいわゆる政治不信のもう一つの特徴であろうというふうに私は考えます。
これはどうして生じたかといいますと、やはり政治というものが、国民の非常に多様化してまいりましたところの意識あるいは暮らしのあり方、彼らの求める要求、そういうものとどんどんかけ離れてしまいまして、かけ離れたといいますよりも政治がそれに追いつかなくなって、それに遣い越されていったわけでありますが、ここで両者のギャップが開いてまいりました。情報革命の最近の進み方が激しいことは御存じのとおりでございますけれども、人々の意識それから生活様式というのはもう一カ所に閉じ込めることができないで、非常に世界的な感じで広がっている。枠がどんどん壊されて、先行していっているわけです。ところが政治は、どこの国もと言っていいのでしょうけれども、それに対応するだけのシステムをつくり得なかった。人々は政治を無視しても暮らしていけるということをいわば実感として持ったわけであります。これは、繰り返しになりますけれども、日本だけではなくて、ヨーロッパ諸国の政治状況も似たような状況にあることをおわかりいただけるかと思います。つまり、選挙制度というものは万能ではありません。どういう選挙制度をとっても、今の、現代が抱えるところの漠とした政治不信、政治不安というものを解決するすべをまだ私たち人類は見つけていないということを申し上げたいと思います。
政治改革を論じるときに、どうしてもやはりここのところを見落としがちなんでありますけれども、ぜひこの点を見落とさないで、政治改革というものの原点を考えていただきたい。つまり、どういうようないい選挙制度を導入しても、それだけでは政治改革、つまり政治が信頼されるということにはならない、これはイコールではないということがまず考えていただかなければならない点であります。国民を政治そのものに呼び戻す、これが政治が信頼される第一歩でありまして、それこそまた政治改革の真の目的だと私は思います。政治資金の問題とかそれから選挙区制の問題とかこれからいろいろと議論があろうかと思いますけれども、そういうものもすべてはそういうような国民を政治に呼び戻すということを実現するための手段である、これを確認しておきたいと思います。
それでは、国民を政治に呼び戻すにはどうしたらいいのでしょうか。
まず、政治と金の問題を克服して、政治家が国民から尊敬される、そうなることが第一であります。これはどうやるか。もう既に幾たびとなく国会で論議され、またさまざまな結論が得られようとしているところまで来ております。これはいわば処方せんはでき上がっている、これを実行するかどうかであります。
この金の問題につきましてはまた後ほど触れることがありますが、これと同じぐらい大事なことは、有権者がどうやって政治参加というものの実感を得るか、これが国民を政治に呼び戻す大事なポイントであります。そのためには、まず自分の一票というものが本当に政治に反映されているのだ、こういう実感を持たさなければなりません。自分の一票がせっかく投票しても死に票になるかもしれない、そんな選挙制度ではなかなか投票に行く気もしないのではないでしょうか。だから、国民を政治に呼び戻すためには、まず一票を投じるときに本当に政治とつながっているという実感を与える、そのためには議席配分というものに民意がなるべく正確に反映されなければなりません。さらに、政党というものが政策を示し、その政策を見た上でその政党に一票を投じる、こういう政党・政策中心の選挙制度がいいことは言うまでもありません。こういうふうに有権者に意識を持たせますことが、これまで言われておりますところのいわゆる若い人たちの政治離れ、これをいわば直していく第一歩ではないだろうか、これが私の考えてあります。
私は、以上のような角度から、現在御審議中の政治改革関連法案を点検してみました。その結果の私の考え、私見は次のようであります。
まず、政治資金の規制であります。
私は、企業及び団体からの献金は、この際、社会党、公明党の両方の案のように一切禁止する、ここへ踏み切る時期が来ているというふうに考えます。これまでの例で明らかなように、さまざまな例外を設けながらも、企業・団体の献金を認めてきたことが結局は諸悪の根源になってまいりました。さまざまな例外をつくりますが、それがまた抜け道をつくる、こういうことの繰り返してございます。したがって、この際、さっぱりとこの問題に決着をつけていただきたいと思います。
しかし、どうしてもこういうものは過渡的に段階を追ってやるんだということでありますならば、今回民間政治臨調が提案した中にございます政党に限って企業及び団体の献金を認める、こういう過渡的な手段もやむを得ないかもしれません。しかし、その場合は必ず政治資金委員会を設置すること、あるいは連座制の新設を行うという民間臨調の案であるほかの二本の柱も同時に盛り込んでいただかなければならない。要は、政治資金の透明性をどう確保するか、あるいはこれは非常に残念なことでございますけれども、国会議員の中にそういう違反をする人が出てくるならば、罰則をさらに強化していかなきゃならない。さらに、監視機構というものも、これも非常に国会議員を疑うようで悪いのでありますけれども、これもやはり整備していかなきゃならない。こういう透明性と罰則強化と監視機構の整備、こういうものが成って初めて公的助成という問題を考えなければならない。つまり、以上の三つなしに公的助成ということは、これはやはり筋が通らないと私は考えます。
なお、池田内閣以来政治記者として永田町をウォッチしてきた人間として、この政治と金の問題について一言申し添えます。
それは、金の問題というものがいわば非常に条件なしに語られ過ぎているのではないかということであります。私が存じ上げているすべての政党の議員さんで、それほどお金がたくさんあってゆったりとした選挙をしていらっしゃる人は寡聞にして知りません。ほとんどの方がお金を非常にやりくりしながら選挙をやっていらっしゃいます。私は、政治と金を考えるときに、最も政治と金について国民に不信を抱かせたものは何であるか。これは、過去におきましては、自民党の総裁選挙、これがいわゆる金まみれと言われるものの根源にあったと言わざるを得ません。再びあのような狂乱状態が復活するようなことがありますと、どんなに選挙制度を変えてみましても、金権政治というものはなくならない、これが私の実感であります。一言申し添えておきます。
次に、選挙制度について申し上げます。
もとより、選挙制度というものは、絶対にこれが正しい、これしかないというものはありません。世界じゅうどの国を見ても、さまざまな工夫をしております。その国の風土、つまり政治風土というものと選挙制度というものは密接に絡み合っていることは皆様御存じのとおりであります。したがって、我々としても、比較検討した上で、自分の国に適したよりましな選挙制度をつくり上げていく以外にございません。日本の政治風土から考えまして、この中選挙区制度というものが長い間続いてまいりましたが、これもまたそういう国の政治風土と無関係ではなかったと思います。しかし、この中選挙区制度というものがさまざまな問題をはらんできたことは皆様御存じのとおりであります。いわゆる五五年体制以後の日本の政治のシステムに果たして中選挙区制が妥当であるかどうかということは、私たちも疑問を感じております。
私は、この選挙制度というものの優劣を決める場合に、三つのいわば物差しを考えます。以下、その重要度の順に申し上げますと、第一は、民意をできるだけ正確に反映することであります。第二は、候補者本位ではなくて、政党・政策本位の選挙が戦えることであります。第三は、選挙の仕組みがなるべくわかりやすいということであります。
この三つの物差しを機械的に当てはめてみますと、第一の要件に合うのは何と申しましても比例代表制であり、第二の要件というものは、これは比例代表制も小選挙区制も両方とも合格。第三の要件は、つまりわかりやすさという点からいいますと、文句なしに小選挙区制であります。この選挙制度というのには一長一短がありますけれども、私個人の考えは、まず第一の要件、つまり民意をできるだけ正確に反映できるもの、これが選挙の最大の柱であるべきだ、こういう立場をとっております。しかし、御存じのとおり、あるいは先ほど申し上げましたとおり、ベストというものはありません。お互いに譲り合っていかなければならない。これが選挙制度の宿命であるとするならば、折衷案というものも、これは当然登場するでありましょう。ただし、その場合でも、この第一の要件、つまり民意をできるだけ正確に反映するというものに比重を置いたものでないと本旨にもとってまいります。私は、以上の考えから、自民党の単純小選挙区制案よりも、社会、公明両党の小選挙区併用型比例代表制案の方がよいと考えております。
よく、選挙制度を決めるに当たりまして、政権交代を容易にするあるいは安定政権をつくる、こういうような目的を唱えられる方がいらっしゃいます。これはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。私は、政権交代を望むものでありますし、また政権が安定することを望む点ではやぶさかではありません。また、民主国家として、政権交代のない国というのは恐らく民主国家という分類に入れてもらえなかったケースがございますから、これも私はうなずけるところがあります。しかし、この政権交代を容易にするとかあるいは安定政権をつくるということがイコール小選挙区制ではないということを私たちは考えなければなりません。この政権交代を考えましたときに、現在の中選挙区制でも、仮に定数是正を十分に行い、さらにどの政党も政権を獲得するという意欲を燃やして政治活動を行われるならば、これは理論上は不可能ではありません。何もその点は小選挙区制の独壇場ではないのであります。
私は、この政権交代のための小選挙区制を唱えられる方々の考え方というのを次のように整理してみたいと思います。つまり、政権交代を可能にするためには二大政党制がいいのである、その二大政党制のためには小党乱立ては困る、したがって比例代表制を排して単純小選挙区制ていこうではないか、こういう論理の組み立て方であります。しかし、私に言わせますと、これは明らかに発想が逆さまであります。まず、自分で、あるべき政権、あらまほしき政権というものを想定いたしまして、それに沿うような選挙制度をつくろうとする、こういうのは本当の意味の政治の復権にはつながらないのではないか、こういうふうに私は思います。そういうふうな形でまいりますと、有権者というのは政治をますます無視し、あるいは政治離れを進行させ、むしろこれは将来に禍根を残すだけではないでしょうか。また、皆様御存じのとおり、欧米の現状が示しますように、今や必ずしも小選挙区制というものが政権交代の道を開くとか政治の安定をもたらすとか、そういうふうにはなっていないのであります。もはや仕組みの問題だけでこのことを論じることはできません。
私は、十年後とかあるいは二十年後を思わざるを得ません。老人の比重が非常に大きくなってまいります。医療問題や年金問題、こういう要求というのは非常に切実になってまいりますでしょう。一方では、環境問題あるいはエネルギー問題、こういうものがもう避けて通れないところに来ております。他方、日本の国際的な役割を求める声は世界的に大きくなってまいります。こういう内外の要求というものが多重的あるいは多層的になってまいります。これはどんなに政治の仕組みで抑えようといたしましても、国民あるいは国内外の要求というものは一つにまとめるということは困難になってまいります。これを無理やりに政治のあるいは選挙のシステムで封じ込めようといたしましても、これは恐らく政治は残ったけれども政治を支える有権者は政治から離れていったということになるのではないでしょうか。こういう時代でありますから、私は、人口が四十万人か三十万人かというところの市あるいは町村から一人の割合で地域優先型の代表選手が出てきて政治を担うという単純小選挙区制で乗り切れるかどうか、大きな疑問を感じております。
それでも、比例代表制というものは、小党乱立を招いて、和をたっとぶ日本には向かないと言う人もあるでしょう。あるいは、この制度では個人を選ぶのではないから僕らには全くなじめない、こう言う人もあるだろうと思います。そういう心配がある以上は、完全な比例代表制を直ちに実行することは無理であるし、無理は禁物であります。私は、そこに社会党と公明党が今示している併用案の効用がある、こういうふうに考えます。つまり、民意の反映と顔の見える選挙、この両立を目指していらっしゃる、これは多くのシステムの中では割合によくできた仕組みではないか、これが私の考えてあります。もちろんこの制度には多くの問題があります。最大の問題はいわゆる超過議席の問題であります。またほかにもさまざまな問題がございますが、例えば超過議席の問題は、ドイツの例で言いますと最高六議席ということを実現しております。これはやりようによっては、あるいは考えようによっては超過議席の問題は解消可能であろうかと存じます。
本日の新聞を拝見いたしますと、昨日はいわゆる一票制の問題が論議されたそうでありますが、こういう制度の手直しその他は十分に与野党で御検討されて、ぜひこの選挙制度も含めて今国会で立派に政治改革の第一歩がしるされるように願っております。
最後に、政治改革というものは、いわばあしたの政治、あさっての政治というところまで念頭に置いて行ってもらいたいということと、もう一つ、政治改革には終点はないということであります。今回でおしまいということはないのでありますから、それほどのいわば試行錯誤というものを恐れずに、とにかく手をつける、これを望んで、私の意見を終わらさせてへただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、本委員会の皆さんが政治改革に関しまして従来になく真剣に論議していらっしゃることに対して、まず敬意を表したいと思います。
政治改革は、私たち有権者の非常に長い間の願いでありました。政治家の皆さん方も、これまで繰り返し繰り返しその必要性を強調してこられました。しかし、我々有権者側から見ますと、政治改革というのは、政治家の皆さん自身が自分の、つまりおのれの身を切る、それぐらいの覚悟を固めない限り、これは実行できるものではありません。これまでできなかったということは、それだけの決意が政治家の皆様方になかったということではないかと私は考えております。
今回はどうでしょうか。正直に申し上げまして、私たちの耳に入ってまいりますのは、どうせかけ声だけだろう、また同じことではないかということが多いのでございます。これまでのことを思いますと、これまた無理からぬことだというふうに考えます。
しかし、政治家を信頼しないというだけではなくて、最近では政治そのものを信用しないという人々がふえてまいりました。これはもう放置しておけない。政治家の皆様方は取りかえることはできますけれども、日本の政治そのものは取りかえることが。できません。したがって、今度はぜひ、今御審議いただいている政治改革の関連法案を十分に審議していただきまして、実のある成果を上げていただきたいと思います。これはいわば政治家個人のためではなくて、日本の政治の復権のために国会議員がおのれをむなしくして考える、これができるかどうかがこの政治改革をなし遂げられるかどうかのかぎではないかというふうに私は考えます。
そこでまず、今申し上げました日本の政治の復権、そのための政治改革とは何だろうかということから考えてみたいと思います。
御存じのとおり、今政治不信が渦巻いております。ロッキード、リクルート、共和、佐川、そして金丸事件と、金にまつわる政治の腐敗が国民をして政治不信の極に達せさせたということは、もうこれは言うまでもございません。これを直さない限り、政治の復権などということを口にすることもできないわけでありまして、政治改革の最大のポイントがここに置かれたのは当然であります。
これを私は仮に古典的政治改革と名づけるといたしますと、もう一つ、政治改革をやらなければならない、政治の復権を図るために政治改革をやらなければならないテーマがございます。これは現代的政治不信といいましょうか、日本だけではございませんで、世界各国に広がっている現代の政治そのもの、政治システムを含めて政治そのものに対するそれぞれの国民の漠とした不信、不安、そういうものであります。これは決して日本だけでない。こういう政治に対する漠とした不信、不安が国民をいわば不安にし、それがさらに政治への無関心につながっていく、これが現代のいわゆる政治不信のもう一つの特徴であろうというふうに私は考えます。
これはどうして生じたかといいますと、やはり政治というものが、国民の非常に多様化してまいりましたところの意識あるいは暮らしのあり方、彼らの求める要求、そういうものとどんどんかけ離れてしまいまして、かけ離れたといいますよりも政治がそれに追いつかなくなって、それに遣い越されていったわけでありますが、ここで両者のギャップが開いてまいりました。情報革命の最近の進み方が激しいことは御存じのとおりでございますけれども、人々の意識それから生活様式というのはもう一カ所に閉じ込めることができないで、非常に世界的な感じで広がっている。枠がどんどん壊されて、先行していっているわけです。ところが政治は、どこの国もと言っていいのでしょうけれども、それに対応するだけのシステムをつくり得なかった。人々は政治を無視しても暮らしていけるということをいわば実感として持ったわけであります。これは、繰り返しになりますけれども、日本だけではなくて、ヨーロッパ諸国の政治状況も似たような状況にあることをおわかりいただけるかと思います。つまり、選挙制度というものは万能ではありません。どういう選挙制度をとっても、今の、現代が抱えるところの漠とした政治不信、政治不安というものを解決するすべをまだ私たち人類は見つけていないということを申し上げたいと思います。
政治改革を論じるときに、どうしてもやはりここのところを見落としがちなんでありますけれども、ぜひこの点を見落とさないで、政治改革というものの原点を考えていただきたい。つまり、どういうようないい選挙制度を導入しても、それだけでは政治改革、つまり政治が信頼されるということにはならない、これはイコールではないということがまず考えていただかなければならない点であります。国民を政治そのものに呼び戻す、これが政治が信頼される第一歩でありまして、それこそまた政治改革の真の目的だと私は思います。政治資金の問題とかそれから選挙区制の問題とかこれからいろいろと議論があろうかと思いますけれども、そういうものもすべてはそういうような国民を政治に呼び戻すということを実現するための手段である、これを確認しておきたいと思います。
それでは、国民を政治に呼び戻すにはどうしたらいいのでしょうか。
まず、政治と金の問題を克服して、政治家が国民から尊敬される、そうなることが第一であります。これはどうやるか。もう既に幾たびとなく国会で論議され、またさまざまな結論が得られようとしているところまで来ております。これはいわば処方せんはでき上がっている、これを実行するかどうかであります。
この金の問題につきましてはまた後ほど触れることがありますが、これと同じぐらい大事なことは、有権者がどうやって政治参加というものの実感を得るか、これが国民を政治に呼び戻す大事なポイントであります。そのためには、まず自分の一票というものが本当に政治に反映されているのだ、こういう実感を持たさなければなりません。自分の一票がせっかく投票しても死に票になるかもしれない、そんな選挙制度ではなかなか投票に行く気もしないのではないでしょうか。だから、国民を政治に呼び戻すためには、まず一票を投じるときに本当に政治とつながっているという実感を与える、そのためには議席配分というものに民意がなるべく正確に反映されなければなりません。さらに、政党というものが政策を示し、その政策を見た上でその政党に一票を投じる、こういう政党・政策中心の選挙制度がいいことは言うまでもありません。こういうふうに有権者に意識を持たせますことが、これまで言われておりますところのいわゆる若い人たちの政治離れ、これをいわば直していく第一歩ではないだろうか、これが私の考えてあります。
私は、以上のような角度から、現在御審議中の政治改革関連法案を点検してみました。その結果の私の考え、私見は次のようであります。
まず、政治資金の規制であります。
私は、企業及び団体からの献金は、この際、社会党、公明党の両方の案のように一切禁止する、ここへ踏み切る時期が来ているというふうに考えます。これまでの例で明らかなように、さまざまな例外を設けながらも、企業・団体の献金を認めてきたことが結局は諸悪の根源になってまいりました。さまざまな例外をつくりますが、それがまた抜け道をつくる、こういうことの繰り返してございます。したがって、この際、さっぱりとこの問題に決着をつけていただきたいと思います。
しかし、どうしてもこういうものは過渡的に段階を追ってやるんだということでありますならば、今回民間政治臨調が提案した中にございます政党に限って企業及び団体の献金を認める、こういう過渡的な手段もやむを得ないかもしれません。しかし、その場合は必ず政治資金委員会を設置すること、あるいは連座制の新設を行うという民間臨調の案であるほかの二本の柱も同時に盛り込んでいただかなければならない。要は、政治資金の透明性をどう確保するか、あるいはこれは非常に残念なことでございますけれども、国会議員の中にそういう違反をする人が出てくるならば、罰則をさらに強化していかなきゃならない。さらに、監視機構というものも、これも非常に国会議員を疑うようで悪いのでありますけれども、これもやはり整備していかなきゃならない。こういう透明性と罰則強化と監視機構の整備、こういうものが成って初めて公的助成という問題を考えなければならない。つまり、以上の三つなしに公的助成ということは、これはやはり筋が通らないと私は考えます。
なお、池田内閣以来政治記者として永田町をウォッチしてきた人間として、この政治と金の問題について一言申し添えます。
それは、金の問題というものがいわば非常に条件なしに語られ過ぎているのではないかということであります。私が存じ上げているすべての政党の議員さんで、それほどお金がたくさんあってゆったりとした選挙をしていらっしゃる人は寡聞にして知りません。ほとんどの方がお金を非常にやりくりしながら選挙をやっていらっしゃいます。私は、政治と金を考えるときに、最も政治と金について国民に不信を抱かせたものは何であるか。これは、過去におきましては、自民党の総裁選挙、これがいわゆる金まみれと言われるものの根源にあったと言わざるを得ません。再びあのような狂乱状態が復活するようなことがありますと、どんなに選挙制度を変えてみましても、金権政治というものはなくならない、これが私の実感であります。一言申し添えておきます。
次に、選挙制度について申し上げます。
もとより、選挙制度というものは、絶対にこれが正しい、これしかないというものはありません。世界じゅうどの国を見ても、さまざまな工夫をしております。その国の風土、つまり政治風土というものと選挙制度というものは密接に絡み合っていることは皆様御存じのとおりであります。したがって、我々としても、比較検討した上で、自分の国に適したよりましな選挙制度をつくり上げていく以外にございません。日本の政治風土から考えまして、この中選挙区制度というものが長い間続いてまいりましたが、これもまたそういう国の政治風土と無関係ではなかったと思います。しかし、この中選挙区制度というものがさまざまな問題をはらんできたことは皆様御存じのとおりであります。いわゆる五五年体制以後の日本の政治のシステムに果たして中選挙区制が妥当であるかどうかということは、私たちも疑問を感じております。
私は、この選挙制度というものの優劣を決める場合に、三つのいわば物差しを考えます。以下、その重要度の順に申し上げますと、第一は、民意をできるだけ正確に反映することであります。第二は、候補者本位ではなくて、政党・政策本位の選挙が戦えることであります。第三は、選挙の仕組みがなるべくわかりやすいということであります。
この三つの物差しを機械的に当てはめてみますと、第一の要件に合うのは何と申しましても比例代表制であり、第二の要件というものは、これは比例代表制も小選挙区制も両方とも合格。第三の要件は、つまりわかりやすさという点からいいますと、文句なしに小選挙区制であります。この選挙制度というのには一長一短がありますけれども、私個人の考えは、まず第一の要件、つまり民意をできるだけ正確に反映できるもの、これが選挙の最大の柱であるべきだ、こういう立場をとっております。しかし、御存じのとおり、あるいは先ほど申し上げましたとおり、ベストというものはありません。お互いに譲り合っていかなければならない。これが選挙制度の宿命であるとするならば、折衷案というものも、これは当然登場するでありましょう。ただし、その場合でも、この第一の要件、つまり民意をできるだけ正確に反映するというものに比重を置いたものでないと本旨にもとってまいります。私は、以上の考えから、自民党の単純小選挙区制案よりも、社会、公明両党の小選挙区併用型比例代表制案の方がよいと考えております。
よく、選挙制度を決めるに当たりまして、政権交代を容易にするあるいは安定政権をつくる、こういうような目的を唱えられる方がいらっしゃいます。これはどういうふうに考えたらいいのでしょうか。私は、政権交代を望むものでありますし、また政権が安定することを望む点ではやぶさかではありません。また、民主国家として、政権交代のない国というのは恐らく民主国家という分類に入れてもらえなかったケースがございますから、これも私はうなずけるところがあります。しかし、この政権交代を容易にするとかあるいは安定政権をつくるということがイコール小選挙区制ではないということを私たちは考えなければなりません。この政権交代を考えましたときに、現在の中選挙区制でも、仮に定数是正を十分に行い、さらにどの政党も政権を獲得するという意欲を燃やして政治活動を行われるならば、これは理論上は不可能ではありません。何もその点は小選挙区制の独壇場ではないのであります。
私は、この政権交代のための小選挙区制を唱えられる方々の考え方というのを次のように整理してみたいと思います。つまり、政権交代を可能にするためには二大政党制がいいのである、その二大政党制のためには小党乱立ては困る、したがって比例代表制を排して単純小選挙区制ていこうではないか、こういう論理の組み立て方であります。しかし、私に言わせますと、これは明らかに発想が逆さまであります。まず、自分で、あるべき政権、あらまほしき政権というものを想定いたしまして、それに沿うような選挙制度をつくろうとする、こういうのは本当の意味の政治の復権にはつながらないのではないか、こういうふうに私は思います。そういうふうな形でまいりますと、有権者というのは政治をますます無視し、あるいは政治離れを進行させ、むしろこれは将来に禍根を残すだけではないでしょうか。また、皆様御存じのとおり、欧米の現状が示しますように、今や必ずしも小選挙区制というものが政権交代の道を開くとか政治の安定をもたらすとか、そういうふうにはなっていないのであります。もはや仕組みの問題だけでこのことを論じることはできません。
私は、十年後とかあるいは二十年後を思わざるを得ません。老人の比重が非常に大きくなってまいります。医療問題や年金問題、こういう要求というのは非常に切実になってまいりますでしょう。一方では、環境問題あるいはエネルギー問題、こういうものがもう避けて通れないところに来ております。他方、日本の国際的な役割を求める声は世界的に大きくなってまいります。こういう内外の要求というものが多重的あるいは多層的になってまいります。これはどんなに政治の仕組みで抑えようといたしましても、国民あるいは国内外の要求というものは一つにまとめるということは困難になってまいります。これを無理やりに政治のあるいは選挙のシステムで封じ込めようといたしましても、これは恐らく政治は残ったけれども政治を支える有権者は政治から離れていったということになるのではないでしょうか。こういう時代でありますから、私は、人口が四十万人か三十万人かというところの市あるいは町村から一人の割合で地域優先型の代表選手が出てきて政治を担うという単純小選挙区制で乗り切れるかどうか、大きな疑問を感じております。
それでも、比例代表制というものは、小党乱立を招いて、和をたっとぶ日本には向かないと言う人もあるでしょう。あるいは、この制度では個人を選ぶのではないから僕らには全くなじめない、こう言う人もあるだろうと思います。そういう心配がある以上は、完全な比例代表制を直ちに実行することは無理であるし、無理は禁物であります。私は、そこに社会党と公明党が今示している併用案の効用がある、こういうふうに考えます。つまり、民意の反映と顔の見える選挙、この両立を目指していらっしゃる、これは多くのシステムの中では割合によくできた仕組みではないか、これが私の考えてあります。もちろんこの制度には多くの問題があります。最大の問題はいわゆる超過議席の問題であります。またほかにもさまざまな問題がございますが、例えば超過議席の問題は、ドイツの例で言いますと最高六議席ということを実現しております。これはやりようによっては、あるいは考えようによっては超過議席の問題は解消可能であろうかと存じます。
本日の新聞を拝見いたしますと、昨日はいわゆる一票制の問題が論議されたそうでありますが、こういう制度の手直しその他は十分に与野党で御検討されて、ぜひこの選挙制度も含めて今国会で立派に政治改革の第一歩がしるされるように願っております。
最後に、政治改革というものは、いわばあしたの政治、あさっての政治というところまで念頭に置いて行ってもらいたいということと、もう一つ、政治改革には終点はないということであります。今回でおしまいということはないのでありますから、それほどのいわば試行錯誤というものを恐れずに、とにかく手をつける、これを望んで、私の意見を終わらさせてへただきます。
ありがとうございました。拍手
田
田
田邉國男#11
○田邉委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
この際、委員各位に申し上げます。
議事整理のため、質疑のある委員の方は、挙手の上、委員長の指名により発言されますよう、また、発言の際は、所属会派及び氏名並びに質疑をする参考人の氏名をお告げいただきたいと存じます。なお、一人一回の発言は、五分以内にまとめていただくようお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
この発言だけを見る →この際、委員各位に申し上げます。
議事整理のため、質疑のある委員の方は、挙手の上、委員長の指名により発言されますよう、また、発言の際は、所属会派及び氏名並びに質疑をする参考人の氏名をお告げいただきたいと存じます。なお、一人一回の発言は、五分以内にまとめていただくようお願いいたします。
それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
戸
戸塚進也#12
○戸塚委員 自由民主党の戸塚進也でございます。
最初に、島参考人、清原参考人に共通のお尋ねをしたいと思います。
最初は、実はお二人とも非常に熱心に、今国会中に中選挙区でないことをやれ、私も全く同感で、一生懸命頑張っているわけでありますが、与野党を通じてといいますか、これは野党さんのことはよくわかりませんが、与党の中、私どもの中にも中選挙区ということに対する非常に愛着もある。事実、私も選挙区へ帰ると、選挙民から、進也さん、あなたがどこかに選挙区を移るなら私も家引っ越して行くなんて、それはお世辞だということを言う人もいますけれども、でも、そのくらい言ってくれる人もいる。それからまた、ある方から見れば、これはおれの陣地なんだ、おれがこの領主なんだなんていうような感じもなきにしもあらずだと。そういった人たちに、この際、この考えを断ち切って、今のお二人のおっしゃったようなことに持っていってもらわなければならない。そのために、もしお二人が説得をする立場になったら、その方々に対してどういうことを説得されるか、これをひとつ教えていただきたい。
二番目は、今国会でこれが成立てきなかった場合に、これは清原参考人に言わせれば、もうこれでおしまいだ、こういうふうなお話がありました。実は私もおしまい、そういう感じを持っているのです。そのおしまいという意味は、次の選挙をやったって自民党はある程度議席もとると思うし、各党もとると思いますけれども、一番私が恐れているのは、今国会でできなかったときに国民の国会に対する不信、そういうものが高まって、結局、国会の中で二十一世紀を見据えて大きな大きな課題に挑戦していこうと思ったときに、国民がそれに全然協力してくれなくなる、大きな法案なんかはもう全然相手にされなくなる、こういったように、国際的にも非常に重要な時期に国会が国民から離反してしまう、そのことが私は一番恐ろしいと思っていますが、お二人は、もし今国会でこれが成立てきなかった場合にどういうふうになっていくとお考えですか、教えていただきたい。
それから、中馬参考人は企業献金について非常にはっきりおっしゃいましたが、私は見解が違います。私は、やはり企業・団体献金というのは秩序を持って、今までのように不透明とか墓とかそういうものは絶対にいけないけれども、この日本の国の活力や毎日の日常生活をやっているのは企業であります。その企業の人々がこの日本の国を、企業の人も繁栄し、また日本の国も繁栄し、世界も繁栄するために、それなりの政治に対しての献金をするということは、私はそれは何ら間違ってもいない、ただ秩序を持ってやらなければいけない、将来はなるべく個人献金に切りかえていかなければいけないというようなことであろうと思います。私が国会の質問で、宗教団体や学校法人が政治に金を使っていいのかと言ったら、それはある程度許される、こういうことを社公の方々も言っておられるわけです。それならなぜ企業だけそうがんじがらめにしなければならぬのかと思いますが、お二人の参考人は企業・団体献金についてどうお考えになっていらっしゃるか、これを伺いたい。
次に、公的助成については、お二人の参考人ともこれは必要だとおっしゃいましたが、今自民党は二百五十円、三百億を出しています。これは私ももちろんその程度かなと思いますが、実は本当に政治にかかるコストというのを考えますともう少しあってもいいのじゃないかと思うのですが、将来的にはどんなふうに考えていらっしゃるか。
最後に、国会議員というものをどういうふうに理想像として考えたらいいか。私は、国会議員である以上は、質素な生活をして、そして一日一日ともかく一生懸命に国家のために尽くす、そういうことで頑張っていくということが大事だと思っていますが、お二人が描いていらっしゃる理想像を教えてください。
最後に、中馬参考人に伺いたいと思いますが、民間臨調についての評価はお述べになりませんでしたが、社公案が全くよろしくて、臨調案はまあ御自身ではどうかなとお考えになっていらっしゃるのかどうなのか、その点についてぜひ伺いたい。
それから、企業・団体献金については、私が先ほど申し上げたのが私の意見でありますが、この点について中馬参考人はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、その点について教えていただきたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →最初に、島参考人、清原参考人に共通のお尋ねをしたいと思います。
最初は、実はお二人とも非常に熱心に、今国会中に中選挙区でないことをやれ、私も全く同感で、一生懸命頑張っているわけでありますが、与野党を通じてといいますか、これは野党さんのことはよくわかりませんが、与党の中、私どもの中にも中選挙区ということに対する非常に愛着もある。事実、私も選挙区へ帰ると、選挙民から、進也さん、あなたがどこかに選挙区を移るなら私も家引っ越して行くなんて、それはお世辞だということを言う人もいますけれども、でも、そのくらい言ってくれる人もいる。それからまた、ある方から見れば、これはおれの陣地なんだ、おれがこの領主なんだなんていうような感じもなきにしもあらずだと。そういった人たちに、この際、この考えを断ち切って、今のお二人のおっしゃったようなことに持っていってもらわなければならない。そのために、もしお二人が説得をする立場になったら、その方々に対してどういうことを説得されるか、これをひとつ教えていただきたい。
二番目は、今国会でこれが成立てきなかった場合に、これは清原参考人に言わせれば、もうこれでおしまいだ、こういうふうなお話がありました。実は私もおしまい、そういう感じを持っているのです。そのおしまいという意味は、次の選挙をやったって自民党はある程度議席もとると思うし、各党もとると思いますけれども、一番私が恐れているのは、今国会でできなかったときに国民の国会に対する不信、そういうものが高まって、結局、国会の中で二十一世紀を見据えて大きな大きな課題に挑戦していこうと思ったときに、国民がそれに全然協力してくれなくなる、大きな法案なんかはもう全然相手にされなくなる、こういったように、国際的にも非常に重要な時期に国会が国民から離反してしまう、そのことが私は一番恐ろしいと思っていますが、お二人は、もし今国会でこれが成立てきなかった場合にどういうふうになっていくとお考えですか、教えていただきたい。
それから、中馬参考人は企業献金について非常にはっきりおっしゃいましたが、私は見解が違います。私は、やはり企業・団体献金というのは秩序を持って、今までのように不透明とか墓とかそういうものは絶対にいけないけれども、この日本の国の活力や毎日の日常生活をやっているのは企業であります。その企業の人々がこの日本の国を、企業の人も繁栄し、また日本の国も繁栄し、世界も繁栄するために、それなりの政治に対しての献金をするということは、私はそれは何ら間違ってもいない、ただ秩序を持ってやらなければいけない、将来はなるべく個人献金に切りかえていかなければいけないというようなことであろうと思います。私が国会の質問で、宗教団体や学校法人が政治に金を使っていいのかと言ったら、それはある程度許される、こういうことを社公の方々も言っておられるわけです。それならなぜ企業だけそうがんじがらめにしなければならぬのかと思いますが、お二人の参考人は企業・団体献金についてどうお考えになっていらっしゃるか、これを伺いたい。
次に、公的助成については、お二人の参考人ともこれは必要だとおっしゃいましたが、今自民党は二百五十円、三百億を出しています。これは私ももちろんその程度かなと思いますが、実は本当に政治にかかるコストというのを考えますともう少しあってもいいのじゃないかと思うのですが、将来的にはどんなふうに考えていらっしゃるか。
最後に、国会議員というものをどういうふうに理想像として考えたらいいか。私は、国会議員である以上は、質素な生活をして、そして一日一日ともかく一生懸命に国家のために尽くす、そういうことで頑張っていくということが大事だと思っていますが、お二人が描いていらっしゃる理想像を教えてください。
最後に、中馬参考人に伺いたいと思いますが、民間臨調についての評価はお述べになりませんでしたが、社公案が全くよろしくて、臨調案はまあ御自身ではどうかなとお考えになっていらっしゃるのかどうなのか、その点についてぜひ伺いたい。
それから、企業・団体献金については、私が先ほど申し上げたのが私の意見でありますが、この点について中馬参考人はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、その点について教えていただきたいと思います。
以上です。
田
島
島脩#14
○島参考人 非常に盛りだくさんの御質問で、ちょっと返答に困っております。
第一点ですけれども、自民党が今まで包括政党としていろいろ多面的な利益というものを何とか処理できた、今までは。しかし、これからは日本の国は、これからの四十年、五十年を考えた場合、とてもそういう個別的な利益というものを優先させることはできないし、また同時に、政策本位で公共的な立場からの政党本位の政策というものを打ち出していかなければならない。現行の中選挙区制だと、例えば同じ自民党でも、農村議員は農村のいいことを言い、中小企業のところでは消費税に反対し、片一方では賛成、いろいろやりながらもなおかつ当選できる仕組み。しかし、これからはそういった固定の支持層に対しても、場合によってはそういった支持層を敵に回すような政策もやらなければならない。ということは、つまり個人本位でなしに政党本位でいかなければいけないのだから、したがって選挙制度の改革が必要である、残念だけれどもと、こういうことを私は言い得ると思います。
それから、二点目は何でしたっけ。
この発言だけを見る →第一点ですけれども、自民党が今まで包括政党としていろいろ多面的な利益というものを何とか処理できた、今までは。しかし、これからは日本の国は、これからの四十年、五十年を考えた場合、とてもそういう個別的な利益というものを優先させることはできないし、また同時に、政策本位で公共的な立場からの政党本位の政策というものを打ち出していかなければならない。現行の中選挙区制だと、例えば同じ自民党でも、農村議員は農村のいいことを言い、中小企業のところでは消費税に反対し、片一方では賛成、いろいろやりながらもなおかつ当選できる仕組み。しかし、これからはそういった固定の支持層に対しても、場合によってはそういった支持層を敵に回すような政策もやらなければならない。ということは、つまり個人本位でなしに政党本位でいかなければいけないのだから、したがって選挙制度の改革が必要である、残念だけれどもと、こういうことを私は言い得ると思います。
それから、二点目は何でしたっけ。
戸
島
島脩#16
○島参考人 今国会で成立てきなかった場合、私はやはり政界再編というものは、またこれの有無にかかわらずいくのだろうと思います。
私のもともとの考え方というのは、日本の政治が変わるためには、社会党が変わるかあるいは政権党が分裂するか、この二つの一つで、社会党が変わることを期待していたのですが、どうもなかなか、恐らくは自民党の分裂の方が先になるのじゃないか、そういう予感をしております。
それから、三点の……
この発言だけを見る →私のもともとの考え方というのは、日本の政治が変わるためには、社会党が変わるかあるいは政権党が分裂するか、この二つの一つで、社会党が変わることを期待していたのですが、どうもなかなか、恐らくは自民党の分裂の方が先になるのじゃないか、そういう予感をしております。
それから、三点の……
戸
島
島脩#18
○島参考人 企業・団体献金、これは最高裁判決で、私は、企業献金というものも一挙に廃止するのはまだ時期尚早である。ただ、今までの企業献金の中では、やはり国民政治協会などを通じた金の方がむしろきれいなんです。問題はそのアウトサイダー、例えばリクルートにしても佐川急便にしても共和にしても、こういう国民政治協会を通さない金の方がむしろ問題であるというふうに私は思います。
この発言だけを見る →田
戸
島
島脩#21
○島参考人 公的助成は、先ほど私が申しましたように、これはやはり国民が本来は身銭を切っても政治活動を助けるというのが本来のあれで、現に今は個人献金などといっても、九千万人の有権者のうち二万人にも満たないというような状況ではとても政治資金は賄えないであろう。しかも、政治資金本来の趣旨というのは、金持ちでなければ出れない制度ではいかぬのだと。つまり、戦後の大衆民主主義の時代では、とにかく金がなくても志ある者は出て、それで浄財を集めて出るのだというような趣旨もありますから、私は、個人献金が今のような状態では、やはり企業献金はある程度必要であるというふうに思います。
この発言だけを見る →戸
田
戸
田
清
清原武彦#26
○清原参考人 中選挙区を廃止するに当たって地元の人にどういうふうに説明をなさるか。皆さんは中選挙区のもとでそうした後援会組織等に乗って選ばれてきておるわけですから非常に御説明しにくいだろう、その点は御理解申し上げます。ですから、マスコミの立場として国民に訴えるのと皆様方が説明される仕方には若干の違いがあるかと思いますが、基本的にはやはり今の日本が置かれている状況というものは非常に難しい状況だ。先ほど申し上げました国際情勢の転換期にあって、下手をすれば日本は孤立しかねない。そうした国のある意味では存亡の問題というものは、帰するところ選挙民の身に降りかかってくるわけですね。日本が国際的に孤立したと、既にこの間の日米会談でもかなり率直なやりとりがあり、日米経済摩擦は経済戦争になるのではないかというような危惧の声も聞かれますが、率直なやりとり大いに結構。ただし、日本がそうした中で国際的に孤立した場合のその国民の身に降りかかる影響度、そういうものをやはり国民の皆さんに理解してもらうこと、これが大事だと思うのですね。ですから、地元のために頑張る、あるいは戸塚進也のために票を入れていただくのは大変ありがたいとおっしゃるのはこれは当然なんですが、しかし、その辺は中央の政治と地方分権とを今後明確化していく中で、やはり大きな国の政治というものを考えるための選挙制度システムが必要なんだという点を御説明いただきたいと思います。
第二点、今国会でだめならどうなるか。私は今言ったような危機感を持っております。つまり、まず日本という国の将来を憂える、そのために政治改革というものは今国会がもはやタイムリミットである、それほど激しく国際情勢は動いている。ですから、そうした状況にいつまでも制度が対応し切れなければ現実の政治が対応していく、そうした中で政界再編といったような動きが出てくるかもしれない、そういう予感を持っております。
以上です。――ほかにございますか、私に。
この発言だけを見る →第二点、今国会でだめならどうなるか。私は今言ったような危機感を持っております。つまり、まず日本という国の将来を憂える、そのために政治改革というものは今国会がもはやタイムリミットである、それほど激しく国際情勢は動いている。ですから、そうした状況にいつまでも制度が対応し切れなければ現実の政治が対応していく、そうした中で政界再編といったような動きが出てくるかもしれない、そういう予感を持っております。
以上です。――ほかにございますか、私に。
戸
清
清原武彦#28
○清原参考人 企業・団体献金は、これは企業自体の存在を悪と認めるような議論にはくみしないという趣旨から企業献金を認める議論もありますが、やはり今の許認可制度、それにまつわる、皆さんには失礼ですが、族議員と言われる存在、そうした状況の中でやはり一つの政治腐敗のもとになりかねない面があるわけですね。ですから、理想的には企業献金というものは将来なくした方がよかろう。ただし、それは公的助成の問題とも絡むわけですし、私は、政治に金がかかる、ある意味では金がかかるのは当然ですから、そういう意味では公的助成は行うべきである。しかし、公的助成は今の選挙制度ではできない。すべて全部、選挙制度、政治資金、公的助成が絡んでくる問題ですので、そうした意味で一括処理を行い、さらに経過措置を経て、企業献金、団体献金は将来廃止の方向に向かうべきである、こういうふうに考えます。
この発言だけを見る →田