大蔵委員会

1995-02-27 衆議院 全107発言

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会議録情報#0
平成七年二月二十七日(月曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 尾身 幸次君
   理事 石原 伸晃君 理事 金子 一義君
   理事 村上誠一郎君 理事 新井 将敬君
   理事 北側 一雄君 理事 村井  仁君
 理事 早川  勝君 理事 五十嵐ふみひこ君
      大島 理森君    大原 一三君
      岸田 文雄君    熊代 昭彦君
      小泉純一郎君    塩崎 恭久君
      中谷  元君    中山 利生君
      福田 康夫君    堀之内久男君
      宮里 松正君    茂木 敏充君
      山本 有二君    青木 宏之君
      井奥 貞雄君    上田 清司君
      太田 誠一君    倉田 栄喜君
      竹内  譲君    谷口 隆義君
      中田  宏君    中村 時広君
      平田 米男君    藤井 裕久君
      宮地 正介君    宮本 一三君
      中村 正男君    永井 哲男君
      濱田 健一君    日野 市朗君
      渡辺 嘉藏君    田中 秀征君
      矢島 恒夫君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 武村 正義君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  萩山 教嚴君
        大蔵政務次官  石井  智君
        大蔵省主計局次
        長       伏屋 和彦君
        大蔵省主税局長 小川  是君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁次長   松川 隆志君
        国税庁課税部長 堀田 隆夫君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      中川 浩扶君
    —————————————
委員の異動
二月二十七日
 辞任       補欠選任
  山中 貞則君   山本 有二君
  谷口 隆義君   宮本 一三君
  平田 米男君   倉田 栄喜君
  矢島 恒夫君   佐々木陸海君
同日
辞任        補欠選任
  山本 有二君   山中 貞則君
  倉田 栄喜君   平田 米男君
  宮本 一三君   谷口 隆義君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度
 における公債の発行の特例等に関する法律案
 (内閣提出第五三号)
 平成七年度における財政運営のための国債整理
 基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関す
 る法律案(内閣提出第三号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八号)
     ————◇—————
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尾身幸次#1
○尾身委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、阪神・淡路大震災に対処するための平成六年度における公債の発行の特例等に関する法律案、平成七年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中田宏君。
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中田宏#2
○中田委員 新進党の中田宏でございます。
 先週の金曜日には、本会議でかなり言いたいことを言わせていただきまして、大変に大臣初め皆さんには失礼をいたしました。まだまだ一年生の議員で、しかも新進党では最年少でありますので、国会のルールその他いろいろある中をかなり無鉄砲にやらさせていただいているのかもしれません。そこら辺は自分自身もまだよくわからない部分がありますので、ぜひ御指導を賜りながらというふうにお願いを申し上げます。
 きょうは、大蔵大臣それから萩山政務次官、石井政務次官と、そういう形でお聞きをいたしたいというふうにお申し出をさせていただいたわけでありますが、国会の今までのあり方からいえばかなり異例なことなのかもしれません。しかし、深い御理解をいただいて、後進の指導に来てくださったというような形で石井先生にはわざわざ御出席をいただいたりました。本当に心から御礼を申し上げます。後ほどちょっと二、三の質問をさせていただければというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 それでは私の方、質問に入らせていただきたいと思うんですが、私はこの租税特別措置法、いろいろ幾つもあるわけでありますけれども、その中で土地の問題に限っていろいろとお聞きをしてまいりたいというふうに思っています。
 土地、今景気がこれだけ深刻な状況にある中において、やはりバブルの時代のツケというのがまさに今の土地の状況であり、その資産デフレ現象の最大の要因が土地であり、それがまさに今の不景気につながっているということは明らかだと思うわけであります。したがいまして、土地をいかに流動化させていくのかということが今後の景気回復の大きな柱になろうというふうに思います。
 いろいろと景気浮揚策というのはございますし、既に政府も前政権から、前々政権からそして今の政権に至るまで大変な御努力をしてくださっています。公共工事等の大幅な増加、そしてそのほかにも幾つも施策をいただいているわけでありますけれども、やはり土地というものをとにかく流動化させていくべきだろうというのが、私は考える限り、いろいろな意見を総合する限り大きな意見なわけでありますけれども、そういう意味においてきょうは土地の問題を考えさせていただきたいと思うわけであります。
 まず、冒頭ちょっと順序を違っちゃうかもしれませんが、大臣の簡単な御所見で結構であります、景気の状況と土地の絡みというものを、今後土地を流動化させようという部分に関して簡単に冒頭御所見を例えればと思います。いかがでございましょうか。
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武村正義#3
○武村国務大臣 日本経済全体は、御承知のように、政府も発表いたしておりますが、緩やかながら回復基調に入ったという認識でおります。そういう中でありますが、土地の動きは依然活発ではありません。土地こそ、あるいは土地が動かないのが不景気の象徴だという見方があることは承知をいたしておりますが、土地はやはり地価の動向との絡みがあると思いますし、御承知のように大都市圏を中心にして地価が低落をして、これがもうとまったかなお下がるかというこの辺の展望が定かじゃない、そういう中で今回の土地税制の議論も行われたというふうに認識をいたしております。
 業界の関係者等から強い陳情も私も受けましたが、譲渡益課税を下げたりあるいは地価税を廃止してもらえば、そのことで土地はどんどん動くんだと熱心に聞かされたわけでありますが、昨年も細川政権でいささか土地に対する御配慮をいただいたわけです。そのときもそういう議論がありました。
 しかし、残念ながら、それほどそのことが大きなインパクトにならなかったことも踏まえますと、果たして譲渡益課税を動かすことによって土地の動きが活発になるのかどうかについては、これは定かに確信的に物は言えないわけであります。まだ下がるという状況があれば幾ら下げても動かないという、やはり需要供給の関係が基本になるのかなというふうに認識をいたしております。
 そういう中ではありますが、今回は諸般の所得税が軽減された。減税の対象になったこととのバランスも考えて、これから議論をいただくような四千万以下についてのこうした措置をとらしていただいた次第であります。
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中田宏#4
○中田委員 今大臣もお触れをいただきましたけれども、譲渡益課税について今回改正がなされるわけでありますけれども、これは税務上、そして税の目的上、この改正についてどういった意義で今回引き下げになるのかどうか。これは四千万円以下の部分は三二・五%に今度下がるわけでありますが、四千万円超はこれまでどおりということになります。今回四千万以下のみを三二・五に下げた。ここら辺の目的をちょっとお聞きしたいと思います。
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小川是#5
○小川(是)政府委員 土地の譲渡益課税制度につきましては、平成三年度の土地税制全体の改正のときに大きな改正が行われたわけでございます。そのときには、土地というものの公共性につきま。して、土地基本法が成立をして、非常に立法上も社会的にも強い位置づけが行われました。その結果、譲渡益につきましては、特に勤労所得等の負担との均衡に配慮して相応の負担を求めるべきということから、それまでのいわば二段階に分けておりましたのを一本にいたしまして、住民税と合わせて三九%の課税。その一方におきまして、優良な住宅地等の供給に資するものというのは、それまでの税率を引き下げまして二〇%にするという改正が行われたわけでございます。
 今回の税制改革におきましてもそうした考え方が踏襲されておりますが、さきの税制改革において勤労所得等の税負担が軽減されました。そうしたこととの関連で、負担水準について改めて議論が行われたわけでございます。その結果が、今回御提案しております、四千万円以下については勤労所得に対する累進構造の変化、軽減というものを踏まえて三二・五%とするのが適切ではないか、そうしてこれを安定的な制度として維持をしてまいりたいということで御提案をした次第でございます。
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中田宏#6
○中田委員 この譲渡益課税の問題に関しては幾つかそのほかの議論などもあったかと思うのでありますけれども、せっかく政務次官に来ていただいておりますので、ちょっとそこら辺のお話をぜひお伺いできればと思います。
 一般的には、譲渡益課税が非常に高過ぎるということにおいて土地が回っていかないというような認識が今多くの関係者で言われ始めている現状でありますけれども、その部分に関して与党の中でもいろいろと御議論があったというふうにお伺いしています。実はこれは我々新進党の中でも当然議論があるわけでありまして、譲渡益課税、これは下げるべきだという議論もあれば、一方でまだまだと言う人もこれは新進党の中にもありますので、別にそこの矛盾がどうのこうのと言うつもりは本日はございませんけれども、ひとつお聞きをできれば。
 簡単に伝え聞いている限りでは、自民党の先輩方は、これは上がる前の一律二六%に戻すべきだという議論があったやにお聞きをします。一方で、社会党そしてさきがけの先輩方の中には、いやいやまだだというような議論があったやに聞いておりますけれども、そこら辺のこと、どういった御所見また議論があったのかどうか。社会党石井政務次官、せっかくお越しをいただいておりますので、ちょっとお伺いできればと思います。
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石井智#7
○石井(智)政府委員 きょうは私に対して御質問をちょうだいして、心からお礼を申し上げたいと思います。
 今もお話がございましたように、バブル経済の状態の中では土地というものに対して非常な投機的な要因が加わって、本来の土地のあり方というものが見直されなければならない、こういう議論を積み重ねて、三年だったと思いますが土地基本法を制定して、土地の基本理念というものを国家的に定めた。その精神でいくと、今、土地そのものが公共の用に供していくという本来の目的、それに見合った国民福祉の用に供していく、そういう中で必要な土地の流動化を図っていかなきゃならぬ、こういう状況にあろうと思います。
 現在土地が非常に低迷をしておる、そのことが経済を活性化させない要因になっているのではないか、こういう意見もあることは承知をいたしておりますが、まだ、今の地価の動向を見るとその状況にない。こういうことから、現在のその基本理念を堅持していく、そういう立場に立って、譲渡益そのものは据え置いていく必要があろうという判断をいたしましたけれども、その過程でほかの、譲渡益課税と違う部分というのか、通常の所得に関して税改正が行われたわけであります。そのあたりの整合性を図っていく上で、二段階の論をとりまして整合性を図ったというのが今回の内容でございます。
 与党三党で十分議論、精査の上調整を図った内容でございますので、御了解をいただきたいと思います。
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中田宏#8
○中田委員 もう一問だけお聞きをしたいのでありますけれども、先生初め社会党の中での議論というのはいかがなんでありましょう、差し支えのない部分でお教えをいただければと思いますが、土地というのはまだまだ下げなきゃいけない、そのためには譲渡益課税などを初めとした税制に関してはまだまだ緩める段階にはないというような議論、御見解であるかどうか、そこら辺のところをお聞かせいただければと思います。
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石井智#9
○石井(智)政府委員 今の土地そのものが高いのか安いのかという議論は、国民的な大衆合意によってなされるものだろうというふうに思いますが、その中で、公共の用に供していく、そのために必要な流動化を図らなきゃならぬ、こういう立場でいろいろな角度から税の役割を、譲渡の時点、保有の時点、いろいろな時点時点においての整合性のある体系をつくり上げていくという立場で、有効な、基本理念に沿った運用が図られていくように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
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中田宏#10
○中田委員 今私がちょっとお聞きをしたかったのは、土地の値段を含めて土地に対する御堂の御見解です。政務次官でありますから、そういう意味ではそこら辺、政党を代表しての答弁にはなりにくい部分がありますので、この辺にしたいとは思います。
 もう一つは、これは大臣ですからまたさらに御答弁しにくい部分があるかもしれませんが、先ほど申し上げたように、お聞きをしている部分では、自民党はもう少し下げよう、私も下げるべきだというのが論でありますけれども、社会党、さきがけを中心に、いや、そうじゃないという議論が活発だったようにお聞きをして、結局間をとったという形になっているように思うわけであります。そこら辺について、ちょっと大臣の御見解をお伺いできればと思います。
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武村正義#11
○武村国務大臣 与党三党で税制の関係者、真剣な議論を最後までやっていただいて、その合意に対して大蔵省としても一定の意見を申し上げながらこういう結果を決定させていただいたわけであります。議論の経過はいろいろ新聞にも報道されておりまして、私も全部は承知いたしておりませんが、おおむね議員のおっしゃるような主張があったのかなと思い出しております。
 それぞれ、今社会党の石井政務次官が社会党の考え方をお話しになりましたが、さきがけは五十嵐理事にお任せをしておりまして、専ら土地税制を余りたびたび動かすのはよくないと。絶えず動いてきたことは事実でございますが、そうなると、また下がるのじゃないか、また下げてもらえるのじゃないか、だから売るのはやめておこう、こういう期待にもつながったりして、税制がそういう心理的な影響を与える向きも確かにあるわけであります。
 もともと、平成三年の改正は、既に御認識のように、資産、消費、所得のバランスを頭に置きながら、土地の適正課税はいかにあるべきかという議論が行われましたし、片方、土地基本法も制定されて、いわゆる土地政策の基本をめぐる論議も踏まえてこうした税制が確立をされた。その中に地価税の創設ということもあったわけですが、それが、確かに不景気とか土地が動かないという状況はあるにしましても、また二、三年たって変えるということは、平成三年の議論を想起いたしますと、そう軽々であってはならないという主張も当然あっただろうと思うのです。
 しかし、諸般のそういう論議を踏まえて、最終的には、四千万以下についてはこうした配慮をさせていただいて、譲渡益課税二段階、まあ二〇%という優遇措置がありますから三段階かもしれませんが、こういう仕組みに修正をさせていただきたいというのが政府の考え方でございます。
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中田宏#12
○中田委員 萩山政務次官にも一言御見解をお伺いさせていただければと思いますが、今整理をしてきたような意味では、社会党は、十一月の初めに税調の方で、地価税と譲渡益課税と有価証券取引税、まあこれは有価証券も入りますが、この軽減には反対する方針を決定をしている。ここら辺全部、簡単に言えば、資産課税の充実のためにはまだまだ現行制度を維持すべきだということだったと思います。
 そして、今大臣おっしゃっていただいたとおり、おおむねそういう議論だったということで、さきがけ、社会党はそういう見解だということだと思いますが、先生も差し支えないところで、自民党の議論はどういったところであったか、また先生の御所見なりというものをお伺いできればと思います。
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萩山教嚴#13
○萩山政府委員 中田先生の御質問にお答えいたしたいと思います。
 自民党は確かに、平成六年三月に、租税特別措置法の一部改正法案に対する修正案として、野党時代でありますけれども、土地譲渡益課税の軽減と地価税の負担軽減を提案したことは先生仰せのとおりであります。今回、土地譲渡益の課税の改正は、今般の税制改革によって勤労者所得の税の負担が軽減されたことも事実であります。そのことを踏まえて、土地譲渡益課税の負担水準についても改めて論議いたしました。
 今回の改正案は、現行の土地税制の基本的な考え方を堅持しつつ、通常の所得に比べて高い負担を求めつつ、なるべく簡明な税制のあり方を求め、改めて長期的、安定的なものとして構築していこうと考えたものであります。ですから、個人の長期保有の土地の譲渡益課税については、土地譲渡益の四千万円を超える部分については税率三〇%、先ほど大臣も石井政務次官もおっしゃっていたかと思いますが、譲渡益の四千万円までは現行よりも一段低い税率の二五%、まあ住民税を込みで三二・五%を適用するということで、二段階の累進税率となっておるのも先生御指摘のとおりであります。
 以上のような今回の土地譲渡益の課税の改正案は、連立与党における真剣な論議と御協議によって精査をしての結果であると受けとめております。
 なお、今回の税制改正は、土地譲渡益課税のあり方について、検討を先送りすることではなくて明確な結論を得たことは、土地取引に当たって不透明性や思惑を払拭しております。回復過程にありながら、その足取りの極めて緩やかな経済状況にも好影響を与えるものと思料したからでございます。
 また、地価税の負担のあり方についても、その意義、役割等を踏まえて、今後、地価税法の附則の趣旨に沿って、固定資産税などの土地の保有に対する税負担の全体の状況を勘案しつつ、引き続き自民、社会、さきがけ三党連立与党の検討課題にこれからもしていきたいと思っておる次第であります。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
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中田宏#14
○中田委員 ありがとうございました。
 きょうはそれぞれ、たまたま今、大蔵省の布陣というのは、大臣がさきがけ御出身で、両政務次官が自民そして社会党御出身ということでありますので、ぜひそこら辺のことをちょっと整理をさせていただきたいという趣旨で、こういった形でお聞かせをいただいたわけであります。
 ほかの委員会だったらなかなか両政務次官がそろっているなどというのはありませんから、私もありがたいことだと思いつつ、また一方で、かなり先週来いろいろなところでいろいろなことを言っておるものですから、諸先輩方には常に生意気に映る存在で大変恐縮でありますけれども、本当に御誠実に答弁をいただきましてありがとうございました。
 ただ、我々新進党から見ますと、今回の譲渡益課税の問題にしましても、どうもやはり与党の中で、三党の連立の中でやっていることの何だか妥協の産物だなという気がしないでもないわけであります。そういった議論が今まさに浮き彫りになった形だと思いますが、最終的に決まったのは、真ん中とってというような雰囲気もないではありません。
 そしてまた、その最後の定義づけとしまして、一つには、所得税の減税措置に見合った減税規模だというようなのが最後は理屈的に当てはまってくるのかなというような気がするわけでありますけれども、そういう意味でいうと、所得税の減税規模に見合って今回の譲渡益課税に関しても考えたなどということになると、また所得税の減税措置が、今度見直しをしたりということもまたまたテーブルにのっているわけですから、そうなると、ではその際にもこの理屈づけが通るのかなというような不安も覚えてしまうわけであります。
 そういう意味で考えると、これはやはりどちらかが矛盾しているような気がするわけでありますが、ここら辺に関していかがでありましょうか。
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小川是#15
○小川(是)政府委員 改正前の、あるいは今回の四千万円超のところの所得税の税率が三〇%となっているのは、実は、所得税の最高税率五〇%の二分の一を上回る水準で、他の所得よりも高い負担を長期譲渡所得について求めるのが適切ではないかということで設定されたわけでございます。
 今回の四千万円以下の見直しにつきましては、最高税率は今回の税制改革におきましてもそのまま維持されておりますが、その下の累進構造が直されまして、それを全体として比較いたしますと、やはり四千万円以下のところで税率の刻みをもう一つ置くというのが、たとえ簡明な分離課税としての譲渡所得課税としても適切ではないかということで、二五%への引き下げを御提案しているものでございます。
 したがいまして、こうした所得税の三〇%、二五%という長期譲渡所得に対する分離課税の税率は、今後所得税の税率構造がよほど大きな変化をしない限り、こうした形で維持されるべきものであるというふうに考えている次第でございます。
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中田宏#16
○中田委員 といいますことは、所得税の変動とリンクをしているわけでは一概にはないということです。そうすると、これは、そういった所得税に見合わせたぐらいのというこの論は違うということであります。
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小川是#17
○小川(是)政府委員 その点につきましては、実は平成三年度の土地税制の審議の際の政府の税制調査会の答申にも残っているところでございますが、一つは、長期の譲渡所得と短期の譲渡所得で、短期譲渡所得がさらに大きく加重、負担が加重されております。将来の方向としては、土地税制、譲渡所得については、長期のものをむしろ短期のものにさや寄せしていくという考え方もこの答申の中では議論されているわけでございます。
 そのことの意味というのは、土地に係る税負担については、他の所得に対する所得課税の負担構造とは離れて、より大きな負担を土地の公共性というところから求めてもいいのではないかという議論もあるからでございます。
 したがいまして、所得税の構造とのバランスという問題が今日においては大きなポイントとして税率構造の改正をお願いをしているわけでございますが、ごく一部にはそういった議論、土地については全く別の負担を考えてもいいのではないかという議論がないわけではないという点においては、所得税の構造と離れた議論もあり得るのではないかという御指摘はその限りにおいてあり得るのではないかというふうに思うわけでございます。
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中田宏#18
○中田委員 譲渡益課税のことを今までお聞きをしてきたのですが、石井政務次官と萩山政務次官におかれましてはもうこの後は質問いたしませんので、とりわけ石井政務次官は、よろしければ御退席をいただいても結構でございます。本当に本日はありがとうございました。
 質問を続けさせていただきますが、大蔵省として、土地の譲渡益課税と土地の譲渡面積あるいは流動化をしていくこととの因果関係というのはどういうふうにお考えなのかをお聞かせをいただければと思います。
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小川是#19
○小川(是)政府委員 土地を売却しようとする動機としては非常にさまざまなものがあると思います。一般的な土地譲渡に対する税負担の変更自体が土地の供給にどうつながるかということを判断するのは極めて難しいと存じます。これは、過去三十年ぐらいの土地税制の変遷を見ましても、将来において税率が間違いなく上がったままである、現在は低いけれども次第に高くなっていくという税制を昭和四十年代後半にとったこともございます。このときだけは、昭和五十年以降は税率が高い水準で維持される、今低いということから、当時の列島改造論なんかもあわせまして非常に大きな土地の譲渡があったこともございます。
 しかし、その後の状況を見ますと、さまざまな政策的要請において頻繁な改正が行われてきておりますけれども、このことは、常に税に対する緩和期待というものが生じてむしろ土地の供給というものに対して抑制的な働きを持つのではないかというところが懸念されてきたところでございます。
 したがいまして、土地税制というのは二つ問題がございまして、一つは、譲渡所得課税は極めて長期にわたって安定的であるということが一つの大事なポイントであると存じます。いま一つは、これまた平成三年の土地税制のときに議論されたところでございますが、その保有に対して適切な負担を求めているということがこれまた重要な二つ目の柱だというところでございます。保有に対する負担がございませんと、よくロックイン効果と言われますように、土地を保有する方はその資産価値から見ましてずっと持ち続けるということが最大の選択になってしまうというところでございます。こういった二つの点が現在の税制に生かされているのではないかというふうに思うわけでございます。
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中田宏#20
○中田委員 今お答えをいただいたわけですけれども、今この不況の最中に、先ほど冒頭申し上げましたように、土地というのはやはりその大きな原動力としてある意味では期待をされて、そして別の言い方をすれば、この不況を引き起こした原因なわけであります。さまざまに不況対策ある中で、やはり土地というのは大きな柱だと申し上げたとおりです。
 その中で、個人も法人も、できれば売って、そしていろいろな、さまざまに抱えている借金を返済をしていきたいという意向があるわけですね。ところが、今のままだと、これは持っているのも売るのもどうも税金が重過ぎる、できることならば、売る際はもうちょっと軽減をしてもらえないものだろうかという声は非常に、私も聞いていて大きいわけでありますね。
 確かに譲渡益課税、これは三九と仮に二六だとすると一三%ぐちい違う。一三%違うと、これは本当に、土地の売買ですから、一千万、二千万、三千万とすぐに税額が違ってきてしまうわけですね。それでもって借金を返済することをより早めようと思ったりそういうのというのは物すごく今回は因果関係が私はある意味では大きいというふうに思うわけですね。
 私も.今まで幾つか資料を見てきた中では、この譲渡益課税の強化期とそれから緩和期、そしてそれと土地の取引の件数との因果関係というのはそんなに大幅な極端な動きにはなっていないということは認めるものでありますけれども、しかし今回は、今申し上げたような経緯でこういう譲渡益課税がもう少し軽減をされれば相当に処分をして、そしていろいろな借金を返済をしたい、そして処分がされれば、当然そこに土地が流動化をしてきて経済が浮上していく要因があるだろうというふうに思うわけでありますけれども、今回は、そういう意味でこれまでの前例と同じような考え方ではないのだろうというふうに思っておりますが、ここら辺の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
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小川是#21
○小川(是)政府委員 その点は先ほど大臣が申し上げたとおり、しょせん土地も、いろいろな特異性があるにしましても、市場における需要と供給というものによって価格形成が行われ、あるいは取引量が決まってくるというところであろうと思います。現状において、かなり一昨年来関係者からのヒアリング等も行ってまいりましたが、土地が動かない、もし仮に流動化されていないとしますと、それは買い手がいない、買い手がついてこないという方の問題でございまして、売り手が売ったときに出てくる利益に対する税負担が重過ぎるからということではむしろないというふうに受けとめているわけでございます。
 それからいま一点は、この点がバブルの後であるだけに大変難しいところでございますが、土地の取引量は、面積的にもあるいは金額的に見ましても、バブル以前の我が国の経済の規模に応じたバランスと今日とはほとんど同じ水準にあるというところでございます。バブルの時期に非常に大きな土地の売買が行われたというその後でございますから大変細っているように思うわけでございますけれども、現実は、土地の譲渡金額あるいは面積から見ましてもそう経済とかけ離れたものになっているわけではないという点も付言をさせていただきたいと存じます。
 今御指摘の点は、むしろ利用あるいは将来における売却を考えながら取得した大き過ぎる土地をどのように処分していくかという問題でございますが、結局のところ、市場における需要というものにどの辺で合ってくるかという問題であろうかと思うわけでございます。
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中田宏#22
○中田委員 今局長のお言葉の中にバブルの時期という言葉がございました。確かに、多くの国民の皆さんは、まさに地価税の問題にしても譲渡益課税の強化にしても、バブルで土地が値上がりをし過ぎた、し過ぎたゆえに課税強化されたんだという印象なわけですね。これは間違いないです、実感として。そうなると、今度は逆に、土地が下がっているんだからそれは緩めるべきだ、今回少し緩めたわけですけれども。この認識というのは間違いのない率直な感想なわけです、多くの国民の皆さんにとって。
 土地税制は土地の政策の中における補完的な役割だというのが恐らく御見解だと思うのですけれども、今おっしゃつたのは、まさにバブルの時期に強化したんだからそれは今度は政策的に下げるべきですよという論が、そうなるとこれは十分に成立をする話だと思うのですけれども、ぜひそこら辺をお願いしたいと思います。
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小川是#23
○小川(是)政府委員 その点につきましては、ちょうど土地税制が基本的に議論されましたのが平成二年でございまして、平成三年に各種の税法の手当て、地価税法の創設を含めて行われました。時期的には、いわゆるバブルの最後あるいはそれが崩れ始めるかという時期でございましたから、議論が大変いわゆるバブルの問題を契機として進んだというのは事実だと存じます。
 しかしながら、この土地税制ができ上がる制度的な背景といたしましては、やはり平成元年の十二月に成立をいたしました土地基本法が非常に大きな契機となっておりました。したがいまして、そういった経済情勢と、土地に対する基本的な立法が国会で全会一致で議論されつくられたということが大きな要因になっていると存じます。
 したがいまして、当時の税制調査会の答申におきましても、これはいわゆるバブル対策ということではなくて、長期安定的にこういった税制を持つことが重要であるということが言われておりますし、平成三年の国会におきまして税法の御審議をお願いいたしましたときに、今委員御指摘のような、これはバブル対策でいずれはということかどうかという御審議がございました。当時、大蔵大臣、主税局長は、これはむしろ我が国の税制として安定的なものとして位置づけたいということを御答弁申し上げた次第でございます。
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中田宏#24
○中田委員 今長期安定的というふうにおっしゃられましたが、税制というのは基本的にはそうなのかもしれません、税制そのものは。しかし、土地。もそうなんでしょうけれども、私は、長期安定的というのは、保有の部分に関してならまだしも、保有もきついわ売るのもきついわというのは、これは本当に土地を動かなくしている大きな要因だと思うのです。
 小川主税局長は、かつて参議院の大蔵委員会の中で、土地に関する税がくるくる変わるのはよくないというふうにおっしゃっておられる。それはそういう税もあるでしょうけれども、しかし、機動的に税率というものを変更することによってむしろ経済を刺激をしていくという税というものも一方で当然あるわけです。それだと恐らく主税局長も同じ御見解だと思うのです。そういう税もあってしかるべきだと思うのです。ですから、そういう部分というのは、主税局長はどういう部分がその税であって、それはまたどういうふうにすべきだというわけです。
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小川是#25
○小川(是)政府委員 現在の租税特別措置法は、大部分がいわゆる政策的な税制でございます。この場合の政策というのは、さまざまな社会的なもの、福祉に対するもの、あるいは学術的なもの、文化的なものがございますが、やはり一番大きいのは経済政策の観点でございます。経済政策の観点という意味では、生産活動に対して及ぼす影響を税制がいろいろな意味で支えているというふうに存じます。その意味におきましては、具体的な生産に及ぼす税制の効果あるいは需要に及ぼす効果というのは、それなりに皆さんに認識され、税制の基本原則をやや変えてでも受けとめられているのではないかというふうに思うわけでございます。
 そこへまいりますと、土地に対する税制というのは、過去何十年間かの経験からいたしまして、土地というものの持つ資本としてのあるいは資産としての特異性から、長期安定的に税制を持つということが極めて重要であるというふうに認識されているのではないかと思うわけでございます。
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中田宏#26
○中田委員 ちょっと話を変えますけれども、この譲渡益課税、土地の譲渡益に関しましては、我が国は所得と分離して課税をするという形になっているわけでありますけれども、先進国、諸外国だと、これは合算をしてというケースが多い。私が調べた限り、そういうふうに思う。そこら辺に関しては、我が国はどうしてこういう形になっているのか、あるいはそっちのデメリット・メリットというのをちょっとお願いをしたいと思います。
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小川是#27
○小川(是)政府委員 長期保有の土地譲渡益に対する課税につきましては、昭和四十四年に分離課税方式がとられまして現在に至っております。この土地に対する課税方法を分離ではなくて総合課税といたしますと、当然のことながらいわゆる累進税率がきいてまいりますから、規模によって違いましょうが、それぞれ土地を売られるときには、やはり累進的な税負担を免れたいということで切り売りということが懸念されるわけでございます。そういう意味からは、分離課税の方が、土地のような切り売りが可能なものについてはよりすぐれているのではないかというのが一つございます。
 いま一つは、累進課税をいたしますと、同じ土地につきまして、だれが売るかということによって、下にある所得との関連で税額が違ってまいります。そこで、税負担の計算が大変複雑で、土地の売却に伴う負担額がはっきりしない。土地についての円滑な取引という観点からいたしますと、坪幾らで売買をする、あるいは全体としてこの面積を幾らで売買すれば税負担は幾らだというのがわかりやすいというのが分離課税のメリットであろうかと思います。
 また、土地によって生ずるキャピタルゲインという所得が勤労所得等とはちょっと性格が異なるのではないかという考え方が次第に定着してまいりました。そうした中では、この分離課税というのが、他の所得が総合課税であれ、より適切なものではないか、このような考え方が次第に強まって、今日定着してきていると考える次第でございます。
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中田宏#28
○中田委員 そうしますと、四十三年の政府税調の答申の中で、「個人の長期保有土地に係る譲渡所得課税方式の変更」、そこで「現行の超過累進課税を時限的に分離比例課税に改めこという形で、この当時は時限的にこれをやっていくんだという形になっているわけですが、それはもうそうじゃないということであります。
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小川是#29
○小川(是)政府委員 四十三年七月の税制調査会の答申は、まさに土地税制のあり方について非常に基本的な議論を初めてした答申でございます。
 二つのポイントがあろうかと思います。
 一つは、土地の供給を促進するということでございまして、とりわけその早期供給を促進す。当時の都市化の進む中での住宅地供給の要請から、これが一つのポイントでございました。そこで、四十四年から土地税制を改めまして、二年ごとに、四十五年、四十六年は比例税率一〇%で、四十七年、四十八年は一五%で、四十九年、五十年は二〇%でという形で、段階的に税率を引き上げるということによって、早く土地を売ってくださいということにいたしたわけでございます。
 いま一点が、今御指摘の分離比例税率ということによって負担を明らかにする、取引がしやすいということを求めたわけでございますけれども、五十年に、この二〇%の税率期間が終わるときに、ふたたび税制調査会でいろいろ議論がされました。その後の税制についてどのような形をとるかということが議論されたわけでございます。
 その結果、五十一年度以降も、この分離比例税率という課税方式は土地取引に対して非常にすぐれた点を持っているということから、これを維持するということにされたわけでございますが、やはり大規模な土地取引まで全部同じ税率というのは負担のあり方としていかがかということから、当時は二千万円を基準にいたしまして、二千万円以下は、そのとき決まりました二〇%、二千万円を超える部分につきましては、ちょっと複雑な計算でございますけれども、上の部分について四分の三総合という方式をとったわけでございます。これは、大規模な所得を生む土地取引の部分については、このような課税方式をとっても土地取引の円滑化という観点と税負担の公正というバランスがとれているのではなかろうかということでございました。
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