安全保障委員会

1996-02-23 衆議院 全115発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十三日(金曜日)
    午後一時四分開議
出席委員
  委員長 吹田  愰君
   理事 瓦   力君 理事 浜田 靖一君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 茂樹君
   理事 平田 米男君 理事 田口 健二君
   理事 前原 誠司君
      大野 功統君    中谷  元君
      中山 利生君    中山 正暉君
      野田 聖子君    平泉  渉君
      森  喜朗君    渡瀬 憲明君
      石井  一君    河合 正智君
      神田  厚君    月原 茂皓君
      大出  俊君    五島 正規君
      早川  勝君    東中 光雄君
      山花 貞夫君
 出席国務大臣
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  臼井日出男君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  小池 寛治君
        防衛庁参事官  藤島 正之君
        防衛庁長官官房
        長       江間 清二君
        防衛庁防衛局長 秋山 昌廣君
        防衛庁教育訓練
        局長      粟  威之君
        防衛庁人事局長 大越 康弘君
        防衛庁経理局長 佐藤  謙君
        防衛庁装備局長 荒井 寿光君
        防衛施設庁長官 諸冨 増夫君
        防衛施設庁施設
        部長      小澤  毅君
        外務省総合外交
        政策局長    川島  裕君
        外務省総合外交
        政策局軍備管  河村 武和君
        理・科学審議官
        外務省アジア局
        長       加藤 良三君
        外務省北米局長 折田 正樹君
        外務省条約局長 林   暘君
 委員外の出席者
        通商産業省貿易
        局輸出課長   大道 正夫君
        安全保障委員会
        調査室長    下尾 晃正君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十三日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     不破 哲三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の安全保障に関する件
     ――――◇―――――
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吹田愰#1
○吹田委員長 これより会議を開きます。
 国の安全保障に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。町村信孝君。
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町村信孝#2
○町村委員 自由民主党の町村でございます。
 きょうは両大臣おそろいで御出席をいただきました。御就任を心からお祝いを申し上げますとともに、非常に難しい時期でございます、両大臣の御活躍を心よりお祈り申し上げる次第であります。
 昨日の所信表明及び新しい大綱、それから中期防に対して御質問をさせていただきたいと思っておりますが、その前に一、二点、ちょっと私なりの考えを申し述べさせていただきたいと思っております。
 一つは、防衛というのはやはり人で支えられているということの重要性であります。すなわち、国民であると同時に、自衛隊の皆さん方が、我が国の平和と独立を守るために何ができるだろうかということだと私は思います。
 戦後五十年たちまして、非常に平和な状態に日本があったものですから、ややもすると、自分の国は自分の手で守るという、その当然の気持ちがほとんど感じられなくなってしまっているのではないかという事態を、私は大変憂えております。我が国を取り巻く情勢は決して安定した状態にはないということでありますので、今改めて、国民の意識の高揚、この問題の重要性、このことを深く皆さん方にも考えていただき、我々政治家もこの事態の克服に努力をする必要があるだろう、こう思っております。
 また、自衛隊の皆さん方が第一線で日夜を分かたず大変な勤務に励んでおられ、そして、そのことによって我が国の平和と独立が保たれているんだという厳粛なる事実を我々は率直に認めた上で、こうした第一線で働いておられる自衛隊の皆さん方の努力、その高いモラールを支えるに十分な環境の整備等々をやっていかなければならない、こんなふうに思っております。
 それからもう一点は、危機管理ということについて、昨年来、大震災があり、あるいはつい先般、豊浜のトンネルの大崩落事故というのがありましたけれども、国家にとって最大の危機というのは、何といってもこれは一たん有事のときのこと以上に危機はない、こう思います。
 したがって、今橋本内閣も挙げて危機管理のためにいろいろやろうというその姿勢は高く評価をいたしますが、より根本的な危機であります有事における法制のあり方でありますとか、あるいはきょう一部の新聞にも集団的自衛権のあり方について政府部内で検討をしているという、事実かどうかわかりませんが、私は、むしろこういう検討を政党も政治家も、そして政府の中においてもやることがやはり責任を果たすことになるんだろう、こう思います。
 かつてであれば、検討することすらまかりならぬという時代もありましたが、そういう時代は変わったと私は思いますので、ひとつ真剣にこの危機管理、最も国家にとって深刻な危機管理という事態を考えた上での政府でのお取り組み、両大臣のリーダーシップの発揮をお願いをするところであります。
 さて、昨日の所信表明、両大臣から国際的な軍事情勢についてもお触れがございましたので、若干国ごと、地域ごとに伺ってみたいと思っております。特に、約二十年前、昭和五十一年に旧大綱ができたときとの比較において、現在をどう認識したらいいのかなというような観点で伺いたいと思います。
 確かに冷戦は終了いたしましたけれども、逆に、アジアは不安定な地域になってきたのではないのかな、それぞれの国を見るとむしろアジアは軍拡の時代に入った、こう言っても過言ではないと私は思っております。
 例えば北朝鮮、朝鮮半島では南北の国が対立をする中で、非常に国内的な不安、食糧不足とか、あるいは軍事面で見れば核開発疑惑、とまっているのかどうかすらもよくわからない、さらにミサイルの長射程化というものも進んでいる。これは二十年前にはなかった、やはり我が国にとりましては新たな脅威ではなかろうか、こう思っておりますけれども、かかる事態を、まず北朝鮮についてどのような認識を持っておられるのか、政府のお考えを伺いたいと思います。
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臼井日出男#3
○臼井国務大臣 初めに、ただいまは自衛隊に対して温かい御激励の言葉をいただき、ありがとうございました。
 委員御質問の二十年前との比較でございますが、朝鮮半島におきましては、韓国と北朝鮮が非武装地帯を挟んで厳しく対峙をいたしております。このような軍事的対峙の状況は、前大綱策定時と基本的には変わりはございません。
 このような状態の中で、北朝鮮は、深刻な経済困難に直面をしているにもかかわらず、一貫して軍事面にその国力を重点的に配分をいたしております。例えば、陸上兵力は約四十三万人から約百万人に増強されているところでございます。また、北朝鮮の核兵器開発疑惑や弾道ミサイルの長射程化のための研究開発の動きは、我が国周辺のみならず、国際社会に不安定をもたらす要因として強く懸念をされているところでございます。
 他方、北朝鮮の核兵器開発疑惑の解決に向けた米朝間の枠組み合意などに見られるように、朝鮮半島の安定化に向けたさまざまな動きが見られているところでもございます。
 いずれにいたしましても、朝鮮半島の平和と安定は、我が国を含む東アジア全域の平和と安定にとって重要であり、今後とも細心の注意を払っていく必要があると考えております。
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町村信孝#4
○町村委員 次に、中国の状況でありますが、大変な経済成長を遂げる中で、軍備費、国防費も大変な急成長を遂げております。毎年二割を超える勢いだということでありまして、中国流に言えばそれは近代化であって別に軍拡ではないのだ、こういう言い方かもしれませんけれども、再三にわたる我が国の抗議にもかかわらず核実験を強行している、すなわち核兵器の開発を一生懸命やっている状況です。
 実際これをミサイルに載せてどこをねらうのか私はわかりませんが、当然その射程の中には日本が入っているのは事実だろうと思いますし、また、海軍力の思い切った増強、これは日本の領土である尖閣列島に対して、あるいは南沙諸島に対して、あるいは日本のシーレーンに対する脅威である、新しい脅威としてこれから大きくなる可能性があるのではないだろうか、こんなふうに考えます。
 さらに、最近報道されているように、台湾海峡での大規模な軍事演習といったような事態。台湾と中国本土の距離は百四十キロですけれども、台湾と日本の与那国島との間は八十キロということで、むしろ近いわけですね。そういう意味ではこれも二十年前に似たような状況、確かに本土と台湾の対立というのはありましたけれども、中国の軍拡によってまた新しい脅威というものが生まれているのではないだろうか、あるいは潜在的な脅威として認識すべき事態が生じているのではなかろうか、私はこう思っておりますが、長官の御見解を承ります。
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臼井日出男#5
○臼井国務大臣 現在、中国は、軍事力の量から質への転換を図りつつございます。近年、特に国防費の大幅な増額を図るとともに、核兵力あるいは海・空軍力の近代化に努めております。
 例えば、核戦力につきましては、新型IRBM、中距離弾道ミサイルでございますが、この配置やSLBM、潜水艦発射弾道ミサイルでございますが、これらの開発、海軍につきましては、ヘリコプター搭載可能な駆逐艦及びフリゲート艦の建造配備、空軍につきましては、ロシアからSU27戦闘機の導入等が行われているわけでございます。
 しかしながら、中国は、経済の建設を当面の最重要課題といたしております。また、インフレ基調、財政赤字という困難にも直面をいたしておりまして、このことから、国防力の近代化は漸進的に進むと見られております。
 また、中国は、先ほどお話をいただきましたとおり、南沙諸島を初め海洋における活動範囲の拡大の動きを見せております。中国のこのような動きが、中長期的に見ましてアジアの軍事バランスにどのような影響を与えるか十分に注目をしていかなければならない、このように思っております。
 台湾海峡周辺での中国軍の演習の意図につきましては、防衛庁といたしましては確定的な判断をいたしているわけではございませんが、台湾の李登輝総統が昨年六月に訪米いたしました。その翌月の七月から、中国が台湾周辺で演習を連続して実施をしていること等から、台湾の国際的地位の向上を図る動きに対する牽制の意図を有するものと考えております。
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町村信孝#6
○町村委員 今度は、極東のロシア軍の動きも、これまた目を離せないと思います。確かに、今のロシアの国情ではそう大規模な軍拡ということにはならないのかもしれませんが、過去十年以上にわたって近代化を続けてきたその蓄積というものは相当あると私は思っておりますし、オホーツク海にある弾道ミサイル搭載原子力艦隊というのは、これはもう世界に冠たるものでありますので、そういう意味では、確かに今のロシアを見ていると脅威はなくなったという見方もできるかもしれませんが、非常にナショナリズムの強い国でありますから、これもいつ何どき危険な状態にまた戻らないとも限らない。
 そんなことを考えましたときに、私は、今度の大綱というものはいかなる脅威というものを認識の前提に置いてつくったのかということを、もう一度改めて総括的に承っておきたいと思います。
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臼井日出男#7
○臼井国務大臣 先ほど中台関係、北朝鮮、朝鮮半島のことについてはお話をいたしました。
 ただいま委員御指摘のロシアにつきましても、近年、量的には縮小の傾向が見られますけれども、依然として大規模な戦力が蓄積をされている、こういう状況は散見をされるわけでございます。しかも、ヨーロッパ方面から新型装備の移転等もございます。ペースは緩やかになっているけれども依然として近代化が続いている、このように考えておるわけでございます。
 さらに、ロシア軍の動向につきましては、ロシア国内の政治の不安定な状況、それによりまして軍事面でも不透明である、こういうふうに考えておりまして、今後の極東ロシア軍の動向も不確実なものとなっております。
 今申し述べたように、このような極東ロシア軍の存在というものは、依然として我が国周辺の安全に対する不安定要因になっていると考えられるわけでございます。
 さらに、前大綱が作成されました二十年前と比べて、具体的な戦力は、例えば前大綱策定時、一九七六年の極東ソ連軍の戦力は、現在の極東ロシア軍の戦力と比較した場合、量的には減少はいたしておりますけれども新型装備等の配置により近代化が進んでいる、こういうように考えられるわけでございます。
 私どもといたしましては、これらの極東に存在する不安定な要素をにらみながら、今後とも、我が国の安全のために一層の努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
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町村信孝#8
○町村委員 今長官が言われたように、確かによくなった面もあるけれども、むしろ一層厳しさを増した面もある。私は、二十年前よりも、ちょうどあのころはデタントと言われている時代でありましたからそれでもむしろ楽観的な部分があったと思いますが、むしろ現状は不安定性が増したのではないか、そういう認識の上に立ってこの大綱も構築されている、このように理解をいたしております。
 大綱の特色を伺う前に、一点だけ、ちょうど今国会では新しい国連海洋法の批准の問題、そして日韓における竹島あるいは日中間の尖閣列島、こういう問題があるのです。実は我が党の中でも、例えば日本の航空自衛隊の防空識別圏というのがありまして、尖閣列島は防空識別圏の中に入っているのだけれども、竹島は入っていない、これはもう日本としては事実上、竹島は我が国の領土であるということを放棄したに等しいのではないか、こういう議論があるのでありますけれども、領土、領空という問題とこの防空識別圏というのはどういう関係に立つのか、必ずしも国民の皆さんによく理解をされていない面があると思いますので、ひとつわかりやすい説明をしていただきたいと思うのです。
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秋山昌廣#9
○秋山(昌)政府委員 防空識別圏についての御質問でございますが、この防空識別圏というものは、国際法上確立した概念ではございませんで、一般に各国が自国の安全を図るために国内措置として設定している空域でございまして、これによって領空ないし領土の限界あるいは範囲を定めるという性格のものではございません。我が国の防空識別圏につきましては、この圏内を飛行する自衛隊機の飛行容量を定める、そういうことによりまして、我が国の周辺を飛行する航空機の識別を容易にし、対領空侵犯措置を有効に実施することを目的といたしまして、防衛庁内の部内の規則において定めているものでございます。
 御指摘のとおり、竹島につきましては防空識別圏外としておりますが、これは、同島におきましては現在我が国の施政が事実上妨げられていることや、同島に関する問題は外交上の経路を通じまして平和的に解決していくべきものであることなどの事情から、防衛庁といたしましては、今申し上げました防空識別圏の設定目的にかんがみまして、同島を防空識別圏内としていないものでございます。
 他方、尖閣諸島につきましては、現実に我が国が実効的に支配している、すなわち同領域には我が国の施政が及んでいることから、同領域を防空識別圏内に含めているところでございまして、当該領域に対する領空侵犯が生じた場合には、自衛隊として必要な対領空侵犯措置を実施しているところでございます。
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町村信孝#10
○町村委員 ちょっと今の答弁だと、現実にそれを支配しているか、あるいは施政が及んでいるかいないかで区別がついているのだというような御説明だと、それはまた大変大きな議論を呼ぶのではないかと私は思うのですよ。
 私が今まで関係者から聞いた話では、これはアメリカがかつて空を全部コントロールしていて、今でもそういう面があるのでしょうけれども、アメリカが日本と韓国の間に、まあ適当に線を引いたといったらそれは言い過ぎなのでしょうけれども、かなりアメリカの便宜によって現在の防空識別圏を、これは韓国の防空識別圏ですよ、これは日本の防空識別圏ですよといって引いたものをそのまま日本と韓国が受け継いだのだ、だから、たまたま竹島は向こうの防空識別圏に入っているというだけのことであって、施政権が及ぶの及ばないのということとは関係なく決まっているのだ、こう私は聞いたのでありますが、違いますか。
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秋山昌廣#11
○秋山(昌)政府委員 航空自衛隊が領空侵犯の措置をとるためにこの防空識別圏を設定したのは、ちょっと今資料が見当たりませんが、昭和四十四年であったかと記憶します。そのときに米国が既にしいていた防空識別圏をほぼ踏襲をしたというのは、御指摘のとおりでございます。しかし、そのときに我が国がそれを踏襲する、防衛庁として部内の規則で決めるというときの考え方といたしましては、尖閣諸島と違いまして、竹島に対しては実効的な施政権が及んでいないということを考慮したものでございます。
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町村信孝#12
○町村委員 ここのところは、結論は両国間で平和裏に解決をすべき問題ということでいいのでありますけれども、今のような御答弁であるならば、今の防空識別圏のあり方につきましても、平和裏に話し合いの一項目として、それならばこのあり方についても、政府としてはこの一項目を当然日韓間の協議の中で加えていただきたい、このことを私は要望しておきたいと思います。
 次に移りますけれども、新しい大綱の特色、これは旧大綱と相当変わったところもあれば同じところもある、このように思っております。変わらざるところ、変わってはいけないところ、先ほど私が申し上げましたような、国を守る気概を前提としてとか日米安保の存在とか専守防衛とか非核三原則とか、幾つかあるのだろうと思いますが、変わった点ほどこで、あるいは変わらなかった点ほどこだ、このようにちょっと整理をして防衛庁の認識をお示しいただきたいと思います。
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秋山昌廣#13
○秋山(昌)政府委員 いろいろあろうかと思いますけれども、主要な点についてということで御答弁させていただきたいと思います。
 まず、変わらなかったことといいますか、前の大綱から新しい大綱に引き継がれた大きなポイントは、前大綱において基本的な考え方としておりました基盤的防衛力構想、これは直接脅威に対抗するというよりも、みずからが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国としての必要最小限の防衛力を保有する、基盤的な防衛力を保有する、こういう考え方でございますが、これを新しい防衛大綱におきましても基本的に踏襲していくということを明示しているところでございます。これは、国際情勢の趨勢ですとかあるいは日米安保体制の意義、役割といったものについて、当時の状況と今日の状況とを比較考量した結果、これは基本的に引き継いでいこう、こういうことを明示したところでございます。
 それから、新大綱において従来の大綱に比べまして新しい点というものを三つほどお示ししたいと思いますが、第一点は日米安保体制の点でございます。
 新防衛大綱におきましては、前大綱と異なりまして、冷戦後の国際社会において、日米安保体制が地域の平和と安定及びより安定した安全保障環境の構築の面で果たす役割について再認識されるようになってきている、そういう認識のもとで、これまでの日米防衛協力の成果を再確認しつつ、将来に向けての日米安保体制の意義、それからその信頼性の向上を図り、これを有効に機能させていくための具体的な取り組みの重要性について整理して明示しているところでございます。
 それから第二点目は、我が国の防衛というものにつきまして、当然のことながら、自衛隊の主たる任務である我が国自身に対する間接直接の侵略からの防衛というものに加えまして、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件を契機として、大規模災害等の事態における自衛隊の活動について期待が高まっていること、また、近年自衛隊による国際平和協力業務の実施が相次ぎ、その実績が高く評価されていることなどを踏まえまして、新たに、「大規模災害等各種の事態への対応」というものと「より安定した安全保障環境の構築への貢献」というものを、「防衛力の役割」として柱立てしたという点でございます。
 最後に、もう一点御指摘させていただきたい点は、今後の防衛力の内容についてでございます。
 新しい防衛大綱は、現行の防衛力の規模及び機能について見直しを行い、その合理化、効率化、コンパクト化を一層進めますとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることにより、多様な事態に対して有効に対応し得る防衛力を整備することとしております。こういう考え方に基づきまして、陸・海・空自衛隊あるいは統合幕僚会議のあり方について大綱で明示しているところでございます。
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町村信孝#14
○町村委員 安保のことはこの後ちょっと伺いますけれども、確かに、災害への対応とか国際的な信頼醸成措置を充実していこう、これはいいと思うのですが、国民の中には、効率化、コンパクト化というのが非常に強調されておりまして、何となく世の中、軍縮というのはいいことだなという漠たる気持ちや、あるいは意図的に防衛を軽視しようとする人たちが軍縮ということを言っているわけでありますが、もともと日本の自衛隊というのは極めてコンパクトだったのですね。もう諸外国と比べても圧倒的にコンパクトにでき上がっていたのを、さらにコンパクト化するということになると、本当に大丈夫なのかねと。
 アメリカやロシアや中国のように膨大な軍事力を持っていた国が軍縮をやるというのは、それはわかるのですけれども、日本みたいにかなり切り詰めて切り詰めてやってきた国が、コンパクト化し効率化をするというと、本当に防衛上の本来の任務に支障が生じないのだろうかということについて、むしろ逆の懸念が生じていると思うのですが、この点、もう一度見解を伺いたいと思います。
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秋山昌廣#15
○秋山(昌)政府委員 今回の新しい防衛大綱で一つの論点といいますかポイントとして、今御説明したように、新たな防衛力の構成といいますか、陸・海・空自衛隊のあり方について明示したところでございますが、その背景となっている要素といたしまして、国際情勢の変化、それから自衛隊に対するその役割の期待の高まりというもののほかに、近年における科学技術の進歩ですとか若年人口の減少傾向、それから格段に厳しさを増している経済財政事情といったようなものに配慮いたしているところでございます。
 さらに、前防衛大綱におきましては、どちらかといいますと、前大綱における防衛力の水準に早く達しようということで主として正面を中心とした防衛力の整備に力を入れてきたわけでございますけれども、今回の新しい防衛大綱におきましては、その水準に達したという認識のもと、むしろそのオペレーションですとか、ある水準に達した防衛力の運用面での問題というところにも力を充てた。
 そこで、規模ですとか組織ですとか、あるいは正面装備につきまして、合理化、効率化、コンパクト化、これは従来からやっているわけでございますけれども、それを新たに一つの要素として示す。と同時に、他方で質的な向上を図る、あるいは必要な機能の充実を図るといったようなこと、さらには、多様な事態に対して有効に対応し得る防衛力を整備する、弾力性の確保といったような要素も織り込んで、新しい防衛力の構想を示したということでございます。
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町村信孝#16
○町村委員 率直に言うと一抹の不安は私はあるのでありますが、これで我が国の防衛をしっかりやっていけるというのであれば、それは大筋結構なんだろうと思います。
 外務大臣にお伺いいたしますけれども、安保条約の意義につきまして先般の所信表明でも述べておられました。ややもすると、冷戦が終わったのだから、即、もう安保は要らないのではないかという議論も一部にあります。もっとも、日本で安保不要論を言っている人は、冷戦時代も安保不要論、反対論の人たちですから何をか言わんやでありまして、別にそういう意見は大して気を配る必要もないのかなと思いますが、まじめな人たちも結構そういう議論を国内でも、あるいは海外のシンクタンク等々からも出ているのであります。
 私は、大臣が所信表明で言われたように、日本の防衛にとっても必要だし、あるいは日米関係の言うなら基礎として重要だし、さらにはアジア太平洋の平和のためにも必要だ、この三点の意味というのは、逆にこの冷戦終了後改めてクローズアップされてしかるべきことだろう、こう思います。
 しかも、これは、日本の利益ばかりではなくて、当然アメリカの利益にもまた合致するのだ。この膨大な、大きなマーケットが伸びているアジア、そこでアメリカのプレゼンス、アメリカの経済的なあるいはその他もろもろの意味を含めてのアメリカの利益というものも当然そこには含まれているからこそ、この安保というものについて、ナイ・レポートにもあるようにアメリカもしっかり認識をしている、私はこう思います。
 所信表明の中で大臣は、四月のクリントン大統領訪日の際に共同文書を発出して再確認をしたいんだと言われました。その内容はこれからの議論なんでしょうけれども、どこに特にポイントを置いてこの共同文書というものをお考えになっていくのか、その基本的なお考えについて承りたいのと、やはり私は、アジア諸国の日米安保の評価というものが大分昔とは変わってきたのではないのだろうか、こう思っておりますので、その辺、関係アジア諸国の日米安保に対する評価というものについて、幅広く情報をお持ちでしょうから、御披露いただければ、こう思っております。
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池田行彦#17
○池田国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいま町村委員もお述べになりましたけれども、私ども、これだけ激変した国際情勢、またアジア太平洋情勢の中にあっても日米安保体制というものは大変重要である、こう思っております。その重要性には変わりない、しかし、その重要性のよってもってくるゆえんというのは、これはかつてとは違った面があると思います、情勢がこれだけ変化したわけでございますから。
 それで、現在どういうふうに考えておるか、そしてまた、それを共同文書にどういうふうに盛り込もうとしているのか、さらにアジア諸国の見方、反応いかんという点でございますけれども、やはり先ほどからお話ございますように、アジア太平洋の情勢は非常に、安定に向かうような趨勢もございますけれども、一方でいろいろな不確定要因も内包しているというのは御承知のとおりでございます。
 そういった中で、どうやって安定を守っていくか。いろいろな考え方がございますけれども、ヨーロッパのように多国間の、いわば地域的な、リージョナルな安全保障をしていくための枠組みというのがきちんとできている地域も、世界の中ではございます。これは、対話とか信頼醸成といったものだけではなくて、実力を備えた、NATOみたいなものも含めてですね。ところが、アジア太平洋を見ました場合には、信頼醸成の仕組みとしてはASEAN地域フォーラムを初めとしていろいろあるわけでございますが、実力を備えたそういった多国間の仕組みというのはないし、そう簡単にできそうな情勢でもございません。
 そうなると、一体どういうふうにこの地域の安定を確保していくのか。
 我が国の立場からいえば、やはり基本的に精強な自衛隊、そして日米安保体制といった二本柱をきちんとやっていくということがあるわけでございますが、我が国以外のアジア太平洋に利害を有する国の立場から申しますと、やはりそれぞれの国がそれなりに、例えば空白をつくらないようにしながらきちんとそれなりの備えをしていくということと同時に、やはりアメリカという国が従来この地域の安定を守るために示しておりましたコミットメントというものを新しい情勢のもとでもきちんと維持していく、これが非常に大きな要素になってくると思います。そして、日米安保体制は、そういったアメリカのコミットメントの中の非常に大きな、重要な部分になっているんだ、このように考えるわけでございます。
 そしてまた、先ほど委員も御指摘になりましたけれども、米国の方でも、米国自身の国益と申しますか利害からしてもこれが必要なんだ、こういう見方をナイ・イニシアチブではやっております。えてして、もう冷戦は終わったのだからアメリカも世界の警察官だといった役割なんか持たなくてもいいんだという意見が、米国の中でも一部はございますけれども、いや、そうじゃないんだ、今おっしゃいました経済的な、政治的なあるいは社会的ないろいろなアジア太平洋地域などとのアメリカの交流、あるいはそういったものについてのイシューの存在というものを含めて、米国の国益の観点からもそういうものが必要だということでコミットしておる。
 そういったことも含めながら、アジアの諸国も、やはりそういった米国のコミットメント、そしてその重要な一翼を担うものとしての日米安保体制というものを、この地域の安定を支える大きな力として基本的に評価しておる、このように認識しております。
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町村信孝#18
○町村委員 クリントン訪日の際の両国の確たる意思、コミットメントというものを明確にしていただきたいと強く要請をしておきます。
 この安保は、ほっといてもうまくいくわけじゃありませんから、いろいろな機能させるための諸施策というのがありますし、現にいろいろやってきております。相当の国費を使ってホスト・ネーション・サポートをしたり、共同訓練をしたり、いろいろあるわけでありますが、特にこの関係で二点伺いたいのであります。
 一つは、「日米防衛協力のための指針」いわゆるガイドラインというものが昭和五十三年にできているわけでありますが、これは、五十一年十月の大綱の直前に、そういうものをつくろうということで作業が始まって、二年ぐらいかかってこのガイドラインができたというふうに承知をしているわけであります。今度新しい大綱ができたのだから、このガイドライン自身も見直す必要があるのではないかという議論も政府部内にあるやに聞いております。
 特にこの中身、一項目から三項目まであるわけでして、侵略を未然に防止するための態勢が第一項目、第二項目は、日本に対して武力攻撃があった場合の対処行動、この辺はかなりしっかりと書いてあると思いますが、第三項目めの、極東における事態が日本の安全に影響を与える場合の日米間の協力という点は、随時協議をするという程度で、ほとんど何も中身がないのですね。こうした第三項目めの充実を含めて、新しい大綱ができたので、新しい日米間のガイドラインをつくるべきではないかというふうに私は考えるのでありますけれども、この点について、それぞれのお話し合いはされるおつもりがあるのか、あるいは話し合いが始まっているのか、お伺いをいたします。
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臼井日出男#19
○臼井国務大臣 今委員お話をいただきましたとおり、御指摘の昭和五十二年「日米防衛協力のための指針」は、昭和五十一年の前大綱の考え方を踏まえ、「侵略を未然に防止するための態勢」、「日本に対する武力攻撃に際しての対処行動等」、「日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合の日米間の協力」の三点にわたりまして、日米防衛協力のあり方につき研究を行うための指針をお示ししたものでございます。この指針に基づき、これまで共同作戦等の研究が進められてまいったところでございます。
 今般、新防衛大綱、計画が決定されることに伴いまして、前大綱を前提としていた指針、これも新防衛大綱の内容に合わせて調整を行うことが必要になる、こう考えております。いずれにいたしましても、慎重に検討いたしてまいりたいと思います。
 あとの細かい点につきましては、政府委員の方から御報告をさせます。
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秋山昌廣#20
○秋山(昌)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、第一項、第二項につきましてはある程度研究が進んでおりまして、一つのステップまで行っております。先生も御案内かと思いますけれども、第三項の点につきましては、これは実はまだ余り研究が進んでいない、あるいはほとんど進んでいないといったような状況でございます。
 そこで、その第三項についてどうするのかという問題は、今回の新しい防衛大綱で、我が国周辺地域における我が国の安全に重要な事態が発生した場合の適切な対応といったような方向も示されていることもございますし、また、我が国を守る考え方につきまして、前防衛大綱と若干、例えば共同計画を立てる場合に必要となる要素が変化しておりますので、その辺で新しいガイドラインをつくる必要があろうかと思っておりますけれども、共同計画でございますし、米側との協議も必要とするわけでございますので、少し時間をいただいて、慎重に検討してまいりたいと考えております。
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町村信孝#21
○町村委員 新大綱のもとで必要になるという認識を長官がお示しになられましたから、それは確かに相手のあることですから慎重に作業はしていかなければならないと思いますが、ぜひこの点はやっていただきたい。
 そして、その関連で当然、日本の法制にこれでやっていけるのかという問題だって出てくると思うのです。そういう問題はやはり政府の中においても議論をしていただき、また、我々国会の方でもやはりその問題は積極的に議論をしていかないといけない問題だ、こう考えておりますので、ひとつ、鋭意真剣なるお取り組みをお願いをいたします。
 安保に関連して、もう一点は、沖縄の米軍基地の問題であります。
 既にいろいろな議論が行われておりますし、また、現在は収用手続で裁判も行われている最中というようなことでもあります。私は、本当に忌まわしい昨年九月の暴行事件、本当に不愉快な事件であった、こう思っております。そしてもう一つ、長い間の沖縄の歴史、占領という歴史、また、米軍基地が圧倒的に沖縄に存在をしている、四万人を超える、五万人近い米国兵があそこに駐留をしているという事実を考えたときに、私どもも沖縄県の皆さん方に過大な負担をおかけし続けてきたな、こういう思いはあります。
 したがって、私は、本州で引き受けられるものは、沖縄県ばかりではなくて、四十六都道府県で受けられるものはできる限り受けるという姿勢でやはり臨んでいかなければいけないと思います。ただ、だからといって安保条約の円滑なる運用に悪影響が出たのでは、やはりこれは元も子もない、こう思います。したがいまして、沖縄における基地の整理統合・縮小という基本方針はあるわけですが、これの作業を余り拙速に過ぎてはいけないのではないか、こう思っております。
 外務大臣の所信表明の中にも、四月のクリントン訪日に一定の方向性を明確にできるようにしたいというお話がありましたが、それは、方向を明確にするということであって具体的にどうこうということではないと私は思うので、そこは間違いはないと思っておりますけれども、クリントンさんがお見えになるということで、何かお互いにお土産を出し合うような感覚でやってはいけない、こう思います。あくまでも慎重に、しかし一定の期間内にはという姿勢で、ぜひ外務大臣には臨んでいただきたい。この一定の方向を明確にというのは、どんな意味、内容をお考えなのか、現時点でお述べになれる範囲でお答えをいただければと思います。
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池田行彦#22
○池田国務大臣 委員御指摘のとおり、日米安保体制はきちんと堅持していかなくてはいけないという要請が一方にございます。そうして、他方でまた、委員御指摘になりましたように、沖縄の県民の皆様方が本当に長い間非常に大きな御負担を強いられておられた、そしてまた、現に我が国にございます基地の約七五%が集中しているという中で、昨年起こりました、まことに遺憾な、痛ましい事件、またそのほかにも、生活の面その他で大変な御不自由を強いておるわけでございます。そういった沖縄の県民の皆様方のお気持ちというものを深く考えまして、できる限りのことをやっていかなくてはいけない、これも、我々日本の政治の世界として真剣に考えなくてはいけない点でございます。この両方の要請を調和をいかに図っていくかということでございます。
 そういったことで、昨年の秋に特別行動委員会という枠組みをつくりまして、今、日米協力して、真剣に沖縄の基地の整理統合・縮小並びにそれにかかわる諸問題について検討を進めておるわけでございます。
 拙速はいけないとおっしゃいました。私もそう思います。問題は、いかに具体的な成果を上げていくか、こういうことでございまして、これは、安保の信頼性を確保するという観点からも、やはり沖縄の県民の皆様方の御理解を得るということがそういうものにもつながるわけでございますから、それでなくてはいけないと思うのでございます。そうして、SACO、特別行動委員会は、この秋を一応のめどとして、そこまでにその成果を上げることにしておりますので、そういうことで、我々は着実に、しかも精力的に作業を進めておるわけでございます。
 ただ、その間で、四月にクリントン大統領がおいでになるというのは、これはやはり大きな節目でございますし、日米安保体制の意義を内外にきちんと声明する場でございますから、当然沖縄の問題についても、やはりこの一つの節目というものを念頭に置いて我々は作業を進めなくてはいけないという意味で、今精力的に進めております。
 方向性を明確にするということを言っておりますけれども、そういったことでございますので、今の段階であれやこれやということはちょっと申し上げにくいのでございますが、ともかく、今精力的に進めている作業のそれまでの成果というものを踏まえてと申しましょうか、あるいはそれを反映してと申しましょうか、何らかの言及を、その際発出する予定になっております共同文書の中でもいたしたい、こう考えております。
 ただ、具体的なことをあれこれと言うのは――おっしゃるように成果を上げるのが肝心なのでございますから、そのときのためにだけ何かを急速にまとめ上げるということはとらざるところでございます。
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町村信孝#23
○町村委員 ぜひそういうことでしっかりとお取り組みをいただきたいと思います。
 なお、これの関連でいろいろな、沖縄県以外の地域で反応がありまして、例えば、北海道だけでも二つの大演習場があるのです。私も地元に帰りますと、非常に誤った情報やら意図的に偏った情報やらが流布しておりまして、非常に疑心暗鬼になり、その結果として、市議会の決議等々も出たりしているのであります。私は防衛庁に強く申し上げておきたいのですけれども、とにかく正しい情報は、しかも公開できる情報は、迅速的確に積極的に自治体の首長さんやらあるいは議会の方に流して、正しい情報をもとにして、その多分受け入れるであろう地域の皆さん方があらぬ誤解の積み重ねであらぬ行動に出ないように、そういう配慮は十分していただきたい。
 これは本当に、何かアメリカ軍の演習だと、例えば大砲の音やら破壊力やら、同じ口径でも日本の何倍も大きいのだとか、そんなあり得ないようなことがまことしやかに地元を流布しておりまして、大変なのですよ。でありますから、ぜひそういった情報提供を的確にやるように、私は再三申し上げておりますけれども、心がけていただきたい。お願いをいたします。
 それから次に、大綱あるいは中期防の幾つかの内容についてお伺いをいたします。
 先ほど防衛局長からのお話にあったように、弾力性という中、あるいは若年人口が減るというようなこともあるのでしょうか、即応予備自衛官というのが一つの大きな自衛隊の定員の柱になっていると思います。一万五千人、この中期防の期間には五千人、こういうことでありますけれども、現在の予備自衛官、これは五日間の訓練をやるということで、現実には二、三日で済ませているケースも実態はあるようであります。
 しかも、例えばアメリカは実際どうやるかというと、ファントムにも乗れるぐらいの正面のパイロットさんも、年間二十日程度の訓練でちゃんと使えるようにする。それに対して日本は、一応五日だ。雇用主に対する補償、日本はありませんけれどもアメリカはちゃんとあるとか、あるいは有給休暇、日本は、なかなか今の雇用情勢もあるのでしょうか、とりづらい。最近は大分有給休暇をとる方はふえていますが、それでも訓練だといって有給休暇をとるとなると、なかなかとりづらい面がある。アメリカではちゃんととれる。
 こういったことなどを考えると、相当思い切った環境整備、必要な立法措置もやらないと、この即応予備自衛官五千人あるいは最終的に一万五千人というのは、絵そらごとに終わってしまうおそれが非常にあるのではないかな、こう懸念をするのでありますが、今相当御検討されているやに伺いますが、どういう準備検討状況なのか、そのことを伺っておきたいと思います。
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臼井日出男#24
○臼井国務大臣 今委員がお話しいただきました即応予備自衛官につきましては、新防衛大綱のもと、平成八年度から一定の師団及び旅団の一部の部隊を即応予備自衛官を主体として編成をする、こういうふうにされているわけでございます。防衛庁といたしましては、部隊編成にあわせて、平成九年度以降でき得る限り早期の導入を図りたい、こう考えている次第でございます。
 新中期防におきましては、第一線部隊に充当できるだけの練度、即応性を有する即応予備自衛官を、円滑にかつ実効性をもって導入をしたい、こういうふうに考えておりまして、所要の施策を講ずることとしております。
 そして、その即応予備自衛官をどのように確保していくのか、教育訓練をどのように実施をしていくのか、訓練出頭しやすい環境を整備をするためにどのような措置が必要なのか、今委員が申されましたそういった点も含めて、具体的な施策について現在検討をしているところでございまして、その実現に向けて鋭意努力をいたしてまいりたい、こう考えております。
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町村信孝#25
○町村委員 たしか、前伺ったときは、来年の通常国会には必要な法律改正をしたいというお話があったと思いますが、それは今でも変わりありませんか。
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秋山昌廣#26
○秋山(昌)政府委員 ただいま大臣から答弁がありましたように、九年度から即応性の強い自衛官の制度を導入したいということを考えておりますので、ことしじゅう、それも早い時期になるべく案を固めまして、これは、いろいろ関係する省庁なりあるいは組織なりあるいはいろいろな分野がございますので、そういった調整を踏まえた上で、我々としては、次の、来年の通常国会に出したいという希望を持っております。
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町村信孝#27
○町村委員 次に、正面装備の中では、新しい支援戦闘機F2の整備導入というのが決まりまして、大綱期間中百三十機、中期防期間中四十七機ですか、こういうことで、私はこれは一つの大きな決断であり、前進であったと思っております。
 確かに、価格が当初想定したものよりは五割近く高くなっております。この理由はどのようなところにあるのかお伺いをしたいのであります。やはり一定割合を国産にしなければいけないとか、本当は輸出ができれば量産できて単価も相当安くなるのでしょうけれども、そうはできないということで、やむを得ない面もあると思いますが、それにしても、たしか当初一機五十四億円程度のものが今八十億円程度に上がってきているというのは、相当大きな金額ですから、この理由を簡単に言っていただきたい。
 この関連で、部品をアメリカに出してそれをまた戻してくる、この限りでは、今のF15のエンジンと同じケースかな、こう思うのでありますが、まかり間違っても武器輸出三原則に抵触しない、私はこう解釈しておりますが、それが誤りないかどうか、確認の意味を込めて質問をさせていただきます。
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大道正夫#28
○大道説明員 F2と武器輸出三原則の関係についてお答え申し上げます。
 F2の量産につきましては、まだ日米で交渉途上でございますけれども、現時点における私どもの考え方ということで申し上げますと、我が国のみによって使用される武器の生産の過程におきまして、部品などが加工、組み立てのために一時的に他国に輸出される、仮にそうなったといたしましても、最終的に我が国に積み戻される、こういうようなケースにつきましては、その武器の生産のみにその部品等が使われるわけでございますので、国際紛争等を助長することを回避するという、武器輸出三原則等のよって立つ平和国家としての基本理念は確保されるというふうに考えております。
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荒井寿光#29
○荒井政府委員 価格についてのお尋ねがございましたので、その関係を御説明させていただきます。
 まず、一般的にF2の価格が諸外国の戦闘機と比較しますと少し割高になっておりますが、これは、我が国のみが調達して生産機数が少ない、それから、一体成形複合材技術やアクティブ・フェーズドアレー・レーダーなど新しい最新技術を入れる、こういうことによるものでございますが、もう一点、当初、昭和六十二年ごろ想定したころに比べて今回価格が上昇したのではないかという点につきましては、前回想定いたしましたときに比べまして、日本とアメリカでの分担する方式が変わったということ、それから、年産機数の下方修正に伴うこと、あるいは物価上昇があったこと、その他経費の増、こういうことによりまして、当初想定したよりも少し価格が上がったということでございます。
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