運輸委員会

1996-02-23 衆議院 全229発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十三日(金曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 辻  一彦君
   理事 武部  勤君 理事 細田 博之君
   理事 村田 吉隆君 理事 久保 哲司君
   理事 古賀 敬章君 理事 高木 義明君
   理事 赤松 広隆君
      衛藤 晟一君    小里 貞利君
      高村 正彦君    佐藤 静雄君
      橘 康太郎君    林  幹雄君
      堀内 光雄君    茂木 敏充君
      横内 正明君    江崎 鐵磨君
      工藤堅太郎君    古賀 一成君
      実川 幸夫君   柴野たいぞう君
      田名部匡省君    東  順治君
      福留 泰蔵君    米田 建三君
      緒方 克陽君    左近 正男君
      三原 朝彦君    寺前  巖君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 亀井 善之君
 出席政府委員
        運輸大臣官房長 戸矢 博道君
        運輸省鉄道局長 梅崎  壽君
        運輸省自動車交
        通局長     山下 邦勝君
        運輸省海上交通
        局長      岩田 貞男君
        運輸省港湾局長 栢原 英郎君
        運輸省航空局長 黒野 匡彦君
        海上保安庁次長 加藤  甫君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局審査部管
        理企画課長   梶山 省照君
        防衛庁防衛局運
        用課長     金澤 博範君
        科学技術庁研究
        開発局航空宇宙
        開発課長    森口 泰孝君
        国土庁計画・調
        整局計画課長  浜野  潤君
        外務省経済局開
        発途上地域課長 草賀 純男君
        外務省経済局海
        洋課長     高田 稔久君
        外務省経済協力
        局有償資金協力
        課長      谷崎 泰明君
        資源エネルギー
        庁石油部流通課
        長       加藤 文彦君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     池田 五男君
        運輸委員会調査
        室長      小立  諦君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十三日
 辞任          補欠選任
  江崎 鐵磨君     古賀 一成君
  実川 幸夫君     福留 泰蔵君
  高見 裕一君     三原 朝彦君
  志位 和夫君     寺前  巖君
同日
 辞任       補欠選任
  古賀 一成君     江崎 鐵磨君
  福留 泰蔵君     実川 幸夫君
  三原 朝彦君     高見 裕一君
  寺前  巖君     志位 和夫君
    ―――――――――――――
二月二十二日
  外航海運政策の国家支援措置の確立に関する
 陳情書外六件
 (第八一号)
 港湾・海岸整備促進に関する陳情書外一件
 (第八二号)
 JR採用問題の早期解決に関する陳情書
 (
 第八三号)
 九州における新幹線網の建設促進に関する陳情
 書
 (第八四号)
 新幹線鉄道の建設促進に関する陳情書
 (第八五号)
 関西国際空港全体構想の早期実現に関する陳情
 書(第
 八六号)
 九州地方における国際空港の建設に関する陳情
 書
 (第八七号)
 地方空港整備促進と充実に関する陳情書
 (
 第八八号)
 中部新国際空港の早期着工等に関する陳情書
 (第八九号)
 徳島・名古屋間の定期航空路線の早期開設に関
 する陳情書
 (第九〇号)
 離島空路整備法の制定に関する陳情書
 (
 第九一号)
 日豊本線の高速化、複線化及び活性化に関する
 陳情書
 (第九二号)
 地震・津波・噴火予知観測網の整備強化等に関
 する陳情書
 (第九四号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運、海運及び航空に関する件等(運輸行政の
 基本施策)
     ――――◇―――――
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辻一彦#1
○辻委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、北海道古平町豊浜トンネルにおいて岩盤の崩落事故により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りして、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立をお願いいたします。——黙祷。
    〔総員起立、黙祷〕
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辻一彦#2
○辻委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
     ————◇—————
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辻一彦#3
○辻委員長 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤静雄君。
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佐藤静雄#4
○佐藤(静)委員 ただいま黙祷をいただきました古平のトンネルは私の選挙区でもありますけれども、大臣、この間わざわざ行っていただきまして、本当にありがとうございました。
 まず最初に大臣に、規制緩和の目的というのは一体どこにあるのか、大臣の認識をまず聞きたいと思います。
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亀井善之#5
○亀井国務大臣 それぞれ規制、そういう中で経済活動がなされておった。特に今回、私ども運輸省の関係といたしましては、航空運賃の問題につきまして幅運賃の制度を導入する。これは、いろいろかねがね御意見を承っておった中で、航空会社に一定の範囲で自主的な運賃設定、こういうものを認めることによりまして、いわゆる多様な運賃設定あるいは経営の一層の効率化を図る、こういうようなこと、あるいはまた利用者の利便の増進、こういうものを図ることを目的として、今回、いわゆる航空関係につきましての規制の緩和、こういう観点から幅運賃制度を導入した。いわゆる一定の範囲内で企業の自主的な運賃設定、そしてまたさらに、いろいろ今までと違った意味で、多様な項目と申しますかメニュー、こういうものを算出し、さらに経営効率を上げて、そしてまた一面、利用者の皆さん方の利便に供する、こういうことも加味していくという中で一つの制度を導入し、また規制緩和という面ではそのようなものが効能を発揮するということが重要なことじゃなかろうか、このように思います。
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佐藤静雄#6
○佐藤(静)委員 大臣、一遍に航空運賃の幅運賃の制度のことをお話しされましたけれども、今、日本の国はこうして古い構造から抜け出て、そして新しい構造に移らなければならない。そのときに、規制緩和というのはどうしても避けて通れない問題だ。私はもう少し哲学を聞きたかったのであります。
 そうすると、どうしても痛みを伴うわけでありますね。当然航空会社も痛みを伴う。そして国民に、利用者に利用しやすい、より安い運賃を提供していく、そのことをやはり運輸省として指導していかなければならないわけであります。
 今度の幅運賃を導入したその方法を見てみますと、上限、下限を設けておるわけでありますけれども、全日空、日航両方の運賃の申請を見てみますと、どうもこれは上限に近づけている、そういう感がしてしようがないのであります。要するに、この機会に上限に近づけていくというか値上げをしてしまった、そんなようなことを利用者に抱かせてしまったのではないかと私は思っているのですけれども、その辺はどうでしょうか。
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黒野匡彦#7
○黒野政府委員 今回の幅運賃制度の導入及びそれに伴います各社の具体的な中身につきまして、さまざまな御意見、御批判があるのは十分承知いたしておるところでございます。
 この制度は、今まさに先生がおっしゃいましたように、規制緩和をしなければいけないという国全体の大きな流れの中で出てきた話でございまして、特に一昨年、一部の公共料金の値上げをめぐりまして大変大きな騒ぎになりました。これは、政府あるいは政治も含めまして、今のままの公共料金のやり方ではだめである、一口で申し上げますと、赤字を出したら、それをまた後から追認して運賃を値上げする、あるいは料金を値上げするということではだめであるという議論がいわば国民の世論というような形でまとまりました。
 それを受けまして、私ども、平成六年十一月に閣議了解という形で、これからの公共料金についてはもっと市場原理を導入しようではないか、規制緩和を一層推進しようではないか、さらにその中で、上限価格規制の是非も含めて検討しようではないか、また、なるべく多様化した利用者ニーズに対応するような料金体系にすべきではないか、こういうまとめがされたわけでございます。
 それ以来、私どもいろいろ検討してまいって、一口で申し上げますと、なるべく行政介入は避ける、競争によって一番ベストな状態を目指す、こういう理念といいましょうか考え方で、この制度に、率直に申し上げましてチャレンジしたわけでございます。したがいまして、現段階においていろいろな御議論があるかと思いますが、仮に従来の原価を中心とする個別の認可をするという形で行政が介入して運賃を設定するという方針に比べれば、はるかに透明度の高い、また競争も実現できる制度だと思っております。
 今回は全体として上がったということについて、マスコミも含め大変重点的な報道をされておりますが、それよりも、一つは各路線によって運賃が違う、これは率直に申し上げまして、私どもの業界の分野では革命的な発想の転換でございまして、こういう形で競争の第一歩がスタートしたというふうに御理解を賜れば幸いでございます。
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佐藤静雄#8
○佐藤(静)委員 今お話があったように、それぞれの会社の経営戦略によって運賃を決めていく、自由な料金体系を決めていく、そういう運輸省の方針でこれを始めたということはよくわかりましたけれども、その方針に沿ったようにこの運賃は出てきましたか、どうですか。
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黒野匡彦#9
○黒野政府委員 それについてもいろいろ議論が分かれると思います。けさの新聞にも一部非常に、一口で申しまして無責任なことを言っているのが引用されているのですが、運輸省の介入が原因であると某財界の首脳が話したと書いてございますが、私ども、今回の結果については全く介入しません。したがって、ある意味におきましては、先生と同じようにできるだけこの制度を反映した、言い方は悪いかもしれませんが、おもしろい運賃制度が出てくることを我々も祈るような気持ちで待っていたということでございます。
 結果といたしまして、上がったところもあればかなり下がった路線もございます。それから、割引率につきましても大変思い切った割引制度も出ておりまして、まあ何といいましょうか、決して百点満点ではございませんけれども、競争ということを目指す第一歩としてはまあまあのものではないかというふうに私ども思っております。
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佐藤静雄#10
○佐藤(静)委員 幅運賃の導入によりまして、やはり利用者からしたら、自由な競争の中からもっと安い運賃が生まれてくるのではないか、そのようにみんな期待していたと私は思っているのです。ところが出てきたのを見たら、どうも上限に張りついてしまっている。それからまた、安くなったところはもちろんありますよ、ありますけれども、非常に使われている、頻繁に使われるところはどうも高くなってしまっている。そういうことがこの運賃の中には出てきてしまっていると私は思っているのです。
 とにかく、下限運賃を設定するということは航空会社の合理化を抑制してしまう、どうもそこに私はつながってしまうと思っているのですけれども、下限運賃を設定した意味はどこにあるのですか。
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黒野匡彦#11
○黒野政府委員 御案内のとおり、標準原価の下二五%のところを下限運賃という形で設定いたしまして、その幅で認可をさせていただいております。この下限運賃は、言葉は悪いのですが、三社あるいはそれ以外の事業者も含めてダンピング競争という形でたたき合いをして、長期的に見れば結果として独占なりを招いて、利用者にとって不利益をもたらすということもあるのではないかという心配で、二五%というところに下限を設けさせていただいたわけでございます。
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佐藤静雄#12
○佐藤(静)委員 ダンピングが果たして起きるのかどうなのか。御承知のとおり、国内航空は全日空が五割ぐらいを占めているわけでありますけれども、全日空がそれではダンピングを始めるか、どうも私はそんなように思えないのですね。
 それは、ダンピングを始めるというのは、見てみましても、大概小さな航空会社が出てきてダンピングして市場にどんどん入っていこうとする。大体まあ普通の場合は、航空会社と限らずに、やはり自由な価格を決められる場合には小さな会社が出てきてどんどん入っていく、そのときはダンピングなんか起きるわけですね。しかし、こうして航空三社が今までやってきまして、幅運賃を設定したときに、下限をわざわざ設定しなければならぬほどダンピングは心配されると私は思えないのですけれども、どうでしょうか。
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黒野匡彦#13
○黒野政府委員 今回の制度を仮に航空事業者の立場に立って考えた場合に、非常に各社とも相手がどう出てくるかということを考えて深刻に受けとめた制度であります。
 例えば、日本航空なりJASなりの立場からしますと、全日空が今まさに先生のおっしゃったシェアの高いのを理由に、原因というか武器にして、どんどん安い値段で対抗してきて、JALなりJASが市場から撤退するのをねらうとかいう見方もあるし、逆にANAにしてみれば、後発であるJASが思い切った運賃で市場を混乱させるのではないかということで、それぞれ非常に立場によって見方が違います。
 ただ、先生おっしゃった下限運賃が果たして本当に将来に向かって必要かどうかということは、まだ個人的な考えでございますが、私は検討課題であると思っています。これは、私ども常々申し上げておりますが、今の制度が果たして完璧であるかどうかということは断言はいたしません。やってみた結果、手直しが必要ならば、それはその都度変えることはやぶさかではございません。
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佐藤静雄#14
○佐藤(静)委員 今の説明によると、どうもやはり航空会社の利益だとか、航空会社の過当競争だとか、その辺に視点を置いて私は決めていると考えざるを得ないのですね。やはり利用者の視点に立つ、できるだけ安い航空運賃を利用者のために実現していくために運輸省は一体どういうふうにしたらいいかということを、もっと目の置きどころを変えなければだめですね。そういうことをしながら、今実際にはもうこれ始まってしまっているわけですけれども、その辺の算出の仕方、算定の仕方なんかもこれから私はぜひとも見直していっていただきたいと思うし、視点をそこに置いてこれから私はやっていただきたい、そう思っております。
 ところで、基幹の路線ですね、例えば私は北海道ですけれども、札幌−東京間ですとか、東京−福岡間ですとか、そういう基幹の路線、これはほとんど高くなってしまっているのですね。この基幹の五線というのは非常に乗客が多いわけでありますから、ここが高くなるということは、これはそれぞれの地域の経済にも大きな影響を与えていく。特に、観光産業なんかやっているところに大きな影響を与えていく。また、今は地方の産業というものは非常に疲弊しているわけでありますけれども、地方の企業誘致だとかそういうことにも影響を与えていくということが出てくるわけです。ですから、基幹の路線というのは私は最低据え置きにする、そのぐらいの指導をやはり運輸省はすべきだと思うのですけれども、大臣、どうですか。
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亀井善之#15
○亀井国務大臣 いろいろ基幹の問題、特にいろいろな産業全般に与える影響、これは十分承知をいたします。しかし、今回のこの制度、平成六年十一月の、公共料金のうち市場原理の導入できる分野についての規制緩和を進めるということ、あるいはまた昨年九月二十日の経済対策での年内実施を決定し、学識経験者や物価安定政策会議特別部会からの御意見を踏まえてこの制度を導入をしたわけであります。
 今回いろいろ三社からその数字が出ております。これは初値と申しますか、ぜひ新しい制度を、規制緩和に基づきましてこの幅運賃制度を導入をしたわけでありまして、これを育てていくということが必要なことではなかろうか。それはやはり今委員御指摘のように、利用者の皆さん方からいろいろまた御意見、こういうものも出てくることは承知をいたします。そういう中で、まずこの制度を導入をし、この制度を育て、そして信頼された制度となるようなそういうことに努めなければならない。いろいろ御意見もこれから承り、また運輸省といたしましてもこのフォローアップ、こういうことにつきましても努力をしてまいらなければならない、このように考えております。
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佐藤静雄#16
○佐藤(静)委員 ぜひとも大臣、どうぞ幹線の運賃価格に対しては本当にこれから特に気を使っていただきたいと私は思っております。もちろん全体を見るのは結構ですけれども、その中においても最も利用が高いところ、最も地方に影響を与えるところ、それはやはりこれからの問題として算定をするときの一つの基準のつくり方なんかの中にぜひとも組み入れていただきたい、そう思います。
 それから、今度の運賃を見てみますと、割引制度を非常に航空会社は充実させたと言っているわけですね。いろいろな割引制度を確かにつくっています。しかし、今までの割引制度の中でなくなってしまったものもあるのです。往復割引ですとか家族割引ですとか単身赴任割引ですとか、なくなってしまったものもあるわけですけれども、今度できた割引を見てみますと、キャンセルした場合に五〇%もキャンセル料を取られてしまう。そうしますと、かえって割引制度、特に前売りの割引制度というものをうんとつくりたい、たくさんのいろいろな種類もふやしてみた、しかし、五〇%もキャンセル料を取られるのでは、結局抑制につながってしまうのではないのか、どうもそういう気がするのでありますけれども、運輸省としてはこれらに対してやはり何かの指導をすべきではないかと思うのですけれども、どうでしょう。
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黒野匡彦#17
○黒野政府委員 今回の幅運賃制度、いろんなところで御審議いただいたのですが、その一つに物価安定政策会議というのがございます。ここがこの種の問題の一番、権威あると言うと語弊があるかもしれませんけれども、大事なところなんですが、そこでいろいろ御審議いただいたときに、この制度を入れるのは認めるけれども、今後なるべく行政は口を出すな、一回自由にやらせてみろ、こういう非常に強い御意見を賜っております。まず、これが我々の基本的な考え方でございます。
 それから、今のキャンセル料云々につきましては、私どもが航空の規制緩和のモデルといたしますアメリカを例にとってみましても、大変メリットのある制度については、当然それの裏といたしまして、仮に今のようにキャンセルした場合にはそれ相応の負担をまた利用者も払わなければいけないという、いわばギブ・アンド・テークといいましょうか、そういう制度になっております。ただ、今先生の言われた五〇%というキャンセル料が高いか低いか、これはいろんな見方があると思いますし、私どもといたしましては、今回始まった制度を利用者の方がどういうふうに利用するかという実績を見て、基本的には事業者が、その五〇を変えるなり、あるいはうんと引き下げるなりは判断をすべき問題だと思っております。
 ただ、繰り返しますが、私ども、この制度全体について引き続き注意深く監視はし、手直しすべきところはまたしなければいけないと思っております。
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佐藤静雄#18
○佐藤(静)委員 私も、非常にこれは質問しにくいのです。できるだけこれは企業に任せてしまう、できるだけ行政はこれに介入しない、これは当然ですからね。私、運輸省には非常にそういう面で今回質問しにくいのですけれども、しかしやはり最初のころはこの制度が順調にいくように、できるだけ見ていて指導していくということが私は必要だと思うからこうして質問しているのであります。自由に任せるのはいいですよ。いいけれども、上限に張りついてしまったとか、航空会社にとって都合のいいことになってしまったとか、利用者の視点に立っていないとか、そういうふうになってしまったら大変だと思うから、私はこうして強く言っているのですね。
 それからもう一つ、早朝割引がありますね。要するに、六時台の飛行機に乗ったら非常に割引率が高い。しかし、この早朝割引というのも、これに航空会社はかなり重点を置いているのですね。というのは、朝の飛行機というのは意外にみんな乗っていないものだから、こっちにお客さんを寄せようと思って割引率を高くしているわけです。
 しかし、これは大概は東京発なんですよ。関西発というのもありますけれども、大概は東京発なんですね。例えば福岡から来るだとか、札幌から来るだとか、こういうのはないわけですよ。早朝割引というものに重点を置くんだったら、地方から来るのもやはり航空会社はつくるべきだと思う。そして利用者に便宜を与えていく、そういう指導をしてほしいと思うのですが、どうでしょうか。
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黒野匡彦#19
○黒野政府委員 先生の御主張、よくわかります。私ども、せっかくこういう制度をつくった以上は、なるべく多くの利用者の方に利用していただくようにしたいと思っていますが、実はこの問題は私ども自身の問題でもありまして、空港の能力とかいろいろな問題がありますから、私どもも努力しなければいけない。それと事業者の努力と相まって、なるべくそういうサービスを広い利用者の方に利用できるようにしていきたい、かように思っております。
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佐藤静雄#20
○佐藤(静)委員 もちろん、航空会社がやろうとしても羽田がいっぱいだということはわかります。いっぱいだから、早朝は割にすいているから早朝を充実させたいという航空会社の気持ちはあるわけですから、それはやはり運輸省としてもこたえていく。そしてまた航空会社に指導して、地方から朝来る、そうしたら日帰りでみんな仕事をして帰れるわけですから、ぜひともその辺を指導して、利用者に利用しやすいものをつくってほしい、私はそう思います。
 それから、私なんかは飛行機に相当乗るわけでありますけれども、どうも航空会社のサービス過剰というか、機内サービス、改札のサービスが非常に過剰でないか。これは随分昔から言われているのですね。もう弁当なんか要らないのじゃないのか、お茶やお菓子のサービスはもういいのでないのか、新聞や週刊誌のサービスももう要らないのじゃないのか。改札に行ったら、何か三人も四人もいて、切符をとってくれる人までいる。そうでなくて、もっとその辺を合理化して、それを運賃値下げに結びつけていく。そして標準価格をつくるときにそういうものも加味していく。そういうことが私は今必要だと思うのですね。毎年見直していくのですから、次の機会にはそういうことをひとつぜひとも入れてほしいと思うのですけれども、どうでしょう。
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黒野匡彦#21
○黒野政府委員 私も全く同感でございます。
 ただ、これは実際問題として、ちょっと言いにくいことを申し上げますが、例えば飛行機に乗って朝刊を持ってこいというお客さんは結構見えます。そのときに自分の希望する朝刊がないと、何だこの航空会社はサービスが悪いと言って怒るお客さんが結構見えます。その怒るお客さんの多くが社会的地位の高い方々でございまして、先生方の近辺にもお見えになるのではないかと思っております。
 私ども、会うたびに航空会社に対しましては、少なくとも国内線についてはもっともっと現実的なサービスでいいではないか、過剰なサービスは要らないではないかということは機会をつかまえては言っておりますし、先生の御指摘のような趣旨はこれから生かしていきたいと思っております。
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佐藤静雄#22
○佐藤(静)委員 外国に行きますと、例えばニューヨークとかワシントンなんかはもうバス同然でしょう。切符を切った女性が改札に行って切符を切って、一人で全部やっていますよ。やはり航空機というのは特別な人が乗るなんという時代はもう終わってしまったわけですね。ですから、もうバスと同じように考えて、そしてできるだけ安くしていく、やはりそういう観点に立ってもっと指導しないとだめだと私は思っています。余計なサービス競争をやって人を集めるのではなくて、もっと使いやすい、だれでも使える、もっと安い、そういうものに視点を置いてぜひとも今後指導していただきたい、そう思っています。
 それから、今度の運賃改定の動向を見てみますと、最初に全日空が発表した、さらに日航がそれを見て右へ倣えで発表していく、JASも多分両方見ながら発表していくのでしょう。航空会社というのは寡占市場ですね、三社しかないのですから。そういう決め方だと、いつも何かそういうふうに右へ倣えしながら、横目を見ながらだんだん都合のいい方に行って決めていく。どうも自由競争というものは生まれないような気もしているのですよ、私は。その辺、やはりこれから考えなければならぬと思うのですけれども、どうでしょう。
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黒野匡彦#23
○黒野政府委員 今回、最初に全日空が出し、その次にJALが出し、昨日ですか、JASが出した、こういう順序でございました。
 私といたしましては、各社が相手の出方を見て、さらにより利用者に魅力的な運賃料金を提示、するということは、これはむしろ競争を実現するという方向では評価されるべき点もあるのではないかと思っております。極端な場合、JALとJASが出したことを見てANAが、それなら利用者をとられてしまうからもっと下を出してみょうということで、最初に出したものをまた変更するということがあっても、これは利用者にとっては歓迎すべきことではないかと思っております。逆に、ある日一斉に三社がそれぞれ出したという方が、事によると裏で取引があったのではないかという疑惑を招くおそれがありますから、むしろそれぞれの出方を見て、各社の営業戦略、これはもちろん利用者を視野に置いた営業戦略を考えて運賃料金を提示するということは、評価してもいいのではないかと思っております。
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佐藤静雄#24
○佐藤(静)委員 いずれにしても、寡占市場ですからね、これは。やはりどんどん参入できない市場ですからね。それだけに、もっともっと考えていかなければならぬと思っています。
 それからまた、羽田空港もやはり限界があるわけですから、これからやはりもっとそれぞれの航空会社の配分というものも、毎年いろいろな実績だとかいろいろなものを見ながら、配分がずうっといつまでも固定されるのではなくて、それなんかをこれから毎年毎年見直していく必要もあるのではないのか。そして、やはり自由競争というのをできるだけ促していくということが大切なような気がしますね。
 それから、新幹線の入っているところというのは新幹線と航空会社との競争があって、飛行機が高かったら新幹線に乗りかえる、そういうふうに幾らでもできるわけですね。
 新幹線の運賃と航空運賃の比較をしてみますと、例えば東京−福岡を見てみますと、自由席で二万八百円ですね、新幹線。全日空の今回の早割で二万六百円、早朝割引だと一万七千九百五十円。日航の二十八日前の前売りですと一万八千九百五十円。これは競争してどんどん航空会社も下げようとするのですね。ところが、私のところのような新幹線が入っていないところというのは、競争相手がいないものだから、やはりこれは高く設定をしてしまう、ほかに乗り物がないのですから。八〇%は航空機に頼っているのですから。特にそういうところなんかはよく見ていかないと、高くたって乗るだろうという判断がそこで働くわけですよ。乗るものがないのですから、高くたって構わないじゃないかという航空会社の判断が働いてしまうわけですよ。
 そういう面で、そういうこともよく頭に置きながら、ひとついろいろとお願いいたしたい、そう思っておりますし、もちろん新幹線の見直しの、ことしはいよいよそういう時期になりますから、大臣もひとつよくその辺も考えていただきたい、そう思っております。
 もう時間がありませんけれども、規制緩和の効果が本当に上がっていくためには、やはり乗客に視点を置く。何度も申し上げまずけれども、航空会社に視点を置くんじゃなくて乗客に視点を置いて、その中で自由な競争をさせる。下限なんか外してしまって思い切り競争させる。少し企業を守ってやろうなんて気持ちがあると、やはり競争が鈍ってきますよ。そして、安い運賃というものは実現できませんよ。
 そういう面で、これからせっかくこういう制度を導入して、大臣も最初おっしゃったとおり、規制緩和というものを導入して、いよいよ自由な競争の中から運賃を決めていこうということで決めたのでありますから、この効果が一層上がるようにひとつ指導しながら、そしてまた方策も考えながら頑張っていただきますようにお願いして、終わらせていただきます。
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辻一彦#25
○辻委員長 以上で佐藤静雄君の質疑は終了しました。
 茂木敏充君。
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茂木敏充#26
○茂木委員 自由民主党の茂木敏充でございます。
 亀井運輸大臣の所信表明に対しまして、引き続き質問を行わせていただきます。
 大臣は去る二月十四日の所信表明の中で「まず第一に、豊かで安全な社会づくりへの貢献」という課題を取り上げておられ、特にその中でも、国際交流が拡大していく中での運輸関係資本の整備充実という視点を提示されておられます。また同時に「国際環境の変化への対応」、これを最重要課題として挙げておられます。私も大臣同様に、これからの運輸行政というものは、単にそれに関連する産業の施策にとどまらず、我が国の発展や国際競争力など、国の将来そのものに大きな影響力を与えるものであると認識しております。
 そんな中で、特に空港に関しましては、平成八年度が総額三兆六千億円に上る第七次空港整備五カ年計画の初年度に当たるわけでございまして、大臣も、国際ハブ空港の建設を初め、大都市における拠点空港の整備を最重点課題として指摘しておられるわけでございます。関西国際空港に関しましても、同様に平成八年度より二期工事が着工されるという形になっているわけでございます。
 そこで、私はこれらを踏まえまして、特に国際ハブ空港の建設整備、そして、時間がありましたら航空行政における規制緩和の問題、ただいま佐藤委員の方からも御指摘ございましたが、含めまして、大臣並びに関係部局に対しまして質問を行わせていただきたいと思っております。
 そこで、まず国際ハブ空港の建設についてでございますが、経済のボーダーレス化が圧倒的な勢いで進んでいる、こういった中で国際ハブ空港の整備、これは今後我が国の経済の国際競争力を左右する形になってくる、こう言っても私は過言ではないと思っております。特に二十一世紀に向けましては、アジア太平洋地域というのがまさに世界の中心になってくる。そういうことを踏まえまして、アジア各国のハブ空港建設の現状も踏まえながら若干お尋ねをしたいと思っているわけでありますが、現在我が国で主要国際空港と呼ばれています二つの空港の現状、つまり新東京国際空港、成田、これが四千メートルの滑走路が一本、それから関西新空港では三千五百メートルが一本、こうなっているわけでございます。
 これに対して、アジア諸国における主要な空港をこれと比較してみますと、韓国では金浦国際空港で三千六百メートルと三千二百メートルの二本。それから、台湾の中正国際空港では三千六百六十メートルと三千三百五十メートル、二千七百五十二メートルの三本。中国でも北京空港で三千八百メートルと三千二百メートルの二本。さらに、シンガポールのチャンギ国際空港では四千メートル、三千三百五十五メートルの二本。いずれも日本国内の国際空港を、言葉によってはしのぐような形になっているわけであります。
 さらに将来計画、これを見てみますと、韓国では、二〇〇〇年を目標にいたしましてソウルの新メトロポリタン空港が開港予定でございまして、二〇二〇年までの四期にわたる計画におきまして、工事がすべて完成しますと、三千七百メートルグラスの滑走路が四本できてくる。大変脅威でございます。同時に、香港におきましても、チェク・ラップ・コック空港は一九九七年に一本目、三千八百メートルが完成いたしまして、二〇一〇年にもう一本完成しますと、三千八百メートルの滑走路が二本という形になってくる。
 もちろん、我が国におきましても成田、それから関西新空港におきまして増設予定があるわけでございますが、増設の時期によりましてはアジアにおいて他国に大きくおくれをとる形になり、日本がアジア第一の国際拠点、こういう地位を失いかねない、こういう危惧すらあるわけでございます。
 そんな中で、ヨーロッパ、アメリカ、アジアと三大拠点が築かれていく中で、日本が国際幹線ルートのアジアにおけるいわゆる支線にもなりかねない。こういう問題は、単に航空行政にとどまらず、我が国の二十一世紀の経済発展のそれすらも左右するような事態になってくると思いますが、この点につきまして大臣の認識なり対応方針を簡単に聞かせていただければと思います。
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亀井善之#27
○亀井国務大臣 今、委員御指摘の、アジアの諸国で大規模な国際ハブ空港がいろいろ建設され、また計画が進んでおりますことは承知をいたしております。二十一世紀に向けて、我が国が今後とも国際社会の中で安定した発展を続けていくためには、交流の基盤施設であります国際ハブ空港の整備は時期を失することなく進めなければならない、このように考えております。
 御指摘にもございましたが、第七次空港整備五カ年計画に関する中間取りまとめにおいても、国際ハブ空港等の整備を最優先課題として取り組む必要がある、このようになっております。今後とも、運輸省といたしましても、まず新東京国際空港の平行滑走路等の整備、関西国際空港の二期事業の推進等、国際ハブ空港の整備に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
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茂木敏充#28
○茂木委員 そこで、今、大臣の方からお話も出ました関西国際空港の二期工事に関してなんですが、もう少し具体的な点を関係部局の方からお伺いしたいと思うのですが、二期工事の着工に当たりましては、今国会におきましても上下主体分離方式、これを法律上位置づけることが検討されているわけなんですが、まず、この上下主体分離方式なるもの、これは当初から予定されていたものかどうなのか、まずお伺いしたいと思います。
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黒野匡彦#29
○黒野政府委員 関西空港が提案された時期にはそこまでの議論はされていなかったと思います。二期事業を具体的に始めようというときに、上下の下ですね、特に埋め立て、これのコストが大変高い、これをどう対応したらいいかという議論の結果、上下主体分離方式が出てまいったものでございます。
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