科学技術委員会

1996-02-22 衆議院 全149発言

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会議録情報#0
平成八年二月二十二日(木曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 井上 喜一君
   理事 小野 晋也君 理事 原田昇左右君
   理事 村上誠一郎君 理事 上田 晃弘君
   理事 笹木 竜三君 理事 鮫島 宗明君
   理事 今村  修君 理事 渡海紀三朗君
      小渕 恵三君    古賀  誠君
      萩山 教嚴君    上田 清司君
      近江巳記夫君    斉藤 鉄夫君
      西  博義君    大畠 章宏君
      吉井 英勝君    後藤  茂君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 秀直君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     工藤 尚武君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  落合 俊雄君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  沖村 憲樹君
        科学技術庁研究
        開発局長    加藤 康宏君
        科学技術庁原子
        力局長     岡崎 俊雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   宮林 正恭君
 委員外の出席者
        国土庁防災局防
        災企画課長   平川 勇夫君
        文部省学術国際
        局研究機関課長 早田 憲治君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   伊沢  正君
        参  考  人
        (宇宙開発事業 松井  隆君
        団理事長)
        科学技術委員会
        調査室長    吉村 晴光君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十二日
 辞任         補欠選任
  藤村  修君     西  博義君
同日
 辞任         補欠選任
  西  博義君     藤村  修君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 高速増殖原型炉もんじゅの事故原因の徹底究明
 と事故再発防止等に関する陳情書外七件
 (第一一六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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井上喜一#1
○井上委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として宇宙開発事業団理事長松井隆君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井上喜一#2
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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井上喜一#3
○井上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
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原田昇左右#4
○原田(昇)委員 昨日、中川長官から所信を聞かせていただいたわけでございますが、その中身は多岐にわたっておりますので、私は、限られた時間の中で、科学技術予算の問題と今後の宇宙開発の問題に絞りまして御質問申し上げたいと思います。
 まず科学技術予算増額の問題でありますが、我が国の科学技術活動を諸外国と比べてみますと、政府の研究投資の比率が低いということが我が国の特徴になっています。全体としての科学技術投資というのはかなりの水準にある。しかし、それは主として民間でありまして、政府の投資というのは非常に低いというところに問題があるわけであります。このことが、科学技術立国を目指す我が国として非常に問題であろうということで、我々、昨年この国会で科学技術基本法を立法いたしたわけでありますが、その一番の眼目は科学技術予算を増額しようということであることは言うまでもございません。
 そこで我々は、平成八年度予算におきましてこの願望を少しでも実現したいということで、いろいろ努力をいたしたわけでありますし、また政府もそれにこたえて、極めて意欲的な科学技術予算を作成していただいて国会に今提出していただいておる、こういうように了解しております。
 そこで、この点をちょっと政府側から、基本的に科学技術予算をどういうように配慮しておるかということについて御説明をいただきたいと思います。
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中川秀直#5
○中川国務大臣 平成八年度予算案における科学技術関係経費総額は二兆六千七百二十一億円で、前年度の当初と比べますと、二兆四千九百九十五億円という前年度の予算でありますが、それに対して六・九%増になったということでございます。科学技術振興費の方は七・四%ということになったわけであります。
 これは、ただいま原田委員御指摘の科学技術基本法というものが、当委員会の委員の先生方の御尽力にもよりまして成立をいたしまして、科学技術の振興が我が国の最重要課題の一つと位置づけられたこと、特に戦略的基礎研究推進制度等々、新たな基礎研究の強化というものが図られたこと、また、原田先生に御尽力いただいた地震防災対策特別措置法に基づく地震調査研究体制の充実強化、こういうものも図られたということで伸びた、こう考えております。
 しかし、ただいま委員御指摘のとおり、研究費全体の趨勢というものは、例えば民間の景気後退等々によりまして、九二年ぐらいまでは何とか総額は、政府負担が欧米主要国に比べて低いにかかわらず遜色ない水準をずっと保ってきたわけですが、その後、九一年ごろから民間の方がずっと数%下がってまいりまして、政府がその分頑張って横ばいということになりましたが、九三年には、全体も減少する、こういう事態になっておるわけでございます。
 また、政府負担研究費の対GNP比等々で見ますと、正直、これは欧米に比べまして格段に劣っておるという実情にあるわけでございます。
 そこで、決意ということでございますけれども、国際的な貢献が十分でないという御批判もあるし、また特に、今申しましたとおり、基礎研究が相対的に弱いということ、また政府の役割がもっと拡充されなければならぬということ等々を踏まえまして、今までの政策大綱やあるいは新経済計画で政府研究開発投資の早期倍増という方針が示されておりますが、私どもは、基本法に基づく基本計画、これを六月ごろまでに定めるべく今作業いたしております。
 そういう基本計画の策定に当たりまして、基本法の精神にのっとって、この倍増を本当にできるだけ早期に、それも具体的にこの年次までにやりたいということも言えるように、その基本計画の内容の政策、中身、これがやはりしっかりしていなければ積み上げられていくことができませんので、そういうことに十分議論をしながら、また委員会の委員の先生方の御指導やいろいろなお知恵もおかりをしながら、しっかりした基本計画をつくってその倍増を目指してまいりたい、このように考えております。
 ちょっと訂正をさせていただきますが、科学技術振興費は一〇・九%増ということでございます。科学技術庁の全体が七・四%増でございました。
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原田昇左右#6
○原田(昇)委員 今、政府開発投資の倍増を早期に実現するということについて大臣の御決意まで伺ったわけでございますが、それには基本計画をしっかりつくらなければならぬ、まことにそのとおりでありまして、ぜひ我々も期待をいたしておりますので、その点については、広く知恵を集めて立派な基本計画の作成に努力していただきたいと思います。
 科学技術予算の倍増は、行政だけではなくて政治の課題でもあります。我々も大いに応援させていただきますので、大臣の御健闘を期待しておる次第でございます。
 先ほどの数字の問題で若干細かい話ですが、科学技術振興費は二けた台で伸びた。科研費とかそれから調整費ですか、科学技術の調整費、科研費、地震調査研究費というのがあると思うのですが、そういったものはどんなふうになっておるのか、ちょっとお示しいただきたいと思います。
 それから今回特筆すべきは、今自由民主党の幹事長ですが、政調会長のとき加藤紘一先生が非常に努力していただきまして、何とか建設国債で研究費を賄えないか、つまり、知的資産ということに考えれば建設国債対象になるのではないかという考えで、皆さんに御検討いただいて、ようやく平成八年度予算で実を結ぶことになりました。これは建設国債対象となる出資金という形で各省についておりますが、これについても簡単にひとつ状況を御報告いだだきたいと思います。
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中川秀直#7
○中川国務大臣 第一点のお尋ねでございますが、文部省の科学研究費補助金、科研費でございますが、平成八年度予算政府案によりますと一千十八億円ということで、これは初めて一千億円台の案になっておる。また、科学技術庁所管の各省にまたがりまして使わせていただく科学技術振興調整費でございますが、これは二百十五億円という要求になっております。また、地震調査研究推進本部が取りまとめました地震調査研究関係政府予算案、関係六省庁合計で百五十九億円、対前年比四六・八%増、約五割増しという状況になっております。
 出資金等のことについては政府委員から答弁させます。
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落合俊雄#8
○落合政府委員 出資金等を活用いたしました予算でございますが、特殊法人等を活用いたしました基礎研究推進制度につきましては、科学技術庁分が百五十億円、文部省が百十億円、厚生省が十億円、農林水産省が十九億円、通商産業省が二十六億五千万円、郵政省が四億八千万円ということで、六省庁総額で約三百二十億円ということになっております。
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原田昇左右#9
○原田(昇)委員 三百二十億も使うことになるわけでございますので、これは全くの純増だと思うのですね。また縦割りだけでなしに、みんなで知恵を出し合って、科学技術庁が主導権を持ってこれらの研究の成果が上がるようなことについて推進役を果たしていただきたいと思うわけであります。いいですね。
 それじゃ、次の問題に移ります。
 宇宙開発の問題ですが、昨今暗い話題が多い中で、宇宙開発は若田飛行士の活躍によって国民に明るい話題を提供したと思うのです。二十日に若田さんが本委員会を表敬訪問されて、有益なお話を伺ったわけであります。本当に高く評価したいと思いますが、同時に、宇宙開発についてはいろいろこれからまだお伺いしたいことがたくさんあると思うのです。
 まず第一に、日本の宇宙開発は欧米に追いつくことを目標にして自主開発路線でやってまいったと思うのです。その結果、ほぼ技術的には欧米水準あるいは物によってはそれを超えるものもあるというように関係者は言っておるわけですが、果たしてどうか。具体的にひとつ国民にわかりやすくその辺をおっしゃっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、それはいいんですけれども、有人技術を除けばだと思うのですが、今後ロケットの問題等では、コストが国際水準の二倍もするということでは話にならぬということで、このコストダウンというのが非常に問題になっておると思うのですね。そのコストダウンをどういうように進めていくのか。
 ことしの一月に宇宙開発大綱というものが改定されたわけでございますけれども、政府としてどのような基本的な考え方で宇宙開発を進めようとしておられるか、あわせて伺わせていただきたいと思います。
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中川秀直#10
○中川国務大臣 先生御指摘のように、日本の宇宙開発というものは、古くは東大の生産技術研究所のロケット研究の開始以降約四十数年、四十年以上にわたりまして営々たる努力を積み重ねてきたわけであります。その結果、欧米並みの二トン程度の静止衛星の打ち上げを可能にする能力を持ったHⅡロケットの開発、あるいはまた技術試験衛星の開発による大型静止衛星、例えば今度の八月に打ち上げます地球観測プラットホーム技術衛星と言っておりますが、このADEOSは欧米も共同で使用する、日本が開発をした大変大きな衛星でございます。
 そういうように、ロケット技術、衛星技術の分野では御指摘のとおり国際的な水準の技術能力を得るに至った、このように認識をいたしております。
 しかし、有人活動については、アメリカ、ロシア等に比べましておくれております。これについても、今後、明年から始まります国際宇宙ステーション計画への参加などを通じまして、技術の蓄積を図っていきたい。今度の若田飛行士のミッションスペシャリストとしての衛星の回収や打ち上げ、回収、こういった一連の仕事、これはまさに一種の有人活動への重要なステップであった、このように考えております。
 今般、宇宙開発委員会において政策大綱を改定をいたしましたが、この中でも、二十一世紀の本格的な宇宙利用時代、それに向けての高度な技術のチャレンジ、こういうものを盛り込んでおります。この政策大綱に基づきまして今後各年度の宇宙開発政策、開発計画が定められ、そしてこれが推進されていくというスキームになっておりますので、非常に重要な政策大綱である、こう考えております。
 簡単にポイントを申しますと、先ほど申し上げました二十一世紀の宇宙本格利用時代に向けまして、地球の観測、宇宙環境利用の活動等の充実に取り組む、また新たな分野への挑戦として月の探査等に取り組む、第三に、国民から理解される宇宙開発でなきゃならぬということで、そうした社会の動向を的確につかんで、また国民のニーズもつかんで、お声も幅広く聞いて広報、広聴活動も強化をするよう取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。この方針に沿って着実に進めてまいりたい、こう考えております。
 先ほどのコストダウンの問題については、基本的に、例えば百九十億ぐらいしたロケットは何とか八十五億円ぐらいに引き下げる、あるいはまた衛星も八十億円ぐらいするものを四十億円に引き下げる、そういう努力をしていこう、これはもう政策大綱でもそういう方針を出しているところでございます。
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原田昇左右#11
○原田(昇)委員 これは宇宙開発事業団の理事長がおいででございますから理事長から伺いたいのですが、HⅡロケットの開発コストの半分でHⅡAというのをやろうというように伺っております。そうすれば、世界の水準に比べて十分競争力があるんだ、こういう御説明でありますが、世界の市場で商業化ができるのかどうか、見通しがあるのかどうか、世界の打ち上げを受注できるようになるのかどうか。それなら民間会社に技術を移転して、大いに新しい日本の宇宙産業として育てることができると思うのですが、どういうふうにお考えか。その辺の見通しを聞かせてもらいたいと思います。
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松井隆#12
○松井参考人 先ほど大臣から御説明がありましたとおり、私ども、HⅡロケットを一〇〇%自主技術と申しておりますけれども、それで開発いたしまして、それで一昨年と昨年でございますか、試験機を三機打ち上げました。そこで私どもHⅡロケットの様子が大体わかったということで、かなり大幅のコストダウンが可能という判断をいたしました。
 具体的に申し上げますと、三機を平均いたしますと、打ち上げ費を含めまして一機約百九十億でございます。これを、今私どもは、八十五億以下にするという目標を設定いたしました。それで、八十五億以下になるということは、私どもはなると思っておりますし、またそれは、私どもは国の税金でやっておる立場上、当然やはり効率性を求められておりますものですから、まずそれはしなくてはいけないというふうに考えております。
 それで、八十五億以下という数字を、一応目標を設定してございますけれども、現在のロケットの市場価格と申しますか、それを申しますと、幾つかいろいろなケースがございますけれども、大体このくらい、八十五億円よりももう少し下がれば何とか国際的には競争できるコストになるのではないだろうかというふうに考えております。もちろん、これについて、ロシアとか中国の値段、これは実は余りはっきりわかっておりません。だけれども、欧米、つまりアメリカのロケットあるいはヨーロッパのロケット、そういうところから見ると大体いけるだろうと思っております。
 もちろん、当然のことながら、私どもは第一義的には国の税金でやっていますものですから、また私どもの宇宙開発活動をこれから進めるためには安くしなければいけないということでやるつもりでございますけれども、そうなった暁には当然民間の方に技術移転をいたしまして、そこで民間がそのロケットを使って受注できるということはできるわけでございまして、今後大いにそういう可能性があるというふうに私は思っております。
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原田昇左右#13
○原田(昇)委員 何か少しわかりやすくおっしゃっていただくと大変ありがたいのですが、欧米、アメリカならアメリカで、推力どのくらいでどうだとか、ヨーロッパなら、アリアンなら幾らとかどうだとか、そういうものはないのですか、具体的に。
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松井隆#14
○松井参考人 では、お答えいたします。
 まず、現在私どものHⅡが二トンクラスの人工衛星を静止軌道に打ち上げる、その能力に換算してみました。
 アメリカ、ヨーロッパの場合は、大体八十から百二十ミリオンダラー、多少幅がありますけれども、大体そのぐらいでございます、現状は。それから、ロシアが、プロトンが大体七十ミリオンダラーぐらいでございます。中国はちょっとわかりません……(原田(昇)委員「ミリオンダラーとはどういうこと」と呼ぶ)簡単に言いますと七十億円、一ドル百円と換算してみますと、プロトンが現在七十億円のようでございます。それから、ヨーロッパ、アメリカのものは八十億円から百二十億円。
 それで、それに対して、私どものは今百九十億円という数字なわけでございますね。それを八十五億円以下にしようということでございます。当然のことながら、欧米もさらにコストダウンをするという努力目標は持っておりまして、もちろん欧米の方でもそういう努力はすると思います。しかし、今の私どもの判断では、大体そのくらいまで行けば何とかなるのではないか、こういうふうに考えております。
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原田昇左右#15
○原田(昇)委員 事業団でやっていると、どうも積み上げコストで出てくるわけですが、民間企業でやると、マスプロ効果とか、いろいろ規制を緩和してやれば自由な競争、競争があると意外にコストは下がるというのが通例だと思うのですね。そういう状態を早くつくる必要があるのじゃないですか。その辺はどう考えていますか。
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松井隆#16
○松井参考人 先生御指摘のとおり、確かに、民間に移して民間がやった場合にはマスプロ効果が出てくるというのは当然だと思います。
 私が先ほど申しました、HⅡを改良して八十五億以下を目標と申しますのは、現在の機数、年に一機とか二機とか、そういうのを前提にはじいた数字でございます。したがって、民間企業がそれを受けて大量生産した場合には、当然安くなると思います。
 既に日本では、民間会社が中心になりまして、ロケットシステムという会社をつくってございます。そこが、そういう意味では、そろそろHⅡA時代に備えまして商業活動を開始するというような準備もしております。したがって、HⅡAができた暁には、当然そういうロケットシステムという会社が一生懸命努力するというふうに思っております。
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原田昇左右#17
○原田(昇)委員 今よくわかりましたけれども、私は民間企業一社だけではだめだと思うのですよ。二社ぐらいで競争させなければ国際競争にたえ得る企業というのはできないと思うのだな。どうも一社独占というのは弊害がある。そういうことを指摘しておきます。いきなり二社やれといったって無理でしょうが、ともかく、一種の宇宙に対するニーズさえあれば、トラック屋なんですから、宇宙トラックですよ、二社や三社ぐらいあっても、私は将来の問題として十分成り立ち得る需要ができ得るのではないかな、こう思いますが、検討しておいてください。
 それから、若田さんの話を聞きますと、人工衛星の回収だけではなくて、宇宙ステーションの組み立てに役立つ技術ということも習得するのが目的だったということを言っておられましたが、宇宙ステーション計画自身はどんなふうになっているのですか。
 今、新聞の例ですが、この新聞によりますと、ちょっと古いんだ、去年の九月十日ですが、「宇宙基地に〝難敵〟次々」と書いてあって、アメリカは「減る予算」、欧州は「重い負担」、それで、国ごとにどうしようかといって押しつけ合いをやっておる。ロシアは「態度未定」、日本は「じっと待つ」。「二〇〇二年の完成目標に〝黄信号〟」こういうセンセーショナルな、極めてわかりやすい記事が出ているのだけれども、いかがでしょうか。
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加藤康宏#18
○加藤(康)政府委員 お答え申し上げます。
 国際宇宙ステーション計画でございますけれども、この新聞では、米、欧、ロ、日本と書いてございますが、ヨーロッパの方からちょっと説明させていただきますと、この新聞が去年の九月に出ておりますけれども、その後の十月にヨーロッパで欧州宇宙機関の閣僚会議がございました。その閣僚会議におきまして、宇宙ステーションに参加することを決定して必要な予算も確保いたしました。したがいまして、ヨーロッパは着実に参加いたしますので、問題ございません。
 米国におきましても、議会と政府の間に意見の相違はなくて、予算を二十一億ドル、まだ本予算は通っておりませんが、確保するとなっておりまして、米国も理解が得られております。
 ロシアにおきましては、ミールをもう少し延長して使いたいという希望が別途ありまして、宇宙ステーションと両立しづらいという話がございましたけれども、アメリカがロシアに少し援助をすることでミールの方も少し長く使えるようにする、かわりにロシアは宇宙ステーションをしっかりやるということで、合意がこの一月にできました。
 それから日本につきましては、着実にスケジュールどおりに進めておりますので、宇宙ステーション計画につきましては、来年後半から実際の組み立てが開始されます。日本は、二〇〇〇年から日本の施設の建設を始めるわけでございまして、現時点では順調に計画どおり進んでいるところでございます。
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原田昇左右#19
○原田(昇)委員 日本は非常にまじめにやっておることはよくわかりますが、外国とよく情報交換して、日本ばかり進んでほかができなかったというようなことのないように、バランスよくやるようにやっていただきたい。
 宇宙ステーションに宇宙飛行士を日本が派遣することになって、非常に期待されておるわけですけれども、何人ぐらい飛行士というのは要るのですか、今後。それをお答えいただきたい。
 それからもう一つ、飛行士の安全性の問題なんですが、原発の労働者の被曝の何か基準によりますと、これ以上被曝してはいけないというのは、四百ミリシーベルトとかいう数字があるのですよ、どのぐらいだかよくわからぬですが。ともかく、半年いるとその八倍ぐらい被曝するであろう、そういうことを聞いておりますが、それは大丈夫なのか。
 それからもう一つ、陽石とか何か相当ぶつかるのではないか。そういうのにぶつかって死んでしまうようなことがないだろうか、そういう事故は起こらないだろうかとか、そういうことはどう考えておられるのか、素人の単純な心配なんですが、御説明いただけますか。
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松井隆#20
○松井参考人 三点ばかりの御質問と思います。簡単にお答えいたします。
 まず、宇宙ステーションができたときに、日本人の宇宙士がどのくらい必要かという御質問でございますけれども、結論から申しますと、六人プラスアルファというふうに考えてございます。まだ、ロシアが参加して諸条件がはっきりしていないところがございますけれども、私どもは年に二人を派遣したいと思っております。
 年に二人と申します。そのそれぞれについて申し上げますと、一人についていいますと、採用して訓練をして、それから宇宙に行って、それからまた戻ってきてブリーフィングをして、それからさらにもう一回リハビリをするとか、そういうことがございます。一人について約三年間のサイクルがかかるというふうに考えてございます。したがって、それを計算しますと六人になるわけでございます。ただ、それは予備がございません。したがって、六人プラスアルファ、二人にするか三人にするか、それはまだはっきりしておりませんけれども、そういう数が必要というふうに考えております。
 それから、その次の被曝放射線量の話でございます。
 私ども、既にも利、向井、それから若田、この三名が宇宙に行ったわけでございまして、私どもの推計したところでは、例の原子力でいいます放射線業務の従事者の被曝限度量というのがございます。これは五十ミリシーベルトパー年でございますか、になっているわけでございますけれども、それの大体二十五分の一から十分の一ぐらいだと思っております、その三人に関しましては。ところが、宇宙ステーション時代になりますと滞在期間が長くなるということで、先生の御質問でございますけれども、確かに私どもの計算では、六カ月というふうに仮定した場合には、恐らく放射線作業従事者の三ないし四倍ぐらいではないだろうかというふうに考えております。
 それで、宇宙飛行士の健康に影響が出ないようにいろいろな方策を今検討してございまして、その一環として、例えばロシアから今いろいろと情報を入れようとしているところでございます。そんなようなことをいたしまして、万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
 それから最後に、陽石の話でございます。
 宇宙にはいろいろなごみと申しますか、そういうものがあるわけでございまして、一つは、十センチ以上の大きさのもの、これは大体計測、測定しておりまして、どこに何がある、どのくらいのものがあるというのはわかるようになってきております。したがって、十センチ以上のものの場合には、宇宙ステーションがわかればそれを避けるという方法をとりたいと思います。
 それから一センチ以下は、これは宇宙ステーションの方に適当な防護壁というのですか、そういうものをつくることに設計上なっておりまして、その防護壁によって一センチ以下ならば大丈夫というふうにデザインされております。
 問題は、その一センチから十センチの間でございますけれども、この場合は、穴がもしあけば、ほかの幾つかのモジュール、部屋がございますもので、そういうところに移動して、それから修理をするとか、そういうことを考えているようでございます。
 ただ、その確率でございますけれども、私どもの計算した範囲では、一センチから十センチメートルのものが衝突して穴があく確率というのは、宇宙ステーションが五十年間に一回ぐらいの確率ではないだろうかというふうに言われております。
 以上でございます。
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原田昇左右#21
○原田(昇)委員 宇宙ステーションと地上との間で物資を輸送するというために、日本版のシャトル、HOPEというものを開発をしよう、無人でやろうという非常に結構な話だと思うのですが、その一環として、ついこの間ハイフレックスというのを打ち上げて実験されましたね。あれは成功と見るのかどうなのか。ともかく太平洋におっこちたのを何かひもが切れてなくしてしまったというわけでしょう。大変遺憾だと思うのですね。見ると聞くとでは大違いという言葉がありますけれども、情報は集まっておるからほぼ成功だと大臣もおっしゃったわけですが、私はちょっと甘いと思うのです、これは。最後に機体が発見されなければ何にもならないのです。何でこんなことになるのですか。大体、ロープが切れるというのはおかしいじゃないですか。今まで実験もしていないのですか。設計ミスじゃないですか。
 それからもう一つついでに言いますと、「もんじゅ」だって何か温度計が折れたというわけでしょう。あれだって、事前にちゃんとテストしてあれば、あんなことになるはずがないんだ。つまり、案外メーンのところでなくてちょっとしたところで失敗をする、それがもう取り返しがつかないというようなことになっておるのではないか。私は非常に遺憾だと思うのですよ。その辺、どういうようにお考えになっているか、聞かせてもらいたいと思います。
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松井隆#22
○松井参考人 先生御指摘のとおり、ハイフレックス回収に失敗したのはまことに申しわけないと思っております。このハイフレックスにつきまして結局わかったのは、機体を浮遊させるフローテーションバッグと機体を結ぶロープが切れていたということでございます。
 それで、実は何にもテストしていなかったのかという御指摘でございますけれども、幾つかのテストをしてございます。
 まず、考え方としては、こういうものは私ども前からTT500Aとかいろいろな実験をやっておりまして、そこの経験で、大体その物体の重さの十倍の荷重に耐えれば大丈夫という前提で物事を運んでおります。したがって、その十倍の荷重に耐えられるかどうか、そのテストはしてございます。それから、もちろんとめ具についても、外れないかどうか、そういうテストもしてございます。
 さらに、フィールドテストといたしまして、一つはこれは横浜の追浜の方でやったのでございますけれども、四回ばかり、十メーターの高さのクレーンから、同じもの、同じ形、同じ重量のものを落としまして、それでもってちゃんと機能するかどうかというテストをしてございます。
 それからもう一つは、回収するための回収船全体の訓練を含んででございますけれども、門司沖でやはりその同じものを約一・五時間ばかり浮かせまして、それから回収するというようなこともやってございます。
 そういう意味では、全然何にもしなかったのではなくて、そういうことはやったつもりでございますけれども、いずれにしろ、結果としてそうなったということについてはまことに申しわけないと思っております。
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中川秀直#23
○中川国務大臣 ハイフレックスの実験装置、実機の回収に失敗したことは極めて遺憾である、また、貴重な血税を使ってのことでございますから、これは心からおわびをしなければいけない、こう申し上げているところでございます。
 私が大臣談話等で発表したものは、さはさりながら実験データは十四項目中十二項目はとれた、またその解析結果も、最近聞いたわけですけれども、非常に良好である、その前段の十二項目とれたということを申し上げた次第でございます。
 実は、回収予定地点とほぼ三キロぐらいしか違わないところに着水したということでございますから、回収船そのものがその予定地点にもっと近いところにおれば、切れる前に回収できたのかとか、あるいはまたロープがもう何本もあればよかったのではないかとか、そういう御意見も私のところにも来ておりますので、いずれにしても、原因の究明に宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所に対して全力を尽くすように今指示をしておるところでございます。
 たまたま海洋科学技術センターの「かいこう」が、翼がちょっと故障してしばらく調査をストップしていましたが、直りましたので、近々小笠原の向こうのグアム島の沖合かなんかでまた実験を再開する。多少時間があるようですから、どこまでできるか、深い海ですし、潮流も激しいところですから、それは全くその結果を期待することはできないと思いますが、その海域とハイフレックスが落ちたところも潜って調べてみるということも事務方で検討して、一応、余り無理はさせられないのでありますが、やらせることにもいたしております。
 いずれにしても、委員御指摘のとおり、先端技術の開発に当たって、その先端的な技術のみならずもっと簡単な、「もんじゅ」の温度計もそうでございますけれども、足元の技術、在来技術、これに関して十分注意を怠らないようにきちんとやらないといけない、本当にそういうことを痛感して教訓にしてまいりたい、このように考えております。
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原田昇左右#24
○原田(昇)委員 今の大臣のお話ですが、私は、今から捜そうというのは結構な話だけれども残念ながら無理じゃないかな、こう思いますよ。余りむだはやってもしようがないと思うのであります。しかし、その心意気は大変評価させていただきます。
 今おっしゃったように、先端技術の開発というのは案外足元のところに落とし穴があったりなんかするので、先端でないところをきっちり目を配ってやるべきだと思うのです。「もんじゅ」の温度計だってそうでしょう。今のあれだって、あなた何回も実験したと言うけれども、切れちゃったじゃないですか。切れたという厳然たる事実があるわけです。何で切れたかもう少ししっかり原因を探求してもらわぬと、これは大変な話ですよ。つまり、技術の隅々まで、案外平凡なところまで気を配らないといけないということの証拠だと思うのですね。
 それから、この前政府の発表で私はけしからぬと思っているのは、アフリカのガーナで発見されたというあの例の文部省が打ち上げた人工衛星エクスプレスだ。事故調査委員会だか何かつくって、それがインチキな報告をしておるんだよ。太平洋におっこちましたと。そうしたら、ガーナから出てきちゃったんだ。一体どういうように考えているの、これ。事故調査委員会なんというのはインチキだよ、こんな報告は。これだけでもう当てにならないということになっちゃうよ。それで、そういういいかげんなことを書いたりするのはけしからぬじゃないか。どういうように考えているの。
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早田憲治#25
○早田説明員 お答え申し上げます。
 エクスプレス衛星は、日本側とドイツ側が共同で開発をいたした衛星でございまして、打ち上げを文部省の宇宙科学研究所が担当する、こういう役割分担の上で実施したプロジェクトでございます。
 落下地点の発表につきましてでございますが、衛星の軌道上の運用につきましては、ドイツ側のドイツ宇宙運用センターが担当するという役割分担になっておりまして、そのドイツ宇宙運用センターからの報告を受けまして、文部省宇宙科学研究所において太平洋上に落下したものではないかという御報告をさせていただいたということが事実関係でございます。
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原田昇左右#26
○原田(昇)委員 じゃ、まあ文部省には責任がない、あれはドイツがやったことだということでいいんだね。そういうことですね。ドイツのやることについては、あなたの方は何ら責任がないの。それはちょっとおかしいんじゃないか。共同でやったんだろう。
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早田憲治#27
○早田説明員 もちろん、打ち上げの正確な軌道に投入することに失敗したということで大変、一番の責任は文部省側にある、日本側にあるということでございますが、繰り返しになりますが、衛星の軌道の確認、運用等につきましてはドイツ側が情報を持ち、そこが分析、解析をする、それで日本側に事実関係は教えていただけるというような役割分担になっておりましたので、その点につきましては、推定落下地点の発表の点につきましてはドイツ側の方に第一義的な責任があろうかというふうに考えております。
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原田昇左右#28
○原田(昇)委員 以上、宇宙開発について気になる点を申し上げたわけでございますが、宇宙開発自体、私は、技術の牽引力でもあり、国際貢献もできる分野であり、青少年に何よりも夢を与えるという分野でありますから、大いに進めるべきだと思うわけであります。しかし、そのやり方については、やはり莫大な税金を使ってやるわけでございますから、まず十分なPR、国民の理解と支持ということが非常に大事だ、それをぜひこれからもやっていただきたい。そして同時に、コストダウンということに気を配っていただきたい。それから、技術開発だから失敗はつきものだということじゃなくて、先端であろうがなかろうが細かいところまで気を配っていただきたい。
 以上要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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井上喜一#29
○井上委員長 小野晋也君。
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