行財政改革・税制等に関する特別委員会

1997-11-13 参議院 全220発言

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会議録情報#0
平成九年十一月十三日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     小川 勝也君
     本岡 昭次君     小島 慶三君
     緒方 靖夫君     山下 芳生君
     西川きよし君     佐藤 道夫君
     椎名 素夫君     末広まきこ君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     吉川 春子君     阿部 幸代君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                片山虎之助君
                高木 正明君
                野間  赳君
                三浦 一水君
                荒木 清寛君
                広中和歌子君
                伊藤 基隆君
                赤桐  操君
                笠井  亮君
    委 員
                狩野  安君
                鹿熊 安正君
                金田 勝年君
                亀谷 博昭君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                清水嘉与子君
                常田 享詳君
                長尾 立子君
                野村 五男君
                林  芳正君
                保坂 三蔵君
                宮澤  弘君
                泉  信也君
                今泉  昭君
                岩瀬 良三君
                小林  元君
                菅川 健二君
                高橋 令則君
                寺澤 芳男君
                益田 洋介君
                吉田 之久君
                小川 勝也君
                小島 慶三君
                齋藤  勁君
                志苫  裕君
                清水 澄子君
                阿部 幸代君
                山下 芳生君
                吉川 春子君
                佐藤 道夫君
                末広まきこ君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       文 部 大 臣  町村 信孝君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       通商産業大臣   堀内 光雄君
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
       建 設 大 臣  瓦   力君
       自 治 大 臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  小里 貞利君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  亀井 久興君
   政府委員
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       総務庁長官官房
       審議官      西村 正紀君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       国土庁計画・調
       整局長      河出 英治君
       国土庁土地局長  窪田  武君
       国土庁大都市圏
       整備局長
       兼国会等移転審
       議会事務局次長  林  桂一君
       外務省経済協力
       局長       大島 賢三君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       黒田 東彦君
       文部省教育助成
       局長       御手洗 康君
       文部省体育局長  工藤 智規君
       厚生大臣官房総
       務審議官     田中 泰弘君
       厚生省医薬安全
       局長       中西 明典君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  高木 俊明君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       社会保険庁運営
       部長       真野  章君
       農林水産大臣官
       房長       堤  英隆君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       林野庁長官    高橋  勲君
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       運輸省鉄道局長  小幡 政人君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小鷲  茂君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   参考人
       日本銀行総裁   松下 康雄君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政構造改革の推進に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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遠藤要#1
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案の審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁松下康雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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遠藤要#2
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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遠藤要#3
○委員長(遠藤要君) 財政構造改革の推進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小林元#4
○小林元君 平成会の小林元でございます。
 昨日の東京市場の動きを見ますと、大変な事態になっております。通告はしておりませんけれども、株が四百三十四円安、一万五千四百三十四円というような状況でございました。トリプル安と、大変な事態でございます。我々新進党は、財政構造改革も極めて大事であるけれども、ここはしっかり経済対策をやらなければいけないというふうに考えております。
 大蔵大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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三塚博#5
○国務大臣(三塚博君) 本日の早朝のニューヨーク市場の下落、昨日の流れを受けておると思いますが、御指摘のように安値圏を構成いたしております。今後、株式市場の動向については、引き続き十分な注視をしてまいります。同時に、党におきまして、三党を中心に経済問題、政策について第二次の案を御検討いただき、いずれそう遅くない時期に発表になるかと思います。政府においても、経企庁長官を中心に関係閣僚一致協力をしまして、経済対策の具体案をつくり上げるべく鋭意努力をし、来週早々には発表の段階になるのではないかと見ております。
 以上でございます。
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小林元#6
○小林元君 これまでも何度も繰り返してまいりましたが、ただいまの御答弁にもありましたが、十分注意して見守っていく、来週には対応策を出したいということでありますが、やはりこれは政策不況といいますか、見守り続け過ぎたのではないか、このように思う次第でございます。
 これはもう国民全体の問題、日本がどうなるか、二十一世紀を本当に安心して迎えられるか、そういうふうに国民は大変心配しているのではないかと考える次第でございます。そういう意味で、これはもう党派を超えて全国民的な御意見を早急にまとめられて、あらゆる対策をおとりいただくように切望する次第でございます。
 今回の法案の質問に入らせていただきます。
 平成九年度の当初予算の編成に当たりまして、政府は、財政構造改革元年、こういうことで財政健全化に向けて第一歩を踏み出した、一般歳出を一・五%増に抑えた九年ぶりの低水準であり、特例公債も四兆五千億減額をしたと、そういうふうに胸を張って言われました。
 しかし、その内容を見ますと、減税を打ち切る、そして消費税率をアップする、さらには、これは国の歳入にはなっておりませんけれども、医療費の患者負担を先取りするというようなことで九兆円にも上る国民負担、そういうものがこの予算の中でも取り込まれて財源不足というような形でづぎ込んでしまう。めり張りのきいた対応策に使われたというようなところが見えなかったのではないか。したがって、とても胸を張って財政構造改革元年とは言えなかったのではないかなというふうに私どもは受けとめております。
 今回の財政構造改革は、九年度の予算をベースにしてそれ以下に抑える、あるいは一〇%カットする、七%カットする、二年先送りする、そういう内容でありますが、この九年度予算を、いろいろ努力されたのはわかりますけれども、膨らませておいて、そしてそれをベースにして減らそうと。何をやっているんだろうか、これが国民の見方ではないでしょうか。
 そういうことだと私どもは考えておりますけれども、大蔵大臣の率直なお考えをお伺いしたいと思います。
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三塚博#7
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のとおり、九年度予算編成は財政構造改革のスタート年としてプライマリーバランスをとるということ、すなわち国債費を除き租税に見合う歳出ということで、ただいま小林委員御指摘のとおり、対前年度比一・五%増に抑えてスタートを切らさせていただきました。
 四・五兆という公債発行減、正式には四・三ということになりますが、そういうことの中でスタートを切りました最大の理由は、先進国中、財政事情が極めて深刻な状態に立ち至りましたというところに原点がございました。公債残高二百五十四兆、これに歯どめをかけてまいりませんと、高齢化社会、少子化時代を迎えている中で大きな問題に逢着をし、財政運営が国民経済運営の足を引っ張るということになりかねないということでありました。
 同時に、本法案に明示をされておりますそれぞれの諸項目に基づいた会議が持たれまして、そのことが法律として御提案をし御審議をいただくという段取りに結びついたわけでございます。
 諸制度の全体の見直し、聖域なき歳出の見直し、カット、もちろん必要なものは必要として措置をするわけでございますが、全体的に抑制基調、縮減基調ということは法律に書いておるとおりでございまして、社会保障関係が御案内のとおりのポリティカルキャップでございます。科学技術振興、基礎研究の基本にかんがみて、これは対前年度比五%増ということに相なっておるわけで、目配りをして九年度予算は元年、いわゆる集中三カ年の前年としての基礎固めをした、こういうことでございます。
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小林元#8
○小林元君 ただいまの御答弁によりますと、プライマリーバランスをとるというようなことで、公債の発行額あるいは元利償還との関係を十分に考える、なおかつ聖域なき削減というようなことでこの法案を作成した、こういうふうにおっしゃいました。
 ところで、プライマリーバランスというんでしょうか、この法案によりますと「財政構造改革の当面の目標」ということで三つの目標が書かれております。非常にわかりにくい表現がございます。
 国、地方の貯蓄投資差額の合算額、つまりそれが財政赤字の額、のGDP比を三%以下に抑えると。なぜか大蔵省の方でも、このような推計値といいますか数値を余りお出しになっていないようですが、現在はこれが五・四%ある、これを三%以下に抑えたい。それから、十五年度までに特例公債から脱却をする。そして、公債費を平成九年度以下とすると。公債費ということでありますから、現在の発行額以下にするということとはまた違っていると思います。
 二と三については国民は理解できるといいますか、わかりやすいわけでございますが、突如として国際連合が定めた国民経済計算といいますか、そういうようなことで貯蓄投資差額と。言うならば、欧米諸国はこれを使っているのかもしれませんが、日本では大変なじみがない、突如ここへ来て出てきたわけでございまして、一体これは何だと。
 財政構造改革というのは国民の痛みを伴うものであるというふうに総理大臣以下ずっと説明をしてこられております。したがいまして、この構造改革をどうしてもやり遂げるというのであれば、国民の理解と協力、公共事業をカットしていろいろ社会資本の整備、あるいは生活基盤につきましても皆さんの御要望に十分にこたえられませんよ、あるいは年金、保険にしても大変な状態で、このままの状態ではシステムが破壊しかねない、そういうふうにおっしゃっているわけでございます。やはり国民の理解と協力というのは不可欠だと私どもも考えている次第でございます。
 そういう中で、今まで政府は、建設公債というのは後世代のために役立つ財源ということで、財政法四条に規定された建設公債というものを発行し、景気対策等に使ってきたわけでございます。これは、現世代ばかりではなくて後世代への負担も当然あっていいんだ、善玉だというふうに説明してき続けたわけでございます。しかし、ここに来て、総理以下皆さんからもお話がありましたけれども、とにかく建設国債も赤字国債もないんだ、もう四百七十六兆円にも及んでいる、GDP比でも九三%になっている、大変なんだ、だから建設国債がよくて赤字国債は悪いというようなことではなくて、全体として考えてほしい、こういう説明を受けてきたわけでございます。
 したがいまして、投資差額などという、大蔵省の役人のテクニカルタームで国民の目をごまかすとは言いませんけれども、目くらましをして何が何だかわからない、政府は本当に目標に向かって進んでいるんだろうか。計算して数値を出せばわかるだろうと言いますけれども、小泉大臣でしたか、国民に向かってむやみに横文字を使うなと。デイサービスだと。お年寄りがデイサービスというのは一体何だと。中学校も出ていない小学校だけのお年寄りもたくさんいるわけでございます。ですから、ケアハウスとかわからない言葉がいっぱいあります。
 そういうふうに、やはりこれは国民に気を使っていただく、これが政府の使命だ。よらしむべし、知らしむべからずではない、もう徳川時代ではないわけでございますから。国民に向かって、大蔵大臣、非常にわかりやすい言葉で財政赤字というのはどういうものなんだ、こういうものなんですよと説明していただけませんでしょうか。
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三塚博#9
○国務大臣(三塚博君) この三%の根拠は、御案内のとおり、国際連合の規則、ルール、こういうことで定められた基準でございます。その中で、いわゆる貯蓄投資差額という何となく理解が難しい基準を規定いたしております。
 簡単に言いますと、家計が黒字か赤字かを判断する際に、一年間の収入と支出の差額を見る。一カ月のサラリーの中で、月給の中で一カ月の支出をバランス、均衡するようにやるというのも主婦の皆さんの知恵であり、このごろはだんなさんもその辺に参加をしている、こういうことでございます。いわゆる貯蓄と投資の差額を見て、公共団体、国の場合は基準とすることは極めて自然なことであり適切な指標ではないのか。
 もう一つつけ加えさせていただきますと、御指摘のように、マーストリヒト条約という欧州通貨統合の際の基準として、国、地方の財政の赤字を統合したものが全体において国民総生産対比で三%以下にする、単年度でございますが、そういう取り決めをいたしたと。総額の債務ストックにおいては六〇%以下ということでありますが、我が国はそこは集中三カ年と後の三カ年、六カ年を経て借金のための公債の発行を下げていく、九年が七・五兆でございましたからそれを下げて、六年で割りますと一兆二千五百億円ずつ返していきますと発行額がゼロになります、こういうことにさせていただき、いわゆる建設国債の部分があります債務については、本件は九〇%を超えないように特例公債の減を行うことによってバランスをとってまいります。こういうことであります。
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小林元#10
○小林元君 国民の皆さんが聞いてどうもわかりにくいんじゃないか。私も頭が悪いものですから、何かこれはフローの話とストックの話というかそこがどうも……。大蔵大臣は今貯蓄と投資の差額と、こういうふうにおっしゃったんですが、それは債務残高の、例えば家計でいえば、貯蓄があり、それから例えば長期借入金というか借金があるということとは別に、勤労所得ならサラリーマン家庭であれば給料、それではやっていけないから、それとは別に毎月二万円を借りなきゃいかぬというようなものは年間で幾らになってと、そういうものなのかなと私は理解しているんですが、いかがでしょうか。間違っていますでしょうか。
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三塚博#11
○国務大臣(三塚博君) 解説をいただきましてありがとうございました。非常にわかりよく御質問いただきました。
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小林元#12
○小林元君 どうぞ国民にわかるように、納得ができるように、そして国民もみんな一緒になって、日本は大変だ、だから頑張ろうじゃないかという気持ちを起こさせることが一番この改革の要請ではないかというふうに思っている次第でございます。
 それから、先ほど来、建設国債とか赤字国債とかいろいろ法律上もありまして、現にこういうものをずっと使い続けてきたわけでございます。これはちょっと質問通告をしておりませんけれども、大変初歩的な質問で恐縮でございますが、欧米諸国においてはこういうような区分というものはどうもないんじゃないのか。やっぱり借入金というか長期借入金というか、そういうもので財政運営をしているんではないかなというふうに思うんですが、御承知でしたら、あるいは事務方でも結構でございますが、お教えいただきたいと思います。
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涌井洋治#13
○政府委員(涌井洋治君) お答え申し上げます。
 欧米諸国の中で日本と同じように投資的な経費について国債発行を認めるという制度をとっている国はドイツがございます。それから、逆にそういう区別をとっていない国としては例えばアメリカのような国もあります。
 一方で、例えばイギリスのように、そういう建設国債的な考え方を取り入れるべきだという議論をしている国もあるようでございます。
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小林元#14
○小林元君 それでは、もう一つの目標が規定をされているといいますか、目標というふうにはこの法案の中では言っておりませんけれども、第六条で国民負担率と。これはGDP比ではなくてGNP比である。これは従来からそういう形でこの指標を扱われてきました。それを百分の五十以下にするということで、これまで租税あるいは社会保障負担の合算額とGNPの比というような形で国民にも理解されているんではないかと思いますが、今回はさらにその中に財政赤字というものを合算して対GNP比、こういうふうに言われて規定をされているわけです。
 この辺も非常にわかりにくいといいますか、大蔵省の資料の中でも探してみたんですけれども、現在は三八・二%であるというような数字になっていたかと思います。これは従来の国民負担率の数字でありまして、新負担率については出されていないわけでございます。そういうわかりにくい目標をどうして次々と設定するのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
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涌井洋治#15
○政府委員(涌井洋治君) 先生御指摘のように、従来は国民の租税と、それから社会保障負担が国民所得に占める割合を国民負担率としてきたところでございます。
 ただ、その場合は、実際に現在でも相当膨大なる公債発行をしておりまして、それによる公共サービスの供給が行われているわけでございまして、その部分、隠れた負担が出てこないということで、むしろ最終的には公共サービスは国民負担に裏づけられるものであるわけでございますので、この法案におきましては、今後の財政運営に当たっては、やはり将来世代の負担の先送りである財政赤字を含めた国民負担率を抑制する必要があるということで、こういう規定を設けたわけでございます。
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小林元#16
○小林元君 本当に何か理解しにくいなというのが実感でございます。先ほど同様に国民に十分説明をしていただきたい。
 そこで、大蔵省の「財政事情の試算」というのがございます。この法案の線に沿って一般歳出をカットする、公共事業を削減するというようなことで三千二百億円の減、それから国債を一兆九千五百億円減をする。しかし、なお二兆一千億ないし二兆九千億、これは名目成長率のところでこのような要するに要調整額といいますか、さらに切り込まないと大変だよというような数字かと理解をしておりますが、その辺、本当にこれはそういうことで切り込む、そしてこの目標達成に向けて頑張る、こういうことなんでしょうか。
 これは平成十年度の話をしましたけれども、単年度ごとの数値目標というのはもちろん掲げて、もちろんといいますか、この法案の中では掲げておりませんが、ただいま私が申し上げましたように、公共事業あるいは一般歳出の量的削減目標を超えてさらに切り込まないといけないんだと、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
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三塚博#17
○国務大臣(三塚博君) 「財政事情の試算」に基づいて委員から御質問をいただいておるわけでございます。
 十年度、御説のとおり成長率によって二・一兆円、さらに二・九兆円と、こうなるわけでありまして、私どもは、掲げられました最大の目標でありますし、この達成のためにはありとあらゆる努力をしていかなければなりません。特に、法律に基づいての基準に従って歳出予算を決めてまいったトータルと歳入の差額でありますものですから、この点について、一般歳出における調整を行いながら、調整という意味は決められた数字に向かって、また明示された縮減、抑制というその基本原則を踏まえて制度等の見直しを徹底して行いまして、歳出カットをしていくことによって取り進めなければならない。
 こういうことに財政構造改革集中初年度における決心がここに強くあらわれておるものですから、この至上命題に向かって、困難な道ではございますが全力を尽くす、こういうことでございます。
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小林元#18
○小林元君 今、大臣が御答弁になられましたように、大変厳しいんだと。この試算表を見ますと、歳出の方は、国債費はこれはどうしようもない、元利償還といいますか、償還をしていく。これはまさかカットするということ、先送りするということはないと思います。
 そして、一般歳出をもっともっと切り込まなきゃいかぬと。それでも足りないという場合には地方交付税、これしかないわけであります。別な試算も、一般歳出と公共投資に分けたりしたものもあるようでございますけれども、この「財政事情の試算」によりますと、そういう三分割になっておりまして、この交付税というものは、これはもう法律で三税の率がそれぞれ決まっているわけでございます。
 そういうものも聖域なし、カット対象だということもあり得るかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
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三塚博#19
○国務大臣(三塚博君) 要調整額を減らし、法律に明示をされた基本に到達するということになりますと、ありとあらゆる努力を尽くしていかなければなりません。
 特に、地方交付税についてはいかん、どう考えるかという御質疑でございますが、地方交付税の取り扱いにつきましては、国と地方の税収動向、地方の歳出削減努力等を踏まえました上で、今後、予算編成過程において自治省と折衝をしてまいります。
 いずれにいたしましても、十年度予算は、財政構造改革を進める観点から、歳出全体につきましては、前段申し上げました制度、また今日までの取り決め等、本件について十二分に精査をして歳出全般について厳しく抑制してまいることが必要である、こう思っておるところであります。
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小林元#20
○小林元君 これは、大蔵大臣、大変重大な御答弁ではないか、お考えではないか。
 この地方分権推進という中で、勧告には盛り込まれておりませんが、国と地方の財源配分は大変偏っているわけでございます。そういう中で、にもかかわらず、地方分権を推進するという傍らでいろいろ調整をして、地方団体にゆとりといいますか財源があるならば、どうもそちらも対象にする、聖域ではないと。自治大臣もおられますので、後ほど自治大臣に聞きたいと思いますけれども、私自身も地方財政はやはり非常に大変なことだと思います。
 これは地方財政制度の根幹にかかわる問題でございます。こういうものをいわゆる地方の自主財源といいますか、独自のものは三割程度、三割自治だと。交付税はもちろん国が交付するということでありますから、自主的な財源ではありませんが、使い方としては自主的に使えるという制度になっているわけでございます。したがいまして、到底これは容認できる問題ではない。
 国の歳出カットというような形での努力をされまして、交付税制度は交付税制度として、現に地方団体もこの財政改革、財政再建というものをもちろん一緒に頑張っていくわけでございますが、そういうものが崩れてしまうんじゃないか、国と地方が一緒になって頑張るのを崩しかねない、そういうことになるのではないかと思います。
 時間もありませんのであれですが、自治大臣、いかがでしょうか。今の大蔵大臣の答弁を聞かれまして、自治大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
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上杉光弘#21
○国務大臣(上杉光弘君) 交付税のあり方と財政構造との関連でのお尋ねでございます。
 国税五税の一定の割合でございます地方交付税は、委員御承知のとおり、地方公共団体の固有の財源でございます。地方にとっては歳入でございますので、国の他の歳出と同列に論ぜられるべきものではないと思っております。
 また、地方財政は、平成六年度以降巨額の財源不足が続いておりまして、四兆円台から五兆五千億円幅のものでございまして、本年度は五兆九千億円にも上るわけでございます。
 このような財源不足でございますから、地方交付税法第六条の三第二項に該当する極めて厳しい状況の中で、地方交付税の原資の不足を借金、すなわち借入金によりまして補てんをしておるというのが実情でございます。したがいまして、地方交付税の必要額を確保していくということは地方財政にとりまして当然のことでございます。
 このような状況を考えれば、一般会計から交付税特別会計に繰り入れるべき交付税の額の抑制などというものは到底考えられないところでございまして、いずれにいたしましても、明年度の地方財政の収支見通しが明らかになりました段階で、地方財政の運営に支障がないように、必要な地方交付税総額の確保に努めてまいりたいと考えております。
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小林元#22
○小林元君 どうぞ自治大臣、大蔵大臣の答弁にもめげずに頑張っていただきたい。これでは地方団体つぶれますよ、やっていけません。それでは国として本当に大変なことだと。車の両輪だというふうに私は考えておりますので、この制度を堅持していただき、よい知恵を出して頑張っていただきたい、死力を尽くしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 次に、予算編成のあり方でございますけれども、公債残高は四百七十六兆円ということに加えまして、いわゆる隠れ借金、ただいまも自治大臣から交付税先送りどいうふうなことでいろいろ借り入れをしている、あるいは国負担を繰り延べているというようなこともございました。法律で規定はされておりますけれども、そういうものは十二兆円。そしてこの年金、例えば保険会計から借り入れをする、繰り延べをする。本来は公債を発行して年金資金を借り入れる、これをやらずに繰り延べをする、こういうような措置をもってやりくりで五兆円。あるいは国鉄、林野の債務残高も大変でございます。四十八兆円を超えるというようなことになっているわけでございます。
 今回の考え方は、当面、単年度の収支均衡を図っていくんだ、そして多額の債務処理といいますか財政赤字についてはその後で処理をするということになるわけでございますが、これはやっぱり財政構造改革の第一歩でありますから、ただいま申し上げましたような会計間の貸借関係といいますか隠れ借金といいますか、あるいは債務を棚上げするということで先送りをしていく、これはまさに財政改革でも何でもありません。
   〔委員長退席、理事高木正明君着席〕
 そういうことで、こういうことはぜひやめていただきたい。表で明らかにしていただきたい。大変苦しいとは思いますけれども、大蔵大臣、いかがでしょうか。
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三塚博#23
○国務大臣(三塚博君) 問題点の先送り、棚上げいかん、こういうことでございます。特例的な歳出削減措置、いわゆるこれを隠れ借金と呼んでおります。棚上げも、さらに先送りもその中に入るものでありますが、それぞれの制度あるいは施策をめぐる状況を検討した上で、中長期的な観点から制度、施策がバランスのとれたものとして安定的に機能するようその都度とられた措置であります。あるいは、その時々の運営に支障を生じない範囲でやむを得ざるものということで措置がとられたと御理解をいただきたいと思います。
 今後においては、それぞれの制度、施策をめぐる状況、これまでの考え方、また国の財政事情を踏まえながら適切に対応していくものであると考えております。当然のことながら、不透明であるといった世の批判を受けることのないようにしてまいりたいと考えております。
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小林元#24
○小林元君 どうもいまいち歯切れが悪い御答弁のように伺いました。
 九月十八日の東京新聞によりますと、平成十年度の予算編成に当たって国民年金特別会計への支出を五千億円繰り延べる。これは何か大蔵省の事務方の説明ですと間違いで、厚生年金ではないかと、どちらでもあれでございますけれども。
 いずれにしても、ただいまお伺いしましたような、要するに隠れ借金というか、繰り延べ方式というか、そういうことをこれからも続けていくというようなことが報じられているわけでございますが、会計間のツケ回し、後年度処理あるいは前借り制度というのは、本来これは財政法に照らしてみても違反しているんじゃないか、違法ではないか、こういうふうに思うんです。
 そういうことも含めまして、ちょっと小泉厚生大臣、このようなことを承知しているんでしょうか。
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小泉純一郎#25
○国務大臣(小泉純一郎君) 確かに委員御指摘のとおり、これは好ましいことではなく、窮余の策だと思うんですね。繰り延べしてきたという、隠れ借金も。窮余の策であり、なおかつ特別に例外な措置が当然視されてきている傾向があると思うんです。
 今の御趣旨を踏まえて、こういうことを改めるべきだと予算編成過程において申し入れていきたい、そう思います。
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小林元#26
○小林元君 大変前向きな、積極的な御答弁ありがとうございました。
 大蔵大臣、いかがでしょうか。
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三塚博#27
○国務大臣(三塚博君) 厚生年金のことだと思います。
 十年度におきます厚生年金国庫負担の繰り延べ措置につきましては、厚生大臣のお言葉もございましたが、危機的な財政状況、社会保障関係費の量的縮減目標等を勘案しながら、予算編成過程において歳出削減の必要性、また制度のあり方などを踏まえまして慎重に検討の上、適切に対処してまいりたいと考えております。
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小林元#28
○小林元君 どうぞ正々堂々と、こういうやみに隠れてやるんではなくて、借りるべきものは借りるという手続において、表でやっていただきたい、このように考えております。
 次に、地方財政の問題でございます。
 国は、平成九年度財政赤字比、先ほども申し上げましたが五・四%、これは三角がつくようでございますが、それをマイナス三%にするという明確な目標がございます。
 ところが、地方団体の場合には、この資料をいただいたのでございますが、全体としては、現在はその五・四の内訳は国が三・四、地方が二・二というような現状にあると。したがいまして、その割合でひとしく頑張れと、そうは法案には書いてないようでございますけれども。ということになりますと、それが国が一・九とか一・一というような、これはまさに仮のお話かと思いますが、例えば仮に一・一%だと、目標設定をどういうふうにするのか私はわかりませんけれども、地方公共団体というのは、全体としては一・一にしたにしましても、三千三百余の自治体があるわけでございます。個々の自治体から見れば、この健全化目標というのはどうも見えないんじゃないか。大変厳しい状況で、地方団体もこれから財政構造改革あるいは行革に取り組む。それは法律にも書いてありますように、自主的、自立的に健全化を図るんだ、こういうふうになっております。しかし、個々の団体としましては、先ほど来言っておりますように、どうしたらいいか、それぞれの自治体の感覚で目標を設定するということはなかなか難しいんじゃないか。おれのところはまだまだやっていけるというふうな考えもあるでしょうし、いや、やっぱりもうとても大変な状態だということもあると思います。
 そういう意味で、自治省として、地方の財政健全化目標達成の道筋というようなものをお示しして対処するのかどうか、その辺、お伺いしたいと思います。
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上杉光弘#29
○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。
 御指摘のように、財政赤字GDP比の目標は、地方財政全体すなわち地方財政計画ベースのマクロ目標でございます。ストレートに個々の地方公共団体の目標の設定とはなっておりません。御指摘のとおりでございます。
 地方財政計画は、地方財政全体の標準的な歳入歳出を見積もることによりまして地方財源を保障するものでございますが、この計画におきまして、再建目標を達成するため地方一般歳出や地方単独事業等の抑制をするということにいたしておるわけでございます。そのような動向が個々の地方公共団体にとりましては財政運営の指標となるものでございまして、各地方公共団体は、このような意味で地方財政計画や国の予算を踏まえつつ、地域の実情に応じ自主的な財政の健全化に努めていただきたい、このように考えております。
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