法務委員会
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会
会議録情報#0
平成十年四月二十八日(火曜日)
午前九時一分開議
出席委員
委員長 笹川 堯君
理事 鴨下 一郎君 理事 橘 康太郎君
理事 八代 英太君 理事 与謝野 馨君
理事 北村 哲男君 理事 熊谷 弘君
理事 上田 勇君 理事 達増 拓也君
遠藤 利明君 太田 誠一君
奥野 誠亮君 木村 義雄君
古賀 誠君 下村 博文君
菅 義偉君 谷川 和穗君
谷畑 孝君 中川 秀直君
渡辺 喜美君 安住 淳君
枝野 幸男君 佐々木秀典君
福岡 宗也君 漆原 良夫君
安倍 基雄君 木島日出夫君
保坂 展人君 園田 博之君
左藤 恵君 笹山 登生君
出席国務大臣
法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
出席政府委員
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務大臣官房司
法法制調査部長 山崎 潮君
法務省民事局長 森脇 勝君
法務省刑事局長 原田 明夫君
法務省矯正局長 坂井 一郎君
法務省入国管理
局長 竹中 繁雄君
外務省アジア局
長 阿南 惟茂君
大蔵大臣官房総
務審議官 溝口善兵衛君
委員外の出席者
警察庁長官官房
国際部国際第一
課長 三谷 秀史君
警察庁生活安全
局生活環境課生
活経済対策室長 柴田 健君
経済企画庁国民
生活局消費者行
政第二課長 飛田 史和君
法務大臣官房審
議官 大林 宏君
外務大臣官房領
事移住部長 内藤 昌平君
文化庁文化部宗
義課長 前川 喜平君
厚生省社会・援
護局援護企画課
長 松永 正史君
最高裁判所事務
総局刑事局長 白木 勇君
最高裁判所事務
総局家庭局長 安倍 嘉人君
法務委員会専門
員 海老原良宗君
—————————————
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
加藤 紘一君 遠藤 利明君
枝野 幸男君 安住 淳君
同日
辞任 補欠選任
遠藤 利明君 加藤 紘一君
安住 淳君 枝野 幸男君
—————————————
本日の会議に付した案件
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法
律案(内閣提出第一〇一号)(参議院送付)
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特
別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第
七五号)(参議院送付)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時一分開議
出席委員
委員長 笹川 堯君
理事 鴨下 一郎君 理事 橘 康太郎君
理事 八代 英太君 理事 与謝野 馨君
理事 北村 哲男君 理事 熊谷 弘君
理事 上田 勇君 理事 達増 拓也君
遠藤 利明君 太田 誠一君
奥野 誠亮君 木村 義雄君
古賀 誠君 下村 博文君
菅 義偉君 谷川 和穗君
谷畑 孝君 中川 秀直君
渡辺 喜美君 安住 淳君
枝野 幸男君 佐々木秀典君
福岡 宗也君 漆原 良夫君
安倍 基雄君 木島日出夫君
保坂 展人君 園田 博之君
左藤 恵君 笹山 登生君
出席国務大臣
法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
出席政府委員
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務大臣官房司
法法制調査部長 山崎 潮君
法務省民事局長 森脇 勝君
法務省刑事局長 原田 明夫君
法務省矯正局長 坂井 一郎君
法務省入国管理
局長 竹中 繁雄君
外務省アジア局
長 阿南 惟茂君
大蔵大臣官房総
務審議官 溝口善兵衛君
委員外の出席者
警察庁長官官房
国際部国際第一
課長 三谷 秀史君
警察庁生活安全
局生活環境課生
活経済対策室長 柴田 健君
経済企画庁国民
生活局消費者行
政第二課長 飛田 史和君
法務大臣官房審
議官 大林 宏君
外務大臣官房領
事移住部長 内藤 昌平君
文化庁文化部宗
義課長 前川 喜平君
厚生省社会・援
護局援護企画課
長 松永 正史君
最高裁判所事務
総局刑事局長 白木 勇君
最高裁判所事務
総局家庭局長 安倍 嘉人君
法務委員会専門
員 海老原良宗君
—————————————
委員の異動
四月二十八日
辞任 補欠選任
加藤 紘一君 遠藤 利明君
枝野 幸男君 安住 淳君
同日
辞任 補欠選任
遠藤 利明君 加藤 紘一君
安住 淳君 枝野 幸男君
—————————————
本日の会議に付した案件
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法
律案(内閣提出第一〇一号)(参議院送付)
外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特
別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第
七五号)(参議院送付)
————◇—————
笹
笹川堯#1
○笹川委員長 これより会議を開きます。
この際、お諮りいたします。
本日、最高裁判所安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、お諮りいたします。
本日、最高裁判所安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
笹
笹
安
安倍基雄#4
○安倍(基)委員 冒頭でありますけれども、新聞紙上、山口の地裁ですか、何か従軍慰安婦の判決が出たという話がございます。私、これは別に自由党の見解というわけでもないのですけれども、個人的な考えとして、大体、いわば条約上決着している問題であるわけです。例えば、我々の在外財産なんかも、膨大な在外財産を日本は講和条約で放棄した。その在外財産を持っていた人間がアメリカ政府に補償しろと言っても、これは話の通じるものではない。
そういう意味で、やはり条約というものというのはそれなりの重みを持っているわけでございますので、このいわゆる従軍慰安婦の問題、それはいろいろ個人的には気の毒なケースもあろうし、いろいろなケースがあると思います。しかしそれを、今日本の裁判所が、立法府が立法義務を怠っているなんということはとんでもないというような私は感じを受けますけれども、これはそれぞれ、皆さんが個人個人の判断もあると思いますけれども、いわば法の番人としての法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →そういう意味で、やはり条約というものというのはそれなりの重みを持っているわけでございますので、このいわゆる従軍慰安婦の問題、それはいろいろ個人的には気の毒なケースもあろうし、いろいろなケースがあると思います。しかしそれを、今日本の裁判所が、立法府が立法義務を怠っているなんということはとんでもないというような私は感じを受けますけれども、これはそれぞれ、皆さんが個人個人の判断もあると思いますけれども、いわば法の番人としての法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
下
下稲葉耕吉#5
○下稲葉国務大臣 お答えいたします。
突然の御質問でございますので十分整理ができておりませんけれども、あの判決の報道を聞きまして、率直に申し上げまして、私は、実は、何と申しますか、ちょっとびっくりしたといいますかというふうな感じがいたしました。
それで、判決の正文ではないのですが骨子を取り寄せてみましたところ、要するに、平成五年八月に、内閣官房内閣外政審議室のあの問題についての調査報告書が提出され、そして当時の河野洋平内閣官房長官の談話が発表された。これによって、裁判官の受けとめ方は、日本国憲法上の賠償立法義務というものが明らかになったと。これは、裁判所が国会に対して言っておるものですが、これもいかがなものだろうかとは思いますけれども。ですから、あの判決があってから三年間、国は立法しなかったのです。通常、三年を経過しても被告国会議員は右立法をしなかったから、被告国は右立法不作為による国家賠償として云々というふうなことになっております。
そこで、この判決は、従来の確立した最高裁判所の判例とは異なる立場をとっていて、立法の不作為による国の責任を認めたものでありまして、極めて異例なものであるというふうに私、認識いたしておりまして、そういうような角度から、十分関係向きと検討しながら対応を決めてまいりたい、このように思います。
この発言だけを見る →突然の御質問でございますので十分整理ができておりませんけれども、あの判決の報道を聞きまして、率直に申し上げまして、私は、実は、何と申しますか、ちょっとびっくりしたといいますかというふうな感じがいたしました。
それで、判決の正文ではないのですが骨子を取り寄せてみましたところ、要するに、平成五年八月に、内閣官房内閣外政審議室のあの問題についての調査報告書が提出され、そして当時の河野洋平内閣官房長官の談話が発表された。これによって、裁判官の受けとめ方は、日本国憲法上の賠償立法義務というものが明らかになったと。これは、裁判所が国会に対して言っておるものですが、これもいかがなものだろうかとは思いますけれども。ですから、あの判決があってから三年間、国は立法しなかったのです。通常、三年を経過しても被告国会議員は右立法をしなかったから、被告国は右立法不作為による国家賠償として云々というふうなことになっております。
そこで、この判決は、従来の確立した最高裁判所の判例とは異なる立場をとっていて、立法の不作為による国の責任を認めたものでありまして、極めて異例なものであるというふうに私、認識いたしておりまして、そういうような角度から、十分関係向きと検討しながら対応を決めてまいりたい、このように思います。
安
安倍基雄#6
○安倍(基)委員 これは漸次、上級審に上がっていって判決があると思います。急なお話でございますので法務大臣も戸惑われたと思いますけれども、やはり我々は、いわゆるちょっとしたマスコミの扇動と言うと、これはまた記者さんに怒られるかもしれませんけれども、もっと冷静に事に対処すべきではないかと私は思っております。
では、法案の問題になりますが、この法案そのものは、私も、台湾からのいろいろこの出入国の増加という面において、基本的にはいいと思いますが、ただ一つ私、問題点として指摘したいのは、これはいわゆる一定の地区の指定を行政府にゆだねるという話でございますから、そうすると、例えば、行政府の判断でもって、北朝鮮とかほかの国とか、まだ国交の回復していない国に広げるということも形式上は不可能ではない。行政権の裁量にゆだねるような話になるわけでございますから、この点、大きな問題点があるのじゃないか。内容的には、これは台湾を指定するのだからいいのではないか、こういう話になりますけれども、本来、行政府にそういう地区指定を行う権限を与えるということ、それについて問題がないのかどうか。この点について、御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →では、法案の問題になりますが、この法案そのものは、私も、台湾からのいろいろこの出入国の増加という面において、基本的にはいいと思いますが、ただ一つ私、問題点として指摘したいのは、これはいわゆる一定の地区の指定を行政府にゆだねるという話でございますから、そうすると、例えば、行政府の判断でもって、北朝鮮とかほかの国とか、まだ国交の回復していない国に広げるということも形式上は不可能ではない。行政権の裁量にゆだねるような話になるわけでございますから、この点、大きな問題点があるのじゃないか。内容的には、これは台湾を指定するのだからいいのではないか、こういう話になりますけれども、本来、行政府にそういう地区指定を行う権限を与えるということ、それについて問題がないのかどうか。この点について、御見解をお伺いしたいと思います。
竹
竹中繁雄#7
○竹中政府委員 今回の入管法上の旅券の範囲を拡大しようという趣旨は、国際間の人的交流の活発化に伴い、出入国関係事務を簡素合理化しようとするものであることから、政令で定める地域は、委員御指摘のとおり、台湾のみを想定しております。
将来、仮に対象地域を追加する可能性が生じた場合には、今申しましたような法律案の目的を踏まえて、我が国の出入国管理行政に与える影響等を慎重に検討した上、対処してまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →将来、仮に対象地域を追加する可能性が生じた場合には、今申しましたような法律案の目的を踏まえて、我が国の出入国管理行政に与える影響等を慎重に検討した上、対処してまいりたい、このように考えております。
安
安倍基雄#8
○安倍(基)委員 これはまた、大臣のお考えも承りたいと思いますけれども、目的が台湾だからいいというような言い方で済む問題ではないのではないか。
というのは、今は台湾を考えているけれども、じゃ、政令でもってほかの地区を指定する、ふやすということも法形式的には不可能ではないわけです。この問題点は余り十分指摘されておらぬと思います。なるほど中身がいいからいいというだけではなくて、政令で指定するという話になれば、それをふやすこともできるわけですね。現在、台湾しか考えていないとおっしゃるけれども、内閣によっては、別の地区を次々と指定する道が開かれているわけです。この点について、大臣はどう考えていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →というのは、今は台湾を考えているけれども、じゃ、政令でもってほかの地区を指定する、ふやすということも法形式的には不可能ではないわけです。この問題点は余り十分指摘されておらぬと思います。なるほど中身がいいからいいというだけではなくて、政令で指定するという話になれば、それをふやすこともできるわけですね。現在、台湾しか考えていないとおっしゃるけれども、内閣によっては、別の地区を次々と指定する道が開かれているわけです。この点について、大臣はどう考えていらっしゃいますか。
下
下稲葉耕吉#9
○下稲葉国務大臣 委員御承知のとおりに、今回の法律改正は、具体的には台湾のことを考えているわけでございますが、これは日中共同声明を基本としながら、そういうふうな中で、現実の問題として台湾との交流が非常に多いわけでございます。そういうふうな意味で、事務的にお互いに便宜を図ろうというふうな形でこういうふうな措置をとったわけでございます。
したがいまして、今委員の御質問の点につきましては、どの程度人的交流が行われているかどうか、その現実的な問題と、それからもう一つの問題は、例えばそういうふうな地域から密入国の実態が非常に多いというふうなこと等につきまして、それはそう簡単に右から左というわけにはまいらないというふうなこともございますし、そのような実務的な面を検討いたしまして決めなければならないことでございまして、委員御指摘のとおりに、法律ができますと、政令でひとり歩きできるわけでございますけれども、この法律の制定の趣旨を十分踏まえまして判断していかなくてはならない問題でございまして、現在のところ、台湾しか考えていないということを申し上げておきたいと思います。
この発言だけを見る →したがいまして、今委員の御質問の点につきましては、どの程度人的交流が行われているかどうか、その現実的な問題と、それからもう一つの問題は、例えばそういうふうな地域から密入国の実態が非常に多いというふうなこと等につきまして、それはそう簡単に右から左というわけにはまいらないというふうなこともございますし、そのような実務的な面を検討いたしまして決めなければならないことでございまして、委員御指摘のとおりに、法律ができますと、政令でひとり歩きできるわけでございますけれども、この法律の制定の趣旨を十分踏まえまして判断していかなくてはならない問題でございまして、現在のところ、台湾しか考えていないということを申し上げておきたいと思います。
安
安倍基雄#10
○安倍(基)委員 それと関連しまして、私は、何もほかの国の例を参考にすることを、何もかもしろと言うのじゃないのですけれども、似たケースは必ず他国にもあるはずですね。要するに、他国はどうそれに対応しているのか。例えば、もう具体的にほかの国はこう規定しているからこれで読んでいるとか、読めるとか読めないとかいうようなことがあると思うのですが、日本と類似な立場に置かれている国がどう処理しているか、これについての御説明をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →竹
竹中繁雄#11
○竹中政府委員 この問題で基本的に我が国と同じような立場にございますアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、韓国等についてどういうふうに規定されているかということについて、御説明申し上げたいと思います。基本的に、三つぐらいのカテゴリーに分けられると思うのです。
第一は、旅券の発行主体を自国の承認した外国政府に限定していないという例でございます。日本の現行の入管法では、日本国の承認した外国政府というふうに限定しているわけでございますが、そういうふうに限定していない例、これが一つの例でございます。それから二番目は、法令上、もともと旅券の定義を定めていないというのが二番目です。この二つが大きいと思います。あとこれ以外に、特別な例としてアメリカの例がございます。これは今の二つと全く違ったやり方でやっております。
具体的に御説明申し上げます。
まず、旅券の発行主体を限定していない例でございますけれども、例えば韓国あるいはイタリア、イギリス、豪州等がございます。
韓国の場合には、旅券といたしまして、外国政府の発行した旅券で、大韓民国が有効と認めるもの、このように規定しております。したがいまして、この中では、韓国政府が承認した国ないし政府というような規定がございません。
それから、イタリアの例でございますが、これでは、イタリア当局により認定された有効な旅券またはそれと同等の文書、こういうような書きぶりになっております。
それから、豪州につきましてもほぼ同様でございまして、そこでは、豪州国内外において公的に発行された身分にかかわる文書であって、旅券としての性格を有するもの、これだけしか規定がないわけでございます。こういうようなやり方がございます。
あるいは、イギリスの例でございますが、イギリスでは、英国に入国する者は身分事項と国籍を証する文書を提示する義務があり、次のような場合は、通常、入国が拒否されるとしてございまして、提示された旅券もしくは渡航文書が英国政府を承認していない国、または英国の有効な旅券を入国管理上容認しない国の官権が発行したものである場合云々、このような言い方になっております。
そういうことで、定義の中でまず発行主体を限定しない例が以上のような国々でございます。
それから次に、もともと旅券の定義自体がない例でございますが、例えばフランス、ベルギー、アイルランド等がございます。
フランスの場合には、法令上、旅券の定義が存在しておりません。したがって、外国旅券を有効と認めるか否かは、実務的にフランス国内の外務省と内務省の協議で決定しているというようなやり方でございます。
それから、ベルギーについても、やはり法令上の旅券の定義がございませんで、いかなる旅券を有効と認めるかは、関係当局間で実務的に検討しているというような状況でございます。アイルランドも似たような状況でございます。
最後に、アメリカの例でございますけれども、アメリカにつきましては、特異なやり方をしておりまして、例の台湾関係法というのがございます。それで、台湾に関する米国法の適用は、外交関係承認が存在しないことにより影響を受けるものではなく、一九七九年一月一日以前に台湾に関して適用されていたと同様、台湾に適用される、こういうことが法律に明記されておりまして、これに基づいて運用しているということでございます。
この発言だけを見る →第一は、旅券の発行主体を自国の承認した外国政府に限定していないという例でございます。日本の現行の入管法では、日本国の承認した外国政府というふうに限定しているわけでございますが、そういうふうに限定していない例、これが一つの例でございます。それから二番目は、法令上、もともと旅券の定義を定めていないというのが二番目です。この二つが大きいと思います。あとこれ以外に、特別な例としてアメリカの例がございます。これは今の二つと全く違ったやり方でやっております。
具体的に御説明申し上げます。
まず、旅券の発行主体を限定していない例でございますけれども、例えば韓国あるいはイタリア、イギリス、豪州等がございます。
韓国の場合には、旅券といたしまして、外国政府の発行した旅券で、大韓民国が有効と認めるもの、このように規定しております。したがいまして、この中では、韓国政府が承認した国ないし政府というような規定がございません。
それから、イタリアの例でございますが、これでは、イタリア当局により認定された有効な旅券またはそれと同等の文書、こういうような書きぶりになっております。
それから、豪州につきましてもほぼ同様でございまして、そこでは、豪州国内外において公的に発行された身分にかかわる文書であって、旅券としての性格を有するもの、これだけしか規定がないわけでございます。こういうようなやり方がございます。
あるいは、イギリスの例でございますが、イギリスでは、英国に入国する者は身分事項と国籍を証する文書を提示する義務があり、次のような場合は、通常、入国が拒否されるとしてございまして、提示された旅券もしくは渡航文書が英国政府を承認していない国、または英国の有効な旅券を入国管理上容認しない国の官権が発行したものである場合云々、このような言い方になっております。
そういうことで、定義の中でまず発行主体を限定しない例が以上のような国々でございます。
それから次に、もともと旅券の定義自体がない例でございますが、例えばフランス、ベルギー、アイルランド等がございます。
フランスの場合には、法令上、旅券の定義が存在しておりません。したがって、外国旅券を有効と認めるか否かは、実務的にフランス国内の外務省と内務省の協議で決定しているというようなやり方でございます。
それから、ベルギーについても、やはり法令上の旅券の定義がございませんで、いかなる旅券を有効と認めるかは、関係当局間で実務的に検討しているというような状況でございます。アイルランドも似たような状況でございます。
最後に、アメリカの例でございますけれども、アメリカにつきましては、特異なやり方をしておりまして、例の台湾関係法というのがございます。それで、台湾に関する米国法の適用は、外交関係承認が存在しないことにより影響を受けるものではなく、一九七九年一月一日以前に台湾に関して適用されていたと同様、台湾に適用される、こういうことが法律に明記されておりまして、これに基づいて運用しているということでございます。
安
安倍基雄#12
○安倍(基)委員 一応の各国のケースをやはり参照としながら、こういった改正はしていただきたいと思います。
大臣、もう一度ですけれども、今さっき御説明があったように、今回の法律の趣旨というものが台湾を目的としているということがございますならば、これからのいわば運用について、よくこの点を考えた上で、政令に我々が思い切っていろいろなことをゆだねたのではない、ないというような言い方は悪いのですけれども、今後これ以上のことに踏み込むときには、それなりの高いレベルの決定を要するということは念を押させていただきたい。我々は法律でもって一応政令にゆだねはしたけれども、要するに、内閣が勝手にどんどんと対象地域をふやしてもらっては困るわけでございますから、この点はきちっとその辺を明らかにしておいていただきたいと思います。
と申しますのは、内閣によっては、例えば北朝鮮にしても何にしても国交のない国についてこういうことを、法形式上は不可能ではないわけですから、その点については念を押しておきたいと思います。
この発言だけを見る →大臣、もう一度ですけれども、今さっき御説明があったように、今回の法律の趣旨というものが台湾を目的としているということがございますならば、これからのいわば運用について、よくこの点を考えた上で、政令に我々が思い切っていろいろなことをゆだねたのではない、ないというような言い方は悪いのですけれども、今後これ以上のことに踏み込むときには、それなりの高いレベルの決定を要するということは念を押させていただきたい。我々は法律でもって一応政令にゆだねはしたけれども、要するに、内閣が勝手にどんどんと対象地域をふやしてもらっては困るわけでございますから、この点はきちっとその辺を明らかにしておいていただきたいと思います。
と申しますのは、内閣によっては、例えば北朝鮮にしても何にしても国交のない国についてこういうことを、法形式上は不可能ではないわけですから、その点については念を押しておきたいと思います。
下
下稲葉耕吉#13
○下稲葉国務大臣 先ほども御説明申し上げましたように、今回、入管法上の旅券の範囲を拡大しようとする趣旨は、国際間の人的交流の活発化に伴いまして、出入国管理事務を簡素合理化しようとするものであることから、政令で定める地域は台湾のみを想定しておるわけでございます。
今御指摘のように、将来仮に対象地域を増加する可能性が生じました場合には、今回の法律案の立法の趣旨を十分踏まえまして、我が国の出入国管理行政に与える影響等を慎重に検討した上、対処してまいる所存でございます。
この発言だけを見る →今御指摘のように、将来仮に対象地域を増加する可能性が生じました場合には、今回の法律案の立法の趣旨を十分踏まえまして、我が国の出入国管理行政に与える影響等を慎重に検討した上、対処してまいる所存でございます。
安
安倍基雄#14
○安倍(基)委員 ちょっと台湾問題に関連しまして、李登輝総統の来日問題がございました。
アメリカの場合には、コーネル大学百周年か何かの記念のために出席した。日本の場合には非常にもめたわけでございますけれども、その辺の事情をちょっと、法律と直接は関係ないにしても、やはり台湾問題でございますから、外務省からお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →アメリカの場合には、コーネル大学百周年か何かの記念のために出席した。日本の場合には非常にもめたわけでございますけれども、その辺の事情をちょっと、法律と直接は関係ないにしても、やはり台湾問題でございますから、外務省からお聞きしたいと思います。
阿
阿南惟茂#15
○阿南政府委員 我が国と台湾との関係は、御案内のように非政府間の実務関係として維持してきておりまして、日台間の個別案件についても、この枠組みの中で慎重対応してきているわけでございますが、ただいまお尋ねの李登輝氏の訪日という件につきましては、確かに話題になったことはございますが、現職につかれてから日本に来られるということで具体的な入国申請が行われたことはございません。
この発言だけを見る →安
安倍基雄#16
○安倍(基)委員 この問題は、いろいろ中国のいわば本土政府に対する遠慮もあったと思いますけれども、全くアメリカの場合も私的というか、いわゆる大学の同窓という資格でもって行ったわけでございます。この点につきましても、申請がなかったとおっしゃるけれども、その辺やはりいろいろな事情があったかと思います。私は、単に申請があったなかったというのじゃなくて、外務省の姿勢としての問題を聞いておるわけでございますけれども、もう一度御答弁願います。
この発言だけを見る →阿
阿南惟茂#17
○阿南政府委員 先ほども申し上げましたように、日台関係というものは、日中共同声明に基づいて非政府間の関係として対応してきておるわけでございまして、今御指摘になりました訪米の件、私的訪問でアメリカに行かれたというようなことはございます。しかし、米中関係に与えた政治的な影響というものは、極めて消極的なこともございましたし、私どもは、先ほど申し上げましたような原則にのっとりまして個別のケースを考えさせていただく。そういう意味で、本件につきましては個別のケースとして具体的な申請がまだ行われていないということを申し上げたわけでございます。
この発言だけを見る →安
安倍基雄#18
○安倍(基)委員 外交問題はいろいろな要素が絡まると思いますけれども、やはり我々は、もちろん中国の本土は中心でございますけれども、いわば私的な形で来ようということまでも無理に抑えるということについてはいかがなものかなと思います。この辺につきましてはそれぞれ見解もございましょうから、この辺で私の質問は打ち切らせていただきます。
出入国に関連しまして、難民問題が大分論議の的となっております。一般的に、我々は、難民認定が少ないじゃないかというような議論が中心で来ていると思いますけれども、これは、北東アジアがどういう状況になるかわからぬ、場合によっては、北朝鮮が相当がたがきて大量の人々が難民として来るという問題もあるわけです。まあそういうことはあり得ないだろうと一般の者は考えておりますけれども、我々はそういう非常事態をもやはり想定した上で考えなければいかぬ。
法務大臣にお伺いしますけれども、大量の難民が北朝鮮から入ってくるというようになる場合にはどういうお考えでおられるか、御存念をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →出入国に関連しまして、難民問題が大分論議の的となっております。一般的に、我々は、難民認定が少ないじゃないかというような議論が中心で来ていると思いますけれども、これは、北東アジアがどういう状況になるかわからぬ、場合によっては、北朝鮮が相当がたがきて大量の人々が難民として来るという問題もあるわけです。まあそういうことはあり得ないだろうと一般の者は考えておりますけれども、我々はそういう非常事態をもやはり想定した上で考えなければいかぬ。
法務大臣にお伺いしますけれども、大量の難民が北朝鮮から入ってくるというようになる場合にはどういうお考えでおられるか、御存念をお伺いしたいと思います。
下
下稲葉耕吉#19
○下稲葉国務大臣 お答えいたします。
我が国に大量の難民が流入するというふうな事態になりましたときには、これは政府一体として、それぞれ組織を組み、体制をつくり、適切に対処する必要があるとまず基本的に思います。
その上で、法務省といたしましては、出入国管理行政を所掌する立場から、先般、インドシナ難民等の先例等も参考にしながら、大量の難民対策がスムーズに行われるように、実は、どの辺にどういうふうな事態が起きた場合には、入管を中心として、法務省は全国から、どういうふうな体制をとろう、そしてどういうふうな措置をしょうというふうな一つのマニュアルをもう既につくっているわけでございますが、省内の体制のそういうふうな意味の整備でございますとか、あるいは施設の確保等々いろいろあるわけでございますので、積極的に対処していく所存でございます。
この発言だけを見る →我が国に大量の難民が流入するというふうな事態になりましたときには、これは政府一体として、それぞれ組織を組み、体制をつくり、適切に対処する必要があるとまず基本的に思います。
その上で、法務省といたしましては、出入国管理行政を所掌する立場から、先般、インドシナ難民等の先例等も参考にしながら、大量の難民対策がスムーズに行われるように、実は、どの辺にどういうふうな事態が起きた場合には、入管を中心として、法務省は全国から、どういうふうな体制をとろう、そしてどういうふうな措置をしょうというふうな一つのマニュアルをもう既につくっているわけでございますが、省内の体制のそういうふうな意味の整備でございますとか、あるいは施設の確保等々いろいろあるわけでございますので、積極的に対処していく所存でございます。
安
安倍基雄#20
○安倍(基)委員 これは難民の規模にもよるんですね、規模にも。というのは、もちろん、一般論として、受け入れ体制を整備して受け入れるというのはいろいろ、優等生的な回答かもしれませんけれども、これはまた規模が非常に大きくなりますと、それはそう簡単に、いわゆる来た人はみんなあれしますよというぐあいにはいかないんですよね。この点私は、法務省だけの問題ではないと思いますけれども、難民で来ればどんどん認定して受け入れますということを言い続けていられるものかどうかという懸念さえあるんですよ。この点、なかなか公式に言いづらい話かもしれませんけれども、やはりこれは法務省だけの問題ではないぞと私は思いますが、今の御答弁のままでいいのかどうか、規模が非常に大量になったときに。ちょっと御存念を賜りたい。
この発言だけを見る →竹
竹中繁雄#21
○竹中政府委員 規模の点でございますけれども、先ほどちょっと大臣からもお話がございましたけれども、インドシナ偽装難民というのが、平成元年の五月から次の年の四月ぐらいまで約一年間ぐらい日本に急にやってまいりまして、新聞等を騒がせたことがございます。そのときは、船の数で二十三隻、人間の数で約二千八百名という人たちが大挙日本に押しかけたという事態でございます。そのときに、まさに私ども法務省、特に入管はいろいろな勉強をさせてもらいまして、どうやってそういう人に対応したらいいかとか、救援センターをどこに置いたらいいかとか、そういうようなことをやった経験がございます。そういう経験を踏まえまして、先ほど大臣御答弁になりましたけれども、そういうものを参考にしながら、こういう問題に関しては積極的に対応していこう、こういう考えでございます。
この発言だけを見る →安
安倍基雄#22
○安倍(基)委員 今偽装難民の話が出ましたけれども、これは私ども、今一応南北安定はしておりますけれども、いつどういう問題が生じるかもしれないということも言われております。でございますから、難民というものがそう小規模で済むという話ではないということも踏まえて、日ごろから十分それに対応するだけの準備というか、どういう姿勢をとるかという問題もあるわけです。それが、千や二千ならいいけれども、全くほかの機能が麻痺してしまうぐらいの難民流入もあり得るわけですから。
こういうことを言うといかにも国際情勢を刺激するというような非難を受けるかもしれませんけれども、ただ、これは決して絵そらごとではないかもしれない。よく報じられているところによりますと、やはり北朝鮮の中にはいろいろ問題もあると。この問題は大問題なので、やはり日ごろからどう対処すべきかということを法務省としても十分考えておかなきゃいかぬ。
確かに、現在の難民の認定が少ない多いというようないろいろな問題はここにありますけれども、その問題とは別にもう少し次元の大きな問題として、法務省はそれを十分、決して空想だけじゃないかもしれないということを踏まえて、対策を考えていただきたいと思いますけれども、法務大臣、いかがでございますか。
この発言だけを見る →こういうことを言うといかにも国際情勢を刺激するというような非難を受けるかもしれませんけれども、ただ、これは決して絵そらごとではないかもしれない。よく報じられているところによりますと、やはり北朝鮮の中にはいろいろ問題もあると。この問題は大問題なので、やはり日ごろからどう対処すべきかということを法務省としても十分考えておかなきゃいかぬ。
確かに、現在の難民の認定が少ない多いというようないろいろな問題はここにありますけれども、その問題とは別にもう少し次元の大きな問題として、法務省はそれを十分、決して空想だけじゃないかもしれないということを踏まえて、対策を考えていただきたいと思いますけれども、法務大臣、いかがでございますか。
下
下稲葉耕吉#23
○下稲葉国務大臣 先生御指摘のとおりでございまして、難民の中にもまたいろいろな形の難民があることが考えられるわけでございますし、その辺の選別の問題等々も含め、関係省庁とよく連絡を密にしながら、ひとつ十分私どもといたしましても徹底した検討を進め、対策を進めてまいりたい、このように思います。
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安倍基雄#24
○安倍(基)委員 たまたま北朝鮮の問題を論議しているわけでございますけれども、私ども最近、北朝鮮で実際上いわゆる拉致事件に関連して、拉致をした御本人が、我々の党の自由党の勉強会に参りまして、我々が呼んだわけでございますけれども、いろいろな自分自身の体験を説明いたしました。また、彼自身もその自分の体験をつづった本を出版しております。それを聞きますと、これはなかなかやはり大変なことだったんだなということを非常に強く感じたわけでございます。
今まで北朝鮮との関係で、余りこの拉致事件というものを取り上げないというか刺激すまいというような外交姿勢があったようでございますけれども、これはやはり人権問題として非常に大きな問題でございます。これは本当に、全く罪のない関係のない人がたまたまそこにいた、あるいは向こうの都合がいいと見た、それがそのまま連れ去られてしまうわけですから、これはやはり法務省としてどう考えるか、法の番人としての法務省及び法務大臣の御見解を承りたいと思います。
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原
原田明夫#25
○原田(明)政府委員 委員御指摘のいわゆる拉致事件につきまして、さまざまな報道もなされておりますし、また調査の結果が報道されているということをよく存じております。
現在、一連の事件につきまして、引き続き警察当局において鋭意捜査中であると承知しております。検察当局といたしましても、御指摘のとおり、この事件は大変な問題を抱えているということで、関心を持って見守っているという状況でございます。
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安
安倍基雄#26
○安倍(基)委員 今のお話だと、どうも、内容もほとんどつかんでいないかのごときお話でございますけれども、どの程度の内容をつかんでいらっしゃるのか、もう一度御説明願いたいと思います。
この発言だけを見る →原
原田明夫#27
○原田(明)政府委員 具体的な、事件の実際の状況ということに関しましては、現在も捜査中であるという状況を踏まえまして、私の方から申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、昭和五十二年から昭和五十五年にかけまして、判明しているのでは七件で十名でございますかの方が行方不明になっている、失踪しているということで、そういう御指摘のような観点から、問題意識を持って現在捜査中ということです。
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安倍基雄#28
○安倍(基)委員 まだ国交の回復していない国ですから、それなりの捜査上の問題もあると思いますが、これは大きな問題でございまして、まず大臣としての御見解をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →下
下稲葉耕吉#29
○下稲葉国務大臣 これは大変重大な問題だと思いますし、今刑事局長から話がございましたように、多くの人たちが本当に突然、にわかに姿を消して連れ去られておる。これは主権に対する侵害でもあるわけでございます。私どもといたしましては、重大な関心を持って関係当局と連絡をとりながらやっているわけでございますが、今後とも、そういうふうな意味で極めて重く受けとめて、法務当局としても重大な関心を持って進めてまいりたい、このように思います。
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