決算委員会
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会
会議録情報#0
平成十二年九月五日(火曜日)
午前十時四分開会
─────────────
委員の異動
九月四日
辞任 補欠選任
朝日 俊弘君 松崎 俊久君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 鎌田 要人君
理 事
月原 茂皓君
南野知惠子君
川橋 幸子君
佐藤 雄平君
委 員
岩城 光英君
加納 時男君
佐々木知子君
中島 啓雄君
中原 爽君
松田 岩夫君
郡司 彰君
佐藤 泰介君
菅川 健二君
高嶋 良充君
松崎 俊久君
海野 義孝君
大森 礼子君
福本 潤一君
阿部 幸代君
緒方 靖夫君
八田ひろ子君
田 英夫君
福島 瑞穂君
岩本 荘太君
国務大臣
厚生大臣 津島 雄二君
労働大臣 吉川 芳男君
政務次官
法務政務次官 上田 勇君
外務政務次官 荒木 清寛君
厚生政務次官 福島 豊君
労働政務次官 釜本 邦茂君
事務局側
常任委員会専門
員 島原 勉君
政府参考人
警察庁長官官房
審議官 上田 正文君
文部省教育助成
局長 矢野 重典君
文部省高等教育
局長 工藤 智規君
厚生大臣官房審
議官 吉武 民樹君
厚生省健康政策
局長 伊藤 雅治君
厚生省保健医療
局長 篠崎 英夫君
厚生省生活衛生
局長 西本 至君
厚生省医薬安全
局長 丸田 和夫君
厚生省保険局長 近藤純五郎君
厚生省年金局長 矢野 朝水君
社会保険庁次長 高尾 佳巳君
労働大臣官房政
策調査部長 松崎 朗君
労働省労働基準
局長 野寺 康幸君
労働省女性局長 藤井 龍子君
労働省職業安定
局長 渡邊 信君
説明員
会計検査院事務
総局第二局長 関本 匡邦君
会計検査院事務
総局第五局長 諸田 敏朗君
参考人
国民生活金融公
庫総裁 尾崎 護君
─────────────
本日の会議に付した案件
○平成十年度一般会計歳入歳出決算、平成十年度
特別会計歳入歳出決算、平成十年度国税収納金
整理資金受払計算書、平成十年度政府関係機関
決算書(第百四十七回国会内閣提出)(継続案
件)
○平成十年度国有財産増減及び現在額総計算書(
第百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
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この発言だけを見る →午前十時四分開会
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委員の異動
九月四日
辞任 補欠選任
朝日 俊弘君 松崎 俊久君
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出席者は左のとおり。
委員長 鎌田 要人君
理 事
月原 茂皓君
南野知惠子君
川橋 幸子君
佐藤 雄平君
委 員
岩城 光英君
加納 時男君
佐々木知子君
中島 啓雄君
中原 爽君
松田 岩夫君
郡司 彰君
佐藤 泰介君
菅川 健二君
高嶋 良充君
松崎 俊久君
海野 義孝君
大森 礼子君
福本 潤一君
阿部 幸代君
緒方 靖夫君
八田ひろ子君
田 英夫君
福島 瑞穂君
岩本 荘太君
国務大臣
厚生大臣 津島 雄二君
労働大臣 吉川 芳男君
政務次官
法務政務次官 上田 勇君
外務政務次官 荒木 清寛君
厚生政務次官 福島 豊君
労働政務次官 釜本 邦茂君
事務局側
常任委員会専門
員 島原 勉君
政府参考人
警察庁長官官房
審議官 上田 正文君
文部省教育助成
局長 矢野 重典君
文部省高等教育
局長 工藤 智規君
厚生大臣官房審
議官 吉武 民樹君
厚生省健康政策
局長 伊藤 雅治君
厚生省保健医療
局長 篠崎 英夫君
厚生省生活衛生
局長 西本 至君
厚生省医薬安全
局長 丸田 和夫君
厚生省保険局長 近藤純五郎君
厚生省年金局長 矢野 朝水君
社会保険庁次長 高尾 佳巳君
労働大臣官房政
策調査部長 松崎 朗君
労働省労働基準
局長 野寺 康幸君
労働省女性局長 藤井 龍子君
労働省職業安定
局長 渡邊 信君
説明員
会計検査院事務
総局第二局長 関本 匡邦君
会計検査院事務
総局第五局長 諸田 敏朗君
参考人
国民生活金融公
庫総裁 尾崎 護君
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本日の会議に付した案件
○平成十年度一般会計歳入歳出決算、平成十年度
特別会計歳入歳出決算、平成十年度国税収納金
整理資金受払計算書、平成十年度政府関係機関
決算書(第百四十七回国会内閣提出)(継続案
件)
○平成十年度国有財産増減及び現在額総計算書(
第百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
○平成十年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
百四十七回国会内閣提出)(継続案件)
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鎌
鎌田要人#1
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る八月三十日、中島眞人君が委員を辞任され、その補欠として亀谷博昭君が選任されました。
また、昨四日、朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として松崎俊久君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る八月三十日、中島眞人君が委員を辞任され、その補欠として亀谷博昭君が選任されました。
また、昨四日、朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として松崎俊久君が選任されました。
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鎌
鎌田要人#2
○委員長(鎌田要人君) 平成十年度決算外二件を議題といたします。
本日は、厚生省並びに労働省及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。
─────────────
この発言だけを見る →本日は、厚生省並びに労働省及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。
─────────────
鎌
鎌田要人#3
○委員長(鎌田要人君) この際、お諮りいたします。
議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
鎌
鎌
鎌
松
松田岩夫#7
○松田岩夫君 おはようございます。自由民主党の松田岩夫でございます。
まず最初に、少子化の問題についてお伺いしたいと思います。
御案内のとおり、我が国の合計特殊出生率は五〇年ごろには四・三ほどもありましたが、その後低下の一途をたどって、今では、昨年は一・三四になってしまいました。人口を増減しない状態に保つのに必要な水準、すなわち人口の置換水準二・〇八を大きく下回ってしまいました。
厚生省の国立社会保障・人口問題研究所の九七年推計の中位推計によれば、日本の人口は二〇〇七年ごろにピークを迎え、百年後にはほぼ半分になるという見通しであります。そして、仮にこの出生率がこのまま続くとすれば、千年後には百万分の一、つまり百人ほどになる、生物学的には絶滅の危機に瀕すると。別に空想小説やスリラー物のシナリオをしゃべっているわけじゃありませんけれども、これほどに低い出生率。つまり、そのまま行くと千年後には日本人が地球上から消滅してしまう、こういうわけでありますが、私はこれはとてつもなくどでかい問題である、極めて厳しい問題である、こういうふうに思う一人であります。
この出生率、どんなふうにお考えなのか、まず最初に、人口問題の所管大臣と言っていいんではないかと思いますが、厚生大臣の御所見を承ります。
この発言だけを見る →まず最初に、少子化の問題についてお伺いしたいと思います。
御案内のとおり、我が国の合計特殊出生率は五〇年ごろには四・三ほどもありましたが、その後低下の一途をたどって、今では、昨年は一・三四になってしまいました。人口を増減しない状態に保つのに必要な水準、すなわち人口の置換水準二・〇八を大きく下回ってしまいました。
厚生省の国立社会保障・人口問題研究所の九七年推計の中位推計によれば、日本の人口は二〇〇七年ごろにピークを迎え、百年後にはほぼ半分になるという見通しであります。そして、仮にこの出生率がこのまま続くとすれば、千年後には百万分の一、つまり百人ほどになる、生物学的には絶滅の危機に瀕すると。別に空想小説やスリラー物のシナリオをしゃべっているわけじゃありませんけれども、これほどに低い出生率。つまり、そのまま行くと千年後には日本人が地球上から消滅してしまう、こういうわけでありますが、私はこれはとてつもなくどでかい問題である、極めて厳しい問題である、こういうふうに思う一人であります。
この出生率、どんなふうにお考えなのか、まず最初に、人口問題の所管大臣と言っていいんではないかと思いますが、厚生大臣の御所見を承ります。
津
津島雄二#8
○国務大臣(津島雄二君) 私がちょうど十年前に同じく厚生大臣をやっておりましたときに、その前の年、つまり平成元年の合計特殊出生率が一・五七となったと。これは、それまでに格別に出生率が低かったのがひのえうまの年の一・五八でございました。それをすらも下回ったということで大変にこの一・五七ショックというものが話題になったわけであります。
自来、出生率の動向についていろいろな議論がございましたけれども、例えば人口問題研究所においてもいずれ戻ってくるであろうというお考えがあったと思っておりますが、その後ずっと下がり続けて一・三四まで来てしまったということは、本当に委員御指摘のとおり大変に深刻な問題であると思っております。
ただ、出生率というものは短期的と申しますか、ある程度変動するものでございますから、今、委員が御指摘になったようなシナリオがそのまま続くかどうかというのはこれからの客観状況の変化、それから政策のあり方にもよると思います。
この背景にございますのは、やっぱり一番大きく響いているのは我が国における晩婚化の進行によるものであるというのが識者が指摘をしているところでございますけれども、これから日本の社会がどういうふうになっていくのかということは注目していかなければならないと思います。
いずれにいたしましても、少子化が急速に進んでまいりますと、社会を支える働き手が減少する、市場規模が縮小するという、我が国の社会経済に大きな影響を与えることはもう申し上げるまでもないところでございます。
そこで、政府といたしましても、昨年末に少子化対策推進基本方針、そしてまた新エンゼルプランを策定いたしまして、今年度から保育、雇用、教育、住宅などの各分野にわたる少子化対策の充実、さらには児童手当の拡充を実施しているところでございまして、今後とも総合的、継続的な少子化対策に熱心に取り組まなければならない、かように思っておるところでございます。
この発言だけを見る →自来、出生率の動向についていろいろな議論がございましたけれども、例えば人口問題研究所においてもいずれ戻ってくるであろうというお考えがあったと思っておりますが、その後ずっと下がり続けて一・三四まで来てしまったということは、本当に委員御指摘のとおり大変に深刻な問題であると思っております。
ただ、出生率というものは短期的と申しますか、ある程度変動するものでございますから、今、委員が御指摘になったようなシナリオがそのまま続くかどうかというのはこれからの客観状況の変化、それから政策のあり方にもよると思います。
この背景にございますのは、やっぱり一番大きく響いているのは我が国における晩婚化の進行によるものであるというのが識者が指摘をしているところでございますけれども、これから日本の社会がどういうふうになっていくのかということは注目していかなければならないと思います。
いずれにいたしましても、少子化が急速に進んでまいりますと、社会を支える働き手が減少する、市場規模が縮小するという、我が国の社会経済に大きな影響を与えることはもう申し上げるまでもないところでございます。
そこで、政府といたしましても、昨年末に少子化対策推進基本方針、そしてまた新エンゼルプランを策定いたしまして、今年度から保育、雇用、教育、住宅などの各分野にわたる少子化対策の充実、さらには児童手当の拡充を実施しているところでございまして、今後とも総合的、継続的な少子化対策に熱心に取り組まなければならない、かように思っておるところでございます。
松
松田岩夫#9
○松田岩夫君 何か発音が不明確ですよ、発音。委員長、松田とはっきり言ってください。
今、大臣おっしゃるとおり、出生率が下がればといいますか、こんな低い状態が続けば、社会にあるいは経済に、日本全体に大変いろいろな問題を引き起こしますし、一方、出生率が回復すれば、社会の活性化にしろ、いろいろな問題にしろ、解決は一遍に様子を変えます。
そういう意味では、私はどうしてもこの出生率の回復というものを強く望む者の一人であります。もちろん、出生率の回復を強く望むと言うと戦争中の産めよふやせよなんというイメージをすぐ思い浮かべる方もあるかもしれませんが、今日は別にそんなものを思い浮かべる必要はないわけで、まともな人口政策、まともな家族政策というものをしっかりやっていくことだと思うのでありますけれども。
その政策を、これから時間があれば少し議論したいわけでありますが、その前に、そもそも大臣、一体何もないんですか、思いは、どこまで戻したいとか、おおよそのめどとか。人口が減らないという意味では人口の置換水準まで戻す、これはごく常識的な話だと思うんですが、これすらとてつもなく現実的ではないような感じもしないではない。一体、政府としてはどんな目標を、目標と言うと言い過ぎかもしれませんが、どんな思いをこの出生率についてお持ちなのか、もう少しお話しいただけるとありがたいんですが、今まで余り聞いたことがないものですから。しかし、何もなくて、ただ育児対策だとかいろいろ言っても何となく腰が定まっていない。何らかの目標、何らかのめど、そんなものはあるんでしょうか。大臣どうですか。
この発言だけを見る →今、大臣おっしゃるとおり、出生率が下がればといいますか、こんな低い状態が続けば、社会にあるいは経済に、日本全体に大変いろいろな問題を引き起こしますし、一方、出生率が回復すれば、社会の活性化にしろ、いろいろな問題にしろ、解決は一遍に様子を変えます。
そういう意味では、私はどうしてもこの出生率の回復というものを強く望む者の一人であります。もちろん、出生率の回復を強く望むと言うと戦争中の産めよふやせよなんというイメージをすぐ思い浮かべる方もあるかもしれませんが、今日は別にそんなものを思い浮かべる必要はないわけで、まともな人口政策、まともな家族政策というものをしっかりやっていくことだと思うのでありますけれども。
その政策を、これから時間があれば少し議論したいわけでありますが、その前に、そもそも大臣、一体何もないんですか、思いは、どこまで戻したいとか、おおよそのめどとか。人口が減らないという意味では人口の置換水準まで戻す、これはごく常識的な話だと思うんですが、これすらとてつもなく現実的ではないような感じもしないではない。一体、政府としてはどんな目標を、目標と言うと言い過ぎかもしれませんが、どんな思いをこの出生率についてお持ちなのか、もう少しお話しいただけるとありがたいんですが、今まで余り聞いたことがないものですから。しかし、何もなくて、ただ育児対策だとかいろいろ言っても何となく腰が定まっていない。何らかの目標、何らかのめど、そんなものはあるんでしょうか。大臣どうですか。
津
津島雄二#10
○国務大臣(津島雄二君) 申すまでもなく、人口が静止状態と申しますか減らない置きかえ水準というのは、委員御承知のとおり二・〇八ということになっております。そのことはそのことといたしまして、そもそも近代社会というものは結婚や出産があくまでも個人の自由な選択にゆだねられておるわけでございまして、それを前提にしますと、政府が政策の前提として出生率の目標値を掲げるということは必ずしも現実的でないという面はございます。仮に掲げてみても、そのために一体出生率を上げるどういう手があるんですかという議論になってくるわけでございまして、やっぱりこの傾向は困ったものだというのが率直なところだろうと思っております。
ですから、目標を掲げていないから手をこまねいているということでなくて、近年の少子化の背景にあるものは、仕事と子育ての両立が難しいとか、子育てそのものの負担感が重いということであれば、そういう問題をやっぱり真剣に除去していくという努力、それから結婚や出産を望む若い方々がその希望を実現できるようなそういう社会をつくっていくということが現実的な対応ではないかと、こういうふうに私どもは考えております。
この発言だけを見る →ですから、目標を掲げていないから手をこまねいているということでなくて、近年の少子化の背景にあるものは、仕事と子育ての両立が難しいとか、子育てそのものの負担感が重いということであれば、そういう問題をやっぱり真剣に除去していくという努力、それから結婚や出産を望む若い方々がその希望を実現できるようなそういう社会をつくっていくということが現実的な対応ではないかと、こういうふうに私どもは考えております。
松
松田岩夫#11
○松田岩夫君 大臣おっしゃることもよくわかりますが、いま少し政府として、私はこの出生率についてもう少し明確な、もう少しわかりやすい、目標というとあれでございますが、めどというか政策のよりどころとなるような考え方を持つべきではないかということを思っていることだけは強く申し述べて、次の質問に移ります。
さて、今すぐこの出生率が、もうあり得ないわけでしょうが、置換水準に戻るということはないわけですが、しかし置換水準に戻ってもなおこの人口増減というのは大きな惰性を伴います。既に出生率は下がっているのに今人口がふえているのはまさにこの人口増加の惰性というわけでございますが、減少も同じでございます。したがって、今すぐ出生率を戻したってその効果があらわれるのは大げさに言えば半世紀後、あるいはそれに近いぐらいの年限がかかる問題でございますから、この出生率をどうするかということは、我々、次の世代どころか、次の次の世代というか、政治家としては物すごく大きな課題ではないかと私はしみじみ思うものですからこの問題をきょうは最初に取り上げておるわけでありますが、しかしいずれにしても、今言ったような状況で二十一世紀前半は明らかに全人口減少社会に、推計がどうあるとかは関係なくもう人口減少社会に明らかに突入していくことが不可避なわけでございます。
既に御案内のとおり、労働力供給のベースとなる生産年齢人口というのは九六年から減少を続けています。経済の成長率というのは人口の増加率プラス一人当たり生産性の上昇率ということで定義されますが、明治初年から一世紀半にわたって経験した人口増加の時代というのは、同時に工業化の時代でもありました。工業部門の高い成長によって生産性の向上が実現され、人口増加がそれに加わり、長期的な高度成長が実現された時代であります。
これに対し、これから経験する二十一世紀、この経済社会とはいかなるものか。経済のサービス化が進む。当然、工業化の時代に比べれば生産性上昇率の低下傾向が強まらざるを得ない。そういう中でかつ人口が減少していく。こういう社会であります。経済の成長力を維持する、並のことではありません。
したがって、一方ではよほどの技術進歩による生産性の上昇というものが必要となりますし、今、政府挙げて進めつつあるIT革命といったようなものは、いわゆるサービス産業、生産性上昇の難しい、困難だとされてきたサービス産業を初め、産業全般にわたって大きな生産性の上昇をもたらすことが強く期待されているわけでありますが、同時にまた、経済成長を維持するためには、労働力の面からも、正直、その供給制約を克服するために、これまでにない、また一層思い切った労働供給政策が必要となることは言うまでもない。
これから女性の方の就労の増加、就労の促進、高齢者、高齢者といっても元気な方が九割、この高齢者の方の再就労、あるいはまた外国の方々の受け入れとその就労が進むでしょうし、また進めざるを得ないでしょう。
こういった三つの分野を今例示いたしました。例えば、この三つの分野、この三者の就労を進める上でいろいろな問題が、いろいろな課題があります。思い切ってやろうと思えば思うほどその課題はまた大きいわけでございます。
そこでまず、それぞれの問題に入ります前に、これまた非常に漠としておることなんですね、政府の政策で。一体、これからの労働力供給政策の中で、女性の就労あるいは高齢者の再就労あるいは外国人の方の受け入れと就労といったようなことが労働力供給の中でどのぐらいのウエートを持っておるとお考えなのか、どのぐらいの割合をそれぞれがそれぞれの政策領域が担って全体としての労働力供給を満たそうとされておられるのか、これまた極めて不明確でございます。
労働大臣、どうでしょうか。一体これからの、今言う二十一世紀前半、明らかな人口減少社会、そういう中で我が国の経済をそれなりに維持していくために必要な労働力供給政策におけるこれら三者のウエートはいかに、この点について政府の考え方をお聞きいたします。
この発言だけを見る →さて、今すぐこの出生率が、もうあり得ないわけでしょうが、置換水準に戻るということはないわけですが、しかし置換水準に戻ってもなおこの人口増減というのは大きな惰性を伴います。既に出生率は下がっているのに今人口がふえているのはまさにこの人口増加の惰性というわけでございますが、減少も同じでございます。したがって、今すぐ出生率を戻したってその効果があらわれるのは大げさに言えば半世紀後、あるいはそれに近いぐらいの年限がかかる問題でございますから、この出生率をどうするかということは、我々、次の世代どころか、次の次の世代というか、政治家としては物すごく大きな課題ではないかと私はしみじみ思うものですからこの問題をきょうは最初に取り上げておるわけでありますが、しかしいずれにしても、今言ったような状況で二十一世紀前半は明らかに全人口減少社会に、推計がどうあるとかは関係なくもう人口減少社会に明らかに突入していくことが不可避なわけでございます。
既に御案内のとおり、労働力供給のベースとなる生産年齢人口というのは九六年から減少を続けています。経済の成長率というのは人口の増加率プラス一人当たり生産性の上昇率ということで定義されますが、明治初年から一世紀半にわたって経験した人口増加の時代というのは、同時に工業化の時代でもありました。工業部門の高い成長によって生産性の向上が実現され、人口増加がそれに加わり、長期的な高度成長が実現された時代であります。
これに対し、これから経験する二十一世紀、この経済社会とはいかなるものか。経済のサービス化が進む。当然、工業化の時代に比べれば生産性上昇率の低下傾向が強まらざるを得ない。そういう中でかつ人口が減少していく。こういう社会であります。経済の成長力を維持する、並のことではありません。
したがって、一方ではよほどの技術進歩による生産性の上昇というものが必要となりますし、今、政府挙げて進めつつあるIT革命といったようなものは、いわゆるサービス産業、生産性上昇の難しい、困難だとされてきたサービス産業を初め、産業全般にわたって大きな生産性の上昇をもたらすことが強く期待されているわけでありますが、同時にまた、経済成長を維持するためには、労働力の面からも、正直、その供給制約を克服するために、これまでにない、また一層思い切った労働供給政策が必要となることは言うまでもない。
これから女性の方の就労の増加、就労の促進、高齢者、高齢者といっても元気な方が九割、この高齢者の方の再就労、あるいはまた外国の方々の受け入れとその就労が進むでしょうし、また進めざるを得ないでしょう。
こういった三つの分野を今例示いたしました。例えば、この三つの分野、この三者の就労を進める上でいろいろな問題が、いろいろな課題があります。思い切ってやろうと思えば思うほどその課題はまた大きいわけでございます。
そこでまず、それぞれの問題に入ります前に、これまた非常に漠としておることなんですね、政府の政策で。一体、これからの労働力供給政策の中で、女性の就労あるいは高齢者の再就労あるいは外国人の方の受け入れと就労といったようなことが労働力供給の中でどのぐらいのウエートを持っておるとお考えなのか、どのぐらいの割合をそれぞれがそれぞれの政策領域が担って全体としての労働力供給を満たそうとされておられるのか、これまた極めて不明確でございます。
労働大臣、どうでしょうか。一体これからの、今言う二十一世紀前半、明らかな人口減少社会、そういう中で我が国の経済をそれなりに維持していくために必要な労働力供給政策におけるこれら三者のウエートはいかに、この点について政府の考え方をお聞きいたします。
吉
吉川芳男#12
○国務大臣(吉川芳男君) 松田議員の質問にお答えいたします。
今後、労働力人口は二〇〇五年にピークに達して、特段の対策を講じなければ二〇〇五年から一〇年までの間に百二十万減少すると言われております。しかしながら、高齢者の継続雇用制度の充実や仕事と子育ての両立支援対策の充実等を図った場合には、二十五万人程度の減少にとどまるものと見込まれます。したがって、今後十年間については、まず高齢者、女性等が活躍できるような雇用環境の整備、業務の省力化、効率化、雇用管理の改善等を推進していくことが重要であると考えております。
一方、今御指摘の労働力の供給体制への対応といたしましての外国人労働者の受け入れにつきましては、我が国の労働市場に及ぼす影響等にかんがみまして慎重に検討すべきものと考えておる次第でございます。
以上です。
この発言だけを見る →今後、労働力人口は二〇〇五年にピークに達して、特段の対策を講じなければ二〇〇五年から一〇年までの間に百二十万減少すると言われております。しかしながら、高齢者の継続雇用制度の充実や仕事と子育ての両立支援対策の充実等を図った場合には、二十五万人程度の減少にとどまるものと見込まれます。したがって、今後十年間については、まず高齢者、女性等が活躍できるような雇用環境の整備、業務の省力化、効率化、雇用管理の改善等を推進していくことが重要であると考えております。
一方、今御指摘の労働力の供給体制への対応といたしましての外国人労働者の受け入れにつきましては、我が国の労働市場に及ぼす影響等にかんがみまして慎重に検討すべきものと考えておる次第でございます。
以上です。
松
松田岩夫#13
○松田岩夫君 おおむね私も理解をいたしますが、きょうはそのことを御質問する時間はないようでございますので後刻にいたします。
今の御答弁の中で、外国人の受け入れあるいは外国人の就労、こういった点については、私はもう少し世界、人類のために日本の国が果たすべき役割として、日本の経済の成長力の維持ばかりではなく、我々が持てる知恵を世界すべての方々に、とりわけ経済の発展に悩む多くの方々に分かち合うべきだ、その一番いい方法は国内においてオン・ザ・ジョブ・トレーニングをしてあげることだ、そういう考え方のもとにもっともっと外国の方々を迎え入れる新しい体制をつくるべきだという考え方の持ち主でありますが、そのことはきょうはちょっとこっちへ置いておきます。しかし、今言った思いからすると、今、労働大臣のおっしゃった最後の部分は大いに議論させていただきたい、こう思っておりますが、きょうはちょっとそのことをこっちへ置いておきまして、今おっしゃった中で特に女性の就労問題、きょうはこのことについて議論を少しさせていただきたいと思います。
今後の労働力の中で、労働力と言ってはいけませんが、従来経済用語はそう言うわけですので、経済学ではこれを労働力と言うわけですので労働力と申し上げるわけでありますが、労働力の供給の中で女性の就労というのは一つの大きな要素だと。おっしゃるとおりであり、私もそう思います。
さて、女性の就労が出生率をさらに低下させるなどといったようなことになってはまことによくありません。実はここに、電通総研がことし三月にまとめた研究レポート、「二十一世紀の家族政策の研究」というのがあります。その中で上村泰裕さんという方が「家族政策の大転換は可能か?」という論文を書いておられまして、私自身極めて興味深く読ませていただきましたので、ちょっと少し長くなるんですが、引用させていただきます。
家族政策の代表的な研究者であるゴーティエという方の各国の家族政策の類型を活用して、この上村さんは先進諸国の家族政策を次のような四つの類型に分けておられます。
第一が伝統家族・非介入モデル。伝統的な家族、つまり夫が稼ぎ妻が家を守るというタイプの家族を社会のモデルといたしますが、出生促進のための政府の介入は消極的で公的育児支援が小さい国。実は、上村さんは日本をこの類型に入れておられるわけであります。
第二が伝統家族・出生促進モデル。伝統的な家族、つまり今言いました夫が稼ぎ妻が家を守るというタイプの家族を社会のモデルといたしますが、出生促進のための政府の介入が積極的で公的育児支援が大きい国。ドイツがその典型。特に長期の育児休業といったものを中心にドイツが一つのこのグループの典型だろうと。
第三のグループが平等家族・非介入モデル。伝統家族ではなく男女平等家族を社会のモデルとするが、出生促進のための政府の介入は消極的で公的育児支援が小さい国。アメリカがその典型。
第四が平等家族・出生促進モデル。男女平等家族を社会のモデルとし、出生促進のための政府の介入が積極的で公的育児支援が大きい国。保育サービスとか育児休業とか、そういったことで非常に充実したスウェーデンがその典型。
そこで、我が国は今、この第一の類型、上村さんはここに日本を入れておられるわけでありますが、伝統家族・非介入モデルからの転換を求められている。なぜなら、このモデルのままでは出生率の低下がとめられないからであると。それでは、どのモデルに移ればよいのか。
第二のドイツ型の伝統家族・出生促進モデルへの移行は答えにならない。この選択を主張する人がいるかもしれないが、出生率を回復するための政策としてはこの選択は有効ではない。高学歴化した女性を育児だけに専念させようとしても、仕事を続けようとする女性の出産抑制を招き、ますます出生率低下に拍車をかけるだけである。現在では、ドイツ、イタリア、スペインなど女性労働力率が低い国ほど出生率も低い。一九六〇年代と現在とでは、女性労働力率と出生率の相関関係のプラス、マイナスが逆になっている。つまり、昔は女性が働きに出れば出生率が下がったが、今は働きに出る方が出生率が高いというふうに変わったことに注目すべきであると。
次に、第三のアメリカ型の平等家族・非介入モデルへの移行、これも答えにならないと。アメリカがこのモデルでうまくいっているのは二つの特殊条件がある。移民と低賃金だと。アメリカには低賃金の、例えば育児支援のサービス市場があるので、公的サービスがなくとも就業と育児の両立が可能である。アメリカでは低賃金労働を移民が担っている。そして、移民を受け入れているので出生率を気にする必要はそれほどない。我が国が近い将来これらの条件を備えるようになるとは考えにくい。したがって、このモデルはとり得ないと。
結局、日本は最後の第四の平等家族・出生促進モデルに進む道しかない。高学歴化した女性の就業と育児とを両立させるにはこのモデルしかないと。そのためには、言うまでもなく育児休業、保育サービスあるいは児童手当、上村さんは余り多くのものに拡散しないでこの三つの政策を重点的に拡充すべきだとおっしゃっているわけでありますが、しかし我が国には平等家族の伝統がない。果たしてこの大転換が可能だろうか。非常な困難を伴うが、やり遂げる以外ないと、こういうことを述べておられる論文であります。
ちょっと長い引用になりましたが、私はお読みして非常に理解を進めることができたし、また私の考えにぴたりだな、方向として、と思いましたものですから、長い引用になりましたが御紹介させていただきました。
どうでしょうか。この上村さんの今の引用をお聞きになって、両大臣からこれはそれぞれ御所見を承れたらと存じます。
この発言だけを見る →今の御答弁の中で、外国人の受け入れあるいは外国人の就労、こういった点については、私はもう少し世界、人類のために日本の国が果たすべき役割として、日本の経済の成長力の維持ばかりではなく、我々が持てる知恵を世界すべての方々に、とりわけ経済の発展に悩む多くの方々に分かち合うべきだ、その一番いい方法は国内においてオン・ザ・ジョブ・トレーニングをしてあげることだ、そういう考え方のもとにもっともっと外国の方々を迎え入れる新しい体制をつくるべきだという考え方の持ち主でありますが、そのことはきょうはちょっとこっちへ置いておきます。しかし、今言った思いからすると、今、労働大臣のおっしゃった最後の部分は大いに議論させていただきたい、こう思っておりますが、きょうはちょっとそのことをこっちへ置いておきまして、今おっしゃった中で特に女性の就労問題、きょうはこのことについて議論を少しさせていただきたいと思います。
今後の労働力の中で、労働力と言ってはいけませんが、従来経済用語はそう言うわけですので、経済学ではこれを労働力と言うわけですので労働力と申し上げるわけでありますが、労働力の供給の中で女性の就労というのは一つの大きな要素だと。おっしゃるとおりであり、私もそう思います。
さて、女性の就労が出生率をさらに低下させるなどといったようなことになってはまことによくありません。実はここに、電通総研がことし三月にまとめた研究レポート、「二十一世紀の家族政策の研究」というのがあります。その中で上村泰裕さんという方が「家族政策の大転換は可能か?」という論文を書いておられまして、私自身極めて興味深く読ませていただきましたので、ちょっと少し長くなるんですが、引用させていただきます。
家族政策の代表的な研究者であるゴーティエという方の各国の家族政策の類型を活用して、この上村さんは先進諸国の家族政策を次のような四つの類型に分けておられます。
第一が伝統家族・非介入モデル。伝統的な家族、つまり夫が稼ぎ妻が家を守るというタイプの家族を社会のモデルといたしますが、出生促進のための政府の介入は消極的で公的育児支援が小さい国。実は、上村さんは日本をこの類型に入れておられるわけであります。
第二が伝統家族・出生促進モデル。伝統的な家族、つまり今言いました夫が稼ぎ妻が家を守るというタイプの家族を社会のモデルといたしますが、出生促進のための政府の介入が積極的で公的育児支援が大きい国。ドイツがその典型。特に長期の育児休業といったものを中心にドイツが一つのこのグループの典型だろうと。
第三のグループが平等家族・非介入モデル。伝統家族ではなく男女平等家族を社会のモデルとするが、出生促進のための政府の介入は消極的で公的育児支援が小さい国。アメリカがその典型。
第四が平等家族・出生促進モデル。男女平等家族を社会のモデルとし、出生促進のための政府の介入が積極的で公的育児支援が大きい国。保育サービスとか育児休業とか、そういったことで非常に充実したスウェーデンがその典型。
そこで、我が国は今、この第一の類型、上村さんはここに日本を入れておられるわけでありますが、伝統家族・非介入モデルからの転換を求められている。なぜなら、このモデルのままでは出生率の低下がとめられないからであると。それでは、どのモデルに移ればよいのか。
第二のドイツ型の伝統家族・出生促進モデルへの移行は答えにならない。この選択を主張する人がいるかもしれないが、出生率を回復するための政策としてはこの選択は有効ではない。高学歴化した女性を育児だけに専念させようとしても、仕事を続けようとする女性の出産抑制を招き、ますます出生率低下に拍車をかけるだけである。現在では、ドイツ、イタリア、スペインなど女性労働力率が低い国ほど出生率も低い。一九六〇年代と現在とでは、女性労働力率と出生率の相関関係のプラス、マイナスが逆になっている。つまり、昔は女性が働きに出れば出生率が下がったが、今は働きに出る方が出生率が高いというふうに変わったことに注目すべきであると。
次に、第三のアメリカ型の平等家族・非介入モデルへの移行、これも答えにならないと。アメリカがこのモデルでうまくいっているのは二つの特殊条件がある。移民と低賃金だと。アメリカには低賃金の、例えば育児支援のサービス市場があるので、公的サービスがなくとも就業と育児の両立が可能である。アメリカでは低賃金労働を移民が担っている。そして、移民を受け入れているので出生率を気にする必要はそれほどない。我が国が近い将来これらの条件を備えるようになるとは考えにくい。したがって、このモデルはとり得ないと。
結局、日本は最後の第四の平等家族・出生促進モデルに進む道しかない。高学歴化した女性の就業と育児とを両立させるにはこのモデルしかないと。そのためには、言うまでもなく育児休業、保育サービスあるいは児童手当、上村さんは余り多くのものに拡散しないでこの三つの政策を重点的に拡充すべきだとおっしゃっているわけでありますが、しかし我が国には平等家族の伝統がない。果たしてこの大転換が可能だろうか。非常な困難を伴うが、やり遂げる以外ないと、こういうことを述べておられる論文であります。
ちょっと長い引用になりましたが、私はお読みして非常に理解を進めることができたし、また私の考えにぴたりだな、方向として、と思いましたものですから、長い引用になりましたが御紹介させていただきました。
どうでしょうか。この上村さんの今の引用をお聞きになって、両大臣からこれはそれぞれ御所見を承れたらと存じます。
津
津島雄二#14
○国務大臣(津島雄二君) 委員が引用されました上村論文の論旨は確かにいろいろ参考になる面はございます。
特に大切なことは、今の出生率の低下という現象が我が国社会の変化を背景にしているということ、その変化の中で出生率低下に歯どめをかけるにはどこが大切かということを指摘しているわけでありますけれども、例えば、いわゆる家族の役割についても、私が感じますのは、伝統家族モデルと上村さんはおっしゃっているようでありますが、我が国の実態は、実際はもう若い御夫婦の場合には核家族化しておりまして、だからそういう日本の社会の変化というものはもう着実に起こっておるわけであります。
我々にとって大事なことは、この社会の変化、例えば、結婚に関する意識がどういうふうに変わってきたか、あるいは家庭の中の役割分担がどういうふうに変わってきたか、そしてその裏にあるのは、職場における女性の役割が非常に重くなってきた、そういうことをしっかりとらえて適切な対策を打っていくことが大事であろうと。
しかし、いずれの場合においても、結婚や出産がやはり自由な選択にゆだねられているということを頭に置きながら柔軟な対応をしなければいけないし、男女共同参画社会という今の時代の要請というものをしっかりと受けとめて、次代を担う子供たちが心身ともに健やかに育つことができる社会的な体制をつくり上げていくこと、そして何をおいても、国民的な理解を得た上で、社会全体の取り組みとして子育て家庭を支援することをやっぱり公的に進めていくと、そういうことに尽きるんではないか。
これが現在政府がやっております少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランの基本的な考え方でございますので、これからも委員の格段の御理解と御支援をお願い申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →特に大切なことは、今の出生率の低下という現象が我が国社会の変化を背景にしているということ、その変化の中で出生率低下に歯どめをかけるにはどこが大切かということを指摘しているわけでありますけれども、例えば、いわゆる家族の役割についても、私が感じますのは、伝統家族モデルと上村さんはおっしゃっているようでありますが、我が国の実態は、実際はもう若い御夫婦の場合には核家族化しておりまして、だからそういう日本の社会の変化というものはもう着実に起こっておるわけであります。
我々にとって大事なことは、この社会の変化、例えば、結婚に関する意識がどういうふうに変わってきたか、あるいは家庭の中の役割分担がどういうふうに変わってきたか、そしてその裏にあるのは、職場における女性の役割が非常に重くなってきた、そういうことをしっかりとらえて適切な対策を打っていくことが大事であろうと。
しかし、いずれの場合においても、結婚や出産がやはり自由な選択にゆだねられているということを頭に置きながら柔軟な対応をしなければいけないし、男女共同参画社会という今の時代の要請というものをしっかりと受けとめて、次代を担う子供たちが心身ともに健やかに育つことができる社会的な体制をつくり上げていくこと、そして何をおいても、国民的な理解を得た上で、社会全体の取り組みとして子育て家庭を支援することをやっぱり公的に進めていくと、そういうことに尽きるんではないか。
これが現在政府がやっております少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランの基本的な考え方でございますので、これからも委員の格段の御理解と御支援をお願い申し上げたいと思います。
吉
吉川芳男#15
○国務大臣(吉川芳男君) 今ほど松田議員から上村泰裕氏による先進国家族政策をお聞かせいただきまして、まさに目からうろこが落ちるような思いで聞かせてもらったわけでございますけれども、私の答弁は若干それから見れば表現が豊かでないかもしれません。また、旧来どおりかもしれませんけれども、まずやっぱり少子化が進行する中で働きながら安心して子供を産み育てることができるようにするためには、育児休業制度を初めとする仕事と子育ての両立を支援するための対策が重要であるという点については、私も松田委員の認識と同じでございます。
このような認識のもとに、諸外国の制度も十分に参考としながらも、また現在、女性少年問題審議会において行われております仕事と家庭の両立支援対策の充実に向けた議論の推移を踏まえて、法的整備も含め、必要な処置を講じてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
この発言だけを見る →このような認識のもとに、諸外国の制度も十分に参考としながらも、また現在、女性少年問題審議会において行われております仕事と家庭の両立支援対策の充実に向けた議論の推移を踏まえて、法的整備も含め、必要な処置を講じてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
松
松田岩夫#16
○松田岩夫君 時間の都合もありますので、さらに先へ進めさせてもらいます。
私は、今の日本のこの出生率の低下、諸外国にもいろいろ事情があります。
しかし、日本の出生率の低下には気になる点もあるということを思っておりましたところ、鈴木りえこさんという方が書かれたこの「超少子化—危機に立つ日本社会」という書物を読まさせていただいて、これまたちょっと引用させていただくわけでありますが、こんな趣旨のことを述べておられます。
つまり、日本人の価値観は、将来のために努力するよりも現在を気ままに楽しむ享楽主義になってしまった。無責任で努力を軽視し、楽なライフスタイルを好む人生観になってしまった。日本人は、国や企業や家族という集団に依存し、もたれ合い、自分に都合よく利用しようとする一方で、個人の責任を逃れてきた。戦後の日本では、大人が子供に継承すべき価値観をなくしてしまった。日本と日本人に対して、誇りと自信を回復し、未来に目を向けることが少子化の進行を食いとめることにつながるのではないか。日本人として誇るべきところは誇り、自信を持つべきところは自信を持つ。未来に対して一人一人が何らかの責任を感じなければ、経済的なメリットが少なくなった子供を産むという人はますます少なくなるだろう。こういったような趣旨のことを書いておられるのでございます。
少子化の原因、背景、これまでの大臣の答弁の中でもいろいろ述べていただきました。しかし、私は、こうした日本人の価値観、人生観といったものに今日の少子化の原因が根差している面があるとすれば、これはまた大変深刻な問題だと、正直、技術論だけの政策では事足りなくなるぞという意味で、前から気になっておったことでございまして、おっしゃっておることに私は半ば同感するがゆえにわざわざまたこれも御引用させていただいたわけでありますが、正直、この点についても両大臣から御所見が賜れたらまことにありがたい。
この発言だけを見る →私は、今の日本のこの出生率の低下、諸外国にもいろいろ事情があります。
しかし、日本の出生率の低下には気になる点もあるということを思っておりましたところ、鈴木りえこさんという方が書かれたこの「超少子化—危機に立つ日本社会」という書物を読まさせていただいて、これまたちょっと引用させていただくわけでありますが、こんな趣旨のことを述べておられます。
つまり、日本人の価値観は、将来のために努力するよりも現在を気ままに楽しむ享楽主義になってしまった。無責任で努力を軽視し、楽なライフスタイルを好む人生観になってしまった。日本人は、国や企業や家族という集団に依存し、もたれ合い、自分に都合よく利用しようとする一方で、個人の責任を逃れてきた。戦後の日本では、大人が子供に継承すべき価値観をなくしてしまった。日本と日本人に対して、誇りと自信を回復し、未来に目を向けることが少子化の進行を食いとめることにつながるのではないか。日本人として誇るべきところは誇り、自信を持つべきところは自信を持つ。未来に対して一人一人が何らかの責任を感じなければ、経済的なメリットが少なくなった子供を産むという人はますます少なくなるだろう。こういったような趣旨のことを書いておられるのでございます。
少子化の原因、背景、これまでの大臣の答弁の中でもいろいろ述べていただきました。しかし、私は、こうした日本人の価値観、人生観といったものに今日の少子化の原因が根差している面があるとすれば、これはまた大変深刻な問題だと、正直、技術論だけの政策では事足りなくなるぞという意味で、前から気になっておったことでございまして、おっしゃっておることに私は半ば同感するがゆえにわざわざまたこれも御引用させていただいたわけでありますが、正直、この点についても両大臣から御所見が賜れたらまことにありがたい。
津
津島雄二#17
○国務大臣(津島雄二君) 少子化の問題を考えてまいりますと、日本の社会がどういうふうに変わったかという中で、日本人の持っている心のあり方というものとかかわっているという今の御指摘は、私は全くそのとおりであろうと思っております。
これは文化論の分野でございますから、議論いたしますとたくさんの材料があると思いますけれども、一言でこの問題に即して申しますと、一人一人の国民が自分が今やっていること、その生きがいというものは単に自分の一代だけではないんだ、これはやっぱり次の時代にも引き継いでいくべきものであるというような気持ちを持ってもらえば、それは家庭の大事さ、子供を育てる大事さというものがもっと理解をされるんではないだろうかと、私は今のお話を伺ってそういうふうに受けとめたわけでございまして、そういう要素が非常に欠けている、そのせつなせつなでいればいいということは私はまことに残念なことだと。
日本の歴史においても、そういう一時期があったと後世に言われるとすれば、これはまことに残念なことで、そういうことにならないようにしたいなということから、そういうことからも今の少子化対策に取り組んでいかなきゃいけない。しかし、それは政府が何をやるかということばかりでなくて、国民の気持ちというものにもう少しやっぱり訴えていく何かが必要じゃないかというふうに感じております。
この発言だけを見る →これは文化論の分野でございますから、議論いたしますとたくさんの材料があると思いますけれども、一言でこの問題に即して申しますと、一人一人の国民が自分が今やっていること、その生きがいというものは単に自分の一代だけではないんだ、これはやっぱり次の時代にも引き継いでいくべきものであるというような気持ちを持ってもらえば、それは家庭の大事さ、子供を育てる大事さというものがもっと理解をされるんではないだろうかと、私は今のお話を伺ってそういうふうに受けとめたわけでございまして、そういう要素が非常に欠けている、そのせつなせつなでいればいいということは私はまことに残念なことだと。
日本の歴史においても、そういう一時期があったと後世に言われるとすれば、これはまことに残念なことで、そういうことにならないようにしたいなということから、そういうことからも今の少子化対策に取り組んでいかなきゃいけない。しかし、それは政府が何をやるかということばかりでなくて、国民の気持ちというものにもう少しやっぱり訴えていく何かが必要じゃないかというふうに感じております。
吉
吉川芳男#18
○国務大臣(吉川芳男君) 松田委員からは、鈴木りえこさんの本の中身を紹介されながら御質問をいただきましたけれども、これは私はちょっと古い思想だと言われるかもしれませんけれども、やっぱり人生の楽しみや喜びというのは苦労をすることで味わうことができるものであり、まさに出産や育児はそうした営みに当たるものではないかというふうに考えております。もとより結婚、出産は当事者の自由な選択によるものでありまするが、これから家庭を築こうとする世代にこうした考え方が十分理解されていないとすれば、将来の社会基盤に大きな影響を与える深刻な問題であると考えております。
少子化対策に取り組むに当たっては、若い世代に向け、子育ての苦労とともに楽しみや喜びを伝え、その社会的意義が十分理解されるよう意識啓発を行うなど、国民的な取り組みを推進していくことが重要であると思います。
最後に、労働省といたしましても、昨年末に策定した少子化対策推進基本方針に基づきまして、男女がともに子育てを担い協力して家庭を築いていくことができるよう、職業生活と家庭生活の両立支援対策を初めとする各般の施策に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
この発言だけを見る →少子化対策に取り組むに当たっては、若い世代に向け、子育ての苦労とともに楽しみや喜びを伝え、その社会的意義が十分理解されるよう意識啓発を行うなど、国民的な取り組みを推進していくことが重要であると思います。
最後に、労働省といたしましても、昨年末に策定した少子化対策推進基本方針に基づきまして、男女がともに子育てを担い協力して家庭を築いていくことができるよう、職業生活と家庭生活の両立支援対策を初めとする各般の施策に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
松
松田岩夫#19
○松田岩夫君 両大臣、閣議がきょうはある日かと存じます。時間になられましたら、どうぞあれしてください。引き続き政務次官を初め皆さんに御質疑を続けさせていただきますが、少子化問題について日ごろ思っております基本的な論点について少しお話しさせていただいて本当にありがとうございました。
残された時間がわずかになって、予定した質問が余り進んでおりませんけれども、次に年金問題についてお伺いしたいと存じます。
大臣、もしよろしければもう一問だけ大臣にちょっとお聞きしておく……
この発言だけを見る →残された時間がわずかになって、予定した質問が余り進んでおりませんけれども、次に年金問題についてお伺いしたいと存じます。
大臣、もしよろしければもう一問だけ大臣にちょっとお聞きしておく……
津
松
松田岩夫#21
○松田岩夫君 よろしいですか。
今、新聞で企業年金問題、これがよく報道されております。党の中においてもいろいろ議論が始まりました。公的年金について、後ほど時間があれば公的年金の方もまた御質問させていただきますが、この公的年金制度の改革をさらに進めていかなければなりませんが、同時にまた、公的年金を補完し、老後生活の多様なニーズに対応してまいりますためのこの企業年金の役割というのは、これまたこれからますます大事になります。
しかしながら、企業年金の現状というのは、昨今の経済環境のもと、積み立て不足の問題、これも顕在化しております。また、受給権保護を図る観点から制度の見直しの必要性、そういう意味で切に私も感じておる一人でございます。
企業年金については、従来から、制度全体として統一的な基準を定めて受給権保護の確保を図る、そのための法律の検討が求められてきたわけであります。いわば政府の宿題、国会の宿題ということになっておるわけであります。今回の改革の動きは遅まきながら政府も本腰を入れてきた、こういうふうに大きく期待をしておるわけでございます。
そういう意味で、この分野に大変造詣の深い大臣が御就任になられたわけでございまして、ぜひ大臣在任中になどと言ってはいけませんが、いつまでもなっておられると思うのでございますけれども、ぜひそういう意味では、少なくともこの臨時国会にというわけにはまいらないのかもしれませんが、次期通常国会までにはぜひこの企業年金改革、しっかりとしたものをつくり上げていくべきだというふうに存じますが、大臣のイニシアチブのもとにぜひ次期通常国会には改革を実現していただきたい。どうでしょうか、大臣。
この発言だけを見る →今、新聞で企業年金問題、これがよく報道されております。党の中においてもいろいろ議論が始まりました。公的年金について、後ほど時間があれば公的年金の方もまた御質問させていただきますが、この公的年金制度の改革をさらに進めていかなければなりませんが、同時にまた、公的年金を補完し、老後生活の多様なニーズに対応してまいりますためのこの企業年金の役割というのは、これまたこれからますます大事になります。
しかしながら、企業年金の現状というのは、昨今の経済環境のもと、積み立て不足の問題、これも顕在化しております。また、受給権保護を図る観点から制度の見直しの必要性、そういう意味で切に私も感じておる一人でございます。
企業年金については、従来から、制度全体として統一的な基準を定めて受給権保護の確保を図る、そのための法律の検討が求められてきたわけであります。いわば政府の宿題、国会の宿題ということになっておるわけであります。今回の改革の動きは遅まきながら政府も本腰を入れてきた、こういうふうに大きく期待をしておるわけでございます。
そういう意味で、この分野に大変造詣の深い大臣が御就任になられたわけでございまして、ぜひ大臣在任中になどと言ってはいけませんが、いつまでもなっておられると思うのでございますけれども、ぜひそういう意味では、少なくともこの臨時国会にというわけにはまいらないのかもしれませんが、次期通常国会までにはぜひこの企業年金改革、しっかりとしたものをつくり上げていくべきだというふうに存じますが、大臣のイニシアチブのもとにぜひ次期通常国会には改革を実現していただきたい。どうでしょうか、大臣。
津
津島雄二#22
○国務大臣(津島雄二君) 松田委員から大変ありがたいお励ましをちょうだいして感動しておりますけれども、御承知のとおり、企業年金というのはいわゆる公的年金を補完する年金制度の三階部分と言われておるわけでありますが、多くの勤労者にとって非常に大事な老後の保障になってございます。具体的には厚生年金基金と適格退職年金とあるわけでありますが、この制度が円滑に運用されるかどうかということについては、法制的に甚だ心もとない状況になっておるわけでございます。
そこで、これらの企業年金の積立基準や受託者責任の明確化など受給権保護の仕組みについてもう少し明確化をしなければならないということで、企業年金としての統一的な基準を定めるための法律の検討が求められてまいりました。政府といたしましても、平成九年以来、関係各省が相寄りまして合同で検討を進めてきたところでございます。今般、その制度の骨格について合意ができましたので、この制度の中身が税制のあり方と深くかかわっておりますので、来年度の税制改正要望として提出をいたしたところでございます。
私から申し上げるまでもなく、企業年金のあり方というのは、前国会で提出をいたしました確定拠出型年金という新しい選択肢を導入することとあわせて、これからの雇用状況の変化、日本の産業構造の変化というものを頭に置いたときにぜひとも早く対応しなければならない課題でございますので、私どもは積極的に取り組んでまいりたいと思います。
私どもとしては、近く確定拠出型の年金制度の創設のための法律改正をお願いいたしたいと思いますが、同時に、これとあわせて企業年金全体がしっかりと運営できるような、特に受給権の保護という要請にしっかりとこたえられるように取り組んでまいりたいと思います。
どうか委員の皆様方におかれましても、この点について国会の御協力をお願いすることになろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げる次第であります。
この発言だけを見る →そこで、これらの企業年金の積立基準や受託者責任の明確化など受給権保護の仕組みについてもう少し明確化をしなければならないということで、企業年金としての統一的な基準を定めるための法律の検討が求められてまいりました。政府といたしましても、平成九年以来、関係各省が相寄りまして合同で検討を進めてきたところでございます。今般、その制度の骨格について合意ができましたので、この制度の中身が税制のあり方と深くかかわっておりますので、来年度の税制改正要望として提出をいたしたところでございます。
私から申し上げるまでもなく、企業年金のあり方というのは、前国会で提出をいたしました確定拠出型年金という新しい選択肢を導入することとあわせて、これからの雇用状況の変化、日本の産業構造の変化というものを頭に置いたときにぜひとも早く対応しなければならない課題でございますので、私どもは積極的に取り組んでまいりたいと思います。
私どもとしては、近く確定拠出型の年金制度の創設のための法律改正をお願いいたしたいと思いますが、同時に、これとあわせて企業年金全体がしっかりと運営できるような、特に受給権の保護という要請にしっかりとこたえられるように取り組んでまいりたいと思います。
どうか委員の皆様方におかれましても、この点について国会の御協力をお願いすることになろうかと思いますが、よろしくお願いを申し上げる次第であります。
松
松田岩夫#23
○松田岩夫君 ぜひ厚生大臣、大臣のイニシアチブのもとに、今おっしゃったお考えに沿って力強くひとつ改革をお願いしておきます。
次に、公的年金のことに戻りまして、通常国会で公的年金については改革をして、お互いの努力の中で、いろいろありましたけれども、長期的な一つの基盤ができた。しかし、まだ幾つか残された課題もあります。残された課題一つ一つお聞きしていきたいんですが、その前に私はこの年金積立金の運用のことについて御質問させていただきます。
御案内のように、これまで公的年金の積立金は資金運用部への預託が義務づけられてきましたが、まさにさきの国会で預託義務がなくなり、来年四月から新しくできる厚生労働省による自主運用が始まることになっています。年金積立金は長期の資金であり、本来ある程度のリスクをとって高いリターンを目指すことができる資金だと私は思います。
例えば、企業年金である厚生年金基金を見ますと、昨年度のこの運用収益率は、非常に高かったわけでございますが、一三%となっています。このとき、公的年金である厚生年金、国民年金の積立金の運用は、まだ資金運用部ということですから、資金運用部からの利回り三%、また新規に預託するものの金利は二%にも満たなかったわけであります。資金運用部への預託義務というのは年金受給者にとって大きな損失ではなかったかと思います。しかも、今やその積立金の総額というのは百五十兆円になろうとしております。例えば、厚生年金基金が一三%で運用したと、我々の方は資金運用部ということで三%だったと、その差一〇%、これだけで年間十五兆円もの運用益の違いとなるわけであります。
そういう意味で、この預託義務の廃止、年金受給者のための自主運用ということを極めて高く評価するわけですが、同時にまた、その運用の責任の重さをじっくりと、感じておられると思いますが、感じていただきたいと。運用に当たっては安全、確実、もちろんでありますが、しかし、将来の保険料負担を少しでも軽減するために、とり得るリスクの中でできる限り効率的な運用を目指していただきたい。
バブル崩壊以後、日本の投資環境は非常に厳しいわけでございますが、私は何も、従来からもそうだと、厚生年金基金などは次第にそういうふうになっておりますが、もう今やグローバルであります。世界を投資対象と考えてグローバルな視点で運用も当然取り組まれることになると思いますが、これまた非常に大事な点であります。
ぜひそういう意味で効率的な運用を目指していただきたいと思えば思うほど、一体その体制が十分できておるのか、準備は十分されておるのかということでございます。
実際の運用は民間の運用機関に委託して行うことと思いますけれども、これらの民間の運用機関をいかに評価するかが重要であります。厚生省は必ずしも資産運用のプロではないわけですから、このような巨額の資金の運用を管理するためのいわゆる専門性をどう確保するか、また厚生省及び新しい基金、運用基金における人材の確保、養成ということが極めて重要になるわけであります。安全かつ確実かつ効率的な運用を実現するために、こうした専門性の確保あるいはまた人材の確保、養成といったことにぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、自主運用に臨む厚生大臣の基本的な姿勢及び考え方をお伺いいたします。
この発言だけを見る →次に、公的年金のことに戻りまして、通常国会で公的年金については改革をして、お互いの努力の中で、いろいろありましたけれども、長期的な一つの基盤ができた。しかし、まだ幾つか残された課題もあります。残された課題一つ一つお聞きしていきたいんですが、その前に私はこの年金積立金の運用のことについて御質問させていただきます。
御案内のように、これまで公的年金の積立金は資金運用部への預託が義務づけられてきましたが、まさにさきの国会で預託義務がなくなり、来年四月から新しくできる厚生労働省による自主運用が始まることになっています。年金積立金は長期の資金であり、本来ある程度のリスクをとって高いリターンを目指すことができる資金だと私は思います。
例えば、企業年金である厚生年金基金を見ますと、昨年度のこの運用収益率は、非常に高かったわけでございますが、一三%となっています。このとき、公的年金である厚生年金、国民年金の積立金の運用は、まだ資金運用部ということですから、資金運用部からの利回り三%、また新規に預託するものの金利は二%にも満たなかったわけであります。資金運用部への預託義務というのは年金受給者にとって大きな損失ではなかったかと思います。しかも、今やその積立金の総額というのは百五十兆円になろうとしております。例えば、厚生年金基金が一三%で運用したと、我々の方は資金運用部ということで三%だったと、その差一〇%、これだけで年間十五兆円もの運用益の違いとなるわけであります。
そういう意味で、この預託義務の廃止、年金受給者のための自主運用ということを極めて高く評価するわけですが、同時にまた、その運用の責任の重さをじっくりと、感じておられると思いますが、感じていただきたいと。運用に当たっては安全、確実、もちろんでありますが、しかし、将来の保険料負担を少しでも軽減するために、とり得るリスクの中でできる限り効率的な運用を目指していただきたい。
バブル崩壊以後、日本の投資環境は非常に厳しいわけでございますが、私は何も、従来からもそうだと、厚生年金基金などは次第にそういうふうになっておりますが、もう今やグローバルであります。世界を投資対象と考えてグローバルな視点で運用も当然取り組まれることになると思いますが、これまた非常に大事な点であります。
ぜひそういう意味で効率的な運用を目指していただきたいと思えば思うほど、一体その体制が十分できておるのか、準備は十分されておるのかということでございます。
実際の運用は民間の運用機関に委託して行うことと思いますけれども、これらの民間の運用機関をいかに評価するかが重要であります。厚生省は必ずしも資産運用のプロではないわけですから、このような巨額の資金の運用を管理するためのいわゆる専門性をどう確保するか、また厚生省及び新しい基金、運用基金における人材の確保、養成ということが極めて重要になるわけであります。安全かつ確実かつ効率的な運用を実現するために、こうした専門性の確保あるいはまた人材の確保、養成といったことにぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、自主運用に臨む厚生大臣の基本的な姿勢及び考え方をお伺いいたします。
津
津島雄二#24
○国務大臣(津島雄二君) 年金積立金の運用が将来世代の負担の軽減にもつながり得る、その一方で大変貴重な被保険者の利益も守るために、安全、確実、効率的に運用しなきゃならないということは御指摘のとおりでございます。その両方の要請の間でできるだけよりよい運用結果をもたらすという努力はしなければならない。
これまではいささか慎重過ぎたんではないかという委員の御指摘に私はかなり当を得たところがあると思っておりますが、しかし同時に、例えば海外資産への運用ということを視野に入れますと、為替レートの変動というさらに大きなリスクも出てくる。それから、日本ばかりでなくて世界経済全体の動きの影響を受けるということも視野に入れなければならない。大変難しい問題だと思いますけれども、全体としては委員が御指摘のような方向で、やはりこの年金積立金が充実する方向での努力は怠ってはならないというふうに思っております。
そのために、年金資金運用基金につきまして、金融資産運用に関する高度な専門的見識を有する人材を投資専門委員として置くということが決められてございますので、これまでの年金福祉事業団における運用経験で蓄積された知見も生かしながら、そういう方々を適切に選任した上で専門性の向上に努め、御期待にこたえたいと考えておるところでございます。
この発言だけを見る →これまではいささか慎重過ぎたんではないかという委員の御指摘に私はかなり当を得たところがあると思っておりますが、しかし同時に、例えば海外資産への運用ということを視野に入れますと、為替レートの変動というさらに大きなリスクも出てくる。それから、日本ばかりでなくて世界経済全体の動きの影響を受けるということも視野に入れなければならない。大変難しい問題だと思いますけれども、全体としては委員が御指摘のような方向で、やはりこの年金積立金が充実する方向での努力は怠ってはならないというふうに思っております。
そのために、年金資金運用基金につきまして、金融資産運用に関する高度な専門的見識を有する人材を投資専門委員として置くということが決められてございますので、これまでの年金福祉事業団における運用経験で蓄積された知見も生かしながら、そういう方々を適切に選任した上で専門性の向上に努め、御期待にこたえたいと考えておるところでございます。
松
松田岩夫#25
○松田岩夫君 公的年金の積立金ですから、慎重さを一方で要するのは当然でありますが、しかしまた、この金融市場ほどあらゆる分野に先駆けてグローバル化が進み、今も日本の金融システムの改革のためにお互い苦労しておるわけでございますが、しかし、日本の金融システムがおくれているからといって、その犠牲に日本国民がなってもいけないわけであります。ニューヨーク市場、ロンドン市場、世界のそれぞれの中で本当にうまく運用することができれば大変な成果を生むこともまた事実であります。プロも育ってまいりました。
御案内と思いますけれども、いわゆる今おっしゃった確定拠出型年金の原型、アメリカで始まり、アメリカではベビーブーム世代の諸君がそれぞれ勉強し、いかに豊かに老後を暮らすか、ハウ・ツー・ビー・リタイア・リッチ、これは彼らの標語になっているわけでありますが、そのために働いたお金をいかにうまく運用してふやしておくか、これが今日のアメリカ経済隆昌の一つの背景になっておるわけでございますけれども、それはともかく、もっともっと我々もそういう意味の教育を、国民もし、また役所も、とりわけ厚生労働省のこういった分野に当たられる方々の御努力を、そういう意味でも大きく期待したいわけであります。
最後に私、ちょっと視点を変えますが、たまたま私の地元の岐阜県の医師会報を読んでおりましたらこんな論文が出ておりました。ごく最近の八月号に出ておったわけでありますが、「医療教育のあり方を考える」と題して、医療過誤、最近は、患者を取り違えたとか、あるいはまた薬の処方ミスなどの医療過誤が、連日と言うと大げさですけれども報道される。正直、国民の医療や病院に対する信頼は大きく揺らいでいると言うと言い過ぎでしょうか、しかし心配です。そんなことをお医者さん自身が思って書いておられる。
その中にこんなことが書いてあります。現在の大学医局での医学教育では研究が重視され、医師の臨床での能力が身についていないのではないか。ある大学病院の研修をとっくに済ませた小児科の医師が典型的なはしかの診断すらできなかった例をこの論文の中で紹介されておられます、極端なケースかと思いますけれども。また、医師と看護婦との間のコミュニケーションが不足しているとの問題点も挙げられています。お医者さんと看護婦さんとの命令系統が縦割りで、一人の患者を医師と看護婦が一緒に支えていく意識が薄れているのではないかと。
医療過誤の原因、背景としてはいろいろあると思いますが、今ここで言われたような医療従事者の資質の向上も含めまして、厚生省が中心となって、文部省等関係方面とも十分連絡をおとりいただいて、もっと総合的な対策をとるべきではないか、そんなことを思いました。
医療事故の防止に対する厚生省の決意のほどをお伺いいたします。
この発言だけを見る →御案内と思いますけれども、いわゆる今おっしゃった確定拠出型年金の原型、アメリカで始まり、アメリカではベビーブーム世代の諸君がそれぞれ勉強し、いかに豊かに老後を暮らすか、ハウ・ツー・ビー・リタイア・リッチ、これは彼らの標語になっているわけでありますが、そのために働いたお金をいかにうまく運用してふやしておくか、これが今日のアメリカ経済隆昌の一つの背景になっておるわけでございますけれども、それはともかく、もっともっと我々もそういう意味の教育を、国民もし、また役所も、とりわけ厚生労働省のこういった分野に当たられる方々の御努力を、そういう意味でも大きく期待したいわけであります。
最後に私、ちょっと視点を変えますが、たまたま私の地元の岐阜県の医師会報を読んでおりましたらこんな論文が出ておりました。ごく最近の八月号に出ておったわけでありますが、「医療教育のあり方を考える」と題して、医療過誤、最近は、患者を取り違えたとか、あるいはまた薬の処方ミスなどの医療過誤が、連日と言うと大げさですけれども報道される。正直、国民の医療や病院に対する信頼は大きく揺らいでいると言うと言い過ぎでしょうか、しかし心配です。そんなことをお医者さん自身が思って書いておられる。
その中にこんなことが書いてあります。現在の大学医局での医学教育では研究が重視され、医師の臨床での能力が身についていないのではないか。ある大学病院の研修をとっくに済ませた小児科の医師が典型的なはしかの診断すらできなかった例をこの論文の中で紹介されておられます、極端なケースかと思いますけれども。また、医師と看護婦との間のコミュニケーションが不足しているとの問題点も挙げられています。お医者さんと看護婦さんとの命令系統が縦割りで、一人の患者を医師と看護婦が一緒に支えていく意識が薄れているのではないかと。
医療過誤の原因、背景としてはいろいろあると思いますが、今ここで言われたような医療従事者の資質の向上も含めまして、厚生省が中心となって、文部省等関係方面とも十分連絡をおとりいただいて、もっと総合的な対策をとるべきではないか、そんなことを思いました。
医療事故の防止に対する厚生省の決意のほどをお伺いいたします。
伊
伊藤雅治#26
○政府参考人(伊藤雅治君) 医療事故との関連におきます資質の向上策につきまして御説明をさせていただきます。
今の先生が御指摘されました岐阜県医師会報につきましては私も読ませていただきまして、真摯に受けとめるべき問題だと基本的な認識を持っております。最近医療事故が頻発しておりまして、真剣に取り組んでその信頼を回復していく必要があるというふうに基本的に思っております。
そこで、この医療従事者の資質の向上という観点から、特に私どもは、医師の養成、看護婦の養成という観点からいきますと、特に医師の養成につきましては、医学部における教育のあり方、それから国家試験制度のあり方、それから卒業後の臨床研修制度のあり方、これらを総合的に検討していく必要があるとも考えております。特に、先生御指摘の、医学部におきまして研究に比べて臨床が十分教育されていないではないかという問題につきましては、これは最近文部省も基本的にそのような考え方に立ちまして、本年三月に医学教育のあり方を調査研究する会議が設置されまして、現在、年度末を目途に検討が行われているということを承知しているところでございます。
厚生省といたしましても、この医師の資質の向上策の一環といたしまして、免許取得後に行われます臨床研修におきまして臨床研修目標に医療事故の防止を取り上げているところでございますが、さらに基本的な臨床研修の能力を強化するために、医師の臨床研修の義務化を含む医療法等の改正案につきましてさきの国会で提出したわけでございますが、残念ながら審議未了で廃案となったところでございまして、その早期実現に努めてまいりたいと考えております。
また、チーム医療という考え方は非常に重要でございまして、看護婦につきましては、平成十二年度予算では、修業後につきましても、都道府県におきまして医療事故の防止を初めさまざまな課題への対応を図るための研修を実施することとしております。
これらの取り組みに加えまして、特に大学病院というのが、学部教育、それから卒業後の臨床研修の八〇%の人たちが大学病院で行っていることを考えますと、非常に医師の基礎的な臨床能力の養成にとって重要だという観点から、この十三日に、文部省にも出席をお願いいたしまして、特定機能病院、これは大学病院とがんセンター、循環器病センターでございますが、お集まりいただきまして、医療安全対策特定機能病院長会議を開催いたしまして、またあわせて医療安全対策連絡会議、これは各病院団体等にお集まりいただくわけでございますが、特に特定機能病院の責任者の方と直接大臣がお話をしていただきまして、特に大学病院の機能のあり方と事故防止のあり方について御議論をしていただき、そして対応を考えていきたいと考えております。
また、平成十三年度概算要求におきましても、インシデント事例の収集体制の整備や病院の職員に対する医療の安全確保のための研修の実施等、いろいろの対策の経費を要求しているところでございまして、私どもといたしましては、文部省と十分、以上申し上げたようなテーマにつきまして連携を図りながら総合的な対策の実施に努めてまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →今の先生が御指摘されました岐阜県医師会報につきましては私も読ませていただきまして、真摯に受けとめるべき問題だと基本的な認識を持っております。最近医療事故が頻発しておりまして、真剣に取り組んでその信頼を回復していく必要があるというふうに基本的に思っております。
そこで、この医療従事者の資質の向上という観点から、特に私どもは、医師の養成、看護婦の養成という観点からいきますと、特に医師の養成につきましては、医学部における教育のあり方、それから国家試験制度のあり方、それから卒業後の臨床研修制度のあり方、これらを総合的に検討していく必要があるとも考えております。特に、先生御指摘の、医学部におきまして研究に比べて臨床が十分教育されていないではないかという問題につきましては、これは最近文部省も基本的にそのような考え方に立ちまして、本年三月に医学教育のあり方を調査研究する会議が設置されまして、現在、年度末を目途に検討が行われているということを承知しているところでございます。
厚生省といたしましても、この医師の資質の向上策の一環といたしまして、免許取得後に行われます臨床研修におきまして臨床研修目標に医療事故の防止を取り上げているところでございますが、さらに基本的な臨床研修の能力を強化するために、医師の臨床研修の義務化を含む医療法等の改正案につきましてさきの国会で提出したわけでございますが、残念ながら審議未了で廃案となったところでございまして、その早期実現に努めてまいりたいと考えております。
また、チーム医療という考え方は非常に重要でございまして、看護婦につきましては、平成十二年度予算では、修業後につきましても、都道府県におきまして医療事故の防止を初めさまざまな課題への対応を図るための研修を実施することとしております。
これらの取り組みに加えまして、特に大学病院というのが、学部教育、それから卒業後の臨床研修の八〇%の人たちが大学病院で行っていることを考えますと、非常に医師の基礎的な臨床能力の養成にとって重要だという観点から、この十三日に、文部省にも出席をお願いいたしまして、特定機能病院、これは大学病院とがんセンター、循環器病センターでございますが、お集まりいただきまして、医療安全対策特定機能病院長会議を開催いたしまして、またあわせて医療安全対策連絡会議、これは各病院団体等にお集まりいただくわけでございますが、特に特定機能病院の責任者の方と直接大臣がお話をしていただきまして、特に大学病院の機能のあり方と事故防止のあり方について御議論をしていただき、そして対応を考えていきたいと考えております。
また、平成十三年度概算要求におきましても、インシデント事例の収集体制の整備や病院の職員に対する医療の安全確保のための研修の実施等、いろいろの対策の経費を要求しているところでございまして、私どもといたしましては、文部省と十分、以上申し上げたようなテーマにつきまして連携を図りながら総合的な対策の実施に努めてまいりたいと考えております。
松
南
南野知惠子#28
○南野知惠子君 自由民主党の南野でございます。
釜本政務次官、御就任以来御活躍が続いておられますが、本日もよろしくお願いいたします。
早速質問に入らせていただきますが、我が国は労働市場におきましても今後高齢化が進展していくものと思います。具体的には、全人口に占める六十五歳以上の割合は、二〇〇〇年には一七・二%、二〇二五年には二七・四%となり、国民の四人に一人以上が六十五歳以上となると見込まれております。さらに、寝たきり老人の方の数は、二〇〇〇年の百二十万人程度から二〇二五年には二百三十万人程度に増加し、要介護の痴呆性老人の方の数は、二〇〇〇年の二十万人程度から二〇二三年には四十万人程度に増加するということが見込まれております。
このような中で、介護保険制度の開始などを背景として介護サービス需要が増大し、介護分野は大きな労働需要の拡大が見込まれる分野となってきておると思います。一方、最近の雇用失業情勢は、改善の動きは見られますが、本年七月の完全失業者数は三百七万人、完全失業率は四・七%となっており、依然として厳しい状況にあると思われます。
このため、こうした成長を期待できる介護分野での雇用機会の創出などを進めていくことは、厳しい状況に置かれている中高年の方々のことを考えても喫緊の課題ではないかなというふうに思うわけでございます。
こうした観点から、介護分野について良好な雇用機会の創出に積極的に取り組んでいくべきであると考えておりますが、その対策はいかがでございましょうか、お伺いいたします。
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早速質問に入らせていただきますが、我が国は労働市場におきましても今後高齢化が進展していくものと思います。具体的には、全人口に占める六十五歳以上の割合は、二〇〇〇年には一七・二%、二〇二五年には二七・四%となり、国民の四人に一人以上が六十五歳以上となると見込まれております。さらに、寝たきり老人の方の数は、二〇〇〇年の百二十万人程度から二〇二五年には二百三十万人程度に増加し、要介護の痴呆性老人の方の数は、二〇〇〇年の二十万人程度から二〇二三年には四十万人程度に増加するということが見込まれております。
このような中で、介護保険制度の開始などを背景として介護サービス需要が増大し、介護分野は大きな労働需要の拡大が見込まれる分野となってきておると思います。一方、最近の雇用失業情勢は、改善の動きは見られますが、本年七月の完全失業者数は三百七万人、完全失業率は四・七%となっており、依然として厳しい状況にあると思われます。
このため、こうした成長を期待できる介護分野での雇用機会の創出などを進めていくことは、厳しい状況に置かれている中高年の方々のことを考えても喫緊の課題ではないかなというふうに思うわけでございます。
こうした観点から、介護分野について良好な雇用機会の創出に積極的に取り組んでいくべきであると考えておりますが、その対策はいかがでございましょうか、お伺いいたします。
釜
釜本邦茂#29
○政務次官(釜本邦茂君) 南野先生には、日ごろから労働行政に関しまして格別の御高配を賜り、まことにありがとうございます。吉川大臣、ただいま閣議に出席のため、役不足ではございますが、私の方から質問にお答えさせていただきたいと思います。
本年四月に施行しました介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の改正法に基づき、民間企業のみならず社会福祉法人、医療法人、NPO等が介護分野における新たなサービスの提供等に伴う労働者の雇い入れを行う場合の助成措置、介護分野における労働者の能力開発の推進等の施策を講じています。
なお、新たなサービスの提供等に伴う雇い入れに対する助成措置の申請は、本年七月末までに既に二千二百件に上っており、この申請に基づく雇用創出数は一万二千人となっています。また、ホームヘルパーの養成講習については、二級と三級を合わせて本年度中に三万二千人の養成を行うこととしております。
今後とも、介護分野の特性に応じた労働力確保と良好な雇用機会の創出を図るための施策を強力に推進してまいりたいと思っております。
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なお、新たなサービスの提供等に伴う雇い入れに対する助成措置の申請は、本年七月末までに既に二千二百件に上っており、この申請に基づく雇用創出数は一万二千人となっています。また、ホームヘルパーの養成講習については、二級と三級を合わせて本年度中に三万二千人の養成を行うこととしております。
今後とも、介護分野の特性に応じた労働力確保と良好な雇用機会の創出を図るための施策を強力に推進してまいりたいと思っております。