憲法調査会地方自治に関する調査小委員会

2002-07-11 衆議院 全104発言

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会議録情報#0
平成十四年七月十一日(木曜日)
    午後二時開議
 出席小委員
   小委員長 保岡 興治君
      伊藤 公介君    西田  司君
      葉梨 信行君    平井 卓也君
      森岡 正宏君    渡辺 博道君
      筒井 信隆君    中川 正春君
      中村 哲治君    永井 英慈君
      山田 敏雅君    江田 康幸君
      武山百合子君    春名 直章君
      金子 哲夫君    井上 喜一君
    …………………………………
   憲法調査会会長      中山 太郎君
   憲法調査会会長代理    中野 寛成君
   参考人
   (三重県知事)      北川 正恭君
   衆議院憲法調査会事務局長 坂本 一洋君
    —————————————
七月十一日
 小委員筒井信隆君及び土井たか子君同日小委員辞任につき、その補欠として山田敏雅君及び金子哲夫君が会長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員山田敏雅君及び金子哲夫君同日小委員辞任につき、その補欠として筒井信隆君及び土井たか子君が会長の指名で小委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 地方自治に関する件

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保岡興治#1
○保岡小委員長 これより会議を開きます。
 地方自治に関する件について調査を進めます。
 本日、参考人として三重県知事北川正恭君に御出席をいただいております。
 北川知事は、かつて、議席を国政に持たれておられまして、我々と一緒に国政に参画していただいたこともあることは御承知のとおりでございます。
 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人のお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。
 次に、議事の順序につきまして申し上げます。
 最初に参考人の方から御意見を四十分以内でお述べいただき、その後、小委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度小委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は小委員に対し質疑することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 御発言は着席のままでお願いいたします。
 それでは、北川参考人、お願いいたします。
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北川正恭#2
○北川参考人 どうも、皆さんこんにちは。今、委員長さんから御紹介いただきました三重県知事の北川正恭でございます。
 きょうは、何か、地方自治といいますか、地方分権について思っていることを自由にお話をという御要請をいただきましたので、心配になって、事務局の方にどういう内容をお話しすればいいかお聞きしたら、好き勝手にしゃべれ、こんな程度のことでございましたので、思いつくままに考えていることを申し上げて、御指導いただければと思います。発言の機会をお設けいただきました皆さん方に感謝を申し上げたいと思います。
 それで、私としては、どんな考え方で地方自治といいますか、知事職を務めているかということについて少しお話を申し上げたいと思います。
 小泉内閣の骨太方針の最後の方に少し書かれておりましたが、ニューパブリックマネジメント、パブリックセクターもマネジメントしていこうということを書かれておりまして、非常にいいことだと思います。実は、私も知事になりましてもう七年経過いたしましたが、七年ほど前からニューパブリックマネジメントでいこうというのが基本的な考え方でございますので、従来の管理型の行政システムとニューパブリックマネジメントの考え方の違いということからお話を申し上げたいと思います。
 そこで、今、私どもが心がけている行政のあり方というものは、顧客志向ということが第一でございます。
 従来でございますと、供給者側の論理に立った行政、こういうことになっていたと思います。県庁を取り巻く団体も三千とか五千とか言われますが、そういった団体の皆さんと話し合いをして、その人たちが県民だというようなことでエクスキューズをして行政をされてきたのでありますが、本当は、そうではなしに、税を納めていただく皆さん方のお立場に立たないと民主主義は語れなくなってきているということを考えておりまして、供給者側の論理とか、あるいは税をどうやって使おうという人々の立場に立った行政から、サービスの受け手に立った行政、タックスペイヤーの立場に立って行政を進めていこうということで、私が知事になって、県政の最大のコンセプトは、生活者起点ということです。
 これは納税者の立場に立った行政という意味ですが、税を納めていただく方は、お年を召した方とかお子さんとかは税は納めていただいていませんが、しかし、こう生きようというはっきりとした意思を持たれた方を総称して生活者という言葉を使わせていただき、当初、生活者重視とか優先という言葉を使ってやっておりましたが、何か、こちらが優先してあげるよとか、重視してあげるよという感じはどうも言葉的に限界があるなという感じで、主権在民ということからいけば、生活者起点というのが今たどり着いた一番いい言葉かなというので、私のキーコンセプトは生活者起点ということになっております。
 経済の、エコノミーの世界でも、顧客満足ということをよく言います。物が不足している時代は、供給側の方が圧倒的に強くなるのは当然のことで、生産の方の立場が強くなる。生産を強くすることによって物不足を補うということでございました。規模を大きくするとか、ロットを大きくして、安くしてという経済が行き詰まってしまったのは、物が充足してきたからだと思います。
 したがって、どんなにいい商品をつくっても、顧客が満足しない、買ってくれない商品は全然意味がないということで、エコノミーの世界も顧客満足ということになるわけでございますが、行政も、物がこれほど充足をいたしてまいりますと、県民の満足、いわゆる生活者起点ということがとても重要だというふうに思っております。
 さらに、情報は今まで非開示でございましたが、私どもは、情報開示が圧倒的に前提になるわけでございます。三重県では、情報公開という言葉から、さらに、政策を決めていく、意思を決めていく過程とか、予算編成過程も全部出そうということで、言われて出すというイメージの情報公開から、積極的に意思形成過程を出そうというので、情報提供という言葉を使っております。
 さらに、情報提供から情報共有まで今進めておりまして、一般用語として情報公開という言葉を使いますが、情報公開は、行政とか政治にとって、今まで隠してきたことをばらすわけですからとてもつらいことであることは事実ですが、一たん言ってしまえば実はすごく楽になるわけでございます。協調者になるわけですから当然のことだと思いますが。
 情報公開は、実は、一番つらくなるのは住民の方でございまして、私どもにとっては、県民の方の自己責任をはっきり問いますよ、こういうことを申し上げるために情報を提供しているということになるわけで、お任せ民主主義とか観客民主主義ということで、住民の方はスタンドにいて、風が吹こうが雨が降ろうがそんなことお構いなしに、エラーをしたら責めるというだけで何で民主主義が定着しますかと。
 したがって、三重県政が悪いのは知事のせいにするということは天につばする行為になりますよ、県民のレベルがその県政のレベルを決めるんだということを明確に申し上げていかないと、デモクラシーは成熟していかないというふうに実は思っているところでございまして、情報公開がキーワードになるわけでございます。
 それで、情報公開なんかでも、リスクマネジメントなんかを見ていても、国は少しおくれているなと正直思います。仕方なしに、情報公開できる点だけを出してしまっているから、最近次々と起こってきて、一体何のためのリスクマネジメントをしているんだという思いを強く持っております。リスクをマネジメントするという危機管理は、実は省なりその組織を守ることが危機管理と思っていらっしゃるのではないかとさえ思えるほどで、心配しています。
 私どもも、当然、危機管理というのは重要な要素で、失敗ばっかりしておりますが、やはり県民の皆さんのリスクをマネジメントすることがリスクマネジメントであって、その結果、私どもはどう対応をしたらいいかということで初めて職員が守られるというふうに思うところでございます。
 したがって、情報公開というのは、それほどのすごい意味合いを持ってきて、民主主義のありようとか行政のありようをすっかり変えてしまうほどのことではないかというふうに感じているところでございます。
 そこで、情報公開はさまざまな手法があると思います。ITを使うこともそうでありましょうし、予算の編成過程をお示しするのも一つの手法だと思いますが、実は、最もいい手法は分権をすることだと思います。
 主権者たる住民の皆さん方が、一般の御商売と違って先銭を納めていただくわけでございます。税金という形で先銭を納める、こういうことになったときに、その税の使われ方が、先銭を納められた住民の方に明確にわかることが一番の情報公開になると思うわけですね。
 ところが、ヒエラルキーが余り続きますと、官優先の、官尊民卑なる言葉があるとおり、先銭を無条件で納めた人に、要望に来いとか、陳情に来いとか、自分たちが勤める八時半から五時までのウイークデーに来いとか、こういうことが当然のように思われていることが、全く本末転倒しているんだということを私は思うわけでございます。
 そういった税がどう使われるかということが、一たん国に吸い上げられて、また配分されて地方へ戻ってくる過程で非常にわかりにくくなっている。したがって、分権をして、税の使われ方も、この消費税の一%はあなたの老後のためにとか、あるいはこの一%は道路の公共事業のためにとはっきりわかれば、自分の老後は不安だから、三%、四%に消費税を上げてほしいという話も出てくるだろうという考えを私は持っております。
 したがって、情報公開の大前提は、中央集権から分権へと行く流れはぜひ御理解をいただいて、お進めいただいておりますが、一層拍車をかけてお進めいただけたらな、そのように思っております。
 次に、顧客志向の次には生活志向というふうに言われますが、従来の行政は管理をしようというのが非常に強かったと思います。したがって、法令、規則による管理ということで、ねばならないという、どちらかというとブレーキ役の管理が多かったのかな、そういう感じがします。法令、規則によりますと、当然、行政のあり方は前例踏襲ということになりますから、ほとんど感動、感激がなくなってしまって、これはいけませんということで、どうなるのかなというふうに思います。
 したがって、ニューパブリックマネジメントの方では、目標設定をして、そして業績評価によるマネジメントサイクル、いわゆるプラン・ドゥー・シーというようなチェックアクションでもよろしいですが、そういったことによって成果を出していこうということで、管理から経営へ、アドミニストレーションからマネジメントへ、そういう感じを強く持って、最小の費用で最大の効果を出していこう、こういう努力をしておるところでございます。
 そうしますと、従来は、さまざまな法令、規則に従ってやらなければいけないというようなことから、どうも行政は予算主義といいますか、私どもも、一億円の予算をお国に要望するときには、十回も二十回も通って一生懸命涙ぐましい努力をするわけですね。一億円はいただけた、それで事業はできた。その結果、決算委員会は二年おくれで、いつ行われたかわからないようなことになっていたということは間違っているのではないか。
 したがって、私は、一億円の予算を使ったときに、どれだけ県民の満足度に資することができたかという決算主義に切りかえていかなければいけないんだというふうに思っているところでございます。それが成果主義になるわけです。
 予算主義になりますと、全くばかげた、使い切り予算だということで、これは守秘義務といいますか、情報非開示の時代の名残でありますが、国のメンツも、一たんつけた予算は使い切ってもらわなければ国会がうるさいとか、全く内々のようなことで情けない状態が続いているということは本当に反省してもらわないと、世間の常識が非常識になっているということを思うわけでございます。
 私どもも、次、予算削られるということで恐れていますから、そういう我々自身も大いに反省をしなければいけませんけれども、予算主義から決算主義へということで、三重県では、県の単独事業だけになっていますが、使い残し予算というのをやってみました。そうすると、やはりやれるものでございますので、ぜひその点は、国会の先生方、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 予算主義になりますと、予算をつくり事業をつくるときは、みんないろいろ勝手な自分たちに都合のいい指標を集めてきて、そして予算を組む。ほとんどそれがうまくいかなくて七百兆円の借金になっておるわけでございますから、ここは本当に、私どもも当然同罪でございますから、真剣に考えないと、政治、行政が県民の皆さんから信頼されないということは明確だと思っておるところでございますので、ぜひ決算主義にということで今後努力をしていきたいと考えているところでございます。
 そうしますと、憲法だから仕方ない点はあるんですけれども、現金主義会計、私どもでいうと、県民の代表の県議会の皆さんに毎年お金の動きをお示ししなければいけないということでございますが、現金主義にもかかわらず、私どもは起債を起こして借金をしているわけでございますから、当然その会計主義は無理があるわけでございます。本当言うと発生主義会計ということで、財務諸表つきでなければ、民間の経営者の方から、いまだに大福帳かということで、おくれているなという批判を受けざるを得ないと思います。
 したがって、私どもも、バーチャルでございますが、発生主義会計というのを取り入れているところでございます。
 そうすると、どう変わってきたかといいますと、役人の世界では、フローだけで、資産勘定がほとんどなかったと思うのですね。例えば坪五千万円の土地も、どう使うかというようなこと、資産を活用するというのはほとんどなかったと思います。
 都道府県会館に私どもも三重県の東京事務所を持っておりますが、あれもほとんど勝手に決められて一・八倍の面積になって、高い家賃を取られて、こんなばかげた話、どこにあるということになるわけでございます。あそこを本当にファシリティーをマネジメントしていこうというので、パーティションをとって、そして会議室を五十二平米から九十三平米に広げたんですが、例えばそれを発生主義会計でいくと、資産価値が年間二百六十万ほど上がったということに思考回路が変わってきまして、それで三重県庁の中のファシリティーが本当にどんどんと変わってきました。
 したがって、従来型は現金主義会計でございますが、世間がだれも相手にしないようなことをいつまでもやっておっていいのかねということで、発生主義会計は当然のことになってくるだろう、そう考えているところでございます。
 次に、市場メカニズムの活用というので、今までは非活用が原則ではなかったかと思います。公の仕事は官がやらなければいけないという思い込みで、本当に非効率であろうが官がやってきた。
 競争がありませんから、どんどん非効率はきわまっていくということだと思いますが、ニューパブリックマネジメントでは、民営化、エージェンシー化、外部委託化や内部市場システムなどの活用をして、公の仕事であっても、官がやって効率がよければ官がやればいいし、民がやって効率がよければ民がやるべきだろう、そのように考えて、取り入れているところでございます。
 次に、権限移譲、分権化ということですが、従来は集権官治と申し上げていいと思います。中央集権で官僚が治める集権官治。これを私どもは、分権自治ということでやらせていただいております。
 実は、集権官治になりますと、どうしても国がヘッドクオーターになって、国でお考えいただいてお決めいただいたことを私どもが追認してまねをしてということになりますから、全国一律にならざるを得ないと思います。したがって、分権自治になってきますと、北海道では北海道の知恵が出てきて、そして北海道のよさが出て、そして、その結果よかれば、国が追認をしていただいてサポートしていただくということが、実はモザイク国家になって、私は、発展性がより高くなるんではないか、そのように思っているところです。
 もちろん、長い間そういうシステムが続いてまいりましたから、国の制度とか法律とか、あるいは通達なんかに依存する地方自治体の体質も本当に改めなければいけないと思っておりまして、政策法務とか、あるいはさまざまな政策立案を私どもも思い切ってやっていかなければいけないということは大前提でございますが、そのように分権自治ということに力を入れているところでございます。
 次に、単一の職務に特化した縦割りの分業システム、明確なヒエラルキーシステムというのが従来の管理型の行政であったと思いますが、NPM、ニューパブリックマネジメントでは、フラット化、ネットワーク化した柔軟な組織運営、業績評価の単位である組織との契約によるマネジメントということになろうかと思います。
 縦割りの弊害はきわまっていると思います。
 私もいろいろなところで申し上げてきたんですが、いじめの問題を教育長にお聞きをすると、まじめな教育長で力のある人ですから、このようにいじめの問題はいたしております、カウンセラーはこのようにやっておりまして、従来よりも充実しています。ところで、児童相談所とか児童小児科の先生とはどうなっていますかとお聞きしますと、あれは健康福祉部の仕事ですという返事でございます。
 健康福祉部の部長に私が尋ねて、いじめの問題はどうなっていますかと言うと、児童相談所の方は、保護者の方が自由にこそっと来られるように夜の八時まで延長して対応しています、このようにやっていますというまじめなお答えです。いじめの起こっているあの学校のことはどうなっていますかと言うと、あれは教育委員会の仕事ですというお話がきわまり過ぎていると思います。
 すなわち、優秀な教育長、優秀な健康福祉部長が、実はいじめの問題をほとんど全くと言っていいほどしていなかった。自分たちが勝手に決めた壁、教育委員会という壁の中で、単に自分たちがしてあげているという範囲で仕事をしているだけであって、公安委員会も、食の方からいえば農林水産の仕事の方も、地域の問題からいえば地域振興の仕事も、全部含めていじめの問題はやらなければいけないのに、それは他人事で、私は知らないというようなことが許されてきたこの官僚体制というものは批判されて当然だと思っております。
 そのあたりを本当に私どもは総合行政でやっていかないと、ほとんどの問題は解決しないと思っておりまして、国の縦割りによってどれほど我々が難儀し、どれほどばかげた労力を使っているかということを御理解いただけたら本当にありがたいと思います。
 それにならされた我々は、もう一回言っておきますが、我々も反省をし、本当に総合行政ができる体力をつけていかなければいけないと思っておるところでございます。
 そこで、ささやかなことですけれども、フラット化等々をしまして、私どもは課長制度をなくしました。次長、課長とか課長補佐、係長ですか、こういうものは全部なくしました。それで権限委譲いたしまして、迅速に事に対応できるようにしたところでございます。
 したがって、今まではややもすると、年度というのがあって、四月に定期異動というんですか、これをしたら、何か慣行があって、一年間人事が動かせないとかいう全くばかげた話があったので、本当にそうですかという話をして、必要なときに、忙しくなれば異動するのは当たり前じゃないですかというのでマネジャー制度にしたわけですが、どうしても課とかいうのがありますと、課長の仕事は、パーキンソンの原則ではありませんが、定数をふやすことと予算をふやすことが課長の仕事と錯覚して、そして、全く県民を忘れてやっているようなばかげたことは本当になくさないかぬと思うわけでございます。
 したがって、私が課長制度をなくしたら、随分県庁の職員にも怒られました。課長を目指して頑張ってきたのに、士気にかかわるではないか、来年、娘の結婚式に、課長のポストがなければ困るではないかと言われました。私たちは現実の行政の責任者でありますから、理想ばかり語っているわけにはいきません。現実を直視したときに、とても重要なことだと思います、そのことも。
 しかし、県民の生活者起点というサイドに立てば、どなたが課長であろうがなかろうが、ポストは関係なく、いかに最小の費用で最大のサービスが提供できるかということが問題であって、まさに内々の議論で、自分たちが働きにくいからとか、自分たちのことがということが、一つの体制が長く続きますとそういう錯覚が起こってしまっているんですね。
 思い込んでいるという、このことを打破しない限り、なかなか官尊民卑は取れていかない。取れていかなければ行政はばかにされるわけですから、だんだんといい人は寄ってこなくなるということを、我々世代は、次になる人たちが希望を持って来れるような体制を何としても今残しておかないといけないのではないかということを本当に考えて、やらせていただかなければいけないと考えているところでございます。
 次に、ビジョンとか戦略に基づいて県政運営をしていかなければいけないというのがニューパブリックマネジメントでございますが、今までは、こんなことだという思い込みで、前例踏襲をしながらやってこられたことが余りにも多過ぎたのではないかというふうに考えるところでございます。
 したがって、私は、最近、シャープ株式会社に上限九十億円の補助金をつけて、三重県に来てくださいということで決めました。これは、十五年間分割ですが、パブリックなお金をプライベートな企業に渡そうということは議論のあるところだと思います。そこで、もし、それはさまざまな問題でだめだと言われるなら、法廷に出ることも辞さないと思って決断をしたところでございます。
 今までは情報非開示でございましたから、そういったことをすると、何か癒着というようなことになったと思いますが、私は、情報開示は積極的な意味合いで使うべきだと思っております。私は、九十億円出しますよ、しかし、そのことによって四千億の売り上げが出て、そして税収はこれほどになって、雇用はこれぐらい確保できますよというようなことがアカウンタビリティーを果たすことになると思っておりますし、もっと申し上げますと、私は国の方にもお願いをしたいと思いますが、中国や東南アジアへどんどん、安いからというので海外へ出ていくことが当たり前の社会をつくっておくことが一体いいことかどうかということを思うわけでございます。
 本当に日本はそれほど力がなえた国になったか。今までのテクノロジーの蓄積とかノウハウの蓄積、それを本当に集積をして真剣にやれば、中国へ行くよりは国内に残ろうという企業が出てくるのではないか、私はそう思っておるところで、本当にすばらしいエクセレントなゾーンをつくることができれば、きっと液晶なんかは集積が集積を呼んで日本に残ってもらえるだろう。シャープさんも断固残るという、そういうお気持ちはとうといと思います。
 したがって、シャープさんに限らず、液晶のいろいろなメーカーさんがございますが、そういった方が寄っていただけるようにということで、私としては補助金を、大変なことでございますけれども、九十億、上限でありますが、辞さずということにしました。そして、それによって本当に地域が主体的につくっていけるとするならば、まさに地方分権の時代ではないかと思うわけでございます。
 今まで、いい世の中といいますか、右肩上がりでどんどんと経済はパイが大きくなって、開発志向型でよかったわけでございます。しかし、それがままならずということになったときに、本当に地域の雇用はどうするか、本当に地域の税収、財源はどうするか、こう考えたときに、従来は国がお決めいただいていたわけですが、私どもが決断した方が速かったら、私どもは先に決断しましょう、よければ、国もどうぞサポートしてくださいねということになるんだと思います。その九十億出したことがどうしてもだめなら、選挙に決まっておるわけでございますから、選挙で信を問うということになる。
 何か事なかれ主義で、うまくやっておけよというようなことの連続で今まで日本が来て、そこを打破するというような馬力、情熱が中央官庁の方にも少なかった。いわゆる利害調整のようなことが多過ぎた、私はそう思っておりますし、地方自治体はもっとそういう意味ではだめだったと思います。
 したがって、何とかそういうメッセージをお伝えしたいということで、液晶産業集積のために九十億を上限として出して、だからこそ真剣に一遍頑張って、いいゾーンをつくっていきたい、そう思っているところでございます。ビジョン、戦略に基づいて私どもはやります、それがだめなら選挙でどうぞ上げてください、落としてくださいということにしていかないと、無難に無難にということだけでは新しい時代は切り開いていけないだろう、そのように考えているところでございます。
 そこで、二年ほど前に地方分権一括法案が通りました。私どもにとってはすごく大きな法案でございました。これはどんどんと社会を変えていると思います。私も、きょうここで失礼なお話を申し上げておりますが、ここまで言い切れることは、実は地方分権一括法のなせるわざだと思っておるところでございまして、従来は、理不尽なことでも、予算とか補助金がありますし、いろいろな点でお世話になっているからというので、本当に国の都合のいいように文章を書かされて、そして補助金をもらうために本当に悲惨な状態であったということを御理解いただきたいと思うんですね。
 しかし、分権一括法で、原則的にいわゆる機関委任事務等々が廃止になりました。そして情報公開と相まって、説明責任、アカウンタビリティーは国に果たすのではなく、本来の主権者である県民の皆さんに説明をしなければ知事がもたないわけです。だから、国の皆さんにも、本当に筋が違えば物ははっきりこれからはどんどん言っていきますから、どうぞそのつもりでおっていただきたいということを申し上げたいところでございますし、国が正しければ私どもは当然従います。
 だから、従来の上下主従ということから、対等・対立じゃなしに対等・協力という形に本当にしていかないとこの国がおかしくなる、そして地域社会もおかしくなる。地域社会がおかしくなれば、当然国は活力を失うということになるんじゃないでしょうかということを申し上げたいと思うところでございまして、国も随分変わっていただいていることを、敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 和歌山県の知事なんかと一緒に、山の持つ機能を、経済的な機能だけでなしに公益的な機能もということで、緑の雇用事業というのを内閣の方にお願い申し上げまして、御理解をいただいて、今それが進んでおります。すなわち、これから私どもも政策を自主的に立案しまして実行していく。それがよければどんどんとサポートしていただきたいなと思いますし、その過程において、やはり国のお知恵というものはすごいものがありまして、どんどんそれを直しながら、御指導いただきながら、そして、今緑の雇用事業なんかは進化の過程にあります。そういうふうに、どんどん対等の立場で協力し合って、そして本当にやっていくということを明確にお願いしたいなというふうに思うところでございます。
 その中で、経済特区のお話が出ています。考えてみればこの経済特区もいいかげんなものでございまして、日に日に変わっていますが、私はそれでいいと思っています。すごくいいと思います。がちがちに決めて、全部指標を固めて、こういった条件でこれこれこういうことだからこの事業はつけるというのは、ほとんどでたらめに近いような、都合のいい指標でやってきて七百兆円も借金つくったわけですから、もうやめた方がいいと思うんですね。よければ、感動は感動を呼んで、次から次へといい予算にどんどん切りかえていくという適応能力でいった方がいいと思います。
 私ども、経済特区を聞いたときに、最初、ああそうかなと思って頑張ってやろうと思ったら、日に日に変わってきて、聞くたびに変わったり、こっちが言ったら、ああそれいいねといって取り上げていただいて、これは非常にいいと思いますね。だから、それは協働でつくり上げていく、コラボレーションでやっていけば本当にいいと思います。
 この経済特区は予算措置が余りされないということですから、どうぞやってくださいといって、内閣もえらい熱心でありがたい。それでいいと思うんです。ところが、これは規制緩和だというと、また各省庁が自分たちの既得権益を守ろうとする。このことについては、国会議員の先生方、ぜひ断固闘ってほしい、本当にそう思います。
 そして、例えば、三重県なんか四日市のコンビナートがあります。四十年の苦労の歴史がありますよ、公害から脱却するための。あるいは、オールドなエコノミーになってしまったところをニューエコノミーに変えていこうという、すごい思いがありますね。
 やはり、現場にこそ神宿るでありますから、遠慮のない御議論はいいですけれども、自分たちの権益を守ろう、省庁の権益を守ろうというようなことは国会の先生方でぜひやめさせていただきたい。そして、それぞれの、各地から出てきた案をモデルケースにしていただいて、国だけで全部適用ではつらくなるだろうから、三重県なら三重県とか、ある県とか、ある市ならある市でやられるということについては、できたら大目に見ていただいて、そして時代を切り開くビジネスモデルをおつくりいただければ本当にありがたいなというふうに私は思っているところでございますので、ぜひそれをお願い申し上げたいと思います。
 私は、多くの先生方が御承知いただくとおり、衆議院議員も十数年経験させていただきましたし、知事も七年になります。未経験なところはジェラシーが起こるんですね。私は県会議員をしていましたから、国会議員ていいなあと思っていました。海外に一緒に旅行に当時連れていっていただくと、我々バスで、国会議員さんだけはさっと大きなリムジンでというので、うらやましいなこのやろうと思っていました。
 国会議員になると、なかなか苦労が多くて、月曜日に東京に仕事に来て、金曜日には仕事しに田舎へ帰って、ほとんど時間がなくてということで、すごい緊張感の連続でございました。したがって、知事なんていいなあ、こう思って知事になりましたが、知事になったらなかなかつらいことがございまして、思っているほどいいものでもなしにということになります。私は、両方とも経験していますから、両方ともわかるつもりでございます。
 したがって、地方自治体と国会の先生方とが本当に議論し合って、さまざまな問題、例えば分権一つとっても、理論的にはそうだろうけれども、現実なかなか動かないというようなこともあろうかと思います。そんなことを虚心坦懐にいろいろな話し合いをしていただいて、単なる未経験によるジェラシーとか思い違いというのはいっぱいあると思うのですね。だから、そういうことを本当に議論して、お互い一足す一が十とか二十になるような、そういうこともお考えをいただければ、私どもにとりましては大変ありがたいことでございます。
 大変失礼なことを申し上げましたが、これのすべては、地方自治体もぬくぬくと国に甘えてきまして、そしていろいろなことで依存症でございました。これの体質を変えるために、私ども全力を挙げて、自分たちで政策法務はやるとか、政策を立案するとか、自己決定する努力をするとか、自己決定すれば自己責任をとるという、こういう努力があってこそ初めて言えることだということを肝に銘じながらお話を申し上げたつもりでございますので、今後そういう努力をいたしてまいりたい、このように思いますから、今後ともぜひ御指導をいただきますように、お願いを申し上げて終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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保岡興治#3
○保岡小委員長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。
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保岡興治#4
○保岡小委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺博道君。
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渡辺博道#5
○渡辺(博)小委員 きょうは知事、どうもお忙しいところ御苦労さまでございます。知事のお話を聞いて、本当に自信にあふれるお言葉でありました。私は知事の経験がありませんで、ジェラシーを感じております。
 知事の経験を今見させていただきましたら、大学を卒業した後、民間会社にお勤めになられた。そして、民間会社をやめられて自分で事業も起こされた。そして、県会議員、国会議員、現在は知事ということをお伺いしまして、やはり自分の経験というものが、今回知事になって大いに役立っているんじゃないかなというふうに思います。
 特に、お話を聞きますと、マネジメントという部分があります。これはやはり民間の指標というものをしっかりと身につけている一つのあらわれではないかというふうに思いますが、今回知事が大変トピカルな形で新聞にも報道されておりまして、昨日の報道がありましたけれども、知事の皆さん方五人とそれから経済人で地方分権研究会をつくったというお話が載っております。
 この内容につきまして少々お伺いしたいわけであります。全国にはいろいろな知事さんがいらっしゃいますが、それぞれの知事が自分たちの地域をどのようにしていくかということを真剣に今取り組んでいるというふうに思いますけれども、このように地方分権の研究会をつくったいきさつ、また、これからの内容について、ひとつお話をしていただきたいと思います。
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北川正恭#6
○北川参考人 どういうわけかあれは少し話が大きくなっただけの話であって、ああいう知事会議というのはいっぱい持っています。私でも十ぐらいあるんじゃないでしょうか。そんな感じでございまして、それぞれの政策によって分かれるとか、地域によって知事会議を持つとかいうふうにやっています。
 従来、ややもしますと、守秘義務のときは、各県が県境をつくって、ボーダーをつくって隠したものですが、最近多くの知事たちは、全部お互い見せっこして点数をつけ合いしているのがあるんですね。低かったら直せばいいというふうにどんどん変わってきています。
 そして、従来、知事会議ですと、何か企画部長あたりがいろいろなことをほとんど決めておいて、てにをはだけ知事にちょっと直させて、話す順序はだれからだとか場所はどことか、もう愚にもつかぬようなことが役人の仕事だと思っていたんですね。これは直させて、我々どんどん電話とかメールでやりとりして、トップダウンですよ。そして、実質的に議論をしましょうということです。
 きのうの会議は、あれだけ大きく報道されると、ほかの仲間の知事に、何でおれは入れなかったとしかられてかなわぬのですけれども、軽い意味で、我々、分権を、もう理論のときは終わったから、実践でやるなら一遍お互い出し合いして、そしてどんどんやったらどうということです。これは、最近国もうんと目を開いていただいていますから、ありがとうと、いいのがあったらどんどんとってくれるんですね。そうやってやっていった方が早いでしょうというような、そんな意味合いでつくらせていただいたんです。
 あしたも別の知事会議がありますから、私、出ますがね。それはもう各県知事、十ぐらいあるんじゃないでしょうか。その程度です。
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渡辺博道#7
○渡辺(博)小委員 そうですか。ありがとうございました。
 もう一つ記事が載っておりました。きょうの朝刊でございますけれども、軽井沢でセミナーが行われまして、これは軽井沢トップ・マネジメント・セミナーということでございますが、そのテーマは「よい社会、よい経営とは—時代の変化を貫く本質」というテーマでありますけれども、その中で知事は、先ほどもちょっと触れておりましたけれども、「個性的な自治体の集合体が国であり、今の閉塞感を打破するためにも、そうしたモザイク国家となるべきだ」というふうな御主張がございました。
 このモザイク国家という、私自身はちょっと聞きなれない言葉でございますので、この辺をもう少し詳しくお話をしていただきたいと思います。
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北川正恭#8
○北川参考人 中央で統一して、北海道から沖縄まで一緒の政策というのはばかげていると思うわけですね。したがって、それぞれが自由に、沖縄は温暖的で土地は狭い、北海道は寒冷地で土地は大きいという、そういうことをどんどんそれぞれの違いを出していけばいいと。九州ならば東南アジアとか、北海道ならばロシアとか、そういったことを、それぞれの地域の特性に合ったことをできるようにしていこうと。それの方が私は、国家としては栄えていくから、それぞれがモザイク状態になって、三重県は三重県の地理的なこと、歴史的なことを生かしてやっていく、その総和が国の総力になれば非常にいいんではないか、そんな意味でお話を申し上げました。
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渡辺博道#9
○渡辺(博)小委員 知事のお話の中に、国と地方の関係について、これからもう少し国に頼らず、また、地方は地方独自でやっていく、その体質改善が必要だというお話がありました。
 実は、前回の小委員会では、片山鳥取県知事のお話も聞くことができました。そのときも、知事はこんなことをおっしゃっておりました。国と地方の関係は、親離れ、子離れが必要な時期に来ているというお話でありました。
 そうしますと、地方自治体としての受け皿の問題が結構議論されると思いますけれども、地方自治体に対して、しっかりとした受け皿として成り立つのかどうか、こういった議論もあろうかと思います。その中で、地方自治体という一つの基礎自治体があります。市町村でありますけれども、この市町村に対しては、知事はどのように二十一世紀あるべきだというふうに思われますか。
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北川正恭#10
○北川参考人 地方へ任せればもっと利権が横行したり、もっとまずくなるだろうとよく国の方から言われます。そのとおりだと思います。だって、そういう訓練しかされていなかったものですから、我々は物すごくそこは、自主的な政策立案もしなければいけない、そう思って、うんと変えようと今努力をしています。
 ただ、お願いしたいのは、失敗する自由もお渡しいただけませんかと思います。失敗は成功の母といいます。成功ばかりしていると、成功は失敗の父ともいうわけですから、やはり、失敗はいけませんけれども、だからこそ努力するという、自己決定、自己責任ということをしていかないと、いつまでも国に依存していたんでは成長がなくなるだろうと思います。
 そのことは、同じことで、市町村と県の関係でも言えると思います。したがって、市町村の自主自立を妨げるような、県が集権的なことはやってはいけない、そう思っております。
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渡辺博道#11
○渡辺(博)小委員 合併特例法が、平成十七年三月までに市町村の合併を促進するという法律ができております。そうした中で、現在の市町村の合併状況、この問題については知事はどのようにお考えでしょうか。
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北川正恭#12
○北川参考人 ちょっと三重県のことぐらいしか詳しくはわかりませんので、限定つきということでお許しいただきたいと思いますが、私は、合併はすべきだろうと思っております。
 ただ、一義的に市町村がお考えいただくことだということは思っておりますが、一番は人材の問題だと思います。例えば介護保険で、新しい、国がお決めいただいて措置をすることから、経営的なことにいこうといったときに、本当に介護をする専門家の方がいらっしゃるかというと、二人ぐらいいる。ですから、それは兼務でいろいろなことをしているから、本当の介護体制はどうかということはできない。あるいは、町づくりをしていこうというときに、本当に都市計画の専門家が、百人の役場で何人いるかといったら、ほとんどいないから県任せ、国任せというようなことではいかがなものかと思います。
 したがって、分権ということになれば、自主自立ならば一定の規模があった方がいいだろう。それで、小さな町もフルセットではなしに、機能分担するというような意味合いからいけば、一定の規模があった方が行政サービスは行き届くのではないか、私は個人的にそう思っておりまして、努力をしていこうと思っています。
 したがって、この十四年度いっぱいで特例法のいろいろな手続をしないと間に合わないだろうと思っていますので、今三重県も努力をしておる最中でございますが、もう少し見ないと、実際のさまざまな難しい点が出てこないと思います。今現在少しずつ出始めておりますので、それを丁寧に丁寧にほぐしながらやっていこう、こう思っておりますので、今のところ、ちょっと成否については申し上げかねるというのが実態じゃないでしょうか。そんな感じでございます。
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渡辺博道#13
○渡辺(博)小委員 あっという間に持ち時間が終わってしまいました。
 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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保岡興治#14
○保岡小委員長 次に、山田敏雅君。
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山田敏雅#15
○山田(敏)小委員 民主党の山田敏雅でございます。
 私は、議員になって二年ですけれども、昔、通産省の役人をやっておりまして、きょうの知事のいろいろなお話をお伺いして、非常にぴんとくるものがたくさんございました。
 私、入省二年目に初めて自分で予算をとれと言われまして、新エネルギーの十億円の予算をやったんです。このとき、大蔵省主計局に三十回ぐらい通ってこの予算をとってきたんですけれども、このときに、私、三十回もかかって何をやったかというと、このぐらいの分厚い資料をつくって、その十億円の予算の中身を、人件費だとか会議費だとか出張費だとか、ありとあらゆるものを積み上げて、それはなぜ正しいかということをやって、その予算をつくっていったんです。
 いざ、認められて、予算を実行するというときになりますと、当然、予算のとき考えたことと全然違うことが現実に起こってきます。例えば、十回会議をやるということでやっていたのに二回しかできなかったとか、調査をやろうと思ったらそれが現実的にはできなかったとか。僕は二年目だったものですから、予算は、僕が書いたとおり、大蔵省主計局はみんな知っていますから、このとおりやらなきゃいけないんだと思ってやっていたら、全然そのとおりいかないものですから、大変なことになったなと思って課長に相談して、これは大丈夫ですかと言うたことがあるんです。
 要するに、十億円の予算をとると、予算を許可した大蔵省主計局は一切この予算の執行に関しては関与しない、何の関心もないということになって、離れるわけですね。本当は、予算を要求したところが一番よく知っているから、これが本当に正しく使われたかどうかは一発でわかるわけですけれども、こういうことが行われている。
 すなわち、十億の予算をできるだけ効率的に使おうというのが普通の感覚なんですけれども、この十億を一年の間にいかに使うか、こういう発想に変わってしまうんですね。だから、さっきおっしゃった決算主義というのは、非常に重要なことだと思いました。
 そこで二、三お伺いしたいんですが、まず、知事のいろいろなアイデア、それから理念、そういうのをいろいろお話しになったんですけれども、これは、知事が行政の長としてやられて、実際に、どんな政策ブレーンというか、その発想、一人で全部お考えになるということはちょっと不可能だと思うんですけれども、どういうことでやられたのかということを一点お伺いしたいと思います。
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北川正恭#16
○北川参考人 私自身が考えたこともありますけれども、多くは、私も政治生活三十年ですから、それなりに人脈もありますし、いろいろな人にお聞きしたり、最近は、県の職員が発想してくるのが、ああ、こんなこといいのか、知事の座が危ないねと思うことが随分出てきて、循環し始めているんですね。だから、県の職員が出してくるのが圧倒的に多いんじゃないでしょうか。そんな感じがします。
 もう一つは、さっき主計局へ三十回通われたというんですが、それで十回というのは法令、規則を守っておるだけですから、ほとんど国民生活に資していないということをいみじくも言われたと思うんですが、三重県は財政課をなくしました。こんなの計数管理課でいいんだという話を盛んにしたんですけれども、私、負けまして、今、予算調整課なんですね。
 それで、予算を各部局に包括配分もしたんです。あなた方でやってこい、こういうことでやるわけですね。そうすると、今まで各部局は、いやいや、団体さん、私どもはやろうと思ったけれども、財政に切られましてね、こういうのがエクスキューズになっていて、部長と言われる人は、財務省の主計官ぐらいなものですわね、若い四十二、三の、そういう人に切られたというのは、何の誉れがあるんだと。
 だから、財政からの分権自立を三重県庁は徹底してやっていまして、そうすると、やはりいい知恵が出てきますね。御自分たちで説得を納税者にしなきゃいけないでしょう。だから、あなた任せでやっていると、責任を、国で言えば財務省ですかね、あるいは私どもで言えば総務局へ、そういうのをできなくするというシステムが必要じゃないでしょうか。
 だから、三重県では、査定という言葉は私以外には使わせないんです。主査とか課長とか部長と、選挙もせぬのが何を言っているんだという思いが私はありますから、そういう点はびしっといかないと。自分たち官優先だと、先銭を納めていただいた主権者の県民の皆さんに、予算に要望に来い、陳情に来いと平気で言うわけですから、そのあたりを本当に変えていかないとという決意が要るんじゃないでしょうか。そんな感じがします。
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山田敏雅#17
○山田(敏)小委員 これに関連するんですけれども、今まで、知事がなられる前は非常に古い考え、古い体質の人たち、今の理念を実行するに当たっては、この人たちの頭の中を変えないといけないわけですね。さっきおっしゃった、課長制度をやめる、そうすると当然いろいろなフリクションがある。あるいは人事制度をいじると組合というのがある。あるいは、本質的なところで、行政の何かをカットしようと思うとその内部での、その頭の中身を根本的に変えるというのは、一番大きなポイントはどこだったんでしょうか。
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北川正恭#18
○北川参考人 私は、最初は職員の意識改革、県庁の意識改革、そして県政の改革という三段論法をとったんですね。それで、うまくやっておけよという話はほとんどやめまして、原理原則でやりまして役人の皆さんはずっと私より賢いんですけれども、私に勝てないところは、しつこさだと思うんですね。私が二回ぐらい言ったって、ああ、また知事が思いつきで言っておるなと思うのを、五回ぐらい言うとちょっと考え始めて、十回言うと本気にするとか、そういうところも一生懸命考えて、徹底的に職員と、何万時間になっていると思いますけれども、ほとんど私は表へ出ていないんですが、どっちが勝つかやろうじゃないかという話をしたということが一つ。
 もう一つは、先ほど申し上げた、システムを変えるということですね。例えば、財政課というのをなくして、予算調整課に変えて分権自立が進んだとか、税務課というのがありましたがこれは税務政策課に、今はもう課はありませんが、変えたら早速、法定外目的税で産業廃棄物を考えようというのは、税務政策を考え始めたから法定外目的税を考えたわけです。税務課のときは、国のお決めいただいた、総務省や財務省が決められたことをどうやって徴収するかだけでしたが、新しくそういうシステムを変えると本当に変わるのではないか。
 もう一つは、形から変わるというので、私は今、三重県へ帰りますと半そででノーネクタイなんですね。だから、二カ月以上はサマーエコスタイルで二十八度Cを守ろうということで、知事はダークスーツで来いというのはばかげていると思ってやっていますので、国会もぜひそうしてもらいたいし、カラーシャツがどんどんふえてきていますから、ダークスーツで白という霞が関は、それはおくれることは当然だと思いますけれどもね。
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山田敏雅#19
○山田(敏)小委員 最後に、地方分権という大事な議論を今やっているわけですけれども、現実に、例えば厚生省などを見ると、ワンフロア全部、補助金の仕事を全員やっている。その同じ仕事を、県庁のあるフロアは、全員同じ補助金をやっている。市に行くと、その市の同じ補助金のことをやっている。三段階で同じ補助金を審査してやっているわけですけれども、補助金だけで役人の数がすごいと思うんです。それを順次おろしていこうというお考えだと思うんですけれども、最終的に、中央政府の機能はどこまでいけばいいのかということで、お考えがありますでしょうか。
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北川正恭#20
○北川参考人 理想系と現実対応系と二つあると思いますが、やはり国の根幹にかかわることを本当にお国でしていただいて、権限をどんどん移譲していただくことがいいと思います。やがて、これほど情報通信なり交通が発達していて、都道府県のありようというのは必ず問われると思うんですね。三層制の問題は議論が起こってくると思います。
 したがって、二層制になる可能性はあると思いますが、まず権限を本当に移譲していただければそのように育っていくと思いますから、物理的に変えるということが重要ではないか、そのように思います。それで失敗もしますけれども、それで努力をしていくということがいっとき必要な経過措置ではないかと思います。
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山田敏雅#21
○山田(敏)小委員 時間が参りました。
 どうもありがとうございました。
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保岡興治#22
○保岡小委員長 次に、江田康幸君。
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江田康幸#23
○江田小委員 公明党の江田康幸でございます。
 本日は、北川知事、これまでのいろいろな経験を生かして、また現場の知事として非常にすばらしいことを考え、やろうとされているということをお聞きして、ありがたく思っております。
 幾つかお聞きしたいと思っているんですが、まず一つは、税源の移譲ということについてどのようにお考えなされているかということをお聞きしたいんです。
 確かに、これまでは政官財一体で護送船団方式で、こういう体制の中でやってきたわけでございますが、国としては、先ほども言われたように、最終的には七百兆円の借金もつくってしまっている。そこで、責任の所在が不明である。だからこそ、納税者には税金がどこに行ったかわかるような、今わからないからこそ閉塞感がある、その税金がどう使われているかということがわかるためにも、この地方分権をより進めていかなくてはならない。
 地方分権を進めていく上で非常に今注目されているのが税源の移譲でございますが、これはいろいろな考え方があるということでお聞きしておりますが、北川県知事のお考えについては、具体的にどのように思われているか教えてください。
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北川正恭#24
○北川参考人 私、先ほど、地方分権一括法は非常に大きい改革だったと思っております。あれには、税源は後回しということになってはおりましたが、必然の流れとして、税源は移譲されてくると思います。税源を移譲できない政府はつぶれると思います。したがって、その流れは当然だとは思っておりますが、先ほどの山田先生の御質問にもございましたが、とにかく形から、まずどんどん移譲していただければというふうに思います。そしてやっていこうということでございます。
 ところが、これは地方の問題の方が大きいと思います。権限を移譲していただいたり、税財源も、仕事がなく移譲していただくのはいいですが、ついてくるのは本当は嫌がっているところはいっぱいあるんですね。だから、合併の話でも権限の移譲でも、何か国からやらされているとか、そういうイメージでとらえがちの意識改革は、我々こそが本当に直していかなければいけないというのは痛切に感じています。そこは、先ほど私もお願い申し上げたように、そういう懇談会といいますか検討会を国と地方でお持ちいただいて、そして真剣な議論をして決めるというようなことも一方法かな、そのように思います。
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江田康幸#25
○江田小委員 地方分権一括法で機関委任事務が廃止されたわけで、それで法定外の目的税の創設は可能になった。だから、北川県知事がやられていますように、三重県においては産廃税というような形で自主税源を努力されておられますが、この自主税源には限界もあるということで、国からの税源移譲ということがはっきりしないと、本当の意味では地方分権は進まないというお考えだと思うんですね。
 それで聞いているんですけれども、できるところからということでございますが、例えば今までの議論においても、所得税から地方住民税の一部へ、それから消費税から地方消費税へ、そういうような幾つかの具体的な議論が地方分権検討委員会の中でもなされている。それと、今回総務大臣の方から、国から地方への五・五兆円の税源移譲策について具体的な話が出ておりますが、ここら辺を含めて、具体的にどう評価され、どうお考えになられているか。
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北川正恭#26
○北川参考人 片山総務大臣がおっしゃられたのは、全体的に前向きで、いいと思って、評価をさせていただいております。
 それで、地方自治体の問題点は、私、産業廃棄物税に挑戦したときに、私も含めて県庁の担当職員たちがやはり錯覚していたと思うんです。それは、消費税なんかもそうでしたが、内閣が幾つもつぶれるほど国で御苦労をいただいているんですが、地方は、税は国からいただくものだと思っていますから、気楽に考えているわけですね。
 したがって、事業をするときも、国へ陳情に来れば税はおりてくるものだ、こういう思いが非常にあって、私どもが産廃税をいただくときに、納税いただく人からこてんぱんにやられましたし、議会からもすごくしかられました。それで気がついたことはいっぱいございまして、だけれども、地方自治体もそういう苦労をしないと、事業は国よりひょっとすると甘くなっている面もあろうと思うんですね。
 今の形で自主財源を確保することは、もう目いっぱいお国の方で取っていただいていますから、目的税以外は難しいと思います。したがって、税全体のありよう、例えば外形標準課税なんというのは、当然安定した税収として私どもはとても希望するところではあります。それはタイミングの問題とかいろいろな問題はあろうとも、要望からすれば、私どもはそういうことを議論していきたい。
 いわゆる税全体の体系を、間接税でいくのか、あるいは直接税でいくのかというようなことも含めまして、安定した税収がない限り安定した福祉行政とか教育行政は当然できないわけでございますから、そのあたりは御一緒に、抜本的な、全体最適な税というものは考えさせていただき、もしあれなら我々も苦労するといいますか、税をいただくときに本当に大変だということをお互いが認識しながらということになればいい、そんな感じがしています。
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江田康幸#27
○江田小委員 ありがとうございます。税の話はそれぐらいで。
 小泉内閣も今聖域なき構造改革ということで進めておられますが、先生の著作でも、これを族議員とか既得権益の方々とか、そういう勢力から押されて、結局のところはそういう改革はなかなか難しいのではないか、したがって、地方分権、改革等においても、そうは大きく期待されてないような感じがするんでございます。
 それに関して、逆に国に先駆けてということでおっしゃられておると思いますが、全国の地方自治体から改革を起こす、そして中央の硬直化したシステムを変えていく、国をそういうふうな改革へと逆に地方が駆り立てていくということを知事はおっしゃっておられます。
 その実例に二つほど挙げられて、国の情報公開法が施行されたのも地方からの流れであった、さらには、行政評価法を、特に三重県では全国に先駆けて事務事業評価システムを入れられて、これがいわゆる今回の国の行政評価法、政策評価法につながってきたんだ、こういう大きく二つのことを挙げられながら、国の改革への流れを地方からやっていくことがより現実的であるということをおっしゃっておられますが、地方の方から中央の改革を、今後の改革では何をもくろんでいらっしゃいますでしょうか。
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北川正恭#28
○北川参考人 私は、小泉改革はそれなりに有意義だったという評価でございますので、いろいろなとらえ方はあると思いますが、そういうことでございます。
 ただ、地方も、地方でできることはどんどんやりますと、中央との対立じゃなしに協調で、ああ、いいのがあるねと言ってぱっととらえられる。中央で改革されたことも、我々随分、ああ、これはいただきだというのがあるわけですから、県の方がスピーディーにやれるのはいっぱいありますし、一つの県だけではなしに、五、六県が寄ってやっちゃおうよということになればビジネスモデルになるじゃないですか。だから、そんなのはどんどんやりましょうよというふうに思っております。以上でございます。
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江田康幸#29
○江田小委員 ありがとうございました。
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