農林水産委員会

2002-04-16 参議院 全230発言

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会議録情報#0
平成十四年四月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     大仁田 厚君     岸  宏一君
     小川 勝也君     岡崎トミ子君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     岡崎トミ子君     小川 勝也君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     大仁田 厚君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         常田 享詳君
    理 事
                太田 豊秋君
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                大仁田 厚君
                加治屋義人君
                小斉平敏文君
                野間  赳君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                榛葉賀津也君
                羽田雄一郎君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                市田 忠義君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   武部  勤君
   副大臣
       農林水産副大臣  野間  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房長       田原 文夫君
       水産庁長官    木下 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○水産業協同組合法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出)
○漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
    ─────────────
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常田享詳#1
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 去る九日、大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君が選任されました。
 また、昨十五日、松山政司君が委員を辞任され、その補欠として大仁田厚君が選任されました。
    ─────────────
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常田享詳#2
○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案の審査のため、農林水産大臣官房長田原文夫君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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常田享詳#3
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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常田享詳#4
○委員長(常田享詳君) 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。
 四案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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太田豊秋#5
○太田豊秋君 自由民主党の太田豊秋でございます。
 我が国は四方を海に囲まれ、そして、そういった中では海洋国としても有数な海洋国でございますが、海の幸にも恵まれまして、また海に親しみ、それぞれ国民の皆さん方が資源を大切に保存、管理をして、枯渇されることなく現在まで持続的な漁業を営んでまいってきたところでございます。
 しかし、近年、担い手が不足をいたしましたし、また各国においては国連海洋法条約の批准によりまして二百海里水域が設定され、我が国の遠洋漁業は多くの魚種で減船又は休漁という大変に漁業者にとっても困難な状況にならざるを得ない状況でございます。一方、沿岸とかあるいは沖合漁業にありましても、臨海地域の開発だとかあるいは家庭の排水等によって漁業環境が非常に悪化をいたしております。そういった中で漁獲量が激減し、漁業経営にも多大な影響を及ぼしておるところでございます。
 そういう意味では、漁業への魅力を、だんだんだんだん国民の皆様方がこれを失ってきておる関係で、漁業の就業者数は昭和五十一年の四十七万人から平成十二年には二十六万人と減少いたしました。また、平成十二年の新規就業者は千三百七十人しかありませんでした。そういったことを考えてみましても、平成十二年の漁業生産量も前年に比べまして四%減少して六百三十八万四千トン、また漁業生産額も前年に比べますと六%減の一兆八千七百五十三億円と減少をいたしてきております。
 そこで、平成十三年の六月に水産基本法を制定いたしまして、それに基づいて平成十四年の三月に、我が国が目標といたします平成二十四年度における持続的生産量の目標を水産基本計画で決定をいたしたところでございます。これは、魚介類全体では六百八十二万トン、うち食用分は五百二十六万トン、海藻類では六十七万トンとして、この目標が達成されるのであるならば資源が枯渇をしない、枯渇をさせることなく実現可能な水準だというふうなことで決定を見ておるところでございます。また、これによりまして、自給率目標は魚介類では六六%、うち食用としては六五%、海藻類では七〇%まで高めていこうというふうなことになっております。
 この基本計画を達成させるためにも、今般提案されております水産四法の改正案が非常に大事であるというふうにも考えられますので、これら四法案につきまして、私から質問をさせていただきます。
 まず初めに、今般の漁業再建整備特別措置法の改正でございますが、これに際しましては、この法案の名称そのものも、「漁業経営の改善」というふうな命題が、ここに「経営の改善」が入ったわけでございます。これまで二十五年間行われてまいりました中小漁業構造改善制度を廃止すると聞いております。具体的には、これまでは六業種についてのみ振興に特化した経営支援が行われてきたわけでありますが、今般の法律改正を見ておりますと、全業種にこれが広げられ、六業種を廃止して全業種というふうな対象になったわけでございますが、現行制度のこういったことについて何が問題であったのか、そしてその点を、問題点を踏まえまして、今後どのような仕組みを作っていこうとしているのか、まず、この問題についておただしをしたいと思います。
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武部勤#6
○国務大臣(武部勤君) 今日も太田先生の御指導、御鞭撻を賜るべく、楽しみにして参りました。水産問題については、もう先生、大変御造詣が深いので、教えられること多々あると思いますので、よろしく、またお手柔らかにお願いを申し上げたいと思います。
 私も北海道のオホーツク海の知床半島の玄関口であります斜里町というところで育ってまいりました。ひところは、みんな出稼ぎに行かなければならない、そういう宿命を背負いながら苦労していたのでありますが、サケ・マスの増殖事業でありますとか、あるいは資源を育て管理していくという、そういう仕組みを取りましてから、つまり、資源を育て、資源に見合った操業秩序を確立していくというその考え方に沿って、今は若い人たちもどんどん帰って、元気な漁業を営んでおります。
 こういったささやかな経験からも言えることなのでございますが、今、先生御指摘のように、現行の中小漁業構造改善制度というのは、中小漁業六業種を対象に、業界全体として規模の拡大でありますとかあるいは生産行程の協業化等を進めまして業界の構造改善を進めようという、そういう仕組みであったと思います。
 新たなる制度は、この中小漁業構造改善制度の法制定から二十五年を経まして、水産資源の悪化が進む中で業界一丸となって経営規模の拡大を進める制度は実情にそぐわなくなっているという背景、また、個々の漁業者がその経営を見直してコスト削減を進めるという視点がやはり弱いんですね。しばしば過剰投資につながってきたというような問題を背景にして、新しい制度への見直しを進めてきたわけでございまして、今般、本制度を廃止いたしまして、経営改善意欲のある個別の経営体に着目した制度へと転換することとしたわけでございます。
 漁業経営改善制度においては、現行制度に関するこれらの問題点を踏まえまして、意欲のある漁業者であれば、漁業種類、経営規模等にかかわりなく広く施策の対象にするということが第一点。また第二点は、個々の漁業者による創意工夫を生かした経営改善を促すために、漁業者自身がその経営を踏まえて経営改善計画を作成するということとしました。そして三つ目には、計画の内容についても、施設整備に偏らない、計画の中で具体的な経営向上の目標を明らかにさせること等としているわけでございます。
 このように、現行制度の問題点を改めまして、ただいま申し上げましたような方向付けをいたした次第でございます。
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太田豊秋#7
○太田豊秋君 ただいま、意欲ある漁業者の創意工夫というふうな、生かした経営改善の取組を支援するんだというふうなこと、また、計画の内容にとらわれることなく、いわゆる施設整備だけではないんだというふうなことでございますが、これらのことにつきまして具体的にそれではどういうふうな支援策を取られようとしておられるのか、この点についてお聞かせいただければと思います。
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木下寛之#8
○政府参考人(木下寛之君) 新しい制度の中での具体的な支援策でございます。
 私どもは、改善計画の認定を受けました漁業者等に対しまして、まず第一点といたしまして、農林漁業金融公庫からの設備資金、それから長期運転資金の融通が第一点でございます。また、このほかに、漁協系統からの民間金融機関から短期の運転資金の融通、さらには、農林漁業信用基金によります保証保険のてん補率の引上げを考えているところでございます。このほかに、漁船の割増し償却、登録免許税の軽減、また、十四年度からの予算措置といたしまして、担い手育成推進対策につきましてもこれらの漁業者を対象として実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
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太田豊秋#9
○太田豊秋君 ただいま、農林中央金庫からの問題とか、あるいは経営改善の資金だとか、あるいは長期運転資金とか、それからまた短期運転資金、あるいは税制などの改正とか、様々な支援策が今御説明をいただいたわけでありますが、これは、法律、法案で見てまいりますと、この法案は、公布の日から起算して三か月を超えない範囲において政令で定める日というふうなことで、施行日がなっておるようでございます。
 私どもが先議で、参議院にこれが提案され、そして今ここで議論をさせていただいておるわけでありますが、今のように大変に漁業者にとって重要な、しかも期待のできるこういった法案の、改正というものが、私は、一日も早く成立をして、そして三か月を待たないでという、三か月の範囲の中でなんということではなくて、これが衆参両院で本当に成立したならば直ちに発効でき得るような、施行でき得るような、そういった魂を入れたひとつ施行日を決めていただければと、こんなふうに期待をいたしながら、水産庁としてどのような考え方でこれからこの施行日を決めていかれようとしているのか、お聞かせいただければと思います。
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木下寛之#10
○政府参考人(木下寛之君) 委員から大変貴重な御指摘をいただきました。
 私どもも、漁業者からは一日も早く実施をしてほしいという要望を承っているところでございます。したがいまして、法案が成立いたしましたならば、できるだけ早く、御指摘のとおり、三月を待たない間にできるだけ早く施行したいというふうに考えているところでございます。
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太田豊秋#11
○太田豊秋君 できるだけ早くというふうなお答えでございますが、一日も早くこれが間を置かずに施行が決まりまして、そして今、大変に疲弊している、先ほど来も冒頭で申し上げたような事情で日本の漁業というものは大変に疲弊をしているわけでありますから、漁業経営者の皆さん方がひとつ希望を持って漁業に、経営に従事でき得るような、そういった体制を是非お作りいただけるようにお願いを申し上げるところでございます。
 次に、水産業協同組合法の一部を改正する法律でございますが、今ほど申し上げてきましたように、我が国の周辺水域の資源状態の悪化というのが、これは漁業生産の減少、あるいは担い手の減少とか高齢化が進む中で、漁業者の協同組織である漁業協同組合に対しては、これらの水産業をめぐる問題に的確に対応されることが求められると思うわけでございますが、そういった中で、水協法等の一部を改正するこの法律案の目的とかそういったことについて、どういうことなのか、ポイントをひとつお聞かせいただければと思います。
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武部勤#12
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、数多くの漁協がございますけれども、現場は高齢化、過疎化といったような問題に直面いたしまして、漁協の基盤そのものに大きな格差も出てきております。そういう現状の下に、この法律は、資源状態の悪化、あるいは水産業をめぐる状況や近年の金融情勢の変化を踏まえまして、漁協が組合員のニーズに的確に対応し得る、そういう漁協の事業、業務執行体制の整備ということが必要になっているわけでございます。さらには、漁協系統信用事業の健全な運営の確保ということも、これは求められていることは言うまでもございません。
 そのための措置を講ずるものでございまして、具体的には、漁協の資源管理の取組を促進するために、水産資源の管理を漁協の事業として明確に位置付けることとしているわけでございます。また、資源管理規程の対象として、組合員の営む遊漁船業を追加することとしているわけでございます。
 また、漁協の事業実施基盤の強化を図るためには、まず第一に、信用事業を行う組合の最低出資金額を二千万円から一億円に引き上げることといたしました。また、二つ目には、信用事業を担当する常勤理事一人以上の設置の義務付けもいたしました。そして、三つ目には、経営管理委員会制度の選択的導入等の措置を講ずるということにいたしたわけでございます。
 さらには、漁協系統信用事業の再編強化という問題に、現状、直面しているわけでございますが、これを図るために、農林中金による基本方針の策定と指導の実施により、問題組合の早期発見と是正を行うことができるようにいたしております。
 また、万一の破綻に備えまして、漁協、信漁連等から農林中金への事業譲渡の道を開きまして、漁協系統全体としてのセーフティーネットを構築することなどを内容としているものでございます。
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太田豊秋#13
○太田豊秋君 大臣の方からただいま懇切丁寧に、種々のポイントについて、あるいは改正点について御説明をいただいたわけでありますが、一つ一つ御質問をしていきますと時間もなくなりますので、そこの中で、今、大臣からもお話がございましたが、確かに事業の実施基盤の強化とか、あるいはまたこういうことをやっていくために、非常にこれらのことについては重要な問題ではあると思うのでありますが、今、大臣がお話の中でも常勤理事の問題もあったわけでありますが、大方の漁協においては大体組合長さんが常勤理事というふうなことで兼務をしているというか、そういう実態にあろうかと思われるわけでありますが、今ほどもお話がありましたように、資源管理、そういったことで何とか漁獲量を増やしていこうとする中では、現在はしかし漁獲量の減少だとかあるいは魚価の低迷、それから漁業経営というのは大変な状態にあろうかと思われるわけでありまして、組合長以外に信用事業を担当する常勤理事を置くということは漁協の負担が非常に重くなっていくんではなかろうかなと心配をされるわけでありますが、そういったことについて、信用事業実施組合に常勤理事の設置を義務付けるというその必要性というか、そういったことについてはどういうことなのか、ちょっとお知らせいただければと思います。
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木下寛之#14
○政府参考人(木下寛之君) 御案内のとおり、本年四月一日からいよいよペイオフが解禁されたわけでございます。近年の金融情勢の変化の中で、貯金者からの信頼の確保は信用事業を行う上で不可欠の条件だというふうに認識をいたしております。
 漁協につきましても、貯金者の信頼にこたえ得る最低限の業務執行体制を整備していく必要があるというふうに考えております。このために、信用事業を行う漁協につきましては、信用事業業務への的確な対応、それから相互牽制機能を確保する、このような必要性のために、組合長とは別に、日常の信用事業業務に責任を持って当たる常勤理事の設置を義務付けることとしたところでございます。
 ただ、御指摘のとおり、直ちにこのような措置を講ずるということにいたしますと、非常に系統組織の負担が大きいという実情がございます。したがいまして、私ども、この措置の義務付けに当たりましては三年間の猶予措置を設けているというところでございます。
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太田豊秋#15
○太田豊秋君 今ほども三年間の猶予措置というふうなことで御説明をいただいたわけでありますけれども、これらのことについては、非常に漁協経営そのものが今大変な状況にあろうかと思われますので、指導の面におきましても万遺漏のないようにひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 ところで、漁協系統というのは、信用事業の基盤強化を図るために、これまでに一県一信用事業統合体というふうな構想で信漁連の関係というのは事業譲渡を進めてきたわけでございます。こんな構想ももうかなりそれぞれ全国的にも実現化しているというふうに聞いておりますが、これをまたあえて今回農林中金への事業の譲渡の道を開こうとするというふうに、開くというふうに聞いておりますが、それは、開こうとするその理由というのは何なんでしょうか。
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木下寛之#16
○政府参考人(木下寛之君) これまで漁協系統では、委員御承知のとおり、単位漁協の規模が零細であるということもありまして、系統信用事業の基盤強化対策といたしまして一県一信用事業統合体という構想を掲げまして、漁協から信漁連への事業譲渡等を推進してきたところでございます。現在、十府県で実現をするなど、この構想も徐々に現実化しているという状況でございます。
 今後とも県単位で系統信用事業の基盤強化を進めていくというのが方針でございますけれども、仮に信漁連などの健全性に問題が生じた場合に迅速に事業の受皿となり得るものが存在しないという状況でございます。このようなことになりますと、地域の漁業金融にも適切な役割が果たせなくなるというおそれが懸念されております。したがいまして、今回の法改正におきましては、そのような万一の破綻に備えまして、漁協、信漁連などから農林中金への事業譲渡の道を開いたところでございます。このような措置を通じまして、漁協系統全体としてのセーフティーネットの構築が可能になるというふうに考えております。
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太田豊秋#17
○太田豊秋君 確かにこれは万一の備え、ある意味ではセーフティーネットというふうな考え方ということはよく分かるわけでございますが、しかし、やっぱり農林中金に移譲する道を開くということについては一つのそういったことで方策でしょうからそれはそれとして、やっぱり各県一信用事業統合体というふうな形が持続してそれぞれの各県の漁業者がお互いに信頼し合って漁業経営ができていくような、そういったやっぱり状況というものを、これは農林水産省の御指導の中でなるべくこういう形にならないような、そういった体制づくりを是非この機会にお願いをしておきたいと思うわけでございます。
 次に、漁災法の関係でございますが、漁災法、不漁などによって漁獲金額が減収した場合だとかあるいは台風のような自然災害による被害を受けた場合だとか、その損失を補てんする漁業共済制度は、我が国漁業における災害対策及び安定的な経営対策としては、その役割は私も非常に重要であるというふうにも考えておりますし、私自身も、実は農業災害共済、農業災害にかかわる共済組合の地元で組合長もしておりますので、これは農業も漁業も同じ自然を相手にする業種でありますから、当然にしてこの充実ということは必要だと思います。
 例えば、私どもが経験したものの中で、過般のあの有明海のノリの大不作のとき、被害総額で百四十億円ということにも及びながら共済金の支払というのは実質的には十八億円しかなかったと。このように実際の加入が、加入条件の制約などによってこれが思うように進んでいないというふうなことに私は考えられるわけでございますが、漁業共済事業の現在の加入状況などはどうなっているのか、あるいはまた加入促進の取組、例えばそれぞれの漁業者に対する啓蒙の仕方だとかそういった様々な問題があろうかと思いますが、これらのことについて、どういうことになっているのか、またどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
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木下寛之#18
○政府参考人(木下寛之君) 漁業共済の加入状況でございます。昭和三十九年の制度発足以来、増加傾向で推移をしておりますけれども、十一年度の加入実績が四三%という水準でございます。
 私ども、この四三%という水準、まだ十分と言えない状況だというふうに認識をしておりますけれども、この理由といたしましては、一つには、現在の漁業共済制度が単年ごとの掛け捨て保険であるということで、漁業者サイドから見ますと掛け捨てに対する割高感が高いという点が一つ。また、二つ目、私ども非常に反省すべき点だろうというふうに思っておりますけれども、契約時の説明不足等によりまして補償内容が利用者に正確に理解されていないという面もあるというふうに認識をいたしております。このような点を踏まえまして、私ども、従来から加入促進の取組といたしまして、漁業共済団体を中心に、国、地方公共団体あるいは漁業系統団体が連携をしながら加入推進に努めてきたところでございます。
 今般の制度改正におきましても、私ども、より一層の加入促進を図りたいと、このような見地から、利用者のニーズに沿ったメニューの創設等を行うということをしております。このような制度改正と同時に、この内容につきまして十分利用者に周知をし、関係団体とも協力いたしまして、制度の加入率が向上いたしますよう今後とも最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
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太田豊秋#19
○太田豊秋君 ただいま、加入率が四三%ということでございますが、加入促進に当たっては、今もいろいろと御説明、単年ごとの掛け捨てだとか、そういったことで御説明をいただいたわけでありますが、いろんな課題もあろうかと思います。しかし、そのような現在の漁業共済の状況を踏まえまして、今回の改正では具体的にどのような改正をしようとしているのか、あるいはまた今回の漁業災害補償法の改正の内容、ポイント、この辺についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
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武部勤#20
○国務大臣(武部勤君) 今回の法改正では、漁業災害補償制度について、漁業経営の一層の安定に資するために漁業者のニーズにこたえた幅広いメニューの創設ということをうたい文句といいますか、ポイントにしているわけでございまして、現在加入率が約四割にとどまっている現状を踏まえまして、漁業者の加入促進を図ることとしているわけでございます。また、併せて、漁業共済団体の運営基盤の強化等の措置も講じようとしているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、漁業共済事業については、漁業情勢の変化や漁業者の新たなニーズを踏まえまして、まず漁獲共済における加入要件の緩和、次に漁業施設共済の創設による養殖施設の加入機会の拡充、また予防可能な病害をてん補対象外として掛け金を抑える特約の創設などとともに、漁業共済団体について各都道府県単位で共済事業の規模が縮小している現状を踏まえまして、全国団体の漁業共済組合連合会と県団体の漁業共済組合との合併の制度を創設するなどの措置を講じようとしているわけでございます。
 なお、法改正と併せまして、養殖共済の対象魚種、シマアジ、ヒラマサ等の追加、また掛金を抑えつつ大災害に手厚くてん補する特約の創設、これは有明海のノリ共済の例で御理解いただけると思います。
 また、義務加入制度の運用の見直しについても措置を予定することとしておるわけでございます。
 これらの改正によりまして漁業災害補償制度全体の充実を図ってまいりたいと、かように考えているわけでございます。
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太田豊秋#21
○太田豊秋君 大臣から、漁業者のニーズにこたえた事業の見直しというふうなことで御説明がありましたが、またそれと同時に、加入要件の緩和というふうな新しいメニューも創設するというふうなことでございまして、そういったことで、今回の制度の改正によって、そうであるならば、今四三%あるいは四割程度というふうなことの加入者であるようでありますが、どのぐらいの加入率になっていくのか、その辺のところはどういうふうに見込まれているのか、お知らせいただければと思います。
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木下寛之#22
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、先ほど来御説明しているような制度改正を通じまして、できるだけ多くの共済加入を図りたいというふうに考えております。
 具体的にどの程度の伸びが期待できるのかという点でございますけれども、改正後におきましては、未加入者の新規加入あるいは既に加入いたしております契約内容の充実という点を踏まえますと、全国漁業共済組合連合会の分析によりますと、現在の約四割の水準から五割以上に伸びるというふうに期待をしているところでございます。
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太田豊秋#23
○太田豊秋君 五〇%以上に伸びるんだというふうなことでございますが、これは全漁連その他の漁業者の関係の団体にも、現実的にはもう自分自身の経営の安定ということにもなっていく問題でもございますから、なお一層その辺のことについてもひとつ、五〇%と言わずに、これが八〇%、九〇%まで行って、そして安全な操業ができる、そして安心して漁業経営ができていく、そういった体制を是非日本の中でも作っていっていただきたいと、このようにお願いをしておきます。
 ところで、制度の改正のもう一つの柱といたしまして、共済事業の規模が縮小している現状を踏まえまして漁業共済団体の組織再編を行うとのことでございますが、漁業共済組合連合会が漁業共済組合を合併する道を開く理由はどういうことなのか。あるいはまた、現行制度でも漁業共済組合同士の合併は可能にこれはなっておるわけですね、横と横との合併というのは。まずは組合間からのそういった意味では合併を進めるべきではないのかなと、こんなふうにも考えられるわけでありますが、その点についてお聞かせいただければと思います。
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木下寛之#24
○政府参考人(木下寛之君) 近年、水産物の資源状況の悪化等によりまして、一部の共済組合では共済の引受金額が著しく減少し、管理経費を賄うだけの掛金収入を確保できず、収入が著しく悪化してきている状況にございます。委員御指摘のとおり、このような場合に、まず近接している共済組合同士の合併というのが、ある意味では、非常に自然なんだろうというふうに私どもも考えております。
 ただ、現行法上でも共済組合間の合併が可能でございます。しかしながら、漁業実態の条件が共通する組合間においてはこのように既に道が開かれておりますけれども、なかなか現実には対応が難しいというのが実情でございます。
 したがいまして、今回の措置によりまして、従来の横の組合間同士の合併に加えまして、新たに組合と連合会との合併の道も開いたところでございます。したがいまして、従来の選択肢が組合と組合に加えまして、組合と連合会との選択肢が新たに加わったというふうに考えております。
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太田豊秋#25
○太田豊秋君 次に、遊漁船業の適正化に関する法律について、この改正について御質問いたしますが、昭和六十三年に発生いたしました大型遊漁船と海上自衛隊の潜水艦の衝突事故を契機にいたしまして、遊漁船業の適正化に関する法律によって遊漁船業が都道府県知事への届出制とされ、事業者や遊漁船の数あるいは営業形態などの事業の実態を把握できるようになったわけでありますが、しかしながら、残念でございますが遊漁船の海難事故は後を絶たない状況にあるわけでございます。
 また、遊漁船業は漁業者とともに同じ水産資源とそれから漁場を利用しているというために、漁業者とのトラブルもしばしば発生しております。これは、それぞれ港へ行って漁業者の皆さんとお話合いをいたしますと、大変にこのことについては漁業者が不満を持っておるのもまた事実でございます。このように、現在、余暇時間の増加や海洋レクリエーションへの関心が高まることに伴いまして釣りなどの遊漁に親しむ人々が増える中で、遊漁船業については利用者の安全や漁場にかかわる問題が発生をいたしてきております。
 そこで、まず遊漁船業の適正化に関する法律の改正を行うポイント、この点についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
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武部勤#26
○国務大臣(武部勤君) 今、先生御指摘のとおり、現在、遊漁船による事故が後を絶ちません。十分な安全対策が徹底していないということもあって事故が多発しております。遊漁船の海難事故は大体年間百件程度も発生しているという実情でございます。
 また、遊漁船の利用者による採捕量が遊漁全体の六割を占めるに至っておるということも事実でございまして、こうした中、都道府県漁業調整規則等の漁業関係規制を遵守せずに利用者に採捕させている遊漁船業者もかなり多いという現状でございまして、漁業と遊漁の間の漁場をめぐるトラブルも数多く見受けられるのが実態でございます。
 こうした状況を踏まえまして、遊漁船業を都道府県知事への届出制から登録制へ移行するということと、遊漁船業者に対する業務規程の届出、遊漁船業務主任者の選任等の新たな義務付けを行いまして、繰り返し事故を起こしたり漁業規制に違反する悪質な遊漁船業者を排除するとともに、その業務の適正化を図るということが今般の法改正のポイントでございます。
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太田豊秋#27
○太田豊秋君 これは確かに、遊漁者あるいは遊漁船業者と漁業者との共存というふうなものをしっかりと作っていかなければならない、そういった改正につながっていくんだというふうなことでございますが、そうであれば、今回の改正によりましてどのような効果が見込まれ、そして特に漁場利用面においてはどのような効果が見込まれていくのか、その辺についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
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木下寛之#28
○政府参考人(木下寛之君) まず、今回の改正によりまして、一つは安全面でございますけれども、都道府県知事への届出制から登録制へ移行するわけでございます。また、出航の中止基準等を内容といたします業務規程の届出、また漁場での遊漁船特有の事故を防止するための講習を受けた遊漁船業務主任者の選任を義務付けることとしているところでございます。
 これらの点から、一つは海難事故の減少が期待されますし、万一事故が発生いたしましても損害賠償が可能となるというふうに考えております。
 また、御指摘の漁場利用面でございますけれども、遊漁船の利用によります遊漁の採捕量、遊漁全体の約六割というような状況でございます。今回の改正によりまして、先ほども申し上げました登録制の実施、また業務規程の届出、遊漁船業務主任者の選任、利用者への規制内容の周知を義務付けるということにしているわけでございまして、このような点を通じまして遊漁者による採捕量の相当な部分が適正化されるものというふうに期待をしているところでございます。このような点で適正な資源管理の一助になるというふうに考えております。
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太田豊秋#29
○太田豊秋君 今回の改正によりまして、今ほどの御説明ですと、漁場利用面でのトラブルというのは減少するんだということのようでありましたから、このことについては本当に御期待を申し上げるものでございます。
 そして同時に、資源回復のために、実は漁業者は長期、例えば私どもの福島県の原釜とか、漁協では行っておりますことは、三十センチ以下のヒラメはこれを採捕しないとか、あるいは場所によっては自分たちで休漁地域を決めるとか、こういったことで資源管理をあるいは資源の回復をしていこうという努力をいたしておるわけでありますが、遊漁者はそのような中でも実はプレジャーボートだとか遊漁船によって採捕を行っているようなことも聞くわけでございます。
 例えば、千葉県から三重県までの太平洋沿岸で遊漁船の利用者が釣る量というのは、マダイでは漁業量の八三%、イサキでは一〇二%、チダイ、キダイでは一九三%という、漁業と遜色のない、あるいはまたそれを上回るような採捕をしているのも現状のようでございます。このようなことでは、資源回復は、私は、幾らこの遊漁船法の一部改正を行っても見込めないんではないのかな、また漁業者の言うなれば資源管理意欲をも低下させてしまうんじゃなかろうかと、こんなふうに考えるわけでございまして、遊漁者も資源管理の対象に組み入れ、きちんと対応していくべきであろうと思います。
 そこで、遊漁船だけではなくてプレジャーボートも含めた遊漁全体の管理についてどのように対応していかれるおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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