財政金融委員会
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会
会議録情報#0
平成十四年十一月十四日(木曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
谷 博之君 櫻井 充君
十一月十三日
辞任 補欠選任
大塚 耕平君 松井 孝治君
櫻井 充君 朝日 俊弘君
山本 保君 風間 昶君
十一月十四日
辞任 補欠選任
朝日 俊弘君 櫻井 充君
松井 孝治君 大塚 耕平君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 柳田 稔君
理 事
入澤 肇君
尾辻 秀久君
林 芳正君
峰崎 直樹君
浜田卓二郎君
委 員
佐藤 泰三君
清水 達雄君
田村耕太郎君
中島 啓雄君
溝手 顕正君
森山 裕君
若林 正俊君
大塚 耕平君
勝木 健司君
櫻井 充君
円 より子君
池田 幹幸君
大門実紀史君
平野 達男君
大渕 絹子君
発議者 櫻井 充君
発議者 峰崎 直樹君
衆議院議員
発議者 相沢 英之君
発議者 石井 啓一君
事務局側
常任委員会専門
員 石田 祐幸君
参考人
慶應義塾大学経
済学部教授 吉野 直行君
慶應義塾大学商
学部教授 深尾 光洋君
株式会社整理回
収機構代表取締
役社長 鬼追 明夫君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
(金融再生プログラム及び改革加速のための総
合対応策等に関する件)
○銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の
一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆議
院提出)(継続案件)
○地域金融の円滑化に関する法律案(第百五十四
回国会櫻井充君外四名発議)(継続案件)
○特定非営利活動の促進のための法人税法等の一
部を改正する法律案(第百五十四回国会江田五
月君外九名発議)(継続案件)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
十一月八日
辞任 補欠選任
谷 博之君 櫻井 充君
十一月十三日
辞任 補欠選任
大塚 耕平君 松井 孝治君
櫻井 充君 朝日 俊弘君
山本 保君 風間 昶君
十一月十四日
辞任 補欠選任
朝日 俊弘君 櫻井 充君
松井 孝治君 大塚 耕平君
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出席者は左のとおり。
委員長 柳田 稔君
理 事
入澤 肇君
尾辻 秀久君
林 芳正君
峰崎 直樹君
浜田卓二郎君
委 員
佐藤 泰三君
清水 達雄君
田村耕太郎君
中島 啓雄君
溝手 顕正君
森山 裕君
若林 正俊君
大塚 耕平君
勝木 健司君
櫻井 充君
円 より子君
池田 幹幸君
大門実紀史君
平野 達男君
大渕 絹子君
発議者 櫻井 充君
発議者 峰崎 直樹君
衆議院議員
発議者 相沢 英之君
発議者 石井 啓一君
事務局側
常任委員会専門
員 石田 祐幸君
参考人
慶應義塾大学経
済学部教授 吉野 直行君
慶應義塾大学商
学部教授 深尾 光洋君
株式会社整理回
収機構代表取締
役社長 鬼追 明夫君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
(金融再生プログラム及び改革加速のための総
合対応策等に関する件)
○銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の
一部を改正する法律案(第百五十四回国会衆議
院提出)(継続案件)
○地域金融の円滑化に関する法律案(第百五十四
回国会櫻井充君外四名発議)(継続案件)
○特定非営利活動の促進のための法人税法等の一
部を改正する法律案(第百五十四回国会江田五
月君外九名発議)(継続案件)
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柳
柳田稔#1
○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る八日、谷博之君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
昨十三日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る八日、谷博之君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。
昨十三日、山本保君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。
─────────────
柳
柳田稔#2
○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
財政及び金融等に関する調査のうち、金融再生プログラム及び改革加速のための総合対応策等に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として慶應義塾大学経済学部教授吉野直行君、慶應義塾大学商学部教授深尾光洋君、株式会社整理回収機構代表取締役社長鬼追明夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →財政及び金融等に関する調査のうち、金融再生プログラム及び改革加速のための総合対応策等に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として慶應義塾大学経済学部教授吉野直行君、慶應義塾大学商学部教授深尾光洋君、株式会社整理回収機構代表取締役社長鬼追明夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
柳
柳
柳田稔#4
○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査のうち、金融再生プログラム及び改革加速のための総合対応策等に関する件を議題といたします。
この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の方々から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。まず、吉野参考人、深尾参考人、鬼追参考人の順序で、お一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきお願いいたします。
なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず吉野参考人からお願いをいたします。
この発言だけを見る →この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人の方々から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。まず、吉野参考人、深尾参考人、鬼追参考人の順序で、お一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
また、御発言の際は、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきお願いいたします。
なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず吉野参考人からお願いをいたします。
吉
吉野直行#5
○参考人(吉野直行君) 慶應大学の吉野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。座りながら御報告させていただきたいと思います。
お手元に、少し大きな字で三枚ほど私のレジュメがございます。十分以内ですので簡潔に述べさせていただきたいと思います。
内容につきましては、日本経済の現状と、それに対する私なりの処方せんというものでございます。全部で七項目ございますが、まず一番目から御説明させていただきたいと思います。
日本経済の低迷が十年以上続いているわけでございますが、この中で、アメリカ、イギリスは九〇年代非常に成長が高かったわけです。産業構造を見てみますと、どこの国も、(1)の(Ⅰ)のところでございますが、製造業のシェアは低下いたしております。その中で、(1)の(Ⅱ)のところでございますけれども、金融サービス業の生産性が上がったか上がらないかが、やはり日本、アメリカ、英国の違いであります。日本の低迷の原因というのは、やはり金融サービス業がこの九〇年から最近まで製造業が落ちてくる中でそれを補うほどの生産力がなかったということが一つございます。
それから、(1)の(Ⅰ)のところでございますが、もう一点は、御承知のように、日本からの海外への直接投資が非常に増えているということであります。それと対比しますと、(1)の(Ⅲ)ですが、海外から日本に入ってくる対内直接投資、これが少ないわけです。対外から日本に入ってきます対外直接投資が少ないということであります。これは(1)の(Ⅲ)のところを見ていただきますと、日本はGDP比ではたった〇・二%しか海外から入ってきておりません。それに比べますと、英国は八・五%、ドイツは一〇・〇%でございます。ですから、後でも申し上げますが、いかに海外から日本に投資をしていただくかと、こういう方策も今後必要だと思います。
それから、(1)の(Ⅳ)でございますが、設備投資が日本の場合には金利が幾ら低くても上向かない、いわゆる設備投資の利子弾力性がゼロであると、こういう状況が現在のもう一つの問題点でございます。
それから次に、ちょっと(Ⅵ)と書いてございますが、金融政策に関しましては、日本銀行券は非常に高いペースで増発されておりますが、それがマネーサプライ、M2あるいはM2プラスCDに結び付かない。これが信用乗数の低下につながっておりますが、これはやはり金融、銀行部門がうまくワークしていないというところが多いわけでございます。
次に、二番目といたしまして、不良債権対策と金融業の収益性の向上ということでございます。
不良債権対策に関しましては、(2)の(Ⅰ)ですが、一九九九年に八兆円の公的資金が注入されました。しかし、その後、金融機関の収益の改善はありませんで、また今回の公的資金の注入というふうになっているわけであります。その大きな原因は、(Ⅲ)のところに参りますが、金融業の収益性が向上していないということにあると思います。アジアの諸外国を見ますと、やはり不良債権はあったわけですが、韓国あるいはマレーシアなどでは銀行業が収益をその後改善いたしております。
ですから、やはり日本の一番の問題点は、銀行業あるいは金融業の収益を今後どうやったら回復できるかと。これがない限りは、幾ら不良債権対策をやりましても、また三年前と同じ状況で、またつぎ込むと、こういうことになってしまいます。
(Ⅲ)のところ、一ページ目の一番下でございますが、私なりに四つのことを考えております。
一つは、海外のグローバルな情報をもっと日本の金融機関は収集しなくてはいけない。現状では逆に動いております。多くの金融機関はアジアなどの店舗を閉めて国内に回帰すると、こういう形になっております。その場合には、日本という経済がだんだんしぼんでくる中で全額の資金を日本で運用しよう、こういうふうになりますと、どうしても不良債権は増加するわけであります。むしろ、成長するアジアなどでやはりもっと運用すると。そのためには、(Ⅲ)の①のところですが、海外のもっと情報を集めなくちゃいけないというふうに思います。
それから、下のところ、二番目でありますが、海外で最も利益が上げられる場所で運用すると。これは、外資系のシティバンクなどは正にこの方針であります。日本からは資金を集め、それで最も収益率の高いところで運用すると、こういう姿勢を取っております。
それから三番目は、日本の金融機関は、これまでは日本の企業の海外進出に追っていく、それに後追いをすると、こういう形で発展してきたわけですが、今後は、海外への進出の援助と同時に、やはり独自で地元のお客さん、アジア諸国のお客さんを探すと、こういうことではないかと思います。
日本の金融機関に勝ち目があるかと申しますと、④のところでありますが、日本の場合にはアジアと時差がございません。そういう意味では日本の金融機関のメリットもございますし、アジアは銀行中心の経済ということでありますので、日本に随分似た部分がございます。
次に、二ページ目に行っていただきたいと思います。三番目の公共投資・社会資本の効率性の問題であります。
ここも私の少し研究分野でございますので述べさせていただきますが、よく、景気対策と言われますと必ず公共投資、社会資本が挙げられます。よく、アメリカの一九三〇年代のケインズ政策と言われるわけですが、アメリカの歴史を見てみますと、三〇年代の中ごろに一時的にケインズ政策が取られましたが、その後は、財政規律を引き締める、つまり増税をするというふうに動いておりまして、アメリカの長い歴史ではケインズ政策はほとんど取られたことがございません。日本を見てみますと、社会資本の整備がこれだけ行われたにもかかわらずなぜ景気が良くならないかと申しますと、(3)の(Ⅰ)の①でありますが、間接効果が小さい、つまり社会資本が整備されたにもかかわらず民間の設備投資がその地域に来ない、つまり社会資本をどんどんどんどんやり続けないとその経済が持ち上がらないということであります。
ですから、一番のポイントは、どういう社会資本がその地域の民間の設備投資あるいは民間の企業を活性化させるのかと、これが私は一番のポイントだと思います。
それから二番目、(3)の(Ⅱ)のところでありますが、海外から日本に入ってくる企業が少ないということが現在の日本の問題でもあります。特にアメリカなどでは、クリントン大統領がアーカンソーの知事のときには非常に日本に来られまして、アーカンソーに投資をしてくれと、こういうような政治的なリーダーシップを取られながら、自分の州にいろいろな日本企業を持ってこようと、こういうことをされたわけであります。
ですから、今後私がお願いしたいのは、それぞれの地方の政治の方、自治体の方が、海外企業も含めて、どうやったらそこに民間の企業を誘致できるかと、こういうことも考えていただきたいと思います。
次は四番目でありますが、円の国際化と東京市場の再活性化であります。
これは、長年、何とか東京市場をアジアの中心にしようというふうに音頭は取られたわけですが、これがなかなかこれまで実現しておりません。ただ、もしこれができますと、東京あるいは大阪の市場が非常に経済波及効果は大きいと思います、情報の蓄積になりますし。
そのためには、(4)の(Ⅲ)のところでありますが、円の国際化を進めると。これは円の利用度を高めるということでありまして、各国の中央銀行などにバスケット通貨制でリザーブとして円を持っていただく。
特に強調させていただきたいのは、やはり政治的リーダーシップが特に必要だと思います。それから情報通信、その他のインフラが必要であります。
次、三ページ目に、最後に三点ほど述べさせていただきます。
中小企業対策でございますが、ここは、やはり民間の融資をなるべく促しながら、それで政府が助けていくということが重要だと思いまして、信用保証制度はいい制度だと思います。ただ、それを特別信用保証のように全額、一〇〇%保証するということはモラルハザードを生みます。つまり、悪い債権は信用保険機構に持っていこうと、そういう形で民間金融機関が悪い債権ばかり信用保証を付けますので赤字がたまります。ですから、そういう意味では部分信用保証制度、例えば九〇%保証するなどのやり方が必要だと思います。
それから、五番目の(5)の(V)でございますが、貸出しだけで中小企業は育成できません。やはりファンドというような、投資信託のようなリスクを伴う金融資産での中小企業への支援ということも、是非両方のチャネルから考えていただければと思います。
それから六番目は、預貯金中心からいかに債券、株式に持っていくかということであります。これは、ドイツは一九七五年の辺りには日本と非常に似ておりまして、預貯金中心でありました。ところが、それが最近では株式、債券の方に随分動いております。
そこは幾つか理由がございますが、その中で、やっぱり収益の高い商品の提供、三番目、これが一つ重要だと思います。これも、日本の金融機関が国内だけで運用していますから、どうしてもいい株式が国民に紹介できないわけです。ここも、金融機関がアジアなどのいい商品を国民に紹介することによって、高い収益率の株式あるいは債券を販売するということが必要だと思います。
最後、七番目でございますが、財政赤字と大量国債の発行であります。
やっぱり大量国債の発行によりまして、日本は欧米諸国よりもGDP比で相当増えております。私個人といたしましては、これ以上の財政赤字は無理であると思います。
そのためには、(7)の(I)でありますが、公共投資の予算は削減すると、しかし、間接効果が大きく、民間の経済活動は活性化できるような、そういう社会資本をなるべく拡大させると、こういうことが必要だと思います。
時間の関係で以上にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →お手元に、少し大きな字で三枚ほど私のレジュメがございます。十分以内ですので簡潔に述べさせていただきたいと思います。
内容につきましては、日本経済の現状と、それに対する私なりの処方せんというものでございます。全部で七項目ございますが、まず一番目から御説明させていただきたいと思います。
日本経済の低迷が十年以上続いているわけでございますが、この中で、アメリカ、イギリスは九〇年代非常に成長が高かったわけです。産業構造を見てみますと、どこの国も、(1)の(Ⅰ)のところでございますが、製造業のシェアは低下いたしております。その中で、(1)の(Ⅱ)のところでございますけれども、金融サービス業の生産性が上がったか上がらないかが、やはり日本、アメリカ、英国の違いであります。日本の低迷の原因というのは、やはり金融サービス業がこの九〇年から最近まで製造業が落ちてくる中でそれを補うほどの生産力がなかったということが一つございます。
それから、(1)の(Ⅰ)のところでございますが、もう一点は、御承知のように、日本からの海外への直接投資が非常に増えているということであります。それと対比しますと、(1)の(Ⅲ)ですが、海外から日本に入ってくる対内直接投資、これが少ないわけです。対外から日本に入ってきます対外直接投資が少ないということであります。これは(1)の(Ⅲ)のところを見ていただきますと、日本はGDP比ではたった〇・二%しか海外から入ってきておりません。それに比べますと、英国は八・五%、ドイツは一〇・〇%でございます。ですから、後でも申し上げますが、いかに海外から日本に投資をしていただくかと、こういう方策も今後必要だと思います。
それから、(1)の(Ⅳ)でございますが、設備投資が日本の場合には金利が幾ら低くても上向かない、いわゆる設備投資の利子弾力性がゼロであると、こういう状況が現在のもう一つの問題点でございます。
それから次に、ちょっと(Ⅵ)と書いてございますが、金融政策に関しましては、日本銀行券は非常に高いペースで増発されておりますが、それがマネーサプライ、M2あるいはM2プラスCDに結び付かない。これが信用乗数の低下につながっておりますが、これはやはり金融、銀行部門がうまくワークしていないというところが多いわけでございます。
次に、二番目といたしまして、不良債権対策と金融業の収益性の向上ということでございます。
不良債権対策に関しましては、(2)の(Ⅰ)ですが、一九九九年に八兆円の公的資金が注入されました。しかし、その後、金融機関の収益の改善はありませんで、また今回の公的資金の注入というふうになっているわけであります。その大きな原因は、(Ⅲ)のところに参りますが、金融業の収益性が向上していないということにあると思います。アジアの諸外国を見ますと、やはり不良債権はあったわけですが、韓国あるいはマレーシアなどでは銀行業が収益をその後改善いたしております。
ですから、やはり日本の一番の問題点は、銀行業あるいは金融業の収益を今後どうやったら回復できるかと。これがない限りは、幾ら不良債権対策をやりましても、また三年前と同じ状況で、またつぎ込むと、こういうことになってしまいます。
(Ⅲ)のところ、一ページ目の一番下でございますが、私なりに四つのことを考えております。
一つは、海外のグローバルな情報をもっと日本の金融機関は収集しなくてはいけない。現状では逆に動いております。多くの金融機関はアジアなどの店舗を閉めて国内に回帰すると、こういう形になっております。その場合には、日本という経済がだんだんしぼんでくる中で全額の資金を日本で運用しよう、こういうふうになりますと、どうしても不良債権は増加するわけであります。むしろ、成長するアジアなどでやはりもっと運用すると。そのためには、(Ⅲ)の①のところですが、海外のもっと情報を集めなくちゃいけないというふうに思います。
それから、下のところ、二番目でありますが、海外で最も利益が上げられる場所で運用すると。これは、外資系のシティバンクなどは正にこの方針であります。日本からは資金を集め、それで最も収益率の高いところで運用すると、こういう姿勢を取っております。
それから三番目は、日本の金融機関は、これまでは日本の企業の海外進出に追っていく、それに後追いをすると、こういう形で発展してきたわけですが、今後は、海外への進出の援助と同時に、やはり独自で地元のお客さん、アジア諸国のお客さんを探すと、こういうことではないかと思います。
日本の金融機関に勝ち目があるかと申しますと、④のところでありますが、日本の場合にはアジアと時差がございません。そういう意味では日本の金融機関のメリットもございますし、アジアは銀行中心の経済ということでありますので、日本に随分似た部分がございます。
次に、二ページ目に行っていただきたいと思います。三番目の公共投資・社会資本の効率性の問題であります。
ここも私の少し研究分野でございますので述べさせていただきますが、よく、景気対策と言われますと必ず公共投資、社会資本が挙げられます。よく、アメリカの一九三〇年代のケインズ政策と言われるわけですが、アメリカの歴史を見てみますと、三〇年代の中ごろに一時的にケインズ政策が取られましたが、その後は、財政規律を引き締める、つまり増税をするというふうに動いておりまして、アメリカの長い歴史ではケインズ政策はほとんど取られたことがございません。日本を見てみますと、社会資本の整備がこれだけ行われたにもかかわらずなぜ景気が良くならないかと申しますと、(3)の(Ⅰ)の①でありますが、間接効果が小さい、つまり社会資本が整備されたにもかかわらず民間の設備投資がその地域に来ない、つまり社会資本をどんどんどんどんやり続けないとその経済が持ち上がらないということであります。
ですから、一番のポイントは、どういう社会資本がその地域の民間の設備投資あるいは民間の企業を活性化させるのかと、これが私は一番のポイントだと思います。
それから二番目、(3)の(Ⅱ)のところでありますが、海外から日本に入ってくる企業が少ないということが現在の日本の問題でもあります。特にアメリカなどでは、クリントン大統領がアーカンソーの知事のときには非常に日本に来られまして、アーカンソーに投資をしてくれと、こういうような政治的なリーダーシップを取られながら、自分の州にいろいろな日本企業を持ってこようと、こういうことをされたわけであります。
ですから、今後私がお願いしたいのは、それぞれの地方の政治の方、自治体の方が、海外企業も含めて、どうやったらそこに民間の企業を誘致できるかと、こういうことも考えていただきたいと思います。
次は四番目でありますが、円の国際化と東京市場の再活性化であります。
これは、長年、何とか東京市場をアジアの中心にしようというふうに音頭は取られたわけですが、これがなかなかこれまで実現しておりません。ただ、もしこれができますと、東京あるいは大阪の市場が非常に経済波及効果は大きいと思います、情報の蓄積になりますし。
そのためには、(4)の(Ⅲ)のところでありますが、円の国際化を進めると。これは円の利用度を高めるということでありまして、各国の中央銀行などにバスケット通貨制でリザーブとして円を持っていただく。
特に強調させていただきたいのは、やはり政治的リーダーシップが特に必要だと思います。それから情報通信、その他のインフラが必要であります。
次、三ページ目に、最後に三点ほど述べさせていただきます。
中小企業対策でございますが、ここは、やはり民間の融資をなるべく促しながら、それで政府が助けていくということが重要だと思いまして、信用保証制度はいい制度だと思います。ただ、それを特別信用保証のように全額、一〇〇%保証するということはモラルハザードを生みます。つまり、悪い債権は信用保険機構に持っていこうと、そういう形で民間金融機関が悪い債権ばかり信用保証を付けますので赤字がたまります。ですから、そういう意味では部分信用保証制度、例えば九〇%保証するなどのやり方が必要だと思います。
それから、五番目の(5)の(V)でございますが、貸出しだけで中小企業は育成できません。やはりファンドというような、投資信託のようなリスクを伴う金融資産での中小企業への支援ということも、是非両方のチャネルから考えていただければと思います。
それから六番目は、預貯金中心からいかに債券、株式に持っていくかということであります。これは、ドイツは一九七五年の辺りには日本と非常に似ておりまして、預貯金中心でありました。ところが、それが最近では株式、債券の方に随分動いております。
そこは幾つか理由がございますが、その中で、やっぱり収益の高い商品の提供、三番目、これが一つ重要だと思います。これも、日本の金融機関が国内だけで運用していますから、どうしてもいい株式が国民に紹介できないわけです。ここも、金融機関がアジアなどのいい商品を国民に紹介することによって、高い収益率の株式あるいは債券を販売するということが必要だと思います。
最後、七番目でございますが、財政赤字と大量国債の発行であります。
やっぱり大量国債の発行によりまして、日本は欧米諸国よりもGDP比で相当増えております。私個人といたしましては、これ以上の財政赤字は無理であると思います。
そのためには、(7)の(I)でありますが、公共投資の予算は削減すると、しかし、間接効果が大きく、民間の経済活動は活性化できるような、そういう社会資本をなるべく拡大させると、こういうことが必要だと思います。
時間の関係で以上にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
柳
深
深尾光洋#7
○参考人(深尾光洋君) 本日はお呼びいただきまして、ありがとうございました。
今日は、二つの資料、「デフレ下の金融再生について」という三枚紙の資料と、図表集、財政金融委員会説明資料と、この両方を使って説明させていただきたいと思います。
まず、金融再生プログラムの評価ですけれども、竹中大臣による金融再生プログラムは方向としては正しい方向にあると。不良債権の引き当て強化、それから銀行の自己資本からの繰延税金資産の排除、銀行への公的資金の注入は、銀行の健全化に必要な措置だと考えております。
しかし、仮にこの再生プログラムを完全に実施したとしても、金融再生はできないと判断しております。これは、現在のようなデフレの下では、貸出し先企業の業況悪化が激しく、仮に不良債権を一時的に全部ゼロにしたとしても、また新たに不良債権が発生してしまうということにあります。
公的資本で健全化をしたとしても、銀行に資本を注入して公的資本で健全化したとしても、不良債権償却の純利益計上を義務付ければ、不良債権をしっかり償却して利益を上げろというふうに強制すれば、銀行の場合は、将来の貸倒れリスク、貸倒れ損失に見合った金利を設定せざるを得ない。そうなりますと、平均金利で、現在一・八%前後のところにありますが、一%は金利を上げる必要がある。
大企業向けに金利を上げることは実際上不可能でございます。大企業は資本市場に逃げられるわけですが、こうなりますと、中堅・中小企業向けの貸出し金利を一・五、二%といった幅で引き上げないといけない。そうなりますと、現在のようなデフレで売上げが減っていく中では、中堅・中小企業は耐え切れません。こういったことを考えますと、デフレを止めないことには金融再生はできないというふうに私は考えております。
資料を一枚めくっていただきますと、アメリカの大恐慌のときと日本の物価の動向の比較の図がございます。上の緩やかに右下がりになっている線が日本の物価でございまして、日本の物価は上の目盛りにありますように九四年がピークでして、現状、もうピーク比八%前後下がったところにあります。アメリカのデフレの方ははるかに厳しいものがありましたが、当時は農産物価格が六割以上低下しておりまして、この物価下落の半分は農産物の下落。そうしますと、残った部分の非農産物の下落のペース、幅ということから考えましても、日本のデフレというのは相当厳しいということが言えます。
一枚めくっていただきますと、前年比でGDPデフレーターを書いてございます。下の点線でございます。これを見て分かりますように、九五年以降ずっとデフレが続いております。現状、前年比一・八%ということで、いまだにデフレが続いているという状況であります。
では、デフレはなぜこんなに続くのかというわけですけれども、デフレの原因について、どんなマクロ経済学の教科書を見ていただいても分かりますけれども、基本的には需給ギャップがデフレを決めるということであります。デフレギャップがありますと、インフレ率は徐々に低下していってゼロになります。さらにゼロからマイナスになって徐々にデフレが加速していきます。これに対して、インフレギャップがあればデフレ率は徐々に小さくなってゼロに達し、インフレギャップが続けば徐々に物価が上がっていくということになります。
現在のように需給ギャップが非常に大きくて、大体私は七%前後、三十五兆円前後のデフレギャップがあると考えておりますが、この程度のデフレギャップがありますと、デフレ率は悪化しこそすれ改善する見通しは全くありません。
現在、日銀政策委員会あるいは経済財政諮問会議、IMF、OECD、その他いろんな研究機関が日本経済の見通しを出しております。その見通しを見ますと、必ずデフレ率は小さくなって、プラスになっていくという見通しを出しております。この根拠は私は全くないと考えております。これは、個別に私も全部議論しておりますが、IMF、OECDのエコノミストが日本に来るときに私もよく会いますけれども、詰め寄って本当にこれは根拠がありますかと言うと、根拠は全くないわけです。あるいは経済財政諮問会議についても、私も友人もおりますので直接話を聞いても、あれは竹中大臣がフリーハンドで書いたんじゃないですかと言っても答えられない状態にあります。
つまり、要は希望的観測にすぎない。その希望的観測にのっとって経済政策をしているので、いつまでたってもデフレが止まらない、こういう状況にあります。私は、基本的に危機感が足りないということでありまして、危機感が本当に目の前に現れない限り何もしないというところに大きな問題があると考えております。
次に、不良債権の正常化についてお話ししたいと思います。
政府は不良債権処理をデフレ対策の柱に掲げてきましたけれども、この根底には、日本経済のデフレの要因が不良債権にあり、その処理を促進して銀行を再生すれば不況脱却が可能になるという考え方があると思います。私は、これは間違っていると考えます。因果関係は、もちろん不良債権処理が遅れているので、ゾンビ企業と言われておりますが、赤字を出し続けても、安値で売って営業を継続する企業があるからデフレが悪化するという面はもちろんありますが、より大きな因果関係は、不況でデフレが悪化しているから企業がどんどん悪化していく、そのためにゾンビ企業が増えてしまって更にデフレが悪化する、こちらの方向にあるというふうに考えております。
このために、銀行の収益を見てみますと、図表の三枚目をごらんください。これは全国銀行協会が発表している収益の数字を分かりやすく直しただけでございます。一番上の資金運用差益というのは、銀行全部、これは全国銀行の受取利息と受取配当から支払金利を除いたもの、これが十兆弱、二〇〇一年度で九・八兆円です。その他差益といいますのは、それ以外の収益全部から株と不動産の損益を除いたもの、つまり株式、不動産の損益以外のすべての収益が三・一兆円。これが手数料収入や為替、債券、ボンドのディーリング益などになります。合計で十三兆円ぐらいの収益力があるわけですが、これに対して経費の方は、ピーク九七年の八兆円から、現在七兆円まで、リストラで一兆円ぐらい下がっております。この差額を見ますと、大体粗利益が六兆円、まあ五、六兆円、これが業務純益に当たりまして、これで償却しなきゃいかぬわけです。
その次の行、償却する額。これは不良債権の損失を全部足したものでございまして、売却損、引き当て、それから償却、全部含みます。この数字と粗利益を比べていただきますと、業務損益(F)というところですが、九三年度以降ずっとマイナスが続いております。つまり、この八年間、一年たりとも本当の利益を上げたことはないと。時々利益を出しているように見せておりますが、株や不動産の益出しによるものであります。
このために、銀行部門の再生は無理であって、このデフレが続く限りは不良債権損失はこの程度、過去三年平均七兆とか八兆とかいう金額が出てくる可能性が極めて高い。
そうしますと、業務利益を上げる以外にないわけですが、一つはリストラでありまして、これまでもやってきておりますが、これを強化というのがあります。ただし、不良債権処理というのは非常に人手が掛かります。正常債権だけであればほっておけば利益が上がるわけですが、不良債権の償却には相当の人手が掛かります。また、コンピューターシステムも、この前のみずほの事件で明らかなように、投資が不足しております。
こうなりますと、銀行が利益を上げるためには、リストラもありますが、貸出し金利を上げざるを得ない。私は、貸出し金利を一%ぐらい上げて、現在貸出し額が五百兆ありますので、あと四、五兆円、まあ五兆円ぐらいの新たな利益を出してこれを償却していけば銀行は利益が出せますので、銀行株も上がって自ら増資ができるという正常な状況に持っていくことが可能です。
ところが、貸出し金利を上げる場合に、大企業から取れるわけがありませんので、中堅・中小企業向けの貸出し金利を上げざるを得ない。そうなると、このデフレではもたないということになります。私は、デフレを脱却しなければ金融再生は不可能だと考えております。
では、どうしたらデフレから出られるかというわけでございますが、最後の三ページになります。
現在のようなデフレギャップ、三十五兆円というデフレギャップがありますと、このデフレギャップを埋めるために仮に公共投資をやろうとしますと、ケインズ乗数は大体一・四から一・五ぐらいでございます。そうしますと、二十兆を超す公共投資を新たに追加して、その水準を何年か続けるというぐらいのことが必要です。これはとてももたないと思います。
では、減税でやるということになりますと、減税の乗数効果は大体一ぐらいでございます。減税しても直接使われるのはその六割かそこらでございまして、それが波及効果を生んでもせいぜい一ぐらい。そうしますと、三十五兆円のギャップを埋めようと思いますと三十五兆円の減税、所得税と法人税全廃しても足りないぐらいということになります。これはとてもできない。現在の状況で仮にGDP比一%の五兆円程度の先行減税をやっても焼け石に水だというふうに考えております。
こうなると、何ができるかですけれども、やはり尋常でない政策を取らざるを得ない。現在は、私は既にバブル、マイナスのバブルだと考えております。
これはどういうことかといいますと、不動産や株式を売って預金や現金、国債に換えるという動きが続いております。預金や現金、国債に移すという背景は、政府の保証があるからということで安心しているわけです。ところが、政府の信用力はといいますと、税収がどんどん減っておりまして、今年もう相当の歳入欠陥が見込まれております。こうなりますと、本来信用がどんどん減っているものに人々はどんどん金を移している。これは維持不可能でございますのでバブルだということになります。
この現金、預金、国債に資金をシフトするというバブルをつぶす方法としては、二つの考え方があり得ます。
一つは、インフレターゲットを設定して日本銀行が大量に上場投資信託、ETF、TOPIX連動のETFを大量に買い入れる、あるいはREITを大量に買い入れる、これが一つのやり方でございます。もう一つは、これをやってもデフレが止まらない場合は、バブルの対象に課税するということが考えられます。つまり、政府が保証しているすべての金融資産、現金、預金、国債、地方債といったものに対して、デフレ率プラスアルファでデフレが続く限り課税を行うと宣言することです。現状であれば二%程度の課税を行うことが考えられます。これだけ課税をしますと、課税対象は預金、郵貯、簡保、全部込みですので一千兆を超えますので、二%課税しても二十兆近いお金が入ります。これだけあれば不良債権処理や雇用対策にも使える。
これをやりますと、効果としては課税対象外に資金がシフトします。株、社債、貸出し等にシフトが起きます。銀行も日銀当座預金にお金を置いておくだけでは損になりますので、これは二%税金が掛かりますので、貸出しをして損を避けようとします。企業間信用も、代金を現金で受け取ってしまうと税金が掛かりますから、受け取らなくていいよ、後払いでいいよということになって企業間信用も拡張します。また、不動産投資も、預金を置いておくよりは不動産を買う、あるいは耐久消費財を買うといった形で強力な景気刺激効果があります。もっとも、問題点としては、二%政府保証の金融資産に課税をするということは、ムーディーズからパーシャルデフォルト、部分デフォルトではないかと言われるかもしれませんが、それはやむを得ないと考えております。
いずれにしましても、デフレを放置したままでは、公的資金の銀行への注入というのは、公的資本と呼ぶべきではなく補助金の注入と言うべきであって、毎年三、四兆、銀行にお金を上げ続ければやっていけますが、それは銀行部門を国有化することと同じだと考えております。
以上です。
この発言だけを見る →今日は、二つの資料、「デフレ下の金融再生について」という三枚紙の資料と、図表集、財政金融委員会説明資料と、この両方を使って説明させていただきたいと思います。
まず、金融再生プログラムの評価ですけれども、竹中大臣による金融再生プログラムは方向としては正しい方向にあると。不良債権の引き当て強化、それから銀行の自己資本からの繰延税金資産の排除、銀行への公的資金の注入は、銀行の健全化に必要な措置だと考えております。
しかし、仮にこの再生プログラムを完全に実施したとしても、金融再生はできないと判断しております。これは、現在のようなデフレの下では、貸出し先企業の業況悪化が激しく、仮に不良債権を一時的に全部ゼロにしたとしても、また新たに不良債権が発生してしまうということにあります。
公的資本で健全化をしたとしても、銀行に資本を注入して公的資本で健全化したとしても、不良債権償却の純利益計上を義務付ければ、不良債権をしっかり償却して利益を上げろというふうに強制すれば、銀行の場合は、将来の貸倒れリスク、貸倒れ損失に見合った金利を設定せざるを得ない。そうなりますと、平均金利で、現在一・八%前後のところにありますが、一%は金利を上げる必要がある。
大企業向けに金利を上げることは実際上不可能でございます。大企業は資本市場に逃げられるわけですが、こうなりますと、中堅・中小企業向けの貸出し金利を一・五、二%といった幅で引き上げないといけない。そうなりますと、現在のようなデフレで売上げが減っていく中では、中堅・中小企業は耐え切れません。こういったことを考えますと、デフレを止めないことには金融再生はできないというふうに私は考えております。
資料を一枚めくっていただきますと、アメリカの大恐慌のときと日本の物価の動向の比較の図がございます。上の緩やかに右下がりになっている線が日本の物価でございまして、日本の物価は上の目盛りにありますように九四年がピークでして、現状、もうピーク比八%前後下がったところにあります。アメリカのデフレの方ははるかに厳しいものがありましたが、当時は農産物価格が六割以上低下しておりまして、この物価下落の半分は農産物の下落。そうしますと、残った部分の非農産物の下落のペース、幅ということから考えましても、日本のデフレというのは相当厳しいということが言えます。
一枚めくっていただきますと、前年比でGDPデフレーターを書いてございます。下の点線でございます。これを見て分かりますように、九五年以降ずっとデフレが続いております。現状、前年比一・八%ということで、いまだにデフレが続いているという状況であります。
では、デフレはなぜこんなに続くのかというわけですけれども、デフレの原因について、どんなマクロ経済学の教科書を見ていただいても分かりますけれども、基本的には需給ギャップがデフレを決めるということであります。デフレギャップがありますと、インフレ率は徐々に低下していってゼロになります。さらにゼロからマイナスになって徐々にデフレが加速していきます。これに対して、インフレギャップがあればデフレ率は徐々に小さくなってゼロに達し、インフレギャップが続けば徐々に物価が上がっていくということになります。
現在のように需給ギャップが非常に大きくて、大体私は七%前後、三十五兆円前後のデフレギャップがあると考えておりますが、この程度のデフレギャップがありますと、デフレ率は悪化しこそすれ改善する見通しは全くありません。
現在、日銀政策委員会あるいは経済財政諮問会議、IMF、OECD、その他いろんな研究機関が日本経済の見通しを出しております。その見通しを見ますと、必ずデフレ率は小さくなって、プラスになっていくという見通しを出しております。この根拠は私は全くないと考えております。これは、個別に私も全部議論しておりますが、IMF、OECDのエコノミストが日本に来るときに私もよく会いますけれども、詰め寄って本当にこれは根拠がありますかと言うと、根拠は全くないわけです。あるいは経済財政諮問会議についても、私も友人もおりますので直接話を聞いても、あれは竹中大臣がフリーハンドで書いたんじゃないですかと言っても答えられない状態にあります。
つまり、要は希望的観測にすぎない。その希望的観測にのっとって経済政策をしているので、いつまでたってもデフレが止まらない、こういう状況にあります。私は、基本的に危機感が足りないということでありまして、危機感が本当に目の前に現れない限り何もしないというところに大きな問題があると考えております。
次に、不良債権の正常化についてお話ししたいと思います。
政府は不良債権処理をデフレ対策の柱に掲げてきましたけれども、この根底には、日本経済のデフレの要因が不良債権にあり、その処理を促進して銀行を再生すれば不況脱却が可能になるという考え方があると思います。私は、これは間違っていると考えます。因果関係は、もちろん不良債権処理が遅れているので、ゾンビ企業と言われておりますが、赤字を出し続けても、安値で売って営業を継続する企業があるからデフレが悪化するという面はもちろんありますが、より大きな因果関係は、不況でデフレが悪化しているから企業がどんどん悪化していく、そのためにゾンビ企業が増えてしまって更にデフレが悪化する、こちらの方向にあるというふうに考えております。
このために、銀行の収益を見てみますと、図表の三枚目をごらんください。これは全国銀行協会が発表している収益の数字を分かりやすく直しただけでございます。一番上の資金運用差益というのは、銀行全部、これは全国銀行の受取利息と受取配当から支払金利を除いたもの、これが十兆弱、二〇〇一年度で九・八兆円です。その他差益といいますのは、それ以外の収益全部から株と不動産の損益を除いたもの、つまり株式、不動産の損益以外のすべての収益が三・一兆円。これが手数料収入や為替、債券、ボンドのディーリング益などになります。合計で十三兆円ぐらいの収益力があるわけですが、これに対して経費の方は、ピーク九七年の八兆円から、現在七兆円まで、リストラで一兆円ぐらい下がっております。この差額を見ますと、大体粗利益が六兆円、まあ五、六兆円、これが業務純益に当たりまして、これで償却しなきゃいかぬわけです。
その次の行、償却する額。これは不良債権の損失を全部足したものでございまして、売却損、引き当て、それから償却、全部含みます。この数字と粗利益を比べていただきますと、業務損益(F)というところですが、九三年度以降ずっとマイナスが続いております。つまり、この八年間、一年たりとも本当の利益を上げたことはないと。時々利益を出しているように見せておりますが、株や不動産の益出しによるものであります。
このために、銀行部門の再生は無理であって、このデフレが続く限りは不良債権損失はこの程度、過去三年平均七兆とか八兆とかいう金額が出てくる可能性が極めて高い。
そうしますと、業務利益を上げる以外にないわけですが、一つはリストラでありまして、これまでもやってきておりますが、これを強化というのがあります。ただし、不良債権処理というのは非常に人手が掛かります。正常債権だけであればほっておけば利益が上がるわけですが、不良債権の償却には相当の人手が掛かります。また、コンピューターシステムも、この前のみずほの事件で明らかなように、投資が不足しております。
こうなりますと、銀行が利益を上げるためには、リストラもありますが、貸出し金利を上げざるを得ない。私は、貸出し金利を一%ぐらい上げて、現在貸出し額が五百兆ありますので、あと四、五兆円、まあ五兆円ぐらいの新たな利益を出してこれを償却していけば銀行は利益が出せますので、銀行株も上がって自ら増資ができるという正常な状況に持っていくことが可能です。
ところが、貸出し金利を上げる場合に、大企業から取れるわけがありませんので、中堅・中小企業向けの貸出し金利を上げざるを得ない。そうなると、このデフレではもたないということになります。私は、デフレを脱却しなければ金融再生は不可能だと考えております。
では、どうしたらデフレから出られるかというわけでございますが、最後の三ページになります。
現在のようなデフレギャップ、三十五兆円というデフレギャップがありますと、このデフレギャップを埋めるために仮に公共投資をやろうとしますと、ケインズ乗数は大体一・四から一・五ぐらいでございます。そうしますと、二十兆を超す公共投資を新たに追加して、その水準を何年か続けるというぐらいのことが必要です。これはとてももたないと思います。
では、減税でやるということになりますと、減税の乗数効果は大体一ぐらいでございます。減税しても直接使われるのはその六割かそこらでございまして、それが波及効果を生んでもせいぜい一ぐらい。そうしますと、三十五兆円のギャップを埋めようと思いますと三十五兆円の減税、所得税と法人税全廃しても足りないぐらいということになります。これはとてもできない。現在の状況で仮にGDP比一%の五兆円程度の先行減税をやっても焼け石に水だというふうに考えております。
こうなると、何ができるかですけれども、やはり尋常でない政策を取らざるを得ない。現在は、私は既にバブル、マイナスのバブルだと考えております。
これはどういうことかといいますと、不動産や株式を売って預金や現金、国債に換えるという動きが続いております。預金や現金、国債に移すという背景は、政府の保証があるからということで安心しているわけです。ところが、政府の信用力はといいますと、税収がどんどん減っておりまして、今年もう相当の歳入欠陥が見込まれております。こうなりますと、本来信用がどんどん減っているものに人々はどんどん金を移している。これは維持不可能でございますのでバブルだということになります。
この現金、預金、国債に資金をシフトするというバブルをつぶす方法としては、二つの考え方があり得ます。
一つは、インフレターゲットを設定して日本銀行が大量に上場投資信託、ETF、TOPIX連動のETFを大量に買い入れる、あるいはREITを大量に買い入れる、これが一つのやり方でございます。もう一つは、これをやってもデフレが止まらない場合は、バブルの対象に課税するということが考えられます。つまり、政府が保証しているすべての金融資産、現金、預金、国債、地方債といったものに対して、デフレ率プラスアルファでデフレが続く限り課税を行うと宣言することです。現状であれば二%程度の課税を行うことが考えられます。これだけ課税をしますと、課税対象は預金、郵貯、簡保、全部込みですので一千兆を超えますので、二%課税しても二十兆近いお金が入ります。これだけあれば不良債権処理や雇用対策にも使える。
これをやりますと、効果としては課税対象外に資金がシフトします。株、社債、貸出し等にシフトが起きます。銀行も日銀当座預金にお金を置いておくだけでは損になりますので、これは二%税金が掛かりますので、貸出しをして損を避けようとします。企業間信用も、代金を現金で受け取ってしまうと税金が掛かりますから、受け取らなくていいよ、後払いでいいよということになって企業間信用も拡張します。また、不動産投資も、預金を置いておくよりは不動産を買う、あるいは耐久消費財を買うといった形で強力な景気刺激効果があります。もっとも、問題点としては、二%政府保証の金融資産に課税をするということは、ムーディーズからパーシャルデフォルト、部分デフォルトではないかと言われるかもしれませんが、それはやむを得ないと考えております。
いずれにしましても、デフレを放置したままでは、公的資金の銀行への注入というのは、公的資本と呼ぶべきではなく補助金の注入と言うべきであって、毎年三、四兆、銀行にお金を上げ続ければやっていけますが、それは銀行部門を国有化することと同じだと考えております。
以上です。
柳
鬼
鬼追明夫#9
○参考人(鬼追明夫君) 整理回収機構の鬼追でございます。
では、早速でございますが、私の方からは整理回収機構、RCCの業務の概要につきまして御説明を申し上げまして、十月末に発表されました総合対策あるいは金融再生プログラムの御議論の御参考に供したいと、かように存じます。
お手元に「譲受債権および回収の状況」と題する書面を始め五枚紙が配付されていようかと思いますが、適宜御参照いただきたいと存じます。
それでは、まず組織から御説明をさせていただきます。
御案内のとおり、平成十一年四月一日に住宅金融債権管理機構と整理回収銀行とが合併して株式会社整理回収機構という組織になりました。現在の役職員数はこの十月一日現在で二千四百十九名でございまして、合併時に比べますと約二百名弱減少いたしております。できる限り組織のスリム化を図りたいというところからそういった結果になったものでございます。このうち、役員数は、監査役三名を含めまして十三名でございます。回収拠点は全国に四十三か所の拠点を配置してございまして、北は北海道旭川から南は沖縄県那覇市に至るまで、全国四十三か所で債権回収あるいは企業再生のビジネスに取り組んでいるわけでございます。資本金は二千百二十億に及んでおりまして、これは預金保険機構一社の全額出資ということになってございます。
次に、譲受け資産及び回収の状況について御説明を申し上げたいと思いますが、時間の関係で、住専勘定及び、私どもではRCB勘定と申しておりまして、破綻金融機関から資産譲受けをいたしましてその回収をしておりますが、これをRCB勘定と称しております。これは、お手元の資料をごらんいただきまして、もし御不明の点等ございましたら後で御質問をいただきたいと、かように存じます。
したがいまして、譲受け債権及び回収の状況につきましては、最近特に問題になっております金融再生法五十三条による健全金融機関からの不良債権の買取り状況等について御説明を申し上げたいと思います。
この五十三条勘定と申しますのは、平成十年十月の金融再生法の制定によりまして、健全金融機関から不良債権を買い取ると、こういうことになったものでございます。当初、二年間の時限立法でございましたけれども、平成十三年六月に三年間の延長が行われたことは御承知のとおりでございます。平成十四年九月までの買取り額は、元本ベースで申し上げまして一兆九千九百三十五億円、買取り価格が一千四百三十九億円でありまして、同月時点での回収率はもう既に四〇・九%に達しております。五十三条勘定の買取り対象債権は、表の脚注の2に記してございますように、「原則として、破綻懸念先、実質破綻先又は破綻先に区分される債務者に対する貸出金」、こういうことになってございます。
したがいまして、平成十一年四月一日からの金融再生法五十三条の買取りの破綻懸念先の比率が六・一%ということでございまして、したがいまして九三・九%、これは実質破綻及び破綻先債権を私どもは買い取っていると、こういうことになろうかと思います。
この金融再生法は、実は平成十四年一月十一日に改正が施行されました。その改正のポイントは、これも御高承のとおりでございますが、改めて確認をさせていただきますと、次の四点でございます。
一つは、買取り価格を時価とする価格決定方式の弾力化、あわせて、相対の買取りに加えて入札参加を可能とした、これがまず第一のポイントでございます。
第二のポイントは、回収期間の短縮化ということでございまして、預金保険機構とのこれまで回収委託で、特にRCB勘定では五年間をめどとされておりましたけれども、あるいは五十三条につきましても五年間ということで預金保険機構との間で回収委託協定を結んでおりましたが、改正法によりまして、「当該資産の買取りから可能な限り三年を目途として回収又は譲渡その他の処分を行うよう努めること。」と、このようにされました。
三番目の改正ポイントは、処分方法の多様化ということでございまして、回収に加え、債権譲渡その他の処分も行うこととされました。
四番目は、今大変議論になっております企業再生という新たな機能の付与あるいは機能の強化ということでございまして、債務者の再生の可能性を早期に見極めて、その可能性のある債務者については速やかなる再生に努めることと、このようにされたわけでございます。
こういった改正を踏まえまして、私どもの業務内容が拡充強化されたわけでございますが、まず一番目に、金融再生法改正による買取り価格変更の影響について御報告を申し上げたいと思います。
二枚目の表をごらんいただきますと、法改正によりまして買取り価格が適正な、これまでの改正前は適正な価格、つまり二次ロス防止のための適正価格ということになっておりましたものが弾力化をされまして時価となりました。それに対しまして、元本に対する買取り価格が著しく伴いまして高くなってきておりまして、法改正前の元本対買取り価格の比率が三・七%でありましたものが、法改正後は一一・四%と、ほぼ三倍になっております。ただこれは、価格が上がったということと、健全行さんが私どもにお持ち込みいただく、あるいはビッドにお招きいただく債権の質が、時価で買い取ってもらえるという期待からそれに相応する債権に変わってきたと、この二つが原因となっているように考えられます。
また、買取り元本の方は、法改正前の三十三か月間での買取り元本一兆七百六十八億円に比べまして、法改正後の九か月間で、信託を含めますと一兆三千百六十五億円となっておりまして、法改正前の四倍以上のスピードといいましょうかペースで買い取ることが現在はできております。
次に、処分方法の多様化を私どもはどのように実践いたしておるかと申しますと、処分方法の多様化としての流動化、証券化につきましては、昨年九月に信託兼営の認可を得ておりまして、この信託にも積極的に取り組んでおりますが、こういったものを活用しながら不動産の証券化二件、これは売却価格で八百億であります。信託機能を活用した不良債権の証券化四件、これは五千六百九十七億円の証券化、元本ベースでございますが、いたしております。さらに、債権の売却は四十件で三千九百七十二億円ということになっておりまして、既に元本ベースで一兆円を超える規模の処分をいたしております。
三番目には、企業再生に関してでございますが、平成十四年一月十一日の改正金融再生法の施行に先立ちまして、我が社におきましては昨年十一月一日、御記憶にまだ新しいかと思いますが、改革先行プログラムが十月の下旬に発表されておりましたが、それを受けまして企業再生本部を発足させました。この本部には四名の役員を担当役員として配置いたしますとともに、企業再生部を設置いたしまして、当初は五十名体制でスタートしたところでございます。現在ではこれが百三十名体制ということに拡充をいたしております。
そして、これまでの既存案件及び健全行から買い取っていく債権、そういった中で再生の可能性のある案件につきましては、この再生本部に企業再生検討委員会なるものを設けまして、我が社の役職員だけではございませんで、外部から、例えば監査法人から、あるいはまた学者の先生方、あるいは弁護士、会計士の人たち等もお招きをいたしまして、企業再生の可否を検討した上で、そこでの御意見等を参考にして再生に踏み切るべきものは踏み切ると、こういうようなことにいたしてございます。
また、この委員会の設置に合わせまして、企業再生検討委員会の顧問という形で外部の方三名、つまりこれは経済人の方、学者の方、それに報道人の方三名をお迎えいたしまして、更に外部の御意見なども十分拝聴するということによって私どもの判断の客観性を持たせたいと、このように考えて、現在その体制で再生ビジネスに取り組んでおります。
そこで、企業再生案件の状況ということでございますが、企業再生と申しますと大変耳障りがよろしゅうございますけれども、実際に企業再生ということはどういうことですかということになりますと、人によってまちまちでございます。最終的には恐らく、債務超過企業であるならば債務超過の状態を脱却して利益を生み出すような、そういった企業を目指すということが再生の方向であろうかと思いますが、私どもは、民事再生法でございますとかあるいは会社更生法の目的規定の定め方を参考にいたしまして、企業再生というのは、企業の再生計画が策定され、その計画について債権者の全部若しくは多数の賛同を得られて、この計画に沿って動き出すことが主要な要件であろうと考えておりまして、私どものこのお手元に配付しました表の中で、既に取組済みの案件として八十七件の再生案件を数えておりますが、何だ、たったそれだけかと言われる方もいらっしゃるのですが、申し上げましたように、私どもが譲り受けております債権が破綻懸念先以下の債権であるということ、さらにまた、企業再生とは何ぞやということについて、私どもは私どもなりの一つの定義と申しましょうか、こういうものを企業再生と言うんですと。ただ債権放棄をしたり、あるいは債権を売却したり、つまり事業の継続を、債務者の事業継続を認容しているだけでは必ずしも再生とは言い難いというようなところから、そういう考えでカウントをいたしております。
債務者に事業の継続を認めながら債権を回収していきますタイプは、こういった企業再生によって回収するほかに、条件の変更をする、あるいは債権を一部放棄する、あるいは債権の売却、他に売却をする、あるいは他の債権者が申立てをした、例えば民事再生の申立てでありますとかあるいは会社更生の申立てについて協力をしていくと、こういうような類型があろうかと思います。
私どもの企業再生としてカウントいたしておりますのは、先ほど申し上げました要件のほかに、私どもが指導的にそういうことを働き掛けた、債務者をそちらの方向に向けて誘導していったというような件数でカウントをいたしております。
私ども、そういった企業再生ビジネスに関しましては、ファンドとのタイアップ、あるいはファンドを言うならば形成する、そういったことがどうしても不可欠のことになるであろうと、このように考えております。したがいまして、企業再生ファンド等との連携強化、あるいは信託機能の活用というものを行いまして、今後とも企業再生を積極的に進めてまいりたいと思っておりますし、現に金融機関あるいは外資等とタイアップいたしまして、RCC企業再編ファンドというニックネームのファンドをもう既に立て上げをいたしました。あるいはまた、銀行がお作りになっていらっしゃるサービサーとタイアップをいたしましてこのファンドを活用していこうと、こういったことも視野に入れているわけでございます。
もっとも、このファンドを活用して企業再生ビジネスあるいはサービサービジネスを進めていくということは、日本では比較的新しい手法といいましょうか、そういったものでございますので、今後とも精力的にそういうことに取り組んでまいりたいと、このように存じております。
以上、私どもの活動につきまして概略御説明を申し上げたところでございますが、最後に、今度のデフレ対応策における構想の具体的な内容については定かには承知しておりませんが、書面で見る限り、産業再生機構の設立が現在準備中でございます。私どもは、今申し上げましたように、私どもの守備範囲は破綻懸念先以下の債権について回収あるいは企業再生というビジネスに取り組んでいるわけでございまして、この総合対策を拝見いたしますと、産業再生機構といいますのは、要管理先債権について、しかも準メーン行以下の債権を買い取る、そして再生ビジネスに取り組むと、こういうふうにお書きになっていらっしゃるわけでございますので、私どもの言うならば役割分担は、一応今後の御議論をいただく場合には明確にしていただいた方がよろしくはないだろうかと、こういったことを考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
以上でございます。
この発言だけを見る →では、早速でございますが、私の方からは整理回収機構、RCCの業務の概要につきまして御説明を申し上げまして、十月末に発表されました総合対策あるいは金融再生プログラムの御議論の御参考に供したいと、かように存じます。
お手元に「譲受債権および回収の状況」と題する書面を始め五枚紙が配付されていようかと思いますが、適宜御参照いただきたいと存じます。
それでは、まず組織から御説明をさせていただきます。
御案内のとおり、平成十一年四月一日に住宅金融債権管理機構と整理回収銀行とが合併して株式会社整理回収機構という組織になりました。現在の役職員数はこの十月一日現在で二千四百十九名でございまして、合併時に比べますと約二百名弱減少いたしております。できる限り組織のスリム化を図りたいというところからそういった結果になったものでございます。このうち、役員数は、監査役三名を含めまして十三名でございます。回収拠点は全国に四十三か所の拠点を配置してございまして、北は北海道旭川から南は沖縄県那覇市に至るまで、全国四十三か所で債権回収あるいは企業再生のビジネスに取り組んでいるわけでございます。資本金は二千百二十億に及んでおりまして、これは預金保険機構一社の全額出資ということになってございます。
次に、譲受け資産及び回収の状況について御説明を申し上げたいと思いますが、時間の関係で、住専勘定及び、私どもではRCB勘定と申しておりまして、破綻金融機関から資産譲受けをいたしましてその回収をしておりますが、これをRCB勘定と称しております。これは、お手元の資料をごらんいただきまして、もし御不明の点等ございましたら後で御質問をいただきたいと、かように存じます。
したがいまして、譲受け債権及び回収の状況につきましては、最近特に問題になっております金融再生法五十三条による健全金融機関からの不良債権の買取り状況等について御説明を申し上げたいと思います。
この五十三条勘定と申しますのは、平成十年十月の金融再生法の制定によりまして、健全金融機関から不良債権を買い取ると、こういうことになったものでございます。当初、二年間の時限立法でございましたけれども、平成十三年六月に三年間の延長が行われたことは御承知のとおりでございます。平成十四年九月までの買取り額は、元本ベースで申し上げまして一兆九千九百三十五億円、買取り価格が一千四百三十九億円でありまして、同月時点での回収率はもう既に四〇・九%に達しております。五十三条勘定の買取り対象債権は、表の脚注の2に記してございますように、「原則として、破綻懸念先、実質破綻先又は破綻先に区分される債務者に対する貸出金」、こういうことになってございます。
したがいまして、平成十一年四月一日からの金融再生法五十三条の買取りの破綻懸念先の比率が六・一%ということでございまして、したがいまして九三・九%、これは実質破綻及び破綻先債権を私どもは買い取っていると、こういうことになろうかと思います。
この金融再生法は、実は平成十四年一月十一日に改正が施行されました。その改正のポイントは、これも御高承のとおりでございますが、改めて確認をさせていただきますと、次の四点でございます。
一つは、買取り価格を時価とする価格決定方式の弾力化、あわせて、相対の買取りに加えて入札参加を可能とした、これがまず第一のポイントでございます。
第二のポイントは、回収期間の短縮化ということでございまして、預金保険機構とのこれまで回収委託で、特にRCB勘定では五年間をめどとされておりましたけれども、あるいは五十三条につきましても五年間ということで預金保険機構との間で回収委託協定を結んでおりましたが、改正法によりまして、「当該資産の買取りから可能な限り三年を目途として回収又は譲渡その他の処分を行うよう努めること。」と、このようにされました。
三番目の改正ポイントは、処分方法の多様化ということでございまして、回収に加え、債権譲渡その他の処分も行うこととされました。
四番目は、今大変議論になっております企業再生という新たな機能の付与あるいは機能の強化ということでございまして、債務者の再生の可能性を早期に見極めて、その可能性のある債務者については速やかなる再生に努めることと、このようにされたわけでございます。
こういった改正を踏まえまして、私どもの業務内容が拡充強化されたわけでございますが、まず一番目に、金融再生法改正による買取り価格変更の影響について御報告を申し上げたいと思います。
二枚目の表をごらんいただきますと、法改正によりまして買取り価格が適正な、これまでの改正前は適正な価格、つまり二次ロス防止のための適正価格ということになっておりましたものが弾力化をされまして時価となりました。それに対しまして、元本に対する買取り価格が著しく伴いまして高くなってきておりまして、法改正前の元本対買取り価格の比率が三・七%でありましたものが、法改正後は一一・四%と、ほぼ三倍になっております。ただこれは、価格が上がったということと、健全行さんが私どもにお持ち込みいただく、あるいはビッドにお招きいただく債権の質が、時価で買い取ってもらえるという期待からそれに相応する債権に変わってきたと、この二つが原因となっているように考えられます。
また、買取り元本の方は、法改正前の三十三か月間での買取り元本一兆七百六十八億円に比べまして、法改正後の九か月間で、信託を含めますと一兆三千百六十五億円となっておりまして、法改正前の四倍以上のスピードといいましょうかペースで買い取ることが現在はできております。
次に、処分方法の多様化を私どもはどのように実践いたしておるかと申しますと、処分方法の多様化としての流動化、証券化につきましては、昨年九月に信託兼営の認可を得ておりまして、この信託にも積極的に取り組んでおりますが、こういったものを活用しながら不動産の証券化二件、これは売却価格で八百億であります。信託機能を活用した不良債権の証券化四件、これは五千六百九十七億円の証券化、元本ベースでございますが、いたしております。さらに、債権の売却は四十件で三千九百七十二億円ということになっておりまして、既に元本ベースで一兆円を超える規模の処分をいたしております。
三番目には、企業再生に関してでございますが、平成十四年一月十一日の改正金融再生法の施行に先立ちまして、我が社におきましては昨年十一月一日、御記憶にまだ新しいかと思いますが、改革先行プログラムが十月の下旬に発表されておりましたが、それを受けまして企業再生本部を発足させました。この本部には四名の役員を担当役員として配置いたしますとともに、企業再生部を設置いたしまして、当初は五十名体制でスタートしたところでございます。現在ではこれが百三十名体制ということに拡充をいたしております。
そして、これまでの既存案件及び健全行から買い取っていく債権、そういった中で再生の可能性のある案件につきましては、この再生本部に企業再生検討委員会なるものを設けまして、我が社の役職員だけではございませんで、外部から、例えば監査法人から、あるいはまた学者の先生方、あるいは弁護士、会計士の人たち等もお招きをいたしまして、企業再生の可否を検討した上で、そこでの御意見等を参考にして再生に踏み切るべきものは踏み切ると、こういうようなことにいたしてございます。
また、この委員会の設置に合わせまして、企業再生検討委員会の顧問という形で外部の方三名、つまりこれは経済人の方、学者の方、それに報道人の方三名をお迎えいたしまして、更に外部の御意見なども十分拝聴するということによって私どもの判断の客観性を持たせたいと、このように考えて、現在その体制で再生ビジネスに取り組んでおります。
そこで、企業再生案件の状況ということでございますが、企業再生と申しますと大変耳障りがよろしゅうございますけれども、実際に企業再生ということはどういうことですかということになりますと、人によってまちまちでございます。最終的には恐らく、債務超過企業であるならば債務超過の状態を脱却して利益を生み出すような、そういった企業を目指すということが再生の方向であろうかと思いますが、私どもは、民事再生法でございますとかあるいは会社更生法の目的規定の定め方を参考にいたしまして、企業再生というのは、企業の再生計画が策定され、その計画について債権者の全部若しくは多数の賛同を得られて、この計画に沿って動き出すことが主要な要件であろうと考えておりまして、私どものこのお手元に配付しました表の中で、既に取組済みの案件として八十七件の再生案件を数えておりますが、何だ、たったそれだけかと言われる方もいらっしゃるのですが、申し上げましたように、私どもが譲り受けております債権が破綻懸念先以下の債権であるということ、さらにまた、企業再生とは何ぞやということについて、私どもは私どもなりの一つの定義と申しましょうか、こういうものを企業再生と言うんですと。ただ債権放棄をしたり、あるいは債権を売却したり、つまり事業の継続を、債務者の事業継続を認容しているだけでは必ずしも再生とは言い難いというようなところから、そういう考えでカウントをいたしております。
債務者に事業の継続を認めながら債権を回収していきますタイプは、こういった企業再生によって回収するほかに、条件の変更をする、あるいは債権を一部放棄する、あるいは債権の売却、他に売却をする、あるいは他の債権者が申立てをした、例えば民事再生の申立てでありますとかあるいは会社更生の申立てについて協力をしていくと、こういうような類型があろうかと思います。
私どもの企業再生としてカウントいたしておりますのは、先ほど申し上げました要件のほかに、私どもが指導的にそういうことを働き掛けた、債務者をそちらの方向に向けて誘導していったというような件数でカウントをいたしております。
私ども、そういった企業再生ビジネスに関しましては、ファンドとのタイアップ、あるいはファンドを言うならば形成する、そういったことがどうしても不可欠のことになるであろうと、このように考えております。したがいまして、企業再生ファンド等との連携強化、あるいは信託機能の活用というものを行いまして、今後とも企業再生を積極的に進めてまいりたいと思っておりますし、現に金融機関あるいは外資等とタイアップいたしまして、RCC企業再編ファンドというニックネームのファンドをもう既に立て上げをいたしました。あるいはまた、銀行がお作りになっていらっしゃるサービサーとタイアップをいたしましてこのファンドを活用していこうと、こういったことも視野に入れているわけでございます。
もっとも、このファンドを活用して企業再生ビジネスあるいはサービサービジネスを進めていくということは、日本では比較的新しい手法といいましょうか、そういったものでございますので、今後とも精力的にそういうことに取り組んでまいりたいと、このように存じております。
以上、私どもの活動につきまして概略御説明を申し上げたところでございますが、最後に、今度のデフレ対応策における構想の具体的な内容については定かには承知しておりませんが、書面で見る限り、産業再生機構の設立が現在準備中でございます。私どもは、今申し上げましたように、私どもの守備範囲は破綻懸念先以下の債権について回収あるいは企業再生というビジネスに取り組んでいるわけでございまして、この総合対策を拝見いたしますと、産業再生機構といいますのは、要管理先債権について、しかも準メーン行以下の債権を買い取る、そして再生ビジネスに取り組むと、こういうふうにお書きになっていらっしゃるわけでございますので、私どもの言うならば役割分担は、一応今後の御議論をいただく場合には明確にしていただいた方がよろしくはないだろうかと、こういったことを考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。
以上でございます。
柳
柳田稔#10
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
田
田村耕太郎#11
○田村耕太郎君 新入生の田村でございます。新入生であることもありまして的外れな質問をするかもしれませんが、どうか御容赦いただければと思います。
今日は御多忙の中、三人の参考人の先生方におかれましては、わざわざお越しいただきましてありがとうございます。先生方の日本経済活性化に向けてのお考えや御活躍、興味深くお聞きさせていただきました。
今度は、先月末に出された総合デフレ対策に対して先生方の御意見やいろんな議論をお聞かせいただければと思います。
先月末に出された総合デフレ対策を概観させていただきまして、個人的な見解なんですが、金融再生と産業再生を同時にやっていこうという、こういう姿勢は評価されるべきではないかと感じます。ただ、全体のトーンを見ますと、金融再生ができて初めて産業再生ができると、どちらかといいますと金融再生先行論みたいなトーンが反映されているのではないかと感じます。私は、大した知識も経験もないんですが、直観的に逆ではないかなと感じております。産業再生ができて初めて金融再生が可能ではないか。今の日本は資本不足で苦境に陥っているのではなくて、資本余剰で苦境に陥っているのだと思います。あとは企業がどうやって元気になるかだと思うんですが、やはり企業が厳しく規律のある経営をしながらも、投資機会をしっかり見付けて、そこに参入していって、消費者が喜ぶ商品やサービスをしっかり提供して、経済全体の将来性と付加価値が高まって初めてバランスシートがきれいにできるのではないかと思います。
私はこの産業再生に期待しています。この産業再生の在り方についてちょっとお伺いしたいと思います。その中でも産業再生機構に対する評価をお伺いしたいと思います。
現行制度の下では不十分だということでこういう新しい枠組みが作られたんだと思いますが、現行制度を見ましても、我が国には世界に冠たる民事再生法や、今国会で抜本改正案が出されていますけれども会社更生法、この抜本改正案も早期適用、事業再生を目的に作られているんですが、この法制度、そして産業再生機構さんがこれからお探しになるであろう日本全国にこの苦境下でも立派に経営されている経営者。法制度も経営者もしっかりいる。何が不十分でこの制度が、産業再生機構というものなんですが、必要となったのか、私は少し疑問なんですが、現行制度、これからの日本経済の置かれるであろう状況を勘案しまして、産業再生機構の必要性と意義に関して、三人の参考人の先生方の御意見をお伺いできればと思います。
この発言だけを見る →今日は御多忙の中、三人の参考人の先生方におかれましては、わざわざお越しいただきましてありがとうございます。先生方の日本経済活性化に向けてのお考えや御活躍、興味深くお聞きさせていただきました。
今度は、先月末に出された総合デフレ対策に対して先生方の御意見やいろんな議論をお聞かせいただければと思います。
先月末に出された総合デフレ対策を概観させていただきまして、個人的な見解なんですが、金融再生と産業再生を同時にやっていこうという、こういう姿勢は評価されるべきではないかと感じます。ただ、全体のトーンを見ますと、金融再生ができて初めて産業再生ができると、どちらかといいますと金融再生先行論みたいなトーンが反映されているのではないかと感じます。私は、大した知識も経験もないんですが、直観的に逆ではないかなと感じております。産業再生ができて初めて金融再生が可能ではないか。今の日本は資本不足で苦境に陥っているのではなくて、資本余剰で苦境に陥っているのだと思います。あとは企業がどうやって元気になるかだと思うんですが、やはり企業が厳しく規律のある経営をしながらも、投資機会をしっかり見付けて、そこに参入していって、消費者が喜ぶ商品やサービスをしっかり提供して、経済全体の将来性と付加価値が高まって初めてバランスシートがきれいにできるのではないかと思います。
私はこの産業再生に期待しています。この産業再生の在り方についてちょっとお伺いしたいと思います。その中でも産業再生機構に対する評価をお伺いしたいと思います。
現行制度の下では不十分だということでこういう新しい枠組みが作られたんだと思いますが、現行制度を見ましても、我が国には世界に冠たる民事再生法や、今国会で抜本改正案が出されていますけれども会社更生法、この抜本改正案も早期適用、事業再生を目的に作られているんですが、この法制度、そして産業再生機構さんがこれからお探しになるであろう日本全国にこの苦境下でも立派に経営されている経営者。法制度も経営者もしっかりいる。何が不十分でこの制度が、産業再生機構というものなんですが、必要となったのか、私は少し疑問なんですが、現行制度、これからの日本経済の置かれるであろう状況を勘案しまして、産業再生機構の必要性と意義に関して、三人の参考人の先生方の御意見をお伺いできればと思います。
吉
吉野直行#12
○参考人(吉野直行君) 先ほど私のところは少しマクロのお話をさせていただいたんですけれども、やはり日本の企業の場合には、大手のところは、強いところは海外に出ていく、それから中小企業や中小・中堅企業でも元気なところは中国に出ていくと、こういう形で、一方は強い企業がどんどん出ていっているわけです。その中でいかに日本に新しい産業を呼び込むか、あるいは既存の産業のアクティビティーを上げるかということが私は一番の問題だと思います。
そこにはやはり二つぐらいございまして、一つは、やっぱり研究技術とか、中国などに出ていく産業にないものをやはり日本が作り続けていくと。これは一九六〇年代、七〇年代の日本がずっとやってきたことであります。その意味では、日本のいわゆる特許の数というのはアメリカに次ぐ数であります。ですから、そういういろいろなアイデアがいかに産業に結び付くかと、ここのところが今日本の欠けている問題だと思います。だから、そういう意味では、この産業再生機構のようなところで、やっぱりそういうものとこれまでの既存の産業、うまく結び付けるという意味で働いていただければいいんではないかと思います。
それからもう一つ、これまでは破綻した、RCCの後で御説明あると思いますけれども、再生のメカニズムはなかったわけですから、どうしても不良債権、要注意先になるとそこでもうクローズしてしまうという形だったわけですが、この再生機構のところには、恐らく人材がやっぱりもう一つ非常に重要だと思います。いかに方向として上向きをさせるかといういろいろなアイデアを持った方々の知能の蓄積ということが必要ではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →そこにはやはり二つぐらいございまして、一つは、やっぱり研究技術とか、中国などに出ていく産業にないものをやはり日本が作り続けていくと。これは一九六〇年代、七〇年代の日本がずっとやってきたことであります。その意味では、日本のいわゆる特許の数というのはアメリカに次ぐ数であります。ですから、そういういろいろなアイデアがいかに産業に結び付くかと、ここのところが今日本の欠けている問題だと思います。だから、そういう意味では、この産業再生機構のようなところで、やっぱりそういうものとこれまでの既存の産業、うまく結び付けるという意味で働いていただければいいんではないかと思います。
それからもう一つ、これまでは破綻した、RCCの後で御説明あると思いますけれども、再生のメカニズムはなかったわけですから、どうしても不良債権、要注意先になるとそこでもうクローズしてしまうという形だったわけですが、この再生機構のところには、恐らく人材がやっぱりもう一つ非常に重要だと思います。いかに方向として上向きをさせるかといういろいろなアイデアを持った方々の知能の蓄積ということが必要ではないかと思います。
以上です。
深
深尾光洋#13
○参考人(深尾光洋君) 私は、産業再生機構については相当疑問に思っておりまして、単に不良債権処理の先延ばし機構になる可能性が相当あるのではないかと。あるいは、ちょっと悪い言い方になるかもしれませんが、どさくさに紛れて新たな政府系金融機関を一つ財務省と経済産業省が作ってしまったのではないかというふうに私は疑っております。
塩川大臣が閻魔大王とおっしゃいましたが、企業について本来それを破綻させるかそうでないかというのは、債権者とそれから経営者が話し合って、株主は一回置いておいて、場合によっては経営者を入れ替えた上で判断する。その場合の判断機構としては、本来は裁判所がやるべきことであって、これに政府が直接絡むということはやはり相当意思決定をゆがめる可能性がある。そういう意味では私は非常に問題が多い機構ではないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →塩川大臣が閻魔大王とおっしゃいましたが、企業について本来それを破綻させるかそうでないかというのは、債権者とそれから経営者が話し合って、株主は一回置いておいて、場合によっては経営者を入れ替えた上で判断する。その場合の判断機構としては、本来は裁判所がやるべきことであって、これに政府が直接絡むということはやはり相当意思決定をゆがめる可能性がある。そういう意味では私は非常に問題が多い機構ではないかというふうに考えております。
鬼
鬼追明夫#14
○参考人(鬼追明夫君) 先ほども御説明申し上げましたように、整理回収機構はこれまで、破綻懸念先以下の債権について、再生の可能性のあるものについては必ずしも清算型回収によらずして、再生によって回収をしていく、こういう手法を取ってまいりました。
御承知のように、今、深尾先生もおっしゃいましたけれども、企業再生というのはやはり、その債務者及びその経営者でございますが、と債権者との間で決まる話でございまして、その間の権利の調整というのがうまくいかない場合に裁判所が出掛けて、例えば会社更生手続でありますとか民事再生手続ということで裁判所が関与していくというのが普通のやり方であろうかと。したがいまして、RCCも、企業再生をいたします場合は、我が社から会社更生の申立てをする、あるいは民事再生の申立てをする、あるいは私的整理で各債権者に私どもの考え方をお伝えして御協力をお願いする、こういった形でやっております。
ただ、今回の構想は要管理先ということになっておりまして、私どもにとりましてはいまだ経験したことのない債務者群のそういった再生ビジネスに関することであります。私どもは政府の施策を実行していくそういう組織でございますので、産業再生機構そのものについてとやかく論評することはお許しをいただきたいと思っておりますが、どちらにいたしましても、現在の窮境にある企業を何とか健全な方向に向けていくために成功していただきたいなと、こんなふうに考えております。
この発言だけを見る →御承知のように、今、深尾先生もおっしゃいましたけれども、企業再生というのはやはり、その債務者及びその経営者でございますが、と債権者との間で決まる話でございまして、その間の権利の調整というのがうまくいかない場合に裁判所が出掛けて、例えば会社更生手続でありますとか民事再生手続ということで裁判所が関与していくというのが普通のやり方であろうかと。したがいまして、RCCも、企業再生をいたします場合は、我が社から会社更生の申立てをする、あるいは民事再生の申立てをする、あるいは私的整理で各債権者に私どもの考え方をお伝えして御協力をお願いする、こういった形でやっております。
ただ、今回の構想は要管理先ということになっておりまして、私どもにとりましてはいまだ経験したことのない債務者群のそういった再生ビジネスに関することであります。私どもは政府の施策を実行していくそういう組織でございますので、産業再生機構そのものについてとやかく論評することはお許しをいただきたいと思っておりますが、どちらにいたしましても、現在の窮境にある企業を何とか健全な方向に向けていくために成功していただきたいなと、こんなふうに考えております。
田
田村耕太郎#15
○田村耕太郎君 ありがとうございました。
二番目に、事業再生と産業再生という概念についてお伺いしたいと思います。
総合デフレ対策をよく読ませていただいたんですが、この中で事業再生という言葉と産業再生という言葉が混同されて使っているような感じを受けました。ミクロとマクロの問題にすぎないという側面もあるんですが、今の日本経済の現状では、厳密に言えばこの二つの考えには一線を画すべき、相対立すべき概念ではないかと思います。
産業再生の目的は、先ほども参考人の先生のお話がありましたが、デフレ進行の元凶である産業全体の供給過剰体制の是正が目的であると思うんです。やっぱりまじめにやっている会社がばからしくならないように、債務免除企業がダンピング商法を続ける、こういうものはあってはならないと私は思います。
一方、本業の事業は好調なんですがバランスシートが傷んでいる、こういう企業を救済することが事業再生だと思うんですが、これを行いますと供給過剰体制もモラルハザードも野放しになってしまう。是正されずに残ってしまう。産業の再生にはつながらないと思うんですね。産業の再生と事業の再生、この両立に関して三人の先生方の御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →二番目に、事業再生と産業再生という概念についてお伺いしたいと思います。
総合デフレ対策をよく読ませていただいたんですが、この中で事業再生という言葉と産業再生という言葉が混同されて使っているような感じを受けました。ミクロとマクロの問題にすぎないという側面もあるんですが、今の日本経済の現状では、厳密に言えばこの二つの考えには一線を画すべき、相対立すべき概念ではないかと思います。
産業再生の目的は、先ほども参考人の先生のお話がありましたが、デフレ進行の元凶である産業全体の供給過剰体制の是正が目的であると思うんです。やっぱりまじめにやっている会社がばからしくならないように、債務免除企業がダンピング商法を続ける、こういうものはあってはならないと私は思います。
一方、本業の事業は好調なんですがバランスシートが傷んでいる、こういう企業を救済することが事業再生だと思うんですが、これを行いますと供給過剰体制もモラルハザードも野放しになってしまう。是正されずに残ってしまう。産業の再生にはつながらないと思うんですね。産業の再生と事業の再生、この両立に関して三人の先生方の御意見をお伺いしたいと思います。
吉
吉野直行#16
○参考人(吉野直行君) 今御指摘のように、事業再生はやっぱりミクロ、各企業になりますし、産業というのはそれぞれの業種なりあるいはマクロ的なところになると思います。そういう意味では、マクロ的にまず見ますと、事業あるいは業種に関してどういうところが日本の競争力があるかということだと思います。
私が一番最初に申し上げましたことで、全体的に見ますと製造業というのは日本、アメリカ、それからイギリスともにだんだん一九九〇年代から二〇〇〇年にかけて落ちてきておりまして、だから、そういう意味ではやはり、途上国、特にアジアに負けないような部門での新しい技術による産業再生というのはあり得ると思います。ただ、その産業の中でもやはり金融業という、あるいはサービス業という、そういうセクターの向上というのは是非必要ではないかと思います。
それから、ミクロの再生に関しましては、やはりそれぞれの経営者がいろいろこう一生懸命やられているんですが、それが製品に結び付かない。あるいはどういうところに販売したらいいのか、そういう情報がなかなかない。
よく昔、金融機関の方がおっしゃったんですが、発明家には絶対金を貸すなと、こういう議論があったというわけですね。これは、物は作れると、ところが、どうして販売したらいいか、帳簿の付け方が全く分からない。こういうのが日本の欠点であります。それで、アメリカはどうなっているかといいますと、そういう方がおられますと、そこに一緒にくっ付いて、それをサービスする方が必ずくっ付いてくるわけです。それで新しい事業が再生しますとまた別のところに行くと、こういう形でその専門家がいろいろおられるわけです。
だから、そういう意味では、日本では産業再生の中にもそういうような機能も是非含めていただければと思っております。
この発言だけを見る →私が一番最初に申し上げましたことで、全体的に見ますと製造業というのは日本、アメリカ、それからイギリスともにだんだん一九九〇年代から二〇〇〇年にかけて落ちてきておりまして、だから、そういう意味ではやはり、途上国、特にアジアに負けないような部門での新しい技術による産業再生というのはあり得ると思います。ただ、その産業の中でもやはり金融業という、あるいはサービス業という、そういうセクターの向上というのは是非必要ではないかと思います。
それから、ミクロの再生に関しましては、やはりそれぞれの経営者がいろいろこう一生懸命やられているんですが、それが製品に結び付かない。あるいはどういうところに販売したらいいのか、そういう情報がなかなかない。
よく昔、金融機関の方がおっしゃったんですが、発明家には絶対金を貸すなと、こういう議論があったというわけですね。これは、物は作れると、ところが、どうして販売したらいいか、帳簿の付け方が全く分からない。こういうのが日本の欠点であります。それで、アメリカはどうなっているかといいますと、そういう方がおられますと、そこに一緒にくっ付いて、それをサービスする方が必ずくっ付いてくるわけです。それで新しい事業が再生しますとまた別のところに行くと、こういう形でその専門家がいろいろおられるわけです。
だから、そういう意味では、日本では産業再生の中にもそういうような機能も是非含めていただければと思っております。
深
深尾光洋#17
○参考人(深尾光洋君) 私も、産業再生というよりは事業再生を目指すべきであって、個別企業のレベルでの再生を考えるべきだというふうに考えます。
しかし、仮に破綻させる企業を破綻させたとして、その産業では過剰供給がなくなったとしても、実は人はどんどん余ってくるわけです。こういう意味では、生産設備を削減したところで、マクロで見れば人はどんどん余ってくる、これが雇用を減らして、これによってデフレを悪化させるということについては止めることはできません。
そういう意味で、過剰設備の廃棄あるいは存続不可能な企業の淘汰ということだけをやっても、私はデフレの根本的な解決には全くならないというふうに考えております。
また、政府は産業レベルの再生に口を挟める時代ではないと思っております。現在の役人の水準を考えれば、私は、個別の産業について国がどうのこうの言うという水準を超えているのであって、マクロの環境を整えれば十分であると考えております。
この発言だけを見る →しかし、仮に破綻させる企業を破綻させたとして、その産業では過剰供給がなくなったとしても、実は人はどんどん余ってくるわけです。こういう意味では、生産設備を削減したところで、マクロで見れば人はどんどん余ってくる、これが雇用を減らして、これによってデフレを悪化させるということについては止めることはできません。
そういう意味で、過剰設備の廃棄あるいは存続不可能な企業の淘汰ということだけをやっても、私はデフレの根本的な解決には全くならないというふうに考えております。
また、政府は産業レベルの再生に口を挟める時代ではないと思っております。現在の役人の水準を考えれば、私は、個別の産業について国がどうのこうの言うという水準を超えているのであって、マクロの環境を整えれば十分であると考えております。
鬼
鬼追明夫#18
○参考人(鬼追明夫君) 必ずしも私、専門的に勉強しているものではございませんが、産業再生と事業再生の関係は、仮に事業再生が全件成功しても産業再生は必ずしもうまくいかないという場合があるだろう、また、産業再生が成功したといえども事業再生としてはうまくいかない企業がたくさんあるだろう、そういう関係にあるだろうと。だから、関係は大いに深いんですけれども同じではないというふうに考えております。
この発言だけを見る →田
田村耕太郎#19
○田村耕太郎君 最後の質問なんですが、この十年に出された改革案を全部目を通してみましても一つの傾向が見られます。それはどういうことかといいますと、様々なポイントがあるんですが、昨今言われている不良債権処理策が代表的なんですが、全体的に減点主義の発想で政策が作られているのではないかという気がしてなりません。
私は、企業の経営でもそうですけれども、減点主義からインセンティブ付与主義に移るべきではないかなと思っております。言うことを聞かなければつぶすとか、言うことを聞かなければ退職金やらないとか、言うことを聞かなければ首にするとか、どちらかというと締め付けや管理に基づく発想で政策が作られているような気がするんですが、それよりは、政府が設定した目標をクリアすれば、それを達成すれば、その経営陣にも企業にも銀行にもいいことがある、そういう発想で動機付けを行う、そういう政策をすべきではないかと思うんですが、この点に関して御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →私は、企業の経営でもそうですけれども、減点主義からインセンティブ付与主義に移るべきではないかなと思っております。言うことを聞かなければつぶすとか、言うことを聞かなければ退職金やらないとか、言うことを聞かなければ首にするとか、どちらかというと締め付けや管理に基づく発想で政策が作られているような気がするんですが、それよりは、政府が設定した目標をクリアすれば、それを達成すれば、その経営陣にも企業にも銀行にもいいことがある、そういう発想で動機付けを行う、そういう政策をすべきではないかと思うんですが、この点に関して御意見をお伺いしたいと思います。
柳
田
吉
吉野直行#22
○参考人(吉野直行君) おっしゃるとおりだと思いまして、例えば金融機関の経営でも、リスクを回避した、それから間違いをしなかったと、こういう形の私は人事評価になっていると思います。これが、リスクを取りながら収益をもうけようと、こういう構造がなかなかこれまで日本のいろんな組織で出てこなかったと思います。
ですから、リスク内のパフォーマンスであればそれは認めてあげるということがない限り、日本はどんどんどんどん安全性だけを志向し、収益が志向できなくなると思います。それは政府だけのレベルではありませんで、すべての、私、日本社会にこれまで根付いてきたことだと思いますので、先生のおっしゃるように、いかにリスクを取ったか、それをきちんと評価してあげる制度というのは是非必要だと思います。
この発言だけを見る →ですから、リスク内のパフォーマンスであればそれは認めてあげるということがない限り、日本はどんどんどんどん安全性だけを志向し、収益が志向できなくなると思います。それは政府だけのレベルではありませんで、すべての、私、日本社会にこれまで根付いてきたことだと思いますので、先生のおっしゃるように、いかにリスクを取ったか、それをきちんと評価してあげる制度というのは是非必要だと思います。
深
深尾光洋#23
○参考人(深尾光洋君) 私も金融機関の経営者に対してインセンティブを付与するということは大賛成であります。しかし、やはり破綻した場合には辞めていただく。その場合には退職金出さないというのはむしろ当然ではないかなというふうに思っております。
しかし、これに対して、再生ができた金融機関、仮にいったん国有化されて、それがその後再生ができた経営者に対しては、退職金を単に、勤続年数といいますか、何年平穏にやったかということでボーナスを出すのではなくて、むしろ、いかに利益を上げて国の例えば保有株式の値段を上げたかということに応じて報酬を付けるということが必要なのであって、こういうところのインセンティブというのは非常に大事だというふうに考えております。
この発言だけを見る →しかし、これに対して、再生ができた金融機関、仮にいったん国有化されて、それがその後再生ができた経営者に対しては、退職金を単に、勤続年数といいますか、何年平穏にやったかということでボーナスを出すのではなくて、むしろ、いかに利益を上げて国の例えば保有株式の値段を上げたかということに応じて報酬を付けるということが必要なのであって、こういうところのインセンティブというのは非常に大事だというふうに考えております。
鬼
鬼追明夫#24
○参考人(鬼追明夫君) 私も、我が国の文化の問題として、やっぱり成功したときにいわゆる成功報酬なるものをどう考えるのか、失敗をしたときにはその責任をどう取ってもらうのかということをもう一度考え直すような時期に来ているのではないだろうか。責任ばかりがいたずらに強調をされて、それじゃ成功したときにどうなんですかということになりますと、そちらの方の議論はほとんどないというのが現状であるかのように思いますので、多少そういった文化の曲がり角に来ているのかな、こういう感想を持っております。
この発言だけを見る →田
勝
勝木健司#26
○勝木健司君 民主党の勝木でございます。
参考人のお三方の皆さん、御苦労さんでございます。
そうしたら、限られた時間でありますので質問をさせていただきたいと思いますが、ここ数年の日本の経済は、デフレが新しい不良債権を生んで、そしてまたそれが更にデフレを加速するという悪循環に陥っている状況下にあるというふうに私は思います。
その中で、小泉政府、竹中大臣ともに、まず不良債権処理を行うことがデフレ克服の手段であるとの姿勢を取っておるわけでありますけれども、私は、最初にデフレを克服して新規の不良債権の発生を止めてから不良債権の処理を進めていくという手法もあるんじゃないかと思うわけでございますが、この不良債権問題の解決を先に行うことによって経済再生につなげていくという小泉政権の手法は、本当に今このデフレ経済下の中で適切なんだろうかどうかということについて、吉野参考人と深尾参考人に御見解をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →参考人のお三方の皆さん、御苦労さんでございます。
そうしたら、限られた時間でありますので質問をさせていただきたいと思いますが、ここ数年の日本の経済は、デフレが新しい不良債権を生んで、そしてまたそれが更にデフレを加速するという悪循環に陥っている状況下にあるというふうに私は思います。
その中で、小泉政府、竹中大臣ともに、まず不良債権処理を行うことがデフレ克服の手段であるとの姿勢を取っておるわけでありますけれども、私は、最初にデフレを克服して新規の不良債権の発生を止めてから不良債権の処理を進めていくという手法もあるんじゃないかと思うわけでございますが、この不良債権問題の解決を先に行うことによって経済再生につなげていくという小泉政権の手法は、本当に今このデフレ経済下の中で適切なんだろうかどうかということについて、吉野参考人と深尾参考人に御見解をお聞きしたいと思います。
吉
吉野直行#27
○参考人(吉野直行君) おっしゃいますように、不良債権の処理だけではまた同じことになると思います。一九九九年に八兆円の公的資金が注入されましたが、現在また不良債権が増えているということであります。私は、やはりその不良債権の処理と同時に金融業のいかに収益を上げるかと。これが伴わない限りにはやはりまた同じ問題が起こると思います。
私の考えでは、やはりアジアがこれだけ成長し、そしてそこで収益率が上がるものがあるわけですから、日本の金融機関は、アジアの支店などを閉めるというよりは、むしろリスクを考えながら外に出ていき、その部分でもうかる部分はもうけるということだと思います。
先日、イギリスのバンク・オブ・イングランドの方が日本に来られましたときに、あちらの方が日本の不良債権はどうしてこう増えるんだというお話がございました。そのときに私のお答えは、やはり少し経済が日本の中で縮まっていると。
つまり、景気が悪い日本の中で全額を運用しようという、これがやはり私は間違っていると思います。ですから、資金を集めるのは国内、そして、一部はもちろん日本の企業に貸すわけですが、その残った部分は海外で一番もうかるところで運用し、その収益を日本に持ち帰ると。これによって、やはり不良債権対策と金融業自身の収益が上がることによる活性化につながると思います。
以上です。
この発言だけを見る →私の考えでは、やはりアジアがこれだけ成長し、そしてそこで収益率が上がるものがあるわけですから、日本の金融機関は、アジアの支店などを閉めるというよりは、むしろリスクを考えながら外に出ていき、その部分でもうかる部分はもうけるということだと思います。
先日、イギリスのバンク・オブ・イングランドの方が日本に来られましたときに、あちらの方が日本の不良債権はどうしてこう増えるんだというお話がございました。そのときに私のお答えは、やはり少し経済が日本の中で縮まっていると。
つまり、景気が悪い日本の中で全額を運用しようという、これがやはり私は間違っていると思います。ですから、資金を集めるのは国内、そして、一部はもちろん日本の企業に貸すわけですが、その残った部分は海外で一番もうかるところで運用し、その収益を日本に持ち帰ると。これによって、やはり不良債権対策と金融業自身の収益が上がることによる活性化につながると思います。
以上です。
深
深尾光洋#28
○参考人(深尾光洋君) 私も今の趣旨に全く同感でございまして、不良債権処理を先行させれば、また更に不良債権が多くなってしまうという悪循環に陥ると考えております。
その意味では、デフレ対策を先行させ、その後でといいますか、それをやりながら不良債権処理の方の準備を進めておいて、一気にやるという二段構えの政策が必要だというふうに考えております。
この発言だけを見る →その意味では、デフレ対策を先行させ、その後でといいますか、それをやりながら不良債権処理の方の準備を進めておいて、一気にやるという二段構えの政策が必要だというふうに考えております。
勝
勝木健司#29
○勝木健司君 ありがとうございます。
今回のこの金融再生プログラムは、資産査定の厳格化を進めるなど、ハードランディングを志向したものだと言われておるわけでありますが、果たして主要行に対する影響はどのようなものになると考えられておるのか、また、このプログラムによって平成十六年度までに不良債権が終結すると考えられるのかどうか、また、果たして今回の対策で本当にデフレ経済から脱却できるものかどうかにつきまして、吉野参考人、深尾参考人からそれぞれお聞きしたいと思います。
実現するとすれば、必要な条件があれば、先ほど深尾先生から一部あったわけでありますけれども、お述べいただきたいというふうに思います。それぞれお願いします。
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実現するとすれば、必要な条件があれば、先ほど深尾先生から一部あったわけでありますけれども、お述べいただきたいというふうに思います。それぞれお願いします。