農林水産委員会

2006-05-11 衆議院 全83発言

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会議録情報#0
平成十八年五月十一日(木曜日)
    午後三時三分開議
 出席委員
   委員長 稲葉 大和君
   理事 岡本 芳郎君 理事 梶山 弘志君
   理事 原田 令嗣君 理事 二田 孝治君
   理事 松野 博一君 理事 黄川田 徹君
   理事 山田 正彦君 理事 西  博義君
      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君
      伊藤 忠彦君    小里 泰弘君
      小野 次郎君    金子 恭之君
      近藤 基彦君    佐藤  錬君
      斉藤斗志二君    谷川 弥一君
      中川 泰宏君    並木 正芳君
      丹羽 秀樹君    西村 康稔君
      鳩山 邦夫君    福井  照君
      御法川信英君    渡部  篤君
      岩國 哲人君    岡本 充功君
      小宮山泰子君    神風 英男君
      仲野 博子君    松木 謙公君
      森本 哲生君    石井 啓一君
      菅野 哲雄君    古川 禎久君
      森山  裕君
    …………………………………
   議員           山田 正彦君
   議員           篠原  孝君
   農林水産大臣       中川 昭一君
   農林水産副大臣      宮腰 光寛君
   農林水産大臣政務官    金子 恭之君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 正典君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          小西 孝藏君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長)            岡島 正明君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  西川 孝一君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  井出 道雄君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            山田 修路君
   政府参考人
   (林野庁長官)      川村秀三郎君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           加藤 利男君
   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君
    —————————————
委員の異動
五月十一日
 辞任         補欠選任
  小野 次郎君     小里 泰弘君
  神風 英男君     岩國 哲人君
  松木 謙公君     小宮山泰子君
  丸谷 佳織君     伊藤  渉君
同日
 辞任         補欠選任
  小里 泰弘君     小野 次郎君
  岩國 哲人君     神風 英男君
  小宮山泰子君     松木 謙公君
  伊藤  渉君     石井 啓一君
同日
 辞任         補欠選任
  石井 啓一君     丸谷 佳織君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案(内閣提出第四五号)
 砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案(内閣提出第四六号)
 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
 食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案(山田正彦君外四名提出、衆法第一一号)
     ————◇—————
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稲葉大和#1
○稲葉委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案、砂糖の価格調整に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する等の法律案、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案及び山田正彦君外四名提出、食料の国内生産及び安全性の確保等のための農政等の改革に関する基本法案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官佐藤正典君、大臣官房統計部長小西孝藏君、総合食料局長岡島正明君、生産局長西川孝一君、経営局長井出道雄君、農村振興局長山田修路君、林野庁長官川村秀三郎君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君及び国土交通省大臣官房審議官加藤利男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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稲葉大和#2
○稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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稲葉大和#3
○稲葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田令嗣君。
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原田令嗣#4
○原田(令)委員 自由民主党の原田令嗣です。
 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律案について、まず伺いたいと思います。
 我が国の農業は、多様な形で行われているばかりでなく、まさに多様な役割を担っています。そのために、経営安定新法の実施とともに、農地・水・環境保全向上対策を車の両輪として実施することは、午前中の公聴会でも取り上げられました。具体的には、第一に、農地や農業用水などについての共同活動への支援、第二に、環境保全に向けた営農活動に対する支援とされています。また、こうした対策については既に、今年度、全国約六百地域においてモデル的に地域の共同活動として支援を行い、平成十九年度からの施策の本格導入に備えていると聞いています。
 この対策は農業集落の機能を守っていくために極めて重要と思いますけれども、そのねらいと取り組み状況についてまず伺いたいと思います。
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山田修路#5
○山田政府参考人 お答えいたします。
 ただいまの農地・水・環境保全向上対策のねらいとその取り組み状況ということで御質問がございました。
 農業の持続的発展と多面的機能の健全な発揮を図るためには、農地、水、環境の保全と質的向上を図るとともに、農業が本来有する自然循環機能を維持増進することが重要であるというふうに考えております。
 このような中で、農地、農業用水等の資源につきましては、近年、農村における高齢化あるいは混住化の進行によりまして、集落機能が低下をしてきております。これに伴って、こういった農地、農業用水等の資源の保全管理が難しくなってきているという現状にあります。このような現状を踏まえた対応が必要であるということがございます。また、農業生産活動につきましても、環境に対する国民の関心が高まる中で、環境保全を重視したものに転換していくということが求められております。
 このようなことから、先生からお話がありました二つの内容を持ちます農地・水・環境保全向上対策を実施することとしたところでございます。先生からお話がありましたように、地域ぐるみで農地、農業用水等の適切な保全あるいは施設の長寿命化、環境の保全に取り組む共同活動、これが一つ目の内容。
 それからもう一つは、これも先生からお話がありましたように、相当程度のまとまりを持って化学肥料や化学合成農薬の使用を原則五割以上低減するというような内容の先進的な営農活動、この二つについて支援をしていきたいということでございます。
 これの現在の取り組みの状況ということで御質問がございました。
 先生からお話がありましたように、本年度に全国約六百地区でモデル的な事業に取り組むということにしております。現在、各地域において施策の実施主体となります地域協議会あるいは活動組織の設立が順次進められているということでございまして、速やかにこの地域協議会あるいは活動組織の設立を受けましてモデル事業の実施に取り組んでいきたいというふうに考えております。
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原田令嗣#6
○原田(令)委員 今も御説明いただきましたけれども、二つの活動への支援というのを一体的に地域振興策として位置づけられているその積極的な理由について、私はこれは非常に重要なことだと思いますので、それについても御説明いただきたいと思います。
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西
西川孝一#7
○西川政府参考人 二つの対策を一体的に地域振興策として位置づけるその積極的な理由というお尋ねでございます。
 本対策におきます営農活動への支援は、個々の農家の取り組みではなくて、地域でまとまった取り組みを支援することにより地域の環境保全を効果的に進めるということと同時に、こうした取り組みを生かした農産物のブランド化などを通じまして地域農業の振興にも資するものであるということで、地域振興対策として位置づけて実施するものでございます。
 その際、化学肥料や化学合成農薬の使用の大幅な低減などの先進的な営農活動を効果的かつ安定的に進めるためには、農地周辺の環境についても適切に保全管理されまして、病害虫でありますとか雑草の発生しにくい環境が維持されているということなどが必要である。
 これらのほかに、水質や生態系の保全を効果的に進める観点からは、環境保全に向けました先進的な営農活動と水路やため池などを保全向上させる取り組みを一体的に実施するということが重要だというふうに考えているところでございます。
 加えまして、こうした営農活動を通じまして、消費者との連携も図られ、地域の共同活動への都市や地域の住民の参画も促進される、それらのことにも役立つのではないかというふうに考えているところでございます。
 こういったことで、営農活動への支援につきましては、より効果的な施策とする観点から、共同活動への支援と一体的な地域施策として位置づけたというところでございます。
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原田令嗣#8
○原田(令)委員 品目横断的経営安定対策と今お答えいただいた農地・水・環境保全向上対策を真に車の両輪として推進し、地域ごとの日本の多様な農業を維持発展させられるよう政府に強く望みたいというふうに思います。
 次に、民主党提出法案のうちの漁業、水産業に関する部分についてお伺いしたいと思います。
 四方を海に囲まれました日本では、古くから水産物が国民の重要な食料となっているばかりでなく、魚は日本の食文化の象徴とも言えます。しかしながら、近年、我が国周辺の水産資源は、全体として、残念ながら、以前に比べて低い水準にあります。漁業経営も、資源の減少、魚価安、輸入増、そして燃料油の高騰という四重苦にあえいでおり、日本の漁業、水産業をどう守っていくかは極めて重要な問題であると考えています。
 そうした意味で、民主党提出の農政等の改革に関する基本法案で、漁業、水産業に関する対策を打ち出されていることに対しましては敬意を表したいと思っておりますけれども、法案の内容については不明な点、そして理解できない点も多いと感じております。この点について、民主党に質問いたしたいと思います。
 法案では漁業、水産業について五条にわたる項目を提案しております。第十八条を除くと、基本的に現行の水産基本法やそれに基づく水産基本計画で実施されている対策と同じなので、ここでは第十八条に絞って質問をしたいと思います。
 民主党提出法案では、漁業者登録制度とそれに基づく漁獲限度量の個別割り当て及びこれによる収入減少に対する直接支払いが提案されています。
 我が国では、海洋生物資源法により、漁獲可能量、すなわちTAC制度を設定している魚種について個別漁獲割り当てができることになっています。しかし、我が国のように多数の漁業者や漁船がさまざまな漁のやり方で漁業を行っている実態を踏まえると、漁業者に対して個別に漁獲量を割り当て、適切に管理することは、現実的には非常に難しい状況であると思います。そのため、現在は、科学的な資源調査を根拠に魚種を特定し、資源回復計画などを通じ、漁業者の理解と協力を得て資源管理を実施しております。
 民主党案においては、現在、TACを定めているサンマ、マアジなど七魚種だけでなく、しかも、遊漁船業者まで含めて、すべての漁業者に個別に漁獲割り当てをしようとしていますが、こうした提案が現場に受け入れられるのかどうか、また、二十三万人の漁業者、三十万隻に上る漁船にどのように不満なく割り当てを行い、どのように割り当て量を管理するのか、まず伺いたいと思います。
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山田正彦#9
○山田議員 今原田委員の質問がございましたが、まさに我が国を取り巻く漁業の状況というのは深刻でございまして、殊に油代の高騰が直撃して、最近漁にも行けなくなっているという状況が続いている浜の現状です。
 そんな中で、私どもは、何とか漁業経営を安定させなきゃならない、そういう見地から、二つ問題があると思いますが、魚価の低迷と資源の枯渇、これをどうするかということなんです。
 一つは、資源の回復において、今、確かに、海洋生物資源法第十一条によれば、個別TAC制度をうたっております。しかしながら、実際に、TAC制度というのは、今日本では、例えばサンマ等々についての上限の枠を決めているだけで、個別TACがなされておりません。
 個別TAC、三十万の漁船についてやるとしたら、大変だということはよくわかります。しかし、そのために、私どもの法案で第一に挙げているのは、期限を切って、魚種を定めて、そして各都道府県の水産試験場及び国の試験場において徹底的な資源調査をするということ。そして、その資源調査に基づいて、資源回復を行うための各漁獲の割り当てですが、原田委員が指摘されたように、我々は、遊漁船も含めて、漁船漁業者、いわゆる漁業者に対して、個別の魚もそうですが、その中で、今TACで決めている部分とそのほかの魚種も含めてとなっております。
 それはなぜかと申し上げますと、いわゆる個別の魚について云々ではなく、漁業者の経営、いわゆる収入、そういったものに着目して、例えば資源の保護に、いわゆるTAC制度を導入して、漁業の収入が減った部分については直接支払いをしていこう。いわゆる各魚種ごとにやるんじゃなく、漁業者の収入、そこに着目してやるというふうになっておりますので、原田委員が指摘しているような御懸念はないんじゃないか。
 私どもは、そういう意味で、例えば漁業者、そして漁業組合、そういったものの意向を聞きながら、個別のTAC制度を設計していくというか、運営していく、そういう慎重な態度で臨みたい、何せ資源回復のために努力したい、そう思っているところです。
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原田令嗣#10
○原田(令)委員 今お答えになりましたように、民主党案では、個別割り当て制度の導入に伴う漁獲量の制限によって、漁業者の収入が減少した場合には直接支払いを行おうとしているということでありますけれども、そもそも、漁業者というのは、個別割り当ての対象魚種以外の魚を漁獲するということも可能でありますし、また、漁獲量の増減とは別に、魚価の変動によって漁業収入というのは変動するというふうに考えております。
 直接支払いを行う場合の積算根拠、そして財源措置というのはどういうふうにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
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山田正彦#11
○山田議員 確かに、漁船漁業者にとって、そのときそのときとれる魚種、今までですと、とれるだけとってしまおうという形でやってまいりました。ところが、それをやりますと、どうしたって魚価の低迷は招くし、いろいろな不都合が生じてまいります。それで、各都道府県ごとに、各漁船漁業者ごとに登録制度を設ける、そして国がその登録制度のすべてを網羅した基本台帳を整備する。
 そんな中で、仮に、いわゆるTACで定められた量以外の魚をとってその報告義務を怠った場合には、直接支払いの対象にならない、もしそういった違法な、個別TAC制度に反するようなことを行ったら、場合によっては罰則も考える、そういう形で、その前提としては徹底的な資源調査が必要ですが、そういったものを含めて具体的にやっていくということと、もう一つ大事なのは、遊漁船業者も含めて、沖合あるいは沿岸等々の漁業権、また各都道府県での漁業調整規則、それぞれ異なっておりますが、そういったものの調整、根本的な見直し、これも同時にやっていかなきゃいけない、そう考えておりますので、一方的に得をする、得をしないということは避けられるんじゃないかと思っています。
 財源についてですが、財源は、我々は、農林水産予算、三兆足らずですけれども、その枠内で、例えば一部は公共事業、あるいは非公共事業からも捻出したいと考えております。何せ基本法ですので、具体的にどの部分を、例えばどこの漁港予算を、もうここは必要ないからやめて、これを直接支払いの対象に持っていくとか、そこまでは今のところまだ詰めておりません。
 私ども、代表が小沢一郎代表になりまして、小沢一郎代表はかなり大胆なことを考えております。全体として一兆円の直接支払いをうたっておりましたが、一兆円では足らぬだろう、二兆、三兆もかかるのではないか、そういう言い方をしておりますので、これからまた、どのようにして国民に理解の得られる財源、しかしながら、最近殊にそうですが、一般国民、消費者としては、食の安全あるいは食料安全保障、そういう理解がかなりできつつありますので、魚介類についても、十分その財源において、私どもが政権をとることができましたら、それなりの対応措置を考えていきたい、そう考えております。
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原田令嗣#12
○原田(令)委員 今御説明を伺いまして、民主党の提案している案はなかなか意欲的ではありますけれども、実現はなかなか難しいのではないかというふうに思われます。そしてまた、すべての漁業者への直接支払いという形になりますと、ばらまきという批判を受けかねないのではないかというふうに思います。むしろ、今全国的に行われている資源回復計画などによる資源管理を徹底的に進めるとともに、農業と同じように経営対策や担い手対策などを重点的に実施して、経営基盤のしっかりした、競争力のある、意欲のある漁業者を育成していくことが重要ではないかというふうに考えております。
 漁獲限度量の個別割り当てと、それに基づく直接支払い制度を導入する、そのねらいというのをもう一度御説明いただければというふうに思います。
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山田正彦#13
○山田議員 原田委員の今のお話で、民主党案のいわゆる意欲的なところは評価するけれども、現実的に難しいじゃないかという言い方のようでございますが、私どもがこの第十八条を設けた趣旨というのは、余りにも今の漁業者の現状というのが、油代の高騰等も含めて、本当に漁にも出ていけないような状況で、このままでいくと、林業がほとんど壊滅的な状況に陥ったように、早晩、早い時期に漁業もそういう運命をたどってしまうのではないか、そういう危機感がございます。
 そんな中で、どうしたらいいかというと、やはり漁業の経営の安定を図る、そのための直接支払いの導入。ところが、単に補てん的にいわゆる所得補償を漁業者にするだけではやっていけない。やはり資源回復、魚価の安定、そういったものを含めてやっていくために、個別TAC制度、十八条を、我々は考慮を重ねて、いわゆる今回の改正案として準備した次第です。
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原田令嗣#14
○原田(令)委員 世界的に見ますと、今、アジアの経済発展及び世界的な健康志向の高まりもありまして、水産物に対する需要はこの十二年間で三五%も増加しております。我が国の周辺水域は世界で第六位の面積を持ち、また、世界三大漁場の一つと言われております。このようなすぐれた漁場を高度に利用し、国民に安定的に水産物を供給することによって自給率を高めていくことは、我が国にとって非常に大きな課題であります。
 私どもは、最も重要なことは、これは山田議員、民主党の方からもありましたが、水産資源の回復を積極的に図ることであるというふうに思っておりますけれども、もう一つ、やはり農業と同じように、競争力のある漁業経営、足腰の強い漁業の担い手を育成することも重要だというふうに思っております。そして、今、日本からの魚の輸出も伸びております。そうした日本の食文化の発信も視野に入れ、漁業地域や漁村の振興に配慮しながら、我が国の水産業を力強く再生させていくことが重要だと思っております。
 現在、水産基本計画の見直し作業も進められておりますけれども、そうした中で、資源管理と漁業経営の強化、これをともに目指した抜本的な対策を打ち出すことが非常に重要であるということを強調しまして、私の質問を終わらせていただきます。
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稲葉大和#15
○稲葉委員長 次に、岩國哲人君。
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岩國哲人#16
○岩國委員 民主党の岩國哲人でございます。
 本日は、民主党の法案と、それから政府提出の法案、両法案について質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、農水大臣にお伺いいたします。
 農水大臣、ノーと言える日本という言葉について、御存じですか。御存じか御存じでないか、ノーと言える日本。
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中川昭一#17
○中川国務大臣 一般的に、ノーと言える日本というのは、今から十数年前でしょうか、日本を代表するお二人の対談を中心にした本のタイトルとして、そのノーはイエス、ノーのノーという意味の本のタイトルとして大変話題になったというふうに承知しております。
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岩國哲人#18
○岩國委員 そういうタイトルで本を出版された方もいらっしゃいますけれども、私は、今日本にとって、イエス、ノーのノーよりも、むしろ農業の農が大切ではないか、そんなふうに思います。
 今、教育基本法、六十年間、教育の荒廃きわまれりということがありますけれども、もう一つ、日本の農業の現状を見ると、教育問題以上にもっと深刻なのは日本の農業の現状ではないか。私も典型的な農村県と言われた島根県の出身であり、大臣も、全国津々浦々、その実情は御存じだと思いますけれども、農村がどうなっているか、農家がどうなっているか、日本の農業はどうなっているのか、やはり農ということをしっかりと政策の中心に据える、もう最後の段階に来ているのではないか。私は、そういう意味で、ノーと言える日本、イエス、ノーのノーを農業の農に書きかえて、中川大臣がしっかりとこれからの農業行政をやっていただきたい、そのように思います。
 かつて日本は、江戸時代以来、農業を中心として日本の文化を支え、地方の村落を支え、そして産業を支え、人口を支えてきた。農本主義という言葉がありました。その農本主義というのは、今はもう辞書を見てもめったに出てこない。死語辞典の中に入っているのじゃないかと思うんですね、残念なことながら。そして、今あるのは、農本主義にかわって、のほほん主義です。食べるものは外国から入れればいい、買えばいい、そういう世の中に変わってきたことが、今の日本の農業、農村、それをこういう状態に落としているというふうに思います。だからこそ、私は、農業基本法、そして今回の、担い手をどのようにこれから支えていくかという法律は非常に重要だ、そのように思います。
 かつて、中川農水大臣に私は陳情したことがあります。島根県の中海・宍道湖、あそこを埋めて、そして米をもっとつくろうと四十年前の事業がだらだらと続いておって、そのうちに世の中はすっかり変わって、今度は減反政策が取り入れられた。要するに、あっちを向いたりこっちを向いたり。そして、翻弄されたのは地方の自治体であり、地方の農家であることは御存じのとおり。当時の農水大臣、中川大臣の御英断で島根県の中海・宍道湖は救っていただきました。私は感謝を申し上げたいと思います。
 そういう観点からも、農村は、山村は、漁村はどういう現状にあるのか。まず、中川大臣は、農山漁村の活性化ということを自民党のマニフェストでもうたっておられるし、今回の法案でもうたわれております。農山漁村の数は幾らあるか、おっしゃっていただけますか。
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中川昭一#19
○中川国務大臣 岩國委員にはいつも御指導いただき、今お話がありましたように、わざわざ私のところまで来ていただいて、岩國委員の思いの一端を御指導いただいたことを今もはっきりと覚えております。
 島根あるいは北海道あるいは東京、九州、沖縄、それぞれ多様な農山漁村地域が、世界の〇・二%という大変狭い国土の中に一億二千万以上の国民が暮らしていけるのも、農山漁村がきちっとあって、そして国土として保全されているから最低まず生きていける。そして、今御指摘のように、日本の中でできた農林水産物を供給し、それを確保することによって我々、先人たちが生きてきたのが日本の基本形であると思います。そういう中で、これを荒らしてはならないという御指摘は全くそのとおりでございまして、活性化というのは非常に大事であるという御指摘は全くそのとおりだと思います。
 農山漁村の数につきましては、どういう定義で幾つあるのかということは、申しわけございません、大変私勉強不足でございますので、御指導いただければありがたいというふうに思います。
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岩國哲人#20
○岩國委員 農水省では、農村の数は幾ら、山村の数は幾ら、漁村の数は幾ら、数字もわからないでこんな法案出しておられるはずはないでしょう。では、きちっと具体的に、今現在、どの県に幾らあるのか、それをはっきり言っていただけませんか。そうでなければ、やみくもに二十年、三十年前の日本だけをイメージして、どこかでだれかがこの法律を喜んでくれるだろう、対象になるだろう。対象になる農村は幾らなのか、それもわからないでこんな法案を出しているんですか。お答えください。
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山田修路#21
○山田政府参考人 お答えいたします。
 農林水産省の統計でございますが、農業集落という統計がございます。これは、農業上形成されている地域ということでございますが、この農業集落の数は、平成十二年で十三万五千の集落となっております。
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岩國哲人#22
○岩國委員 そうすると、こういう制度あるいは補助金も含めて財政的な支援は、農業集落という自治体か行政組織を使って行われていくんですか。そのとき市はどういう立場なんですか。村はどういう立場ですか。あくまでも日本の行政組織であるならば、市町村がこれを実行するわけでしょう。この新しい政策の担い手、そしてそれを末端にまで浸透させる責任は農業集落にあるんですか。だからその数をおっしゃっているんですか。そうじゃないでしょう。自治体の数で答えてみてください。
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中川昭一#23
○中川国務大臣 農林水産行政というのは、最終的には国が責任を負っているわけでございますし、また、今御指摘のように集落単位で施策をやる場合もございます。例えば中山間地域対策、あるいはまた今法案を御審議いただいておりますけれども経営安定対策等々、集落単位でやる場合もあります。林業の場合には流域単位でやる場合もございます。いずれにいたしましても、国、自治体が、その仕事の中心といいましょうか、きちっとした行政事務の責任を負っているわけでございますので、国が直接市町村にまたがる施策をやる場合もございますし、また県単位でやる場合もございますし、また市町村単位でやる場合もございますし、そしてまた集落単位でやる場合もございます。
 いずれにいたしましても、行政の責任を負うのは国と市町村だというふうに理解しておりますが、その市町村の数について、農村あるいは山村、漁村について、数ということになりますと、事務方の方で把握しているかどうか、わかれば答弁をさせたいと思います。
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岩國哲人#24
○岩國委員 大臣の御答弁をいただきましても、担当の方の御答弁をいただきましても、自治体の数のきちっとした把握もできていなくて、これで本当に効果を発揮するものなんですか。自民党のマニフェストの中にも、農村、山村、漁村という言葉は随分出てまいります。数は幾らあるんですか、村の数は。村がどこの県にもあるという前提はもう崩れておるんじゃないですか。村のない県があるのは御存じでしょうか。
 かつてはどこの県にも村があったんです。今はもう農村も山村も漁村もない、村という名前が一つもなくなっている県が日本の中で十三あるんです。私が調べたのでは、栃木県、石川県、福井県、静岡県、三重県、滋賀県、兵庫県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、佐賀県、長崎県、十三の県において農村という言葉をもう使ってはおかしい時代になっているんですよ。そういう村が全部市に合併されて、もう農市です。農市状態を迎えておるんです。それでもなおまだ、山村だ、漁村だという言葉をこうやって法案の中に使うことの違和感ということを皆さんお感じにならないかどうか。実態はそれぐらい法案の方がおくれているということなんです、現状に比べて。
 民主党の案でお伺いしたいと思います。
 民主党の方では、マニフェストで、農山漁村における女性支援策を、この農業を通じて実現していきますと。この農山漁村における女性の数は幾らですか。農山漁村の数もわからないで、そこにいる女性の数をどうやって考えておられるんですか。お答えいただけますか。
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山田正彦#25
○山田議員 大変岩國委員に怒られそうでございますが、今、政府の農村振興局長でしたかね、十三万あるというお答えでございましたが、私ども、市町村合併の中で、各集落、かつての村単位というのが大体一つの市に、私どもの長崎県を例にとりましても、二十から三十ぐらいの集落が今あるかと承知しております。そんな中で、漁村集落もありますれば農村集落もあります。どこもかなり今厳しい状況にありまして、このままではどんどん離村といいますか、集落そのものが崩れつつある。
 そういう状況で、岩國委員が指摘するような、大変私どもにとっても、集落については今度の民主党案でも、漁村集落も農村集落も、それに対するいわゆる維持、例えば、あぜ道の補修とかあるいは水路とかあるいは水利とかあるいはいその掃除とか、そういったものに対しても一つの支払い制度というものを考えているところです。
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岩國哲人#26
○岩國委員 大変作業的にやりにくいことでしょうけれども、私が一貫して申し上げたいのは、政府にも民主党にももう少しこういった、これからの農政というのは数字をしっかりとつかんで、押さえて、目標を立てて、実行して、それがなかったことが今までの六十年間の一つの欠点だったのではないかと思うんです。イメージやロマンだけで農政をやるわけにはいかないと思うんですね。
 次に、政府・自民党の目標としておられる自給率、現在、自民党は、四五%の自給率を達成するための攻めの農政を実施する、四五%。民主党では、これが五〇%。民主党案では五〇%を、政権をとれば六〇%、将来的には八〇%という目標を立てておられますけれども、これに間違いありませんか。御確認いただけますか。
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山田正彦#27
○山田議員 私どもは、自給率の達成で、十年間で五〇%以上、そしてそれ以後、目標を六〇%、そういうふうに約束する法案になっております。
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岩國哲人#28
○岩國委員 八〇%という数字を民主党案で出されたことはないということですね。小沢代表は、一〇〇%ということを最近おっしゃっていますけれども、代表の一〇〇%とこの法案の六〇%の落差はどこにあるんですか。
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山田正彦#29
○山田議員 小沢代表は、自給率一〇〇%、そう最近おっしゃっております。
 この法案においては、民主党においてネクストキャビネットを重ねてきながら、その中で、一応五〇%以上を十年以内に達成し、それ以後六〇%を目標とするというふうに決議しながらやってまいりました。
 つい最近でございますが、小沢代表と、その一〇〇%の自給率、それと我々が今法案で約束した五〇%、六〇%について議論をしたことがございます。小沢代表の考え方としましては、イギリスだって、かつて四〇%だったものを七〇%、八〇%に持ってきたじゃないか、一〇〇%をできないことはないだろう、それに対して、内外生産費のコストの直接払い、いわゆる不足払い、これを導入すれば、それは一兆じゃ足りないだろう、先ほども話したところですが、二兆、三兆かければできるんじゃないか、そういうお話でございました。
 殊に、私どもも中身においては今の小沢代表とは変わらないと思っておりますが、確かに、麦にしても大豆にしても菜種油にしてもそうですが、米並みの収入を直接支払いでやっていけば、かつて数年前に、農水省が麦と大豆で反当たり七万円から七万三千円出したときに十年目標を二年で達成できたように、お金さえ出せば、本当に一兆、二兆、三兆と出していけば、自給率の七〇%、八〇%は可能であります。
 そういう意味では、私どもも、その財源をどうするか。今私どもは、その財源をぎりぎり一兆円という形で五〇%を実現しましょう、そういったところですので、これから新代表の小沢代表のもと、さらに私ども党内での議論を重ねながら、場合によっては七〇%、八〇%、場合によっては一〇〇%ということもあり得る、そういう見地から考えていこう、そう思っているところです。
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