内閣委員会

2007-06-13 衆議院 全294発言

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会議録情報#0
平成十九年六月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 河本 三郎君
   理事 木村  勉君 理事 後藤田正純君
   理事 戸井田とおる君 理事 西村 康稔君
   理事 平井たくや君 理事 泉  健太君
   理事 松原  仁君 理事 田端 正広君
      赤澤 亮正君    江藤  拓君
      遠藤 武彦君    遠藤 宣彦君
      小野寺五典君    岡下 信子君
      木原 誠二君    倉田 雅年君
      木挽  司君    柴山 昌彦君
      杉田 元司君    高木  毅君
      谷本 龍哉君    寺田  稔君
      土井  亨君    中根 一幸君
      中森ふくよ君    長島 忠美君
      丹羽 秀樹君    林田  彪君
      松浪 健太君    村上誠一郎君
      市村浩一郎君    小川 淳也君
      岡本 充功君    河村たかし君
      佐々木隆博君    細野 豪志君
      馬淵 澄夫君    横山 北斗君
      渡辺  周君    石井 啓一君
      吉井 英勝君
    …………………………………
   国務大臣
   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 溝手 顕正君
   国務大臣         高市 早苗君
   内閣府大臣政務官     岡下 信子君
   内閣府大臣政務官     谷本 龍哉君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 荒木 二郎君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  片桐  裕君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    縄田  修君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         米田  壯君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君
   政府参考人
   (警察庁警備局長)    米村 敏朗君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 新保 雅俊君
   政府参考人
   (財務省大臣官房参事官) 森川 卓也君
   政府参考人
   (水産庁資源管理部長)  山下  潤君
   政府参考人
   (国土交通省道路局次長) 原田 保夫君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局次長)          桝野 龍二君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局技術安全部長)      松本 和良君
   政府参考人
   (海上保安庁警備救難部長)            石橋 幹夫君
   参考人
   (日本大学名誉教授)   長江 啓泰君
   参考人
   (飲酒事故被害者遺族)  井上 郁美君
   参考人
   (国立大学法人熊本大学大学院医学薬学研究部脳機能病態学分野教授)     池田  学君
   内閣委員会専門員     堤  貞雄君
    —————————————
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  嘉数 知賢君     小野寺五典君
  木原 誠二君     中根 一幸君
  寺田  稔君     倉田 雅年君
  松浪 健太君     柴山 昌彦君
  佐々木隆博君     河村たかし君
  馬淵 澄夫君     横山 北斗君
  渡辺  周君     岡本 充功君
同日
 辞任         補欠選任
  小野寺五典君     高木  毅君
  倉田 雅年君     寺田  稔君
  柴山 昌彦君     松浪 健太君
  中根 一幸君     木挽  司君
  岡本 充功君     渡辺  周君
  河村たかし君     佐々木隆博君
  横山 北斗君     馬淵 澄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  木挽  司君     長島 忠美君
  高木  毅君     江藤  拓君
同日
 辞任         補欠選任
  江藤  拓君     杉田 元司君
  長島 忠美君     丹羽 秀樹君
同日
 辞任         補欠選任
  杉田 元司君     嘉数 知賢君
  丹羽 秀樹君     木原 誠二君
    —————————————
六月十二日
 総合研究開発機構法を廃止する法律案(内閣提出第六一号)(参議院送付)
同日
 韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(泉健太君紹介)(第一五六七号)
 ともに生きる社会のための公共サービス憲章の制定を求めることに関する請願(古賀一成君紹介)(第一六〇七号)
 同(下条みつ君紹介)(第一六〇八号)
 同(川端達夫君紹介)(第一七〇七号)
 同(田嶋要君紹介)(第一七〇八号)
 同(馬淵澄夫君紹介)(第一七〇九号)
 同(松原仁君紹介)(第一七一〇号)
 同(山口壯君紹介)(第一七一一号)
 レッド・パージ犠牲者の名誉回復と正当な国家賠償に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六九八号)
 同(石井郁子君紹介)(第一六九九号)
 同(笠井亮君紹介)(第一七〇〇号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一七〇一号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第一七〇二号)
 同(志位和夫君紹介)(第一七〇三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一七〇四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七〇五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一七〇六号)
同月十三日
 ともに生きる社会のための公共サービス憲章の制定を求めることに関する請願(吉良州司君紹介)(第一八二九号)
 同(柚木道義君紹介)(第一八三〇号)
 同(内山晃君紹介)(第一九六五号)
 同(渡部恒三君紹介)(第一九六六号)
 憲法九条を守り、世界の平和に生かすことに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一八九〇号)
 憲法改悪反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一八九一号)
 憲法の改悪反対、九条を守ることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一八九二号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)(参議院送付)
 内閣の重要政策に関する件及び警察に関する件(銃器対策)
     ————◇—————
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河本三郎#1
○河本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、日本大学名誉教授長江啓泰君、飲酒事故被害者遺族井上郁美君、国立大学法人熊本大学大学院医学薬学研究部脳機能病態学分野教授池田学君、以上三名の方々から御意見を承ることにいたしております。
 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、審査の参考にしたいと存じておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 長江参考人、井上参考人、池田参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人各位に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、長江参考人にお願いいたします。
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長江啓泰#2
○長江参考人 おはようございます。
 現在、提出されています道路交通法の一部改正に関する法律案に関しまして、これが成立の運びになるよう望んでおります。
 この件につきましては、参考人としての陳述理由とその考え方を述べさせていただきたいと思います。
 もう既に御承知だと思いますが、車社会あるいは国民皆免許時代を迎えた今では、運転そのものが国民生活と密着した生活行動となっております。しかし、モータリゼーションの進展というのは、生活の利便性を図るための諸施策が必要であると同時に、影の部分とも言えます交通事故を抑止し、安全、安心な交通社会の構築もまた必要であることは論をまたないところだと言えます。
 交通安全対策と申しますのは、御承知のように、三Eから構成されると言われております。すなわち、エデュケーションの教育、それからエンフォースメントの規制、それにエンジニアリングの技術、こういうことを意味するわけですが、実は、これらはお互いに連携を図り、交通安全確保という同一目的に向けて進められる、いわば一種のシステムであると言えます。
 御存じのように、そのシステムというのは、どれか一つがよければすべてがよくなるという話ではなくて、システム全体のいわゆる限界といいますか、あるいはその効果といいますか、そういうものは、基本的にはそのシステムを構成している要素、すなわち、ここで言うと三Eですが、これの中の一番低いところで決まる、こういうふうに言われております。
 生活様式あるいは社会的規範や個人の規範の変化に応じて、最も適した三Eを常に見直し、これを推進するということは重要な要件でもありますし、コンプライアンスプログラムにとって不可欠なものであると言えます。しかし、現実面では、教育、規制というものは往々にして後追いになりがちであると言われております。罰則や法規制の整合も時代の流れに追いつかないことは決して珍しいものではないという事実もあります。
 今回、提案されております、第一の、悪質、危険運転者対策の推進を図るための規定の整備、あるいは、第五番目のその他については、従来の法律、罰則の整合を図り、悪質、危険な運転というものを防止することを目指すものと理解しております。もちろん、罰則の強化あるいは厳罰化だけで抑止効果が持続し得ないということは当然でありますが、法の網をくぐり抜ける行為は許されず、真の規範意識を確立するための安全教育と相まって、安全、円滑な交通社会を実現するための大きなインパクトになることは間違いないところだと考えております。
 それから、第二番目の高齢運転者対策等の推進を図るための規定の整備は、今後ますます高齢化社会が進展する中で、安全に運転ができ、生活が営めるための防衛策として提案されたものであります。これらの施行に当たっては、人権、プライバシーへの配慮を十分にする必要があるというふうに思いますが、同時に、未然に運転不適格者を発見する、いわば早期発見のための法制化でもあると思っております。
 高齢化社会、特に運転者の高齢化社会というのは、日本は世界で群を抜いております。したがって、いわゆる運転者の高齢化の問題について世界にその前例を見ようとしてもなかなか見当たらないというのが現状だと思います。同時に、日本も初めて出会うようなことでございますので、したがって、これを進めながら、どういうふうな形をしていったらいいのかと考えることが本来だと思います。
 それから、表示の義務づけの点については、最近の車というのは、安全まくらというのがシートの後ろについております。前の人がどんな人で、どんな運転をするかということが非常にわからない、わからないと後続の車はいらいらする、そういうふうな意味でいうと、いわゆる高齢者あるいは聴力障害者の方々が運転しているんですよということを表示するということは、ドライバー間同士でのいわゆるあつれきを減少させるということで非常に有効だろう、こんなふうに考えております。
 第三に、自転車利用者対策の推進を図るための規定の整備、これは、これまで自動車運転者に対する対策に力点が置かれ過ぎていた感じがあります。自転車利用者といういわば個人のモビリティーのある意味ではマジョリティーである自転車利用者に対して目を向けた法整備であると思います。ここでも大切なことは、取り締まりありきではなく、いかに指導しやすい法整備と、自転車も一人前の車両であり、交通社会におけるパートナーの一人として行動できるための意識づけが必要であるということの教育あるいは広報が必要であるということは言うまでもありません。
 第四の被害軽減対策の推進を図るための法整備については、前席のシートベルトの効果に疑いがないにもかかわりませず、後席シートベルトの装着率が上がらない現状を踏まえた規定の整備であり、時宜を得たものと理解をしております。
 いずれにしましても、法規の適切な整備は必要であり、厳罰化も重要でありますが、同時に、二度と事故、違反を起こさないための問題意識の形成、あるいは行動変容、協力、協調が実践できるいわゆる規範確立という個人個人の心への働きかけにも力点を置いてほしいと考えております。
 以上の事由によりまして、現在審議されておられます提出法案が成立する運びになることを望んでおります。
 以上でございます。拍手
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河本三郎#3
○河本委員長 ありがとうございました。
 次に、井上参考人にお願いいたします。
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井上郁美#4
○井上参考人 御紹介いただきました井上郁美と申します。
 一九九九年十一月二十八日、今から七年半前になりますが、東名高速で酒酔い運転のトラックに追突されて、私たち夫婦の目の前で、三歳と一歳の娘二人が焼死するという事件に遭いました。
 当時は、業務上過失致死傷罪と道路交通法違反、酒酔い運転という罪名でしか起訴されませんでした。刑事裁判が行われ、求刑五年という当時の業務上過失致死傷罪の最高刑が求刑されましたが、判決は懲役四年でした。異例の控訴をしていただきましたが、その判決は覆りませんでした。
 裁判を傍聴しながら、なぜ常習的に飲酒運転を繰り返していた人に対してでも、不注意による事故、不注意によって人を死傷させてしまったという業務上過失致死傷罪という罪名でしか裁けないのかということが大きな疑問になり、同じように、悪質な被害、飲酒運転、危険な運転によって家族を亡くされた被害者遺族らとともに全国的に署名活動を展開し、そして国が私たちの声を受けとめてくださって、二〇〇一年の十一月二十八日には刑法が改正され、危険運転致死傷罪が成立しました。
 これによって、懲役十五年という、それまでの上限を大幅に超えるような厳罰化が進み、そして、故意に危険、悪質な運転をした場合には、もはや過失犯ではない、傷害罪に準ずる故意犯であるという位置づけをしていただくことができました。
 そして、その翌年に施行されました道路交通法の改正と相まって、飲酒運転、悪質、危険な運転というのは、数字にもよくあらわれましたように、ぐんぐん減っていきました。私たちは、この二つの大きな法律の改正が悪質、危険な運転を抑止する効果につながっているという確かな手ごたえを感じておりました。
 私、地元が千葉なのですが、千葉では松戸というところ、そして松尾町というところで、不名誉なことなのですが、これまで危険運転致死傷罪の裁判としては、その当時、その都度最高刑である懲役十五年、懲役二十年といった判決も出されております。それぐらい悪質な事故というのはその後もやはり発生しました。
 また、先日の委員会質疑でも先生方がおっしゃっていましたように、一杯三十万円といったような、非常に人の関心を引く、目を引くようなコマーシャルなども効果を奏して、もはや軽い気持ちで飲酒運転をしている人たちというのは、三十万円はちょっと勘弁してほしいという意味で、違反を犯したら一回で懲りてしまう人がふえたこともあって、飲酒運転の検挙数も検挙される人も減っていきました。
 ところが、二〇〇二年、二〇〇三年、二〇〇四年になるにつれて、私たちの方にも被害者遺族から悲痛な声が聞こえてきました。それはどのような事件の被害者遺族かといいますと、明らかに大量のお酒を飲んで事故を起こしたのにもかかわらず、事故現場から逃走して何時間もたってから出頭する、あるいはひどい人は五日もたってから逮捕される、そういった加害者、あるいは、お酒を飲んで、現場を逃走してコンビニに駆け込んで、その場でワンカップを買って店員の目の前でワンカップを飲み干し、飲酒事故前に飲酒していたわけではない、事故後に気が動転して飲酒してしまったのだ、だから酒による影響はなかった、酒のための事故ではないというふうに飲酒運転の事実をごまかしたり、アルコール濃度をごまかすといったような卑劣な行為をする加害者が急激にふえてきました。
 残念なことに、危険運転致死傷罪が施行される前の二〇〇〇年の件数から、二〇〇四年に比べてひき逃げの件数は四二%もふえてしまった、明らかに逃げる人がふえてしまったということを知り、また、そのような被害に遭って最愛の家族を亡くされた方々から、井上さん、何とかしてください、これは危険運転致死傷罪や道路交通法が厳しくなったために新たに出てきた課題です、さらなる法改正を求めているのですが、現場の人たちに訴えて、検事さんがどんなに同情してくれても、警察官がどんなに私たちの気持ちを思いはかってくださっても、今のこの法律のもとではアルコール検知もされていない加害者に対して危険運転致死傷罪の適用はなかなかできない、残念ながら、業務上過失致死傷罪と救護義務違反の併合罪でも最高で七年六カ月という刑を求刑することしかできませんというふうに言われました。
 そして私たちは、約三年前から、そのような被害者遺族らの方々とともにさらなる法改正を求めて、この社会問題化している逃げる人たちがふえる現象、逃げ得ということを何とか法律の中でも、逃げたら得ではなくて逃げたら損になるということがわかるような法律にしてもらいたいということを訴えて、法務省、警察庁に要望を出してきました。
 署名活動を全国で展開しましたが、特に昨年の八月二十五日に、私たちがまさにその翌朝から札幌で街頭署名活動をしようとしている直前に起きてしまった福岡での四歳、三歳、一歳のお子さんたちがやはり両親の目の前で水死してしまうといった飲酒ひき逃げ事故、これが起きてから、私たちの署名活動の勢いも急速に伸びていきました。それまでは、二日間で三千名、四千名の署名数しか集まらない、しかではないんです、非常に多くの方に署名していただいていて、本当にたくさんの声を受けとめているのですが、その後、あの事故の後、約一カ月後に福岡でやった署名活動、そしてことしの一月に行いました上野公園前での署名活動、そして先月行いました仙台での署名活動では、一万六千、一万三千、一万、一万を超える署名数が毎回毎回集まるというぐらい世の中の人たちはこの問題に対して本当に大きな関心を持っていらっしゃいます。
 今回の道路交通法の改正によって、思い切った改正だと私たちは本当にありがたく、大変ありがたく、感謝しておりますし、まさかまさか、本音を申しますと、救護義務違反が業務上過失致死傷罪の最高刑を超えて懲役五年から一挙に懲役十年まで引き上げられるということは、私たちは夢にも思っていませんでしたので、うれしい誤算でした。
 そして、ひき逃げだけではなくて、飲酒運転の罰則、酒酔い運転も酒気帯び運転もそれぞれ引き上げられる。そして、非常にいいところに目をつけられたなというふうに思っておりますが、もはや飲酒運転をした本人だけではない、必ず飲酒運転による事故には、その背景にそれを助長していた人、それを容認していた人、それを見て見ぬふりをしていた人たちが何人もいる。その人たちが、何もしなかった、あるいはとめなかったことの罪というのは本人と同じぐらい重たいということを、今回の法律の改正では、いわゆる飲酒運転、加害者の周辺者の人たちに対しても厳しい罰則が適用されるような法律の改正の内容になっていることについては、本当に高く評価し、私たちも本当にありがたく感じております。
 ただ、残念ながら、まだそれでも逃げる人、果たして酒酔い運転をしてまともな運転ができないような状況で事故を起こし、人をはねたのにもかかわらず、厳罰を恐れて現場を逃走して、何とかとにかく二十四時間以上逃げればいいんだという気持ちで現場を逃走した人、アルコール検知ももちろん意味がないことなので今はされていないのですが、そのような人たちが、仮に今回改正される道路交通法の新しい刑、そして昨日施行されました改正刑法の自動車運転過失致死傷罪の上限、それをもってしても、併合罪をもってしてもまだ懲役十五年にとどまってしまいます。
 もし危険運転致死傷罪が適用されるような現行犯で逮捕できていたら懲役二十年といった刑もあり得たはずなのに、逃げた人の方がまだ理論的には最高刑がどうしても五年短い。この差をどうしても私たちは埋めてほしい、むしろ逃げた人の方が二十五年、三十年といった厳しい罰が適用される、だから絶対に逃げちゃいけないのだ、絶対に飲酒運転の事実をごまかしてはいけないのだということがわかるような法律にしていただきたいという思いで、まだまだ私たちは活動を続けていきたいというふうに思っています。
 昨日も、福岡で三児死亡事件の初公判があり、私たち夫婦も、そしてこちらにおります私たちの仲間たちも七人ほど傍聴席を求めて、幸いみんな入れまして、初公判をすべて傍聴させていただきました。まさに非常に悪質な事件、逃げてしまって、でも被告は水を大量にがぶ飲みしたというふうなことによってアルコール濃度も〇・二五しか検知されなかったことにより、弁護側は全面的に危険運転致死傷罪の適用について争っています。
 でも、私がきょう最後に言いたいのは、そもそもお酒を飲んで運転するというふうな行為が、どうしてすべての飲酒運転の事故に対して故意犯という言葉が使えないのか。どうして、過失か故意犯なのか、あるいは業過なのか危険運転なのか、殺人なのか事故なのかという、そういう使い分け、そんなところが議論されないといけないのか。私たちには議論の余地はないと思っています。
 いろいろな対策、厳罰化以外にも飲酒運転を撲滅していくための対策というのは、本当に私たち、日々考えております。
 まだまだ本日は述べたいところですが、きょうは時間が限られておりますので、以上とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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河本三郎#5
○河本委員長 ありがとうございました。
 次に、池田参考人にお願いいたします。
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池田学#6
○池田参考人 私は、熊本大学の神経精神科を担当しております、精神科医の池田と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、平成十五年から三年の間、前任地の愛媛大学の精神科において、厚生労働科学研究費補助金をちょうだいし、認知症高齢者の自動車運転と権利擁護に関する研究の主任研究者をさせていただいておりました。この班研究を申請させていただいた当時は、認知症の患者さんで自動車運転免許を保有する人が全国で三十万人前後いらっしゃると見積もられておりました。
 そして、平成十四年の改正道路交通法の施行により、認知症が運転免許取り消し要件として取り上げられたものの、実際の運転能力評価や運転中断の方法がはっきりしなかったため、運転継続を望む認知症患者と、中止させようとする家族や中止を指導する医師、警察官との間に関係の悪化が見られたり、危険を承知の上で、交通手段のなくなる家族が認知症患者の運転を黙認し続けたりと、臨床現場では大変な混乱が起こっておりました。
 しかし、班研究としての三年間とその後の研究活動を通じて、多くの行政関係者、現場の医師や警察官、認知症の患者さんの御家族、マスメディアの方々がこの問題に関心を持ってくださり、ようやく具体的な法律改正案が提出されたことに対し、関係各位に敬意を表したいと思いますし、認知症の自動車運転の問題における大きな第一歩であると評価しています。
 その上で、長年この問題を研究してきた精神科医並びに研究者の立場から、何点か改正案に対して私見を述べさせていただきたいと思います。
 その第一点は、七十五歳以上の更新時に認知機能検査を受けなければならないという年齢制限の規定です。
 我々の研究では、若年性認知症、すなわち、六十五歳までに発症する若い認知症に多い病気の方が重大な事故や違反を起こす確率が高いことが明らかになっています。したがって、コストの問題もあるかと思いますが、今後、新しい法律が施行された後もデータをぜひ収集していただき、必要であれば、認知症の検査を実施する場合の年齢を引き下げていただきたいと思います。認知症患者の運転による重大な事故を防ぐためには、少なくとも五十歳以上くらいまでは年齢を引き下げる必要があると考えております。
 第二点は、今回導入予定の認知機能検査で異常と判定された場合、すなわち認知症が疑われた場合で、半年以内に事故を起こしていた人に対して公安委員会から医師の診断書の提出を求めることになるようですが、最終判断はぜひとも免許センターでの実車運転検査で下していただきたいと思います。
 なぜなら、今回の認知機能検査や我々専門医の診察では、認知症かどうかは判定できたとしても、その人の運転が本当に危険かどうかはわからないからです。もちろん、我々の研究でも欧米の研究でも、中等度以上に進行した認知症の運転では事故のリスクが極めて高いことが示されています。
 したがって、ある程度進行した認知症の患者さんの場合は医師の診断書で免許更新を認めなくてもよいと思いますが、ごく軽度の認知症の場合は、あくまでも実車運転、実際の自動車運転の能力で運転の専門家が最終判断すべきです。欧米諸国でも、ごく軽度の認知症の場合は、最終判断は路上運転で運転のプロが見きわめるシステムになっています。そうしないと、まだまだ安全に運転できる人の運転の権利を奪ってしまったり、逆に、認知機能の障害は軽いけれども、運転行動は極めて危険な認知症の患者さんを見逃してしまうリスクが高くなると思われます。
 第三点目は、この改正案が可決された場合には、ぜひ国民への啓発を積極的に進めていただきたいということです。
 平成十四年の道路交通法改正後に、千七百名の都市部に住む高齢者と千名の山間部の高齢者にアンケート調査を実施し、認知症患者の運転免許が取り消しになる可能性があると法律で新たに定められたことを知っていますかという質問をしたところ、二〇%前後の高齢者しかこの改正案の内容を知りませんでした。高齢者の生活を直撃するような重要な問題ですから、ぜひとも啓発活動を行って国民に周知徹底を図りコンセンサスを得ておくことが、今後の改正案の円滑な運用にも重要かと思います。
 最後に強調しておきたい点は、運転中止を余儀なくされた認知症高齢者やその家族に対する支援を強化する施策をぜひ打ち出していただきたいということです。
 今述べました一般高齢者へのアンケート調査では、確かに九〇%前後の人が、認知症になったら運転をやめるべきだと答えてくださいましたが、その一方で、自分が運転を中止させられたら非常に困ると答えた免許保有者は、都市部で四〇%以上、山間部では八〇%以上に上り、地域による意識の差もとても大きいことが明らかになりました。
 どちらの地域も、運転の目的は買い物や通院、家族の送迎という答えが多かったのですが、さらに、山間部では、毎日仕事に使うという答えが多数ありました。例えば愛媛のミカン農家では、山のミカン畑に出勤するにも、農協にミカンを出荷するにも自動車運転が欠かせません。通院や買い物にしても、公共交通網が年々貧弱になっている地域では、高齢者は自動車を手放せない状況に追い込まれています。認知症患者の運転を中止させるだけでは、本人のみならず、その配偶者までが社会から孤立し、その多くが施設入所に追い込まれ、結果として地域社会が崩壊してしまうことは簡単に予想できます。
 これは認知症だけの問題ではなく、高齢者の運転全体の問題でもありますので、ぜひ、地域社会資源の整備あるいは地域の町づくりという高い視点から、行政の支援を御検討いただきたいと思います。
 確かにコストがかかる問題ではありますが、認知症高齢者が重大な交通事故を起こしてしまったり、あるいは運転を中止してすぐに入所してしまったりするコストに比べればはるかに低いコストだと思いますので、介護保険などを使った、買い物や通院のサポートなどもぜひとも御検討いただければと思います。
 特に最後の点をお願いして、私の意見陳述を終わりにさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。拍手
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河本三郎#7
○河本委員長 ありがとうございました。
 以上で各参考人からの御意見の開陳は終わりました。
    —————————————
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河本三郎#8
○河本委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中森ふくよ君。
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中森ふくよ#9
○中森委員 おはようございます。自由民主党の中森ふくよでございます。きょうは本当にありがとうございます。
 一昨年、私も、歩道を歩いていた父親が車に飛ばされまして帰らぬ人となったわけでございます。そのときに父が、私は年だからもういい、君は若いんだから今後の人生を大切にするようにと言って死んだようでございますけれども、その言葉を盾にされて、保険の問題もあって、なかなか謝ろうとしなかった。大変寂しい思いをした経験を持っております。
 したがいまして、被害者、また加害者にさせたくないという思いから先生方に御質問をさせていただきたいと思います。
 今、井上郁美さんのお話をちょうだいいたしました。そんな中に、きのう第一回の公判を迎えました、福岡の、福岡市職員による飲酒運転で、海の中へ投げ出された三兄弟が亡くなった事件がありましたけれども、そこでもやはり、どうやって法の網をくぐり抜けるかというようなことがちらちらと見えておりまして、被告側は、飲酒はしていたが、わき見運転が直接の原因だと主張したという報道が流されました。
 今回のこの道路交通法の改正で飲酒運転関係の罰則の強化が図られたわけでございますが、刑法の危険運転致死傷罪、飲酒、ひき逃げと合わせますと最高三十年の刑となり、かなり厳しくなるわけでございます。今後、罰則という形での飲酒運転の防止が図られることになると思いますけれども、三先生のこの御所見をお伺いしたいと思います。
 またあわせて、今回、飲酒運転を行おうとする者に車両の提供そしてお酒の提供をした場合の罰則が明記されることになりました。特に、お酒が懲役三年、五十万以下に対しまして、車の提供が懲役五年そして百万以下ということで、車の提供の方がより重たいという罰則となる予定でございますけれども、この点についての御意見があればお聞きしたいと思います。
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長江啓泰#10
○長江参考人 ただいまのことなんですが、私は、基本的に、自己責任という概念が日本ではなかなか通りにくい、したがって、飲酒運転をやめさせようとするためには、本人だけでなくて、周りの人たちもそれに協調していかなければいけないだろう、これは日本独特の一つのシステムだろうと思いますが、そういうような意味でいうと、私は、やむを得ない措置なのかな、こんなふうに考えております。
 それから、基本的には、今もう御案内だと思いますが、飲食店なんかでいきますと、車を運転する人にはジュースを無料で提供する、そしてお酒を出さない、こういうようなこととか、あるいは、キーを預かって、飲酒した場合には運転代行者を頼んで、来てもらったらば割引券を出し、そしてそこにキーを渡すというような、そういうことも既にやっておられます。
 一番大事なことは、罰則強化も非常に大事なことですけれども、まず、飲んだら乗らない、乗るならば飲まないというようなことをきちんと実際の行動の中で生かせるような一つの規範づくりというようなことをきちんとやっていかないと、過去に、そういう飲酒運転の厳罰化というようなことがあって効果を示したんですが、長続きしなかったという例もあります。
 そういうふうな意味でいうと、相まってやっていかなければいけないのではないかな、こんなふうに考えております。
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井上郁美#11
○井上参考人 私たちも各地で講演などをさせていただいているんですが、この半年間で顕著な傾向が見えます。
 それは、大企業さんあるいは大きな団体さんで、千人、二千人あるいは本当に何万人もの車通勤者、あるいは業務のために車を使われているその社名が入った車を社員、職員に使わせないといけないというふうなところが、やはり大きな団体であるだけに、どうしても酒気帯び運転で検挙される職員、社員が出てきてしまっている。何度言っても、誓約書を全員に書かせても、あるいは処罰規定を厳しくして、たとえ人身事故を起こさなくても、物損事故であっても、あるいは検挙されただけでもあなたは懲戒免職になります、御了解くださいというふうなことを厳しくしても、やはり、ある確率で酒気帯び運転、飲酒運転をやっている人たちというのが残念ながら最後まで残ってしまっているという事実があります。
 ですから、厳罰化というふうなこと、そして、この半年間で見られますように、社会の認識、意識も大分変わってきたなというふうに思っておりますが、処罰規定を厳しくするあるいは厳罰化というふうなことを進めるだけではなくて、やはり、周りの環境から飲酒運転をさせない、酔っぱらった人に絶対車を提供しないということを法的にもきちんとうたってくださっているというふうなことは、非常に大きなことだなと思っています。
 とりわけ、私たちの仲間たちが被害に遭っておりますような事件を見ておりますと、泥酔運転をしていた人というのは、大概一人では泥酔していないんですね。大体飲み仲間がいます。そしてそれは、自宅だけで飲んでいるわけではなくて、大体、居酒屋、スナック、それを何軒もはしごして飲み仲間とともに泥酔状態になって、どっちが運転しても、させてもおかしくないような状況、どちらがどちらの車を運転していようが、どっちも酔っぱらい運転をするであろうというふうな中で、たまたま事故を起こした者がその日は運転するというふうなことになったというような事案が多いことからして、同罪だなと。そのような酔っぱらった人たちに車を運転しろというふうに言う仲間というのも、本当に殺人者を育て上げているなというふうな気がいたします。
 福岡の昨日の事件でも、一軒目はタクシーを使って飲み仲間と居酒屋に行ったわけですね。でも、二軒目のときには、ナンパをしたくなった、ナンパをするために車が必要だと思った、だから、わざわざ自分の車を仲間とともにとりに帰って、スナックに行ってさらに飲んでというふうなことをしているという意味では、本当に、殺人を犯しかねない者に包丁が渡ってしまうというふうな状態だと思っていますので、車の提供については特に厳しくしていただきたいと思っています。
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池田学#12
○池田参考人 お二人の参考人とほぼ同じ意見ですけれども、認知症の患者さんの運転と違って、飲酒運転の場合、やはり御本人に判断能力があるわけですから、厳罰化はやむを得ないという意見であります。
 ただ、お二人もおっしゃったように、それだけでは恐らくストップがかからないと思うので、周りの環境整備と、それからやはりふだんからの教育、それを徹底していただきたい。認知症の場合も、なってからではなかなか判断できませんので、若いうちからの教育ということがとても大事かなと思っています。
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中森ふくよ#13
○中森委員 ありがとうございます。社会でのモラル、そして若いころからの教育と取り組みということの今お話をいただいたと思います。
 それでは、次に進ませていただきます。
 自転車関連についてお尋ねをいたしたいのでございますけれども、現在、歩道を走る自転車に歩行者が接触する等のトラブル、事故がふえていると聞いております。したがいまして、今回の法案では、自転車は車道通行を原則とし、ただし、例外を設けて、児童等が乗る自転車や危険な場合は歩道の通行を可能にしますというものでございます。
 確かに、今長江先生がおっしゃったように、自転車のマナーは悪くなりました。教育の問題もあろうかと思います。しかし、自転車は、ここがちょっと参考人の先生と違うのでございますが、私は、車というよりも、実は歩くための補助機械であると考えているんですね。ですから、歩く補助機械とこう定義いたしますと、自転車を車道に入れるのではなく、歩行者の一部として、歩道を拡張して自転車道を確保すべきではないかとこう思っているのでございますけれども、長江先生の御所見をお伺いしたいと思います。
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長江啓泰#14
○長江参考人 実は、二十年ぐらい前にフランスで国際会議がありましたときに、フランス・パリの交通の中で非常に自転車が困っているので、車道を走らせたらどうかという提案がありました。オランダが大変に反対をしまして、そんなばかなことはない、基本的には自転車は自転車道を走るべきである、こういうふうな言い方をしました。
 しかし、もともと歩道を走ることが許されるというのは、車道を走ると非常に危険である箇所については、標識があるところでは歩道を走ってもいいというのがこれまでの法律だったんですが、何となくそれがきちんと徹底していなかったんですね。
 ましてや最近は、自転車の性能も上がってきたせいかわかりませんが、基本的には歩道を走って、そしてお年寄りだとかそういう方たちと接触をするとか、それによって転倒するとかというようなことが出てきている。
 そこで、きちんと今度は自転車が走れるところを決めてやろうとか、あるいは、基本的には歩道というのは歩行者が歩くところであって、自転車に乗っている人が歩道を走るときにはきちんとスピードを抑えて走りなさいとか、そういうような指導も、あるいはその指針をきちんと出そうというのが今回の案だと思います。
 私は、本来、もっと教育の中でそれをきちんとやるべきだろうと思いますけれども、例えば、幼稚園、小学校では割と自転車の乗り方については熱心に教えておられますが、中学、高校になると実はほとんどその教育がされていない。むしろ先生方から言わせると、自転車に乗れるのに何を教えるんですかという言い方をする。自転車の正しい利用の仕方とか、あるいは、交通社会の一員として相手を思いやる行動をとるためにどうしたらいいのかということこそ、実は、中学、高校生というのは行動範囲が広がるわけですので、そういうところで教えるべきだろうと思うんですが、いわゆる法律を決めるということと教育というのがきちんと連携していないと、先ほど申し上げましたシステムというのがうまく機能しない。
 この辺もあわせてどういうふうにしたらいいのかということなんですが、基本的には、私は、これまでないがしろにされていたとは言いませんが、余り手をつけられなかった自転車の利用に関してまず一歩踏み出したのかなと。これをもとにしてやっていくうちに、どういうふうな形でそれを具体化していけばいいのかということがまた出てくるだろうと思います。
 ほかの国のように、車道、歩道、自転車道というふうにきちっとすみ分けができるような整備が日本ではされていないところが非常に多いものですから、こんなような形になっているんではないのかな、こんなふうに考えております。
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中森ふくよ#15
○中森委員 ありがとうございます。
 確かに、この三つ、すみ分けができていると一番問題ないんですが、ただ、どうしても日本の場合は、戦後、経済優先で車道が主になっておりまして、歩道もないというところが非常に多いわけでございます。
 そんな中で、何とか私としては、自転車にとっては、歩道から車道を走ることで、歩行者にとってはよい結果が出る反面、逆に、自動車と自転車の致命的な事故がふえないかという心配がつきまとうわけでございますが、最後に長江先生とそして池田先生にお伺いできればと思います。
 ほかに池田先生に用意してきたんですけれども、ちょっと時間がなくなってしまいました。
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長江啓泰#16
○長江参考人 済みません、もう一度その最後の御質問をお願いしたいんですが。
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中森ふくよ#17
○中森委員 自転車が歩道をほとんど走らなくなると歩行者にとってはいい結果が出ると思います。ただ、自転車にとりましては、自動車との接触事故等大きな取り返しのつかない事故に結びつくような気がいたしまして、そこをとても心配をしております。何か対策があればありがたいと思います。
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長江啓泰#18
○長江参考人 実は、そういう場所については、逆な言い方をすると、自転車専用道路の線を引くということがあるんだと思いますが、基本的にこれは、違法駐車がありますとそれができなくなるんですね。ですから、自動車側もそうですし、実は、従来、京都でそういうことがあったんですが、違法駐車がなくなったらば、自転車が、歩道を走るよりも車道を走った方がいいというので、逆走する自転車が出てきた。
 これは、皆さんやはり自分のことだけ考えてやっているんですが、自転車に乗る人は歩行者のこと、自動車のことも考えなきゃいけない、自動車を運転する人は歩行者あるいは自転車に乗る人のことを考えなきゃいけないという中で、先ほど私ちょっと申し上げましたが、道路整備ができるところはきちんとそれをやって、そうでないところは、逆に言うと、歩道を走らせるというようなことでまずやっていったらどうなのかな、こんなふうに考えております。
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池田学#19
○池田参考人 先生の御指摘のとおりだと思います。特に、高齢者とそれから子供たちが自転車で車道を走った場合には、とても危険な、よくない結果が出てくると思いますので、遠回りかもしれませんが、長江先生がおっしゃったように、三つの区分け、歩行者と自転車と自動車の区分けをぜひ進めていただきたいということと、それからもう一つは、やはり中学生、高校生の教育ということだと思います。確かに小学生までは教育が徹底していると思うんですが、それからは僕自身もほとんどされた覚えがないので、そこはとても大事だと思います。
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中森ふくよ#20
○中森委員 時間です。申しわけありません、お世話になりました。ありがとうございます。
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河本三郎#21
○河本委員長 次に、市村浩一郎君。
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市村浩一郎#22
○市村委員 民主党、市村でございます。
 本日は、お三人の参考人の皆様には貴重な時間を賜りまして、心から御礼を申し上げます。十五分と限られた時間でございますが、早速質疑に入らせていただきます。
 まず、井上参考人の方にお聞きしたいと思います。
 井上参考人、先ほどお話にもありましたように、本当に御夫妻、貴重なとうとい幼い命を失われたということ、心からお悔やみを申し上げます。それで、しかしながら、その後、御夫妻の本当に懸命な活動によりまして危険運転致死傷罪ができ、道路交通法も改正され、そして確実に交通事故の死者は減っているということであります。お二人のとうとい幼い命のおかげで多くの命が救われている、私はこういうことだというふうに思っております。本当に心から御夫妻の活動に感謝と敬意の気持ちを表するものであります。
 特に、御主人さんも事故で大けが、大やけどを負ったということで、皮膚の五〇%を事故そして手術で、発汗機能を失ったりという状況の中で活動を続けていらっしゃること、本当に私なんかまだお二人の活動のごく一端しか知らないわけでありますけれども、本当にありがたいというふうに思っております。本当にありがとうございます。
 そして、今、いよいよ、お二人だけじゃありません、もっと多くのまた犠牲者の方、また御遺族の方、そうした皆さんのお気持ちが一つの結実となって今回の道路交通法改正もあると私は認識しております。そもそも、先ほどおっしゃったように、飲んで車に乗ったこと自体が私も故意と考えるべきではないかというふうに思うわけでありますが、この点に関して、井上参考人の方からお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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井上郁美#23
○井上参考人 私も、最初のみずからの事故の刑事裁判の時に、どうして過失犯としかとらえられないのかというふうなことを、何とか検察を説得しようと、控訴してもらおうというふうに思ったりしているときに、いろいろと知人を通じて、アメリカの例あるいはイギリスの例などを調べていただいたりしました。そうしましたら、やはり諸外国では、日本のような、道路交通法、刑法という二つの法律の体系そのものが非常に珍しい法で、飲酒運転による事故というのは、もうアクシデントという言葉は使っていない。私も間違えて、アメリカの方に対して、私の娘たちは飲酒運転の事故によって亡くなりましたと言ったら、今アクシデントという言葉を使いましたかというふうに聞かれたんですね。何というふうに言っているんですかと言ったら、飲酒運転による事故というのは、事故とは、うちの国では、アメリカでは言っていません、これは犯罪、クライムという言葉を使っていますというふうに、明らかにその言葉遣いからして、もう違う。
 ですから、飲酒事故と言うと皆さん違和感を示されるというほど、言葉の使い方からして、また法律でのあり方、殺人罪、殺人罪にも幾つかの種類があるようですが、殺人という言葉が明確に使われるような、その法律名からして違うというふうな意味では、私たち、どうしても、飲酒あるいは本当に危険な運転によって人を死傷させているのにもかかわらず、今回、刑法も改正されましたが、なぜ法律の名前に過失という言葉が残ってしまうのだろうか。自動車運転をして悪質な例については七年まで科せられるようにしましたというふうに法務省は説明されましたが、それでも、どうして自動車運転致死傷罪ではなくて自動車運転過失致死傷罪というふうにその言葉が残ってしまうのだろうかというふうなことに対して、とても抵抗を持っております。
 実際に、交通事故というのは、本当に、過失と故意の差というのは極めて境界があいまい。私たちも川口の事件を、初公判を傍聴したりしましたが、警察や検察、あるいは法務省は、裁判では確かにあれはわき見運転というふうに処されてしまうかもしれません。でも、半年間で百回も、もはやほとんど毎日のようにわき見運転。しかも、一秒、二秒、わき見運転をしているというのではなくて、そのまま、高速度のまま百メートルも走るというような運転をいつもいつもやっている。そして、あの川口での事故を起こす三カ月前には、同じようにウォークマンの操作をしていて追突事故を起こしてしまった。そんな常習的にわき見運転をしている事犯に対しても過失という名前の法律しかつけられないのか、使えないのかという意味では、御遺族でなくても、私たちが聞いていても、これは過失犯とは言えない。この前科、この運転癖、本当に危険な運転をしている被告に対して、法律はどうしてわき見イコール過失という言葉をつけてしまうのかというふうに思ったぐらいですから、飲酒運転になったら、これがどうしてすべて危険運転という言葉を使えないのかというところでは、まだまだこの国の法律、法律家の方々に頭を柔軟にしていただいて、諸外国の例あるいはその考え方、あるいは運用の面で柔軟な運用というふうなことも視野に入れて検討していただきたいなというふうに思います。
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市村浩一郎#24
○市村委員 ありがとうございます。
 この間、私は、やはり、逃げ得ということがあるという認識で、これまで、三年近く、いろいろと警察庁の皆さんとも議論してまいりました。最初のころは、警察庁の方も、逃げ得は実は少ないというような話だったと私は思います。ところが、今、井上参考人が先ほどおっしゃっていただいたように、この三年間の間、また、いろいろな大事故も起きた中で、やはり逃げ得はあるんじゃないかということが、だんだん認識が高まってきたんじゃないかというふうに思っております。
 これは必ずしも専門ではないかもしれませんが、せっかくですから、お三人の参考人に、今回の法律改正で逃げ得は全く解消するとは言えないと思いますが、かなり改善されるのか、それともやはり足りないのか、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。お三人、一人ずつお願いします。
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長江啓泰#25
○長江参考人 おっしゃるとおり、私は、逃げ得が許されるようなものは非常にまずいと思っています。
 それで、実は、今回の法律改正のときにいろいろ伺ったんですが、法律を扱っておられる方には法律のあり方というのがまたある。だけれども、私は、実はエンジニアなものですから、少しずつ改善をするということが結果的にいいところへつながっていくんじゃないのか。したがって、法律を扱う、法律を業としておられる方にはそういう意見があるけれども、周りではそうでない意見もある。それをどういうふうな形で埋めていくかというようなことは、もう少し時間がかかるのかなと。
 しかし、基本的に、先ほどもお話がありましたが、今回のことでもちょっと逃げ得になる可能性はありますけれども、一番大事なことは、やはり、逃げてはいけないんだということを運転者教育の中できちっと言っておくということも必要だろうと思いますし、それによって大変罰が重くなるんだというようなことをやっていけば、今回の法律改正で、私は、少なくとも、従来のような逃げ得がふえるとは思いません。むしろ減るのではないだろうかな、こんなような気がいたします。
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井上郁美#26
○井上参考人 私たちも、この三年近く活動をしている中で、この逃げ得という言葉が報道されればされるほど、ああ、そうか、そういう手があったんだというふうに気がついてしまう加害者予備軍という人たちが、ブラウン管を通じて、おお、そうか、そうか、お酒をさらに後から飲めばいいんだ、あるいは、助手席に二リットルのペットボトルを常に置いておいて、もし飲酒運転で警察に捕まったら、その場でがぶがぶ飲めばいいんだ、そういった手口を知らしめてしまうのではないか。これが報道されてほしい、私たちの訴えが世の中に知れ渡ってほしい、だけれども、それがかえって加害者をふやすことにもならないか、そういったジレンマを常に感じながらやってきました。
 ただ、あるところから、少し開き直った感がいたしております。それは、やはり、この人たちというのは、どんなに法律を厳しくしても、これからはもう、ひき逃げをしたら、五年ではなくて十年という刑が最高刑で科されるようになります。さらに、業過ではなくなって、自動車運転過失致死傷罪の七年までありますので、ひき逃げをした場合には懲役十五年まであるのです。ただ、逃げなくて直ちに救護したより、比べて、七年と十五年、どっちを選びますかというふうに、そういった明快な法律の位置づけ、意味合いを一般の人にわかりやすいように知らしめてくだされば、この法律の改正の効果というのは目に見えて出てくるのではないかと思っています。
 ただ、私たちが問題にしているのは、どうしても悪質な人たち、非常に法律の裏知識といいますか、穴を見つけることが本当に早い人たちというのは、どんなに厳しくしても、やはり抜け穴、さらなる悪質な手口を見つけ出してしまうだろう。それは時間の問題かもしれないと思ってもいます。新たな課題が出てきたら、やはり、三年、四年といった通常の法改正の更新期間というものを待たずして、直ちにそれを国会の方でもまた取り上げていただきたいと思っております。
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池田学#27
○池田参考人 僕は専門ではございませんが、ただ、改正案を見せていただく限り、明らかに逃げ得に関しても一歩踏み込んだ法案だと思っています。ただ、井上さんも言われたように、これは基本的にわかりやすい形で啓発を徹底しておかなければ、先ほども認知症のところで申し上げましたように、前回の改正案もほとんどの国民、対象となる高齢者が知らないというような事実がありましたので、ぜひとも交通教育の部分で国民に周知徹底をしていただきたいと思います。
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市村浩一郎#28
○市村委員 啓発の大切さ、本当に同感でございます。
 もう時間も限られていますので、池田参考人に最後にお聞きしたいのは、さっき池田参考人の中で、結局、地域による意識差があるということで、大変それは重要だと思うけれども、自分に降りかかると、都会の方は、四〇%はちょっと難しいな、これが地方に行くと八〇%だと。そのときに、池田参考人の方から、やはり車がないと地域社会が崩壊する可能性もあるというような話もされたんですが、私は、ちょっとあえてお聞きしたいんですが、むしろ、車がなくても地域社会が崩壊しないような地域社会づくりというのも私はあるんだ、このように思っているんです。もともと車はなかったんです、みんなに。それでも地域社会は大変幸せな地域社会を築けていたかもしれないわけですね。だから、これから二十一世紀の社会というのは、むしろ、そういう地域社会というのもまた模索し、方向性として見出していくべきだというふうに僕は思っておりまして、そこについて池田参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
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池田学#29
○池田参考人 全く先生と同感でございます。実際に、地域によっては、既に、認知症に限らず、一般の高齢者で免許を返納された方に対して、さまざまな、タクシーの補助券を出すとか、商店街の割引を出すとか、公共のバスを半額以下にするとか、取り組みを始めている地域があります。そういう地域の場合には、返納率もとても高いんですね。ですから、ぜひとも先生方にイニシアチブをとっていただいて、地域社会できちんと高齢者が住めるような仕組みをつくっていただきたい。
 認知症だけではなくて、御存じのように、これからどんどんまだ高齢化が進みます。ですから、高齢のドライバーはどんどんこれからもふえると予想されていますので、その方たちが、認知症に限らず、身体的な要因等々でどこかで運転を中止せざるを得ません。これはもう明らかなことですので、その後、安心して地元で住める仕組みというのを、今からぜひとも積極的につくっていただきたいと思います。
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