予算委員会

2007-10-09 衆議院 全227発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十九年十月九日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 逢沢 一郎君
   理事 伊藤 達也君 理事 遠藤 利明君
   理事 田野瀬良太郎君 理事 中山 成彬君
   理事 森  英介君 理事 山本 幸三君
   理事 岡田 克也君 理事 前原 誠司君
   理事 富田 茂之君
      井上 喜一君    伊藤 公介君
      岩永 峯一君    臼井日出男君
      大島 理森君    大野 功統君
      金子 一義君    亀岡 偉民君
      河村 建夫君    倉田 雅年君
      小池百合子君    小坂 憲次君
      佐藤 剛男君    斉藤斗志二君
      坂本 剛二君    菅原 一秀君
      杉浦 正健君    園田 博之君
      谷垣 禎一君    谷畑  孝君
      中馬 弘毅君    中谷  元君
      西本 勝子君    野田  毅君
      深谷 隆司君    細田 博之君
      増原 義剛君    三ッ矢憲生君
      三原 朝彦君    笹木 竜三君
      武正 公一君    中川 正春君
      長妻  昭君    西村智奈美君
      原口 一博君    細野 豪志君
      馬淵 澄夫君    松本 剛明君
      山井 和則君    笠  浩史君
      赤羽 一嘉君    赤松 正雄君
      上田  勇君    江田 康幸君
      斉藤 鉄夫君    笠井  亮君
      阿部 知子君    糸川 正晃君
    …………………………………
   内閣総理大臣       福田 康夫君
   総務大臣
   国務大臣
   (地方分権改革担当)
   (地方再生担当)     増田 寛也君
   法務大臣         鳩山 邦夫君
   外務大臣         高村 正彦君
   財務大臣         額賀福志郎君
   文部科学大臣       渡海紀三朗君
   厚生労働大臣       舛添 要一君
   農林水産大臣       若林 正俊君
   経済産業大臣       甘利  明君
   国土交通大臣       冬柴 鐵三君
   環境大臣         鴨下 一郎君
   防衛大臣         石破  茂君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     町村 信孝君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当)
   (食品安全担当)     泉  信也君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当)
   (規制改革担当)
   (国民生活担当)
   (科学技術政策担当)   岸田 文雄君
   国務大臣
   (金融担当)
   (行政改革担当)     渡辺 喜美君
   国務大臣
   (経済財政政策担当)   大田 弘子君
   国務大臣
   (少子化対策担当)
   (男女共同参画担当)   上川 陽子君
   内閣官房副長官      大野 松茂君
   内閣府副大臣       木村  勉君
   総務副大臣        佐藤  勉君
   総務副大臣        谷口 隆義君
   外務副大臣        小野寺五典君
   財務副大臣        森山  裕君
   文部科学副大臣      池坊 保子君
   文部科学副大臣      松浪健四郎君
   厚生労働副大臣      西川 京子君
   農林水産副大臣      今村 雅弘君
   経済産業副大臣      新藤 義孝君
   経済産業副大臣      中野 正志君
   国土交通副大臣      松島みどり君
   環境副大臣        桜井 郁三君
   防衛副大臣        江渡 聡徳君
   内閣府大臣政務官     加藤 勝信君
   内閣府大臣政務官     西村 明宏君
   法務大臣政務官      古川 禎久君
   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君
   文部科学大臣政務官    保坂  武君
   厚生労働大臣政務官    伊藤  渉君
   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君
   農林水産大臣政務官    谷川 弥一君
   防衛大臣政務官      寺田  稔君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    宮崎 礼壹君
   会計検査院長       大塚 宗春君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  外口  崇君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  西山 正徳君
   予算委員会専門員     井上 茂男君
    —————————————
委員の異動
九月二十七日
 辞任         補欠選任
  石井 啓一君     江田 康幸君
十月九日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     西本 勝子君
  尾身 幸次君     亀岡 偉民君
  大島 理森君     谷垣 禎一君
  増原 義剛君     中谷  元君
  渡部 恒三君     西村智奈美君
  赤松 正雄君     上田  勇君
  江田 康幸君     斉藤 鉄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  亀岡 偉民君     谷畑  孝君
  谷垣 禎一君     大島 理森君
  中谷  元君     増原 義剛君
  西本 勝子君     臼井日出男君
  西村智奈美君     長妻  昭君
  上田  勇君     赤松 正雄君
  斉藤 鉄夫君     赤羽 一嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  谷畑  孝君     尾身 幸次君
  長妻  昭君     渡部 恒三君
  赤羽 一嘉君     江田 康幸君
同日
 理事石井啓一君九月二十七日委員辞任につき、その補欠として富田茂之君が理事に当選した。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ————◇—————
この発言だけを見る →
逢沢一郎#1
○逢沢委員長 これより会議を開きます。
 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
逢沢一郎#2
○逢沢委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に富田茂之君を指名いたします。
     ————◇—————
この発言だけを見る →
逢沢一郎#3
○逢沢委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長外口崇君、厚生労働省健康局長西山正徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
逢沢一郎#4
○逢沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
この発言だけを見る →
逢沢一郎#5
○逢沢委員長 基本的質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷垣禎一君。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#6
○谷垣委員 おはようございます。自由民主党の谷垣禎一です。
 きょうから予算委員会の論戦が始まるわけですが、まず冒頭に、私はおわびしたいと思っております。
 国会が召集されましてから一月ほどたつわけでございまして、内外、非常にいろいろなことがこの間にもございました。安倍総理の突然の辞任ということがございまして、その後のきちっとした政権の体制をつくっていくためにやむを得ざることとはいえ、この間、国会での議論ができませんでした。このことは深く国民におわびをしなければならないと思っております。
 そして、御就任されました福田総理に、御就任のお祝いを心から申し上げたいと思っております。
 私、この夏に、総理の選挙区でございます群馬県多野郡、今は町村合併して神流町というところに、休暇をとって民宿に泊まりました。その民宿に泊まりますと、かもいのところに総理の揮毫がかかっておりまして、光りて輝かさずというんでしょうか。しかし、総理の揮毫だけではなく、御父君赳夫先生の色紙もございまして、察するに、長い間福田党として福田総理をお支えになった、そういう民宿だったと思うんです。大変親切にしていただきましたけれども、今ごろきっと喜んでおられるだろうと思うんですね。
 それと同時に、神流町、昔は中里村と言っていたと思いますが、大変な山村僻地でございます。このごろ限界集落という言葉もございますが、恐らく、あのあたりには限界集落に数えられるものもあるのではないかと。過疎化と高齢化に悩んでおられる、そういう地域でございました。
 私が民宿の御主人に、こういうところに泊まりに来るのは一体どういう方かと聞きました。釣りの人かと聞いたら、いや、昔はそういう人もたくさんいたんです、でも、今は道路がよくなってくると、みんな車で日帰りで、民宿に泊まる人なんてほとんどいませんという御返事でした。
 総理が、老人には安心を、そして若い方には希望をというようなことを標語にされて所信表明も行われましたけれども、恐らく、ああいう過疎と高齢化に悩む御自分の選挙区に対するまなざし、そうやって今まで政治姿勢を築いてこられた、そういうことが背景にあるのかなと思ったりもしたわけでございます。
 ただ、お祝い申し上げましたけれども、総理がこれから臨まれる環境というのは、決して容易なものではございません。極めて厳しいものでございます。
 それは、内外ともに取り囲む情勢が厳しいということもございますが、まずやはりこの間の参議院選挙の敗北というものが非常に重い、大きなものとして眼前にあるということは、これは間違いないだろうと思います。私どもも多くの同志をこの選挙で失いまして、今や、福田総理を支える与党は参議院では多数ではない、少数になってしまった。いわゆる衆参のねじれという現象があるわけでございます。
 これをこのままにしておきますと、政府・与党の政策は衆議院では通るけれども参議院では通らない、また逆に、野党の皆さんの政策は参議院では通るけれども衆議院では通らない。こんなふうなことになりますと、現状が一歩も動かない、こういうことにもなりかねません。それでは、政治が国民に対する責任を果たしていくということはできないんだろうと思います。
 したがいまして、総理も所信表明でおっしゃいましたように、誠実に野党の皆さんとも対話をする、それを積み重ねていくということがまず第一に必要なんだろうと思います。
 世界の政治史を見てみますと、こういういわゆるねじれと言われるような現象は、今までいろいろな先進国の政治でも経験をしてきまして、それぞれ知恵を発揮してそういうところを乗り越えてきたということがございます。ですから、世界の国々でできていることを我々日本でできないはずはない、簡単に申し上げれば、私はそういうふうにも思っているんです。
 しかし、日本には日本の特殊な事情もあるのではないかと思います。特殊と申し上げていいかどうかわかりませんが、大統領制の国であれば、議会がどういう形で、法案を通そうと通すまいと、大統領は任期の間は大統領である、そういう状態は続きます。しかし、議院内閣制のもとでは、政権、内閣総理大臣の地位というのは議会の信任にかかわっておりますから、こういうねじれの現象が直ちに政局への傾斜を生んでくるということは、これはなかなか避け得ない面があるわけでございます。
 政局というものを中に含みながら政治が動いていくというのは日本の憲法構造である、これはやむを得ないところでありますけれども、同時に、国民生活に対する目配りを失って政局に対する思惑だけで行動するというようなことは、やはりあってはならないことだろうと思います。
 そしてもう一つの問題は、仮に議院内閣制の国であっても、ねじれが生じた場合、そして政局的な現象が起きてきた場合でも、普通であれば、解散をすることによって国民の信を問うて、そうして、国民の信はここにあり、そういう形でもう一回政権をつくり直してやっていくということができるわけでありますが、我が国のこの二院制のもとにおいては、参議院は解散がございません。現在の参議院の状況を見ますと、六年間は恐らくこの状況が続くであろうと思います。したがいまして、解散で民意を問うたからといってすべての問題が解消するということは、これは望みにくいわけであります。
 したがって、衆議院は一院でございますが、第一院と憲法上の規定というものがございますが、二院に全部第一院が合わせれば問題は解決するのかもしれませんが、それでは憲法構造上問題があるということになって、運用は非常に難しい、こういうことではないかと思います。
 もちろん、日本の憲法もそういうことを想定して幾つか規定は置いていることは事実でございます。予算につきましては、衆議院が可決して三十日内に参議院が可決をしなければ衆議院の議決が国会の議決になるという規定がございます。法律におきましても、衆議院で通ったものが参議院で否決をされた場合には、衆議院でもう一回三分の二の多数で議決をすればそれが法律になる、こういう規定もあるわけでございまして、憲法は、そういう規定を活用して何とか道を打開せよ、こういうことなんでしょう。しかし、なかなかそれはそう簡単な話でもないと私は思うわけでございます。
 こういう日本の言ってみれば憲法に内在している問題が、この間の参議院選挙によって顕在化してきた。ここをどう乗り越えて、与党も野党も国民の生活をきちっとしていくというその負託にこたえられるのか、これは、我々の知恵の出しどころではないかと思っております。
 私どもも、野党の皆さんに誠実にいろいろな政策面での協議を呼びかけていくという努力をこれから徹底してやらなければなりませんし、まだそれがどういう形になるかは、私どもも先の展望が十分に開けているわけではありません。また、野党の皆さんも、こういう状況のもとでどう国民生活に責任を負っていくかということに対して、十分に絵が描けておられるわけではないんだろうと思います。野党の皆さんも、これからいろいろな試行錯誤をしていかなければならないな、このように思っておられるんだろうと思います。いろいろ誤りもあろうかと思いますけれども、こういう試行錯誤を繰り返して何とか道を見つけて国民の負託にこたえていかなければならない、こういう状況である、このように思います。
 そして、こういう形で与野党の、総理のお立場からすれば野党の皆さんにも誠実に対話を呼びかけるということだろうと思いますが、その前提として、この間の参議院選挙、私どもは大きく批判を受けたわけでございます。この批判をどういうものとして受けとめて、どういう反省に立ってこれからの道筋を描いていくかということがなければ、この対話もなかなかうまく成り立たないのではないかな、このように思います。
 そこで、まず最初に福田総理に、こういう参議院選挙の結果をどのように受けとめられて、何を反省点としてこの国会に臨んでいかれるのか、その御決意をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
福田康夫#7
○福田内閣総理大臣 ただいま委員から御高見承りました。
 私は、御指摘の点、まさにそのとおりだというふうに思っておりますが、先般の参議院選挙で与党は大敗をした、特に自民党が大きく敗北をし、その結果、与党全体として過半数を割ってしまった、こういう事態、これは全く新しい局面であり、また、そのことについて我々として大いに反省すべきところは反省していかなければいけない、このように思っております。
 その反省すべきところは何なのか、この点でございますけれども、私はやはり、国民の気持ちに沿わなかったという点、国民の気持ちから離れてしまった、そういうことはまず指摘されなければいけないと思います。
 その点につきましては、いろいろなことがございました。政治家また閣僚の問題もありました。いろいろなことがありまして、そのことによって国民の信用を失い、その上、年金のような極めて大きな問題において大きく信用を失墜した、こういう事態を招いてしまったということでございます。
 特に年金につきましては、これは、国家を国民が信用してお金を預ける、そして老後に備える、こういう制度でございます。長い期間お金を預けて、そしてそれを本当に必要なときに国家から支給を受ける、こういう仕組みが、これがうまく機能していないじゃないかということ。お金を長く預けるというのは、やはり、国家が信用されないとそれは成立しない制度であります。銀行だろうが、金融機関みんな、そういう信用のもとに仕事をしていられるわけでございまして、そういう信用を、国家としての信用を失ってしまったということ。これはもう、単に一政党とか政府の信用とかそういうふうなことでない、国家の権威を失墜したというぐらい大きな問題だというふうに私は受けとめております。
 ですから、このような問題に対して全力で威信回復のために努力するのは当然でございますけれども、そういう問題も含めて、私は、与党に対する信任、特に自民党に対する信任を失い、そして選挙で大敗を喫した、これはもう本当に、むべなるかな、こういうふうに思っておるところでございまして、そういうような反省に立ってこれからの政治を進めていかなければいけないというように思っております。
 それともう一つは、やはり国民の目線に立った政治をしてきたのかどうかということが問われるのではないかと思います。
 今までいろいろな改革がございました。私は、こういう内外の厳しい状況の中で、改革そのものは必要だと思います。この改革をしなければ日本は立ちおくれてしまう、そして、立ちおくれるだけでなくて孤立してしまうという状況が容易に予想されるという状況の中で、改革は進めていかなければいかない。ですから、小泉改革、安倍改革とずっと続けてまいったわけでありまして、私もその改革の方向性はきっちりと守っていかなければいけない。
 ましてや、今、国家の財政は必ずしもいいわけじゃありません。むしろ悪い。先進国の中で最悪の状況ということ。こういうことを考えますと、相当な覚悟を持ってこの改革を進めていくということがなければ国家の存立も危うくなる、このように思っております。
 ですから、このことは真剣に取り組むけれども、しかし、そのことによって生じた問題、そして、過去数年間において内外情勢の変化に伴って自然に発生するようないろいろな問題に対しては、これは一つ一つ対応していかなければいけない。その対応を怠っていたところがあったかもしれない。そのことについてはこれからしっかりと対応し、そして、国民の生活の安定とか国民の幸せとかいったようなことを、我々がそのことを大事に考えていくということをもう一回やり直さなければいけない。そんなふうに私は今思っているところでございます。
 ですから、いろいろやることはあると思います。そのことを一つ一つ解決していくということが今私どもに課せられた大きな課題であると思います。国民あっての我が国であり、政府であり、そして国民の幸せあっての国家である、こういうように考えて、国民目線で政治を進めるというその視点を、私ども、大きく強く感じながらこれからの政治を進めてまいりたい、このように思っております。
 ただ、今の情勢というのは、国会の中においてはなかなか厳しい情勢でございまして、国民の生活のため、そして国家の利益のためにやるんだという、そういう一点においては、野党の方々も皆様方、同意してくださると思います。ですから、我々は、極力、その目的にかなうことをこれから進めていくということにおいて、野党の皆様方にも同意を得ながらこの国会を進めていただくようにお願いをしたい。野党の皆様方にも、そういう観点からお考えいただいて、一緒になっていい日本をつくるという気持ちになっていただきたい。我々はそういうふうな気持ちでおりますから、ぜひ御協力をいただきたい、そういうふうに思っておるところでございます。
 いずれにしても、我々は、そういう反省の上に立ち、そして、国民の皆様に大変御迷惑をかけておる、そういうことを常に念頭に置きながら、これから懸命に努力をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#8
○谷垣委員 今総理から、反省点として、国民の気持ちから離れた、そのことによって国家の権威を失墜するようなこともあった、それからまた、いわゆる改革の光と影というんでしょうか、改革は必要だけれども、影の部分のようなところについても一つ一つ丁寧な対応が必要だというお話がございまして、私も全くそのとおりだと思います。
 改革という言葉にちょっとみんな疲れちゃったところがないわけでもないと思うんですが、やはり私も改革は必要だろうと思います。
 それは、結局、あるとき適切であると思われた政策でありましても、このようにグローバル化も進んでいる、あるいは少子高齢化、人口減少も進んでいく、こういう状況の中で、必ずしもかつての政策が所期の効果を発揮しない、こういうようなことはよくあるわけでありまして、これだけの財政の厳しいときでもありますから、もう少しやはり資源の効率的な配分というものを考えていかないと、日本自体が世界の中で孤立することにもなりかねないし、また、それをほっておくと変な既得権みたいなものも生じてしまう。そういう既得権みたいなものを打破して無駄を排除していくということは、これからも引き続き求められることだろうと思います。
 しかし、そうやって無駄を省き省きと、こうやっていきますと、確かに所得再分配機能みたいなものも少し働かなくなるかなとか、いろいろな問題点が生じてきている、それに対して一つ一つ丁寧に対応していかなければならない、そのとおりだろうと思います。
 総理が御自分のキャッチフレーズとして自立と共生という言葉を使われたのも、やはり、改革を進めることで自立を促していかなければならないけれども、同時にそれは、ばらばらの個人がばらばらでその人生に向き合っているようじゃいい国にならない、共生という考えも必要だ、こういうことだろうと思います。
 私も実はきずなという言葉をよく使っておりまして、こういう影の部分に光を当てていくためには、やはり家庭のきずなというものがしっかりしないとみんな人間がうまく安心して生きていけないだろう。それから、それに加えて、地域社会のきずなというものもなければだめだろう。そういうものをどうやってこれから、競争や改革を進めながらも、そういう家庭のきずなや地域社会のきずなをどうつくっていくかというのは我々の課題なんだろうと思いますし、家庭のきずなと地域社会のきずなだけでも足らないところがありまして、やはり国と国民の信頼のきずなというものがもう一つその上になければいけないんだろうと思っております。
 きょうは、私は、政治と金の問題については後で細田博之さんにやっていただきますので私は多くは触れませんが、国と国民の信頼のきずなをきちっともう一回つくっていく上でも、この政治と金の問題の解決は極めて重要だと思っております。与党としても、一つの考え方、民間でできることぐらい我々はやらなきゃいけないじゃないかという考え方を基礎にして案を持っているわけでございますが、これは政治家の自己規律の問題でございまして、与党、野党の対立するという性格の問題では私はないと思います。
 したがいまして、それぞれ皆、案をお持ちでございますから、ぜひこういうものをきちっと討議して形あるものにしていかなければならない、こんなふうに思っているわけでございます。
 次に、歳入歳出一体改革と申しますか、財政の問題についてお伺いをしたいと思います。
 いろいろ改革を積み重ねなければならない要因の一つに、やはり財政の状況が非常に悪いということがあるわけですね。
 財政の危機的状況という言葉はもう何度も繰り返されているわけでありますが、ことしの平成十九年度の予算規模で見ますと、歳出は約八十三兆弱ですね。それから、税収はそれに対して五十三・四兆か五兆か、そのぐらいのものでしょう。したがって、その足らず前は借金をしている。つまり、国債を発行して、これが二十五・四兆ぐらいになるわけですね。要するに、一年間の予算の三割は借金で賄っているという状況でございます。
 この間、これを改善しようという努力を随分積み重ねてきまして、平成十六年、このときは三十六・六兆発行しておりましたから、その平成十六年に比べると十一兆強、国債を発行する額も減らしてくることができたわけでありますが、まだ三割というのは極めて大きな量でございます。
 それから、今までずっと発行してきましたから、残高も相当なものに上っている。これは国、地方を合わせますと、長期債務残高はGDPの一五〇%近くになんなんとしておりまして、本年度末で七百七十三兆と、先進国の中では一番芳しくない状況にある。これはもうさんざん言われたことでございます。
 私は、世界経済の状況を見ますと、いろいろ懸念する材料というのはたくさんあるんですね。たくさんありますが、恐らくアメリカの経常収支、それから財政収支、いわゆる双子の赤字の問題と、それから、中国がこの十数年、毎年一〇%を超えるような成長を続けて、今は北京なんかに参りますと、これは一九九〇年代の六本木あたりのような感じじゃないかなと思うこともあるわけですね。これがやはり安定した形になっていくかどうかという問題。それに加えまして、日本がこの財政赤字をどうコントロールしていくのかということが恐らく、ヨーロッパにももちろん問題はございますけれども、世界経済、特にアジア太平洋地域で見ますと、主要な問題はこういうことになるんじゃないかと私自身は思っているわけです。
 そして、進行する少子高齢化、あるいは、そういう中でこのままほっていきますと、負担は後の世代に先送り、受益と負担の不均衡は拡大の一途をたどるということになるわけでございます。従来、それを打開しようとしていろいろな改革を積み重ねてきたことは、これはもう間違いないところでございまして、財投を改革するとか特会を改革するとか、あるいは独法を改革するとか、それから公務員定数を削減する、あるいは入札の方法ももっと合理化できないか、いろいろなことをやってきたわけでございます。
 今、何を目標にしてやっているかといいますと、これは小泉政権が発足してきたときからの継続でございますが、二〇一一年にいわゆるプライマリーバランスを黒字化しよう、つまり、その年にいただいた税金でその年の政策を打っていこう、その限りにおいてツケを後の世代に先送りしないようにしようじゃないかという目標でやってきたわけですね。
 それで、二〇〇六年のいわゆる骨太の方針ではその大きな方向を示しまして、大体、今からある程度成長もしていくだろう、それでまたその成長を推し進めなければいけない、しかし、社会保障等々の費用の増大もあるだろう、そうすると、二〇一一年にプライマリーバランスを回復するためには、対応する必要額、十六・五兆、やはり何らかの形で埋めなきゃいけない。そのうちの主な部分は、できるだけやはり無駄を排除することで片づけていこうじゃないか。十六・五兆のうち、十一・四兆から最大十四・三兆まで、何とか歳出削減でできないかという計画を立てて、それだけやってもなかなかうまくいかないところは、まあ、いろいろ税制改革や何かにもまたお願いをしなければならないというのがあらあらの方向でございます。
 先般、総理の所信表明演説でも、この二〇一一年、プライマリーバランスの回復ということを堅持するとおっしゃったわけであります。
 しかし、削る削るという一方で、なかなかまた必要なものもあるわけですね。基礎年金を、今三分の一税金で賄っておりますけれども、安定させるためには二分の一まで税金で持っていく必要があるんじゃないか、これは三年前の年金法改正の中で書き込まれていることでございます。
 それから、今般の福田内閣の発足に伴いまして、公明党との政権合意の中でも、高齢者医療制度の負担増みたいなものをやはり凍結していく必要があるんじゃないか、あるいは母子家庭に対する児童扶養手当のようなものも凍結する必要があるんじゃないか。これは今まで、改革の基本的な方向性は必要ではあるけれども、少しスピードが速くて、息が切れてきたところがあるなという認識がやはり広くあるんだろうと思いますね。そうしますと、なかなか歳出カットでやるやるといっても、これは簡単ではないんだろうと思います。
 それで、どういうふうにして無駄を見つけ出して無駄な歳出を削っていくかというのは、これは内閣を挙げて取り組んでいただかなければなりませんが、しかし、主として、やはり財務大臣、額賀さんが知恵を発揮して、目ききの目をもって、どこに一体削れるところがあるのかというところで、大いに頑張っていただかなければならないんだろうというふうに思います。
 私は、これはなかなか、今申し上げたことは、どこに無駄があるか探してくることはそう簡単ではないよ、よっぽど目ききの目でもってよく精査しないといかないよということを申し上げたんですが、私はやはり、これは広くいろいろな知恵を参考にするというのも大事なことなんだと思うんですね。
 そこで、民主党のマニフェストを拝見しますと、民主党の方も、私どもの方も十一・何兆から十四・何兆まで何とか無駄を削減しようということでやっているわけですが、民主党さんも、いろいろな政策をやっていくために、十五・三兆、無駄を排除して、無駄を見つけて、そこで新たな政策経費の余地を見出していくということなんです。私はこういうことができれば非常にいいなと思うんですが、見てみると、なかなか簡単じゃないんじゃないかなという気もするんです。
 額賀財務大臣に、この表をごらんになってそのあたりどうお感じになるか、そして、どこに額賀さんとしては無駄を見出してプライマリーバランスを回復していく道筋をつけようとしているのか、その御所見を承れればと思います。
この発言だけを見る →
額賀福志郎#9
○額賀国務大臣 谷垣元財務大臣、私が言うべきことをほとんど言ってくれまして、答弁の時間が削減されたと思っておりますけれども。
 今、私も、確かに小泉改革の実行によって経済がようやく明るさを取り戻してきた、企業においても収益もよくなってきた、失業率なんかも最悪五%から三%台半ばになってきている。大いに好転をしつつあるけれども、しかし、これは外部要件に支えられた点もたくさんあります。それは、輸出がよかったとか、円もどちらかというと高い方ではなかった、あるいは金利も低金利であった。だから、まだ本格的な経済環境にはなっていない。しかも、なおかつ、先ほど来言われているように、都市と地方の問題だとかあるいは雇用の問題だとか、さまざまな問題を抱えているわけですね。
 そういう中で、やはり経済政策といたしましては、きっちりと成長路線というものは堅持して持続させていかなければならない。と同時に、やはり谷垣元大臣が言うように、七百七十三兆円、地方と国を合わせての債務を抱えておるわけであります。こういう国は先進国ではないわけでございますので、これをきっちりと、再建構想というか国家財政再建の道しるべというものを、道筋というものをつくっていかなければ、これは市場にも影響していくことにもなりますし、政府としては、どんなときでも国家財政再建の旗は保ち続けていかなければならない、そして国民の理解を得てそれを目指していかなければならないというのが前提条件であると思っております。
 そういう中で、先ほどの参議院の選挙で我々が一番感じているのは、将来について、経済とか雇用だとか社会保障について不安を持っていることに対して、どういうふうに我々はこたえていかなければならないのかということだと思っております。
 社会保障の面は、特にこれは少子高齢化社会でございますから、生産年齢人口は減っていく、幸いなことに高齢者はふえていって、幸せでなければならない、そうすると、我々の負担がどんどんふえていく、給付もふえていくということになるわけでございます。
 ちなみに、社会保障の経費は、今、自己負担抜きで全体で九十兆円要りますけれども、恐らくこれは二五年ごろは百四十兆円になるということでございますから、どんどんどんどん、この負担を我々はどういうふうに安定した形でやっていくか、しかも、なおかつ、経済成長も持続していかなければならない、それをきちっと責任を持って果たしていかなければならないということでございますから、総理の所信にもありますように、二〇一一年のプライマリーバランスはきちっとこれは確実に実行する、実現をするという方向は維持していかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
 もちろん、プライマリーバランスというのは最小限の目標でございます。これは、金利と成長率が一定の場合、固定化されているだけでございますから、本当は金利払いだけふえていくことになるわけでございますので、そこは、次の段階として我々はきちっと目標を定めていく必要があるというふうに思っております。
 そこで、歳出削減についてどういうふうにするのかということに関連をして、民主党のこの参議院の選挙のマニフェストで書かれた政策提言でございますけれども、この詳細について、具体的にどういう経費分野について幾ら下げるとか、どういうふうに削減をしていくかということについて詳細に書いてありませんから、よくコメントできないところがあります。
 しかし、例えば補助金のカット等がありますけれども、補助金は今大体全部入れて十九兆円です。これは十年前と大体同じです。なぜ同じかというと、公共事業だとか教育だとかそういうものはどんどん減らしているんだけれども、社会保障とかそういうものがどんどんふえているから、補助金としては、中身は変わっているけれども、数字全体としては変わっていない。例えば、十九兆円のうち社会保障関係が十二・二兆円ぐらいですよ。あと教育関係が二兆幾らですから、十九兆円のうち十四兆は社会、教育関係なんですよ。
 そうすると、六・四兆も削減をしていくということになると、社会保障とかそういう分野についてはどうなるのかなと。これは、我々も若干、よく民主党の皆さん方からお話を聞いて、取り入れられることがあれば、我々も、国家国民のためにプラスになることであれば採用させていただいて、おこたえをしていきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、こういう、本予算は別にして、関連法案は参議院で民主党の御理解も得なければなりませんから、民主党の意見もよくよく尊重し、吸収した上で、国民の期待にこたえられることがあるならば、これは民主党とも協力して考えていくことができる。しかし、今の時点では、中身が詳細に、きちっと我々も掌握しているわけではありませんから、果たしてこれでできるのかなという思いが若干あります。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#10
○谷垣委員 今財務大臣が、快刀乱麻を断つごとく、この案がなかなか難しいよというのをおっしゃってくださるかと思ったんですが、額賀さん、ジェントルマンですから、自民党同士で議論してそこまでやっちゃいかぬなというので、寸どめにされたんじゃないかと理解をいたします。
 いずれにせよ、かなり難しい計画を民主党がお持ちであるというふうに私も思います。
 これは、参議院で生殺与奪の権を握るようにおなりになったんですから、本当は小沢さんと議論させていただきたいなと思うんですが、なかなか今の仕組みではそうはいきませんので、このぐらいにさせていただきますが、一つ申し上げたいことは、先日、日経新聞を読んでおりましたら、今度は参議院の方で、民主党は、法案のあらし作戦とおっしゃって次々と法案をお出しになるんだそうですね。
 その中で農業関係、いろいろ、戸別補償しなきゃいかぬということを民主党は言っておられますが、その法案をお出しになる財源はどうするんだと。民主党も明日の内閣をつくっておられて、明日の内閣の農水大臣が非常に苦労されたら、小沢党首が、そんな細かいことを一々問題にするなとおっしゃったという記事が出ておりました。まあ、一兆ぐらいの金はぽんと総理になれば出すよということかもしれませんが、出す先は結局赤字国債を発行してというのじゃ、私はやはり財政規律はもたないと思うんですね。
 きょうは自民党の額賀大臣と議論しておりますので、このぐらいにこれはさせていただきたいと思います。
 そこでもう一つ、改革路線という関係で申し上げたいのは、郵政民営化というのをずっと議論してまいりまして、この間の十月一日からこれはスタートしたわけですね。これは百三十年間にわたって国民が育ててきた制度でございます。したがって、これは民営化して、やはり国民の利益にかなうような姿に育っていってもらわなければいけないんだろうと思います。
 スタートしたばかりの段階で、まだいろいろ先を占うのはちょっと早いかもしれませんが、私は総務大臣によくそれは見ていっていただきたいと思いますし、三点、今の段階でお伺いしたいと思うんです。
 その第一点は、やはりこれが民営化して、健全な民間企業として育っていってもらわなきゃいけないわけですね。それで、承継計画の損益見通しを見ますと、各承継会社とも黒字を維持するということになっております。その辺、政府はどういうふうに見ておられるのかというのが第一点です。
 それから二点目は、郵便局というのは全国で今まで、二万四千ですか、ネットワークを持っていて、やはり田舎の方、過疎地に行っても郵便局がある、そして地域に密着しているというのを一つの特色として国民に貢献してきたということがあろうかと思います。
 今、田舎の方へ行きますと、農協等がどんどん合併化して店舗の数も少なくなっているわけですね。そうすると、田舎へ行っても郵便局があるということは、金融過疎という言葉があるかどうかわかりませんが、田舎のお年寄りが、例えば年金の受け取り先をどこにするんだというので、遠くまで出かけていかなくて済むというような役割を果たしてきた。今後とも、こういう地域に対する貢献というのはできるのかできないのかというのが二番目でございます。
 それから三番目は、今、郵貯、簡保で多分二百兆ぐらい国債を保有していると思いますね。大量に国債を発行している、それが安定的に消化をされていって国債マーケットを混乱させないという意味では、郵貯、簡保の果たしている役割は極めて大きいものがございます。
 今後、この郵貯、簡保は、仕事の範囲がだんだん広がっていくということになりますと、国債というものも、もう少し運用先を多様化させていくということが当然生じてくるんだろうと思います。ところが、ここが余りスピードが速過ぎると、国債マーケットを混乱させる要因にもなりかねないという面もなきにしもあらず。そうなると、国債価格が低くなって、会社のバランスシートもおかしくなってくるということがないとは言えないと思います。そのあたりをどう見ておられるか。
 この三点、総務大臣にお伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →
増田寛也#11
○増田国務大臣 今、郵政民営化のお尋ねが三点ございました。
 これは大変大きな事業でございます。十月一日にスタートをしたということでございますが、これが国民にとりましても成功したと言えるようなものに絶対しなければいけないものでございますが、その中で、御質問の三点でございます。
 一つ、承継計画でございますけれども、いずれも黒字を維持する、このような各社の承継計画になっているわけでございまして、これは私どもも、端的に言いますと合理的な見通しである、このように判断をしておりますが、これには前提がございまして、実施計画の認可の際にも私から会社の方には申し上げたわけでございますが、今後も経営の合理化、効率化をするということ、それから営業努力にもきちんと努めなさいというようなことを申し渡しをしてございます。
 こうしたことを今後、いろいろな経営の自由度が獲得できた各会社でございますので、しっかりと行っていただきまして、そして経営の健全性を確保していただく、これが大変重要かというふうに思っております。私どもも、こうしたことをきちっと見ていきたいというふうに思っております。
 それから二点目の、郵便局ネットワークの関係でございます。
 今お話がございましたとおり、全国で二万四千の郵便局ネットワークを持っておりまして、これがまた、地域の金融サービス初めさまざまな拠点としても使われているということでございます。
 このネットワークにつきましては、法律でこうしたネットワークの水準を維持する、こういう義務づけが会社の方になされているということ、それからまた、今後は、経営判断によりまして、こうしたそれぞれの地域の郵便局を活用して多様な業務をそこで展開できる、こういう法律のたてつけになっているわけでございまして、そうしたこの法律の規定も生かして、今後も会社として郵便局ネットワークの水準を維持していくもの、このように考えております。
 それから最後に、国債市場への影響がございました。この国債市場に場合によったら悪い影響を及ぼすのではないか、こういうことでの御心配も含めての御質問かと思いますが、御案内のとおり、旧契約でございますけれども、これは金融二社の運用資産の大部分を占めております。この旧契約につきましては、引き続き、これは政府保証がついておりますので、国債等の安全な資産で運用ということになっておりますから、極端な資産構成の変化というのは生じにくい形に今なっております。
 そして、こうしたことについての、市場に対してやはり今の金融二社の業務あるいは資産の状況についてきちんとディスクローズをする、そして市場としてこうした国債についての予見可能性を持つということが大変重要でございますので、法律でもそうしたことを会社の方に義務づけしてございます。さらに、旧契約分について、今度新たに独法化されました貯金それから簡保の管理機構が、資産の運用見通しについて報告を受け、その内容をさらに公表することになっておりますので、今後、市場に対して継続的な情報提供を確保していきたい。
 いずれにいたしましても、大変大きな今回の改革でございまして、これはいずれも国民の利便のためにということの改革でございますので、その改革の目的が十全に、十分に発揮できるように私どもも全力を挙げていきたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#12
○谷垣委員 本当にこれを国民の利益になるような結論を出していかなければなりませんので、今後ともよく見ていっていただきたいと思います。
 では次に、地域の再生といいますか、そういう問題を若干議論させていただきたいと思います。
 参議院選の民意は、やはり地域格差というものにどういうまなざしを注ぐかということを求めていたと思うんですね。先ほども限界集落という言葉を使いましたけれども、国交省の調べでは、過疎化、高齢化が進んでいずれ消滅の可能性がある集落が二千六百四十一あるということでございます。もうちょっといい名前はないかなと思うんですが、限界集落と。まあしかし、なかなか厳しいところに来ている。昭和四十年代にも随分、高度成長に伴って山村が維持できなくなったということがございましたけれども、今もまたそういうようなことが起きつつあるんだろうと思うんですね。
 それで、そういうことを初めとして、どうやって地域再生をしていくか。これは、今般、政府におかれても、地域活性化統合本部というのをおつくりになって、早速にも地方活性化モデルプロジェクトをつくろうというふうに進めておられると伺っておりますが、私は、こういう地域再生を考えるときに、基本は、やはりばらまきみたいな話はなかなかもうできないんであって、まず第一に、地域の本当のニーズはどこにあるのかということをよく見きわめる必要がある。
 それから二番目の問題としては、その上で、地域が自主的に、自律してみずから考えていくという地域の自主性を重んじなきゃいけない。その上で、地域だけではなかなか障害があって片づけられないような問題を、やはり国がその風穴をあけていくということをやる、こういうことじゃないかと思うんですね。
 それで、総務大臣に、地方再生に向けた今後の取り組みの基本姿勢と申しますか、そういうものをお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
増田寛也#13
○増田国務大臣 地域再生の問題でございますが、私も岩手の知事を長らくしておりました。そしてまた、総務大臣になりましてから、島根そして長野と、いわば今議員からお話ございました限界集落などをぐるっと歩いてまいりました。地域の疲弊が大変深刻な問題を生じさせている、こういうことを改めて肌で感じた次第でございます。
 総理の方からも、こうした問題を解決するに、地方というものが決して一様ではないだろう、その中に抱えている問題も非常に多岐にわたって、それぞれの処方せんはそれぞれ別々にあるはずだ、こういうことで、それぞれの地域の声に丁寧に耳を傾けるように、そして一つ一つ処方せんをそれぞれつくるように、こういう指示も受けているところでございます。
 今議員の方からお話がございました、内閣の中でも、こうした地域の問題、取り組みを行う本部が今四つほどございますけれども、そうした本部を今後は一元化して、そして地域活性化統合本部として全体を目配りして、省庁横断的に内閣を総じた対策を講じていこうということで、実は本日夕方、この第一回目の会合を開くことにしてございます。
 そして、その中で、今各地域の置かれている問題、限界集落のような地域の足の確保の問題でありますとか、医療体制を維持することが大変難しい問題ですとか、これはもう国交省あるいは厚生労働省のみならず、全体でやはり考えていかなければならない問題でございますので、今議員からお話がございましたが、その中でも、地域にやはりきちんとした人材がいて、いろいろな知恵や工夫の発揮できるような試みが行われているわけですね。そうしたことが必ず地域地域で何かしらの動きがございますので、そうしたものを一番身近な自治体である市町村やあるいは県、そしてさらには国がしっかりと支えていくような、そういう進め方。
 やはり、上の方からいろいろ絵をかいたり、やり方を押しつけるということではなく、地域の皆さん方が地域で一番知恵を出す、それは住民の皆さん方が一番地域の状況を御存じですから、そうした皆さん方の発想を起点にしながら、それを我々がしっかりと後押しをしていくような、こういう方策を取りまとめていきたい。
 十一月中にはそうした地域再生のためのプログラムを取りまとめをして、そしてそれを直ちに実行していきたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#14
○谷垣委員 やはり、それぞれ地域のニーズも異なる、それから地域自体に考えてもらわなきゃいかぬ、私、そのとおりだと思いますが、しかし、共通の問題として幾つかポイントがあるんじゃないかなと思うんです。
 きょうは、また細田さんに詳しく、一番過疎県の代表として質問されるとおっしゃっておられますから、私はポイントだけ申し上げたいと思うんですが、まず、このごろインフラ整備というのはどちらかというと逆風の中にあるわけですね。何か、そういうことはいかぬことだのような議論もございます。
 しかし、過疎地、過密地、双方でやはり問題を抱えているので、大都会では過密に伴うさまざまな不満がございますが、地方へ行きますと、人口減少や活力減退だ、あるいは将来の不安だというようなことを言っている。
 それで、地方の中でも、地方の中心都市と、また、先ほど限界集落と言われるようなところではやはり同じような問題があって、やはり基本的なインフラというものを整備して、例えば災害に強い地域をつくるということも必要でしょうし、それから、地方では、やはり大都会と違って公共交通網というのは持ちにくいところがありますから、どうしても道路がある程度発達して、自分たちでそこを運転していかなきゃならぬというようなことも起きてくると思います。このあたりは、決してばらまきではないけれども、やはり地方で頑張れというためには必要な条件なんじゃないかと思うんですね。
 こういう地方のインフラ整備の必要性につきまして、総理、御所見があれば伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →
福田康夫#15
○福田内閣総理大臣 私は、仕事は東京、そして選挙区は、先生から言わせれば田舎ですよ、でも、中堅都市として頑張っているところでございますけれども。しかし、そこからまた一時間足らずで、先ほど委員が行かれた旧中里村、神流町というのがございまして、ここはまた一段と人口の少ないところだというところで、こういう三点を常時見ておりまして、果たしてこの形でいいのかなということは、常々反すうしながら今でもおるわけでございます。
 東京に来れば何でも一流のものがそろっている、そして便利だ、交通網も整備されている。しかし、地方に行きますと必ずしもそういうわけではない。そしてまた、東京には病院もある。学校だけではない、病院もある、いい病院がある。地方に行きますと病院のないところもある、こういうところでございまして、そして、もう一つ申し上げれば、地方には、それも神流町には若い人がだんだん少なくなってくる、こういう人口移動の問題もあるんですね。みんな若い人は一流のものがいい、当然ですよ、それは。私もそういうことにあこがれて若いころは過ごしたわけでございますけれども。
 そういうふうなことを見ておりまして、果たしてどこまで手当てしていけるものかどうか。しかし、病院がないというのは、それでほうっておいていいのかどうか、そんなことは常々考えているところでございます。しかし、その病院も、間に合わせの病院ということでない病院ができないかどうかというふうなことも考えています。
 ですから、そういうことを考えておりますと、道路と同じようなもので、どこでも道路が通っていなきゃいかぬ、こういうふうな議論になってしまうんです。
 しかしそれは、お金に限りがありますから、どこまでやるかという問題になりますが、そういうところは、やはりその地域の住民の意向とか、また全体を見まして、国土の全体的な発展とか発展状況、どうすべきか、地方が疲弊すれば農業も林業もだめになってくるということがありますから、そういうことも総合的に考えてこれからの政策を考えていくということは必要だと思います。
 しかし、病院がないというのは、私はこれは問題だと思いますね。それから、若い子供たちが行く学校がない。学校が、非常に生徒の数も少ない。これもやはり問題があるんではないかなというようなことは常々考えているところでございまして、これはという今のところ解決の解答を考えているわけではありませんけれども、そういうものはこれからいろいろと模索してみたいというふうに思っているところでございます。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#16
○谷垣委員 やはり、頑張れというためには、今総理のおっしゃった学校、病院とかそういうものを含めて、基礎的な条件をどうしていくかということ、これは大変財源も厳しいわけですけれども、何か知恵を出していかなきゃいかぬと思います。
 それからもう一つは、私は、財政力の偏在という問題をやはりきちっと議論しなければいけないんだと思っているんです。特に最近、法人二税、これは景気回復に伴いまして大変格差が生じているといいますか、財政力のあるところとないところ、差が生じているという議論が強くなってきております。これは翻ってみますと、三位一体で、国税から地方税、所得税から地方住民税へ、やったことというのも、財政力の格差を際立たせる面がやはりあったんだろうと思うんですね。
 それで、実は、この間の安倍内閣のときに、財務大臣、当時は尾身さんでいらした、それから総務大臣は菅さんでいらしたけれども、お二人の連名のペーパーが経済財政諮問会議に出ていて、これを何とか考えなきゃいかぬというお二人の共通の問題意識があったわけですね。私が財務大臣をやっていたときは、竹中さん、麻生さんの間で共通のペーパーなんか出すなんて考えもつかなかったことでございますので、大分状況認識は進んできたんだなと思うんですが、なかなか現実には解決の難しい問題になっているわけですね。
 そこで、こういう地域再生、財政力の問題をどうしていくおつもりか、総務大臣に御見解を伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →
増田寛也#17
○増田国務大臣 財政力の格差の問題でございますが、これが今、ひいては医療の問題ですとか教育の問題に非常な懸念が生じるような、こういう事態で、やはりこの問題は、一つは地方交付税の問題、そしてもう一つはいわゆる税の偏在是正の問題、この二つで格差を是正していく必要があろうかというふうに思います。
 地方交付税でございますが、十六年から十八年の間に大分減っております。地方交付税それから臨時財政対策債、地方交付税見合いでございます、これを合わせまして今、三年間で五・一兆ほど減りまして、非常に各自治体が財政運営に窮しているということがございます。こうした地方交付税を含めた必要な一般財源総額は、やはりきちんと総額確保ということが一つ大変重要な視点だろうと思います。
 それからもう一つは、税に限っての問題でございますが、やはり法人税、特に地方の場合、法人二税でございますが、これは大分景気に左右されまして、景気がいいときは大分税収も入るのでございますが、お話にございましたとおり、どうしても都市部にこれが偏る、こういう性格の税でございます。したがいまして、地方税としては、私どもはやはり、そうした振れる税よりは安定的な、サービスを提供する自治体の財源でございますので、安定的な税が望ましいであろうということがございます。
 ぜひ地方消費税を充実させたいというのが地方団体多くの考え方でございまして、私ども総務省もそういう考え方に立っているわけですが、そうした地方消費税の充実とあわせて法人二税についても、やはり国、地方の配分のあり方をここでいま一度見直しをして、そして地方税の偏在の是正に努めていきたい。
 直近の数字でも、法人二税について、一番一人当たりの税収の多いところと少ないところ、この差が六倍を超える、偏在性が。地方消費税ですとこれが一・九倍ということでございますので、特にこの地方法人二税の配分などについても見直しをして、そして、地方交付税も含め、地方の安定的な税財源を確保していく、こういうことに努力をしていきたいと考えております。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#18
○谷垣委員 これは大変難しい問題でもございます。それから、地方消費税についても触れられましたが、この消費税というのはみんなが虎視たんたんとねらっているというところもございまして、なかなかさばきが難しいところもあろうかと思います。
 我々、党の中にも地域活性化特命委員会というのをつくりまして、この財政力の調整の問題、党の方でもよく議論をしたいと思っておりますので、大臣もまたこの点ではぜひよい解を見つけ出すよう御努力をいただきたいと思います。
 そのほか、やはり地域再生に関しては、地方の雇用をどうつくっていくかとか、重要な問題がたくさんございますが、あとは細田さんにお譲りをしたいと思います。
 それで、いろいろ私も用意しておりましたが、時間の配分が足りなくて、大幅に飛ばしまして、次に、どうしても年金、社会保険庁のことをちょっと舛添大臣に伺っておかなきゃいけません。
 社会保険庁、いろいろな不祥事があり、また、社会保険料を集めたけれども横領していたというような事実も最近発覚されている。どうしてもこれは問題の所在をはっきりさせて、国民の安心に持っていかなきゃいけないわけですが、差し当たっては、安倍内閣でつくった、七月ですか、政策パッケージ、これをしっかりやっていくということが一番大事だと思います。これ、きちっとできるのかどうか、舛添大臣、お答えください。
この発言だけを見る →
舛添要一#19
○舛添国務大臣 谷垣委員にお答えいたします。
 私、就任いたして六週間、この年金問題、全力を挙げて取り組んでまいりました。
 まず、なぜこういう問題が起こったのかという現状をしっかり分析する必要がある。それから、徹底的にうみは出すよということで、不祥事を起こしたのが社会保険庁の職員であれ市町村の職員であれ、徹底的にこれは追及するということで、うみを出し切らないとこれはだめだと思います。そういうことで、昨日も、福岡県警、これは北九州の横領案件について逮捕いたしました。こういうことで、けじめをつけてやっていく。その上で、同時に、今先生おっしゃいました、この七月五日に決定したことをきちんとやるということで、私もなるべく現場も視察しながら見てまいります。
 それで、基本的には、国民一人一人の年金記録、それはもうどこにあろうと完全にチェックしていく、こういう思いでやっております。
 まず、名寄せ五千万件の問題がございますけれども、これは、システムエンジニア、日本の最高級の連中を動員しまして、今、プログラムを組んでいます。それで、十月にはテストランをやれるかなと。今月中にテストランをやって、それでプログラムをきちんと組んで、コンピューターの中にあるものは十二月から一斉にやり始める、そういう形でこの問題を片づけます。
 それから、それ以外の方々については、来年の十月まで適宜お問い合わせをして照合していく、そういうことをやっていますし、それから、いわゆる紙の台帳を昔やっていて、もういろいろシステムが変わったものですから、そのたびに変更が起こる。その台帳をコンピューターに移しかえるときに、人間がやることですから、ミスが起こっている可能性がある。だから、一つ一つそれをチェックしていく。
 その過程で、私は、国民の皆さん方に適宜、少なくとも月に一遍は、今ここまで進みました、やってみてこういう不備がございますから、これはこう対応しますということをお知らせ申し上げて、そして、これは国会の先生方にもお願いを申し上げたいと思いますが、これは全国民的な課題ですから、どうしてもここでマンパワーが足りない、倍にふやせばきちんとできるということならば、これは政府も全力を挙げてやりたいと思いますし、立法府の皆さん方にもぜひ御協力願いたいと思います。
 それから、私も現場を見てきましたけれども、五百二十四万件、これは、今どういう形でチェックしようとしているかというと、氏名と生年月日と男女の性別、この三つのうちの一つでも欠けているものがあるわけですね。それは、例えば、事業所がぱあんと一括してやってくる。事業所の番号と名前はわかる。そのもとにある、連中は番号だけ記して、これはまあサボっているわけですけれども、そこに名前や生年月日は書いていない。だけれども、やれば、千件サンプル調査をやって、それは完璧にできました。現場を見てきました。
 そういう過程で、今、では、九月やってみて、どれだけマンパワーが要るか。したがって、今、例えば四十人体制でやっている、倍要るなら八十人、こういうことを細かくチェックしながら、そして国民の皆さんにも公表しながら進めていきたいというふうに思っています。
 そういうことで、これは全力を挙げて、お約束どおり、政府・与党の決定した七月五日の決定を守っていって、確実に皆さん方に安心を与える。私はやはり、この年金問題について我々がどれだけやるか、これをしっかりやることが、政府、国民、そして私たち政治家、そして政治全体に対する信頼を回復する道であると思いますので、本当に命がけで頑張ってやりたいと思います。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#20
○谷垣委員 この問題、いろいろ心配する人がいまして、舛添さん一生懸命やっているんだけれども、なかなかあそこの役所も難しい役所だから、本当に全部わかっているのかというようなことを言って心配する人がたくさんいるんですね。ぜひ、目をよく光らせて、褒めるところは褒めなきゃいけませんが、やはり突っ込むところはきちっと突っ込んでいただいて、国民の安心を確保していただきたい、このように思います。
 それからもう一つ、年金の制度論についても若干触れておきたいと思います。
 平成十六年に年金改正をやりまして、かなり思い切ったことを当時としてやったんだと思うんですね。従来は五年ごとに給付と負担を見直すということをやっていましたけれども、長期的な、長い目で見て給付と負担の均衡を図っていこうという体制に変えたわけです。
 それで、いろいろなことをやりましたが、残る問題が、やはり基礎年金を安定させるためには、今三分の一税金を入れているわけですが、この税金を入れる額をもっとふやして、二分の一まで持っていかなきゃならない。このことによって年金を安定させますよというのが平成十六年度なんですね。これは、平成二十一年度までにきちっとやらなきゃいかぬと法律に書いてあるわけです。
 実は、今、参議院がこういう状況になりまして、これがきちっとできるかどうかというのが、私は極めて大きな問題だと思うんです。
 それで、実は、民主党のお考えと自民党や与党の考え方、世間では極めて違うように言われておりますが、私は案外似ているところがあると思うんです。我々も、基礎年金を安定させるためには、社会保険方式と言っておりますが、保険料だけではなかなかうまくいかないね、だから半分まで税を入れようじゃないかと。民主党さんの方は、基礎年金、これは不払いや何かたくさんあるから、もういっそのこと全部税でやった方がかえって公平なんだという議論を立てておられるわけですね。
 社会保険方式と税方式は哲学からいえば百八十度ぐらい違うんですが、与党の案も、社会保険方式だけではなかなかいかないよ、税も入れるんだと言っている。それから民主党さんの方も、税を入れると言っているけれども、消費税、今の消費税を全部そこに入れるということになると、本当は二十二兆、全体で要るんですけれども、十三兆しかないので、やはりお金持ちの方には遠慮してもらおうとか、不払いの方にも全額は出せませんよというようなことをいろいろ考えておられる。
 そうすると、社会保険方式、税方式というのはえらく違うし、その哲学の違いはいろいろなところに響いてきますからよく考えなきゃいけないんだけれども、どっちも、ある程度税を突っ込まなきゃだめだよ、それで、税を入れる場所が、まだ考え方が違うということなんですね。だから私は、これはいろいろ議論すれば接点があり得るんじゃないかと思っているわけです。
 まして年金は、政権がかわったらころころ制度を変えるというわけにはなかなかいかないわけでございます。よくこれはやはり与野党で協議をして、長い間国民が安心して老後を過ごせるんだというふうに持っていかなきゃいかぬのだと思うんですね。私は、きょうの機会に、また野党の皆さんにもそういうことを呼びかけたいと思っているわけです。
 このあたりの厚生労働大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
舛添要一#21
○舛添国務大臣 先生おっしゃいましたように、私も、政治家になる前、学者の時代に、いろいろな段階で年金の財源論を書きまして、ある段階では、やはりこれは税方式の方がすぐれているんじゃないか、こういうことを書いたこともございます。
 それから、哲学的に、もちろん社会保険料でやるのと税とは違いますけれども、ただ、今おっしゃいましたように、二十一年に基礎年金の部分、半分は、三分の一から二分の一まで国庫の負担にしようというわけですから、非常に我が国の制度というのは、純粋に保険料、純粋に税というよりも、ある意味で中間的な形である。それから、民主党の皆さん方がおっしゃっていることも、何もかも税でやるということじゃなくて、きちんと比例の部分は比例の部分で、所得の比例の部分はやった上で、それだと、では貧しい人はどうするんですか、そういうところを支え合う。スウェーデンがそういうことをやっていますけれども、私は、これはきちんと議論をするべきであると思います。
 まず、二分の一にするのに財源をどうするか、これは容易な話ではないと思います。社会保障、これは、財務大臣おやりになったわけですから、財源カット、カットで来ましたけれども、本当に二千二百億円のシーリングを課すということで国民の満足いく社会保障ができるんだろうか。市場経済原理だけではいきませんから、そういうことをそろそろ議論するときに来ていると思います。
 私は、与野党含めて税制の論議をきちんとやるべきであるというふうに思っています。その税制論議をやらないで、この税制論議を煮詰めないで、私は、二十一年に二分の一の国庫負担というのは不可能だと思っていますので、これはきちんとやっていきたいというふうに思っています。
 それから、もちろん、民主党さんの案のように税金で、我々は二分の一ですけれども、全部やるということになると、では、これまで社会保険料を払ってきた人の不満に対してどうするのかとか、これは、今まで賦課方式を基本としてやってきたこのシステムを変えるということになれば、単純に計算すれば三十年、四十年のタイムスパンが要る話になる。しかし、これを議論して何とか接点を見出せないか。
 私も、実を言うと、両方、純粋に社会保険料、純粋に税方式ということではないので、かなりこれは国会の場で議論をして、一番国民にとって負担が少なくて、そして一番国民にとって安心できる、これならばできますよ、こういうことをぜひ与野党の間で模索していただきたいし、その議論に政府としてもきちんとかかわっていきたい。何よりも安心できる、先ほど御質問があった年金の記録問題の解決、社会保険庁を解体してしっかり立て直す、こういう問題とともに、長期的にいかにして国民に安心を与える年金制度をつくるか、これは党派を超えての課題だと思いますので、しっかりとやりたいというふうに思います。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#22
○谷垣委員 確かに財源の問題が一番頭の痛い問題でございまして、私は、個人的にはやはり消費税でこれをやるしかない、安定した財源である。それから、その場合に、消費税は社会保障目的税ということを明確にしてやるべきじゃないかと思っておりますが、このあたりの議論はまたこれからやらせていただきたいと思います。
 もっといろいろ、中小企業とか農村の問題とか環境の問題も質問したかったんですが、時間の関係で、あと外交、安保の問題へちょっと移らせていただきます。
 総理の所信表明にも、外交の基本は日米同盟と国際協調だと。それを踏まえて、アジア重視の外交をやっていこうと総理はおっしゃいました。私は、基本的にそのとおりだと思っております。今、非常にアジアは成長センターの役割も果たしておりますが、後にちょっと御質問しますが、いわゆる北朝鮮の六者協議の問題であるとか、あるいはミャンマーでもいろいろ問題が今起こっているというように、成長しているものをどう安定につなげていくかということで日本が果たし得る役割も極めて大きいんじゃないかと思っておりまして、総理の外交面におけるリーダーシップも心から期待をしているところでございます。
 そこで、六者協議ですが、先般、共同文書が合意をされたわけですね。その中で、既存の核施設を無能力化するとか、あるいは本年末までに寧辺の核関連施設の無能力化を完了する、あるいは本年末までにすべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことというようなことで、核の問題についてはかなりの進展が見られたということではないかと思いますが、拉致の問題については進展が見られていないということだろうと思います。
 先般、南北の首脳会談が行われました折にも、北朝鮮の方からは日本のこれからの出方を注目するというようなことがあったそうでございますが、この問題の解決に向けて今後どう取り組んでいかれるのか、総理に基本的なお考えを伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →
福田康夫#23
○福田内閣総理大臣 私はかねがね考えておりましたのは、第二次大戦は終了した、しかし、六十年以上たっていまだにこの地域においては解決していない大きな問題がある。その一つは北朝鮮だ。その他に北方領土の問題もございますし、日中間についてもいろいろ取り決めをしていかなければいけない大きな課題があると思っております。ですから、そういう問題を解決して初めて本当に第二次大戦の始末が終わったんだ、こういうことになるんだと思います。
 ですから、そのことは一つございますけれども、同時に、やはり北朝鮮の核の問題ということについては非常に大きい問題であり、この地域の平和と安定という観点から考えますと、これはもうできるだけ早くそういう状況から脱したい、こういうふうな思いがありました。ですから、私が小泉内閣官房長官をしておりましたときに、小泉総理のリーダーシップでもって交渉する、そして拉致の問題も、何はともあれ十二人の方が帰ってこられた、こういうふうなことがあります。
 ただ、この拉致の問題についてはまだ未解決だという認識を持っているわけでありますから、この問題を解決すると同時に、御指摘の核の問題、これはもう本当に現在、将来の問題でございますので、この問題を何とかして解決する、そのために六者協議ということをやっておりまして、先般この六者協議で一つの共同文書が出た、こういうふうなことで、これは大変な進歩だというふうに思っております。
 問題は、これからそれを着実にどう進めていくか、そして、その趣旨が貫徹できるかどうかということでございますので、我が国もそのことについて最大限努力してまいるということでございます。と同時に、我が国の場合には拉致問題ということがございますので、このことについてしっかりと交渉していくということは必要なんだろうと思います。
 そして、いろいろな問題を解決した上で、平壌宣言にありますように、この地域の平和、安定の諸条件を整えて、そして北朝鮮の今後の発展もあるでしょう、当然ながら。しかし、そういうことによって我が国もこの地域の繁栄、発展のために貢献できる、そういう道が生まれるんじゃないか、こう思っておりまして、鋭意努力してまいりたいと思っているところでございます。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#24
○谷垣委員 総理のおっしゃるように、日朝国交正常化というものがないとなかなか戦争が終わったということにはならない。しかし、そのためには拉致問題の解決がどうしても必要だということだろうと思いますから、今後また御努力を心からお願いしたいと存じます。
 それからもう一つ、ミャンマーの情勢について高村大臣に伺いたいんですが、九月二十七日に長井健司さんが亡くなられました。まことに残念なことで、心から御冥福をお祈りしたいと思うんです。
 それで、民主化の問題等々でミャンマーにいろいろな批判があったことも事実でございますが、他方で考えますと、長い間、我が国とミャンマーというのは極めて友好的な関係にあって、私も五年ほど前ミャンマーに行ったことがありますが、ミャンマーの方々が日本に対して極めて温かい気持ちを持っておられる。また、何となく琴線が通ずるようなところもあるわけですね。その国でこういう事件が起きたことは、私はまことに残念だと思っているわけです。
 今後、今起きていることをどういう問題としてとらえ、ミャンマーに対してどのように日本として外交関係をしていかれるのか、高村大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
この発言だけを見る →
高村正彦#25
○高村国務大臣 ミャンマーの人は、非常に親日的な人が多い。日本人も、ミャンマーが、あるいはビルマが好きだという人がたくさんいるわけでありますが、そういう中で、どうしても民主化プロセスを進めてもらわなければいけない、こういうふうに思っております。
 日本は、アウン・サン・スー・チーさんが拘束されて以来、今までしていた経済協力も人道支援等にうんと絞ってやってきたわけでありますが、今度の長井さんが亡くなったこと、あるいはその他、極めて強圧的なデモ鎮圧、実力行使に出た、こういうことも踏まえてさらに絞り込むということをしたい、こう思っております。
 ただ、人道支援を全部やめてしまえという意見もあるわけでありますが、ただでさえ苦しんでいる民衆をさらに苦しめるような、例えばポリオのワクチンまでとめてしまえというようなことはできないんだろう、こういうふうに思っております。
 例えば人材開発センターのようなものも、それは結局、民衆の役には立つんですけれども、当面、政府を助けるというような意味もありますので、こういうものはとめていかなければいけないのではないか、こういうふうに思っております。
 日本政府自身として、ミャンマーに対して民主化プロセスを進めるように求めていくと同時に、やはり国連だとか国連の安保理あるいはASEAN、そういうものと緊密に連絡をとりながら、ガンバリ特使もミャンマーに行って、そして国際社会のバックがあるからいろいろなことが言えるわけでありますから、この民主化プロセスを進めるように我々も一生懸命頑張っていきたい、こういうふうに思っております。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#26
○谷垣委員 ありがとうございました。
 ぜひあの国を、少しASEANの中でもやや蚊帳の外に出ているというところがありますので、ぜひともいろいろな手段であそこの民主化を進めていただいて、そしてこの協調の中に引き込んでくるというようなことを長い目でお考えいただければと思っているわけでございます。
 最後に、テロ特措法の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 私の時間はもう半で切れますので、その後は専門家である中谷さんにバトンタッチしながら、まず最初の部分だけ、私、伺わせていただきます。
 この問題は、平成十三年、二〇〇一年の九月十一日に、ニューヨークの世界貿易センターにテロリストに乗っ取られた飛行機が突っ込んで、そして大勢の、三千人ほどの方が亡くなり、日本人も二十四名ですか、亡くなったと思いますが、大きな犠牲を生み、そうして、あのワールド・トレード・センターが一瞬にして崩壊をしたということがございました。
 いわゆる米国同時多発テロでございますが、それを機に、やはりこういうテロを許してはいかぬ、テロとの闘いが必要だということになりまして、我が国も海上自衛隊をインド洋に派遣して、海上阻止活動を行っている艦船に燃料を供給するというようなことを行ってきたわけで、国際的なテロとの闘いの一環の中で日本も仕事をしてきたということではないかと思います。
 しかし、これを基礎づけるテロ特措法が、六年たちまして、十一月一日には切れてしまう。テロとの闘い、四十カ国が参加しているわけですから、法律が切れたということでそのままにしてしまいますと、日本はテロとの闘いから逃げ出したのかと言われかねないこともあろうと思います。
 それから、我が国は原油の九〇%を中東地域に頼っているわけですから、結果として、あの地域にテロリストが跳梁ばっこしないということが日本の国益にも大きくつながっているということがあろうかと思います。
 また、あの地域の日本の活動というものが、アヘン、ケシですか、九三%がアフガニスタンでつくられているということがありまして、国際的なテロ資金を抑えていくという意味でも大きな意味があるのではないかな、このように思っているわけですが、私どもとしましては、十一月に切れてしまうということでは、これはどうしようもないということで、給油や給水に絞った形での新しい法律を今準備して、野党にもお呼びかけして、何とかこれで給油活動を続けていきたい、このように考えているわけです。
 そこで、まず、この我々の行動に対する見方はいろいろあるんだと思います。アメリカの戦争を支援しているんだというような議論もあります。しかしこれは、私は、テロとの闘い、アメリカの戦争を支援しているんだというようなものとは違うと思うんですね。
 まず、これは外務大臣でしょうか、官房長官でしょうか、テロとの闘いということはどういうことなんだということをお伺いしたいと存じます。
この発言だけを見る →
町村信孝#27
○町村国務大臣 テロとの闘いの重要性につきましては、もう既に今委員からすべて御質問の中でお答えをいただいたと思っておりますから、私からつけ加えるべき何物もないわけでございますが、国際的な問題、例えば環境問題であるとかエイズの問題であるとかいろいろな問題と並んで、国際社会が一致して取り組むべき課題の大きな一つとして、このテロとの闘いがあるというふうに位置づけられているというふうに私ども考えております。
 しかるがゆえに、今、海上自衛隊の皆さん方にインド洋で頑張っていただいている。これは国際的な要請であると同時に、今委員御指摘のように、インド洋を通じ、特にシーレーンということを考えたときに、まさに我が国の国益にも資するということにもなります。
 そして、このテロとの闘いは決して人ごとではなくて、今委員御指摘のように、二十四人の日本人があの世界貿易センタービルの中で亡くなったということからしても、これはみずからの問題であるというふうにとらえなければいけない話なんだろう、こう思っております。
 確かに、このアフガニスタン、なかなか難しい地域でありまして、ここをテロの温床にしないようにする努力、日本もこれまでさまざまやってまいりました。お金のことだけを言うならば、十二億ドル、一千四百四十億円以上の民生安定事業、あるいはDDRと称しまして、武装解除ですね、こうした運動等々、あるいはインフラの整備などをやってきたわけでありますが、これをやっているからといって、この海上阻止活動をやらなくていいんだということにはならないわけでありますね。どちらもやらなければいけない、そういう課題だろうと思っております。
 なぜかといえば、ちょうど一九九〇年の湾岸戦争の折、我が国はお金をたくさん出しました。実に百三十億ドル、当時の邦貨換算にして一兆七千億円以上のお金を出した。にもかかわらず、それについての評価はゼロに近かったということでありまして、そうした反省を踏まえながら、その後、PKOの法律を通し、あるいはイラン、あるいはイラク、こうした活動をやってきているわけでございます。
 そうしたことが両方相まって、日本のテロとの闘いというものが、十分であるかどうかは別にして、日本も国際社会の一員として当然の活動をしているんだなという評価が出るわけでございまして、そういう意味で、今委員が御指摘のとおり、このテロとの闘い、ここで日本が真っ先駆けて脱落するわけにはいかない、このように考えております。
この発言だけを見る →
谷垣禎一#28
○谷垣委員 それで、今、日本がインド洋でやっていることはどういうことなのかということなんですね。人によると、戦争をしているアメリカに油を注ぐというのは武力行使そのものだなんという乱暴なことを言う人もいるわけですね。
 一体このインド洋上における海上阻止活動というのは何なので、そして日本が給油しているというのは一体どういうことなのか。これは防衛大臣に伺いたいと存じます。
この発言だけを見る →
石破茂#29
○石破国務大臣 お答えを申し上げます。
 どこで何をやっているんだというお話でございますが、お手元に紙をお配りしております、理事会のお許しをいただきましたこの図でございますが、インド洋というのはここ、どれぐらい広いかというと、日本をそのまま入れてみますと、これがすっぽり入る、これぐらい広い海域でございます。委員御指摘のように、テロリスト、麻薬、資金、武器、そういうものが世界じゅうに拡散しないようにということで、現在、五カ国、十五隻の船がこの広い海に展開をしておるわけでございます。
 そうしますと、油が切れたから一々港に戻るということをやっておりますと、大変に作業は非効率ということになります。皆様、車を運転されるでしょうけれども、ガソリンが切れたから一々おうちに戻ってガソリンをつぎましょうなんて、そんなことをやっていたらとてもやっていられないということで、仮にそのときに洋上に補給ステーションが浮いているとするならば、非常に作業が効率的である。
 どの国も軍艦があり余っているわけではございません。どこもぎりぎりで繰り回しながら、武器が、テロリストが、麻薬が、資金が拡散しないように、流入しないように、このように見張っておるわけでございます。
 その船に対して補給をしているというのが我々の補給艦でございますが、これも時々、ただのガソリンスタンドというようなやゆをされることがありますが、この技術がどれだけ大変なものかということであります。走りながら補給するということがどれだけ大変か。そして、同じスピード、同じ速度、同じ間隔を保って、長い場合は六時間やるわけでございます。テロの危険というものも常にあるわけで、その警戒を怠らずに六時間補給するという高度な技術を持った補給艦は世界じゅうにそんなにあるわけではございません。
 そして、行かれた委員もいらっしゃいますが、現場の環境がどれだけ過酷かということでございます。温度は軽く四十度を超える。百葉箱ではかって四十二度とかいう話ですから、体感温度は軽く五十度を超える。甲板の暑さは七十度を超える。不快指数は一〇〇、これを超える中で、それだけの緊張を強いられながら高度な補給の技術をこなす。それは、我が国は恐らく世界で最高レベルのものを持っております。
 それがここの地域においてそのようないろいろな各国の船の活動を支える極めて重要な基盤になっておるということであって、それは、先ほど官房長官からお答えがありましたように、我が国の国益、そして世界に果たすべき責任、その両方を満たすものである、私どもはこのように考えておるところでございます。
 以上であります。
この発言だけを見る →
← 戻る