国際・地球環境・食糧問題に関する調査会

2011-11-30 参議院 全89発言

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会議録情報#0
平成二十三年十一月三十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         藤原 正司君
    理 事         大島九州男君
    理 事         平山  誠君
    理 事         島尻安伊子君
    理 事         山田 俊男君
    理 事         加藤 修一君
    理 事         松田 公太君
                大石 尚子君
            ツルネン マルテイ君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                藤末 健三君
                舟山 康江君
                有村 治子君
                岸  信夫君
                熊谷  大君
                佐藤 正久君
                野村 哲郎君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                石川 博崇君
                紙  智子君
                中山 恭子君
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     若林 健太君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     大石 尚子君     徳永 久志君
     松田 公太君     桜内 文城君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         藤原 正司君
    理 事
                大島九州男君
                平山  誠君
                島尻安伊子君
                山田 俊男君
                加藤 修一君
                桜内 文城君
    委 員
            ツルネン マルテイ君
                外山  斎君
                徳永 久志君
                友近 聡朗君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                藤末 健三君
                舟山 康江君
                熊谷  大君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                若林 健太君
                石川 博崇君
                紙  智子君
                中山 恭子君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房審議官     五嶋 賢二君
       経済産業大臣官
       房審議官     川上 景一君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       日原 洋文君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事  新井  泉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告に関する件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
 調査
 (「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、
 アジアの水問題(タイにおける洪水被害とその
 対応)について)
    ─────────────
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藤原正司#1
○会長(藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本院議長西岡武夫君は、去る五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表して、御冥福をお祈りしたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いします。黙祷をお願いします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
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藤原正司#2
○会長(藤原正司君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
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藤原正司#3
○会長(藤原正司君) 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、岸信夫君、大石尚子君及び松田公太君が委員を辞任され、その補欠として若林健太君、徳永久志君及び桜内文城君が選任されました。
    ─────────────
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藤原正司#4
○会長(藤原正司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤原正司#5
○会長(藤原正司君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に桜内文城君を指名いたします。
    ─────────────
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藤原正司#6
○会長(藤原正司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に経済産業大臣官房審議官五嶋賢二君、経済産業大臣官房審議官川上景一君及び国土交通省水管理・国土保全局次長日原洋文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤原正司#7
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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藤原正司#8
○会長(藤原正司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に独立行政法人国際協力機構理事新井泉君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤原正司#9
○会長(藤原正司君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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藤原正司#10
○会長(藤原正司君) 派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 第百七十八回国会閉会後に本調査会が行いました委員派遣の報告書につきましては、本日机上に配付させていただいておりますとおり、これを本調査会の調査の参考に資するため、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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藤原正司#11
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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藤原正司#12
○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、アジアの水問題に関し、タイにおける洪水被害とその対応について政府から説明を聴取し、参考人から意見を聴取した後、質疑を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず国土交通省から十分程度及び経済産業省から五分程度説明を聴取し、参考人から五分程度意見を聴取した後、午後二時五十分ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 なお、御発言なされる方は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに国土交通省から、タイにおける洪水被害の全般状況と今後の見通しについて説明を聴取いたします。日原国土交通省水管理・国土保全局次長、お願いします。
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日原洋文#13
○政府参考人(日原洋文君) それでは、恐縮でございますが、お手元の資料を御覧いただきます。クレジットが付いてなくて申し訳ありません。「タイの洪水について 平成二十三年十一月三十日」と書いた横紙の資料でございます。
 一枚おめくりいただきますと、利根川とチャオプラヤ川の比較ということで、まず、タイの水害の前に、チャオプラヤ川がどういう河川であるかということを簡単に御説明いたしたいと思います。
 表がございます。利根川とチャオプラヤ川を比較いたしますと、流域面積で約十倍、それから河川延長で約三倍の長さを持つ大河川でございます。大きな特徴は、河床勾配と書いてあるものでございますけれども、下流からほとんど勾配がない、要は平べったい土地であるというのが一番大きな特徴になってございます。
 それとも関連いたしますが、川における洪水流下能力というのが非常に小さいということで、観測史上最大流量というのが書いてございますけれども、チャオプラヤ川の場合には約六千トン、下流の方ですと、表の外に書いていますが、三千トンぐらいしか流れないということで、非常に平べったいところに大きな雨が降ると、そこにたまったままなかなか水が抜けないと。逆に言うと、洪水もじわっと増えてじわっと減っていくと、そういう地形になっているということでございます。
 それともう一つ、上流にダムがございまして、二つの大きなダムで、合わせて二百三十億トンのダムを持っております。左下に日本のダム書いてございますが、利根川の全ダム合計して八億トン弱でございますから、約三十倍。あるいは、日本の全部のダムを合計したものの三分の二の規模をダムで持っておりますが、先ほど申しましたように、なかなか水が引かないものですから、そういう意味において洪水調節としてそもそも機能しなかったということがございます。後でその辺は補足させていただきます。
 二ページ目を御覧ください。
 航空写真でございますけれども、この青い部分が、右側の図の青い部分が水がつかった湛水域の部分でございます。上流から下流に向けてじわじわと移動しているのがお分かりいただけるかと思います。左側が標高の図でございますけれども、極めて低い標高に大きなエリアがあるということがお分かりいただけるかと思います。
 三ページでございます。
 今年は、非常にチャオプラヤ川流域、雨が多かったということでございますが、チャオプラヤ川に限らず、メコン川の流域においても非常に雨が多かったということで、これは、そういう意味ではカンボジアあるいはミャンマーの方でも非常に雨としては多いわけですけれども、要は農業的土地利用がなされているということで大きな話題になっていないということでございます。
 四ページを御覧いただければと思います。
 これは、チャオプラヤ川流域における降雨量の比較ということでございます。ちょっと見にくいですが、細い赤の線でかいてある部分がチャオプラヤ川の流域を示しております。その中に累積降雨がどのようになっているかというのを色別に分けておりますが、二〇一一年は非常に赤や黄色の部分が多いということがお分かりいただけるかと思います。数字が書いてございますが、これが七月から九月の累積の平均降雨量でございます。平年に比べて約五割増しの雨が降ったということがお分かりいただけると思います。
 五ページが、具体の被害でございます。
 お手元の資料は十一月十八日時点ということで、一番騒ぎが大きかった時点の数字を入れてございます。死者につきましては五百九十四名、行方不明者二名となっています。最近の情報では死者六百名を超えたというような情報も一部の報道でなされているところでございます。退避区域が、ここに書かれているような非常に広い区域において退避が行われたということでございまして、図の中に色の塗ったところが洪水被害が起きた区域ということでございます。
 特に交通機関で、ドンムアン空港、旧国際空港でございますが、今は国内線中心になってございますが、そちらが閉鎖されたということで、特にここには被害者救済センターが置かれていたということもあって、大変大きな話になってございます。それから、国鉄など長距離鉄道はかなり影響を受けてございます。そのほか、交通等においても種々被害が生じたところでございます。
 六ページを御覧いただければと思います。特に日系企業への影響というものを書いたものが六ページでございます。
 七つの工業団地におきまして洪水が発生しておりまして、そのうち、特に上から二つ目、ロジャナ工業団地には日系企業が百四十七社、その次のナワナコン工業団地は日系企業百四社ということで、大変日系企業が多かったということから様々な問題が生じたところでございます。
 それから、七ページを御覧いただければと思います。
 そのうち、ロジャナ工業団地というところでございます。ここはニコンなどの日系企業が入っているところでございます。チャオプラヤ川の流域におきましては、大体流域全体では、治水の安全度といいますけれども、何年に一遍ぐらいの洪水に耐えられるように河川整備が行われているかという考えでいうと、大体十年に一遍ぐらいの雨に耐え得る程度しか現在整備が進んでおりません。
 したがいまして、工業団地としては独自にもう少し整備を、安全度を高める必要があるということで、五十年に一度の洪水に耐えられるような高さということで、二・五メートルの防水堤というものを工業団地の周囲に巡らしまして対応しておったわけでございますけれども、ここに書いてございますように、十月中旬には水深が二・八メートルに達したということで、工業団地の中も外も区別なく、エリア全体が水没したという状況になったわけでございます。
 その後、タイ政府からの要請を踏まえまして、十一月五日の日に政府として国際緊急援助隊を派遣いたしまして、国土交通省が所有します排水ポンプ車十台を現地に送り、十九日から排水作業を開始したところでございます。
 現在は、ロジャナ工業団地につきましては排水作業を完了いたしまして、その後、六ページの図をちょっと御覧いただければと思いますけれども、右側に工業団地の位置図が書いてございますが、真ん中のやや右上というんでしょうか、ロジャナ工業団地というのがやや右上のところにございます。そこが最初に排水作業を行っているところでございまして、その後、そこが終えたということで、左下の方に移ってまいりまして、ちょうど真ん中辺りですけれども、ナワナコン工業団地、それから、その更に下の方にバンカディ工業団地というところの排水作業を今行っております。あわせまして、ナワナコン工業団地のすぐ近くにアジア工科大学という大学がございますので、そこの排水作業を行っているという状況でございます。
 八ページでございます。
 後ほど経済産業省さんから詳しくお話あるかもしれませんが、タイの水害が日本のサプライチェーンに影響したということで、特にソニー、ニコンというデジタルカメラの主力工場が被害を受けたということで、全世界の生産が影響が生じていると。あるいはトヨタ、ホンダという自動車メーカーにつきましても、様々な部品等におきまして影響が生じているということでございます。
 九ページでございます。
 バンコクの洪水対策がどうなっているかということでございます。
 この赤のラインで引いたものが、キングスダイクと呼んでおります、王の堤防という意味だそうでございますけれども、一九八三年に大きな洪水がございまして、それを踏まえまして、バンコク市内を守るということからこの堤防整備を進めてまいりまして、二〇一〇年に完成した堤防でございます。
 バンコクというか、タイの治水につきましては、先ほど申しました、基本的に元々農業圏でございましたので、市街地だけをこの堤防で守って、それ以外は水があふれてもしようがないというか、ある意味では水があふれることによって農地が肥沃になるという面もあって、それを許容していたわけでございますけれども、それが今回のようにだんだんだんだん市街地が進んでくると、その辺がなかなか難しくなってくるということでございます。
 それで、十ページは政府における国土交通省の取組ということでございます。
 まず最初に、洪水に関します専門家、それから排水に対します専門家を現地に派遣いたしたところでございます。それから、国際緊急救助隊ということで、空港施設の関係の専門家あるいは鉄道施設の専門家、それから先ほど申しましたような排水の専門家というものを派遣いたしまして、それぞれ必要なアドバイス、あるいは具体の排水作業等を行ってきているということでございます。
 それから、十一ページは同じように排水の関係でございます。
 それから、四番のところなんでございますけれども、今後、タイ政府等の状況を踏まえまして、産学官併せました調査団を派遣して、今後の対応策を講じていきたいというふうに考えてございます。
 ちょっと残り僅かな時間でございますけれども、今回の水害の特徴を四点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 一つは、上流にダム群がある、ダムが二つあると申しましたけれども、いずれのダムもかんがい及び発電を目的としたダムでございまして、洪水調節を直接の目的としていなかったということでございます。もちろん雨季に関しては容量を空けておりましたけれども、そうはいっても、完全な意味での洪水調節というものは持っていなかったというのが一つの特徴でございます。
 二つ目の特徴は、先ほども何回か申しましたけれども、元々農業的土地利用であって、洪水はあふれさせることを当然と考えていた中に、工業団地でありますとか空港でありますとかそういった都市的な機能が生じたということで、そこの問題が生じているということでございます。関連いたしまして、このキングスダイクの中と外、あるいは運河の水門を開ける閉めるということで上下流の対立というものも生じているということでございます。
 それから、情報の管理で、洪水が上から下流に向けて流れてくるわけでございますけれども、いつ、どのタイミングでどれぐらいの洪水が来るかという情報がきちんと流されていなかった、あるいはハザードマップそのものができていなかったということで、それぞれ避難体制が十分取られなかったということがあろうかと思います。
 最後に、治水に関しましての担当部局が王立かんがい局、天然資源環境省、あるいは首都圏の首都圏庁排水下水局等々、あるいは内務省の災害軽減局と分かれておりまして、水系一貫とした河川管理が行われていなかったために、どのタイミングでどういうふうな行動を起こすかということがきちんと行われなかったということがあろうかと思っています。
 そういった点も踏まえまして、先ほどの十一ページの一番最後に書いてございますけれども、防災パッケージという形で日本の国際貢献の一環として今後こういったものも、ハード、ソフト含めた全体的な防災の在り方というものを我が国として国際貢献として図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
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藤原正司#14
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 次に、経済産業省から、タイの洪水による日系企業等の被害状況と我が国の対応について御説明をお願いします。五嶋経済産業大臣官房審議官。
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五嶋賢二#15
○政府参考人(五嶋賢二君) 五嶋でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元にタイの洪水と書かれました縦長の二枚のペーパー、それからカラーの資料が二つございます。これを基に御説明をさせていただきます。
 まず、洪水被害の状況でございますが、工業団地七か所の中には日系企業四百四十九社がございまして、これらの企業が被害を受けました。タイにおきましては日系企業千八百七十九社ございますので、日系企業の中で冠水によりまして直接に被害を受けた企業の割合が約二割強ということでございます。
 一方で、十一月半ばを過ぎまして、洪水そのものにつきましては収まりを見せつつあるというふうに聞いております。工業団地の中でも排水が完了したところもございますし、また、まだこれからというところもございますが、いずれにいたしましても、水が引いた後でも機械設備等々、相当のダメージがございまして、実際に工場が復旧をするにはまだかなり掛かる、二、三か月又はそれ以上掛かるのではないかというふうに見られております。
 日本政府の対応に行きます前に、まずはタイの政府の最近の対応について若干御説明をさせていただきます。
 インラック首相が緊急対策、短期的対策、長期的対策という形で全体的なパッケージを発表いたしました。また、タイの投資委員会の方で輸出向け製造に対する原材料、部品の免税制度の下で輸入した原材料等をタイ国内で廃棄する場合にも免税制度を適用する、その他、製造工程の全部又は一部を外部に委託する場合にも許可をタイ投資委員会が行う等々の決定をしているのと併せまして、タイの労働省の方でも、一定の条件の下で労働者一人当たりに対しまして月二千バーツ、約五千円になりますが、雇用補助を実施する等々、対応をしているところでございます。
 日本政府の対応でございますが、カラー版の横長の一枚の紙を御覧いただければと存じます。
 去る十月に内閣官房長官から、邦人の保護、タイの経済産業の復興対策、タイに対する支援、三点をまとめた対応策を発表をいたしました。このうちのタイの経済産業の復興対策、これは経済産業省が取りまとめておりますが、これについてこの一枚紙でまとめております。短期的な対応策、中長期的対応策併せまして、特に短期的対応策の中では資金の調達、生産体制の再構築、法務・労務・税務等の対策、こういうようなパッケージとして対応を今進めているところでございます。
 この中で二重丸が付いておりますが、これらが今回新しく対応を作ったところでございますが、これを中心に最近の動向を御説明させていただきます。
 まず、生産体制、中ほどのところにございますけれども、洪水が発生しましてタイにある日系企業の中で物が作れないんですが、そういう中で、タイの従業員の方を我が国に受け入れて、日本の中で生産をして補完をするという対策がございます。この受入れを発表するとともに、十一月十五日に実際にタイの従業員の人の我が国へ受入れをするためのビザの発給を開始いたしまして、その後、実際にタイの従業員の方が日本に来ているところでございます。
 あわせまして、設備長期資金、運転資金のところでございますけれども、日本政策金融公庫等の方で金融支援制度を拡充をし、要件緩和をしました。ということで、運用を既に開始しております。数件の実例も出ているところでございます。
 また、一番上、短期資金のところでございますけれども、去る十一月二十八日に日銀がこの短期運転資金の調達に資するための、タイの中央銀行が日本国債を担保として受け入れるため、このための口座を日銀の中に開設をいたしました。こういうような形で、日本政府としても全体として今対応を進めているところでございます。
 簡単ですが、以上でございます。
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藤原正司#16
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 次に、独立行政法人国際協力機構新井理事からタイの洪水被害に対する我が国の支援と今後の方向性について意見を聴取いたします。
 新井国際協力機構理事、お願いします。
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新井泉#17
○参考人(新井泉君) 新井でございます。
 お配りしております資料は、一枚の紙の「タイ洪水への対応について」というのと、それから、カラーも入れました参考資料という二つのセットでございます。
 洪水被害の状況につきましては、もう既に詳しく御説明あったところでございます。先週末現場に行ってまいりまして、バンコクの中心部、それからその周りについては大分水が引いてきていると。また、工業団地も、先ほどの御説明にありましたように、先週末の段階で一番大きいところが排水、おかげさまでできたということでございます。
 それで、全体というか、バンコクの周辺のところはどうなっているのかということをちょっと見ていただくために、三ページ目、色刷りの資料の三ページ目を御覧いただきたいのでございますが、これは青いところが、これが水でかぶっているところでございまして、十一月十日時点、これが相当厳しい時期でございました。それで、現在どうなのかというのは、次のページ、四ページを御覧いただきますと、十一月二十八日時点の浸水状況ということで、大分このキングスダイクと、先ほど御説明のあった内側については排水が終わりつつあると、ドンムアン空港はまだ水がかぶっていると、こういう状況でございます。
 それで、工業団地についてはもう御説明がありましたので省略いたしますが、今バンカディの工業団地というのが、このドンムアン空港のちょっと近くにあるところなんですけれども、そこの周辺の、工業団地だけではなくて、住宅地の排水作業等も行っております。
 それで、次に「JICAの対応」というか、これまでのODAでの協力の状況につきまして、一枚の紙の方に戻っていただきたいんでございますが、緊急支援ということでいろんな国が協力をいたしました。ただ、一番、日本の協力の特徴は、物資だけではなくて技術者を送って適切なアドバイスをしたと、またポンプ隊のような形で、目に見える形での協力をしたということでございまして、現在、緊急対応だけではなくて復興の青写真を描くといったところにも協力をしてほしいということで来ておるところでございます。
 それで、具体的な対応について、緊急対応のところはここに書いてあるところでございまして、浄水器等の対応をしております。それから、専門家チームは、先ほど空港、地下鉄というところについては御紹介がございましたが、上水道につきましては大阪の広域水道企業団の専門家の方に行っていただきまして、バンコクの大体七割ぐらいの水を供給するバンケン浄水場というところがございまして、そこの浸水を防いで、ともかくライフラインを確保するということで大きな貢献をしていただきました。
 それから、次の、裏側といいますか、次のページでございますが、短期的対応ということで今やっておりますのは、次の雨季というのが五月ぐらいに始まる、普通であれば、ということでございます。したがいまして、当座の洪水対策、公共施設のリハビリ、どういったニーズがあるのかというのを調べております。
 また、チャオプラヤ川の洪水対策のマスタープランというのを一九九九年に作っておりますので、それを見直して、抜本的な洪水防御施設整備への技術的な支援、また、必要とあらば資金的な支援というものも検討していくということになるんではないかと思います。
 「その他」というところで二番目の丸のところに書いてございますが、タイ政府は、中長期の対策ということで、一つは水資源管理戦略委員会、こういうのをつくりました。この委員長がキティラット副首相でございまして、月曜日に来日されまして、総理、経産大臣、それから経団連などを訪問されております。
 また、同行された復興開発戦略委員会の委員長であるウィラポン元蔵相でございますが、その後、民間企業、保険会社等を訪れ、今日の午前中でございますが、私どものJICA緒方理事長を訪問され、いろいろ懇談をされております。今後の復興についての御説明をされたということを御報告しておきます。
 以上でございます。
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藤原正司#18
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑は、それぞれまず会派ごとに一名ずつ質問していただいて、あとはフリーということにさせていただきます。
 また、できるだけ多くの皆さんに質問していただきたいので、一人の質問は三分程度に抑えていただきたい。答弁の方もよろしくお願いします。一人三分でも、全部の方にお答えくださいというのと一人に答えてもらうのと時間が全然違いますから、その辺りをよろしくお願いしたいと思います。
 それぞれ私が手を挙げられると指名しますので、どなたに質問されるかということを明らかにされた上で質問をお願いします。
 各省庁の御出身の方もその辺に御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、質問を始めます。
 白さん。
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白眞勲#19
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 今日は、お忙しいところお越しくださいまして本当にありがとうございます。また、いろいろ勉強になるようなお話をお聞かせいただきまして、本当に感謝しております。
 まず、国土交通省さんに一点お聞きしたいんですけれども、今回、タイがこういう大変な状況になったと。でも、タイの皆さんは日本の地震のときにも本当に応援に来てくださったということを考えますと、やはりこういった災害については本当に我々としても誠意を持ってこれからも協力をしていかなきゃいけないというふうに私も思っているわけなんですけれども。
 そういう中で、今もじわじわと、だんだん進んできたという中で、ニュースでも相当このタイの洪水、もっとこれ中心部に向かって来ているぞという話はあったんですけれども、もちろん、その水がかぶった後の協力も重要かもしれませんけれども、水がかぶらないようにするための協力というのが本当にできなかったものなのかなと。
 その辺りについて、今の話は、十一月五日にタイ政府から要請があったという話を今ちょろっと聞いたんですけれども、十月中旬ぐらいにはもう洪水で日本企業もひどい目に遭っているわけですから、何かその辺りの協力というのができなかったのかどうかを一点ちょっとお聞きしたいということであります。
 それと、国際協力機構さんに一点お聞きしたいんですけれども、今回こういう事態になりまして、この水が引いた後の対応という部分においては、ちょっと資料にも感染症対策ということが書いてありますけれども、相当衛生状態の懸念というのは、これだけ特に大きい災害になった場合に、本当にどこまでタイ政府でやっていけるか。そこに我々として協力できるものは一体何なんだろうかという部分、この部分をしっかりやっていかなきゃいけないんではないんだろうかというふうに思っているんですけれども、その辺についてのお話を聞かせていただければと思います。
 以上です。
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日原洋文#20
○政府参考人(日原洋文君) それでは国土交通省の方から、御質問の点でございます。
 まず十ページをちょっと御覧いただければと思うんでございますけれども、十一月の五日というのはポンプ車の話でございまして、それまでに専門家を十月の半ばから派遣いたしています。タイ政府との関係もあります。
 それと、洪水がどの程度、どういうふうに広がっていくかという予測は国交省の方でも作っておりまして、その辺の情報提供はタイ政府の方にも行っておるところでございます。
 それと、もっと早くにポンプ車を送り込めなかったのかということもあるかもしれませんが、先ほど申しましたように、エリア全体が二・八メートルの水位になっているような状況ですと、ポンプ車そのものが機能しない。要するに、周りの水位が下がらないとポンプ車は役に立たないものですから、その辺も見計らいながら送ったという状況でございます。
 今後とも、努めていきたいというふうに思っております。
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新井泉#21
○参考人(新井泉君) 十一月二十七日の時点でお亡くなりになった方あるいは行方不明の方いらっしゃいますが、タイ保健省の被災地域での疾病発生動向の調査、これは専門家もおりますので、そこを通じて入手しておりますが、幸いなことに、感染症等の大規模な流行は現時点では認められておりません。
 ただ、これから食中毒であるとか下痢であるとか、あるいは結膜炎、それからレプトスピラ症というんでしょうか、ドブネズミなどの関係で感染するような、熱が出るような病気ですね、ここら辺については一応今は保健省の方で対応しているということでございますけれども、具体的な御要望があれば、それに対して緊急な対応というんでしょうか、専門家を出していったり、そういったことをやりたいと思います。タイについては、何か薬をたくさん緊急援助で出すというのよりは、相当高いレベルの国でございますので、やはり当面は技術協力ということだと思います。
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藤原正司#22
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございます。
 では、山田先生、お願いします。
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山田俊男#23
○山田俊男君 私の方は、経済産業省にお聞きしたいというふうに思います。
 タイはアジアの仲間として、我が国にとり大変重要な国であるというのは言うまでもないと思うんですね。ところで、経済産業省はどちらかというと、最近はどうもTPPの方ばっかり向いているから、アメリカばっかり向いているんじゃないのかという気がするんだけれども、ここ、この極めて重要なアジアのタイの国に対して、ましてや進出企業もいっぱいいるわけで、多分太鼓を鳴らして応援したんだと思うんだ、進出するとき。ところで、こうした事態になったことについての応援の仕方として考えると適切だったのかどうか。どうも、終わってから見に行っていますみたいな話じゃないかという気がするので、その点、お聞きします。
 それから、二つ目は、韓国はどうだったのかと。経済産業省は、それはもう韓国に負けるぞと、早く、とんでもない話だなんていって、これもさんざん今大宣伝しておきながら、韓国はタイのこうした事態に対してどんなような対応をしていたのか。僕は多分、我が国経済産業省はしっかり、これ韓国に負けているんだというふうに思うんだよ、だからそこの情報は知っているのかどうか。
 総じて、経済産業省としてタイに対してしかるべき対応をちゃんとやったのかということを聞きたいと。そのことは、もちろん国交省の対応だって本当に十分だったのかどうかということがあるわけで、それはまあ国交省はこの次に置いておいてもいいけれども、洪水の対策技術なんというのは日本は物すごく経験があるはずなので、もっと早い段階から、それから場合によったらODAの活用も含めて、手の打ち方がいっぱいあったはずなんだというふうに思うんだよね。取りあえず経済産業省、お聞きします。
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藤原正司#24
○会長(藤原正司君) 経済産業省。
 また、最後の方で国土交通省の方もよろしくお願いします。
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五嶋賢二#25
○政府参考人(五嶋賢二君) お答え申し上げます。
 経済産業省からは、このタイの洪水の被害が出始めました十月のかなり早い段階で担当の管理職を含めまして、あと関係の団体を含めまして、タイに行ってまいりました。現在状況の把握、それから対応策、タイの政府関係者との意見交換等、やってございました。ということで、早い段階から状況把握をし、どういう対応が日系企業との関係でもできるかというところに努力してきたところでございます。
 あわせまして、枝野経済産業大臣が、キティラット副首相兼洪水対策の責任者でもございます、併せまして商業大臣でもございますキティラット大臣とハワイでのAPECの際にバイ会談を行い、また今週、先ほどもお話ありましたけれども、キティラット副首相・商業大臣、日本に来ております。タイの洪水被害からの復興に向けた我が国からの最大限の協力その他、日本から見た懸念事項を伝える等々、対応をしているところでございます。
 韓国のタイへの支援等々につきましても、これも種々やっているというふうに把握をしております。
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日原洋文#26
○政府参考人(日原洋文君) 日本国として、浸水に関します様々な情報を提供できるということはタイ政府の方に伝えておりましたけれども、直接日本国から情報提供することになりますと混乱を招くということで、タイ政府の方にその辺は扱いを預けておいたということであります。
 そして、そもそもの治水計画をどうするかということについては、かねてからODA等を通じまして、タイの治水計画については必要な情報提供とか協力はしておったわけですけれども、先ほど申しましたように、治水の責任がはっきりしていないということもあって、なかなか思ったように計画が実現していないという部分は否めないのかなと思っています。
 その辺も含めまして、政策パッケージとしての支援というものを今後強化していきたいというふうに考えているところでございます。
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藤原正司#27
○会長(藤原正司君) 石川さん。
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石川博崇#28
○石川博崇君 公明党の石川でございます。
 私からは経産省さんに三点お伺いしたいと思います。
 まず一点目は、日系企業の今後の動向ですけれども、今回こういう形で大規模洪水で被害を受けて、一旦今のところ鎮静化しているようではありますが、また治水対策、タイ政府の取る長期的な取組というのがどれぐらい掛かるのかという見通しがなかなか立たない中で、果たして今後事業を続けていけるのかどうかという不安の思いも多数あるかと思います。
 今、現地にある千八百七十九社、そのうち四百四十九社が影響を受けた中で、撤退しようという動きがどの程度、概算で、大体のパーセントで結構ですが、今後の動向というものをどの程度把握されているかというのを一つお伺いしたい。
 二点目ですけれども、タイ人の従業員の受入れを表明していただいて査証発給進めておられますが、私地元大阪でいろんな企業訪問をしておりまして、やっぱり今回の被災を受けた企業さんもたくさんおられます。よくお伺いするのが、従業員の受入れを表明していただいたのはいいんですけれども、入管の作業に物すごく時間が掛かっていて、実際にその受入れの作業が進んでいないということをお伺いします。
 そこでお伺いしたいんですが、具体的に何人ぐらい受け入れる予定なのか。それで、実際に受入れが始まったのが何人ぐらいいて、これは法務省の話なんですけれども、入管当局にその人員の増加とかそういった要請をされているのかどうか、お伺いしたいと思います。
 三点目は、今回のタイの洪水におきまして、やはり日本の企業がここまでグローバル化した中でのサプライチェーンの維持ということが非常に重要だと、東北の東日本大震災でも明らかになったところでありますけれども、やはり経産省としても、しっかり今後このグローバル化したこのサプライチェーンの災害からの防災といいますか、そういう検討というのを進めていった方がいいんではないかと思いますが、今後の中長期的な取組について何かお考えがあれば教えていただければと思います。
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藤原正司#29
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 経済産業省、お願いしますが、一部、法務省に係る部分でも答えられる部分があったらできるだけ答えていただきたいと思います。それでは、経済産業省の方。
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