外務委員会

2014-03-28 衆議院 全75発言

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会議録情報#0
平成二十六年三月二十八日(金曜日)
    午後二時二十一分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 俊一君
   理事 城内  実君 理事 左藤  章君
   理事 鈴木 馨祐君 理事 薗浦健太郎君
   理事 原田 義昭君 理事 渡辺  周君
   理事 小熊 慎司君 理事 上田  勇君
      あべ 俊子君    石原 宏高君
      小田原 潔君    河井 克行君
      木原 誠二君    黄川田仁志君
      河野 太郎君    島田 佳和君
      田野瀬太道君    渡海紀三朗君
      東郷 哲也君    星野 剛士君
      武藤 貴也君    小川 淳也君
      玄葉光一郎君    松本 剛明君
      阪口 直人君    村上 政俊君
      岡本 三成君    青柳陽一郎君
      笠井  亮君    玉城デニー君
    …………………………………
   外務大臣         岸田 文雄君
   外務大臣政務官      石原 宏高君
   外務大臣政務官      木原 誠二君
   経済産業大臣政務官    田中 良生君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    小松 一郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 下川眞樹太君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 相川 一俊君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 大菅 岳史君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   北野  充君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房参事官)           梶島 達也君
   外務委員会専門員     辻本 頼昭君
    —————————————
委員の異動
三月二十八日
 辞任         補欠選任
  小林 鷹之君     田野瀬太道君
同日
 辞任         補欠選任
  田野瀬太道君     小田原 潔君
同日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     小林 鷹之君
    —————————————
三月二十七日
 米軍への思いやり予算の中止等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三三八号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
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鈴木俊一#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官山田滝雄君、大臣官房参事官下川眞樹太君、大臣官房参事官相川一俊君、大臣官房参事官大菅岳史君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長北野充君、農林水産省大臣官房参事官梶島達也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木俊一#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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鈴木俊一#3
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本剛明君。
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松本剛明#4
○松本(剛)委員 松本剛明でございます。
 きょうは、一時間、時間をいただいておりますので、幾つか大臣に、質問というよりお願いをさせていただきたいと思っています。よろしくお願いをいたします。
 まず、ちょっと通告を申し上げていないんですが、今後、当委員会でも条約の審議を順次行うことになろうかというふうに思っております。個々にどうということではないんですが、私自身も感じてきたところでもありますし、改めて今国会で取り上げる条約の説明を伺っている中で感じたことでありますので、お聞きをいただいて、お願いをさせていただければと思います。
 率直に申し上げて、この国会にかかる条約もかなり専門的なものも多数ありますので、個別具体の中身を全て把握するということはなかなか簡単なことではないというふうに思います。また、関連法案が幾つか審議をされていますように、個々の条約の中身については、外務省というよりは、当該所管の省庁がかなり詳しくかかわっているものも多数あろうかというふうに思っておりますが、やはり交渉の最前線に立つ外務省には、大枠、何が交渉の焦点になっていて、何がとれて何がとれていないのかといったようなことは、きちっと把握をしていただく仕組みが必要かなというふうに思っております。
 わかっていないとは申しませんけれども、やはりある程度、いわば霞が関のルールもあって、なかなか専門的なところには口を出しにくいというところがあるのかもしれませんが、国と国同士のやりとりでありますので、やはり国全体として、ここはとる、とらないといったような判断があったり、また、総合的に見て、ある分野においては、国際的な流れ等も含めて、一定程度譲らざるを得ないといったようなことがあったときに、それを何らかの形で、また別の機会には我が方にとってメリットのある形でとる。これは、同じ省庁の中とは限らない分野も当然出てくると思います、国と国同士の間の、分野が別の形でも。
 そういうことを考えると、何がとれて何がとれていないのかというのは、ぜひ外務省がきちっと把握をしていただけたらなというふうに思っております。
 また、これは各省庁にお願いをした方がいいのかもしれないというふうに思っていますが、例えば経済的な条約の場合、この条約を結ぶことによって大体どのぐらい我が国にメリットがあるのか、これを、定性的な説明は今までも幾つかあるんですけれども、定量的な説明は、確かに今まで、これが合っていたじゃないか、合っていなかったじゃないかと後々言われるといったようなことが繰り返されてきたがために、定量的な説明を出すことを大変嫌ってきた傾向があることは我々も一定程度理解をいたしますが、これから先、やはり、そのことが合っていたか合っていないかというよりは、このぐらい見込んでいたけれどもそうならなかった、では、そこの原因がどこにあるのかということで次なる対応を考えるという手がかりも含めて、そういう形で出していただけたらなというふうに思っております。
 例えがいいかどうかわかりませんが、霞が関の中で、予算を通じて財務省は各省の状況をある程度把握、掌握をしているというふうに感じておりますが、やはり国際的な分野については、外務省がかなりの部分を把握しているという形をぜひとっていただきたいという思いも込めて申し上げました。
 条約交渉に関して三つ目は、もうかねて申し上げてきていることですが、特に経済条約などはかなり専門的になるので、人員体制などは、ぜひ、外部の人材、他省庁の人材も含めて、十分な体制をとっていただくようにお願いをしたいと思っております。
 お願いだけですので、次へ進んでもよろしければ。では、よくお願いをさせていただきたいと思います。
 この委員会でも取り上げさせていただきましたが、安重根の記念館の問題を取り上げたいと思います。
 当初取り上げたときも申し上げましたが、こういった問題は、残念ながら、既に建設されたという事実があります。これは、取り上げ続けていかなければ、いつの間にか既成事実化するということがあります。
 きょう改めて取り上げさせていただいたのも、先般のオランダにおける中韓の会談でこのことが取り上げられているということでありました。しかも、韓国側の大統領府の発表の文書でありますが、私がこの発表の文を読む限り、中国側がこのことを取り上げているというふうにも読める発表にもなってきております。
 一部には、この中国の施設は地方の政府が建てたものであるしといったような話もありましたが、主席が首脳会談で取り上げる以上はそういった言い回しは通用しないわけでありますから、やはりそういったところで取り上げたことを捉まえて、ぜひ我々としては言うべきことを言うべきではないかということが一つ。
 それからもう一つは、もちろん、この行為に対する評価そのものが、根本的に私どもと立ち位置が違っているというふうに思っております。そのことを大前提としつつ、同時に、殺人という方法による行為を評価する、顕彰するといったようなやり方というのは、主張の内容とは別に、手段としても認められるものではない。とりわけ、これから将来に向けて、こういった手法を改めて顕彰するというやり方は認められないということをぜひ強く言っていただきたいと思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
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岸田文雄#5
○岸田国務大臣 安重根記念館についての御質問です。
 この安重根に関する立場ですが、まず基本的に、日本と中国及び韓国との間では、立場、考え方、さらには評価、これは全く異なっていると考えております。そしてその上で、前世紀において起こったこうした事件について、一方的な評価に基づいて、韓国と中国が連携して国際的に主張を展開する、こういった動きは、地域の平和や協力の構築に資するものではない、これはしっかりと我が国の考え方、評価として申し上げておかなければなりません。このような立場につきましては、これまでも、中国、韓国両政府には伝えてきているところであります。
 そして、安重根につきましては、殺人ということを顕彰するというような考え方はいかがかという御指摘もありました。安重根については、伊藤博文公を殺害し、そして死刑判決を受けた人物であります。我が国の立場としては、我が国の国内法における犯罪者ということになります。
 こうした人物であるということも含めて、我が国の立場、評価、こうしたものはしっかりと説明をしていかなければならないと思いますし、中韓には、今申し上げましたように、今までも累次我が国の立場を伝えてきているわけですが、国際社会においても、こうした我が国の考え方、そしてこの事件について説明をしていく努力はしていかなければならないのではないかと考えます。
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松本剛明#6
○松本(剛)委員 この問題は、しかるべき形で解決をされるまで私も取り上げ続けていきたいと思っておりますし、ぜひ、外交の場においても、我が国は民主主義国家であり、議会における要請といったものも無視できないものがあるので、こういったことも踏まえてということで対応していただきたいということをお願い申し上げて、次の問題に行きたいと思います。
 既に当委員会に付託をされておりますが、原子力協定について順次議題に付されるものというふうに承知をしております。内容については、趣旨説明、提案理由も前国会において行われておりますので、私どもにおいても議論をしてまいりました。国会においても何度か取り上げられてきておりますが、まず、トルコとの協定における濃縮に関する規定について伺いたいと思っております。
 昨年十一月の当委員会におきましても、大臣は御答弁をいただいております。これは私から申し上げるまでもなく、両国の書面による合意がある場合は認められる、こういう趣旨の規定になってきておりますが、大臣においては、我が国は認めることはないと考えているといったこと、そして、日本の外務大臣が国会の委員会の場ではっきり申し上げているということは重たい、こういう趣旨で御答弁をいただいておるわけであります。
 これは、相手国にも既に日本の意思はお伝えになっているということでありましたが、どのレベル、どの段階でお伝えになっているかということをまずお聞きしたいと思います。
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岸田文雄#7
○岸田国務大臣 トルコとの原子力協定につきましては、核不拡散の観点、さらにはトルコの原子力政策、また国際的な議論、こういったことを総合的に勘案しながら協定交渉を行ってきました。そして、御指摘のトルコにおける濃縮、再処理に係る規定につきましては、トルコとの交渉の結果、御指摘のような規定ぶりになったものであります。そして、今までも国会答弁等で再三申し上げておりますように、協定の対象となる核物質のトルコ国内における濃縮、再処理に関する我が国の立場は、濃縮、再処理を認めるつもりは全くないというものであります。
 そして、それをどのレベルでトルコに伝えてきたのかという御質問でございますが、今日までも、例えば日・トルコ原子力協定交渉、何回も行われてきたわけでありますが、こうした交渉の場におきまして、我が方の交渉団長からトルコ側の交渉団長に対して伝達をしてきております。
 交渉団長を務めたレベルでありますが、具体的には、我が方は、外務省の軍縮不拡散・科学部長ほかとなっております。一方、トルコ側は、その回によって異なっておりますが、トルコの原子力庁長官ほかが団長を務めているということであります。お互い、こうしたレベルを通じまして、我が国の立場について直接伝えているということでございます。
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松本剛明#8
○松本(剛)委員 これは記録か書面かには残っているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
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北野充#9
○北野政府参考人 今大臣から御答弁申し上げましたように、交渉の場におきまして、我が方交渉団長から先方に対してしっかりとこれを伝えております。我が方の中での記録というところにこれをきちっととどめているということでございます。先方との間でそれを書面で交わしたということはございませんけれども、我が方としてしっかりと確認をしているということでございます。
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松本剛明#10
○松本(剛)委員 しかるべき立場の人が伝えているということは、決して軽いというふうには私も思いませんが、やはり濃縮の部分というのは、我が国にとっては極めて重要なポイントであるということも間違いないというふうに思います。
 大臣御自身はとりわけ不拡散の問題には御熱心だろうと思いますが、私どもも不拡散には取り組んでまいりましたし、日本としても、不拡散については最も熱心に取り組んでいる国だという評価を受けていると思いますし、これからもそうあり続けるべきだというふうに思っています。
 その趣旨からしますと、この条約の文言がこういう形になったということそのものが、いわゆる日本にとってのスタートラインのひな形とは既に交渉の結果で違っているというふうに思いますが、やはりそこを、きちっと我が国の姿勢というものを担保するという意味では、この後、この条約が国会の審議を経て例えば批准をされる場合、批准書を交換するとか、トルコとこの件に関して接する機会が出てくるというふうに思います。
 そういった機会に、高いレベル、もしくは何らか先方にも残る形で伝えるといったようなことを、これはきょうの段階で即答でお返事いただけるとは思えませんが、我が国政府としてこういう姿勢を示したということが、今お話があったのは、外務省のいわば省内の記録の範囲だというふうに思います。相手方に伝えたことも含めて公開の形で伝わるようにするということは、不拡散の最前線に立ってきた我が国としての姿勢を示すという意味でも重要だというふうに思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
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岸田文雄#11
○岸田国務大臣 御指摘のように、我が国にとりまして、不拡散の問題につきましては大変重要な課題であり、原子力の平和利用の安全に我が国としても貢献するに当たりましても、不拡散の観点は重視しなければなりません。
 こうした我が国の立場、考え方については、今日までも、今申し上げましたように累次相手に伝えているところでありますし、我が国の姿勢としましても、私、外務大臣を初め関係者が国会の公の委員会の場でたびたび答弁をさせていただき、そして国会の議事録に記録をとどめる、こういった形で再三確認をさせていただいてきました。
 しかしながら、おっしゃるように、今後とも、この考え方、立場につきましては、さまざまな場でトルコ側に確認をしていかなければならないと考えております。
 この協定の中においても、日本とトルコは、引き続きまして原子力の安全につきまして協議をする場を設ける、こういった中身が盛り込まれておりますが、そういった場等も通じながら、さまざまな機会を捉えて我が国の立場は伝えていくよう努力をしたいと考えます。
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松本剛明#12
○松本(剛)委員 最後にもう一度、この件についてお願いだけしておきたいと思います。
 ぜひ、相手側に伝わったこと自身が残るという形で、双方の国々、両方の当事国を一定程度やはり、拘束と言うと言葉が悪いんですが、簡単にはできないということを双方がかなり強く認識しているということが残っていかなければ、文章だけ読めば、これはポジティブに書いてあります。さまざまな経緯があって、恐らく、推測ですが、ネガティブな表現も暗にあった中で、トルコ側の立場ということではポジティブな表現にならざるを得なかったのであろう、これは私の勝手な推測でありますけれども。であるからこそ、逆に、このことは、双方で、少なくとも日本側は合意をする意思がないということは双方が知っているということが明らかになっているということは一つのポイントではないかと思いますので、ぜひそのことを強くお願いしたいと思います。
 もちろん、公開で、議事録の残る場で、しかも国権の最高機関で大臣がおっしゃったことですから、意思としてそのことを覆そうと思っておられるとは毛頭考えておりません。ただ、その上で、ぜひ、そういったことの対応が可能かどうかの御検討は引き続きお願いをしたいと思っております。
 原子力協定について二つ目は、今大臣が言及をされましたが、安全性についての協議を行うという形になってきております。
 この部分について、もちろん、双方主権国家でありますし、相手国の規制のあり方、立地についての考え方、エネルギーの政策、相手国の主権に基づくさまざまな政策にどこまで我が国としていろいろなことが言えるのかということについては、外交を担う立場からはさまざまな配慮もあろうかというふうに思います。しかし、原子力に関して、特に平和利用に協力するに当たっては、私どもは、少なくともこの間は、不幸にして起こってしまった事故、このことを乗り越える、その知見を共有するということも平和協力の中の一つにあったと理解をします。また、我が国の持つ高い技術力そして知見を生かすという趣旨もあったというふうに思います。
 このトルコに限らず、アラブ首長国連邦に限らず、これから原子力を導入しようという国である以上は、当然、実務上積み重なってきた知見といったものはないわけでありますから、他方で我が国はこれを共有することを使命としているということであると、かなり積極的に、そして、個々のテーマについても、相手国の安全性を高めることに関しては相当積極的に関与すべきだというふうに私としては思っております。
 この安全性の協議について、取り組む姿勢、そしてもし今具体的に進められていることがあるのであれば、そういったことも含めて、外務省、そして原子力の運営にかかわっている経産省からお話を伺いたいと思います。
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北野充#13
○北野政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力発電の安全性の確保ということにつきましては、一義的には相手国政府の責任において判断をされる、そのような事項であろうかというふうに考えております。
 一方、政府といたしましては、原子力協力を行うに当たりまして、原子力安全の重要性ということについては十分に認識しつつこれを行うということであるべきだというふうに考えております。また、今委員からも御指摘がありましたように、福島第一原発事故の経験と教訓というものを世界と共有することによって世界の原子力安全の向上に貢献をしていくということは、我が国としての重要な責務であるというふうに考えているところでございます。
 これを踏まえまして、具体的に、今から申し上げる幾つかのことを行っておりますし、また、先ほど委員御指摘の協議の中で、そのようなことをさらにやっていきたいというふうに考えているところでございます。
 まず第一点といたしましては、我が国が近年署名、締結をいたしました原子力協定においては、相手国との間で、幅広い範囲における協力の分野というのを定めております。そしてその中で、原子力の安全というのも協力の分野の一つというふうにした上で、情報交換などが行える仕組みというふうにしております。
 トルコとの協定におきましては、トルコというのが地震が発生することがある国であるということ、それからまた、トルコにおきまして具体的なプロジェクトが想定されているということも考慮いたしまして、先ほどからお話が出ておりますように、原子力の安全の向上のための定期的な二国間協議に関する規定というのが設けられております。これを活用するというのが第一点でございます。
 第二点でございますけれども、政府といたしましては、原子力安全の重要性ということを踏まえまして、二〇〇六年に発効しましたユーラトムとの原子力協定以降の協定におきまして、原子力安全の関連条約に関する規定というものを原子力協定の中に設け、原子力安全に関する国際的な枠組みの強化ということに貢献をしようということで取り組んでまいっております。具体的にトルコについて言いますと、トルコに対して我が国はその時点でまだ締結しておらず、引き続き課題でございます放射性廃棄物等安全条約の締結というものを働きかけてきているところでございます。
 第三点でございますけれども、我が国は、原子力発電所の新規導入国に対する人材育成、法制度支援といったことを通じまして、原子力安全の向上を支援するということでございます。具体的には、原子力安全規制体系の制度整備、それから原発の安全な運転管理のための人材育成といった取り組みでございます。
 私どもとしましては、このような取り組みを通じまして、相手国における原発の安全性の確保ということに貢献をしていきたいと思っておりますし、また、そのようなことを、先ほどからの議論にございます協議の場を通じて、先方とも話をしていきたいというふうに考えてございます。
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田中良生#14
○田中大臣政務官 お答えいたします。
 松本委員御指摘のとおり、福島第一原発事故の経験、教訓、こうしたものを世界と共有していくということは、やはり必要不可欠なことであります。その上で、原子力安全の向上ですとか、また平和利用、こうしたものに貢献する、これはもう我が国の責務であると考えるものであります。
 その上で、原発の安全確保でありますが、これは当該発電所が立地する国が行うこと、これは国際的にも確立した考え方であります。
 我が国としても、事故から得られた教訓を生かしながら、我が国の原子力協力を求める新規原発導入国に対しては、原子力の安全を担う人材の育成ですとか、あるいは制度整備等の面で、最大限貢献をしていきたいと考えております。
 そして、特にトルコとの原子力協力についてでありますが、経産省としては、トルコ側から今高い期待が示されております我が国の地震に関する技術を活用しまして、建設予定地におけます地震動評価等の調査を今実施しているところであります。また、事故の知見も踏まえた原発の安全な運転管理のための人材育成等への支援、こうしたものも行っていくものであります。
 こうした取り組みを通じて、我が国としても、トルコにおける原発の安全性確保に最大限貢献をしていきたいと考えております。
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松本剛明#15
○松本(剛)委員 御答弁としてはそうならざるを得ないんだろうと思います。また、先ほど冒頭に申し上げたように、当然、主権国家でありますから、一義的には相手国の判断ということそのものを根本から否定するつもりは全くありません。
 ただ、事故の教訓というものも、幾つかというか数限りなくあろうかというふうに思いますが、例えば一つ申し上げると、実は、私が政策責任者をさせていただいていました当時、もう十年近く前になりますが、民主党で、原子力を規制する組織というのは当時はまだ保安院という形でありましたが、もっと第三者的な形でなければいけないのではないかという提言を出させていただいたことがあります。関係の方々のところも回りました。事業者の会社の方々、そして私どももかかわりのある、事業者で働いている労働組合の方々、そして有識者の方々とも話をしました。率直に言えば、当時は皆さん全く否定的でありました。しかし、本当に残念な事故を経て、やはりこれはつくらざるを得ないのではないかということで、今、原子力規制委員会が設置をされております。
 そして、まだ国民の信頼を得る途上だと思いますが、安全が確認できたものに限って動かしていく、逆に言えば、安全が確認できなければ動かさないこともあり得るという立場をとりながら規制委員会はこれから行動していくことになるんだろうというふうに思うわけですが、先ほど申し上げたように、これまで原子力を導入したことのない国であっても、事故を経験した我が国の立場から考えれば、確認をした結果、建てるべきでない、もしくはつくるべきでないものであればとめるべきだといったような姿勢も含めることが必要だということをしっかり伝えることも含めて、このこと自身は、組織のあり方とか規制のあり方ということは、主権国家といえば立ち入り過ぎだと言われる可能性もないわけではないと思います。
 しかし、拝見をしている限り、総理とエルドアン首相、大臣とダウトオール外相の間も、たび重なる接点、交流の中で一定以上の信頼関係があるものと私どもは期待をいたしておりますし、真の友人というものは、立ち入ったことを言うようだけれどもと言いながらも、言うべきことはきっちり伝えることが大変重要なことであるというふうに思っております。
 そういう意味であえてこのことを取り上げさせていただいておりますので、大臣におかれても、トルコの場合、先ほども北野部長からも指摘がありましたが、地震等を含めた自然環境も我が国に近いものがあるわけですから、もちろん、今トルコを取り上げましたが、アラブ首長国連邦も同じでありますが、ぜひそういう姿勢でこの安全協議に取り組んでいただきたいということを強くお願いしたいと思います。
 もし一言あれば。
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岸田文雄#16
○岸田国務大臣 おっしゃるように、原子力の安全性の確保につきましては、一義的には相手国政府の責任において判断する事項ではありますが、やはり我が国として、福島第一原発の事故を経験した、その際の貴重な知見ですとか経験、これはしっかりと国際社会と共有しなければなりません。その際に、少なくとも科学的あるいは客観的な事実やデータにつきましては、冷静にしっかり相手に伝え、安全性の確保に向けてしっかり貢献をしていく、こういった態度は重要であると認識をいたします。
 ぜひ、言うべきことは言う、そして原子力の平和利用の安全につきましてしっかり貢献する、その中にあって我が国がしっかりと信頼を得られる、こういった結果につなげていきたいと考えます。
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松本剛明#17
○松本(剛)委員 私自身も一定の期間政府の中に籍を置かせていただいて、何か始めたものをやめるということは大変重い決断が必要だということはよくわかります。ですが、やはり原子力の安全ということに関してはその勇気も持つようなことが必要だということも含めて、しっかり御尽力をいただくように御要請を申し上げて、次のテーマに参りたいと思います。
 政務官、どうぞ、もしよろしければ御退席ください。
 次は、昨今、集団的自衛権の議論がさまざま行われておりますが、集団的自衛権そのものの議論についても申し上げたいことがありますが、幾つか出ていますので、関連して幾つかお聞きをしていきたいと思います。
 まず、国連憲章の敵国条項についてですが、この解釈で敵国というのはどこを指しているのかということを確認したいと思います。
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山田滝雄#18
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
 国連憲章上、敵国の国名が特定されているわけではございませんが、一般には、第二次大戦当時に連合国と交戦状態にあった日本、ドイツ、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドが旧敵国に当たると考えられております。
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松本剛明#19
○松本(剛)委員 少なくとも我が国は敵国に当たると考えられているということではないかというふうに思います。
 次に、お手元、委員の皆様にも、参考資料で五十三条、七十七条、百七条と配らせていただきましたが、いわばこの規定を使うことができる国はどこなのかということであります。例えば、我が国が対象であるとすれば、我が国が使うということは想定をされないというふうに思いますが、使うことのできる国はどこなのかという解釈が政府としてあれば、お知らせいただきたいと思います。
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山田滝雄#20
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
 理論的には、これらの敵国とされる国と交戦状態にあった全ての国連加盟国がかつては援用していたと考えております。
 ただ、この旧敵国条項につきましては、九五年の国連総会で、既に死文化しているとの認識を示す決議が採択されております。また、二〇〇五年の国連首脳会議では、憲章上の関連する条項における敵国への言及を削除するとの加盟国の決意を示す成果文書が採択されております。
 したがって、現在におきましては、いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はもはやない、このように考えております。
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松本剛明#21
○松本(剛)委員 解釈上、主体となり得る国はないということなんでしょうか。
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山田滝雄#22
○山田政府参考人 先ほど申し上げましたように、九五年の総会決議及び二〇〇五年の国連首脳会議の成果文書がございますので、現在では、いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はないというふうに考えております。
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松本剛明#23
○松本(剛)委員 適用の余地がないという解釈は、我が国の解釈なんでしょうか、国際的な解釈なんでしょうか。
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山田滝雄#24
○山田政府参考人 先ほどの、まず国連の首脳会議の成果文書、二〇〇五年ですが、これはコンセンサスで採択されております。また、九五年の国連総会の決議も、一部に棄権した国はございましたけれども、いかなる国も反対することはなく、大多数の賛成によって採択されております。
 したがって、旧敵国条項が既に死文化されている、この点については国際社会におけるコンセンサスがあると考えてもよいのではないかというふうに思っております。
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松本剛明#25
○松本(剛)委員 九五年の総会決議ですが、英語を拝見すると、もはや使われていない状態になっていることを認識するという、形容詞で表現をされています。これは、規範性、使ってはいけないというふうには私には読めなかった。適用の余地がないというふうに我が国政府が解釈していることは理解をいたしますが、総会の決議で、これはもはや使うべきものではないというふうに決議をされたというふうには読めないのではないかというふうに思います。
 もはや使われていない状態になったと認識をしているというふうに、死文化しているという言葉をどう解釈するかなんですが、規範性を持って言っているのか、状態を認識していると言っているのか、決議についてまず確認をしたいと思います。
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山田滝雄#26
○山田政府参考人 九五年の決議でございますけれども、まず、前文におきまして、五十三条、七十七条、百七条の敵国条項は死文化していることを認識しとされております。英語はオブソリートという言葉が使われております。
 さらに、主文の三におきまして、敵国条項を削除することによって、将来に向けて効力を有するものとして国連憲章の改正を行うために、国連憲章第百八条に規定する手続を将来の最も至近の適当な会期において廃止する意図を表明すると。
 したがって、単にオブソリートという認識を表明しただけでなくて、この条項は将来改正されるべきものであるという意図が表明された形になっております。
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松本剛明#27
○松本(剛)委員 将来改正されるべきものであるとすれば、改正されるまでは有効だということになりますよね。死文化という言葉をどなたが訳されたのか知りませんけれども、我が国の訳ではそのようになっていますが、状態をあらわしているにすぎない、現在使っていない、将来改正をすべきである。とすれば、現段階では、その条項そのものは生きていないというふうに断言は少なくともできない。
 我が国は適用の余地があるべきものではないと考えているということは私も承知をしていますけれども、全ての国がそのことを共有できているものだという決議、成果文書だと見るべきなのかどうかという、その評価をお聞きしたいと思います。
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山田滝雄#28
○山田政府参考人 死文化されたという決議上の文言は先ほど御紹介したとおりでございますけれども、ただし、日本政府としましては、死文化したとはいえ、この旧敵国条項の削除を求めていくべきであるという立場を守ってきております。
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松本剛明#29
○松本(剛)委員 整理をすると、今の段階では使われることがないものである、したがって将来削除をすべきである、我が国も努力をしていると。しかし、現在、この条項が何らかの事情で有効に活用されることがないとは言い切れないということに今とどまったのではないかと、議論をさせていただいて思うわけであります。
 もし御意見があれば、今私が申し上げたことで、そうであると言わざるを得ないのであれば、私の判断でそのように理解をさせていただいて、先へ話を進めていきたいと思っております。
 なぜこのことをお聞きするのかといえば、最近になっても、ロシア外務省は、北方領土に関連してこの百七条を持ち出してくることが決して少なからずあります。昨今も、恐らく日ロ間ではさまざまな形での交渉が活発化していると思います。その前も、公式、非公式も含めてかなりの接点がある中で、私も中身を申し上げるわけにいきませんが、対外的な場面でも、例えばラブロフ・ロシア外務大臣は、ラジオの番組で説明をするときに百七条を持ち出してきているわけであります。
 全く今使えないものであればなかなか持ち出しにくいところがあるのではないかというふうに思いますが、いまだに援用されるということを考えたときに、やはりこのことを何らかの形ではっきりさせるべきではないかというふうに思いますが、ロシアが援用していることの認識、これをどのようにお考えになっているでしょうか。
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