地方創生に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成二十六年十月三十日(木曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 鳩山 邦夫君
理事 後藤 茂之君 理事 新藤 義孝君
理事 土屋 正忠君 理事 寺田 稔君
理事 義家 弘介君 理事 渡辺 周君
理事 重徳 和彦君 理事 石田 祝稔君
青山 周平君 伊藤 忠彦君
伊藤 達也君 石川 昭政君
加藤 寛治君 金子万寿夫君
金子 恵美君 坂井 学君
末吉 光徳君 鈴木 俊一君
鈴木 淳司君 瀬戸 隆一君
高木 宏壽君 武井 俊輔君
とかしきなおみ君 中村 裕之君
林 幹雄君 福井 照君
三ッ林裕巳君 宮腰 光寛君
泉 健太君 奥野総一郎君
後藤 祐一君 篠原 孝君
寺島 義幸君 若井 康彦君
小熊 慎司君 村岡 敏英君
稲津 久君 濱村 進君
桜内 文城君 中丸 啓君
佐藤 正夫君 宮本 岳志君
小宮山泰子君
…………………………………
参考人
(富山市長) 森 雅志君
参考人
(一橋大学大学院法学研究科教授) 辻 琢也君
参考人
(公益財団法人地方自治総合研究所所長) 辻山 幸宣君
参考人
(前横手市長) 五十嵐忠悦君
衆議院調査局地方創生に関する特別調査室長 畠山 裕子君
—————————————
委員の異動
十月三十日
辞任 補欠選任
木原 稔君 青山 周平君
宮川 典子君 中村 裕之君
小川 淳也君 泉 健太君
畑 浩治君 小宮山泰子君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 木原 稔君
中村 裕之君 武井 俊輔君
泉 健太君 寺島 義幸君
小宮山泰子君 畑 浩治君
同日
辞任 補欠選任
武井 俊輔君 末吉 光徳君
寺島 義幸君 奥野総一郎君
同日
辞任 補欠選任
末吉 光徳君 三ッ林裕巳君
奥野総一郎君 若井 康彦君
同日
辞任 補欠選任
三ッ林裕巳君 宮川 典子君
若井 康彦君 小川 淳也君
—————————————
本日の会議に付した案件
まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出第一号)
地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 鳩山 邦夫君
理事 後藤 茂之君 理事 新藤 義孝君
理事 土屋 正忠君 理事 寺田 稔君
理事 義家 弘介君 理事 渡辺 周君
理事 重徳 和彦君 理事 石田 祝稔君
青山 周平君 伊藤 忠彦君
伊藤 達也君 石川 昭政君
加藤 寛治君 金子万寿夫君
金子 恵美君 坂井 学君
末吉 光徳君 鈴木 俊一君
鈴木 淳司君 瀬戸 隆一君
高木 宏壽君 武井 俊輔君
とかしきなおみ君 中村 裕之君
林 幹雄君 福井 照君
三ッ林裕巳君 宮腰 光寛君
泉 健太君 奥野総一郎君
後藤 祐一君 篠原 孝君
寺島 義幸君 若井 康彦君
小熊 慎司君 村岡 敏英君
稲津 久君 濱村 進君
桜内 文城君 中丸 啓君
佐藤 正夫君 宮本 岳志君
小宮山泰子君
…………………………………
参考人
(富山市長) 森 雅志君
参考人
(一橋大学大学院法学研究科教授) 辻 琢也君
参考人
(公益財団法人地方自治総合研究所所長) 辻山 幸宣君
参考人
(前横手市長) 五十嵐忠悦君
衆議院調査局地方創生に関する特別調査室長 畠山 裕子君
—————————————
委員の異動
十月三十日
辞任 補欠選任
木原 稔君 青山 周平君
宮川 典子君 中村 裕之君
小川 淳也君 泉 健太君
畑 浩治君 小宮山泰子君
同日
辞任 補欠選任
青山 周平君 木原 稔君
中村 裕之君 武井 俊輔君
泉 健太君 寺島 義幸君
小宮山泰子君 畑 浩治君
同日
辞任 補欠選任
武井 俊輔君 末吉 光徳君
寺島 義幸君 奥野総一郎君
同日
辞任 補欠選任
末吉 光徳君 三ッ林裕巳君
奥野総一郎君 若井 康彦君
同日
辞任 補欠選任
三ッ林裕巳君 宮川 典子君
若井 康彦君 小川 淳也君
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本日の会議に付した案件
まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出第一号)
地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
————◇—————
鳩
鳩山邦夫#1
○鳩山委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、富山市長森雅志君、一橋大学大学院法学研究科教授辻琢也君、公益財団法人地方自治総合研究所所長辻山幸宣君、前横手市長五十嵐忠悦君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず森参考人、お願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、富山市長森雅志君、一橋大学大学院法学研究科教授辻琢也君、公益財団法人地方自治総合研究所所長辻山幸宣君、前横手市長五十嵐忠悦君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず森参考人、お願いいたします。
森
森雅志#2
○森参考人 おはようございます。
きょうは、大切なお時間にお呼びをいただきまして、大変光栄に思っております。委員長の方からお許しをいただきましたので、十五分程度、所感を述べさせていただきたいと思います。
そうは申せ、地方創生と最近言われています地方の活性化ということについては、各先生方の方がよっぽど御認識が深くて、釈迦に説法みたいなお話になりますが、お許しをいただきたいと思います。
人口減少の問題が大変大きな課題だと思って、十二年ほど前からいろいろな形で富山市は取り組んでまいりました。
端的にわかりやすい例でいいますと、恐らく、東京で働いて、御結婚されて、夫婦でダブルインカムがあるとしても、二LDKを買うのが精いっぱいなんだろうというふうに思います。そもそも、商品が売られていないのではないか。一億を超えないと、三LDKとか四LDKにならないんだろうと思います。それでは夫婦の寝室と子供部屋が一部屋しかないわけですから、それで子供を三人、二人といっても、どだい無理な話だと思っていまして、同じ価格で、例えば地方都市ですと、私どもの市ですと四LDKぐらいが取得できる、こういうことに着目していくことが大変大事だと思っています。
ただし、それでは、部屋さえあればそれで人は来るのかというと、決してそんなことはないわけですので、何といっても、雇用をどうつくっていくかということだろうと思っております。
この雇用をつくるということについて、企業経営者の多くの方、特に大手の企業の多くの方とこの十年、いろいろなお話をしてまいりましたが、ポイントは、単身赴任ばかりが行くような都市には魅力がない、家族が一緒にシフトしてくれるような町をつくってほしいということを強く言われております。
東京に本店のある企業の社員が北陸支社へ転勤を命じられたときに、金沢だと奥さんも一緒に行くけれども、富山だとお父さん一人で行きなさい、そういう町をつくっていたのではだめなんだ、こういう思いで、特に御家族、奥様、配偶者の方から魅力があるねと言われるような町をつくろうということで腐心をしてまいりました。
結局、人が居住を考えるときの要素としてどういう要素を考えるかというと、さまざまにありますが、教育水準、福祉の水準、文化度、安全、犯罪が少ない、生活保護率が低い、災害が少ない、そういうさまざまな面での総合力を高めていくことこそが大事だ、こういう認識でまちづくりに取り組んでまいりました。特に、地方都市にとって、文化というのは非常に大事だというふうに思っております。
増田リポートで言うところの、人口のダムというような議論にのっとって言えば、中山間地で仕事をつくることも大変大事な取り組みではありますが、これで抜本的に地方からの人口流出をとめることは無理だと思っています。例えば、北海道の人口を各都市、旭川も釧路も根室も函館も頑張って、そこに雇用をつくるということと同時に、札幌の魅力を高めていくことが大変大事だというふうに思っております。
例えて言えば、札幌や仙台ではGLAYのコンサートができますけれども、富山や金沢ではできません。しかし、富山や金沢であっても、山下達郎さんのコンサートを毎年やれるような、そういう文化性みたいなものをつくっていくことが中核都市としての町の魅力を高めることだろうと思っています。
そこで、金沢や富山は頑張って北陸の人口流出というものをその北陸の中でとめていく、富山県の中で富山市が頑張っていく、そういう取り組みをしていくことが大変大事ではないかというふうに思っております。
例えば、富山市は、十二年ほど前から公共交通に積極的に公費投入をして、公共交通を使い勝手のいいものにする、そして公共交通の沿線に人を緩やかに誘導する。これは補助金を出しております。駅から五百メートル以内に質のいい居住環境をつくった人には補助金を出す、六百メートルの人には出さないという大変不公平感あふれる施策をやってきましたが、結果的に、富山市の中心市街地は、これで七年連続転入超過となっておりますし、富山市自体の人口も六年連続転入超過です。
しかしながら、死亡と出生の差を埋めることにまで至っておりません。平成二十四年度の数値でいいますと、全国の人口減少率は〇・二一%です。富山県の人口減少率は〇・五四%ですが、富山市は〇・二%にとどまることができました。社会的動態をプラスにするということをまず第一の目標にしながら、これからも、これをぶれずにやっていくことが必要なのかなというふうに思っております。
加えて、先般の県の地価調査で、二十二年ぶりに富山市の平均地価が上昇しました。地価を落とさない、できれば上昇させるということは、地方行政の財政運営にとって大変重要なことです。
リーマン・ショック以後、法人市民税も個人市民税も総額が落ちていますので、相対的に固定資産税と都市計画税の重みが増しております。こういう中で地価が下がるということは財政構造をますます硬直化させていくということになりますので、地価が上昇気流になってきたということは大変いいことだと思っていますし、個人にしてみても資産価値が上がるということですので、ここをしっかりやっていかなきゃいけない。民間の投資を呼び込むようなまちづくり、施策というものをしっかりやっていくということが大事だというふうに認識しております。
その際に、私たちの取り組みは、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを標榜しながら、歩行歩数を伸ばし元気な高齢者をつくる、さまざまな形で、気がついたら歩いている都市構造、そういうものを同時に進めてまいりました。
先月号の「プレジデント」に、富山市の高齢者はなぜ死ぬまで歩くのかというショッキングなタイトルの記事が出ましたが、県全体の平均値は、国が発表されている平均値よりも一人平均千三百歩ぐらい多く歩いているというデータもとれましたので、こういうことをしっかり、ICTを使ってもっと緻密な数字を出していくことが大変大事だと思っています。
この健康寿命を延ばすということがこれからの地方都市にとって大変大事なことで、医療費、介護保険費をどう抑えるかという点でこれを進めていく。そういう議論をしていくことによって、交通政策に公費投入することの妥当性は、単に移動の効果だけではなくて、市民生活そのもの、市の財政運営そのものにかかわる大きな全体的な利益、ベネフィットをもたらすものだという議論ができるというふうに思っています。
ぜひ、これからも、さまざまな取り組み、各省庁にまたがるようなさまざまな施策をパッケージで考え、パッケージで提案していきたい、このように思っています。この地方創生の取り組みの中で、ぜひ、パッケージで捉えていただいて、省庁横断的な評価をしていただいて、独自の施策が十分に生かせるような形で交付金などをつくっていただければ大変ありがたいというふうに思っています。やはり内閣府に予算がないと機動性が発揮できないと思いますので、そういう交付金について御検討いただければ大変ありがたい、このように思っております。
先般読みました本におもしろい言葉がありまして、戦前の海軍中将大西滝治郎という人の言葉ですが、日本海軍は全力で日本陸軍と戦い、余力で米軍と戦っている。つまり、セクショナリズムということを打破していくことがいかに大切か、それをやらないと戦略性は出てこないというふうに思っていますので、ぜひお願いしたいと思っています。
さらに、ここからは言うべきかどうか迷っているんですが、最近の各省庁で創設されています交付金の多くは、都道府県に渡っています。都道府県が自由度の高い交付金を持っているというのは、基礎自治体から見ると、よりブラックボックス化しているという気配がありますので、ぜひ、さまざまな制度について、直接基礎自治体に届くような交付金制度という点で考えていただければ大変ありがたい、このように思っています。
いずれにしましても、きょうまでのところ、かなり大胆な、見ようによっては不公平感も漂うような取り組みをやってまいりました。かつての人口が右肩上がりの時代にはそうであってよかった、例えば市域全体に平均的で平準的な同じようなサービスを提供する、そういう時代はもう過ぎ去ったと思っていますので、地域特性に着目をして、その特性を生かす、伸ばすために、めり張りのきいた、温度差もあってもいい、そういうさまざまな施策を展開していく、そこがこれからの地方自治体、基礎自治体にとって大変大事な視点ではないかというふうに思っています。
加えて、福祉の担当が福祉の領域で物を見るということでとどまっていてはだめなのだと思います。先ほど、気がついたら歩いている町と申し上げましたが、これは健康寿命をつくるための取り組みですけれども、交通の部門も都市計画の部門も農政の部門も教育委員会も、そういう各セクションが一緒になってチームを組んで仕事をやっていく、そういう時代に入ってきていると思っています。
不公平感が若干感じられるとしても、市域全体にとって必ず税で還流してくるということだと思っていますので、全ては将来市民全体の利益につながる、このような思いで、これまで進めてまいりましたことを、これからもぶれずにやっていきたいと思っておりますので、ぜひ、いろいろな面で、制度論、あるいは交付金、補助金その他財政的な面からもお支えをいただければということをお願い申し上げて、御挨拶とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。拍手
この発言だけを見る →きょうは、大切なお時間にお呼びをいただきまして、大変光栄に思っております。委員長の方からお許しをいただきましたので、十五分程度、所感を述べさせていただきたいと思います。
そうは申せ、地方創生と最近言われています地方の活性化ということについては、各先生方の方がよっぽど御認識が深くて、釈迦に説法みたいなお話になりますが、お許しをいただきたいと思います。
人口減少の問題が大変大きな課題だと思って、十二年ほど前からいろいろな形で富山市は取り組んでまいりました。
端的にわかりやすい例でいいますと、恐らく、東京で働いて、御結婚されて、夫婦でダブルインカムがあるとしても、二LDKを買うのが精いっぱいなんだろうというふうに思います。そもそも、商品が売られていないのではないか。一億を超えないと、三LDKとか四LDKにならないんだろうと思います。それでは夫婦の寝室と子供部屋が一部屋しかないわけですから、それで子供を三人、二人といっても、どだい無理な話だと思っていまして、同じ価格で、例えば地方都市ですと、私どもの市ですと四LDKぐらいが取得できる、こういうことに着目していくことが大変大事だと思っています。
ただし、それでは、部屋さえあればそれで人は来るのかというと、決してそんなことはないわけですので、何といっても、雇用をどうつくっていくかということだろうと思っております。
この雇用をつくるということについて、企業経営者の多くの方、特に大手の企業の多くの方とこの十年、いろいろなお話をしてまいりましたが、ポイントは、単身赴任ばかりが行くような都市には魅力がない、家族が一緒にシフトしてくれるような町をつくってほしいということを強く言われております。
東京に本店のある企業の社員が北陸支社へ転勤を命じられたときに、金沢だと奥さんも一緒に行くけれども、富山だとお父さん一人で行きなさい、そういう町をつくっていたのではだめなんだ、こういう思いで、特に御家族、奥様、配偶者の方から魅力があるねと言われるような町をつくろうということで腐心をしてまいりました。
結局、人が居住を考えるときの要素としてどういう要素を考えるかというと、さまざまにありますが、教育水準、福祉の水準、文化度、安全、犯罪が少ない、生活保護率が低い、災害が少ない、そういうさまざまな面での総合力を高めていくことこそが大事だ、こういう認識でまちづくりに取り組んでまいりました。特に、地方都市にとって、文化というのは非常に大事だというふうに思っております。
増田リポートで言うところの、人口のダムというような議論にのっとって言えば、中山間地で仕事をつくることも大変大事な取り組みではありますが、これで抜本的に地方からの人口流出をとめることは無理だと思っています。例えば、北海道の人口を各都市、旭川も釧路も根室も函館も頑張って、そこに雇用をつくるということと同時に、札幌の魅力を高めていくことが大変大事だというふうに思っております。
例えて言えば、札幌や仙台ではGLAYのコンサートができますけれども、富山や金沢ではできません。しかし、富山や金沢であっても、山下達郎さんのコンサートを毎年やれるような、そういう文化性みたいなものをつくっていくことが中核都市としての町の魅力を高めることだろうと思っています。
そこで、金沢や富山は頑張って北陸の人口流出というものをその北陸の中でとめていく、富山県の中で富山市が頑張っていく、そういう取り組みをしていくことが大変大事ではないかというふうに思っております。
例えば、富山市は、十二年ほど前から公共交通に積極的に公費投入をして、公共交通を使い勝手のいいものにする、そして公共交通の沿線に人を緩やかに誘導する。これは補助金を出しております。駅から五百メートル以内に質のいい居住環境をつくった人には補助金を出す、六百メートルの人には出さないという大変不公平感あふれる施策をやってきましたが、結果的に、富山市の中心市街地は、これで七年連続転入超過となっておりますし、富山市自体の人口も六年連続転入超過です。
しかしながら、死亡と出生の差を埋めることにまで至っておりません。平成二十四年度の数値でいいますと、全国の人口減少率は〇・二一%です。富山県の人口減少率は〇・五四%ですが、富山市は〇・二%にとどまることができました。社会的動態をプラスにするということをまず第一の目標にしながら、これからも、これをぶれずにやっていくことが必要なのかなというふうに思っております。
加えて、先般の県の地価調査で、二十二年ぶりに富山市の平均地価が上昇しました。地価を落とさない、できれば上昇させるということは、地方行政の財政運営にとって大変重要なことです。
リーマン・ショック以後、法人市民税も個人市民税も総額が落ちていますので、相対的に固定資産税と都市計画税の重みが増しております。こういう中で地価が下がるということは財政構造をますます硬直化させていくということになりますので、地価が上昇気流になってきたということは大変いいことだと思っていますし、個人にしてみても資産価値が上がるということですので、ここをしっかりやっていかなきゃいけない。民間の投資を呼び込むようなまちづくり、施策というものをしっかりやっていくということが大事だというふうに認識しております。
その際に、私たちの取り組みは、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを標榜しながら、歩行歩数を伸ばし元気な高齢者をつくる、さまざまな形で、気がついたら歩いている都市構造、そういうものを同時に進めてまいりました。
先月号の「プレジデント」に、富山市の高齢者はなぜ死ぬまで歩くのかというショッキングなタイトルの記事が出ましたが、県全体の平均値は、国が発表されている平均値よりも一人平均千三百歩ぐらい多く歩いているというデータもとれましたので、こういうことをしっかり、ICTを使ってもっと緻密な数字を出していくことが大変大事だと思っています。
この健康寿命を延ばすということがこれからの地方都市にとって大変大事なことで、医療費、介護保険費をどう抑えるかという点でこれを進めていく。そういう議論をしていくことによって、交通政策に公費投入することの妥当性は、単に移動の効果だけではなくて、市民生活そのもの、市の財政運営そのものにかかわる大きな全体的な利益、ベネフィットをもたらすものだという議論ができるというふうに思っています。
ぜひ、これからも、さまざまな取り組み、各省庁にまたがるようなさまざまな施策をパッケージで考え、パッケージで提案していきたい、このように思っています。この地方創生の取り組みの中で、ぜひ、パッケージで捉えていただいて、省庁横断的な評価をしていただいて、独自の施策が十分に生かせるような形で交付金などをつくっていただければ大変ありがたいというふうに思っています。やはり内閣府に予算がないと機動性が発揮できないと思いますので、そういう交付金について御検討いただければ大変ありがたい、このように思っております。
先般読みました本におもしろい言葉がありまして、戦前の海軍中将大西滝治郎という人の言葉ですが、日本海軍は全力で日本陸軍と戦い、余力で米軍と戦っている。つまり、セクショナリズムということを打破していくことがいかに大切か、それをやらないと戦略性は出てこないというふうに思っていますので、ぜひお願いしたいと思っています。
さらに、ここからは言うべきかどうか迷っているんですが、最近の各省庁で創設されています交付金の多くは、都道府県に渡っています。都道府県が自由度の高い交付金を持っているというのは、基礎自治体から見ると、よりブラックボックス化しているという気配がありますので、ぜひ、さまざまな制度について、直接基礎自治体に届くような交付金制度という点で考えていただければ大変ありがたい、このように思っています。
いずれにしましても、きょうまでのところ、かなり大胆な、見ようによっては不公平感も漂うような取り組みをやってまいりました。かつての人口が右肩上がりの時代にはそうであってよかった、例えば市域全体に平均的で平準的な同じようなサービスを提供する、そういう時代はもう過ぎ去ったと思っていますので、地域特性に着目をして、その特性を生かす、伸ばすために、めり張りのきいた、温度差もあってもいい、そういうさまざまな施策を展開していく、そこがこれからの地方自治体、基礎自治体にとって大変大事な視点ではないかというふうに思っています。
加えて、福祉の担当が福祉の領域で物を見るということでとどまっていてはだめなのだと思います。先ほど、気がついたら歩いている町と申し上げましたが、これは健康寿命をつくるための取り組みですけれども、交通の部門も都市計画の部門も農政の部門も教育委員会も、そういう各セクションが一緒になってチームを組んで仕事をやっていく、そういう時代に入ってきていると思っています。
不公平感が若干感じられるとしても、市域全体にとって必ず税で還流してくるということだと思っていますので、全ては将来市民全体の利益につながる、このような思いで、これまで進めてまいりましたことを、これからもぶれずにやっていきたいと思っておりますので、ぜひ、いろいろな面で、制度論、あるいは交付金、補助金その他財政的な面からもお支えをいただければということをお願い申し上げて、御挨拶とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。拍手
鳩
辻
辻琢也#4
○辻参考人 本日は、地方創生に関する特別委員会におきましてお話しできる機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、行政学、地方自治論を専攻しております一橋大学の辻でございます。本日は、よろしくお願い申し上げます。
まず、まち・ひと・しごと創生法案を中心にお話しします。
私は、現在の日本にとっての最大の危機の一つは人口減少であると考えております。高度成長期やそれに続く安定成長期におきましても、過疎や辺地といった条件不利地域は人口減少に悩ませられてきましたが、地方圏全体や地方都市においては、人口の自然増加に支えられて、一定の人口水準を維持することができました。
しかし、今後は、死亡者数が出生者数を大幅に上回る、人口の自然減少の時代となります。これまでは人口を維持できていた地方都市や地方圏全体でも、著しく人口減少が進むことが予想されます。現時点では、日本全体の総人口が、約五十年後には現在の三分の二程度、百年後には現在の三分の一程度にまで減少することが予測されております。人口減少は日本全体にとっての喫緊の課題であると思います。
先ほども言及がありましたが、実際、ある民間機関の調査は、半数の市町村が消滅可能性都市であると指摘をしました。また、この調査結果はさまざまなメディアで広く取り上げられるなど、今後の地方のあり方を強く問われる状況となっております。こうした警鐘を、よい意味で今後のまちづくりに生かすことが求められていると思います。
今日の人口減少問題は、出生率の低下に伴う人口の自然減少に起因するものです。そして、出生率が最も低い東京圏に相対的に出生率の高い地方圏から人口が流入することによって、日本全体で人口減少がさらに進むと同時に、人口の社会減少と自然減少が同時進行する地方圏において人口減少問題が顕著になります。
したがって、地方圏から東京圏への人口流出に歯どめをかけ、今でも相対的に出生率の高い地方から、出生率をさらに高めていくという政策が最も効果的であると考えられます。
今回は、人口減少に歯どめをかけることを初めて明記した画期的な法案であると思います。そして、この画期的な法案が、総人口のピークを若干過ぎたばかりの現時点で早くも提起されているという点に御留意いただきたいと思います。
かつて、過疎に歯どめをかけるために過疎法が制定されました。過疎地域の自治体にとっては、今日に至るまで、過疎債は最も強力な事業手法の一つです。しかし、過疎法が制定された一九七〇年は、歴史的に振り返りますと、既に農村から都市へという人口移動が大きくピークを過ぎた時期にあり、やや遅きに失した感があります。
これに対して、現時点で懸念されている人口減少や超高齢化は、今後、さらに加速度的に進行することが予測されています。今であれば、まだ、レトロアクティブではなく、プロアクティブな対策が可能であると考えられます。時期を逸することなく今回の法案が提出されましたことは、後世、高く評価されるものであると私は確信しております。
出生率の回復は、政府の政策によっては困難との見方もあります。しかし、フランスは、半世紀以上の長い時間をかけて、じっくりと出生率の回復を図り、今や二%程度の水準を確保しております。また、スウェーデンは、経済的支援等を充実した結果、一九九九年の一・五から二〇一〇年の一・九八へと劇的に合計特殊出生率を回復させています。出生率の回復は、決して実現不可能な政策課題ではないと考えております。
ただし、仮に劇的に出生率が回復に転じたとしても、一定程度の人口減少は避けられません。医療、福祉を初めとする日常生活の基盤となるサービスを確保していくためには、法案第二条第二号にあるとおり、その需給を長期に的確に見通した上で、地域住民の負担の程度も考慮し、事業者や地域住民の理解と協力を得ながら、改革を進めていくということが重要になります。
さらに、人口減少社会において、住民サービスの提供を効果的、効率的に行うためには、あらゆる局面において、地方公共団体間の連携が重要となってきます。法案においては、その趣旨を第二条第六号で定めており、この点も評価できます。
ところで、今回の法案は、国に、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を求めており、それは五カ年計画とされています。人口減少克服や地方創生は構造的な課題であり、その達成のためには、効果の高い取り組みを継続的に実施することが必須です。
人類史上かつてない超高齢大国となる日本が、今後、高齢化が進む各国の先進事例となるためには、しっかりとPDCAサイクルを回して、関連施策の検証と改善を不断に行い続けることが必要です。この点も今回の法案には明示されており、高く評価できます。
ところで、超高齢社会において地方創生を図るためには、単にリスクと責任を地方に押しつけるのではなく、国を挙げて、国も一緒に取り組むことが必要です。その際、各地域にはそれぞれの特性があり、その特性を踏まえて、地方と国が一体となって取り組むことが肝要です。国が一方的に方向性を示すということではなく、地方の声を積極的に聞きながら対策を検討していかなければなりません。
さらに、今回の法案は、国とともに、地方にも総合戦略の策定を求めています。この地方版総合戦略は、地方創生のかなめであると思います。地方の提言を受けた国の制度の改善や、規模が小さい自治体への体制面での支援など、地方の創意工夫を生かすための支援策も欠かせないものと考えられます。
法案は、市町村に関しては、総合戦略の策定について努力義務を課しています。これには、国からの適切な情報提供や支援が必要です。特に、規模の小さな市町村には人的支援も含めたバックアップ策を国が講じていく必要があると私も考えております。
以上、まち・ひと・しごと創生法案は、地方への人口流入と出生率の回復を前提に、個性あふれる地方の創生を求めるものです。このためには、縦割りの所管争い意識を超えて、国と地方が一丸となって継続的に取り組む必要があります。このことから、まち・ひと・しごと創生本部を法定設置し、内閣を超えて長期間、継続的に推進できる政府体制を整備したことにも大きな意義があるものと考えます。
さて、まち・ひと・しごと創生法案は、創生の基本理念や政策推進の体制等の基本的な事項を定めるもので、これに続き、各種支援策が法制化、具体化されていくことが期待されています。そして、その一つが、本日提案されているもう一つの地域再生法改正案にほかなりません。この二つは相互に補完しながら、地方創生という課題に取り組むことになります。
さかのぼって言えば、地域の取り組みを国が後押しするために設置された地域活性化の推進に関する閣僚等会合が本年五月に三十三件の先進的なモデルケースを選定しました。私もこの選定作業の一端にかかわりましたが、各省庁の縦割りの支援策に地方、現場の目線から横串を刺すという役割を一定程度果たすことができました。
こうした地域政策のプラットホームの実績を生かし、意欲ある地域を政府一体となってさらに強力に支援する仕組みを構築する必要があると私は切に感じています。
現在の制度では対応できないすき間を埋めてほしい、各省所管の地域活性化の関連計画を各省ばらばらではなくワンストップで運用できるようにしてほしい、事業実施に当たっての各省との協議がまとまらないときにどこかで総合的に調整してほしい、こういった地方の切実な願いに的確に応えていくことが必要です。
この点に関して、地域再生法改正案は、大きく二つの点を提起しています。
一つは、認定・提出手続のワンストップ化です。地域再生計画に記載し認定を受けることによりまして、中心市街地活性化基本計画、構造改革特別区域計画、産業集積形成等基本計画と地域再生計画を同時発効させることができます。また、地域再生計画に記載することによって、都市再生整備計画、立地適正化計画、地域住宅計画、農山漁村活性化計画、広域的地域活性化基盤整備計画、地域公共交通網形成計画、観光圏整備計画と地域再生計画の認定申請とを一括で提出できるようになっております。
今日、ともすれば、ふえるばかりの支援メニューに、そのための計画策定ばかりに地方が追われがちになる可能性があります。これに対して、地域再生計画は、そのワンストップ化を図ろうというものです。単に行政事務コストの削減につながるばかりではなく、住民にわかりやすく情報提供を図るという意味でも私は評価すべきであると考えます。
さらに、高いハードルを越えて地域再生に取り組む地方公共団体への支援を強化することも考えなければなりません。必要とされるのは、財政的支援ばかりではありません。内閣総理大臣が地方公共団体からの照会や提案を一元的に受け付けるとともに、事務の調整や勧告を行うなど、国が地方の声に耳を傾け、その自発的な取り組みを政府一体となって支援する仕組みが必要であり、そうした地方創生を進めるための重要な環境整備を行うというのが今回の改正案の骨子であると受けとめております。
以上、世界で先頭を切って超高齢化に取り組む日本に必要不可欠な今回の二つの法案が成立しますよう、改めて切にお願い申し上げまして、私の意見陳述を終わりたいと存じます。
本日は、御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、行政学、地方自治論を専攻しております一橋大学の辻でございます。本日は、よろしくお願い申し上げます。
まず、まち・ひと・しごと創生法案を中心にお話しします。
私は、現在の日本にとっての最大の危機の一つは人口減少であると考えております。高度成長期やそれに続く安定成長期におきましても、過疎や辺地といった条件不利地域は人口減少に悩ませられてきましたが、地方圏全体や地方都市においては、人口の自然増加に支えられて、一定の人口水準を維持することができました。
しかし、今後は、死亡者数が出生者数を大幅に上回る、人口の自然減少の時代となります。これまでは人口を維持できていた地方都市や地方圏全体でも、著しく人口減少が進むことが予想されます。現時点では、日本全体の総人口が、約五十年後には現在の三分の二程度、百年後には現在の三分の一程度にまで減少することが予測されております。人口減少は日本全体にとっての喫緊の課題であると思います。
先ほども言及がありましたが、実際、ある民間機関の調査は、半数の市町村が消滅可能性都市であると指摘をしました。また、この調査結果はさまざまなメディアで広く取り上げられるなど、今後の地方のあり方を強く問われる状況となっております。こうした警鐘を、よい意味で今後のまちづくりに生かすことが求められていると思います。
今日の人口減少問題は、出生率の低下に伴う人口の自然減少に起因するものです。そして、出生率が最も低い東京圏に相対的に出生率の高い地方圏から人口が流入することによって、日本全体で人口減少がさらに進むと同時に、人口の社会減少と自然減少が同時進行する地方圏において人口減少問題が顕著になります。
したがって、地方圏から東京圏への人口流出に歯どめをかけ、今でも相対的に出生率の高い地方から、出生率をさらに高めていくという政策が最も効果的であると考えられます。
今回は、人口減少に歯どめをかけることを初めて明記した画期的な法案であると思います。そして、この画期的な法案が、総人口のピークを若干過ぎたばかりの現時点で早くも提起されているという点に御留意いただきたいと思います。
かつて、過疎に歯どめをかけるために過疎法が制定されました。過疎地域の自治体にとっては、今日に至るまで、過疎債は最も強力な事業手法の一つです。しかし、過疎法が制定された一九七〇年は、歴史的に振り返りますと、既に農村から都市へという人口移動が大きくピークを過ぎた時期にあり、やや遅きに失した感があります。
これに対して、現時点で懸念されている人口減少や超高齢化は、今後、さらに加速度的に進行することが予測されています。今であれば、まだ、レトロアクティブではなく、プロアクティブな対策が可能であると考えられます。時期を逸することなく今回の法案が提出されましたことは、後世、高く評価されるものであると私は確信しております。
出生率の回復は、政府の政策によっては困難との見方もあります。しかし、フランスは、半世紀以上の長い時間をかけて、じっくりと出生率の回復を図り、今や二%程度の水準を確保しております。また、スウェーデンは、経済的支援等を充実した結果、一九九九年の一・五から二〇一〇年の一・九八へと劇的に合計特殊出生率を回復させています。出生率の回復は、決して実現不可能な政策課題ではないと考えております。
ただし、仮に劇的に出生率が回復に転じたとしても、一定程度の人口減少は避けられません。医療、福祉を初めとする日常生活の基盤となるサービスを確保していくためには、法案第二条第二号にあるとおり、その需給を長期に的確に見通した上で、地域住民の負担の程度も考慮し、事業者や地域住民の理解と協力を得ながら、改革を進めていくということが重要になります。
さらに、人口減少社会において、住民サービスの提供を効果的、効率的に行うためには、あらゆる局面において、地方公共団体間の連携が重要となってきます。法案においては、その趣旨を第二条第六号で定めており、この点も評価できます。
ところで、今回の法案は、国に、まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を求めており、それは五カ年計画とされています。人口減少克服や地方創生は構造的な課題であり、その達成のためには、効果の高い取り組みを継続的に実施することが必須です。
人類史上かつてない超高齢大国となる日本が、今後、高齢化が進む各国の先進事例となるためには、しっかりとPDCAサイクルを回して、関連施策の検証と改善を不断に行い続けることが必要です。この点も今回の法案には明示されており、高く評価できます。
ところで、超高齢社会において地方創生を図るためには、単にリスクと責任を地方に押しつけるのではなく、国を挙げて、国も一緒に取り組むことが必要です。その際、各地域にはそれぞれの特性があり、その特性を踏まえて、地方と国が一体となって取り組むことが肝要です。国が一方的に方向性を示すということではなく、地方の声を積極的に聞きながら対策を検討していかなければなりません。
さらに、今回の法案は、国とともに、地方にも総合戦略の策定を求めています。この地方版総合戦略は、地方創生のかなめであると思います。地方の提言を受けた国の制度の改善や、規模が小さい自治体への体制面での支援など、地方の創意工夫を生かすための支援策も欠かせないものと考えられます。
法案は、市町村に関しては、総合戦略の策定について努力義務を課しています。これには、国からの適切な情報提供や支援が必要です。特に、規模の小さな市町村には人的支援も含めたバックアップ策を国が講じていく必要があると私も考えております。
以上、まち・ひと・しごと創生法案は、地方への人口流入と出生率の回復を前提に、個性あふれる地方の創生を求めるものです。このためには、縦割りの所管争い意識を超えて、国と地方が一丸となって継続的に取り組む必要があります。このことから、まち・ひと・しごと創生本部を法定設置し、内閣を超えて長期間、継続的に推進できる政府体制を整備したことにも大きな意義があるものと考えます。
さて、まち・ひと・しごと創生法案は、創生の基本理念や政策推進の体制等の基本的な事項を定めるもので、これに続き、各種支援策が法制化、具体化されていくことが期待されています。そして、その一つが、本日提案されているもう一つの地域再生法改正案にほかなりません。この二つは相互に補完しながら、地方創生という課題に取り組むことになります。
さかのぼって言えば、地域の取り組みを国が後押しするために設置された地域活性化の推進に関する閣僚等会合が本年五月に三十三件の先進的なモデルケースを選定しました。私もこの選定作業の一端にかかわりましたが、各省庁の縦割りの支援策に地方、現場の目線から横串を刺すという役割を一定程度果たすことができました。
こうした地域政策のプラットホームの実績を生かし、意欲ある地域を政府一体となってさらに強力に支援する仕組みを構築する必要があると私は切に感じています。
現在の制度では対応できないすき間を埋めてほしい、各省所管の地域活性化の関連計画を各省ばらばらではなくワンストップで運用できるようにしてほしい、事業実施に当たっての各省との協議がまとまらないときにどこかで総合的に調整してほしい、こういった地方の切実な願いに的確に応えていくことが必要です。
この点に関して、地域再生法改正案は、大きく二つの点を提起しています。
一つは、認定・提出手続のワンストップ化です。地域再生計画に記載し認定を受けることによりまして、中心市街地活性化基本計画、構造改革特別区域計画、産業集積形成等基本計画と地域再生計画を同時発効させることができます。また、地域再生計画に記載することによって、都市再生整備計画、立地適正化計画、地域住宅計画、農山漁村活性化計画、広域的地域活性化基盤整備計画、地域公共交通網形成計画、観光圏整備計画と地域再生計画の認定申請とを一括で提出できるようになっております。
今日、ともすれば、ふえるばかりの支援メニューに、そのための計画策定ばかりに地方が追われがちになる可能性があります。これに対して、地域再生計画は、そのワンストップ化を図ろうというものです。単に行政事務コストの削減につながるばかりではなく、住民にわかりやすく情報提供を図るという意味でも私は評価すべきであると考えます。
さらに、高いハードルを越えて地域再生に取り組む地方公共団体への支援を強化することも考えなければなりません。必要とされるのは、財政的支援ばかりではありません。内閣総理大臣が地方公共団体からの照会や提案を一元的に受け付けるとともに、事務の調整や勧告を行うなど、国が地方の声に耳を傾け、その自発的な取り組みを政府一体となって支援する仕組みが必要であり、そうした地方創生を進めるための重要な環境整備を行うというのが今回の改正案の骨子であると受けとめております。
以上、世界で先頭を切って超高齢化に取り組む日本に必要不可欠な今回の二つの法案が成立しますよう、改めて切にお願い申し上げまして、私の意見陳述を終わりたいと存じます。
本日は、御清聴いただきまして、ありがとうございました。拍手
鳩
辻
辻山幸宣#6
○辻山参考人 おはようございます。地方自治総合研究所で所長をやっております辻山でございます。
慌ただしいお呼び出しで、詳細にわたる検討がまだできておりません。そこで、今回は、私なりに考えている、まち・ひと・しごと創生法案等についての意見を述べさせていただきます。
とはいうものの、今自分で言いながら、まち・ひと・しごと、言いにくいなと思うんですね。何人かの友人と話をしたときにも、間違えて、ひと・まち・しごとと言っておりましたけれども、やはり「ひと」が上に来た方がいいんじゃないかなというようなことも考えておりまして、この法律のタイトルについても御検討が可能であればお願いしたいものだなというふうに思っているところでございます。
さて、今、辻参考人からも、さまざまな人口減少の傾向等についてお話がございました。
今回の法案の第一条に、「人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、」云々というふうにあります。言ってみれば、日本創成会議のレポートに言われている人口減少、消滅自治体論というものを背景にした今回の法案だったという気がしています。
去る六月には、いわゆる骨太の方針、経済財政運営の指針においても、五十年後も人口一億人の目標というものを設定しよう、こういうことを言っています。この背景には、言ってみれば、人口減少が日本社会に大きな問題を引き起こす、放ってはおけない、だから人口減少にストップをかけないといけないという認識があるように思われます。
さて、御承知のように、我が国は、明治維新を実行したとき、人口は三千二百万人余りでございました。それが一億二千を超え、そして今減少に向かっているわけでございますけれども、果たして、例えば人口が一億人を切ったら、我々のこの社会にどのような困難が襲ってくるのか。
想定されることは、もちろん私も幾つか考えました。例えば税収が減るとか、さまざまな問題が発生するだろう。しかし、人口がどれくらいになったらこういう困難があらわれるのだという意味での研究も検討も余りなされておりません。ただ減ることを恐れ、ただ減ることをとめるというその一点だけでいいのかどうか。
同時に、この問題は市町村にとっても、一体人口がどれくらいになったら市町村行政というものは立ち行かなくなるんだ、こんな議論はまだきちっとなされておりません。もちろん、市町村という基礎自治体と住民の数というものの観点、これまでも例えば適正人口規模論とかそういったものが登場したりしておりましたけれども、実は、確立した研究業績というものは示されていないという状況にあるのでございます。
その点での検証といいましょうか検討を放置したまま、とにかく人口減少ストップという政策でいいのかどうかということの再検討は必要だというふうに思っております。
さらに、先ほど辻参考人も触れましたが、私たちの国は過疎対策を大変たくさんやってまいりました。法律的な手当てもなされてまいりましたし、自治体ごとの努力もなされてきたところであります。一九八八年には、竹下内閣のときに、ふるさと創生事業をやりましたね。このような取り組みを通じて、何とか過疎から脱却したい、これ以上の人口減少をとめたいという思いは、実は地域にございました。
しかし、にもかかわらず、今日のように人口の問題に直面しているのはなぜか。この間提供されてきたさまざまな政策、これは一体何だったのかということの検証作業が必要なのではないかという気がしております。そのことをきちっとやらないままに、また、いわゆる今回の地方再生というようなスローガンの政策がまかり通っていく。恐らく、その先には、同じ結果、つまり失敗ということも念頭に置かなければならないことになりそうでございます。なぜ数十年にもわたる過疎対策が成功しなかったのか、ここにこそ、この法案の成否を分ける鍵があるんだという気がしております。
さて、そろそろ、まち・ひと・しごと創生法案の中身について触れることにいたしますけれども、この法案が示しているもので唯一具体的なのは、創生総合戦略をつくる、国がまず総合戦略をつくる、これを勘案して都道府県でもつくったらどうだい、つくる努力をしてもらいたい、市町村は国の総合戦略と都道府県の総合戦略を勘案して市町村ごとにつくってもらいたい、努力してもらいたい、こういうことになっているわけでございます。
さて、そこで、こういうことが取り沙汰されています。この間、第何次の地方分権改革とか、何次かというのは確定できませんけれども、近年の地方分権改革においては、いわゆる義務づけ、枠づけということの見直しを進めてまいりました。今回のこの総合戦略についても、いや、策定の義務づけはしていない、だから、義務づけ、枠づけの議論には当たらないというような言説があります。つまり、自治体に戦略の策定を義務づけていない、自治体の創意に任せているんだ、こういう話でございます。
ただ、この地方再生という政策全体が、まず計画をつくって、その計画の中に盛り込まれた事業、これに見合った財政の手当てを考えていくということになりそうであります。この辺は余り詳細にはまだ示されていないんだろうというふうに思いますが、そのようなことが既に自治体の中にも認識されつつあって、ということは、義務づけしなくても、計画づくりをやるということに邁進する自治体がふえるであろうというふうに考えられるんですね。ということは、義務づけしていなくてもこぞって策定に手をつけるという、一種の義務づけの変形のようなことがここで実現していくんだということになります。
そうすると、要するに、成功の見通しとかあるいは計画の緻密性とかというものを欠いた計画でとにかく手を挙げるという自治体がふえてくると、必ずやこの事業は失敗し、下手をすると消滅を早めてしまう可能性さえもあるのでございます。
したがって、この計画策定を通じた誘導、そして、そこへ金をつけていくという手法の相当な見直しが必要だと私は思っております。
先ほど申しましたが、五十年後に人口一億人を下回らない、五十年後と言っているにもかかわらず、この地方創生は五年という年限を想定しているようでございます。余りにも短期的過ぎないか。人口がふえるというようなこと、例えばそのことに成功したとしても、五年、十年でその成果が出てくるようなものではなかろうという気がいたします。
週刊誌などでは、来るべき統一自治体選挙に向けて地方向けのメッセージを発しているんだというようなことも言われておりますけれども、それでは余りにも早計に過ぎないか。やはり、じっくりと中長期的な視野を持って、国民的議論を積み上げていった上に、これから地方は、そして私たちの暮らし方はどのようにすればいいのか、そういう合意をつくっていくことが必要ではないかという気がしております。
法案の次の問題は、法案第二条の第二号というところに、日常生活、社会生活の基盤となるサービスについて、需要、供給を長期的に見通しつつ、住民負担の程度を考慮して、事業者、住民の理解、協力を得ながら、現在、将来における提供を確保していく、こういう書き方になっておりますけれども、この条文の解釈というものをどうしていくかということが一つございます。
既に述べましたように、あの過疎法以来、地方創生に取り組んだらどの自治体も人口維持ができるということにはなりません。当然ながら、法案の中にも含まれている、自治体同士の競争という状態も想定されるわけでございます。問題は、人口がどんなに減少していっても、そこに今いる住民たちに必要なサービスを自治体が提供していく、持続的に提供していくという体制を充実すること、このことがまずもって急務なんだという気がしています。
そのためには、私の私見でありますけれども、地方一般財源の充実、今回のまち・ひと・しごと創生法案においても国の財政措置ということが義務づけられているようでございますけれども、まさに、国からの財政出動によって地方の動きをコントロールするのではなくて、自治体自身が多彩な計画を、事業を生み出して、その地域を再生させていく、そういう位置関係にあるべきだと考えています。
それで、どうするんだという話になりそうですが、例えば、地方交付税の総額決定は、いわゆる法定率というものが決まっていて、一定の、国税収入に対して百分の何十何、つまり何十何%とやっているわけですね。
御承知だと思いますが、何と一九六六年、今から四十八年前に実は交付税法は改正されていまして、所得税、法人税及び酒税の収入額の百分の三十二、三二%を交付税財源として地方へ回す、こういう条文になっています。その後、新たに消費税等が創設されたりして、若干条文は変わりましたけれども、この三二%、所得税及び酒税についての三二%は何と四十八年間も変わっていません。私は、一種の立法怠慢または立法不作為、問題があるのではないかというふうに考えておりまして、この法定税率を引き上げることが、実は地方一般財源の充実ということにつながっていく。
もちろん、国全体として財政が逼迫しておりますので、今のような地方財政対策という形で、つまり借金含みになっておりますから、この税率だけでいくとは思いませんけれども、しかし、その姿勢をきちっと示して、そして自治体に、安心してさまざまな施策に取り組むことができるような、そういう条件を整えるべきではないかというふうに考えています。
最後に一点申し上げます。
それは、さきの国会で成立した地方自治法改正法との関係でございます。
さきの自治法では、その改正動機というようなものは、恐らくこのまち・ひと・しごと創生法案と変わりがないだろうというふうに見ることができるわけでございますけれども、どんなことを決めたかといいますと、自力で公共サービスを提供し続けることができなくなった市町村は、地方中枢都市と言われる、人口もあり集積もある、その中心都市と連携協約を結んで、公共サービスをそこから提供してもらうというような道を開いたわけでございます。それは、今回の創生法案の第二条第六号にもうたっています。地域の実情に応じ、地方公共団体相互の連携協力による行政運営の確保ということを言っています。
さらに、地方創生本部が作成したまち・ひと・しごと総合戦略の趣旨という文書がございますが、この中にも、もっと具体的に、「地域と地域を連携する」「地方中枢拠点都市及び近隣市町村、定住自立圏における「地域連携」の推進」ということがうたわれています。地方創生も連携を軸にして考えて、広域連携ということであります。
そこで考えていただきたいのでありますけれども、このことは何を意味しているかというと、必要な行政サービスを提供できない自治体は、近隣の中枢拠点都市と連携して持続的にサービスを提供していく道を選ぶんだということを言っています。つまり、周辺自治体の行政機能を中枢都市に集めて、そしてそこへ財政的なてこ入れをしていく、これがまさに地域の経済を牽引する地方中枢都市という構想でございます。
私はこれをなぜ問題にしているかというと、結局、人口が減り消滅自治体と指定されたようなそういう市町村は、中枢の大都市にすがってしか生きていけないような地方制度でいいのかどうかということなのでございます。それだったら、むしろ、都道府県の代替執行という補完行政、そちらの方を選ぶべきではないかと実は考えています、個人的にですが。
理由は何かというと、市町村の住民は同時に都道府県の住民であって、その主権の発動は、実は住民自身が決定できるのです。つまり、都道府県の補完を受けようという決定を市町村住民がしても、そこには主権関係の乱れはないと言えますが、中枢拠点都市に機能と財政が集中して、そこにぶら下がる周辺は、住んでいる人たちの自己決定、自治の権利はどこへ行ってしまうんだろうか、このことを今大変危惧しております。
そういう意味では、地方創生という名のもとに、人口減少、消滅可能性をちらつかせて自治を奪うことだけはやめにしていただきたいということを最後に申し上げて、陳述を終わります。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →慌ただしいお呼び出しで、詳細にわたる検討がまだできておりません。そこで、今回は、私なりに考えている、まち・ひと・しごと創生法案等についての意見を述べさせていただきます。
とはいうものの、今自分で言いながら、まち・ひと・しごと、言いにくいなと思うんですね。何人かの友人と話をしたときにも、間違えて、ひと・まち・しごとと言っておりましたけれども、やはり「ひと」が上に来た方がいいんじゃないかなというようなことも考えておりまして、この法律のタイトルについても御検討が可能であればお願いしたいものだなというふうに思っているところでございます。
さて、今、辻参考人からも、さまざまな人口減少の傾向等についてお話がございました。
今回の法案の第一条に、「人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、」云々というふうにあります。言ってみれば、日本創成会議のレポートに言われている人口減少、消滅自治体論というものを背景にした今回の法案だったという気がしています。
去る六月には、いわゆる骨太の方針、経済財政運営の指針においても、五十年後も人口一億人の目標というものを設定しよう、こういうことを言っています。この背景には、言ってみれば、人口減少が日本社会に大きな問題を引き起こす、放ってはおけない、だから人口減少にストップをかけないといけないという認識があるように思われます。
さて、御承知のように、我が国は、明治維新を実行したとき、人口は三千二百万人余りでございました。それが一億二千を超え、そして今減少に向かっているわけでございますけれども、果たして、例えば人口が一億人を切ったら、我々のこの社会にどのような困難が襲ってくるのか。
想定されることは、もちろん私も幾つか考えました。例えば税収が減るとか、さまざまな問題が発生するだろう。しかし、人口がどれくらいになったらこういう困難があらわれるのだという意味での研究も検討も余りなされておりません。ただ減ることを恐れ、ただ減ることをとめるというその一点だけでいいのかどうか。
同時に、この問題は市町村にとっても、一体人口がどれくらいになったら市町村行政というものは立ち行かなくなるんだ、こんな議論はまだきちっとなされておりません。もちろん、市町村という基礎自治体と住民の数というものの観点、これまでも例えば適正人口規模論とかそういったものが登場したりしておりましたけれども、実は、確立した研究業績というものは示されていないという状況にあるのでございます。
その点での検証といいましょうか検討を放置したまま、とにかく人口減少ストップという政策でいいのかどうかということの再検討は必要だというふうに思っております。
さらに、先ほど辻参考人も触れましたが、私たちの国は過疎対策を大変たくさんやってまいりました。法律的な手当てもなされてまいりましたし、自治体ごとの努力もなされてきたところであります。一九八八年には、竹下内閣のときに、ふるさと創生事業をやりましたね。このような取り組みを通じて、何とか過疎から脱却したい、これ以上の人口減少をとめたいという思いは、実は地域にございました。
しかし、にもかかわらず、今日のように人口の問題に直面しているのはなぜか。この間提供されてきたさまざまな政策、これは一体何だったのかということの検証作業が必要なのではないかという気がしております。そのことをきちっとやらないままに、また、いわゆる今回の地方再生というようなスローガンの政策がまかり通っていく。恐らく、その先には、同じ結果、つまり失敗ということも念頭に置かなければならないことになりそうでございます。なぜ数十年にもわたる過疎対策が成功しなかったのか、ここにこそ、この法案の成否を分ける鍵があるんだという気がしております。
さて、そろそろ、まち・ひと・しごと創生法案の中身について触れることにいたしますけれども、この法案が示しているもので唯一具体的なのは、創生総合戦略をつくる、国がまず総合戦略をつくる、これを勘案して都道府県でもつくったらどうだい、つくる努力をしてもらいたい、市町村は国の総合戦略と都道府県の総合戦略を勘案して市町村ごとにつくってもらいたい、努力してもらいたい、こういうことになっているわけでございます。
さて、そこで、こういうことが取り沙汰されています。この間、第何次の地方分権改革とか、何次かというのは確定できませんけれども、近年の地方分権改革においては、いわゆる義務づけ、枠づけということの見直しを進めてまいりました。今回のこの総合戦略についても、いや、策定の義務づけはしていない、だから、義務づけ、枠づけの議論には当たらないというような言説があります。つまり、自治体に戦略の策定を義務づけていない、自治体の創意に任せているんだ、こういう話でございます。
ただ、この地方再生という政策全体が、まず計画をつくって、その計画の中に盛り込まれた事業、これに見合った財政の手当てを考えていくということになりそうであります。この辺は余り詳細にはまだ示されていないんだろうというふうに思いますが、そのようなことが既に自治体の中にも認識されつつあって、ということは、義務づけしなくても、計画づくりをやるということに邁進する自治体がふえるであろうというふうに考えられるんですね。ということは、義務づけしていなくてもこぞって策定に手をつけるという、一種の義務づけの変形のようなことがここで実現していくんだということになります。
そうすると、要するに、成功の見通しとかあるいは計画の緻密性とかというものを欠いた計画でとにかく手を挙げるという自治体がふえてくると、必ずやこの事業は失敗し、下手をすると消滅を早めてしまう可能性さえもあるのでございます。
したがって、この計画策定を通じた誘導、そして、そこへ金をつけていくという手法の相当な見直しが必要だと私は思っております。
先ほど申しましたが、五十年後に人口一億人を下回らない、五十年後と言っているにもかかわらず、この地方創生は五年という年限を想定しているようでございます。余りにも短期的過ぎないか。人口がふえるというようなこと、例えばそのことに成功したとしても、五年、十年でその成果が出てくるようなものではなかろうという気がいたします。
週刊誌などでは、来るべき統一自治体選挙に向けて地方向けのメッセージを発しているんだというようなことも言われておりますけれども、それでは余りにも早計に過ぎないか。やはり、じっくりと中長期的な視野を持って、国民的議論を積み上げていった上に、これから地方は、そして私たちの暮らし方はどのようにすればいいのか、そういう合意をつくっていくことが必要ではないかという気がしております。
法案の次の問題は、法案第二条の第二号というところに、日常生活、社会生活の基盤となるサービスについて、需要、供給を長期的に見通しつつ、住民負担の程度を考慮して、事業者、住民の理解、協力を得ながら、現在、将来における提供を確保していく、こういう書き方になっておりますけれども、この条文の解釈というものをどうしていくかということが一つございます。
既に述べましたように、あの過疎法以来、地方創生に取り組んだらどの自治体も人口維持ができるということにはなりません。当然ながら、法案の中にも含まれている、自治体同士の競争という状態も想定されるわけでございます。問題は、人口がどんなに減少していっても、そこに今いる住民たちに必要なサービスを自治体が提供していく、持続的に提供していくという体制を充実すること、このことがまずもって急務なんだという気がしています。
そのためには、私の私見でありますけれども、地方一般財源の充実、今回のまち・ひと・しごと創生法案においても国の財政措置ということが義務づけられているようでございますけれども、まさに、国からの財政出動によって地方の動きをコントロールするのではなくて、自治体自身が多彩な計画を、事業を生み出して、その地域を再生させていく、そういう位置関係にあるべきだと考えています。
それで、どうするんだという話になりそうですが、例えば、地方交付税の総額決定は、いわゆる法定率というものが決まっていて、一定の、国税収入に対して百分の何十何、つまり何十何%とやっているわけですね。
御承知だと思いますが、何と一九六六年、今から四十八年前に実は交付税法は改正されていまして、所得税、法人税及び酒税の収入額の百分の三十二、三二%を交付税財源として地方へ回す、こういう条文になっています。その後、新たに消費税等が創設されたりして、若干条文は変わりましたけれども、この三二%、所得税及び酒税についての三二%は何と四十八年間も変わっていません。私は、一種の立法怠慢または立法不作為、問題があるのではないかというふうに考えておりまして、この法定税率を引き上げることが、実は地方一般財源の充実ということにつながっていく。
もちろん、国全体として財政が逼迫しておりますので、今のような地方財政対策という形で、つまり借金含みになっておりますから、この税率だけでいくとは思いませんけれども、しかし、その姿勢をきちっと示して、そして自治体に、安心してさまざまな施策に取り組むことができるような、そういう条件を整えるべきではないかというふうに考えています。
最後に一点申し上げます。
それは、さきの国会で成立した地方自治法改正法との関係でございます。
さきの自治法では、その改正動機というようなものは、恐らくこのまち・ひと・しごと創生法案と変わりがないだろうというふうに見ることができるわけでございますけれども、どんなことを決めたかといいますと、自力で公共サービスを提供し続けることができなくなった市町村は、地方中枢都市と言われる、人口もあり集積もある、その中心都市と連携協約を結んで、公共サービスをそこから提供してもらうというような道を開いたわけでございます。それは、今回の創生法案の第二条第六号にもうたっています。地域の実情に応じ、地方公共団体相互の連携協力による行政運営の確保ということを言っています。
さらに、地方創生本部が作成したまち・ひと・しごと総合戦略の趣旨という文書がございますが、この中にも、もっと具体的に、「地域と地域を連携する」「地方中枢拠点都市及び近隣市町村、定住自立圏における「地域連携」の推進」ということがうたわれています。地方創生も連携を軸にして考えて、広域連携ということであります。
そこで考えていただきたいのでありますけれども、このことは何を意味しているかというと、必要な行政サービスを提供できない自治体は、近隣の中枢拠点都市と連携して持続的にサービスを提供していく道を選ぶんだということを言っています。つまり、周辺自治体の行政機能を中枢都市に集めて、そしてそこへ財政的なてこ入れをしていく、これがまさに地域の経済を牽引する地方中枢都市という構想でございます。
私はこれをなぜ問題にしているかというと、結局、人口が減り消滅自治体と指定されたようなそういう市町村は、中枢の大都市にすがってしか生きていけないような地方制度でいいのかどうかということなのでございます。それだったら、むしろ、都道府県の代替執行という補完行政、そちらの方を選ぶべきではないかと実は考えています、個人的にですが。
理由は何かというと、市町村の住民は同時に都道府県の住民であって、その主権の発動は、実は住民自身が決定できるのです。つまり、都道府県の補完を受けようという決定を市町村住民がしても、そこには主権関係の乱れはないと言えますが、中枢拠点都市に機能と財政が集中して、そこにぶら下がる周辺は、住んでいる人たちの自己決定、自治の権利はどこへ行ってしまうんだろうか、このことを今大変危惧しております。
そういう意味では、地方創生という名のもとに、人口減少、消滅可能性をちらつかせて自治を奪うことだけはやめにしていただきたいということを最後に申し上げて、陳述を終わります。
どうもありがとうございました。拍手
鳩
五
五十嵐忠悦#8
○五十嵐参考人 おはようございます。
昨年の十月まで秋田県の横手の市長をいたしておりました五十嵐でございます。
一年たちましたけれども、ストレスレス社会にどっぷりつかっておりました。ところが、突然呼んでいただけまして、薄れ行く記憶を必死に探り当てながら本日ここに立った次第でございまして、そういう意味では、資料を準備できなかったことをまずおわび申し上げたいというふうに思います。
私は、平成九年に平成合併前の横手市長になりましてから、一貫して、働く場があれば地方は元気になれるという私の命題のもと、仕事をしてまいったところでございます。
全国的な傾向の中で、人口減少は横手も当然でございます。平成の合併は平成十七年十月でございましたけれども、そのとき、十万四千の人口がございました。八市町村で合併した市でございます。現在、九万六千を割っておりまして、毎年、千人ずつ減っておる。これは、全国的な傾向と軌を一にするわけでございます。
そしてまた、合計特殊出生率も、望ましいという数値が二・〇七と言われておりますけれども、それよりもはるかに低く、全国平均よりも低い秋田県でございますが、一・三七。さすがに東京都よりはよろしいようでありますけれども、そういう状況。
そしてまた、結婚されていない方がどのぐらいいるか、未婚率という切り口で調べたデータがございましたけれども、全国的な傾向と多分ほぼ同じかなと。いや、ちょっと進み過ぎかもしれませんけれども、二十から二十四歳までの方、もちろん、まだまだ若いですから結婚しない方もどこへ行っても多いのでありますが、この年代の未婚率が八七%でございます。そして、二十五歳から三十四歳、結婚適齢期と言っていいかなという世代でございますが、これでも結婚しない方が四六%おられます。そして、三十五歳から三十九歳の世代が未婚率二六%。四十歳から四十四歳でも、まだ二一%の方が結婚されておりません。できないということの現象がございます。
さまざまな理由は考えられるわけでありますけれども、ここではそれを深く追求するわけではなくて、雇用の創出について、過去の取り組みを少し反省を込めて申し上げ、事例とさせていただきたいと思います。
私は、平成十五年に、旧横手市の時代でございますけれども、横手市の産業戦略ビジョンというものを策定いたしました。これは、地域の宝を五つの切り口で、五つの柱を立てて、地域が元気になるためには産業振興の観点からどんな取り組みができるかということの研究、検討でありました、ビジョンでありました。
これについては、やはり地方の課題に詳しい中央省庁の方をお迎えしようということで、私は、農業地域でございますので本来であれば農水省にお邪魔すべきところでありましたが、あえて農水省ではない官庁にお邪魔して、そういう人材をぜひ迎え入れたいということでお願いして、来ていただきました。
いい人材に来てもらったなと喜んで、ビジョンをつくりました。そして、このビジョンを実践するための第三セクターをつくりました。地元の経済人、農業人からも多くの出資をいただきながら、動きました。特に注力した事業は、当時、今も健康志向の中で一定の評価をされておりますけれども、発芽玄米事業に取り組みました。そして、見事に大失敗をいたしました。
これは、全く私の監督不十分の話でありますけれども、国から迎え入れた方に社長をお願いしました。ビジョンをつくったんですから、新しい会社の社長にもなってほしいと。しかし、いろいろな事情が重なりまして、大暴走をいたしました。それをとめられなかった私の不徳のいたすところでありまして、この三セクは見事に倒産をいたしました。多くの株主の皆さん、金融機関の皆様にも多大な御迷惑をおかけしたところでございます。
このときの反省は、立派な絵を描く人はあまたいると思いますけれども、やはり、実際にそれを実践する、経営、マネジメントできる人間はなかなかいないものだなということであります。このことが大きな反省でございました。
いま一つは、平成二十五年、これは昨年でありますけれども、食と農と観光の三つをセットにいたしました未来づくり構想というものを策定いたしました。これは、秋田県がつくりました県と市町村の未来づくり協働プログラムでございました。五十億の基金で、コラボして、地域の雇用創出、元気づくりをしようということでございました。これに手を挙げようということで計画をつくったところでございます。
そして、これについては、先ほど申し上げた大失敗をした教訓をもとにいたしまして、プランニングから推進役に至るまで一人の人間を民間から招聘いたしました。将来、社長をお願いするということを念頭に置きながら進めてまいりました。これは、平たく言えば、六次化の拠点と交流人口対策の拠点をつくろうという十四億ほどの事業でございました。しかし、これは、昨年つくった構想でありましたけれども、昨年の十月の選挙戦の結果、私は落選いたしましたので、日の目を見ないでおります。そしてまた、これは、残念ながら、没になった計画ではございます。
しかし、地域の乏しい資源を生かすためには相当思い切った、尋常なことではできないんだということを身にしみて感じておりますので、何とかいい方向に生かしていただければなと思っております。
以上、二つの事例を申し上げました。平成十五年につくった産業戦略ビジョンは、大暴走の末、大失敗をいたしました。そして、今度また二十五年につくった計画も、途中で、日の目を見ないでしまいました。
ここでさまざまな教訓を得ました。
まず一つは、人材でございます。
こういう地域おこしをする人材は、産業振興に取り組むには、民間の人間でなければ絶対だめだなということを感じました。さまざまな知識経験が豊富な方はたくさんおられます。コンサルティングでよその事例をいっぱい知っている方もおられます。しかし、実際の経営をわかる方というのは、まず地元では皆無に近いということであります、横手の場合でございます。したがって、こういうよその人、よそ者の経済人を引き受けても待遇面できちっと担保できる、そういう仕組みが欠かせないだろう。
もう一つ申し上げますと、経営の責任でございます。
三セクをつくってやるにしても、あるいは民間主導でそこに市がさまざまな補助金を出すにしても、結果が伴わなければ、責任を問われるのは当然でございます。私もたくさんの結果責任を問われた経験がございますけれども、私は、今日のこういう状況の中では、結果責任を恐れる余り、多分、どこの市町村長も余り危ないことはやらないだろうと思います。議会も怖い、住民も怖い、マスコミがもっと怖い、そういう状況がございます。
私は、そういう経営のリスクを限定する異次元の対応というものがどこかになければ、これだけの厳しい雇用創出が必要とされる時代においては無理だなと思っております。そういうリスクをあえて冒す方には、それなりの対応をしなければいけないのではないかなと思います。
そしてまた、雇用創出にかかわる、あるいは人口減少にかかわるさまざまな予算というのは、各省庁から出ておりますけれども、やはり渡し切りでお願いできた方がいいんじゃないかなと。交付金としてお渡しいただかないと、とてもではないけれども地域のアイデアは生かせないだろうと思います。だから、アイデアがないところには出さないというのは当然だというふうには思います。
それから、地方分権の時代と言われて久しいわけでありますけれども、私ども、秋田県と一部機能を合体して仕事をいたしております。横手市は県の出先機関と同じテリトリーの中にございました。しかし、これは構想はよかったのでありますけれども、なかなか進みません。県の職員も、なかなか、地方分権で、基礎的自治体に対する考え方に、無理解がまだまだばっこしております。国においても、そういう側面は否めないのではないかなと思います。そういう意味では、道州制の問題だとか、一国二制度の問題には果敢に切り込まなきゃならないのではないかなというふうに思うわけでございます。
そして、もう一つ、八市町村で合併いたしました横手市でございます、合併新市の難しいマネジメント上の実態というものに多くの御理解をいただかなければならないのではないかなと思います。
いまだに、大きな声になっているところ、なっていないところがありますけれども、平成の合併を検証するということを声高に言っている方もおられます。もとに戻って何ができるかわかりませんけれども、しかし、平成の合併がもたらした負の側面というのは、いまだに、あるいはこれからもずっとあるんだろうというふうに思います。そういう意識をどうやって取り除いていくのか、また、それに対してどんな温かい手を差し伸べていただけるのかということも大事かなと思います。
そして、最後でございますけれども、これは私の私論でございます、一国二制度の中で論ずる話として適当かどうかわかりませんけれども、これから人口が減り、そして職員の数も減り、さまざまな地域の課題に迅速果敢に、タイムリーに対応するためにも、私は、地方自治体の、基礎的自治体の二元代表制というのに大いなる疑問を持っております。欧米にも一部まだ残っておりますシティーマネジャー制の導入も含めた新しい自治体経営の仕組みというものも、やはり、新しくないかもしれないけれども、今日的課題として検討するに大いに値するのではないかなと思います。
地方議会の議員の皆さんも大変苦しんでおられます。それ以上に首長は苦しんでおるわけでございます。その両方を解決する道とすれば、やはり、民意を二元代表の中に求めてやることの難しさ、そして、合併新市でありますとなおさらでございまして、そういう意味では、頑張る首長、あるいは頑張る議員の皆さんのためにも、新しい仕組みというものもぜひ御検討をいただく必要があると思います。憲法九十三条の改正というような大変な問題もありますので簡単ではないと思いますが、そういう議論も必要ではないかなと思います。
大変拙いお話でございましたけれども、御清聴、感謝申し上げます。ありがとうございます。拍手
この発言だけを見る →昨年の十月まで秋田県の横手の市長をいたしておりました五十嵐でございます。
一年たちましたけれども、ストレスレス社会にどっぷりつかっておりました。ところが、突然呼んでいただけまして、薄れ行く記憶を必死に探り当てながら本日ここに立った次第でございまして、そういう意味では、資料を準備できなかったことをまずおわび申し上げたいというふうに思います。
私は、平成九年に平成合併前の横手市長になりましてから、一貫して、働く場があれば地方は元気になれるという私の命題のもと、仕事をしてまいったところでございます。
全国的な傾向の中で、人口減少は横手も当然でございます。平成の合併は平成十七年十月でございましたけれども、そのとき、十万四千の人口がございました。八市町村で合併した市でございます。現在、九万六千を割っておりまして、毎年、千人ずつ減っておる。これは、全国的な傾向と軌を一にするわけでございます。
そしてまた、合計特殊出生率も、望ましいという数値が二・〇七と言われておりますけれども、それよりもはるかに低く、全国平均よりも低い秋田県でございますが、一・三七。さすがに東京都よりはよろしいようでありますけれども、そういう状況。
そしてまた、結婚されていない方がどのぐらいいるか、未婚率という切り口で調べたデータがございましたけれども、全国的な傾向と多分ほぼ同じかなと。いや、ちょっと進み過ぎかもしれませんけれども、二十から二十四歳までの方、もちろん、まだまだ若いですから結婚しない方もどこへ行っても多いのでありますが、この年代の未婚率が八七%でございます。そして、二十五歳から三十四歳、結婚適齢期と言っていいかなという世代でございますが、これでも結婚しない方が四六%おられます。そして、三十五歳から三十九歳の世代が未婚率二六%。四十歳から四十四歳でも、まだ二一%の方が結婚されておりません。できないということの現象がございます。
さまざまな理由は考えられるわけでありますけれども、ここではそれを深く追求するわけではなくて、雇用の創出について、過去の取り組みを少し反省を込めて申し上げ、事例とさせていただきたいと思います。
私は、平成十五年に、旧横手市の時代でございますけれども、横手市の産業戦略ビジョンというものを策定いたしました。これは、地域の宝を五つの切り口で、五つの柱を立てて、地域が元気になるためには産業振興の観点からどんな取り組みができるかということの研究、検討でありました、ビジョンでありました。
これについては、やはり地方の課題に詳しい中央省庁の方をお迎えしようということで、私は、農業地域でございますので本来であれば農水省にお邪魔すべきところでありましたが、あえて農水省ではない官庁にお邪魔して、そういう人材をぜひ迎え入れたいということでお願いして、来ていただきました。
いい人材に来てもらったなと喜んで、ビジョンをつくりました。そして、このビジョンを実践するための第三セクターをつくりました。地元の経済人、農業人からも多くの出資をいただきながら、動きました。特に注力した事業は、当時、今も健康志向の中で一定の評価をされておりますけれども、発芽玄米事業に取り組みました。そして、見事に大失敗をいたしました。
これは、全く私の監督不十分の話でありますけれども、国から迎え入れた方に社長をお願いしました。ビジョンをつくったんですから、新しい会社の社長にもなってほしいと。しかし、いろいろな事情が重なりまして、大暴走をいたしました。それをとめられなかった私の不徳のいたすところでありまして、この三セクは見事に倒産をいたしました。多くの株主の皆さん、金融機関の皆様にも多大な御迷惑をおかけしたところでございます。
このときの反省は、立派な絵を描く人はあまたいると思いますけれども、やはり、実際にそれを実践する、経営、マネジメントできる人間はなかなかいないものだなということであります。このことが大きな反省でございました。
いま一つは、平成二十五年、これは昨年でありますけれども、食と農と観光の三つをセットにいたしました未来づくり構想というものを策定いたしました。これは、秋田県がつくりました県と市町村の未来づくり協働プログラムでございました。五十億の基金で、コラボして、地域の雇用創出、元気づくりをしようということでございました。これに手を挙げようということで計画をつくったところでございます。
そして、これについては、先ほど申し上げた大失敗をした教訓をもとにいたしまして、プランニングから推進役に至るまで一人の人間を民間から招聘いたしました。将来、社長をお願いするということを念頭に置きながら進めてまいりました。これは、平たく言えば、六次化の拠点と交流人口対策の拠点をつくろうという十四億ほどの事業でございました。しかし、これは、昨年つくった構想でありましたけれども、昨年の十月の選挙戦の結果、私は落選いたしましたので、日の目を見ないでおります。そしてまた、これは、残念ながら、没になった計画ではございます。
しかし、地域の乏しい資源を生かすためには相当思い切った、尋常なことではできないんだということを身にしみて感じておりますので、何とかいい方向に生かしていただければなと思っております。
以上、二つの事例を申し上げました。平成十五年につくった産業戦略ビジョンは、大暴走の末、大失敗をいたしました。そして、今度また二十五年につくった計画も、途中で、日の目を見ないでしまいました。
ここでさまざまな教訓を得ました。
まず一つは、人材でございます。
こういう地域おこしをする人材は、産業振興に取り組むには、民間の人間でなければ絶対だめだなということを感じました。さまざまな知識経験が豊富な方はたくさんおられます。コンサルティングでよその事例をいっぱい知っている方もおられます。しかし、実際の経営をわかる方というのは、まず地元では皆無に近いということであります、横手の場合でございます。したがって、こういうよその人、よそ者の経済人を引き受けても待遇面できちっと担保できる、そういう仕組みが欠かせないだろう。
もう一つ申し上げますと、経営の責任でございます。
三セクをつくってやるにしても、あるいは民間主導でそこに市がさまざまな補助金を出すにしても、結果が伴わなければ、責任を問われるのは当然でございます。私もたくさんの結果責任を問われた経験がございますけれども、私は、今日のこういう状況の中では、結果責任を恐れる余り、多分、どこの市町村長も余り危ないことはやらないだろうと思います。議会も怖い、住民も怖い、マスコミがもっと怖い、そういう状況がございます。
私は、そういう経営のリスクを限定する異次元の対応というものがどこかになければ、これだけの厳しい雇用創出が必要とされる時代においては無理だなと思っております。そういうリスクをあえて冒す方には、それなりの対応をしなければいけないのではないかなと思います。
そしてまた、雇用創出にかかわる、あるいは人口減少にかかわるさまざまな予算というのは、各省庁から出ておりますけれども、やはり渡し切りでお願いできた方がいいんじゃないかなと。交付金としてお渡しいただかないと、とてもではないけれども地域のアイデアは生かせないだろうと思います。だから、アイデアがないところには出さないというのは当然だというふうには思います。
それから、地方分権の時代と言われて久しいわけでありますけれども、私ども、秋田県と一部機能を合体して仕事をいたしております。横手市は県の出先機関と同じテリトリーの中にございました。しかし、これは構想はよかったのでありますけれども、なかなか進みません。県の職員も、なかなか、地方分権で、基礎的自治体に対する考え方に、無理解がまだまだばっこしております。国においても、そういう側面は否めないのではないかなと思います。そういう意味では、道州制の問題だとか、一国二制度の問題には果敢に切り込まなきゃならないのではないかなというふうに思うわけでございます。
そして、もう一つ、八市町村で合併いたしました横手市でございます、合併新市の難しいマネジメント上の実態というものに多くの御理解をいただかなければならないのではないかなと思います。
いまだに、大きな声になっているところ、なっていないところがありますけれども、平成の合併を検証するということを声高に言っている方もおられます。もとに戻って何ができるかわかりませんけれども、しかし、平成の合併がもたらした負の側面というのは、いまだに、あるいはこれからもずっとあるんだろうというふうに思います。そういう意識をどうやって取り除いていくのか、また、それに対してどんな温かい手を差し伸べていただけるのかということも大事かなと思います。
そして、最後でございますけれども、これは私の私論でございます、一国二制度の中で論ずる話として適当かどうかわかりませんけれども、これから人口が減り、そして職員の数も減り、さまざまな地域の課題に迅速果敢に、タイムリーに対応するためにも、私は、地方自治体の、基礎的自治体の二元代表制というのに大いなる疑問を持っております。欧米にも一部まだ残っておりますシティーマネジャー制の導入も含めた新しい自治体経営の仕組みというものも、やはり、新しくないかもしれないけれども、今日的課題として検討するに大いに値するのではないかなと思います。
地方議会の議員の皆さんも大変苦しんでおられます。それ以上に首長は苦しんでおるわけでございます。その両方を解決する道とすれば、やはり、民意を二元代表の中に求めてやることの難しさ、そして、合併新市でありますとなおさらでございまして、そういう意味では、頑張る首長、あるいは頑張る議員の皆さんのためにも、新しい仕組みというものもぜひ御検討をいただく必要があると思います。憲法九十三条の改正というような大変な問題もありますので簡単ではないと思いますが、そういう議論も必要ではないかなと思います。
大変拙いお話でございましたけれども、御清聴、感謝申し上げます。ありがとうございます。拍手
鳩
鳩
と
とかしきなおみ#11
○とかしき委員 おはようございます。自民党のとかしきなおみでございます。
本日は、地方創生に関する特別委員会に参考人としてお越しいただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、森市長にお願いしたいと思います。
富山市といいますと、私は、実は薬剤師なので、薬の町として有名なのですごく親近感を覚えてしまうのですけれども、富山市は、いろいろ調べさせていただいたら、最近すごく頑張っていらして、ついこの間も、OECDで、コンパクトシティーの政策のすぐれた町ということで世界の五つの町の中に選ばれていて、まさにこれは日本の誇りだな、このように思っております。この場をかりてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
それでは、すばらしい手腕を発揮なさっています森市長に、幾つかお伺いしたいと思います。
森市長が雑誌とか新聞とかにいろいろコメントを出していらっしゃるのを拝見させていただいて、二〇一〇年の十月号の「ガバナンス」で、人口減少時代に入って、「地域に残された人口力を最大限発揮できる都市構造に転換しなければ、地方都市の衰退は避けられない。」このように市長はおっしゃっているんですけれども、市長がおっしゃっている人口力を最大限に生かすには、条件は一体何なのか、そして、この人口力を最大限に生かすために、今回出ておりますこの法案のどういう部分を最大限活用していけばいいのか、その辺を御示唆いただけたらと思います。
この発言だけを見る →本日は、地方創生に関する特別委員会に参考人としてお越しいただきまして、本当にありがとうございました。
それでは、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、森市長にお願いしたいと思います。
富山市といいますと、私は、実は薬剤師なので、薬の町として有名なのですごく親近感を覚えてしまうのですけれども、富山市は、いろいろ調べさせていただいたら、最近すごく頑張っていらして、ついこの間も、OECDで、コンパクトシティーの政策のすぐれた町ということで世界の五つの町の中に選ばれていて、まさにこれは日本の誇りだな、このように思っております。この場をかりてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
それでは、すばらしい手腕を発揮なさっています森市長に、幾つかお伺いしたいと思います。
森市長が雑誌とか新聞とかにいろいろコメントを出していらっしゃるのを拝見させていただいて、二〇一〇年の十月号の「ガバナンス」で、人口減少時代に入って、「地域に残された人口力を最大限発揮できる都市構造に転換しなければ、地方都市の衰退は避けられない。」このように市長はおっしゃっているんですけれども、市長がおっしゃっている人口力を最大限に生かすには、条件は一体何なのか、そして、この人口力を最大限に生かすために、今回出ておりますこの法案のどういう部分を最大限活用していけばいいのか、その辺を御示唆いただけたらと思います。
森
森雅志#12
○森参考人 御評価をいただいて、ありがとうございます。甚だまだまだ不十分ですが、いろいろなところから注目をいただくようになりましたので、よかったと思っています。
そのときの発言を子細に覚えておりませんけれども、日ごろ思っておりますことは、人口減少の流れの中で、手をこまねいている都市と、しっかりと布石を打っていく都市とでは、人口力に差がついていくだろうというふうに思っています。
雇用をしっかりつくっていくということを中心に据えながら、産業政策をちゃんとやる。と同時に、先ほども言いましたが、教育水準ですとか文化度ですとか福祉の水準ですとか、そういう都市の総合力を高めていくということが、少なくとも、市民が余り流出していかないということにつながると思いますし、外からシフトしていただく方も単身赴任よりも家族で来る人がふえる、そういう視点を持つことがすごく大事だというふうに思っています。
加えて、どんどん人口が減少していく時代にもかかわらず、旧来の拡散型のまちづくりをやっていくと、行政維持管理コストが物すごく増嵩します。それを三十年後、四十年後の少なくなる人口で支えるということですから、一人当たりの負担が大きくなる。そういう不安のあるところは人口力を発揮できないというふうに思いますので、そういうことも含めて、さまざまな角度から安心感が生まれるような取り組みをしていく、これが人口力につながるものだと思っております。お答えになったかどうかわかりませんが。
そのためには、先ほども言いましたが、市域に同じような水準のサービスを提供していくという時代は終わったと割り切る必要があると思っておりまして、それぞれの地域特性を発揮させるためにそれぞれのその施策を尽くしていく、このことにかじを切ることが大事ではないかというふうに思っています。
この発言だけを見る →そのときの発言を子細に覚えておりませんけれども、日ごろ思っておりますことは、人口減少の流れの中で、手をこまねいている都市と、しっかりと布石を打っていく都市とでは、人口力に差がついていくだろうというふうに思っています。
雇用をしっかりつくっていくということを中心に据えながら、産業政策をちゃんとやる。と同時に、先ほども言いましたが、教育水準ですとか文化度ですとか福祉の水準ですとか、そういう都市の総合力を高めていくということが、少なくとも、市民が余り流出していかないということにつながると思いますし、外からシフトしていただく方も単身赴任よりも家族で来る人がふえる、そういう視点を持つことがすごく大事だというふうに思っています。
加えて、どんどん人口が減少していく時代にもかかわらず、旧来の拡散型のまちづくりをやっていくと、行政維持管理コストが物すごく増嵩します。それを三十年後、四十年後の少なくなる人口で支えるということですから、一人当たりの負担が大きくなる。そういう不安のあるところは人口力を発揮できないというふうに思いますので、そういうことも含めて、さまざまな角度から安心感が生まれるような取り組みをしていく、これが人口力につながるものだと思っております。お答えになったかどうかわかりませんが。
そのためには、先ほども言いましたが、市域に同じような水準のサービスを提供していくという時代は終わったと割り切る必要があると思っておりまして、それぞれの地域特性を発揮させるためにそれぞれのその施策を尽くしていく、このことにかじを切ることが大事ではないかというふうに思っています。
と
とかしきなおみ#13
○とかしき委員 ありがとうございました。
市長がよく雑誌等でおっしゃっているのは、選択と集中をどうしていくか、ここが重要だというふうによくコメントを出していらっしゃいますけれども、まさにそのとおりだと思いますし、地域に合った選択と集中をどうしていくのか、ここが、今回、地域の再生の上で大きなポイントになっていくのではないかな、このように思います。
私も、実は、東京で議員をやっていたときに、町の商店街の活性化、ちっちゃな商店街なんですけれども、活性化にちょっと手を、皆さんと一緒にやらせていただいたんですけれども、そのときに、実際にやってみて思ったんですけれども、自治体が出してくる補助金というのは、結構、物に出していくというのが多くて、実際に経済活動をその中に入ってやってみると、お金を生み出していく仕組みの方に本当はもっと補助金というものは出していくべきなのではないかなと。なかなかその仕組みの方にお金を出すことがなく、さらに、それを評価する基準もなかなかないということで、ここが難しいところだなと思います。
その点、私が富山市さんはすごいなと思いましたのは、まずは、公共交通をしっかり、ライトレールの基盤整備、これも思い切って投資なさって、運行頻度を高くしていって、利便性を物すごく一気に向上させていく。普通だったら、使う人が少ないと本数を減らしていくところを、逆に、思い切ってアクセルを踏んでいった。これによって、脱車が実現できて、沿線の住宅が活性化して、地価が上がって、さらに高齢者や障害者に優しい町になるという施設がどんどん、そして民間の投資を呼んでくる、そして最後は死ぬまで歩いて暮らせる富山市ということで、いい流れをつくっていったんだと思うんですね。
こういう、お金の回るというか、いい循環をつくっていく、こういうふうにしていくにはどういうふうに持っていったらいいのか。富山市のように、さっきおっしゃったように自治体によって事情が違うと思うんですけれども、そういういろいろな悩みを持っているほかの自治体の中でこの流れをつくっていくのにどういうふうな発想を持っていったらいいのか、コツがあったら、ぜひ教えていただけたらと思います。
この発言だけを見る →市長がよく雑誌等でおっしゃっているのは、選択と集中をどうしていくか、ここが重要だというふうによくコメントを出していらっしゃいますけれども、まさにそのとおりだと思いますし、地域に合った選択と集中をどうしていくのか、ここが、今回、地域の再生の上で大きなポイントになっていくのではないかな、このように思います。
私も、実は、東京で議員をやっていたときに、町の商店街の活性化、ちっちゃな商店街なんですけれども、活性化にちょっと手を、皆さんと一緒にやらせていただいたんですけれども、そのときに、実際にやってみて思ったんですけれども、自治体が出してくる補助金というのは、結構、物に出していくというのが多くて、実際に経済活動をその中に入ってやってみると、お金を生み出していく仕組みの方に本当はもっと補助金というものは出していくべきなのではないかなと。なかなかその仕組みの方にお金を出すことがなく、さらに、それを評価する基準もなかなかないということで、ここが難しいところだなと思います。
その点、私が富山市さんはすごいなと思いましたのは、まずは、公共交通をしっかり、ライトレールの基盤整備、これも思い切って投資なさって、運行頻度を高くしていって、利便性を物すごく一気に向上させていく。普通だったら、使う人が少ないと本数を減らしていくところを、逆に、思い切ってアクセルを踏んでいった。これによって、脱車が実現できて、沿線の住宅が活性化して、地価が上がって、さらに高齢者や障害者に優しい町になるという施設がどんどん、そして民間の投資を呼んでくる、そして最後は死ぬまで歩いて暮らせる富山市ということで、いい流れをつくっていったんだと思うんですね。
こういう、お金の回るというか、いい循環をつくっていく、こういうふうにしていくにはどういうふうに持っていったらいいのか。富山市のように、さっきおっしゃったように自治体によって事情が違うと思うんですけれども、そういういろいろな悩みを持っているほかの自治体の中でこの流れをつくっていくのにどういうふうな発想を持っていったらいいのか、コツがあったら、ぜひ教えていただけたらと思います。
森
森雅志#14
○森参考人 私たちが最初に取り組んだライトレールを整備したときは、総額で五十八億、資金がかかっています。JRからの寄附ですとか国の補助ですとか、さまざまなものを控除しますと、富山市の純粋な負担は十七億でした。
しかし、それをやることの妥当性ということを市民としっかり議論する、当時は、交通政策基本法は昨年できたばかりですので、民業である交通事業に公費投入することの妥当性ということをしっかり議論する必要がありましたが、そこを説得できたことがよかったと思っています。
ポイントは、はっきり言うと上下分離ということですね。上下分離で、民業でありながらやっていくということによって、まず、民間事業者は人件費も含めた運行経費を運賃収入だけで賄う、そこには補助金を入れない、しかし、上下の下の部分は公費を入れて公設にする。このことによって減価償却と固定資産税が発生しませんので、経営は一気に改善されることになります。
地方のこれからの交通政策ということのポイントはここにあると思っていまして、この上下分離の対象事業を拡大していくことによって、地方交通というのは十分維持できる、復活させられる可能性が出てくると思っています。まずはそういうことをし、そこに人を誘導するための施策をさまざまに展開することでにぎわいが生まれ、地域経済に元気が生まれてくる、こういうことを目指してやってきました。幸い、今のところ順調に推移してきていて、よかったというふうに思っています。
もう一つ、先ほど先生がおっしゃった、地域の商業のみにとどまらず、地域経済のために必要な視点が、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、信用保証協会の制度を抜本から見直す必要があると思います。
与信能力が、もうみんな目いっぱい与信判断されてしまっていて、借りかえだけで動いているというのが地域の経済の実態ですので、もう少し事業の中身ですとか個人の信用とか、あるいは起業にかかわる将来性とか、そういったものについて今までの与信判断とは違う基準でしっかりと見通していく。失敗があってもいいと思います、信用保証の作業に。そこをしっかりやらないと、今はただ失敗することを恐れて保証しない、あるいは金融機関も融資に及び腰、小さな金融機関はひたすら国債を買っているだけというようなことだと思います。ちょっと言い過ぎましたが。
しかし、いずれにしても、そこらあたりに手をつけることで地域経済を動かすという取り組みが大事ではないかというふうに思っています。
この発言だけを見る →しかし、それをやることの妥当性ということを市民としっかり議論する、当時は、交通政策基本法は昨年できたばかりですので、民業である交通事業に公費投入することの妥当性ということをしっかり議論する必要がありましたが、そこを説得できたことがよかったと思っています。
ポイントは、はっきり言うと上下分離ということですね。上下分離で、民業でありながらやっていくということによって、まず、民間事業者は人件費も含めた運行経費を運賃収入だけで賄う、そこには補助金を入れない、しかし、上下の下の部分は公費を入れて公設にする。このことによって減価償却と固定資産税が発生しませんので、経営は一気に改善されることになります。
地方のこれからの交通政策ということのポイントはここにあると思っていまして、この上下分離の対象事業を拡大していくことによって、地方交通というのは十分維持できる、復活させられる可能性が出てくると思っています。まずはそういうことをし、そこに人を誘導するための施策をさまざまに展開することでにぎわいが生まれ、地域経済に元気が生まれてくる、こういうことを目指してやってきました。幸い、今のところ順調に推移してきていて、よかったというふうに思っています。
もう一つ、先ほど先生がおっしゃった、地域の商業のみにとどまらず、地域経済のために必要な視点が、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、信用保証協会の制度を抜本から見直す必要があると思います。
与信能力が、もうみんな目いっぱい与信判断されてしまっていて、借りかえだけで動いているというのが地域の経済の実態ですので、もう少し事業の中身ですとか個人の信用とか、あるいは起業にかかわる将来性とか、そういったものについて今までの与信判断とは違う基準でしっかりと見通していく。失敗があってもいいと思います、信用保証の作業に。そこをしっかりやらないと、今はただ失敗することを恐れて保証しない、あるいは金融機関も融資に及び腰、小さな金融機関はひたすら国債を買っているだけというようなことだと思います。ちょっと言い過ぎましたが。
しかし、いずれにしても、そこらあたりに手をつけることで地域経済を動かすという取り組みが大事ではないかというふうに思っています。
と
とかしきなおみ#15
○とかしき委員 ありがとうございました。
まさにおっしゃるとおりで、お金の回るそういった環境をつくっていく、地域の信用保証、しっかりつくっていって、将来の事業の中身とか将来性とか、地域にどう生かしていくのか、その辺をしっかり見ていくことが大切なのではないかな、このように思います。
実は、今回、地方創生のことについて、国も同じようなことでありまして、いろいろな自治体から提案が来るときにどう評価するのか、ここも結構重要なポイントになってきます。ですから、市長と同じように、選択と集中を国も今回この法案によって求められてくるわけであります。
そこで、今回は、評価基準をしっかりしようということで、今、五つの評価基準が出されております。まず一つ目が自立性、これは外部の人材活用など自立をきちっと支援しているか。二つ目の座標軸が将来性、地方が主体となった夢のある前向きな施策になっているか。三番目が地域性、客観的なデータによりその地域にきちっと根差した施策になっているのか。そして四番目が直接性、これは人や仕事の移転、仕事の創出とか、そういったものに効果が本当にあるのかどうか。最後が結果重視ということで、目指すべき成果が具体的に想定されているかどうか。
ですから、五つですね、自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視ということなんですけれども、この五つの評価基準で今国の方は評価していこうと考えているんですが、そのことについてどういうふうにお考えになるのか。
あともう一つお伺いしたいのが、評価する時間軸、市長は性急に結果を求めるべきじゃないんじゃないかということをよくおっしゃっておりますけれども、では、どれぐらいの時間軸でこれをはかっていったらいいのか、その辺についても御示唆いただければと思います。
この発言だけを見る →まさにおっしゃるとおりで、お金の回るそういった環境をつくっていく、地域の信用保証、しっかりつくっていって、将来の事業の中身とか将来性とか、地域にどう生かしていくのか、その辺をしっかり見ていくことが大切なのではないかな、このように思います。
実は、今回、地方創生のことについて、国も同じようなことでありまして、いろいろな自治体から提案が来るときにどう評価するのか、ここも結構重要なポイントになってきます。ですから、市長と同じように、選択と集中を国も今回この法案によって求められてくるわけであります。
そこで、今回は、評価基準をしっかりしようということで、今、五つの評価基準が出されております。まず一つ目が自立性、これは外部の人材活用など自立をきちっと支援しているか。二つ目の座標軸が将来性、地方が主体となった夢のある前向きな施策になっているか。三番目が地域性、客観的なデータによりその地域にきちっと根差した施策になっているのか。そして四番目が直接性、これは人や仕事の移転、仕事の創出とか、そういったものに効果が本当にあるのかどうか。最後が結果重視ということで、目指すべき成果が具体的に想定されているかどうか。
ですから、五つですね、自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視ということなんですけれども、この五つの評価基準で今国の方は評価していこうと考えているんですが、そのことについてどういうふうにお考えになるのか。
あともう一つお伺いしたいのが、評価する時間軸、市長は性急に結果を求めるべきじゃないんじゃないかということをよくおっしゃっておりますけれども、では、どれぐらいの時間軸でこれをはかっていったらいいのか、その辺についても御示唆いただければと思います。
森
森雅志#16
○森参考人 今おっしゃいましたこの五つの視点というのは当然のことだろうと思いますし、ここをしっかり見ていく必要があると思います。特に、結果の検証ということが非常に大事ではないかというふうに思います。
したがって、計画を進めていく過程過程におけるチェックということが非常に大事で、加えて、データだと思っています。きちっとデータで裏づけしていくということが大事で、皮膚感覚だけで議論してきた嫌いが今までの地方行政にあったと思いますけれども、今、精査すればかなりいろいろなデータがとれますので、そのことを説得材料として市民に説明をして、新たな計画に取り組むということが大事と思っています。
時間軸に関して言いますと、私がしばしば使うのは、今、現在市民だけの声が市民の声ではないということの視点を持つことが大事だと思います。過去の、先人の人たちの苦労してきたこと、例えば、富山市は空襲の被災都市ですので、町の中は非常に広い道路で、歩道も広い道路をつくってくれた当時の人たちの都市計画に対する思い、そういうことにしっかり感謝しながら、そして将来市民にとって何が利益なのかということを、施策を考えるときに絶えずそれを同時に考えていくことが大変大事です。
時間軸、どれくらいだということは根拠は何もありませんけれども、日ごろ思っているのは、三十年後ぐらい。三十年後ぐらいだと、一定程度推計値が出せると思いますので、そのあたりを意識して仕事をしております。
この発言だけを見る →したがって、計画を進めていく過程過程におけるチェックということが非常に大事で、加えて、データだと思っています。きちっとデータで裏づけしていくということが大事で、皮膚感覚だけで議論してきた嫌いが今までの地方行政にあったと思いますけれども、今、精査すればかなりいろいろなデータがとれますので、そのことを説得材料として市民に説明をして、新たな計画に取り組むということが大事と思っています。
時間軸に関して言いますと、私がしばしば使うのは、今、現在市民だけの声が市民の声ではないということの視点を持つことが大事だと思います。過去の、先人の人たちの苦労してきたこと、例えば、富山市は空襲の被災都市ですので、町の中は非常に広い道路で、歩道も広い道路をつくってくれた当時の人たちの都市計画に対する思い、そういうことにしっかり感謝しながら、そして将来市民にとって何が利益なのかということを、施策を考えるときに絶えずそれを同時に考えていくことが大変大事です。
時間軸、どれくらいだということは根拠は何もありませんけれども、日ごろ思っているのは、三十年後ぐらい。三十年後ぐらいだと、一定程度推計値が出せると思いますので、そのあたりを意識して仕事をしております。
と
とかしきなおみ#17
○とかしき委員 ありがとうございました。
それでは、次は辻参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
先ほど人口減少の話が出てきたんですけれども、国も少子化対策に今まで物すごく力を注いできたんですけれども、残念ながら余り効果が上がっていない。これは、私は、もしかして方向性が少し間違っている部分もあるんじゃないかなと最近思うようになってきたんですけれども、辻参考人がごらんになって、日本の少子化対策、人口減少を食いとめる政策で、この部分が特に欠落しているのではないかな、そういうものがありましたら、教えていただけますでしょうか。
この発言だけを見る →それでは、次は辻参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
先ほど人口減少の話が出てきたんですけれども、国も少子化対策に今まで物すごく力を注いできたんですけれども、残念ながら余り効果が上がっていない。これは、私は、もしかして方向性が少し間違っている部分もあるんじゃないかなと最近思うようになってきたんですけれども、辻参考人がごらんになって、日本の少子化対策、人口減少を食いとめる政策で、この部分が特に欠落しているのではないかな、そういうものがありましたら、教えていただけますでしょうか。
辻
辻琢也#18
○辻参考人 少子化対策というのは大きく分けると二つに分かれていると私は思いまして、一つは、いわゆる子育て当事者の経済負担の軽減に関するもの、それからもう一つは、文字どおり、子供の数をふやしていくようなことに帰結するもの、この二つがあると思います。
直接子供の数をふやすというのは、いろいろな個人の選択の問題その他がありまして、今まではどちらかというと、子育て負担を軽減するというところを中心に行ってきたんだと思うんですね。
子供を財に例えて言うとあれですけれども、子供が結局劣等財だとすると、つまり、劣等財というのは所得が高ければ高いほど必要なくなるものという財だと考えると、というのは、過去の日本から考えますと、昔は子供がたくさんいて、今は子供は少ないわけですから、日本はずっと所得が上がってきていますよね。ということは、所得が高くなればなるほど子供が減ってきた、こういう経緯があるんです。
一方、先進国だけ見ると、経済的負担を軽減すれば、やはり子供の数は一定程度復活するんじゃないかというところがあって、要するに、子育て世代の経済的負担の軽減政策が結果的にその世帯の所得効果にとどまっているのか、実際に子供の増加に結びついているのか、そこにまず根本的な問題があって、それから個人の選択の問題があるということで、なかなかかゆいところに手の届くような政策までには至っていないという経緯があるんじゃないかというふうに思います。
子供をつくるということにつきましては、経済政策以外に、子供をつくっていくことが歓迎されているという雰囲気づくり、特に、これが将来にわたっての大きな投資になりますので、そういうような、子育てが安心してできるような国全体の雰囲気づくりというところにもう一度力点を置き直して再構築するのも一つの方法じゃないかというふうに考えております。
この発言だけを見る →直接子供の数をふやすというのは、いろいろな個人の選択の問題その他がありまして、今まではどちらかというと、子育て負担を軽減するというところを中心に行ってきたんだと思うんですね。
子供を財に例えて言うとあれですけれども、子供が結局劣等財だとすると、つまり、劣等財というのは所得が高ければ高いほど必要なくなるものという財だと考えると、というのは、過去の日本から考えますと、昔は子供がたくさんいて、今は子供は少ないわけですから、日本はずっと所得が上がってきていますよね。ということは、所得が高くなればなるほど子供が減ってきた、こういう経緯があるんです。
一方、先進国だけ見ると、経済的負担を軽減すれば、やはり子供の数は一定程度復活するんじゃないかというところがあって、要するに、子育て世代の経済的負担の軽減政策が結果的にその世帯の所得効果にとどまっているのか、実際に子供の増加に結びついているのか、そこにまず根本的な問題があって、それから個人の選択の問題があるということで、なかなかかゆいところに手の届くような政策までには至っていないという経緯があるんじゃないかというふうに思います。
子供をつくるということにつきましては、経済政策以外に、子供をつくっていくことが歓迎されているという雰囲気づくり、特に、これが将来にわたっての大きな投資になりますので、そういうような、子育てが安心してできるような国全体の雰囲気づくりというところにもう一度力点を置き直して再構築するのも一つの方法じゃないかというふうに考えております。
と
とかしきなおみ#19
○とかしき委員 最後に一つだけお伺いしたいんです。
日本は高齢社会に今結構なってしまって、すっかり肩を落として自信を失っているんですけれども、私は、高齢社会は決して悪いことではなくて、これはもっと強みにするべきじゃないかな、世界で一番というのはビジネスチャンスは幾らでもあるので、これを国として日本の国の創生のために武器にするべきではないかな、このように思っているんですけれども、先生の考えを最後にお聞かせいただければと思います。
以上です。
この発言だけを見る →日本は高齢社会に今結構なってしまって、すっかり肩を落として自信を失っているんですけれども、私は、高齢社会は決して悪いことではなくて、これはもっと強みにするべきじゃないかな、世界で一番というのはビジネスチャンスは幾らでもあるので、これを国として日本の国の創生のために武器にするべきではないかな、このように思っているんですけれども、先生の考えを最後にお聞かせいただければと思います。
以上です。
辻
辻琢也#20
○辻参考人 それは全くおっしゃるとおりで、何でこれだけ高齢化しているかというと、長生きになったから。やはり長生きになったことはうれしいですよね。私ももう五十を超えましたので、昔だったらあと十年ぐらいで人生が終わったんですけれども、ちょっと寂しい。
ただ、長寿命化の中で、子供の数が減るのも当然なんだけれども、それが一時的にたくさんの高齢者が滞留する経過時期を今経つつある。これを何とかくぐり抜けると、すばらしい日本になるんじゃないかというふうに思います。
この発言だけを見る →ただ、長寿命化の中で、子供の数が減るのも当然なんだけれども、それが一時的にたくさんの高齢者が滞留する経過時期を今経つつある。これを何とかくぐり抜けると、すばらしい日本になるんじゃないかというふうに思います。
と
鳩
奥
奥野総一郎#23
○奥野(総)委員 民主党の奥野総一郎でございます。きょうは、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
先ほど、辻山先生の冒頭のお話なんですが、まち・ひと・しごとじゃなくて、ひと・まち・しごとじゃないかというのが私は非常に心に響きました。やはり、計画を立てるというのではなかなか動かない。結局、動かすのは人であります。また、お金で縛っても、あるいは権限で縛っても、結局、人が考えてみずから決めていかないといいものはできない。まさに、地方で自分で決めないとうまくいかない、人が主役だというふうに私は理解をしました。そういう意味で、法案の名前をひと・まち・しごとにするのは非常にいいことじゃないかと思うんですね。
また、五十嵐前横手市長も、人の重要性というのをおっしゃっておられました。やはり、横手の焼きそばもそうですけれども、人を得てうまくいくということだと私は思うんですね。
ですから、まず辻山先生に、最初に、ひと・まち・しごととおっしゃったお考えについてもう一度伺いたい。それから、五十嵐前市長には、ひと・まち・しごとというこの御提案についてどうお考えになるかということをまず伺いたいと思います。
この発言だけを見る →先ほど、辻山先生の冒頭のお話なんですが、まち・ひと・しごとじゃなくて、ひと・まち・しごとじゃないかというのが私は非常に心に響きました。やはり、計画を立てるというのではなかなか動かない。結局、動かすのは人であります。また、お金で縛っても、あるいは権限で縛っても、結局、人が考えてみずから決めていかないといいものはできない。まさに、地方で自分で決めないとうまくいかない、人が主役だというふうに私は理解をしました。そういう意味で、法案の名前をひと・まち・しごとにするのは非常にいいことじゃないかと思うんですね。
また、五十嵐前横手市長も、人の重要性というのをおっしゃっておられました。やはり、横手の焼きそばもそうですけれども、人を得てうまくいくということだと私は思うんですね。
ですから、まず辻山先生に、最初に、ひと・まち・しごととおっしゃったお考えについてもう一度伺いたい。それから、五十嵐前市長には、ひと・まち・しごとというこの御提案についてどうお考えになるかということをまず伺いたいと思います。
辻
辻山幸宣#24
○辻山参考人 お答えします。
私は、直観的に「まち」が最初に来ているということの違和感を感じて、この違和感は何なんだろうかというようなことをさまざまな法案の条文とかを見ながら考えてまいりましたけれども、結局、先ほど触れた地方自治法の改正も、町としての単位が消滅することをどう防ぐかということに視点があって、そこで暮らしている人たちの暮らしが既に破綻しているのかどうか、あるいは、もうそこを捨てて大都市へ移りなさいというようなことを言っても、やはり私はここがいいんだという人々の思いをどうやってすくい上げていくのかということを考えると、順序が違うんじゃないかなというようなニュアンスなのです。そういう意味では、余り法律的な意味とかはございません。
以上でございます。
この発言だけを見る →私は、直観的に「まち」が最初に来ているということの違和感を感じて、この違和感は何なんだろうかというようなことをさまざまな法案の条文とかを見ながら考えてまいりましたけれども、結局、先ほど触れた地方自治法の改正も、町としての単位が消滅することをどう防ぐかということに視点があって、そこで暮らしている人たちの暮らしが既に破綻しているのかどうか、あるいは、もうそこを捨てて大都市へ移りなさいというようなことを言っても、やはり私はここがいいんだという人々の思いをどうやってすくい上げていくのかということを考えると、順序が違うんじゃないかなというようなニュアンスなのです。そういう意味では、余り法律的な意味とかはございません。
以上でございます。
五
五十嵐忠悦#25
○五十嵐参考人 先ほど私、地域で、まともという言葉は適切ではありませんけれども、さまざまな難しい課題に立ち向かえる、ビジネスにたけた人間がなかなかいないということを申し上げました。これは、経済的な規模がその地域で大きくない、育っていないというようなこともあるのでありますけれども、私は、今の若い方々が、高望みはしない、将来に対する非常に冷めた目を持ちながらも、今住んでいる町を元気にしたいという思いを物すごく持っている方が多うございます。
私、その方々の行動というのは、例えばSNSを使った交流であったりだとか、あるいは若者が、地域を元気にしたいというような、そういう若者会議をつくって動いたりだとか、あるいは、今、地方はFM放送で一生懸命頑張っているところも多い、横手もそうでありますけれども、そういう中で若い人たちが頑張っている、これをやはりいろいろな意味でサポートする必要があるのではないかなと思っております。
秋田県は、御承知のとおり、小中の学力、成績が大変上位でございますが、どうも秋田県人は、そのことだけを誇って、その先についてはほとんど目をつむっている状況にございます。本当の実力ではない、ましてや、大都市に有為な人材を送り込むための教育に落ちているというような、率直にそんな感想を持ちます。
そういう意味では、地域に残るさまざまな能力、多様な能力、飛び抜けた高い能力ではないかもしれないけれども、そういう方々を、義務教育だけではなくて社会教育も含めて支援していく仕組みというものが、今、自治体はどこもその必要性を感じていますので、そこに手厚い応援をしていただければ、これは、まち・ひとがひと・まちにつながるのではないかなというふうに思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →私、その方々の行動というのは、例えばSNSを使った交流であったりだとか、あるいは若者が、地域を元気にしたいというような、そういう若者会議をつくって動いたりだとか、あるいは、今、地方はFM放送で一生懸命頑張っているところも多い、横手もそうでありますけれども、そういう中で若い人たちが頑張っている、これをやはりいろいろな意味でサポートする必要があるのではないかなと思っております。
秋田県は、御承知のとおり、小中の学力、成績が大変上位でございますが、どうも秋田県人は、そのことだけを誇って、その先についてはほとんど目をつむっている状況にございます。本当の実力ではない、ましてや、大都市に有為な人材を送り込むための教育に落ちているというような、率直にそんな感想を持ちます。
そういう意味では、地域に残るさまざまな能力、多様な能力、飛び抜けた高い能力ではないかもしれないけれども、そういう方々を、義務教育だけではなくて社会教育も含めて支援していく仕組みというものが、今、自治体はどこもその必要性を感じていますので、そこに手厚い応援をしていただければ、これは、まち・ひとがひと・まちにつながるのではないかなというふうに思います。
以上でございます。
奥
奥野総一郎#26
○奥野(総)委員 非常にいいお話でありました。
今のお話を伺うと、やはり人が大切、その地域地域で活躍できる人材が大切だということだと思います。そういう意味で、計画を立てて、交付金を配っておしまいというのではなくて、もう少し時間をかけて中長期で、人材の発掘、育成まで含めた視点が必要かと思います。
そういう意味で、この法案の名前も、私は、「まち」が先に来るんじゃなくて「ひと」を先にするというのは、非常にすばらしい御提案だと受けとめさせていただきます。
そして、次に辻先生に伺いたいと思いますが、人口が減少しようとするこのタイミングで対策を打つというのは、まさに時宜を得ている、プロアクティブな対策が打てるんだと。私も全くそこはそのとおりだと思います。しかし、その政策が果たして有効かどうかということが一番重要だと思うんですね。
先ほど辻山先生もおっしゃっていましたように、これまでもさまざまな地域おこしの政策が打たれてきた。しかし、シャッター通りはそのままでありますし、人口の流出もとまらない、出生率も上がらないということがこの二十年、三十年続いてきたわけであります。
過去の反省というのはもちろん必要だと思いますが、先ほど、この法案を非常に高く評価すると先生はおっしゃっておられました。例えば、定住自立圏と中枢拠点都市と一体どこがどう違うのか。あるいは、今も地域再生法には交付金が幾つかあります。あるいは、さまざまな補助金がいっぱいあります。こうしたものと、今回、全容は明らかではありませんけれども、新しい交付金という言い方がされていますけれども、それはどう違うのか。
この法案によって今までと何がどう違って、どういうふうにワークして地方創生が実現するのか、それについてどうお考えかということを伺いたいと思います。
この発言だけを見る →今のお話を伺うと、やはり人が大切、その地域地域で活躍できる人材が大切だということだと思います。そういう意味で、計画を立てて、交付金を配っておしまいというのではなくて、もう少し時間をかけて中長期で、人材の発掘、育成まで含めた視点が必要かと思います。
そういう意味で、この法案の名前も、私は、「まち」が先に来るんじゃなくて「ひと」を先にするというのは、非常にすばらしい御提案だと受けとめさせていただきます。
そして、次に辻先生に伺いたいと思いますが、人口が減少しようとするこのタイミングで対策を打つというのは、まさに時宜を得ている、プロアクティブな対策が打てるんだと。私も全くそこはそのとおりだと思います。しかし、その政策が果たして有効かどうかということが一番重要だと思うんですね。
先ほど辻山先生もおっしゃっていましたように、これまでもさまざまな地域おこしの政策が打たれてきた。しかし、シャッター通りはそのままでありますし、人口の流出もとまらない、出生率も上がらないということがこの二十年、三十年続いてきたわけであります。
過去の反省というのはもちろん必要だと思いますが、先ほど、この法案を非常に高く評価すると先生はおっしゃっておられました。例えば、定住自立圏と中枢拠点都市と一体どこがどう違うのか。あるいは、今も地域再生法には交付金が幾つかあります。あるいは、さまざまな補助金がいっぱいあります。こうしたものと、今回、全容は明らかではありませんけれども、新しい交付金という言い方がされていますけれども、それはどう違うのか。
この法案によって今までと何がどう違って、どういうふうにワークして地方創生が実現するのか、それについてどうお考えかということを伺いたいと思います。
辻
辻琢也#27
○辻参考人 お尋ねの点、大変難しい、本質的な問いだと思います。
今までの政策とこれからの日本の政策、まず考えなければならないことは、これまでの高度成長の過程においては、目指すべき欧米先進諸国という形で、やはり見えやすい正解が一つあって、それに基づいて日本をどうやって近づければいいかという話が比較的組み立てやすかったんだと思います。
これに対して、これからは、先ほども言いましたように、一億人も超える国で将来二〇五〇年に約四〇%の高齢者になる、しかも、その高齢者を前提に、皆年金、皆保険の制度を維持していく、こういう制度をつくっていくわけですから、今までの他国の知恵がなかなかストレートに使えず、日本として、国と地方が一緒に試行錯誤してやっていかないとできない、こういう状況だと思うんですね。
したがって、先見的に一つ正しい政策がぱっと見えて、それに基づいて真っすぐ国も地方もぶつかっていくなら費用対効果は非常に高いかもしれませんけれども、現実問題は、国も地方も解答を模索しながらやっていく。その過程の中には、今後もある程度、失敗は必ずつきものになるというふうには思います。
しかし、先生御指摘のとおり、今までの失敗から学ばなければならないこともありまして、その学ぶべきことの一番は、仮にいいことをしたとしても、時期が遅いとやはり効果が限定されるということだと思うんです。今回、ともかくこの時期に、とりあえず体制を整えて、超高齢化に取り組む、人口減少に取り組むという体制をつくったということは、これまでの失敗を踏まえて、それに対してより積極的な施策を出す一つになっているんじゃないかというふうに私は思います。
こういう形で、今回の施策の中に、一つずつ、少しずつ解決していく方向がありまして、先ほど議論のあった中にも、何年の検証期間で今回の事業を評価すべきかということがあると思うんですね。
結果が必ず正しければ、私は、三十年後の評価で十分だと思います。しかし、未知なことに挑戦して、三十年後に、やって失敗しました、それではもう取り戻しができないということになると、やはりある程度年月を切って考えなきゃだめだ。しかし、では、毎年成果を出せというと難しい。
そうなると、やはり、五年、十年、十五年と五年タームぐらいで、しかし、五年後と十年後、十年後と十五年後で基準を少し変えていくというような形でしっかり検証を進めていく。この検証を進めていくというのが、もう一つ、これまでの失敗に対する今回提起されている新しい施策の一つではないかというふうに思います。
ちょっと今回の法案とは離れますが、定住自立圏と地方中枢拠点都市圏構想について言及がありましたので、これについて簡単にお話ししますと、定住自立圏構想につきましては、今までの、圏域を国で指定するという考え方から、自治体の中で中心市とそれぞれの近隣市町村が一対一で提携を結んで、その中で必要なことをやっていく、こういう制度でした。これは、医療ですとか公共交通ですとか、一定の効果を上げているんですが、今回問題になっている雇用対策については、なかなか目に見えた成果が出ない。
それで、今度の地方中枢拠点都市圏構想で、市を中心に雇用をつくり出せるような大きい圏域で、中心市の中に全てを集中するのではなくて、圏域全体の経済にプラスになるような施策をしっかりリーダーシップをとってやってほしいということで、新中核市以上を中心に今度の地方中枢拠点都市圏構想が出てきているという経緯がありまして、広域行政圏、それから定住自立圏、それから定住自立圏のできなかったところを補う形で地方中枢拠点都市圏構想と、一応これまでの成果を踏まえた政策構成になっているんじゃないかと私自身は考えております。
この発言だけを見る →今までの政策とこれからの日本の政策、まず考えなければならないことは、これまでの高度成長の過程においては、目指すべき欧米先進諸国という形で、やはり見えやすい正解が一つあって、それに基づいて日本をどうやって近づければいいかという話が比較的組み立てやすかったんだと思います。
これに対して、これからは、先ほども言いましたように、一億人も超える国で将来二〇五〇年に約四〇%の高齢者になる、しかも、その高齢者を前提に、皆年金、皆保険の制度を維持していく、こういう制度をつくっていくわけですから、今までの他国の知恵がなかなかストレートに使えず、日本として、国と地方が一緒に試行錯誤してやっていかないとできない、こういう状況だと思うんですね。
したがって、先見的に一つ正しい政策がぱっと見えて、それに基づいて真っすぐ国も地方もぶつかっていくなら費用対効果は非常に高いかもしれませんけれども、現実問題は、国も地方も解答を模索しながらやっていく。その過程の中には、今後もある程度、失敗は必ずつきものになるというふうには思います。
しかし、先生御指摘のとおり、今までの失敗から学ばなければならないこともありまして、その学ぶべきことの一番は、仮にいいことをしたとしても、時期が遅いとやはり効果が限定されるということだと思うんです。今回、ともかくこの時期に、とりあえず体制を整えて、超高齢化に取り組む、人口減少に取り組むという体制をつくったということは、これまでの失敗を踏まえて、それに対してより積極的な施策を出す一つになっているんじゃないかというふうに私は思います。
こういう形で、今回の施策の中に、一つずつ、少しずつ解決していく方向がありまして、先ほど議論のあった中にも、何年の検証期間で今回の事業を評価すべきかということがあると思うんですね。
結果が必ず正しければ、私は、三十年後の評価で十分だと思います。しかし、未知なことに挑戦して、三十年後に、やって失敗しました、それではもう取り戻しができないということになると、やはりある程度年月を切って考えなきゃだめだ。しかし、では、毎年成果を出せというと難しい。
そうなると、やはり、五年、十年、十五年と五年タームぐらいで、しかし、五年後と十年後、十年後と十五年後で基準を少し変えていくというような形でしっかり検証を進めていく。この検証を進めていくというのが、もう一つ、これまでの失敗に対する今回提起されている新しい施策の一つではないかというふうに思います。
ちょっと今回の法案とは離れますが、定住自立圏と地方中枢拠点都市圏構想について言及がありましたので、これについて簡単にお話ししますと、定住自立圏構想につきましては、今までの、圏域を国で指定するという考え方から、自治体の中で中心市とそれぞれの近隣市町村が一対一で提携を結んで、その中で必要なことをやっていく、こういう制度でした。これは、医療ですとか公共交通ですとか、一定の効果を上げているんですが、今回問題になっている雇用対策については、なかなか目に見えた成果が出ない。
それで、今度の地方中枢拠点都市圏構想で、市を中心に雇用をつくり出せるような大きい圏域で、中心市の中に全てを集中するのではなくて、圏域全体の経済にプラスになるような施策をしっかりリーダーシップをとってやってほしいということで、新中核市以上を中心に今度の地方中枢拠点都市圏構想が出てきているという経緯がありまして、広域行政圏、それから定住自立圏、それから定住自立圏のできなかったところを補う形で地方中枢拠点都市圏構想と、一応これまでの成果を踏まえた政策構成になっているんじゃないかと私自身は考えております。
奥
奥野総一郎#28
○奥野(総)委員 定住自立圏については、基本的に財源がきちんと担保されていなかったという面もあると思うんですね。ですから、一般財源たる交付税をきちんと交付していくということが私は大事だと思います。先ほど辻山先生も、やはり一般財源たる交付税をきちんと保障する、法定税率の引き上げを含めて考えるべきだとおっしゃっておりました。全く同感であります。
もう一度辻山先生に伺いたいんですが、地方創生のあるべき姿というのは、今打てる政策としてはどういうものがあるのか。先ほど交付税とおっしゃっていました。あと、一括交付金ですね。我々が政権のときに一括交付金をつくりました。先ほど富山市長も、内閣府で束ねて配るべきだと。まさにこれは一括交付金と同じだと思うんです。
交付税を厚くした上で、既存の補助金を束ねて使い勝手のいい一括交付金を再度復活させるべきだと思いますが、その点について、辻山先生、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →もう一度辻山先生に伺いたいんですが、地方創生のあるべき姿というのは、今打てる政策としてはどういうものがあるのか。先ほど交付税とおっしゃっていました。あと、一括交付金ですね。我々が政権のときに一括交付金をつくりました。先ほど富山市長も、内閣府で束ねて配るべきだと。まさにこれは一括交付金と同じだと思うんです。
交付税を厚くした上で、既存の補助金を束ねて使い勝手のいい一括交付金を再度復活させるべきだと思いますが、その点について、辻山先生、いかがでしょうか。
辻
辻山幸宣#29
○辻山参考人 趣旨は私も全くそのとおりだというふうに理解しています。恐らくそのことが今回のこの法案の成否を分けるのではないか。
つまり、さまざまな意欲を引き出し、計画化し、そしてそれについて財政的な手当てをしていく、その手当ての仕方のところが、まさに今あちこちで批判されている、これはやはり上意下達的な、集権的な計画体系ではないかというふうな批判に対してきちっと応え得るような交付の仕組み、これは民主党政権時代の一括交付金というのも当然検討に値するものだと思いますが、それも含めて、言ってみれば、財政資金の交付の仕方というものを編み出していく必要があるんじゃないかという気がしています。
ただ、議員御指摘のように、現行では一括交付金方式というものが一番近いかなという気持ちには変わりありません。
以上です。
この発言だけを見る →つまり、さまざまな意欲を引き出し、計画化し、そしてそれについて財政的な手当てをしていく、その手当ての仕方のところが、まさに今あちこちで批判されている、これはやはり上意下達的な、集権的な計画体系ではないかというふうな批判に対してきちっと応え得るような交付の仕組み、これは民主党政権時代の一括交付金というのも当然検討に値するものだと思いますが、それも含めて、言ってみれば、財政資金の交付の仕方というものを編み出していく必要があるんじゃないかという気がしています。
ただ、議員御指摘のように、現行では一括交付金方式というものが一番近いかなという気持ちには変わりありません。
以上です。