安全保障委員会

2015-03-31 衆議院 全221発言

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会議録情報#0
平成二十七年三月三十一日(火曜日)
    午後二時開議
 出席委員
   委員長 北村 誠吾君
   理事 小野寺五典君 理事 門山 宏哲君
   理事 金子万寿夫君 理事 新藤 義孝君
   理事 武田 良太君 理事 大串 博志君
   理事 下地 幹郎君 理事 佐藤 茂樹君
      今津  寛君    江渡 聡徳君
      小田原 潔君    大西 宏幸君
      大野敬太郎君    木原 誠二君
      木原  稔君    木村 弥生君
      笹川 博義君    中谷 真一君
      野中  厚君    浜田 靖一君
      原田 憲治君    武藤 貴也君
      村井 英樹君    小川 淳也君
      玉木雄一郎君    津村 啓介君
      足立 康史君    柿沢 未途君
      吉村 洋文君    伊佐 進一君
      赤嶺 政賢君    照屋 寛徳君
    …………………………………
   防衛大臣         中谷  元君
   外務副大臣        城内  実君
   農林水産副大臣      あべ 俊子君
   防衛副大臣        左藤  章君
   文部科学大臣政務官   山本ともひろ君
   防衛大臣政務官      原田 憲治君
   防衛大臣政務官      石川 博崇君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 鈴木 秀生君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   西田 安範君
   政府参考人
   (水産庁長官)      本川 一善君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  田村明比古君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房技術監) 外園 博一君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  黒江 哲郎君
   政府参考人
   (防衛省経理装備局長)  三村  亨君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  中島 明彦君
   安全保障委員会専門員   齋藤久爾之君
    —————————————
委員の異動
三月三十一日
 辞任         補欠選任
  木原 誠二君     村井 英樹君
  野中  厚君     木村 弥生君
  吉村 洋文君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 弥生君     野中  厚君
  村井 英樹君     木原 誠二君
  足立 康史君     吉村 洋文君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法案(内閣提出第二〇号)
     ————◇—————
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北村誠吾#1
○北村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房参事官鈴木秀生君、財務省主計局次長西田安範君、水産庁長官本川一善君、国土交通省航空局長田村明比古君、防衛省大臣官房技術監外園博一君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君、防衛省防衛政策局長黒江哲郎君、防衛省経理装備局長三村亨君、防衛省地方協力局長中島明彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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北村誠吾#2
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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北村誠吾#3
○北村委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。門山宏哲君。
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門山宏哲#4
○門山委員 自由民主党の門山宏哲でございます。
 本日は、冒頭、沖縄の普天間飛行場移設問題について、中谷防衛大臣に質問させていただきます。
 普天間飛行場の移設については、翁長沖縄県知事が、辺野古新基地反対を県政の柱とし、知事の行政権限の行使として工事を中止する旨、公言しております。その一環として知事は、三月二十三日に、海上作業を一切停止するよう指示を出しました。これに対し、沖縄防衛局は、当該指示はバランスを欠き、岩礁破砕の理解を誤っているなどとして、農水大臣に審査請求と執行停止の申し立てを行いました。そして、昨日、農水大臣は執行停止を決定いたしました。
 このような国と地方自治体との間での法律論争は、国民から見て非常にわかりづらいので、大事な論点について、二、三お尋ねいたします。
 まず、沖縄県は、沖縄防衛局が辺野古沖で行ったアンカーの設置によって、沖縄県漁業調整規則に基づく許可を得ずに岩礁破砕行為がなされた蓋然性が高いと主張して、全ての作業の停止を指示しましたが、他方、沖縄防衛局は、水産資源保護法の目的に照らせば、アンカーの設置は地殻そのものを変化させる行為ではないので、岩礁破砕に当たらないと説明しております。
 このように国と県の見解が一致していない中、当該規則の有権解釈権は県側にあるという主張もなされておりますが、防衛大臣のこの点に関する所見をお伺いいたします。
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中谷元#5
○中谷国務大臣 三月二十三日、沖縄県知事から沖縄防衛局長に対し、普天間代替施設建設に係る作業の全てを停止すること、また、これに従わない場合は、沖縄県漁業調整規則に基づく岩礁破砕許可を取り消すことがある旨の指示が出されました。
 この沖縄県漁業調整規則は、水産資源保護法の規定を根拠としております。その上で、同法の規定に基づき都道府県知事が規則を定める事務は法定受託事務とされ、知事が規則を定めるに当たっては、農林水産大臣の認可を受けなければならないと承知をしております。
 このため、沖縄県が沖縄県漁業調整規則に基づき事務を処理するに当たっては、水産資源保護法を所管する農林水産省が示す通知文や解釈の範囲内で行われる必要があると認識をいたしております。
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門山宏哲#6
○門山委員 法と規則の関係についての御説明、よくわかりました。
 それでは、今問題となっている岩礁破砕については、農水省からは何らかの通知文やあるいは解釈を示されているのでしょうか。
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中谷元#7
○中谷国務大臣 岩礁破砕に関しては、水産庁は、平成二年三月一日に、山口県からの問い合わせに対する回答として、岩礁とは海域における地殻の隆起形態であり、この隆起形態を変化させる行為が破砕であるという解釈を示しているものと承知をいたしております。
 したがって、沖縄県漁業調整規則における岩礁破砕の解釈についても、この解釈に従うことになると理解をいたしております。
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門山宏哲#8
○門山委員 よくわかりました。
 また、沖縄県は、沖縄防衛局長、すなわち国の一機関が同じ政府部内の農水省に審査請求を行うのはおかしいと主張しておりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
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中谷元#9
○中谷国務大臣 一般に、国や地方自治体の機関が、その固有の資格においてではなく、一般私人と同様の立場で処分を受ける場合には、行政不服審査法に基づく不服申し立ての資格を有すると解されると承知をいたしております。
 沖縄県漁業調整規則において許可が必要であることは、国であっても特に区別はなく、沖縄防衛局は私人の事業者と異なるところはないことを踏まえれば、沖縄防衛局長が農林水産大臣に対し審査請求等を行うことは、法律上可能と考えております。
 また、水産資源保護法の規定によれば、審査請求に対する農林水産大臣の決裁を経た後でなければ、処分取り消しの訴えを提起することができないとされております。そのため、沖縄防衛局長は、今月二十三日の沖縄県知事の指示の効力について争うため、審査請求等を行ったものでございます。
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門山宏哲#10
○門山委員 大臣、丁寧な御説明、ありがとうございました。
 続きまして、特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法案について、何点かお伺いいたします。
 本法案は、国が特定防衛調達に係る国庫債務負担行為の年限を財政法上五年を上限としているところ、十年に延長することとしておりますが、この延長する趣旨は何でございましょうか。
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中谷元#11
○中谷国務大臣 現下の一層厳しさを増す財政状況のもとで防衛力整備を着実に実施していくためには、装備品等の調達コストを縮減するとともに、安定的な調達を行っていくことが不可欠でございます。
 他方、装備品等については、調達のスケールメリットが働きにくく、また、企業としても高い予見性を持って計画的に事業を進めていくということが難しいという特殊性がございます。
 今般新たに法律を整備して、最長十年の長期契約を可能とすることによりまして、国としては、装備品等の安定的な調達が可能となり、大綱及び中期防に基づく計画的な防衛力整備ができます。また、企業としては、中長期的な見通しのもと、人員や設備の計画的な活用が可能となるとともに、資材や部品をまとめて一括発注することで、コストの縮減が可能となります。さらに、企業の予見可能性が高まることで、防衛産業から撤退防止にも寄与するなど、防衛生産、技術基盤の安定化にもつながります。
 なお、平成二十七年度の予算案におきましては、新たな法律の成立を前提として、二十機の固定翼哨戒機P1を調達し、約四百十七億円の縮減を見込んでおります。
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門山宏哲#12
○門山委員 今、一部御説明いただきましたけれども、具体的に、長期契約の対象となる装備品、P1もそうでございましょうが、それとか、あるいは装備品等の整備に係る役務というのも今回対象になっているわけでありますが、それはどのようなものがございますでしょうか。
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中谷元#13
○中谷国務大臣 長期契約の対象となりますのは、法案第一条の規定に鑑みれば、防衛力整備を確実に実施していくために必要となる装備品等及びその整備の役務であって、五カ年度を超える長期契約によりコストの縮減と安定的な調達が見込まれるものであり、具体的には、中長期的な防衛所要を勘案した上で、防衛大綱、中期防に基づき、確実かつ計画的に調達することが不可欠なものであること、製造期間を通じて仕様が安定していると見込まれ、長期契約により、企業が部品を一括で発注することなどでコスト縮減効果が期待できるものであること、長期契約によることで安定的な調達に資するとの効果が期待できるものであることといった要件を満たす必要があると考えております。
 具体的には、各年度の予算編成過程で財政当局と調整を行う必要があり、現時点で確たることを申し上げることはできませんが、例えば装備品等については、回転翼機のSH60KやUH60J、また、整備の役務については、成果保証契約、いわゆるPBL契約が対象になり得ると考えております。
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門山宏哲#14
○門山委員 二〇一三年十二月十七日に閣議決定された平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画では、防衛力整備の効率化を徹底する必要があるとし、特に中期防においては、二〇一三年度価格において五年間で約七千億円程度を調達改革等を通じた効率化により確保するとしておりますが、五年で七千億円も削減できるのでしょうか。
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三村亨#15
○三村政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛大綱、中期防におきましては、格段に厳しさを増す財政状況を踏まえて、防衛力整備において一層の効率化、合理化を図ることとし、そのために、今般、長期契約の導入を初め、各種の調達効率化策に取り組む旨が定められております。
 中期防においては、おおむね七千億円程度の実質的な財源の確保を図るとされていることから、二十六年度に約六百六十億円、二十七年度に約千五百三十億円と、合わせて二千二百億円程度の節減を図ったところでございます。
 今後三年間で四千八百億円程度の節減を図ることとなりますが、長期契約を含めた各種の調達効率化策により、引き続き調達コストの縮減に努めてまいります。
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門山宏哲#16
○門山委員 本法は二〇一九年三月三十一日限りの時限立法とされておりますが、時限立法とした理由は何ですか。
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三村亨#17
○三村政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛省は、現在、平成三十年度までを期間とする中期防に基づき、計画的に防衛力整備を行っております。また、今般の長期契約法は財政法の一般原則の例外を設けるものであるため、財政への影響も勘案しながら、その効率化等の効果を評価する必要もあると考えております。このような観点から、本法律案を平成三十年度末までの時限法といたしたところでございます。
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門山宏哲#18
○門山委員 先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、本法律により、我が国の下請企業の防衛産業からの撤退防止に寄与することが考えられるということがあるんでしょうか。具体的にはどのように寄与されるということでしょうか。
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中谷元#19
○中谷国務大臣 近年、防衛装備品の高度化、また複雑化等に伴い調達数量が減少しておりまして、一部の企業におきましては防衛事業から撤退等が生じております。P1の製造に係る企業におきましても、これまで、機体、またエンジン等の部品を製造する企業が複数社撤退をしております。
 こうした中で、長期契約を導入することについては、企業としても将来の調達予定数量が確約をされ、人員、設備の計画的な活用ができるなど予見可能性が高まるために、装備品等の調達に係る企業の撤退防止に寄与できるものであると考えております。
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門山宏哲#20
○門山委員 この法律により、今後とも、防衛生産、技術基盤の維持強化を図りつつ、防衛予算が有効に活用されることを期待して、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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北村誠吾#21
○北村委員長 次に、伊佐進一君。
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伊佐進一#22
○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。
 本日は、長期契約法の審議ということでございますが、安保環境が変化していくという中で、しっかりした対応、備えというものを行っていく、これはもう当然のことでございますが、同時にまた、限られた資源の中で防衛力を維持整備していくという必要性もある。その中で、当然、調達において、調達の仕方をどうするのか、あるいは契約の仕方をどうするのかということは大事な議論であると思っております。
 今回、この長期契約法の目的というのは、まず、しっかりまとめて買うということで、調達コストを削減しよう、減らしていこう、もう一つは、最長十年の契約で安定的な調達を行っていこうという、端的に言えばこの二つだというふうに認識をしております。
 私、前職で宇宙開発に携わっていたことがございます。その中で、宇宙関連産業というのも実は今同じ状況です。つまり、宇宙関連予算というのはどんどん先細っていく、その中で、宇宙の産業基盤というのが失われていっている、こういう状況です。それで、技術を持つ下請企業、特に中小企業の皆さん、これがどんどんこの世界から撤退していっている、日本の技術が失われているというような状況になっております。
 宇宙の世界では、ロケットを毎年四機打ち上げると何とか製造ラインが維持できるというふうに言われています。ところが、私が携わっていたときは、多くて年三機、少ないときは二機、一機、ゼロ機というときもありました。こういう状況の中で、企業の側からすれば、予見可能性がないとビジネスとしてなかなか成り立たない。つまり、調達コストの縮減という一つの目的ができないどころか、技術そのものがどんどん失われていくというのが現状ではないかと思います。そういう意味では、今回の長期契約法、非常に重要だというふうに認識をしております。
 具体的に、今回対象となりますのが、固定翼の哨戒機P1二十機、四百億円の削減になるというふうに言われておりますが、今回、平成二十七年度の予算の中には、ほかにもいろいろな買い物があります。例えば、F35ステルス戦闘機、あるいはオスプレイとかグローバルホーク、こういう調達も入っていますが、今回、この長期契約の対象にはこうしたものというのはなっていないというふうに認識しております。これらを長期契約の対象にしなかったのはなぜかということをお答え願えればと思います。
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三村亨#23
○三村政府参考人 お答え申し上げます。
 長期契約の対象となる装備品等は、防衛力整備を確実に実施していくために必要となるものであって、五カ年度を超える長期契約により調達することでコストの縮減と安定的な調達が見込まれるものでございます。
 具体的には、中長期的な防衛所要を勘案した上で、防衛大綱、中期防に基づき、確実かつ計画的に調達することが不可欠なものであること、製造期間を通じて仕様が安定していると見込まれ、長期契約により、企業が部品を一括で発注することなどによりコストの縮減効果が期待できるものであること、長期契約によることで安定的な調達に資するとの効果が期待できるものであることといった要件を満たす必要があると考えております。
 この点、御指摘の装備品等につきましては、現段階では必ずしも製造期間を通じて仕様が安定しているとは言えず、また、長期契約によることで安定的な調達に資するとの効果が期待できるものであるとも言えないため、平成二十七年度予算においては、長期契約の対象としてはなじまないと判断したものでございます。
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伊佐進一#24
○伊佐委員 調達コストの縮減だけではない、今、二つの目的がございますが、安定的な調達というところもしっかり考慮するんだという御答弁だったかと思いますが、この二つのうちの一つ、調達コストの縮減といったときに、これは、そもそも、長期契約で安くなるという以前に、現在の調達コストというのは果たしてどうなんだ、適正なのかという議論は常に行われているわけです。
 これまで何度も指摘されてきたのは、企業からの過大請求というものが議論になっておりました。
 防衛省の防衛調達の不祥事のリストというものがあります。きょうはお配りしておりませんが、この中を見せていただくと、例えば平成二十四年では八件の不祥事、平成二十五年では七件ありますが、これは、内容を見ますと、そのほとんどが過大請求です。何でこれほど過大請求が起こるのか。もしかすると契約の仕方に問題があるんじゃないかという点です。
 お配りした資料を一枚見ていただくと、二つの契約方法がある。一つは、一般確定契約、上の部分。もう一つは、原価監査つき契約と言われるものです。
 この一般確定契約というのは、企業との間で契約額が決まっている。その後は企業努力で、例えば、原価をどんどん安くすることができれば、その分利益が上がるということになります。当然、原価が膨らんでしまうと、その分は企業の責任として企業がみずからのみ込むということになる。最初から額が決まっているのが上の一般確定契約です。
 下の方が、原価監査つき契約。これは、ある額で契約はするんですが、その後で、もし企業努力で一生懸命原価をダウンさせた、節約した、そうするとそこで利益が上がるわけですが、今回、この下の方の契約というのは、上がった利益は全部国に返納するという契約です。逆に、原価がどんどん膨らんでしまったときにはどうなるかというと、その分は、当初の契約以上は払いません、自分たち企業で責任を持って吸収しなさい、こういう契約になっているわけです。
 これであれば、下の契約であれば、当然、企業としてはある程度余裕を見ないといけない、リスクを吸収できるような額にしないと商売は成り立たない。だから、少し多目に契約を見積もりたくなるというような構図じゃないかと思います。
 そこで、こうした契約が過大請求の温床になっているんじゃないか。実際に、契約本数自体は、上の一般確定契約が九割で、下の契約は一割ぐらいなんですが、金額ベースでいくと大体同じぐらい、半分半分だ。つまり、下の契約の方が大物の契約が多いという認識だと思いますが、こういう契約の仕方が過大請求の温床になっているんじゃないかという指摘に対して、防衛省はどう考えられますでしょうか。
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吉田正一#25
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたような超過利益返納条項つき契約でございますが、これにつきましては、片務的な契約ではないかというような指摘をこれまでも受けてまいったところでございます。
 そういった御指摘も踏まえまして、防衛省といたしましては、あらかじめ契約代金を確定することが可能な場合については、先生が御指摘になられた、上の一般確定契約というようなものにするように努めているところでございます。
 また、下の超過利益返納条項つき契約につきましても、米国の例も参考にしつつ、契約のリスクを官と民が適切にシェアする仕組みについて、現在、防衛省の中に設置しました有識者から成る契約制度研究会、こういった場で検討を進めているところでございます。
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伊佐進一#26
○伊佐委員 今、こうした議論がようやく始まったという段階だと思います。先ほど御答弁の中にもありましたように、もし原価が膨らんでしまったという場合には、例えば、先ほどアメリカの例をおっしゃっていただきましたが、原価の部分は、そこはしっかり補償しましょう、コスト補償、こういうものをする米国の例もありますので、ぜひさまざま検討いただければと思います。
 この調達コストが、開発するに当たってどんどん拡大していくという悩み、これは宇宙開発も同じでして、当初の見積もりよりどんどん拡大していくというのがよくあります。こうしたコストの拡大への対処として大事なことは、プロジェクト管理がちゃんと行われているかどうかという点じゃないかと思います。
 つまり、技術担当だけがそこにかかわるのではなくて、運用に携わるような部局、各幕であるとかあるいは内局、こういうものも全部一緒になってプロジェクト管理がしっかりできているかどうかが大事ではないかと思います。つまり、それぞれの立場で、一方的に注文をつけるだけであればどんどんコストは膨らんでいきますので、そうではなくて、コスト管理に同じように参画する、同じようにコストに責任を持つ、運用部署も含めて責任を持つということが大事じゃないかと思います。
 また、大事な点、私が思いますのは、コストが増加することに対してきちんと要因分析されているのかどうかということが大事じゃないかと思います。
 アメリカの例でナン・マッカーディー法というのがあると伺っております。これは、当初の見積もりよりもし膨らんだ場合、一定以上膨らんだ場合、例えば、一定以上膨らんで顕著なコスト上昇というふうに認定される場合、あるいは、さらにさらに膨らんで危機的なコスト上昇というふうに言われた場合には、このコストの上昇の要因をしっかり分析する、そして、事業を果たして継続すべきかどうか、この必要性も判断する、大臣にしっかり報告をして、その上で公表するというような仕組みがございます。
 こうした他国の例も含めて、プロジェクト管理をしっかり強化していくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
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吉田正一#27
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、装備品のライフサイクルを通じたプロジェクト管理というのは極めて大事だと防衛省も認識してございまして、プロジェクトマネジャー等を設置するなどの取り組みの強化を図っているところでございます。
 また、その一環としまして、今御指摘ございました米国のナン・マッカーディー条項、こういったものも参考にしながら、プロジェクト管理開始時に設定した見積額に対して一定の基準を超えるコスト上昇が認められた場合については、原因をしっかり分析し、事業継続の必要性、コスト上昇に対する対処可能性とかをきっちり大臣に報告し、御判断を仰いでいく、こういった制度の運用について検討を進めているところでございます。
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伊佐進一#28
○伊佐委員 現在検討を進めているということでございました。
 今までの話は、製造コストと開発コストの問題を取り上げさせていただきましたが、もう一つは、維持管理あるいは整備の費用。今、その維持管理費用というのがどんどん高騰していると伺っております。それによって新規調達の費用を大分、予算を圧迫していると伺っております。
 この一つの原因として、製造であれば、プライム企業というのがあって、そこが全部、各企業を取りまとめる、サブコンを取りまとめているというような調達の仕方をしていると伺っておりますが、実際に修理とか部品の供給、こういう点でどういうやり方をしているかというと、防衛省がそれぞれ部品のベンダーとか各企業と直接契約している。つまり、ばらばらに契約している。しかも、防衛省が誰と契約しているか。防衛省の中も、装備施設本部であったりとか各幕の補給本部がやっていたりとか、こういうやり方をしている。つまり、それぞれ複雑な契約が多重に結ばれているというような現状だというふうに伺っております。
 これは、どこか一つ部品がおくれてしまうだけで装備の可動率が思い切り下がるというような状況になりますので、製造だけじゃなくて維持整備についてもプライムを採用すべきじゃないかと思いますが、簡単に御回答いただければと思います。
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吉田正一#29
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、維持整備の経費をきちんとコントロールするということも大事なことでございます。
 その一環といたしまして、先生御指摘のような、ばらばらに契約するのではなく、維持整備に係る業務を一括して代表企業に委託する、大臣が先ほど申し上げましたPBL契約、成果保証契約でございますが、私どもはこういったものを導入しているところでございまして、これをきちんと広げていきたいというふうに考えてございます。
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